JP2017537905A - アルツハイマー病の治療法 - Google Patents

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Abstract

アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法が、当該患者への、組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体の複数回用量の連続投与を含む。好ましい実施形態において、当該抗体が、一定期間にわたり、増加する量で投与される。好ましい実施形態において、当該患者のアミロイド関連画像異常(ARIA)への感受性が、その結果低減される。本発明の1つの実施形態において、当該患者の体重当たりの1mg/kgの複数回用量が、一定間隔で、その患者に投与される。【選択図】なし

Description

アルツハイマー病(AD)は、認知障害、行動障害、精神症状、及び日常生活の活動における身体障害によって臨床的に特徴づけられる、進行性の神経変性疾患である。これらの臨床症状が、AD認知症を構成する。
AD International(国際AD協会)は、全世界で、認知症を伴って生活する人々の数が、現在の3560万人から、2050年までに、1億1540万人に増加するであろうと予測している[Alzheimer’s Disease International]。認知症の最も一般的な原因であるADは、認知症の60から80%を占める。米国においては、530万人のアメリカ人が、ADが原因の認知症を患い、その有病率は2050年までに、効果的な治療が見出されない限り、2倍または3倍になるであろうと推定されている[Alzheimer’s Association 2010]。
ADが原因の認知症の臨床研究基準が、最近更新され、及びこの病気の現在の概念に準拠して、ADの予備認知症ステージ(例えば、前駆AD)を受け入れるための、診断フレームワークが開発された[Dubois 2010、Sperling 2011]。この病気の主な精神病理学的特徴は、(i)凝集したアミロイドβペプチド(Aβ)を含む、細胞外の老人(神経性)斑、及び(ii)異常な高リン酸化タウタンパク質で構成される、神経細胞内の神経原線維変化(NFT)である。これらの斑及び原線維変化の発症、ならびにそれらがどのようにこの臨床発症群に寄与しているのかは、完全解明に至っていないが、主要な仮説である「アミロイドカスケード仮説」では、この病気のプロセスの背後のある原動力は、脳内での、Aβ産生とAβ排除の間の不均衡からもたらされるAβの蓄積である、とされている[Hardy and Selkoe 2002]。
Aβは、アミロイド前駆体タンパク質の代謝から生成される。複数のAβペプチドのアロ形態が存在する(例えば、Aβ40、Aβ42)。これらのモノマーペプチドは、より高度のダイマー及びオリゴマーに凝集する可変傾向を持つ。原線維形成のプロセスを通して、可溶性オリゴマーは、プリーツシート構造をもつ不溶性沈着物に移行する可能性がある。これらの沈着物はまた、アミロイド斑と呼ばれ、及びそのため大部分が線維状アミロイドから構成されている[Hampel et al.2010、Gregory and Halliday 2005]。Aβの可溶性及び線維状形態の両方が、この病気のプロセスに寄与していると思われる[Meyer−Luehmann 2009、Hock 2003、Selkoe 2011]。
バイオマーカー[Jack 2010]、臨床病理学[Delacourte 2002]、及び統計群[Amieva 2008]の研究では、この病気のプロセスは、症状の臨床発症の10〜20年前に始まっており、及び初期の病理所見のいくつかは、新皮質老人斑の沈着及び内側側頭葉NFTと、数年遅れてそれに続く新皮質NFTを含むことを示唆している[Nelson et al.2009]。
現在、アルツハイマー病の進行を修正する治療法はない。現在認可されている治療法は、症状に現れるわずかな利点を与えるのみで、及びこの病気の経過を弱めるものではない[Birks 2006、McShane 2006]。複数の、潜在的な疾患修復薬の候補が、現在検討されている。これらの候補には、脳または脳脊髄液(CSF)中のAβ経路を標的とする、及びAβの可溶性または不溶性形態のいずれかを減らすことによって、治療の利点を与えることを目的とする、小分子及び免疫療法(能動及び受動)を含んでいる。
AD治療のための、アミロイド修復薬の臨床試験の実施に関連する様々な賛助者に対して、the U.S.Food and Drug Administration(米国食品医薬品局(FDA))によって発行された指針に対応し、2010年7月に、the Alzheimer’s Association Research Roundtable(アルツハイマー病協会研究円卓会議)が、作業グループを招集した。この作業グループは、この分野における専門知識及び関心に基づいて、学術ならびに業界の代表者から構成されていた。血管原性浮腫(VE)及び微小出血(mH)を代表すると考えられるシグナル変化を含む、MRI診断における異常に関連した、FDAの懸念に関し、専門家のアドバイスを提供することを目的としていた。MRIのシグナル変化は、アミロイドβに対するノモクローナル抗体の試験で最初に観察され[Black 2010、Salloway 2009、Sperling 2009]、及びそれ以降も、その他のアミロイド修復療法に関連付けられている。
これらのMRI異常の正確な病態生理学的機構は、解明されていないが、VE及びmHは通常、異なるMRIシーケンスで検出される。それらは、ADの自然な遍歴及びアミロイド修復療法のアプローチの両方に共通の基礎となる、発症の病態生理学的機構を共有している可能性がある、一連の様々な画像の異常を表していると思われる。この作業グループは、この一連の異常を、アミロイド関連画像異常(ARIA)と呼ぶことを提案した。
共有された発症機構の可能性にもかかわらず、特定の現象を記述するのに役立つ事例がある可能性がある。したがって、この作業グループはさらに、用語を改良した。ARIA−Eは、VEを代表し、及び血管流体現象に関連すると考えられるMRシグナルの変化を指す。ARIA−Hは、mH及びヘモジデリン沈着症に帰属するMRシグナルの変化を指す。
ARIA−Eは一般に、頭頂部、後頭部、及び前頭葉の柔組織及び/または軟髄膜において、FLAIRまたはその他のT2強調シーケンスで、増加したMRシグナル強度として現れるが、しかし小脳及び脳幹でも観察されている[Sperling 2009]。アポリポタンパク質Eのε4対立遺伝子であるApoEε4の存在が、ARIA−Eの発達に対する重要なリスク因子であることが見出されている。
アミロイド修復療法の臨床試験環境において発生するARIA−Eに関連する、その臨床経過について、現在公開されているデータは、非常に限られている。この作業グループは、バピネオズマブの臨床試験からのデータを再調査したが、しかしその他のアミロイド修復療法に見られるARIAが、類似の臨床経過をたどるかどうかは不明であると、指摘した。いずれにしても、血管原性浮腫の根底をなす病態生理学的機構は、解明されてはいない。
mHは、一般に2つの病因である、小血管障害及び脳アミロイド血管症(CAA)の内の1つに起因する。mHの有病率は、心血管リスク因子及び/または以前に脳血管に関する事象の証拠を持つ、高齢者の個人で著しく増加する[Goos 2010]。ADにおいては、mH及び脳表ヘモジデリン沈着症は、CAAの血管からの血液流出に起因する[Nakata−Kudo 2006]。CAAは、その血管壁を弱め、隣接する脳内への血液の微小流出のリスクを増加させ、mHを形成する。さらに、アミロイド修復療法に関連するARIA−Eの状況におけるmH発生率について、公開されているデータは非常に限られている。
特定のA−βペプチドの産生を減らすこと目的とした治療法戦略において、ARIA発生の仮報告は、A−β1〜42または多様なA−β種の割合の変化が、アミロイド産生及び排除の動態を変化させ、ARIAをもたらす可能性があることを示唆している。血管壁からのアミロイドの直接的な排除は、血管の完全性を損なわせることと関連することになろう。あるいは、血管の透過性の増加をもたらす、アミロイド関連内皮細胞が機能不全を起こす可能性があり、増加した透過率に対して同様の説明が可能になるであろう。CAAの患者についての病理報告で示唆されているように、ARIA−E及びARIA−Hの両方をもたらす可能性がある、局所性炎症成分が存在する可能性もある。正常なCSFもまた、炎症性CAAにおいて報告されており、及び局所性のアミロイド関連血管炎症が、ARIAのいくつかのケースに影響を及ぼしている可能性がある。免疫療法の様々な形態または特定の抗体が、ARIAにより多くまたは少なく関連しているかどうかも、不明のままである[Siemers 2008]。
アルツハイマー病の治療を受けている患者において、ARIAの発生率は、なかなか解消しない問題であり続けている。目的とする作用の多数の潜在的な機構がある一方で、この問題の回答が見出されていない。
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したがって当技術分野において、AD治療プロトコル中の感受性アルツハイマー病患者において、ARIAの発生率を低減する方法に対する要求がある。いくつかの実施形態において、当該方法は、ApoE4保因者などの、ARIAリスク因子をもつものを除外するために患者を選別する必要は無しに、AD患者の治療にとって効果的である。他の実施形態において、当該方法は、ApoE4保因者の治療での利用に対応している。さらに他の実施形態において、当該方法は、ApoE4非保因者の治療での利用に対応している。好ましい実施形態において、当該方法は、AD関連のAβを低下させるために、免疫療法のアプローチを利用している患者の治療に、特に適応している。
本発明は、アルツハイマー病(AD)のヒトの患者を治療する方法を提供することによって、当技術分野におけるこれらの要求を満たす援助となる。当該方法は、組み換えで、完全なヒトの、抗アミロイドβモノクローナル抗体の複数回の用量を、順次投与することを含む。好ましい実施形態において、当該抗体は、一定期間にわたって、量を増やしながら、当該患者に投与される。
本発明の1つの実施形態において、当該患者の体重当たりの1mg/kgの複数回用量が、一定間隔で、その患者に投与される。
本発明の他の実施形態において、任意でその1mg/kg用量の事前投与を伴いまたは伴わずに、当該患者の体重当たりの3mg/kgの複数回用量が、一定間隔でその患者に投与される。
本発明のさらなる実施形態において、その1mg/kg用量の投与後及び/またはその3mg/kg用量の投与後に、当該患者の体重当たりの6mg/kgの複数回用量が、一定間隔でその患者に投与される。
本発明のさらなる実施形態において、その1mg/kg用量の投与後及び/またはその3mg/kg用量の投与後、及び/またはその6mg/kg用量の投与後に、当該患者の体重当たりの10mg/kgの複数回用量が、一定間隔でその患者に投与される。
本発明の好ましい実施形態において、この投薬プロトコルは、治療されている患者のApoE4状態に基づいて選択される。
本発明の他の好ましい実施形態において、各々の当該間隔は、約4週間である。
本発明における代表的な治療法において、当該患者の体重当たりの1mg/kgの1〜5回の用量が、一定間隔でその患者に投与され、次いで当該患者の体重当たりの3mg/kgの1〜5回の用量が、一定間隔でその患者に投与され、及び次いで当該患者の体重当たりの6mg/kgが、その治療の終了まで、一定間隔でその患者に投与される。
好ましい実施形態において、本発明の方法は、脳アミロイド蓄積量を減少させる。さらに好ましい実施形態において、本発明の方法は、ARIAに対する、当該患者の感受性を減少させる。
BIIB037抗体で治療された対象の研究における、ポジトロン放出断層撮影法(PET)スキャンにより定められた時点までの、平均のPET合成画像の標準化摂取率比(SUVR)を示す。 基準の臨床ステージ、すなわち前駆または軽度ADによる、対象のPET画像の基準SUVRからの、調整後の平均変化を示す。 対象の基準のApoE4状態による、基準PET画像のSUVRからの、調整後の平均変化を示す。 BIIB037抗体で治療されたAD対象の研究における、ARIA−E及び/またはARIA−Hの予測発生率を報告する。 BIIB037抗体のプラセボ、または1mg/kg、3mg/kg、または10mg/kgを、4週ごとに54週間にわたり投与された患者に対する、基準の臨床的認知症重症度判定尺度(CDR−SB)からの調整後の平均変化を示す。 BIIB037抗体のプラセボ、または1mg/kg、3mg/kg、または10mg/kgを、4週ごとに54週間にわたり投与された患者に対する、基準のミニメンタルステート検査(MMSE)+標準誤差(SE)からの調整後の平均変化を示す。 図7A〜7Fは、アデュカヌマブによる、アミロイド斑の減少を示す。図7Aは、PD解析の母集団に対する、時間経過後の平均画像SUVRを示す。破線は、フロルベタピルに対する、そのSUVRの切点を示す。図7B〜7Fは、(図7B)全PD解析の母集団、(図7C)ApoEε4保因者、(図7D)非保因者、及び(図7E)前駆AD、及び(図7F)軽度ADの患者間の、26週及び54週での画像SUVRにおける、基準からの調整後の平均(±SE)変化を示す。 図7A〜7Fは、アデュカヌマブによる、アミロイド斑の減少を示す。図7Aは、PD解析の母集団に対する、時間経過後の平均画像SUVRを示す。破線は、フロルベタピルに対する、そのSUVRの切点を示す。図7B〜7Fは、(図7B)全PD解析の母集団、(図7C)ApoEε4保因者、(図7D)非保因者、及び(図7E)前駆AD、及び(図7F)軽度ADの患者間の、26週及び54週での画像SUVRにおける、基準からの調整後の平均(±SE)変化を示す。 図7A〜7Fは、アデュカヌマブによる、アミロイド斑の減少を示す。図7Aは、PD解析の母集団に対する、時間経過後の平均画像SUVRを示す。破線は、フロルベタピルに対する、そのSUVRの切点を示す。図7B〜7Fは、(図7B)全PD解析の母集団、(図7C)ApoEε4保因者、(図7D)非保因者、及び(図7E)前駆AD、及び(図7F)軽度ADの患者間の、26週及び54週での画像SUVRにおける、基準からの調整後の平均(±SE)変化を示す。 図7A〜7Fは、アデュカヌマブによる、アミロイド斑の減少を示す。図7Aは、PD解析の母集団に対する、時間経過後の平均画像SUVRを示す。破線は、フロルベタピルに対する、そのSUVRの切点を示す。図7B〜7Fは、(図7B)全PD解析の母集団、(図7C)ApoEε4保因者、(図7D)非保因者、及び(図7E)前駆AD、及び(図7F)軽度ADの患者間の、26週及び54週での画像SUVRにおける、基準からの調整後の平均(±SE)変化を示す。 図7A〜7Fは、アデュカヌマブによる、アミロイド斑の減少を示す。図7Aは、PD解析の母集団に対する、時間経過後の平均画像SUVRを示す。破線は、フロルベタピルに対する、そのSUVRの切点を示す。図7B〜7Fは、(図7B)全PD解析の母集団、(図7C)ApoEε4保因者、(図7D)非保因者、及び(図7E)前駆AD、及び(図7F)軽度ADの患者間の、26週及び54週での画像SUVRにおける、基準からの調整後の平均(±SE)変化を示す。 図7A〜7Fは、アデュカヌマブによる、アミロイド斑の減少を示す。図7Aは、PD解析の母集団に対する、時間経過後の平均画像SUVRを示す。破線は、フロルベタピルに対する、そのSUVRの切点を示す。図7B〜7Fは、(図7B)全PD解析の母集団、(図7C)ApoEε4保因者、(図7D)非保因者、及び(図7E)前駆AD、及び(図7F)軽度ADの患者間の、26週及び54週での画像SUVRにおける、基準からの調整後の平均(±SE)変化を示す。 MMSEに対する、アデュカヌマブの効果を示す。 CDR−SBに対する、アデュカヌマブの効果を示す。 ApoE4保因者及び非保因者に対する、選択された投薬計画を描写する。 アミロイド斑を減らす、アデュカヌマブの能力を表す。 アデュカヌマブを伴った、CDR−SBにおける低下の緩慢化を表す。 アデュカヌマブを伴った、MMSEにおける低下の緩慢化を表す。 、多施設、無作為試験、二重盲検法、プラセボ対照試験、複数投薬試験であるPRIMEに対する、研究設計を描写する。有効対プラセボが3対1の比率で、時間差、漸増用量設計において、患者(計画されたN=188)を、9つの治療群(目標登録数:有効治療群当たりn=30)の1つに対して、無作為に振り分けた。 当該PRIME試験に対する、一次及び二次評価項目を描写する。 当該PRIME評価の時系列を与える。データを、1、3、及び10mg/kgの治療群に対しては54週目で、及び6mg/kgの治療群に対しては30週目で解析した。 当該PRIME試験における、患者の配分を描写する。無作為に振り分けた166患者の内、165人に投薬し、107人(65%)が、ApoEε4保因者であり、及び68人(41%)が、前駆ADを有していた。 当該PRIME試験に対応した、基準の人口統計データ及び疾病特性を描写する。 ARIAの所見、及びARIE−Eにおける患者配分の概要を提供する。
