JP2017535258A - 新規cho組込み部位およびその使用 - Google Patents

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Abstract

真核生物細胞における組換えタンパク質の増強された安定な発現を可能にする、真核生物発現系のための発現増強性ヌクレオチド配列が提供される。増強された発現を提供するゲノム組込み部位およびその使用の方法が、真核生物細胞における目的の遺伝子の発現のために提供される。染色体遺伝子座、配列およびベクターが、真核生物細胞における遺伝子の増強された安定な発現のために提供される。本発明によって、組換え媒介性カセット交換(RMCE)を促進するポリヌクレオチドおよび改変された細胞が提供され得る。

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2014年10月23日に出願された米国仮出願番号第62/067,774の優先権の利益を主張しており、その全体の内容は、本明細書中に参考といて援用される。
(配列表の参照による組込み)
2015年10月20日に作成され、EFS−Webを介して米国特許商標庁に提出された、28KBの32353_T0045US01_SequenceListing.txtと命名したASCIIテキストファイルの配列表は、参照によって本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、真核生物細胞における組換えタンパク質の安定な組込みおよび/または発現を提供する。特に、本発明は、発現増強性ヌクレオチド配列を用いることによって、真核生物細胞、特にチャイニーズハムスター(Cricetulus griseus)細胞株におけるタンパク質の改善された発現のための方法および組成物を含む。本発明は、組換え媒介性カセット交換(RMCE)を促進するポリヌクレオチドおよび改変された細胞を含む。本発明の方法は、改変された細胞による組換えタンパク質の増強された安定な発現を促進するために、チャイニーズハムスター細胞ゲノム中の特異的染色体遺伝子座において外因性核酸を組み込む。
(関連技術の説明)
細胞発現系は、研究使用または治療的使用のいずれのためであれ、所与のタンパク質の製造のための信頼性のある効率的な供給源を提供することを目的とする。哺乳動物細胞における組換えタンパク質発現は、例えば、組換えタンパク質を適切に翻訳後修飾する哺乳動物発現系の能力に起因して、治療的タンパク質を製造するための好ましい方法である。
短いインキュベーション時間で高レベルの組換えタンパク質を達成するために、cis−調節エレメント、および一部の場合にはtrans−調節エレメントの種々の組合せを各々が含むいくつかの細胞系が、タンパク質の発現のために利用可能である。多数の系の利用可能性にもかかわらず、効率的な遺伝子移入および組換えタンパク質の発現のための組み込まれた遺伝子の安定性の課題が、なおも存在する。複数の局所的遺伝因子が、目的の標的遺伝子がいつ発現されるべきであるかだけでなく、細胞が生産的アウトプットに向かう遺伝子の転写を機能的に駆動できるかどうか、または発現が長期持続するかどうかさえも、決定し得る。特定の遺伝子内のまたは特定の遺伝子に隣接する染色体組込み部位、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)組込み部位および遺伝子座制御領域は、当該分野で特徴付けられている(WO2012/138887A1;Li, Q.ら、2002年 Blood. 100巻:3077〜3086頁)。このように、標的化された調節領域は、内因性タンパク質をコードする領域中で典型的には識別される。しかし、標的導入遺伝子の長期発現のために、重要な考慮事項は、細胞株の表現型の変化を回避するために、細胞遺伝子の破壊を最小限に留めることである。
国際公開第2012/138887号
Li, Q.ら、2002年 Blood. 100巻:3077〜3086頁
発現のためのさらなる遺伝子、例えば、多特異性抗体などにおけるようなさらなる抗体鎖を収容するために安定な細胞株を操作により得ることは、特に困難である。組み込まれた遺伝子の発現レベルには、広いバリエーションが生じ得る。さらなる遺伝子を組み込むことは、局所的遺伝子環境に起因する、発現におけるより大きなバリエーションおよび不安定性(即ち、位置効果)をもたらし得る。従って、改善された哺乳動物発現系が、当該分野で必要とされている。
(簡単な要旨)
一態様では、本発明は、遺伝子座内の特異的部位において組み込まれた外因性核酸配列を含む細胞を提供し、遺伝子座は、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子座は、配列番号1に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子座は、配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。
別の態様では、本発明は、第2の核酸配列(例えば、本発明の遺伝子座)内の特異的部位中に組み込まれた第1の核酸配列を含むポリヌクレオチドを提供する。一実施形態では、第2の核酸配列は、配列番号1のヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、この第2の核酸配列は、配列番号4のヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、この第2の核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも90%の核酸同一性を有するヌクレオチド配列から選択される発現増強性配列またはその発現増強性断片である。一実施形態では、この第2の核酸配列は、配列番号4に対して少なくとも90%の核酸同一性を有するヌクレオチド配列から選択される発現増強性配列またはその発現増強性断片である。別の実施形態では、この発現増強性配列は、外因性核酸配列によってコードされるタンパク質の発現を増強することが可能である。別の実施形態では、この発現増強性配列は、ゲノム中へのランダム組込みによって典型的に観察される発現と比較して、発現における少なくとも約1.5倍から少なくとも約3倍の増強まで、外因性核酸配列によってコードされるタンパク質の発現を増強することが可能である。
別の実施形態では、この外因性核酸配列は、配列番号1または配列番号4内の任意の位置において特異的部位中に組み込まれる。
一部の実施形態では、配列番号1内の位置における特異的部位または配列番号1内の位置に隣接する特異的部位は、配列番号1の10〜4,000;100〜3,900;200〜3,800;300〜3,700;400〜3,600;500〜3,500;600〜3,400;700〜3,300;800〜3,200;900〜3,100;1,000〜3,000;1,100〜2,900;1,200〜2,800;1,300〜2,700;1,200〜2,600;1,300〜2,500;1,400〜2,400;1,500〜2,300;1,600〜2,200;1,700〜2100;1,800〜2050;1850〜2050、1,900〜2040;1950〜2,025、1990〜2021、2002〜2021および2,010〜2,015と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、配列番号1内の位置における特異的部位または配列番号1内の位置に隣接する特異的部位は、配列番号1の1990〜1991、1991〜1992、1992〜1993、1993〜1994、1995〜1996、1996〜1997、1997〜1998、1999〜2000、2001〜2002、2002〜2003、2003〜2004、2004〜2005、2005〜2006、2006〜2007、2007〜2008、2008〜2009、2009〜2010、2010〜2011、2011〜2012、2012〜2013、2013〜2014、2014〜2015、2015〜2016、2016〜2017、2017〜2018、2018〜2019、2019〜2020および2020〜2021と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドからなる群から選択される。
別の実施形態では、配列番号1内の位置における特異的部位または配列番号1内の位置に隣接する特異的部位は、配列番号1の10〜500;500〜1,000;500〜2,100;1,000〜1,500;1,000〜2,100;1,500〜2,000;1,500〜2,500;2,000〜2,500;2,500〜3,000;2,500〜3,500;3,000〜3,500;3,000〜4,000;および3,500〜4,000と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、この外因性核酸配列は、上記特異的部位のうち任意の1もしくは複数において、それらの内に、またはそれらの近傍で組み込まれる。
別の実施形態では、この外因性核酸配列は、上記発現増強性配列内に位置させた認識部位を含むが、この発現増強性配列が、配列番号1または配列番号4の発現増強性配列、その発現増強性断片に対して少なくとも約90%同一、少なくとも約91%同一、少なくとも約92%同一、少なくとも約93%同一、少なくとも約94%同一、少なくとも約95%同一、少なくとも約96%同一、少なくとも約97%同一、少なくとも約98%同一または少なくとも約99%同一である配列を含むことを条件とする。
一実施形態では、この外因性核酸配列は、リコンビナーゼ認識部位を含む。一部の実施形態では、この外因性核酸配列は、LoxP部位、Lox511部位、Lox2272部位、Lox2372、Lox5171、Loxm2、Lox71、Lox66、LoxFasおよびfrt部位から独立して選択される配列を含む少なくとも1つのリコンビナーゼ認識部位をさらに含む。一実施形態では、このリコンビナーゼ認識部位は、発現増強性配列内に組み込まれる。別の実施形態では、このリコンビナーゼ認識部位は、遺伝子カセットの5’端の末端ヌクレオチドに対して5’方向で直接隣接するか、または遺伝子カセットの3’端の末端ヌクレオチドに対して3’方向で直接隣接する。一部の実施形態では、少なくとも1つのリコンビナーゼ認識部位および遺伝子カセットが、発現増強性配列内に組み込まれる。
一実施形態では、少なくとも2つのリコンビナーゼ認識部位が、発現増強性配列内に存在する。別の実施形態では、反対の配向の2つのリコンビナーゼ認識部位が、発現増強性配列内に組み込まれる。別の実施形態では、3つのリコンビナーゼ認識部位が、発現増強性配列内に組み込まれる。
一態様では、配列番号1の、操作された発現増強性配列またはその発現増強性断片を含む、単離されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が提供される。一実施形態では、配列番号1もしくは配列番号4のヌクレオチド配列を含む発現増強性配列またはその安定なバリアントは、上記外因性核酸配列が組み込まれるように操作される。他の実施形態では、本発明は、配列番号1もしくは配列番号4の発現増強性配列またはその安定なバリアントを含む遺伝子座中に挿入された外因性核酸配列を含む、単離されたCHO細胞を提供する。
一実施形態では、このCHO細胞は、発現増強性配列内に少なくとも1つのリコンビナーゼ認識配列をさらに含む。別の実施形態では、この少なくとも1つのリコンビナーゼ認識配列は、LoxP部位、Lox511部位、Lox2272部位、Lox2372、Lox5171、Loxm2、Lox71、Lox66 LoxFasおよびfrt部位から独立して選択される。別の実施形態では、このリコンビナーゼ認識部位は、遺伝子カセットの5’端の末端ヌクレオチドに対して5’方向で直接隣接するか、または遺伝子カセットの3’端の末端ヌクレオチドに対して3’方向で直接隣接する。一部の実施形態では、少なくとも1つのリコンビナーゼ認識部位および遺伝子カセットが、本明細書に記載されるCHO細胞ゲノムの発現増強性配列内に組み込まれる。
別の実施形態では、この少なくとも1つの組換え認識部位は、遺伝子カセットが、配列番号1のヌクレオチド1001から2001まで(配列番号2)に対して少なくとも90%の同一性、少なくとも約91%の同一性、少なくとも約92%の同一性、少なくとも約93%の同一性、少なくとも約94%の同一性、少なくとも約95%の同一性、少なくとも約96%の同一性、少なくとも約97%の同一性、少なくとも約98%の同一性もしくは少なくとも約99%の同一性を含む発現増強性配列またはその発現増強性断片を含むように注意しつつ、上記のように位置させる。別の実施形態では、この少なくとも1つの組換え認識部位は、遺伝子カセットが、配列番号1のヌクレオチド2022から3022まで(配列番号3)に対して少なくとも90%の同一性、少なくとも約91%の同一性、少なくとも約92%の同一性、少なくとも約93%の同一性、少なくとも約94%の同一性、少なくとも約95%の同一性、少なくとも約96%の同一性、少なくとも約97%の同一性、少なくとも約98%の同一性もしくは少なくとも約99%の同一性を含む発現増強性配列またはその発現増強性断片を含むように注意しつつ、上記のように位置させる。
さらに別の実施形態では、この少なくとも1つのリコンビナーゼ認識部位は、配列番号1のヌクレオチド1990〜1991、1991〜1992、1992〜1993、1993〜1994、1995〜1996、1996〜1997、1997〜1998、1999〜2000、2001〜2002、2002〜2003、2003〜2004、2004〜2005、2005〜2006、2006〜2007、2007〜2008、2008〜2009、2009〜2010、2010〜2011、2011〜2012、2012〜2013、2013〜2014、2014〜2015、2015〜2016、2016〜2017、2017〜2018、2018〜2019、2019〜2020、2020〜2021もしくは2021〜2022において、または配列番号1のヌクレオチド1990〜1991、1991〜1992、1992〜1993、1993〜1994、1995〜1996、1996〜1997、1997〜1998、1999〜2000、2001〜2002、2002〜2003、2003〜2004、2004〜2005、2005〜2006、2006〜2007、2007〜2008、2008〜2009、2009〜2010、2010〜2011、2011〜2012、2012〜2013、2013〜2014、2014〜2015、2015〜2016、2016〜2017、2017〜2018、2018〜2019、2019〜2020、2020〜2021もしくは2021〜2022内で、CHO細胞ゲノム中に挿入される。
