JP2018003086A - 焼入れ用レーザ加工装置及び焼入れ用レーザヘッド - Google Patents

焼入れ用レーザ加工装置及び焼入れ用レーザヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で加工対象物に均一な焼入れ加工を施すことができる焼入れ用レーザ加工装置及び焼入れ用レーザヘッドを提供する。【解決手段】焼入れ用レーザ加工装置は、支持ステージと、レーザヘッドと、保持ロボットと、制御部と、を備えている。レーザヘッドは、光源と、集光素子と、導光部材と、を有している。導光部材は、軸線AX上において対向する入射端面及び出射端面、並びに、軸線AXを包囲する側面を有している。側面には、軸線AXに沿って延在する第1凹部51が形成されており、Z軸方向における導光部材の幅は、Y軸方向における中間部50aに比べ、Y軸方向における両側部50b,50cのそれぞれにおいて大きくなっている。制御部は、レーザ光の照射領域においてZ軸方向に対応する方向に沿って、照射領域がワークに対して相対的に移動するように、支持部及び保持部の少なくとも1つの動作を制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、焼入れ用レーザ加工装置及び焼入れ用レーザヘッドに関する。
加工対象物に均一な焼入れ加工を施すためのレーザ加工装置として、特許文献1には、計算機ホログラムを用いることで、長軸方向に沿ってビーム中心からビーム両端に向けて一次関数的に増加するM字形状の強度分布形状を有するように、レーザビームを整形するレーザ加工装置が記載されている。特許文献1に記載されたレーザ加工装置においては、前述した長軸方向に垂直な方向に沿って、レーザビームの照射領域が加工対象物に対して相対的に移動させられる。
特開2010−52023号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたレーザ加工装置では、計算機ホログラムが必要であるため、レーザ加工装置の構成が複雑となっている。また、特許文献1に記載されたレーザ加工装置では、M字形状の強度分布形状の頂部において入熱過多となる現象が、例えばレーザビームの照射開始位置で生じ易い。
そこで、本発明は、簡易な構成で加工対象物に均一な焼入れ加工を施すことができる焼入れ用レーザ加工装置及び焼入れ用レーザヘッドを提供することを目的とする。
本発明の焼入れ用レーザ加工装置は、加工対象物を支持する支持部と、加工対象物にレーザ光を照射するレーザヘッドと、レーザヘッドを保持する保持部と、支持部及び保持部の少なくとも1つの動作を制御する制御部と、を備え、レーザヘッドは、互いに交差する第1方向及び第2方向に沿って2次元的に配列された複数の光出力部を有し、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に沿って光出力部のそれぞれからレーザ光を出力する光源と、光源からのレーザ光を集光する集光素子と、所定の軸線上において互いに対向する入射端面及び出射端面、並びに、軸線を包囲する側面を有し、集光素子によって集光されたレーザ光を導光する柱状の導光部材と、を有し、側面には、軸線に沿って延在する第1凹部が形成されており、軸線に交差する第4方向における導光部材の幅は、軸線及び第4方向に交差する第5方向における中間部に比べ、第5方向における両側部のそれぞれにおいて大きくなっており、制御部は、レーザ光の照射領域において第4方向に対応する方向に沿って、照射領域が加工対象物に対して相対的に移動するように、支持部及び保持部の少なくとも1つの動作を制御する。
この焼入れ用レーザ加工装置では、光源の各光出力部から出力されて集光素子によって集光された複数のレーザ光が、所定の軸線に沿って延在する第1凹部が形成された導光部材によって導光される。導光部材では、複数のレーザ光が第1凹部の内面で反射されるため、加工対象物に照射されるレーザ光の照射領域における強度分布は、複数のレーザ光が例えば四角柱状の導光部材によって導光される場合に比べ、均一化される。したがって、例えばレーザ光の照射開始位置で入熱過多となる現象が生じ難くなる。また、この焼入れ用レーザ加工装置では、第1凹部が形成されている部分において、所定の軸線に交差する第4方向における導光部材の幅が、中間部に比べ、両側部のそれぞれにおいて大きくなっており、レーザ光の照射領域が、第4方向に対応する方向に沿って、加工対象物に対して相対的に移動させられる。これにより、レーザ光の照射時間は、レーザ光の照射領域のうち中間部に対応する領域に比べ、レーザ光の照射領域のうち両側部のそれぞれに対応する領域において長くなる。したがって、レーザ光の照射によって加工対象物に入力されるエネルギー量が、レーザ光の照射領域のうち中間部に対応する領域に比べ、レーザ光の照射領域のうち熱が逃げ易い両側部のそれぞれに対応する領域において多くなり、その結果、レーザ光の照射によって加工対象物に入力されるエネルギー量のうち焼入れ加工に寄与するエネルギー量が均一化される。以上により、この焼入れ用レーザ加工装置によれば、導光部材という簡易な構成を用いて、加工対象物に均一な焼入れ加工を施すことができる。
本発明の焼入れ用レーザ加工装置では、制御部は、照射領域のうち第1凹部に対応する領域が先行した状態で、照射領域が加工対象物に対して相対的に移動するように、支持部及び保持部の少なくとも1つの動作を制御してもよい。レーザ光の照射領域のうち両側部のそれぞれに対応する領域では熱が逃げ易いものの、照射領域のうち第1凹部に対応する領域が先行させられることで、当該領域の両端部において加工対象物に前加熱(当該両端部から加工対象物の加熱が開始されること)が施されるため、レーザ光の照射領域のうち両側部のそれぞれに対応する領域での熱の逃げが抑制される。よって、より均一な焼入れ加工を加工対象物に施すことができる。
