JP2017519050A - 組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、タンパク質、糖、緩衝液、及び基本培地;を含み、また、DMSO、Glycerol及び血清を含まない動物細胞の凍結保存用培地;を含む組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物に関する。本発明の細胞治療剤は、細胞凍結及び解凍過程を進行しながら、細胞内組織再生促進物質が凍結保存用培地に放出され、且つ、動物細胞だけでなく、動物細胞の凍結保存用培地すべてが組織再生効能があることを特徴とする。また、本発明の細胞治療剤は、バイアル、アンプルまたはプレフィルドシリンジに直接凍結保管可能なので、使用便宜性が高くて、凍結保存剤及び血清を使用しないので、別途の洗浄段階なしに、直ちに患部への適用が可能である。【選択図】図1
Description
本発明は、動物細胞の凍結保存用培地及び動物細胞を含む細胞治療剤に関する。
細胞治療剤の凍結保管時に使用される動物細胞の凍結保存用培地は、一般的に、DMSO(dimethylsulfoxide)、グリセロール(glycerol)、EG(ethylene glycerol)などを使用し、付随的に、デキストラン(dextran)、グルコース(glucose)、ショ糖(sucrose)、マンニトール(mannitol)、ソルビトール(sorbitol)、果糖(fructose)、トレハロース(trehalose)、ラフィノース(raffinose)などを目的によって組み合わせたものであるが、目的による混合条件が厳格であるため、製造方法が複雑であり、製造時に多い費用がかかるという短所がある。また、DMSOのような動物細胞の凍結保存用培地を使用する場合、DMSOは、細胞毒性を有しているので、凍結後の解凍時に、DMSOを除去するために、洗浄段階を進行しなければならない繁雑さがある。また、細胞生存率を高めるために、凍結保存剤の含量以上で牛由来血清(FBS)を多量使用するが、これは、細胞治療剤において異種タンパク質の免疫問題を引き起こすことができるので、必ず最終的に除去されなければならない。また、従来の塗布用外用剤は、使用時にガス圧を利用した別途の装備で噴霧する方式が利用されるところ、製造費用が高くて、使用時に不便であるという特徴がある。これによって、製造が簡便であり、別途の洗浄過程なしに、すぐ患部への適用が可能な細胞治療剤が必要であることが現況である。
本発明の目的は、凍結保存用培地及び動物細胞を含む組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、凍結保存用培地及び動物細胞を含む組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記細胞治療剤を凍結することによって、組織再生促進物質が放出される細胞治療剤を提供することにある。
他の式で定義されない限り、本明細書において使用されたすべての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術分野における熟練された専門家によって通常的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に、本明細書において使用された命名法は、本技術分野においてよく知られており、通常的に使用されるものである。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明は、タンパク質、糖、アミノ酸、緩衝液及び基本培地を含み、従来凍結保存剤であるDMSO、Glycerol、Ethylene Glycerol及び血清(Serum)を使用しないことを特徴とする動物細胞の凍結保存用培地と;動物細胞と;を含む組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物を提供する。
本発明は、タンパク質、糖、アミノ酸、緩衝液及び基本培地を含み、従来凍結保存剤であるDMSO、Glycerol、Ethylene Glycerol及び血清(Serum)を使用しないことを特徴とする動物細胞の凍結保存用培地と;動物細胞と;を含む組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物を提供する。
本明細書において使用される用語「細胞治療剤」は、組織の機能を復元するために自家(autologous)、同種(allogenic)、異種(xenogenic)細胞を利用した治療剤であって、本発明では、動物細胞を利用して傷がある組織を再生するために使用される治療剤を言う。