アルツハイマー病
本明細書で使用する「アルツハイマー病」という用語はまた、「AD」とも呼ばれ、最初に臨床診断によって識別され、及びその疾患のマーカーによって確立される認知症を意味する。
ADは、疾患進行の特定の運用上定められたステージを持つ、一連の病状体である。ADの病状は、臨床症状の発症前に開始している。例えば、AD症状の1つのマーカーであるアミロイド斑は、AD認知症の発症に先立つ10〜20年前に形成される。現在認知されているADステージには、発症前、前駆、軽度、中度、及び重度を含む。これらのステージは、症状の重症度及びAD進行の測定に基づいて、さらに二次カテゴリーに分割されて良い。
ADは、個別のステージでは発症しないので、当業者は、患者グループ間の差異が、特定の臨床環境では、明確でない可能性があることを認めるであろう。それにもかかわらず、この臨床疾患のステージは、アミロイド−β蓄積(CSF/PET)、シナプス機能障害(FDG−PET/fMRI)、タウを媒介とする神経障害 (CSF)、脳構造(容量MRI)、認知力、及び臨床機能などの評価基準、及びこれら評価基準の経時変化によって特徴づけることができる。Clifford Jack et al.Lancet.Neurol.2010 January、9(1):119。
全ての認知症に対して、現在中核となる臨床基準は、NINCDS−ADRDA基準(McKhann,2011.)と呼ばれ、当技術分野では公知であり、及び本発明の実践に取り入れることができる。それらには、新しい情報を取得して覚える能力の低下、複雑な課題を推論し及び処理する能力の低下、視空間能力の低下、言語機能の低下(話す、読む、書く)、及び人格、行動、または態度の変化が関与する認知または行動の障害を含む。同上文献。アルツハイマー病は、現在、この中核基準を使用して診断され、及び数時間または数日(潜行性発症)で突然にということはなく、数か月から数年にわたり徐々に発症する症状によって典型的に特徴づけられる。通常は、アルツハイマー病の対象における報告書または所見によって、症状悪化の明確な経歴がある。同上文献。
その他の診断分類システムが、ADに関する新情報が利用可能になるに従い、進化している。これらのシステムには、国際作業グループ(IWG)の、AD診断のための新研究基準(Dubois B et al.Lancet Neurol 2007、6(8):734−736)、IWG研究基準(Dubois et al.Lancet Neurol 2010、9(11):1118−27)、NIA/AA基準(Jack CR et al.Alzheimer’s Dement 2011、7(3):257〜62)、及びDSM−5基準(American Psychiatric Association, DSM−5,2013)を含む。これらの分類システムをまた、本発明の方法に従った治療に対応して、AD対象の診断に取り入れることができる。
患者
「patient(患者)」という用語は、アルツハイマー病の診断、予後、予防、または治療が望まれる、任意のヒト対象を含むことを意味し、及び治療が必要なヒト対象を含む。治療が必要なこれら患者には、すでにADであるものと共に、ADになりやすい傾向があるもの、またはADの発現が抑えられているものを含む。典型的な患者は、年齢が50から90歳の男性または女性である。好ましい実施形態において、本発明は、ADである患者(限定なしに、発症前、前駆、軽度、中度、または重度のADを含む)を治療する方法を提供する。さらに好ましい実施形態において、当該患者は、例えば、PET画像診断で確認された、アミロイド病変を有する。
治療が必要なAD患者は、アミロイド病変及び初期神経変性を持つ対象から、広範囲な神経変性、及び進行性認知障害による不可逆的な神経損失、ならびに認知症である対象に対して機能障害を有する対象にまで及ぶ。
発症前ADである患者は、記憶障害及び新エピソード記憶及び高度機能欠損があるまたは無い、無症候ステージによって特定され得る。このステージは、ADの生体内分子マーカーの出現及び臨床症状の欠如によって、典型的に特徴づけられる。
前駆AD患者は、認知機能欠損、及び病気の進行に伴う高度機能障害よって主として特徴づけられる、認知症前のステージである。前駆AD患者は典型的に、24〜30(それらの値を含む)の間のMMSEスコア、自発的な記憶障害、FCSRTで、27以下の自由想起スコアとして定義される客観的な記憶喪失、0.5のグローバルCDRスコア、その他の認知領域において高いレベルの障害が無い、及び日常生活の活動が、本質的に温存されており、ならびに認知症では無いことを伴う。
軽度ADの患者は典型的に、20〜26(それらの値を含む)の間のMMSEスコア、0.5または1.0のグローバルCDRを有し、及びthe National Institute on Aging−Alzheimer’s Association(老化に関する米国立学会−アルツハイマー病協会)の推定ADに対する中核臨床基準(Section 22を参照)に合致する。
臨床症状におけるAD診断に基づくと、軽度ステージのAD患者は、仕事で目立つ行動、物忘れ、気分のむら、及び注意力障害を表すであろう。中度ステージのAD患者は、認知障害、制限された日常活動、見当識障害、失行、失認、失語、及び行動異常を表すであろう。重度AD患者は、主体性の喪失、記憶と音声の減退、及び失禁によって特徴づけられる。
18F−AV−45 PETスキャンでの評価結果で、アミロイド陽性である、早期ステージの患者の治療が、好ましい。この患者は、無症候性であるか、または頭痛、混乱、歩行困難、または視覚障害の一時的な症状だけを表している可能性がある。この患者は、ApoE遺伝子型決定によって決定される、ApoE4保因者であっても、なくても良い。
好ましくないのは、患者が、脳卒中またはその他の脳血管症状、その他の神経変性疾患、臨床的に著しい精神疾患の経歴、急性または亜急性のミクロまたはマクロな出血、以前の大量出血、または脳表ヘモジデリン沈着症などの、その対象の認知障害の一因になっているかもしれない、いずれかの医学的または神経学的症状(AD以外の)を持つ場合であるが、しかし例えそのような患者でも、資格要件を満たした臨床医によるスクリーニング及び選別に従って、治療を受けることができる。
治療
本明細書で使用する「治療する」または「治療」という用語は一般に、望ましい薬理学的及び/または生理学的効果を得ることを意味する。この効果は、アルツハイマー病またはその症状を完全にもしくは部分的に予防する点において予防法であり得て、及び/または部分的または完全にAD及び/またはADの原因となっている1つ以上の悪影響を治す点において、治療法であり得る。したがって、本明細書で使用する「治療」という用語には、(a)ADになりやすい可能性があるが、しかしまだADになっていると診断されてはいない対象における発症から、ADを予防すること、(b)ADを阻害すること、例えばその発達を抑制すること、(c)ADを緩和すること、例えば、ADからの回復を引き起こすこと、または(d)仮に治療を受けない場合に期待される生存期間と比較して、その期間を延ばすことを含む。
本発明の好ましい実施形態において、当該治療は、当該患者において、ADまたはその症状を完全にもしくは部分的に予防するための予防法であり、または当該治療は、当該患者において、ADまたはADの原因となる症状を部分的にもしくは完全に治すための治療法である。
本発明の他の好ましい実施形態において、治療は、病気を修復する効果を持つ。このことは、この治療が、その根底に横たわる病理学的または病態生理学的疾患プロセスを減速させまたは遅らせ、及びプラセボと比べたADの臨床兆候及び症状に改善をもたらすことを意味する。
さらに好ましい実施形態において、治療は、症状に表れる改善をもたらす。これは、たとえ限られた期間の場合であっても、高められた認知力、より高い自主性、及び/または神経精神病学的ならびに行動的な機能不全の改善から構成されて良い。
任意の治療法の目標が、疾患の予防または治療であるが、本発明が、臨床的な最終局面または病気の進行を遅らせる事、もしくは症状の緩和を企図している、と理解されよう。臨床的な最終局面または病気の進行を遅らせる事は、その患者及び世話に従事する者に、直接的な影響を与える。それは、障害を遅らせ、自主性を維持し、及びより長い期間、患者が正常な生活を過ごせることを可能にする。可能な限り最良の症状の救済は、認知力、機能、及び行動に現れる症状、ならびに気分を、徐々に改善することができる。
本発明におけるADの治療法では、組み換えで、完全ヒトの、抗アミロイドβモノクローナル抗体を、ヒトの患者に投与する。好ましい実施形態において、そのモノクローナル抗体は、優れた安全性プロファイルを有するとともに、可溶性Aβオリゴマー及び実質的にモノマー結合なしで原線維結合に対して選択的である、。これらの特性は、Pkを改善し、抗体の沈降を減らし、及び標的外であるAPP発現組織との交差反応を最小にする。これらの基準に合致する好ましいモノクローナル抗体は、BIIB037抗体である。
BIIB037抗体は、アルツハイマー病に対する生物学的治療薬である。それは、血小板を含むAβの凝集形態を認識する、非自然発生、組換え、完全ヒトの、抗Aβモノクローナル抗体である。BIIB037は、鎖間ジスルフィド結合によって連結された2つの重鎖及び2つのカッパ軽鎖から構成されるIgGである。
生体外の特性評価研究で、BIIB037抗体は、ADの発生及び進行の基礎となっていると考えられている蓄積である、Aβ凝集体に存在する立体構造エピトープを認識することが立証された。
生体内の薬理学研究で、類似の特性を持つ抗体(chl2F6A)のマウスIgG2aキメラ型が、ADのマウスモデルである、高齢のTg2576マウスの脳内における、アミロイド斑の蓄積量を著しく減らすことが示された。実質アミドイロの減少は、特定の抗Aβ抗体について報告されている[Wilcock and Colton 2009]ように、血管アミロイドの変化を伴ってはいなかった。
BIIB037抗体は、BIIB037とは異なるチャイニーズハムスターの卵巣細胞株で産生された、組換えで、完全ヒト抗AβIgG mAbである、12F6A抗体のアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する。BIIB037抗体は、表1(V)及び表2(V)に表されるV及び/またはV可変領域、ならびに表3に表される対応した相補性決定領域(CDRs)を含む、抗原結合ドメインを有する。
BIIB037抗体に加えて、本発明は、表1におけるVH領域及び表2におけるVL領域を含む抗体などの、その他の抗体の使用を企図している。本発明での使用が企図されるその他の抗体には、表3における可変重鎖CDRs及び可変軽鎖CDRsを含む抗体が含まれる。
本発明で用いられるBIIB037抗体及び他の抗体は、既存の方法を使用して調製され得る。いくつかの実施形態において、当該抗体は、適切なチャイニーズハムスターの卵巣細胞株において発現する。
本発明による治療への、当該患者の応答性は一般に、用量に依存している。本発明の1つの実施形態は、ADの患者を治療するのに必要な最小限の治療用量を下回る量で、当該モノクローナル抗体の少なくとも1回の用量を、当該患者に投与することを含む。これに続いて、ADの患者を治療するのに必要な最小限の治療用量とほぼ同じ量で、少なくとも1回の用量が、当該患者に投与される。及び次いで、少なくとも1回の用量が、ADの患者を治療するのに必要な最小限の治療用量を上回った、しかし最大許容量を下回った有効量で、当該患者に投与される。好ましい実施形態において、脳アミロイド蓄積量が減少する。さらに好ましい実施形態において、ARIAに対する患者の感受性が低下する。
治療の有効量は、アルツハイマー病に関連する症状または病態を改善するのに適切な、当該抗体の量を指す。当該モノクローナル抗体の治療効果及び毒性は、標準的な医薬品の手順によって決定され得る。理想的には、当該モノクローナル抗体は、アルツハイマー病の症例において、正常な動作及び/または認知特性を回復する、もしくはその患者のAD進行を少なくとも遅らせまたは防ぐのに適した量で採用される。
Tg2576マウスにおいて、モノクローナル抗体BIIB037の長期間投与(0.3mg/kgから30mg/kg)後に、脳アミロイドの用量に依存した減少が認められた。3mg/kgで、著しいアミロイド減少が認められ、この動物モデルにおけるBIIB037抗体の最小治療用量と判断された。
当該モノクローナル抗体の有効量は、アルツハイマー病の治療において、臨床的に著しい応答を産生する、当該抗体の量である。月当たり約1から30mg/kgの有効量が、採用され得る。BIIB037抗体の効果は、安全性を伴って、その患者の体重当たりの約10mg/kgから約30mg/kgの間の有効量で、高止まり状態に達することができる。その患者の体重当たりの約3mg/kgから約10mg/kgの有効量が企図される。好ましい有効量は、その患者の体重当たりの約3mg/kg、約6mg/kg、及び約10mg/kgである。
当該モノクローナル抗体の最大許容量は、安全性を伴って、アルツハイマー病の治療において臨床的に著しい応答性を産生する当該抗体の量である。本発明の方法に従い患者を治療する際の主要な安全上の懸念は、ARIA,特にARIA−EまたはARIA−Hの発生である。これらの結果達成に合致して、約60mg/kgを上回る用量は、避けるべきである。本発明の方法は、既知のプロトコルを使用して可能であったAD患者の治療よりも、BIIB037抗体のより高い用量を用いることを可能にする。
用量の調整が、その治療プロトコル中に実施され得ることは、理解されよう。例えば、安全性または効力の理由で、ADにおける当該モノクローナル抗体の効果を高めるように用量を増加でき、ARIAの率及び重症度を減少できるように、用量を減らすことができる。仮に投薬を逃した場合、その患者は、好ましくは、その逃した用量の投与を受け、及び当該記述の投薬計画に従ってその後も継続することにより、投薬が再開されるべきである。
