JP2005126600A - 燃料改質方法および燃料改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡便な装置により内燃機関用燃料の性状を内燃機関の負荷状態に応じてより細やかに調節し、より最適な状態で内燃機関に供給しうる手段を提供する。
【解決手段】 内燃機関用燃料と水との混合物を、前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で触媒と接触させて、内燃機関用燃料を改質する方法であって、内燃機関の負荷状態に応じて、改質する際の反応条件を制御することで、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させることを特徴とする、内燃機関用燃料の改質方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関用燃料の改質に関する。
一般に、自動車等に搭載される内燃機関においては、その負荷状態に応じて、要求される燃料の性状や供給量は時々刻々と変化する。一方、内燃機関に最適な状態の燃料が供給されない場合には、排ガスの性状、燃費および排気浄化触媒の性状等に悪影響を及ぼすことが知られている。
そこで従来、内燃機関の負荷状態に応じて、供給される燃料の性状や供給量を最適な状態に調節して内燃機関に供給することを目的とする種々の技術が開発されている。
例えば、様々な形態の燃料を内燃機関に供給する技術として、内燃機関用燃料と被混合流体との混合物であって被混合流体が超臨界状態となっている混合燃料と、被混合流体を含まず燃料のみからなる非混合燃料とのいずれか一方を、選択的に切り替えて内燃機関内に噴射する、燃料供給装置が開示されている(特許文献1を参照)。なお、被混合流体としては、水、二酸化炭素、水素、アルコール、炭化水素等が例示されている。
前記文献1の技術によれば、2種の燃料を選択的に供給することが可能ではあるものの、混合燃料と非混合燃料とを弁で切り替えて供給する点に特徴がある。このため、負荷状態の変動に応じて供給される燃料の性状を連続的に変化させることは困難であるという問題があった。また、前記文献1に記載の燃料供給装置においては、燃料流路の配管が複雑であるという問題もあった。
特開2002−161821号公報
そこで本発明は、従来よりも簡便な装置により内燃機関用燃料の性状を内燃機関の負荷状態に応じてより細やかに調節し、より最適な状態で内燃機関に供給しうる手段を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関用燃料と水との混合物を、前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で触媒と接触させて、内燃機関用燃料を改質する方法であって、
内燃機関の負荷状態に応じて、改質する際の反応条件を制御することで、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させることを特徴とする、内燃機関用燃料の改質方法である。
また本発明は、内燃機関用燃料および水が、前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で混合している混合物を生成するための、加熱手段および加圧手段を備えた、超臨界混合物生成部と、前記混合物中の前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で前記混合物に接触して、前記燃料を改質する触媒を備えた、触媒部と、内燃機関の負荷状態を判定するための内燃機関負荷状態判定手段、前記触媒部の温度を検出および調整するための温度調整手段、前記触媒部の圧力を検出および調整するための圧力調整手段、並びに、前記内燃機関用燃料および水の流量を検出および調整するための流量調整手段を備えた、制御部と、を有する、内燃機関用燃料改質装置である。
さらに本発明は、超臨界状態の燃料を生成するための、加熱手段および加圧手段を備えた、超臨界燃料生成部と、超臨界状態の水を生成するための、加熱手段および加圧手段を備えた、超臨界水生成部と、前記超臨界燃料生成部および超臨界水生成部の下流に位置する、燃料と水との混合物中の前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で前記超臨界状態の燃料と前記超臨界状態の水との混合物と接触して、前記燃料を改質する触媒を備えた、触媒部と、内燃機関の負荷状態を判定するための内燃機関負荷状態判定手段、前記触媒部の温度を検出および調整するための温度調整手段、前記触媒部の圧力を検出および調整するための圧力調整手段、並びに、前記内燃機関用燃料および水の流量を検出および調整するための流量調整手段を備えた、制御部と、を有する、内燃機関用燃料改質装置である。
本発明によれば、従来よりも簡便な装置により、内燃機関の負荷状態に応じて内燃機関用燃料の性状をより最適な状態に調節しうる。その結果、内燃機関における燃焼状態の改善と、排気のより一層の浄化が図られる。
初めに、本発明の概要について簡単に説明する。
本発明は、内燃機関用燃料を水と混合させ、生じた混合物を所定の条件下で触媒と接触させて、前記燃料中に含有される炭化水素等の成分を改質する技術である。このように、所定の条件下において燃料と水との混合物を触媒と接触させることにより、効率よく改質反応が進行しうる。これは、本発明の所定の条件下においては燃料と水との混合性が向上し、通常は混合性の低い燃料および水が良好に混ざり合って反応が進行するためである。また、かかる混合状態の混合物は、触媒の有する細孔にも侵入できるため、触媒活性点が有効に利用されることにもよる。
さらに、本発明は、前記の改質反応を進行させるにあたって、改質の度合いと内燃機関の負荷状態との関係についても考慮した点に特徴を有する。
一般に、内燃機関の負荷状態は、機関の運転中の種々の要因によって変動する場合がある。このような内燃機関に対して、常に一定性状の燃料を供給し続けることは、内燃機関の負荷状態が常に一定の場合には好ましい。しかし、一旦内燃機関の負荷状態が変動すると、燃料の最適な性状も変化してしまう。したがって、可能であれば負荷状態の変動に対応しうる方が好ましい。
