JP2017537929A - Pd−1軸アンタゴニスト及びhpk1アンタゴニストを用いたがん治療のための方法及び組成物 - Google Patents

Pd−1軸アンタゴニスト及びhpk1アンタゴニストを用いたがん治療のための方法及び組成物 Download PDF

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Abstract

免疫応答を増強し、がんを治療するための組成物及び方法が提供される。組成物は、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを含む。PD−1軸アンタゴニストは、PD−1アンタゴニスト、PD−L1アンタゴニスト及びPD−L2アンタゴニストを含む。PD−1軸アンタゴニストは、PD−L1及び/又はPD−L2のPD−1への結合を阻害することができる。HPK1アンタゴニストは、HPK1のセリン/スレオニンキナーゼ活性を阻害する化合物を含む。免疫応答を増強する方法又はがんを治療する方法は、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを、それを必要とする被験体に順次又は同時に投与することを含む。【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、2014年12月5日に出願された仮出願第62/087944号の利益を主張する。上記で参照した出願の全ての教示は、参照することにより本書に組み込まれる。
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、その全内容は本明細書において出典明示により援用される。前記ASCIIコピーは、2015年11月25日に作成され、P32458−WO_SL.txtと命名され、大きさは60,299バイトである。
がんを治療するために腫瘍学者によって使用される主な治療法は、外科的切除、放射線療法、及び古典的な化学療法薬である。残念なことに、外科的切除は、多くの腫瘍又はがんの形態にとって実行可能な選択肢ではない。更に、放射線療法及び化学療法薬は、罹患した細胞のみを標的とせず、そのため、健康な細胞を損傷させてしまう。腫瘍細胞をより特異的に標的とする治療薬は、腫瘍特異的な抗原発現又は腫瘍細胞内の特定のタンパク質の不適切な過剰発現又は活性化を利用して開発されているが、腫瘍細胞は突然変異を起こしやすく、腫瘍細胞を特異的に標的とする薬物に耐性を示すことができる。
多くのがんによって利用される免疫回避戦略を克服し、抗腫瘍免疫を増強するために、患者自身の免疫系を利用する新しいがん治療パラダイムが出現した。そのような戦略の1つは、通常は末梢耐性を維持するように機能する免疫応答の負の制御因子を阻害し、腫瘍抗原を非自己実体として認識させることである。
(プログラム死1)PD−1軸アンタゴニスト及び造血前駆細胞キナーゼ1(HPK1)アンタゴニストを含む組成物が本明細書において提供される。PD−1軸アンタゴニストは、PD−1又はその2つのリガンドPD−L1又はPD−L2の何れかに結合して拮抗することができ、PD−1の下流のシグナル伝達を妨害するか、又はリガンドのPD−1受容体への結合を妨げる。このような組成物は、被験体における免疫機能、特に抗腫瘍免疫を増強することにおける使用を見出す。従って、2つのアンタゴニストを含む組成物はまた、がんの治療のために腫瘍免疫原性を増加させることなど、増強された免疫原性が所望される状態の治療における使用を見出す。
図1は、アミノ末端キナーゼドメイン、4つのプロリンリッチ(PR)モチーフ及びカルボキシ末端シトロン相同性ドメインを含むヒトHPK1のより長いアイソフォームを示す。 図2は、HPK1キナーゼ阻害及び抗PDL1抗体の抗腫瘍効果を示す。比較データは、野生型マウスよりもHPK1キナーゼデッド(kinase−dead)ノックインマウスにおける抗PD−L1抗体の抗腫瘍効果の差を示す。図2は、対照抗体又は抗PD−L1抗体で処置した野生型マウス及びHPK1.kdマウスの平均腫瘍体積を提供する。線グラフは、1群あたり18匹から20匹のマウスを代表する。日の値は、抗PD−L1抗体処置開始後の日数を表す。 図3は、HPK1キナーゼ阻害及び抗PD−1抗体の抗腫瘍効果を示す。比較データは、野生型マウスよりもHPK1キナーゼデッド(kinase−dead)ノックインマウスにおける抗PD−1抗体の抗腫瘍効果の差を示す。図3は、対照抗体又は抗PD−1抗体で処置した野生型マウス及びHPK1.kdマウスの平均腫瘍体積を提供する。線グラフは、1群あたり15匹のマウスを代表する。日の値は、抗PD−1抗体処置開始後の日数を表す。
発明の詳細な記載
I.定義
用語「抗体」は、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する完全長抗体を含む)、ポリエピトープ特異性を有する抗体組成物、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディ、及び単鎖分子、並びに抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)、及びFv)を含む。用語「免疫グロブリン」(Ig)は、本明細書では抗体と互換的に使用される。
基本的な4鎖抗体ユニットは、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖からなるヘテロ四量体糖タンパク質である。IgM抗体は、J鎖と呼ばれる付加的ポリペプチドと一緒に5つの基本的なヘテロ四量体単位からなり、10の抗原結合部位を含み、一方IgA抗体は、J鎖と組み合わせて重合して多価集合体を形成することができる塩基性4鎖ユニットの2−5個を含む。IgGの場合、4鎖単位は通常約150000ダルトンである。各L鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によってH鎖に連結され、一方、2つのH鎖は、H鎖アイソタイプに依存して、1つ又は複数のジスルフィド結合によって互いに連結される。また、各H及びL鎖は、一定の間隔で位置する鎖内ジスルフィド架橋を有する。各H鎖は、N末端に可変ドメイン(VH)を有し、続いてa及びg鎖のそれぞれに3つの定常ドメイン(CH)、並びにm及びeアイソタイプについて4つのCHドメインを有する。各L鎖はN末端に可変ドメイン(VL)を有し、その他端には定常ドメインが続く。VはVと整列し、Cは重鎖(C1)の第1定常ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基は、軽鎖及び重鎖可変ドメイン間の境界面を形成すると考えられる。VとVの対形成は、単一の抗原結合部位を形成する。抗体の異なる種類の構造及び特性については、例えば、Basic and Clinical Immunology, 8th Edition, Daniel P. Sties, Abba I. Terr and Tristram G. Parsolw (eds), Appleton & Lange, Norwalk, CT, 1994の71頁と第6章を参照されたい。任意の脊椎動物種由来のL鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、κ及びλと呼ばれる2つの明確に異なる型のうちの1つに割り当てることができる。その重鎖の定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは異なるクラス又はアイソタイプに割り当てることができる。免疫グロブリンの5つのクラス、すなわち:それぞれα、δ、ε、γ、及びμと命名される重鎖を有するIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがある。γ及びαのクラスは、CH配列及び機能の比較的小さな差異に基づいて、更にサブクラスに分けられ、例えばヒトは以下のサブクラスを発現する:IgG1、IgG2A、IgG2B、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2。
抗体の「可変領域」又は「可変ドメイン」とは、抗体の重鎖又は軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、「VH」及び「VL」と称され得る。これらのドメインは、一般的に(同じクラスの他の抗体と比較して)抗体の最も可変性の部分であり、抗原結合部位を含む。
用語「可変」は、可変ドメインの特定のセグメントは抗体間で配列が広範囲に異なるという事実を指す。Vドメインは、抗原結合を媒介し、その特定の抗原に対する特定の抗体の特異性を規定する。しかし、可変性は可変ドメインのスパン全体にわたって均一に分布してはいない。代わりに、軽鎖及び重鎖可変ドメインの双方において、超可変領域(HVR)と称される3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存されている部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ4つのFR領域を含み、大部分がβシート立体配置をとって3つのHVRにより繋がっており、これはβシート構造と繋がり、場合によってはβシート構造の一部を形成するループを形成する。各鎖のHVRは、FR領域により互いに極めて近接した状態で保持され、他の鎖のHVRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al., Sequences of Immunological Interest, Fifth Edition, National Institute of Health, Bethesda, MD (1991)を参照のこと)。定常ドメインは、抗原との抗体の結合には直接関わっていないが、抗体依存性細胞毒性における抗体の関与など、多様なエフェクター機能を呈する。
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、少量で存在し得る自然に生じる可能性のある突然変異及び/又は翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除き、集団を構成する個々の抗体は同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原部位に向けられる。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を通常含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の免疫グロブリンによって汚染されていないハイブリドーマ培養によって合成される点で有利である。修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質な集団から得られる抗体の特性を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするとは解釈されない。例えば、本開示の組成物及び方法のモノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Milstein, Nature, 256:495-97 (1975); Hongo et al., Hybridoma, 14 (3): 253-260 (1995), Harlow et al., Antibodies: A Laboratory Manual, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed. 1988); Hammerling et al., in: Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-681 (Elsevier, N.Y., 1981)、組み換えDNA法(米国特許第4816567号を参照のこと)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clackson et al., Nature, 352: 624-628 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol. 222: 581-597 (1992); Sidhu et al., J. Mol. Biol. 338(2): 299-310 (2004); Lee et al., J. Mol. Biol. 340(5): 1073-1093 (2004); Fellouse, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101(34): 12467-12472 (2004);及びLee et al., J. Immunol. Methods 284(1-2): 119-132 (2004)を参照のこと)、及びヒト免疫グロブリン配列をコードする免疫グロブリン遺伝子座又は遺伝子の一部又は全部を有する動物においてヒト又はヒト様抗体を産生するための技術(例えば、国際公開第1998/24893号;国際公開第1996/34096号;国際公開第1996/33735号;国際公開第1991/10741号;Jakobovits et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 2551 (1993); Jakobovits et al., Nature 362: 255-258 (1993); Bruggemann et al., Year in Immunol. 7:33 (1993);米国特許第5545807号;同第5545806号;同第5569825号;同第5625126号;同第5633425号;及び同第5661016号;Marks et al., Bio/Technology 10: 779-783 (1992); Lonberg et al., Nature 368: 856-859 (1994); Morrison, Nature 368: 812-813 (1994); Fishwild et al., Nature Biotechnol. 14: 845-851 (1996); Neuberger, Nature Biotechnol. 14: 826 (1996); 及びLonberg and Huszar, Intern. Rev. Immunol. 13: 65-93 (1995)を参照のこと)を含む様々な技術によって作製されてもよい。
用語「ネイキッド抗体」とは、細胞傷害性部分又は放射性標識にコンジュゲートしていない抗体を指す。
用語「完全長抗体」、「インタクトな抗体」又は「全抗体」は、抗体断片とは対照的に、実質的に完全な形態の抗体を指すために交換可能に使用される。具体的には、全抗体は、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を有するものを含む。定常ドメインは、天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)又はそのアミノ酸配列変異体であり得る。好ましくは、インタクトな抗体は、一又は複数のエフェクター機能を有し得る。
「抗体断片」は、インタクトな抗体の一部、及びほとんどの場合、インタクトな抗体の抗原結合領域及び/又は可変領域を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)及びFv断片;直鎖状抗体(米国特許第5641870号、実施例2; Zapata et al., Protein Eng. 8(10): 1057-1062 [1995]参照);単鎖抗体分子及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、及び容易に結晶化する能力を反映する意味である「Fc」断片を生成する。Fab断片は、L鎖全体並びにH鎖の可変領域ドメイン(V)及び1つの重鎖の第1の定常ドメイン(C1)からなる。各Fab断片は、抗原結合に関して一価であり、すなわち単一の抗原結合部位を有する。抗体のペプシン処理は、異なる抗原結合活性を有する2つのジスルフィド結合したFab断片におおよそ対応し、抗原を依然として架橋することができる単一の大きなF(ab’)断片を生じる。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つ又は複数のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端に幾つかの付加的な残基を有している点でFab断片とは異なる。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を有するFab’のための本明細書中の名称である。F(ab’)抗体断片はもともと、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生された。抗体断片の他の化学的カップリングも知られている。
Fc断片は、ジスルフィドによって一緒に保持された両方のH鎖のカルボキシ末端部分を含む。抗体のエフェクター機能は、特定の型の細胞に見られるFc受容体(FcR)によっても認識される領域であるFc領域の配列によって決定される。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小抗体断片である。この断片は、一つの重鎖及び一つの軽鎖可変領域ドメインが、堅固な非共有結合をなした二量体からなる。これらの2つのドメインの折りたたみから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗原結合特異性を抗体に与える6つの超可変ループ(それぞれH鎖及びL鎖からの3つのループ)を生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に対して特異的な三つのHVRのみを含むFvの半分)でさえ、全結合部位よりも親和性が低下するものの、抗原を認識して結合する能力を有している。
「一本鎖Fv」は、「sFv」又は「scFv」とも略され、単一のポリペプチド鎖に連結されたV及びV抗体ドメインを含む抗体断片である。場合によっては、sFvポリペプチドは、sFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする、VドメインとVドメインとの間のポリペプチドリンカーを更に含む。sFvの概説については、例えば、luckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds., Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)を参照のこと。
現在開示されている組成物及び方法において有用な抗体の「機能的断片」は、完全な抗体の抗原結合領域又は可変領域、又はFcR結合能を保持するか又は改変した抗体のFc領域を一般に含むインタクトな抗体の一部を含む。抗体断片の例には、直鎖状抗体;単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が含まれる。
用語「ダイアボディ」は、Vドメインの鎖内ではなく鎖間での対合が達成され、それにより2価の断片、すなわち2つの抗原結合部位を有する断片が得られるように、VHドメインとVLドメインとの間の短いリンカー(約5−10残基)を有するsFv断片(先の段落を参照)を構築することによって調製された小さな抗体断片を指す。二重特異性ダイアボディーは、2つの抗体のV及びVドメインが異なるポリペプチド鎖上に存在する2つの「クロスオーバー」sFv断片のヘテロ二量体である。ダイアボディは、例えば、EP404097号;国際公開第93/01161号;及びHudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (11161); 及びHollingerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448 (1993)により詳細に記載される。
現在開示されている組成物及び方法において有用なモノクローナル抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が特定の種に由来するか又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一若しくは相同であるが、残りの鎖は別の種に由来するか又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一若しくは相同である、「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、及び、所望の生物活性を呈する限り、該抗体の断片を特に含む(例えば、米国特許第4816567号;及びMorrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855 (1984))。本明細書で対象とするキメラ抗体は、抗体の抗原結合領域が、例えば対象の抗原でマカクザルを免疫することによって産生される抗体に由来するPRIMATIZED(登録商標)抗体を含む。本明細書で使用する「ヒト化抗体」は、「キメラ抗体」のサブセットとして使用される。
非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。一実施態様では、ヒト化抗体は、レシピエントのHVR(以下に定義する)由来の残基が、所望の特異性、親和性、及び/又は能力を有するマウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)のHVR由来の残基によって置き換えられた、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。幾つかの例においては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)の残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体において見い出されない残基を含み得る。これらの修飾は、結合親和性などの抗体性能を更に改良するためになされ得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含み、超可変ループの全て又は実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、そのFR領域は、抗体の性能、例えば結合親和性、異性化、免疫原性などを改善する1つ又は複数の個々のFR残基置換を含むことができるものの、そのFRの全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである。FRにおけるこれらのアミノ酸置換の数は、典型的にH鎖では6以下、L鎖では3以下である。また、ヒト化抗体は、場合によっては、免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含む。更なる詳細については、例えば、Jones et al., Nature 321:522-525 (1986); Riechmann et al., Nature 332:323-329 (1988);及びPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596 (1992)を参照のこと。例えば、Vaswani and Hamilton, Ann. Allergy, Asthma & Immunol. 1:105-115 (1998); Harris, Biochem. Soc. Transactions 23:1035-1038 (1995); Hurle and Gross, Curr. Op. Biotech. 5:428-433 (1994);並びに米国特許第6982321号及び同第7087409号も参照のこと。
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体、及び/又は本明細書に開示するヒト抗体を作製するための任意の技術を用いて作製された抗体である。ヒト抗体のこの定義は、特に、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除外する。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーを含む当技術分野で既知の様々な技術を用いて産生され得る。Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol., 227:381 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol., 222:581 (1991)。ヒトモノクローナル抗体の調製にやはり利用可能であるのは、Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985); Boerner et al., J. Immunol., 147(1):86-95 (1991)に記載の方法である。また、van Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol.,5: 368-74 (2001)も参照のこと。抗原曝露に応答して抗体を産生するように修飾されているが、その内在性遺伝子座が無効になっているトランスジェニック動物、例えば免疫化ゼノマウスに抗原を投与することによってヒト抗体を調製することができる(例えば、XENOMOUSETM技術に関する米国特許第6075181号及び同第6150584号を参照のこと)。また、例えば、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されるヒト抗体に関するLi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:3557-3562 (2006)も参照のこと。
本明細書で使用される用語「超可変領域」、「HVR」又は「HV」は、配列が超可変である、及び/又は構造的に定義されたループを形成する抗体可変ドメインの領域を指す。一般的に、抗体は、VHに3つ(H1、H2、H3)、及びVLに3つ(L1、L2、L3)の計6つのHVRを含む。天然抗体において、H3及びL3は6つのHVRのうちで最も高い多様性を示し、特にH3は抗体に高度な特異性を付与するのに独特の役割を果たすと考えられている。例えば、Xu et al., Immunity 13:37-45 (2000); Johnson and Wu, in Methods in Molecular Biology 248:1-25 (Lo, ed., Human Press, Totowa, NJ, 2003を参照のこと。実際、重鎖のみからなる天然に存在するラクダ科の抗体は、軽鎖の非存在下で機能的で安定である。例えば、Hamers-Casterman et al., Nature 363:446-448 (1993); Sheriff et al., Nature Struct. Biol. 3:733-736 (1996)を参照されたい。
複数のHVRの描写が使用されており、本明細書に含まれる。Kabat相補性決定領域(CDR)は配列可変性に基づいており、最も一般的に使用される(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991))。Chothiaは、代わりに構造的ループの位置を参照する(Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。AbM HVRは、KabatのHVRとChothia構造的ループの間の妥協を表し、Oxford MolecularのAbM 抗体モデリングソフトウェアにより使用される。「接触」HVRは、利用できる複合体結晶構造の解析に基づく。これらの各HVRからの残基は以下に記される。
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HVRは、以下のような「拡大HVR」を含むことができる:VLの24〜36又は24〜34(L1)、46〜56又は50〜56及び89〜97又は89〜96(L3)、並びにVHの26〜35(H1)、50〜65又は49〜65(H2)及び93〜102、94〜102、又は95〜102(H3)。可変ドメイン残基は、これらの定義のそれぞれについてKabatら(上掲)に従って番号が付けられている。
「Kabatと同様の可変ドメイン残基番号付け」又は「Kabatと同様のアミノ酸位置の番号付け」なる表現及びそれらの変形は、上掲のKabatらの抗体の編集の重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインに対して使用される番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを用いると、実際の直鎖状アミノ酸配列は、可変ドメインのFR又はHVRの短縮物又はそれらへの挿入物に相当する、より少ないアミノ酸又は付加的なアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単一のアミノ酸挿入物(Kabatによれば残基52a)及び重鎖FR残基82の後に挿入残基(例えば、Kabatによれば残基82a、82b及び82cなど)を含み得る。残基のKabat番号付けは、抗体の配列と「標準的な」Kabat番号付けをされた配列との相同性の領域におけるアラインメントによって、所与の抗体について決定され得る。
「フレームワーク」又は「FR」残基は、本明細書で定義しているHVR残基以外の可変ドメイン残基である。
「「ヒトコンセンサスフレームワーク」又は「アクセプターヒトフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に存在するアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的には、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからなされる。一般的には、配列のサブグループは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)にあるようなサブグループである。例にはVLが含まれ、サブグループはサブグループカッパI、カッパII、カッパIII又はカッパIVであってもよい(Kabatら、上掲)。更に、VHについては、サブグループはサブグループI、サブグループII、又はサブグループIIIであってもよい(Kabatら、上掲)。あるいは、ヒトコンセンサスフレームワークは、上記のものから誘導することができ、この場合、特定の残基、例えばヒトフレームワーク残基は、ドナーフレームワーク配列を種々のヒトフレームワーク配列のコレクションと整列させることにより、そのドナーフレームワークに対する相同性に基づいて選択される。ヒト免疫グロブリンのフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「に由来する」アクセプターヒトフレームワークは、その同一のアミノ酸配列を含んでもよく、又はそれは既存のアミノ酸配列の変化を含んでもよい。幾つかの実施態様において、既存のアミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。
「VHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク」は、上掲のKabatらの可変重サブグループIIIのアミノ酸配列から得られたコンセンサス配列を含む。一実施態様では、VHサブグループIIIコンセンサスフレームワークアミノ酸配列は、以下の配列のそれぞれの少なくとも一部又は全部を含む:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAAS(HC−FR1)(配列番号15)、WVRQAPGKGLEWV(HC−FR2)、(配列番号16)、RFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(HC−FR3、配列番号17)、WGQGTLVTVSA(HC−FR4)、(配列番号18).
