JP2004100552A - 動力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】予混合圧縮着火内燃機関の運転状況に迅速に応答して,その着火タイミングを制御し得るようにした動力装置を提供する。
【解決手段】動力装置Pは,酸素を含有する気体および燃料よりなる混合気を圧縮し自着火させる予混合圧縮着火内燃機関4と,改質前の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置2,3と,液体燃料を脱水素環化反応により改質し芳香族炭化水素に富む高オクタン価の液体燃料を生成する改質器7と,高オクタン価の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関に,それの燃料として供給する装置8とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】動力装置Pは,酸素を含有する気体および燃料よりなる混合気を圧縮し自着火させる予混合圧縮着火内燃機関4と,改質前の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置2,3と,液体燃料を脱水素環化反応により改質し芳香族炭化水素に富む高オクタン価の液体燃料を生成する改質器7と,高オクタン価の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関に,それの燃料として供給する装置8とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,酸素を含有する気体および燃料よりなる混合気を圧縮し自着火させる予混合圧縮着火内燃機関を備えた動力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素を含有する気体および燃料よりなる混合気を圧縮し自着火させる予混合圧縮着火内燃機関は,極めて希薄な混合気でも燃焼することができ,また均一な混合気を燃料とすることから,高い燃焼効率の達成と排気ガス中の有害物質の低減を行うことができる内燃機関として注目されている。この予混合圧縮着火内燃機関は着火を燃料の自着火によっているために,その着火タイミングを任意に制御することは困難であった。その理由は,燃料の自着火現象が燃料の持つ化学的な反応性と,混合気の圧縮によって生じる圧力・温度の上昇履歴とによって支配されているからである。
【0003】
そこで,従来技術として,燃焼後のガスを吸気に再循環させて着火タイミングを調節する,といった方法が提案されている(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−193447号公報,段落番号[0013]
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,燃焼後のガスを吸気に再循環させる方法では,予混合圧縮着火内燃機関の運転状況に応じて迅速な着火タイミングの制御を行うことが困難である,といった問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は,燃焼後のガスの吸気への再循環を行うこと無く,予混合圧縮着火内燃機関の運転状況に迅速に応答して,その着火タイミングを制御し得るようにした前記動力装置を提供することを目的とする。
【0007】
前記目的を達成するため本発明によれば,酸素を含有する気体および燃料よりなる混合気を圧縮し自着火させる予混合圧縮着火内燃機関と,改質前の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関に供給する装置と,前記液体燃料を脱水素環化反応により改質し芳香族炭化水素に富む高オクタン価の液体燃料を生成する改質器と,前記高オクタン価の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関に,それの燃料として供給する装置とを備えている動力装置が提供される。
【0008】
前記のような改質器を備えると,動力装置内で燃焼性の異なる液体燃料を生成し,その改質後の液体燃料と改質前の液体燃料とを任意の割合で予混合圧縮着火内燃機関に供給することができるので,予混合圧縮着火内燃機関の運転状況に迅速に応答して両液体燃料の供給割合を変え,その着火タイミングを制御することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示す動力装置Pにおいて.燃料タンク1が開度調節可能な第1調節弁2を有する第1供給管3を介して予混合圧縮着火内燃機関4に接続される。また,燃料タンク1は開度調節可能な第2調節弁5を有する第2供給管6を介して改質器7に接続され,その改質器7は第3供給管8を介して予混合圧縮着火内燃機関4に接続される。さらに,予混合圧縮着火内燃機関4には図示しない供給手段によって,酸素を含有する気体,例えば空気が供給されるようになっている。燃料タンク1には予混合圧縮着火内燃機関4の燃料が注入されている。燃料としては予混合圧縮着火内燃機関4で使用することができ,且つ改質器7にて脱水素環化反応により芳香族炭化水素に富む高オクタン価の液体燃料に改質できるものであればどのようなものでも良い。このような燃料としては一般的に炭化水素,特に飽和炭化水素が好適である。また,二重結合を持つ不飽和炭化水素や,含酸素化合物であるアルコールやエーテルを用いることも可能である。
【0010】
改質器7には脱水素環化反応を促進する触媒が充填される。脱水素環化反応用触媒としては,例えばゼオライトのような結晶性アルミノシリケート,特に,MFI構造を持ったもの,例えばZSM−5ゼオライトが好適であり,好ましくは,ガリウム,亜鉛および白金から選ばれる少なくとも一種を含有することが望ましい。また脱水素環化反応は400〜700℃に設定される。
【0011】
表1は,プロトン型ZSM−5(H−ZSM−5),ガリウム修飾ZSM−5(Ga−ZSM−5)および亜鉛修飾ZSM−5(Zn−ZSM−5)をそれぞれ触媒とし,またn−ペンタンおよびn−ヘプタンをそれぞれ改質原料として脱水素環化反応を行った結果を示す。ガリウムおよび亜鉛の量は,それぞれ触媒重量の2wt%とした。