本明細書において使用される用語「凍結保存用培地」は、動物細胞を凍結して保存する間に、細胞を保護し、そのサイズ及び形態が、凍結及び解凍する間に、一定に維持されるようにする培養液を言う。また、本発明の凍結保存用培地は、従来凍結保存剤として使用されるDMSO、Glycerol、Ethylene Glycerol及び血清を含有しないところ、別途の洗浄段階が要求されない。
本明細書において使用される用語「組織再生物質」は、動物細胞が放出するサイトカインなどのタンパク質を言う。具体的に、本発明で、細胞治療剤が細胞凍結及び解凍過程を進行しながら、動物細胞内のサイトカインなどのタンパク質を凍結保存用培地に放出する。したがって、別途のサイトカイン放出時間が要求されず、あらかじめ放出されているサイトカインによって初期傷治癒能を促進できる効果を奏する。これにより、本発明は、組織再生物質放出誘導型細胞治療剤を提供し、本発明の細胞治療剤が含有しているサイトカインが患部で生物学的代謝過程によって放出され、組織を再生する。
細胞凍結影響を及ぼすことができる要因は、細胞の種類、細胞サイズ、細胞濃度、温度、培地組成、pH、浸透圧などの様々な要件があるが、最も重要なことは、凍結時の培地組成である。
本発明の具体例において、前記培地組成中のタンパク質は、全体培地のうち1重量%〜50重量%で含まれることができる。前記含量が1重量%未満であれば、凍結時に効果が低下し、50重量%を超過すれば、細胞が含む有用物質の測定実験に影響を及ぼすことができる。
また、前記凍結保存用培地には、糖、ビタミン、または糖及びビタミンをさらに含むことができる。糖は、全体培地組成物のうち糖の範囲が0.1重量%〜20重量%で含まれることができる。前記糖の含量が0.1重量%未満では、凍結効果が低下し、20重量%超過では、糖の粘度が高くなって、細胞治療剤を噴射しやすくない。
また、前記添加される緩衝液は、全体培地組成物のうち0.01重量%〜10重量%で含まれることができる。前記緩衝液の含量が0.01重量%未満では、適正pHの緩衝作用が弱くて、10重量%を超過する場合は、緩衝液の種類によって細胞毒性があり得る。
本発明の具体例において、前記タンパク質は、アルブミン(albumin)などの血しょうタンパク質、アクチン(actin)及びケラチン(keratin)などの細胞構造タンパク質、コラーゲン(collagen)、エラスチン(elastin)及びフィブロネクチン(fibronectin)などの細胞外基質タンパク質、インテグリン(integrin)、カドヘリン(cadherin)及びセレクチン(selectin)などの細胞付着タンパク質、トランスフォーミング成長因子(TGF)及び線維芽細胞成長因子(FGF)などの成長因子、インスリン及びエストロゲンなどのホルモン、L−アラニン(L−alanine)、L−アルギニン(L−arginine)、L−システイン(L−cysteine)、L−グルタミン(L−glutamine)及びL−リシン(L−lysine)などのアミノ酸及びこれらの混合物から選択され得るが、これに限定されるものではない。
本発明の具体例において、前記タンパク質として、最も好ましくはアルブミンを使用できる。前記アルブミンは、血清において最も多い比重のタンパク質であって、多様な小分子のキャリアタンパク質として作用するか、細胞培養時に細胞成長を助ける効果があって、細胞凍結保存剤として使用され得る。また、アルブミンは、細胞凍結に汎用的に使用する牛血清を代替できるので、医薬品としての安全性を高めることができ、細胞から放出された多様なタンパク質の安定性の維持に効果がある。
本発明の具体例において、前記糖は、単糖類、二糖類、多糖類をすべて含み、デキストロース(dextrose)、マルトース(maltose)、グルコース(glucose)、ラクトース(lactose)、スクロース(sucrose)、トレハロース(trehalose)、マンノース(mannose)、マルトース(maltose)、ラフィノース(raffinose)、セロビオース(cellobiose)、ゲンチオビオース(gentiobiose)、イソマルトース(isomaltose)、アラビノース(arabinose)、果糖(fructose)、メレジトース(melezitose)、メリビオース(melibiose)、ソビトール(sorbitol)、トリオース(triose)、キシロース(xylose)、マンニトール(mannitol)、ソルビトール(sorbitol)であることができるが、これに限定されるものではない。
