JP2018003044A - 操業異常推定方法および操業異常推定装置 - Google Patents

操業異常推定方法および操業異常推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高炉の炉内の状態をオンラインで高精度に推定するとともに、推定した炉内の状態から現在または将来における操業の異常度を推定することができる操業異常推定方法および操業異常推定装置を提供すること。【解決手段】操業異常推定方法は、炉内に装入物を装入して銑鉄を製造する高炉の操業中の炉内ガスのガス成分の実績に基づいて、炉内における装入物の装入状態を推定し、推定した装入物の装入状態に基づいて、操業中の高炉の融着帯の状態を推定する炉内状態推定ステップと、炉内状態推定ステップで推定した融着帯の形状から、統計的解析によって、高炉の現在または将来における操業の異常度を推定する異常度推定ステップと、を含んでいる。【選択図】図10

Description

本発明は、操業異常推定方法および操業異常推定装置に関する。
高炉操業の高度化に伴い、鉱石およびコークスからなる装入物の炉内における装入状態(例えば層厚分布)を把握することは非常に重要となっている。装入物の層厚分布を推定する従来技術としては、例えば特許文献1や特許文献2で示される方法がある。
特許文献1は、高炉の炉壁に設置された圧力データや温度データの時間的・空間的推移から融着帯の根部、すなわち壁面に接する部分の融着帯の形状を推定する方法に関するものである。特許文献2は、高炉の炉頂における温度分布とガス流速分布の変化から高炉装入物の層厚分布を推定する方法に関するものである。
また、高炉の炉内状態を推定する従来技術として、例えば非特許文献1で示される方法がある。非特許文献1の推定方法は、高炉を軸対称として2次元のメッシュに分割し、与えられた条件のもとに、固体(鉱石、コークス)の流れ、液体(溶銑)の流れ、ガスの流れ、伝熱および化学反応を計算し、炉内の状態を推定するものである。
特開2003−193120号公報 特開平9−287008号公報
佐藤健ら、「高炉操業シミュレータの開発と溶銑シリコン低減への適用」、川崎製鉄技報、1997年、Vol.29、p.30-36
しかしながら、特許文献1の推定方法は、炉体表面の温度や圧力の計測値から推定を行うため、炉内の形状までは推定することができないという問題がある。また、特許文献2の推定方法は、高炉の炉頂における温度分布とガス流速分布の変化から装入物の層厚分布を推定する方法であるため、当該方法で推定した層厚分布を、例えば非特許文献1で示されているような高炉物理モデルの入力として与えたとしても、炉内の状態を高精度に推定することができないという問題がある。
非特許文献1の推定方法は、オフライン利用のために開発されたものであり、例えば新しい操業形態を実施するとき等の事前検討として利用される。しかし、入力データは必ずしもオンラインで計測または推定できていないため、非特許文献1の技術をオンラインで利用することができないという問題がある。
また、高炉操業にあたっては、炉内の状態をオンラインで高精度に推定するということ以外にも、例えば現在または将来における高炉の操業中に発生する異常を推定(予測)することも望まれているが、前記した特許文献1,2および非特許文献1では、いずれもこのような異常推定を行うことはできない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、高炉の炉内の状態をオンラインで高精度に推定するとともに、推定した炉内の状態から現在または将来における操業の異常度を推定することができる操業異常推定方法および操業異常推定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る操業異常推定方法は、炉内に装入物を装入して銑鉄を製造する高炉の操業中の炉内ガスのガス成分の実績に基づいて、前記炉内における前記装入物の装入状態を推定し、推定した前記装入物の装入状態に基づいて、操業中の前記高炉の融着帯の状態を推定する炉内状態推定ステップと、前記炉内状態推定ステップで推定した前記融着帯の形状から、統計的解析によって、前記高炉の現在または将来における操業の異常度を推定する異常度推定ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る操業異常推定方法は、上記発明において、前記異常度推定ステップは、前記融着帯の中心部、炉壁部の層厚、前記径方向における前記融着帯の層厚の平均値、前記融着帯の高さ、前記融着帯の傾斜のうちの少なくとも1つを説明変数とし、前記高炉の現在または将来における通気抵抗指数を目的関数として、回帰分析によって、前記高炉の現在または将来における操業の異常度を推定することを特徴とする。