当該モノクローナル抗体は、好ましくは、生理食塩水への希釈の後、静脈内への点滴によって、当該患者に、投与される。この投与モードを使用する場合、本発明の用量設定投与計画における各点滴ステップは、通常約1時間を要するであろう。
本明細書の当該投薬範囲及びその他の数値は、本発明の方法によって治療されない個人と比較して、当該患者のアルツハイマー病の治療、及びARIAに対する当該患者の発生率または感受性の減少によって示される数値量と、同じ効果を持つ量を含む。少なくとも、各数値パラメーターは、有効桁数の数に照らして解釈する必要があり、通常の丸め方法を適用する。さらに、任意の数値は、本質的にその測定の標準偏差からの一定の誤差を含み、及びそのような値は、本発明の範囲内である。
用量設定(連続投与)
当該BIIB037抗体で治療されたAD患者におけるARIAの発生は、用量に依存していることが認められた。ARIAは、3回目及び4回目の投薬後に、1mg/kg及び3mg/kgの当該抗体の投与を受けた患者に認められた。体重当たりの8mg/kg及び10mg/kgの用量では、ARIAは、その2回目の投薬後に認められた。本発明の方法には、ARIAの発生を減らすように選択された治療計画を含む。
より具体的には、本発明に従うアルツハイマー病(AD)の治療法において、当該組み換えで、完全ヒトの、抗アミロイドβモノクローナル抗体が、一定期間にわたり、量を増加させて、ヒトの患者に投与される。当該患者に当該抗体を順次投与するこの手順を、本明細書では「用量設定」と呼び、それは、特定の評価項目によって明らかになるように、その手順の完遂まで、注意深く測定された量で、既知濃度の標準化された医薬品の投与が伴うからである。本発明において、その評価項目は、その治療を受けた患者の母集団における、当該患者におけるアルツハイマー病の治療の効果、及びARIA、特にARIA−EまたはARIA−Hの発生の減少におけるその治療効果を含む。
本発明におけるこの用量設定投与計画の利点の一つは、それが、固定した用量の治療計画で認められたものと同じ程度のARIAを招かずに、AD患者への、特にアポリポタンパク質E4(ApoE4)保因者へのより高い用量の当該モノクローナル抗体の投与を可能にすることである。いかなる特定の機構にも限定されることを意図しないが、用量設定は、その全治療期間中において、より低い初期のアミロイド排除及びより緩慢な排除をもたらすと考えられる。
当該モノクローナル抗体の用量設定は、複数回用量において実行される。例えば、当該抗体の2回の用量を、1用量当たりで最小治療量を下回った量で、次いで当該抗体の4回の用量を、1用量当たりで最小治療量とほぼ同じ量で、当該患者に投与できる。次いでこの投与計画は、複数回用量を、1用量当たりで、最小治療量を上回るがしかし最大許容量を下回った量で、当該患者のADで許容される変化があるまで続く。例えば、用量を、おおよそ52週にわたり、約4週間ごとに投与できる(合計で14回用量)。進行状況を、定期的な評価によってモニターできる。
本発明における特に好ましいプロトコルである、指定プロトコル(1)は、
(A)当該組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(B)ステップ(A)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(C)ステップ(B)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(D)ステップ(C)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(E)ステップ(D)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(F)ステップ(E)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(G)ステップ(F)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与すること、及び
(H)ステップ(G)の後に4週間ごとの連続した間隔で、当該抗体を、当該患者の体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与することを含む。
換言すると、プロトコル(1)は、組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体の第1用量を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、それに続いて、その第1用量の4週間後に、体重当たりの1mg/kgの量で、第2用量を投与すること、その第2用量の後で4週間の間隔で、体重当たりの3mg/kgの量で、当該抗体の第3、4、5、及び6用量を投与することを含む。及び次いで、第6用量の投与後の4週間ごとに、体重当たりの6mg/kgの量で、当該抗体の第7及び8用量が、当該患者に投与される。
プロトコル(1)は、約52週にわたり、約4週間隔で、合計で14回の用量が投与され、任意でその後の約4週間ごとの投薬が継続され、その結果、アミロイド関連画像異常(ARIA)に対する、当該患者の感受性を低下させるようにADを治療すること、を含んで良い。換言すると、第8用量の投与後の4週間目に、第9〜14用量が、4週間ごとの間隔で、体重当たりの6mg/kgの量で、当該患者に投与されて良い。いくつかの実施形態において、当該抗体は、少なくとも76週目まで、4週間ごとに、体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与され続ける。換言すると、いくつかの実施形態において、当該方法は、第8用量に続き4週の間隔で、体重当たりの6mg/kgの量で、第9〜20用量がその患者に投与されることを含む。いくつかの実施形態において、第8用量の後、当該抗体は、4週間ごとに、体重当たり6mg/kgの量で、無期限でその患者に投与される。いくつかの実施形態において、体重当たりの6mg/kgでの最終用量に続いて、12週間隔で、当該患者に投与される抗体量は、体重当たりの3mg/kgである。いくつかの実施形態において、この低減された用量は、52週目の後の12週間(すなわち、第14用量の後の12週間)で、当該患者に最初に投与され、他の実施形態において、この低減された用量は、76週目の後の12週間(すなわち、第20用量の後の12週間)で、当該患者に投与される。いくつかの実施形態において、体重当たりの6mg/kgでの最終用量後に4週間隔で、当該患者に投与される抗体量は、体重当たりの1mg/kgである。いくつかの実施形態において、この低減された用量は、52週目の後の4週間(すなわち、第14用量の後の4週間)で、最初に当該患者に投与され、他の実施形態において、この低減された用量は、76週目の後の4週間(すなわち、第20用量の後の4週間)で、当該患者に最初に投与される。
プロトコル(1)は、ApoE遺伝子型決定で、ApoE4保因者と指定された、またはApoE4の非保因者と決定された患者に採用されて良い。プロトコル(1)のいずれの代替の実施形態においても、当該抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含んで良く、ここでそのVHは、アミノ酸配列配列番号3を伴う第1相補性決定領域(VHCDR1)、アミノ酸配列配列番号4を伴うVHCDR2、及びアミノ酸配列配列番号5を伴うVHCDR3を含み、及びここでそのVLは、アミノ酸配列配列番号6を伴うVLCDR1、アミノ酸配列配列番号7を伴うVLCDR2、及びアミノ酸配列配列番号8を伴うVLCDR3を含む。プロトコル(1)の好ましい実施形態において、当該抗体には、IgG1定常領域を含む。プロトコル(1)の特に好ましい実施形態において、当該VHは、配列番号1を含み、及び当該VLは、配列番号2を含む。
本発明における他の特に好ましいプロトコルである、指定プロトコル(2)は、
(A)当該組み換え、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(B)ステップ(A)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(C)ステップ(B)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(D)ステップ(C)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(E)ステップ(D)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(F)ステップ(E)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与すること、及び
(G)ステップ(F)の後に4週間ごとの連続した間隔で、当該抗体を、当該患者の体重当たりの10mg/kgの量で、その患者に投与することを含む。
換言すると、プロトコル(2)には、組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体の第1用量を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、それに続いて、その第1用量の4週間後に、体重当たりの1mg/kgの量で、第2用量を投与すること、その第2用量の後の4週間ごとに、体重当たりの3mg/kgの量で、当該抗体の第3及び4用量を投与し、その第4用量の投与後に4週間の間隔で、体重当たりの6mg/kgの量で、当該抗体の第5及び6用量を投与することを含む。及び次いで、第6用量の投与後の4週間で、体重当たりの10mg/kgの量で、当該抗体の第7用量が、当該患者に投与される。
プロトコル(2)は、約52週にわたり、約4週間隔で、合計で14回の用量が投与され、任意でその後の約4週間ごとの投薬が継続され、その結果、アミロイド関連画像異常(ARIA)に対する、当該患者の感受性を低下させるようにADを治療することを含んで良い。換言すると、第7用量の投与後の4週間目に、第8〜14用量が、4週間ごとの間隔で、体重当たりの10mg/kgの量で、当該患者に投与されて良い。いくつかの実施形態において、当該抗体は、少なくとも76週目まで、4週間ごとに、体重当たりの10mg/kgの量で、その患者に投与され続ける。換言すると、いくつかの実施形態において、当該方法は、第7用量に続き4週の間隔で、体重当たりの10mg/kgの量で、第8〜20用量がその患者に投与されることを含む。いくつかの実施形態において、第7用量の後、当該抗体は、4週間ごとに、体重当たり10mg/kgの量で、無期限にその患者に投与される。いくつかの実施形態において、体重当たりの10mg/kgでの最終用量後に、抗体の量が、体重当たりの3mg/kgに低減され、及び12週間隔で、当該患者に投与される。いくつかの実施形態において、この低減された用量は、52週目の後の12週間(すなわち、第14用量の後の12週間)で、当該患者に最初に投与され、他の実施形態において、この低減された用量は、76週目の後の12週間(すなわち、第20用量の後の12週間)で、当該患者に投与される。いくつかの実施形態において、体重当たりの10mg/kgでの最終用量後の4週間で、当該患者に投与される抗体量は、4週間ごとに、体重当たりの1mg/kgに低減される。いくつかの実施形態において、この低減された用量は、52週目の後の4週間(すなわち、第14用量の後の4週間)で開始され、他の実施形態において、この低減された用量は、76週目の後の4週(すなわち、第20用量の後の4週間)で、開始される。
プロトコル(2)は、ApoE4非保因者の治療に、特に適している。プロトコル(2)のいずれの代替の実施形態においても、当該抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含んで良く、ここでそのVHは、アミノ酸配列配列番号3を伴う第1相補性決定領域(VHCDR1)、アミノ酸配列配列番号4を伴うVHCDR2、及びアミノ酸配列配列番号5を伴うVHCDR3を含み、及びここでそのVLは、アミノ酸配列配列番号6を伴うVLCDR1、アミノ酸配列配列番号7を伴うVLCDR2、及びアミノ酸配列配列番号8を伴うVLCDR3を含む。プロトコル(2)の好ましい実施形態において、当該抗体には、IgG1定常領域を含む。プロトコル(2)の特に好ましい実施形態において、当該VHは、配列番号1を含み、及び当該VLは、配列番号2を含む。
本発明は、ApoE4保因者の治療に対応した、他の特に好ましいプロトコルである、指定プロトコル(3)を提供する。本発明におけるこの実施形態は、
(A)当該組み換え、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(B)ステップ(A)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、及び
(C)ステップ(B)の後に4週間ごとの連続した間隔で、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与することを含む。
換言すると、プロトコル(3)は、当該組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体の第1用量を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与することを含む。第1用量の4週間後に、体重当たりの1mg/kgの量で、当該抗体の第2用量が、当該患者に投与される。及び次いで、第2用量の4週間後に、体重当たりの3mg/kgの量で、当該抗体の第3用量が、当該患者に投与される。
プロトコル3は、約52週にわたり、約4週間隔で、合計で14回の用量が投与され、任意でその後の約4週間ごとの投薬が継続され、その結果、アミロイド関連画像異常(ARIA)に対する、当該患者の感受性を低下させるようにADを治療することを含んで良い。換言すると、第3用量の投与後の4週間目に、第4〜14用量が、4週間ごとの間隔で、体重当たりの3mg/kgの量で、当該患者に投与されて良い。いくつかの実施形態において、当該抗体は、少なくとも76週目まで、4週間ごとに、体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与され続ける。換言すると、いくつかの実施形態において、当該方法は、第3用量に続き4週の間隔で、体重当たりの3mg/kgの量で、第4〜20用量がその患者に投与されることを含む。いくつかの実施形態において、第3用量の後、当該抗体は、4週間ごとに、体重当たり3mg/kgの量で、無期限にその患者に投与される。いくつかの実施形態において、所定の期間の後、当該患者に投与される抗体量は、12週間ごとに、体重当たりの3mg/kgに低減されて良い。いくつかの実施形態において、この12週の投薬間隔は、52週目の後(すなわち、第14用量の後)に開始され、他の実施形態において、この12週の投薬間隔は、76週目の後(すなわち、第20用量の後)に開始される。いくつかの実施形態において、所定の期間の後、当該患者に投与される抗体量は、4週間ごとに、体重当たりの1mg/kgに低減されて良い。いくつかの実施形態において、この低減された投薬は、52週目の後の4週間(すなわち、第14用量の後の4週間)で開始され、他の実施形態において、この低減された投薬は、76週目の後の4週間(すなわち、第20用量の後の4週間)で開始される。