別の実施形態では、外因性核酸は、配列番号1のヌクレオチド1990〜1991、1991〜1992、1992〜1993、1993〜1994、1995〜1996、1996〜1997、1997〜1998、1999〜2000、2001〜2002、2002〜2003、2003〜2004、2004〜2005、2005〜2006、2006〜2007、2007〜2008、2008〜2009、2009〜2010、2010〜2011、2011〜2012、2012〜2013、2013〜2014、2014〜2015、2015〜2016、2016〜2017、2017〜2018、2018〜2019、2019〜2020、2020〜2021もしくは2021〜2022において、または配列番号1のヌクレオチド1990〜1991、1991〜1992、1992〜1993、1993〜1994、1995〜1996、1996〜1997、1997〜1998、1999〜2000、2001〜2002、2002〜2003、2003〜2004、2004〜2005、2005〜2006、2006〜2007、2007〜2008、2008〜2009、2009〜2010、2010〜2011、2011〜2012、2012〜2013、2013〜2014、2014〜2015、2015〜2016、2016〜2017、2017〜2018、2018〜2019、2019〜2020、2020〜2021もしくは2021〜2022内で、CHOゲノム中に挿入される。
別の一実施形態では、この外因性核酸は、配列番号1のヌクレオチド2001〜2022において、または配列番号1のヌクレオチド2001〜2022内で、CHOゲノム中に挿入される。一部の実施形態では、この外因性核酸は、配列番号1のヌクレオチド2001〜2002もしくはヌクレオチド2021〜2022において、または配列番号1のヌクレオチド2001〜2002もしくはヌクレオチド2021〜2022内で挿入され、配列番号1のヌクレオチド2002〜2021は、この挿入の結果として欠失される。同様に、この外因性核酸は、配列番号4のヌクレオチド9302〜9321において、または配列番号4のヌクレオチド9302〜9321内で、CHOゲノム中に挿入される。一部の実施形態では、この外因性核酸は、配列番号4のヌクレオチド9301〜9302もしくはヌクレオチド9321〜9322において、または配列番号4のヌクレオチド9301〜9302もしくはヌクレオチド9321〜9322内で挿入され、配列番号4のヌクレオチド9302〜9321は、この挿入の結果として欠失される。
一部の実施形態では、遺伝子座、例えば、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列内の特異的部位において組み込まれた外因性核酸配列は、目的の遺伝子(GOI)(例えば、目的のタンパク質または「POI」をコードするヌクレオチド配列)を含む。ある特定の実施形態では、この外因性核酸配列は、1または複数の目的の遺伝子を含む。一部の実施形態では、この1または複数の目的の遺伝子は、第1のGOI、第2のGOIおよび第3のGOIからなる群から選択される。
一部の実施形態では、遺伝子座、例えば、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列内の特異的部位において組み込まれた外因性核酸配列は、GOIおよび少なくとも1つのリコンビナーゼ認識部位を含む。一実施形態では、第1のGOIは、上記のように、配列番号1もしくは配列番号4の発現増強性配列、または配列番号1もしくは配列番号4に対して少なくとも90%のヌクレオチド同一性を有する発現増強性配列、あるいはそれらの発現増強性断片内に挿入され、この第1のGOIは任意選択で、プロモーターに作動可能に連結しており、このプロモーター連結されたGOI(またはGOI)には、第1のリコンビナーゼ認識部位が5’側に、第2のリコンビナーゼ認識部位が3’側に隣接している。別の実施形態では、第2のGOIが、第2のリコンビナーゼ認識部位の3’側に挿入され、この第2のGOIには、第3のリコンビナーゼ認識部位が3’側に隣接している。
さらに別の実施形態では、このGOIは、GOIの発現を駆動することが可能なプロモーターに作動可能に連結しており、このプロモーターは、アクチベーターまたはインヒビターによって調節され得る真核生物プロモーターを含む。他の実施形態では、この真核生物プロモーターは、原核生物オペレーターに作動可能に連結しており、真核生物細胞は、任意選択で、原核生物リプレッサータンパク質をさらに含む。
別の実施形態では、1または複数の選択可能なマーカーが、第1のリコンビナーゼ認識部位と第2のリコンビナーゼ認識部位との間および/または第2のリコンビナーゼ認識部位と第3のリコンビナーゼ認識部位との間に含まれる。一部の実施形態では、第1および/もしくは第2の目的の遺伝子ならびに/または1もしくは複数の選択可能なマーカーが、プロモーターに作動可能に連結しており、このプロモーターは同じでも異なっても良い。別の実施形態では、このプロモーターは、原核生物オペレーター(例えば、tetオペレーターなど)によって任意選択で制御される、真核生物プロモーター(例えば、CMVプロモーターまたはSV40後期プロモーターなど)を含む。他の実施形態では、細胞は、原核生物リプレッサー(例えば、tetリプレッサーなど)をコードする遺伝子をさらに含む。
別の実施形態では、この細胞は、リコンビナーゼを発現することが可能な遺伝子をさらに含む。一部の実施形態では、このリコンビナーゼは、Creリコンビナーゼである。
一態様では、第1のリコンビナーゼ認識部位とその後の第1の真核生物プロモーター、第1の選択可能なマーカー遺伝子、第2の真核生物プロモーター、第2の選択可能なマーカー遺伝子および第2のリコンビナーゼ認識部位とを含む、配列番号1もしくは配列番号4から選択される発現増強性配列、または配列番号1もしくは配列番号4に対して少なくとも90%のヌクレオチド同一性を有する発現増強性配列、あるいはそれらの発現増強性断片を含む、CHO宿主細胞が提供される。より多くの実施形態では、このCHO宿主細胞は、第3の真核生物プロモーター、第3のマーカー遺伝子および第3のリコンビナーゼ認識部位をさらに提供する。一実施形態では、この発現増強性配列は、上記のように、配列番号1または配列番号4の内にある。
一実施形態では、第1、第2および第3のリコンビナーゼ認識部位は、互いに異なる。一部の実施形態では、これらのリコンビナーゼ認識部位は、LoxP部位、Lox511部位、Lox2272部位、Lox2372、Lox5171、Loxm2、Lox71、Lox66、LoxFasおよびfrt部位から選択される。
一実施形態では、第1の選択可能なマーカー遺伝子は、薬物耐性遺伝子である。別の実施形態では、この薬物耐性遺伝子は、ネオマイシン耐性遺伝子またはハイグロマイシン耐性遺伝子である。別の実施形態では、第2および第3の選択可能なマーカー遺伝子は、2つの異なる蛍光タンパク質をコードする。一実施形態では、これら2つの異なる蛍光タンパク質は、Discosomaサンゴ(DsRed)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(eGFP)、藍色蛍光タンパク質(CFP)、高感度藍色蛍光タンパク質(eCFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、高感度黄色蛍光タンパク質(eYFP)および近赤外蛍光タンパク質(例えば、mKate、mKate2、mPlum、mRaspberryまたはE2−crimson)からなる群から選択される。
一実施形態では、第1、第2および第3のプロモーターは同じである。別の実施形態では、第1、第2および第3のプロモーターは、互いに異なる。別の実施形態では、この第1のプロモーターは、第2および第3のプロモーターとは異なり、第2および第3のプロモーターは同じである。より多くの実施形態では、この第1のプロモーターは、SV40後期プロモーターであり、第2および第3のプロモーターは、各々ヒトCMVプロモーターである。他の実施形態では、第1および第2のプロモーターは、原核生物オペレーターに作動可能に連結している。
一実施形態では、この宿主細胞株は、外因的に加えられた、プロモーターに作動可能に連結した、そのゲノム中に組み込まれたリコンビナーゼをコードする遺伝子を有する。別の実施形態では、このリコンビナーゼは、Creリコンビナーゼである。別の実施形態では、この宿主細胞は、プロモーターに作動可能に連結した、そのゲノム中に組み込まれた調節タンパク質をコードする遺伝子を有する。より多くの実施形態では、この調節タンパク質は、tetリプレッサータンパク質である。
一実施形態では、第1のGOIおよび第2のGOIは、抗体の軽鎖もしくはその断片、または抗体の重鎖もしくはその断片をコードする。別の実施形態では、この第1のGOIは抗体の軽鎖をコードし、第2のGOIは抗体の重鎖をコードする。
ある特定の実施形態では、第1、第2および第3のGOIは、第1の軽鎖またはその断片、第2の軽鎖またはその断片および重鎖またはその断片からなる群から選択されるポリペプチドをコードする。さらに別の実施形態では、第1、第2および第3のGOIは、軽鎖またはその断片、第1の重鎖またはその断片および第2の重鎖またはその断片からなる群から選択されるポリペプチドをコードする。
一態様では、目的のタンパク質を作製するための方法が提供され、この方法は、(a)CHO宿主細胞中に目的の遺伝子(GOI)を導入するステップであって、このGOIは、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む特異的遺伝子座中に組み込まれるステップ;(b)(a)の細胞を、GOIの発現を可能にする条件下で培養するステップ;および(c)目的のタンパク質を回収するステップを含む。一実施形態では、この目的のタンパク質は、免疫グロブリンのサブユニットまたはその断片および受容体またはそのリガンド結合性断片からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、この目的のタンパク質は、抗体軽鎖またはその抗原結合性断片および抗体重鎖またはその抗原結合性断片からなる群から選択される。
一部の実施形態では、このGOIは、リコンビナーゼ媒介性カセット交換(RMCE)のための標的化ベクターを用いて細胞中に導入され、このCHO宿主細胞ゲノムは、特異的遺伝子座内に少なくとも1つの外因性認識配列を含む。他の実施形態では、このCHO宿主細胞ゲノムは、特異的遺伝子座内に、プロモーター、IRESおよび/またはポリアデニル化(ポリA)配列に任意選択で連結された、少なくとも1つの外因性認識配列および選択可能なマーカーを含む。
ある特定の実施形態では、このCHO宿主細胞ゲノムは、上記1または複数のリコンビナーゼ認識部位を含み、このGOIは、リコンビナーゼ認識部位を認識するリコンビナーゼの作用を介して、特異的遺伝子座中に導入される。
別の実施形態では、このGOIは、相同組換えのための標的化ベクターを用いて細胞中に導入され、この標的化ベクターは、特異的遺伝子座中に存在する配列に対して相同な5’相同アーム、GOI、および特異的遺伝子座中に存在する配列に対して相同な3’相同アームを含む。別の実施形態では、この標的化ベクターは、2、3、4もしくは5またはそれ超の目的の遺伝子をさらに含む。別の実施形態では、目的の遺伝子のうち1または複数は、プロモーターに作動可能に連結している。
別の態様では、標的化ベクターが提供され、この標的化ベクターは、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む遺伝子座中に存在する配列に対して相同な5’相同アーム、GOI、および配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む遺伝子座中に存在する配列に対して相同な3’相同アームを含む。別の実施形態では、この標的化ベクターは、2、3、4もしくは5またはそれ超の目的の遺伝子をさらに含む。
別の態様では、外因性核酸配列が組み込まれるようにCHO細胞ゲノムを改変するための方法が提供され、この方法は、細胞中に、ベクターを含むビヒクルを導入するステップを含み、このベクターは外因性核酸配列を含み、この外因性核酸は、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含むゲノムの遺伝子座内に組み込まれる。
一部の実施形態では、このベクターは、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含むゲノムの遺伝子座中に存在する配列に対して相同な5’相同アーム、外因性核酸配列、および配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含むゲノムの遺伝子座中に存在する配列に対して相同な3’相同アームを含む。
一部の実施形態では、ベクター中の外因性核酸配列は、1または複数の認識配列を含む。他の実施形態では、この外因性核酸は、1または複数のGOI、例えば、選択可能なマーカー、またはPOIをコードする核酸を含む。さらに他の実施形態では、この外因性核酸は、1または複数のGOIおよび1または複数の認識配列を含む。
一実施形態では、このビヒクルは、少なくとも1つのさらなるベクターまたはmRNAを含む。別の実施形態では、このさらなるベクターは、アデノウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス、組込みファージベクター、非ウイルスベクター、トランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼ、インテグラーゼ基質ならびにプラスミドからなる群から選択される。一部の実施形態では、このさらなるベクターは、外因性核酸配列を組み込むための部位特異的ヌクレアーゼをコードするヌクレオチド配列を含む。