「VLカッパIコンセンサスフレームワーク」は、上掲のKabatらの可変軽カッパサブグループIのアミノ酸配列から得られたコンセンサス配列を含む。一実施態様では、VHサブグループIコンセンサスフレームワークアミノ酸配列は、以下の配列のそれぞれの少なくとも一部又は全部を含む:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITC(LC−FR1)(配列番号19)、WYQQKPGKAPKLLIY(LC−FR2)(配列番号20)、GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC(LC−FR3)(配列番号21)、FGQGTKVEIKR(LC−FR4)(配列番号22).
例えばFc領域の指定された位置における「アミノ酸修飾」は、特定の残基の置換若しくは欠失、又は特定の残基に隣接する少なくとも1つのアミノ酸残基の挿入を指す。指定された残基に「隣接する」挿入は、1から2残基以内の挿入を意味する。挿入は、指定された残基のN末端又はC末端であり得る。幾つかの実施態様では、アミノ酸修飾は置換である。
「親和性成熟」抗体は、その一又は複数のHVRに一又は複数の改変を含むことにより、そのような改変を有さない親抗体と比較して抗原に対する抗体の親和性が向上している抗体である。一実施態様では、親和性成熟抗体は、標的抗原に対して、ナノモル又はピコモルの親和性を有する。親和成熟抗体は、当技術分野において既知の方法により産生される。Marksらは、Bio/Technology 10:779-783(1992)で、VHドメインとVLドメインのシャフリングによる親和性成熟を記述している。CDR及び/又はフレームワーク残基のランダム突然変異誘発が、Barbas et al. Proc Nat. Acad. Sci. USA 91:3809-3813 (1994); Schier et al. Gene 169:147-155 (1995); Yelton et al. J. Immunol. 155:1994-2004 (1995); Jackson et al., J. Immunol. 154(7):3310-9 (1995);及びHawkins et al, J. Mol. Biol. 226:889-896 (1992)に記載されている。
本明細書で使用する場合、用語「〜に特異的に結合する」又は「〜に対して特異的である」とは、測定可能かつ再現性のある相互作用、例えば、生体分子を含む分子の不均一な集団の存在下での標的の存在を決定する、標的と抗体との間の結合を指す。例えば、標的(これはエピトープであり得る)に結合する又は特異的に結合する抗体は、他の無関係な標的に結合するよりも、より大きい親和性、結合活性で、より容易に、及び/又はより長い持続期間で、この標的を結合する抗体である。一実施態様において、無関係の標的への抗体の結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)による測定の場合、該抗体の標的への結合の約10%未満である。特定の実施態様では、標的に特異的に結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM又は≦0.1nMの解離定数(Kd)を有する。特定の実施態様では、抗体は、異なる種由来のタンパク質間で保存されたタンパク質上のエピトープに特異的に結合する。別の実施態様では、特異的結合は、排他的な結合を含み得るが、それを必要としない。
「特異的アンタゴニスト」とは、無関係の標的の活性よりも大きく、規定された標的の活性を低減させるか、阻害するか、さもなければ減少させる薬剤を意図する。例えば、HPK1特異的アンタゴニストは、任意の他のタンパク質(例えば、他のセリン/スレオニンキナーゼ)に対するアンタゴニストの阻害効果よりも統計的に大きい量だけ、HPK1の少なくとも1つの生物活性を低減させる。幾つかの実施態様では、標的に対するアンタゴニストのIC50は、非標的のアンタゴニストのIC50の約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%又はそれ以下である。
本明細書で使用される場合、用語「イムノアドヘシン」は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性を免疫グロブリン定常ドメインのエフェクター機能と組み合わせる抗体様分子を指す。構造的には、イムノアドヘシンは、抗体の抗原認識及び結合部位以外の(すなわち、「異種」である)所望の結合特異性を有するアミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物を含む。イムノアドヘシン分子のアドヘシン部分は、典型的には、少なくとも受容体又はリガンドの結合部位を含む連続したアミノ酸配列である。イムノアドヘシンにおける免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG−1、IgG−2(IgG2A及びIgG2Bを含む)、IgG−3又はIgG−4サブタイプ、IgA(IgA−1及びIgA−2を含む)、IgE、IgD又はIgMのような任意の免疫グロブリンから得ることができる。Ig融合体は、Ig分子内の少なくとも1つの可変領域の代わりに、本明細書に記載のポリペプチド又は抗体のドメインの置換を含むことができる。幾つかの実施態様において、免疫グロブリン融合体は、ヒンジ、CH2及びCH3領域、又はIgG1分子のヒンジ、CH1、CH2及びCH3領域を含む。免疫グロブリン融合体の産生については、米国特許第5428130号も参照されたい。イムノアドヘシンのIg Fcと細胞表面受容体の細胞外ドメインとの組み合わせは、可溶性受容体と呼ばれることがある。
「融合タンパク質」及び「融合ポリペプチド」とは、互いに共有結合した2つの部分を有するポリペプチドを指し、各部分は異なる性質を有するポリペプチドである。この特性は、インビトロ又はインビボでの活性などの生物学的特性であり得る。この性質は、標的分子への結合、反応の触媒作用などの単純な化学的又は物理的特性であってもよい。2つの部分は、単一のペプチド結合によって、又はペプチドリンカーを介して直接連結され得るが、互いにリーディングフレーム内にある。
「遮断」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は、それが結合する抗原の生物活性を阻害又は減少させるものである。幾つかの実施態様において、遮断抗体又はアンタゴニスト抗体は、実質的に又は完全に抗原の生物活性を阻害する。
本明細書において用語「Fc領域」は、天然配列Fc領域及び異変Fc領域を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化するかも知れないが、通常、ヒトIgG重鎖Fc領域はCys226の位置又はPro230からの位置のアミノ酸残基からFc領域のカルボキシル末端まで伸長すると定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムによれば残基447)は、例えば、抗体の産生又は精製中に、又は抗体の重鎖をコードする核酸を組み換え遺伝子操作することによって取り除かれてもよい。従って、インタクトな抗体の組成物は、全てK447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されていない抗体集団、及びK447残基を有する抗体と有さない抗体の混合物を有する抗体集団を含み得る。本明細書に記載の抗体での使用に適した天然配列Fc領域には、ヒトIgG1、IgG2(IgG2A、IgG2B)、IgG3及びIgG4が含まれる。
「Fc受容体」又は「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を記述する。幾つかの実施態様において、FcRは、天然配列ヒトFcRである。更に、FcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合するものであってもよく、FcγRII、FcγRII、及びFcIIIIIサブクラスの受容体を、これらの受容体の対立遺伝子変異体及び選択的にスプライシングされた形態を含めて含み、FcγRII受容体は、主にその細胞質ドメインが異なる類似のアミノ酸配列を有するFcγRIIA(「活性化受容体」)及びFcγRIIB(「阻害受容体」)を含む。活性型受容体FcγRIIAは、細胞質ドメインに免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)を含んでいる。活性化受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインに、免疫受容抑制性チロシンモチーフ(ITIM)を含む。(M. Daeron, Annu. Rev. Immunol. 15:203-234 (1997). FcRs are reviewed in Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9: 457-92 (1991); Capel et al., Immunomethods 4: 25-34 (1994);及びde Haas et al., J. Lab. Clin. Med. 126: 330-41 (1995)を参照。将来的に同定されることになるものを含め、他のFcRは、本明細書においては用語「FcR」に包含される。
用語「Fc受容体」又は「FcR」はまた、胎児への母性IgGの移入の原因となる新生児受容体FcRnを含む。Guyer et al., J. Immunol. 117: 587 (1976) and Kim et al., J. Immunol. 24: 249 (1994)。FcRnへの結合の測定方法は周知である(例として、Ghetie and Ward., Immunol. Today 18(12):592-8 (1997); Ghetie et al., Nature Biotechnology, 15(7):637-40 (1997); Hinton et al., J. Biol. Chem. 279(8):6213-6 (2004);国際公開第2004/92219号(Hintonら)を参照)。インビボでのFcRnへの結合とヒトFcRn高親和性結合ポリペプチドの血清半減期は、例えばヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウス又は形質転換されたヒト細胞株、又は変異型Fc領域を有するポリペプチドを投与された霊長類動物においてアッセイすることができる。国際公開第2004/42072号(Presta)は、FcRへの結合が改善又は減少した抗体変異体を記載している。例として、Shields et al., J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)を参照。
用語「イントラボディ」は、細胞内の細胞内タンパク質に結合することができる抗体を指す。イントラボディは、一般に、抗体を、典型的にはscFvのとしてコードする発現カセットの送達を介して細胞内で発現され、抗体を目的の細胞内コンパートメントに標的化するための様々な局在化シグナルを含む(Lo et al. (2008) Handb Exp Pharmacol 181:343-373を参照、これはその全体が本明細書に組み込まれる)。イントラボディを安定化させる方法は当技術分野で公知であり、限定されるものではないが、超安定性をもたらす免疫グロブリンVLドメインの修飾(Cohen (1998) Oncogene 17(19):2445-2456)又はマルトース結合タンパク質などの他の安定な細胞内タンパク質との融合タンパク質としての抗体の発現(Shaki-Loewenstein (2005) J Immunol Methods 303(1-2):19-39)が含まれる。
本明細書で用いる「実質的に減少された」、又は「実質的に異なる」という句は、当業者が、2つの値の間の差異が、その値(例えばKd値)によって測定される生物学的特性という文脈で、統計学的に有意であると考慮するであろうほどの、2つの数値(一般には、一つは分子に関連するもの、他方は参照/比較分子に関連するもの)の間の十分に高度な差異を指す。前記2つの値の間の差異は、参照/比較分子の値に応じて、例えば約10%より大きく、約20%より大きく、約30%より大きく、約40%より大きく、及び/又は約50%より大きい。
本明細書で使用される「実質的に類似」又は「実質的に同一」なる用語は、当業者が、値(例えばKd値)により測定される生物学的特性の文脈で、2つの値の間の差異が、殆ど又は全く生物学的及び/又は統計的有意性がほとんどないか、又は全くないと考えるであろうほどの、2つの数値間(例えば、一つは本明細書に記載される抗体に関連するもの、他方は参照/比較抗体に関連するもの)の間の十分に高度な類似性を指す。前記2つの値の間の差異は、参照/比較値に応じて、例えば約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、及び/又は約10%以下である。
本明細書で使用される場合、用語「サイトカイン」は、細胞間メディエーターとして別の細胞に作用するか、又はタンパク質を産生する細胞に自己分泌作用を有する、ある細胞集団によって放出されるタンパク質を総称する。このようなサイトカインの例には、リンホカイン、モノカイン;インターロイキン(「IL」)、例えばIL−1、IL−1α、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15、IL−17A−F、IL−18からIL−29(IL−23など)、IL−31、PROLEUKIN(登録商標)rIL−2を含む;TNF−α又はTNF−β、TGF−β1−3などの腫瘍壊死因子;及び白血病阻害因子(「LIF」)、毛様体神経栄養因子(「CNTF」)、CNTF様サイトカイン(「CLC」)、カルジオトロフィン(「CT」)、及びキットリガンド(「KL」)を含む他のポリペプチド因子を含む。
本明細書で使用する場合、用語「ケモカイン」は、白血球の走化性及び活性化を選択的に誘導する能力を有する可溶性因子(例えば、サイトカイン)を指す。それらはまた、血管新生、炎症、創傷治癒及び腫瘍形成のプロセスを引き起こす。ケモカインの非限定的な例は、マウスケラチノサイト化学誘引物質(KC)のヒト相同体であるIL−8である。
II.PD−1軸アンタゴニスト及び/又はHPK1アンタゴニストを含む組成物及びその使用方法
PD−1軸アンタゴニスト及び/又はHPK1アンタゴニストを含む組成物及びその使用方法が本明細書中に提供される。本明細書に示されたデータは、HPK1阻害とPD−1軸の遮断との組み合わせが、相加的な方法以上に腫瘍細胞の増殖を減少させることを実証している。PD−1(そのリガンドPD−L1及びPD−L2と共に)とHPK1は両方とも、T細胞活性化の負の制御因子として機能する。HPK1はまた、B細胞を負に調節し、HPK1の阻害は、樹状細胞などの抗原提示細胞による抗原提示の増強をもたらす。PD−L1は多くのがんにおいて過剰発現し、しばしばPD−1の同時過剰発現が腫瘍浸潤T細胞において起こり、T細胞活性化の減弱及び免疫監視の回避をもたらし、抗腫瘍免疫応答の障害の一因となる。(Keir ME et al. (2008) Annu. Rev. Immunol. 26:677)。いかなる理論又は作用機序にも拘束されないが、同時にPD−1軸及びHPK1の両方を標的とすることは、抗腫瘍免疫応答を相加的な方法以上に増強し、予期せぬ腫瘍増殖の減少をもたらすと考えられている。幾つかの実施態様では、結果の効果は、個々の成分の別個に予想される又は計算された相加的効果よりも大きい。従って、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを含む組成物は、免疫応答の増強及びがんの治療において驚くほど有効な使用を見出す。
A.PD−1軸アンタゴニスト
プログラム死−1(PD−1)タンパク質は、CD279又はSLEB2としても知られ、I型膜貫通タンパク質であり、T細胞調節因子のB7−CD28ファミリーのメンバーである。PD−1ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、当技術分野で公知である(Ishida et al. (1992) EMBO J 11(11):3887-3895、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。PD−1ポリヌクレオチド及びポリペプチドの非限定的な例は、配列番号1(GenBank登録番号NM_005018.2のヌクレオチド69−935)に記載のヒトPD−1ポリヌクレオチド及び配列番号2に記載の288アミノ酸のコードされたヒトPD−1ポリペプチド(登録番号NP_005009.2)を含む。
参照を容易にするために、PD−1ポリペプチドのモチーフは、Ig様V型ドメイン(aa35−145)を含む細胞外ドメイン(aa35−145)、続く膜貫通ドメイン(aa171−191)、免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ(ITIM)及び免疫受容体チロシンベースのスイッチモチーフ(ITSM)(後者はTCRシグナル伝達の阻害に必須である)を有する細胞内尾部(192−288)からなるヒトPD−1に関連するように議論されるであろう。
PD−1は、活性化T細胞、B細胞、及び骨髄細胞によって発現される。更に、腫瘍浸潤Tリンパ球の大部分は、正常組織におけるTリンパ球及び末梢血Tリンパ球と比較してPD−1を過剰発現する(Ahmadzadeh et al. (2009) Blood 114(8):1537)。
PD−1は、2つの既知のリガンド、プログラム死リガンド1(PD−L1)及びプログラム死リガンド2(PD−L2)を有する。B7−H1、B7−4、CD274、及びB7−Hとも呼ばれるPD−L1は、細胞表面タンパク質であり、B7ファミリーのメンバーである。PD−L1ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、当技術分野で公知である(Dong et al. (1999) Nat Med 5(12):1365-1369、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。PD−L1ポリヌクレオチド及びポリペプチドの非限定的な例は、配列番号3(GenBank登録番号NM_014143.3のヌクレオチド109−981)に記載のヒトPD−L1アイソフォーム1ポリヌクレオチド及び配列番号4に記載の290アミノ酸(登録番号NP_054862.1)のコードされたヒトPD−L1アイソフォーム1ポリペプチド;配列番号5(GenBank登録番号NM_001267706.1のヌクレオチド109−639)に記載のヒトPD−L1アイソフォーム2ポリヌクレオチド及び配列番号6に記載の176アミノ酸(登録番号NP_001254635.1)のコードされたヒトPD−L1アイソフォーム2ポリペプチド;及び配列番号7(GenBank登録番号XM_006716759.1のヌクレオチド213−749)に記載の予測されるヒトPD−L1アイソフォーム3ポリヌクレオチド及び配列番号8(登録番号XP_006716822.1)に記載の178アミノ酸のコードされた予測されるヒトPD−L1アイソフォーム3ポリペプチドを含む。
PD−L1は、アミノ酸残基19−238にわたるヒトPD−L1アイソフォームの推定細胞外ドメイン、aa239−259からのヘリックス膜貫通ドメイン、及びaa260−290からの伸長する推定細胞質尾部を有する推定膜貫通タンパク質である。細胞外ドメイン内には、aa19−127及びaa133−225にそれぞれ由来するIg様V型及びIg様C型ドメインが存在する。
PD−L1は、ほとんど全ての型のリンパ造血細胞上に見出され、T細胞、B細胞、マクロファージ及び樹状細胞によって恒常的に発現され、PD−1依存性免疫抑制の主要メディエーターであると考えられている。PD−L1はまた、幾つかの非造血細胞によっても発現され、多くのがんにおいて過剰発現され、その過剰発現は、しばしば不良な予後と関連する(Okazaki T et al., Intern. Immun. 2007 19(7):813) (Thompson RH et al., Cancer Res 2006, 66(7):3381)。
PD−1の結合に加えて、PD−L1は、T細胞活性化及びサイトカイン産生を阻害するCD80又はB7−1に結合することも示されている。
B7−DC、Btdc、及びCD273とも呼ばれるPD−1、PD−L2の他の既知のリガンドは、細胞表面タンパク質である。PD−L2ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、当技術分野で知られている(Latchman et al. (2001) Nature Immunol 2: 261-268;及びTseng et al. (2001) J Exp Med 193: 839-845、その各々が参照により本明細書に組み込まれる)。PD−L2ポリヌクレオチド及びポリペプチドの非限定的な例は、配列番号9(GenBank登録番号NM_025239のヌクレオチド274−1095)に記載のヒトPD−L2ポリヌクレオチド及び配列番号10に記載の273アミノ酸のコードされたヒトPD−L2ポリペプチド(登録番号NP_079515)を含む。
PD−L1と同様、PD−L2は、aa20−220にわたるヒトPD−L2の推定細胞外ドメイン、aa221−241からの推定膜貫通ドメイン、及びaa242−273からの推定細胞質ドメインである。細胞外ドメインは、aa21−118からのIg様V型ドメイン及びaa122−203からのIg様C2型ドメインを含む。
PD−L2は、樹状細胞を含む抗原提示細胞によって発現され、発現は他の非造血組織においても見られる。
本明細書に示されるように、HPK1及びPD−1軸の同時阻害は、予想外に有効な抗腫瘍応答をもたらす。従って、本明細書で提供される組成物は、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを含む。
用語「PD−1軸アンタゴニスト」は、PD−1軸結合パートナー(すなわち、PD−1、PD−L1、PD−L2)とその結合パートナーの何れか1つ又は複数との相互作用を阻害する分子を指し、PD−1シグナル伝達軸上のシグナル伝達から生じるT細胞機能不全を除去し、結果としてT細胞機能(例えば、増殖、サイトカイン産生、標的細胞死滅)を回復又は増強させる結果となる。本明細書で使用する場合、PD−1軸結合アンタゴニストには、PD−1アンタゴニスト、PD−L1アンタゴニスト及びPD−L2アンタゴニストが含まれる。
用語「PD−1アンタゴニスト」とは、PD−1と、PD−L1、PD−L2などその結合パートナーのうち1つ又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少させ、遮断、阻害、抑制又は干渉する分子を指す。幾つかの実施態様では、PD−1アンタゴニストは、PD−1のその結合パートナーへの結合を阻害する分子である。具体的な一態様では、PD−1アンタゴニストは、PD−L1及び/又はPD−L2へのPD−1の結合を阻害する。例えば、PD−1アンタゴニストには、PD−1と、PD−L1及び/又はPD−L2との相互作用から生じるシグナル伝達を減少させ、遮断、阻害、抑制又は干渉する、抗PD−1抗体、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチド及び他の分子が含まれる。PD−1アンタゴニストは、PD−1に結合するアンタゴニスト(本明細書ではPD−1結合アンタゴニストとも呼ばれる)及びPD−1の発現を減少させる分子、例えば本明細書の他の場所に記載されるサイレンシング因子を含む。
一実施態様では、PD−1アンタゴニストは、抗原認識に対するエフェクター応答を増強するようにTリンパ球上に発現されたPD−1細胞表面タンパク質によって媒介されるか又はそれを介した負の共刺激シグナルを減少させる。
幾つかの実施態様において、PD−1アンタゴニストは、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合されたPD−L1又はPD−L2の細胞外又はPD−1結合部分を含むイムノアドヘシン)である。幾つかの実施態様では、PD−1アンタゴニストはAMP−224である。B7−DCIgとしても知られるAMP−224は、国際公開第2010/027827号及び国際公開第2011/066342号に記載のPD−L2−Fc融合可溶性受容体である。
幾つかの実施態様において、PD−1アンタゴニストは、抗PD−1抗体(例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体)である。幾つかの実施態様において、抗PD−1抗体はモノクローナル抗体である。幾つかの実施態様において、抗PD−1抗体は、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である。幾つかの実施態様において、抗PD−1抗体はヒト化抗体である。幾つかの実施態様において、抗PD−1抗体はヒト抗体である。
幾つかの実施態様において、抗PD−1抗体は、MDX−1106、Merck 3475及びCT−011からなる群から選択される。