【0012】
【表1】
【0013】
表1より,改質原料としてn−ペンタンを用いた場合において,触媒としてH−ZSM−5を用いると,脱水素環化反応が十分に進行することが明らかである。Ga−ZSM−5またはZn−ZSM−5を用いると,H−ZSM−5の場合よりもさらに芳香族炭化水素と水素の収量が増加していることが判る。これは,H−ZSM−5を白金で修飾した場合についても言える。改質原料としてn−ヘプタンを用い,また触媒としてGa−ZSM−5を用いると,n−ペンタンを用いた場合よりも前記収量の増加が認められた。
【0014】
図1において,第1調節弁2を開くことにより燃料タンク1の液体燃料が改質されずに予混合圧縮着火内燃機関4に供給される。供給量は第1調節弁2の開度により調整される。また,第2調節弁5を開くことにより燃料タンク1の液体燃料が改質器7に導入されて改質される。改質後の芳香族炭化水素に富む高オクタン価の液体燃料は第3供給管8を通じて予混合圧縮着火内燃機関4に供給される。改質器7への液体燃料の供給量は第2調節弁5の開度により調整される。予混合圧縮着火内燃機関4の運転状況に応じて第1調節弁2および第2調節弁5の開度を調節することにより,予混合圧縮着火内燃機関4の着火タイミングを調節することが可能である。
【0015】
この場合,第1調節弁2および第1供給管3は,改質前の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置を構成する。また第3供給管8は高オクタン価の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に,それの燃料として供給する装置を構成する。
【0016】
さらに改質前の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第1調節弁2により調整され,また改質後の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第2調節弁5により調整されるので,両弁2,5は両供給量をそれぞれ調整する調整装置を構成する。したがって,その調整装置は,予混合圧縮着火内燃機関4が高負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を増加し,一方,低負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を減少する機能を有する。
【0017】
図2に示す動力装置Pは,図1のものにおいて,その第3供給管8に,改質器7側より順次,改質後の液体燃料を一時的に貯蔵する貯蔵タンク9および第3調節弁10を装置したものである。このように貯蔵タンク9を設けることにより予混合圧縮着火内燃機関4の運転状況の変化に対し,より一層迅速に対応することが可能となる。予混合圧縮着火内燃機関4への改質後の液体燃料の供給量は第3調節弁10の開度により調整される。
【0018】
この場合,第1調節弁2および第1供給管3は,改質前の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置を構成する。また第3供給管8,貯蔵タンク9および第3調節弁10は高オクタン価の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に,それの燃料として供給する装置を構成する。
【0019】
さらに改質前の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第1調節弁2により調整され,また改質後の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第3調節弁10により調整されるので,両弁2,10は両供給量をそれぞれ調整する調整装置を構成する。したがって,その調整装置は,予混合圧縮着火内燃機関4が高負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を増加し,一方,低負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を減少する機能を有する。
【0020】
図3に示す動力装置Pは,第1供給管3において第1調節弁2と予混合圧縮着火内燃機関4との間に混合器11を装置し,その混合器11に改質器6から伸びる第3供給管8を接続したものである。その他の構成は図1の動力装置と同じである。
【0021】
この動力装置Pによれば,予混合圧縮着火内燃機関4への改質前の液体燃料と改質後の液体燃料との供給に当り,両液体燃料を混合器11によって予め混合して供給することが可能である。
【0022】
この場合,第1調節弁2,第1供給管3および混合器11は,改質前の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置を構成する。また第3供給管8,混合器11および第1供給管3の一部は高オクタン価の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に,それの燃料として供給する装置を構成する。
【0023】
さらに改質前の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第1調節弁2により調整され,また改質後の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第2調節弁5により調整されるので,両弁2,5は両供給量をそれぞれ調整する調整装置を構成する。したがって,その調整装置は,予混合圧縮着火内燃機関4が高負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を増加し,一方,低負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を減少する機能を有する。
【0024】