本発明の焼入れ用レーザ加工装置では、側面には、軸線に沿って延在し且つ第4方向において第1凹部に対向する第2凹部が更に形成されていてもよい。この構成によれば、導光部材において、複数のレーザ光が、第1凹部の内面に加え第2凹部の内面でも反射されるため、加工対象物に照射されるレーザ光の照射領域における強度分布が、より一層均一化される。また、照射領域のうち第1凹部及び第2凹部の一方に対応する領域が先行させられることで、照射領域のうち第1凹部及び第2凹部の一方に対応する領域の両端部において加工対象物に前加熱が施され、照射領域のうち第1凹部及び第2凹部の他方に対応する領域の両端部において加工対象物に後加熱(当該両端部にて加工対象物の加熱が終了すること)が施される。これにより、レーザ光の照射領域のうち両側部のそれぞれに対応する領域での熱の逃げが抑制され、また、当該領域で逃げた熱量の少なくとも一部が補われる。よって、より均一な焼入れ加工を加工対象物に施すことができる。
本発明の焼入れ用レーザ加工装置では、第1凹部の内面及び第2凹部の内面のそれぞれは、軸線側に凸となるように湾曲していてもよい。この構成によれば、レーザ光の照射によって加工対象物に入力されるエネルギー量を連続的に変化させることができるため、より均一な焼入れ加工を加工対象物に施すことができる。
本発明の焼入れ用レーザ加工装置では、第1凹部及び第2凹部のそれぞれは、入射端面と出射端面との間に渡って形成されていてもよい。この構成によれば、加工対象物に照射されるレーザ光の照射領域における強度分布が、より一層均一化される。また、所望の形状を有するレーザ光の照射領域を確実に得ることができる。
本発明の焼入れ用レーザ加工装置では、側面には、軸線に沿って延在し且つ第5方向において互いに対向する第3凹部及び第4凹部が更に形成されていてもよい。この構成によれば、導光部材において、複数のレーザ光が、第1凹部の内面及び第2凹部の内面に加え第3凹部の内面及び第4凹部の内面でも反射されるため、加工対象物に照射されるレーザ光の照射領域における強度分布が、より一層均一化される。また、レーザ光の照射領域のうち両側部のそれぞれに対応する領域では熱が逃げ易いものの、照射領域のうち第3凹部及び第4凹部のそれぞれに対応する領域の両端部において加工対象物に補助前加熱(照射領域の前側部分において焼入れ領域の外側から補助的に加熱すること)及び補助後加熱(照射領域の後側部分において焼入れ領域の外側から補助的に加熱すること)が施されるため、レーザ光の照射領域のうち両側部のそれぞれに対応する領域での熱の逃げが抑制され、また、当該領域で逃げた熱量の少なくとも一部が補われる。よって、より均一な焼入れ加工を加工対象物に施すことができる。
本発明の焼入れ用レーザ加工装置では、第3凹部の内面及び第4凹部の内面のそれぞれは、軸線側に凸となるように湾曲していてもよい。この構成によれば、レーザ光の照射によって加工対象物に入力されるエネルギー量を連続的に変化させることができるため、より均一な焼入れ加工を加工対象物に施すことができる。
本発明の焼入れ用レーザ加工装置では、第3凹部及び第4凹部のそれぞれは、入射端面と出射端面との間に渡って形成されていてもよい。この構成によれば、加工対象物に照射されるレーザ光の照射領域における強度分布が、より一層均一化される。また、所望の形状を有するレーザ光の照射領域を確実に得ることができる。
本発明の焼入れ用レーザ加工装置では、側面は、第1凹部の内面、第2凹部の内面、第3凹部の内面及び第4凹部の内面、並びに、互いに交差する位置関係にある内面のそれぞれに接続され且つ軸線の反対側に凸となるように湾曲した複数の面取り面によって、構成されていてもよい。この構成によれば、導光部材に外力が作用したとしても、応力集中が生じるのを抑制することができる。
本発明の焼入れ用レーザヘッドは、互いに交差する第1方向及び第2方向に沿って2次元的に配列された複数の光出力部を有し、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に沿って光出力部のそれぞれからレーザ光を出力する光源と、光源からのレーザ光を集光する集光素子と、所定の軸線上において互いに対向する入射端面及び出射端面、並びに、軸線を包囲する側面を有し、集光素子によって集光されたレーザ光を導光する柱状の導光部材と、を有し、側面には、軸線に沿って延在する第1凹部が形成されており、軸線に交差する第4方向における導光部材の幅は、軸線及び第4方向に交差する第5方向における中間部に比べ、第5方向における両側部のそれぞれにおいて大きくなっている。
この焼入れ用レーザヘッドによれば、上述したように、レーザ光の照射領域を、第4方向に対応する方向に沿って、加工対象物に対して相対的に移動させることで、簡易な構成で加工対象物に均一な焼入れ加工を施すことができる。
本発明によれば、簡易な構成で加工対象物に均一な焼入れ加工を施すことができる焼入れ用レーザ加工装置及び焼入れ用レーザヘッドを提供することが可能となる。