プロトコル(3)は、ApoE遺伝子型決定で決定された、ApoE4保因者に使用されて良い。プロトコル(3)のいずれの代替の実施形態においても、当該抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含んで良く、ここでそのVHは、アミノ酸配列配列番号3を伴う第1相補性決定領域(VHCDR1)、アミノ酸配列配列番号4を伴うVHCDR2、及びアミノ酸配列配列番号5を伴うVHCDR3を含み、及びここでそのVLは、アミノ酸配列配列番号6を伴うVLCDR1、アミノ酸配列配列番号7を伴うVLCDR2、及びアミノ酸配列配列番号8を伴うVLCDR3を含む。プロトコル(3)の好ましい実施形態において、当該抗体には、IgG1定常領域を含む。プロトコル(3)の特に好ましい実施形態において、当該VHは、配列番号1を含み、及び当該VLは、配列番号2を含む。
本発明における他の特に好ましいプロトコルである、指定プロトコル(4)は、
(A)当該組み換え、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(B)ステップ(A)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(C)ステップ(B)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(D)ステップ(C)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、及び
(E)ステップ(D)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与することを含む。
換言すると、プロトコル(4)は、組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体の第1用量を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与し、続いて、その第1用量の4週間後に、体重当たりの1mg/kgの量で、第2用量を投与することを含む。第2用量の後の4週間隔で、第3及び4用量が、体重当たりの3mg/kgの量で、当該患者に投与される。及び次いで、当該抗体の第4用量投与の4週間後に、第5容量が、体重当たりの6mg/kgの量で、当該患者に投与される。
プロトコル(4)は、約52週にわたり、約4週間隔で、合計で14回の用量が投与され、任意でその後の約4週間ごとの投薬が継続され、その結果、アミロイド関連画像異常(ARIA)に対する、当該患者の感受性を低下させるようにADを治療することを含んで良い。換言すると、第5用量の投与後の4週間目に、第6〜14用量が、4週間ごとの間隔で、体重当たりの6mg/kgの量で、当該患者に投与されて良い。いくつかの実施形態において、当該抗体は、少なくとも76週目まで、4週間ごとに、体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与され続ける。換言すると、いくつかの実施形態において、当該方法は、第5用量に続き4週間隔で、体重当たりの6mg/kgの量で、第6〜20用量がその患者に投与されることを含む。いくつかの実施形態において、第5用量の後、当該抗体は、4週間ごとに、体重当たり6mg/kgの量で、無期限にその患者に投与される。いくつかの実施形態において、体重当たりの6mg/kgでの最終用量に続いて、12週間隔で、当該患者に投与される抗体量は、体重当たりの3mg/kgに低減される。いくつかの実施形態において、この低減された用量は、52週目の後の12週間(すなわち、第14用量の後の12週間)で、当該患者に最初に投与され、他の実施形態において、この低減された用量は、76週目の後の12週間(すなわち、第20用量の後の12週間)で、当該患者に最初に投与される。いくつかの実施形態において、体重当たりの10mg/kgでの最終用量後に、当該患者に投与される抗体量は、4週間ごとに、体重当たりの1mg/kgに低減される。いくつかの実施形態において、この低減された用量は、52週目の後の4週間(すなわち、第14用量の後の4週間)で、開始され、他の実施形態において、この低減された用量は、76週目の後の4週間(すなわち、第20用量の後の4週間)で、開始される。
プロトコル(4)のいずれの実施形態においても、当該抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含んで良く、ここでそのVHは、アミノ酸配列配列番号3を伴う第1相補性決定領域(VHCDR1)、アミノ酸配列配列番号4を伴うVHCDR2、及びアミノ酸配列配列番号5を伴うVHCDR3を含み、及びここでそのVLは、アミノ酸配列配列番号6を伴うVLCDR1、アミノ酸配列配列番号7を伴うVLCDR2、及びアミノ酸配列配列番号8を伴うVLCDR3を含む。プロトコル(4)の好ましい実施形態において、当該抗体には、IgG1定常領域を含む。プロトコル(4)の特に好ましい実施形態において、当該VHは、配列番号1を含み、及び当該VLは、配列番号2を含む。
プロトコル(5)として指定される、本発明におけるさらに他の特に好ましいプロトコルは、
(A)当該組み換え、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(B)ステップ(A)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(C)ステップ(B)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(D)ステップ(C)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(E)ステップ(D)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(F)ステップ(E)の4週間後に、当該抗体を、当該患者の体重当たりの3mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(G)ステップ(F)の後に4週間ごとの連続した間隔で、当該抗体を、当該患者の体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(H)ステップ(G)の後に4週間ごとの連続した間隔で、当該抗体を、当該患者の体重当たりの、6mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(I)ステップ(H)の後に4週間ごとの連続した間隔で、当該抗体を、当該患者の体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(J)ステップ(I)の後に4週間ごとの連続した間隔で、当該抗体を、当該患者の体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与すること、
(K)ステップ(J)の後に4週間ごとの連続した間隔で、当該抗体を、当該患者の体重当たりの6mg/kgの量で、その患者に投与すること、及び
(L)ステップ(K)の後に4週間ごとの連続した間隔で、当該抗体を、当該患者の体重当たりの10mg/kgの量で、その患者に投与することを含む。
換言すると、プロトコル5は、組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドβモノクローナル抗体の第1用量を、当該患者の体重当たりの1mg/kgの量で、その患者に投与すること、それに続いて、その第1用量の4週間後に、体重当たりの1mg/kgの量で、第2用量を投与することを含む。第2用量後の4週間隔で、抗体の第3、4、5及び6用量が、体重当たりの3mg/kgの量で、当該患者に投与される。第6用量の投与後に4週間の間隔で、第7、8、9、10及び11用量が、体重当たりの6mg/kgの量で、当該患者に投与される。及び次いで、第11用量の投与後の4週間で、当該抗体の第12用量が、体重当たりの10mg/kgの量で、当該患者に投与される。
プロトコル(5)は、約52週にわたり、約4週間隔で、合計で14回の用量が投与され、任意でその後の約4週間ごとの投薬が継続され、その結果、アミロイド関連画像異常(ARIA)に対する、当該患者の感受性を低下させるようにADを治療すること、を含んで良い。換言すると、第12用量の投与後の4週間目に、第13〜14用量が、4週間ごとの間隔で、体重当たりの10mg/kgの量で、当該患者に投与されて良い。いくつかの実施形態において、当該抗体は、少なくとも76週目まで、4週間ごとに、体重当たりの10mg/kgの量で、その患者に投与され続ける。換言すると、いくつかの実施形態において、当該方法は、第12用量に続き4週の間隔で、体重当たりの6mg/kgの量で、第13〜20用量がその患者に投与されることを含む。いくつかの実施形態において、第12用量の後、当該抗体は、4週間ごとに、体重当たり10mg/kgの量で、無期限でその患者に投与される。いくつかの実施形態において、体重当たりの10mg/kgでの最終用量後に、当該患者に投与される抗体量は、4週間ごとに、体重当たりの3mg/kgに低減される。いくつかの実施形態において、この低減された用量は、52週目の後の12週間(すなわち、第14用量の後の12週間)で、当該患者に最初に投与され、他の実施形態において、この低減された用量は、76週目の後の12週間(すなわち、第20用量の後の12週間)で、当該患者に最初に投与される。いくつかの実施形態において、体重当たりの、10mg/kgでの最終用量後に、当該患者に投与される抗体量は、4週間ごとに、体重当たりの1mg/kgに低減される。いくつかの実施形態において、この低減された用量は、52週目の後の4週間(すなわち、第14用量の後の4週間)で、開始され、他の実施形態において、この低減された用量は、76週目の後の4週間(すなわち、第20用量の後の4週間)で、開始される。
プロトコル(5)のいずれの実施形態においても、当該抗体には、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含んで良く、ここでそのVHは、アミノ酸配列配列番号3を伴う第1相補性決定領域(VHCDR1)、アミノ酸配列配列番号4を伴うVHCDR2、及びアミノ酸配列配列番号5を伴うVHCDR3を含み、及びここでそのVLは、アミノ酸配列配列番号6を伴うVLCDR1、アミノ酸配列配列番号7を伴うVLCDR2、及びアミノ酸配列配列番号8を伴うVLCDR3を含む。プロトコル(5)の好ましい実施形態において、当該抗体には、IgG1定常領域を含む。プロトコル(5)の特に好ましい実施形態において、当該VHは、配列番号1を含み、及び当該VLは、配列番号2を含む。
ApoE4保因者及び非保因者に対する例示的な投薬計画を、実施例8の表10及び図10に記載する。
これらの特に好ましいプロトコルは、安全性の要求と共に効果を最適化する。本発明の好ましい実施形態において、血管原性浮腫(VE)に対する当該患者の感受性が減少され、または脳の微小出血(mH)に対する当該患者の感受性が減少され、またはVE及びmHの両方が、当該患者において減少される。
これらの好ましいプロトコルの変形もまた、可能である。一定間隔の投薬で、当該患者の体重当たりの1mg/kgの複数回用量、それに続く一定間隔の投薬で、3mg/kgの複数回用量の投薬計画を、採用することができる。例えば、投薬計画は、4週間隔の投薬で、当該患者の体重当たりの1mg/kgの2回用量、それに続く4週間隔の投薬で、3mg/kgの4回用量を含む。この投薬計画の他の例は、4週間隔の投薬で、当該患者の体重当たりの1mg/kgの2回用量、それに続く治療終了までの4週間隔の投薬で、3mg/kgの複数回用量を含む。この投薬計画の他の例は、4週間隔の投薬で、当該患者の体重当たりの1mg/kgの4回用量、それに続く治療終了までの4週間隔の投薬で、3mg/kgの複数回用量を含む。ARIAが一般に、第2と第5用量の間で発生することを考えると、この簡略化されたプロトコルは、さらなる安全性の余地を与えることができる。この状況において、患者に対して、用量設定を6mg/kgに継続する必要はく、しかしむしろこの用量の増加を、当該患者の体重当たりの約3mg/kgで停止することができる。
これら好ましい実施形態の他の変形は、一定間隔の投薬で、当該患者の体重当たりの1mg/kgの複数回用量を含み、それに続く一定間隔での、3mg/kgの複数回用量を取り入れることができ、及び治療が終了するまでの一定間隔で、当該患者の体重当たりの6mg/kgの最後の複数回用量を含む。この投薬計画の例は、4週間隔の投薬で、当該患者の体重当たりの1mg/kgの2回用量を含み、それに続く4週間隔での、3mg/kgの4回用量を用いることができ、及びその治療が終了するまでの、当該患者の体重当たりの6mg/kgの最後の複数回用量を含む。
本発明のさらなる実施形態において、当該患者に対する、当該モノクローナル抗体の用量設定は、仮に当該患者が、この用量設定ステップ無しで適切な応答性を表わすならば、免除され得る。この状況において、例えば、ApoE4保因者には、当該患者の体重当たりの1mg/kgまたは3mg/kgの当該モノクローナル抗体の用量を投与でき、及びApoE4非保因者には、当該患者の体重当たりの3mg/kgまたは6mg/kgまたは10mg/kgの用量を投与できる。約52週にわたり、約4週間隔で、合計で14回の用量が投与され得て、任意でその後の約4週間ごとの投薬が継続され、その結果、アミロイド関連画像異常(ARIA)に対する、当該患者の感受性を低下させるようにADを治療することができる。
組成物
当該BIIB037抗体は、医薬品組成物として製剤化できる。本発明に採用される当該医薬品組成物は、当技術分野で公知の方法に従って製剤化でき、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2000)by the University of Sciences in Philadelphia,ISBN 683−306472を参照のこと。当該組成物はさらに、薬学的に許容されるキャリアーを含むことができる。適切な薬学的担体の例は、当技術分野では公知であり、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、油/水エマルジョンなどエマルジョン、多様なタイプの湿潤剤、滅菌溶液などを含む。
さらに、当該医薬品組成物は、追加の薬剤を含んで良い。例えば、アルツハイマー病の治療に使用する追加の薬剤は、小有機分子、他の抗Aベータ抗体、抗タウ抗体、及びそれらの組合せから成る群から選択され得る。
当該組成物の投与は、異なる方法、例えば静脈内、腹腔、皮下、筋肉、局所、または皮内投与によって達成することができる。
AD症状の測定及び減少
アルツハイマー病のリスク、存在、重症度、及び進行の測定は、患者の全体的な機能レベルの評価、日常生活の能力または行動欠損の評価、脳構造の容積分析、脳内の異常タンパク質の病理学的沈着物の生体内測定(例えば PETベータ−アミロイド画像診断)、または体液中の生化学変数(例えばタウタンパク質またはAベータペプチド)、及び本疾患の自然な経過または病歴との比較による、経時的な臨床診断によって決定され得る。
