JP2017518285A - 安定剤化合物 - Google Patents

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Abstract

UV、熱、および/または熱酸化安定性をポリマー組成物に、より具体的には芳香族ポリマーおよびそれらのポリマー組成物に付与する式(I)または(II)のピペリジンベースの安定剤化合物。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年5月21日出願の米国仮特許出願第62/001,336号に対する優先権を主張するものであり、参照により本明細書に援用される。
本発明は、UV、熱、および熱酸化安定性をポリマーに提供する、新規ピペリジンベースの安定剤化合物(SC)の使用および合成を記載する。
高性能芳香族ポリマーは、それらの非常に高いガラス遷移温度および/または溶融温度、傑出した耐熱性などの優れた特性を特徴としている。芳香族ポリスルホンおよびポリエーテルケトンは、例えば、それらの強度、刺激の強い化学薬品へのおよび高温への耐性が必要である用途に広く使用されている。
残念ながら、上述の高性能芳香族ポリマーなどの多くの天然および合成ポリマーは、光吸収の傾向があり、UV放射線によって攻撃される。結果として、それらは、酸化、鎖の切断、制御されないラジカル再結合および架橋反応を受ける。UV劣化として知られる、この現象は通常、酸素の存在下での高熱環境で触媒される。ポリマーのUV劣化は、材料の機械的特性に影響を及ぼし、変色および退色をもたらし、表面を粗くし、引張強度を低下させ、そしてそれらの全体寿命性能を低下させ得る。
ポリマー用の広範囲の光および熱安定剤が知られており、光および熱への暴露によって開始されるポリマー劣化の速度論を防ぐまたは遅らせるために単独でまたは様々な組み合わせで使用されてきた。材料をUV放射線および熱から守るための安定剤の有効性は、安定剤の固有の効能、その濃度、および特定のポリマーマトリックスへのその溶解性、ならびにいかに良くそれがマトリックス中に分配されるかなどの幾つかの因子に依存する。安定剤の固有の揮発度もまた、高温で加工される材料で作業する場合に、加工およびその後の使用中に蒸発の結果としてそれが特定のポリマーマトリックス中の安定剤の濃度を下げる可能性があるので考慮すべき重要な因子である。
熱安定剤は、様々なポリマーマトリックスに長年使用されてきた。熱安定化パッケージの共通のタイプとしては、ポリマーを高温および高剪断から守るための短期酸化防止剤として使用される、有機ホスファイト、および/または長期保護のために使用されるフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
過去1世紀にわたって、多数の光安定剤化合物がまた、光開始酸化プロセスを遅くするまたは排除するように合わせられた添加剤として開発され、商業化されてきた。これらの添加剤は一般に、4つのクラス:UV吸収剤、励起状態クエンチャー、ラジカル捕捉剤、および過酸化物分解剤の1つに分類される。ヒンダードアミン光安定剤(HALS)としても知られる、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのある種の誘導体は、ポリマー組成物の光安定性、老化特性、およびフィールド寿命の延長を改善することが長い間知られている。例えば、米国特許第4,049,647号明細書は、ポリオレフィン、脂肪族ポリアミドおよびポリスチレンなどの低溶融温度ポリマー材料でのそれらの使用を開示している。
ほぼ全ての商業的に入手可能な熱および光安定剤は実際に、低い加工温度(すなわち、250℃よりも下)を必要とする低溶融温度商品ポリマーとのブレンド向けに好適である。
しかし、そのような市販の熱および光安定剤は一般に、200℃よりも上の暴露温度時に熱酸化分解する傾向がある、ほとんどの市販の安定化化合物の高脂肪族性のために、加工温度が相当により高い(すなわち、250℃よりも上の)高性能芳香族ポリマー向けには十分に好適ではない。
さらに、本出願人は、多くの市販の熱および光安定剤を高性能芳香族ポリマーとブレンドすると、とりわけガラス遷移温度の有害な低下に関して、そのようなシステムの熱特性の破滅的な低下が起こり、続いてそのようなポリマーエンジニアリング材料の高温機械的性能が落ちることを見出した。
それ故、安定剤化合物がそのような材料の高温機械的性能を保持するようにブレンドされるポリマーのガラス遷移温度をまた維持しながら、それらが良好な固有の熱酸化安定性を有し、そして良好な光安定性を付与するという点において高性能芳香族ポリマー向けに好適である安定剤化合物を特定し、開発することが必要とされている。
本発明は、式(I)または式(II):
[式中、Rは、−H、脂肪族基およびアルコキシ基からなる群から選択され、
