JP2019052550A - 燃料改質システム - Google Patents
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Abstract
【課題】目標とするオクタン価の改質燃料を高い精度で生成できる燃料改質システムを提供すること。【解決手段】燃料改質システム1は、炭化水素を主体とした燃料を酸化改質する改質器3と、未改質燃料を改質器3へ供給する未改質燃料供給装置5と、改質器3から流出する改質燃料を貯蔵する改質燃料タンク711と、改質燃料タンク711に貯蔵されている改質燃料を改質器3へ供給する改質燃料再供給装置75と、改質燃料タンク711に貯蔵されている改質燃料の物性を検出する物性センサ719と、物性センサ719の検出値に基づいて改質燃料タンク711に貯蔵されている改質燃料のオクタン価を推定するオクタン価推定手段と、オクタン価推定手段の推定値に基づいて、改質器3へ供給する未改質燃料の供給量と改質燃料の供給量の比率を制御する制御手段と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、燃料改質システムに関する。より詳しくは、炭化水素を主体とした燃料を、改質触媒の作用下で酸化改質する燃料改質システムに関する。
近年、内燃機関の熱効率のさらなる向上を目指して、内燃機関の圧縮比を高くする技術の研究が進められている。例えばガソリンエンジンにおいて圧縮比を高くすると、エンドガス(点火プラグから離れた場所における未燃混合気)が、燃焼室全体に火炎が到達する前に圧縮によって自己着火してしまう、所謂ノッキングが発生しやすくなる。したがって内燃機関の高効率化を実現するには、高圧縮比にしながらノッキングの発生を回避することが重要である。近年、数多く提案されている高圧縮比の内燃機関では、点火時期を遅らせることによってノッキングの発生を抑制するものが多い。しかしながら点火時期を遅らせると熱効率が低下するため、ノッキングの発生を抑制する技術としては十分とは言い難い。
そこで、外部から車両に給油された燃料を車両上で改質することによって内燃機関で用いる燃料のオクタン価を向上する技術が注目されている。例えば特許文献1には、ガソリンを改質しアルコールを含む改質燃料を生成する燃料改質システムであって、車両に搭載可能なものが本願出願人によって提案されている。
ところで車載の燃料改質システムにおいて、目標とするオクタン価の改質燃料を得るためには、改質器によって生成される改質燃料のオクタン価を車両の走行中に適宜推定できるようにする必要がある。例えば特許文献2には、改質燃料を車両のエンジンで燃焼させたときに発生するノッキングをノックセンサで検出することによって改質燃料のオクタン価を推定し、この推定値を用いて燃料改質システムを制御する技術が示されている。
ところがノックセンサを用いて改質燃料のオクタン価を推定する場合、現にノッキングを発生させる必要がある。このため、特許文献2に記載の方法では、ノッキングが発生し得る高負荷運転時ではオクタン価を推定できるが、ノッキングが発生しにくい巡航運転時にはオクタン価を推定することができない。このため、オクタン価を推定できない状態が長く続いた場合、改質燃料の実際のオクタン価と目標との間にずれが生じてしまうおそれもある。
本発明は、目標とするオクタン価の改質燃料を高い精度で生成できる燃料改質システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の燃料改質システム(例えば、後述の燃料改質システム1)は、炭化水素を主体とした燃料を、改質触媒(例えば、後述の反応管31)の作用下で酸化改質する改質器(例えば、後述の改質器3)と、前記改質器を経ていない未改質燃料を前記改質器へ供給する未改質燃料供給装置(例えば、後述の未改質燃料供給装置5)と、前記改質器から流出する改質燃料を貯蔵する改質燃料タンク(例えば、後述の改質燃料タンク711)と、前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料を前記改質器へ供給する改質燃料供給装置(例えば、後述の改質燃料再供給装置75)と、前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料の物性を検出する物性検出手段(例えば、後述の物性センサ719)と、前記物性検出手段の検出値に基づいて前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価を推定するオクタン価推定手段(例えば、後述のECU8、及び後述の図5のS5及びS7の処理の実行に係る手段)と、前記オクタン価推定手段の推定値に基づいて、前記改質器へ供給する未改質燃料の供給量と改質燃料の供給量の比率を制御する制御手段(例えば、後述のECU8、及び後述の図5のS9及びS10の処理の実行に係る手段)と、を備えることを特徴とする。
(2)この場合、前記物性検出手段は、前記改質燃料の密度に応じた検出信号を発生するセンサ又は前記改質燃料の誘電率若しくはエタノール濃度に応じた検出信号を発生するセンサであることが好ましい。