次の臨床評価を、患者のアルツハイマー病の進行ステージの決定に採用できる:CDR、FCSRT、Neuropsychiatric Inventory−Questionnaire(神経精神目録−質問票(NPI−Q))、及びRey Auditory Verbal Learning Test(レイ聴覚性言語学習検査(RA VLT))Immediate and Delayed Recall(即時及び遅延記憶)を含む、神経心理学的評価バッテリー、Wechsler Memory Scale(ウェクスラー記憶検査法(WMS))、Verbal Pair Associate Learning Test Immediate and Delayed Recall(口頭ペア共同習検査・即時及び遅延記憶)、Delis−Kaplan Executive Function System Verbal Fluency Conditions 1 and 2(エディス・カプラン高度機能システム口頭流暢性の症状1及び2)、及びWechsler Adult Intelligence Scale Fourth Edition Symbol Search and Coding Subsets(ウェクスラー成人知能検査第4版・記号検索および符号化のサブセット)、ならびにCognitive Drug Research computerized test battery(認知薬物研究のコンピュータ化評価バッテリー)。
好ましい診断計画は、Clinical Dementia Rating(臨床認知症評価(CDR))尺度、神経心理学の評価バッテリー、Cognitive Drug Research computerized test battery(認知薬物研究のコンピュータ化評価バッテリー)、Free and Cued Selective Reminding Test(自由及び手掛かり選択的再認識検査(FCSRT))、Mini Mental State Examination(ミニメンタルステート検査(MMSE))、Columbia Suicide Severity Rating Scale(コロンビア自殺深刻度評価尺度(C−SSRS))、Neuropsychiatric Inventory−Questionnaire(神経精神目録−質問票(NPI−Q))において、基準からの変化を決定することを含む。
バイオマーカーが、ADを定義し、及びそのスペクトルに属す疾患のステージ化にとって不可欠なものとして浮上してきた。バイオマーカーの表現型は、臨床表現型と、アミロイド斑、神経原線維変化、炎症、及び神経変性などの病理表現型の間のギャップを埋めることができる。ADのバイオマーカーには、ApoEアイソタイプ、CSF Aβ42、アミロイドPET、CSFタウ、及び海馬容積(HCV)MRIを含む。
脳のある特定の領域におけるアミロイド斑の蓄積量は、18F−AV−45 PETによって、測定できる。18F−AV−45は、Avid Radiopharmaceuticals社(Philadelphia,Pennsylvania)によって開発されたアミロイドのリガンドである。それは、高い親和性を持つ線維状Aβに結合する(Kd=3.1nM)。18F−AV−45のPET画像診断を伴う結果は、ADの患者は、アミロイド沈着が高いと予想される脳領域において、トレーサーの選択的保持力を示し、その一方で健康な対照は、最小の皮質のトレーサー情報だけを伴って、これらの領域からの急速な消滅を示した。ADと年齢の対応した対照の対象間で、18F−AV−45の平均摂取に、著しい違いが認められた。18F−AV−45のPET画像診断の試験―再試験変動率は、AD患者及び認知的に健康な対照者の両者において、低い(5%を下回る)。その18F−AV−45画像の視覚的解釈及び皮質が摂取する平均定量予測値は、免疫組織化学的および銀染色の神経プラークスコアによって測定される、剖検でのアミロイド病理の存在及び量と相関している[Clark et al.2011]。
18F−AV−45の放射線被ばく線量は、典型的なPETリガンドの範囲内である。平均的なヒトの全身実効線量は、0.019mSv/MBqであると推定されている。注入当たり370MBqの線量はまた、良好な画像診断結果を生み出すと示されている。
ADの患者は、認知機能の機能障害の進行と関連する、局所グルコース代謝のFDG PET測定で、特徴的な減少を有する[Landau 2011、Mselke 1994]。グルコース代謝欠乏の進行を止めるBIIB037の効果は、FDG PET測定を利用して、定期的に評価され得る。FDGの放射線線量は、典型的なPETリガンドの範囲内である。平均的なヒトの全身実効線量は、0.019mSv/MBqであると推定されている。標準的なFDG画像診断プロトコルは、注入当たり185MBqの線量を使用する。本発明においては、患者は通常、各スキャンで最大185MBqまでを受け取る。
CSF中のAβ1〜42及びT−タウまたはP−タウレベルの測定は、ADの予測バイオマーカーとして、受け入れられてきている。タウ凝集の病状は、発病の非常に早期に起きる事象であることが、証拠で示唆されている。Duyckaerts(2011)Lancet Neurol.10,774−775,and Braak et al.,(2013),Acta Neuropath.,126:631−41。
アルツハイマー病関連バイオマーカーもまた、採用できる。これらには、非限定的に、血液中のピログルタミン酸化Aβ、Aβ40、及びAβ42、及びCSF中の合計タウ、リン酸化タウ、ピログルタミン酸化タウ、Aβ40、及びAβ42を含む。
形態学的MRI測定はまた、ADの評価を助けることができる。これらには、全脳容積、海馬容積、心室容積、及び皮質の灰白質の容積を含む。ASL−MRIにより測定される脳血流、及びtf−fMRIにより測定される機能的結合性を、当該評価のプロトコルに含めることができる。
本発明に従ったアルツハイマー病の患者の治療に対して、BIIB037抗体の使用は、1つ以上のこれらパラメーターの基準測定値からの改善をもたらし、少なくともADのそのステージから次のステージへの進行を予防しまたは遅らせる。
ARIAの測定及び減少
アルツハイマー病の患者は一般に、用量に依存した方法で、当該モノクローナル抗体に応答する。したがって、最大効果のためには高用量を使用することが有利である。しかし、当該抗体の用量を増やした場合、ARIAの発生率または割合が、ある特定の患者集団においては増加する可能性がある。本発明は、アルツハイマー病の治療を受けている、感受性の患者、特に当該モノクローナル抗体の高用量での治療を受けている患者、ならびにApoE4保因者において、ARIAの発生率を減らすことを可能にする。具体的には、本発明は、アミロイド関連画像異常−浮腫(ARIA―E)の発生率を低下させ、またはアミロイド関連画像異常−出血またはヘモジデリン沈着症(ARIA―H)、もしくはARIA−E及びARIA−Hの両方の低下を可能にする。
浮腫(ARIA―E)及び出血またはヘモジデリン沈着症(ARIA―H)を含む、アミロイド関連画像異常(ARIA)は、MRIによって容易に検出可能である(すなわち、流体減衰反転回復法(ARIA−Eに対してはFLAIR/T2、及びARIA−Hに対してはT2/勾配エコー))[Sperling 2012]。ARIA−Hを検出することにおいてT2/勾配エコーに比べて、潜在的により感度の良いMRI技術である、磁化率強調画像診断(SWI)[Sperling 2011]もまた、採用可能である。
血管原性浮腫の兆候は、T2強調での高強度信号、及び一般に白い物質に限定され、ならびにしばしば旋回性腫脹に関連するFLAIRシーケンスを含む。血管原性浮腫が存在する場合の症状には、頭痛、認知機能の悪化、意識の変化、発作、不安定、及び嘔吐を含む。
治療中はつねに臨床症状が無く、軽度ARIA−Eを発生している患者は、現在の用量を継続することができる。MRIは、そのARIA−Eが解消するまで、おおよそ4週間ごとに受けられる。MMSEは、そのARIA−Eが解消するまで、その患者に定期的に実施される必要がある。
つねに臨床症状が無く、中度または重度のARIA−Eを発生している患者の治療は、中断する必要がある。仮に、おおよそ4週間ごとに受けられる、MRIの繰り返し追跡において、そのARIA−Eが解消しており、及びその対象は、無症状のままである場合には、その患者は、その次に低い用量レベルで、治療を再開して良い。患者は、投薬の再開前に、そのARIA−Eが解消するまで、定期的にMMSEを受ける必要がある。
つねに、中度、重度、または重篤な臨床症状を伴って、軽度、中度、または重度のARIA−Eを発生している患者は、恒久的に治療を中止する必要がある。
ARIA−Hは、MRIによるモニターが可能であり、及び臨床的相関がない画像診断所見であると考えられている(すなわち、患者は、無症状である)[Sperling 2011]。特に、出血は、勾配エコー、T1強調、T2強調、及びFLAIRのMRIシーケンスを使用して検出可能である。微小出血は通常、無症状であり、一方大規模出血は、典型的には、血管原性浮腫に対するものを含む非特異的な症状と共に、影響を受けた脳の領域を反映した局所兆候及び症状を持つ。MRI取得の頻度は、安全にモニターする必要性にゆだねられる。
治療中無症状のARIA−H(4未満の微小出血の発生)を発生した患者は、いつでも現状の用量での治療を継続して良い。繰り返しのMRIを、安定したとみなされるまで、おおよそ2週間隔で受ける必要がある。対象は、そのARIA−Hが安定したとみなされるまで、定期的にMMSEを受ける必要がある。
軽度の臨床症状を伴うARIA−H(4未満の微小出血の発生)を発生した患者、または無症状もしくは軽度の臨床症状を持つ、一度のヘモジデリン沈着症(または脳表ヘモジデリン沈着症)の発症がある対象の治療は、中断する必要がある。繰り返しのMRIを、安定したとみなされるまで、おおよそ2週間隔で受ける必要がある。一旦、そのARIA−H(微小出血/ヘモジデリン沈着症)が安定したとみなされ、及びその臨床症状が解消すれば、その患者は、その次に低い用量レベルで、治療を再開して良い。患者は、そのARIA−H/ヘモジデリン沈着症が安定したとみなされるまで、定期的にMMSEを受ける必要がある。
中度、重度、または重篤の臨床症状、4超の微小出血の発生、すべての場合の大出血の発生、または1超のヘモジデリン沈着症の発症を伴って、ARIA−H(<4の微小出血の発生)を発生した対象は、恒久的に治療を中止する必要がある。
実施例1 生体内におけるBIIB037の毒性試験
Tg2576マウス及びカニクイザルを、BIIB037の毒性試験に使用した。これら2種の内、Tg2576マウスが、脳実質及び血管にアミロイド斑を蓄積しているので、このマウスを一次の薬理学的関連種とみなされた。
マウスにおける標準的な組織病理学的評価に加えて、微小出血を定量するために、ヘモジデリンのペリス染色 (ヘモグロビンの分解産物)を実施した。Tg2576マウス[Kumar−Singh et al.2005]を含む、ADのトランスジェニックマウスにおける背景所見[Winkler et al.2001]、及びいくつかの抗Aβ抗体で治療されたトランスジェニックマウスにおける薬剤関連所見[Pfeifer et al.2002、Racke et al.2005、Wilcock and Colton 2009]の両方として、微小出血が認められている。
実施例2 生体内における、BIIB037の短期試験
13週間の試験において、10または70mg/kgのch12F6A、もしくは500mg/kgのch12F6AまたはBIIB037のいずれかの、4週間ごとの用量を、Tg2576マウスに投与した。標準的な病理組織学的染色によって評価すると、70mg以上/kg/週を投薬した2匹のマウスに、微小の軽度急性出血が認められた。さらなる所見は、70mg以上/kg/週で処置したマウスにおける、対照動物と比べた、髄膜血管の炎症の発生率及び/または重症度のわずかな増加、及び500mg/kg/週で投薬した2匹の動物における血栓症の発生を含んでいた。6週間の無投薬の回復期間の終わりに、ch12F6A及びBIIB037で処置したマウスにおいて認められた発生率及び重症度の所見は、この研究中の対照群において認められた範囲内であった。
脳の標準的な組織病理に加えて、ペリス染色によって、微小出血の存在を評価したが、投薬13週間後の、ch12F6A/BIIB037及び対照治療群との間に、微小出血における有意差は無かった。
70mg/kg/週で、またはそれを上回って観察された、髄膜血管炎症の増加した発生率及び/または重症度ならびに急性出血は、10mg/kg/週の無毒性量(NOAEL)の決定に寄与した。
実施例3 生体内における、BIIB037の長期試験
6ヶ月試験において、10または40mg/kgのch12F6A、もしくは250mg/kgのch12F6AまたはBIIB037のいずれかの、4週間ごとの用量を、Tg2576マウスに投与した。主要及び回復期間中に評価したパラメーターのいずれにも、40mg以上/kgの投薬で、マウスの定常領域を含むキメラ12F6A(ch12F6A)で処置した、主要な及び早期死亡の動物の脳での、髄膜/脳血管の炎症の発生率及び/または重症度の組み合わせにおける僅かな増加ならびに血管肥厚、及び250mg/kgのch12F6Aで処置した動物の小集団における微小出血以外には、治療に関連する変化は無かった。
250mg/kgのBIIB037の静脈内注射による投与を毎週受けたTg2576マウスにおいて、処置に関連する所見は無く、髄膜/脳血管の炎症の発生率及び/または重症度の増加ならびに血管肥厚は無く、及びch12F6AまたはBIIB037の投与を受けた動物の脳での、多数の病巣及び/または微小出血の領域パーセントにおいて、統計的な有意差は無かった。
6週間の回復期間後、当該血管炎症または肥厚の発生率及び/または重症度は、治療及び対照群の全体にわたって類似していた。これら変化の潜在的な治療関連増悪を、完全に除外することできないが、脳における血管炎症、肥厚、及び増悪の可能性がある微小出血は、治療との曖昧な関連性、及び潜在的に、この疾患モデルだけに固有の、年齢に関連する進行性変化のためであると、考えられた。したがって、本試験から、NOAELは、250mg/kg/週である。
4週間のサルの試験では、処置に関連する所見は認められず、NOAELは、300mg/kg/週であった。
要約すると、BIIB037の毒性評価は、沈着したAβに対する当該抗体の結合に一貫した毒性プロファイルと一致した。
実施例4 生体内におけるアミロイドベータの減少
Tg2576マウスにおいて、ch12F6A(0.3mg/kgから30mg/kg)の長期間投与後に、脳アミロイドにおける用量に依存した減少が、認められた。3mg/kgで、著しいアミロイド減少が認められ、その最小有効用量であると判断され、及び有効性は、10mg/kgから30mg/kgの間で、高止まり状態に達すると思われた。Tg2576マウスの毒性試験(10mg/kg/週)の13週間で得られた無毒性量(NOAEL)を、安全域決定の目的に使用した。
BIIB037の1及び3mg/kgでの、ヒトにおける平均定常状態暴露量(AUC0〜4週間として計算)を、その非臨床NOAEL投薬暴露量(AUC0〜4週間として計算)の約12分の1及び4分の1として見積もる。10mg/kg用量後の、BIIB037の平均定常状態暴露量を、NOAEL投薬暴露量と同等であると見積もる。その最高用量の30mg/kgを、当該NOAEL暴露量の2〜3倍の平均定常状態暴露量、及び髄膜血管炎症の重症度がわずかに増加し、及び脳出血の発生が認められた場所での、70mg/kg用量での暴露量の3分の1に達すると見積もる。
