JP2017520532A - ジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法 - Google Patents

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Abstract

化学的方法は、ジイソプロピルアミノ−ジシランの選択的合成及びアミノシラン中の塩化物の低減を含み、組成物はそれらにより製造された、ジイソプロピルアミノ−ジシランと、少なくとも1つの反応性副生成物と、を含む。ジイソプロピルアミノ−ジシランは、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシラン及びジイソプロピルアミノ−ジシランである。

Description

本発明の分野は、概して、化学的方法及びその方法により製造される組成物に関する。化学的方法は、ジイソプロピルアミノ−ジシランを選択的に合成する工程を含み、組成物はその方法により製造されたジイソプロピルアミノ−ジシランと、少なくとも1つの反応副生成物と、を含む。本方法は、アミノジシランを含むアミノシラン中の不純物である塩化物を低減させる工程を更に含む。
アミノシラン、クロロシラン及びアミノクロロシランは、シリコン系潤滑剤、エラストマー、樹脂等のシリコン系材料を製造するために使用されることがある。
米国特許第8,043,907(B2)号で、Y.Ma他は基板上に不揮発性メモリ装置を製作する方法を報告している。シリコン先駆体は、ポリシリコン、酸化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、窒化ケイ素及びハフニウム含有材料を形成するために使用されることがある。シリコン先駆体は、シラン、アルキルシラン、ハロシラン、アルコキシシラン、アミノシラン、アミノジシラン、シリルアジド、シリルヒドラジン、又はそれらの誘導体であり得る。シリコン先駆体の例には、中でもヘキサクロロジシラン及び1,1,2,2−テトラクロロビス(ジイソプロピルアミノ)ジシランがある。特定のシリコン先駆体と、形成に使用され得る材料の種類との相関性は低い。
H.J.Frenk他は、ビス(ジイソプロピルアミノ)ジシランを使用することによる、窒化ケイ素膜の堆積を報告している(Application and Possibilities of the Remote PECVD Process to Deposition of Thin Nitride Films From Metalorganic Sources,ISPC−10 Bochun,August 1991,2.4〜28,pages 1〜6)。
米国特許第8,043,907(B2)号
Application and Possibilities of the Remote PECVD Process to Deposition of Thin Nitride Films From Metalorganic Sources,ISPC−10 Bochun,August 1991,2.4〜28,pages 1〜6
アミノクロロジシラン及びアミノジシランは、高収率かつ工業規模で合成することが困難であった。発明者らは、合成の困難性には、それらの反応性の高さ及び分子の不安定性の高さが包含され、これらの高さにより出発材料及び/又は反応生成物の副反応、分解、異性化又はこれらの組み合わせが生じ得るものと考える。発明者らは、副生成物を分解及び/又は異性化するのではなく、前述の化合物を合成するべく選択性の改良されたプロセスにより、高収率及び/又は高濃度で合成ジシランを含み、かつ/又は反応副生成物の含有濃度が低い、組成物の製造が可能になると考える。更に、不純物である塩化物が低減されたアミノシランの生成はこれまで困難であった。発明者らは、不純物である塩化物を低減させる方法が化学的堆積用途の性能を向上すると考える。
発明者らは、ジイソプロピルアミノ−ジシランを合成するための改良法を見い出した。本方法は、比較対象とする方法よりも高い収率及び/又は選択性を有する。本発明の実施態様は、以下を含む:
式(A):[(CHCH]NSiClSiCl (A)のジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの合成方法であって、炭化水素媒体中で、ヘキサクロロジシラン(SiClSiCl)をジイソプロピルアミノ基供給源に接触させて、式(B):[(CHCH]NSiClSiClN[CH(CH (B)の化合物が存在するならばその収率と比べて高収率で、式(A)の化合物を与える工程、ここで、ジイソプロピルアミノ基供給源は、ヘキサクロロジシランに対して、0.50〜1.19モル当量の金属ジイソプロピルアミド[(i−Pr)N]であり(式中、i−Prはイソプロピルであり、下付き文字mは1又は2であり、mが1であればMは元素周期表のI族の元素であり、mが2であれば、Mは元素周期表のII族の元素である)、又はジイソプロピルアミノ基供給源は1.0〜2.39モル当量のジイソプロピルアミンであり、又はジイソプロピルアミノ基供給源は0.50〜1.19モル当量のジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)と0.50〜1.19モル当量のピリジン若しくはトリアルキルアミン((アルキル)N)(式中、各アルキルは独立して(C〜C10)のアルキルである)との混合物である、を含む、方法。
式(I):[(CHCH]NSiHSiH (I)であるジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法であって、
沸点で特徴付けられる溶剤中、金属アルミニウム水素化物にジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを接触させて、沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを与える工程、
ここで溶剤の沸点は少なくとも摂氏90度(℃)でかつジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくとも10℃高い、及び溶剤からジイソプロピルアミノ−ジシランを分離して、少なくとも30%の収率、かつ、ガスクロマトグラフィーで70面積%(70面積%(GC))以上の純度の、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与える工程、
を含む、方法。
これらの方法のうちいずれか1つの方法により合成されたジイソプロピルアミノ置換ジシラン化合物と、かかる方法の少なくとも1つの反応副生成物と、を含む、組成物。各反応副生成物は、それぞれの方法で合成された化合物とは異なる。それぞれの方法で合成されたジイソプロピルアミノ置換ジシラン化合物は、それぞれ式(A)又は式(I)の化合物である。
式(A)の化合物は、ジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法による式(I)の化合物の製造に有用である。式(I)の化合物、並びに同化合物とそれぞれの反応副生成物とを含むそれぞれの組成物は、独立して電子・光起電力素子向けのシリコン含有材料を製造するためのシリコン産出前駆体として有用である。式(A)及び式(I)の化合物、並びに同化合物とそれぞれの反応副生成物とを含むそれぞれの組成物は、電子・光起電力半導体用途に関係のない、例えば、ケイ素系潤滑油、エラストマー、樹脂の製造のための更なる使用法も有する。本発明の方法は、これら用途と無関係の更なる使用法を有し得る。
発明者らは、ジシランを含むアミノシランにおいて、不純物である塩化物を低減させる方法も見い出した。本方法は、不純物である塩化物を他の方法より低いレベルで有するアミノシランを提供する。本発明の実施態様は、以下:
アミノシラン中の塩化物のレベルを低減させる方法であって、i)金属水素化物又はii)金属アミド塩を、アミノシランと塩化物種とを含むアミノシラン組成物に混ぜ合わせて、アミノシランと、金属水素化物又は金属アミド塩と塩化物種との反応により生成された反応生成物と、の混合物を生成する工程、並びに、混合物を蒸留して、アミノシランを回収する工程、
を含む、方法、を含む。
発明の概要及び要約書は、参照により本明細書に組み込まれる。上記に要約された本発明の実施態様、用途及び利点は、以下に更に説明される。
本発明は、技術的及び非技術的利点を有する。本方法によって解決された課題の1つは、比較対象とする方法と比べて改良された、式(A)及び式(I)のジイソプロピルアミノ置換ジシラン化合物の製造方法を提供している。例えば、式(A)の化合物の合成方法は、接触工程において、本発明のジイソプロピルアミノ基供給源の代わりに、不便なことに3.0モル当量のジイソプロピルアミンを(反応物質及び酸捕捉剤として)使用する、第一の比較対象とする方法を改良する。式(I)の化合物の合成方法は、接触工程において、不便なことに本溶剤ではなくモノグリム(すなわち、CHOCHCHOCH)を媒体として使用する、第二の比較対象とする方法を改良する。他の比較対象とする方法の改良もまた意図している。
使用する式(A)の化合物の合成方法の具体的な態様に応じて、本方法は独立して、第一の比較対象とする方法よりも高純度、高収率、高選択性、又はそれらのいずれか2つ以上の組み合わせで、式(A)の化合物を生成する。例えば、第一の比較対象とする方法では、式(A)及び式(B)の化合物の混合物を生成し、この混合物を精製した後、式(A)の化合物を7%の収率及び式(B)の化合物を43%の収率で与える。好ましい対比において、本方法は、式(A)の化合物を≧30%の収率で、好ましくはその精製後、≧90面積%(GC)の純度で与える。それ故、本方法は、(B)より(A)の選択性を向上させて、かつ(A)の収率を高めて、式(A)の化合物を合成する。
式(A)の化合物の合成方法のある態様は、金属ジイソプロピルアミド[(i−Pr)N]、あるいは金属ジイソプロピルアミドとジイソプロピルアミンとの混合物を、ジイソプロピルアミンの供給源として使用する。金属ジイソプロピルアミドを使用する方法は、反応副生成物として、ジイソプロピルアンモニウムクロリド(すなわち、ジイソプロピルアミン塩酸塩)又はトリメチルアンモニウムクロリド(すなわち、トリエチルアミン塩酸塩)などのアルキルアンモニウムクロリドよりもむしろ、金属塩化物を有用に生成する。式(A)の化合物は、アルキルアンモニウムクロリド反応副生成物からの分離よりも、金属塩化物反応副生成物からの分離の方が有利に容易である。例えば、金属塩化物は、ジイソプロピルアミン塩酸塩をろ過するよりも容易に式(A)の化合物からろ過及び分離され得る。
更に、式(A)の化合物の合成方法のある態様は、第一の比較対象とする方法と比べて、不要な分解副生成物、ジイソプロピルアミノトリクロロシランの生成を回避するか、最小限にすることができる。
使用する式(I)の化合物の合成方法の具体的な態様に応じて、本方法は、第二の比較対象とする方法よりも、高純度、高収率、高選択性又はそれらの2つ以上の組み合わせで、式(I)の化合物を有利に生成する。例えば、溶剤の沸点は、独立して、有益には少なくとも90℃であり、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点よりも少なくとも10℃高い。この沸点の差が、式(I)の化合物の精製を向上する。対照的に、第二の比較対象となる方法は、モノグリムを含む反応混合物を生成するものであり、蒸発法(例、蒸留)を特に工業規模で使用して、モノグリム(b.p.85℃)から式(I)の化合物を分離するのは、同じ手法を使用して溶剤から式(I)の化合物を分離するよりも困難である。この利点は、式(I)の化合物と溶剤との間の差が有効なものであるのに対し、第二の比較対象となる方法では、上記化合物とモノグリムとの間の沸点の差が有効性に劣っていることに由来するものであり得る。沸点の差が大きくなるほど、本方法の蒸発法はより有効になる。
更に、式(I)の化合物の合成方法で、たとえ溶剤の沸点が独立して少なくとも90℃であり、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点よりも少なくとも10℃高かったとしても、接触工程で生成される反応混合物の凝固点は、本方法を操作するための幅広い範囲の温度、例えば−60℃〜100℃、あるいは−40℃〜100℃、あるいは−30℃〜100℃、を有利に提供するに十分低くてよい。反応混合物の操作温度は、それらの凝固点より高く、かつ、それらのうち沸点の最も低い成分の沸点以下(ここで成分は蒸気圧に影響を及ぼすに十分な量である)であってよい。いくつかの態様では、反応混合物の凝固点は、反応混合物中の溶剤の凝固点(f.p.)であり、この凝固点は、溶剤の融点以下であり得る。一般的に、融点が低くなるほど凝固点も低くなる。溶剤は、かかる温度で少なくともある程度の金属アルミニウム水素化物を溶解するよう機能し、並びに式(A)の化合物の式(I)の化合物への還元が進むにつれて、この溶剤には更に金属アルミニウム水素化物が溶解し、より多くの金属アルミニウム水素化物が反応に利用可能になり得る。また、溶剤の沸点はモノグリムの沸点よりも著しく高く、これにより、式(I)の化合物を合成する本方法をより高い反応混合物温度で実施することが可能になる。温度を高くするほど、所定の設備能力でも、製造工場の生産性を高めることができる。このように、モノグリムを使用する、第二の比較対象となる方法と比べて、溶剤は、工業規模で反応を実施し、かつ、式(I)の化合物を精製する際の、選択を改良する。