(3)この場合、前記燃料改質システムは、前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料を燃焼する内燃機関の燃焼変動を検出する燃焼変動検出手段(例えば、後述のノックセンサ81)と、前記燃焼変動検出手段の検出信号に基づいて前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価を推定する別オクタン価推定手段(例えば、後述のECU8、及び後述の図5のS6の処理の実行に係る手段)と、をさらに備え、前記オクタン価推定手段は、前記改質燃料の物性とオクタン価との相関関係(例えば、後述のオクタン価推定マップ)を用いることによって前記改質燃料のオクタン価を推定するとともに、前記別オクタン価推定手段の推定結果を用いることによって前記相関関係を修正することが好ましい。
(1)本発明の燃料改質システムでは、燃料を酸化改質する改質器から流出する改質燃料を改質燃料タンクで貯蔵し、改質器には、未改質燃料と改質燃料とを合せて供給する。改質触媒の作用下で酸素を用いた改質反応によって改質燃料を生成する場合、改質器を経た反応済みの改質燃料は、反応速度を向上する効果がある。本発明では、未改質燃料と一度改質器を経た改質燃料とを合せて改質器に供給することにより、改質燃料を供給しない場合と比較して、改質燃料のオクタン価を速やかに向上することができる。またこの燃料改質システムでは、物性検出手段によって改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料の物性を検出し、さらにこの検出値に基づいて改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価をオクタン価推定手段によって推定する。また制御手段は、オクタン価推定手段の推定値に基づいて、未改質燃料の供給量と改質燃料の供給量の比率を制御する。ここで、改質器に供給する未改質燃料と改質燃料の供給量の比率は、改質器から流出し、その後改質燃料タンクで回収される改質燃料のオクタン価と相関がある。より具体的には、改質器を経た改質燃料は、再びこれを改質器に供給することにより、改質反応速度を上昇させ、速やかにオクタン価を上昇させる効果がある。そこで燃料改質システムでは、改質燃料タンク内の改質燃料のオクタン価の推定値に基づいて未改質燃料と改質燃料の供給量の比率を制御することにより、改質燃料タンク内に貯蔵されている改質燃料のオクタン価を、目標とする所定のオクタン価で維持することができる。また本発明では、従来のように改質燃料を燃焼する内燃機関の燃焼変動によらず、改質燃料の物性の検出を経てオクタン価を推定することにより、任意のタイミングでオクタン価を推定できる。またこれにより、オクタン価の最新の推定値を用いて、常時未改質燃料と改質燃料の供給量の比率を制御することができる。
(2)本発明の燃料改質システムでは、改質燃料のオクタン価と相関のある物性として、改質燃料の密度、誘電率、若しくはエタノール濃度に着目し、これら物性の値をセンサによって検出し、この検出値を用いて改質燃料のオクタン価を推定する。これにより、好ましいタイミングで改質燃料の物性をセンサによって検出し、オクタン価の推定に用いることができる。
(3)本発明の燃料改質システムは、オクタン価推定手段とは別のアルゴリズムに基づいてオクタン価を推定する手段として、燃焼変動検出手段の検出信号を用いて改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価を推定する別オクタン価推定手段を備える。上述のように内燃機関の燃焼変動に基づいてオクタン価を推定する場合、内燃機関が特定の運転状態にある期間でしかオクタン価を推定することができないが、改質燃料の物性とオクタン価との相関関係に基づいてオクタン価を推定する場合よりも高い精度でオクタン価を推定できる。そこで本発明の燃料改質システムでは、オクタン価推定手段は、改質燃料の物性とオクタン価との相関関係を用いてオクタン価を推定するとともに、この相関関係を別オクタン価推定手段の推定結果を用いて修正する。これによりオクタン価推定手段では、別オクタン価推定手段では推定できないタイミングにおいても、別オクタン価推定手段と比較して遜色の無い精度でオクタン価を推定することができる。
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料改質システム1の構成を示す図である。燃料改質システム1は、図示しない車両に搭載される。燃料改質システム1は、改質器3を備えており、炭化水素を主体とした燃料(例えば、ガソリン)と酸化ガスとしての空気を用いて改質器3によってアルコールやケトン等を含む改質燃料を生成し、この改質燃料を車両の動力発生源であるエンジンに供給する。
図1は、本実施形態に係る燃料改質システム1の構成を示す図である。燃料改質システム1は、図示しない車両に搭載される。燃料改質システム1は、改質器3を備えており、炭化水素を主体とした燃料(例えば、ガソリン)と酸化ガスとしての空気を用いて改質器3によってアルコールやケトン等を含む改質燃料を生成し、この改質燃料を車両の動力発生源であるエンジンに供給する。
燃料改質システム1は、空気と燃料の混合気を生成する混合器2と、混合気が供給されると改質反応が進行しその出口から改質燃料を排出する改質器3と、混合器2に空気を供給する空気供給装置4と、混合器2に車外から給油された未改質燃料を供給する未改質燃料供給装置5と、改質器3から排出された改質燃料を回収し再び混合器2に供給する改質燃料循環装置7と、これらの電子制御ユニット(以下、「ECU」という)8と、を備える。