一実施形態の焼入れ用レーザ加工装置の構成図である。 図1のレーザヘッドの構成図である。 図2の光源の構成図である。 図2の導光部材の斜視図である。 図4の導光部材の断面図ある。 図1の焼入れ用レーザ加工装置におけるレーザ光の照射領域を示す図である。 (a)図2の導光部材の出射端面におけるレーザ光の強度分布を示す図である。(b)四角柱状の導光部材の出射端面におけるレーザ光の強度分布を示す図である。 レーザ光の照射領域における入力エネルギーを示す図である。 (a)第1変形例の導光部材の断面図である。(b)第2変形例の導光部材の断面図である。(c)第3変形例の導光部材の断面図である。(d)第4変形例の導光部材の断面図である。 変形例のレーザヘッドの構成図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、焼入れ用レーザ加工装置100は、レーザヘッド(焼入れ用レーザヘッド)1と、保持ロボット(保持部)101と、支持ステージ(支持部)102と、電源103と、冷却機104と、制御部105と、を備えている。焼入れ用レーザ加工装置100は、金属材料からなるワーク(加工対象物)Wにレーザ光Lを照射することで、ワークWに焼入れ加工を施す装置である。なお、焼入れとは、鋼等の金属をオーステナイト領域まで加熱し適当な冷媒中で急冷し、マルテンサイト組織として硬化させる熱処理である。
レーザヘッド1は、ワークWにレーザ光Lを照射する。保持ロボット101は、レーザヘッド1を保持する。支持ステージ102は、ワークWを支持する。電源103は、レーザヘッド1が備える複数の半導体レーザアレイに電流を供給する。冷却機104は、レーザヘッド1が備える複数の半導体レーザアレイを冷却するために、冷却水を循環させる。
制御部105は、保持ロボット101を動作させる。制御部105は、レーザ光Lの照射領域がワークWの表面に沿って移動するように(すなわち、ワークWに対して相対移動するように)、保持ロボット101を動作させる。このような保持ロボット101の制御は、例えば、レーザヘッド1に取り付けられた距離センサからの出力に基づいて実施される。なお、制御部105は、保持ロボット101だけでなく、焼入れ用レーザ加工装置100の各部を制御する。
図2に示されるように、レーザヘッド1は、光源2と、集光素子3と、集光素子4と、導光部材5と、筐体6と、を有している。光源2、集光素子3、導光部材5及び集光素子4は、筐体6に収容されており、X軸方向(第3方向)に沿ってこの順に配列されている。これにより、レーザヘッド1は、直接集光型半導体レーザ(DDL)として構成されている。
図2及び図3に示されるように、光源2は、複数(例えば30個)の半導体レーザアレイ21と、複数のコリメートレンズ22と、複数のヒートシンク23と、を有している。複数の半導体レーザアレイ21は、例えば数mmの等間隔で、Z軸方向(第2方向)にスタック(積層)されている。1つの半導体レーザアレイ21には、複数(例えば30個)の発光部21aが形成されている。1つの半導体レーザアレイ21においては、複数の発光部21aが例えば数百μmの等間隔で、Y軸方向(第1方向)に沿って1次元的に配列されている。発光部21aは、Y軸方向をスロー方向とすると共にZ軸方向をファースト方向とする半導体レーザ素子である。発光部21aは、X軸方向に沿ってレーザ光Laを出射する。なお、上述したレーザ光Lは、光源2から出射された複数のレーザ光Laの集合である。
各コリメートレンズ22は、各半導体レーザアレイ21の光出射側に配置されている。コリメートレンズ22は、半導体レーザアレイ21の複数の発光部21aからX軸方向に沿って出射された複数のレーザ光Laをコリメートする。より具体的には、コリメートレンズ22は、Z軸方向(すなわち、ファースト方向)へのレーザ光Laの広がりをコリメートする。各ヒートシンク23は、各半導体レーザアレイ21と熱的に接続されている。ヒートシンク23には、冷却機104によって冷却水が循環させられる。これにより、ヒートシンク23は、半導体レーザアレイ21を冷却する。
光源2においては、1つの発光部21a、及びその光出射側に配置されたコリメートレンズ22によって、1つの光出力部24が構成されている。つまり、光源2は、互いに交差(レーザヘッド1では、直交)するY軸方向及びZ軸方向に沿って2次元的に(すなわち、マトリックス状に)配列された複数の光出力部24を有している。特に、ここでは、光出力部24は、Y軸方向及びZ軸方向を含む四角形状の領域R1に配列されている。領域R1は、一例として正方形状であるが、長方形状であってもよい。
光源2は、Y軸方向及びZ軸方向に交差(レーザヘッド1では、直交)するX軸方向に沿って複数の光出力部24から複数のレーザ光Laを出射する。これにより、集光素子3に入射する複数のレーザ光Laの光軸の位置は、Y軸方向及びZ軸方向に沿って2次元に(すなわち、マトリックス状に)配列された状態となる。
図2に示されるように、集光素子3は、Y軸方向及びZ軸方向の両方について、光源2からのレーザ光Laのそれぞれを、導光部材5の入射端面5aに向けて集光する。入射端面5aにおけるレーザ光のスポット(複数のレーザ光Laのスポットの集合)は、四角形状である。ここでは、入射端面5aにおけるレーザ光のスポットは、正方形状であるが、長方形状であってもよい。集光素子3は、例えばレンズである。なお、集光素子3は、レーザ光のスポットを入射端面5a上に位置させてもよいし、或いは、レーザ光のスポットを入射端面5aの手前若しくは奥(すなわち、導光部材5内)に位置させてもよい。
集光素子4は、導光部材5の出射端面5bから出射されたレーザ光Lの照射領域がワークWの表面上に位置するようにレーザ光Lを集光する。そのために、集光素子4は、第1素子41と、第2素子42と、を含んでいる。第1素子41及び第2素子42は、X軸方向に沿ってこの順に配列されている。第1素子41は、Y軸方向及びZ軸方向の両方について、出射端面5bから出射されたレーザ光Lをコリメートする。第2素子42は、第1素子41からのレーザ光Lを集光し、ワークWの表面上にレーザ光Lの照射領域を形成する。