図4に示す動力装置Pは,図3のものにおいて,その第3供給管8に,図2のものと同様に,改質器7側より順次,改質後の液体燃料を一時的に貯蔵する貯蔵タンク9および第3調節弁10を装置したものである。その他の構成は図3の動力装置と同じである。
【0025】
この動力装置Pによれば,高オクタン価の液体燃料の貯蔵と,改質前の液体燃料および高オクタン価液体燃料よりなる混合液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給が可能となる。予混合圧縮着火内燃機関4への改質後の液体燃料の供給量は第3調節弁10の開度により調整される。
【0026】
この場合,第1調節弁2,第1供給管3および混合器11は,改質前の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置を構成する。また第3供給管8,貯蔵タンク9,第3調節弁10,混合器11および第1供給管3の一部は高オクタン価の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に,それの燃料として供給する装置を構成する。
【0027】
さらに改質前の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第1調節弁2により調整され,また改質後の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第3調節弁10により調整されるので,両弁2,10は両供給量をそれぞれ調整する調整装置を構成する。したがって,その調整装置は,予混合圧縮着火内燃機関4が高負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を増加し,一方,低負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を減少する機能を有する。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば,前記のように構成することにより,予混合圧縮着火内燃機関の着火タイミングをその機関の運転状況に応じて迅速に調節することが可能な動力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力装置の第1実施例のブロック図である。
【図2】動力装置の第2実施例のブロック図である。
【図3】動力装置の第3実施例のブロック図である。
【図4】動力装置の第4実施例のブロック図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 第1調節弁
3 第1供給管
4 予混合圧縮着火内燃機関
5 第2調節弁
7 改質器
8 第3供給管
9 貯蔵タンク
10 第3調節弁
11 混合器
P 動力装置
【発明の属する技術分野】
本発明は,酸素を含有する気体および燃料よりなる混合気を圧縮し自着火させる予混合圧縮着火内燃機関を備えた動力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素を含有する気体および燃料よりなる混合気を圧縮し自着火させる予混合圧縮着火内燃機関は,極めて希薄な混合気でも燃焼することができ,また均一な混合気を燃料とすることから,高い燃焼効率の達成と排気ガス中の有害物質の低減を行うことができる内燃機関として注目されている。この予混合圧縮着火内燃機関は着火を燃料の自着火によっているために,その着火タイミングを任意に制御することは困難であった。その理由は,燃料の自着火現象が燃料の持つ化学的な反応性と,混合気の圧縮によって生じる圧力・温度の上昇履歴とによって支配されているからである。
【0003】
そこで,従来技術として,燃焼後のガスを吸気に再循環させて着火タイミングを調節する,といった方法が提案されている(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−193447号公報,段落番号[0013]
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,燃焼後のガスを吸気に再循環させる方法では,予混合圧縮着火内燃機関の運転状況に応じて迅速な着火タイミングの制御を行うことが困難である,といった問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は,燃焼後のガスの吸気への再循環を行うこと無く,予混合圧縮着火内燃機関の運転状況に迅速に応答して,その着火タイミングを制御し得るようにした前記動力装置を提供することを目的とする。
【0007】
前記目的を達成するため本発明によれば,酸素を含有する気体および燃料よりなる混合気を圧縮し自着火させる予混合圧縮着火内燃機関と,改質前の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関に供給する装置と,前記液体燃料を脱水素環化反応により改質し芳香族炭化水素に富む高オクタン価の液体燃料を生成する改質器と,前記高オクタン価の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関に,それの燃料として供給する装置とを備えている動力装置が提供される。
【0008】
前記のような改質器を備えると,動力装置内で燃焼性の異なる液体燃料を生成し,その改質後の液体燃料と改質前の液体燃料とを任意の割合で予混合圧縮着火内燃機関に供給することができるので,予混合圧縮着火内燃機関の運転状況に迅速に応答して両液体燃料の供給割合を変え,その着火タイミングを制御することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示す動力装置Pにおいて.燃料タンク1が開度調節可能な第1調節弁2を有する第1供給管3を介して予混合圧縮着火内燃機関4に接続される。また,燃料タンク1は開度調節可能な第2調節弁5を有する第2供給管6を介して改質器7に接続され,その改質器7は第3供給管8を介して予混合圧縮着火内燃機関4に接続される。さらに,予混合圧縮着火内燃機関4には図示しない供給手段によって,酸素を含有する気体,例えば空気が供給されるようになっている。燃料タンク1には予混合圧縮着火内燃機関4の燃料が注入されている。燃料としては予混合圧縮着火内燃機関4で使用することができ,且つ改質器7にて脱水素環化反応により芳香族炭化水素に富む高オクタン価の液体燃料に改質できるものであればどのようなものでも良い。このような燃料としては一般的に炭化水素,特に飽和炭化水素が好適である。また,二重結合を持つ不飽和炭化水素や,含酸素化合物であるアルコールやエーテルを用いることも可能である。