空気供給装置4は、空気供給管41と、空気フィルタ42と、空気ポンプ43と、空気流量計45と、空気弁46と、を備え、これらを用いて空気を混合器2に供給する。空気供給管41は、燃料改質システム1の外と混合器2とを接続する配管である。外気(空気)は、この空気供給管41を流れ、混合器2の内部へ供給される。空気フィルタ42は、空気供給管41に設けられ、空気中の異物を取り除く。空気ポンプ43は、空気供給管41に設けられ、ECU8からの制御信号に応じて空気供給管41から導入される外気を圧縮し、圧縮空気を混合器2へ供給する。空気流量計45は、空気供給管41に設けられ、空気供給管41を流れる空気の流量を検出し、検出値に応じた信号をECU8へ送信する。空気弁46は、空気供給管41に設けられ、ECU8からの制御信号に応じて開閉する。ECU8は、空気流量計45の検出信号を用いて空気ポンプ43の回転数及び空気弁46の開度を制御することによって、混合器2に供給される空気の流量(以下、「空気供給量」ともいう)を調整する。
未改質燃料供給装置5は、給油燃料タンク51と、燃料供給管52と、燃料ポンプ53と、燃料流量計54と、燃料弁55と、エンジン用燃料ポンプ56と、を備え、これらを用いることによって改質器3を未だ経ていない未改質燃料を混合器2に供給する。給油燃料タンク51は、炭化水素を主体とした未改質燃料(例えば、ガソリン)を貯蔵する。車外から給油される未改質燃料は、始めにこの給油燃料タンク51に供給される。燃料供給管52は、給油燃料タンク51と混合器2とを接続する配管である。未改質燃料は、この燃料供給管52を流れ、混合器2の内部へ供給される。燃料ポンプ53は、ECU8からの制御信号に応じて給油燃料タンク51内に貯蔵された未改質燃料を混合器2へ圧送する。燃料流量計54は、燃料供給管52を流れる未改質燃料の流量を検出し、検出値に応じた信号をECU8へ送信する。燃料弁55は、燃料供給管52に設けられ、ECU8からの制御信号に応じて開閉する。ECU8は、燃料流量計54の検出信号を用いて燃料ポンプ53の回転数及び燃料弁55の開度を制御することにより、混合器2に供給される未改質燃料の流量(以下、「未改質燃料供給量」ともいう)を調整する。エンジン用燃料ポンプ56は、給油燃料タンク51内に貯蔵された未改質燃料を、改質器3を介さずにエンジンの燃料噴射装置(図示せず)へ供給する。燃料噴射装置は、例えば、エンジン用燃料ポンプ56から供給される未改質燃料を、直噴インジェクタを用いてエンジンの各気筒内へ直接噴射する。
混合器2は、空気導入部21、未改質燃料導入部22、及び改質燃料導入部24が設けられた混合容器25と、この混合容器25の内部に充填された粒子状物質又は多孔質物質(図示せず)と、混合容器25内に導入された流体を加熱するヒータ(図示せず)と、を備える。空気導入部21には空気供給管41が接続されている。空気供給装置4によって流量が調整された空気は、空気導入部21を介して混合容器25内に供給される。未改質燃料導入部22には燃料供給管52が接続されている。未改質燃料供給装置5によって流量が調整された未改質燃料は、未改質燃料導入部22を介して混合容器25内に供給される。改質燃料導入部24には、改質燃料循環装置7の後述の燃料還流管751が接続されている。改質燃料循環装置7によって流量が調整された改質燃料は、改質燃料導入部24を介して混合容器25内に供給される。
また混合器2における粒子状物質としては、例えば、石英石、二酸化ケイ素、ゼオライト等が用いられる。また多孔質物質としては、例えば、ステンレスの焼結体であるポーラスステンレスや、その他のポーラス金属等が用いられる。各導入部21,22,24から導入された流体が混合容器25の内部で均一に混合され、さらにこのようにして生成された混合気が改質器3の複数の混合気の入口へ均等の圧力で供給されるように、これら粒子状物質や多孔質物質は混合容器25内にむらなく充填されている。
各導入部21,22,24を介して混合容器25内に導入される空気や未改質燃料等の流体は、ヒータによって改質器3における改質反応に適した温度まで昇温されるとともに、混合容器25の内部に設けられた粒子状物質又は多孔質物質によってその流れが分散、変転、転換(回転)され、均一な混合気が生成される。混合容器25の内部で生成された混合気は、鉛直方向上方に設けられた改質器3の複数の混合気の入口へ押し出される。
改質器3は、混合器2によって生成された混合気の流路となる複数の反応管31と、これら複数の反応管31を収容する筒状の胴体32とを備え、胴体32の内部のうち反応管31の周囲に冷媒が流れる冷媒流路が形成された多管式熱交換器である。
各反応管31の入口は上述の混合器2の内部と連通している。また各反応管31の内部には、改質反応を促進するための改質触媒を構成する主触媒及び助触媒が担持された粒子状物質又は多孔質物質が充填されている。混合器2によって各反応管31の入口へ均等の圧力で押し上げられた混合気は、各反応管31の内部を流れ、その出口から排出される。混合器2において空気、未改質燃料、及び改質燃料を所定の割合で混合して形成された混合気は、各反応管31の内部を流れる過程で、改質触媒の作用下で酸素を用いた改質反応が進行し、改質燃料として気液混合の状態で出口から排出される。なお図1に示すように、混合器2から供給される混合気がその自重に逆らって鉛直方向に沿って下方から上方へ流れるように、各反応管31の出口を入口より高くしかつ鉛直方向に対して平行に設けられるが、本発明はこれに限らない。例えば、混合器2から供給される混合気が水平方向に沿って流れるように、各反応管31は水平方向に対して平行に設けてもよい。