また、本発明に係る操業異常推定方法は、上記発明において、前記炉内状態推定ステップは、前記ガス成分の実績から算出されるガス利用率分布を用いて前記装入物の装入状態を推定することを特徴とする。
また、本発明に係る操業異常推定方法は、上記発明において、前記炉内状態推定ステップは、前記装入物の装入状態として、前記装入物である鉱石およびコークスの前記径方向に沿った層厚分布を推定することを特徴とする。
また、本発明に係る操業異常推定方法は、上記発明において、前記炉内状態推定ステップは、主成分分析および重回帰分析、あるいは部分的最小二乗法を用いて、前記ガス成分の実績データから前記装入物の装入状態を推定することを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る操業異常推定装置は、炉内に装入物を装入して銑鉄を製造する高炉の操業中の炉内ガスのガス成分の実績に基づいて、前記炉内における前記装入物の装入状態を推定し、推定した前記装入物の装入状態に基づいて、操業中の前記高炉の融着帯の状態を推定する炉内状態推定部と、前記炉内状態推定部が推定した前記融着帯の状態の形状から、統計的解析によって、前記高炉の現在または将来における操業の異常度を推定する異常度推定部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、高炉の炉内の状態をオンラインで高精度に推定することができるとともに、推定した炉内の状態から現在または将来における操業の異常度を的確かつ早期に推定することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る操業異常推定装置の構成を模式的に示す図である。 図2は、装入物の層厚分布を説明するための説明図である。 図3は、ガス利用率分布を説明するための説明図である。 図4は、高炉物理モデルによるガス利用率分布の計算方法を説明するための説明図である。 図5は、入力推定逆モデルの構築手順を示すフローチャートである。 図6は、入力初期値を説明するための説明図である。 図7は、入力セットを説明するための説明図である。 図8は、高炉物理モデルによる炉内状態の推定方法を説明するための説明図である。 図9は、操業異常度としての通気抵抗指数の計算方法を説明するための説明図である。 図10は、本発明の実施形態に係る操業異常推定装置による操業異常推定方法の処理手順を示すフローチャートである。 図11は、本発明の実施形態に係る操業異常推定装置において、計算結果に係るデータの表示方法を示すフローチャートである。 図12は、本発明の実施形態に係る操業異常推定装置による炉内状態の推定結果の一例を示す図である。 図13は、本発明の実施形態に係る操業異常推定装置による炉内状態の推定結果の一例を示す図である。 図14は、本発明の実施形態に係る操業異常推定装置による炉内状態の推定結果の一例を示す図である。 図15は、本発明の実施形態に係る操業異常推定装置による操業異常度の推定結果の一例を示す図である。
以下、本発明に係る操業異常推定方法および操業異常推定装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[操業異常推定装置]
本実施形態に係る操業異常推定装置の構成について、図1〜図9を参照しながら説明する。操業異常推定装置1は、高炉100の炉内の状態(以下、「炉内状態」という)をオンラインで推定するとともに、推定した現在の炉内状態から現在または将来における操業の異常度を推定するものである。操業異常推定装置1は、図1に示すように、ガスサンプラー2と、炉内状態推定部3と、判定処理部4と、異常度推定部5と、入力部8と、表示部9と、記憶部11と、を備えている。
高炉100は、巨大な向流移動層反応炉であり、図1に示すように、炉頂部に炉頂バンカー101を、炉下部に羽口102を備えている。炉頂バンカー101は、高炉100の炉頂部から内部(炉内)に装入物110を装入する。炉内に装入される装入物110は、酸化鉄を主体とする鉄原料である鉱石(例えば鉄鉱石、焼結鉱、塊鉱石等)およびコークスである。
炉頂バンカー101は、高炉100の炉頂部から炉下部に向かって鉱石層111とコークス層112とが交互に積層するように、装入物110を炉内に順次装入する。これにより、図1に示すように、鉱石層111とコークス層112との多層構造を有する炉内混合物113が形成される。なお、この炉内混合物113は、同図に示したような鉱石層111とコークス層112とからなる多層構造の他に、塊状帯、融着帯および滴下帯等を含んでいる。
高炉100は、羽口102から吹き込まれた高温ガスを炉内ガスとして炉下部側から炉頂部側に向かって流通させることにより、炉頂バンカー101によって炉内に装入された各装入物110(鉱石およびコークス)のうち、コークスを炉内ガスによって燃焼させる。そして、高炉100は、コークスの燃焼によって生成された一酸化炭素を含む還元性ガスを利用して、炉内の各装入物110のうちの鉱石に含まれる酸化鉄を還元し、銑鉄115を製造する。この銑鉄115は、図1に示すように、溶融した状態の溶銑となって高炉100の炉下部に流れ、その後、高炉100の外部に送出される。