実施例5 BIIB037を伴う臨床経験
第一の臨床試験は、軽度から中度ADの対象におけるBIIB037の安全性、忍容性、及び薬物動態(PK)の、第1相、無作為試験、盲検法、プラセボ対照の、単一漸増用量(SAD)試験である。このSAD試験に、53人の対象を登録した。
BIIB037の開始用量は、0.3mg/kgであり、500mg/kg(AUCTAU=402000μghr/mL)を与えられたTg2576マウスの平均暴露量を超えない、平均暴露(AUCinf)を与えると予測される用量である、60mg/kgまで増やした。最大で30mg/kgまでの用量(0.3、1、3、10、20、及び30mg/kg)が、一般に良好に受け入れられた。
症候を示すアミロイド関連画像異常−浮腫(ARIA―E)の2つの重篤有害事象(SAE)、及び無症候性のARIA―Eの1つの有害事象(AE)が、60mg/kg統計群で報告された。60mg/kg統計群へのさらなる登録を、試験プロトコルに従って終了した。SAD試験において、AEが原因の死亡及び離脱が報告された。BIIB037の血清暴露は、最大30mg/kgまでの用量で、直線的傾向を示した。
実施例6 A.ヒトAD対象における、BIIB037の第1b相臨床試験
第1b相臨床試験を実施した。この試験は、前駆から軽度ADの対象及び陽性アミロイドスキャンにおける、無作為試験、盲検法、プラセボ対照の、BIIB037の漸増用量研究である。この試験の一次評価項目は、安全性であった。二次評価項目は、18F−AV−45 PET画像診断によって測定された、脳アミロイド斑含有量への影響の評価を含んでいた。18F−AV−45 PET信号の基準からの変化を、ある特定の脳領域において評価した。探査評価項目で、その対象の認知を評価した。対象は、その患者の体重に基づいて、BIIB037の1、3、6、または10mg/kg、もしくはプラセボの投与を受けた。
B.予め特定した中間解析#1
予め特定した中間解析#1で、その1、3、及び10mg/kg群、ならびにプラセポ群に対する26週データを得た。
このAD対象を、無作為に、プラセボ、その患者の体重の1mg/kgでのBIIB037の投与を受ける者、その患者の体重の3mg/kgでのBIIB037の投与を受ける者、及びその患者の体重の10mg/kgでのBIIB037の投与を受ける者の4群に分けた。各群には、約31人の対象がいた。その対象の平均年齢は、約72歳(平均)であった。ApoE4保因者は、各々の群に、63%、61%、66%、及び63%含まれていた。
その対象のADの臨床ステージを評価した。前駆ADの対象は、各々の群に、47%、32%、44%、及び41%含まれていた。軽度ADの対象は、各々の群に、53%、68%、56%、及び59%含まれていた。
静的PET捕捉プロトコルを取り入れた。トレーサーを各対象に注入し、及び単一スキャンを実施した。このトレーサーは、AV45、原線維Aβ斑標的化PETリガンドであった。
このアミロイドPET画像診断プロトコルの結果は、PET画像診断に使用したβ−アミロイドリガンドの摂取量の測定値であり、及びβ−アミロイドの存在量に対応する標準摂取比として表した。この標準化摂取率比は、参照領域に対する標的領域の比率をとることによりPET信号を正規化する。標的領域において、特異的結合及び結合信号の変化は、治療に誘導された薬理の改変を反映している。参照領域において、非特異的結合は、その治療の効果が無いことを示している。
アミロイドの用量に依存した減少が認められた。26週目に、3mg/kg及び10mg/kgにおいて認められた、統計的に有意な減少があった。この効果は、対象の小規模の集団に基づき、54週まで継続するようであった。明確なApoE修復の効果は、認められなかった。より高い基準の標準化摂取率を伴った対象に、より高い効果が認められた。
当該治療の安全性及び忍容性を評価した。有害事象は一般に、軽度または中度であった。頭痛が、もっとも一般的な有害事象であり、及び用量に依存性していると思われた。化学的、血液、尿、心電図、または重要な兆候における有意な変化は無かった。27人の対象が、ARIA−EまたはARIA−E/Hを示した。
BIIB037の高用量で及びApoE4送達を伴って、ARIAのより高い発生率が認められた。同型及び異型のE4保因者は、ARIAに対して、同様のリスクがあると思われた。
ARIA−Eの発症は、一般に治療過程の早期に発生した。ARIA−Eは、3〜5回の投薬(18週目または10週目)後の、1及び3mg/kgの用量で発生した。その5回目の投薬後に、こうしたケースは、検出されなかった。ARIA−Eは、2回投薬(6週目)後及び30週目の、6及び10mg/kgの用量で発生し、画像診断所見は一般に、4〜12週間で解消し、ARIA−Eが、可逆的であることを示している。
ARIA−Hの事象を持つ全ての対象はまた、ARIA−E事象も有していた。3mg/kgおよび10mg/kgでの治療群の各々において、ARIA−Eの発生率が、ARIA−Hの発生率に比べてより高かった。1mg/kg用量の投与を受けた群における各事象の発生率は、同じであった。
C.予め特定された中間解析#2
予め特定された中間解析#2で、その1、3、及び10mg/kg群、ならびにプラセポ群に対する54週データを得て、同様に6mg/kg群に対する26週データを得た。
図1は、治療群の各々に対して観測されたデータに基づく、その時点での平均のPET合成画像の標準化摂取率の値(SUVR)を示す。図1は、基準点から26週目の間に、BIIB037抗体の投与を受けた治療群の各々において、アミロイド蓄積量の減少があったことを示す。26種目から54週目の間に、BIIB037の投与を受けた治療群の各々において、アミロイド蓄積量のさらなる減少があった。プラセボ群は、アミロイド蓄積量に、対応する減少を示さなかった。
図1はまた、BIIB037の投与によるアミロイド蓄積量の減少は、用量に依存していたことを示す。BIIB037のより高い用量は、アミロイドスキャンを使用した脳において、より多くのアミロイドの減少を伴っていた。プラセボ群では、同様の効果は認められなかった。
図2は、基準の臨床ステージ、すなわち前駆または軽度ADによる、26週目での、基準のPET合成画像のSUVRからの調整後の平均変化を示す。図2は、観察されたデータに基づく。図2は、このアミロイドスキャンにおいて、アミロイド減少は、用量に依存していたことを示す。
図3は、対象のApoE4状態別の、アミロイド蓄積量の減少を示す。保因者群及び非保因者群の両方が、そのプラセボと比べてアミロイド蓄積量の減少を示した。各ケースにおいて、その減少は、用量に依存していた。
本試験における、ARIA−E及び/またはARIA−Hの発生率を予測した。その結果を、図4に示す。ApoE4保因者及びApoE4非保因者におけるARIAの発生率もまた、図4に報告する。この発生率は、6及び10mg/kgで、用量に依存し及びこのApoE4送達に依存していた。ARIA−Eの発症は通常、その治療過程の早期であった。ARIA−Eは一般に、可逆性である。ARIA−Hは、安定であった。画像診断所見は一般に、4〜12週で解消した。
D.患者の認知力の臨床評価
治療される患者におけるアルツハイマー病の症状の変化の指標として、臨床評価を取り入れた。特に、the Clinical Dementia Rating(臨床的認知症判定(CDR))及びthe Mini Mental State Examination(ミニメンタルステート検査(MMSE))で、基準からの変化を決定した。観察されたデータに基づいたこれら評価の結果を、図5及び6にまとめた。
図5は、1mg/kg、3mg/kg、または10mg/kgのBIIB037抗体の投与を受けた患者の母集団と比べた、プラセボ投与を受けた患者と比較した、CDR−SBの基準からの調整後平均変化を示す。測定は、特定用量での治療の54週目に行った。
図6は、1mg/kg、3mg/kg、または10mg/kgのBIIB037抗体の投与を受けた患者母集団と比べた、プラセボ投与を受けた患者と比較した、MMSEの基準からの調整後平均変化を示す。測定は、特定用量での治療の54週目に行った。
実施例7 前駆または軽度アルツハイマー病の患者における、アデュカヌマブ(BIIB037)、抗Aβモノクローナル抗体の無作為、二重盲検、プラセボ対照の第1b相試験:疾患ステージ及びApoEε4状態による中間結果
アデュカヌマブ(BIIB037)は、可溶性オリゴマー及び不溶性原線維を含む、ベータ−アミロイド(Aβ)ペプチドの凝集形態に対して選択的な、ヒトモノクローナル抗体である。アデュカヌマブの単一漸増用量試験は、最大30mg/kg用量での、軽度から中度ADの患者において、許容される安全性を示した。この第1b相試験では、前駆または軽度ADの患者における、アデュカヌマブの安全性、忍容性、薬物動態(PK)、及び薬力学を評価した。
目的は、疾患ステージ及びApoEε4状態によって、アデュカヌマブによる、暫定的な安全性及びAβの除去(フロルベタピル[18−AV−45]ポジトロン放出断層撮影法[PET]の結果における変化)を提供することであった。
試験設計
PRIMEは、多施設、無作為試験、二重盲検法、プラセボ対照試験の、複数回投薬試験である[NCT01677572]。
患者は、50〜90歳の年齢であり、決まった併用薬を有しており、ミニメンタルステート検査(MMSE)で20以上のスコアを有しており、及び以下の臨床及び放射線の基準を満たしていた。
・前駆AD:MMSEが24〜30の自発的な記憶障害、Free and Cued Selective Reminding Test(自由及び手掛かり選択性再認識検査)で27以下の総自由想起スコア、グローバルClinical Dementia Rating(臨床認知症評価)(CDR)で0.5のスコア、その他の認知ドメインにおいて著しい障害レベルが無い、本質的に保存された日常生活の活動及び認知症では無く、視覚的評価で陽性のフロルベタピルPETスキャン結果を有していた。
・軽度AD:MMSEで20〜26、グローバルCDRで0.5または1.0、National Institute on Aging−Alzheimer’s Association(老化に関する米国立学会−アルツハイマー病協会)の推定ADに対する中核臨床基準に合致しており、視覚的評価で陽性のフロルベタピルPETスキャン結果を有していた。
当該PRIME試験設計を、図14に示す。患者(計画ではN=188)を、無作為に、有効対プラセボが3対1の比率で、時間差、漸増用量設計で、9つの治療群(目標登録数:有効治療群当たりn=30)の1つに振り分けた。一次及び二次評価項目を、図15に提供している。このPRIME評価の時系列を、図16に示す。PRIMEは、進行中である。中間解析のために、当該1、3、及び10mg/kgの治療群に対しては54週目に、及び当該6mg/kgの治療群に対しては30週目に、データを解析した。
患者
166人の患者の内、無作為で、165人に投薬し、107人(65%)が、ApoEε4保因者で、及び68人(41%)が、前駆ADであった。患者の配分状況を、図17に示す。図18に示すように、基準の人数統計データ及び疾患の特徴は、治療群全般にわたって、一般的にバランスが取れていた。
安全性
有害事象(AE)は、治療群全体の患者の84%〜98%と報告された。最も一般的なAE及び重篤AE(SAE)は、アミロイド関連画像異常(ARIA:MRIに基づく)であり(表9)、他のAE/SAEは、その患者集団と一致していた。図19には、ARIA所見及びARIE−Eにおける患者の配分状況の概要を与える。
3人の患者の死亡が報告され(プラセボで2人、10mg/kgのアデュカヌマブで1人)、治療との関連とみなされた者はいなかった(2人は、試験の中止後に発生した)。
孤立したARIA−浮腫(ARIA−E)の発生率は、用量及びApoEε4状態に依存していた(図19)。
・ApoEε4保因者間でのARIA−Eの全発生率は、1、3,6、及び10mg/kgのアデュカヌマブの各々において、プラセボの0%に対して、5%、5%、43%、及び55%であった。
・ApoEε4非保因者間での相応する発生率は、プラセボの0%に対して、0%、9%、11%、及び17%であった。
・孤立したARIA−微小出血/ヘモジデリン沈着症(ARIA−H)の発生率は、用量及びApoEε4状態の全般において類似していた(データは示されていない)。
小さなサンプルサイズに基づくと、ApoEε4状態で説明する場合、前駆及び軽度ADの患者間で、ARIA−Eの発生率に、明確な差は無かった(図19)。
ARIE−E事象のほとんど(92%)は、最初の5回投薬内で認められ、ARIA−E事象の65%は、無症状であった。
・存在する場合、症状は普通、4週間以内に解消された。
・MRI所見は通常、4〜12週間以内に解消された。
ARIA−Eを発達させた患者(54%)の大半は、治療を継続した(継続した者の93%は、低減した用量で実施した)。再発ARIA−Eを発生した患者はいなかった。ARIA−Eの患者における治療の中断は、軽度及び前駆の二次群の全般に一貫していた(データは示されていない)。
化学的、血液、尿、心電図、または重要な兆候において、著しい変化は無かった。
脳Aβ斑の減少
脳Aβ斑の減少を、前頭、頭頂、外側側頭、感覚運動野、前帯状、及び後帯状の6領域の容積からの複合SUVRによって評価した。
26週目及び54週目での、脳Aβ斑の用量及び時間に依存した減少(SUVR減少によって裏付けられる)は、図7に示すように、試験用量内で、一般的に軽度及び前駆ADの二次群全般、ならびにApoEε4保因者及び非保因者の全般に一貫していた。
臨床評価項目
1年での探査評価項目、MMSE(図8)及びCDR−sb(図9)における低下が、統計的に有意に、用量に依存して緩慢になった。
結論
プラセボに対して、PET画像診断によって測定した脳Aβ斑の、用量及び時間に依存した著しい減少があった。この効果は、治療の6か月後及び1年後でも明白であった。
Aβ斑の減少における、プラセボに対するアデュカヌマブの効果のパターンは一般に、疾患ステージ及びApoEε4状態全般において一貫していた。
MMSE及びCDR−sbにおける低下の、統計的に有意な容量に依存した緩慢化が、1年後に認められた。
アデュカヌマブは、54週にわたり許容される安全性プロファイルを示した。ARIAは、主要な安全性及び忍容性の所見であり、及びモニターでき、ならびに管理できた。ARIAの発生率は、用量及びApoEε4状態に依存していた。ARIAは通常、治療過程の初期に認められ、及び無症状、または軽度な、一過性の症状であった。
中間解析#3
中間解析#3は、当該6mg/kgの治療群及び対応するプラセボの治療群(当該解析のために集められたプラセボ集団に組み込まれている)に対する、54週までのデータを含む。
脳Aβ斑の減少
脳Aβ斑の減少を、前頭、頭頂、外側側頭、感覚運動野、前帯状、及び後帯状の6領域の容積からの複合SUVRによって評価した。図11に示すように、54週で、脳Aβ斑の用量に依存した減少があった(SUVR減少により裏付けられる)。
臨床評価項目
1年での探査評価項目、MMSE(図13)及びCDR−sb(図12)における低下が、統計的に有意に、用量に依存して緩慢になった。
実施例8 早期アルツハイマー病の患者における、アデュカヌマブ(BIIB037)の有効性及び安全性を評価するための、第3相、多施設、無作為試験、二重盲検法、プラセボ対照による並列群試験