幾つかの実施態様において、抗PD−1抗体は、MDX−1106(その全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2006/121168号に記載されている)又はその抗原結合断片である。「MDX−1106」の別名には、MDX−1106−04、ONO−4538、BMS−936558、ニボルマブ、オプジーボ(登録商標)などが含まれる。幾つかの実施態様において、抗PD−1抗体はニボルマブ(CAS登録番号:946414−94−4)である。他の実施態様では、抗PD−1抗体は、MDX−1106に結合することができるエピトープに結合する抗体であるか又は競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMDX−1106と競合する抗体である。
なお更なる実施態様において、PD−1アンタゴニストとして有用な抗PD−1抗体は、配列番号23からの重鎖アミノ酸配列を含む重鎖、及び/又は配列番号24からの軽鎖アミノ酸配列を含む軽鎖を含む。現在開示されている組成物及び方法において有用な抗PD−1抗体は、重鎖及び/又は軽鎖配列を含む抗PD−1抗体であってもよく、
ここで、
(a)重鎖配列は、重鎖配列:QVQLVESGGGVVQPGRSLRLDCKASGITFSNSGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSKRYYADSVKGRFTISRDNSKNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCATNDDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号23)に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%配列同一性を有し、又は
(b)軽鎖配列は、軽鎖配列:EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSSNWPRTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号24)に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%配列同一性を有する。
他の実施態様において、抗PD−1抗体は、MK−3475、SCH−900475、ペムブロリズマブ、ランブロリズマブ及びキイトルーダ(登録商標)(CAS登録番号:1374853−91−4)としても知られ(かつ国際公開第2009/114335号及び米国特許第8354509号に記載され、それらの各々は参照により本明細書に組み込まれる)Merck 3475であるか又はその抗原結合断片である。他の実施態様では、抗PD−1抗体は、Merck 3475に結合することができるエピトープに結合する抗体であるか又は競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMerck 3475と競合する抗体である。
更に他の実施態様では、現在開示されている組成物及び方法において有用な抗PD−1抗体は、hBAT、hBAT−1又はピディリズマブとしても知られ(かつ参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2009/101611号に記載される)CT−011であるか又はその抗原結合断片である。他の実施態様では、抗PD−1抗体は、CT−011に結合することができるエピトープに結合する抗体であるか又は競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてCT−011と競合する抗体である。
抗PD−1抗体は、ヒト又はマウス定常領域を含むことができる。幾つかの実施態様において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、IgG4からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、ヒト定常領域はIgG1である。他の実施態様において、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、IgG3からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、マウス定常領域はIgG2Aである。
幾つかの実施態様では、抗PD−1抗体は、低減した又は最少のエフェクター機能を有する。これらの実施態様の幾つかにおいて、最少のエフェクター機能は、「エフェクターレス(effector-less)Fc突然変異」又はアグリコシル化(aglycosylation)に起因する。幾つかの実施態様において、エフェクターレスFc突然変異は、定常領域におけるN297A又はD265A/N297A置換である。
本開示の組成物及び方法において有用なPD−1軸アンタゴニストは、PD−L1アンタゴニストを含み得る。用語「PD−L1アンタゴニスト」とは、PD−L1と、PD−1、B7−1などその結合パートナーのうち1つ又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少させ、遮断、阻害、抑制又は干渉する分子を指す。幾つかの実施態様では、PD−L1アンタゴニストは、PD−L1のその結合パートナーへの結合を阻害する分子である。具体的な態様では、PD−L1アンタゴニストは、PD−L1及び/又はB7−1へのPD−L1の結合を阻害する。
幾つかの実施態様において、PD−L1アンタゴニストには、PD−L1と、PD−1、B7−1などその結合パートナーのうち1つ又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少させ、遮断、阻害、抑制又は干渉する、抗PD−L1抗体、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチド及び他の分子が含まれる。PD−L1アンタゴニストは、PD−L1に結合する分子(本明細書ではPD−L1結合アンタゴニストとも呼ばれる)及びPD−L1の発現を減少させる分子、例えば本明細書の他の場所に記載されるサイレンシング因子を含む。
一実施態様では、PD−L1アンタゴニストは、抗原認識に対するエフェクター応答を増強するようにTリンパ球上に発現されたPD−1細胞表面タンパク質によって媒介されるか又はそれを介した負の共刺激シグナルを減少させる。
幾つかの実施態様において、PD−L1アンタゴニストは、イムノアドヘシン、例えば免疫グロブリン配列の定常ドメイン(例えば、Fc)に融合したPD−1の細胞外又はPD−L1結合部分を含むポリペプチドである。
幾つかの実施態様では、PD−L1アンタゴニストは抗PD−L1抗体である。幾つかの実施態様において、抗PD−L1抗体はモノクローナル抗体である。幾つかの実施態様において、抗PD−L1抗体は、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である。幾つかの実施態様において、抗PD−L1抗体はヒト化抗体である。幾つかの実施態様において、抗PD−L1抗体はヒト抗体である。
現在開示されている組成物及び方法において有用な抗PD−L1抗体の非限定的な例及びその作製方法は、PCT特許出願WO2010/077634A1に記載されており、これは参照することにより本書に組み込まれる。
幾つかの実施態様において、抗PD−L1抗体は、YW243.55.S70、MPDL3280A、MDX−1105、及びMEDI4736からなる群から選択される。
幾つかの実施態様において、抗PD−L1は、BMS−936559としても知られているMDX−1105抗体(これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2007/005874号に記載されている)又はその抗原結合断片である。更に他の実施態様では、抗PD−L1抗体は、MDX−1105に結合することができるエピトープに結合する抗体であるか又は競合的結合アッセイにおいてPD−L1への結合についてMDX−1105と競合する抗体である。
他の実施態様において、抗PD−L1抗体は、MEDI4736(これは国際公開第2011/066389号及び米国特許出願公開第2013/034559号に記載されており、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)又はその抗原結合断片である。更に他の実施態様では、抗PD−L1抗体は、MEDI4736に結合することができるエピトープに結合する抗体であるか又は競合的結合アッセイにおいてPD−L1への結合についてMEDI4736と競合する抗体である。
一実施態様では、抗PD−L1抗体は、HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3配列を含む重鎖可変領域ポリペプチドを含み、ここで、
(a)HVR−H1配列は、GFTFSXSWIH(配列番号29)であり;
(b)HVR−H2配列は、AWIXPYGGSXYYADSVKG(配列番号30)であり;
(c)HVR−H3配列は、RHWPGGFDY(配列番号31)であり;
ここで更に、XはD又はGであり;XはS又はLであり;XはT又はSである。
一つの特定の態様において、XはDであり;XはSであり、XはTである。別の態様では、ポリペプチドは、式:(HC−FR1)−(HVR−H1)−(HC−FR2)−(HVR−H2)−(HC−FR3)−(HVR−H3)−(HC−FR4)に従う、HVR間に並置された可変領域重鎖フレームワーク配列を更に含む。更に別の態様では、フレームワーク配列はヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。更なる態様では、フレームワーク配列は、VHサブグループIIIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、フレームワーク配列のうち少なくとも1つは以下である:
HC−FR1は、EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAAS(配列番号15)であり、
HC−FR2は、WVRQAPGKGLEWV(配列番号16)であり、
HC−FR3は、RFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番号17)であり、
HC−FR4は、WGQGTLVTVSA(配列番号18)である。
なお更なる態様では、重鎖ポリペプチドは、HVR−L1、HVR−L2及びHVR−L3を含む可変領域軽鎖と更に組み合わされ、ここで、
(a)HVR−L1配列は、RASQXTXA(配列番号32)であり;
(b)HVR−L2配列は、SASXLX10S(配列番号33)であり;
(c)HVR−L3配列は、QQX11121314PX15T(配列番号34)であり;
ここで、XはD又はVであり;XはV又はIであり;XはS又はNであり;XはA又はFであり;XはV又はLであり;XはF又はTであり;X10はY又はAであり;X11はY、G、F又はSであり;X12はL、Y、F又はWであり;X13はY、N、A、T、G、F又はIであり;X14はH、V、P、T又はIであり;X15はA、W、R、P又はTである。
なお更なる態様では、XはDであり;XはVであり;XはSであり;XはAであり;XはVであり;XはFであり;X10はYであり;X11はYであり;X12はLであり;X13はYであり;X14はHであり;X15はAである。なお更なる態様では、軽鎖は、式:(LC−FR1)−(HVR−L1)−(LC−FR2)−(HVR−L2)−(LC−FR3)−(HVR−L3)−(LC−FR4)に従う、HVR間に並置された可変領域軽鎖フレームワーク配列を更に含む。なお更なる態様では、フレームワーク配列はヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。なお更なる態様では、フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、フレームワーク配列のうち少なくとも1つは以下である:
LC−FR1は、DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITC(配列番号19)であり、
LC−FR2は、WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号20)であり、
LC−FR3は、GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC(配列番号21)であり、
LC−FR4は、FGQGTKVEIKR(配列番号22)である。
別の実施態様では、本開示の組成物及び方法において有用な抗PD−L1抗体は、重鎖及び軽鎖可変領域配列を含み、ここで、
(a)重鎖はHVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3を含み、ここで更に、
(i)HVR−H1配列は、GFTFSXSWIH(配列番号29)であり、
(ii)HVR−H2配列は、AWIXPYGGSXYYADSVKG(配列番号30)であり、
(iii)HVR−H3配列は、RHWPGGFDY(配列番号31)であり、
(b)軽鎖はHVR−L1、HVR−L2及びHVR−L3を含み、ここで更に、
(i)HVR−L1配列は、RASQXTXA(配列番号32)であり、
(ii)HVR−L2配列は、SASXLX10S(配列番号33)であり、
(iii)HVR−L3配列は、QQX11121314PX15T(配列番号34)であり;
更にここで、XはD又はGであり;XはS又はLであり;XはT又はSであり;XはD又はVであり;XはV又はIであり;XはS又はNであり;XはA又はFであり;XはV又はLであり;XはF又はTであり;X10はY又はAであり;X11はY、G、F又はSであり;X12はL、Y、F又はWであり;X13はY、N、A、T、G、F又はIであり;X14はH、V、P、T又はIであり;X15はA、W、R、P又はTである。
特定の態様において、XはDであり;XはSであり、XはTである。別の態様では、XはDであり;XはVであり;XはSであり;XはAであり;XはVであり;XはFであり;X10はYであり;X11はYであり;X12はLであり;X13はYであり;X14はHであり;X15はAである。更に別の態様において、XはDであり;XはSであり、XはTであり、XはDであり、XはVであり;XはSであり;XはAであり;XはVであり;XはFであり;X10はYであり;X11はYであり;X12はLであり;X13はYであり;X14はHであり、X15はAである。
更なる態様において、重鎖可変領域は、HVR間に並置された1つ又は複数のフレームワーク配列:(HC−FR1)−(HVR−H1)−(HC−FR2)−(HVR−H2)−(HC−FR3)−(HVR−H3)−(HC−FR4)を含み、軽鎖可変領域は、HVR間に並置された1つ又は複数のフレームワーク配列:(LC−FR1)−(HVR−L1)−(LC−FR2)−(HVR−L2)−(LC−FR3)−(HVR−L3)−(LC−FR4)を含む。なお更なる態様では、フレームワーク配列はヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。更なる態様において、重鎖フレームワーク配列は、KabatサブグループI、II、又はIII配列に由来する。なお更なる態様では、重鎖フレームワーク配列はVHサブグループIIIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、重鎖フレームワーク配列の1つ又は複数は以下である:
HC−FR1 EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAAS (配列番号15)
HC−FR2 WVRQAPGKGLEWV (配列番号16)
HC−FR3 RFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCAR (配列番号17)
HC−FR4 WGQGTLVTVSA (配列番号18).
なお更なる態様において、軽鎖フレームワーク配列は、KabatカッパI、II、II又はIVサブグループ配列に由来する。なお更なる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、軽鎖フレームワーク配列の1つ又は複数は以下である:
LC−FR1 DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITC (配列番号19)
LC−FR2 WYQQKPGKAPKLLIY (配列番号20)
LC−FR3 GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC (配列番号21)
LC−FR4 FGQGTKVEIKR (配列番号22).
抗PD−L1抗体は、ヒト又はマウス定常領域を更に含むことができる。幾つかの実施態様において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、IgG4からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、ヒト定常領域はIgG1である。他の実施態様において、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、IgG3からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、マウス定常領域はIgG2Aである。
幾つかの実施態様では、抗PD−L1抗体は、低減した又は最少のエフェクター機能を有する。これらの実施態様の幾つかにおいて、最少のエフェクター機能は、「エフェクターレスFc突然変異」又はアグリコシル化に起因する。幾つかの実施態様において、エフェクターレスFc突然変異は、定常領域におけるN297A又はD265A/N297A置換である。
更に別の実施態様では、本開示の組成物及び方法において有用な抗PD−L1抗体は、重鎖及び軽鎖可変領域配列を含み、ここで、
(a)重鎖は、GFTFSDSWIH(配列番号35)、AWISPYGGSTYYADSVKG(配列番号36)及びRHWPGGFDY(配列番号31)とそれぞれ少なくとも85%の配列同一性を有する、HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3配列を更に含み、又は
(b)軽鎖は、RASQDVSTAVA(配列番号37)、SASFLYS(配列番号38)及びQQYLYHPAT(配列番号39)とそれぞれ少なくとも85%の配列同一性を有する、HVR−L1、HVR−L2及びHVR−L3配列を更に含む。
特定の態様では、この配列同一性は、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%である。別の態様において、重鎖可変領域は、HVR間に並置された1つ又は複数のフレームワーク配列:(HC−FR1)−(HVR−H1)−(HC−FR2)−(HVR−H2)−(HC−FR3)−(HVR−H3)−(HC−FR4)を含み、軽鎖可変領域は、HVR間に並置された1つ又は複数のフレームワーク配列:(LC−FR1)−(HVR−L1)−(LC−FR2)−(HVR−L2)−(LC−FR3)−(HVR−L3)−(LC−FR4)を含む。更に別の態様では、フレームワーク配列はヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。更なる態様において、重鎖フレームワーク配列は、KabatサブグループI、II、又はIII配列に由来する。なお更なる態様では、重鎖フレームワーク配列はVHサブグループIIIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、重鎖フレームワーク配列の1つ又は複数は以下である:
HC−FR1 EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAAS (配列番号15)
HC−FR2 WVRQAPGKGLEWV (配列番号16)
HC−FR3 RFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCAR (配列番号17)
HC−FR4 WGQGTLVTVSA (配列番号18).
なお更なる態様において、軽鎖フレームワーク配列は、KabatカッパI、II、II又はIVサブグループ配列に由来する。なお更なる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、軽鎖フレームワーク配列の1つ又は複数は以下である:
LC−FR1 DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITC (配列番号19)
LC−FR2 WYQQKPGKAPKLLIY (配列番号20)
LC−FR3 GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC (配列番号21)
LC−FR4 FGQGTKVEIKR (配列番号22).
抗PD−L1抗体は、ヒト又はマウス定常領域を更に含むことができる。幾つかの実施態様において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、IgG4からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、ヒト定常領域はIgG1である。他の実施態様において、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、IgG3からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、マウス定常領域はIgG2Aである。
幾つかの実施態様では、抗PD−L1抗体は、低減した又は最少のエフェクター機能を有する。これらの実施態様の幾つかにおいて、最少のエフェクター機能は、「エフェクターレスFc突然変異」又はアグリコシル化に起因する。幾つかの実施態様において、エフェクターレスFc突然変異は、定常領域におけるN297A又はD265A/N297A置換である。
抗体YW243.55.S70(配列番号25及び26にそれぞれ示される重鎖及び軽鎖可変領域配列)は、国際公開第2010/077634A1号に記載の抗PD−L1である。幾つかの実施態様において、抗PD−L1抗体は、YW243.55.S70抗体又はその抗原結合断片である。他の実施態様では、本開示の組成物及び方法において有用な抗PD−L1は、YW243.55S70に結合することができるエピトープに結合するか、又は競合的結合アッセイにおいてPD−L1への結合についてYW243.55.S70と競合する。
更に別の実施態様では、抗PD−L1抗体は、重鎖及び軽鎖可変領域配列を含み、ここで、
(a)重鎖可変領域配列は、重鎖可変領域配列:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSA(配列番号25)に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、又は
(b)軽鎖可変領域配列は、軽鎖可変領域配列:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKR(配列番号26)に対して少なくとも85%の配列同一性を有する。
特定の態様では、この配列同一性は、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%である。別の態様において、重鎖可変領域は、HVR間に並置された1つ又は複数のフレームワーク配列:(HC−FR1)−(HVR−H1)−(HC−FR2)−(HVR−H2)−(HC−FR3)−(HVR−H3)−(HC−FR4)を含み、軽鎖可変領域は、HVR間に並置された1つ又は複数のフレームワーク配列:(LC−FR1)−(HVR−L1)−(LC−FR2)−(HVR−L2)−(LC−FR3)−(HVR−L3)−(LC−FR4)を含む。更に別の態様では、フレームワーク配列はヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。更なる態様において、重鎖フレームワーク配列は、KabatサブグループI、II、又はIII配列に由来する。なお更なる態様では、重鎖フレームワーク配列はVHサブグループIIIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、重鎖フレームワーク配列の1つ又は複数は以下である:
HC−FR1 EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAAS (配列番号15)
HC−FR2 WVRQAPGKGLEWV (配列番号16)
HC−FR3 RFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCAR (配列番号17)
HC−FR4 WGQGTLVTVSA (配列番号18).
なお更なる態様において、軽鎖フレームワーク配列は、KabatカッパI、II、II又はIVサブグループ配列に由来する。なお更なる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、軽鎖フレームワーク配列の1つ又は複数は以下である:
LC−FR1 DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITC (配列番号19)
LC−FR2 WYQQKPGKAPKLLIY (配列番号20)
LC−FR3 GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC (配列番号21)
LC−FR4 FGQGTKVEIKR (配列番号22).