胴体32のうち反応管31の出口側には、外部から供給される冷媒を受け入れる冷媒導入部33が設けられ、胴体32のうち反応管31の入口側には、胴体32の内部から冷媒を排出する冷媒排出部34が設けられている。冷媒導入部33及び冷媒排出部34は、エンジンを冷却するための冷却水が循環する冷却水循環回路(図示せず)に接続されている。これにより胴体32の内部には、エンジンを熱源とし、ラジエタによって温度調整された冷却水が流れる。
改質器3に供給する冷却水の温度は、例えば70〜110℃の範囲内であることが好ましい。冷却水の温度が70℃未満になると、各反応管31内における改質反応速度を上昇させる効果が低下する。また、冷却水の温度が高くなるほど改質反応速度を上昇させる効果も上昇するが、冷却水の温度が110℃を超えるとエンジンの冷却水の使用が難しくなる。そこでECU8は、改質器3を用いて燃料を改質する時期であって、冷却水の温度が上記温度範囲内にある場合には、冷却水循環回路の冷却水ポンプを駆動し、改質器3に冷却水を循環させ、冷却水の温度が上記温度範囲外にある場合には、冷却水ポンプを停止し、冷却水の循環を停止する。これにより、反応管31内における改質反応が進行して反応管31内の温度が既に高温に達しているときには、冷却水は反応管31を冷却するように作用し、改質反応の初期で反応管31内の温度が低温の場合には、冷却水は反応管31を暖めるように作用する。これにより、各反応管31内の混合気の改質反応速度が向上する。
次に、主触媒及び助触媒の具体的な構成について説明する。各反応管31の内部に担持されている主触媒には、ガソリン中の炭化水素から水素原子を引き抜いてアルキルラジカルを生成させるように作用するものが用いられる。具体的には、主触媒としては、N−ヒドロキシイミド基を有するN−ヒドロキシイミド基含有化合物が用いられる。中でも、N−ヒドロキシフタルイミド(以下、「NHPI」という)やNHPI誘導体は上記作用が顕著であるため、好ましく用いられる。
また各反応管31の内部に担持されている助触媒には、アルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを還元してアルコールを生成させるとともに、このアルコールを上記アルキルラジカルと反応させてケトンを生成させる能力を有するものが用いられる。具体的には、助触媒としては、遷移金属化合物が用いられる。中でも、コバルト化合物、マンガン化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる化合物が好ましく用いられる。コバルト化合物としては酢酸コバルト(II)等が用いられ、マンガン化合物としては酢酸マンガン(II)等が用いられ、銅化合物としては塩化銅(I)等が用いられる。
各反応管31内では、以上のような主触媒及び助触媒から成る改質触媒の作用下で、以下のような改質反応が進行する。先ず、本実施形態の改質反応は、下記の反応式(1)に示すように、ガソリン中の炭化水素から水素原子が引き抜かれてアルキルラジカルが生成する水素引き抜き反応により開始される。この水素引き抜き反応は、主触媒、ラジカル及び酸素分子等の作用により進行する。
[化1]
RH → R・ …反応式(1)
[反応式(1)中、RHは炭化水素を表し、R・はアルキルラジカルを表す。]
[化1]
RH → R・ …反応式(1)
[反応式(1)中、RHは炭化水素を表し、R・はアルキルラジカルを表す。]
次いで、水素引き抜き反応により生成したアルキルラジカルは、下記の反応式(2)に示すように、酸素分子と結合してアルキルペルオキシラジカルを生成する。
[化2]
R・ + O2 → ROO・ …反応式(2)
[反応式(2)中、O2は酸素分子を表し、ROO・はアルキルペルオキシラジカルを表す。]
[化2]
R・ + O2 → ROO・ …反応式(2)
[反応式(2)中、O2は酸素分子を表し、ROO・はアルキルペルオキシラジカルを表す。]
次いで、反応式(2)により生成したアルキルペルオキシラジカルは、下記の反応式(3)に示すように、ガソリン中に含まれる炭化水素から水素原子を引き抜いて、アルキルヒドロペルオキシドを生成する。
[化3]
ROO・ +RH → ROOH + R・ …反応式(3)
[反応式(3)中、ROOHはアルキルヒドロペルオキシドを表す。]
[化3]
ROO・ +RH → ROOH + R・ …反応式(3)
[反応式(3)中、ROOHはアルキルヒドロペルオキシドを表す。]
次いで、反応式(3)により生成したアルキルヒドロペルオキシドは、下記の反応式(4)に示すように、助触媒の作用によりアルコールに還元される。
[化4]
ROOH → ROH …反応式(4)
[反応式(4)中、ROHはアルコールを表す。]
[化4]
ROOH → ROH …反応式(4)
[反応式(4)中、ROHはアルコールを表す。]
また反応式(3)により生成したアルキルヒドロペルオキシドは、下記の反応式(5)に示すように、助触媒又は熱の作用によりアルコキシラジカルとヒドロキシラジカルとに分解する。
