JP6378833B2 - 燃料改質システム - Google Patents
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Description
本発明は、燃料改質システムに関する。詳しくは、炭化水素を主体とする燃料を改質することで燃料のオクタン価を向上できる燃料改質システムに関する。
予め混合した燃料と空気の混合気を点火プラグによる火花点火で燃焼させるガソリンエンジンでは、点火プラグから離隔した未燃焼の混合気(エンドガス)が自着火することで、ノッキングが生じることが知られている。ノッキングは、エンジンの圧縮比を高めると生じ易くなるため、近年の高圧縮比エンジンでは、ノッキングの抑制が強く求められている。
ノッキングを抑制する方法としては、点火時期を遅角する方法が挙げられる。しかしながら、点火時期を遅角すると、エンジンの熱効率が低下する。そのため、高圧縮比エンジンにおいても、ノッキングを抑制しつつ高い熱効率が得られる技術の開発が望まれる。
ところで、ノッキングは燃料のオクタン価を高めることで抑制できるため、オクタン価の高い燃料として、ガソリン中にエタノール等のアルコールを予め混合したアルコール含有燃料が一部の地域で広く用いられている。また、このようなアルコール含有燃料の普及に伴い、外部から給油されたアルコール含有燃料を、車両上で高ガソリン濃度の燃料と高アルコール濃度の燃料とに分離する技術の開発が進められている。ガソリンとアルコールとでは、例えばオクタン価や発熱量等の燃料物性において種々の相違点があるため、外部から給油されたアルコール含有燃料をそのまま利用するよりも、車両上で分離し、用途に応じてガソリンとアルコールとを使い分けた方が好ましいからである。ただし、エンジンの要求に応じた分離は容易ではない。
一方、N−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)等の炭素ラジカル生成触媒を用いて、炭化水素をアルコールに変換させる合成方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この合成方法を車両上で利用できれば、エンジンの要求に応じて、ガソリン中に含まれる炭化水素をオクタン価の高いアルコールに変換でき、高オクタン価燃料をエンジンに供給できると考えられる。
S.Sakaguchi、S.Kato、T.Iwahama、Y.Ishii、Bull.Chem.Soc. Jpn.71 (1998) p.1237-1240
しかしながら、上述の炭素ラジカル生成触媒を用いて、ガソリンを高オクタン価燃料に変換する検討については、これまでのところなされていないのが現状である。従って、車両上でガソリンを高オクタン価燃料に変換する技術を確立できれば、エンジンの要求に応じて高オクタン価燃料を供給することができ、ノッキングを抑制しつつ高い熱効率を得ることが可能となるため、極めて有益である。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、炭化水素を主体としたガソリンを車両上で高オクタン価燃料に変換できる燃料改質システムを提供することにある。
(1)本発明の燃料改質システム(例えば、後述の燃料改質システム1)は、炭化水素を主体とする燃料(例えば、後述のガソリン)を、空気を用いて改質して高オクタン価燃料を生成させる改質触媒(例えば、後述の改質触媒152)を備える改質器(例えば、後述の改質器15)と、前記改質器の上流に設けられ、前記燃料と空気を混合して前記改質器に供給する混合器(例えば、後述の混合器14)と、前記改質器の下流に設けられ、前記改質器で生成した生成ガスを、改質燃料を主体とする凝縮相と、気相とに分離する凝縮器(例えば、後述の凝縮器16)と、を備える。前記改質触媒は、前記燃料中の炭化水素から水素原子を引き抜いてアルキルラジカルを生成させる主触媒と、アルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを還元してアルコールを生成させるとともに該アルコールを前記アルキルラジカルと反応させてケトンを生成させる助触媒と、を含んで構成される。
(1)の発明に係る燃料改質システムでは、上流側から順に、炭化水素を主体とする燃料と空気を混合して改質器に供給する混合器と、空気を用いて燃料を改質して高オクタン価燃料を生成させる改質器と、改質器で生成した生成ガスを凝縮相と気相とに分離する凝縮器と、を設ける。また、燃料中の炭化水素から水素原子を引き抜いてアルキルラジカルを生成させる主触媒と、アルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを還元してアルコールを生成させるとともに該アルコールを前記アルキルラジカルと反応させてケトンを生成させる助触媒と、を含んで構成される改質触媒を改質器に設ける。