式中、互いにおよびRに等しいかもしくは異なる、Rのそれぞれは、脂肪族基から選択され、
式中、Rは、
− 一般式(Y−I)の基:
− 一般式(Y−II)の基:
(ここで、RiおよびRmは、互いに同じもしくは異なるものであり、−H、−CF、−CN、−C(=O)NH、−NO、アルキル基、過フッ素化基、アリール基、アリールアミン基、アリールエーテル基、アリールスルホン基、アリールチオエーテル基、縮合アリール環系、スルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸塩、およびホスホン酸塩からなる群から独立して選択され、
ここで、Riは、オルト位、メタ位またはパラ位のいずれかにあり、
ここで、Rmは、オルト位またはメタ位のいずれかにあり、
ここで、Qは、結合、−O−、−CH−、
−C(CH−、−NH−、−S−、−C(CF−、−C(=CCl)−、および−SO−からなる群から選択され、
ここで、Gは、−C(=O)NH、−NO、アルキル基、過フッ素化基、アリール基、アリールアミン基、アリールエーテル基、アリールスルホン基、アリールチオエーテル基、縮合アリール環系、スルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸塩、およびホスホン酸塩からなる群から選択される基である)
からなる群から選択される一価置換基であり、
式中、Rは、
− 一般式(Z−I)の基:
− 一般式(Z−II)の基:
(ここで、RiおよびRmは、互いに同じもしくは異なるものであり、−H、−CF、−C(=O)NH
−NO2、アルキル基、過フッ素化基、アリール基、アリールアミン基、アリールエーテル基、アリールスルホン基、アリールチオエーテル基、縮合アリール環系、スルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸塩、およびホスホン酸塩からなる群から独立して選択され、
ここで、RiおよびRmは独立してオルト位またはメタ位のいずれかにあり、
ここで、Qは、上に記載された通りであり、
ここで、Gは、アルキル基、過フッ素化基、アリール基、アリールアミン基、アリールエーテル基、アリールスルホン基、アリールチオエーテル基、および縮合アリール環系からなる群から選択される二価基である)
からなる群から選択される二価置換基である]
の安定剤化合物(SC)に関する。
本発明の別の態様は、前記安定剤化合物(SC)の2つの別個の製造方法に関する。
本発明のさらに別の態様は、前記少なくとも1つの安定剤化合物(SC)と少なくとも1つのポリマーとを含むポリマー組成物(P)に、ならびに少なくとも1つのポリマーへの少なくとも1つの安定化化合物(SC)の添加を含むポリマーの安定化方法に関する。
本発明のその上別の態様は、前記ポリマー組成物(P)を含む物品に関する。
本出願人は、式(I)または式(II):
(式中、R、R、RおよびRは、上に記載された通りである)
の安定剤化合物(SC)が、意外にもそれらのガラス遷移温度を非常に高いレベルに維持しながら、良好な耐熱性および耐光性の高性能芳香族ポリマー組成物を与えることを発見した。
式(I)および(II)において、Rは、−H、または分岐の、線状のもしくは環状の脂肪族基もしくはアルコキシ基であり得る。Rの非限定的な例は、とりわけ−H、−CH、−CHCH、−(CHCH、−(CHCH、−(CHOCH、−OCH、−O(CHCH、−O(CHCH
である。
は好ましくは、−H、−CH、−CHCH、−OCH、および−OCHCHからなる群から選択される。最も好ましくは、Rは−CHである。
式(I)および(II)において、互いにおよびRに等しいかもしくは異なる、Rのそれぞれは、任意の分岐の、線状のもしくは環状の脂肪族基であり得る。Rの非限定的な例はとりわけ:
である。
は好ましくは、−CH、および−CHCHからなる群から選択される。
同じ式(I)において、Rは、上に定義されたような、一般式(Y−I)および(Y−II)の基からなる群から選択される一価置換基である。
式(Y−I)および(Y−II)において、Riは、オルト位、メタ位またはパラ位にあってもよく、Rmは、オルト位またはメタ位にあってもよい。Riは好ましくはパラ位にある。RiおよびRmは好ましくは−Hである。
式(Y−I)において、Qは好ましくは−SO−である。
式(Y−II)において、Gは好ましくは−C(=O)NHである。
式(II)において、Rは、上に定義されたような、一般式(Z−I)および(Z−II)の基からなる群から選択される二価置換基である。
RiおよびRmの非限定的な例は、とりわけ:
アルキル基:−CH、−CHO−CH
過フッ素化基:−CF、−CH−(CFCF
アリール基:
アリールアミン基:
アリールエーテル基:
アリールスルホン基:
アリールチオエーテル基:
縮合アリール環系:
である。