更に、溶剤を使用すると、式(I)の化合物の収率は、モノグリムを使用した場合のかかる化合物の比較収率と比べて高くなり、かつ/又はSi含有反応副生成物の量は少なくなることがわかり得る。
式(I)の化合物の合成方法は、固形の反応副生成物として金属塩化アルミニウムを生成する。本方法には、溶剤中金属塩化アルミニウムの安定なスラリーの生成を有益に補助できる又は可能にできる溶剤が用いられる。有利には、式(I)の化合物は安定なスラリーから直接蒸留できる。このように、本方法は、金属塩化アルミニウム固体のろ過及び/又は蒸留前の溶剤蒸発なしに、反応混合物からの式(I)の化合物の精製できるようにする。
別の利点は、式(I)の化合物の合成方法のある態様では、接触工程の間に過剰反応の副生成物として生成され得る式(II):[(CHCH]NSiHSiHN[CH(CH (II)の化合物のない反応混合物を生成できるというものである。別の利点は、式(I)の化合物の合成方法のある態様では、式(I)の化合物と式(II):[(CHCH]NSiHSiHN[CH(CH (II)の化合物との混合物を生成でき、それらの相対量はプロセスを変化させることにより調節可能であるというものである。
別の利点には、アミノジシランを含むアミノシラン中の不純物である塩化物を低減させる方法のある態様は、周知の方法と比べて塩化物含有量が低減されたアミノシランを生成でき、これら塩化物の低減されたアミノシランは化学堆積プロセスでより良好に機能すると考えられるというものがある。
本発明及び利点は、前述の課題の解決策又は上記利点に限定されるものではない。本発明の特定の態様は、更なる問題点を独立して解決し、及び/又は他の利点を有し得る。
本発明の態様は、様々な一般的な慣例を使用して本明細書に記述される。例えば、別段の表示がない限り、全ての物質の状態は25℃及び101.3kPaで測定される。別段の記述又は表示がない限り、全てのパーセントは重量による。全ての%値は、別段の記述がない限り、組成物を合成又は調製するために使用される全ての材料の総重量に基づき、合計100パーセントになる。分類群及び下位分類群を含む任意のマーカッシュ群は、分類群に含まれる下位分類群を包含し、例えば、「Rはヒドロカルビル又はアルケニルである」では、Rはアルケニルであってもよく、あるいはRは他の下位分類群の中でも、アルケニルを含むヒドロカルビルであってもよい。米国実務について、本明細書で参照される全ての米国特許出願公開及び特許、又はそれらの一部(一部のみ参照される場合)は、組み込まれた発明の主題が本説明と矛盾しない範囲で本明細書に参照として組み込まれ、本説明がかかる矛盾を調整することになる。
本発明の態様は、様々な特許用語を使用して本明細書に記述される。例えば、「代替的に/あるいは」は、異なっており区別される実施態様を示す。比較例、比較上のプロセス又は比較上の方法に使用される「比較」は、非発明的な試行であることを意味し、先行技術として解釈してはならない。「含む(Comprise)」及びその変形(Comprising、comprised of)は、オープンエンドである。「からなる(Consists of)」及びその変形(consisting of)は、クローズドエンドである。「接触させる」は、物理的に接触させることを意味する。「であってもよい/することがある/し得る/ことができる(may)」は、選択肢を与えるものであり、必須ではない。「任意に」は、存在しない、あるいは存在することを意味する。
本発明の態様は、様々な化学用語を使用して本明細書に記述される。前述の化学用語の意味は、本明細書に別段の定義がない限り、IUPACにより承認された定義に一致する。便宜上、幾つかの化学用語をここに定義する。
用語「エーテル」は、アルキレングリコールジアルキルエーテル又は単官能性ジアルキルエーテルである、非プロトン性化合物を意味する。用語「アルキレングリコールジアルキルエーテル」は、式(G):RO−((C〜C10)アルキレンO)m−RA(G)の化合物(式中、mは1〜20の整数であり、各RAは独立して(C〜C10)のアルキルであり、但し式(G)の化合物は合計少なくとも6個の炭素原子を有する)を意味する。(C〜C10)のアルキル及び(C〜C10)のアルキレンのそれぞれは独立して直鎖状又は3個以上の炭素原子を有するなら分岐鎖状である。(C〜C10)のアルキレンは、式−(CH)g−(式中、gは2〜10の整数である)の直鎖状でもよい。mが1であれば、アルキレングリコールジアルキルエーテルは単にアルキレングリコールジアルキルエーテルと呼ぶことができる。mが2〜20であれば、アルキレングリコールジアルキルエーテルはポリアルキレングリコールジアルキルエーテルと呼ぶことができる。用語「単官能性ジアルキルエーテル」は、式(S):RAORA(S)の化合物(式中、各RAは独立して(C〜C10)のアルキルであり、但し式(S)の化合物は全部で少なくとも6個の炭素原子を有する)を意味する。(C〜C10)のアルキル及び(C〜C10)のアルキレンのそれぞれは独立して直鎖状であり、又は3個以上の炭素原子を有するなら分岐鎖状である。
用語「組成物」は、化学物質の構成要素についての実験式で定義され得る化学物質を意味する。
異なる構造を持つ「化合物」は、少なくとも1つの特性、機能及び/又は使用法において互いに異なることがある。
用語「ハロゲン」は、別段の定義がない限り、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
「IUPAC」は、International Union of Pure and Applied Chemistry(国際純正・応用化学連合)の略称である。
用語「が(の)ない(lack)」は、含まないこと又は完全に存在しないことを意味する。
用語「金属アルミニウム水素化物」は、式M[Al(H/D)の作用剤を意味し、作用剤は少なくとも1つのアルミニウム−水素又はアルミニウム−重水素官能基を含む(式中、Hは水素であり、Dは重水素であり、「H/D」は独立してH、D、又はHとDの組み合わせ(例えば、3Hと1D、2Hと2D、又は1Hと3D)であり、bは1又は2であり、Mはアルミニウムでない金属であり、bが1であるとき、Mは元素周期表のI族の元素であり、bが2であるとき、Mは元素周期表のII族の元素である)。作用剤はハロシランをヒドリドシランに還元するのに有用である。
「元素周期表」は、IUPACにより2011年に出版された版を意味する。
「精製する」とは、所望の成分の濃度を増加させること(最大≦100%まで、又は最大<100%まで)、又は1つ以上の望ましくない成分の濃度を低減させること(≧0%まで、あるいは0%まで、あるいは>0%まで)(所望の成分濃度が増加されているかは問わない)、あるいは両方を意味する。
用語「反応副生成物」は、1つ以上の反応物質の化学的変換による二次生成物を意味する。
用語「残渣」は、残された部分、例えば蒸留後の釜残又はろ過後のろ過ケーキ、を意味する。
用語「ロッド」は、2つの寸法により限定される材料、例えばアスペクト比>2を有する材料を意味する。
用語「分離」は、物理的に離して、直接接触してない状態にすることを意味する。
用語「基材」は、別の材料が扱われ得る少なくとも1つの表面を有する物理的支持体を意味する。
用語「媒体」は、キャリア、ホスト媒体、又は別の材料の溶剤(可溶性でも、可溶性でなくてもよい)として機能する物質を意味する。媒体は液体であってよい。
発明の一態様は、式(A):[(CHCH]NSiClSiCl (A)のジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの合成方法である。本方法は、炭化水素媒体中、ヘキサクロロジシラン(SiClSiCl)をジイソプロピルアミノ基の供給源に接触させて、式(B):[(CHCH]NSiClSiClN[CH(CH (B)の化合物(式中、i−Prはイソプロピルである)が存在するならばその収率と比べて高収率で、式(A)の化合物を与える工程を含む。
ジイソプロピルアミノ基の供給源の組成及び量が、前述のジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの高収率を可能にすると考えられる。ジイソプロピルアミノ基の供給源は、ヘキサクロロジシランに対して、0.50〜1.19モル当量の金属ジイソプロピルアミド[(i−Pr)N](式中、下付き文字mは1又は2であり、mが1であればMは元素周期表のI族の元素であり、mが2であればMは元素周期表のII族の元素である)であり得る。あるいは、ジイソプロピルアミノ基の供給源は、ヘキサクロロジシランに対して、1.0〜2.39モル当量のジイソプロピルアミンでもよい。あるいは、ジイソプロピルアミノ基の供給源は、ヘキサクロロジシランに対して、0.50〜1.19モル当量のジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)と0.50〜1.19モル当量のピリジン若しくはトリアルキルアミン((アルキル)N)(式中、各アルキルは独立して(C〜C10)のアルキルである)との混合物でもよい。ピリジン又はトリアルキルアミンの量は、混合物中のジイソプロピルアミンのモル量の0.90〜1.10倍であり得る。ピリジン又はトリアルキルアミンの量は、混合物中のジイソプロピルアミンの量と等モル(すなわち、モル量の1.00倍)であってもよい。式(A)の化合物の収率は、30%以上、あるいは>50%、あるいは>70%である。
ジイソプロピルアミノ基の供給源の組成及び量(ヘキサクロロジシランに対して)が、式(B):[(CHCH]NSiClSiClN[CH(CH (B)の任意の化合物の収率より高収率でジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを与えると考えられる。例えば、ジイソプロピルアミノ基の供給源が金属ジイソプロピルアミドであるとき、金属ジイソプロピルアミドのモル当量が0.50から1.00に増加すると、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの理論収率は50%から100%に増加する。また、金属ジイソプロピルアミドのモル当量が0.50から1.19に増加すると、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの実収率は30%から≦100%に増加し得る。同様に、ジイソプロピルアミノ基の供給源がジイソプロピルアミンである場合、ジイソプロピルアミンのモル当量が1.00から2.00に増加すると、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの理論収率は50%から100%に増加する。ジイソプロピルアミンのモル当量が1.00から2.39に増加すると、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの実収率は30%から≦100%に増加し得る。同様に、ジイソプロピルアミノ基の供給源がジイソプロピルアミンとピリジン又はトリアルキルアミンとの混合物であるとき、ジイソプロピルアミン及びピリジン又はトリアルキルアミンの各モル当量が0.50から1.00に増加すると、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの理論収率は50%から100%に増加する。ジイソプロピルアミン及びピリジン又はトリアルキルアミンの各モル当量が0.50から1.19に増加すると、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの実収率は30%から≦100%に増加し得る。
式(A)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、金属ジイソプロピルアミド[(i−Pr)N]が接触工程においてジイソプロピルアミノ基の供給源として使用される。mが1であれば、MはLi、Na、K、Rb、Cs又はFr、あるいはLi、Na、K、Rb又はCs、あるいはLi、Na、K又はCs、あるいはLi、Na又はK、あるいはLi又はNa、あるいはLi又はK、あるいはNa又はK、あるいはLi、あるいはNa、あるいはKである。mが2であれば、MはBe、Mg、Ca、Sr、Ba又はRa、あるいはMg、Ca又はBa、あるいはMg又はCa、あるいはMg又はBa、あるいはCa又はBa、あるいはMg、あるいはCaである。いくつかの態様では、mは1であり、かつMはLi、Na又はKであり、又はmは2であり、かつMはMg又はCaである。いくつかの態様では、接触工程において、金属ジイソプロピルアミドがジイソプロピルアミノ基の供給源として使用され、mは1であり、かつ、Mはリチウム、ナトリウム、又はカリウムであり、あるいはmは2であり、かつMはマグネシウム又はカルシウムである。金属ジイソプロピルアミドのモル当量は、全てヘキサクロロジシランに対して、0.8〜1.15、あるいは0.90〜1.11であってよい。式(A)の化合物の収率は、30%以上、あるいは>50%、あるいは>70%である。