本発明の具体例において、好ましくは、前記糖は、スクロース、ラフィノース及び/またはデキストロースを使用できる。スクロースは、菌株によってグリセロールより凍結保存効果が高いものと報告されており、細胞の長期間保管に有用であり、特に、赤血球細胞の凍結保存に使用できる。ラフィノースは、精子の凍結に特に好ましく、デキストロースは、赤血球細胞の凍結保存に好適に使用できる。
本発明の具体例において、前記ビタミンは、L−アスコルビン酸(L−ascorbic acid)、葉酸(folic acid)、i−イノシトール(i−inositol)、ビタミンB12(Vitamine B12)及びこれらの混合物から選択され得るが、これに限定されるものではない。
また、本発明の動物細胞の凍結保存用培地は、緩衝液を含む。本発明の緩衝液は、細胞を保護し、そのサイズ及び形態が、凍結及び解凍する間に、一定に維持されるようにし、保存に耐える能力を向上させることができる。本発明の具体例において、前記緩衝液は、ヘペス(HEPES)、HBSS(Hank’s Balanced Salt Solution)、EBSS(Earle’s balanced salt solution)、トリシン(Tricine)、トリス(tris)、テス(TES)、ピペス(PIPES)、クエン酸ナトリウム(Sodium Citrate)、酢酸ナトリウム(Sodium Acetate)、リン酸ナトリウム(Sodium phosphate)、ソジウムβ−グリセロホスフェート(Sodium β−glycerophosphate)、トリエタノールアミン(Triethylamine)、重炭酸ナトリウム(Sodium Bicarbonate)、塩化ナトリウム(Sodium Chloride)、塩化カリウム(Pottasium Chloride)、塩化カルシウム(Calcium Chloride)及びこれらの混合物から選択され得るが、これに限定されるものではない。
また、本発明の動物細胞の凍結保存用培地は、基本培地を含む。本明細書において使用される用語「培地(culture medium)」というのは、生体外(in vitro)で細胞の成長と増殖に必要な必須成分を含む組成物を言う。本発明の培地は、凍結保存剤であるDMSO、Glycerol、Ethylene Glycerol及び血清を使用しない基本培地を使用することを特徴とする。前記基本培地は、人為的に合成するか、商業的に製造された培地を使用できる。商業的に製造された培地は、例えば、DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)、MEM(Minimal Essential Medium)、BME(Basal Medium Eagle)、RPMI 1640、F−10、F−12、α−MEM(α−Mineral Essential Medium:Gibco、Invitrogen、Newyork.)、G−MEM(Glasgow’s Mineral Essential Medium)、Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium(IMDM)、Amnio Max、Amino MaxII complete Medium(Gibco、Newyork、USA)、Chang’s Medium Mesem Cult−XF Medium(STEMCELL Technologies、Vancouver、Canada)、Mc Coy’s 5A、RPMI1640、ウィリアム培地E(Williams’ medium E)、IMDM(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium)培地などが挙げられるが、これに限定するものではない。
前記グリセロールまたはDMSOは、細胞透過性であるため、凍結保存培地に使用される場合、前記グリセロールまたはDMSOが細胞内に浸透し、細胞水分量を減少させることによって、凍結時に氷晶の形成を抑制する。しかし、本発明の凍結保存用培地は、細胞非浸透性物質であるスクロース、ラフィノース、デキストロースのような糖、血清及びアルブミンが含まれる。したがって、凍結直前に細胞内水分の流出を防止し、浸透圧の平衡を調節し、細胞膜の損傷を防止し、細胞透過性凍結保存剤であるGlycerolとDMSOに比べて細胞毒性がない。
また、本発明の動物細胞の凍結保存用培地は、凍結過程を進行しながら、動物細胞内のサイトカインのような有用物質が凍結保存用培地に放出され、動物細胞だけでなく、凍結保存用培地その自体で傷を治療し、組織を再生できることを特徴とする。