【0010】
改質器7には脱水素環化反応を促進する触媒が充填される。脱水素環化反応用触媒としては,例えばゼオライトのような結晶性アルミノシリケート,特に,MFI構造を持ったもの,例えばZSM−5ゼオライトが好適であり,好ましくは,ガリウム,亜鉛および白金から選ばれる少なくとも一種を含有することが望ましい。また脱水素環化反応は400〜700℃に設定される。
【0011】
表1は,プロトン型ZSM−5(H−ZSM−5),ガリウム修飾ZSM−5(Ga−ZSM−5)および亜鉛修飾ZSM−5(Zn−ZSM−5)をそれぞれ触媒とし,またn−ペンタンおよびn−ヘプタンをそれぞれ改質原料として脱水素環化反応を行った結果を示す。ガリウムおよび亜鉛の量は,それぞれ触媒重量の2wt%とした。
【0012】
【表1】
【0013】
表1より,改質原料としてn−ペンタンを用いた場合において,触媒としてH−ZSM−5を用いると,脱水素環化反応が十分に進行することが明らかである。Ga−ZSM−5またはZn−ZSM−5を用いると,H−ZSM−5の場合よりもさらに芳香族炭化水素と水素の収量が増加していることが判る。これは,H−ZSM−5を白金で修飾した場合についても言える。改質原料としてn−ヘプタンを用い,また触媒としてGa−ZSM−5を用いると,n−ペンタンを用いた場合よりも前記収量の増加が認められた。
【0014】
図1において,第1調節弁2を開くことにより燃料タンク1の液体燃料が改質されずに予混合圧縮着火内燃機関4に供給される。供給量は第1調節弁2の開度により調整される。また,第2調節弁5を開くことにより燃料タンク1の液体燃料が改質器7に導入されて改質される。改質後の芳香族炭化水素に富む高オクタン価の液体燃料は第3供給管8を通じて予混合圧縮着火内燃機関4に供給される。改質器7への液体燃料の供給量は第2調節弁5の開度により調整される。予混合圧縮着火内燃機関4の運転状況に応じて第1調節弁2および第2調節弁5の開度を調節することにより,予混合圧縮着火内燃機関4の着火タイミングを調節することが可能である。
【0015】
この場合,第1調節弁2および第1供給管3は,改質前の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置を構成する。また第3供給管8は高オクタン価の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に,それの燃料として供給する装置を構成する。
【0016】
さらに改質前の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第1調節弁2により調整され,また改質後の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第2調節弁5により調整されるので,両弁2,5は両供給量をそれぞれ調整する調整装置を構成する。したがって,その調整装置は,予混合圧縮着火内燃機関4が高負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を増加し,一方,低負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を減少する機能を有する。
【0017】
図2に示す動力装置Pは,図1のものにおいて,その第3供給管8に,改質器7側より順次,改質後の液体燃料を一時的に貯蔵する貯蔵タンク9および第3調節弁10を装置したものである。このように貯蔵タンク9を設けることにより予混合圧縮着火内燃機関4の運転状況の変化に対し,より一層迅速に対応することが可能となる。予混合圧縮着火内燃機関4への改質後の液体燃料の供給量は第3調節弁10の開度により調整される。
【0018】
この場合,第1調節弁2および第1供給管3は,改質前の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置を構成する。また第3供給管8,貯蔵タンク9および第3調節弁10は高オクタン価の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に,それの燃料として供給する装置を構成する。
【0019】
さらに改質前の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第1調節弁2により調整され,また改質後の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第3調節弁10により調整されるので,両弁2,10は両供給量をそれぞれ調整する調整装置を構成する。したがって,その調整装置は,予混合圧縮着火内燃機関4が高負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を増加し,一方,低負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を減少する機能を有する。
【0020】
図3に示す動力装置Pは,第1供給管3において第1調節弁2と予混合圧縮着火内燃機関4との間に混合器11を装置し,その混合器11に改質器6から伸びる第3供給管8を接続したものである。その他の構成は図1の動力装置と同じである。
【0021】
この動力装置Pによれば,予混合圧縮着火内燃機関4への改質前の液体燃料と改質後の液体燃料との供給に当り,両液体燃料を混合器11によって予め混合して供給することが可能である。
【0022】