(1)の発明によれば、ガソリン等の炭化水素を主体とする燃料を改質してケトンを含む高オクタン価燃料に変換できるため、燃料のオクタン価を向上できる。また、酸化剤として空気を用いることから、システムの構成が簡易であるため車両に搭載が可能であり、車両上でエンジンの要求に応じて、ケトンを含む高オクタン価燃料をエンジンに供給できる。従って、(1)の発明によれば、圧縮比を高めたエンジンであっても、ノッキングを抑制しつつ高い熱効率が得られる。
(1)の発明によれば、ガソリン等の炭化水素を主体とする燃料を改質してケトンを含む高オクタン価燃料に変換できるため、燃料のオクタン価を向上できる。また、酸化剤として空気を用いることから、システムの構成が簡易であるため車両に搭載が可能であり、車両上でエンジンの要求に応じて、ケトンを含む高オクタン価燃料をエンジンに供給できる。従って、(1)の発明によれば、圧縮比を高めたエンジンであっても、ノッキングを抑制しつつ高い熱効率が得られる。
(2)前記主触媒は、N−ヒドロキシイミド基含有化合物であることが好ましい。
(2)の発明では、主触媒として、N−ヒドロキシイミド基含有化合物を用いる。これにより、燃料中の炭化水素から水素原子をより確実に引き抜くことができるため、炭化水素をより確実にアルコールに変換でき、該アルコールからケトンを生成させることができる。従って、(2)の発明によれば、上記(1)の発明の効果がより確実に発揮される。
(3)前記助触媒は、遷移金属化合物であることが好ましい。
(3)の発明では、助触媒として、遷移金属化合物を用いる。これにより、主触媒による水素原子の引き抜きにより生じたアルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを、より確実に還元してアルコールに変換でき、該アルコールからケトンを生成させることができる。従って、(3)の発明によれば、上記(1)〜(2)の発明の効果がより確実に発揮される。
(4)前記助触媒は、コバルト化合物、マンガン化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる化合物であることが好ましい。
(4)の発明では、助触媒として、コバルト化合物、マンガン化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる化合物を用いる。これにより、主触媒による水素原子の引き抜きにより生じたアルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを、さらに確実に還元してアルコールに変換でき、該アルコールからケトンを生成させることができる。従って、(3)の発明によれば、上記(1)〜(2)の発明の効果がさらに確実に発揮される。
(5)本発明の燃料改質システムは、改質前の燃料を貯留する燃料タンク(例えば、後述の燃料タンク12)と、前記燃料タンクに貯留された改質前の燃料を、内燃機関(例えば、後述のエンジン)の気筒内又は吸気ポート内に供給する燃料供給手段(例えば、後述の燃料供給部17)と、前記凝縮器で分離された気相を、前記吸気ポート内に供給する気相供給手段(例えば、後述の気相供給部20)と、前記凝縮器で分離された凝縮相中の改質燃料を貯留する改質燃料タンク(例えば、後述の改質燃料タンク18)と、前記改質燃料タンクに貯留された改質燃料を、前記気筒内又は前記吸気ポート内に供給する改質燃料供給手段(例えば、後述の改質燃料供給部19)と、をさらに備えることが好ましい。
(5)の発明では、燃料タンクに貯留された改質前の燃料を内燃機関の気筒内又は吸気ポート内に供給する一方で、凝縮器で分離された気相を吸気ポート内に供給するとともに、改質燃料タンクに貯留された凝縮相中の改質燃料を気筒内又は吸気ポート内に供給する。これにより、車両上でエンジンの要求に応じて、ケトンを含む高オクタン価燃料を供給することができるため、ノッキングを抑制しつつ高い熱効率が得られる。
本発明によれば、炭化水素を主体としたガソリンを車両上で高オクタン価燃料に変換できる燃料改質システムを提供できる。
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料改質システム1の構成を示す図である。本実施形態の燃料改質システム1は、図示しない車両に搭載され、車両上で図示しないエンジンの要求に応じて、燃料中に含まれる炭化水素をケトンを含む高オクタン価燃料に改質してエンジンに供給する。本実施形態の燃料改質システム1では、燃料としてガソリンを用い、酸化剤として空気を用いる。即ち、本実施形態の燃料改質システム1は、空気中の酸素による酸化反応を利用してガソリンを改質することから、例えば分解反応等を利用した改質と比べて低温で温和な条件下で改質が可能であるため、システム構成を簡易化でき、車両上でのオンデマンド運転に適したシステムである。