本発明はこの点に着目してなされたものである。本発明によれば、内燃機関の負荷状態に応じて、改質反応の反応条件が制御される。これにより、内燃機関の負荷状態が変動しても常に最適な性状を有する改質燃料が内燃機関に供給される。
特に本発明は、内燃機関に対して供給される燃料の着火性に着目して、改質反応における温度条件、圧力条件および水/燃料比といった反応条件を調整することで改質反応の進行の度合いを調節し、改質後の燃料の着火性を変化させる。具体的には、本発明は、改質の際の反応条件を制御することで、改質後の混合物中の難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させる。これにより、内燃機関へ供給される燃料の性状が、内燃機関の負荷状態に応じて最適化されうる。
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の態様のみには限定されない。
本発明の第一は、内燃機関用燃料と水との混合物を、前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件(本明細書中、これらの2つの条件を総称して「超臨界混合条件」とも称する)下で触媒と接触させて、内燃機関用燃料を改質する方法であって、内燃機関の負荷状態に応じて、改質する際の反応条件を制御することで、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させることを特徴とする、内燃機関用燃料の改質方法である。
本発明は、内燃機関用燃料を改質する方法において、内燃機関の負荷状態に応じて改質の際の反応条件を制御し、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させる点に特徴を有する。したがって、内燃機関用燃料と水との混合物を、超臨界混合条件下で触媒と接触させて、内燃機関用燃料を改質する態様については、特に制限されない。本明細書ではまず、内燃機関用燃料を改質するための好ましい一実施態様について説明し、その後に、本発明の特徴である、制御の態様につき説明する。
以下、図1に示す装置を用いて、内燃機関用燃料を改質する方法の一実施態様につき説明するが、本発明の技術的範囲は下記の態様に制限されない。図1は本発明の改質方法に用いられる装置の好ましい一態様を示す概要図である。図1において、100は内燃機関用燃料、101は燃料用高圧ポンプ、102は燃料用予熱ヒーター、103は燃料用逆止弁、110は水、111は水用高圧ポンプ、112は水用予熱ヒーター、113は水用逆止弁、120は混合部、130は改質反応器、131は触媒、132は改質反応器用ヒーター、133は背圧弁、140は分離槽、150は改質燃料、160は気体生成物、170は回収水である。
まず、図示しない供給手段により内燃機関用燃料100が供給され、燃料用高圧ポンプ101により加圧され、燃料用予熱ヒーター102により予熱され、混合部120へと供給される。一方、図示しない供給手段により水110が供給され、水用高圧ポンプ111により加圧され、水用予熱ヒーター112により予熱され、混合部120へと供給される。混合部120へ供給された内燃機関用燃料および水は、混合部120内において混合して混合物となり、次いで改質反応器130へと供給される。改質反応器130は触媒131を備えており、該触媒131は、改質反応器130へ供給された前記混合物と接触して、該燃料を改質する。ここで、前記混合物は、超臨界混合条件下、すなわち、前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で、触媒131と接触する。燃料の改質された混合物は、改質反応器130から排出され、分離槽140へと供給される。分離槽140において、供給された混合物は改質燃料150、気体生成物160および回収水170に分離される。この際、分離槽140における分離を促進させる目的で、該分離槽140は冷却されてもよい。該改質燃料150は、最終的に、図示しない内燃機関へと供給され、該内燃機関において燃料として用いられる。
なお、上記の態様において、前記混合物が前記触媒131と接触する際の温度を超臨界混合条件となる温度とする態様としては、予め各予熱ヒーター102および112により加熱し、超臨界混合条件となる温度とした状態で改質反応器130へ供給する態様、および、前記混合物が改質反応器130へ供給された後に、前記混合物を改質反応器用ヒーター132により加熱し、超臨界混合条件となる温度とする態様のいずれもが採用されうる。
また、上記の態様において、前記混合物が前記触媒131と接触する際の圧力を超臨界混合条件となる圧力とする態様としては、予め各高圧ポンプ101および111により加圧し、超臨界混合条件となる圧力とした状態で改質反応器130へ供給する態様、および、前記混合物が改質反応器130へ供給される際に、前記混合物を図示しない別途の高圧ポンプにより加圧し、超臨界混合条件となる圧力とする態様のいずれもが採用されうる。ここで好ましくは、別途の高圧ポンプは設置されず、各高圧ポンプから背圧弁133までの圧力は一定に維持される。
一般に、超臨界状態の流体は、高密度な気体のような状態にあり、また、誘電率が小さく非極性の有機溶媒に近似した状態にある。よって本発明において、超臨界状態の水は、有機物質である炭化水素等の燃料とも良好に混和しうる。これにより、内燃機関用燃料と水とが極めて優れた混合状態で混合しうる。また、燃料と水との混合物を超臨界状態で触媒と接触させることにより、該混合物が該触媒の狭い細孔内にまで浸透しうる。また気体に比べて燃料、水共に高密度であるため接触頻度も高くなる。その結果、触媒活性点の利用率が上昇し、前記触媒による改質効率が従来よりも向上しうる。
本発明において、用いられる内燃機関用燃料は特に制限されず、従来、内燃機関において燃料として用いられている燃料が適宜用いられうる。