本発明の具体例において、前記動物細胞は、培地内の細胞濃度1x105cells/ml〜1x108cells/mlになるように含ませることができ、好ましくは、培地内の細胞濃度1X106cells/ml〜1x107cells/mlになるように含ませることができる。
本発明の具体例において、前記動物細胞は、成体細胞または幹細胞であることができる。
本発明の具体例において、前記成体細胞は、表皮、真皮、皮下脂肪層に存在する細胞であって、ケラチン細胞、メラニン細胞、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞、脂肪細胞、毛嚢幹細胞及び血液細胞、肝細胞、神経細胞、靭帯細胞、上皮細胞、軟骨細胞、骨細胞などこれらの混合物よりなる群から選択され得るが、これに限定されるものではない。本発明の具体例において、前記ケラチン細胞の原発組織としては、分化した皮膚、皮膚付属器官または胚性幹細胞(embryonic stem cell)及び逆分化幹細胞が適している。原発組織が皮膚である場合には、包皮(foreskin)、わき、臀部、乳房、頭皮、恥骨部または陰嚢から由来したものを使用することが好ましい。原発組織が皮膚付属器官である場合には、毛嚢、汗腺、皮脂腺または毛細管から由来したものを使用することが適している。毛嚢は、成熟期(anagen)の毛嚢から由来し、毛嚢のケラチン細胞が付いている髪の毛を使用することが好ましい。
本発明の具体例において、前記幹細胞は、胚性幹細胞、成体幹細胞、逆分化幹細胞及びこれらの混合物よりなる群から選択され得るが、これに限定されるものではない。前記成体幹細胞は、多様な組織から分離でき、例えば、胎盤−由来幹細胞、骨髄−由来幹細胞、臍帶血−由来幹細胞、脂肪−由来幹細胞、死産胎児脳由来神経幹細胞(stillborn fetal brain derived neural stem cells)、または成体細胞から由来した間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells)などを含む。
本発明の具体例において、本発明の細胞治療剤は、皮膚、軟骨、骨、血管、脳、肝、心臓、靭帯、筋肉、脊髄、血液、骨髄、肺、歯牙、神経、角膜、網膜、食道、脊椎、腎臓、膵腸または尿道から選択される組織を再生するために使用され得るが、これに限定するものではない。
また、本発明は、タンパク質、緩衝液を基本培地と混合し、動物細胞の凍結保存用培地を製造する段階と;前記動物細胞の凍結保存用培地に動物細胞を混入する段階と;前記動物細胞が混入された凍結保存用培地を凍結する段階と;を含む組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記細胞治療剤が凍結保管されたバイアル、アンプルまたはプレフィルドシリンジ(Pre−filled Syringe)を提供する。
本明細書において使用される用語「プレフィルドシリンジ」は、注射器内に薬物が直接充填された事前充填型注射器を意味し、本発明で細胞治療剤があらかじめ充填されて保管されているレディートゥユーズ(ready−to−use)形態の注射器を言う。本発明のプレフィルドシリンジは、細胞治療剤が充填されており、凍結保管後に解凍し、別途の洗浄段階なしに、直ちに組織再生のために患部に適用され得る。また、本発明の細胞治療剤は、プレフィルドシリンジではなく、バイアルまたはアンプルに凍結保管した後、患部への適用直前に使用してもよい。
本発明の細胞治療剤は、細胞を注射器に充填させて凍結保管するレディートゥユーズ(Ready−to−use)タイプの細胞治療剤である。従来の細胞治療剤は、細胞が生着、分裂、増殖、移動及び文化などの過程で分泌するサイトカインによって傷が治療される原理を有する。したがって、細胞治療剤を患部に適用し、サイトカインなどのタンパク質を分泌するまで一定時間が所要される。
これとは異なって、本発明の凍結保存用培地は、DMSO、Glycerol、Ethylene Glycerol及び血清を含有しないところ、別途の洗浄段階が要求されない。また、本発明の細胞治療剤は、細胞凍結及び解凍過程を進行しながら、動物細胞内サイトカインなどのタンパク質が凍結保存用培地に一部放出されている。したがって、別途のサイトカイン放出時間が要求されず、あらかじめ放出されているサイトカインによって初期傷治癒能を促進できる効果がある。すなわち、本発明の細胞治療剤は、動物細胞及び凍結保存用培地すべてに傷治癒効能がある。したがって、前記細胞治療剤をプレフィルドシリンジに充填させて凍結保管し、解凍後、直ちに患部への適用が可能である。すなわち、本発明の凍結保管された細胞治療剤は、解凍した後、洗浄なしに直ちに使用できる。これにより、本発明の細胞治療剤が含有しているサイトカインが患部で生物学的代謝過程によって放出され、組織を再生する。