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料改質システム1の構成を示す図である。本実施形態の燃料改質システム1は、図示しない車両に搭載され、車両上で図示しないエンジンの要求に応じて、燃料中に含まれる炭化水素をケトンを含む高オクタン価燃料に改質してエンジンに供給する。本実施形態の燃料改質システム1では、燃料としてガソリンを用い、酸化剤として空気を用いる。即ち、本実施形態の燃料改質システム1は、空気中の酸素による酸化反応を利用してガソリンを改質することから、例えば分解反応等を利用した改質と比べて低温で温和な条件下で改質が可能であるため、システム構成を簡易化でき、車両上でのオンデマンド運転に適したシステムである。
図1に示すように、本実施形態に係る燃料改質システム1は、空気導入部11と、燃料タンク12と、燃料導入部13と、混合器14と、改質器15と、凝縮器16と、燃料供給部17と、改質燃料タンク18と、改質燃料供給部19と、気相供給部20と、を含んで構成される。
空気導入部11は、後述する混合器14の上流に設けられ、混合器14内に酸化剤としての空気を導入する。空気導入部11は、空気導入管110の上流側から順に、空気フィルタ111と、空気ポンプ112と、空気流量計113と、空気バルブ114と、を備える。空気導入部11は、空気ポンプ112を駆動することで、空気フィルタ111を介して外気から空気を取り込む。また、空気導入部11は、空気バルブ114を開弁することで、取り込んだ空気を混合器14内に導入する。混合器14内への空気の導入量は、空気流量計113で検出された空気流量に基づいて、図示しない電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)により、空気バルブ114の開度を調整することで制御される。
燃料タンク12は、燃料として、炭化水素を主体的に含むガソリンを貯留する。即ち、燃料タンク12は、通常の車両に設けられる燃料タンクであり、改質前のガソリンを貯留する。
燃料供給部17は、燃料ポンプ171と、燃料供給管172と、図示しないインジェクタと、を備える。燃料供給部17は、燃料ポンプ171を駆動することで、燃料供給管172及びインジェクタを介して、燃料タンク12内に貯留されたガソリンを図示しないエンジンの気筒内又は吸気ポート内に供給する。ガソリン供給量は、ECUによりインジェクタの噴射量を調整することで制御される。
燃料導入部13は、後述する混合器14の上流に設けられ、混合器14内に燃料のガソリンを導入する。燃料導入部13は、燃料導入管130の上流側から順に、改質ポンプ131と、燃料流量計132と、燃料バルブ133と、を備える。燃料導入部13は、改質ポンプ131を駆動するとともに燃料バルブ133を開弁することで、燃料タンク12内に貯留されたガソリンを混合器14内に導入する。混合器14内へのガソリンの導入量は、燃料流量計132で検出された燃料流量に基づいて、ECUにより燃料バルブ133の開度を調整することで制御される。
混合器14は、後述する改質器15の上流に設けられ、燃料のガソリンと空気を混合して改質器15内に供給する。混合器14は、空気導入部11により導入される空気と、燃料導入部13により導入される液状のガソリンとを均一に混合可能な構成となっている。具体的には、例えば混合器14は、空気導入管110と混合器14の接続部を小孔に形成することで、小さな空気泡を生成するように構成されていてよい。また、混合器14は、空気の強い流れで渦を発生させるように構成されていてもよい。なお、混合器14は、図示しないヒータを備えており、ガソリン及び空気を所定の温度まで昇温しながら混合することで、ガソリンと空気の混合気を生成する。
改質器15は、混合器14から供給される混合気中のガソリンの主成分である炭化水素を、混合気中の空気を用いて改質してケトンを含む高オクタン価燃料を生成させる。具体的には、改質器15としては、流通反応器及び完全混合反応器のいずれであってもよい。
ここで、流通反応器とは、混合器14から導入されたガソリンと空気の混合気が、その前後に供給された混合気と反応器内部で混合されることなく、ピストンのように押し流されながら改質されて流出する反応器を意味する。そのため、流通反応器では、反応器から流出する流体の組成と反応器内部の流体の組成は相違し、混合気の反応器内部における滞在時間のばらつきが小さい特性を有する。
これに対して、完全混合反応器とは、混合器14から導入されたガソリンと空気の混合気が、改質器内で反応物と均一に混合されて改質される反応器を意味する。そのため、完全混合反応器では、反応器から流出する流体の組成と反応器内部の流体の組成は同一であり、混合器の反応器内部における滞在時間のばらつきが大きい特性を有する。