式(A)の化合物の合成方法の他の態様では、接触工程において、ジイソプロピルアミンとピリジン又はトリアルキルアミンとの混合物が、ジイソプロピルアミノ基供給源として使用される。ジイソプロピルアミンのモル当量は、ヘキサクロロジシランに対して0.8〜1.15、あるいは0.90〜1.11であり、ピリジン又はトリアルキルアミンのモル当量は0.8〜1.15、あるいは0.90〜1.11である。式(A)の化合物の収率は、30%以上、あるいは>50%、あるいは>70%である。
式(A)の化合物の合成方法の他の態様では、接触工程において、ジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)がジイソプロピルアミノ基供給源として使用される。ジイソプロピルアミンのモル当量は、1.0〜2.39、あるいは1.5〜2.29、あるいは1.90〜2.15である。式(A)の化合物の収率は、30%以上、あるいは>50%、あるいは>70%である。
式(A)の化合物の合成方法では、接触工程は独立して、式(A)の化合物の合成方法を可能にする任意の温度で操作することができる。接触は、−30℃〜50℃、あるいは−20℃〜45℃、あるいは−10℃〜40℃で操作されてもよい。反応混合物の操作温度は、それらの凝固点より高く、かつ、それらのうち沸点の最も低い成分の沸点以下(ここで成分は、その蒸気圧に影響を及ぼすのに十分な量である)であってよい。接触工程は、式(A)の化合物を与えるのに十分な任意の時間継続することができる。接触工程は独立して、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを30%を超える収率で与えるのに十分な時間継続してよい。
式(A)の化合物の合成方法では、炭化水素媒体中、ヘキサクロロジシラン(SiClSiCl)とジイソプロピルアミノ基供給源との接触工程は、ジイソプロピルアミノ基供給源をヘキサクロロジシランに加えることにより行われる。
式(A)の化合物の合成方法は、反応副生成物を生成する。例えば、式(A)の化合物の合成方法の特定の態様に応じて、ジイソプロピルアミノ基供給源がジイソプロピルアミンであるとき、本方法はジイソプロピルアミン塩酸塩を副生成物として生成する。ジイソプロピルアミノ基供給源がジイソプロピルアミンとピリジン又はトリアルキルアミンとの混合物であるとき、本方法はピリジン塩酸塩又はトリアルキルアミン塩酸塩を副生成物として生成する。ジイソプロピルアミノ基供給源が金属ジイソプロピルアミドであるとき、本方法は金属塩化物を副生成物として生成し、ここで金属は上述の通りMである。本方法は、固形の反応副生成物からジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを分離して、炭化水素媒体中にジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを含み、かつ、固形の副生成物は含まない溶液を与える工程を更に含む。ろ過又は遠心分離に続き、デカンテーション等の好適な方法で、固形副生成物を分離することができる。
式(A)の化合物の合成方法は、接触工程の前に1つ以上の任意の工程を、若しくは接触工程の後に1つ以上の任意の工程を、又は両方を更に含むことができる。例えば、接触工程の前に、本方法はヘキサクロロジシランを合成する工程及び/又は金属ジイソプロピルアミドを合成する工程を更に含んでよい。また、式(A)の化合物の合成方法において、本方法はジイソプロピルアミン及びピリジン又はトリアルキルアミンを混合して、ジイソプロピルアミンとピリジン又はトリアルキルアミンとの混合物を調製する工程を更に含んでもよい。
代替的に又は追加的に、接触工程後に、式(A)の化合物の合成方法は、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランから炭化水素媒体を分離して、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの濃縮形態を与える工程を更に含むことができる。本方法は、それぞれ濃縮形態である何らかの他の成分からジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを分離して、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの精製物を与える工程を更に含んでよい。例えば、本方法は、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランをかかる濃縮物から蒸留して、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの精製物を与える工程を更に含んでもよい。ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシラン精製物は、少なくとも50%の収率(接触工程において使用されるヘキサクロロジシランの量に基づいて)、及び80%以上、あるいは≧90%、あるいは≧93%の純度で得ることができ、最高純度は100%、あるいは99.9999999%、あるいは99.999999%、あるいは99.99999%、あるいは99.9999%、あるいは99.999%、あるいは99.99%、あるいは99.9%、あるいは99.0%(全て面積%(GC))であり得る。
式(A)の化合物は高純度であることから、他の方法で式(A)の化合物から合成される式(I)の化合物の純度が向上され得る。
式(A)の化合物の合成方法は、炭化水素媒体中で行なう。炭化水素媒体は、少なくとも5個の炭素原子を有するアルカン、少なくとも5個の炭素原子を有するシクロアルカン、少なくとも6個の炭素原子を有するアレーン、又はそれらのいずれか2種以上の混合物を含み得る。炭化水素媒体は、ペンタン、ヘキサン、ヘキサン(複数)、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はそれらのいずれか2種以上の混合物を含み得る。炭化水素媒体は、後述される実施例で使用される媒体のうちの任意のものであってよい。
炭化水素媒体の組成が、接触工程を最適化する(例えば、所望の反応温度を達成する沸点を有する炭化水素媒体又は反応副生成物の可溶化能を持たない炭化水素媒体を選択する)と考えることができる。代替的に又は追加的に、炭化水素媒体の組成が、任意の分離工程を最適化する(例えば、式(A)の化合物を蒸発させずに蒸発させるのに望ましい沸点を有する炭化水素媒体を選択する)と考えることができる。炭化水素媒体は、炭素原子及び水素原子からなり得、又は炭素原子、水素原子及びハロゲン原子からなるハロゲン化炭化水素媒体であってよい。C原子及びH原子からなる炭化水素媒体は、アルカン、芳香族炭化水素、及びそれらのいずれか2種以上の混合物であり得る。アルカンは、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソパラフィン、又はそれらのいずれか2種以上の混合物であってよい。芳香族炭化水素は、トルエン、キシレン、又はそれらのいずれか2種以上の混合物であってよい。ハロゲン化炭化水素媒体は、ジクロロメタンであってよい。炭化水素媒体は、還元接触工程が実施されるとき反応混合物中に残存してもよく、あるいは、炭化水素媒体は、還元接触工程の実施前に反応混合物から除去されてよい。炭化水素媒体の組成が異なる方法は、少なくとも1つの結果、特性、機能及び/又は使用法において互いに異なることがある。炭化水素媒体の組成が異なると、式(A)の化合物、ジイソプロピルアミノ基供給源、反応副生成物、又はそれらのいずれか2つ以上の組み合わせに適した異なる溶解度を提供できる。
式(A)の化合物を合成するいくつかの態様では、ジイソプロピルアミノ基供給源は、ジイソプロピルアミンとピリジン又はトリアルキルアミン((アルキル)N)との混合物である。混合物は、ジイソプロピルアミンとピリジン、あるいはジイソプロピルアミンとトリアルキルアミン(式中、各アルキルは独立して(C〜C10)のアルキルである)、あるいはジイソプロピルアミンとピリジンと少なくとも1つのトリアルキルアミン、を含んでよい。トリアルキルアミンの各(C〜C10)のアルキルは同じでよく、あるいは少なくとも2つの(C〜C10)のアルキル、あるいは3つ全ての(C〜C10)のアルキルが異なってもよい。(C〜C10)のアルキルは、直鎖又は分枝であってよい。(C〜C10)のアルキルは、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル又はデシルであってよい。トリアルキルアミンの例は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチル−tert−ブチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、及びそれらいずれか2種以上の混合物である。トリアルキルアミンは、トリエチルアミン、トリプロピルアミン又はトリブチルアミン、あるいはトリエチルアミン、あるいはトリプロピルアミン、あるいはトリブチルアミンであってよい。
別の発明の態様は、式(I)[(CHCH]NSiHSiH (I)のジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法であって、沸点で特徴付けられる溶剤中で、金属アルミニウム水素化物にジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを接触させて、沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを与える工程、及びジイソプロピルアミノ−ジシランを溶剤から分離して、少なくとも30%の収率、かつ、70面積%〈GC〉以上の純度の、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与える工程、を含む方法である。溶剤の沸点は、少なくとも90℃であり、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくとも10℃高い。
式(I)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、組成、溶媒の沸点、及び任意に反応混合物の凝固点が、少なくとも30%の収率、かつ、70面積%(GC)以上の純度の、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与えると考えられる。例えば、溶剤、又はエーテルは、炭素原子、水素原子及び酸素原子からなり得、あるいは炭素原子、水素原子、酸素原子及びハロゲン原子からなるハロゲン化溶剤、又はエーテルでよい。1つの実施態様では、溶剤は、エーテル、あるいはアルキレングリコールジアルキルエーテルである。アルキレングリコールジアルキルエーテルは、式(G)の化合物であり得る。アルキレングリコールジアルキルエーテルは、テトラエチレングリコールジ(C〜C)アルキルエーテル、プロピレングリコールジ(C〜C)アルキルエーテル、エチレングリコールジ(C又はC)アルキルエーテル、又はそれらのいずれか2種以上の組み合わせであってよい。例えば、アルキレングリコールジアルキルエーテルは、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジオクチルエーテル、又はエチレングリコールジオクチルエーテルであってよい。ハロゲン化アルキレングリコールジアルキルエーテルは、テトラエチレングリコールハロ置換ジ(C〜C)アルキルエーテル、プロピレングリコールハロ置換ジ(C〜C)アルキルエーテル、エチレングリコールハロ置換ジ(C若しくはC)アルキルエーテル、又はそれらのいずれか2種以上の組み合わせであり得る。例えば、ハロゲン化アルキレングリコールジアルキルエーテルは、テトラエチレングリコールビス(トリフロロメチル)エーテル、プロピレングリコールビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)エーテル、又はエチレングリコールビス(3,3,3−トリフルオロブチル)エーテルであってよい。エーテルは、単官能性ジアルキルエーテルであり得る。単官能性ジアルキルエーテルは、式(S)の化合物であってよい。単官能性ジアルキルエーテルは、対称化合物又は非対称化合物であり得る。対称化合物は、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル又はジデシルエーテルであってよい。非対称化合物は、プロピルブチルエーテル、オクチルプロピルエーテルであってよい。エーテルは、2種以上のアルキレングリコールジアルキルエーテルの混合物であってよく、あるいは2種以上の単官能性ジアルキルエーテルの混合物、あるいは少なくとも1種のアルキレングリコールジアルキルエーテルと少なくとも1種の単官能性ジアルキルエーテルとの混合物であってよい。エーテルは、還元接触工程の完了後に反応混合物から除去されてよく、あるいは残余中に残ってもよい。式(I)の化合物は残余から除去(例えば蒸留)して、エーテルから分離することができる。エーテルについて異なる組成を使用する方法は、少なくとも1つの結果、特性、機能及び/又は使用法において互いに異なることがある。いくつかの態様では、エーテルは、アルキレングリコールジアルキルエーテルであり、アルキレングリコールジアルキルエーテルは、テトラエチレングリコールジ(C〜C)アルキルエーテル、プロピレングリコールジ(C〜C)アルキルエーテル、エチレングリコールジ(C若しくはC)アルキルエーテル、又はそれらのいずれか2種以上の組み合わせである。あるいは、アルキレングリコールジアルキルエーテルは、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、又はポリエチレングリコールジメチルエーテルである。あるいは、アルキレングリコールジアルキルエーテルは、以下のメンバー:テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、及びポリエチレングリコールジメチルエーテル、のうち任意の5つからなる群から選択される。あるいは、アルキレングリコールジアルキルエーテルは、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、あるいはプロピレングリコールジプロピルエーテル、あるいはエチレングリコールジブチルエーテル、あるいはペンタエチレングリコールジメチルエーテル、あるいはヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、あるいはポリエチレングリコールジメチルエーテルである。エーテルの組成が異なると、式(A)の化合物、式(I)の化合物、金属アルミニウム水素化物、反応副生成物、又はそれらのいずれか2つ以上の組み合わせに対し異なった溶解度を提供できる。