内燃機関用燃料を超臨界混合条件下の状態とするための温度および圧力条件は、特に制限されず、適宜選択されうる。
ここで以下、「超臨界混合条件」について説明する。
一般に、物質には固体、液体および気体の三態が存在するが、液体または気体状態にある物質の温度および圧力を上昇させると、液体と気体との区別がつかない状態に達することがある。この状態を「超臨界状態」と称し、一般に温度および圧力が、物質ごとに決まっている臨界点よりともに高い条件にある状態である。ここで、当該臨界点の温度を臨界温度と称し、臨界点の圧力を臨界圧と称する。
本発明において「超臨界混合条件」とは、前述のように、内燃機関用燃料と水との混合物が、内燃機関用燃料および水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件または内燃機関用燃料および水の双方が超臨界状態となる条件をいう。
ここで、「内燃機関用燃料および水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件」と「内燃機関用燃料および水の双方が超臨界状態となる条件」とは、一部が重複する。
すなわち、燃料および水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下であっても、混合物中における燃料または水のいずれかの混合比が低い場合には、混合物中における分圧が低下するため、燃料または水が超臨界状態とはならない場合が生じる。
一方、本発明において、内燃機関用燃料と水との混合物が、内燃機関用燃料および水の双方が超臨界状態となる条件とは、混合物中の水が超臨界状態または亜臨界状態となり、かつ、使用される内燃機関用燃料中に含有される炭化水素成分が超臨界状態または亜臨界状態となる条件をいう。この際、内燃機関用燃料中に含有される全ての炭化水素成分が超臨界状態または亜臨界状態となっていることは必ずしも必要ではなく、該炭化水素成分の一部が超臨界状態または亜臨界状態となっていればよい。
本発明において、「亜臨界状態」とは、超臨界状態に準ずる状態を意味する。具体的には、「亜臨界状態」とは、温度が、臨界温度から、好ましくは0〜100℃低く、より好ましくは0〜50℃低く、かつ、分圧が、該成分の臨界圧から、好ましくは0〜0.5MPa低く、より好ましくは0〜0.1MPa低い状態をいう。
一般に、内燃機関用燃料中に含有される炭化水素成分の臨界温度および臨界圧は、それぞれ水の臨界温度(374℃)および臨界圧(22.1MPa)よりも低いことが多い。よって水が超臨界状態となる温度および圧力条件下においては、燃料は通常超臨界状態となっている場合が多いと考えられる。
本発明において、超臨界混合条件下における温度条件および圧力条件は、燃料の組成等によって変動しうることから一概には規定されえない。一般的には、温度条件は好ましくは100〜600℃であり、圧力条件は好ましくは30〜150MPaである。ここで、燃料中に含有される特定の炭化水素成分を臨界圧以上とする場合には、該成分の分圧が臨界圧を超える必要がある。よって上記のように、本発明においては、用いられる燃料の組成によって超臨界状態となる条件は変動する。ここで例えば、臨界圧が1〜3MPaと低いイソオクタンやヘキサデカンが燃料として用いられ、水/燃料(炭素原子換算)比が0.5程度である場合には、圧力条件は10〜20MPa程度であればよい。
内燃機関用燃料および水を加熱および加圧するための手段は特に制限されず、従来周知の手段が用いられうる。前記加熱手段としては、例えば、ヒーターや超音波等が例示され、前記加圧手段としては、例えば、高圧ポンプ等が例示される。
次に、内燃機関用燃料と水との混合物を、触媒と接触させて、前記燃料を改質する態様について説明する。
本発明においては、内燃機関用燃料と水とが、混合された後に超臨界混合条件で触媒と接触して該燃料が改質されてもよい。一方、燃料と水とがそれぞれ超臨界状態とされた後に混合され、触媒と接触して該燃料が改質されてもよい。いずれの態様であっても、燃料と水とが超臨界混合条件下で触媒と接触することで、混合状態に優れるため、効率よく燃料が改質されうる。
なお、本発明において、供給される内燃機関用燃料と水との水/燃料(炭素原子換算)比は、特に制限されないが、好ましくは0.05〜2.0、より好ましくは0.2〜0.75である。
また、超臨界状態の燃料と超臨界状態の水とを混合するための混合手段としては、特に制限されないが、例えば、超臨界混合条件に耐えうる程度の耐熱性および耐圧性を有している混合容器に対して、超臨界状態の燃料と超臨界状態の水とを供給する態様が例示されうる。
本発明においては、上記のように、混合状態に優れる燃料と水との混合物が、触媒と接触することで、該混合物中の燃料が高効率で選択的に改質されうる。
この段階において前記燃料を改質するために用いられる触媒としては、特に制限されずに従来周知のものが用いられうる。該触媒に好ましく含有される成分としては、例えば貴金属元素であるロジウム元素、ルテニウム元素、パラジウム元素および白金元素、並びに担体としても用いられうる酸化セリウムおよび酸化アルミニウム、からなる群から選択される1種または2種以上の成分が例示される。これらの成分を用いることにより、超臨界状態のような厳しい条件下においても、長時間の安定した改質反応が可能となる。また、触媒中に含有される金属元素等の種類を選択することで、所望の成分組成を有する改質燃料が得られる。
前記触媒の製造方法は、特に制限されないが、通常は金属元素を担体に担持させることにより製造されうる。使用される担体としては、例えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化セリウム、セリウム−ジルコニウム複合酸化物などが例示される。これら担体は1種のみが単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、本発明の触媒は、上記以外にも必要な添加剤を含有していてもよい。該添加剤としては、例えば適当なバインダーとして、アルミナゾル等が例示される。