導光部材5は、集光素子3と集光素子4との間に配置されている。導光部材5は、入射端面5aに入射したレーザ光Laを導光し、出射端面5bからレーザ光Lとして出射する。図4に示されるように、導光部材5は、X軸方向に平行な軸線(所定の軸線)AXに沿って延在する柱状(棒状)の部材(いわゆる、ライトパイプ、ロッドプリズム)である。一例として、導光部材5は、ガラス等の光透過性材料によって、1.5mm×1.5mm×60mm程度の寸法で形成されている。
導光部材5は、入射端面5a、出射端面5b及び側面50を有している。入射端面5a及び出射端面5bは、軸線AX上において互いに対向している。入射端面5aは、集光素子3に対向しており、出射端面5bは、集光素子4に対向している。側面50は、入射端面5aと出射端面5bとの間において軸線AXを包囲している。
図5に示されるように、側面50には、第1凹部51、第2凹部52、第3凹部53及び第4凹部54が形成されている。第1凹部51及び第2凹部52は、軸線AXに交差(レーザヘッド1では、直交)するZ軸方向(第4方向)において互いに対向している。第3凹部53及び第4凹部54は、軸線AX及びZ軸方向に交差(レーザヘッド1では、直交)するY軸方向(第5方向)において互いに対向している。第1凹部51及び第2凹部52のそれぞれは、Z軸方向において軸線AX側に凹んでいる。第3凹部53及び第4凹部54のそれぞれは、Y軸方向において軸線AX側に凹んでいる。第1凹部51、第2凹部52、第3凹部53及び第4凹部54のそれぞれは、軸線AXに沿って延在しており、入射端面5aと出射端面5bとの間に渡って形成されている。
軸線AXに平行な方向から見た場合に、第1凹部51の内面51a、第2凹部52の内面52a、第3凹部53の内面53a及び第4凹部54の内面54aのそれぞれは、軸線AX側に凸となるように湾曲している。これにより、Z軸方向における導光部材5の幅は、Y軸方向における中心位置に近づくほど小さくなるように連続的に変化しており、Y軸方向における中心位置において最少となっている。また、Y軸方向における導光部材5の幅は、Z軸方向における中心位置に近づくほど小さくなるように連続的に変化しており、Z軸方向における中心位置において最少となっている。
互いに交差する位置関係にある内面51a,52a,53a,54aのそれぞれには、面取り面55が接続されている。各面取り面55は、軸線AXの反対側に凸となるように湾曲している。つまり、導光部材5の側面50は、第1凹部51の内面51a、第2凹部52の内面52a、第3凹部53の内面53a及び第4凹部54の内面54a、並びに、複数の面取り面55によって、構成されている。
Z軸方向における導光部材5の幅は、Y軸方向における中間部50aに比べ、Y軸方向における両側部50b,50cのそれぞれにおいて大きくなっている。つまり、Z軸方向における両側部50b,50cのそれぞれの幅(平均値)は、Z軸方向における中間部50aの幅(平均値)よりも大きくなっている。ここで、中間部50aは、導光部材5のうち、Y軸方向における中心位置を含む所定幅の部分である。側部50bは、導光部材5のうち、Y軸方向における中間部50aの一端(第3凹部53側の端)から第3凹部53の内面53aの最深部までの所定幅の部分である。側部50cは、導光部材5のうち、Y軸方向における中間部50aの他端(第4凹部54側の端)から第4凹部54の内面54aの最深部までの所定幅の部分である。なお、Z軸方向は、軸線AXに交差する第4方向の一例であり、Y軸方向は、軸線AX及び第4方向に交差する第5方向の一例であるから、Z軸方向を、軸線AXに交差する第4方向と言い換え、Y軸方向を、軸線AX及び第4方向に交差する第5方向と言い換えることができる。
中間部50a及び両側部50b,50cは、次のように捉えることもできる。すなわち、Y軸方向における導光部材5の幅の最小値(図5では、第3凹部53の内面53aの最深部と第4凹部54の内面54aの最深部との間の距離)を3等分し、その中央に対応する領域を中間部50aと捉え、その両側に対応する領域を両側部50b,50cと捉えてもよい。また、Y軸方向における導光部材5の幅の最大値(図5では、Y軸方向において互いに対向する面取り面55間の距離)を3等分し、その中央に対応する領域を中間部50aと捉え、その両側に対応する領域を両側部50b,50cと捉えてもよい。なお、Z軸方向は、軸線AXに交差する第4方向の一例であり、Y軸方向は、軸線AX及び第4方向に交差する第5方向の一例であるから、Z軸方向を、軸線AXに交差する第4方向と言い換え、Y軸方向を、軸線AX及び第4方向に交差する第5方向と言い換えることができる。
なお、上述したように、導光部材5は、柱状(棒状)の部材(いわゆる、ライトパイプ、ロッドプリズム)あって、光ファイバとは区別される。すなわち、典型的には、光ファイバは、コア、コアを囲むクラッド、及びクラッドを覆う被覆等から構成されている。光ファイバは、コアとクラッドとの屈折率差によってコアに光を閉じ込めて導光する。これに対して、導光部材5は、例えば実質的に単一の屈折率の領域からなる。導光部材5は、空気等の周囲の雰囲気との屈折率差によって、光を閉じ込めて導光する。ただし、入射端面5aには、反射防止膜が形成される場合があり、側面50には、反射膜が形成される場合がある。