ある特定の実施形態では、この部位特異的ヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFNダイマー、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質またはRNAガイドDNAエンドヌクレアーゼを含む。
別の態様では、外因性核酸配列が組み込まれるようにCHO細胞ゲノムを改変するためのビヒクルが提供され、このビヒクルはベクターを含み、このベクターは、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含むゲノムの遺伝子座中に存在する配列に対して相同な5’相同アーム、外因性核酸配列、および配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含むゲノムの遺伝子座中に存在する配列に対して相同な3’相同アームを含む。
一部の実施形態では、この外因性核酸配列は、1または複数の認識配列を含む。他の実施形態では、この外因性核酸は、1または複数のGOI、例えば、選択可能なマーカー、またはPOIをコードする核酸を含む。さらに他の実施形態では、この外因性核酸は、1または複数のGOIおよび1または複数の認識配列を含む。
さらに別の態様では、治療剤を発現するようにCHO細胞ゲノムを改変するための方法が提供され、この方法は、治療剤の発現のための配列を含む外因性核酸をゲノム中に導入するためのビヒクルを含み、このビヒクルは、配列番号1のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な5’相同アーム、治療剤をコードする核酸、および配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な3’相同アームを含む。
さらなる一態様では、本発明は、改変されたCHOゲノムを含む改変されたCHO宿主細胞を提供し、このCHOゲノムは、配列番号1に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を有するゲノムの遺伝子座内での外因性認識配列の挿入によって改変される。
別の態様では、本発明は、改変された真核生物ゲノムを含む改変された真核生物宿主細胞を提供し、この真核生物ゲノムは、外因性核酸を挿入するために、ゲノムの非コード領域中の標的組込み部位において改変される。一部の実施形態では、この外因性核酸は、認識配列である。他の実施形態では、この宿主細胞は、CHO細胞などの哺乳動物宿主細胞である。他の実施形態では、この標的組込み部位は、配列番号1などの発現増強性配列を含むが、この配列がいずれの内因性タンパク質もコードしないことを条件とする。本発明は、かかる改変された真核生物宿主細胞を作製する方法もまた提供する。
上記態様および実施形態のいずれかでは、この発現増強性配列は、配列番号1におけるような示された配向で配置され得、または配列番号1の配向の逆向きで配置され得る。
本発明の態様および実施形態のいずれかは、他に特定しない限り、または文脈から明らかでない限り、本発明の任意の他の態様または実施形態と併せて使用され得る。
他の目的および利点は、次の詳細な説明の検討から明らかになる。
図1Aは、標的遺伝子座を識別するための、細胞ゲノム、例えばCHOゲノム中への、GOI(例えば、多鎖抗体)および複数コピーの選択マーカーを発現する核酸分子のランダム導入を利用する作動可能な構築物の模式図である。例示された構築物は以下を含む:重鎖(HC);第1のコピーの選択マーカー、例えば:ハイグロマイシン耐性遺伝子(Hyg);第1のコピーの軽鎖(LC);第2のコピーの選択マーカー(例えば、Hyg)、第2のコピーの軽鎖(LC);第3のコピーの選択マーカー(例えば、Hyg)。図1Bは、配列番号1として識別されるネイティブ遺伝子座中への、相同組換えを介した組込みのための例示的ドナーベクターを示す図である。5’および3’相同アームは、配列番号1由来である。
図2Aから2Cは、目的の遺伝子(GOI)に作動可能に連結した配列番号1の遺伝子座(遺伝子座1)が、遺伝子座1に作動可能に連結されず、その代わりに対照遺伝子座に連結された同じGOIと比較して、GOIの増強されたmRNA発現を示すことを示す図である。図2Aは、対照遺伝子座対遺伝子座1に作動可能に連結した目的の抗体遺伝子、即ち、1つの重鎖(HC)および2つの軽鎖(LC)をコードする、細胞について示された等価な数の遺伝子コピーを示す。図2Bは、mRNAレベルが、対照遺伝子座mRNAと比較して、遺伝子座1中の発現さ1れたGOIについてより高いことを示す。図2Cは、タンパク質力価が、対照遺伝子座中の同じGOIを発現する細胞から産生されたタンパク質力価と比較して、遺伝子座1中のGOIを発現する細胞について、3倍高いことを示す図である。
図3Aおよび3Bは、対照遺伝子座(lox部位が隣接する異なる蛍光マーカー、例えばdsRed2で交換される)において組み込まれた同じカセットと比較して、遺伝子座1(例えば、eYFPおよびGOIで交換される、lox部位が隣接するmKate)において組み込まれた、蛍光マーカーおよびGOIを含む例示的カセットを示す図である。かかる組込みは、Creリコンビナーゼおよびリコンビナーゼ媒介性カセット交換(RMCE)を用いる。かかるカセットを、GOIの組換え効率および転写を測定するための実験で使用した。
図4は、同じ調節条件下であるが、対照遺伝子座、即ちEESYR内に組み込まれた同じGOIを発現するCHO細胞プール由来のmRNAと比較して、遺伝子座1(配列番号1)中のGOIを発現するCHO細胞プール中で測定された目的の遺伝子(GOI)のmRNAレベルがより高いことを示す図である。
(詳細な説明)
本方法を記載する前に、本発明は、特定の方法および記載された実験条件に限定されないのであり、それは、かかる方法および条件が変動し得るからであることを理解すべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を記載することだけを目的としており、限定を意図しないこともまた理解すべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」は、文脈が明確に他を示さない限り、複数形の言及を含む。従って、例えば、「1つの(a)方法」に対する言及は、本明細書に記載されるおよび/または本開示を読めば当業者に明らかになる1もしくは複数の方法および/または型のステップを含む。
他に定義しない限り、または他に特定しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。
本明細書に記載されるものと類似または等価な任意の方法および材料が、本発明の実施および試験において使用され得るが、特定の方法および材料がここで記載される。本明細書で言及される全ての刊行物は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
定義
DNA領域は、互いに機能的に関連する場合、作動可能に連結している。例えば、プロモーターは、このプロモーターがコード配列の転写に関与することが可能である場合、そのコード配列に作動可能に連結している;リボソーム結合部位は、翻訳を可能にするように位置される場合、コード配列に作動可能に連結している。一般に、作動可能に連結したとは、連続性を含み得るが、それを必要とはしない。分泌リーダーなどの配列の場合、連続性およびリーディングフレーム中での適切な配置が、典型的な特色である。目的の遺伝子座の発現増強性配列は、それがGOIと機能的に関連する場合、例えば、その存在がGOIの増強された発現および/または安定な組込みを生じる場合、目的の遺伝子(GOI)に作動可能に連結している。
用語「増強された」は、増強された発現を記述するために使用する場合、例えば、単一コピーの同じ発現構築物のランダム組込み体のプールと比較して、ゲノム中への外因性配列のランダム組込みによって、または異なる遺伝子座における組込みによって典型的に観察されるものに対して、発現における少なくとも約1.5倍から少なくとも約3倍の増強の増強を含む。本発明の配列を用いて観察される発現増強倍率は、本発明の配列の非存在下で実質的に同じ条件下で測定した同じ遺伝子の発現レベルと比較したもの、例えば、同じ種のゲノム中への別の遺伝子座における組込みと比較したものである。増強された組換え効率は、遺伝子座が(例えば、リコンビナーゼ認識部位を用いて)組み換わる能力の増強を含む。増強とは、例えば、典型的には0.1%であるリコンビナーゼ認識部位などを用いることなしのランダム組換えを超える、組換えの効率を指す。好ましい増強された組換え効率は、ランダムに対して約10倍、または約1%である。特定しない限り、特許請求された発明は、特定の組換え効率に限定されない。
語句「外因的に加えられた遺伝子」または「外因的に加えられた核酸」が、目的の遺伝子座に言及して用いられる場合、この語句は、遺伝子座が天然に見出される場合には目的の遺伝子座内に存在しない任意のDNA配列または遺伝子を指す。例えば、CHO遺伝子座(例えば、配列番号1の配列を含む遺伝子座)内の「外因的に加えられた遺伝子」は、特定のCHO遺伝子座内に天然には見出されないハムスター遺伝子(即ち、ハムスターゲノム中の別の遺伝子座由来のハムスター遺伝子)、任意の他の種由来の遺伝子(例えば、ヒト遺伝子)、キメラ遺伝子(例えば、ヒト/マウス)、または目的のCHO遺伝子座中での存在が天然では見出されない任意の他の遺伝子であり得る。
パーセント同一性とは、目的の遺伝子座、例えば、配列番号1もしくは配列番号4またはそれらの断片を記述する場合、記述された同一性を連続的相同性の領域に沿って示す相同配列を含むことを意味するが、比較される配列中にホモログを有さないギャップ、欠失または挿入の存在は、パーセント同一性を計算する際に考慮に入れない。
本明細書で使用する場合、例えば、配列番号1またはその断片と種ホモログとの間の「パーセント同一性」の決定は、その種ホモログがアラインメント中に比較するための相同配列を有さない(即ち、場合によって、配列番号1もしくはその断片が、その点において挿入を有する、または種ホモログが、ギャップもしくは欠失を有する)場合、配列の比較を含まない。従って、「パーセント同一性」は、ギャップ、欠失および挿入のためのペナルティを含まない。
「相同配列」とは、核酸配列に関して、参照核酸配列に対して実質的に相同である配列を指す。一部の実施形態では、2つの配列は、それらの対応するヌクレオチドの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ超が、残基の関連のあるストレッチにわたって同一である場合、実質的に相同とみなされる。一部の実施形態では、この関連のあるストレッチは、完全(即ち、全)配列である。
「標的化挿入」とは、遺伝子または核酸配列の挿入または組込みを、ゲノム上の特異的位置に指向させるため、即ち、連続的ポリヌクレオチド鎖中の2つのヌクレオチド間の特異的部位にDNAを指向させるために用いられる遺伝子標的化方法を指す。標的化挿入は、複数の遺伝子、調節エレメントおよび/または核酸配列を含む特定の遺伝子カセットのためにも実施され得る。「挿入」および「組込み」は、相互交換可能に使用される。遺伝子または核酸配列(例えば、発現カセットを含む核酸配列)の挿入は、利用されている遺伝子編集技術に依存する1または複数の核酸の置き換えまたは欠失を生じ得る(またはそのために操作され得る)と理解される。
「認識部位」または「認識配列」は、ヌクレアーゼ、またはDNA骨格に結合しその部位特異的切断を指向する他の酵素によって認識される、特異的DNA配列である。エンドヌクレアーゼは、DNA分子内のDNAを切断する。認識部位は、当該分野で、認識標的部位とも呼ばれる。
「リコンビナーゼ認識部位」は、Creリコンビナーゼ(Cre)またはフリッパーゼ(flp)などのリコンビナーゼによって認識される特異的DNA配列である。部位特異的リコンビナーゼは、それらの標的認識配列のうち1または複数が、生物のゲノム中に戦略的に配置される場合、欠失、逆位および転座を含むDNA再編成を実施し得る。一例では、Creは、8bpスペーサーによって分離された2つの13bp逆方向反復から構成されるそのDNA標的認識部位loxPにおいて組換え事象を特異的に媒介する。1よりも多いリコンビナーゼ認識部位が、例えば、DNAの組換え媒介性交換を促進するために用いられ得る。例えばlox部位などのリコンビナーゼ認識部位のバリアントまたは変異体もまた、用いられ得る(Araki, N.ら、2002年、Nucleic Acids Research、30巻:19号、e103頁)。
「リコンビナーゼ媒介性カセット交換」は、ゲノム標的カセットをドナーカセットで正確に置き換えるためのプロセスに関する。このプロセスを実施するために典型的に提供される分子組成は、以下を含む:1)特定のコンビナーゼに対して特異的な認識標的部位が5’側および3’側の両方で隣接するゲノム標的カセット、2)一致する認識標的部位が隣接するドナーカセット、ならびに3)部位特異的リコンビナーゼ。リコンビナーゼタンパク質は、当該分野で周知であり(Turan, S.およびBode J.、2011年、FASEB J.、25巻、4088〜4107頁)、ヌクレオチドの獲得も喪失もなしに、特異的認識標的部位(DNAの配列)内でのDNAの正確な切断を可能にする。一般的なリコンビナーゼ/部位組合せには、Cre/loxおよびFlp/frtが含まれるがこれに限定されない。
「ビヒクル」は、細胞中への導入のための外因性核酸を運搬する任意のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのセットからなる組成物である。ビヒクルには、周知のトランスフェクション方法によって細胞に送達される、ベクター、プラスミドおよびmRNA分子が含まれる。一例では、細胞中に導入されるmRNAは、一過性であり得、ゲノム中に組み込まれないが、このmRNAは、組込みプロセスが起こるために必要な外因性核酸を運搬し得る。
一般的記載
本発明は、ゲノム中の他の領域または配列よりも、より効率的な組換え、挿入物安定性およびより高いレベルの発現を示す、ゲノム中の独自の配列、即ち遺伝子座の発見に少なくとも一部基づく。本発明は、かかる発現増強性配列が識別される場合に、適切な遺伝子または構築物がこれらの配列中またはこれらの配列の近傍に外因的に加えられ得るという知見、および外因的に加えられた遺伝子が、さらなるゲノム改変のために有利に発現または利用され得るという知見にも、少なくとも一部基づく。発現増強性配列と命名されたかかる配列は、安定とみなされ、ゲノムのコード領域内には位置しない。これらの発現増強性および安定性領域は、さらなるクローニングまたはゲノム編集事象のために操作され得る。従って、信頼性のある発現系が、細胞のゲノム骨格中に組み込まれる。