高炉100には、図1に示すように、高炉100の炉体温度を計測する温度計6と、高炉100内のガス圧力を計測する圧力計7とが設けられている。温度計6は、高炉100の壁部に配置されており、操業中の高炉100の炉本体の温度である炉体温度を連続的または断続的に測定する。
圧力計7は、操業中の高炉100におけるガス圧力を連続的または断続的に測定する。本実施形態における圧力計7は、例えば操業中の高炉100のガス圧力として、高炉100の炉内に供給される高温ガス(熱風)の圧力、高炉100の炉内ガスの圧力等を測定する。
入力部8は、キーボードやマウス等の入力デバイスによって構成され、作業者(オペレータ)の入力操作に従って各種情報を操業異常推定装置1に入力可能となっている。
表示部9は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスによって構成され、各種データを表示する。この表示部9によって表示されるデータとしては、例えば操業中の高炉100の炉内状態の推定データ、高炉100の現在または将来における操業の異常度(以下、「操業異常度」という)の推定データ、高炉100の各種測定データ、高炉100の操業実績データ等が挙げられる。
記憶部11は、例えば不揮発性のメモリ等を有する記憶装置である。記憶部11には、後記する入力推定逆モデル11a、高炉モデル11bおよび高炉100の操業に係る実績データ11cが保存される。なお、入力推定逆モデル11a、高炉モデル11bおよび高炉100の操業に係る実績データ11cは、ハードディスク等に一旦保存し、これを読み込んでもよい。
ガスサンプラー2は、操業管理対象である高炉100の炉内を流れる高温ガス(以下、「炉内ガス」という)を計測する。ガスサンプラー2は、図1に示すように、高さ方向における高炉100の上部に配置されており、例えば予め定められた時間間隔で炉内ガスのサンプリングを行う。なお、炉内ガスのサンプリングは、予め定められた時間間隔だけではなく、必要に応じて適宜実施してもよい。また、ガスサンプラー2は、細長い筒状のゾンデ2aを有している。ガスサンプラー2のゾンデ2aは、操業中の高炉100の炉壁から中心部に向けてバッチ的に装入される。
ガスサンプラー2は、具体的には、炉内ガスの温度や、炉内ガスの成分比を計測する。炉内ガスの成分には、一酸化炭素CO、二酸化炭素CO、水素H、窒素N等が含まれる。また、ガスサンプラー2は、炉内ガスの成分比として、炉内ガス中の各ガス成分の濃度[体積%]、具体的には、一酸化炭素のガス成分濃度[CO]、二酸化炭素のガス成分濃度[CO]、水素のガス成分濃度[H]、および窒素のガス成分濃度[N]等を測定する。
ガスサンプラー2は、高炉100の炉内の径方向に沿った複数の位置において炉内ガスをサンプリングし、炉内ガスの成分比を計測する。つまり、本実施形態におけるガスサンプラー2は、高炉100の炉内の径方向に沿ったガス成分の分布を測定するガス測定部として機能する。また、ガスサンプラー2は、高炉100の炉内の径方向に沿ったガス成分の分布を計測するガス測定ステップを実行する。
炉内状態推定部3は、操業中の高炉100の炉内状態を推定する炉内状態推定ステップを実行する。炉内状態推定部3は、まず操業中の高炉100の炉内における装入物110の装入状態を推定する。装入物110の装入状態とは、具体的には鉱石層111とコークス層112との層厚分布(以下、単に「層厚分布」という)のことを示している。そして、炉内状態推定部3は、層厚分布の推定結果に基づいて、操業中の高炉100の炉内状態を推定する。なお、炉内状態推定部3は、推定処理に先立ち、推定処理に必要なパラメータを設定するための情報(高炉100の諸元等)等をデータベースから読み込む。以下、層厚分布の推定処理と、炉内状態の推定処理の詳細について説明する。
(層厚分布の推定)
炉内状態推定部3は、ガスサンプラー2によって計測されたガス成分の分布から、予め定められた対応関係に基づいて、炉内の径方向に沿った鉱石層111とコークス層112との層厚分布を推定する。
ここで、層厚分布とは、図2に示すように、高炉100の径方向に沿った層厚比の分布のことを示している。また、同図において、横軸は高炉100における径方向位置を、層厚比は全体に対する鉱石層111の厚さの割合をそれぞれ示している。また、中心軸線CPとは、径方向位置の原点(中心)のことを示しており、径方向位置の座標値が大きくなるに従って高炉100の炉壁に近づく。
層厚比は、具体的には図2に示すように、鉱石層111の厚さLとコークス層112の厚さLとを合わせた層厚(L+L)に対する鉱石層111の厚さLの比であり、下記式(1)で表すことができる。
