JP2017532339A - 5−ヒドロキシメチルフルフラルの製造及び単離のためのプロセス - Google Patents

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Abstract

本発明は、5−ヒドロキシメチルフルフラル(HMF)の合成のためのプロセスであって、1)少なくとも1つの4級アンモニウム塩R3R’N+X-であって、式中、Rが、同一であるか又は異なり、C1〜C16の置換又は非置換アルキル基を示し、R’が、水素、C1〜C16の置換又は非置換アルキル基、単環の置換又は非置換アリール基からなる群に属し、X-が、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、水酸化物、BF4-及びPF6-から選択されるアニオンを示す、少なくとも1つの4級アンモニウム塩の存在下において、80〜120℃の温度で、6個の炭素原子を有する単糖、及び、6個の炭素原子を有する単位から形成された二糖、オリゴ糖若しくは多糖から選択される少なくとも1つの糖、又はそれらの混合物を脱水して、反応媒体から水を除去して(脱水段階)、4級アンモニウム塩と、HMFと、任意の未反応の糖とを含み、生成物のHMFの質量に対して、30wt%未満の水含有量を有する反応混合物を得る工程;2)前記反応混合物からHMFを分離する工程(分離段階)を含むプロセスに関する。

Description

本発明は、糖から5−ヒドロキシメチルフルフラル(HMF)を製造及び単離するためのプロセスに関する。
特に、本発明は、糖から5−ヒドロキシメチルフルフラル(HMF)を高い歩留りかつ高純度で製造及び単離することができる効率的なプロセスに関する。
HMFは、一連の有用な中間物、例えば、2,5−フランジカルボン酸、2,5−ジメチルフラン、2,5−(ジヒドロキシメチル)フランなどを再生可能な源から得るための極めて重要な製品である。
この製品を得るための最も直接的な合成ルートは、6個の炭素原子を有する単糖、例えば、フルクトース及びグルコース、又はこれら由来の二糖及び多糖、例えば、サッカロース及びイヌリンの酸触媒化脱水であり、単糖単位あたり3モルの水の脱離を通じてHMFが生じる。
6126 → HMF + 3H2
様々なタイプの溶媒:水、双極性非プロトン触媒(例えば、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド)、水と有機溶媒とを含む2相系(例えば、2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノン)、イオン液体(例えば、N−メチル−2−ピロリドニウムメチルスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート)中で変換が行われることがある。
様々な触媒系が変換を行うために使用され、それらは、例えば、鉱酸タイプの酸触媒、イオン交換樹脂、ゼオライト、担持されたヘテロポリ酸及び金属塩化物(例えば、FeCl3、CrCl2、SnCl4)である。
しかしながら、触媒の酸性度はまた、HMFの再水和及びその後の分裂を促進して、レブリン酸及びギ酸又はそのオリゴマー化物若しくはポリマー化物を作り出し、反応の全体の歩留りを低下させるのに寄与する副産物をさらに作り出す。
アルキルアンモニウム塩はまた、近年、初期糖に応じて45〜70%で変化するHMF歩留りを持つ、このタイプの反応用の触媒又は溶媒として提案されてきた(中国特許第101906088号明細書;中国特許第101811066号明細書;「Tetrahedron Letters」,53,2012,983−985ページ;「Carbohydrate Research」,346,2011,2019−2023ページ)。
いずれにしても、これらの溶媒及び触媒の幾つかの組み合わせを用いて、特にフルクトースからHMFへの良好な変換を得ることが可能であっても、水へのHMFの高い溶解度、その低い融点(30〜34℃)及びその相対的な熱不安定性のため、反応媒体及び副産物からそれを分離すること、及び高純度で単離した生成物としてそれを得ることは極めて困難である。実際に、その文献で報告されたHMFの歩留りは、反応混合物を分析することによって(例えば、HPLCによって)一般的に計算され、実際に単離され精製された生成物の量を基準に基づいて決定されていない。
例えば、ジメチルスルホキシドのような高い沸点の水溶性溶媒の使用は、一般的に、分留及びその後のカラムクロマトグラフィーによる分離を要する。2相の水/有機溶媒系、イオン液体又はアンモニウム塩の使用は、一般的に、生成物を分離し回収するために、許容量の有機溶媒での手のかかる抽出を要する。
また、特定のアルキルアンモニウム塩を特殊な触媒と組み合わせることでより高いHMFの歩留りを提供する、イタリア出願第2013A000003号で説明されたプロセスは、それでもなお、HMF、塩及び触媒の回収のため、並びに使用した溶媒の再利用のための複雑な操作を要する。
具体的には、その文献で説明された従来の方法は、実験室の規模及び量の数グラムのオーダーで生成物を調製するのに使用することができるが、工業的規模で大量のHMFを製造するのには適さない。
5−ヒドロキシメチルフルフラル(HMF)を作るための改善したプロセスを提供することが本発明の対象である。
本出願人は、驚くべきことに、4級アンモニウム塩の存在下において、好ましくは有機溶媒の追加なく、糖を80〜120℃の温度にして、その後のHMF合成反応の間で低い水含有量を維持することを通じて、HMFの副生成物への変換を制限しつつ、触媒の非存在下でさえ、HMFの高い歩留りを得ること、それと同時に、塩及び抽出溶媒の回収のためのその後の操作を極めて単純化することを得ること、が可能であることを発見した。得られたプロセスは、工業的規模でさえ高純度で高い歩留りのHMFを製造及び単離することを可能とし、また、プロセスの経済性の観点からの更なる利点を持つ、連続的な操作に特に適している。
したがって、本発明の対象は、5−ヒドロキシメチルフルフラル(HMF)の合成のためのプロセスであって、
1)少なくとも1つの4級アンモニウム塩R3R’N+-であって、式中、
−Rが、同一であるか又は異なり、C1〜C16の置換又は非置換アルキル基を示し、
−R’が、水素、C1〜C16の置換又は非置換アルキル基、単環の置換又は非置換アリール基からなる群に属し、
−X-が、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、水酸化物、BF4 -及びPF6 -から選択されるアニオン示す、少なくとも1つの4級アンモニウム塩の存在下において、80〜120℃の温度で、好ましくは1〜240分間の時間撹拌したまま、任意選択で触媒の存在下で、好ましくは1bar(0.1MPa)未満の圧力で、6個の炭素原子を有する単糖、及び、6個の炭素原子を有する単位から形成された二糖、オリゴ糖若しくは多糖から選択される少なくとも1つの糖、又はそれらの混合物を脱水して、反応媒体から水を除去して(脱水段階)、4級アンモニウム塩と、HMFと、任意の未反応の糖とを含み、生成物のHMFの質量に対して、30wt%未満、好ましくは25wt%未満、より好ましくは20wt%未満、さらにより好ましくは10wt%未満の水含有量を有する反応混合物を得る工程;
2)前記反応混合物からHMFを分離する工程(分離段階)
を含むプロセス、を含む。
好ましい実施形態によれば、本発明のプロセスは、脱水段階の前に、糖及び/又は少なくとも1つの4級アンモニウム塩を予備加熱する予備工程を含み、脱水段階は、好ましくは、90〜120℃の温度で行われる。