式(I)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、溶剤の沸点は、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくとも30℃以上高く、あるいは少なくとも50℃以上高い。溶剤の沸点は、275℃、あるいは225℃、あるいは200℃ほどの高さでよい。いくつかの態様では、接触は、その温度が接触工程で生成される反応混合物の凝固点より高いことを条件として、−60℃〜100℃、あるいは−20℃〜100℃、あるいは−20℃〜60℃の温度で行われる。反応混合物は、そこからの溶剤の凝固により凍結することができる。アルキレングリコールジアルキルエーテルの融点は、−30℃ほどの低さでよい。単官能性ジアルキルエーテルの融点は、−122℃ほどの低さでよい(ジプロピルエーテル)。
式(I)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、接触工程は、30%を超える収率でジイソプロピルアミノ−ジシランを与えるのに十分な時間継続される。
いくつかの態様では、式(I)の化合物の合成方法は、出発材料及び/若しくは合成された式(I)の化合物の純度を設定し、並びに/又はプロセス工程の手法を設定することにより向上され得る。かかる向上により、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物の収率を少なくとも60%にすることができ、及び/又はジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物は1,2−ビス(ジイソプロピルアミノ)−ジシランを含まない。ジイソプロピルアミノ−ジシランは、例えば蒸留塔を用いる真空下分別蒸留など、真空下で精製することができる。あるいは、ジイソプロピルアミノ−ジシランは、蒸留以外の手法、非蒸発法であっても精製することができる。
式(I)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、本方法は、i)金属水素化物又はii)金属アミド塩を、合成されたジイソプロピルアミノジシランと混ぜ合わせる工程を更に含むことができる。
金属水素化物は、元素周期表のI族又はII族の金属を含むいずれかの金属水素化物で有り得、あるいは金属水素化物はリチウム又はアルミニウムを含む。1つの実施態様では、金属水素化物は、リチウムトリス(tert−ブトキシ)−アルミニウムヒドリド、リチウムトリエチルボロヒドリド、又はナトリウムトリエチルボロヒドリドである。金属水素化物は、例えばSigma Aldrichより市販されている。
金属アミドは、元素周期表のI族又はII族のいずれかの金属を含むアミドで有り得、あるいは金属アミドの金属はリチウムである。1つの実施態様では、金属アミドはリチウムジイソプロピルアミドである。金属アミドは、例えばSigma Aldrichより市販されている。
金属アミド及び/又は金属水素化物は、単独で(そのまま)又は溶解度に応じて、トルエン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン又はテトラエチレングリコールジメチルエーテル等の溶剤中の溶液若しくはスラリーとして添加することができる。
アミノシラン及び/又はアミノジシランと混合される金属アミド及び/又は金属水素化物の量は、アミノシラン又はアミノジシラン中の不純物の塩化物の量と比べて、同一モル量〜過剰モル量であり、あるいは不純物である塩化物に対する金属アミド及び/又は金属水素化物対のモル比は>1、あるいは少なくとも2、あるいは1より多く100より少ない。
金属水素化物又は金属アミドが混合されるときの温度は、典型的には、−20℃〜110℃、あるいは−20〜20℃である。当業者は、金属水素化物又は金属アミドと混合する最適温度を決めることができる。
金属水素化物及び/又は金属アミドは、アミノシラン及び/又はアミノジシランと少なくとも1分間、あるいは少なくとも15分間、あるいは15分〜24時間混合される。
アミノシラン及び/又はアミノジシランと金属水素化物及び/又は金属アミドとの混合の添加順序は重要ではない。
式(I)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、分離工程は、溶剤から及び任意にいずれかの固形の反応副生成物から、ジイソプロピルアミノ−ジシランを蒸留して、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物として蒸留物を与えることを含み得る。あるいは、分離は、ジイソプロピルアミノ−ジシランを溶剤から蒸発させて、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物として凝縮物を与える非蒸留法を含むことができる。
式(I)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、本方法は、沸点で特徴付けられる溶剤中、金属アルミニウム水素化物にビス(ジイソプロピルアミノ)ペンタクロロジシランを接触させて、溶剤の沸点より少なくとも10℃高い沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを与える工程、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくとも10℃高い沸点で特徴付けられる第二溶剤を加える工程、ジイソプロピルアミノ−ジシラン及び第二溶剤から溶剤を分離する工程、並びに、その後第二溶剤からジイソプロピルアミノ−ジシランを分離して、少なくとも30%の収率、かつ、少なくとも70面積%(GC)の純度で、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与える工程を含む。
代替的に又は追加的に、式(I)の化合物の合成方法において、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を、80%以上、あるいは≧90%、あるいは≧93%の純度(ここで、最高純度は100%、あるいは99.9999999%、あるいは99.999999%、あるいは99.99999%、あるいは99.9999%、あるいは99.999%、あるいは99.99%、あるいは99.9%、あるいは99.0%でもよく、すべての%は面積%(GC)である)で得ることができる。本方法で合成される式(I)の化合物は高純度であることから、式(I)の化合物はより安定性に優れ、かつ、有効期間が延長されたものになり得る。
代替的に又は追加的に、式(I)の化合物の合成方法において、接触工程において使用されるジイソプロピルペンタクロロ−ジシランは、式(A)の化合物の合成方法の態様のうちいずれか1つにより合成することができる。いくつかの態様で、式(A)及び式(I)の化合物は同じ反応器で順次調製することができる。
いくつかの態様で、式(I)の化合物の合成方法は、プロセス工程の反応物質の相対量を設定することにより向上させることができる。式(I)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランと金属アルミニウム水素化物の相対量は、金属アルミニウム水素化物のH原子(及び/又はD原子)に対する、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランのSi−Cl基のモル比、1.0:0.5〜1.0:1.5、あるいは1.0:0.8〜1.0:1.5、あるいは1.0:1.0〜1.0:1.5により特徴付けられる。
いくつかの態様で、式(I)の化合物の合成方法は、金属アルミニウム水素化物の性質により更に特徴付けることができる。金属アルミニウム水素化物の金属はアルミニウムではない。金属アルミニウム水素化物はI族又はII族の金属アルミニウム水素化物であり得る。II族の金属アルミニウム水素化物は、式M(AlH又はM(AlD、あるいはM(AlH、あるいはM(AlD(式中、MはII族金属であり、各Hは水素原子であり、Dは重水素原子である)であり得る。II族の金属アルミニウム水素化物の例は、水素化アルミニウムマグネシウム及び水素化アルミニウムカルシウムである。あるいは金属アルミニウム水素化物は、I族の金属アルミニウム水素化物でもよい。I族の金属アルミニウム水素化物は、式MAlH又はMAlD、あるいはMAlH、あるいはMAlDであり得る(式中、MはI族金属であり、Hは水素原子であり、Dは重水素原子である)。I族の金属Mは、Li、Na又はKであり得る。I族の金属アルミニウム水素化物の例は、KAlH、NaAlH、LiAlH、KAlD、NaAlD及びLiAlDである。I族の金属アルミニウム水素化物は、KAlH、NaAlH又はLiAlH、あるいはNaAlH又はLiAlH、あるいはKAlH、あるいはNaAlH、あるいはLiAlH、あるいはKAlD、NaAlD又はLiAlD、あるいはNaAlD又はLiAlD、あるいはKAlD、あるいはNaAlD、あるいはLiAlDであり得る。あるいは金属アルミニウム水素化物は、上述の例の任意の2種以上の組み合わせでもよい。例として、金属アルミニウム水素化物は、NaAlHとLiAlHとの組み合わせ、又はLiAlHとMg(AlHとの組み合わせでもよい。典型的に、金属アルミニウム水素化物の少なくともいくつか、あるいはすべてがLiAlHである。
金属アルミニウム水素化物について異なる組成を有するプロセスは、少なくとも1つの結果、特性、機能及び/又は使用法において互いに異なることがある。異なる金属アルミニウム水素化物は、異なる還元活性及び/又は選択性を提供することができる。
いくつかの実施態様では、金属アルミニウム水素化物は錯化剤を更に含まない。他の実施態様では、金属アルミニウム水素化物は、Alに対し配位結合を形成することになる錯化剤を更に含む。錯化剤は、例えばアルキルエーテル(例;ジエチルエーテル)、オキサシクロアルカン(例;テトラヒドロフラン)又はトリアルキルアミン(例;トリメチルアミン)など、O、N又はSを含有する非プロトン性化合物であり得る。錯化剤は、金属アルミニウム水素化物の保存安定性を向上するため又は反応性を調整するためなどに使用できる。錯化剤は、還元接触工程を実施する前に反応混合物から除去できる。
本方法において使用に好適な金属アルミニウム水素化物は一般に知られている。適する金属アルミニウム水素化物は、例えばSigma−Aldrich社(米国ミズーリ州セントルイス)などの供給元から容易に入手可能であり、及び/又は好適な方法により調製できる。いくつかの実施態様では、金属アルミニウム水素化物はトリアルキルアルミニウムを更に含まない。他の実施態様では、金属アルミニウム水素化物はトリアルキルアルミニウムを更に含む。
接触工程での添加順序が重要な場合がある。例えば、式(A)の化合物の合成方法において、ジイソプロピルアミノ基供給源は、化合物(A)の生成に好都合な炭化水素媒体中、ヘキサクロロジシランの混合物に添加される。ヘキサクロロジシランがジイソプロピルアミノ基供給源に加えられる場合、化合物(B)の生成が有利になる。式(I)の化合物の合成方法において、金属アルミニウム水素化物は、溶剤中、式(A)の化合物の混合物に加えることができ、その逆も同じである。反応条件は、式(I)の化合物の収率及び/又は式(I)の化合物を合成する際の選択性を最大にするため、異なる添加順序について容易に最適化することができる。
いくつかの態様では、プロセスは、実施例で後述されるそれらのいずれか1つの種であると更に定義することができる。