層厚比=L/(L+L) ・・・(1)
炉内状態推定部3は、具体的には、下記式(2)で表されるガス利用率に基づいて、層厚分布を推定する。ガス利用率は、下記式(2)に示すように、炉内ガス中の一酸化炭素の濃度[CO]と二酸化炭素の濃度[CO]の合計濃度に対する二酸化炭素の濃度[CO]の比のことを示している。
ガス利用率=[CO]/([CO]+[CO]) ・・・(2)
ガス利用率は、炉内で計測される指標のうちで安定的に計測可能な指標であり、非常に重要である。ガス利用率は、ガスサンプラー2によって計測されたガス成分比から計算され、高炉100の炉内での還元反応の進行を推定するために用いられる。図3は、ガス利用率分布の一例を示す図である。同図において、横軸は高炉100の径方向位置を示し、縦軸はガス利用率を示している。なお、ガス利用率分布は、具体的には同図に示すように、高炉100の径方向に沿ったガス利用率の分布のことを示している。
炉内状態推定部3が層厚分布を推定する際に用いる所定の対応関係は、高炉物理モデル(以下、「高炉モデル」という)に基づいて定められている。高炉モデルは、少なくとも層厚分布を含む入力データおよび高炉100の諸元に基づいて操業中の高炉100の炉内をシミュレートし、ガス利用率分布を推定する数学モデルである。高炉モデルとしては、例えば、非特許文献1に記載されたモデルが用いられる。
本実施形態における前記所定の対応関係は、以下に説明するように、ガス利用率分布の実績が高炉モデルによる計算結果と一致するように予め定められている。本実施形態では、高炉モデルに基づいて構築された、ガス利用率分布から層厚分布を推定する入力推定逆モデルが用いられる。
炉内状態推定部3は、入力推定逆モデルによってガス利用率分布の実績から層厚分布を推定する。つまり、炉内状態推定部3は、ガス利用率分布の実績が高炉モデルによる計算結果と一致するように、高炉モデルの入力である層厚分布を推定する。そして、炉内状態推定部3は、推定した層厚分布のデータを、その都度、記憶部11に保存する。
以下、前記した入力推定逆モデルの構築方法について、図4を参照しながら説明する。同図には、高炉モデルのモデル入力である層厚分布(図4(a)参照)、およびモデル出力であるガス利用率分布(図4(b)参照)が示されている。まず、径方向に沿った層厚分布xから計算される径方向に沿ったガス利用率分布yへの順方向の推定を考える。
この場合、ガス利用率分布yと層厚分布xとの関係は、下記式(3)によって表すことができる。ここで、下記式(3)において、層厚分布xの各要素x(i=1,2,…,m)は、径方向位置P(i=1,2,…,m)における層厚比である。また、ガス利用率分布yの各要素y(i=1,2,…,m)は、径方向位置P(i=1,2,…,m)におけるガス利用率である。また、重回帰係数aは、入力の層厚分布xのうち径方向のある位置Pにおいて変化があったときに、出力であるガス利用率分布yに対してその変化のあった径方向位置Pを中心にどれだけ影響があったかという影響係数のような意味を有している。
Figure 2018003044
従って、出力yから入力xを逆推定するためには、影響行列Aの逆行列A-1を求めればよいことになる。しかし、対象としているのは分布系であるため、隣接関係が大きいほど相関が強く、逆行列を求めることができない。そこで、本実施形態では、主成分分析を適用して入力推定逆モデルを構築する。主成分分析により出力yの次元を適当な次元に圧縮することが可能となり、出力yから入力xへの逆影響係数bを求めることが可能となる。求められた逆影響係数bは、入力推定逆モデルとして記憶部11に保存される。
以下、前記した入力推定逆モデルの構築手順について図5〜図7を参照しながら説明する。なお、図5で示した処理フローは、例えば高炉モデルの計算処理を実行可能なコンピュータ等の演算装置においてオフラインで実行される。
まず、入力初期値の設定が実行される(ステップS1)。図6に示す入力初期値の層厚分布(以下、「デフォルト分布」という)Sxdは、層厚分布のデフォルト値である。デフォルト分布Sxdは、例えば、高炉100における層厚分布の目標値である。入力初期値の設定は、例えば作業者の手入力によってなされても、あるいは記憶装置に保存されたデータファイルの読み込みによってなされてもよい。
続いて、入力セットが作成される(ステップS2)。入力セットXsは、図7に示すように、デフォルト分布Sxdと、デフォルト分布Sxdに対して各々の径方向位置Pの層厚比を所定値だけ増減させた層厚分布Sx1,Sx2,…,Sx2mとを合わせた層厚分布のセットのことを示している。