[化5]
ROOH → RO・ + ・OH …反応式(5)
[反応式(5)中、RO/はアルコキシラジカルを表し、・OHはヒドロキシラジカルを表す。]
[化5]
ROOH → RO・ + ・OH …反応式(5)
[反応式(5)中、RO/はアルコキシラジカルを表し、・OHはヒドロキシラジカルを表す。]
次いで、反応式(5)により生成したアルコキシラジカルは、ガソリン中に含まれる炭化水素から水素原子を引き抜いて、アルコールを生成する。
[化6]
RO・ + RH → ROH + R・ …反応式(6)
[化6]
RO・ + RH → ROH + R・ …反応式(6)
以上のようにして、ガソリン中に主体的に含まれる炭化水素が酸化改質され、アルコールに変換される。より詳しくは、ガソリン中に含まれる炭化水素は炭素数が4〜10の炭化水素であるため、これら炭化水素が、炭素数4〜10のアルコールに変換される。なお、上述のようにして生成したアルコールROHのうち、その大部分は第2級アルコールR−CHOH−R’である。
次いで、上述のようにして生成した第2級アルコールR−CHOH−R’は、下記の反応式(7)に示すように、例えばアルキルペルオキシラジカルROO・のようなアルキルラジカルと反応して、ヒドロキシアルキルラジカルR−C・OH−R’を生成する。
[化7]
R−CHOH−R’ + ROO・ → R−C・OH−R’ + ROOH
…反応式(7)
[反応式(7)中、R−CHOH−R’は第2級アルコールを表し、R−C・OH−R’はヒドロキシアルキルラジカルを表す。]
[化7]
R−CHOH−R’ + ROO・ → R−C・OH−R’ + ROOH
…反応式(7)
[反応式(7)中、R−CHOH−R’は第2級アルコールを表し、R−C・OH−R’はヒドロキシアルキルラジカルを表す。]
次いで、ヒドロキシアルキルラジカルR−C・OH−R’は、さらに下記の反応式(8)に示すように、例えばアルキルペルオキシラジカルROO・のようなアルキルラジカルと反応して、ケトンR−C=O−R’を生成する。
[化8]
R−C・OH−R’ + ROO・ → R−C=O−R’ +ROOH
…反応式(8)
[反応式(8)中、R−C=O−R’はケトンを表す。]
[化8]
R−C・OH−R’ + ROO・ → R−C=O−R’ +ROOH
…反応式(8)
[反応式(8)中、R−C=O−R’はケトンを表す。]
以上のようにして、本実施形態の燃料改質システム1では、外部から給油されたガソリンを、ケトンを含む高オクタン価燃料に改質することができ、燃料のオクタン価を向上できる。
改質燃料循環装置7は、改質器3の出口から排出された反応済み改質燃料を回収する改質燃料回収装置71と、改質燃料回収装置71によって回収した改質燃料を混合器2へ再度供給する改質燃料再供給装置75と、を備え、これらを用いることによって改質器3を含む循環経路内で改質燃料を循環させる。
改質燃料回収装置71は、改質燃料タンク711と、燃料回収管712と、凝縮器713と、気液分離器714と、燃料回収ポンプ715と、を備える。燃料回収管712は、改質器3の反応管31の出口から延び改質燃料タンク711に至る配管である。改質器3の出口から排出された反応済みの改質燃料は、この燃料回収管712を介して改質燃料タンク711に供給される。
凝縮器713は、燃料回収管712に設けられ、車両が走行することによって発生する走行風又は図示しない電動ファンを駆動することによって発生する冷却風を利用することにより、改質器3から気液混合の状態で排出される改質燃料を凝縮する。気液分離器714は、燃料回収管712のうち凝縮器713の下流側に設けられ、凝縮器713を経て凝縮された改質燃料を、凝縮相と気相とに分離して別々の配管へ排出する。より具体的には、凝縮器713を経た改質燃料のうち凝縮相は、気液分離器714によって燃料回収管712を介して改質燃料タンク711へ排出される。また凝縮器713を経た改質燃料のうち気相は、気液分離器714によって気相排出管716を介し、エンジンの吸気負圧を利用してエンジンの吸気通路(図示せず)へ排出される。ここで凝縮相の物質には、改質反応によって生成されたアルコールや他の副生成物等が含まれ、気相の物質には、窒素、酸素、及び改質反応によって生成された他の副生成物等が含まれる。
改質燃料タンク711は、改質器3から排出され、上記のように凝縮器713及び気液分離器714を経た凝縮相の改質燃料を貯蔵する。この改質燃料タンク711には、エンジン用燃料ポンプ717と、レベルセンサ718と、物性センサ719と、が設けられている。エンジン用燃料ポンプ717は、改質燃料タンク711内に貯蔵された改質燃料を、エンジンの燃料噴射装置へ供給する。燃料噴射装置は、例えば、エンジン用燃料ポンプ717から供給される改質燃料を、ポートインジェクタを用いてエンジンの各気筒に連通する吸気ポート内に噴射する。レベルセンサ718は、改質燃料タンク711内に貯蔵されている改質燃料の水位を検出し、検出値に応じた信号をECU8へ送信する。ECU8では、このレベルセンサ718からの検出信号を用いて改質燃料タンク711内の改質燃料の残量が把握される。