これに対して、完全混合反応器とは、混合器14から導入されたガソリンと空気の混合気が、改質器内で反応物と均一に混合されて改質される反応器を意味する。そのため、完全混合反応器では、反応器から流出する流体の組成と反応器内部の流体の組成は同一であり、混合器の反応器内部における滞在時間のばらつきが大きい特性を有する。
図1に示すように、改質器15には、図示しない温度センサと、改質器15内を冷却するための冷却部153と、が設けられる。冷却部153は、温度センサの検出温度に基づいてECUにより制御され、図示しないエンジンの冷却水を改質器15に供給することで改質器15を冷却する。エンジン冷却水の温度は、70℃〜100℃が好ましい。エンジン冷却水の温度が70℃未満では改質反応速度が小さく、100℃を超えるとエンジン冷却水の使用が難しくなる。なお、冷却部153は、改質反応が進行して改質器15内の温度が高温の場合には、エンジン冷却水で改質器15を冷却するが、改質反応の初期で改質器15内の温度が低温の場合には、逆にエンジン冷却水で改質器15を暖める作用をもたらす。
また、改質器15は、ガソリン中に主体的に含まれる炭化水素を、酸化剤としての空気を用いて改質し、アルコールを生成させるとともに該アルコールをアルキルラジカルと反応させてケトンを生成させる改質触媒152を備える。具体的には、改質器15は、円筒状のケーシング151と、ケーシング151内に充填された固体状の改質触媒152と、を備える。
固体状の改質触媒152は、小球状の多孔質担体と、当該多孔質担体の表面に担持された主触媒及び助触媒と、を含んで構成される。主触媒及び助触媒は、均一に混合された状態で、小球状の多孔質担体の表面に担持される。このように本実施形態の改質触媒152は、多孔質担体が小球状であることにより、その表面に担持される主触媒及び助触媒の表面積が増大し、燃料のガソリンや酸化剤の空気との接触面積が増大する。
小球状の多孔質担体としては、例えば、シリカビーズ、アルミナビーズ、シリカアルミナビーズ等が用いられる。中でも、シリカビースが好ましく用いられる。多孔質担体の粒径は、好ましくは3μm〜500μmである。
主触媒は、ガソリン中の炭化水素から水素原子を引き抜いてアルキルラジカルを生成させる能力を有する。具体的には、主触媒としては、N−ヒドロキシイミド基を有するN−ヒドロキシイミド基含有化合物が用いられる。中でも、N−ヒドロキシフタルイミド(以下、「NHPI」という。)又はNHPI誘導体が好ましく用いられる。
助触媒は、アルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを還元してアルコールを生成させるとともに該アルコールをアルキルラジカルと反応させてケトンを生成させる能力を有する。具体的には、助触媒としては、遷移金属化合物が用いられる。中でも、コバルト化合物、マンガン化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる化合物が好ましく用いられる。コバルト化合物としては酢酸コバルト(II)等が用いられ、マンガン化合物としては酢酸マンガン(II)等が用いられ、銅化合物としては塩化銅(I)等が用いられる。
上記主触媒及び助触媒の多孔質担体への担持方法については、従来公知の含浸法等が採用される。例えば、主触媒及び助触媒を所定の混合比で含有するスラリーを調製した後、調製したスラリー中に小球状の多孔質担体を浸漬させる。次いで、スラリー中から多孔質担体を引き上げ、多孔質担体の表面に付着した余分なスラリーを除去した後、所定の条件で乾燥する。これにより、多孔質担体の表面に主触媒及び助触媒が均一に担持された改質触媒152が得られる。
ここで、改質器15内で進行する改質反応について、以下に詳しく説明する。
先ず、本実施形態の改質反応は、下記の反応式(1)に示すように、ガソリン中の炭化水素から水素原子が引き抜かれてアルキルラジカルが生成する水素引き抜き反応により開始される。この水素引き抜き反応は、主触媒、ラジカル及び酸素分子等の作用により進行する。
[化1]
RH → R・ ・・・反応式(1)
[反応式(1)中、RHは炭化水素を表し、R・はアルキルラジカルを表す。]
先ず、本実施形態の改質反応は、下記の反応式(1)に示すように、ガソリン中の炭化水素から水素原子が引き抜かれてアルキルラジカルが生成する水素引き抜き反応により開始される。この水素引き抜き反応は、主触媒、ラジカル及び酸素分子等の作用により進行する。
[化1]
RH → R・ ・・・反応式(1)
[反応式(1)中、RHは炭化水素を表し、R・はアルキルラジカルを表す。]
次いで、水素引き抜き反応により生成したアルキルラジカルは、下記の反応式(2)に示すように、酸素分子と結合してアルキルペルオキシラジカルを生成する。
[化2]
R・ + O2 → ROO・ ・・・反応式(2)
[反応式(2)中、O2は酸素分子を表し、ROO・はアルキルペルオキシラジカルを表す。]
[化2]