また、光ファイバは、全体としての剛性が比較的小さく、可撓性を有する。このため、光ファイバは、例えば片持ち状態で姿勢及び形状を維持することが困難である(自重で変形する)。すなわち、光ファイバは、全体として一定の形状を有していない。これに対して、導光部材5は、全体としての剛性が比較的大きく、可撓性を有していない。このため、導光部材5は、例えば片持ち状態で姿勢及び形状を維持可能である。すなわち、導光部材5は、全体として一定の形状(柱状)を有する。この点でも、導光部材5は、光ファイバと区別され得る。
以上のように構成された焼入れ用レーザ加工装置100では、例えば、レーザヘッド1から出射されたレーザ光LがワークWの表面に集光させられた状態で、レーザ光Lの照射領域がワークWの表面に対して相対的に移動させられる。これにより、ワークWの表面部分のうち選択された所望の部分に焼入れ加工が施される。レーザヘッド1から出射されたレーザ光Lの照射領域は、保持ロボット101によって、ワークWの表面に対して位置調整されると共に移動させられる。
より具体的には、図6に示されるように、ワークWの表面Wsに照射されたレーザ光Lの照射領域R2の形状は、導光部材5の断面形状(軸線AXに垂直な断面形状)に対応しており、例えば、導光部材5の断面形状と相似の関係にある。すなわち、照射領域R2は、第1凹部51の内面51aに対応する第1縁部151、第2凹部52の内面52aに対応する第2縁部152、第3凹部53の内面53aに対応する第3縁部153、及び第4凹部54の内面54aに対応する第4縁部154、並びに、複数の面取り面55にそれぞれ対応する複数の面取り縁部155によって、画定されている。レーザ光Lの照射領域R2は、第1縁部151と第2縁部152とが互いに対向する方向、及び第3縁部153と第4縁部154とが互いに対向する方向のそれぞれの方向に移動させられる。なお、レーザ光Lの照射領域R2の形状は、導光部材5の断面形状に対応していれば、導光部材5の断面形状に対する拡大率又は縮小率がY軸方向とZ軸方向とで互いに異なるものであってもよい。
ここで、レーザ光Lの照射領域R2における強度分布は、例えば四角柱状の導光部材を用いた場合に比べ、均一化されている。図7の(a)は、上述した導光部材5の出射端面5bにおけるレーザ光Lの強度分布を示す図であり、図7の(b)は、四角柱状の導光部材の出射端面におけるレーザ光の強度分布を示す図である。なお、図7の(a)及び(b)においては、色の濃淡によって強度の強弱が示されている。
図7の(a)に示されるように、上述した導光部材5を用いた場合には、第1凹部51の内面51a、第2凹部52の内面52a、第3凹部53の内面53a及び第4凹部54の内面54aで、複数のレーザ光Laのそれぞれが反射されることで、複数のレーザ光Laのそれぞれが導光部材5内で拡散される。したがって、複数のレーザ光Laの集合であるレーザ光Lの強度分布が導光部材5の出射端面5bにおいて均一化される。一方、図7(b)に示されるように、四角柱状の導光部材を用いた場合には、コリメート光であるレーザ光Laは、その強度の偏在が残存したまま、出射端面から出射される。特に、光源2として、複数の光出力部24からレーザ光Laを出射するものを採用した場合に、そのような傾向が強く、レーザ光Lの強度分布を均一化することは困難である。
焼入れ用レーザ加工装置100では、上述したように均一化された強度分布を有するレーザ光Lの照射領域R2を、図6に示されるように、第1縁部151と第2縁部152とが互いに対向する方向に移動させる場合、照射領域R2のうち中間部150a及び両側部150b,150cが焼入れ領域となる。中間部150aは、照射領域R2のうち導光部材5の中間部50aに対応する領域である。側部150bは、照射領域R2のうち導光部材5の側部50bに対応する領域であり、側部150cは、照射領域R2のうち導光部材5の側部50cに対応する領域である。
一例として、レーザ光Lの照射領域R2のうち第1縁部151側を先行させて、レーザ光Lの照射領域R2をワークWの表面Wsに対して相対的に移動させる場合には、レーザ光Lの照射時間は、照射領域R2の中間部150aに比べ、照射領域R2の両側部150b,150cのそれぞれにおいて長くなる。したがって、図8に示されるように、レーザ光Lの照射によってワークWの表面部分に入力されるエネルギー量(積算量)が、照射領域R2の中間部150aに比べ、照射領域R2の両側部150b,150cのそれぞれにおいて多くなる。照射領域R2の両側部150b,150cのそれぞれにおいては、照射領域R2の中間部150aに比べ、熱が周囲に逃げ易いため、結果として、レーザ光Lの照射によってワークWの表面部分に入力されるエネルギー量のうち焼入れ加工に寄与するエネルギー量が焼入れ領域において均一化される。なお、図8に示されるレーザ光Lの照射領域R2の形状は、導光部材5の断面形状に対応しているものの、導光部材5の断面形状に対する拡大率又は縮小率がY軸方向とZ軸方向とで互いに異なるものである。
また、照射領域R2のうち第1縁部151の両端部(両側部150b,150cのそれぞれの外側の部分であって第1縁部151の両端の面取り縁部155を含む部分)においてワークWに前加熱(当該両端部から加工対象物の加熱が開始されること)及び補助前加熱(照射領域R2の前側部分において焼入れ領域の外側から補助的に加熱すること)が施されるため、レーザ光Lの照射領域R2のうち両側部150b,150cでの熱の逃げ(レーザ光Lの照射領域R2の相対的な移動方向に直交する方向における外側への熱の逃げ)が抑制される。更に、照射領域R2のうち第2縁部152の両端部(両側部150b,150cのそれぞれの外側の部分であって第2縁部152の両端の面取り縁部155を含む部分)においてワークWに後加熱(当該両端部にて加工対象物の加熱が終了すること)及び補助後加熱(照射領域R2の後側部分において焼入れ領域の外側から補助的に加熱すること)が施されるため、レーザ光Lの照射領域R2のうち両側部150b,150cで逃げた熱量の少なくとも一部が補われる。このような補助前加熱及び補助後加熱は、実際の焼入れ領域の外側の領域を加熱するものであって、図8に示されるハッチング部分のエネルギー量によって実現される。