本発明は、組込み部位への外因性遺伝子の特異的標的化にも基づく。本発明の方法は、例えば、リコンビナーゼ媒介性カセット交換(RMCE)を用いることによって、有用なクローニングカセットへの細胞ゲノムの効率的「変換」を可能にする。これを目的として、本発明の方法は、組換えタンパク質産生のための高度に産生性の細胞株を創出するための目的の遺伝子の配置のために、細胞ゲノムリコンビナーゼ認識部位を用いる。
本発明の組成物はまた、発現構築物中、例えば、新たな細胞株をクローニングおよび操作するための発現ベクター中に含まれ得る。本発明のポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、タンパク質を一過性に発現させるために使用され得るか、または、例えば相同組換え、もしくは特異的組換え部位を認識するリコンビナーゼによって媒介される組換え(例えば、Cre−lox媒介性組換え)などの、ランダム組換えもしくは標的化組換えによって、ゲノム中に組み込まれ得る。本発明のポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、他のDNA配列、例えば、cis−作用性調節配列の効力を評価するためにも使用され得る。
組込み部位は、ランダム組込み、またはレトロウイルス組込み事象の分析のいずれかによって、典型的には識別される。本明細書に詳細に記載されるCHO組込み部位は、多鎖抗体をコードするDNAのランダム組込みによって識別され、発現されたタンパク質は、増強された発現を示すことが見出された。
1つおきのハイグロマイシン耐性遺伝子(例えば、図1A中に示される3つの同一のHyg遺伝子を参照のこと)を含む発現カセット中の1つの重鎖(HC)および2コピーの軽鎖(LC)を含む例示的多鎖抗体が、ゲノム中にランダムに組み込まれた。1つの安定かつ高発現のクローンが、配列番号1として識別された遺伝子座内での発現カセットの組込みから生じた。
CHOゲノムの別の領域(対照組込み部位)中への組込みと比較して、この例示的な多鎖抗体は、配列番号1の遺伝子座内に組み込まれた場合、より高い発現レベルを示す。興味深いことに、遺伝子コピー数は、配列番号1対対照組込み部位内に組み込まれた抗体発現性ポリヌクレオチドについて同等であるが、タンパク質力価は、配列番号1内に組み込まれた抗体発現性ポリヌクレオチドについて3倍高い。
標的化組換え方法を使用して、CHO細胞ゲノムを、リコンビナーゼ認識部位を含むクローニング構築物へと変換した(例えば、図3A〜Bを参照のこと)。
本質的に、配列番号1の組込み部位の識別の後で、任意の他の所望のエレメント、例えば、プロモーター、エンハンサー、マーカー、オペレーター、リボソーム結合部位(例えば、内部リボソーム進入部位)などと共に、選択可能なマーカーなどの発現可能なGOIを含む発現カセットを導入するために、リコンビナーゼ認識部位(例えば、lox部位)をこの遺伝子座において用いた(例えば、図3A〜Bを参照のこと)。
配列番号1内でのlox部位の標的化組込みに使用される例示的ドナー構築物は、図1B中に図示される。このドナー構築物は、ネオマイシン(neo)耐性遺伝子および内部リボソーム進入部位(IRES)によって駆動される発現カセットを含み、このカセットは、蛍光マーカー(mKate)を含み、リコンビナーゼ認識部位が5’端および3’端で隣接し、5’および3’相同アーム(配列番号1に対して相同)が隣接する。配列番号1の遺伝子座内での挿入が示され、この挿入は、ハイグロマイシン耐性マーカーを含む発現カセットを置き換えるドナーneo/mKate構築物を生じ、配列番号1の遺伝子座内の発現カセットには、5’および3’相同アーム(配列番号1に対して相同)に接続されたリコンビナーゼ認識部位が、その5’端および3’端で隣接する(図1Bを参照のこと)。
核酸配列を真核生物細胞中に安定に組み込むための組成物および方法が提供され、この核酸配列は、配列番号1またはその発現増強性断片中に組み込まれるおかげで、増強された発現が可能である。GOIからの目的のタンパク質の発現を達成するために、GOIを挿入するのに便利な配列番号1内のリコンビナーゼ認識配列を含む細胞が、提供される。例えば発現ベクターなどの発現構築物と併せて組込み部位を標的化するため、および目的のCHO細胞中に外因性核酸を加えるための組成物および方法もまた提供される。
CHO組込み部位の物理的および機能的特徴
配列番号1の核酸配列(および配列番号4のより広い核酸配列)は、高いレベルでタンパク質を発現する細胞株の核酸構築物(発現カセットを含む)の組込み部位の上流および下流の配列によって、実験的に識別された。本発明の核酸配列は、核酸(例えば、GOIを含む外因性核酸)の増強された発現および安定性と関連する新たな機能性を有する配列を提供し、任意の1つの理論に束縛されるものではないが、cis−作用性エレメント、例えば、プロモーター、エンハンサー、遺伝子座制御領域、足場付着領域またはマトリックス付着領域について以前に記載されたものと同じまたは異なる形で機能し得る。配列番号1は、いずれのオープンリーディングフレーム(ORF)も有さないようであり、その遺伝子座が新規トランス−アクチベータータンパク質をコードする可能性を低くする。推定ジンクフィンガータンパク質は、配列番号4の3’側(下流)のゲノム遺伝子座中で識別されている。
発現増強活性が、CHOゲノムDNAの非コード領域の独自の部位内での、第1のハイグロマイシン(Hyg)遺伝子、第1のGOI、第2のHyg遺伝子、第2のGOI、第3のHyg遺伝子および第3のGOIコード配列を含む発現カセットの組込みに関して識別された。例えば、GOIを発現する発現カセットに関して、CHOゲノムDNAの非コード領域から識別された5’側の単離された1kb領域および3’側の単離された1kb領域を含む発現ベクターは、それらをトランスフェクトしたCHO細胞に、高レベルの組換えタンパク質の発現を付与できた。
本発明は、逆配向の配列番号1断片または配列番号4断片を含む発現ベクターを包含する。本明細書に記載される断片の他の組合せもまた開発され得る。また開発され得る本明細書に記載される断片の他の組合せの例には、本明細書に開示される複数コピーの発現増強性配列を含む配列、または調節エレメントの最適な組合せを達成するために、開示された配列番号1断片もしくは配列番号4断片を他のヌクレオチド配列と組み合わせることによって得られた配列が含まれる。かかる組合せは、(例えば、断片間でのスペーサーヌクレオチドの導入によって)配列番号1または配列番号4断片の最適な間隔を提供するために、連続的に連結または整列され得る。調節エレメントもまた、この調節エレメントに対する、配列番号1断片の最適な間隔を提供するために整列され得る。
本明細書に開示される配列番号1および配列番号4は、CHO細胞から単離された。他の哺乳動物種(例えば、ヒトまたはマウスなど)は、識別された発現増強性領域に対して限定的な相同性を有することが見出されたが、相同配列は、Cricetulus griseusの他の組織型または他の相同種の由来の細胞株において見出され得、当該分野で周知の技術によって単離され得る。例えば、種間ハイブリダイゼーションまたはPCRベースの技術によって、他の相同配列を識別できる。さらに、当該分野で周知の部位特異的変異誘発技術またはランダム変異誘発技術によって、配列番号1、配列番号4に示されるヌクレオチド配列またはそれらの断片中に変化がもたらされ得る。次いで、得られた配列バリアントは、本明細書に記載されるように、発現増強活性について試験され得る。発現増強活性を有する、配列番号1、配列番号4に対する核酸同一性において少なくとも約90%同一であるDNAまたはそれらの断片は、慣用的実験によって単離可能であり、発現増強活性を示すと予測される。配列番号1または配列番号4の断片について、パーセント同一性とは、配列番号1断片または配列番号4断片中に見出される参照ネイティブ配列のその部分を指す。従って、配列番号1、配列番号4のホモログまたはそれらの断片、およびそれらのバリアントもまた、本発明の実施形態によって包含される。
ある特定の実施形態では、配列番号1の断片は、配列番号1の10〜4,000;100〜3,900;200〜3,800;300〜3,700;400〜3,600;500〜3,500;600〜3,400;700〜3,300;800〜3,200;900〜3,100;1,000〜3,000;1,100〜2,900;1,200〜2,800;1,300〜2,700;1,200〜2,600;1,300〜2,500;1,400〜2,400;1,500〜2,300;1,600〜2,200;1,700〜2100;1,800〜2050;1850〜2050、1,900〜2040;1950〜2,025、1990〜2021、2002〜2021および2,010〜2,015と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドからなる群から選択される。別の実施形態では、配列番号1の断片は、配列番号1の10〜500;500〜1,000;500〜2,100;1,000〜1,500;1,000〜2,100;1,500〜2,000;1,500〜2,500;2,000〜2,500;2,500〜3,000;2,500〜3,500;3,000〜3,500;3,000〜4,000;および3,500〜4,000と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、外因性核酸配列は、上記断片内の特異的部位においてまたはその近傍で組み込まれる。
別の実施形態では、この外因性核酸配列は、上記配列番号1もしくはその断片内に、または配列番号1の発現増強性配列もしくはその発現増強性断片に対して少なくとも約90%同一、少なくとも約91%同一、少なくとも約92%同一、少なくとも約93%同一、少なくとも約94%同一、少なくとも約95%同一、少なくとも約96%同一、少なくとも約97%同一、少なくとも約98%同一もしくは少なくとも約99%同一である配列内に位置される。
増強されたレベルの目的のタンパク質を発現する細胞集団が、本明細書に提供される方法を使用して開発され得る。発現の絶対的レベルは、タンパク質が細胞によって如何に効率的にプロセシングされるかに依存して、特定のタンパク質によって変動する。本発明の発現増強性配列内に組み込まれた外因性配列を用いて開発された細胞プールは、経時的に安定であり、ほとんどの目的のために安定な細胞株として処理され得る。組換えステップはまた、本発明の細胞株の開発のプロセスにおいて、後になるまで遅延され得る。
CHO発現増強性遺伝子座およびその断片
本発明は、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列に対して少なくとも約90%同一、少なくとも約91%同一、少なくとも約92%同一、少なくとも約93%同一、少なくとも約94%同一、少なくとも約95%同一、少なくとも約96%同一、少なくとも約97%同一、少なくとも約98%同一または少なくとも約99%同一であるヌクレオチド配列の発現増強性断片を包含する。本発明は、一過性のまたは安定なトランスフェクションのためを含む、配列番号1の10〜4,000;100〜3,900;200〜3,800;300〜3,700;400〜3,600;500〜3,500;600〜3,400;700〜3,300;800〜3,200;900〜3,100;1,000〜3,000;1,100〜2,900;1,200〜2,800;1,300〜2,700;1,200〜2,600;1,300〜2,500;1,400〜2,400;1,500〜2,300;1,600〜2,200;1,700〜2100;1,800〜2050;1850〜2050、1,900〜2040;1950〜2,025、1990〜2021、2002〜2021および2,010〜2,015と番号付けされた位置に及ぶ断片を含むベクターを含む。本発明は、かかる断片を含む真核生物細胞もまた含み、この断片は、細胞にとって外因性であり、細胞ゲノム中に組み込まれ、細胞は、この断片内、この断片に対して直ぐ5’側、またはこの断片に対して直ぐ3’側にある少なくとも1つのリコンビナーゼ認識部位を有するかかる断片を含む。
一実施形態では、配列番号1の発現増強性断片は、配列番号1の10〜500;500〜1,000;500〜2,100;1,000〜1,500;1,000〜2,100;1,500〜2,000;1,500〜2,500;2,000〜2,500;2,500〜3,000;2,500〜3,500;3,000〜3,500;3,000〜4,000;または3,500〜4,000と番号付けされた位置に及ぶ配列番号1内の位置に位置する。
組み込まれたポリヌクレオチドの安定な組込みおよび/または増強された転写が支持される場合、例示された部位に対する遺伝子座挿入(即ち、組込み)部位の正確な位置は、重要ではない。むしろ、組込み部位は、本明細書に記載されるような、配列番号1もしくは配列番号1の断片または配列番号4もしくは配列番号4の断片内の、あるいは配列番号1もしくは配列番号1の断片または配列番号4もしくは配列番号4の断片に隣接する任意の位置であり得る。目的の遺伝子座内または目的の遺伝子座に隣接する特異的染色体位置が、組み込まれた外因性遺伝子の安定な組込みおよび効率的な転写を支持するかどうかは、当該分野で周知の標準的手順または本明細書に例示される方法に従って決定され得る。
本明細書で考慮される組込み部位は、配列番号1もしくは配列番号4のヌクレオチド配列を含む遺伝子座内に、または目的の遺伝子座に対してごく近接内に、例えば、染色体DNA上の配列番号1の位置に対して上流(5’)もしくは下流(3’)の約1kb、500塩基対(bp)、250bp、100bp、50bp、25bp、10bp未満、もしくは約5bp未満内に位置する。なお他の一部の実施形態では、用いられる組込み部位は、染色体DNA上の配列番号1または配列番号4の位置に対して上流(5’)または下流(3’)約1000、2500、5000またはそれ超の塩基対に位置する。