式(Z−I)において、Qは、式(Y−I)について上に記載された通りである。それは好ましくは、結合または−SO−である。
式(Z−II)において、Gは、アルキル基、過フッ素化基、アリール基、アリールアミン基、アリールエーテル基、アリールスルホン基、アリールチオエーテル基、縮合アリール環系からなる群から選択されてもよい。
第1実施形態では、式(I)の安定剤化合物(SC)は好ましくは、本明細書で以下の構造(A−A)〜(A−C):
からなる群から選択される。
第2実施形態では、式(II)の安定剤化合物(SC)は好ましくは、本明細書で以下の構造(B−A)〜(B−B):
からなる群から選択される。
2つの式(I)および(II)の様々な安定剤化合物(SC)は、高収率(65〜85%)で実験室において合成された。
それ故、本発明の別の態様は、塩基の存在下で式(III)および(IV)、
(式中、Xは、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択されるハロゲンであり、式中、R、R、Rは、式(I)について上に定義された通りである)
の化合物を一緒に反応させる工程を含む、式(I)の安定剤化合物の製造方法に関する。Xは好ましくは、塩素およびフッ素からなる群から選択される。
ここで、式(IV)の化合物は好ましくは、ハロゲンXiに対してパラに電子求引基を有する。
本発明のさらに別の態様は、塩基の存在下で式(III)および(IV)
(式中、XまたはXは、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素からなる群からの同じハロゲンであるか、またはその群から独立して選択されるハロゲンであり、式中、R、R、Rは、式(II)について上に定義された通りである)
の化合物を一緒に反応させる工程を含む、式(II)の安定剤化合物の製造方法に関する。Xiは好ましくは、塩素およびフッ素からなる群から選択される。
式(I)または(II)の安定剤化合物の製造方法において、反応は好ましくは、極性の非プロトン性溶媒中で実施される。2つの出発原料(すなわち、式(III)および(IV)または(III)および(V)の化合物)を溶解させることができる任意の極性の非プロトン性溶媒を、開示される方法に使用することができる。極性の非プロトン性溶媒は好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)またはN−メチルピロリドン(NMP)から選択される。
反応温度は、溶媒の沸点までの任意の温度であり得るが、より低い温度は通常、反応のより遅い速度をもたらす。使用される溶媒がTHFである場合、反応は、大気圧で好ましくは25℃〜66℃、より好ましくは40〜66℃、最も好ましくは55〜66℃の温度で実施される。使用される溶媒がN−メチルピロリドンである場合、反応は、大気圧で好ましくは25℃〜204℃、より好ましくは50〜150℃、最も好ましくは80〜120℃の温度で実施される。優れた結果は、反応が、使用される溶媒がTHFである場合には大気圧で66℃の温度で、そして使用される溶媒がNMPである場合には大気圧で100℃の温度で実施された場合に得られた。
上で開示された式(I)または(II)の安定剤化合物の製造方法における式(III)および(IV)の化合物または式(III)および(V)の 化合物を反応させる工程は好ましくは、第二級アルコールを脱プロトンすることができ、そして好ましくは少なくとも16のpKaを有する塩基の存在下で実施される。塩基は、式(III)の化合物単独に、または式(III)および(IV)の化合物の混合物に添加することができる。塩基は最も好ましくはカリウムtert−ブトキシドである。
上に示された一般式(I)の所望の安定剤化合物(SC)を調製するために、2つの一般的な合成手順の1つが実施された。具体的には、第1実施形態では、上に示されたような電子求引基、R(すなわち、SO、CF、CNなど)でのパラ置換が、反応が完了に向けて進行し、そして極性の非プロトン性溶媒としてのTHFでの還流を用いることによって支援される高収率をもたらすことを可能にする場合には第1の一般的な手順が用いられた。
第2実施形態では、より高い沸点の、より極性の非プロトン性溶媒の使用がより高い収率および/またはより少ない反応時間をもたらす、電子求引基が不在である場合には、第2の一般的な手順が好ましくは用いられた。
それぞれ式(I)および(II)の両安定剤化合物(SC)の合成は、所望の生成物の形成をもたらした。相対的な収率は、反応剤の活性に強く、そしてより少ない程度に置換度に依存した。フルオロベンゼン、4−フルオロ−ビフェニル、および4,4’−ジフルオロ−ビフェニルなどの、活性化されていないハロゲン化反応剤は、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4−クロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、および4−フルオロベンゾフェノンなどの活性化されているハロゲン化反応剤よりも反応性が相当低かった。そのような不活性ハロゲン化反応剤は、より極性の溶媒(NMP)およびより高い反応温度(100℃)の使用を必要とした。これらの安定剤化合物(SC)は次に、それらの光および熱安定化効果を評価するために幾つかのポリマーにブレンドされた。