図7において、層厚分布Sx1は、位置Pの層厚比をデフォルト分布Sxdに対して所定値だけ増加側(鉱石層111の厚さLの比率が増加する側)に振った層厚分布である。また、層厚分布Sx2は、位置Pの層厚比をデフォルト分布Sxdに対して減少側(鉱石層111の厚さLの比率が減少する側)に所定値だけ振った層厚分布である。同様にして、位置P,P,…,Pについて、デフォルト分布Sxdに対して層厚比を増減させた層厚分布Sx3,Sx4,…,Sx2mが作成される。
続いて、出力セットが作成される(ステップS3)。出力セットYsは、入力セットXsの各層厚分布Sxd,Sx1,…,Sx2mに対する高炉モデルの計算結果のセットのことを示している。
ここで、入力推定逆モデルを構築する演算装置には、高炉モデルの計算処理プログラムおよび各パラメータが記憶されている。計算処理プログラムおよび各パラメータは、高炉100の諸元に基づいて予め定められており、高炉100の諸元には、例えばコークス比、送風量、送風温度等が含まれている。演算装置は、1つの層厚分布Sが与えられると、高炉モデルの計算処理を行い、入力された層厚分布Sに対するガス利用率分布の計算結果Rを出力する。例えば、デフォルト分布Sxdに対しては計算結果Rydが出力され、層厚分布Sxj(j=1,2,…,2m)に対して計算結果Ryj(j=1,2,…,2m)が出力される。
続いて、入出力セット間の影響係数が算出され、入力推定逆モデルが構築される(ステップS4)。本ステップでは、下記式(4)の逆影響行列Bの各要素である逆影響係数bが算出される。
x=By ・・・(4)
逆影響係数bの算出に際しては、主成分分析が適用されてガス利用率分布の次元が圧縮される。また、重回帰によって、出力セットYsから入力セットXsを推定する推定精度が最適となるように逆影響係数bが決定される。本実施形態では、以上のような処理を経て決定された逆影響係数bによって入力推定逆モデルが構築される。そして、構築された入力推定逆モデルは、操業異常推定装置1の記憶部11に保存される。入力推定逆モデルが構築および保存されると、本処理フローは終了する。
(炉内状態の推定)
炉内状態推定部3は、前記したように推定した高炉100の炉内における層厚分布に基づいて、操業中の高炉100の炉内状態を推定する。炉内状態推定部3は、炉内状態として、操業中の高炉100の炉内に形成される融着帯の状態(例えば形状および温度分布等)を推定する。炉内状態推定部3は、具体的には図8に示すように、高炉100の炉内の層厚分布を入力変数(入力セットXs)として用いることにより、高炉モデルによって、炉内推定データ123を算出する。
ここで、炉内推定データ123は、操業中の高炉100の炉内状態、具体的には炉内の装入物110等による炉内混合物113(図1参照)の形状および温度分布等の状態を等温線によって示した推定データである。そして、図8に示すように、この炉内推定データ123において、等温線の1200℃〜1400℃の温度域が融着帯推定データ125である。炉内状態推定部3は、得られた炉内推定データ123を、その都度、記憶部11に保存する。
判定処理部4は、炉内状態推定部3による推定処理の入力変数が異常値であるか否かを判定する異常値判定ステップを実行する。本実施形態における判定処理部4は、推定処理の入力変数として炉内状態推定部3が算出したガス成分の実績データ、具体的には、操業中の高炉100の炉内におけるガス利用率分布について、異常値判定処理を行う。
判定処理部4は、異常値判定処理の結果、ガス利用率分布が異常値ではないと判定した場合、その旨を炉内状態推定部3に通知するとともに、炉内状態推定部3に対して融着帯の状態の推定処理の実行を許可する。一方、判定処理部4は、異常値判定処理の結果、ガス利用率分布が異常値であると判定した場合、その旨を炉内状態推定部3に通知するとともに、炉内状態推定部3に対して融着帯の状態の推定処理の実行を禁止する。
異常度推定部5は、高炉100の現在または将来における操業異常度を推定する異常度推定ステップを実行する。異常度推定部5は、炉内状態推定部3で推定した融着帯の状態(形状および温度分布等)を特徴付ける特徴量を用いて、統計的解析によって、高炉100の現在または将来における操業の異常度を推定する。
異常度推定部5は、具体的には、融着帯の中心部の層厚(以下、「融着帯の中心部厚」という)、融着帯の炉壁部の層厚(以下、「融着帯の炉壁部厚」という)、高炉100の径方向における融着帯の層厚の平均値(以下、「融着帯の平均厚」という)、融着帯の高さ、融着帯の傾斜のうちの少なくとも1つを説明変数とし、高炉100の現在または将来における通気抵抗指数を目的関数として、回帰分析によって、高炉100の現在または将来における操業異常度を推定する。すなわち、異常度推定部5は、融着帯推定データ125において、高炉100の炉内の通気に関係する特徴量を選択し、回帰分析を行うことにより、操業異常度を示す通気抵抗指数を推定する。なおその際、主成分分析や部分的最小二乗法(PLS:Partial Least Squares)によって次元圧縮を行ってもよい。