本発明に用いられる触媒には、例えば金属元素、該金属元素が担持される担体、その他必要な添加剤が含有されるが、かかる場合にこれら各成分の含有量は特に制限されず、目的に応じて適宜決定されうる。好ましくは、触媒全量を100質量%として金属元素を0.1〜10質量%程度含む。
前記触媒の形状としては特に限定されず、従来公知の形態が適宜用いられうる。前記触媒の形態としては、例えば、ペレット状、造粒法で得られた粒状、打錠成形された円筒形状、ラヒリングなどの塊粒状の触媒を容器に充填する形態や、ハニカム、フォーム、プレートなどの各種形状を有するモノリス式の形態が例示されうる。ここで、自動車のような移動体に搭載される場合を考慮すると、特に車載時に必要となる高空間速度条件下における性能にも優れるモノリス式の形態が好ましく採用されうる。
本発明に用いられる触媒の製造方法としては特に制限されず、従来公知の方法が適宜使用されうる。金属元素を担体に担持させる方法としては、例えば特開2002−66313号公報に記載されているような攪拌法、含浸法および流通法等のイオン交換法や、その他通常の混練法、沈殿法、共沈法、吸着法、ゾルゲル法など各種の方法が用いられ、さらには、メッキ法、蒸着法なども用いられうる。また、その後乾燥および焼成させることにより触媒が製造されうるが、焼成は必ずしも必須ではない。
この段階において、超臨界状態の燃料と超臨界状態の水との混合物を、触媒に接触させる態様は特に制限されない。例えば、前記混合物を、上記の混合容器から触媒を備えた改質反応器へ供給する態様が例示される。なお、前記の混合段階と、触媒と接触させる段階とは、必ずしも分離して行われる必要はなく、同時に行われてもよい。かかる態様としては、例えば、前記混合容器の内部に、燃料を改質するための触媒が備えられる態様が例示される。
さらに、超臨界状態の燃料と超臨界状態の水との混合物が触媒を備えた改質反応器へ供給される場合に、改質反応器へ供給される混合物の空間速度(LHSV)は、特に制限されない。本発明によれば、従来と比較して改質効率を向上させうるため、装置がより小型化されうる。
以下、本発明の特徴である制御の好ましい一実施態様について説明するが、下記の態様のみに限定されない。
本発明の特徴は、内燃機関用燃料を改質する方法において、内燃機関の負荷状態に応じて改質の際の反応条件を制御し、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させる点にある。
一般に、内燃機関に供給される内燃機関用燃料は、燃料の種類によりその着火性は様々である。また、前記燃料は炭化水素化合物を主成分とする種々の成分の混合物であるが、単一の燃料中に含有される各炭化水素成分の着火性も様々に異なっている。
一方、内燃機関の要求する燃料の性状は常に一定ではなく、自動車の場合には、走行に伴って内燃機関の負荷状態も変化し、走行の各時点における最適な燃料の性状もこれに応じて時々刻々と変化するのが一般的である。
本発明はこの点に鑑みなされたものであり、内燃機関の負荷状態に応じて改質する際の反応条件を制御することで、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させる。さらにこれによって改質後の燃料の着火性を調節し、最終的には内燃機関に対する最適な燃料の供給を達成する。
本発明において「難燃成分」とは、相対的に着火性が低い成分をいい、「良燃成分」とは、相対的に着火性が高い成分をいう。すなわち、本発明において、改質後の混合物中における「難燃成分の割合が増加するように改質する」とは、内燃機関に供給される燃料の着火性を低下させるように改質することを意味し、「良燃成分の割合が増加するように改質する」とは、内燃機関に供給される燃料の着火性を向上させるように改質することを意味する。ここで具体的には、燃料中に含有されるある成分を他の成分に転換させ、これにより改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させる。この際、ある特定の一成分のみを他の化合物に変換させてもよく、複数の化合物を他の化合物に変換させて全体として所望の割合としてもよい。
ここで、軽油やガソリン等の燃料において、難燃成分、すなわち、比較的着火性の低い成分としては、例えば、ナフテン類(シクロパラフィン類)や芳香族炭化水素のような環状炭化水素化合物、分枝状脂肪族炭化水素化合物等が例示される。一方、良燃成分、すなわち、比較的着火性の高い成分としては、例えば、直鎖型飽和炭化水素化合物等が例示される。なお、本発明において、改質後の混合物の着火性は、例えばセタン価を測定することにより判定されうる。
以下、超臨界混合条件下における燃料および水の反応と、難燃成分および良燃成分の含有量の割合との関係について説明する。
本発明においては、内燃機関用燃料を超臨界混合条件下で水と混合させて触媒と接触させることによって、例えば、燃料中に含有される、難燃成分である環状炭化水素化合物が水と反応し、開環および水素化して、良燃成分である鎖状炭化水素化合物が生成しうる。なお、上記の反応はあくまでも例であり、これに制限されない。
本発明によれば、改質反応の際の種々の反応条件を制御することによって上記のような反応の進行度合いを調節し、改質後の混合物中の難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させる。これによって、最終的には燃料の着火性を内燃機関の負荷状態に対して最適化し、内燃機関へ供給することが可能となる。
内燃機関の負荷状態を検出する手段は、特に制限されず、従来周知の手段が適宜採用されうる。例えば、センサ等を用いて種々の情報を検出する方法が例示される。前記情報としては、例えば、エンジンのスロットル弁開度、スロットル弁の所定の開度への到達の有無、エンジンの吸入空気量およびエンジン回転速度等が例示される。