大きいゲノム領域、例えば足場/マトリックス付着領域が染色体DNAの効率的な複製および転写のために用いられることが、当該分野で理解されている。足場付着領域(SAR)、またはマトリックス関連もしくはマトリックス付着領域(MAR)とも呼ばれる公知の足場/マトリックス付着領域(S/MAR)は、核マトリックスが付着する真核生物ゲノムDNA領域である。任意の1つの理論に束縛されるものではないが、S/MARは、典型的には、非コード領域にマップされ、その近隣物から所与の転写領域(例えば、クロマチンドメイン)を分離し、転写を可能にする因子の装置および/または結合のためのプラットフォーム、例えば、DNAseまたはポリメラーゼのための認識部位もまた提供する。一部のS/MARは、約14〜20kb長において特徴付けられている(Klarら、2005年、Gene 364巻:79〜89頁)。このように、遺伝子座1における(配列番号1もしくは配列番号4内またはそれらの近傍)遺伝子の組込みは、増強された発現を付与すると予測される。
当業者は、いくつかのエレメントが、対象遺伝子座における高い転写活性のために最適化され得、目的のタンパク質をコードする挿入された遺伝子の高い発現を生じることを認識し得る。考慮されるエレメントには、転写を駆動するための強いプロモーター、適切な転写装置、およびオープンかつアクセス可能な立体配置を有するDNAが含まれる。対象遺伝子座における挿入は、配列番号1または配列番号4内の選択された組込み部位を標的化することによって、当業者の技術範囲内で最適化され得る。
一実施形態では、配列番号1の発現増強性配列が、GOIの発現を増強するために用いられる。図2Aは、CHO細胞ゲノム中の異なる遺伝子座(対照遺伝子座)中に組み込まれた同じGOIと比較した、配列番号1(遺伝子座1)に作動可能に連結したGOIの結果を示す。各細胞株について測定された遺伝子コピー数は等価であるが、実験は、GOIを発現する細胞のmRNAレベルおよびタンパク質力価が、遺伝子座1に作動可能に連結したGOIについて3倍高いことを示している。
種々の実施形態では、GOIの発現は、配列番号1または配列番号4内にGOIを配置することによって増強され得る。種々の実施形態では、発現における増強は、少なくとも約1.5倍から約3倍またはそれ超である。
標的遺伝子座を遺伝子改変する
特定の位置(即ち、標的遺伝子座)において細胞ゲノムを遺伝子操作するための方法は、いくつかの方法で達成され得る。核酸配列を真核生物細胞中に安定に組み込むために遺伝子編集技術を使用したが、この核酸配列は、かかる細胞中に通常は見出されない外因性配列である。細胞子孫が、操作された細胞株の同一の遺伝子型特徴および表現型特徴を共有することを確実にするために、クローン増殖が必要である。一部の例では、ネイティブ細胞は、配列番号1または配列番号4内に外因性核酸配列が組み込まれるように、相同組換え技術によって改変される。他の例では、外因性核酸配列または目的の遺伝子を組み込むために便利な配列番号1または配列番号4内の少なくとも1つのリコンビナーゼ認識配列を含む細胞が、提供される。
一部の例では、第1のリコンビナーゼ認識配列および第2のリコンビナーゼ認識配列を含む細胞が提供され、第1および第2のリコンビナーゼ認識配列の各々は、LoxP、Lox511、Lox5171、Lox2272、Lox2372、Loxm2、Lox−FAS、Lox71、Lox66およびそれらの変異体を含む群から選択される。この場合、リコンビナーゼ媒介性カセット交換(RMCE)が所望されるとき、部位特異的リコンビナーゼは、Creリコンビナーゼまたはその誘導体である。他の例では、第1および第2のリコンビナーゼ認識配列の各々は、FRT、F3、F5、FRT変異体−10、FRT変異体+10およびそれらの変異体を含む群から選択され、このシナリオでは、RCMEが所望されるとき、部位特異的リコンビナーゼは、Flpリコンビナーゼまたはその誘導体である。さらに別の例では、前記第1および第2のリコンビナーゼ認識配列の各々は、attB、attPおよびそれらの変異体を含む群から選択され、この場合、RMCEが所望されるとき、部位特異的リコンビナーゼは、phiC31インテグラーゼまたはその誘導体である。
一態様では、配列番号1もしくは配列番号4またはそれらの発現増強性断片内に核酸配列を安定に組み込むための方法および組成物は、相同組換えを介する。核酸分子、即ち、目的の遺伝子またはポリヌクレオチドは、相同組換えによって、または組込み部位において配列を特異的に標的化する部位特異的ヌクレアーゼ法を使用することによって、標的化された遺伝子座(即ち、配列番号1)中に挿入され得る。相同組換えのために、相同なポリヌクレオチド分子(即ち、相同アーム)が並び、それらの配列のストレッチを交換する。導入遺伝子は、相同なゲノム配列が導入遺伝子に隣接する場合、この交換の間に導入され得る。一例では、リコンビナーゼ認識部位は、組込み部位において宿主細胞ゲノム中に導入され得る。
真核生物細胞における相同組換えは、組込み部位において染色体DNA中に切断を導入することによって促進され得る。モデル系は、二本鎖切断が染色体標的配列内に導入される場合に、遺伝子標的化の間の相同組換えの頻度が増加することを実証している。これは、特定のヌクレアーゼを組込みの特異的部位へと標的化することによって、達成され得る。標的遺伝子座におけるDNA配列を認識するDNA結合性タンパク質は、当該分野で公知である。遺伝子標的化ベクターもまた、相同組換えを促進するために用いられる。相同組換え修復(homology directed repair)のための遺伝子標的化ベクターの非存在下で、細胞は、切断部位において複数ヌクレオチドの欠失または挿入をもたらし得る非相同末端結合(NHEJ)による二本鎖切断を、頻繁に閉じる。挿入または欠失(InDel)が生じた場合、少数のヌクレオチドが切断の部位においてランダムに挿入または欠失され、これらのInDelは、標的遺伝子座内の遺伝子の任意のオープンリーディングフレーム(ORF)をシフトまたは破壊し得る。配列番号1(または配列番号4)として識別された遺伝子座は、遺伝子コード領域ではないことが理解される。従って、内因性遺伝子転写が、遺伝子座における挿入および/または欠失によって破壊されることは想定されない。
相同組換え修復(または相同性指向組換え(homology directed recombination))(HDR)は、対象遺伝子座において遺伝子を挿入または組み込むために特に有用である。ドナー構築物は、本明細書に記載されるように、配列番号1または配列番号4に由来する相同アームを含む。
遺伝子標的化ベクター構築およびヌクレアーゼ選択は、本発明が関連する当業者の技術範囲内である。
一部の例では、モジュラー構造を有し個々のジンクフィンガードメインを含むジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)は、標的配列中の特定の3−ヌクレオチド配列(例えば、標的化組込みの部位)を認識する。一部の実施形態は、複数の標的配列を標的化する個々のジンクフィンガードメインの組合せを有するZFNを利用し得る。
転写アクチベーター様(TAL)エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)もまた、部位特異的ゲノム編集に用いられ得る。TALエフェクタータンパク質のDNA結合ドメインは、典型的には、FokIなどの制限ヌクレアーゼの非特異的切断ドメインと組み合わせて利用される。一部の実施形態では、TALエフェクタータンパク質のDNA結合ドメインおよび制限ヌクレアーゼ切断ドメインを含む融合タンパク質が、本発明の遺伝子座内の標的配列においてDNAを認識および切断するために用いられる(Boch Jら、2009年 Science 326巻:1509〜1512頁)。
RNAガイドエンドヌクレアーゼ(RGEN)は、細菌の適応免疫装置から開発されたプログラム可能なゲノム操作ツールである。この系−クラスター化された調節間隔配置の短いパリンドローム配列リピート(CRISPR)/CRISPR関連(Cas)免疫応答−では、タンパク質Cas9が、2つのRNAと複合体化した場合に配列特異的エンドヌクレアーゼを形成し、RNAの一方は、標的選択をガイドする。RGENは、成分(Cas9およびtracrRNA)および標的特異的CRISPR RNA(crRNA)からなる。DNA標的切断の効率および切断部位の位置の両方が、標的認識のためのさらなる要件であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の位置に基づいて変動する(Chen, H.ら、J. Biol. Chem.、2014年3月14日にManuscript M113.539726としてオンライン公開)。
配列番号1の特異的標的化遺伝子座に特有の配列を識別するための戦略は、当該分野で公知であるが、CHOゲノムに対する多くのこれらの配列のアラインメントは、16〜17塩基対の一致を有する潜在的なオフターゲット部位を明らかにしている。配列番号5(配列番号1のヌクレオチド1990〜2001に対応する)に示される配列によってコードされる1つの例示的な20bpのガイドRNAは、配列番号1または配列番号4のRNAガイドされたCRISPR/Cas遺伝子編集に有用である。スモールガイドRNAおよびtracrRNA(例えば、配列番号6)の発現を駆動するプロモーターを含み、ならびにプロモーターの制御下に適切なCas9酵素を運搬するプラスミドが、この方法による標的化組込みを用いるために、ドナーベクター(5’および3’相同アームが隣接する目的の遺伝子を運搬する)と共に、共トランスフェクトされ得る。本明細書で上記したものに加えて、RNA分子の種々の改変およびバリアントが、当業者に明らかであり、本発明の範囲内に入ることが意図される。
一部の実施形態では、目的の遺伝子または認識配列または遺伝子カセットをコードする配列を含む外因性核酸をゲノム中に導入するためのビヒクルは、場合によっては、外因性核酸および1もしくは複数のさらなるベクターまたはmRNAを運搬するベクターを含む。一実施形態では、1または複数のさらなるベクターまたはmRNAは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFNダイマー、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質およびRNAガイドDNAエンドヌクレアーゼが含まれるがこれらに限定されない部位特異的ヌクレアーゼをコードするヌクレオチド配列を含む。ある特定の実施形態では、1または複数のベクターまたはmRNAは、ガイドRNA、tracrRNA、およびCas酵素をコードするヌクレオチド配列を含む第1のベクター、ならびにドナー(外因性)ヌクレオチド配列を含む第2のベクターを含む。かかるドナー配列は、目的の遺伝子をコードするヌクレオチド配列、または認識配列、または標的化挿入のために意図されるこれらの外因性エレメントのうちいずれか1つを含む遺伝子カセットを含む。mRNAが使用される場合、mRNAは、当業者に公知の一般的なトランスフェクション方法によって細胞中にトランスフェクトされ得、酵素、例えば、トランスポザーゼまたはエンドヌクレアーゼをコードし得る。細胞中に導入されたmRNAは、一過性であり得、ゲノム中に組み込まれないが、mRNAは、組込みが起こるために必要なまたは有益な外因性核酸を運搬し得る。一部の場合には、mRNAは、アクセサリーポリヌクレオチドの長期持続性の副作用のいずれのリスクも排除するために選択され、短期発現のみが、GOIの所望の組込みを達成するために必要とされる。
相同組換えのさらに他の方法は、正確なDNA結合特異性を有するBuD由来ヌクレアーゼ(BuDN)など、当業者に利用可能である(Stella, S.ら Acta Cryst. 2014年、D70巻、2042〜2052頁)。正確なゲノム改変方法は、細胞表現型の破壊が回避されるように、配列番号1内の独自の標的配列と適合性の利用可能なツールに基づいて選択される。
遺伝子標的化構築物
宿主ゲノム中に組み込まれるポリヌクレオチド配列は、細胞発現系の生成のために、任意の産業的に有用なDNA配列、例えば認識配列であり得る。宿主ゲノム中に組み込まれるポリヌクレオチド配列は、本明細書に記載されるように、任意の治療的または産業的に有用なタンパク質(単数または複数)をコードし得る。外因性核酸配列を組み込むための標的遺伝子座内の標的配列を識別することは、いくつかの因子に依存する。利用される相同組換えの方法に依存して、配列番号1または配列番号4に対して相同な配列を選択することは、十分に当業者の技術範囲内である。部位特異的ヌクレアーゼベクターは、用いられる場合、DNA切断のために意図される特異的部位を認識するさらなる成分(配列組成物)を必要とする。
このように、遺伝子標的化構築物は、典型的には、目的の遺伝子座中への外因性核酸配列の標的化組込みを促進する、かかるヌクレオチド配列を組み込む。一部の実施形態では、構築物は、第1の相同アームおよび第2の相同アームを含む。他の実施形態では、構築物(例えば、遺伝子カセット)は、配列番号1または配列番号4に由来する相同アームを含む。一部の実施形態では、相同アームは、配列番号1または配列番号4中に存在するヌクレオチド配列に対して相同なヌクレオチド配列を含む。具体的実施形態では、構築物は、配列番号2(配列番号1のヌクレオチド1001〜2001に対応する)のヌクレオチド配列を有する5’相同アームおよび配列番号3(配列番号1のヌクレオチド2022〜2001に対応する)のヌクレオチド配列を有する3’相同アームを含む。相同アーム、例えば、第1の相同アーム(5’相同アームとも呼ばれる)および第2の相同アーム(3’相同アームとも呼ばれる)は、遺伝子座内の標的化された配列に対して相同である。5’から3’までの相同アームにより、少なくとも1kb、または少なくとも約2kb、または少なくとも約3kb、または少なくとも約4kb、または少なくとも5kb、または少なくとも約10kbを含む、遺伝子座内の領域または標的化された配列は拡大し得る。他の実施形態では、第1および第2の相同アームのために選択される標的化された配列のヌクレオチドの総数は、少なくとも1kb、または少なくとも約2kb、または少なくとも約3kb、または少なくとも約4kb、または少なくとも5kb、または少なくとも約10kbを含む。一部の例では、5’相同アームと3’相同アーム(標的化される配列に対して相同)との間の距離は、少なくとも5bp、10bp、20bp、30bp、40bp、50bp、60bp、70bp、80bp、90bp、100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、または少なくとも1kb、または少なくとも約2kb、または少なくとも約3kb、または少なくとも約4kb、または少なくとも5kb、または少なくとも約10kbを含む。配列番号2および配列番号3が5’および3’相同アームとして選択される場合、これら2つの相同アーム間の距離は、20ヌクレオチド(配列番号1のヌクレオチド2002〜2021に対応する)であり得る;かかる相同アームは、配列番号1を構成する遺伝子座内、例えば、配列番号1のヌクレオチド1990〜2021または2002〜2021内での外因性核酸配列の組込み、および配列番号1のヌクレオチド2002〜2021の同時欠失を媒介し得る。