この場合,第1調節弁2,第1供給管3および混合器11は,改質前の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置を構成する。また第3供給管8,混合器11および第1供給管3の一部は高オクタン価の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に,それの燃料として供給する装置を構成する。
【0023】
さらに改質前の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第1調節弁2により調整され,また改質後の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第2調節弁5により調整されるので,両弁2,5は両供給量をそれぞれ調整する調整装置を構成する。したがって,その調整装置は,予混合圧縮着火内燃機関4が高負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を増加し,一方,低負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を減少する機能を有する。
【0024】
図4に示す動力装置Pは,図3のものにおいて,その第3供給管8に,図2のものと同様に,改質器7側より順次,改質後の液体燃料を一時的に貯蔵する貯蔵タンク9および第3調節弁10を装置したものである。その他の構成は図3の動力装置と同じである。
【0025】
この動力装置Pによれば,高オクタン価の液体燃料の貯蔵と,改質前の液体燃料および高オクタン価液体燃料よりなる混合液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給が可能となる。予混合圧縮着火内燃機関4への改質後の液体燃料の供給量は第3調節弁10の開度により調整される。
【0026】
この場合,第1調節弁2,第1供給管3および混合器11は,改質前の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に供給する装置を構成する。また第3供給管8,貯蔵タンク9,第3調節弁10,混合器11および第1供給管3の一部は高オクタン価の液体燃料を予混合圧縮着火内燃機関4に,それの燃料として供給する装置を構成する。
【0027】
さらに改質前の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第1調節弁2により調整され,また改質後の液体燃料の予混合圧縮着火内燃機関4への供給量は第3調節弁10により調整されるので,両弁2,10は両供給量をそれぞれ調整する調整装置を構成する。したがって,その調整装置は,予混合圧縮着火内燃機関4が高負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を増加し,一方,低負荷下で運転される場合には,その機関4への高オクタン価の液体燃料の供給割合を減少する機能を有する。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば,前記のように構成することにより,予混合圧縮着火内燃機関の着火タイミングをその機関の運転状況に応じて迅速に調節することが可能な動力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力装置の第1実施例のブロック図である。
【図2】動力装置の第2実施例のブロック図である。
【図3】動力装置の第3実施例のブロック図である。
【図4】動力装置の第4実施例のブロック図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 第1調節弁
3 第1供給管
4 予混合圧縮着火内燃機関
5 第2調節弁
7 改質器
8 第3供給管
9 貯蔵タンク
10 第3調節弁
11 混合器
P 動力装置
Claims (6)
- 酸素を含有する気体および燃料よりなる混合気を圧縮し自着火させる予混合圧縮着火内燃機関(4)と,改質前の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関(4)に供給する装置(2,3;2,3,11)と,前記液体燃料を脱水素環化反応により改質し芳香族炭化水素に富む高オクタン価の液体燃料を生成する改質器(7)と,前記高オクタン価の液体燃料を前記予混合圧縮着火内燃機関(4)に,それの燃料として供給する装置(8;8,9,10;8,11,3;8,9,10,11,3)とを備えていることを特徴とする動力装置。
- 改質前の前記液体燃料の前記予混合圧縮着火内燃機関(4)への供給量と,前記改質後の前記液体燃料の前記予混合圧縮着火内燃機関(4)への供給量とをそれぞれ調整する調整装置(2,5;2,10)を備えている,請求項1記載の動力装置。
- 前記調整装置(2,5;2,10)は,前記予混合圧縮着火内燃機関(4)が高負荷下で運転される場合には,その機関(4)への前記高オクタン価の液体燃料の供給割合を増加し,一方,低負荷下で運転される場合には前記機関(4)への前記高オクタン価の液体燃料の供給割合を減少する機能を有する,請求項1または2記載の動力装置。
- 前記脱水素環化反応には触媒が用いられており,その触媒が結晶性アルミノシリケートからなる,請求項1,2または3記載の動力装置。
- 前記結晶性アルミノシリケートはMFI構造である,請求項4記載の動力装置。
- 前記結晶性アルミノシリケートが,ガリウム,亜鉛および白金から選ばれる少なくとも一種を含む,請求項5記載の動力装置。
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-
2002
- 2002-09-09 JP JP2002262889A patent/JP2004100552A/ja active Pending
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JP2010241871A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Japan Energy Corp | 予混合圧縮着火エンジン用燃料油組成物 |
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