より好ましい実施形態によれば、本発明のプロセスの工程2)は、4級アンモニウム塩及び任意の未反応の糖が実質的に不溶である有機溶媒中の反応混合物からHMFを抽出すること、固相中に残った反応混合物から、生成されたHMFを含む液相を分離すること、並びに、HMFから前記有機溶媒を蒸発及び/又は蒸留することを含む。
プロセスは、バッチラン又は連続的若しくは半連続的にのいずれかで、好ましくは連続的に行うことができる。
ここで、工程1)はまた「脱水段階」と言い表され、工程2)はまた「分離段階」と言い表される。
本発明に係るプロセスを、以下でより詳細に説明する。
脱水段階の前の予備加熱段階と、有機溶媒中のHMFを抽出することを含む分離段階とを含む、プロセスの好ましい実施形態についてのフロー図を示す。
本プロセスに係る脱水を通じてHMFを得るために使用することができる糖は、フルクトース、グルコース、ガラクトース、マンノースのような単糖、サッカロース、マルトース、ラクトース、セルビオースのような二糖、3〜10個のフルクトース単位を含有するオリゴフルクトースのようなオリゴ糖、及びフルクタン(例えば、イヌリン)、でんぷん又はセルロースのような多糖である。
オリゴフルクトースの具体例は、式GFn(式中、Gはグルコース単位を示し、Fはフルクトース単位を示し、nはフルクトース単位の数を示し、それは3〜10である)を有するものである。
好ましい多糖は、プロセス温度で水溶性である多糖で、例えばイヌリンである。しかしながら、好ましくは事前の加水分解処理後、例えば、酸又は酵素加水分解後に、水中で難溶性又は不溶性であるオリゴ糖又は多糖を使用することができる。
本発明に係るプロセスで好適に使用される糖は、フルクトース、グルコース、サッカロース、イヌリン又はそれらの混合物から選択される。
特に好ましい糖はフルクトースである。混合物中では、イヌリンの加水分解由来のものであり、特にグルコース及びフルクトースの混合物であるような、互いに異なる糖の混合物が好ましい。
本発明に係るプロセスで使用される4級アンモニウム塩R3R’N+-に関しては、Rは、好ましくは、C1〜C4のアルキル基から選択され、同一であるか又は異なり、好ましいのは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基である。
R’は、好ましくは、水素(H)及びC1〜C16の置換又は非置換で、直鎖状又は分枝状のアルキル基から選択され、好ましいのは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、フェニル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、ペンタデシル基である。
R及びR’の可能性のある置換基は、好ましくは、ハロゲン、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エステル基、R2R’N+基から選択される。
-は、好ましくは、ハライド又は水酸化アニオンを示す。
1つ又は複数の4級アンモニウム塩を本発明のプロセスで使用することができる。好適に使用されるアンモニウム塩は、フッ素化した及びフッ素化していないアルキル鎖を有するテトラアルキルアンモニウム塩、非対称な脂肪族基及び非脂肪族基を持つアンモニウム塩、ビス4級アンモニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩から選択される。
特に好ましくは、テトラアルキルアンモニウム塩である。適切な例は、任意選択でヒドロキシル基で置換された、好ましくはC1〜C15、より好ましくはC1〜C4のアルキル基を有する、テトラアルキルアンモニウムハライド又は水酸化テトラアルキルアンモニウムである。さらに好ましいテトラアルキルアンモニウム塩は、塩化物及び臭化物であり、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(塩化コリン)、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミドである。
特に好ましいテトラアルキルアンモニウム塩は、テトラエチルアンモニウムブロミドである。
本発明に係るプロセスで使用されるべきである糖と4級アンモニウム塩との間の質量比は、好ましくは1:10〜2:1、より好ましくは1:6〜1:1、さらにより好ましくは1:4〜1:1である。
糖及び4級アンモニウム塩を、任意の順序で、同一又は異なる温度で、任意選択で水及び/又は触媒の存在下において、脱水段階に供給することができる。
例えば、糖及び4級アンモニウム塩は、脱水段階に供給される前に、互いに接触させられて予備混合されることがある。
本発明の態様によれば、前記予備混合は、脱水温度未満の温度、好ましくは室温〜90℃、より好ましくは60〜90℃、またより好ましくは70〜90℃、及びさらにより好ましくは80〜90℃に含まれる温度で、均一な混合物を得るまで行われる。
別の態様によれば、前記予備混合は、糖及び/又はアンモニウム塩を、反応温度以上の温度、好ましくは80〜100℃の温度にした後に行われる。有利には、塩を90℃超の温度にした後に、予備混合が行われる。
そのような場合において、有利には、塩に対して1〜50wt%、好ましくは2〜40wt%、より好ましくは3〜30wt%、さらにより好ましくは4〜20wt%の量の水の存在下で、90〜100℃の温度にアンモニウム塩を加熱して、その後に(任意選択で、溶液中でそれを維持するのに十分な量の水で予備混合された)糖を加えることが好ましい。
有利には、前記糖及びアンモニウム塩を、脱水段階に別々に供給することができる。
そのような場合において、それぞれは、有利には、反応温度と等しい温度で供給され、代替的に、2つのうち一方(好ましくは塩)は、反応より高い温度に予備加熱され、他方はより低い温度で加えられる。
それらを別々に脱水段階に供給する場合か、互いに混合されたそれらを供給する場合の両方で、本発明の好ましい態様によれば、糖及び塩の間の少なくとも1つが、脱水段階に供給される前に水と予備混合される。脱水段階に供給する際に存在する水の量は、糖の質量に対して、10〜250wt%であることが好ましい。前記水は、有利には、それらの最終的な加熱の前に、塩及び/又は糖に加えられる。
有利には、本発明に係るプロセスは、脱水反応の間、有機溶媒の存在を要しない。
4級アンモニウム塩及び糖の高い融点にもかかわらず、プロセスの操作条件の下で、反応混合物は、固体でないが、約70〜90℃で共融点を形成する流体の形態である。これは、可能性のある予備加熱領域からの混合物の移送と、脱水段階への供給とを容易にする。プロセスが連続して行われる場合において、実際には、糖及び塩は、有利には、脱水工程が行われるのとは別の反応器中で予備混合及び予備加熱され、したがって、工程1)の1つ又は複数の反応器への予備加熱された流体混合物の供給を、一般的なポンピングシステムを使用して適切に行うことができる。プロセスがバッチモードで行われる場合において、前記予備加熱及び脱水段階は、有利には、同一の反応器中で行われる。
脱水段階中、反応混合物は、80〜120℃、好ましくは85〜120℃、より好ましくは90〜120℃の温度で、典型的に1〜240分間の反応時間の間、撹拌されて維持されることが好ましい。脱水反応はまた、不活性環境で、例えば窒素の下で行われることが好ましい。
有利には、脱水段階は、反応時間を短くし、高温に関連する分解生成物の形成を避けるように、85〜110℃の温度で行われる。追加された触媒の非存在下で操作する場合は、温度は、有利には95〜120℃、より有利には100〜120℃である。