他の実施形態では、構築物は、第1の相同アームおよび第2の相同アームを含み、組み合わされた第1および第2の相同アームは、遺伝子座内の内因性配列を置き換える標的化された配列を含む。さらに他の実施形態では、第1および第2の相同アームは、遺伝子座内の内因性配列内に組み込まれるか、または挿入される標的化された配列を含む。
改変された細胞株は、配列番号1内の位置において1または複数のリコンビナーゼ認識部位を組み込むことによって創出された。これらの改変された細胞株は、発現された目的の遺伝子の陰性選択または陽性選択のためのさらなる外因性遺伝子もまた含み得る。
本発明は、CHO細胞ゲノムを改変するための方法を提供し、これらの方法は、1または複数のビヒクルを細胞中に導入するステップを含み、1または複数のビヒクルは、組込みのための配列を含む外因性核酸、配列番号1のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な5’相同アーム、および配列番号1のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な3’相同アームを含む。一部の実施形態では、これらの方法は、組込み部位における部位特異的DNA切断のためのヌクレアーゼおよび組成物を含む1または複数のビヒクルをさらに提供する。
改変された細胞株は、リコンビナーゼ媒介性カセット交換(RMCE)のための便利で安定な発現系として利用され得る。目的のタンパク質をコードする核酸配列は、例えば、RMCEプロセスを介して、少なくとも1つのリコンビナーゼ認識部位を有する配列番号1またはその発現増強性断片を含む改変された細胞中に、簡便に組み込まれ得る。
組換え発現ベクターは、哺乳動物、ウイルスまたは昆虫の遺伝子に由来する適切な転写および/または翻訳調節エレメントに作動可能に連結した、タンパク質をコードする合成DNA断片またはcDNA由来DNA断片を含み得る。かかる調節エレメントには、以下に詳細に記載されるように、転写プロモーター、エンハンサー、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、ならびに転写および翻訳の終結を制御する配列が含まれる。哺乳動物発現ベクターは、非転写エレメント、例えば、複製起点、他の5’または3’隣接非転写配列、ならびに5’または3’非翻訳配列、例えば、スプライスドナーおよびアクセプター部位もまた含み得る。トランスフェクタントの認識を促進するための選択可能なマーカー遺伝子もまた、取り込まれ得る。
蛍光マーカーは、場合によっては、首尾よく挿入および/もしくは置き換えされたか、または挿入および/もしくは置き換えされていない遺伝子カセットの認識のための適切な選択可能なマーカー遺伝子である。Discosomaサンゴ(DsRed)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(eGFP)、藍色蛍光タンパク質(CFP)、高感度藍色蛍光タンパク質(eCFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、高感度黄色蛍光タンパク質(eYFP)および近赤外蛍光タンパク質(例えば、mKate、mKate2、mPlum、mRaspberryまたはE2−crimson)が含まれるがこれらに限定されない蛍光マーカーの例は、当該分野で周知である。例えば、Nagai, T.ら、2002年 Nature Biotechnology 20巻:87〜90頁;Heim, R.ら 1995年2月23日 Nature 373巻:663〜664頁;およびStrack, R.L.ら 2009年 Biochemistry 48巻:8279〜81頁もまた参照のこと。
脊椎動物細胞をトランスフェクトするために有用な発現ベクター中の転写および翻訳制御配列は、ウイルス供給源によって提供され得る。例えば、一般に使用されるプロモーターおよびエンハンサーは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サルウイルス40(SV40)およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)などのウイルスに由来する。ウイルスのゲノムプロモーター、制御および/またはシグナル配列は、発現を駆動するために利用され得るが、かかる制御配列が、選択された宿主細胞と適合性であることを条件とする。組換えタンパク質が発現される細胞型に依存して、非ウイルス性細胞プロモーター(例えば、β−グロビンおよびEF−1αプロモーター)もまた使用され得る。
SV40ウイルスゲノムに由来するDNA配列、例えば、SV40起点、初期および後期プロモーター、エンハンサー、スプライスならびにポリアデニル化部位が、異種DNA配列の発現のために有用な他の遺伝子エレメントを提供するために使用され得る。初期および後期プロモーターは共に、SV40ウイルス複製起点もまた含む断片として、SV40ウイルスから容易に取得されるので、これらは特に有用である(Fiersら、Nature 273巻:113頁、1978年)。より小さいまたはより大きいSV40断片もまた使用され得る。典型的には、SV40複製起点中に位置するHind III部位からBglI部位に向かって延びるおよそ250bpの配列が含まれる。
複数の転写物の発現のために使用されるバイシストロニック発現ベクターは、以前に記載されており(Kim S. K. およびWold B. J.、Cell 42巻:129頁、1985年)、本発明の発現増強性配列、例えば、配列番号1またはその断片と組み合わせて使用され得る。例えば米国特許第4,634,665号(Axelら)および米国特許第4,656,134号(Ringoldら)に記載されるものなどの、他の型の発現ベクターもまた有用である。
目的のタンパク質
真核生物細胞における発現に適切な任意の目的のタンパク質が使用され得る。例えば、この目的のタンパク質には、抗体もしくはその抗原結合性断片、キメラ抗体もしくはその抗原結合性断片、ScFvもしくはその断片、Fc−融合タンパク質もしくはその断片、増殖因子もしくはその断片、サイトカインもしくはその断片、または細胞表面受容体の細胞外ドメインもしくはその断片が含まれるがこれらに限定されない。目的のタンパク質は、単一のサブユニットからなる単純なポリペプチド、または2またはそれ超のサブユニットを含む複雑なマルチサブユニットタンパク質であり得る。
宿主細胞およびトランスフェクション
本発明の方法において使用される宿主細胞は、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびマウス細胞を含む哺乳動物宿主細胞である。好ましい一実施形態では、本発明は、CHO細胞中の発現増強性配列をコードする配列番号1の核酸配列断片を提供する。組込み部位は、配列番号1または配列番号1の任意の断片内に見出され得る。組込み部位は、例えば、配列番号1または配列番号1の任意の断片内に配置されたリコンビナーゼ認識部位であり得る。適切な組込み部位の一例は、LoxP部位である。適切な組込み部位の別の例は、例えば、LoxP部位、Lox511部位、Lox2272部位、Lox2372部位、Loxm2部位、Lox71部位、Lox66部位およびLox5171部位からなる群から選択される、2つのリコンビナーゼ認識部位である。他の実施形態では、この組込み部位は、配列番号1の10〜4,000;100〜3,900;200〜3,800;300〜3,700;400〜3,600;500〜3,500;600〜3,400;700〜3,300;800〜3,200;900〜3,100;1,000〜3,000;1,100〜2,900;1,200〜2,800;1,300〜2,700;1,200〜2,600;1,300〜2,500;1,400〜2,400;1,500〜2,300;1,600〜2,200;1,700〜2100;1,800〜2050;1850〜2050、1,900〜2040;1950〜2,025、1990〜2021、2002〜2021および2,010〜2,015と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドからなる群から選択される配列内の位置、または配列番号1の10〜4,000;100〜3,900;200〜3,800;300〜3,700;400〜3,600;500〜3,500;600〜3,400;700〜3,300;800〜3,200;900〜3,100;1,000〜3,000;1,100〜2,900;1,200〜2,800;1,300〜2,700;1,200〜2,600;1,300〜2,500;1,400〜2,400;1,500〜2,300;1,600〜2,200;1,700〜2100;1,800〜2050;1850〜2050、1,900〜2040;1950〜2,025、1990〜2021、2002〜2021および2,010〜2,015と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドからなる群から選択される配列内の位置に隣接する位置に、位置する。ある特定の実施形態では、配列番号1内の位置における組込み部位または配列番号1内の位置に隣接する組込み部位は、配列番号1の1990〜1991、1991〜1992、1992〜1993、1993〜1994、1995〜1996、1996〜1997、1997〜1998、1999〜2000、2001〜2002、2002〜2003、2003〜2004、2004〜2005、2005〜2006、2006〜2007、2007〜2008、2008〜2009、2009〜2010、2010〜2011、2011〜2012、2012〜2013、2013〜2014、2014〜2015、2015〜2016、2016〜2017、2017〜2018、2018〜2019、2019〜2020および2020〜2021と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドからなる群から選択される。
本発明は、本発明の発現ベクターまたはmRNAをトランスフェクトした哺乳動物宿主細胞を含む。任意の哺乳動物細胞が使用され得るが、特定の一実施形態では、宿主細胞はCHO細胞である。
トランスフェクトされた宿主細胞には、タンパク質もしくはポリペプチドをコードする配列を含む発現ベクターまたはmRNA分子をトランスフェクトした細胞が含まれる。発現されたタンパク質は、培養培地中に分泌され得るが、選択された核酸配列に依存して、細胞中に保持され得る、または細胞膜中に沈着され得る。種々の哺乳動物細胞培養系が、組換えタンパク質を発現させるために用いられ得る。特異的な選択または増幅スキームのために発達させた他の細胞株もまた、本明細書に提供される方法および組成物と共に有用であるが、配列番号1に対して少なくとも80%の相同性を有する標的遺伝子座が識別されていることを条件とする。具体化された細胞株は、K1と称されるCHO細胞株である。組換えタンパク質の高容積産生を達成するために、宿主細胞株は、適切な場合にはバイオリアクター培地に事前適応され得る。
いくつかのトランスフェクションプロトコールが当該分野で公知であり、Kaufman(1988年)Meth. Enzymology 185巻:537頁に概説されている。選択されるトランスフェクションプロトコールは、宿主細胞型、およびGOIの性質に依存し、慣用的実験に基づいて選択され得る。任意のかかるプロトコールの基礎的要件は、最初に、目的のタンパク質をコードするDNAを適切な宿主細胞中に導入すること、ならびに次いで、比較的安定で、発現可能な様式で異種DNAを取り込んだ宿主細胞を識別および単離することである。宿主細胞ゲノム中への組込みまたは他の機能のために有用なタンパク質をコードするmRNA分子は、一過性であり得、従って、時限的であり得る。
トランスフェクションプロトコール、ならびにポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列を細胞中に導入するためのプロトコールは、変動し得る。非限定的なトランスフェクション方法には、リポソーム;ナノ粒子;リン酸カルシウム(Grahamら(1973年)。Virology 52巻(2号):456〜67頁、Bacchettiら(1977年)Proc Natl Acad Sci USA 74巻(4号):1590〜4頁およびKriegler, M(1991年)。Transfer and Expression: A Laboratory Manual. New York: W. H. Freeman and Company. 96〜97頁);デンドリマー;またはカチオン性ポリマー、例えば、DEAE−デキストランもしくはポリエチレンイミンの使用を含む、化学物質ベースのトランスフェクション方法が含まれる。非化学物質的方法には、エレクトロポレーション;ソノポレーション(Sono-poration);および光学的トランスフェクションが含まれる。粒子ベースのトランスフェクションには、遺伝子銃、磁石補助型トランスフェクションの使用が含まれる(Bertram, J.(2006年)Current Pharmaceutical Biotechnology 7巻、277〜28頁)。ウイルス法もまた、トランスフェクションに使用され得る。mRNA送達は、TransMessenger(商標)およびTransIT(登録商標)を使用する方法を含む(Bireら BMC Biotechnology 2013年、13巻:75頁)。