したがって、本発明の別の態様は、上に開示された安定剤化合物(SC)の少なくとも1つと少なくとも1つのポリマーとを含む、ポリマー組成物(P)に関する。ポリマー組成物(P)のポリマーは、有利には35モル%超、好ましくは45モル%超、より好ましくは55モル%超、さらにより好ましくは65モル%超、最も好ましくは75モル%超の芳香族繰り返し単位である繰り返し単位を含む高性能芳香族ポリマーである。本発明の目的のために、語句「芳香族繰り返し単位」は、少なくとも1つの芳香族基を主ポリマー骨格に含む任意の繰り返し単位を意味することを意図する。
ポリマー組成物(P)のポリマーは、半結晶性ポリマーまたは非晶質ポリマーであってもよい。半結晶性ポリマーは、典型的には少なくとも120℃、好ましくは少なくとも140℃のガラス遷移温度および一般に250℃超、好ましくは300℃超の溶融温度を有してもよい。
非晶質ポリマーは、典型的には少なくとも140℃の、より典型的には少なくとも150℃および200℃以下のガラス遷移温度を有する。ガラス遷移温度(Tg)および溶融温度(Tm)は一般に、ASTM D3418に従って、DSCによって測定される。
ポリマー組成物(P)のポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリケトン、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレンアクリロニトリル、アクリレートスチレンアクリロニトリル、セルロースアセテートブチレート、セルロースポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニルスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリシロキサン、およびポリケチミンからなる群から選択されてもよい。
より好ましいポリマーの中に、芳香族ポリ(スルホン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)などの芳香族ポリ(エーテルケトン)、芳香族ポリ(アミド)、芳香族ポリ(イミド)、ポリ(フェニレン)、および芳香族液晶ポリマーが挙げられ得る。
芳香族ポリ(スルホン)としては、とりわけポリフェニルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、およびポリエーテルエーテルスルホンが挙げられ、それらの構造繰り返し単位は、以下に列挙される:
芳香族ポリ(エーテルケトン)としては、とりわけポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)およびポリ(エーテルケトンケトン)が挙げられ、それらの構造繰り返し単位は、以下に列挙される:
ポリマー組成物(P)はまた、染料、顔料、充填材、UV安定剤、光安定剤、蛍光増白剤からなる群から選択される少なくとも別の原料をさらに含んでもよい。
ポリマー組成物(P)は、有利には少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%、より好ましくは少なくとも1.5重量%、さらにより好ましくは少なくとも2.0重量%、最も好ましくは少なくとも2.5重量%の安定剤化合物(SC)を含む。また、ポリマー組成物(P)は、有利には最大でも10重量%、好ましくは最大でも9重量%、より好ましくは最大でも8重量%、さらにより好ましくは最大でも6重量%、最も好ましくは最大でも5重量%の安定剤化合物(SC)を含む。
安定剤化合物(SC)および少なくとも1つのポリマー以外の他の原料が全く存在しない場合には、ポリマー組成物(P)は、有利には少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%、さらにより好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも60重量%の少なくとも1つのポリマーを含む。また、ポリマー組成物(P)は、有利には最大でも99.99重量%、好ましくは最大でも99.95重量%、より好ましくは最大でも99.90重量%、さらにより好ましくは最大でも99.5重量%、最も好ましくは最大でも99重量%の少なくとも1つのポリマーを含む。
