JP2018003769A - 吸気ダクト及びエンジン作業機 - Google Patents
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Abstract
Description
吸気口103から吸入される吸入空気は、屈曲した流路の内側(吸気口における吹出口側の縁部)で風速が局所的に速くなる(図示なし)。そのため、ケーシング101の外壁を滴下した雨滴が吸気ダクト100内に吸い込まれやすい。
そこで、特許文献1では、図9に示すように、吸気ダクト100内に仕切り底板108と仕切り背面板109を設け、流路を二分割することで屈曲した流路の内側(吸気口における吹出口側の端部)で生じる局部的な風速の上昇を抑制している。これにより、吸気口103の各部における風速を平均化し、雨滴の吸い込みを抑制している。
(1)吸気ダクト100のように、単に風速を平均化するだけでは、吸気流によって吹き上げられた水滴や、背面板105または仕切り背面板109に沿って自重により滴下した水滴が、ケーシング101内のエンジン室に浸入し、錆の原因となり、発電機等のケーシング101内の機器を故障させる恐れがあった。
(2)仕切り背面板109に沿って自重により垂れた水滴が、さらに仕切り底板108に沿って吸気口103から外部に出されると、下方の流路(仕切り底板108と底板106が形成する流路)から再度ケーシング101内のエンジン室に浸入し、ケーシング101内の機器が故障する恐れがあった。
(1)側壁に吸気口が開口形成されるケーシングの内部に装着され、吸気口から内部空間へ導入される吸入空気の流路を形成し、吸気口をケーシングの内側において覆うガイド体を設け、ガイド体は、側壁と対峙する背面板と、背面板の底辺より側壁に向かって突出した底板と、背面板の幅方向の両辺より側壁の内面に突出した一対の側板とを有する吸気ダクトにおいて、吸水性のある棒状の発泡材を有すること、を特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の吸気ダクトを備えるエンジン作業機である。
(1)側壁に吸気口が開口形成されるケーシングの内部に装着され、吸気口から内部空間へ導入される吸入空気の流路を形成し、吸気口をケーシングの内側において覆うガイド体を設け、ガイド体は、側壁と対峙する背面板と、背面板の底辺より側壁に向かって突出した底板と、背面板の幅方向の両辺より側壁の内面に突出した一対の側板とを有する吸気ダクトにおいて、吸水性のある棒状の発泡材を有すること、を特徴とするので、吹き上げられた水滴や背面板に沿って自重により滴下した水滴は発泡材に留まるため、水滴がケーシング内に浸入することがなく、錆が発生しない。
ここで、発泡材がない場合、上方の流路においては、水滴が自重により仕切り底板に沿って端部から垂れて、下方の流路に浸入してしまう恐れがある。一方、本発明では、発泡材の存在により、水滴を一定量保持することができるため、上方の流路において水滴が外部に垂れて下方の流路に浸入してしまう恐れがない。
<第1実施形態>
(エンジン作業機の全体構成)
はじめに、本発明の吸気ダクト20を含むエンジン作業機1の全体的な構成について図8を用いて説明する。図8では、エンジン作業機1の側面を示す。ただし、側面板を取り外した状態を示す。
図8に示すように、発電機等のエンジン作業機1は、エンジンや冷却ファンなどの構成機器を収容する直方体形状のケーシング10と、そのケーシング10の側壁11の内部に装着される吸気ダクト20を備える。
ディーゼルエンジン2の左側近くには、ディーゼルエンジン2から排気するためのエンジンファン(図示なし)と、空気を冷却するためのラジエータ7が立設して配置されている。ラジエータ7の左側下方、ベース4の上面に、燃料タンク5が配置されている。
次に、本発明の第1実施形態の吸気ダクト20について図4、図5を用いて説明する。図4は、吸気ダクト20の斜視図を示す。図5は、図4のA−A断面斜視図を示す。
ケーシング10には、側壁11に矩形の吸気口28が、吸気口28の上側28aと下側28bにより形成されている。吸気口28からケーシング10の内部空間へ導入される吸入空気の流路が吸気ダクト20により形成される。
吸気ダクト20の流路を複数の流路に分割するため、側壁11と対峙する第1仕切り背面板24と、第2仕切り背面板26を配置している。第1仕切り背面板24の底辺から側壁11に向かって突出した第1仕切り底板25を配置し、第2仕切り背面板26の底辺から側壁11に向かって突出した第2仕切り底板27を配置している。
発泡材30、31、32の材質はウレタンであり、長辺は約200〜300mmで、短辺は約20mmで構成されている。発泡材30の長辺の長さは、背面板21の短辺(背面板21の幅方向)の長さに相当する。発泡材30、31、32は、保湿性及び含水性を有しており、一定の水滴を溜めることができ、吸入空気の風速が遅く、吸入空気が少ない位置に配置している。発泡材30、31、32は、水滴を吸い込んだ後、風では発泡材の中の水分は飛ばされない。
次に、エンジン作業機1の全体的な作用について図8を用いて説明する。ディーゼルエンジン2を始動すると、発電機3が発電を開始する。同時に、エンジンファン(図示なし)が始動する。エンジンファンが回転することにより、ディーゼルエンジン2及び発電機3が配置されている室内が負圧になり、空気W4が吸引される。空気W4が流れ込むことにより、空気W3、W2、W1が順に吸引される。このようにして、外部から吸気ダクト20を介して空気が吸引される。一方、ラジエータ7を通過した一部の空気W5と空気W6は、そのまま排気口8から外部に排出される。