異種DNAを細胞中に導入する1つの一般に使用される方法は、例えば、Wiglerら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77巻:3567頁、1980年)によって記載されるような、リン酸カルシウム沈殿である。この方法によって宿主細胞中に導入されたDNAは、再編成を頻繁に受け、このことが、この手順を、独立した遺伝子の共トランスフェクションにとって有用なものにしている。
細菌プロトプラストと哺乳動物細胞とのポリエチレン誘導性の融合(Schaffnerら、(1980年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77巻:2163頁)は、異種DNAを導入する別の有用な方法である。プロトプラスト融合プロトコールは、哺乳動物宿主細胞ゲノム中に組み込まれた複数コピーのプラスミドDNAを頻繁に生じ、この技術は、選択および増幅マーカーがGOIと同じプラスミド上にあることを必要とする。
エレクトロポレーションもまた、例えば、Potterら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81巻:7161頁、1988年)またはShigekawaら(BioTechniques 6巻:742頁、1988年)によって記載されるように、宿主細胞の細胞質中にDNAを直接導入するために使用され得る。プロトプラスト融合とは異なり、エレクトロポレーションは、選択マーカーおよびGOIが同じプラスミド上にあることを必要としない。
Lipofectin(商標)ReagentおよびLipofectamine(商標)Reagent(Gibco BRL、Gaithersburg、Md.)などの、異種DNAを哺乳動物細胞中に導入するために有用な他の試薬が、記載されている。これらの市販の試薬は共に、培養細胞に適用される場合に細胞中への核酸の取り込みを促進する脂質−核酸複合体(またはリポソーム)を形成するために使用される。
一実施形態では、ポリヌクレオチドの1または複数を細胞中に導入することは、エレクトロポレーションによって、細胞質内注射によって、ウイルス注射によって、アデノウイルスによって、レンチウイルスによって、レトロウイルスによって、トランスフェクションによって、脂質媒介性トランスフェクションによって媒介され、またはNucleofection(商標)を介して媒介される。
GOIを増幅するための方法もまた、組換えタンパク質の発現のために望ましく、典型的には、選択マーカーの使用を含む(Kaufman上記で概説される)。細胞傷害性薬物に対する耐性は、選択マーカーとして最も頻繁に使用される特徴であり、優性形質(例えば、宿主細胞型とは独立して使用され得る)または劣性形質(例えば、選択される活性が何であれ、その活性を欠損している特定の宿主細胞型において有用)のいずれかの結果であり得る。いくつかの増幅可能なマーカーが、本発明の発現ベクター中での使用に適切である(例えば、Sambrook、Molecular Biology: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、NY、1989年;16.9〜16.14頁に記載されている)。
薬物耐性哺乳動物細胞における遺伝子増幅に有用な選択可能なマーカーは、Kaufman, R. J.、上記の表1に示されており、これには、DHFR−MTX耐性、P−糖タンパク質および多剤耐性(MDR)−種々の親油性細胞傷害剤(例えば、アドリアマイシン、コルヒチン、ビンクリスチン)、ならびにアデノシンデアミナーゼ(ADA)−Xyl−Aまたはアデノシンおよび2’−デオキシコホルマイシンが含まれる。
他の優性な選択可能なマーカーには、微生物由来の抗生物質耐性遺伝子、例えば、ネオマイシン、カナマイシンまたはハイグロマイシン耐性が含まれる。しかし、これらの選択マーカーは、増幅可能でないことが示されている(Kaufman, R. J.、上記)。いくつかの適切な選択系が、哺乳動物宿主について存在している(Sambrook上記、16.9〜16.15頁)。2つの優性な選択可能なマーカーを用いる共トランスフェクションプロトコールもまた記載されている(OkayamaおよびBerg、Mol. Cell Biol 5巻:1136頁、1985年)。
以前に記載されたまたは当該分野で公知の有用な調節エレメントもまた、哺乳動物細胞をトランスフェクトするために使用される核酸構築物中に含まれ得る。選択されるトランスフェクションプロトコールおよびそこでの使用のために選択されるエレメントは、使用される宿主細胞の型に依存する。当業者は、多数の異なるプロトコールおよび宿主細胞を知っており、使用される細胞培養系の要件に基づいて、所望のタンパク質の発現のための適切な系を選択できる。
本発明の他の特色は、本発明の例示のために与えられるのであってその限定を意図しない例示的な実施形態の以下の説明の過程で明らかになる。
以下の実施例は、本明細書に記載される方法および組成物を実施および使用する方法を当業者に提供するために示されるのであって、本発明の範囲を限定することを意図しない。使用される数(例えば、量、温度など)に関する正確性を確実にするための努力が行われているが、いくらかの実験誤差または偏差を考慮すべきである。他に示さない限り、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度は℃であり、圧力は、大気圧またはその近傍である。
(実施例1)
目的の遺伝子座の識別および組込み部位の特徴付け
CHO K1細胞に、抗体配列、および選択可能なマーカーとしての選択可能な抗生物質耐性遺伝子を含む2つのプラスミドをトランスフェクトした。安定なトランスフェクタントの選択を、抗生物質の存在下で細胞を増殖させることによって実施した。高レベルの抗体を発現する個々の細胞クローンを、FASTR(登録商標)選別テクノロジー(米国特許第8673589号B2を参照のこと)を用いて単離した。最も高い抗体発現レベルを示すいくつかのクローンを識別した。
これらのクローン由来のゲノムDNAを、Covaris Adaptive Focused Acoustics(AFA)(商標)テクノロジー(Fisher, S.ら 2011年、Genome Biology 12巻:R1頁)を用いて断片化した。DNAライブラリーを生成し(Agilent SureSelectXT #G9612A)、CHO細胞中に導入したプラスミド配列全体に対して設計したオーダーメイドのビオチン化RNAベイト(Agilent SureSelectXT #5190−4811)と共にインキュベートした。プラスミド配列を含むゲノムDNA断片を、磁性ストレプトアビジンビーズを用いて富化し、Illumina MiSeq配列決定に供してプラスミド組込み部位を識別した。プラスミド配列およびCHOゲノム配列の両方を含む融合配列を分析し、CHOゲノムに対してアラインさせた。単一の組込み部位を、サザンブロット分析およびPCRとその後の配列決定とによって確認した。配列番号1のヌクレオチド配列を有する組込み部位が、発現ホットスポットとして識別された(GenBank遺伝子座ID番号AFTD01150902.1、nt35529:39558もまた参照のこと)。これらの組込み部位を分析して、細胞株のさらなる生成のためのそれらの適切性を決定した。組込み部位は、タンパク質の翻訳などの細胞の正常なゲノム装置を破壊せず、細胞の表現型を変更しない、非コード領域中に位置することが望まれた。
Blat検索(Kent WJ.、BLAT - the BLAST-like alignment tool. Genome Res. 2002年4月;12巻(4号):656〜64頁)アラインメントから、配列番号1は、マウスおよびヒトのゲノム配列に対して非常に低い相同性を共有する。CHO−1[ATCC]_refseq_transcript(www.chogenome.org)に対する配列番号1の配列blastにより、識別された遺伝子座配列が、いずれの公知の遺伝子のいずれのコード領域も含まないことが明らかになった。配列番号1を包含する、配列番号4のより広い配列もまた、標的化組込みに適切な遺伝子座として識別された。
組込み部位配列は、CHOおよびマウスのゲノムの非コード領域中に位置することが決定され、以下に記載した実験においてさらに利用した。
(実施例2)
宿主細胞組込み部位中に効率的に組み込まれた外因性DNA
配列番号1として識別されたCHOゲノムの特異的遺伝子座中への外因性遺伝子の標的化挿入を、TALEヌクレアーゼ(TALEN)を用いることによって実施した。実施例1のように細胞ゲノム中にランダムに組み込まれた抗体重鎖および軽鎖配列を含む構築物を、TALENによって標的化した。TALENを、抗体発現構築物の3つの同一のHyg遺伝子内の位置へと標的化した(図1Aを参照のこと)。Hyg配列のためのTALEN標的切断部位は、ZiFit.partners.org(ZiFit Targeter Version 4.2)に基づいた。TALENを、公知の方法に基づいて設計した(Boch Jら、2009年 Science 326巻:1509〜1512頁)。
ドナーmKateベクター(図1Bを参照のこと)およびTALENコードベクターを、標準的なLipofectinプロトコール(LIPOFECTAMINE、Life Technologies、Gaithersburg、Md.)を使用して、CHO宿主細胞中にトランスフェクトした。細胞を培養し、所望の特色を有する安定なクローンを、FACSによって単離および選別した。所望の遺伝子座における単一組込みを、サザンブロットおよびPCRによって確認した。
(実施例3)
RMCEによる、目的の遺伝子座における操作された細胞の標的化組換え
高レベルの蛍光遺伝子、例えばmKateを発現するCHO細胞株であって、この遺伝子に、目的の遺伝子座内でlox部位が隣接するCHO細胞株を、単離のために選択した。第2の蛍光遺伝子dsRedを発現する第2のCHO細胞株であって、この遺伝子に、対照遺伝子座、即ちEESYR(米国特許第8389239号B2、2013年3月5日に発行された)内に位置させたlox部位が隣接するCHO細胞株も選択した。
トランスフェクトされたCHO細胞を適応させて、無血清産生培地中浮遊状態で増殖させた。次いで、細胞に、ドナー発現ベクター、およびCreリコンビナーゼをコードするプラスミドを、10センチメートルプレート中でトランスフェクトした。ドナー発現ベクターは、Lox部位が隣接したFc融合タンパク質をコードする目的の遺伝子を含む(図3Aまたは3Bを参照のこと)。細胞を、400μg/mlハイグロマイシンを含む培養培地中でトランスフェクション後2週間にわたって培養し、eYFPを発現するがmKate(またはEESYR遺伝子座組込みの場合にはdsRed)は発現しない細胞を、フローサイトメトリーを使用して単離した。eYFPを発現する細胞を、無血清産生培地中で浮遊培養して増殖させ、mRNAレベルを、Fc融合タンパク質コードする各細胞プールについて、標準的手順を使用してqRT−PCRによって決定した(図4を参照のこと)。
組換え交換効率(赤色マーカー、即ちmKateまたはdsRedで交換された、ドナーカセットマーカー、即ちeYFPから発現する生存細胞のパーセント集団)を、細胞プール間で比較した(表1)。高い組換え交換効率が、各遺伝子座において観察された。
Figure 2017535258
転写は、対照遺伝子座と比較して、操作された遺伝子座1を有する細胞プールにおいて、より高い率(1.5倍高い)で観察された(図4)。
本発明は、本明細書に記載される具体的実施形態によって範囲が限定されない。実際、本明細書に記載されるものに加えて、本発明の種々の改変が、上述の説明および添付の図面から当業者に明らかとなる。かかる改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。

Claims (55)

  1. 遺伝子座内の特異的部位において組み込まれた外因性核酸配列を含む細胞であって、前記遺伝子座は、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む、細胞。
  2. 第2の核酸配列内の特異的部位中に組み込まれた第1の核酸配列を含むポリヌクレオチドであって、前記第2の核酸配列は、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。
  3. 前記特異的部位が、配列番号1内の位置に位置するか、または配列番号1内の位置に隣接して位置し、前記位置が、配列番号1の10〜4,000;100〜3,900;200〜3,800;300〜3,700;400〜3,600;500〜3,500;600〜3,400;700〜3,300;800〜3,200;900〜3,100;1,000〜3,000;1,100〜2,900;1,200〜2,800;1,300〜2,700;1,200〜2,600;1,300〜2,500;1,400〜2,400;1,500〜2,300;1,600〜2,200;1,700〜2100;1,800〜2050;1,900〜2040;2,000〜2,020、2002〜2021、2,010〜2,015、2001〜2002、2009〜2010および2021〜2022と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドから選択される、請求項2に記載のポリヌクレオチド。
  4. 配列番号1内の前記特異的部位または配列番号1内の位置に隣接する前記特異的部位が、配列番号1の10〜500;500〜1,000;500〜2,100;1,000〜1,500;1,000〜2,100;1,500〜2,000;1,500〜2,500;2,000〜2,500;2,500〜3,000;2,500〜3,500;3,000〜3,500;3,000〜4,000;および3,500〜4,000と番号付けされた位置に及ぶヌクレオチドからなる群から選択される、請求項3に記載のポリヌクレオチド。
  5. 改変されたゲノムを含む改変された細胞であって、前記ゲノムは、前記ゲノムの遺伝子座内での外因性核酸配列の挿入によって改変され、前記遺伝子座は、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一である発現増強性ヌクレオチド配列を含む、細胞。
  6. 前記細胞がCHO細胞である、請求項5に記載の改変された細胞。