また、上記で検出された内燃機関の負荷状態に応じて、改質後の混合物中の難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させるために制御する反応条件としては、特に制限されず、前記割合を所望の割合に変化させうる条件であればよい。かかる条件として、例えば、燃料を改質する際の超臨界混合条件下における、温度条件、圧力条件、並びに供給される水および燃料の供給量の比(水/燃料比)等が例示される。これらの条件を調整するための具体的な手段は、特に制限されないが、例えば、後述する内燃機関用燃料改質装置において制御部に備えられる、触媒部の温度を検出および調整するための温度調整手段、触媒部の圧力を検出および調整するための圧力調整手段、並びに、内燃機関用燃料および水の流量を検出および調整するための流量調整手段等が例示されうる。
前記手段により調節される、燃料改質時の温度条件、圧力条件および水/燃料比等の好ましい範囲は、内燃機関の負荷状態、供給される燃料の種類等によって変動しうるため、明確には規定されえない。例えば、図2〜図4に示すように、温度条件、圧力条件および水/燃料比のいずれかを高くすることで、超臨界混合条件を維持しつつ、さらに改質反応を進行させうる。一方、前記条件のいずれかを低下させることで改質反応の進行が抑制される。また、前記条件のいずれかをさらに低下させると、燃料または水が非超臨界状態となって燃料と水とが分離し、改質反応の進行をほぼ停止させうる。ここで、本発明においては、前記の条件をすべて制御する必要はなく、いずれか一つまたは二つの条件のみを制御してもよい。
上記のように、本発明において用いられる燃料は特に制限されないが、好ましくは、軽油やガソリン等が用いられる。これらの燃料は多数の炭化水素化合物の混合物であり、本発明によってその着火性が調節されると内燃機関における燃焼状態が特に向上するためである。よって以下、燃料が軽油またはガソリンである場合を例にとって本発明をより詳細に説明するが、本発明が下記の態様のみに限定されることはない。
本発明において、燃料が軽油の場合、軽油の自己着火性は元来比較的高いことから、供給される内燃機関は圧縮着火式内燃機関である。圧縮着火式内燃機関とは、筒内の燃焼室に噴射された燃料を筒内の圧縮により自己着火させる形式のエンジンをいい、例えば、コモンレール式燃料噴射装置を備えたコモンレール式ディーゼルエンジンのようなディーゼルエンジンがこれに含まれる。
ここで、圧縮着火式内燃機関に軽油等の燃料が供給される際に、例えば内燃機関の負荷状態が高負荷状態にある場合には、燃料の着火性が高すぎると、筒内における圧縮過程の途中で着火してしまい、エンジンの安定性に悪影響を及ぼす場合がある。かかる現象は、燃料中の難燃成分の割合を増加させるように改質することによって効率的に防止されうる。一方、内燃機関の負荷状態が低負荷状態にある場合には、燃料の着火性が低すぎると、筒内の圧縮過程において着火しにくくなり、内燃機関の効率的な運転が妨げられる。かかる現象は、燃料中の良燃成分の割合を増加させるように改質することによって効率的に防止されうる。
したがって、本発明の改質方法において、内燃機関が圧縮着火式内燃機関である場合の好ましい態様は、内燃機関の負荷状態が高負荷状態のときには改質後の混合物中に含有される難燃成分の割合が増加するように改質し、内燃機関の負荷状態が低負荷状態のときには前記改質後の混合物中に含有される良燃成分の割合が増加するように改質する態様である。
これに対し、燃料がガソリンの場合、ガソリンの自己着火性は軽油と比較して低く、供給される内燃機関は火花点火式内燃機関である。火花点火式内燃機関とは、圧縮着火式内燃機関と異なり、筒内の燃焼室に噴射された燃料を圧縮させた後に火花を点火し、これにより着火させる形式のエンジンをいい、例えば、ガソリンエンジンがこれに含まれる。
ここで、火花点火式内燃機関にガソリン等の燃料が供給される際に、例えば内燃機関の負荷状態が高負荷状態にある場合には、燃料の着火性が低すぎると、筒内における圧縮後の火花点火によっても着火せず、内燃機関の効率的な運転が妨げられる。かかる現象は、燃料中の良燃成分の割合を増加させるように改質することによって効率的に防止されうる。一方、内燃機関の負荷状態が低負荷状態にある場合には、燃料の着火性が高すぎると、筒内の圧縮により火花点火を待たずに着火してしまい、エンジンの安定性に悪影響を及ぼす場合がある。かかる現象は、燃料中の難燃成分の割合を増加させるように改質することによって効率的に防止されうる。
したがって、本発明の改質方法において、内燃機関が火花点火式内燃機関である場合の好ましい態様は、内燃機関の負荷状態が高負荷状態のときには良燃成分の割合が増加するように改質し、内燃機関の負荷状態が低負荷状態のときには難燃成分の割合が増加するように改質する態様である。
本発明はまた、内燃機関用燃料の性状を内燃機関の負荷状態に応じてより細やかに調節し、より最適な状態で内燃機関に供給しうる手段として、内燃機関用燃料を改質するための内燃機関用燃料改質装置を提供する。
すなわち、本発明の第二は、内燃機関用燃料および水が、前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で混合している混合物を生成するための、加熱手段および加圧手段を備えた、超臨界混合物生成部と、前記混合物中の前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で前記混合物に接触して、前記燃料を改質する触媒を備えた、触媒部と、内燃機関の負荷状態を判定するための内燃機関負荷状態判定手段、前記触媒部の温度を検出および調整するための温度調整手段、前記触媒部の圧力を検出および調整するための圧力調整手段、並びに、前記内燃機関用燃料および水の流量を検出および調整するための流量調整手段を備えた、制御部と、を有する、内燃機関用燃料改質装置である。
以下、本発明の第二の燃料改質装置の各構成要素について、その好ましい一実施態様を説明するが、本発明の技術的範囲は下記の態様に制限されない。