ADにより軽度な認知力障害(MCI)を持つ対象及び軽度ADのサブ群を含む、早期ADの患者において、プラセボと比べたアデュカヌマブの有効性及び安全性を評価するための試験を行った。
本研究のために選択した投薬治療計画は、脳アミロイドの排除に対して観察されたPKとPDの関係、及びCDR−SBならびにMMSEでの効果、安全性、忍容性、及びPDデータに基づいた。
アデュカヌマブでの治療で認められた、脳アミロイド蓄積量の用量及び時間に依存した減少は、投薬6か月後の3、6、及び10mg/kg用量、及び投薬12か月後の3及び10mg/kg用量で統計的に有意であった。投薬12か月後の、CDR−SBにおける基準からの平均減少における効果は、3及び10mg/kgの両方において認められ、10mg/kgで統計的有意に達した。MMSEスコアにおける基準からの平均低下における効果は、3及び10mg/kgで統計的に有意であった。これらのデータは、3kg/kgは、許容用量であるが、しかしながら、これらの所見の用量に依存する性質を考えると、より高い用量(6及び10mg/kg)の使用が、許容可能リスクで、より大きな利点を与えることを示す。
ARIAは、抗アミロイド標的候補薬で引き起こされる可能性がある事象であると特定され、及び特に関心の高い事象であると考えられている。これまでに、ARIAの発生率は、用量及びApoEε4送達の両方に依存し、特にその最大容量で観察されている。
ARIA発生率、重症度、及び許容レベル範囲内の関連中断率を維持しつつ、3mg/kg及びそれより高い用量で観察されたCDR−SBならびにMMSEにおける用量に依存した減少及び効果を最大とするために、用量設定の治療計画を用いる。
アデュカヌマブの忍容性及び明らかな有効性を考えると、用量設定治療計画に使用する用量は、ApoEε4保因者に対しては3及び6mg/kgであり、ならびにApoEε4非保因者に対しては6及び10mg/kgである。用量設定は、以下に詳細を示すように、1mg/kgで開始し、及び3、6及び10mg/kgに増加する。
投薬スキーム
プラセボ対照期間
用量を、おおよそ76週にわたり、約4週間隔で投与する(合計で20回投薬)。対象を、ApoEε4保因者状態に基づいて、以下(表4及び図10を参照)のように、1対1対1(アデュカヌマブの低用量対アデュカヌマブの高用量対プラセボ)の比率で、3治療群(各450対象)の1つに割り当てる。
ApoEε4保因者
・低用量(3mg/kg)
最初の2回の用量に対しては1mg/kg、それ以降は3mg/kg
・高用量(6mg/kg)
最初の2回の用量に対しては1mg/kg、次の4回の用量に対しては3mg/kg、及びそれ以降は6mg/kg
・プラセボ
生理食塩水注入

ApoEε4非保因者
・低用量(6mg/kg)
最初の2回の用量に対しては1mg/kg、次の4回の用量に対しては3mg/kg、及びそれ以降は6mg/kg
・高用量(10mg/kg)
最初の2回の用量に対しては1mg/kg、次の2回の用量に対しては3mg/kg、次の2回の用量に対しては6mg/kg、及びそれ以降は10mg/kg
・プラセボ
生理食塩水注入
投薬スキームの修正
以下の環境においては、当該投薬を修正できる。
・高用量の安全性及び忍容性
当該高用量(ApoEε4非保因者における10mg/kg、及びApoEε4保因者における6mg/kg)のいずれかが受け入れらない場合、その高用量群(複数可)の登録を終了することができ、及び対象を差し替えない。その中断した用量に対して、無作為割り当てされた対象は、そのApoEε4保因者状態に従って、その次に可能な用量へと用量を減らす。
・用量設定
用量設定が有益でない場合、それを除き、及びその後に、ApoEε4保因者である対象は、3または6mg/kgの固定用量の投与を受け、及び非保因者は、6または10mg/kgで投与を受ける。
長期延長(LTE)
プラセボ対照期間に、アデュカヌマブの投与を受け、及びLTEに入った対象は、そのプラセボ対照期間の最後に彼らが受け取ったアデュカヌマブと同じ用量で、投与が継続される。対象は、そのプラセボ対照期間に対して記述されたものと同じ治療計画を使用して、投薬される(表4及び図10を参照)。その投薬スキームの修正(すなわち、高用量群の終了及び固定投薬で用量設定を入れ替え)を、そのLTEで実施する。
低下した認知力及び機能障害におけるアデュカヌマブの月用量の有効性を、そのCDR−SBスコアにおける変化によって測定する。
二次測定は、そのMMSEによって測定された臨床進行において、アデュカヌマブの月用量の効果を評価することである。この測定に関する評価項目は、78週目でのMMSEスコアにおける基準からの変化である。
他の二次測定は、ADAS−Cog13によって測定された臨床進行において、アデュカヌマブの月用量の効果を評価することである。この測定に関する評価項目は、78週目でのADAS−Cog13スコアにおける基準からの変化である。
他の二次測定は、ADCS−ADL−MCIによって測定された臨床進行において、アデュカヌマブの月用量の効果を評価することである。この測定に関する評価項目は、78週目でのADCS−ADL−MCIスコアにおける基準からの変化である。
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Claims (68)

  1. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    組み換えで、完全ヒトの、抗アミロイドベータモノクローナル抗体の複数回用量を、一定期間にわたり増加する量で、前記患者に連続して投与することを含む、
    前記方法。
  2. 前記患者の体重当たりの1mg/kgの複数回用量が、一定間隔で前記患者に投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者の体重当たりの3mg/kgの複数回用量が、一定間隔で前記患者に投与される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記患者の体重当たりの6mg/kgの複数回用量が、一定間隔で前記患者に投与される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記間隔の各々が、約4週間である、請求項2、3、または4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記患者の体重当たりの1mg/kgの1〜5回用量が、前記患者に投与され、
    前記患者の体重当たりの3mg/kgの1〜5回用量が、前記患者に投与され、
    前記患者の体重当たりの6mg/kgが、治療の終了まで前記患者に投与される、
    請求項4に記載の方法。
  7. 血管原性浮腫(VE)に対する前記患者の感受性が、低減される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 微小出血(mH)に対する前記患者の感受性が、低減される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記治療が、前記患者において、ADまたはその症状を、完全にもしくは部分的に予防するための予防法である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記治療が、前記患者において、ADまたはADが原因となっている症状を、完全にもしくは部分的に治すための治療法である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  11. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    (A)組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (B)ステップ(A)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (C)ステップ(B)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (D)ステップ(C)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (E)ステップ(D)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (F)ステップ(E)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (G)ステップ(F)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること、及び
    (H)ステップ(G)の後に4週間ごとの連続した間隔で、前記抗体を、前記患者の体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    を含み、ここで約52週間にわたり、約4週間間隔で、14回の用量を投与し、
    それにより、アミロイド関連画像異常(ARIA)への前記患者の感受性を減らす、
    前記方法。
  12. 血管原性浮腫(VE)に対する前記患者の感受性が、低減される、請求項11に記載の方法。
  13. 微小出血(mH)に対する前記患者の感受性が、低減される、請求項11〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記治療が、前記患者において、ADまたはその症状を、完全にもしくは部分的に予防するための予防法である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記治療が、前記患者において、ADまたはADが原因となっている症状を、完全にもしくは部分的に治すための治療法である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
  16. 投与が、静脈内で実施される、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記モノクローナル抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、
    ここで前記VHが、アミノ酸配列配列番号3を伴う第1相補性決定領域(VHCDR1)、アミノ酸配列配列番号4を伴うVHCDR2、及びアミノ酸配列配列番号5を伴うVHCDR3を含み、
    及びここで前記VLが、アミノ酸配列配列番号6を伴うVLCDR1、アミノ酸配列配列番号7を伴うVLCDR2、及びアミノ酸配列配列番号8を伴うVLCDR3を含み、
    ここで前記抗体がさらに、ヒトIgG1定常領域を含む、
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記モノクローナル抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、
    ここで前記VHが、配列番号1を含み、及び
    前記VLが、配列番号2を含む、
    請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 体重当たりの3mg/kgの固定用量が、4週間ごとに、前記患者に投与される、請求項1、7、または8のいずれか1項に記載の方法。
  20. 体重当たりの6mg/kgの固定用量が、4週間ごとに、前記患者に投与される、請求項1、7、または8のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記患者が、ApoE4保因者であり、及び体重当たりの6mg/kgの固定用量が、4週間ごとに、前記患者に投与される、請求項1、7、または8のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記患者が、ApoE4非保因者であり、及び体重当たりの10mg/kgの固定用量が、4週間ごとに、前記患者に投与される、請求項1、7、または8のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記患者が、ApoE4保因者または及びApoE4非保因者であり、ならびに前記方法が、
    (A)組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (B)ステップ(A)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (C)ステップ(B)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (D)ステップ(C)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (E)ステップ(D)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (F)ステップ(E)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (G)ステップ(F)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること、及び
    (H)ステップ(G)の後に4週間ごとの連続した間隔で、前記抗体を、前記患者の体重当たりの6mg/kgの量で無期限に、前記患者に投与する
    ことを含む、
    請求項1、7、または8のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記患者が、ApoE4保因者である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記患者が、ApoE4非保因者である、請求項23に記載の方法。
  26. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    (A)組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (B)ステップ(A)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (C)ステップ(B)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (D)ステップ(C)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (E)ステップ(F)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること、及び
    (F)ステップ(F)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること、ならびに
    (G)ステップ(F)の後に4週間ごとの連続した間隔で、前記抗体を、前記患者の体重当たりの10mg/kgの量で無期限に、前記患者に投与すること
    を含み、
    ここで前記患者が、ApoE4非保因者である、
    前記方法。
  27. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    (A)前記組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (B)ステップ(A)の4週間後に、前記抗体を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、及び