物性センサ719は、改質燃料タンク711に貯蔵されている改質燃料の特定の物性の値を検出し、検出値に応じた信号をECU8へ送信する。ECU8では、この物性センサ719からの検出信号に基づいて、改質燃料タンク711に貯蔵されている改質燃料のオクタン価と相関がある酸化進行度[%]を推定する。またECU8は、この酸化進行度と改質燃料のオクタン価との相関関係を規定したマップ(以下、「オクタン価推定マップ」という)を備えており、物性センサ719の検出信号に基づいて推定した酸化進行度と、上記相関関係を規定したオクタン価推定マップとを用いることによって、改質燃料タンク711に貯蔵されている改質燃料のオクタン価を推定する。
ここで、改質燃料の酸化進行度やオクタン価等と相関がある物性としては、例えば改質燃料の密度[g/cc]、改質燃料のエタノール濃度[%]、及び改質燃料の誘電率[F/m]等が挙げられる。図2及び図3等に例示するように、改質燃料の密度、エタノール濃度、及び誘電率が高くなるほど改質燃料の酸化進行度も高くなる。そこで物性センサ719としては、改質燃料の密度に応じた検出信号を発生する密度センサや、改質燃料の誘電率若しくはエタノール濃度に応じた検出信号を発生するエタノール濃度センサ等が用いられる。
またECU8には、改質燃料タンク711に貯蔵されている改質燃料を燃焼させる図示しないエンジンの燃焼変動を検出するノックセンサ81が接続されている。ノックセンサ81は、エンジンの振動を検出することにより、ノッキングの有無を検出する。そしてECU8は、このノックセンサ81の検出信号に基づいて、改質燃料のオクタン価を推定することが可能となっている。
ここで、ECU8において、ノックセンサ81の検出信号に基づいて改質燃料のオクタン価を推定する手順について説明する。通常、ガソリンエンジンは、エンジン負荷が高くかつエンジン回転数が小さいほど、ノッキングが発生しやすい。このようなノッキングが発生しやすい運転条件では、最も高い効率での点火時期(MBT)でノッキングが発生することなく燃焼可能であるガソリンのオクタン価(以下、「要求オクタン価」という)が高くなる。
そこでECU8では、改質燃料を上述のように吸気ポートに噴射して燃焼に供したときに、その改質燃料のオクタン価が要求オクタン価よりも低い場合には、ノックセンサ81でノッキングが検出されるため、火花点火時期をMBTより遅くして再び点火することでノッキングの発生を抑制する。ECU8は、あるエンジン負荷及びあるエンジン回転数における要求オクタン価と、それより低いオクタン価における、オクタン価とノッキング抑制に必要な火花点火時期との関係を予めマップによって規定しておき、改質燃料のオクタン価が要求オクタン価より低い場合には、ノッキングの抑制に必要な点火時期の値から上記マップを用いて、改質燃料のオクタン価を推定する。このノックセンサ81を用いたオクタン価の推定方法では、上述のようにエンジンの運転状態が特定の領域(高負荷かつ低回転)にある場合にのみオクタン価を推定することができる。しかしながらこのノックセンサ81を用いたオクタン価の推定方法によれば、上述のように物性センサ719を用いたオクタン価の推定方法と比べて、高い精度でオクタン価を推定できることが可能となっている。
以上のように、ECU8では、物性センサ719を用いた方法とノックセンサ81を用いた方法との2つの異なる方法で改質燃料タンク711に貯蔵されている改質燃料のオクタン価を推定することが可能となっている。
改質燃料再供給装置75は、燃料還流管751と、改質燃料ポンプ752と、改質燃料流量計753と、改質燃料弁754と、を備える。燃料還流管751は、改質燃料タンク711から混合器2の改質燃料導入部24に至る配管である。改質燃料タンク711に回収された反応済みの改質燃料は、この燃料還流管751を介して混合器2に供給される。改質燃料ポンプ752は、改質燃料タンク711内に設けられ、ECU8からの制御信号に応じて改質燃料タンク711内の底部に溜まった改質燃料を混合器2へ圧送する。改質燃料流量計753は、燃料還流管751を流れる改質燃料の流量を検出し、検出値に応じた信号をECU8へ送信する。改質燃料弁754は、燃料還流管751に設けられ、ECU8からの制御信号に応じて開閉する。ECU8は、改質燃料流量計753の検出信号を用いて改質燃料ポンプ752の回転数及び改質燃料弁754の開度を制御することにより、混合器2に供給される改質燃料の流量(以下、「改質燃料供給量」ともいう)を調整する。
ECU8は、センサの検出信号をA/D変換するI/Oインターフェース、各種データや各種プログラムを記憶するRAMやROM、各種プログラムを実行するCPU、並びにこの処理の下で決定した態様で空気供給装置4、未改質燃料供給装置5、及び改質燃料循環装置7等を構成する各種デバイスを駆動する駆動回路等で構成されるマイクロコンピュータである。ここで、ECU8において実行されるプログラムとしては、空気供給装置4による空気供給量と未改質燃料供給装置5による未改質燃料供給量と改質燃料循環装置7による改質燃料供給量とを制御するプログラム(例えば、後述の図5のフローチャート参照)や、混合器2によって混合気を生成するタイミングに合わせてそのヒータを駆動するプログラムや、改質器3で混合気を改質するタイミングに合わせてその冷却水ポンプを駆動するプログラム等、がある。