以上により、焼入れ用レーザ加工装置100では、ワークWの表面部分のうち選択された所望の部分に均一な焼入れ加工が施される。レーザ光Lの照射領域R2のうち、第2縁部152側を先行させる場合、第3縁部153側を先行させる場合、及び第4縁部154側を先行させる場合のそれぞれの場合においても、同様である。なお、均一な焼入れとは、焼入れ領域(上述した例では、照射領域R2のうち中間部150a及び両側部150b,150c)のうち、ワークWに対する照射領域R2の移動方向に垂直な方向における両端部まで、同等の深さ等、同等の程度で焼入れが施されることをいう。
以上説明したように、焼入れ用レーザ加工装置100では、光源2の各光出力部24から出力されて集光素子3によって集光された複数のレーザ光Laが、導光部材5によって導光される。導光部材5では、第1凹部51の内面51a、第2凹部52の内面52a、第3凹部53の内面53a及び第4凹部54の内面54aで、複数のレーザ光Laのそれぞれが反射されることで、複数のレーザ光Laのそれぞれが導光部材5内で拡散される。そのため、ワークWに照射されるレーザ光Lの照射領域R2における強度分布は、複数のレーザ光Laが例えば四角柱状の導光部材5によって導光される場合に比べ、均一化される。したがって、例えばレーザ光Lの照射開始位置で入熱過多となる現象が生じ難くなる。また、焼入れ用レーザ加工装置100では、Z軸における導光部材5の幅が、中間部50aに比べ、両側部50b,50cのそれぞれにおいて大きくなっており、レーザ光Lの照射領域R2が、Z軸方向に対応する方向に沿って、ワークWに対して相対的に移動させられる。これにより、レーザ光Lの照射時間は、照射領域R2の中間部150aに比べ、照射領域R2の両側部150b,150cのそれぞれにおいて長くなる。したがって、レーザ光Lの照射によってワークWに入力されるエネルギー量が、照射領域R2の中間部150aに比べ、照射領域R2のうち熱が逃げ易い両側部150b,150cのそれぞれにおいて多くなる。その結果、レーザ光Lの照射によってワークWに入力されるエネルギー量のうち焼入れ加工に寄与するエネルギー量が均一化される。このことは、レーザ光Lの照射領域R2が、Y軸方向に対応する方向に沿って、ワークWに対して相対的に移動させられる場合にも、同様である。以上により、焼入れ用レーザ加工装置100によれば、導光部材5という簡易な構成を用いて、ワークWに均一な焼入れ加工を施すことができる。
以下、入熱過多となる現象について、より具体的に説明する。特許文献1に記載されたレーザ加工装置では、計算機ホログラムを用いることで、長軸方向に沿ってビーム中心からビーム両端に向けて一次関数的に増加するM字形状の強度分布形状を有するように、レーザビームを整形する。そして、長軸方向に垂直な方向に沿って、レーザビームの照射領域がワークに対して相対的に移動させられる。しかしながら、レーザビームの照射開始位置及び照射終了位置、並びに、レーザビームの移動方向転換位置(屈曲するようにレーザビームの移動方向を変える位置)では、ワークに対するレーザビームの移動速度が遅くなるため、レーザビームの照射時間が長くなり、その結果、M字形状の強度分布形状の頂部において入熱過多となる現象が生じ易くなる。したがって、特許文献1に記載されたレーザ加工装置は、レーザビームの照射開始位置及び照射終了位置、並びに、レーザビームの移動方向転換位置がワーク上に存在するような焼入れ加工には、不向きである。これに対し、焼入れ用レーザ加工装置100では、ワークWに照射されるレーザ光Lの照射領域R2における強度分布が均一化されているため、レーザ光Lの照射開始位置及び照射終了位置、並びに、レーザ光Lの移動方向転換位置がワークW上に存在するような場合にも、各位置において入熱過多となる現象が生じるのを抑制しつつ、ワークWに均一な焼入れ加工を施すことができる。
また、焼入れ用レーザ加工装置100では、レーザ光Lの照射領域R2のうち、第1縁部151側を先行させる場合、照射領域R2のうち第1縁部151の両端部においてワークWに前加熱が施されるため、レーザ光Lの照射領域R2のうち両側部150b,150cでの熱の逃げが抑制される。更に、レーザ光Lの照射領域R2のうち、第1縁部151側を先行させる場合、照射領域R2のうち第2縁部152の両端部においてワークWに後加熱が施されるため、レーザ光Lの照射領域R2のうち両側部150b,150cで逃げた熱量の少なくとも一部が補われる。加えて、照射領域R2のうち第3縁部153及び第4縁部154のそれぞれの両端部においてワークWに補助前加熱及び補助後加熱が施されるため、レーザ光Lの照射領域R2のうち両側部150b,150cでの熱の逃げが抑制され、また、レーザ光Lの照射領域R2のうち両側部150b,150cで逃げた熱量の少なくとも一部が補われる。これらも、均一な焼入れ加工の実現に大きく寄与している。レーザ光Lの照射領域R2のうち、第2縁部152側を先行させる場合、第3縁部153側を先行させる場合、及び第4縁部154側を先行させる場合のそれぞれの場合においても、同様である。