反応時間はまた、操作モードに応じて変わる。プロセスの脱水段階がバッチモードで行われる場合では、反応時間は、より好ましくは15〜120分間である。前記工程が連続モードで行われる場合では、1つ又は複数の反応器内の反応時間は、好ましくは1〜120分間、より好ましくは2〜90分間である。
脱水反応は、供給される(初期混合物中に存在する)ことがある任意の水及び反応中に形成された水の少なくとも一部が除去され、生成物のHMFの質量に対して、30wt%未満、好ましくは25wt%未満、より好ましくは20wt%未満、より好ましくは10wt%未満の水含有量を持つ混合物を得るように、1bar未満の圧力で行われることが好ましい。
特に有利な態様によれば、脱水反応の最後での混合物中の水含有量は、混合物の質量に対して、5wt%未満、好ましくは4wt%未満、より好ましくは3wt%未満、さらにより好ましくは2wt%未満である。
本発明の態様によれば、脱水段階は、連続撹拌槽型反応器(CSTR)中で行われ、混合物の水含有量は、脱水段階の全部の時間を通じて0.01〜5wt%に維持されることが好ましい。反応混合物の水含有量は、実際に、プロセスの重要なパラメータである。それは、系を流体状態で維持させるが、脱水工程1中に、レブリン酸及びギ酸への結果として生じる分解でHMFの再水和現象を促進しないように、十分でなければならない。
また、反応混合物中の低い水含有量は、後の分離工程において4級アンモニウムからHMFを分離するのを容易にする。
反応混合物中の水の量は、当業者に公知の任意の方法によって、例えば、熱重量分析(TGA)によって、決定することができる。熱重量分析は、例えば、安定した信号が得られるまで、110℃で、工程1)の最後に得られた反応混合物の5〜10gの試料の質量損失を測定することで行うことができる。
反応混合物中の水と生成物のHMFとの間の質量比を決定するために、HMFの量は、脱水段階の最後に得られた反応混合物の有機溶媒(2−ブタノン)中での抽出、溶媒除去、及びHPLC分析によって確認されたその後の重量測定の後に、決定される。
好適には、糖に対して10〜250wt%の水の初期量が使用された場合、脱水反応で得られた水と共に、できるだけ多くを除去する。
例えば、使用される糖がフルクトースである場合において、初期混合物中に存在する水の量は、フルクトースに対して、好ましくは10〜30wt%、より好ましくは12〜25wt%である。使用される糖がイヌリンである場合において、初期混合物中に存在する水の量は、イヌリンに対して、好ましくは25〜250wt%、好ましくは30〜240wt%であり、イヌリンが事前処理の加水分解にさらされた場合では、フルクトース及びグルコースの混合物が得られ、この量は有利には約50%である。
好ましい実施形態に関して、プロセスは、40〜70℃の温度、より好ましくは55〜65℃の温度で、糖と水とを連続的に予備混合して行われる。前記温度での糖の増加した溶解度の利点を活用した操作により、初期材料の脱水工程への連続供給を容易に提供すること、及び使用される水の量を減らすことが可能となる。前記条件において、糖に対して好ましくは10〜90wt%の水の量が使用される。連続プロセスの性質に応じて、難溶性又は不溶性の多糖を水と混合することは、有利には、例えば、酸又は酵素を使用して、事前の加水分解操作によって進められる。
反応器を、所望の値で内部圧力を維持する真空ポンプと接続することによって、水を脱水工程中に好適に除去することができる。好ましい圧力の値は、4〜900ミリバール(0.0004〜0.09MPa)である。水の除去は、例えば、窒素流の下で操作することが好ましい。気相で除去された水は、その後に凝固させることにより回収することができる。
脱水工程中の好ましい操作モードは、例えば、90〜100℃の温度かつ25mbar超の圧力、又は100〜110℃の温度かつ60mbar超の圧力であり、それにより、最適な水除去が可能となり、気相中でのHMFの損失が最小化される。
水の除去は、好適には、例えば、圧力の段階的低減を操作して、例えば、異なる圧力値で2つ以上の段階において操作して、段階的に行うことができる。
脱水段階中に高い温度(例えば、100〜120℃)で作業することで、触媒の非存在下でさえ、糖のHMFへの良好な変換を得ることが可能となる。適切な酸触媒の存在下で操作した場合、反応の温度及び時間は実質的に減らされ、HMFの分解に対する可能性をさらに制限する。
触媒は、脱水段階中に供給されるか又は脱水段階前に4級アンモニウム塩及び/若しくは糖と予備混合される。好ましくは、触媒は、脱水段階に供給される前に水と予備混合される。
原則として本発明に係るプロセスで使用されることができる酸触媒は、ブレンステッド酸及びルイス酸の両方を含む。したがって、鉱酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸)、有機酸(例えば、シュウ酸、レブリン酸、マレイン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、酸イオン交換樹脂(例えば、Amberlyst(登録商標)、Lewatit(登録商標)、又はDiaion(登録商標)タイプ)、ゼオライト(例えば、TiO2で修飾された)、シリカ又はアルミナ上に担持されることがある、ヘテロポリ酸(例えば、リンタングステン酸)、場合によりシリカ又はアルミナ上に担持される、金属酸化物(例えば、酸化チタン(IV)、酸化ジルコニウム)、金属ハライド(例えば、塩化亜鉛、三塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化クロム、三フッ化臭素)、又は金属ホスフェート(例えば、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン)、ドープされた水酸化ジルコニウム(例えば、硫酸化又はタングステン化した)を使用することができる。
例えば、上で挙げた鉱酸又は有機酸のような均一触媒が使用された場合、触媒は、有利には、HMFの分離工程2)の前に、(例えば、中和及び/又は樹脂上での濾過で)反応混合物から分離される。
均一系の触媒、すなわち、反応媒体中で可溶でない触媒が特に好ましい。これらの触媒は、好ましくは、脱水段階中に反応混合物と接触している。
脱水反応からの歩留りを最大化するために特に好ましい酸触媒は、リン酸ジルコニウムZr(HPO42、リン酸チタンTi(HPO42、シリカ上に担持された酸化チタン(IV)TiO2、又はシリカ上に担持されたリンタングステン酸H3[P(W3104]であり、後半のものがより好ましい。
本発明の1つの態様によれば、プロセスの脱水段階は、
i)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持された酸化チタン(IV)、TiO2
ii)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持されたリンタングステン酸、H3[P(W3104];
iii)リン酸ジルコニウム、Zr(HPO42
iv)リン酸チタン、Ti(HPO42
から選択される酸触媒の存在下で行われる。
タイプi)の触媒は、例えば、Inorganica Chimica Acta,2012,380、244−251ページに記載されるように、所望の比表面積を有するシリカと、有機溶媒(例えば、ジオキサン)中のチタンイソプロポキシド溶液とから、濾過により触媒を分離し、所望の温度でそれを焼成することで調製することができる。