いくつかの態様では、式(A)又は式(I)の化合物は、独立してその同位体組成により更に定義することができる。各化合物は、独立して、天然存在比の同位体、あるいは同位体濃縮物、あるいは前述の形態の混合物であり得る。式(A)又は式(I)の化合物の同位体濃縮物には、重水素、三重水素、29Si、30Si、32Si、又はそれらの任意の2種以上の組み合わせを、天然存在比よりも多量に含むものが含まれる。本明細書で記述された化合物の使用に加えて、化合物の同位体濃縮物は、同位体濃縮した化合物又はその化合物から製造された同位体濃縮したシリコン材料(例えば、フィルム)の検出が有益である用途において有用な場合がある。かかる用途の例は、医学研究及び偽造防止用途である。異なる同位体組成を有する式(A)又は式(I)の化合物は、少なくとも1つの特性、機能及び/又は使用法において互いに異なることがある。
式(A)又は式(I)の各化合物は、独立して、無水条件下(すなわち、水分がない状態)、不活性雰囲気下、又は典型的に両者、すなわち無水不活性雰囲気下で保管することができる。不活性雰囲気は、分子状窒素、ヘリウム、アルゴン又はこれらのいずれか2種以上の混合物のガスであってもよい。異なる水分濃度を有する式(A)又は式(I)の化合物は、少なくとも1つの特性、機能及び/又は使用法において互いに異なることがある。
接触工程のいずれかは、独立して反応物質の撹拌を更に含んでもよい。撹拌は、反応混合物中の反応物質と追加成分の混合及び接触を促進することができる。かかる接触工程は、独立して、撹拌とともに又は撹拌なしに他の条件を使用することができる。特定の接触工程において意図される反応生成物を生成するために、反応物質の接触、すなわち反応を促進するよう他の条件を調整することができる。かかる他の条件は、反応収率を向上させるか、特定の反応副生成物の量を最小限にするよう結果に作用する条件であり得る。かかる他の条件の例は、雰囲気、温度及び圧力である。例えば、還元及び/又は置換接触工程は、独立して、無水アルゴン又はヘリウムガスの気流などの不活性ガス雰囲気下で実施してよい。代替的に又は追加的に、還元及び/又は置換接触工程は、独立して、前述の反応を認識できる最低温度から、使用される圧にて最も沸騰の低い成分の沸点のうちのより低い沸点のものまでの、反応物質温度を含むことができる。反応は、例えば29Si及び/又はH核磁気共鳴(NMR)分光法により、反応物質の消失又は生成物の出現を検出することにより認識できる。例えば、接触工程は、独立して、−60℃〜100℃、あるいは−20〜95℃、あるいは0℃〜90℃、あるいは20℃〜90℃の反応物質温度を含み得る。接触工程は、独立して、周囲圧力より低い、例えば101.3キロパスカルより低い圧力下で実施することができる。異なる接触工程において使用される条件は、本明細書で記載される任意の他の接触工程及び/又は分離工程において使用される条件と同一であっても異なっていてもよい。
式(A)及び式(I)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、分離工程の開始前に接触工程のうちいずれか一工程が余りに長時間行われると、分離工程により精製される式(A)又は式(I)のそれぞれの化合物の収率に、望ましくない低下が生じ得る。それ故、接触工程と分離工程を同時に同じ条件下で実施することは有利であり得る。接触工程と分離工程の平行実施は、例えば、意図する反応を実施し、得られる反応混合物から真空蒸留などの連続蒸留により所望の反応生成物(例えば、場合に応じて、式(A)又は式(I)の化合物)を分離するのに有用な条件下で、反応物質と媒体(例えば、場合に応じて、炭化水素媒体又は溶剤)を一緒に接触させることにより行うことができる。このようにして、精製される式(A)及び式(I)の化合物の収率は、使用される条件下で最適化できる。なぜなら式(A)及び式(I)の化合物は、作られるとすぐに反応混合物から除去され、適宜冷却されるためである。
いくつかの態様では、式(I)の化合物の合成方法は、式(A)の化合物の供給源として、式(A)の化合物の合成方法の接触工程から得られる反応混合物を、精製せずに直接使用する。例えば、式(A)の化合物の合成方法から得られる反応混合物は、後に式(I)の化合物の合成方法に使用するまで保管できる。保管は≦−50℃の温度での冷蔵を含み得る。あるいは前述したように、式(A)の化合物を、かかる化合物を含有する反応混合物から分離及び/又は精製することができ、分離された及び/又は精製された式(A)の化合物は、その後式(I)の化合物の合成方法に使用することができる。
式(A)及び式(I)の化合物を、かかる化合物を合成するそれぞれの反応混合物から分離するために使用される分離工程は、式(A)又は式(I)の化合物をそれらの反応副生成物及び何らかの未反応の反応物質又は追加成分(例えば、媒体)から分離するのに好適な任意の手法を含むことができる。異なる式(A)及び式(I)の化合物に対しては、異なる手法が好ましい場合もある。使用する手法は1種類であってもよく、あるいは2種類以上の手法を連続的に使用してもよい。不純物含量を繰返し低減するため、各回にそれ以前の分離により得られた精製物を用い、所与の手法を1回又は2回以上実施して、繰り返し精製された式(A)又は式(I)の化合物、例えば、繰り返された分だけアルキルアンモニウム塩化物の濃度が低減されている、精製された式(A)の化合物、又は繰り返された分だけアルミニウムの原子濃度が低減されている、精製された式(I)の化合物を得ることもできる。好適な手法の例は、傾しゃ、蒸留、蒸発、抽出、ろ過、凍結乾燥、ガスクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、分配、相分離、逆相液体クロマトグラフィー、留去、揮発及び洗浄である。代替的に又は追加的に、式(A)及び式(I)の化合物のそれぞれを逆相液体クロマトグラフィーにかけてもよい。好適な逆相液体クロマトグラフィーの手法の例は、逆相中圧カラムクロマトグラフィー(RP−MPLC)及び逆相高圧カラムクロマトグラフィー(RP−HPLC)である(ここで、固定相はシリカゲルなどの固形であり、移動相は無水の非プロトン性有機溶剤、例えば無水ヘキサン、無水アセトニトリル、無水エチルアセタート又はそれらのいずれか2種以上の混合物などである)。
例えば、式(A)及び式(I)の化合物の合成方法のいくつかの態様では、接触工程が、独立して、それより前の工程から(任意の予備工程から)接触工程に持ち越された固形物を有し、かつ/又は合成中に固形の反応副生成物としてその場で生成される固体沈殿物を有する、反応混合物を生成することがある。例として、固形の反応副生成物は、M及びMに依存し、場合に応じて、MX若しくはMX、例えばLiCl、NaCl、又は塩M若しくはM、例えばMgCl若しくはCaClであり得る。かかる態様では、分離工程は、塩などの固形物を除去するためにかかる反応混合物をろ過して、場合に応じて式(A)又は式(I)の化合物を含有しており、かつ、固形の反応副生成物のないろ過液を与える工程を含むことができる。
固形の反応副生成物をろ過した後、場合に応じて式(A)又は(I)の化合物を含有する得られたろ過液を蒸留又はストリップして、揮発性成分を除去し、場合に応じて式(A)又は式(I)の化合物の濃縮物を含有する残余を与えることができる。このようにして除去される揮発性成分は、式(A)又は式(I)の化合物の沸点よりも低沸点を有する成分であり、例として炭化水素媒体、何らかの未反応のジイソプロピルアミン、及び/又は存在するなら、ピリジン若しくはトリアルキルアミン、及び/又はSi−Si結合開裂に関係する何らかの反応副生成物、例えばジイソプロピルアミノトリクロロシラン(式(A)の化合物の合成方法では全て)を挙げることができる。式(I)の化合物の合成方法において、揮発性成分は、モノシラン、及び/又はSi−Si結合開裂に関係する何らかの反応副生成物、例えばジイソプロピルアミノシラン(i−Pr)NSiHであり得る。
場合に応じて、式(A)又は式(I)の化合物の沸点より低い沸点を有する何らかの反応副生成物及び反応混合物の他の成分を、蒸発法により除去して、それぞれ式(A)又は式(I)の化合物の濃縮された残余を与えることができる。式(A)又は式(I)の化合物を残余から蒸留又はストリップして、場合に応じて、精製された式(A)又は式(I)の化合物を与えることができる。蒸留又はストリッピングによる釜残渣は、何らかの不揮発性反応副生成物及び/又は何らかの不揮発性追加成分を含有する別の残余を含むことがある。このようにして残された不揮発性成分は、式(A)又は式(I)の化合物の沸点より高い沸点を有する成分であり、例として、不揮発性媒体、例えば溶剤又はいくつかの態様では、第二溶剤(例えば、式(I)の化合物の合成方法で)等、及び/又は接触工程中2種以上のシラン分子の縮合により生成されたオリゴマー副生成物若しくは高分子副生成物を挙げることができる。
式(A)及び式(I)の化合物の純度は、独立して、逆相液体クロマトグラフィー、又はより好ましくは後述するガスクロマトグラフィー(GC)で測定することができる。例えば、前述した式(A)及び(I)の化合物の純度についての数値は、面積%(GC)とすることができる。各≦100面積%(GC)は、独立して、精製された式(A)又は式(I)の化合物がそれぞれの式(A)又は式(I)の化合物それ自体である態様での100面積%(GC)に等しいとしてよい。あるいは、各≦100面積%(GC)は、独立して、精製された式(A)又は式(I)の化合物が式(A)又は式(I)の化合物以外の少なくとも1つの追加成分を含む組成物である態様での<100面積%(GC)であるとしてもよい。<100面積%(GC)を有する組成物中、式(A)又は式(I)の化合物の最大純度は、99.9999999面積%(GC)(「ナインナイン」純度)、あるいは99.999999面積%(GC)(「エイトナイン」純度)、あるいは99.99999面積%(GC)(「セブンナイン」純度)、あるいは99.9999面積%(GC)(「シックスナイン」純度)、あるいは99.999面積%(GC)(「ファイブナイン」純度)、あるいは99.99面積%(GC)(「フォーナイン」純度)、あるいは99.9面積%(GC)とすることができる。式(I)の化合物又は前述のシックスナイン純度〜ナインナイン純度の式(I)の化合物から本質的になる組成物は、エレクトロニクス及び/又は光電池用途用シリコン材料を作るのに特に有用であり得ると考えられており、一般的に、「ナイン」の数で表される純度が高くなるほど、かかる用途での有用性が増す。
別の発明態様は、アミノシラン中の塩化物のレベルを低減させる方法であり、以下の工程:i)金属水素化物又はii)金属アミド塩を、アミノシラン及び塩化物種を含有するアミノシラン組成物と混ぜ合わせて、アミノシランと、金属水素化物又は金属アミド塩と塩化物種との反応で生成される塩素含有反応生成物と、の混合物を生成する工程、並びにアミノシランを反応生成物から分離する工程、を含む。
混ぜ合わせられた金属水素化物及び金属アミド塩は、ジイソプロピルアミノジシランを生成する態様において上述の通りのものである。
アミノシラン組成物中のアミノシランは任意のアミノシランであってよく、あるいはアミノシランはアミノジシランであり、あるいはアミノシランは上述の通りのジイソプロピルアミノジシランである。
アミノシラン組成物は塩化物種を含む。塩化物種は、共有結合した塩素原子を含む何らかの化合物、又は塩素原子を含む何らかの化合物、又は何らかの供給源から遊離した塩素原子であってよく、あるいは塩化物種は、共有結合した塩素原子を含むシランであり、又は遊離塩素原子であり、あるいは塩化物種はアミノクロロシラン又はアミノクロロジシランである。理論により束縛されることを望まないが、塩化物種がアミノクロロシラン又はアミノクロロジシランであれば、金属水素化物又は金属アミド塩とアミノクロロシラン及び/又はアミノクロロジシランとの反応により、より多くの又は新しいアミノシランが生成できると考えられる。
アミノシラン組成物は、アミノシラン組成物の全ての材料重量に基づいて、5ppmwを超え、あるいは10ppmwを超え、あるいは25ppmwを超え、あるいは100ppmwを超える塩化物を含む。
アミノシラン組成物中の塩化物の量は当該技術分野で公知である方法によって測定できる。例えば、塩化物の量はイオンクロマトグラフィーで測定できる。
混合物中で生成されるアミノシランは上述の通りである。
理論により束縛されることを望まないが、金属水素化物又は金属アミド塩と塩化物種との塩素含有反応生成物は、塩化物種の塩素原子との反応により生成される不揮発性物質であり得ると考えられる。例えば、金属水素化物又は金属アミドは、不純物のアミノクロロシランと反応して、新しいアミノシラン及び別の不揮発性塩化物化合物、塩素含有反応生成物を生成することができる。更に、金属水素化物又は金属アミド塩は、塩化物種(ただし、必ずしも塩化物種の塩素と限らない)と反応して、アミノシランよりも高い沸点を有する新しい物質を生成することがあると考えられる。アミノシランは、その後、より高沸点の不揮発性の塩素含有反応生成物から蒸留などの分離プロセスによって容易に分離することができる。
1つの実施態様では、アミノシランを金属水素化物又は金属アミド塩と塩化物種との塩素含有反応生成物から分離するために、混合物は蒸留される。
例えば蒸留により分離されたアミノシランは、分離されたアミノシランの重量に基づいて、20ppmw未満、あるいは10ppmw未満、あるいは5ppmw未満の塩化物を含む。