抗PD−L1抗体は、ヒト又はマウス定常領域を更に含むことができる。幾つかの実施態様において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、IgG4からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、ヒト定常領域はIgG1である。他の実施態様において、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、IgG3からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、マウス定常領域はIgG2Aである。
幾つかの実施態様では、抗PD−L1抗体は、低減した又は最少のエフェクター機能を有する。これらの実施態様の幾つかにおいて、最少のエフェクター機能は、「エフェクターレスFc突然変異」又はアグリコシル化に起因する。幾つかの実施態様において、エフェクターレスFc突然変異は、定常領域におけるN297A又はD265A/N297A置換である。
他の実施態様において、抗PD−L1抗体は、MPDL3280A(これは国際公開第2010/077634号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)又はその抗原結合断片である。更に他の実施態様では、抗PD−L1抗体は、MPDL3280Aに結合することができるエピトープに結合する抗体であるか又は競合的結合アッセイにおいてPD−L1への結合についてMPDL3280Aと競合する抗体である。
別の更なる実施態様では、本開示の組成物及び方法において有用な抗PD−L1抗体は、重鎖及び軽鎖可変領域配列を含み、ここで、
(a)重鎖可変領域配列は、重鎖可変領域配列:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号27)に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、又は
(b)軽鎖可変領域配列は、軽鎖可変領域配列:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKR(配列番号26)に対して少なくとも85%の配列同一性を有する。
特定の態様では、この配列同一性は、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%である。別の態様において、重鎖可変領域は、HVR間に並置された1つ又は複数のフレームワーク配列:(HC−FR1)−(HVR−H1)−(HC−FR2)−(HVR−H2)−(HC−FR3)−(HVR−H3)−(HC−FR4)を含み、軽鎖可変領域は、HVR間に並置された1つ又は複数のフレームワーク配列:(LC−FR1)−(HVR−L1)−(LC−FR2)−(HVR−L2)−(LC−FR3)−(HVR−L3)−(LC−FR4)を含む。更に別の態様では、フレームワーク配列はヒトコンセンサスフレームワーク配列に由来する。更なる態様において、重鎖フレームワーク配列は、KabatサブグループI、II、又はIII配列に由来する。なお更なる態様では、重鎖フレームワーク配列はVHサブグループIIIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、重鎖フレームワーク配列の1つ又は複数は以下である:
HC−FR1 EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAAS (配列番号15)
HC−FR2 WVRQAPGKGLEWV (配列番号16)
HC−FR3 RFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCAR (配列番号17)
HC−FR4 WGQGTLVTVSA (配列番号28).
なお更なる態様において、軽鎖フレームワーク配列は、KabatカッパI、II、II又はIVサブグループ配列に由来する。なお更なる態様では、軽鎖フレームワーク配列は、VLカッパIコンセンサスフレームワークである。なお更なる態様では、軽鎖フレームワーク配列の1つ又は複数は以下である:
LC−FR1 DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITC (配列番号19)
LC−FR2 WYQQKPGKAPKLLIY (配列番号20)
LC−FR3 GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC (配列番号21)
LC−FR4 FGQGTKVEIKR (配列番号22).
なお更なる実施態様において、本開示の組成物及び方法において有用な抗PD−L1抗体は、配列番号40からの重鎖アミノ酸配列を含む重鎖、及び/又は配列番号41からの軽鎖アミノ酸配列を含む軽鎖を含む。更に別の実施態様では、抗PD−1抗体は、重鎖及び軽鎖配列を含み、ここで、
(a)重鎖配列は、重鎖配列:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号40)に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有し、又は
(b)軽鎖配列は、軽鎖配列:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号41)に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97% 少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する。
抗PD−L1抗体は、ヒト又はマウス定常領域を更に含むことができる。幾つかの実施態様において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、IgG4からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、ヒト定常領域はIgG1である。他の実施態様において、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、IgG3からなる群から選択される。これらの実施態様の幾つかにおいて、マウス定常領域はIgG2Aである。
幾つかの実施態様では、抗PD−L1抗体は、低減した又は最少のエフェクター機能を有する。これらの実施態様の幾つかにおいて、最少のエフェクター機能は、「エフェクターレスFc突然変異」又はアグリコシル化に起因する。幾つかの実施態様において、エフェクターレスFc突然変異は、定常領域におけるN297A又はD265A/N297A置換である。
他の実施態様において、組成物及び方法において有用なPD−1軸アンタゴニストは、PD−L2アンタゴニストを含む。用語「PD−L2アンタゴニスト」とは、PD−L2と、PD−1などその結合パートナーのうち1つ又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少させ、遮断、阻害、抑制又は干渉する分子を指す。幾つかの実施態様では、PD−L2アンタゴニストは、PD−L2のその結合パートナーへの結合を阻害する分子である。具体的な態様では、PD−L2アンタゴニストは、PD−1へのPD−L2の結合を阻害する。幾つかの実施態様において、PD−L2アンタゴニストには、PD−L2と、PD−1などその結合パートナーのうち1つ又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少させ、遮断、阻害、抑制又は干渉する、抗PD−L2抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチド及び他の分子が含まれる。PD−L2アンタゴニストは、PD−L2に結合する分子(本明細書ではPD−L2結合アンタゴニストとも呼ばれる)及びPD−L2の発現を減少させる分子、例えば本明細書の他の場所に記載されるサイレンシング因子を含む。
一実施態様では、PD−L2アンタゴニストは、抗原認識に対するエフェクター応答を増強するようにTリンパ球上に発現されたPD−1細胞表面タンパク質によって媒介されるか又はそれを介した負の共刺激シグナルを減少させる。
幾つかの実施態様において、PD−L2アンタゴニストは、イムノアドヘシン、例えば免疫グロブリン配列の定常ドメイン(例えば、Fc)に融合したPD−1の細胞外又はPD−L2結合部分を含むポリペプチドである。
幾つかの実施態様において、抗PD−L2抗体はモノクローナル抗体である。幾つかの実施態様において、抗PD−L2抗体は、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である。幾つかの実施態様において、抗PD−L2抗体はヒト化抗体である。幾つかの実施態様において、抗PD−L2抗体はヒト抗体である。
更に特定の態様において、本明細書に記載の抗体(抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、又は抗PD−L2抗体など)は、ヒト又はマウス定常領域を更に含む。更に別の態様において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、IgG4からなる群から選択される。更に特定の態様において、ヒト定常領域はIgG1である。更に別の態様において、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、IgG3からなる群から選択される。更なる態様において、マウス定常領域はIgG2Aである。なお更なる特定の態様において、抗体は、低減した又は最少のエフェクター機能を有する。なお更なる特定の態様において、最小限のエフェクター機能は、原核細胞における産生に起因する。更に特定の態様において、最少のエフェクター機能は、「エフェクターレスFc突然変異」又はアグリコシル化に起因する。更なる態様において、エフェクターレスFc突然変異は、定常領域におけるN297A又はD265A/N297A置換である。
更なる態様において、本明細書に記載の抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体又は抗PD−L2抗体の何れかをコードする核酸が本明細書において提供される。幾つかの実施態様において、核酸は更に、記載された抗PD−L1、抗PD−1又は抗PD−L2の何れかをコードする核酸の発現に適したベクターを含む。更に特定の態様において、ベクターは更に、核酸の発現に適した宿主細胞を含む。更に特定の態様において、宿主細胞は真核細胞又は原核細胞である。更に特定の態様において、真核細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)のような哺乳動物細胞である。
抗体又はその抗原結合断片は、当技術分野で公知の方法を用いて、例えば、このような抗体を産生するのに適した条件下で、発現に適した形態で上記の抗PD−L1、抗PD−1又は抗PD−L2抗体の何れかをコードする核酸を含む宿主細胞を培養し、その抗体を回収することを含む方法によって作製することができる。
幾つかの実施態様において、PD−1アンタゴニスト、PD−L1アンタゴニスト、又はPD−L2アンタゴニストは、オリゴペプチドを含む。「PD−1オリゴペプチド」、「PD−L1オリゴペプチド」又は「PD−L2オリゴペプチド」は、本明細書に記載されるように、それぞれ受容体、リガンド又はシグナル伝達成分を含む、それぞれPD−1、PD−L1又はPD−L2陰性共刺激ポリペプチドに特異的に結合するオリゴペプチドである。かかるオリゴペプチドは、公知のオリゴペプチド合成方法を使用して化学的に合成され得、又は組み換えテクノロジーを使用して調製若しくは精製され得る。かかるオリゴペプチドは、通常、少なくとも約5アミノ酸長、あるいは少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100アミノ酸長又はそれ超である。かかるオリゴペプチドは、周知の技術を使用して同定され得る。これに関して、ポリペプチド標的に特異的に結合することが可能なオリゴペプチドについてオリゴペプチドライブラリーをスクリーニングするための技術が、当該技術分野で周知であることに留意されたい(例えば、米国特許第5556762号、第5750373号、第4708871号、第4833092号、第5223409号、第5403484号、第5571689号、第5663143号;PCT公報番号WO84/03506及びWO84/03564;Geysenet al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 81:39984002 (1984); Geysen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 82:178182 (1985); Geysen et al., in Synthetic Peptides as Antigens, 130-149 (1986); Geysen et al., J. Immunol. Meth., 102:259274 (1987); Schoofs et al., J. Immunol., 140:611616 (1988), Cwirla, S. E. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6378 (1990); Lowman, H.B. et al. Biochemistry, 30:10832 (1991); Clackson, T. et al. Nature, 352: 624 (1991); Marks, J. D. et al., J. Mol. Biol., 222:581 (1991); Kang, A.S. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:8363 (1991)、及びSmith, G. P., Current Opin. Biotechnol., 2:668 (1991)を参照のこと)。
B.HPK1アンタゴニスト
造血前駆細胞キナーゼ1又はHPK1(マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1又はMAP4K1とも呼ばれる)は、Ste20関連セリン/トレオニンキナーゼの胚中心キナーゼサブファミリーのメンバーである。HPK1ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、当技術分野で公知である(Hu et al. (1996) Genes Dev. 10: 2251-2264、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。HPK1ポリヌクレオチド及びポリペプチドの非限定的な例は、配列番号11(GenBank登録番号NM_007181.5のヌクレオチド141−2642)に記載のヒトHPK1ポリヌクレオチド及び配列番号12に記載のコードされたヒトHPK1ポリペプチド(登録番号NP_009112.1)を含む。ヒトにはHPK1のより短い821アミノ酸アイソフォームが存在し、そのコード配列及びアミノ酸配列はそれぞれ配列番号13及び14に示されている(それぞれ、GenBank登録番号NM_001042600.2及びGenBank登録番号NP_001036065.1ののヌクレオチド141−2606)。
HPK1ポリペプチドは、種々の保存された構造モチーフを含む。参照を容易にするために、そのようなモチーフは、それらが、配列番号12に示され、833個のアミノ酸残基を含み、図1に示される更に長いヒトHPK1アイソフォームに関連するように議論されるであろう。HPK1ポリペプチドは、アミノ酸残基23−46からのATP結合部位を含む、アミノ酸残基17−293にわたるアミノ末端のSte20様キナーゼドメインを含む。キナーゼドメインには、CrkL、Grb2、HIP−55、Gads、Nck及びCrkなどのSH3含有タンパク質の結合部位として機能する4つのプロリンリッチ(PR)モチーフが続く。4つのPRモチーフは、アミノ酸残基308−407,394−402,432−443及び468−477にそれぞれ及ぶ。HPK1は、TCR又はBCR刺激に応答してリン酸化され、活性化される。PR1とPR2との間に位置する381位のチロシンのTCR及びBCR誘導性リン酸化は、SLP−76又はBLNK SH2ドメインを介してT細胞のSLP−76又はB細胞のBLNKへの結合を媒介し、キナーゼの活性化に必要とされる。HPK1のC−末端に見出されるシトロン相同性ドメインは、およそ495−800残基に及んでおり、調節ドメインとして作用し、巨大分子相互作用に関与している可能性がある。
HPK1は出生後全ての胚組織で発現するが、その発現は主として造血器官及び細胞に限定される。HPK1は、MEKK1、MLK3及びTAK1を含むMAP3Kタンパク質をリン酸化及び活性化することによってMAP4Kとして機能し、MAPK Jnkの活性化を導く。
HPK1は、T細胞応答及びB細胞応答の負の制御因子である。T細胞では、HPK1はSer376でSLP76を(Di Bartolo et al. (2007) JEM 204:681-691)、Thr254でGadsをリン酸化することによりシグナル伝達マイクロクラスターの持続性を低減させることによりT細胞活性化を負に制御し、リン酸化されたSLP76及びGadsに結合する14−3−3タンパク質の補充をもたらし、LAT含有マイクロクラスターからSLP76−Gads−14−3−3複合体を放出する(Lasserre et al. (2011) J Cell Biol 195(5):839-853)と考えられている。HPK1はまた、腫瘍によってしばしば分泌されるプロスタグランジンE2に応答して活性化され、免疫系からの腫瘍細胞の逃避の一因となる。
現在開示されている組成物は、免疫応答を増強し、腫瘍増殖を阻害することによってがんを治療するために使用することができるPD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの両方を含む。
本明細書中で使用される場合、「HPK1アンタゴニスト」は、HPK1の生物活性(例えば、セリン/トレオニンキナーゼ活性、TCR活性化に際してのTCR複合体への動員、SLP76などのタンパク質結合パートナーとの相互作用)の1つ又は複数を低減させるか、阻害するか、さもなければ減少させる分子である。HPK1アンタゴニストを用いる拮抗作用は、必ずしもHPK1活性の完全な排除を示すものではない。代わりに、活性は、例えば適切な対照と比較して、HPK1の活性の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%100%の減少を含む統計的に有意な量だけ減少する可能性がある。幾つかの実施態様において、HPK1アンタゴニストは、HPK1のセリン/トレオニンキナーゼ活性を低減させるか、阻害するか、さもなければ減少させる。これらの実施態様の幾つかにおいて、HPK1アンタゴニストは、SLP76及び/又はGadsのHPK1媒介性リン酸化を低減、阻害又は減少させる。
本明細書に示すように、PD1軸アンタゴニストと組み合わせた場合のHPK1の任意の阻害は、優れた抗腫瘍効果を提供する。マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1アンタゴニスト又はMAP4K1アンタゴニストとしても同定され得る有用なHPK1アンタゴニストには、上述されるような、かつ当技術分野における任意のアッセイ方法によって決定される阻害を示すものを含む。特異的HPK1阻害剤には、本明細書の他の箇所に記載されるMC38モデルにおいて阻害活性を示すものが含まれる。特に有用な実施態様では、HPK1阻害剤は、本明細書の他の箇所に記載される小分子阻害剤である。そのような阻害剤の多くは、既知の化合物である。既知の化合物の日常的なスクリーニングによってHPK1の阻害剤である化合物を同定することができる。化合物には、酵素のヒンジ領域に結合するヘテロアリール化合物が含まれる。HPK1アンタゴニストは、HPK1に直接的又は間接的に結合してその活性を阻害することができ、又はHPK1アンタゴニストは、本明細書の他の箇所でより詳細に記載されるHPK1サイレンシング因子など、HPK1の発現を低減させ又は阻害するように機能し得る。
例えば、HPK1アンタゴニストは、HPK1の生物活性を減少させ、遮断、阻害、抑制又は干渉する抗HPK1細胞内抗体及び他の分子を含む。
HPK1アンタゴニストは、有機又は無機化合物(すなわちヘテロ有機化合物及び有機金属化合物を含む)であり得る小分子とすることができる。HPK1アンタゴニストは、ペプチド、ペプチド模倣物、アミノ酸、アミノ酸類似体、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似体、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、又は脂質であってもよい。幾つかの実施態様において、小分子は、1モルあたり約10,000、5,000、1,000又は500グラム未満の重量を有する。
更に、HPK1アンタゴニストは、特異的HPK1アンタゴニストであってもなくてもよい。特異的HPK1アンタゴニストは、任意の他のタンパク質(例えば、他のセリン/スレオニンキナーゼ)に対するアンタゴニストの阻害効果よりも統計的に大きい量だけ、HPK1の生物活性を低減させる。特定の実施態様において、HPK1アンタゴニストは、HPK1のセリン/トレオニンキナーゼ活性を特異的に阻害する。これらの実施態様の幾つかにおいて、HPK1に対するHPK1アンタゴニストのIC50は、他のセリン/スレオニンキナーゼ又は他の型のキナーゼ(例えば、チロシンキナーゼ)に対するHPK1アンタゴニストのIC50の約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、0.1%、0.01%、0.001%、又はそれ以下である。
HPK1のセリン−スレオニンキナーゼ活性を阻害するHPK1のアンタゴニストは、基質(ATP又はタンパク質基質)の結合を妨げる競合的阻害剤、基質(ATP又はタンパク質基質)が結合しているか否かにかかわらず酵素に結合する非競合的阻害剤、又は基質(ATP及びタンパク質基質)に一旦結合した酵素にのみ結合する非競合的阻害剤であって良い。HPK1アンタゴニストは、活性部位以外のHPK1上の部位に結合するアロステリック阻害剤であってもよい。
アンタゴニストは、基質結合ドメイン(ATP−結合ドメイン又はタンパク質基質結合ドメイン)内で結合することにより、基質(ATP又はタンパク質基質)の結合を遮断することにより競合的阻害剤として機能し得る。あるいは、競合的阻害剤は、アロステリック阻害剤として機能し、遊離酵素の基質結合部位の外側の部位に結合し、基質(ATP又はタンパク質基質)の結合を遮断することができる。
幾つかの実施態様では、HPK1アンタゴニストはHPK1の競合的阻害剤である。これらの実施態様の幾つかにおいて、HPK1アンタゴニストは、HPK1が活性コンフォメーションである場合にHPK1のATP結合部位に結合し、ATPの結合を阻害し、ATP模倣物として機能する競合的阻害剤である。他の実施態様では、彼はHPK1アンタゴニストはHPK1の不活性コンフォメーションに結合する。
HPK1小分子アンタゴニストは、当技術分野で公知であり、限定されないが、スタウロスポリン、ボスチニブ、スニチニブ、レスタウルチニブ、クリゾチニブ、フォレチニブ(foretinib)、ドビチニブ(dovitinib)、及びKW−2449を含む(Davis et al. (2011) Nat Biotechnol 29(11):1046-1051; Wodicka et al. (2010) Chem Biol 17(11):1241-1249、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
HPK1の細胞質の位置のために、抗体は有効なHPK1アンタゴニストではない。しかし、幾つかの実施形態において、HPK1アンタゴニストは、細胞内抗体をコードするポリヌクレオチドであり得る。ポリヌクレオチドがHPK1を発現する細胞内に導入され発現される場合、細胞内抗体はHPK1に結合し、その活性に拮抗する。細胞内抗体はHPK1に結合し、キナーゼ活性、TCR活性化時のTCR複合体への動員、又はSLP76などのタンパク質結合パートナーとの相互作用などの生物活性を阻害する。
他の実施態様では、HPK1アンタゴニストは、HPK1に結合し、その活性を阻害することができるペプチドをコードするポリヌクレオチドである。このようなポリヌクレオチドがHPK1を発現する細胞内に導入され発現される場合、細胞内ペプチドがHPK1に結合し、HPK1活性を阻害する。
更に他の実施態様では、HPK1アンタゴニストは、キナーゼデッドHPK1タンパク質を生成するためにHPK1遺伝子の相同組み換えを介して部位特異的突然変異誘発を媒介するポリヌクレオチドである。例えば、本明細書で実証するように、ヒト及びマウスHPK1の両方におけるアミノ酸46位での保存されたリジンのグルタミン酸への突然変異によりキナーゼデッドHPK1タンパク質を産生する。
HPK1及び/又はPD−1軸アンタゴニストは、サイレンシング因子を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「サイレンシング因子」は、細胞中に発現又は導入されたときに、標的ポリヌクレオチド配列又はそれによってコードされるポリペプチドの発現レベルを低減又は排除することができるポリヌクレオチドを指す。幾つかの実施態様において、サイレンシング因子は、細胞内でサイレンシング因子の発現を可能にするためにプロモーターに作動可能に連結され得る。