ここで、通気抵抗指数とは、高炉100の炉内の通気抵抗を指数化したものであり、高炉操業の安定性を示す指標の一つである。また、融着帯の中心部厚とは、例えば図9の符号Aで示した位置の層厚であり、当該位置の層厚が薄いほど、中心部の通気が良くなる。また、融着帯の炉壁部厚とは、例えば同図の符号Bで示した位置の層厚であり、当該位置の層厚が薄いほど、壁側の通気が良くなる。また、融着帯の平均厚についても、値が小さいほど、炉内の通気が良くなる。
融着帯の高さは、具体的には、高さの最小値、高さの最大値および高さの平均値のことであり、例えば図9の符号Cで示した位置が融着帯の高さの最小値である。融着帯の傾斜は、具体的には、融着帯の最大傾斜、最小傾斜および平均傾斜のことであり、例えば同図の符号Dで示した位置である。
異常度推定部5は、前記した特徴量のうち、例えば融着帯の平均厚、融着帯の中心部厚、融着帯の炉壁部厚、融着帯の傾斜、融着帯の高さの最小値を説明変数とした場合、下記式(5)により目的関数である通気抵抗指数を推定する。なお、下記式(5)におけるa1〜a5は、重回帰係数である。
通気抵抗指数=(a1×融着帯の平均厚)+(a2×融着帯の中心部厚)+(a3×融着帯の炉壁部厚)+(a4×融着帯の傾斜)+(a5×融着帯の高さの最小値) ・・・(5)
[操業異常推定方法]
以下、本実施形態に係る操業異常推定装置1による操業異常推定方法について、図10を参照しながら説明する。同図に示した処理フローは、高炉100の操業中にオンラインで実行される。
まず、操業異常推定装置1は、高炉モデル計算に必要な高炉100の諸元を含むパラメータ設定等を行う(ステップS11)。
続いて、操業異常推定装置1は、データ収集のタイミングであるか否かを判定する(ステップS12)。すなわち、本実施形態における操業異常推定装置1は、予め定められた時間間隔でガスサンプラー2に炉内ガスのサンプリング(後記するステップS13)を実行させる。操業異常推定装置1は、炉内ガスのサンプリングタイミングが到来している場合(ステップS12でYes)、ステップS13の処理に進む。一方、操業異常推定装置1は、炉内ガスのサンプリングタイミングが到来していない場合(ステップS12でNo)、ステップS12の判定を繰り返す。
続いて、操業異常推定装置1は、データの収集および変数の定義を行う(ステップS13)。この場合、操業異常推定装置1は、ガスサンプラー2に対して炉内ガスのサンプリングを指令する。これを受けて、ガスサンプラー2は高炉100の中心軸線CPに向けてゾンデ2aを装入し、径方向の各位置Pにおいて炉内ガスをサンプリングするとともに、炉内ガスの温度を計測する。
また、操業異常推定装置1は、炉内状態推定部3によって変数定義を行う。炉内状態推定部3は、ガスサンプラー2によって収集された最新の実績データを取得し、当該実績データから層厚分布xの推定に必要な変数を得る計算、例えばガスサンプラー2で測定された一酸化炭素の濃度[CO]および二酸化炭素の濃度[CO]からガス利用率を計算する。また、炉内状態推定部3は、炉内の圧力、炉体の温度等の操業実績データを取得する。
続いて、操業異常推定装置1は、判定処理部4によって異常値判定の実行を行う(ステップS14)。判定処理部4は、ステップS13で収集された実績データや計算された変数を炉内状態推定部3から受け取り、これらの値が異常値であるか否かを判定し、その判定結果を炉内状態推定部3に出力する。その際、判定処理部4は、例えば実績データや変数が予め定められた許容範囲から外れている場合、異常値であると判定する。
判定処理部4によって異常値であると判定された場合(ステップS14でYes)、ステップS19の処理に進む。一方、判定処理部4によって異常値ではないと判定された場合(ステップS14でNo)、ステップS15の処理に進む。
続いて、炉内状態推定部3は、モデル入力の推定を行う(ステップS15)。モデル入力の推定において、炉内状態推定部3は、ステップS13で収集された実績データおよび計算された変数を用いて、入力推定逆モデルによって層厚分布を推定する。その際、炉内状態推定部3は、具体的には上記式(4)のガス利用率分布yの各要素にステップS13で計算したそれぞれの径方向位置Pのガス利用率分布の値を代入することにより、層厚分布xを算出する。
続いて、炉内状態推定部3は、高炉モデルの計算を行う(ステップS16)。炉内状態推定部3は、具体的には、高炉100の炉内の層厚分布を入力変数として用いて、高炉モデルによって高炉100の炉内推定データ123(図8参照)を算出する。
続いて、異常度推定部5は、操業異常度の計算を行う(ステップS17)。異常度推定部5は、ステップS16で算出された炉内推定データ123において、融着帯の中心部厚、融着帯の炉壁部厚、融着帯の平均厚、融着帯の高さ、融着帯の傾斜のうちの少なくとも1つを説明変数とし、高炉100の現在または将来における通気抵抗指数を目的関数として、回帰分析によって高炉100の操業異常度を推定する。