R・ + O2 → ROO・ ・・・反応式(2)
[反応式(2)中、O2は酸素分子を表し、ROO・はアルキルペルオキシラジカルを表す。]
次いで、反応式(2)により生成したアルキルペルオキシラジカルは、下記の反応式(3)に示すように、ガソリン中に含まれる炭化水素から水素原子を引き抜いて、アルキルヒドロペルオキシドを生成する。
[化3]
ROO・ + RH → ROOH + R・ ・・・反応式(3)
[反応式(3)中、ROOHはアルキルヒドロペルオキシドを表す。]
[化3]
ROO・ + RH → ROOH + R・ ・・・反応式(3)
[反応式(3)中、ROOHはアルキルヒドロペルオキシドを表す。]
次いで、反応式(3)により生成したアルキルヒドロペルオキシドは、下記の反応式(4)に示すように、助触媒の作用によりアルコールに還元される。
[化4]
ROOH → ROH ・・・反応式(4)
[反応式(4)中、ROHはアルコールを表す。]
[化4]
ROOH → ROH ・・・反応式(4)
[反応式(4)中、ROHはアルコールを表す。]
また、反応式(3)により生成したアルキルヒドロペルオキシドは、下記の反応式(5)に示すように、助触媒又は熱の作用によりアルコキシラジカルとヒドロキシラジカルとに分解する。
[化5]
ROOH → RO・ + ・OH ・・・反応式(5)
[反応式(5)中、RO・はアルコキシラジカルを表し、・OHはヒドロキシラジカルを表す。]
[化5]
ROOH → RO・ + ・OH ・・・反応式(5)
[反応式(5)中、RO・はアルコキシラジカルを表し、・OHはヒドロキシラジカルを表す。]
次いで、反応式(5)により生成したアルコキシラジカルは、ガソリン中に含まれる炭化水素から水素原子を引き抜いて、アルコールを生成する。
[化6]
RO・ + RH → ROH + R・ ・・・反応式(6)
[化6]
RO・ + RH → ROH + R・ ・・・反応式(6)
以上のようにして、ガソリン中に主体的に含まれる炭化水素が酸化改質され、アルコールに変換される。より詳しくは、ガソリン中に含まれる炭化水素は炭素数が4〜10の炭化水素であるため、これら炭化水素が、炭素数4〜10のアルコールに変換される。なお、上述のようにして生成したアルコールROHのうち、その大部分は第2級アルコールR−CHOH−R’である。
次いで、上述のようにして生成した第2級アルコールR−CHOH−R’は、下記の反応式(7)に示すように、例えばアルキルペルオキシラジカルROO・のようなアルキルラジカルと反応して、ヒドロキシアルキルラジカルR−C・OH−R’を生成する。
[化7]
R−CHOH−R’+ROO・ → R−C・OH−R’+ROOH
・・・反応式(7)
[反応式(7)中、R−CHOH−R’は第2級アルコールを表し、R−C・OH−R’はヒドロキシアルキルラジカルを表す。]
[化7]
R−CHOH−R’+ROO・ → R−C・OH−R’+ROOH
・・・反応式(7)
[反応式(7)中、R−CHOH−R’は第2級アルコールを表し、R−C・OH−R’はヒドロキシアルキルラジカルを表す。]
次いで、ヒドロキシアルキルラジカルR−C・OH−R’は、さらに下記の反応式(8)に示すように、例えばアルキルペルオキシラジカルROO・のようなアルキルラジカルと反応して、ケトンR−C=O−R’を生成する。
[化8]
R−C・OH−R’+ROO・ → R−C=O−R’+ROOH
・・・反応式(8)
[反応式(8)中、R−C=O−R’はケトンを表す。]
[化8]
R−C・OH−R’+ROO・ → R−C=O−R’+ROOH
・・・反応式(8)
[反応式(8)中、R−C=O−R’はケトンを表す。]
以上のようにして、本実施形態の燃料改質システム1では、ガソリンをケトンを含む高オクタン価燃料に改質することができ、燃料のオクタン価を向上できるようになっている。
次に、凝縮器16は、改質器15の下流に設けられ、改質器15で生成した生成ガスを、改質燃料を主体とする凝縮相と、気相とに分離する。凝縮器16は、その内部に図示しない熱交換器を有しており、改質器15の出口から流出する生成ガスを冷却することで、改質燃料を主体とする凝縮相と気相とに分離する。なお、凝縮相には、ケトンを含む高オクタン価燃料の改質燃料の他に副生成物の水等が含まれ、気相には、窒素、酸素、その他の副生成物のガス成分等が含まれる。
改質燃料タンク18は、凝縮器16で分離された凝縮相中の改質燃料を貯留する。改質燃料タンク18は、改質器15によりガソリンを改質することで生成したケトンを含む高オクタン価燃料の改質燃料を、一時的に貯留するバッファタンクとして機能する。