一実施態様において、サイレンシング因子は、HPK1、PD−1、PD−L1、又はPD−L2遺伝子に結合するジンクフィンガータンパク質をコードし、遺伝子の発現の低減をもたらす。特定の実施態様では、ジンクフィンガータンパク質は、HPK1、PD−1、PD−L1又はPD−L2遺伝子の調節領域に結合する。他の実施態様では、ジンクフィンガータンパク質は、HPK1、PD−1、PD−L1又はPD−L2をコードするメッセンジャーRNAに結合し、その翻訳を妨げる。ジンクフィンガータンパク質による標的化のための部位を選択する方法は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6453242号に記載されている。
幾つかの実施態様において、HPK1、PD−1、PD−L1、又はPD−L2遺伝子をそれぞれ破壊することによって、HPK1、PD−1、PD−L1又はPD−L2の活性が低減し又は排除される。HPK1、PD−1、PD−L1、又はPD−L2遺伝子は、当技術分野で公知の任意の方法によって破壊され得る。例えば、一実施態様では、トランスポゾンタギング法によって遺伝子が破壊される。別の実施態様では、ランダム又は標的突然変異誘発を用いて細胞を突然変異誘発し、HPK1、PD−1、PD−L1、又はPD−L2活性が低減した細胞を選択することによって遺伝子を破壊する。
一実施態様において、トランスポゾンタギング法は、HPK1、PD−1、PD−L1、又はPD−L2の活性を低減させ又は排除するために使用される。トランスポゾンタギング法は、HPK1、PD−1、PD−L1、又はPD−L2の発現を低減させ又は排除するために、内在性HPK1、PD−1、PD−L1又はPD−L2遺伝子内にトランスポゾンを挿入することを含む。この実施態様では、HP−1、PD−1、PD−L1、又はPD−L2遺伝子の調節領域又はコード領域内にトランスポゾンを挿入することによって、HPK1、PD−1、PD−L1又はPD−L2遺伝子の発現が低減され又は排除される。HPK1、PD−1、PD−L1もしくはPD−L2遺伝子のエキソン、イントロン、5’又は3’非翻訳配列、プロモーター、又は他の調節配列内にあるトランスポゾンは、コードされたHPK1、PD−1、PD−L1又はPD−L2のそれぞれの発現及び/又は活性を低減又は排除するために使用され得る。これらの実施態様では、サイレンシング因子は、HPK1、PD−1、PD−L1、又はPD−L2遺伝子内に挿入することができる標的トランスポゾンを含むか又はコードする。
他の実施態様では、サイレンシング因子は、HPK1、PD−1、PD−L1又はPD−L2遺伝子の領域内の相同組み換えによる部位特異的突然変異誘発に有用なヌクレオチド配列を含む。遺伝子エクソンにおける挿入突然変異は、通常、ヌル突然変異体を生じる。プロモーターベースのサイレンシングを含むような、HPK1、PD−1、PD−L1、又はPD−L2の活性又は発現を低減又は排除する更なる方法を使用してもよい。例えば、Mette et al. (2000) EMBO J. 19: 5194-5201; Sijen et al. (2001) Curr. Biol. 11: 436-440; Jones et al. (2001) Curr. Biol. 11: 747-757を参照のこと。これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
サイレンシング因子は、アンチセンスオリゴヌクレオチド又は干渉RNA(RNAi)を含むか又はコードすることができる。用語「干渉RNA」又は「RNAi」は、RNAi経路に入り、それによって標的遺伝子、例えば、低分子RNA(sRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、ヘアピンRNA、ショートヘアピンRNA(shRNA)などの発現を低減させることができる任意のRNA分子を指す。例えば、Meister and Tuschl (2004) Nature 431:343-349; Bonetta et al. (2004) Nature Methods 1:79-86; Chuang and Meyerowitz (2000) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:4985-4990; McManus et al. (2002) Nature Reviews Genetics 3: 737-747; Dykxhoorn et al. (2003) Nature Reviews Molecular Cell Biology 4: 457-467を参照。
siRNA配列の選択を支援するために、Ambion(www.ambion.comというURLを有するウェブサイト)から、www.sinc.sunysb.edu/Stu/shilin/rnai.htmlというURLを有するウェブサイトで様々なコンピュータープログラムも利用可能である。使用可能な更なる設計上の考慮事項はSemizarov et al. Proc. Natl. Acad. Sci. 100: 6347-6352に記載されている。
幾つかの実施態様において、サイレンシング因子は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含むか、又はコードする。「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的遺伝子と完全に又は部分的に相補的な一本鎖核酸配列であり、DNA又はそのRNAカウンターパートであり得る(すなわち、DNAのT残基はRNAカウンターパートのU残基である)。
現在開示されている組成物及び方法において有用なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的RNA(例えば、mRNA)又はDNAとハイブリダイズ可能であるように設計される。例えば、mRNA分子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド(例えば、DNAオリゴヌクレオチド)を用いて、RnaseH消化のためのmRNAを標的化することができる。あるいは、mRNA分子の翻訳開始部位にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを、mRNAの翻訳を防止するために使用することができる。別のアプローチでは、二本鎖DNAに結合するオリゴヌクレオチドを投与することができる。このようなオリゴヌクレオチドは、三重構築物を形成し、DNAの転写を阻害することができる。三重らせん対形成は、二重らせんがポリメラーゼ、転写因子又は調節分子の結合を可能にするのに十分に開くのを防止する。そのようなオリゴヌクレオチドは、三重らせん形成の塩基対形成規則及び標的遺伝子のヌクレオチド配列を用いて構築することができる。
非限定的な例として、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の領域にハイブリダイズするように標的化することができる:mRNAキャップ領域、翻訳開始部位、翻訳終結部位、転写開始部位、転写終結部位、ポリアデニル化シグナル、3’非翻訳領域、5’非翻訳領域、5’コード領域、中央コード領域、及び3’コード領域。幾つかの実施態様において、相補的オリゴヌクレオチドは、5’コード配列にまたがる約15−35ヌクレオチドの何れかを含む、遺伝子の最もユニークな5’配列にハイブリダイズするように設計される。アンチセンス核酸は、標準的な技術(例えば、Shewmakerら、米国特許第5,107,065号を参照)によって産生され得る。適切なオリゴヌクレオチドは、OLIGOソフトウェア(Molecular Biology Insights, Inc., Cascade, Colo.; http://www.oligo.net)を用いて設計することができる。
本開示の方法及び組成物において使用されるサイレンシング因子は、dsRNA(例えば、shRNA)又はアンチセンスRNAのためのDNA鋳型を含むことができる。そのような実施態様において、dsRNA又はアンチセンスRNAをコードするDNA分子は、発現カセット中に見出される。更に、ポリペプチド又は抗体(例えば、HPK1、PD−1、PD−L1又はPD−L2活性を阻害する抗体)のコード配列を含むポリヌクレオチドは、発現カセット中に見出すことができる。
発現カセットは、サイレンシング因子、ポリペプチド又は抗体をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結され、ポリヌクレオチド又はポリペプチドの発現を促進する1つ又は複数の調節配列を含むことができる。「調節配列」は、コード配列の上流(5’非コード配列)、内部又は下流(3’非コード配列)に位置するヌクレオチド配列を指し、関連するコード配列の転写、RNAプロセシング又は安定性、又は翻訳に影響を与えるものである。例えば、Goeddel (1990) in Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185 (Academic Press, San Diego, California)を参照。調節配列は、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、及びポリアデニル化認識配列を含み得る。
調節配列は、コード配列に作動可能に連結され、コード配列によってコードされるポリペプチドの発現を可能にするか、又はコードされたポリヌクレオチドサイレンシング因子の発現を可能にする。「作動可能に連結されている」とは、コード配列(すなわち、サイレンシング因子又は目的のポリペプチドのコード配列をコードするDNA)が、ヌクレオチド配列の発現を可能にするように調節配列に機能的に連結されることを意味することを意図する。作動可能に連結された因子は、連続していても不連続であってもよい。ポリヌクレオチドは、センス又はアンチセンス配向で調節配列に作動可能に連結され得る。
制御領域(すなわち、プロモーター、転写調節領域、及び翻訳終結領域)及び/又はコーディングポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが導入される細胞に対して又はお互いに天然/類似であり得る。あるいは、制御領域及び/又はコーディングポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが導入される細胞に対して又はお互いに異種であり得る。
本明細書中で使用される場合、配列に関して「異種」とは、外来種に由来する配列であり、又は同じ種からのものであれば、成分及び/又はゲノム遺伝子座が意図的な人間の介入によってその天然形態から実質的に改変されている配列である。例えば、異種ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターは、ポリヌクレオチドが由来する種とは異なる種に由来し、又は同じ/類似の種からのものであれば、一方又は両方が、それらの元の形態及び/又はゲノム遺伝子座から実質的に改変されており、又はプロモーターは、作動可能に連結されたポリヌクレオチドの天然のプロモーターではない。あるいは、細胞に対して異種である配列とは、外来種に由来する配列であり、又は同じ種からのものであれば、成分及び/又はゲノム遺伝子座が意図的な人間の介入によってその天然形態から細胞中で実質的に改変されている配列である。
一般に、組み換えDNA技術における有用な発現カセットは、しばしばプラスミド(ベクター)の形態である。しかしながら、ウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、レンチウイルス及びアデノ随伴ウイルス)のような他の形態の発現カセットを使用してもよい。例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2005214851号を参照。レトロウイルスベクター、特にレンチウイルスベクターは、細胞との接触前にベクターをビリオンにパッケージングすることによって形質導入される。
発現カセットは、選択マーカーを更に含むことができる。本明細書中で使用される場合、用語「選択マーカー」は、細胞中で発現された場合にベクターで形質転換された細胞の選択を可能にする任意のポリヌクレオチドを含む。
そのような方法は、ポリペプチド又はポリヌクレオチドを細胞に導入することを含む。「導入すること」とは、配列が細胞の内部へのアクセスを得るように、ポリヌクレオチド又はポリペプチドを細胞に提示することを意味することを意図する。現在開示されている方法は、細胞に配列を導入するための特定の方法に依存せず、ポリヌクレオチド又はポリペプチドが細胞の内部へのアクセスを得るだけである。様々な細胞型にポリヌクレオチド又はポリペプチドを導入するための方法は、当技術分野で公知であり、限定されないが、安定形質転換法、一過性形質転換法、及びウイルス媒介法が挙げられる。
外来ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための当技術分野で認識されている技術の例としては、限定されるものではないが、リン酸カルシウム又は塩化カルシウム共沈、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、粒子銃、又はエレクトロポレーション及びウイルスベクターが挙げられる。宿主細胞を形質転換又はトランスフェクトするために適した方法は、米国特許第5049386号、米国特許第4946787号;及び米国特許第4897355号、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Plainview, New York)及び他の標準的な分子生物学の実験室マニュアルに見いだすことができる。様々なトランスフェクション薬剤をこれらの技術で使用することができる。そのような薬剤は公知であり、例えば国際公開第2005012487号を参照されたい。当業者は、ポリヌクレオチドが細胞に導入される方法に応じて、サイレンシング因子を細胞のゲノムに安定に組み込み、自律ベクター又はプラスミド上に複製するか、又は細胞内に一時的に提示することができることを認識するであろう。
ウイルスベクター送達システムには、細胞への送達後にエピソーム又は組み込みゲノムの何れかを有するDNA及びRNAウイルスが含まれる。ウイルスベクター手順の総説については、Anderson (1992) Science 256:808-813; Haddada et al. (1995) Current Topics in Microbiology and Immunology Doerfler and Bohm (eds);及びYu et al. (1994) Gene Therapy 1:13-26を参照。ポリヌクレオチドの送達のための従来のウイルスに基づく系は、遺伝子導入のためのレトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ関連及び単純ヘルペスウイルスベクターを含むことができる。宿主ゲノムへの組み込みは、レトロウイルス、レンチウィルス及びアデノ随伴ウイルス遺伝子導入方法で可能であり、しばしば挿入された導入遺伝子の長期発現をもたらす。
PD−1軸アンタゴニスト及びHPK−1アンタゴニストを含む、現在開示されている組成物及び方法であって、ここで該アンタゴニストの少なくとも1つが、インビボ遺伝子治療を利用することができるポリヌクレオチドであり、ここでポリヌクレオチドがポリヌクレオチドの被験体への投与又はエキソビボ遺伝子治療を介して被験体内の細胞に導入され、ここで該ポリヌクレオチドが被験体以外の細胞に導入され、次いでポリヌクレオチドを含む細胞が被験体に投与される。PD−1軸アンタゴニスト及びHPK−1アンタゴニストの少なくとも1つがエクスビボで細胞に導入される幾つかの実施態様では、ポリヌクレオチドが導入され続いて被験体に投与される細胞は、被験体に関して自己、同種又は異種の細胞である。エクスビボ遺伝子治療が利用される幾つかの実施態様では、ポリヌクレオチドが導入される細胞は、造血幹細胞などの幹細胞又は造血前駆細胞である。他の実施態様では、ポリヌクレオチドがエクスビボで導入される細胞は、T細胞、B細胞、又は樹状細胞である。
C.薬学的組成物
PD−1軸アンタゴニスト及び/又はHPK1アンタゴニストは、薬学的組成物又は製剤中に存在し得る。幾つかの実施態様において、薬学的組成物又は製剤は、本明細書に記載の1つ又は複数のHPK1アンタゴニスト及び/又は1つ又は複数のPD−1軸アンタゴニスト及び薬学的に許容される担体を含む。
「薬学的に許容される」という句は、物質又は組成物が、製剤を構成する他の配合成分と、及び/又はそれにより治療される被験体と、化学的に及び/又は毒物学的に適合性でなければならないことを示す。
本明細書において使用される「担体」は、用いられる投与量及び濃度でそれに曝露される細胞又は哺乳動物に対して非毒性の、薬学的に許容される担体、賦形剤、又は安定剤を含む。時に、生理的に許容可能な担体は、水性のpH緩衝液である。生理学的に許容される担体の例には、以下が含まれる:緩衝液、例えば、ホスフェート、シトレート及び他の有機酸;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリジン;グルコース、マンノース又はデキストリンを含む、単糖類、二糖類及び他の糖(炭水化物);キレート剤、例えば、EDTA;糖アルコール、例えば、マンニトール又はソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム;及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、TWEENTM、ポリエチレングリコール(PEG)及びPLURONICSTM。特定の実施形態では、医薬組成物は、天然に存在しない薬学的に許容される担体を含む。
薬学的組成物は、その意図された投与経路に適合するように処方される。幾つかの実施態様において、活性化合物は、リポソームなどの小胞内に送達される(例えば、Langer (1990) Science 249:1527-33; and Treat et al., in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez Berestein and Fidler (eds.), Liss, N.Y., pp. 353-65, 1989を参照)。
更に別の実施態様において、活性化合物は制御放出系において送達することができる。一例では、ポンプを使用することができる(例えば、Langer (1990) Science 249:1527-33; Sefton (1987) Crit. Rev. Biomed. Eng. 14:201-40; Buchwald et al. (1980) Surgery 88:507-16; Saudek et al. (1989) N. Engl. J. Med. 321:574-79). In another example, polymeric materials can be used (see, e.g., Levy et al. (1985) Science 228:190-92; During et al. (1989) Ann. Neurol. 25:351-56; Howard et al. (1989) J. Neurosurg. 71:105-12を参照)。Langer(1990)Science 249:1527-33に記載されているような他の制御放出系も使用することができる。
非経口、皮内、又は皮下適用に使用される溶液又は懸濁液は、以下の成分を含み得る:注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などの緩衝液及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの浸透圧の調整のための薬剤。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。非経口調製物は、アンプル、使い捨て注射器、又はガラス若しくはプラスチック製の複数回投与バイアルに封入することができる。
注射用に適した薬学的組成物には、滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末が挙げられる。静脈内投与の場合、適切な担体は、生理食塩水、静菌水、Cremophor(登録商標)EL(BASF;Parsippany、NJ)、又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を含む。全ての場合において、組成物は無菌でなければならず、容易に注射可能な程度に流動性でなければならない。それは、製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌といった微生物の汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)を含有する溶媒又は分散媒、及びそれらの適切な混合物とすることができる。適切な流動性は、例えばレシチン等のコーティング剤を使用することにより、又は分散液の場合は必要な粒径を維持することにより、そして界面活性剤を使用することにより、維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの場合、組成物には、等張剤、例えば糖類、多価アルコール類、例えばマンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムが含められる。注射用組成物の持続的吸収は、組成物中に、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含めることによってもたらすことができる。
滅菌注射用溶液は、活性化合物を、適切な溶媒中に、必要に応じて上に列挙した成分の1つ又は組み合わせと必要な量で組み込み、次いで濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、基本分散媒及び上記に列挙したものから必要な他の成分を含む滅菌ビヒクル中に活性化合物を組み込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製方法は、活性成分+任意の追加の所望成分の粉末を、先に滅菌−濾過されたその溶液から得る真空乾燥及び凍結乾燥を含むことができる。
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤又は食用担体を含む。これらは、ゼラチンカプセルに封入するか、又は錠剤に圧縮することができる。経口治療投与の目的のために、活性化合物を賦形剤と混合し、錠剤、トローチ剤又はカプセル剤の形態で使用することができる。経口組成物はまた、口腔洗浄剤として使用するための流体担体を使用して調製することができ、ここで、流体担体中の化合物は、経口的に適用され、掻き立てられ、吐き出されるか又は飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、及び/又はアジュバント材料は、組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分の何れか又は類似の性質の化合物を含むことができる:微結晶性セルロース、トラガカント・ゴム、又はゼラチンなどの結合剤;デンプン又は乳糖などの賦形剤、アルギン酸、Primogel、又はコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又はSterotesなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、メチルサリチレート、又はオレンジフレーバーなどの香味剤。吸入による投与のために、化合物は、適切な噴射剤、例えば二酸化炭素のようなガス、又はネブライザーを含む加圧容器又はディスペンサーからエアロゾルスプレーの形態で送達される。
全身投与は、経粘膜又は経皮的手段によることもできる。経粘膜又は経皮投与のためには、浸透すべきバリアに適切な浸透剤が製剤に使用される。そのような浸透剤は、当技術分野において一般的に公知であり、例えば、経粘膜投与用、界面活性剤、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレー又は座薬の使用によって達成することができる。経皮投与の場合、活性化合物は、当技術分野で一般的に公知である軟膏、軟膏、ゲル又はクリームに処方される。化合物はまた、座剤の形態で(例えば、ココアバター及び他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を用いて)又は直腸送達のための停留浣腸の形態で調製することもできる。
一実施態様において、活性化合物は、化合物を身体からの迅速な排出から保護する担体、例えばインプラント及びマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤などと共に調製される。生分解性、生体適合性ポリマー、例えばエチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸を使用することができる。そのような製剤の調製方法は、当業者には明らかであろう。材料はまた、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals、Incから商業的に得ることができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体で感染細胞を標的とするリポソームを含む)も、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、例えば米国特許第4522811号に記載されているように、当業者に公知の方法に従って調製することができる。