  7. 前記外因性核酸配列が、1または複数の組換え認識配列を含む、請求項5または6に記載の改変された細胞。
  8. 前記外因性核酸配列が、少なくとも2つの組換え認識配列と、前記2つの組換え認識配列間に配置された選択可能なマーカーとを含む、請求項7に記載の改変された細胞。
  9. 前記1または複数の組換え認識配列が、LoxP部位、Lox511部位、Lox2272部位、Lox2372部位、Lox5171部位、Loxm2部位、Lox71部位、Lox66部位、LoxFas部位およびfrt部位からなる群から選択される、請求項7に記載の改変された細胞。
  10. 前記外因性核酸配列が、前記発現増強性ヌクレオチド配列に作動可能に連結した少なくとも1つの外因性の目的の遺伝子(GOI)を含む、請求項5または6に記載の改変された細胞。
  11. 前記少なくとも1つの外因性GOIが、ヒト遺伝子であり、前記ヒト遺伝子が、外因性プロモーターに作動可能に連結している、請求項10に記載の改変された細胞。
  12. 第1のGOIの3’側に第2のGOIをさらに含み、前記第2のGOIが、外因性プロモーターに作動可能に連結している、請求項11に記載の改変された細胞。
  13. 前記第1のGOIが抗体の軽鎖をコードし、前記第2のGOIが抗体の重鎖をコードする、請求項12に記載の改変された細胞。
  14. 抗体の軽鎖をコードする前記遺伝子の5’側に第1のリコンビナーゼ部位と、抗体の重鎖をコードする前記遺伝子に直接隣接し、かつ3’側にある第2のリコンビナーゼ部位とをさらに含む、請求項13に記載の改変された細胞。
  15. 前記第1のリコンビナーゼ認識部位と前記第2のリコンビナーゼ認識部位とが異なり、前記第1および第2のリコンビナーゼ認識部位が、LoxP部位、Lox511部位、Lox2272部位、Lox2372部位、Lox5171部位、Loxm2部位、Lox71部位、Lox66部位、LoxFas部位およびfrt部位からなる群から選択される、請求項14に記載の改変された細胞。
  16. CHO細胞ゲノムを改変する方法であって、前記CHO細胞中に、外因性配列を含むビヒクルを導入するステップを含み、前記外因性配列は、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む前記ゲノムの遺伝子座中に組み込まれる、方法。
  17. 目的のタンパク質を発現するようにCHO細胞ゲノムを改変する方法であって、CHO細胞中に、前記目的のタンパク質の発現のための配列を含む外因性核酸を前記CHO細胞のゲノム中に導入するためのビヒクルを導入するステップを含み、前記ビヒクルはベクターを含み、前記ベクターは、
    a.配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な5’相同アーム、
    b.前記目的のタンパク質をコードする核酸、および
    c.配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な3’相同アーム
    を含む、方法。
  18. 前記ビヒクルが、少なくともさらなるベクターまたはmRNA分子を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記さらなるベクターが、アデノウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス、組込みファージベクター、非ウイルスベクター、トランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼ、インテグラーゼ基質ならびにプラスミドからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記5’相同アームが、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な配列を含み、前記目的のタンパク質をコードする前記核酸と連続している、請求項17に記載の方法。
  21. 前記3’相同アームが、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な配列を含み、前記目的のタンパク質をコードする前記核酸と連続している、請求項17に記載の方法。
  22. 目的のタンパク質を発現するようにCHO細胞ゲノムを改変するためのビヒクルであって、
    a.配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同である5’相同アーム、
    b.前記目的のタンパク質をコードする核酸、および
    c.配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な3’相同アーム
    を含むベクターを含むビヒクル。
  23. 少なくともさらなるベクターまたはmRNA分子を含む、請求項22に記載のビヒクル。
  24. 前記さらなるベクターが、アデノウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス、組込みファージベクター、非ウイルスベクター、トランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼ、インテグラーゼ基質、ならびにプラスミドからなる群から選択される、請求項23に記載のビヒクル。
  25. 前記5’相同アームが、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な配列を含み、前記目的のタンパク質をコードする前記核酸と連続している、請求項22に記載のビヒクル。
  26. 前記3’相同アームが、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な配列を含み、前記目的のタンパク質をコードする前記核酸と連続している、請求項22に記載のビヒクル。
  27. 目的のタンパク質を作製するための方法であって、
    a.細胞中に目的の遺伝子(GOI)を導入するステップであって、前記GOIは、配列番号1または配列番号4の発現増強性配列に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む特異的遺伝子座中に組み込まれる、ステップ;
    b.(a)の細胞を、前記GOIの発現を可能にする条件下で培養するステップ;および
    c.前記目的のタンパク質を回収するステップ
    を含む方法。
  28. 前記GOIが、前記発現増強性配列に作動可能に連結し、少なくとも1つのリコンビナーゼ認識部位が、前記GOIと直接隣接する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記GOIが、免疫グロブリンまたはその抗原結合性断片、および受容体またはそのリガンド結合性断片から選択されるタンパク質をコードする、請求項28に記載の方法。
  30. 前記免疫グロブリンが、抗体軽鎖もしくはその抗原結合性断片、抗体重鎖もしくはその抗原結合性断片、Fc融合タンパク質、またはFc−受容体融合タンパク質から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記少なくとも1つのリコンビナーゼ認識部位が、LoxP部位、Lox511部位、Lox2272部位、Lox2372部位、Lox5171部位、Loxm2部位、Lox71部位、Lox66部位、LoxFas部位およびfrt部位からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記GOIが前記リコンビナーゼ認識部位に直接隣接し、かつ5’側にあり、そして前記GOIに直接隣接し、かつ3’側にある第2のリコンビナーゼ認識部位をさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記第2のリコンビナーゼ認識部位に直接隣接し、かつ3’側にある第2のGOIをさらに含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記第2のGOIに直接隣接し、かつ3’側にある第3のリコンビナーゼ認識部位をさらに含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記第2のリコンビナーゼ認識部位と前記第2のGOIとの間に少なくとも1つのマーカー遺伝子をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記少なくとも1つのマーカー遺伝子が、薬物耐性遺伝子および発現レポーター遺伝子からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記第1のGOIに作動可能に連結したプロモーターおよび前記第2のGOIに作動可能に連結したプロモーターをさらに含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記第2および前記第3のリコンビナーゼ認識部位が、前記第1のリコンビナーゼ認識部位と反対の配向である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記第1、第2および第3のリコンビナーゼ認識部位が異なる、請求項38に記載の方法。
  40. 目的のタンパク質を作製するための方法であって、
    (a)CHO細胞中に、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む発現増強性配列と、目的のタンパク質をコードする外因性GOIとを含む核酸構築物を導入するステップであって、前記GOIは、前記発現増強性配列に作動可能に連結している、ステップ;
    (b)(a)のCHO細胞を、前記GOIの発現を可能にする条件下で培養するステップ;および
    (c)前記目的のタンパク質を回収するステップ
    を含む方法。
  41. 前記GOIが、プロモーターに作動可能に連結している、請求項40に記載の方法。
  42. 前記GOIが、免疫グロブリンまたはその抗原結合性断片をコードする、請求項41に記載の方法。
  43. 前記GOIが、抗体、受容体もしくはそのリガンド結合性断片、Fc−受容体融合タンパク質またはFc融合タンパク質をコードする、請求項42に記載の方法。
  44. 認識配列が組み込まれるようにCHO細胞ゲノムを改変する方法であって、CHO細胞中に、認識配列を含む外因性核酸を前記CHO細胞のゲノム中に導入するためのビヒクルを導入するステップを含み、前記ビヒクルはベクターを含み、前記ベクターは、
    a.配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な5’相同アーム、
    b.認識配列を含む外因性核酸、および
    c.配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な3’相同アーム
    を含み、前記認識配列が、配列番号1または配列番号4に対して少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を有する前記ゲノムの遺伝子座内に組み込まれる、方法。
  45. 前記外因性核酸配列が、少なくとも2つの組換え認識配列と、前記2つの組換え認識配列間に配置された選択可能なマーカーとを含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記ビヒクルが、少なくともさらなるベクターまたはmRNA分子を含む、請求項44または45に記載の方法。
  47. 前記さらなるベクターが、前記認識配列を組み込むための部位特異的ヌクレアーゼをコードする核酸を含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記部位特異的ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFNダイマー、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質またはRNAガイドDNAエンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
  49. 認識配列が組み込まれるようにCHO細胞ゲノムを改変するためのビヒクルであって、
    a.配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な5’相同アーム、
    b.前記認識配列を含む核酸、および
    c.配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な3’相同アーム
    を含むベクターを含む、ビヒクル。
  50. 前記核酸が、少なくとも2つの組換え認識配列と、前記2つの組換え認識配列間に配置された選択可能なマーカーとを含む、請求項49に記載のビヒクル。
  51. 少なくともさらなるベクターまたはmRNA分子を含む、請求項49または50に記載のビヒクル。
  52. 前記さらなるベクターが、前記認識配列を組み込むための部位特異的ヌクレアーゼをコードする核酸を含む、請求項51に記載のビヒクル。
  53. 前記部位特異的ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFNダイマー、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質またはRNAガイドDNAエンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項52に記載のビヒクル。
  54. 前記5’相同アームが、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な配列を含み、前記認識配列を含む前記核酸と連続している、請求項49に記載のビヒクル。
  55. 前記3’相同アームが、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列中に存在する配列に対して相同な配列を含み、前記認識配列を含む前記核酸と連続している、請求項49に記載のビヒクル。
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