本発明の細胞治療剤は、細胞凍結及び解凍過程を進行しながら細胞内サイトカインなどのタンパク質が動物細胞の凍結保存用培地に一部放出されていて、傷に適用すると、すぐ傷治療を促進できる。本発明の細胞治療剤は、動物細胞及び凍結保存用培地の両方に傷治癒効能があるので、放出されているサイトカインによる初期傷治癒能を促進できる。また、本発明の細胞治療剤は、凍結保存剤DMSO、Glycerol、Ethylene Glycerolだけでなく、血清を使用しないため、別途の洗浄段階なしに、すぐ患部への適用が可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。これら実施例は、本発明を具体的に説明するためのものであって、本発明の要旨によって本発明の範囲がこれら実施例によって制限されないことは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。
実施例1:ケラチン細胞(keratinocytes)の培養及び凍結
実施例1−1.ケラチン細胞培養
ヒト包皮(Human foreskin)から分離したケラチン細胞を10%FBSが含まれたDMEM:F12(3:1)培地を利用して3T3 feederと共培養した。T75 culture flaskで継代培養を進行したケラチン細胞を培養し、培養5〜6日目に3T3 feederを除去した後、ケラチン細胞のみを収集した。
実施例1−1.ケラチン細胞培養
ヒト包皮(Human foreskin)から分離したケラチン細胞を10%FBSが含まれたDMEM:F12(3:1)培地を利用して3T3 feederと共培養した。T75 culture flaskで継代培養を進行したケラチン細胞を培養し、培養5〜6日目に3T3 feederを除去した後、ケラチン細胞のみを収集した。
実施例1−2.動物細胞の凍結保存用培地の製造及びケラチン細胞の凍結
動物細胞の凍結保存のための培地は、1%ヒトアルブミン、1%スクロース、1%デキストロース、1%ラフィノース、25mM HEPES、20mM Sodium carbonate(NaHCO3)をDMEM(GIBCO BRL)培地に混合させて製造した。前記培地にケラチン細胞を2X106cells/mlの細胞濃度になるように混合した。混合した細胞溶液をプレフィルドシリンジに1mlずつ移して収納し、−20℃から−70℃まで漸進的に温度を低めて、凍結保管した(図1)。
動物細胞の凍結保存のための培地は、1%ヒトアルブミン、1%スクロース、1%デキストロース、1%ラフィノース、25mM HEPES、20mM Sodium carbonate(NaHCO3)をDMEM(GIBCO BRL)培地に混合させて製造した。前記培地にケラチン細胞を2X106cells/mlの細胞濃度になるように混合した。混合した細胞溶液をプレフィルドシリンジに1mlずつ移して収納し、−20℃から−70℃まで漸進的に温度を低めて、凍結保管した(図1)。
実施例2:コロニー形成能分析
凍結細胞を解凍した後、プレフィルドシリンジを利用して噴射させて、コロニー形成能を分析した。比較群としては、一般的なピペットを利用した方法で本発明のプレフィルドシリンジ型細胞治療剤と比較分析した。総細胞数が1x102になるように培養容器に噴射した後、12日間10%FBSが含まれたDMEM/F12培地を利用して3T3 feederと共培養した。培養12日目に10%formalinに固定させた後、rhodamine B染色溶液で細胞を染色した。
凍結細胞を解凍した後、プレフィルドシリンジを利用して噴射させて、コロニー形成能を分析した。比較群としては、一般的なピペットを利用した方法で本発明のプレフィルドシリンジ型細胞治療剤と比較分析した。総細胞数が1x102になるように培養容器に噴射した後、12日間10%FBSが含まれたDMEM/F12培地を利用して3T3 feederと共培養した。培養12日目に10%formalinに固定させた後、rhodamine B染色溶液で細胞を染色した。
ピペットを利用した方法と同様に、プレフィルドシリンジを介して噴射したケラチン細胞は、培養容器に均一に付着し、102の細胞を噴射した場合、培養12日目にプレフィルドシリンジで噴射したケラチン細胞のコロニー形成能が、ピペット方式と比べて同等以上に観察された(図2)。
実施例3:プレフィルドシリンジに凍結保管されたケラチン細胞(keratinocytes)のサイトカイン分析