投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、投薬単位形態で経口又は非経口組成物を処方することが特に有利である。本明細書中で使用される投薬単位形態とは、必要な薬学的担体と共同して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する各単位で治療される被験体に対する単位用量として適した物理的に別個の単位をいう。化合物の投薬単位形態の仕様は、活性化合物の固有の特徴及び達成されるべき特定の治療効果、並びに被験体の治療のためにそのような活性化合物を配合する当技術分野に固有の制限により決定づけられかつ直接依存する。
D.キット
別の態様では、PD−1軸アンタゴニスト及び/又はHPK1アンタゴニスト、及び使用説明書を含む添付文書を含むキットが提供される。「添付文書」とは、適応症、用法、投薬量、投与、禁忌症、包装された製品と組み合わされる他の医薬、及び/又はかかる医薬の使用に関する警告などについての情報を含む、医薬の市販の包装中に通例含まれる指示に関する情報を含む、医薬の市販の包装中に通例含まれる説明書を指す。
幾つかの実施態様では、キットは、PD−1軸アンタゴニストと、必要とする被験体における免疫応答を増強するか、又はがんを治療するためにPDK−1軸アンタゴニストをHPK1アンタゴニストと組み合わせて使用するための説明書を含む添付文書とを含む。幾つかの実施態様では、キットは、HPK1アンタゴニストと、必要とする被験体における免疫応答を増強するか、又はがんを治療するためにHPK1アンタゴニストをPD−1軸アンタゴニストと組み合わせて使用するための説明書を含む添付文書とを含む。幾つかの実施態様では、キットは、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストと、必要とする被験体における免疫応答を増強するか、又はがんを治療するためにPDK−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを使用するための説明書を含む添付文書とを含む。本明細書に記載のPD−1軸アンタゴニスト及び/又はHPK1アンタゴニストの何れかをキットに含めることができる。
幾つかの実施態様において、キットは、本明細書に記載の1つ又は複数のPD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを含む容器を含む。適切な容器には、例えば、瓶、バイアル(例えば、二腔バイアル)、シリンジ(単一又は二腔シリンジなど)及び試験管が含まれる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの種々の材料から形成し得る。幾つかの実施態様において、キットは、ラベル(例えば、容器の上又は容器に付随する)を含むことができる。ラベルは、その中に含まれる化合物がそれを必要とする被験体における免疫応答の増強又はがんの治療に有用でり得るか又は意図し得ることを示す。キットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含めた、商業的及び使用者の観点から望ましいその他の材料を更に含んでもよい。
幾つかの実施態様において、キットは、化学療法剤を更に含み、限定されないが、本明細書の他の箇所に記載される化学療法剤を含む。
E.PD−1軸アンタゴニスト及びHPK−1アンタゴニストを使用する方法
PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの有効量を投与することを含む、それを必要とする被験体における免疫応答を増強するための方法が本明細書で提供される。
本明細書で使用される場合、「免疫応答を増強する」とは、抗原に対する任意の免疫原性応答の改善を指す。抗原に対する免疫原性応答における改善の非限定的な例には、樹状細胞の成熟又は遊走の増強、T細胞(例えば、CD4 T細胞、CD8 T細胞)の活性化の増強、T細胞(例えば、CD4 T細胞、CD8 T細胞)の増殖の増強、B細胞増殖の増強、T細胞及び/又はB細胞の生存の増加、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)による抗原提示の改善、抗原クリアランスの改善、T細胞によるサイトカイン産生の増加(例えば、インターロイキン−2)、プロスタグランジンE2誘導免疫抑制に対する抵抗性の増加、及びCD8 T細胞のプライミング及び/又は細胞溶解活性の増強を含む。
幾つかの実施態様において、被験体におけるCD8 T細胞は、PD−1経路アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの投与前と比べて、プライミング、活性化、増殖及び/又は細胞溶解活性を増強している。幾つかの実施態様において、CD8 T細胞プライミングは、CD8 T細胞におけるCD44発現の上昇及び/又は細胞溶解活性の増強によって特徴付けられる。幾つかの実施態様において、CD8 T細胞活性化は、γ−IFN CD8 T細胞の上昇した頻度によって特徴付けられる。幾つかの実施態様において、CD8 T細胞は抗原特異的T細胞である。幾つかの実施態様において、PD−L1表面発現を介したシグナル伝達による免疫回避が調節される。
幾つかの実施態様において、被験体における抗原提示細胞は、PD−1経路アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの投与前と比べて、増強された成熟及び活性化を有する。幾つかの実施態様において、抗原提示細胞は樹状細胞である。幾つかの実施態様において、抗原提示細胞の成熟は、CD83樹状細胞の増加した頻度によって特徴付けられる。幾つかの実施態様において、抗原提示細胞の活性化は、樹状細胞上のCD80及びCD86の上昇した発現によって特徴付けられる。
幾つかの実施態様において、被験体におけるサイトカインIL−10及び/又はケモカインIL−8(マウスKCのヒト相同体)の血清レベルは、PD−1アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの投与前と比べて低減する。
PD−1に結合するPD−L1又はPD−L2は、PD−1細胞質ドメインのチロシンリン酸化、続いてZAP70及び他のTCR近位シグナル伝達分子の脱リン酸化をもたらすSHP2を含むホスファターゼの動員をもたらし、アネルギー及び疲労を含むTCRシグナル伝達及びT細胞機能不全の減弱に至る(Chemnitz et al. (2004) J Immunol 173(2):945-954)。
用語「機能不全」とは、免疫機能不全の情況において、抗原性刺激に対する免疫応答性が低減した状態を指す。この用語は、抗原認識が生じ得るが、次の免疫応答が、感染又は腫瘍増殖を制御するには効果がない、消耗及び/又はアネルギーの両方の共通要素を含む。
用語「機能不全性」は、本明細書で使用する場合、抗原認識に対する不応性又は無応答性、具体的には、抗原認識を下流のT細胞エフェクター機能、例えば、増殖、サイトカイン産生(例えば、IL−2、γ−IFN)及び/又は標的細胞死滅へと変換する能力の障害もまた含む。
用語「アネルギー」とは、T細胞受容体を介して送達される不完全又は不十分なシグナル(例えば、ras活性化の非存在下での細胞内Ca+2における増加)から生じる、抗原刺激に対する無応答性の状態を指す。T細胞アネルギーは、共刺激の非存在下での抗原による刺激の際にも生じ得、共刺激の情況であっても、抗原による引き続く活性化に対して不応性になる細胞を生じる。この無応答性状態は、インターロイキン−2の存在によってしばしば覆され得る。アネルギー性T細胞は、クローン増殖を受けず、及び/又はエフェクター機能を獲得しない。
用語「消耗」とは、多くの慢性感染及びがんの間に生じる持続性のTCRシグナル伝達から生じるT細胞機能不全の状態としての、T細胞消耗を指す。これは、不完全な又は欠損したシグナル伝達を介してではなく、持続性のシグナル伝達から生じるという点で、アネルギーから識別される。これは、乏しいエフェクター機能、阻害受容体の持続性の発現、及び機能的エフェクター又はメモリーT細胞のものとは異なる転写状態によって規定される。消耗は、感染及び腫瘍の最適な制御を防止する。消耗は、外的陰性調節経路(例えば、免疫調節性サイトカイン)並びに細胞固有の陰性調節(共刺激)経路(PD−1、B7−H3、B7−H4など)の両方から生じ得る。
幾つかの実施態様では、被験体へのPD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの投与は、T細胞機能の増強をもたらす。
「T細胞機能を増強する」とは、持続性の若しくは増幅された生物学的機能を有するように、又は消耗した若しくは不活性なT細胞を更新若しくは再活性化するようにT細胞を誘導する、そのようにさせる又はそのように刺激することを意味する。T細胞機能を増強することの例には、以下が含まれる:介入前のそのようなレベルと比較した、
サイトカイン(例えば、γ−インターフェロン、IL−2、IL−12、及びTNFα)の増加した分泌、増加した増殖、増加した抗原反応性(例えば、ウイルス、病原体、又は腫瘍クリアランス)、CD8 T細胞(例えば、グランザイムB)によるエフェクター顆粒の産生の増加。一実施態様では、増強のレベルは、少なくとも50%、あるいは60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%又は200%である。この増強を測定する様式は、当業者に公知である。
従って、PD−1軸アンタゴニストとHPK1アンタゴニストとの併用療法は、T細胞機能不全性障害を治療するのに有用である。「T細胞機能不全性障害」は、抗原性刺激に対する応答性の減少によって特徴付けられる、T細胞の障害又は状態である。特定の一実施態様では、T細胞機能不全性障害は、PD−1を介した不適切な増加したシグナル伝達及び/又は不適切な増加したHPK1のキナーゼ活性と特異的に関連する障害である。別の一実施態様では、T細胞機能不全性障害は、T細胞が、アネルギー性であるか、又はサイトカインを分泌する能力、増殖する能力若しくは細胞溶解活性を実行する能力が減少している、障害である。具体的な一態様では、この減少した応答性は、免疫原を発現する病原体又は腫瘍の、効果がない制御を生じる。T細胞機能不全によって特徴付けられたT細胞機能不全性障害の例には、未解決の急性感染、慢性感染及び腫瘍免疫が含まれる。
従って、現在開示されているPD−1軸アンタゴニストとHPK1アンタゴニストとの併用療法は、増強された免疫原性が望まれる症状治療すること、例えばがんの治療のために腫瘍免疫原性を増加することに使用することができる。
「免疫原性」とは、特定の物質が免疫応答を誘発する能力を指す。腫瘍は、免疫原性であり、腫瘍免疫原性を増強させることは、免疫応答による腫瘍細胞のクリアランスを助ける。
「腫瘍免疫」とは、腫瘍が免疫認識及びクリアランスを逃れるプロセスを指す。従って、治療概念として、腫瘍免疫は、かかる回避が減弱され、腫瘍が免疫系によって認識及び攻撃される場合に、「治療される」。腫瘍認識の例には、腫瘍結合、腫瘍収縮及び腫瘍クリアランスが含まれる。
一態様において、本明細書で提供されるのは、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの有効量を被験体に投与することを含む、それを必要とする被験体におけるがんを治療する方法である。
用語「がん」及び「がん性」とは、がん細胞が非隣接部位への局所的な浸潤及び/又は転移が可能である、調節されない細胞増殖によって特徴付けられる被験体の状態を指す。この定義には、良性及び悪性がんが含まれる。本明細書中で使用される場合、「がん細胞」、「がん性細胞」又は「腫瘍細胞」は、この調節されていない細胞増殖及び侵襲的特性によって特徴付けられる細胞を指す。「がん」という用語は、限定されるものではないが、全ての形態の癌腫、メラノーマ、肉腫、リンパ腫及び白血病を含む全ての型のがんを包含し、限定されないが、膀胱癌、脳腫瘍、乳がん、子宮頸がん、結腸直腸がん、食道がん、子宮内膜がん、肝細胞癌、喉頭がん、肺がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓癌及び甲状腺がん、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、上衣腫、ユーイング肉腫、グリア芽細胞腫、髄芽細胞腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、横紋筋肉腫、及び腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)が含まれる。がんの他の特定の例には、限定されないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫(髄芽腫及び網膜芽細胞腫を含む)、肉腫(脂肪肉腫及び滑膜細胞肉腫を含む)、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍、ガストリノーマ、及び膵島細胞癌を含む)、中皮腫、神経鞘腫(聴神経腫を含む)、髄膜腫、腺癌、黒色腫、及び白血病又はリンパ性悪性腫瘍を含む。このようながんのより具体的な例には、扁平上皮細胞がん(例えば、上皮性扁平上皮細胞がん)、小細胞肺がん(SCLC)を含む肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌及び肺の扁平上皮癌、腹膜のがん、肝細胞がん、消化管がんを含む胃(gastric又はstomach)がん、膵がん、神経膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝がん、膀胱がん、ヘパトーマ、乳がん(転移性乳がんを含む)、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜又は子宮癌腫、唾液腺癌腫、腎臓(kidney又はrenal)がん、前立腺がん、外陰部がん、甲状腺がん、肝癌、肛門癌、陰茎癌、メルケル細胞がん、菌状息肉腫、精巣がん、食道がん、胆道の腫瘍、並びに頭頸部がん及び血液悪性腫瘍が含まれる。
幾つかの実施態様において、被験体はメラノーマを有する。メラノーマは早期段階にあっても又は後期段階にあってもよい。幾つかの実施態様において、被験体は結腸直腸がんを有する。結腸直腸がんは早期段階にあっても又は後期段階にあってもよい。幾つかの実施態様において、被験体は非小細胞肺がんを有する。非小細胞肺がんは早期段階にあっても又は後期段階にあってもよい。幾つかの実施態様において、被験体は膵臓がんを有する。膵臓がんは早期段階にあっても又は後期段階にあってもよい。幾つかの実施態様において、被験体は血液悪性腫瘍を有する。血液悪性腫瘍は早期段階にあっても又は後期段階にあってもよい。幾つかの実施態様において、被験体は卵巣がんを有する。卵巣がんは早期段階にあっても又は後期段階にあってもよい。幾つかの実施態様において、被験体は乳がんを有する。乳がんは早期段階にあっても又は後期段階にあってもよい。幾つかの実施態様において、被験体は腎細胞癌を有する。腎細胞癌は早期段階にあっても又は後期段階にあってもよい。
幾つかの実施態様において、がんはT細胞浸潤の上昇したレベルを有する。
本明細書で用いられる用語「腫瘍」は、悪性又は良性に関わらず、全ての新生細胞成長及び増殖、及び全ての前がん性及びがん性の細胞及び組織を意味する。「がん」、「がん性」及び「腫瘍」という用語は本明細書で言及するように互いに排他的ではない。
本明細書で使用する場合、用語「治療」とは、臨床病理学の過程の間に、治療されている個体又は細胞の天然の過程を改変するように設計された臨床的介入を指す。治療の望ましい効果には、疾患進行の速度を減少させること、病状を改善又は緩和すること、及び寛解又は予後の改善が含まれる。例えば、被験体は、がん性細胞の増殖を低減させること(又はがん性細胞を破壊すること)、疾患から生じる症候を減少させること、疾患に罹患している者の生活の質を増加させること、疾患を治療するために必要とされる他の薬物療法の用量を減少させること、疾患の進行を遅延させること、及び/又は被験体の生存を延長させることが含まれるがこれらに限定されない、がんと関連する1つ又は複数の症候が軽減又は排除される場合に、首尾よく「治療される」。
本明細書で使用する場合、「疾患の進行を遅延させる」とは、疾患(例えば、がん)の発達を延期する、妨害する、減速する、遅延させる、安定化する及び/又は延期することを意味する。この遅延は、治療されている疾患及び/又は被験体の履歴に依存して、変動する長さの時間であり得る。当業者に明らかなように、十分な又は顕著な遅延は、被験体が疾患を発達させないという点において、事実上、予防を包含し得る。例えば、後期がん、例えば、転移の発達が、遅延され得る。
「有効量」は、特定の障害の測定可能な改善又は予防をもたらすために必要とされる、少なくとも最小濃度である。本明細書では、有効量は、患者の病状、年齢、性別及び体重、並びに抗体が被験体における所望の応答を惹起する能力などの因子に従って変動し得る。有効量は、治療的に有益な効果が治療の任意の毒性又は有害な効果を上回る量でもある。予防的使用について、有益な又は所望の結果には、リスクを排除若しくは低減させること、重症度を低下させること、又は疾患、その合併症、及び疾患の発達の間に示される中間の病理学的表現型の生化学的、組織学的及び/若しくは行動学的症候を含む疾患の発病を遅延させることなどの結果が含まれる。治療的使用について、有益な又は所望の結果には、疾患から生じる1若しくは複数の症候を減少させること、疾患に罹患している者の生活の質を増加させること、疾患を治療するために必要とされる他の薬物療法の用量を減少させること、標的化などを介した別の薬物療法の効果を増強すること、疾患の進行を遅延させること、及び/又は生存を延長させることなどの臨床結果が含まれる。がん又は腫瘍の場合、有効量の薬物は、がん細胞の数を低減させること;腫瘍サイズを低減させること;末梢臓器中へのがん細胞浸潤を阻害すること(すなわち、ある程度まで減速させること、又は望ましくは停止させること);腫瘍転移を阻害すること(すなわち、ある程度まで減速させること、又は望ましくは停止させること);腫瘍増殖をある程度まで阻害すること;及び/又は障害と関連する症候のうち1若しくは複数をある程度まで軽減することにおいて、効果を有し得る。有効量は、1又は複数の投与で投与され得る。薬物、化合物又は薬学的組成物の有効量は、直接的又は間接的にの何れかで予防的又は治療的処置を達成するために十分な量である。臨床的状況において理解されるように、薬物、化合物又は薬学的組成物の有効量は、別の薬物、化合物又は薬学的組成物と併せて達成されてもされなくてもよい。従って、「有効量」は、1又は複数の治療剤を投与する情況において考慮され得、1又は複数の他の薬剤と併せて所望の結果が達成され得る又は達成される場合、単一の薬剤が有効量で与えられるとみなされ得る。
PD−1軸アンタゴニストは、免疫応答を増強するために、又はがんを治療するために、HPK1アンタゴニストと共に被験体に投与される。本明細書で使用する場合、「と併せて」は、他の治療法に加えて、1つの治療様式の投与を指す。従って、「と併せて」とは、被験体への他の治療様式の投与前、投与中、又は投与後の1つの治療様式の投与を指す。
幾つかの実施態様において、hpk1及び/又はpd−1アンタゴニストは、hpk1及び/又はpd−1アンタゴニストを発現する細胞を投与することによって、被験体に投与される。
PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストは、当技術分野で公知の任意の適切な様式で投与され得る。例えば、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストは、順次(sequentially)(異なる時間に)又は同時に(concurrently)(同時に)投与され得る。
幾つかの実施態様では、HPK1アンタゴニストは連続的に投与される。他の実施態様では、HPK1アンタゴニストは間欠的に投与される。幾つかの実施態様では、PD−1軸アンタゴニストは連続的に投与される。他の実施態様では、PD−1軸アンタゴニストは間欠的に投与される。幾つかの実施態様では、HPK1アンタゴニストは、PD−1軸アンタゴニストの投与前に投与される。幾つかの実施態様では、HPK1アンタゴニストは、PD−1軸アンタゴニストの投与と同時に投与される。幾つかの実施態様では、HPK1アンタゴニストは、PD−1軸アンタゴニストの投与後に投与される。更に、有効量のPD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを用いた被験体の治療は、単一の治療を含むことができ、又は一連の治療を含むことができる。
PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストは、同じ投与経路又は異なる投与経路によって投与することができる。幾つかの実施態様において、PD−1軸アンタゴニストは静脈内に、筋肉内に、皮下に、局所的に、経口的に、経皮的に、腹腔内に、胸腔内に、移植によって、吸入によって、髄腔内に、脳室内に、腫瘍内又は鼻腔内に投与される。幾つかの実施態様において、HPK1アンタゴニストは静脈内に、筋肉内に、皮下に、局所的に、経口的に、経皮的に、腹腔内に、胸腔内に、移植によって、吸入によって、髄腔内に、脳室内に、腫瘍内又は鼻腔内に投与される。
そのような活性化合物の適切な用量は、通常の熟練した医師又は獣医師の知識の範囲内の多数の要因に依存することが理解される。活性化合物の用量は、例えば、投与されるアンタゴニストの型、被験体の年齢、体重、全般的な健康状態、性別及び食事、投与時間、投与経路、排泄速度、任意の薬物の組み合わせに依存する。
治療に使用されるPD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの有効投与量は、特定の治療の経過にわたって増加又は減少し得ることも理解されるであろう。投与量の変化は、診断アッセイの結果から生じ、明らかになり得る。
幾つかの実施態様において、PD−1軸アンタゴニスト及び/又はHPK1アンタゴニストは、限定されないが、約0.001μg/kg、0.01μg/kg、0.05μg/kg、0.1μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、10μg/kg、25μg/kg、50μg/kg、100μg/kg、250μg/kg、500μg/kg、1 mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、25mg/kg、50mg/kg、100mg/kg、及び200mg/kgを含む、約0.001μg/kg〜約1000mg/kgの間の用量で被験体に投与される。
Pd−1軸アンタゴニストが抗体である実施態様の幾つかにおいて、抗体は、限定されないが、約0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、13mg/kg、14mg/kg、15mg/kg、16mg/kg、17mg/kg、18mg/kg、19mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、50mg/kg、100mg/kg、及び250mg/kgを含む、約0.01mg/kg〜約1000mg/kgの間の用量で被験体に投与される。
幾つかの実施態様において、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの有効量を被験体に投与することを含み、更なる療法を投与ことを更に含む、それを必要とする被験体におけるがんを治療するための方法が提供される。更なる療法は、放射線療法、手術(例えば、腫瘍摘出手術及び乳房切除術)、化学療法、遺伝子療法、DNA療法、ウイルス療法、RNA療法、免疫療法、骨髄移植、ナノ療法(nanotherapy)、モノクローナル抗体療法、又は上述の組み合せであり得る。この更なる療法は、アジュバント又はネオアジュバント療法の形態であり得る。幾つかの実施態様では、この更なる療法は、低分子酵素阻害剤又は抗転移剤の投与である。幾つかの実施態様では、この更なる療法は、副作用制限剤(例えば、治療の副作用の発生及び/又は重症度を低下させるための目的の薬剤、例えば、抗悪心剤など)の投与である。幾つかの実施態様では、この更なる療法は、放射線療法である。幾つかの実施態様では、この更なる療法は、手術である。幾つかの実施態様では、この更なる療法は、放射線療法及び手術の組み合せである。幾つかの実施態様では、この更なる療法は、ガンマ照射である。幾つかの実施態様では、この更なる療法は、PI3K/AKT/mTOR経路を標的化する療法、HSP90阻害剤、チューブリン阻害剤、アポトーシス阻害剤及び/又は化学防御剤である。この更なる療法は、本明細書に上記される化学療法剤のうち1つ又は複数であり得る。