タイプii)の触媒は、所望の比表面積を有するシリカを、水中でリンタングステン酸溶液に含浸させ、次いで、80〜200℃の温度で水を除去し、所望の温度で焼成することで調製することができる。
本発明に係るプロセスでの使用に適した触媒i)及びii)の比表面積は、好ましくは100〜350m2/gである。
比表面積は、S.Brunauer、P.H.Emmett及びE.TellerらのJ.Am.Chem.Soc.,1938,60,309で記載されたBET法に従って測定することができ、材料の表面上に吸着したガスの量を測定する。
メソポーラス材料の比表面積(50〜400m2/gの値)は、触媒試料が10-6Torr(およそ0.13mPa)の真空下で夜通し100℃で脱ガスされた後に、77Kかつおよそ0.3のP/Poで吸着された窒素の量を決定することによって、窒素が16.2Å2の横断面積を有すると仮定して、測定される。
マイクロポーラス材料の比表面積(400〜1000m2/gの値)は、触媒試料が10-6Torr(およそ0.13mPa)の真空下で夜通し100℃で脱ガスされた後に、4.2Kかつおよそ0.3のP/Poで吸着されたヘリウムの量を決定することによって、ヘリウムが1Å2の横断面積を有すると仮定して、測定される。
触媒iii)は、例えば、Chemistry−A European Journal,2008,14巻,8098ページに報告されたように調製することができる。
触媒はiv)は、例えば、Advanced Materials,1996,8,291−303ページ、又はActa Chem.Scand.,1986,A40,507−514ページに報告されたように調製することができる。
使用されるべき酸触媒の量は、糖に対して、0.1〜20wt%、好ましくは2〜10wt%である。担持された触媒(i−ii)の場合において、活性相(触媒活性を生じさせることができる不活性担持体上の化学種であると理解される)の量は、糖に対して、好ましくは0.4〜10wt%である。シリカ上に担持されたリンタングステン酸H3[P(W3104]の場合において、活性相の量は、有利には、糖に対して0.5〜2wt%である。
制限された水含有量が存在するため、4級アンモニウム塩及び糖を含む混合物は、脱水工程中に(例えば、90℃で30〜100セントポイズの粘度値を持ち)流れにくいことがあり、それは、その後の操作を行うための撹拌及び移動を困難にすることがある。
したがって、脱水反応は、ペースト、ガム、プラスティシーン、シリコーン、接着剤のような高粘度流体の処理に適した、1種又は複数種の設備で行われることが好ましい。例えば、効果的な混合をもたらし、適切な熱交換表面を有し、水を除去するのに必要な真空を適用させることができる反応器を使用することが好ましい。
適切な反応器の具体例は、反応器の内壁に対して自己洗浄動作を保証する、回転刃付きの水平又は鉛直反応器(例えば、LIST KneaderReactor(登録商標)型)であるか、又は高度の乱流を作ることができる高速ロータを備えた反応器(例えば、Buss−SMS−Canzlerにより開発された高粘度技術のための反応器、例えば、薄膜蒸発器)であるか、又は低い沸点の生成物の揮発を促進する流体を混合する、シャフトを支持する同軸ディスク付きの反応器(例えば、Lurgi Zimmer型)であるか、又は異なる速度で2重反転することができる1つ又は2つのスターラーを備えた反応器である。上で挙げたものの中で、水平反応器が好ましい。
脱水工程は、1つの反応器か又は同一であるか又は異なることがあり、直列に配置されることがある複数の反応器中か、で行うことができる。
したがって、本発明の更なる実施形態によれば、工程1)は、1つの筒状の反応器又は同等若しくは異なることがある複数の筒状の反応器、好ましくは水平反応器中で少なくとも部分的に行われ、それらのそれぞれが、
a)回転刃と、
b)高速ロータと、
c)シャフトを支持する同軸ディスクと、
d)1つ又は複数のパドルスターラーと
から選択される撹拌システムを備え、これらの反応器は任意選択で直列に接続される。効果的な混合を確実にする撹拌システムを備えたタイプa)の反応器は、高純度のHMFを得ることが可能であるため好ましい。脱水段階中に圧力を減らし、生成物のHMFの質量に対して、有利には8wt%以下、より有利には6.5wt%以下の水含有量を持つ最終的な反応混合物を得ることがまた可能である反応器が、特に好ましい。
本発明の別の態様によれば、脱水反応の最中に、糖の質量に対して、場合により10〜250%の量の水と混合された、未使用の糖は、反応器中の糖/4級アンモニウム塩の比を一定に保つように、段階的に供給される。これは、反応が進行した場合に、撹拌の有効性をさらに制御することを可能とする。
本発明に係るプロセスの工程2)において、HMFは、反応混合物から分離される。そのような分離は、当技術分野で公知の技術によって、例えば、溶媒抽出、蒸留、濾過、遠心分離、結晶化、又はそれらの組み合わせによって行うことができる。
プロセスの1つの態様によれば、工程1)の最後に得られた反応混合物に、混合物を溶かす有機溶媒が加えられる。
次いで、溶液の成分を、例えば、結晶化によって分離して、糖の残留物と共にHMF又は塩を含む固相を得ることができる。前記固相を、公知の技術によって、例えば、濾過によって液相から分離することができる。次いで、溶媒を蒸留及び/又は蒸発によって回収することができる。
代替的に、溶液の成分を、例えば、精密濾過又は限外濾過によって、半透膜を用いて分離することができる。
その目的のために適切な有機溶媒の例は、例えば、アルコール、水、DMSO、アセトニトリル、クロロホルム、アセトンである。これらの溶媒は、塩の低温結晶化に有利にはたらき、溶液中でHMFを維持することを可能とし、分離操作を容易にする。
有利な実施形態によれば、反応混合物は、4級アンモニウム塩が可溶である有機溶媒、一般にはアルコールで希釈される。混合物の溶解のために好ましい有機溶媒は、エチルアルコール、メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−プロパノール、3−メチルブタン−1−オール、2−ペンタノール、アリルアルコール、1−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−エサデカノール(esadecanol)である。次いで、アンモニウム塩及び触媒が両方不溶性である溶媒又は有機溶媒の混合物の追加が行われ、これらは、濾過によって分離された固形物として沈殿する。HMFは、代わりに、有機相中に溶解されたままであり、それを、好ましくは減圧で、溶媒又は溶媒の混合物の蒸留によって容易に回収することができる。4級塩及び触媒(既に固体形状でない場合)の沈殿のために好ましい有機溶媒は、酢酸エチル、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、2−ブタノン及び4−メチル−2−ペンタノン、酢酸エチル、メチルプロピルエーテル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、tert−アミルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルである。
プロセスの好ましい態様によれば、脱水工程の最後に得られた反応混合物に、混合物の幾つかの成分のみを溶かす有機溶媒が加えられ、次いで、それを、本分野で公知の技術に従って、固体形態の成分から分離することができる。
プロセスの特に有利な実施形態によれば、段階2)中に反応混合物からのHMFの分離は、有機溶媒中のHMFを抽出することで行われる。