また、焼入れ用レーザ加工装置100では、第1凹部51の内面51a、第2凹部52の内面52a、第3凹部53の内面53a及び第4凹部54の内面54aのそれぞれが、軸線AX側に凸となるように湾曲している。この構成により、レーザ光Lの照射によってワークWに入力されるエネルギー量を連続的に変化させることができるため、より均一な焼入れ加工をワークWに施すことができる。
また、焼入れ用レーザ加工装置100では、側面50が、第1凹部51の内面51a、第2凹部52の内面52a、第3凹部53の内面53a及び第4凹部54の内面54a、並びに、軸線AXの反対側に凸となるように湾曲した複数の面取り面55によって、構成されている。この構成により、導光部材5に外力が作用したとしても、応力集中が生じるのを抑制することができる。
また、焼入れ用レーザ加工装置100では、第1凹部51、第2凹部52、第3凹部53及び第4凹部54のそれぞれが、入射端面5aと出射端面5bとの間に渡って形成されている。この構成により、ワークWに照射されるレーザ光Lの照射領域R2における強度分布が、より一層均一化される。また、所望の形状を有するレーザ光Lの照射領域R2を確実に得ることができる。
また、レーザヘッド1によれば、上述したように、レーザ光Lの照射領域R2を、Z軸方向及びY軸方向のそれぞれに対応する方向に沿って、ワークWに対して相対的に移動させることで、簡易な構成でワークWに均一な焼入れ加工を施すことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、導光部材5の断面形状は、四角形状をベースとして、少なくともその1辺を切り欠くように凹部が形成された形状であればよい。導光部材5の断面形状に対応するレーザ光Lの照射領域R2も、四角形状をベースとして、少なくともその1辺を切り欠くように凹部が形成された形状であればよい。
また、図9の(b)に示されるように、導光部材5の側面50に、第1凹部51及び第2凹部52が形成されており、第3凹部53及び第4凹部54が形成されていなくてもよい。また、図9の(c)に示されるように、導光部材5の側面50に、断面V字状の溝として第1凹部51及び第2凹部52が形成されていてもよいし、或いは、図9の(d)に示されるように、導光部材5の側面50に、断面矩形状の溝として第1凹部51及び第2凹部52が形成されていてもよい。第3凹部53及び第4凹部54が形成される場合には、それらの形状についても、同様である。なお、中間部50a及び両側部50b,50cは、上述したように捉えることができるが、図9の(d)に示されるように、第1凹部51及び第2凹部52の少なくとも1つを画定するように1対の段差が形成されている場合には、1対の段差の内側に対応する領域を中間部50aと捉え、1対の段差の外側に対応する領域を両側部50b,50cと捉えてもよい。
また、図9の(a)に示されるように、導光部材5の側面50に、第1凹部51が形成されており、第2凹部52、第3凹部53及び第4凹部54が形成されていなくてもよい。その場合、レーザ光Lの照射領域R2のうち第1凹部51に対応する領域が先行した状態で、レーザ光Lの照射領域R2がワークWに対して相対的に移動させられることが好ましい。その理由は、レーザ光Lの照射領域R2のうち両側部50b,50cのそれぞれに対応する領域では熱が逃げ易いものの、レーザ光Lの照射領域R2のうち第1凹部51に対応する領域が先行させられることで、当該領域の両端部においてワークWに前加熱が施されるため、レーザ光Lの照射領域R2のうち両側部50b,50cのそれぞれに対応する領域での熱の逃げが抑制され、ワークWに均一な焼入れ加工が施されるからである。
つまり、導光部材5の側面50に少なくとも第1凹部51が形成されていれば、導光部材5では、第1凹部51の内面51aで、複数のレーザ光Laのそれぞれが反射されるため、ワークWに照射されるレーザ光Lの照射領域R2における強度分布は、複数のレーザ光Laが例えば四角柱状の導光部材5によって導光される場合に比べ、均一化される。したがって、例えばレーザ光Lの照射開始位置で入熱過多となる現象が生じ難くなる。また、導光部材5の側面50に少なくとも第1凹部51が形成されていれば、Z軸における導光部材5の幅が、中間部50aに比べ、両側部50b,50cのそれぞれにおいて大きくなる。そのため、Z軸方向に対応する方向に沿って、レーザ光Lの照射領域R2をワークWに対して相対的に移動させることで、レーザ光Lの照射によってワークWに入力されるエネルギー量のうち焼入れ加工に寄与するエネルギー量が均一化される。以上により、導光部材5の側面50に少なくとも第1凹部51が形成されていれば、ワークWに均一な焼入れ加工を施すことができる。
また、上記実施形態では、第1凹部51、第2凹部52、第3凹部53及び第4凹部54が、入射端面5aと出射端面5bとの間に渡って形成されていたが、本発明は、これに限定されない。第1凹部51、第2凹部52、第3凹部53及び第4凹部54は、少なくとも出射端面5bに至っていればよい。
また、上記実施形態では、互いに交差する位置関係にある内面51a,52a,53a,54aのそれぞれに接続された面取り面55が軸線AXの反対側に凸となるように湾曲していたが、本発明は、これに限定されない。面取り面55は、平坦面として形成されていてもよい。
また、図10に示されるように、レーザヘッド1において、集光素子3と導光部材5との間に、レーザ光Lの照射領域R2における強度分布の更なる均一化を図るための導光部材7が配置されていてもよい。その場合、集光素子3は、レーザ光のスポット(複数のレーザ光Laのスポットの集合)を導光部材7の入射端面上に位置させてもよいし、或いは、レーザ光のスポットを当該入射端面の手前若しくは奥(すなわち、導光部材7内)に位置させてもよい。