改質燃料供給部19は、改質燃料タンク18に貯留されたケトンを含む高オクタン価燃料の改質燃料を、エンジンの気筒内又は吸気ポート内に供給する。改質燃料供給部19は、改質燃料ポンプ191と、改質燃料供給管192と、図示しないインジェクタと、を備える。改質燃料供給部19は、改質燃料ポンプ191を駆動することで、改質燃料供給管192及びインジェクタを介して、改質燃料タンク18内に貯留されたケトンを含む高オクタン価燃料の改質燃料を、図示しないエンジンの吸気ポート内に供給する。アルコール供給量は、ECUによりインジェクタの噴射量を調整することで制御される。
気相供給部20は、凝縮器16で分離された気相を、エンジンの吸気ポート内に供給する。気相供給部20は、エンジンの吸気ポートに接続された気相供給管201を備える。凝縮器16で分離された気相は、気相供給管201を介して、エンジンの吸気ポート内に供給される。
以上の構成を備える本実施形態の燃料改質システム1は、ECUにより制御されて以下のように動作する。
先ず、エンジンの運転状態に応じて、ガソリンの改質が必要であると判断された場合には、エンジン冷却水の温度が所定温度以上であるか否かを判別する。エンジン始動直後でエンジン冷却水の温度が所定温度未満であるときには、前回改質時に改質燃料タンク18内に貯留されたケトンを含む高オクタン価燃料の改質燃料を、改質燃料ポンプ191によりエンジンの吸気ポート内に供給する。
先ず、エンジンの運転状態に応じて、ガソリンの改質が必要であると判断された場合には、エンジン冷却水の温度が所定温度以上であるか否かを判別する。エンジン始動直後でエンジン冷却水の温度が所定温度未満であるときには、前回改質時に改質燃料タンク18内に貯留されたケトンを含む高オクタン価燃料の改質燃料を、改質燃料ポンプ191によりエンジンの吸気ポート内に供給する。
これに対して、エンジン冷却水の温度が所定温度以上であるときには、燃料バルブ133及び空気バルブ114を開弁する。次いで、改質ポンプ131により、燃料タンク12からガソリンを圧送して混合器14内に導入する。同時に、空気ポンプ112により、空気フィルタ111を通過した空気を混合器14内に導入する。
このとき、所望の適正なガソリン流量/空気流量の割合となるように、また、所望の適正な改質反応時間が得られるように、燃料流量計132でモニターされたガソリン流量及び空気流量計113でモニターされた空気流量に基づいて、燃料バルブ133及び空気バルブ114の開度をフィードバック制御する。これにより、ガソリン流量及び空気流量が制御される。
次いで、混合器14内に導入されたガソリンと空気を、所定温度に暖めながら均一に混合して混合気とした後、改質器15内に供給する。改質器15内に供給された混合気中のガソリンの主成分である炭化水素は、改質触媒152の作用により上述の反応式(1)〜(8)が進行することで、ケトンを含む高オクタン価燃料に変換される。このとき、温度センサでモニターされた温度に基づいて、エンジン冷却水の供給を制御する。これにより、改質器15内の温度が所望の適正温度に維持される。
次いで、改質器15で生成した生成ガスを、凝縮器16内の熱交換器により冷却することで、凝縮相と気相とに分離する。分離された凝縮相にはケトンを含む高オクタン価燃料の改質燃料が主として含まれており、改質燃料は、改質燃料タンク18内に導入されて貯留される。改質燃料タンク18内の改質燃料は、改質燃料ポンプ191によりエンジンの吸気ポート内に供給する。一方、分離された気相は、エンジンの吸気ポートに導入することで、エンジンの気筒内での燃焼に供される。
エンジンの運転状態に応じて、ガソリンの改質が不要であると判断された場合には、先ず、空気ポンプ112を停止して空気バルブを閉弁し、混合器14内への空気の供給を停止する。次いで、改質器15内がガソリンで満たされて空気が全て流出した後に、改質ポンプ131を停止して燃料バルブ133を閉弁し、混合器14内へのガソリンの供給を停止する。これにより、システム停止中に、改質器15内に残存した酸素により改質反応が進行してしまう事態が回避される。
ところで、本実施形態の燃料改質システム1により得られるケトンを含む高オクタン価燃料のオクタン価RONは、例えば市販の噴霧着火試験装置により燃料を着火させ、このときの着火遅れ時間を測定することにより推定可能である。即ち、高オクタン価燃料は、オクタン価が高くなるにつれてその沸点も高くなるため、着火遅れ時間に基づいてオクタン価を推定できる。
図2は、噴霧着火試験装置(Fuel Tech社製「FIA−100」)の構成を示す図である。
図2に示すように、噴霧着火試験装置90は、燃料噴射装置91を有する定容燃焼器92である。噴霧着火試験装置90は、燃料噴射装置91に接続されたノズル93と、燃焼室94と、燃焼室外壁に取り付けられたヒータ95と、冷却水管96と、吸気管97と、排気管98と、圧力センサ99と、を備える。
図2に示すように、噴霧着火試験装置90は、燃料噴射装置91を有する定容燃焼器92である。噴霧着火試験装置90は、燃料噴射装置91に接続されたノズル93と、燃焼室94と、燃焼室外壁に取り付けられたヒータ95と、冷却水管96と、吸気管97と、排気管98と、圧力センサ99と、を備える。