続いて、炉内状態推定部3および異常度推定部5は、計算結果の保存を行う(ステップS18)。本ステップにおいて、炉内状態推定部3は、収集した実績データ、およびステップS15で算出した層厚分布xを記憶部11に保存する。また、異常度推定部5は、ステップS17で計算した操業異常度を記憶部11に保存する。
続いて、操業異常推定装置1は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS19)。操業異常推定装置1は、例えば作業者によって処理を終了する指示がなされている場合等、本処理フローの終了条件が成立している場合(ステップS19でYes)、本処理フローを終了する。一方、操業異常推定装置1は、前記した本処理フローの終了条件が成立していない場合(ステップS19でNo)、ステップS12に戻り、ステップS12以降を繰り返す。
(計算結果の表示方法)
以下、本実施形態に係る操業異常推定装置1により、前記した処理フロー(図10参照)を通じて取得された高炉100の炉内状態や操業異常度等の計算結果を表示する方法について、図11を参照しながら説明する。
まず、操業異常推定装置1は、計算結果に係るデータを表示するための設定を行う(ステップS21)。この場合、操業異常推定装置1は、作業者等の入力操作に応じて、表示部9に表示する計算結果に係るデータの表示設定を行う。
本ステップにおいて、操業異常推定装置1は、表示部9に表示する計算結果に係るデータの表示内容、表示期間等を設定する。例えば、操業異常推定装置1は、操業中の高炉100の炉内状態を示すオンライン推定結果を、図8で示したような融着帯推定データ125を含む炉内推定データ123として表示するか、あるいは融着帯推定データ125のみを表示するか等を決定することにより、表示内容の設定を行う。また、操業異常推定装置1は、高炉100の炉内における操業異常度の推定結果を示すデータ(以下、「操業異常度推定データ」という)とともに、炉内推定データ123や融着帯推定データ125を表示するか等を決定することにより、表示内容の設定を行う。
続いて、操業異常推定装置1は、ステップS21における表示設定に基づいて、計算結果に係るデータを表示する(ステップS22)。この場合、操業異常推定装置1は、設定した表示内容に該当する計算結果に係るデータを記憶部11から読み出し、表示部9に出力するとともに、その表示期間を指示する。これを受けて、表示部9は、指示された表示期間中、計算結果に係るデータを表示する。
以上のような処理を行う操業異常推定装置1によれば、高炉100の炉内状態をオンラインで高精度に推定することができるとともに、推定した炉内状態から現在または将来における操業異常度を的確かつ早期に推定することができる。
(炉内状態の推定結果の一例)
図12〜図14は、本実施形態に係る操業異常推定装置1によって取得した炉内状態の推定結果の一例を示す図である。
これらの図において、径方向位置とは、高炉100の内径と、炉内の中心軸線CP(図1参照)からの方向の位置との比によって表現される無次元の位置(無次元化径方向位置)のことを示している。また、実線L1,L3,L5は、ガスサンプラー2による測定データに基づいて算出されたガス利用率分布(炉内ガスのガス成分の実績データ)から、入力推定逆モデルによって算出された層厚分布の推定データを示している。また、実線L2,L4,L6は、入力推定逆モデルによって推定された層厚分布を入力変数として用い、高炉モデルによって算出されたガス利用率分布の推定データを示している。また、破線L11,L12,L13は、前記したようにガスサンプラー2による測定データに基づいて算出されたガス利用率分布の実績データを示している。
図12〜図14に示すように、炉内状態のオンライン推定結果である融着帯推定データ125を高炉モデルによって算出する際の入力変数、すなわちガス利用率分布の推定データ(実線L2,L4,L6参照)は、測定データに基づくガス利用率分布の実績データ(破線L11,L12,L13)とほぼ同様となっている。このことから、本実施形態に係る操業異常推定装置1を用いることにより、ガス利用率分布をその実績データとほぼ同様となるように推定できるということがわかる。すなわち、これらの図で示した融着帯推定データ125は、操業中の高炉100の炉内における融着帯の形状等の炉内状態をリアルタイムかつ高精度に示している。
また、図12〜図14に示すような融着帯推定データ125を表示部9に表示することにより、高炉100の操業中における融着帯の状態を把握することができる。例えば、図12に示す融着帯推定データ125を参照することにより、高炉100の径方向の中心部(同図の矢印部分)において融着帯の位置が高いことを確認することができる。また、図13に示す融着帯推定データ125を参照することにより、高炉100の炉壁近傍の部分(同図の矢印部分)において融着帯が下方に垂れ込む形状をなしていることを確認することができる。そして、図14に示す融着帯推定データ125を参照することにより、高炉100の炉内において融着帯の層厚の一部(同図の矢印部分)が分厚くなっていることを確認することができる。