次に、エンジン作業機1内における吸気ダクト20の作用について図6、図7を用いて説明する。図6は、吸気ダクト20全体における風速分布の解析結果を示し、図7は、吸気口28における風速分布の解析結果を示す。図6および図7では、濃度が濃いほど風速が速く、濃度が薄いほど風速が遅い。
吸気ダクト20に空気が吸引されると、図6に示すように、底板23と第1仕切り底板25が形成する流路23a、第1仕切り底板25と第2仕切り底板27が形成する流路25a、第2仕切り底板と側壁11が形成する流路27aに分かれる。流路23a、25a、27aにおけるそれぞれの風の流れを矢印C1、C2、C3に示す。吸気ダクト20に空気が吸引されると(矢印C1、C2、C3)、流路23a、25a、27aを介して、背面板21に沿って上昇し(矢印C4)、背面板21の上方端部を抜け(矢印C5)、ケーシング10の内部へ流れる(矢印C6)。
一方、本発明では、発泡材30、31、32の存在により、水滴を一定量保持することができるため、上方の流路25a、27aにおいて水滴が外部に垂れて下方の流路23a、25aに浸入してしまう恐れがない。
さらに、雨の日に発泡材30、31、32が水滴を含んでも、晴れた日には発泡材30、31、32内の水滴は蒸発し、乾燥されるため、繰り返し使用することができる。
次に、本発明の第2実施形態の吸気ダクト20の構成について、図1から図3を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態における吸気ダクト20が装着されたエンジン作業機1の部分拡大斜視図を示す。図2は、吸気ダクト20における風速分布の解析結果を示し、図3は、吸気口28における風速分布の解析結果を示す。図2および図3では、濃度が濃いほど風速が速く、濃度が薄いほど風速が遅い。なお、図1では、図面を簡素化して、ケーシング10に対する吸気口28および吸気ダクト20の大きさが相対的に拡大されて模式的に図示している。
第1実施形態と第2実施形態の主な相違点は、仕切り板の存在である。第2実施形態の吸気ダクト20は、仕切り背面板と仕切り底板がない。なお、第1実施形態に係る吸気ダクト20と同じ構造は、同じ引用番号を付すことにより、説明を省略する。
(1)側壁11に吸気口28が開口形成されるケーシング10の内部に装着され、吸気口28から内部空間へ導入される吸入空気の流路23bを形成し、吸気口28をケーシング10の内側において覆うガイド体29を設け、ガイド体29は、側壁11と対峙する背面板21と、背面板21の底辺より側壁11に向かって突出した底板23と、背面板21の幅方向の両辺より側壁11の内面に突出した一対の側板22、22とを有する吸気ダクト20において、吸水性のある棒状の発泡材30を有すること、を特徴とするので、吹き上げられた水滴や背面板21に沿って自重により滴下した水滴は発泡材30で留まるため、水滴がケーシング10内に浸入することがなく、錆が発生しない。
ここで、発泡材30、31、32がない場合、上方の流路27aにおいては、水滴が自重により第2仕切り底板27に沿って端部から垂れて、下方の流路25aに浸入してしまう恐れがある。また、流路25aにおいては、水滴が自重により第1仕切り底板25に沿って端部から垂れて、下方の流路23aに浸入してしまう恐れがある。一方、本発明では、発泡材30、31、32の存在により、水滴を一定量保持することができるため、上方の流路25a、27aにおいて水滴が外部に垂れてそれぞれ下方の流路25a、23aに浸入してしまう恐れがない。
例えば、本実施形態では、背面板と側板を別々の部材で設けているが、背面板と側板を一体的にR形状で形成しても良い。
10 ケーシング
11 側壁
20 吸気ダクト
21 背面板
22 側板
23 底板
24 第1仕切り背面板
25 第1仕切り底板
26 第2仕切り背面板
27 第2仕切り底板
29 ガイド体
30、31、32 発泡材
Claims (4)
- 側壁に吸気口が開口形成されるケーシングの内部に装着され、前記吸気口から内部空間へ導入される吸入空気の流路を形成し、前記吸気口を前記ケーシングの内側において覆うガイド体を設け、前記ガイド体は、前記側壁と対峙する背面板と、前記背面板の底辺より前記側壁に向かって突出した底板と、前記背面板の幅方向の両辺より前記側壁の内面に突出した一対の側板とを有する吸気ダクトにおいて、
吸水性のある棒状の発泡材を有すること、
を特徴とする吸気ダクト。 - 請求項1に記載の吸気ダクトにおいて、
前記発泡材を前記背面板の底辺付近に配置すること、
を特徴とする吸気ダクト。 - 請求項1または請求項2に記載の吸気ダクトにおいて、
前記流路を複数の流路に分割するため、前記側壁と対峙する1または複数の仕切り背面板と、前記仕切り背面板の底辺より前記側壁に向かって突出した仕切り底板を有し、
前記発泡材を前記仕切り背面板の底辺付近に配置すること、
を特徴とする吸気ダクト。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の吸気ダクトを備えるエンジン作業機。
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