次に、改質燃料循環装置7を用いて改質器を経た反応済みの改質燃料を再度改質器に供給することの効果を検証するために行った実験とその結果について説明する。この実験では、改質器を用いて所定量の未改質燃料を所定時間かけて改質し、最終的に得られた改質燃料のオクタン価の上昇速度と相関のある酸化進行度[%]を測定した。特に本実験では、上記実施形態の燃料改質システムのように改質器に未改質燃料と改質燃料と空気とを供給した場合、すなわち、未改質燃料に所定量の反応済みの改質燃料を混ぜて改質器に供給した場合の酸化進行度と、従来の燃料改質システムのように改質器に未改質燃料と空気とを供給した場合、すなわち改質燃料を混ぜずに未改質燃料を改質器に供給した場合の酸化進行度とを取得し、これらを比較した。
図4は、未改質燃料に反応済みの改質燃料を所定の割合(反応済みの改質燃料を1.0とした場合、未改質燃料は0.25の割合)で混ぜて改質した場合(図4の右側)と、未改質燃料に反応済みの改質燃料を混ぜずに改質した場合(図4の左側)とで、最終的に得られた改質燃料の1時間当たりの酸化進行度を比較した図である。
図4に示すように、未改質燃料に反応済みの改質燃料を混ぜて改質器に供給した場合、これらを混ぜずに未改質燃料のみを改質器に供給した場合と比較して1時間当たりの酸化進行度が上昇する。すなわち、酸素を用いた改質反応を利用して燃料を改質する場合、反応済みの改質燃料には改質器における改質反応速度を上昇させ、速やかにオクタン価を上昇させる効果がある。これは、反応済みの改質燃料には極性があり、このため反応速度が向上するものと考えられる。またこのような極性のある改質燃料を供給すると、混合気中の主触媒の溶解度が上昇し、これによって混合気の主触媒の濃度が高くなるので、このような理由によっても反応速度が向上すると考えられる。
次に、燃料改質システム1において給油燃料タンク51に貯蔵された未改質燃料を改質器3によって改質し、そのオクタン価を高くする具体的な制御手順について説明する。
図5は、燃料改質システム1において所定の目標オクタン価でありかつ所定の目標残量の改質燃料を改質燃料タンク711に貯蔵させる手順を示すフローチャートである。図5の処理は、車両Vを始動するイグニッションスイッチがオンにされた場合や、改質燃料の残量が閾値以下になった場合等、改質燃料の生成に対する要求が生じたことに応じて、ECU8において実行される。
図5は、燃料改質システム1において所定の目標オクタン価でありかつ所定の目標残量の改質燃料を改質燃料タンク711に貯蔵させる手順を示すフローチャートである。図5の処理は、車両Vを始動するイグニッションスイッチがオンにされた場合や、改質燃料の残量が閾値以下になった場合等、改質燃料の生成に対する要求が生じたことに応じて、ECU8において実行される。
始めにS1では、ECUは、レベルセンサの出力を用いて改質燃料タンク内の改質燃料の残量を取得し、S2に移る。S2では、ECUは、S1で取得した残量が所定の下限値以下であるか否かを判定する。このS2の判定は、これ以降の処理において改質燃料循環装置によって反応済みの改質燃料を循環させるために最低限確保しておくべき量の改質燃料が改質燃料タンクに貯蔵されているか否かを判定するための処理である。
S2の判定結果がNOである場合、S4に移る。また、S2の判定結果がYESである場合、S3に移り、改質燃料タンク内の残量を速やかに増加させる増量運転を行った後、再びS1に戻る。
S3の増量運転では、ECUは、改質燃料の混合器への供給を停止するとともに、未改質燃料と空気とを混合器2へ供給する。すなわち増量運転では、ECUは、改質燃料ポンプをオフにしかつ改質燃料弁を閉じ、燃料ポンプをオンにしかつ燃料弁を開き、空気ポンプをオンにしかつ空気弁を開く。またこの際、ECUは、改質器内における未改質燃料と空気又は酸素との体積比が、増量運転時用に定められた所定の目標範囲内になるように空気供給量と未改質燃料供給量とを制御する。このような増量運転を行うことにより、改質燃料タンクからの改質燃料の持ち出しが抑制され、また改質燃料タンクには改質器を経た反応済みの改質燃料が供給されるので、改質燃料タンクの残量を速やかに増やすことができる。
S4では、ECUは、現在のエンジンの運転状態が高負荷かつ低回転領域であるか否かを判定する。S4の判定結果がNOである場合、S5に移る。S5では、ECUは、物性センサの検出信号に基づいて改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価の推定値を算出し、S9に移る。
またS4の判定結果がYESである場合、S6に移る。S6では、ECUは、ノックセンサの検出信号に基づいて改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価の推定値を算出し、S7に移る。上述のように、エンジンの運転状態が高負荷かつ低回転領域にある場合、ノックセンサの検出信号を用いて改質燃料のオクタン価を推定することが可能となっている。
S7では、ECUは、物性センサの検出信号に基づいて改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価の推定値を算出し、S8に移る。
S8では、ECUは、S7において物性センサを用いて算出したオクタン価の推定値と、S6においてノックセンサを用いて算出したオクタン価の推定値との差を用いることにより、物性センサを用いた方法とノックセンサを用いた方法とでオクタン価の推定結果が近づくように、物性センサを用いた方法で用いられるオクタン価推定マップを修正する。