別の発明態様は、式(I):[(CHCH]NSiHSiH (I)のジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法であり、かかる方法は:金属アルミニウム水素化物にジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを接触させて、沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを生成する工程、ここで、金属アルミニウム水素化物の金属は元素周期表のI族又はII族の元素であり、接触工程は真空下かつジイソプロピルアミノ−ジシランをその生成後気化させる温度下でのものである、並びに生成後、未反応のジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシラン及び金属アルミニウム水素化物から蒸留によりジイソプロピルアミノ−ジシランを分離する工程、ここで、蒸留はジイソプロピルアミノ−ジシランの生成と同時に行われる、を含む。
金属アルミニウム水素化物、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシラン、及び沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランは、上述の通りのものである。
当業者であれば基本的な蒸留の実施方法をご存知であろう。しかし、本発明のこの態様での蒸留は、ジイソプロピルアミノ−ジシランの生成と同時に行われる。同時に蒸留を行うとは、ジイソプロピルアミノ−ジシランが生成されるに伴い蒸留が開始されるという意味である。ジイソプロピルアミノ−ジシランが生成されるに伴い蒸留が開始されることにより、ジイソプロピルアミノ−ジシランが金属アルミニウム水素化物に曝される時間が制限され、その結果Si−Siジシラン結合の開裂が少なくなるので、収率が増加することになると考えられる。
接触工程は、少なくとも90℃、あるいは少なくとも80℃、あるいは少なくとも70℃の温度下でのものである。
接触工程は、0.1〜13kPa(1〜100トール)、あるいは0.1〜7kPa(1〜50トール)、あるいは1.3〜3.3kPa(10〜25トール)の圧力下でのものである。
本発明の実施態様は以下に番号付けされた態様をまた含む。
態様1.式(A):[(CHCH]NSiClSiCl(A)のジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの合成方法であって、炭化水素媒体中で、ヘキサクロロジシラン(SiClSiCl)をジイソプロピルアミノ基供給源に接触させて、式(B):[(CHCH]NSiClSiClN[CH(CH (B)の化合物が存在するならばその収率と比べて高収率で、式(A)の化合物を与える工程、ここで、ジイソプロピルアミノ基供給源は、ヘキサクロロジシランに対して、0.50〜1.19モル当量の金属ジイソプロピルアミド[(i−Pr)N]若しくは金属ジイソプロピルアミドとジイソプロピルアミンとの混合物(式中、下付き文字mは1又は2であり、mが1であればMは元素周期表のI族の元素であり、mが2であればMは元素周期表のII族の元素である)であり、又はジイソプロピルアミノ基供給源は、1.0〜2.39モル当量のジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)若しくは金属ジイソプロピルアミドとジイソプロピルアミンとの混合物であり、又はジイソプロピルアミノ基供給源は、0.50〜1.19モル当量のジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)若しくは金属ジイソプロピルアミドとジイソプロピルアミンとの混合物、あるいは0.50〜1.19モル当量のピリジン若しくはトリアルキルアミン((アルキル)N)(式中、各アルキルは独立して、(C〜C10)のアルキルである)との混合物である、を含む、方法。
態様2.金属ジイソプロピルアミドを、接触工程においてジイソプロピルアミノ基供給源として使用し、かつ、mが1であり、Mがリチウム、ナトリウム若しくはカリウムであり、又はmが2であり、Mがマグネシウム若しくはカルシウムであり、かつ、式(A)の化合物の収率が30%以上である、態様1に記載の方法。
態様3.金属ジイソプロピルアミドを、接触工程においてジイソプロピルアミノ基供給源として使用し、かつ、金属ジイソプロピルアミドのモル当量が、ヘキサクロロジシランに対して0.9〜1.1である、態様1又は2に記載の方法。
態様4.1.0〜2.39モル当量のジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)を、接触工程においてジイソプロピルアミノ基供給源として使用し、かつ、式(A)の化合物の収率が30%以上である、態様1に記載の方法。
態様5.ジイソプロピルアミンとピリジン又はトリアルキルアミンとの混合物を、接触工程においてジイソプロピルアミノ基供給源として使用し、ジイソプロピルアミンのモル当量が0.9〜1.1であり、ピリジン又はトリアルキルアミンのモル当量が0.9〜1.1であり(両方ともヘキサクロロジシランに対する当量)、かつ、式(A)の化合物の収率が30%以上である、態様1に記載の方法。
態様5.01.炭化水素媒体中での、ヘキサクロロジシラン(SiClSiCl)のジイソプロピルアミノ基供給源との接触が、ジイソプロピルアミノ基供給源をヘキサクロロジシランに加えることによるものである、態様1に記載の方法。
態様6.かかる方法が、固形の反応副生成物を生成し、かつ、固形の反応副生成物からジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを分離して炭化水素媒体中にジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを含む溶液(この溶液は固形の反応副生成物を含まない)を与える工程を更に含む、態様2〜5のいずれか一つの態様に記載の方法。
態様7.更に次の工程(a)又は(b):
(a)炭化水素媒体をジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランから分離して、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの濃縮物を与える工程、又は(b)炭化水素媒体をジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランから分離して、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの濃縮物を与え、及びジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランをかかる濃縮物から蒸留して、少なくとも50%の収率、かつ、90面積%(GC)以上の純度で、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの精製物を与える工程、を更に含む、態様1〜6のいずれか1つの態様に記載の方法。
態様8.式(I):[(CHCH]NSiHSiH (I)のジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法であって、沸点で特徴付けられる溶剤中で、金属アルミニウム水素化物にジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを接触させて、沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを与える工程、ここで、金属アルミニウム水素化物の金属は元素周期表のI族又はII族の元素であり、溶剤の沸点は少なくとも90℃でジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくとも摂氏10度高い、及びジイソプロピルアミノ−ジシランを溶剤から分離して、少なくとも30%の収率、かつ、70面積%(GC)以上の純度で、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与える工程、を含む、方法。
態様9.溶剤が、アルキレングリコールジアルキルエーテルであり、かつ、アルキレングリコールジアルキルエーテルが、テトラエチレングリコールジ(C〜C)アルキルエーテル、プロピレングリコールジ(C〜C)アルキルエーテル、エチレングリコールジ(C若しくはC)アルキルエーテル、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせである、態様8に記載の方法。
態様10.アルキレングリコールジアルキルエーテルが、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジオクチルエーテル、又はエチレングリコールジオクチルエーテルである、態様9に記載の方法。
態様11.溶剤の沸点が、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点よりも少なくとも50℃高い、態様8〜10のいずれか1つの態様に記載の方法。
態様12.本方法が、
沸点で特徴付けられる溶剤中で、金属アルミニウム水素化物にビス(ジイソプロピルアミノ)−ペンタクロロジシランを接触させて、溶剤の沸点より少なくとも10℃高い沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを与える工程、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくとも10℃高い沸点で特徴付けられる第二溶剤を加える工程、ジイソプロピルアミノ−ジシラン及び第二溶剤から溶剤を分離する工程、並びに、その後第二溶剤からジイソプロピルアミノ−ジシランを分離して、少なくとも30%の収率、かつ、少なくとも70面積%(GC)の純度で、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与える工程、を含む、態様8に記載の方法。
態様13.接触が、その温度が接触工程で生成される反応混合物の凝固点より高いことを条件として、摂氏−60度(℃)〜100℃の温度で実施され、かつ接触が、30%を超える収率でジイソプロピルアミノ−ジシランを与えるのに十分な時間継続される、態様8〜12のいずれか1つの態様に記載の方法。
態様14.式(I):[(CHCH]NSiHSiH (I)のジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法であって、以下のパートA及びパートBを含む、方法:
パートA:炭化水素媒体中で、ヘキサクロロジシラン(SiClSiCl)を、ヘキサクロロジシランに対して、0.50〜1.19モル当量の金属ジイソプロピルアミド[(i−Pr)N](式中、下付き文字mは1若しくは2であり、mが1であれば、Mは元素周期表のI族の元素であり、mが2であればMは元素周期表のII族の元素である)に接触させて、又は1.0〜2.39モル当量のジイソプロピルアミンに接触させて、又は0.50〜1.19モル当量のジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)と0.50〜1.19モル当量のトリエチルアミン(EtN)との混合物に接触させて、式(B):[(CHCH]NSiClSiClN[CH(CH (B)(式中、i−Prはイソプロピルであり、Etはエチルである)の化合物が存在するならばその収率と比べて高収率で、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを与える工程、並びに、パートB:沸点で特徴付けられるアルキレングリコールジアルキルエーテル中で、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)に、パートAからのジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを接触させて、沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを与える工程、ここで、アルキレングリコールジアルキルエーテルの沸点は、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくも摂氏30度高い、及びジイソプロピルアミノ−ジシランをアルキレングリコールジアルキルエーテルから分離して、パートBで少なくとも30%の収率、かつ、70面積%(GC)以上の純度で、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与える工程。
態様15.パートAが、態様2〜7のいずれか1つの方法により実施され、パートBが、態様9〜13のいずれか1つの方法により実施され、又は両方である、態様14に記載の方法。
態様16.前述の態様のいずれか1つの方法で合成された化合物と、かかる方法の少なくとも1つの反応副生成物と、を含む、組成物。