この噴霧着火試験装置90では、先ずヒータ95で燃焼室94を加熱し、燃焼室94内を所定の温度に設定する。次いで、この状態で、吸気管97から空気を吸引するとともに、所定の圧力で燃料噴射装置91を駆動してノズル93から燃料を燃焼室内に噴射する。このときの燃焼室内の圧力を圧力センサ99により検出し、噴射から所定の圧力上昇までの時間に基づいて、着火遅れ時間を算出する。
なお、噴霧着火試験装置90の試験条件としては、例えば以下の通りである。また、以下の試験条件に従って、測定は一つの燃料につき最低10回実施し、着火遅れ時間は例えば噴射〜0.2MPa圧力上昇までの時間と定義する。
[試験条件]
温度:500℃
圧力:4MPa
噴射圧力:100MPa
噴射時間:10ms
[試験条件]
温度:500℃
圧力:4MPa
噴射圧力:100MPa
噴射時間:10ms
ここで、図3は、オクタン価RONと着火遅れ時間との関係を示す図である。この図3は、オクタン価既知の燃料について、噴霧着火試験装置90による測定を上述の試験条件に従って実施することにより得られる検量線を示している。図3において、横軸はオクタン価RONを表し、縦軸は着火遅れ時間を表している。図3に示すように、オクタン価RONが高くなると、着火遅れ時間が増大し、両者に相関があることが分かり、この図3を参照することでオクタン価の推定が可能となっている。
なお、オクタン価RONの基準となる燃料としては、例えばガソリンサロゲート(RONが100のイソオクタン63容量%、RONが0のヘプタン17容量%、トルエン20容量%)が用いられ、このガソリンサロゲートのRONは90であることが分かっている。また、ヘプタンがケトンの2−ヘプタノンに全て置換された場合(イソオクタン、2−ヘプタノン及びトルエン)、RONは100であることが分かっている。この結果から逆算すると、2−ヘプタノン自体のRONは、100/17×10=58となる。このようにして、ヘプタンが全て2−ヘプタノンに改質したものとして置き換えることで、2−ヘプタノンのRONを求めることができ、オクタン価既知の燃料が得られる。そして、かかるオクタン価既知の燃料の着火遅れ時間を測定することで、図3に示す検量線を得ることができる。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
(1)本実施形態の燃料改質システム1では、上流側から順に、炭化水素を主体とするガソリンと空気を混合して改質器15に供給する混合器14と、空気を用いてガソリンを改質して高オクタン価燃料を生成させる改質器15と、改質器15で生成した生成ガスを凝縮相と気相とに分離する凝縮器16と、を設けた。また、ガソリン中の炭化水素から水素原子を引き抜いてアルキルラジカルを生成させる主触媒と、アルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを還元してアルコールを生成させるとともに該アルコールを前記アルキルラジカルと反応させてケトンを生成させる助触媒と、を含んで構成される改質触媒152を改質器15に設けた。
本実施形態によれば、ガソリン中の炭化水素を改質してケトンを含む高オクタン価燃料に変換できるため、燃料のオクタン価を向上できる。また、酸化剤として空気を用いることから、システムの構成が簡易であるため車両に搭載が可能であり、車両上でエンジンの要求に応じて、ケトンを含む高オクタン価燃料をエンジンに供給できる。従って、本実施形態によれば、圧縮比を高めたエンジンであっても、ノッキングを抑制しつつ高い熱効率が得られる。
(1)本実施形態の燃料改質システム1では、上流側から順に、炭化水素を主体とするガソリンと空気を混合して改質器15に供給する混合器14と、空気を用いてガソリンを改質して高オクタン価燃料を生成させる改質器15と、改質器15で生成した生成ガスを凝縮相と気相とに分離する凝縮器16と、を設けた。また、ガソリン中の炭化水素から水素原子を引き抜いてアルキルラジカルを生成させる主触媒と、アルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを還元してアルコールを生成させるとともに該アルコールを前記アルキルラジカルと反応させてケトンを生成させる助触媒と、を含んで構成される改質触媒152を改質器15に設けた。
本実施形態によれば、ガソリン中の炭化水素を改質してケトンを含む高オクタン価燃料に変換できるため、燃料のオクタン価を向上できる。また、酸化剤として空気を用いることから、システムの構成が簡易であるため車両に搭載が可能であり、車両上でエンジンの要求に応じて、ケトンを含む高オクタン価燃料をエンジンに供給できる。従って、本実施形態によれば、圧縮比を高めたエンジンであっても、ノッキングを抑制しつつ高い熱効率が得られる。