「化学療法剤」は、がんの治療において有用な化学化合物である。化学療法剤の例には、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド(シトキサン(登録商標));スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドパ(meturedopa)及びウレドパ(uredopa);アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホルアミド及びトリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)を含む、エチレンイミン及びメチルメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン(bullatacinone));デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標));ベータ−ラパコン(beta−lapachone);ラパコール(lapachol);コルヒチン;ベツリン酸;カンプトテシン(合成アナログトポテカン(ハイカムチン(登録商標))、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン(scopolectin)及び9−アミノカンプトテシンを含む);ブリオスタチン;ペメトレキセド;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン(carzelesin)及びビゼレシン合成アナログを含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);テニポシド;クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成アナログ、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン(pancratistatin);TLK−286;CDP323、経口アルファ−4インテグリン阻害剤;サルコジクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン(spongistatin);ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレア類、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン及びラニムスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンガンマ1I及びカリケアマイシンオメガI1(例えば、Nicolaou et al., Angew. Chem Intl. Ed. Engl., 33: 183-186 (1994)を参照のこと);ダインマイシン(dynemicin)Aを含むダインマイシン;エスペラミシン;並びにネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連の色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルチノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン(登録商標)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソーム注射(ドキシル(登録商標))及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン、例えば、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗剤、例えば、メトトレキサート、ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標))、テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(ゼローダ(登録商標))、エポチロン及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸アナログ、例えば、デノプテリン(denopterin)、メトトレキサート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキサート;プリンアナログ、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン;ピリミジンアナログ、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及びフロクスウリジン;抗副腎剤、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充薬、例えば、フロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド(aldophosphamide glycoside);アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビスアントレン(bisantrene);エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジコン(diaziquone);エフロルニチン;酢酸エルピチニウム(elliptinium acetate);エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;メイタンシノイド、例えば、メイタンシン及びアンサミトシン(ansamitocin);ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロサキサントロン(losoxantrone);2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products、Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン(rhizoxin);シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2毒素、ベラクリンA(verracurin A)、ロリジンA及びアングイジン(anguidine));ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(タキソール(登録商標))、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(アブラキサン(商標))及びドキセタキセル(doxetaxel)(タキソテール(登録商標));クロラムブシル;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金アナログ、例えば、シスプラチン及びカルボプラチン;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標));白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標));オキサリプラチン;ロイコボリン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン(novantrone);エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;上記の何れかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体;並びに上記のうち2以上の組み合わせ、例えば、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾロンの併用療法についての略号、CHOP、並びに5−FU及びロイコボリンと組み合わせてオキサリプラチン(ELOXATIN(商標))を用いる治療レジメンについての略号、FOLFOXが含まれる。
化学療法剤の更なる例には、がんの増殖を促進し得るホルモンの効果を調節、低減、ブロック又は阻害するように作用し、全身性又は全身治療の形態である場合が多い、抗ホルモン剤が含まれる。これらは、ホルモン自体であり得る。例には、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン(EVISTA(登録商標))、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン(FARESTON(登録商標))を含む、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM);抗プロゲステロン;エストロゲン受容体下方制御因子(ERD);エストロゲン受容体アンタゴニスト、例えば、フルベストラント(FASLODEX(登録商標));卵巣を抑制又はシャットダウンするように機能する薬剤、例えば、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト、例えば、酢酸リュープロリド(LUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標))、酢酸ゴセレリン、酢酸ブセレリン及びトリプトレリン;抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド及びビカルタミド;並びに副腎においてエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGASE(登録商標))、エキセメスタン(AROMASIN(登録商標))、ホルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))及びアナストロゾ−ル(ARIMIDEX(登録商標))などが含まれる。更に、化学療法剤のかかる定義には、ビスホスホネート、例えば、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)又はOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE−58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロネート(SKELID(登録商標))又はリセドロネート(ACTONEL(登録商標));並びにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシンアナログ);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路中の遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC−アルファ、Raf、H−Ras及び上皮増殖因子受容体(EGF−R)など;ワクチン、例えば、THERATOPE(登録商標)ワクチン及び遺伝子療法ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン及びVAXID(登録商標)ワクチン;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、LURTOTECAN(登録商標));抗エストロゲン、例えば、フルベストラント;EGFR阻害剤、例えば、エルロチニブ又はセツキシマブ;抗VEGF阻害剤、例えば、ベバシズマブ;イリノテカン;rmRH(例えば、ABARELIX(登録商標));17AAG(ヒートショックタンパク質(Hsp)90毒であるゲルダナマイシン誘導体)、並びに上記の何れかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体が含まれる。
幾つかの実施態様では、治療は、治療の終了後に被験体における持続性の応答をもたらす。「持続性の応答」とは、治療の休止後に腫瘍増殖を低減させることに対する持続性の効果を指す。例えば、腫瘍サイズは、投与期の開始時のサイズと比較して、同じ又はより小さいままであり得る。幾つかの実施態様では、この持続性の応答は、治療持続期間と少なくとも同じ持続期間、治療持続期間の少なくとも1.5×、2.0×、2.5×又は3.0×の長さの持続期間を有する。
本明細書中に開示される治療方法は、部分的又は完全な寛解をもたらし得る。本明細書で使用する場合、「完全寛解」又は「CR」とは、全ての標的病変の消失を指す;「部分寛解」又は「PR」とは、ベースラインSLDを参照とした、標的病変の最長の直径の合計(SLD)における少なくとも30%の減少を指す;「安定」又は「SD」とは、治療開始以降の最小のSLDを参照とした、PRに適格であるのに不十分な標的病変の収縮、またPDに適格であるのに不十分な増加、を指す本明細書で使用する場合、「全奏効率」(ORR)とは、完全寛解(CR)率及び部分寛解(PR)率の合計を指す。
本明細書に開示される治療方法は、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを投与された被験体の無増悪生存及び全生存の延長をもたらすことができる。本明細書で使用する場合、「無増悪生存」(PFS)とは、治療されている疾患(例えば、がん)がその間に悪化しない、治療の間及びその後の時間の長さを指す。無増悪生存には、患者が完全寛解又は部分寛解を経験した時間の量、並びに患者が安定した疾患を経験した時間の量が含まれ得る。
本明細書で使用する場合、「全生存」とは、特定の持続期間の時間の後に生きているであろう、群中の被験体の百分率を指す。
幾つかの実施態様において、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを投与される被験体は哺乳動物であり、例えば家畜など(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト及び非ヒト霊長類(例えば、サル))、ウサギ、及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)が挙げられる。幾つかの実施態様において、被験体はヒトである。
がんの治療を必要とする被験体は、がんの症状を示す人、がんと診断された者、がんからの寛解にある被験体、又はがんを発症するリスク(例えば、遺伝的素因、特定の食事又は環境曝露)が高い被験体であってもよい。
本明細書に記載される主題の特定の実施態様は、以下を含む:
1. PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストを含む、組成物。
2. PD−1軸アンタゴニストが、PD−1アンタゴニスト、PD−L1アンタゴニスト、及びPD−L2アンタゴニストからなる群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
3. PD−1軸アンタゴニストがPD−1アンタゴニストである、実施態様2に記載の組成物。
4. PD−1アンタゴニストが、PD−1の、そのリガンド結合パートナーに対する結合を阻害する、実施態様3に記載の組成物。
5. PD−1アンタゴニストが、PD−L1に対するPD−1の結合を阻害する、実施態様4に記載の組成物。
6. PD−1アンタゴニストが、PD−L2に対するPD−1の結合を阻害する、実施態様4に記載の組成物。
7. PD−1アンタゴニストが、PD−L1とPD−L2の両方に対するPD−1の結合を阻害する、実施態様4に記載の組成物。
8. PD−1アンタゴニストが抗体である、実施態様4から7の何れか一に記載の組成物。
9. PD−1抗体がモノクローナル抗体である、実施態様8に記載の組成物。
10. 抗PD−1抗体が、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab ’)断片からなる群から選択される抗体断片である、実施態様8に記載の組成物。
11. 抗PD−1抗体がヒト化抗体である、実施態様8から10の何れか一に記載の組成物。
12. 抗PD−1抗体がヒト抗体である、実施態様8から10の何れか一に記載の組成物。
13. PD−1アンタゴニストが、
a) MDX−1106;
b) Merck 3475;
c) CT−011;
d) MDX−1106に結合することができるエピトープに結合する抗体;
e) Merck 3475に結合することができるエピトープに結合する抗体;
f) CT−011に結合することができるエピトープに結合する抗体;
g) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMDX−1106と競合する抗体;
h) 競合的結合アッセイにおいて、PD−1への結合についてMerck 3475と競合する抗体;及び
i) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてCT−011と競合する抗体
からなる群から選択される、実施態様8に記載の組成物。
14. PD−1アンタゴニストがMDX−1106である、実施態様8に記載の組成物。
15. PD−1アンタゴニストがMerck 3475である、実施態様8に記載の組成物。
16. PD−1アンタゴニストがCT−011である、実施態様8に記載の組成物。
17. PD−1アンタゴニストがAMP−224である、実施態様4に記載の組成物。
18. PD−1軸アンタゴニストがPD−L1アンタゴニストである、実施態様2に記載の組成物。
19. PD−L1アンタゴニストが、PD−1に対するPD−L1の結合を阻害する、実施態様18に記載の組成物。
20. PD−L1アンタゴニストが、B7−1に対するPD−L1の結合を阻害する、実施態様18に記載の組成物。
21. PD−L1アンタゴニストが、PD−1とB7−1の両方に対するPD−L1の結合を阻害する、実施態様18に記載の組成物。
22. PD−L1アンタゴニストが抗体である、実施態様18に記載の組成物。
23. 抗PD−L1抗体がモノクローナル抗体である、実施態様22に記載の組成物。
24. 抗PD−L1抗体が、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である、実施態様22に記載の組成物。
25. 抗PD−L1抗体がヒト化抗体である、実施態様22から24の何れか一に記載の組成物。
26. 抗PD−L1抗体がヒト抗体である、実施態様22から24の何れか一に記載の組成物。
27. PD−L1アンタゴニストが、
a) YW243.55.S70;
b) MPDL3280A;
c) MEDI4736;
d) MDX−1105;
e) YW243.55.S70に結合することができるエピトープに結合する抗体;
f) MPDL3280Aに結合することができるエピトープに結合する抗体;
g) MEDI4736に結合することができるエピトープに結合する抗体;
h) MDX−1105に結合することができるエピトープに結合する抗体;
i) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてYW243.55.S70と競合する抗体;
j) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMPDL3280Aと競合する抗体;
k) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMEDI4736と競合する抗体;及び
l) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMDX−1105と競合する抗体
からなる群から選択される、実施態様22に記載の組成物。
28. PD−L1アンタゴニストがYW243.55.S70である、実施態様22に記載の組成物。
29. PD−L1アンタゴニストがMPDL3280Aである、実施態様22に記載の組成物。
30. PD−L1アンタゴニストがMEDI4736である、実施態様22に記載の組成物。
31. PD−L1アンタゴニストがMDX−1105である、実施態様22に記載の組成物。
32. 抗体が、配列番号35のHVR−H1配列、配列番号36のHVR−H2配列、及び配列番号31のHVR−H3配列を含む重鎖;並びに配列番号37のHVR−L1配列、配列番号38のHVR−L2配列及び配列番号39のHVR−L3配列を含む軽鎖を含む、実施態様22に記載の組成物。
33. 抗体が、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、実施態様22に記載の組成物。
34. PD−1軸アンタゴニストがPD−L2アンタゴニストである、実施態様2に記載の組成物。
35. PD−L2アンタゴニストが抗体である、実施態様34に記載の組成物。
36. 抗PD−L2抗体がモノクローナル抗体である、実施態様35に記載の組成物。
37. PD−L2アンタゴニストがイムノアドヘシンである、実施態様34に記載の組成物。
38. HPK1アンタゴニストが特異的HPK1アンタゴニストである、実施態様1から37の何れか一に記載の組成物。
39. HPK1アンタゴニストが競合的阻害剤である、実施態様1から38の何れか一に記載の組成物。
40. HPK1アンタゴニストがATP模倣物である、実施態様39に記載の組成物。
41. 組成物が化学療法剤を更に含む、実施態様1から40の何れか一に記載の組成物。
42. 実施態様1から41の何れか一に記載の組成物及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
43. PD−1軸アンタゴニストとHPK1アンタゴニストの組み合わせの有効量を投与することを含む、それを必要とする被験体における免疫応答を増強するための方法。
44. 被験体におけるT細胞が、組み合わせの投与の前に比べて、増強されたプライミング、増強された活性化、増強された遊走、増強された増殖、増強された生存、及び増強された細胞溶解活性の少なくとも一を有する、実施態様43に記載の方法。
45. T細胞活性化が、γ−IFN CD8 T細胞の上昇した頻度又はT細胞によるIL−2若しくはグランザイムBの産生のレベルの上昇によって特徴付けられる、実施態様44に記載の方法。
46. T細胞の数が、組み合わせの投与前と比べて上昇させられる、実施態様45に記載の方法。
47. T細胞が抗原特異的CD8 T細胞である、実施態様44から46の何れか一に記載の方法。
48. 被験体における抗原提示細胞が、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの投与前と比べて、増強された成熟及び活性化を有する、実施態様43に記載の方法。
49. 抗原提示細胞が樹状細胞である、実施態様48に記載の方法。
50. 抗原提示細胞の成熟が、CD83樹状細胞の増加した頻度によって特徴付けられる、実施態様48に記載の方法。
51. 抗原提示細胞の活性化が、樹状細胞上のCD80及びCD86の上昇した発現によって特徴付けられる、実施態様48に記載の方法。
52. 被験体ががんを有する、実施態様43から51の何れか一に記載の方法。
53. PD−1軸アンタゴニストとHPK1アンタゴニストの組み合わせの有効量を被験体に投与することを含む、それを必要とする被験体におけるがんを治療するための方法。
54. がんが、結腸直腸がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、卵巣がん、乳がん、膵臓がん、血液悪性腫瘍、及び腎細胞癌からなる群から選択される少なくとも1つのがんを含むか;又はがんが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫(髄芽腫及び網膜芽細胞腫を含む)、肉腫(脂肪肉腫及び滑膜細胞肉腫を含む)、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍、ガストリノーマ、及び膵島細胞癌を含む)、中皮腫、神経鞘腫(聴神経腫を含む)、髄膜腫、腺癌、黒色腫、及び白血病又はリンパ性悪性腫瘍からなる群から選択される、実施態様52又は53に記載の方法。このようながんのより具体的な例には、扁平上皮細胞がん(例えば、上皮性扁平上皮細胞がん)、小細胞肺がん(SCLC)を含む肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌及び肺の扁平上皮癌、腹膜のがん、肝細胞がん、消化管がんを含む胃(gastric又はstomach)がん、膵がん、神経膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝がん、膀胱がん、ヘパトーマ、乳がん(転移性乳がんを含む)、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜又は子宮癌腫、唾液腺癌腫、腎臓(kidney又はrenal)がん、前立腺がん、外陰部がん、甲状腺がん、肝癌、肛門癌、陰茎癌、メルケル細胞がん、菌状息肉腫、精巣がん、食道がん、胆道の腫瘍、並びに頭頸部がん及び血液悪性腫瘍が含まれる。
55. がんがT細胞浸潤の上昇したレベルを有する、実施態様52から54の何れか一に記載の方法。
56. 被験体におけるがん細胞が、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの投与前と比べて、選択的に、MHCクラスI抗原発現の上昇した発現を有する、実施態様52から55の何れか一に記載の方法。
57. 方法が、被験体に化学療法剤を投与することを更に含む、実施態様52から56の何れか一に記載の方法。
58. 化学療法剤が、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの少なくとも1つと同時に被験体に投与される、実施態様57に記載の方法。
59. 化学療法剤が、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの少なくとも1つの投与前に被験体に投与される、実施態様57に記載の方法。
60. 化学療法剤が、PD−1軸アンタゴニスト及びHPK1アンタゴニストの少なくとも1つの投与後に被験体に投与される、実施態様57に記載の方法。
61. PD−1軸アンタゴニストが、PD−1アンタゴニスト、PD−L1アンタゴニスト、及びPD−L2アンタゴニストからなる群から選択される、実施態様43から60の何れか一に記載の方法。
62. PD−1軸アンタゴニストがPD−1アンタゴニストである、実施態様61に記載の方法。
63. PD−1アンタゴニストが、PD−1の、そのリガンド結合パートナーに対する結合を阻害する、実施態様62に記載の方法。
64. PD−1アンタゴニストが、PD−L1に対するPD−1の結合を阻害する、実施態様63に記載の方法。
65. PD−1アンタゴニストが、PD−L2に対するPD−1の結合を阻害する、実施態様63に記載の方法。
66. PD−1アンタゴニストが、PD−L1とPD−L2の両方に対するPD−1の結合を阻害する、実施態様63に記載の方法。
67. PD−1アンタゴニストが抗体である、実施態様62から66の何れか一に記載の方法。
68. 抗PD−1抗体がモノクローナル抗体である、実施態様67に記載の方法。