態様17.ピリジン又はトリアルキルアミンがトリアルキルアミンであり、トリアルキルアミンがトリエチルアミン、トリプロピルアミン若しくはトリブチルアミンである、態様1、5及び15のいずれか1つに記載の方法。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって更に説明され、本発明の実施態様は、この非限定的な実施例の特徴及び限定の任意の組み合わせを含んでもよい。
GC−FID条件:長さ30メートル、内径0.32mmであり、内面に塗膜の形態で厚さ0.25μmの固定相(固定相はフェニルメチルシロキサンからなる)を含む毛管カラム。キャリアガスには、流量毎分105mmでヘリウムガスを使用した。GC装置はAgilentのモデル7890Aのガスクロマトグラフとした。注入口温度は150℃とした。GCの実験温度プロファイルは、50℃の一定温度で2分(保持)、15℃/分の速度で250℃まで昇温し、次いで250℃の一定温度で10分間(保持)という構成からなった。
GC−MS装置及び条件:試料を電子衝撃イオン化ガスクロマトグラフィー質量分析及び化学イオン化ガスクロマトグラフィー質量分析(EIGC−MS及びCIGC−MS)で分析した。Agilent 6890GCの条件には、30メートル(m)×0.25ミリメートル(mm)×0.50マイクロメートル(μm)膜構成のDB−1カラムを含んだ。50℃で2分間の一定温度、250℃まで15℃/分で昇温、及び250℃で10分間一定温度のオーブンプログラム。1mL/分の定流50:1スプリット噴射で流れるヘリウムキャリヤーガス。Agilent 5973MSDの条件には、15〜800ダルトンのMSスキャン範囲を含み、EIイオン化及びCIイオン化には5%のNHと95%のCHの特注CIガス混合物を使用した。
29Si−NMR装置及び溶剤:Varian 400MHz Mercuryスペクトロメーターを使用した。Cを溶剤として使用した。
H−NMR装置及び溶剤:Varian 400MHz Mercuryスペクトロメーターを使用した。Cを溶剤として使用した。
IC装置及び試料詳細:試料0.2〜0.3gをキャップを開けた50mLポリプロピレン製遠心管に入れた。試料を10mLのトルエンに溶解した。トルエン溶液を、ドラフト内で10mLの脱イオン水で(トルエン相と水相を混合するために断続的に手撹拌しながら)滴下処理した。緩くキャップし(排気できるように)、試料混合物をドラフト内におよそ1時間放置した。その後試料にキャップを付け、およそ1分間手で撹拌して、次に遠心分離した。底水層のアリコ−トを0.45ミクロンのナイロンメンブレンシリンジフィルターを通してろ過し、イオンクロマトグラフィーで分析した。
アニオン分析を、0.4mm×150mm AS18−高速カラム、0.4マイクロリットル試料ループ及び電気伝導度検出器を備えたICS−5000イオンクロマトグラフで実施した。溶離にはKOH勾配を使用した。
Figure 2017520532
流量=10マイクロリットル/分、サプレッサー=ACES 300、電流=7mA。アニオンIC標準には原液としてSPEX Certiprep ICMIX6−100、lot21−36VYYを使用した。
周囲温度は別段の表示がない限り、約23℃である。
実施例1: 2.21モル当量のジイソプロピルアミンを使用してのジイソプロピル−ペンタクロロジシランの合成:
1リットル丸底フラスコ中でヘキサクロロジシラン(HCDS;20.0ミリリットル(mL)、0.116モル)と無水ヘキサン(200mL)を混合した。混合物をドライアイスで−20℃に冷却した。機械的撹拌機による撹拌下、ヘキサン(100mL)中のジイソプロピルアミン(DiPA;35.8mL、0.256モル)の溶液を−20℃付近で35分間かけて添加した。添加後、スラリーを23℃に温め、一晩撹拌(ボディー化)した。別のヘキサン100mLを加え、スラリーを希釈し、希釈されたスラリーをタイプDガラスフリット(2.5cm(1インチ)の厚さの珪藻土(CELITE)で覆った)に通してろ過した。得られたフィルターケーキを100mLのヘキサンで洗浄した。透明なろ液(約400mL)を集めた。ろ液を真空(<1.3kPa(1トール))下蒸留し、揮発性有機物を除去した。透明な黄色液体として粗ジイソプロピル−ペンタクロロジシラン28.43g(収率73.5%)を回収した。
実施例2: 1.10モル当量のジイソプロピルアミンと1.10モル当量のトリエチルアミンを使用してのジイソプロピル−ペンタクロロジシランの合成:ヘキサン(100mL)中のDiPA 35.8mLに替えて、ヘキサン(100mL)中のDiPA(17.9mL、0.128モル)とトリエチルアミン(17.8mL、0.128モル)との溶液を使用することを除いて、実施例1の手順を繰り返した。透明なろ液の量は約450mLであった。揮発性有機物の除去のための蒸留後、透明な黄色液体として粗ジイソプロピル−ペンタクロロジシラン29.2g(収率75.5%)を回収した。
実施例3: 1.10モル当量のリチウムジイソプロピルアミドを使用してのジイソプロピル−ペンタクロロジシランの合成:2L丸底フラスコ中でヘキサン中の10.0Mのn−BuLi溶液(92.0mL;0.920モル)と無水ヘキサン(828mL)を混合した。磁気撹拌機による撹拌下、DiPA(129.0mL、0.920モル)を最高40℃にて15分間で添加した。得られたリチウムジイソプロピルアミド溶液を23℃で1時間撹拌した。別の2L丸底フラスコにHCDS(144.0mL、0.836モル)とヘキサン93.1mLを加えた。2つ目のフラスコを少量のドライアイスで0℃近くに冷却した。機械的撹拌機による撹拌下、リチウムジイソプロピルアミド溶液を、内径0.635センチメートル(cm)(1/4インチ)のポリ(テトラフルオロエチレン)管を通してある流量で2つ目のフラスコに圧送した。直ちに白色沈殿物が生成した。流量を制御して、反応温度を40℃以下に維持した。添加に1時間15分かかった。添加後、一晩スラリーを撹拌(ボディー化)した。その後、スラリーをろ過し、実施例1に類似する手順を使用して揮発性有機物を除去して、透明な黄色液体として粗ジイソプロピル−ペンタクロロジシラン199.8g(収率71.6%)を与えた。
実施例4: 実施例1の粗ジイソプロピル−ペンタクロロジシランからジイソプロピル−ペンタクロロジシランを蒸留して、精製されたジイソプロピル−ペンタクロロジシランを含む蒸留物を与えた。
実施例5: ジイソプロピルアミノ−ジシランの合成:
テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME、760mL)を2L丸底フラスコに加えた。TEGDMEをドライアイスで0℃に冷却し、その後窒素ブランケット下で粉末LiAlH(63.5g、1.67モル)を15分で注ぎ込んだ。得られたスラリーを0℃〜6℃で30分間機械的に攪拌し、その後スラリーを十分な真空(0.1kPa(1トール)より低い)下で脱酸素化した。得られたLiAlHのスラリーをドライアイスで−20℃に冷却した。定流量の窒素ガスを導入して、フラスコの上部空間を掃引し、適度の流量(2,000mL/時)でバブラーを通して空気中に放出した。実施例4の蒸留したジイソプロピル−ペンタクロロジシラン(446.5g、1.34モル)を−10℃未満で滴下ロートを通して2.5時間でフラスコに滴下した。滴下後、反応混合物を23℃に温め、一定の窒素掃引下一晩撹拌した。その後、簡単な真空蒸留装置を十分な真空(0.1kPa(1トール)より低い)下で使用して、反応混合物を徐々に100℃に加熱し、透明な黄色液体として粗ジイソプロピルアミノ−ジシラン(DPDS)141.2g(収率65.4%)を集めた。粗DPDSはGC−FIDで数量化された85%(面積)のDPDSを含有していた。粗DPDSを分別蒸留して、≧98面積%(GC)の純度を有する精製されたDPDSを与えた。
実施例6: いくつかの反応剤を低塩化物の少量(2〜6g)のDPDSで試験した。設定時間後、生成物を150mmビグリューカラムを通して蒸留し、収率のために秤量し、組成についてH NMRで分析し、蒸留生成物の塩化物濃度を測定するためにイオンクロマトグラフィー(IC)分析に提出した。使用されたDPDSは、異なる塩化物濃度(580ppm Cl;と78ppm Cl)を有する2バッチから供給された。結果は次の表にある。
Figure 2017520532
[Cl]は出発塩化物である。[Cl]は最終塩化物である。「スーパーヒドリド」はリチウムトリエチルボロヒドリドである。「LDA」はリチウムジイソプロピルアミドを意味する。
実施例7: 粗DPDSを1バッチし調製たところ、塩化物種を不純物として含有した。粗DPDSのIC分析により、2752ppm(およそ0.3%)の高塩化物濃度を有することが明らかになった。300rpmにセットされた磁気攪拌棒を使用して全ての試料を攪拌した。粗DPDSのブランク蒸留により塩化物濃度が1556±186ppmに低減した。この蒸留にはおよそ0.01kPa(10−2トール)の真空を使用した。
Figure 2017520532
[Cl]は出発塩化物である。[Cl]は最終塩化物である。「スーパーヒドリド」はリチウムトリエチルボロヒドリドである。「LDA」はリチウムジイソプロピルアミドを意味する。「TEGDME」はテトラエチレングリコールジメチルエーテルを意味する。
実施例8: 1.2グラムの水素化アルミニウムリチウムを、ジャケット付き撹拌フラスコ中の12グラムのテトラエチレングリコールジメチルエーテルに投入し、スラリーを形成した。ジイソプロピルアミノクロロジシラン(7.5グラム)を別のジャケット付き撹拌フラスコに投入した。両方のジャケット付きフラスコを60℃に加熱した。ジイソプロピルアミノクロロジシランを入れたフラスコを真空(ほぼ95kPa(28inHg)にした。加熱されたスラリーをゆっくりクロロシランに添加した。発熱反応により90℃までの温度上昇が観察された。0℃でジャケット付きコイルコンデンサを通して凝縮された塔頂留出物材料およそ1グラムを集めた。GC_TCD分析を塔頂留出物材料について実施した。得られた混合物は、約34%のジイソプロピルアミノジシランと、残りの組成物の大部分として高沸点材料とを含有した。
実施例9: これらの実験で使用されたDPDSは、3.69gのLAH(水素化アルミニウムリチウム)を51.0gのTEGDME中にスラリー化したのを使用してその場で製造した。−15℃に冷却するように釜をセットし、釜が−5℃に達した時ジイソプロピルアミンペンタクロロジシラン(DPDC)のLAHスラリーへの添加を開始した。25gのDPDCを約20分間かけて添加した。DPDC添加が完了した後、釜を約5分間隔で順次0、10及び20℃に温め、その後室温で30分間攪拌した。その後塩化物除去剤を添加し、反応混合物をストリッピング前に3時間攪拌した。ストリッピングプロセスの間、十分な真空下で釜を順次50、60、70、80、90、100及び110℃に加熱し、受けフラスコは−20℃に冷却した。ストリッピングは各試料について約50分かかった。これらの試験の結果が次の表にある。
Figure 2017520532
LAH(10.94g)を156gのTEGDMEと混合し、−15℃に冷却した。74.7gのDPDCを47分間にかけて釜に添加した。釜の温度は、発熱反応により最高11℃に上昇した。釜を5分間かけてまずは10℃に、その後10分間かけて20℃に上昇させた。釜を30分間攪拌した。シクロヘキサン中の1.5MのLDA/THF 8mLを混合物に添加し、2度の発熱を生じた。釜を3時間撹拌した。最大温度110℃かつ最大真空0.31kPa(2.3トール)で70分間かけてストリッピングを行った。各試験により22gの生成物が生成した。これにより得られた粗DPDS試料は、それぞれ310ppm及び286ppmの塩化物濃度を有した。
留分を混合して、44.7gの粗DPDSを与え、混合してその後分別蒸留した。釜を当初50℃に温め、一方コンデンサ及び受け器を−25℃に冷却しかつ4.0kPa(30トール)に減圧した。加熱流体温度を60℃に上昇させ、一方圧力は2.9kPa(22トール)に下げて、粗混合物を還流させた。釜温度が57℃を示し、圧力が2.5kPa(19トール)を示した時、初留分が出てきた。8グラムの材料を集めた。釜温度が78℃を示し圧力が2.63kPa(19.7トール)を示したとき、生成物留分を集めた。13gの生成物を集めた。残りの23.7gの材料はポットとして引き取られた。各留分の塩化物濃度は以下の通りである:初留分−40ppm、生成物留分−54ppm、残液−727ppm。
以下の特許請求の範囲は、参照により本明細書に組み込まれ、用語「請求項」及び「複数の請求項」はそれぞれ用語「態様」及び「複数の態様」に置き換えられる。本発明の実施態様は、これらの得られた番号付けされた態様も包含する。

Claims (27)

  1. 式(A)のジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの合成方法であって、
    [(CHCH]NSiClSiCl (A)、
    炭化水素媒体中で、ヘキサクロロジシラン(SiClSiCl)をジイソプロピルアミノ基供給源に接触させて、式(B):[(CHCH]NSiClSiClN[CH(CH (B)の化合物が存在するならばその収率と比べて高収率で、前記式(A)の化合物を与える工程、を含み、