本発明は、内燃機関用燃料改質装置において、内燃機関の負荷状態に応じて改質する際の反応条件を制御し、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させるための制御部を有する点に特徴を有する。したがって、超臨界混合物生成部および触媒部の態様については、特に制限されない。本明細書ではまず、超臨界混合物生成部および触媒部の好ましい一実施態様について説明し、その後に、本発明の特徴である、制御部の態様につき説明する。
まず、超臨界混合物生成部の好ましい態様について説明する。
超臨界混合物生成部に備えられる加熱手段および加圧手段としては、特に制限されず従来周知の手段が用いられうる。詳細には、本発明の第一の好ましい実施形態に記載されたような態様が同様に好ましく用いられうる。
また、超臨界混合物生成部は、内燃機関用燃料と水とを超臨界混合条件下で混合できるのであれば、その具体的態様は特に制限されない。例えば、温度600℃程度まで、かつ圧力150MPa程度までの耐熱性および耐圧性を有する混合容器を有していてもよい。なお、超臨界水は通常の水では腐食されないステンレス等を腐食することが知られている。したがって、該混合容器や後述する改質反応器等の、超臨界水と接触しうる部分には、好ましくは、ハステロイのような合金が用いられる。
ここで、前記超臨界混合物生成部は、一箇所である必要はない。すなわち、二箇所以上存在してもよく、燃料および水が、各箇所において段階的に加熱および加圧されて、超臨界混合条件下の混合物が生成してもよい。
次に、触媒部の好ましい態様について説明する。
この触媒部において備えられる「燃料を改質する触媒」としては、超臨界混合条件下の燃料を改質しうるのであれば特に制限されないが、本発明の第一の好ましい実施形態に記載されたような触媒が同様に好ましく用いられうる。
また、触媒部においては、燃料と水との混合物が超臨界混合条件下で前記触媒と接触し、混合物中の燃料が改質されるが、この際の「超臨界混合条件」としては、本発明の第一において定義された条件と同様の条件が好ましく用いられうる。
なお、本発明の第二においては、前記超臨界混合物生成部と触媒部とが、必ずしも分離している必要はなく、一体化していてもよい。かかる態様としては、例えば、超臨界混合物生成部において配置された混合容器内に、前記触媒部が配置される態様が例示されうる。
本発明の内燃機関用燃料改質装置は、内燃機関の負荷状態に応じて改質する際の反応条件を制御し、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させるための制御部を有する点に特徴がある。この制御部は、内燃機関の負荷状態を判定するための内燃機関負荷状態判定手段、前記触媒部の温度を検出および調整するための温度調整手段、前記触媒部の圧力を検出および調整するための圧力調整手段、並びに、前記内燃機関用燃料および水の流量を検出および調整するための流量調整手段を備える。
以下、図5に示すフローチャートを参照して、本発明の燃料改質装置において、制御部により、内燃機関の負荷状態に応じて改質する際の反応条件を制御し、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させる態様について説明する。
本発明において、内燃機関の始動時における水の供給量はゼロであり、図5のフローチャートは定常運転時のものを示している。
まず、内燃機関の負荷状態を内燃機関負荷状態検出手段により検出する(S101)。前記内燃機関負荷状態検出手段としては、上記において説明したような態様が例示されうる。
次いで、上記で検出された負荷状態に対して、負荷状態変更要求が存在するか否かを、負荷状態変更要求判定手段により判定する(S102)。前記負荷状態変更要求としては、例えば、アクセル開度の変化、イグニッションキーの停止等が例示される。
前記付加状態変更要求が存在する場合、現在の負荷状態のパラメータおよび負荷状態変更要求から目標負荷状態を算出し、負荷状態適応条件マップ(S103)に基づいて、前記目標負荷状態とするのに適切な燃料流量、温度条件、圧力条件および水/燃料比の設定値を算出し、読み出し、各条件パラメータ変更手段により設定値を変更する(S104〜107)。その後、前記で変更された条件パラメータの設定値に従って、温度調整手段、圧力調整手段および流量調整手段により各条件を変更する。なお、前記負荷状態変更要求が存在しない場合は、S104〜107により各条件パラメータの設定値を変更することなく処理を進行させる。
さらに、S151〜154により、各条件パラメータの実測値と設定値とを比較し、各ステップにおいて異常と判定された場合には、E201〜204により異常フラグF251をセットし、加熱および水の供給を停止させて、燃料のみを供給する状態に切り替える。
また、本発明の第三は、超臨界状態の燃料を生成するための、加熱手段および加圧手段を備えた、超臨界燃料生成部と、超臨界状態の水を生成するための、加熱手段および加圧手段を備えた、超臨界水生成部と、前記超臨界燃料生成部および超臨界水生成部の下流に位置する、燃料と水との混合物中の前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で前記超臨界状態の燃料と前記超臨界状態の水との混合物と接触して、前記燃料を改質する触媒を備えた、触媒部と、内燃機関の負荷状態を判定するための内燃機関負荷状態判定手段、前記触媒部の温度を検出および調整するための温度調整手段、前記触媒部の圧力を検出および調整するための圧力調整手段、並びに、前記内燃機関用燃料および水の流量を検出および調整するための流量調整手段を備えた、制御部と、を有する、内燃機関用燃料改質装置である。
以下、本発明の第三の燃料改質装置の各構成要素について、その好ましい一実施態様を説明するが、本発明の技術的範囲は下記の態様に制限されない。
まず、超臨界燃料生成部および超臨界水生成部に備えられる加熱手段および加圧手段としては、特に制限されず従来周知の手段が用いられうる。詳細には、本発明の第一の好ましい実施形態に記載されたような態様が同様に好ましく用いられうる。
次に、触媒部の好ましい態様について説明する。