(操業異常度の推定結果の一例)
図15は、本実施形態に係る操業異常推定装置1によって、現在の融着帯の状態から、現在および将来の操業異常度を推定した結果の一例を示す図である。同図は、具体的には操業異常推定装置1によって推定した現在から2.5時間後までの30分ごとの通気抵抗指数(推定値)と、同じ時間における実際の通気抵抗指数(実績値)との相関を解析したものであり、縦軸が時間、横軸が通気抵抗指数の推定値と通気抵抗指数の実績値との間の相関の大きさを示している。
図15に示すように、本実施形態に係る操業異常推定装置1によって推定した通気抵抗指数は、1時間後の実際の通気抵抗指数と最も相関があることがわかる。これにより、本実施形態に係る操業異常推定装置1を用いることにより、現在の融着帯の状態(融着帯推定データ125)から、1時間後の高炉100の操業異常度を的確に推定可能であることが確認された。
以上、本発明に係る操業異常推定装置および操業異常推定方法について、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
例えば、本実施形態に係る操業異常推定装置1は、炉内状態推定ステップにおいて、主成分分析および重回帰分析を用いて層厚分布を推定していたが、主成分分析および重回帰分析に代えて、部分的最小二乗法を用いて層厚分布を推定してもよい。この方法によってもほぼ同様の結果を得ることができる。
1 操業異常推定装置
2 ガスサンプラー
2a ゾンデ
3 炉内状態推定部
4 判定処理部
5 異常度推定部
6 温度計
7 圧力計
8 入力部
9 表示部
11 記憶部
11a 入力推定逆モデル
11b 高炉モデル
11c 実績データ
100 高炉
101 炉頂バンカー
102 羽口
110 装入物
111 鉱石層
112 コークス層
113 炉内混合物
115 銑鉄
123 炉内推定データ
125 融着帯推定データ
CP 中心軸線
xd デフォルト分布
x 層厚分布
Xs 入力セット
y ガス利用率分布
Ys 出力セット

Claims (6)

  1. 炉内に装入物を装入して銑鉄を製造する高炉の操業中の炉内ガスのガス成分の実績に基づいて、前記炉内における前記装入物の装入状態を推定し、推定した前記装入物の装入状態に基づいて、操業中の前記高炉の融着帯の状態を推定する炉内状態推定ステップと、
    前記炉内状態推定ステップで推定した前記融着帯の形状から、統計的解析によって、前記高炉の現在または将来における操業の異常度を推定する異常度推定ステップと、
    を含むことを特徴とする操業異常推定方法。
  2. 前記異常度推定ステップは、前記融着帯の中心部、炉壁部の層厚、前記径方向における前記融着帯の層厚の平均値、前記融着帯の高さ、前記融着帯の傾斜のうちの少なくとも1つを説明変数とし、前記高炉の現在または将来における通気抵抗指数を目的関数として、回帰分析によって、前記高炉の現在または将来における操業の異常度を推定することを特徴とする請求項1に記載の操業異常推定方法。
  3. 前記炉内状態推定ステップは、前記ガス成分の実績から算出されるガス利用率分布を用いて前記装入物の装入状態を推定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操業異常推定方法。
  4. 前記炉内状態推定ステップは、前記装入物の装入状態として、前記装入物である鉱石およびコークスの前記径方向に沿った層厚分布を推定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の操業異常推定方法。
  5. 前記炉内状態推定ステップは、主成分分析および重回帰分析、あるいは部分的最小二乗法を用いて、前記ガス成分の実績データから前記装入物の装入状態を推定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の操業異常推定方法。
  6. 炉内に装入物を装入して銑鉄を製造する高炉の操業中の炉内ガスのガス成分の実績に基づいて、前記炉内における前記装入物の装入状態を推定し、推定した前記装入物の装入状態に基づいて、操業中の前記高炉の融着帯の状態を推定する炉内状態推定部と、
    前記炉内状態推定部が推定した前記融着帯の状態の形状から、統計的解析によって、前記高炉の現在または将来における操業の異常度を推定する異常度推定部と、
    を備えることを特徴とする操業異常推定装置。
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