本発明に係る「有機溶媒」という用語は、単一の有機溶媒又は有機溶媒の混合物のいずれかを意味する。
有機溶媒中のHMFの抽出は、当業者に公知の任意の技術に従って行うことができる。例えば、有利には、工程1)で得られる反応混合物及び有機溶媒が、好ましくは逆流で供給される、直列の1つ又は複数の容器中で行われる。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、この工程中に、存在することがある塩、糖及び有利には酸触媒が極めて不溶である有機溶媒が、反応によって形成されたHMFを含む反応混合物に加えられる。
プロセスの前記実施形態で好適に使用することができる有機溶媒は、(4級アンモニウム塩が溶媒中に実質的に不溶であるように)4級アンモニウム塩の溶解度が、一般的に20℃で20g/l未満と低く、HMFの溶解度が、20℃で100g/l超と高いものである。好ましい例は、65〜120℃の沸点を有するエステル、ケトン、エーテル又はハロゲン化したアルカン、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランである。不溶解の塩を残しつつHMFを溶解する溶媒の他の例は、C2〜C8のアルキル基を持つトリアルキルアミン、例えば、トリエチルアミン又はペラルゴン酸である。2−ブタノン、酢酸エチル及び4−メチル−2−ペンタノンが特に好ましい。
本発明のこの態様によれば、プロセスの好ましい実施形態において、分離段階2)は、
a)4級アンモニウム塩及び任意の未反応の糖が実質的に不溶である有機溶媒又は有機溶媒の混合物を、15℃〜溶媒又は溶媒の混合物の沸騰温度に含まれる温度で、脱水相の最後に得られた反応混合物に加えて、有機溶媒又は有機溶媒の混合物及びHMFを含む液相と、4級アンモニウム塩及び任意の未反応の糖を含む固相とを得る工程;
b)得られた固相を液相から分離する工程;
c)こうして得られた液相を、結晶化及び/又は蒸発及び/又は蒸留させて、HMFから有機溶媒又は有機溶媒の混合物を分離する工程
を含む。
前記実施形態によれば、プロセスは、任意選択で、脱水の工程1)の前に、前で説明したような少なくとも1つの4級アンモニウム塩R3R’N+-、好ましくはテトラアルキルアンモニウム塩、並びに、6個の炭素原子を有する単糖、及び、6個の炭素原子を有する単位から形成された二糖、オリゴ糖若しくは多糖から選択される少なくとも1つの糖、又はそれらの混合物を予備加熱して、流体混合物を得る予備工程を含む。
次いで、前記流体混合物は、脱水工程中、撹拌下で加熱及び維持され、反応物から水を除去し、アンモニウム塩と、HMFと、任意の未反応の糖とを含み、生成物のHMFの質量に対して、30wt%以下、好ましくは反応混合物の5wt%以下の水含有量を有する反応混合物を得る。前記脱水工程は、90〜120℃に含まれる温度で、好ましくは1〜240分間の範囲の時間で、任意選択で酸触媒の存在下において、好ましくは1bar(0.1MPa)未満の圧力で、行われることが好ましい。
この実施形態に係る分離段階2)中に、工程a)で溶媒を追加した後、混合物は、前記溶媒中の反応混合物のHMFを溶かすのに必要な時間の間、典型的に70〜90℃の温度で維持される。
これらの操作条件において、不均一な塊が形成され、4級アンモニウム塩及び任意選択の変換しなかった糖が固体形状で生じ、液相ではHMFが溶解されたままである。
生成物のHMFの質量に対して30wt%未満、有利には脱水段階の最後での反応混合物中で5%以下の水の量の存在は、上で説明した抽出による分離をより効果的にすることに特に寄与する。
次いで、工程a)での溶媒の追加後に得られた不均一な塊は、工程b)において、(4級アンモニウム塩、任意選択で酸触媒、及び場合によって変換しなかった糖を含む)固相からの、(有機溶媒及びHMFを含む)液相の分離を受ける。
2相の前記分離は、当業者に公知の技術によって、例えば、デカンテーション、遠心分離又は濾過によって得ることができる。
HMFの抽出を最大化するために、新しい有機溶媒を回収された固相に加えて、工程a)及びb)を複数回繰り返すことができる。
次いで、有機溶媒中に溶解したHMFは、結晶化及び/又は蒸発及び/又は蒸留によって、例えば、蒸発及び/又は蒸留によって、工程c)において回収される。
例えば、有機溶媒中で抽出されたHMFを、最初に結晶化して、次いで、公知の技術によって、例えば、濾過及び/又は遠心分離及び/又は溶媒の蒸発によって、液相から分離することができる。
例えば、溶媒として2−ブタノンが使用された場合では、その蒸発のために好ましい条件は、70〜90℃の温度と、0.1〜0.5barの圧力とである。
プロセスの好ましい態様によれば、プロセスの工程2)での反応混合物からのHMFの分離は、蒸発、及び/又は、例えば蒸気流中で若しくは減圧での蒸留(例えば、分子蒸留)のうち1つ又は複数の操作を含む。
前記操作は、脱水工程の後に反応混合物からHMFを分離するためにか、又は分離されたHMFから若しくは4級アンモニウム塩及び残留糖から任意の有機溶媒を除去するためにか、のいずれかで行うことができる。
これらの操作は、有利には、1つ又は複数の蒸発器(例えば、薄膜又は分子タイプ)で、好ましくは短い滞留時間で真空内において操作して、行われる。
可能な限り早く溶媒又はHMFを除去し、HMFを周辺温度より極めて高い温度での長期の加熱にさらされることを防ぐことが可能である温度及び圧力条件が好ましい。
蒸留した及び/又は蒸発した有機溶媒は、プロセスの分離工程2)で好適に再利用することができる。
場合により、任意の溶媒の残留物及びHMFを取り除くための精製プロセスの後に、工程2)の分離の最後に回収された4級アンモニウム塩及び糖の残留物を、未使用の糖並びに可能性のある塩及び水の追加物と共に、プロセスの工程1)で再利用することができる。
この手順は、プロセスが連続して操作される場合に、さらにより有利であり好ましい。
プロセスの最後に得られたHMFは、一般的に、任意のその後の化学変換、例えば、2,5−フランジカルボン酸の酸化のために許容される程度の純度を有する。代替的に、それは、より高い程度の純度が要求される(例えば、結晶化による)精製プロセスを経ることができる。
本発明に係るプロセスを、ここで、非限定的な例によって説明する。
2残留/HMFの質量パーセント比を決定するために、等温熱重量測定(TGA)によって、すなわち、安定した信号を得るまで、110℃で、脱水段階の最後に得た反応混合物の5〜10gの試料における質量減少を測定することで、H2残留を決定した。
有機溶媒中の抽出、溶媒除去、及びHPLC分析で確認されたその後の重量決定の後で、HMFの量を決定した。
工程1)の最後に得た反応混合物の20〜30gの試料を、70℃で2時間、2−ブタノン(例1〜3では70〜80ml、例4では140〜160ml、残留水の量はより多い)中で抽出した。70〜90℃の温度かつ0.1〜0.5barの圧力での蒸発による有機溶媒の任意の痕跡を除去した後、HMF生成物を重量測定した。
試料(1mg)を1mlの0.005NのH2SO4溶液中に溶解し、濾過(フィルタ孔径:0.20μm)し、次いで、参照標準を使用して校正した後にHPLCにより分析して、HMFの純度を決定した。
HPLC分析を、RI検出器を備えたクロマトグラフと、Rezex ROA−有機酸H+(8%)300×7.8mmカラムとで行った。0.6ml/分の流量で0.005NのH2SO4溶液を溶離液として使用した。カラムの温度を65℃に設定した。
触媒の調製
11mlの希釈水中の1.0gのリンタングステン酸の溶液を使用して、10gの商業シリカ(Aerolyst3038、Dogussa:比表面積180m2/g)を均一に含浸して、10wt%のHPW/SiO2を得た。