この触媒部において備えられる「燃料を改質する触媒」としては、超臨界混合条件下の燃料を改質しうるのであれば特に制限されないが、本発明の第一の好ましい実施形態に記載されたような触媒が同様に好ましく用いられうる。
触媒部において、該触媒部に備えられた触媒は、超臨界混合条件下の、燃料と水との混合物と接触して、該燃料を改質する。したがって、好ましくは、触媒部は、前記超臨界燃料生成部および前記超臨界水生成部において生成した超臨界状態の燃料と超臨界状態の水とが混合しうる混合部を備える。
ここで前記混合部の好ましい態様について説明する。該混合部は、超臨界状態の燃料と超臨界状態の水とが混合できるのであれば、その具体的態様は特に制限されない。好ましくは、本発明の第二の好ましい実施態様において説明された混合容器が用いられうる。
また、本発明において触媒部は、超臨界燃料生成部および超臨界水生成部の「下流」に位置するが、これは、内燃機関用燃料および水が、超臨界燃料生成部および超臨界水生成部において超臨界状態とされた後に触媒部へ供給されるということを意味し、これによってその他の態様は何ら制限されない。したがって、上記のような混合部が設けられる態様においても、必ずしも混合部と触媒部とが分離している必要はなく、混合部内に触媒部が設けられる態様も用いられうる。なお、混合部内に触媒部が設けられる態様としては、例えば、内燃機関としてディーゼルエンジンを選択する際に、該エンジンに設けられているコモンレールを前記混合部として用いる態様が例示される。
さらに、本発明において、制御部は、内燃機関の負荷状態に応じて改質する際の反応条件を制御し、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させることができればよく、その具体的態様は特に制限されない。好ましくは、本発明の第二の好ましい実施態様において説明された制御部が同様に用いられうる。
本発明の第二および第三によれば、上記のような制御により、内燃機関に供給される燃料の性状、特に難燃成分および良燃成分の含有量の割合を、内燃機関の負荷状態に対して常に最適な状態に維持することができる。その結果、内燃機関における燃焼状態の改善と、排気のより一層の浄化が図られる。
上記のように、本発明の第二および第三の燃料改質装置によれば、燃焼状態の改善や、排気の浄化などの効果が得られる。これにより、本発明の燃料改質装置は、例えば自動車等に搭載されるオンボード内燃機関システムや燃料電池用の燃料改質(水素製造)システム等の種々の用途に適用されうる。したがって、本発明の燃料改質装置は車両に搭載される場合に特に有利である。
すなわち本発明の第四は、本発明の燃料改質装置を搭載した車両である。かかる場合に好ましくは、内燃機関へ供給される燃料が貯蔵された燃料タンクから本発明の燃料改質装置へ該燃料が供給され、該装置において改質された燃料は該装置から内燃機関へ供給される。すなわち、本発明の燃料改質装置は、燃料タンクと内燃機関との間に配置されることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示す燃料改質装置を用いて、燃料改質試験を行った。
(触媒の調製)
70gの硝酸ロジウムを含有する水溶液1000gに、酸化アルミニウム500gを分散させて室温で1時間攪拌することにより、酸化アルミニウム上にロジウム元素が担持された触媒粉末を得た。該触媒粉末を150℃で一晩乾燥させた後、600℃で2時間焼成し、焼成触媒粉末を得た。さらに、造粒装置を用いて該焼成触媒粉末を粒状とし、ふるいで500〜700μmの触媒粒を分級して、触媒131を調製した。
(燃料改質試験)
本実施例では、図1に示す燃料改質装置における改質反応器130として、内容積10cmのハステロイ製円筒管の内部下流側に、上記で調製された触媒131 1.4gを、金属メッシュに保持された状態で充填させたものを使用した。
本実施例においては、モデル燃料として、芳香族化合物であるトルエン(臨界温度:318.6℃、臨界圧:4.1MPa)を用いた。また試験時には、水/燃料(炭素原子換算)比が0.5、空間速度が15h−1となるようにトルエンおよび水をそれぞれ供給した。供給時には、予熱用ヒーターを用いて、トルエンおよび水をそれぞれ予熱した。さらに、改質反応器130においては、圧力を30MPaに設定し、温度を400℃から500℃まで変化させて、燃料改質試験を行った。なお、トルエンおよび水はそれぞれ高圧ポンプにより加圧して供給したが、各高圧ポンプと、改質反応器下流に設置した背圧弁との間は、改質反応器内と同じ30MPaに維持した。
燃料改質試験後に、分離槽140から改質燃料150、気体生成物160および回収水160をサンプリングし、燃料改質後の成分組成を分析し、転化率を算出した。その結果得られた転化率の値を図2に示す。なお、ここで「転化率」とは、供給されたトルエンが改質されてトルエン以外の物質へ転化された割合を炭素原子換算による百分率(%)で表したものである。
(実施例2)
改質反応器130において、温度を500℃に設定し、圧力を0MPaから30MPaまで変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法および装置を用いて、トルエンの燃料改質試験を行った。その結果得られた転化率の値を図3に示す。
(実施例3)
改質反応器130において、温度を500℃に設定し、圧力を30MPaに設定し、さらに燃料流量を固定し、水/燃料(炭素原子換算)比が0.25から0.75まで変化するように水流量を変化させたこと以外は、実施例1と同様の方法および装置を用いて、トルエンの燃料改質試験を行った。その結果得られた転化率の値を図4に示す。
図2から、改質反応器における温度を400℃から500℃まで変化させると、これに従って、トルエンの転化率は3%から22%まで上昇することがわかる。
また、図3から、改質反応器における圧力を0MPaから30MPaまで変化させると、これに従って、トルエンの転化率は3.5%から22%まで上昇することがわかる。
さらに、図4から、水/燃料比を0.25から0.75まで変化させると、これに従って、トルエンの転化率は2%から53%まで上昇することがわかる。