また、上記実施形態では、レーザ光Lの照射領域R2がワークWに対して相対的に移動するように、制御部105が保持ロボット101の動作を制御したが、本発明は、これに限定されない。制御部105は、保持ロボット101に代えて支持ステージ102の動作を制御してもよいし、或いは、保持ロボット101及び支持ステージ102の両方の動作を制御してもよい。
また、上記実施形態では、光源2、集光素子3、導光部材5及び集光素子4が、X軸方向に沿ってこの順に配列されていたが、本発明は、これに限定されない。例えば、複数の光出力部24からX軸方向に沿って出力された複数のレーザ光LaをZ軸方向に沿うようにミラーで反射し、Z軸方向に平行な軸線AXに沿って延在するように配置された導光部材5に複数のレーザ光Laを入射させるようにしてもよい。
1…レーザヘッド(焼入れ用レーザヘッド)、2…光源、3…集光素子、5…導光部材、5a…入射端面、5b…出射端面、24…光出力部、50…側面、50a…中間部、50b,50c…側部、51…第1凹部、51a…内面、52…第2凹部、52a…内面、53…第3凹部、53a…内面、54…第4凹部、54a…内面、55…面取り面、100…焼入れ用レーザ加工装置、101…保持ロボット(保持部)、102…支持ステージ(支持部)、105…制御部、AX…軸線(所定の軸線)、L,La…レーザ光、R2…照射領域、W…ワーク(加工対象物)。

Claims (10)

  1. 加工対象物を支持する支持部と、
    前記加工対象物にレーザ光を照射するレーザヘッドと、
    前記レーザヘッドを保持する保持部と、
    前記支持部及び前記保持部の少なくとも1つの動作を制御する制御部と、を備え、
    前記レーザヘッドは、
    互いに交差する第1方向及び第2方向に沿って2次元的に配列された複数の光出力部を有し、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に沿って前記光出力部のそれぞれから前記レーザ光を出力する光源と、
    前記光源からの前記レーザ光を集光する集光素子と、
    所定の軸線上において互いに対向する入射端面及び出射端面、並びに、前記軸線を包囲する側面を有し、前記集光素子によって集光された前記レーザ光を導光する柱状の導光部材と、を有し、
    前記側面には、前記軸線に沿って延在する第1凹部が形成されており、
    前記軸線に交差する第4方向における前記導光部材の幅は、前記軸線及び前記第4方向に交差する第5方向における中間部に比べ、前記第5方向における両側部のそれぞれにおいて大きくなっており、
    前記制御部は、前記レーザ光の照射領域において前記第4方向に対応する方向に沿って、前記照射領域が前記加工対象物に対して相対的に移動するように、前記支持部及び前記保持部の少なくとも1つの動作を制御する、焼入れ用レーザ加工装置。
  2. 前記制御部は、前記照射領域のうち前記第1凹部に対応する領域が先行した状態で、前記照射領域が前記加工対象物に対して相対的に移動するように、前記支持部及び前記保持部の少なくとも1つの動作を制御する、請求項1に記載の焼入れ用レーザ加工装置。
  3. 前記側面には、前記軸線に沿って延在し且つ前記第4方向において前記第1凹部に対向する第2凹部が更に形成されている、請求項1又は2に記載の焼入れ用レーザ加工装置。
  4. 前記第1凹部の内面及び前記第2凹部の内面のそれぞれは、前記軸線側に凸となるように湾曲している、請求項3に記載の焼入れ用レーザ加工装置。
  5. 前記第1凹部及び前記第2凹部のそれぞれは、前記入射端面と前記出射端面との間に渡って形成されている、請求項3又は4に記載の焼入れ用レーザ加工装置。
  6. 前記側面には、前記軸線に沿って延在し且つ前記第5方向において互いに対向する第3凹部及び第4凹部が更に形成されている、請求項3〜5のいずれか一項に記載の焼入れ用レーザ加工装置。
  7. 前記第3凹部の内面及び前記第4凹部の内面のそれぞれは、前記軸線側に凸となるように湾曲している、請求項6に記載の焼入れ用レーザ加工装置。
  8. 前記第3凹部及び前記第4凹部のそれぞれは、前記入射端面と前記出射端面との間に渡って形成されている、請求項6又は7に記載の焼入れ用レーザ加工装置。
  9. 前記側面は、前記第1凹部の内面、前記第2凹部の内面、前記第3凹部の内面及び前記第4凹部の内面、並びに、互いに交差する位置関係にある前記内面のそれぞれに接続され且つ前記軸線の反対側に凸となるように湾曲した複数の面取り面によって、構成されている、請求項6〜7のいずれか一項に記載の焼入れ用レーザ加工装置。
  10. 互いに交差する第1方向及び第2方向に沿って2次元的に配列された複数の光出力部を有し、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に沿って前記光出力部のそれぞれからレーザ光を出力する光源と、
    前記光源からの前記レーザ光を集光する集光素子と、
    所定の軸線上において互いに対向する入射端面及び出射端面、並びに、前記軸線を包囲する側面を有し、前記集光素子によって集光された前記レーザ光を導光する柱状の導光部材と、を有し、
    前記側面には、前記軸線に沿って延在する第1凹部が形成されており、
    前記軸線に交差する第4方向における前記導光部材の幅は、前記軸線及び前記第4方向に交差する第5方向における中間部に比べ、前記第5方向における両側部のそれぞれにおいて大きくなっている、焼入れ用レーザヘッド。
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