(2)また本実施形態では、主触媒として、N−ヒドロキシイミド基含有化合物を用いた。これにより、ガソリン中の炭化水素から水素原子をより確実に引き抜くことができるため、炭化水素をより確実にアルコールに変換でき、該アルコールからケトンを生成させることができる。従って、上述の(1)の発明の効果がより確実に発揮される。
(3)また本実施形態では、助触媒として、遷移金属化合物を用いた。これにより、主触媒による水素原子の引き抜きにより生じたアルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを、より確実に還元してアルコールに変換でき、該アルコールからケトンを生成させることができる。従って、上述の(1)〜(2)の発明の効果がより確実に発揮される。
(4)また本実施形態では、助触媒として、コバルト化合物、マンガン化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる化合物を用いた。これにより、主触媒による水素原子の引き抜きにより生じたアルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを、さらに確実に還元してアルコールに変換でき、該アルコールからケトンを生成させることができる。従って、上述の(1)〜(2)の発明の効果がさらに確実に発揮される。
(5)また本実施形態では、燃料タンク12に貯留された改質前のガソリンをエンジンの気筒内又は吸気ポート内に供給する一方で、凝縮器16で分離された気相を吸気ポート内に供給するとともに、改質燃料タンク18に貯留された改質燃料のアルコールを気筒内又は吸気ポート内に供給した。これにより、車両上でエンジンの要求に応じて、ケトンを含む高オクタン価燃料を供給することができるため、ノッキングを抑制しつつ高い熱効率が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
上記実施形態では、燃料としてガソリンを用いがこれに限定されない。例えば、エタノール等のアルコールを含有するアルコール含有ガソリンを用いた場合であっても、上記実施形態と同様の効果が奏される。
上記実施形態では、燃料としてガソリンを用いがこれに限定されない。例えば、エタノール等のアルコールを含有するアルコール含有ガソリンを用いた場合であっても、上記実施形態と同様の効果が奏される。
1…燃料改質システム
12…燃料タンク
14…混合器
15…改質器
16…凝縮器
17…燃料供給部(燃料供給手段)
18…改質燃料タンク
19…改質燃料供給部(改質燃料供給手段)
20…気相供給部(気相供給手段)
152…改質触媒
12…燃料タンク
14…混合器
15…改質器
16…凝縮器
17…燃料供給部(燃料供給手段)
18…改質燃料タンク
19…改質燃料供給部(改質燃料供給手段)
20…気相供給部(気相供給手段)
152…改質触媒
Claims (5)
- 炭化水素を主体とする燃料を、空気を用いて改質して高オクタン価燃料を生成させる改質触媒を備える改質器と、
前記改質器の上流に設けられ、前記燃料と空気を混合して前記改質器に供給する混合器と、
前記改質器の下流に設けられ、前記改質器で生成した生成ガスを、改質燃料を主体とする凝縮相と、気相とに分離する凝縮器と、を備える燃料改質システムであって、
前記改質触媒は、前記燃料中の炭化水素から水素原子を引き抜いてアルキルラジカルを生成させる主触媒と、アルキルラジカルから生成するアルキルヒドロペルオキシドを還元してアルコールを生成させるとともに該アルコールを前記アルキルラジカルと反応させてケトンを生成させる助触媒と、を含んで構成されることを特徴とする燃料改質システム。 - 前記主触媒は、N−ヒドロキシイミド基含有化合物であることを特徴とする請求項1に記載の燃料改質システム。
- 前記助触媒は、遷移金属化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料改質システム。
- 前記助触媒は、コバルト化合物、マンガン化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の燃料改質システム。
- 改質前の燃料を貯留する燃料タンクと、
前記燃料タンクに貯留された改質前の燃料を、内燃機関の気筒内又は吸気ポート内に供給する燃料供給手段と、
前記凝縮器で分離された気相を、前記吸気ポート内に供給する気相供給手段と、
前記凝縮器で分離された凝縮相中の改質燃料を貯留する改質燃料タンクと、
前記改質燃料タンクに貯留された改質燃料を、前記気筒内又は前記吸気ポート内に供給する改質燃料供給手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の燃料改質システム。
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