そのペースト物を、80℃で12時間、ストーブ中で最初に乾燥して、次いで、200℃で2時間焼成した。青/紫色の粉末を形成した。次いで、黄色の粉末が形成されるまで、これを200℃で2時間、最後にさらに500℃で2時間処理した。
そのように調製した10wt%のHPW/SiO2触媒(159m2/gのBET比表面積を有する)を、例2、3及び4での反応に対して使用した。
例1
予備加熱
2.8kg/分の4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウムブロミド、TEAB)を、恒温ジャケット付きの30lの有効容積を有する撹拌容器に、固体用の重量ドーサー(gravimetric doser)によって連続して供給した。同時に、事前に60℃に加熱して溶液中で糖を維持した、85wt%のフルクトースと15wt%の水とを含む溶液を、およそ0.67kg/分の速度でポンプによって供給した。81.0wt%の塩と、16.2wt%のフルクトースと、2.8wt%の水とを含有する混合物を85℃に予備加熱して、次いで、およそ10分間の反応器中での滞留時間の後、工程1)での反応装置に送り込んだ。
工程1:脱水段階
前記予備加熱した混合物を、回転刃付きの、100lの有効容積を有する水平容器に、およそ3.5kg/分の速度で供給した。反応系の温度及び圧力を、それぞれ100℃及び450mbarで保持し、気相中で反応器から水を除去した。反応器中の平均対流時間はおよそ36分間であった。出発流は、HMFと、TEABと、未反応のフルクトースと、0.48%のH2残留/HMFの質量比に相当する0.06wt%の水含有量と、を含んでいた。
工程2:分離段階
およそ3.2kg/分の速度で工程1)を出た生成物の流れを、70℃に保持した、70lの容積を有する第2撹拌容器(抽出器)に通し、2−ブタノンをおよそ1.2kg/分の速度で供給した。
抽出器を出た流れを容器中で収集し、その後、濾過して、抽出したHMFを含有する有機溶媒から、塩、TEAB及びフルクトースを含有する固相を分離した。
次いで、HMFを、濾過した液相から2−ブタノンを蒸発させることにより回収した。蒸発を2段階、第1段階は400mbar、第2段階は150mbarで行った。およそ95wt%の純度を有するおよそ92%の5−ヒドロキシメチルフルフラルの歩留りを得た。
例2
予備加熱
6930gの4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウムブロミド、TEAB)を、恒温ジャケット付きの10lの有効容積を有する水平撹拌容器に、固体用の重量ディスペンサーによって供給した。撹拌機は、およそ24/30分-1の速度で共回転する2つの刃を有していた。同一の反応器中に、300gの水も加えた。設定点の温度を100℃に調節した。反応器の温度を85℃まで増加させ、その後、固体用のディスペンサーを使用することで、1390gの固体のフルクトースを系に充填した。混合物を95℃まで加熱した。充填の操作は窒素流の下で行った。
工程1:脱水段階
95℃の温度で、250gの水と混合した130gの非均一触媒(10%のHPW/SiO2)からなるスラリーを反応器に充填した。系を約5分間以上、この温度と1barの圧力で維持した。
この時点で、反応器から気相に除去する水に有利にはたらくように、圧力が30mbarになるまで真空を印加した。触媒の充填から乾燥までの反応器中での反応時間はおよそ55分間であった。生成物は、HMFと、TEABと、未反応のフルクトースと、6.41のgH2O残留/gHMF(%)(H2残留/HMFの質量パーセント比)の水含有量とからなっていた。
工程2:分離段階
工程1で得た生成物を反応器から排出し、70℃の温度で保持した、50lの容積を有する第2撹拌容器(抽出器)に通し、2−ブタノンをおよそ20l充填した。
2時間の混合の後、抽出器からの有機相を容器内で収集して、その後濾過して、抽出したHMFを含有する有機溶媒からTEAB及びフルクトースを含有する固相を分離した。
次いで、HMFを、濾過した液相から2−ブタノンを蒸発することで回収した。蒸発を2工程、第1工程は400mbar、第2工程は150mbarにおいて、約65℃で行った。およそ99wt%の純度を有するおよそ86.6%の5−ヒドロキシメチルフルフラルの歩留りを得た。
例3
予備加熱
6930gの4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウムブロミド、TEAB)を、恒温ジャケット付きの10lの有効容積を有する水平撹拌容器に、固体用の重量ディスペンサーによって供給した。撹拌機は、およそ24/30分-1の速度で共回転する2つの刃を有していた。同一の反応器中に、300gの水も加えた。設定点の温度を100℃に調節した。反応器の温度を85℃まで増加させ、その後、固体用のディスペンサーを使用することで、2780gの固体のフルクトースを系に充填した。混合物を95℃まで加熱した。充填の操作は窒素流の下で行った。
工程1:脱水段階
94℃の温度で、250gの水と混合した130gの非均一触媒(10%のHPW/SiO2)からなるスラリーを反応器に充填した。系を約5分間以上、この温度とこの圧力で維持した。
この時点で、反応器から気相に除去する水に有利にはたらくように、30mbarになるまで真空を印加した。触媒の充填から乾燥までの反応器中での反応時間はおよそ55分間であった。生成物は、HMFと、TEABと、未反応のフルクトースと、5.13のgH2O残留/gHMF(%)(H2残留/HMFの質量パーセント比)の水含有量とからなっていた。
工程2:分離段階
工程1で得た生成物を反応器から排出し、70℃の温度で保持した、50lの容積を有する第2撹拌容器(抽出器)に通し、2−ブタノンをおよそ20l充填した。
2時間の混合の後、抽出器からの有機相を容器内で収集して、その後濾過して、抽出したHMFを含有する有機溶媒からTEAB及びフルクトースを含有する固相を分離した。
次いで、HMFを、濾過した液相から2−ブタノンを蒸発することで回収した。蒸発を2工程、第1工程は400mbar、第2工程は150mbarにおいて、約65℃で行った。およそ99wt%の純度を有するおよそ95.7%の5−ヒドロキシメチルフルフラルの歩留りを得た。
例4
予備加熱
2kgの4級アンモニウム塩(TEAB)と、185gの水との混合物を、室温で、加熱ジャケット付きの6lの有効容積を有する垂直撹拌反応器に加えた。混合物を95℃の温度まで加熱し、400gの予備加熱していないフルクトースを加えた。フルクトースを含有する混合物を90℃の温度にして、次いで、シリカ上に担持したリンタングステン酸に基づいて、触媒の10%のHPW/SiO2を加えた(40g)。反応器への異なる成分の追加を、窒素流の下で行った。
工程1:脱水段階
フルクトースの脱水反応を、最初の15分間は91℃の平均温度かつ大気圧で行い、次の45分間は、圧力を1000mbarから約90mbarに段階的に減らして行った。H2残留/HMF比として表現される反応生成物中の残留水の質量パーセントは17.1%であった。
工程2:分離段階
反応が完了した際は、混合物に抽出手順を行い、HMF生成物を回収した。溶媒として2−ブタノン(約11リットル)を使用して、抽出を70℃で2時間行った。
HMF抽出物を含有する有機相を、濾過により塩を含有する固相から分離した。抽出した生成物を、例3で説明したように、抽出溶媒の蒸発により回収した。
およそ95.2wt%の純度を有するHMFのおよそ71.8%の歩留りを得た。
特に、本発明は以下の項目に関する:
1.5−ヒドロキシメチルフルフラル(HMF)の合成のためのプロセスであって、
1)少なくとも1つのアンモニウム塩R3R’N+-であって、式中、
−Rが、同一であるか又は異なり、C1〜C16の置換又は非置換アルキル基を示し、
−R’が、水素、C1〜C16の置換又は非置換アルキル基、単環の置換又は非置換アリール基からなる群に属し、
−X-が、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、水酸化物、BF4 -及びPF6 -から選択されるアニオンを示す、少なくとも1つのアンモニウム塩の存在下において、80〜120℃(好ましくは90〜120℃)の温度で、6個の炭素原子を有する単糖、及び、6個の炭素原子を有する単位から形成された二糖、オリゴ糖若しくは多糖から選択される少なくとも1つの糖、又はそれらの混合物を脱水して、反応媒体から水を除去して(脱水段階)、4級アンモニウム塩と、HMFと、任意の未反応の糖とを含み、生成物のHMFの質量に対して、30wt%未満の水含有量を有する反応混合物を得る工程;
2)前記反応混合物からHMFを分離する工程(分離段階)
を含む、プロセス。
2.脱水段階の前に、糖及び/又は4級アンモニウム塩を予備加熱して、好ましくは、糖及び少なくとも1つの4級アンモニウム塩の混合物を予備加熱して、流体混合物を得る予備工程をさらに含む、項目1に記載のプロセス。
3.糖及び4級アンモニウム塩が、脱水段階に供給される前に、互いに接触させられて予備混合される、項目1又は2に記載のプロセス。
4.糖及び4級アンモニウム塩が、脱水段階に別々に供給される、項目1〜3のいずれか1項目に記載のプロセス。
5.糖及び4級アンモニウム塩のうち少なくとも1つが、脱水段階に供給される前に、水と予備混合される、項目1〜4のいずれか1項目に記載のプロセス。
6.水が、糖の質量に対して10〜250wt%の量で脱水段階に供給される、項目1〜5のいずれか1項目に記載のプロセス。
7.脱水段階の反応時間が1〜240分間である、項目1〜6のいずれか1項目に記載のプロセス。
8.脱水段階が85〜110℃の温度で行われる、項目1〜7のいずれか1項目に記載のプロセス。
9.脱水段階が1bar未満の圧力で行われる、項目1〜8のいずれか1項目に記載のプロセス。
10.脱水段階における糖が、フルクトース、グルコース、サッカロース、及びイヌリン、又はそれらの混合物から選択される、項目1〜9のいずれか1項目に記載のプロセス。
11.脱水段階に供給される糖と4級アンモニウム塩との間の質量比が、1:10〜2:1、好ましくは1:10〜1:1、より好ましくは1:6〜1:1、最も好ましくは1:4〜1:1である、項目1〜10のいずれか1項目に記載のプロセス。
12.未使用の糖が、脱水段階中に段階的に供給され、反応器中で糖/4級アンモニウム塩の比を一定に保つ、項目11に記載のプロセス。
13.前記4級アンモニウム塩が、フッ素化した及びフッ素化していないアルキル鎖を有するテトラアルキルアンモニウム塩、ヒドロキシル化した又はヒドロキシル化していないアルキル鎖を有するテトラアルキルアンモニウム塩、非対称な脂肪族基及び非脂肪族基を持つアンモニウム塩、ビス4級アンモニウム塩、並びにトリアルキルアンモニウム塩から選択される、項目1〜12のいずれか1項目に記載のプロセス。
14.前記4級アンモニウム塩がテトラアルキルアンモニウム塩である、項目13に記載のプロセス。
15.テトラアルキルアンモニウム塩が、ヒドロキシル化した又はヒドロキシル化していないC1〜C15のアルキル基を有する、テトラアルキルアンモニウムハライド又は水酸化テトラアルキルアンモニウムである、項目14に記載のプロセス。
16.酸触媒が、脱水段階中に供給されるか又は脱水段階の前に4級アンモニウム塩及び/又は糖と予備混合される、項目1〜15のいずれか1項目に記載のプロセス。
17.脱水段階が、
i)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持された酸化チタン(IV)、TiO2
ii)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持されたリンタングステン酸、H3[P(W3104];
iii)リン酸ジルコニウム、Zr(HPO42
iv)リン酸チタン、Ti(HPO42
から選択される酸触媒の存在下で行われる、項目1〜16のいずれか1項目に記載のプロセス。
18.脱水段階が、1つの筒状の反応器又は同等若しくは異なる複数の筒状の反応器中で少なくとも部分的に行われ、前記反応器のそれぞれが、
a)回転刃と、
b)高速ロータと、
c)シャフト上に取り付けられた回転ディスクと、
d)1つ又は複数のパドルスターラーと
から選択される撹拌システムを備える、項目1〜17のいずれか1項目に記載のプロセス。
19.脱水段階の最後での水含有量が、反応混合物の質量に対して5wt%未満である、項目1〜18のいずれか1項目に記載のプロセス。
20.脱水段階で得られた反応混合物の水含有量が、生成物のHMFの質量に対して20wt%未満である、項目1〜19のいずれか1項目に記載のプロセス。
21.脱水段階で得られた反応混合物の水含有量が、生成物のHMFの質量に対して10wt%未満である、項目20に記載のプロセス。
22.分離段階2)が、
a)4級アンモニウム塩及び任意の未反応の糖が実質的に不溶である有機溶媒又は有機溶媒の混合物を、15℃から溶媒又は溶媒の混合物の沸騰温度までの温度で、脱水段階の最後に得られた反応混合物に加えて、有機溶媒又は有機溶媒の混合物及びHMFを含む液相と、4級アンモニウム塩及び任意の未反応の糖を含む固相とを得る工程;
b)得られた固相を液相から分離する工程;
c)こうして得られた液相を、結晶化及び/又は蒸発及び/又は蒸留させて、HMFから有機溶媒又は有機溶媒の混合物を分離する工程
を含む、項目1〜21のいずれか1項目に記載のプロセス。
23.工程a)の有機溶媒が、65〜120℃の沸点を有するエステル、ケトン、エーテル、ハロゲン化したアルカンから選択される、項目22に記載のプロセス。
24.工程b)の固相からの液相の分離が、デカンテーション、濾過又は遠心分離で行われる、項目22又は23に記載のプロセス。
25.工程a)及びb)が複数回繰り返される、項目22〜24のいずれか1項目に記載のプロセス。
26.分離段階2)が、蒸発及び/又は蒸留のうち1つ又は複数の操作を含む、項目1〜25のいずれか1項目に記載のプロセス。
27.HMFが、蒸発又は蒸留による脱水工程の後に、反応混合物から分離される、項目1〜21のいずれか1項目に記載のプロセス。
28.分離段階2)の最後に回収された4級アンモニウム塩及び糖の残留物が、プロセスの脱水段階において再利用される、項目1〜27のいずれか1項目に記載のプロセス。
29.プロセスが連続して行われる、項目1〜28のいずれか1項目に記載のプロセス。

Claims (29)

  1. 5−ヒドロキシメチルフルフラル(HMF)の合成のためのプロセスであって、
    1)少なくとも1つの4級アンモニウム塩R3R’N+-であって、式中、
    −Rが、同一であるか又は異なり、C1〜C16の置換又は非置換アルキル基を示し、
    −R’が、水素、C1〜C16の置換又は非置換アルキル基、単環の置換又は非置換アリール基からなる群に属し、