S9では、ECUは、S5又はS6において算出したオクタン価の推定値に基づいて、改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価が予め定められた目標オクタン価になるように、未改質燃料の混合器への供給量と、改質燃料の混合器への供給量との比率に対する目標に相当する目標比率を設定する。またS9では、ECUは、設定した目標比率が実現するように未改質燃料の混合器への供給量及び改質燃料の混合器への供給量に対する目標を設定し、さらにこれら燃料の供給量に対する目標に応じて、空気の混合器への供給量に対する目標を設定し、S10に移る。
S10では、ECUは、S9において定められた目標の下で混合循環運転を行い、S11に移る。この混合循環運転では、ECUは、改質燃料ポンプをオンにしかつ改質燃料弁を開き、燃料ポンプをオンにしかつ燃料弁を開き、空気ポンプをオンにしかつ空気弁を開く。またこの際、ECUは、改質燃料の混合器への供給量と、未改質燃料の混合器の供給量と、空気の混合器への供給量が、それぞれS9で設定した目標を実現するように、改質燃料弁、燃料弁、及び空気弁の開度並びに改質燃料ポンプ、燃料ポンプ、及び空気ポンプの回転数等を制御する。
S11では、ECUは、改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価及び残量がそれぞれ目標オクタン価及び目標残量に到達したか否かを判定する。ECUは、S11の判定結果がYESである場合には図5の処理を終了し、判定結果がNOである場合にはS1に戻る。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。
例えば上記実施形態では、主触媒は、助触媒と同様に改質反応器の反応管内に充填された粒子状物質又は多孔質物質に担持させた場合について説明したが、本発明はこれに限らない。主触媒は、未改質燃料とともに混合器へ供給するようにしてもよい。
例えば上記実施形態では、主触媒は、助触媒と同様に改質反応器の反応管内に充填された粒子状物質又は多孔質物質に担持させた場合について説明したが、本発明はこれに限らない。主触媒は、未改質燃料とともに混合器へ供給するようにしてもよい。
1…燃料改質システム
3…改質器
31…反応管(改質触媒)
5…未改質燃料供給装置
711…改質燃料タンク
719…物性センサ
75…改質燃料再供給装置
8…ECU(オクタン価推定手段、制御手段、別オクタン価推定手段)
81…ノックセンサ(燃焼変動検出手段)
3…改質器
31…反応管(改質触媒)
5…未改質燃料供給装置
711…改質燃料タンク
719…物性センサ
75…改質燃料再供給装置
8…ECU(オクタン価推定手段、制御手段、別オクタン価推定手段)
81…ノックセンサ(燃焼変動検出手段)
Claims (3)
- 炭化水素を主体とした燃料を、改質触媒の作用下で酸化改質する改質器を備える燃料改質システムであって、
前記改質器を経ていない未改質燃料を前記改質器へ供給する未改質燃料供給装置と、
前記改質器から流出する改質燃料を貯蔵する改質燃料タンクと、
前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料を前記改質器へ供給する改質燃料供給装置と、
前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料の物性を検出する物性検出手段と、
前記物性検出手段の検出値に基づいて前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価を推定するオクタン価推定手段と、
前記オクタン価推定手段の推定値に基づいて、前記改質器へ供給する未改質燃料の供給量と改質燃料の供給量の比率を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする改質燃料システム。 - 前記物性検出手段は、前記改質燃料の密度に応じた検出信号を発生するセンサ又は前記改質燃料の誘電率若しくはエタノール濃度に応じた検出信号を発生するセンサであることを特徴とする請求項1に記載の燃料改質システム。
- 前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料を燃焼する内燃機関の燃焼変動を検出する燃焼変動検出手段と、
前記燃焼変動検出手段の検出信号に基づいて前記改質燃料タンクに貯蔵されている改質燃料のオクタン価を推定する別オクタン価推定手段と、をさらに備え、
前記オクタン価推定手段は、前記改質燃料の物性とオクタン価との相関関係を用いることによって前記改質燃料のオクタン価を推定するとともに、前記別オクタン価推定手段の推定結果を用いることによって前記相関関係を修正することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料改質システム。
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-
2017
- 2017-09-13 JP JP2017175402A patent/JP2019052550A/ja active Pending
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