以上より、本発明によれば、燃料と水とを超臨界混合条件下で反応させる際に、反応時の温度条件、圧力条件および水/燃料比を制御することにより、燃料の転化率変化させうることがわかる。したがって、本発明によれば、内燃機関の負荷状態に応じて上記の条件を制御することで、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させることができ、最適な状態の燃料を内燃機関へ供給することが可能となる。
本発明の燃料改質装置の好ましい一態様を示す概略図である。 実施例1の燃料改質試験における結果を示す図である。 実施例2の燃料改質試験における結果を示す図である。 実施例3の燃料改質試験における結果を示す図である。 本発明の燃料改質装置の制御部による燃料制御の一実施形態を示すフローチャートである。
符号の説明
100 内燃機関用燃料、
101 燃料用高圧ポンプ、
102 燃料用予熱ヒーター、
103 燃料用逆止弁、
110 水、
111 水用高圧ポンプ、
112 水用予熱ヒーター、
113 水用逆止弁、
120 混合部、
130 改質反応器、
131 触媒、
132 改質反応器用ヒーター、
133 背圧弁、
140 分離槽、
150 改質燃料、
160 気体生成物、
170 回収水。

Claims (13)

  1. 内燃機関用燃料と水との混合物を、前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で触媒と接触させて、内燃機関用燃料を改質する方法であって、
    内燃機関の負荷状態に応じて、改質する際の反応条件を制御することで、改質後の混合物中に含有される難燃成分および良燃成分の含有量の割合を変化させることを特徴とする、内燃機関用燃料の改質方法。
  2. 前記内燃機関が圧縮着火式内燃機関であって、前記負荷状態が高負荷状態のときには難燃成分の割合が増加するように改質し、前記負荷状態が低負荷状態のときには良燃成分の割合が増加するように改質することを特徴とする、請求項1に記載の改質方法。
  3. 前記内燃機関が火花点火式内燃機関であって、前記負荷状態が高負荷状態のときには良燃成分の割合が増加するように改質し、前記負荷状態が低負荷状態のときには難燃成分の割合が増加するように改質することを特徴とする、請求項1に記載の改質方法。
  4. 前記反応条件は、温度条件、圧力条件および水/燃料比からなる群から選択される1または2以上の条件である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の改質方法。
  5. 前記難燃成分は、環状炭化水素化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の改質方法。
  6. 前記難燃成分は、芳香族炭化水素化合物である、請求項5に記載の改質方法。
  7. 前記改質する際の圧力条件は、30〜150MPaである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の改質方法。
  8. 前記改質する際の温度条件は、100〜600℃である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の改質方法。
  9. 前記触媒は、ロジウム元素、ルテニウム元素、パラジウム元素および白金元素、並びに酸化セリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される1種または2種以上を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の改質方法。
  10. 内燃機関用燃料および水が、前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で混合している混合物を生成するための、加熱手段および加圧手段を備えた、超臨界混合物生成部と、
    前記混合物中の前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で前記混合物に接触して、前記燃料を改質する触媒を備えた、触媒部と、
    内燃機関の負荷状態を判定するための内燃機関負荷状態判定手段、前記触媒部の温度を検出および調整するための温度調整手段、前記触媒部の圧力を検出および調整するための圧力調整手段、並びに、前記内燃機関用燃料および水の流量を検出および調整するための流量調整手段を備えた、制御部と、
    を有する、内燃機関用燃料改質装置。
  11. 超臨界状態の燃料を生成するための、加熱手段および加圧手段を備えた、超臨界燃料生成部と、
    超臨界状態の水を生成するための、加熱手段および加圧手段を備えた、超臨界水生成部と、
    前記超臨界燃料生成部および超臨界水生成部の下流に位置する、燃料と水との混合物中の前記燃料および前記水の双方の臨界温度以上および臨界圧以上の条件下または前記燃料および前記水の双方が超臨界状態となる条件下で前記超臨界状態の燃料と前記超臨界状態の水との混合物と接触して、前記燃料を改質する触媒を備えた、触媒部と、
    内燃機関の負荷状態を判定するための内燃機関負荷状態判定手段、前記触媒部の温度を検出および調整するための温度調整手段、前記触媒部の圧力を検出および調整するための圧力調整手段、並びに、前記内燃機関用燃料および水の流量を検出および調整するための流量調整手段を備えた、制御部と、
    を有する、内燃機関用燃料改質装置。
  12. 前記触媒は、ロジウム元素、ルテニウム元素、パラジウム元素および白金元素、並びに酸化セリウムおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される1種または2種以上を含有する、請求項10または11に記載の内燃機関用燃料改質装置。
  13. 請求項10〜12のいずれか1項に記載の内燃機関用燃料改質装置を搭載した車両。
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