    −X-が、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、水酸化物、BF4 -及びPF6 -から選択されるアニオンを示す、少なくとも1つの4級アンモニウム塩の存在下において、80〜120℃の温度で、6個の炭素原子を有する単糖、及び、6個の炭素原子を有する単位から形成された二糖、オリゴ糖若しくは多糖から選択される少なくとも1つの糖、又はそれらの混合物を脱水して、反応媒体から水を除去して(脱水段階)、4級アンモニウム塩と、HMFと、任意の未反応の糖とを含み、生成物のHMFの質量に対して、30wt%未満の水含有量を有する反応混合物を得る工程;
    2)前記反応混合物からHMFを分離する工程(分離段階)
    を含む、プロセス。
  2. 前記脱水段階の前に、前記糖及び/又は前記4級アンモニウム塩を予備加熱する予備工程をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記糖及び前記4級アンモニウム塩が、前記脱水段階に供給される前に、互いに接触させられて予備混合される、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 前記糖及び前記4級アンモニウム塩が、前記脱水段階に別々に供給される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記糖及び前記4級アンモニウム塩のうち少なくとも1つが、前記脱水段階に供給される前に、水と予備混合される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. 水が、前記糖の質量に対して10〜250wt%の量で前記脱水段階に供給される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 前記脱水段階の反応時間が1〜240分間である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記脱水段階が85〜110℃の温度で行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 前記脱水段階が1bar未満の圧力で行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 脱水段階における前記糖が、フルクトース、グルコース、サッカロース、及びイヌリン、又はそれらの混合物から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記脱水段階に供給される前記糖と前記4級アンモニウム塩との間の質量比が、1:10〜2:1である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 未使用の糖が、前記脱水段階中に段階的に供給され、反応器中で糖/4級アンモニウム塩の比を一定に保つ、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記4級アンモニウム塩が、フッ素化した及びフッ素化していないアルキル鎖を有するテトラアルキルアンモニウム塩、ヒドロキシル化した又はヒドロキシル化していないアルキル鎖を有するテトラアルキルアンモニウム塩、非対称な脂肪族基及び非脂肪族基を持つアンモニウム塩、ビス4級アンモニウム塩、並びにトリアルキルアンモニウム塩から選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
  14. 前記4級アンモニウム塩がテトラアルキルアンモニウム塩である、請求項13に記載のプロセス。
  15. 前記テトラアルキルアンモニウム塩が、ヒドロキシル化した又はヒドロキシル化していないC1〜C15のアルキル基を有する、テトラアルキルアンモニウムハライド又は水酸化テトラアルキルアンモニウムである、請求項14に記載のプロセス。
  16. 酸触媒が、前記脱水段階中に供給されるか又は前記脱水段階の前に前記4級アンモニウム塩及び/又は前記糖と予備混合される、請求項1〜15のいずれか1項に記載のプロセス。
  17. 前記脱水段階が、
    i)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持された酸化チタン(IV)、TiO2
    ii)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持されたリンタングステン酸、H3[P(W3104];
    iii)リン酸ジルコニウム、Zr(HPO42
    iv)リン酸チタン、Ti(HPO42
    から選択される酸触媒の存在下で行われる、請求項1〜16のいずれか1項に記載のプロセス。
  18. 前記脱水段階が、1つの筒状の反応器又は同等若しくは異なる複数の筒状の反応器中で少なくとも部分的に行われ、前記反応器のそれぞれが、
    a)回転刃と、
    b)高速ロータと、
    c)シャフト上に取り付けられた同軸ディスクと、
    d)1つ又は複数のパドルスターラーと
    から選択される撹拌システムを備える、請求項1〜17のいずれか1項に記載のプロセス。
  19. 前記脱水段階の最後での水含有量が、前記反応混合物の質量に対して5wt%未満である、請求項1〜18のいずれか1項に記載のプロセス。
  20. 前記脱水段階で得られた前記反応混合物の水含有量が、生成物のHMFの質量に対して20wt%未満である、請求項1〜19のいずれか1項に記載のプロセス。
  21. 前記脱水段階で得られた前記反応混合物の水含有量が、生成物のHMFの質量に対して10wt%未満である、請求項20に記載のプロセス。
  22. 前記分離段階2)が、
    a)4級アンモニウム塩及び任意の未反応の糖が実質的に不溶である有機溶媒又は有機溶媒の混合物を、15℃から前記溶媒又は前記溶媒の混合物の沸騰温度までの温度で、前記脱水段階の最後に得られた前記反応混合物に加えて、前記有機溶媒又は前記有機溶媒の混合物及びHMFを含む液相と、前記4級アンモニウム塩及び任意の未反応の糖を含む固相とを得る工程;
    b)得られた前記固相を前記液相から分離する工程;
    c)こうして得られた前記液相を、結晶化及び/又は蒸発及び/又は蒸留させて、HMFから前記有機溶媒又は前記有機溶媒の混合物を分離する工程
    を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載のプロセス。
  23. 工程a)の前記有機溶媒が、65〜120℃の沸点を有するエステル、ケトン、エーテル、又はハロゲン化したアルカンから選択される、請求項22に記載のプロセス。
  24. 工程b)の前記固相からの前記液相の分離が、デカンテーション、濾過又は遠心分離で行われる、請求項22又は23に記載のプロセス。
  25. 工程a)及びb)が複数回繰り返される、請求項22〜24のいずれか1項に記載のプロセス。
  26. 前記分離段階2)が、蒸発及び/又は蒸留のうち1つ又は複数の操作を含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載のプロセス。
  27. HMFが、蒸発又は蒸留による脱水工程の後に、前記反応混合物から分離される、請求項1〜21のいずれか1項に記載のプロセス。
  28. 前記分離段階2)の最後に回収された前記4級アンモニウム塩及び前記糖の残留物が、プロセスの前記脱水段階において再利用される、請求項1〜27のいずれか1項に記載のプロセス。
  29. プロセスが連続して行われる、請求項1〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
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