69. 抗PD−1抗体が、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である、実施態様67に記載の方法。
70. 抗PD−1抗体がヒト化抗体である、実施態様67又は69に記載の方法。
71. 抗PD−1抗体がヒト抗体である、実施態様67又は69に記載の方法。
72. PD−1アンタゴニストが、
a) MDX−1106;
b) Merck 3475;
c) CT−011;
d) MDX−1106に結合することができるエピトープに結合する抗体;
e) Merck 3475に結合することができるエピトープに結合する抗体;
f) CT−011に結合することができるエピトープに結合する抗体;
g) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMDX−1106と競合する抗体;
h) 競合的結合アッセイにおいて、PD−1への結合についてMerck 3475と競合する抗体;及び
i) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてCT−011と競合する抗体、
からなる群から選択される、実施態様67に記載の方法。
73. PD−1アンタゴニストがMDX−1106である、実施態様67に記載の方法。
74. PD−1アンタゴニストがMerck 3475である、実施態様67に記載の方法。
75. PD−1アンタゴニストがCT−011である、実施態様67に記載の方法。
76. PD−1アンタゴニストがAMP−224である、実施態様62に記載の方法。
77. PD−1軸アンタゴニストがPD−L1アンタゴニストである、実施態様61に記載の方法。
78. PD−L1アンタゴニストが、PD−1に対するPD−L1の結合を阻害する、実施態様77に記載の方法。
79. PD−L1アンタゴニストが、B7−1に対するPD−L1の結合を阻害する、実施態様77に記載の方法。
80. PD−L1アンタゴニストが、PD−1とB7−1の両方に対するPD−L1の結合を阻害する、実施態様77に記載の方法。
81. PD−L1アンタゴニストが抗体である、実施態様77に記載の方法。
82. 抗PD−L1抗体がモノクローナル抗体である、実施態様81に記載の方法。
83. 抗PD−L1抗体が、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である、実施態様81に記載の方法。
84. 抗PD−L1抗体がヒト化抗体である、実施態様81又は82に記載の方法。
85. 抗PD−L1抗体がヒト抗体である、実施態様81又は82に記載の方法。
86. PD−L1アンタゴニストが、
a) YW243.55.S70;
b) MPDL3280A;
c) MEDI4736;
d) MDX−1105;
e) YW243.55.S70に結合することができるエピトープに結合する抗体;
f) MPDL3280Aに結合することができるエピトープに結合する抗体;
g) MEDI4736に結合することができるエピトープに結合する抗体;
h) MDX−1105に結合することができるエピトープに結合する抗体;
i) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてYW243.55.S70と競合する抗体;
j) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMPDL3280Aと競合する抗体;
k) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMEDI4736と競合する抗体;及び
l) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMDX−1105と競合する抗体
からなる群から選択される、実施態様81に記載の方法。
87. PD−L1アンタゴニストがYW243.55.S70である、実施態様81に記載の方法。
88. PD−L1アンタゴニストがMPDL3280Aである、実施態様81に記載の方法。
89. PD−L1アンタゴニストがMEDI4736である、実施態様81に記載の方法。
90. PD−L1アンタゴニストがMDX−1105である、実施態様81に記載の方法。
91. 抗体が、配列番号35のHVR−H1配列、配列番号36のHVR−H2配列、及び配列番号31のHVR−H3配列を含む重鎖;並びに配列番号37のHVR−L1配列、配列番号38のHVR−L2配列及び配列番号39のHVR−L3配列を含む軽鎖を含む、実施態様81に記載の方法。
92. 抗体が、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、実施態様81に記載の方法。
93. PD−1軸アンタゴニストがPD−L2アンタゴニストである、実施態様61に記載の方法。
94. PD−L2アンタゴニストが抗体である、実施態様93に記載の方法。
95. 抗PD−L2抗体がモノクローナル抗体である、実施態様94に記載の方法。
96. PD−L2アンタゴニストがイムノアドヘシンである、実施態様93に記載の方法。
97. HPK1アンタゴニストが特異的HPK1アンタゴニストである、実施態様43から96の何れか一に記載の方法。
98. HPK1アンタゴニストが競合的阻害剤である、実施態様43から97の何れか一に記載の方法。
99. HPK1アンタゴニストがATP模倣物である、実施態様98に記載の方法。
100. 治療が、治療の終了後に被験体における持続性の応答をもたらす、実施態様43から99の何れか一に記載の方法。
101. PD−1軸アンタゴニストが、静脈内に、筋肉内に、皮下に、局所的に、経口的に、経皮的に、腹腔内に、胸腔内に、移植によって、吸入によって、髄腔内に、脳室内に、腫瘍内又は鼻腔内に投与される、実施態様43から100の何れか一に記載の方法。
102. HPK1アンタゴニストが、静脈内に、筋肉内に、皮下に、局所的に、経口的に、経皮的に、腹腔内に、胸腔内に、移植によって、吸入によって、髄腔内に、脳室内に、腫瘍内又は鼻腔内に投与される、実施態様43から100の何れか一に記載の方法。
103. HPK1アンタゴニストが連続的に投与される、実施態様43から102の何れか一に記載の方法。
104. HPK1アンタゴニストが間欠的に投与される、実施態様43から102の何れか一に記載の方法。
105. HPK1アンタゴニストがPD−1軸アンタゴニストの前に投与される、実施態様43から102の何れか一に記載の方法。
106. HPK1アンタゴニストがPD−1軸アンタゴニストと同時に投与される、実施態様43から102の何れか一に記載の方法。
107. HPK1アンタゴニストがPD−1軸アンタゴニストの後に投与される、実施態様43から102の何れか一に記載の方法。
108. PD−1軸アンタゴニストと、必要とする被験体における免疫応答を増強するか、又はがんを治療するためにPDK−1軸アンタゴニストをHPK1アンタゴニストと組み合わせて使用するための説明書を含む添付文書とを含む、キット。
109. HPK1アンタゴニストと、必要とする被験体における免疫応答を増強するか、又はがんを治療するためにHPK1アンタゴニストをPD−1軸アンタゴニストと組み合わせて使用するための説明書を含む添付文書とを含む、キット。
110. PD−1軸アンタゴニストと、HPKアンタゴニストと、必要とする被験体における免疫応答を増強するか、又はがんを治療するためにPDK−1軸アンタゴニスト及びHPKアンタゴニストを使用するための説明書を含む添付文書とを含む、キット。
111. PD−1軸アンタゴニストが、PD−1アンタゴニスト、PD−L1アンタゴニスト、及びPD−L2アンタゴニストからなる群から選択される、実施態様108から110の何れか一に記載のキット。
112. PD−1軸アンタゴニストがPD−1アンタゴニストである、実施態様111に記載のキット。
113. PD−1アンタゴニストが、PD−1の、そのリガンド結合パートナーに対する結合を阻害する、実施態様112に記載のキット。
114. PD−1アンタゴニストが、PD−L1に対するPD−1の結合を阻害する、実施態様113に記載のキット。
115. PD−1アンタゴニストが、PD−L2に対するPD−1の結合を阻害する、実施態様113に記載のキット。
116. PD−1アンタゴニストが、PD−L1とPD−L2の両方に対するPD−1の結合を阻害する、実施態様113に記載のキット。
117. PD−1アンタゴニストが抗体である、実施態様113から116の何れか一に記載のキット。
118. 抗PD−1抗体がモノクローナル抗体である、実施態様117に記載のキット。
119. 抗PD−1抗体が、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である、実施態様117に記載のキット。
120. 抗PD−1抗体がヒト化抗体である、実施態様117又は118に記載のキット。
121. 抗PD−1抗体がヒト抗体である、実施態様117又は118に記載のキット。
122. PD−1アンタゴニストが、
a) MDX−1106;
b) Merck 3475;
c) CT−011;
d) MDX−1106に結合することができるエピトープに結合する抗体;
e) Merck 3475に結合することができるエピトープに結合する抗体;
f) CT−011に結合することができるエピトープに結合する抗体;
g) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMDX−1106と競合する抗体;
h) 競合的結合アッセイにおいて、PD−1への結合についてMerck 3475と競合する抗体;及び
i) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてCT−011と競合する抗体、
からなる群から選択される、実施態様117から121の何れか一に記載のキット。
123. PD−1アンタゴニストがMDX−1106である、実施態様117に記載のキット。
124. PD−1アンタゴニストがMerck 3475である、実施態様117に記載のキット。
125. PD−1アンタゴニストがCT−011である、実施態様117に記載のキット。
126. PD−1アンタゴニストがAMP−224である、実施態様112に記載のキット。
127. PD−1軸アンタゴニストがPD−L1アンタゴニストである、実施態様111に記載のキット。
128. PD−L1アンタゴニストが、PD−1に対するPD−L1の結合を阻害する、実施態様127に記載のキット。
129. PD−L1アンタゴニストが、B7−1に対するPD−L1の結合を阻害する、実施態様127に記載のキット。
130. PD−L1アンタゴニストが、PD−1とB7−1の両方に対するPD−L1の結合を阻害する、実施態様127に記載のキット。
131. PD−L1アンタゴニストが抗体である、実施態様127に記載のキット。
132. 抗PD−L1抗体がモノクローナル抗体である、実施態様131に記載のキット。
133. 抗PD−L1抗体が、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である、実施態様131に記載のキット。
134. 抗PD−L1抗体がヒト化抗体である、実施態様131又は132に記載のキット。
135. 抗PD−L1抗体がヒト抗体である、実施態様131又は132に記載のキット。
136. PD−L1アンタゴニストが、
a) YW243.55.S70;
b) MPDL3280A;
c) MEDI4736;
d) MDX−1105;
e) YW243.55.S70に結合することができるエピトープに結合する抗体;
f) MPDL3280Aに結合することができるエピトープに結合する抗体;
g) MEDI4736に結合することができるエピトープに結合する抗体;
h) MDX−1105に結合することができるエピトープに結合する抗体;
i) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてYW243.55.S70と競合する抗体;
j) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMPDL3280Aと競合する抗体;
k) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMEDI4736と競合する抗体;及び
l) 競合的結合アッセイにおいてPD−1への結合についてMDX−1105と競合する抗体
からなる群から選択される、実施態様131に記載のキット。
137. PD−L1アンタゴニストがYW243.55.S70である、実施態様131に記載のキット。
138. PD−L1アンタゴニストがMPDL3280Aである、実施態様131に記載のキット。
139. PD−L1アンタゴニストがMEDI4736である、実施態様131に記載のキット。
140. PD−L1アンタゴニストがMDX−1105である、実施態様131に記載の方法。
141. 抗体が、配列番号35のHVR−H1配列、配列番号36のHVR−H2配列、及び配列番号31のHVR−H3配列を含む重鎖;並びに配列番号37のHVR−L1配列、配列番号38のHVR−L2配列及び配列番号39のHVR−L3配列を含む軽鎖を含む、実施態様131に記載のキット。
142. 抗体が、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、実施態様131に記載のキット。
143. PD−1軸アンタゴニストがPD−L2アンタゴニストである、実施態様111に記載のキット。
144. PD−L2アンタゴニストが抗体である、実施態様143に記載のキット。
145. 抗PD−L2抗体がモノクローナル抗体である、実施態様144に記載のキット。
146. PD−L2アンタゴニストがイムノアドヘシンである、実施態様143に記載のキット。
147. HPK1アンタゴニストが特異的HPK1アンタゴニストである、実施態様108から146の何れか一に記載のキット。
148. HPK1アンタゴニストが競合的阻害剤である、実施態様108から146の何れか一に記載のキット。
149. HPK1アンタゴニストがATP模倣物である、実施態様148に記載のキット。
150. キットが化学療法剤を更に含む、実施態様108から149の何れか一に記載のキット。
151. HPK1アンタゴニストが、単一薬剤として、又はPD−1若しくはPD−L1アンタゴニストと組み合わせてMC38腫瘍細胞の増殖を阻害することができる分子である、実施態様43から102の何れか一に記載の方法。
152. HPK1アンタゴニストが、PD−1若しくはPD−L1アンタゴニストと組み合わせてMC38腫瘍細胞の増殖を阻害することができる分子である、実施態様43から102の何れか一に記載の方法。
用語「a」又は「an」実体は、その実体の1つ又は複数を指すことに留意されたい。例えば、「ポリペプチド(a polypeptide)」は、1つ又は複数のポリペプチドを表すと理解される。そのようなものとして、「a」(又は「an」)、「1つ又は複数(one or more)」、及び「少なくとも1つ(at least one)」という用語は、本明細書において互換的に使用することができる。
本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は同じ意味を有する。使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを保つための努力がなされているが、幾つかの実験誤差及び偏差は考慮されるべきである。
本明細書及び特許請求の範囲を通して、文脈が他を必要とする場合を除いて、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」という用語は、非排他的な意味で使用される。本明細書に記載の実施態様は、実施態様「からなる」及び/又は「本質的になる」を含むことが理解される。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、値に言及する場合は、幾つかの実施態様では±50%、幾つかの実施態様では±20%、幾つかの実施態様では±10%、幾つかの実施態様では±5%、幾つかの実施態様では±1%、幾つかの実施態様では±0.5%、幾つかの実施態様では±0.1%の特定の量からの変動を包含することを意味するが、そのような変動は、開示された方法を実行するために、又は開示された組成物を使用するために適切であるためである。
ある範囲の値が提供される場合、文脈上明確に指示されていない限り、範囲の上限と下限の間の、下限の単位の10分の1までの各介在値、及びその記載された範囲内の他の記載された値又は介在値が、本発明に包含される。記載された範囲内の任意の具体的に除外された限界に従って、より小さい範囲に独立して含まれ得るこれらの小さな範囲の上限及び下限も本発明に包含される。記載された範囲が限界の一方又は両方を含む場合、含まれる限界の何れか又は両方を除く範囲もまた本発明に包含される。
本明細書に記載された本発明の多くの改変及び他の実施態様が、これらの発明が前述の説明及び関連する図面に示された教示の利益を得ることに関係する当業者には思い浮かぶであろう。従って、本発明は、開示された特定の実施態様に限定されるものではなく、改変及び他の実施態様が、添付される特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的のためではない。
以下の実施例は、説明のために提供されるものであり、限定のために提供されるものではない。
実施例1
HPK1キナーゼ阻害及びPD−1遮断の抗腫瘍効果
方法:
HPK1キナーゼデッドノックイン(HPK1.kd)マウスをC57BL/6バックグラウンドで作製した。簡潔には、点突然変異K46EをHPK1のキナーゼドメインに導入し、キナーゼ不活性HPK1を生じた。野生型対照マウスは、HPK1.kd繁殖コロニーの中から選択され、従って、同腹子対照である。39匹の野生型及び37匹のHPK1.kdマウスに、HBSS:マトリゲル中の1×10個のMC38マウス同系結腸直腸腫瘍細胞を脇腹に100μLの容量で接種した。腫瘍の平均体積が125−250mmに達したら、野生型マウスとHPK1.kdマウスの各コホートを2つの群に分け、対照抗体(抗gp120)、又は抗PDL1抗体(クローン6E11.1.9、これは、YW243.55.S70及びMPDL3280Aと同じCDRを有するマウス抗PDL1抗体である)の何れかで処置した。治療レジメンは、10mg/kgの抗gp120抗体又は抗PDL1抗体を、週3回、3週間の腹腔内注射からなる。19匹の野生型マウス及び18匹のHPK1.kdマウスを抗gp120で処置し、20匹の野生型及び19匹のHPK1.kdマウスを抗PD−L1抗体でそれぞれ処置した。腫瘍増殖を綿密にモニターし、週2回測定して、HPK1.kdマウスが抗PDL1抗体での処置時に野生型対照と比較して腫瘍体積を減少させたかどうかを決定した。2000mm以上の体積に達した腫瘍を有するか又はげっ歯類の腫瘍に関するIACUCガイドラインを超えた動物は、安楽死させたか、又は獣医スタッフと議論した。
結果:
抗PDL1治療レジメンの開始前に、野生型マウスとHPK1.kdマウスとの間のMC38腫瘍摂取及び増殖測定において劇的な差異は観察されなかった(図2、0日目)。抗PDL1抗体処置の際に、HPK1.kdコホートにおけるMC38腫瘍体積は、野生型マウスにおけるよりも有意に多くの減少を示し、HPK1キナーゼ阻害及びPD−L1共遮断の有効な抗腫瘍応答を実証している(図2)。
実施例2
HPK1キナーゼ阻害及びPD1遮断の抗腫瘍効果
方法:
HPK1キナーゼデッドノックイン(HPK1.kd)マウスをC57BL/6バックグラウンドで作製した。簡潔には、点突然変異K46EをHPK1のキナーゼドメインに導入し、キナーゼ不活性HPK1を生じた。野生型対照マウスは、HPK1.kd繁殖コロニーの中から選択され、従って、同腹子対照である。30匹の野生型及び30匹のHPK1.kdマウスに、HBSS:マトリゲル中の1×10個のMC38マウス同系結腸直腸腫瘍細胞を脇腹に100μLの容量で接種した。腫瘍の平均体積が125−250mmに達したら、野生型マウスとHPK1.kdマウスの各コホートを15匹のマウスの群に分け、対照抗体(抗gp120)、又は抗PD1抗体(マウス抗PD−1抗体であるクローン8F11.19.1.1)の何れかで処置した。治療レジメンは、10mg/kgの抗gp120抗体又は5mg/kgの抗PD−1抗体を、週3回、3週間の腹腔内注射からなる。腫瘍増殖を綿密にモニターし、週2回測定して、HPK1.kdマウスが抗PD−1抗体での処置時に野生型対照と比較して腫瘍体積を減少させたかどうかを決定した。2000mm以上の体積に達した腫瘍を有するか又はげっ歯類の腫瘍に関するIACUCガイドラインを超えた動物は、安楽死させたか、又は獣医スタッフと議論した。
結果:
抗PD−1治療レジメンの開始前に、野生型マウスとHPK1.kdマウスとの間のMC38腫瘍摂取及び増殖測定において劇的な差異は観察されなかった(図3、0日目)。抗PD−1抗体処置の際に、HPK1.kdコホートにおけるMC38腫瘍体積は、研究の過程で横ばいのままであり、野生型マウスにおけるよりも有意に多くの減少を示し、HPK1キナーゼ阻害及びPD−1共遮断の有効な抗腫瘍応答を実証している(図3)。

Claims (25)

  1. PD−1軸アンタゴニストとHPK1アンタゴニストの組み合わせの有効量を被験体に投与することを含む、それを必要とする被験体におけるがんを治療するための方法。
  2. がんが、結腸直腸がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、卵巣がん、乳がん、膵臓がん、血液悪性腫瘍、及び腎細胞癌からなる群から選択される少なくとも1つのがんを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記がんが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、髄芽腫、網膜芽細胞腫、肉腫、脂肪肉腫、滑膜細胞肉腫、神経内分泌腫瘍、カルチノイド腫瘍、ガストリノーマ、膵島細胞癌、中皮腫、神経鞘腫、聴神経腫、髄膜腫、腺癌、黒色腫、白血病又はリンパ性悪性腫瘍、扁平上皮細胞がん、上皮性扁平上皮細胞がん、肺がん、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌、肺の扁平上皮癌、腹膜のがん、肝細胞がん、胃(gastric又はstomach)がん、消化管がん、膵がん、神経膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝がん、膀胱がん、ヘパトーマ、乳がん、転移性乳がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜又は子宮癌腫、唾液腺癌腫、腎臓(kidney又はrenal)がん、前立腺がん、外陰部がん、甲状腺がん、肝癌、肛門癌、陰茎癌、メルケル細胞がん、菌状息肉腫、精巣がん、食道がん、胆道の腫瘍、頭頸部がん及び血液悪性腫瘍からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. がんがT細胞浸潤の上昇したレベルを有する、請求項1に記載の方法。
  5. PD−1軸アンタゴニストが、PD−1アンタゴニスト、PD−L1アンタゴニスト、及びPD−L2アンタゴニストからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. PD−1軸アンタゴニストがPD−1アンタゴニストである、請求項5に記載の方法。
  7. PD−1アンタゴニストが抗体である、請求項6に記載の方法。
  8. 抗PD−1抗体がモノクローナル抗体である、請求項7に記載の方法。
  9. 抗PD−1抗体が、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である、請求項7に記載の方法。
  10. PD−1アンタゴニストがMDX−1106である、請求項7に記載の方法。
  11. PD−1アンタゴニストがMerck 3475である、請求項7に記載の方法。
  12. PD−1アンタゴニストがCT−011である、請求項7に記載の方法。
  13. PD−1アンタゴニストがAMP−224である、請求項6に記載の方法。
  14. PD−1軸アンタゴニストがPD−L1アンタゴニストである、請求項5に記載の方法。
  15. PD−L1アンタゴニストが抗体である、請求項14に記載の方法。
  16. 抗PD−L1抗体がモノクローナル抗体である、請求項15に記載の方法。
  17. 抗PD−L1抗体が、Fab、Fab’−SH、Fv、scFv、及び(Fab’)断片からなる群から選択される抗体断片である、請求項15に記載の方法。
  18. PD−L1アンタゴニストがYW243.55.S70である、請求項15に記載の方法。
  19. PD−L1アンタゴニストがMPDL3280Aである、請求項15に記載の方法。
  20. PD−L1アンタゴニストがMEDI4736である、請求項15に記載の方法。
  21. PD−L1アンタゴニストがMDX−1105である、請求項15に記載の方法。
  22. PD−1軸アンタゴニスト又はHPK1アンタゴニストが、静脈内に、筋肉内に、皮下に、局所的に、経口的に、経皮的に、腹腔内に、胸腔内に、移植によって、吸入によって、髄腔内に、脳室内に、腫瘍内又は鼻腔内に投与される、請求項1に記載の方法。
  23. HPK1アンタゴニストがPD−1軸アンタゴニストの前に投与される、請求項22に記載の方法。
  24. HPK1アンタゴニストがPD−1軸アンタゴニストと同時に投与される、請求項22に記載の方法。
  25. HPK1アンタゴニストがPD−1軸アンタゴニストの後に投与される、請求項22に記載の方法。
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