プレフィルドシリンジに凍結保管された細胞を溶解して得た細胞溶解物(Cell lysate)と凍結保存用培地に放出されたサイトカイン量を測定するために、凍結保管された細胞を遠心分離し、細胞と培地上層液(無細胞上層液、Cell−Free Supernatant、CFS)を分離した。傷治癒に関与するサイトカインをELISA法で定量した結果、IL−1α、FGF、VEGF、TGF−αなどのサイトカインが細胞及び凍結保存用培地の両方で測定された(図3)。
プレフィルドシリンジに凍結保管された細胞を溶解して得た細胞溶解物(Cell lysate)と凍結保存用培地に放出されたサイトカイン量を測定するために、凍結保管された細胞を遠心分離し、細胞と培地上層液(無細胞上層液、Cell−Free Supernatant、CFS)を分離した。傷治癒に関与するサイトカインをELISA法で定量した結果、IL−1α、FGF、VEGF、TGF−αなどのサイトカインが細胞及び凍結保存用培地の両方で測定された(図3)。
実施例4:無細胞上層液(CFS)のin vitro傷治癒能分析
無細胞上層液(CFS)の傷治癒能を分析するために、再上皮化の主機作であるケラチン細胞の増殖と移動能に及ぶ影響を分析した。プレフィルドシリンジに凍結保管された細胞を遠心分離し、上層液のみを分離した。ケラチン細胞の細胞増殖は、MTT assay法を利用し、細胞移動は、megacolony assay法を利用し、陽性対照群として1ng/ml EGFを使用して3日間分析した。分析結果、細胞増殖(図4A)は、培養3日目に陰性対照群(Con)が140%と増加した一方で、無細胞上層液(CFS)処理群では、212%と増加し、陽性対照群(EGF)と類似な効能を示した。細胞移動(図4B)は、培養3日目に陰性対照群(Con)に比べて無細胞上層液(CFS)処理群では、1.8倍増加し、陽性対照群(EGF)と類似な効能を示した。
無細胞上層液(CFS)の傷治癒能を分析するために、再上皮化の主機作であるケラチン細胞の増殖と移動能に及ぶ影響を分析した。プレフィルドシリンジに凍結保管された細胞を遠心分離し、上層液のみを分離した。ケラチン細胞の細胞増殖は、MTT assay法を利用し、細胞移動は、megacolony assay法を利用し、陽性対照群として1ng/ml EGFを使用して3日間分析した。分析結果、細胞増殖(図4A)は、培養3日目に陰性対照群(Con)が140%と増加した一方で、無細胞上層液(CFS)処理群では、212%と増加し、陽性対照群(EGF)と類似な効能を示した。細胞移動(図4B)は、培養3日目に陰性対照群(Con)に比べて無細胞上層液(CFS)処理群では、1.8倍増加し、陽性対照群(EGF)と類似な効能を示した。
実施例5:プレフィルドシリンジに凍結保管されたケラチン細胞(keratinocytes)のin vivo傷治癒能分析
総24匹のICR(Imprinting Control Region)マウスの背中部位の毛を除去した後、皮膚の中央に検体ポンチを使用して直径1.2cmの傷を誘発し、プレフィルドシリンジに凍結保管したケラチン細胞を常温で数分間解凍させた後、2x104及び4x104の細胞が塗布されるように噴射した。ワセリンガーゼで覆い、フォームドレシング(Mepilex、Safetac)で覆った後、ペハ−ハフト(Peha−haft、HARTMANN社)包帯で傷部位を固定し、4日、7日、10日、14日目に傷部位の写真を撮影した。傷治癒能は、初期傷の再上皮化面積に対して各日付の再上皮化面積を測定し、百分率で分析した。傷誘発10日目に、傷誘発後に処置しない陰性対照群(defect)に比べて、2x104または4x104の細胞を塗布した場合、傷治癒能が90%以上と完全に治癒されたものと観察された(図5及び図6)。
総24匹のICR(Imprinting Control Region)マウスの背中部位の毛を除去した後、皮膚の中央に検体ポンチを使用して直径1.2cmの傷を誘発し、プレフィルドシリンジに凍結保管したケラチン細胞を常温で数分間解凍させた後、2x104及び4x104の細胞が塗布されるように噴射した。ワセリンガーゼで覆い、フォームドレシング(Mepilex、Safetac)で覆った後、ペハ−ハフト(Peha−haft、HARTMANN社)包帯で傷部位を固定し、4日、7日、10日、14日目に傷部位の写真を撮影した。傷治癒能は、初期傷の再上皮化面積に対して各日付の再上皮化面積を測定し、百分率で分析した。傷誘発10日目に、傷誘発後に処置しない陰性対照群(defect)に比べて、2x104または4x104の細胞を塗布した場合、傷治癒能が90%以上と完全に治癒されたものと観察された(図5及び図6)。
Claims (12)