    ここで、前記ジイソプロピルアミノ基供給源は、前記ヘキサクロロジシランに対して、0.50〜1.19モル当量の金属ジイソプロピルアミド[(i−Pr)N](式中、i−Prはイソプロピルであり、下付き文字mは1又は2であり、mが1であればMは元素周期表のI族の元素であり、mが2であればMは元素周期表のII族の元素である)であり、又は前記ジイソプロピルアミノ基供給源は、1.0〜2.39モル当量のジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)であり、又は前記ジイソプロピルアミノ基供給源は、0.50〜1.19モル当量のジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)と0.50〜1.19モル当量のピリジン若しくはトリアルキルアミン((アルキル)N)(式中、各アルキルは独立して(C〜C10)のアルキルである)との混合物である、方法。
  2. 前記金属ジイソプロピルアミドが、前記接触工程において前記ジイソプロピルアミノ基供給源として使用され、mが1であり、Mがリチウム、ナトリウム若しくはカリウムであり、又はmが2であり、Mがマグネシウム若しくはカルシウムであり、かつ、前記式(A)の化合物の収率が30%以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 1.0〜2.39モル当量の前記ジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)が、前記接触工程において前記ジイソプロピルアミノ基供給源として使用され、かつ、前記式(A)の化合物の収率が30%以上である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ジイソプロピルアミンとピリジン若しくはトリアルキルアミンとの混合物が、前記接触工程において前記ジイソプロピルアミノ基供給源として使用され、前記ジイソプロピルアミンのモル当量が、前記ヘキサクロロジシランに対して、0.9〜1.1であり、前記ピリジン若しくはトリアルキルアミンのモル当量が、前記ヘキサクロロジシランに対して、0.9〜1.1であり、かつ、前記式(A)の化合物の収率が30%以上である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記炭化水素媒体中での、前記ヘキサクロロジシラン(SiClSiCl)の前記ジイソプロピルアミノ基供給源との前記接触が、前記ジイソプロピルアミノ基供給源を前記ヘキサクロロジシランに加えることによるものである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記方法が、固形の反応副生成物を生成し、かつ、前記方法が、前記固形の反応副生成物から前記ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを分離して、前記固形の反応副生成物を含まない、前記炭化水素媒体中に前記ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを含む溶液を与える工程を更に含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 以下:
    工程(a)前記ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランから前記炭化水素媒体を分離して、前記ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの濃縮物を与える工程、又は工程(b)前記ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランから前記炭化水素媒体を分離して、前記ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの濃縮物を与える工程、及び前記ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを前記濃縮物から蒸留して、少なくとも50%の収率、かつ、90面積%以上(GC)の純度で、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランの精製物を与える工程、
    を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 式(I):[(CHCH]NSiHSiH (I)のジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法であって、
    沸点で特徴付けられる溶剤中で、金属アルミニウム水素化物にジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを接触させて、沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを与える工程、
    ここで前記金属アルミニウム水素化物の金属は元素周期表のII族又はII族の元素であり、前記溶剤の沸点は少なくとも90℃であり、かつ、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくとも摂氏10度高い、及び
    前記溶剤からジイソプロピルアミノ−ジシランを分離して、少なくとも30%の収率、かつ、70面積%以上(GC)の純度で、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与える工程、
    を含む、方法。
  9. 前記溶剤が、アルキレングリコールジアルキルエーテルであり、アルキレングリコールジアルキルエーテルが、テトラエチレングリコールジ(C〜C)アルキルエーテル、プロピレングリコールジ(C〜C)アルキルエーテル、エチレングリコールジ(C若しくはC)アルキルエーテル、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせである、請求項7に記載の方法。
  10. 前記方法が、沸点で特徴付けられる溶剤中で、金属アルミニウム水素化物にビス(ジイソプロピルアミノ)−ペンタクロロジシランを接触させて、前記溶剤の沸点より少なくとも10℃高い沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを与える工程、ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくとも10℃高い沸点で特徴付けられる第二溶剤を加える工程、ジイソプロピルアミノ−ジシラン及び前記第二溶剤から溶剤を分離する工程、並びに、その後前記第二溶剤からジイソプロピルアミノ−ジシランを分離して、少なくとも30%の収率、かつ、少なくとも70面積%(GC)の純度で、ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与える工程、を含む、請求項7に記載の方法。
  11. 式(I):[(CHCH]NSiHSiH (I)のジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法であって、以下:
    パートA:
    炭化水素媒体中で、ヘキサクロロジシラン(SiClSiCl)を、ヘキサクロロジシランに対して、0.50〜1.19モル当量の金属ジイソプロピルアミド[(i−Pr)N](式中、下付き文字mは1又は2であり、mが1であればMは元素周期表のI族の元素であり、mが2であればMは元素周期表のII族の元素である)に接触させて、又は1.0〜2.39モル当量のジイソプロピルアミンに接触させて、又は0.50〜1.19モル当量のジイソプロピルアミン((i−Pr)NH)と0.50〜1.19モル当量のトリエチルアミン(EtN)との混合物に接触させて、式B:[(CHCH]NSiClSiClN[CH(CH (B)の化合物が存在するならばその収率と比べて高収率で、ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを与える工程(式中、i−Prはイソプロピルであり、Etはエチルである);並びに
    パートB:
    沸点で特徴付けられるアルキレングリコールジアルキルエーテル中で、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)に、パートAからの前記ジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを接触させて、沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを与える工程、
    ここで、前記アルキレングリコールジアルキルエーテルの沸点は、前記ジイソプロピルアミノ−ジシランの沸点より少なくとも摂氏30度高い、及び
    前記ジイソプロピルアミノ−ジシランを前記アルキレングリコールジアルキルエーテルから分離して、パートBで少なくとも30%の収率、かつ、70面積%以上(GC)の純度で、前記ジイソプロピルアミノ−ジシランの精製物を与える工程、
    を含む方法。
  12. パートAを請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法により実施し、
    パートBを請求項8又は9に記載の方法により実施し、あるいはパートAを請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法により実施し、かつパートBを請求項8又は9に記載の方法により実施する、請求項10に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法により合成された化合物と、前記方法の少なくとも1つの反応副生成物と、を含む組成物。
  14. 前記ピリジン又はトリアルキルアミンがトリアルキルアミンであり、前記トリアルキルアミンがトリエチルアミン、トリプロピルアミン又はトリブチルアミンである、請求項1及び4のいずれか一項に記載の方法。
  15. i)金属水素化物又はii)金属アミド塩を、合成された前記ジイソプロピルアミノジシランと混ぜ合わせる工程を更に含む、請求項7〜11のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記金属水素化物が、リチウムトリス(tert−ブトキシ)−アルミニウムヒドリド、リチウムトリエチルボロヒドリド又はナトリウムトリエチルボロヒドリドであり、前記金属アミドが、リチウムジイソプロビルアミドである、請求項14に記載の方法。
  17. アミノシラン中の塩化物のレベルを減少させる方法であって、i)金属水素化物又はii)金属アミド塩を、アミノシランと塩化物種とを含むアミノシラン組成物に混ぜ合わせて、前記アミノシランと、前記金属水素化物又は前記金属アミド塩と前記塩化物種との反応により生成された反応生成物と、の混合物を生成する工程、及び
    前記アミノシランを前記反応生成物から分離する工程、
    を含む方法。
  18. 前記金属水素化物が混ぜ合わされ、前記金属水素化物がホウ素又はアルミニウムを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記水素化物が、リチウムトリス(tert−ブトキシ)−アルミニウムヒドリド、リチウムトリエチルボロヒドリド又はナトリウムトリエチルボロヒドリドである、請求項17に記載の方法。
  20. 前記金属アミド塩が混ぜ合わされ、前記金属アミドがリチウムアミド塩である、請求項16に記載の方法。
  21. 前記リチウムアミド塩がリチウムジイソプロピルアミドである、請求項19に記載の方法。
  22. 前記金属アミド塩が溶剤と混合される、請求項17又は18に記載の方法。
  23. 前記溶剤がテトラエチレングリコールジメチルエーテルである、請求項19に記載の方法。
  24. 前記アミノシランがアミノジシランである、請求項16〜19のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記アミノジシランがジイソプロピルアミノジシランであり、前記分離が蒸留によるものである、請求項23に記載の方法。
  26. 式(I):[(CHCH]NSiHSiH (I)のジイソプロピルアミノ−ジシランの合成方法であって、
    金属アルミニウム水素化物にジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシランを接触させて、沸点で特徴付けられるジイソプロピルアミノ−ジシランを生成する工程、
    ここで、前記金属アルミニウム水素化物の金属は、元素周期表のI族又はII族の元素であり、前記接触は真空下かつ前記ジイソプロピルアミノ−ジシランの生成後それを気化させる温度下でのものである、並びに
    生成後、未反応のジイソプロピルアミノ−ペンタクロロジシラン及び前記金属アルミニウム水素化物から蒸留によりジイソプロピルアミノ−ジシランを分離する工程、
    ここで、前記蒸留は、前記ジイソプロピルアミノ−ジシランの生成と同時に行われる、
    を含む、方法。
  27. 前記接触が少なくとも90℃の温度下でのものである、請求項25に記載の方法。
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