    (C)ステップ(B)の後に4週間ごとの連続した間隔で、前記抗体を、前記患者の体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    を含み、
    ここで前記患者が、ApoE4保因者である、
    前記方法。
  28. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体の複数回用量を、一定期間にわたり、前記患者に投与する
    ことを含み、
    ここで前記患者が、ApoE4保因者であり、及び前記モノクローナル抗体が、前記患者の体重当たりの1mg/kgまたは3mg/kgの有効量で投与される、
    前記方法。
  29. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    組み換え、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体の複数回用量を、一定期間にわたり、前記患者に投与すること
    を含み、
    ここで前記患者が、ApoE4非保因者であり、及び前記モノクローナル抗体が、前記患者の体重当たりの3mg/kgまたは6mg/kgもしくは10mg/kgの有効量で投与される、
    前記方法。
  30. 前記モノクローナル抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、
    ここで前記VHが、アミノ酸配列配列番号3を伴う第1相補性決定領域(VHCDR1)、アミノ酸配列配列番号4を伴うVHCDR2、及びアミノ酸配列配列番号5を伴うVHCDR3を含み、及び
    ここで前記VLが、アミノ酸配列配列番号6を伴うVLCDR1、アミノ酸配列配列番号7を伴うVLCDR2、及びアミノ酸配列配列番号8を伴うVLCDR3を含み、
    ここで前記抗体がさらに、ヒトIgG1定常領域を含む、
    請求項26〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記モノクローナル抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、
    ここで前記VHが、配列番号1を含み、
    及び前記VLが、配列番号2を含む、
    請求項30に記載の方法。
  32. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    (A)組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体の第1用量を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、続いて第1用量の4週間後に第2用量を、体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (B)第2用量の後、4週間隔で、前記抗体の第3、4、5、及び6用量を、体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、及び
    (C)第6用量の後、4週間隔で、前記抗体の第7及び8用量を、体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与することを含む、
    前記方法。
  33. (D)第8用量の後、4週間の間隔で、前記抗体の第9〜14用量を、体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    をさらに含む、請求項32に記載の方法。
  34. (D)第8用量の後、4週間隔で、前記抗体の第9〜20用量を、体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    をさらに含む、請求項32に記載の方法。
  35. 体重当たりの6mg/kgでの抗体の最終用量の12週後に、前記抗体を、連続した12週間隔で3mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項32〜34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 体重当たりの6mg/kgでの抗体の最終用量の4週後に、前記抗体を、連続した4週間隔で1mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項32〜34のいずれか1項に記載の方法。
  37. 体重当たりの6mg/kgで投与される抗体の最終用量が、第14または第20用量で発生する、請求項35または請求項36に記載の方法。
  38. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    (A)組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体の第1用量を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、続いて第1用量の4週間後に第2用量を、体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (B)第2用量の後、4週間隔で、前記抗体の第3及び4用量を、体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、及び
    (C)第4用量の後、4週間隔で、前記抗体の第5及び6用量を、体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること、ならびに
    (D)第6用量の後、4週間隔で、前記抗体の第7用量を、体重当たりの10mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    を含む、前記方法。
  39. (D)第7用量の後、4週間隔で、前記抗体の第8〜14用量を、体重当たりの10mg/kgの量で、前記患者に投与することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
  40. (D)第7用量の後、4週間隔で、前記抗体の第8〜20用量を、体重当たりの10mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    をさらに含む、請求項38に記載の方法。
  41. 体重当たりの10mg/kgでの抗体の最終用量の12週後に、前記抗体を、連続した12週間隔で3mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 体重当たりの10mg/kgでの抗体の最終用量の4週後に、前記抗体を、連続した4週間隔で1mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
  43. 体重当たりの10mg/kgで投与される抗体の最終用量が、第14用量または第20用量で発生する、請求項41または請求項42に記載の方法。
  44. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    (A)組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体の第1用量を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (B)第1用量の4週間後に、第2用量を、体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、及び
    (C)第2用量の4週間後に、第3用量を、体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    を含む、前記方法。
  45. (D)第3用量の後、4週間隔で、前記抗体の第4〜14用量を、体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    をさらに含む、請求項44に記載の方法。
  46. (D)第3用量の後、4週間隔で、前記抗体の第4〜20用量を、体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    をさらに含む、請求項44に記載の方法。
  47. 第14用量または第20用量の12週後に、前記抗体を、連続した12週間隔で3mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項44〜46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 体重当たりの3mg/kgでの抗体の最終用量の4週後に、前記抗体を、連続した4週間隔で1mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項44〜46のいずれか1項に記載の方法。
  49. 体重当たりの3mg/kgで投与される抗体の最終用量が、第14用量または第20用量で発生する、請求項48に記載の方法。
  50. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    (A)組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体の第1用量を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、続いて第1用量の4週間後に第2用量を、体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (B)第2用量の後、4週間隔で、前記抗体の第3及び4用量を、体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、及び
    (C)第4用量の後、4週間隔で、前記抗体の第5用量を、体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    を含む、前記方法。
  51. (D)第5用量の後、4週間隔で、前記抗体の第6〜14用量を、体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    をさらに含む、請求項50に記載の方法。
  52. (D)第5用量の後、4週間隔で、前記抗体の第6〜20用量を、体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    をさらに含む、請求項50に記載の方法。
  53. 体重当たりの6mg/kgでの抗体の最終用量の12週後に、前記抗体を、連続した12週間隔で3mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項50〜52のいずれか1項に記載の方法。
  54. 体重当たりの6mg/kgでの抗体の最終用量の4週後に、前記抗体を、連続した4週間隔で1mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項50〜52のいずれか1項に記載の方法。
  55. 体重当たりの6mg/kgで投与される抗体の最終用量が、第14用量または第20用量で発生する、請求項53または請求項54に記載の方法。
  56. アルツハイマー病(AD)に対応したヒト患者の治療法であって、
    (A)組み換えで、完全ヒトの抗アミロイドベータモノクローナル抗体の第1用量を、前記患者の体重当たりの1mg/kgの量で、続いて第1用量の4週間後に第2用量を、体重当たりの1mg/kgの量で、前記患者に投与すること、
    (B)第2用量の後、4週間隔で、前記抗体の第3、4、5及び6用量を、体重当たりの3mg/kgの量で、前記患者に投与すること、及び
    (C)第6用量の後、4週間隔で、前記抗体の第7、8、9、10及び11用量を、体重当たりの6mg/kgの量で、前記患者に投与すること、ならびに
    (D)第11用量の後、4週間隔で、前記抗体の第12用量を、体重当たりの10mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    を含む、前記方法。
  57. (E)第12用量の後、4週間隔で、前記抗体の第13用量及び第14用量を、体重当たりの10mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    をさらに含む、請求項56に記載の方法。
  58. (E)第12用量の後、4週間隔で、前記抗体の第13〜20用量を、体重当たりの10mg/kgの量で、前記患者に投与すること
    をさらに含む、請求項56に記載の方法。
  59. 体重当たりの10mg/kgでの抗体の最終用量の12週後に、前記抗体を、連続した12週間隔で3mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項56〜58のいずれか1項に記載の方法。
  60. 体重当たりの10mg/kgでの抗体の最終用量の12週後に、前記抗体を、連続した4週間隔で1mg/kgの量で、前記患者に投与する、請求項56〜58のいずれか1項に記載の方法。
  61. 体重当たりの10mg/kgで投与される抗体の最終用量が、第14用量または第20用量で発生する、請求項59または請求項60に記載の方法。
  62. 血管原性浮腫(VE)に対する前記患者の感受性が、低減される、請求項32〜61のいずれか1項に記載の方法。
  63. 微小出血(mH)に対する前記患者の感受性が、低減される、請求項32〜62のいずれか1項に記載の方法。
  64. 前記治療が、前記患者において、ADまたはその症状を、完全にもしくは部分的に予防するための予防法である、請求項32〜63のいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記治療が、前記患者において、ADまたはADが原因となっている症状を、完全にもしくは部分的に治すための治療法である、請求項32〜64のいずれか1項に記載の方法。
  66. 投与が、静脈内で実施される、請求項32〜65のいずれか1項に記載の方法。
  67. 前記モノクローナル抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、
    ここで(A)前記VHが、アミノ酸配列配列番号3を伴う第1相補性決定領域(VHCDR1)、アミノ酸配列配列番号4を伴うVHCDR2、及びアミノ酸配列配列番号5を伴うVHCDR3を含み、及び
    (B)前記VLが、アミノ酸配列配列番号6を伴うVLCDR1、アミノ酸配列配列番号7を伴うVLCDR2、及びアミノ酸配列配列番号8を伴うVLCDR3を含み、ならびにここで前記抗体がさらに、ヒトIgG1定常領域を含む、
    請求項32〜66のいずれか1項に記載の方法。
  68. 前記モノクローナル抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、ここで前記VHが、配列番号1を含み、及び前記VLが、配列番号2を含む、請求項32〜67のいずれか1項に記載の方法。
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