- タンパク質、糖、緩衝液及び基本培地を含む動物細胞の凍結保存用培地と;動物細胞と;を含む組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物。
- 前記タンパク質は、アルブミン、アクチン、ケラチン、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、インテグリン、カドヘリン、セレクチン、トランスフォーミング成長因子(TGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン、エストロゲン及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物。
- 前記糖は、デキストロース(dextrose)、マルトース(maltose)、グルコース(glucose)、ラクトース(lactose)、スクロース(sucrose)、トレハロース(trehalose)、マンノース(mannose)、ラフィノース(raffinose)、セロビオース(cellobiose)、ゲンチオビオース(gentiobiose)、イソマルトース(isomaltose)、アラビノース(arabinose)、果糖(fructose)、メレジトース(melezitose)、メリビオース(melibiose)、ソルビトール(sorbitol)、トリオース(triose)及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物。
- 前記緩衝液は、ヘペス(HEPES)、HBSS(Hank’s Balanced Salt Solution)、EBSS(Earle’s balanced salt solution)、トリシン、トリス、テス、ピペス、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソジウムβ−グリセロホスフェート、トリエタノールアミン、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物。
- 前記基本培地は、DMEM、MEM、BME、F−10、F−12、α−MEM、G−MEM、DMEM:F12、Mc Coy’s 5A、RPMI1640、ウィリアム培地E(Williams’ medium E)、IMDM(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium)及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物。
- 前記動物細胞は、成体細胞または幹細胞であることを特徴とする請求項1に記載の組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物。
- 前記成体細胞は、ケラチン細胞、メラニン細胞、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞、脂肪細胞、毛嚢幹細胞、血液細胞、肝細胞、神経細胞、靭帯細胞、上皮細胞、軟骨細胞、骨細胞及びこれらの混合物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物。
- 前記幹細胞は、胚性幹細胞、成体幹細胞、逆分化幹細胞及びこれらの混合物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物。
- 前記組織は、皮膚、軟骨、骨、血管、脳、肝、心臓、靭帯、筋肉、脊髄、血液、骨髄、肺、歯牙、神経、角膜、網膜、食道、脊椎、腎臓、膵腸または尿道から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物。
- タンパク質、糖、緩衝液を基本培地と混合し、動物細胞の凍結保存用培地を製造する段階と;
前記動物細胞の凍結保存用培地に動物細胞を混入する段階と;
前記動物細胞が混入された凍結保存用培地を凍結する段階と;
を含む組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物の製造方法。 - 請求項10に記載の凍結保管された細胞治療剤は、解凍した後、洗浄なしに直ちに使用することを特徴とする組織再生物質放出誘導型細胞治療剤組成物の使用方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の細胞治療剤組成物が凍結保管されたバイアル、アンプルまたはプレフィルドシリンジ(Pre−filled Syringe)。
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