ポリマー組成物(P)は、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、オキサミド、2−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン類、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、シアノアクリレート、ベンゾ−オキサゾリン、およびヒンダードフェノール系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の安定剤をさらに含んでもよい。
追加のヒンダードアミン光安定剤(「HALS」)をポリマー組成物(P)にさらに組み入れることが有利であり得る。そのようなHALSの例は、(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−)スクシネート、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,−5−s−トリアジンとの縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4 ブタンテトラオエート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ツー(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)2−n−ブチル−2 (2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザス−ピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ツー(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと、類似の化学構造の化合物との縮合物である。本開示の安定剤化合物(SC)と同様に、HALSは、一般に0.05重量%よりも高い、好ましくは0.1重量%よりも高い、通常の量でポリマー組成物(C)中に組み入れられてもよく;さらにこれらの量は一般に、5重量%よりも低く、好ましくは1重量%よりも低い。
さらに本開示に従って、ポリマー組成物(P)はまた、本開示の安定剤化合物に加えて様々な他のポリマー添加剤を含有してもよい。これらの添加剤としては、本明細書では「原料」としてまとめて知られる、球形、回転楕円体または多面体形態の充填材が挙げられ得る。これらの他の充填材の中に、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ、セラミックビーズ、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、ならびに他の金属塩および酸化物を用いることができる。
完全なポリマー組成物(P)の他の任意選択の従来型原料としては、シリカなどの核形成剤、接着促進剤、相溶化剤、硬化剤、潤滑剤、離型剤、染料および着色剤、煙抑制剤、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、ゴムなどの強靱化剤、可塑剤、帯電防止剤、液晶ポリマーなどの溶融粘度降下剤、ならびに類似の構造の化合物が挙げられる。本開示の安定剤化合物を含む最終ポリマー組成物(C)中の充填材および他の原料の選択は主として、製造品について意図される使用に依存するであろう。
任意選択の追加の原料と一緒にポリマー組成物(P)の成分が、混合物の全体にわたって安定性特性のそれらの総合改善を提供することを目指す様々な異なる方法および手順工程によってポリマー組成物(P)中へ組み入れられてもよい。例えば、上述の成分および任意選択の追加の原料を、早期の加工段階で、または合成反応の開始時にもしくは終了時に、またはその後の配合プロセスにおいてポリマーにそれらを混ぜ込むことによって組み入れることが可能である。ある種の方法は、ドラムブレンダーなどの、例えばメカニカルブレンダーを用いて、適切な割合で、粉末または顆粒形態の必須の成分および任意選択の原料と類似構造の化合物とを乾式混合する工程を含む。混合物は類似の構造の化合物を次に、回分式にまたは連続式デバイス、例えば押出機で溶融させ、混合物を押し出してストランドにし、ストランドを切り刻んでペレットにする。溶融させられる混合物はまた、周知のマスターバッチ法によって調製されてもよい。連続溶融デバイスはまた、乾式プレミキシングなしで別々に添加されるポリマー組成物(P)の成分および原料を供給されてもよい。ある種の他の方法は、ポリマーを1つもしくは複数の有機溶剤に溶解させ、次に、溶解したポリマーを、非溶剤の添加によって沈澱させ、最後に回収された乾燥ケーキを成形する工程を含む。
押出または成形技術のいずれかによる造形品の製造が、本開示に従って開発されたポリマー組成物(P)にとって特に有用である。それ故、本発明の別の態様は、ポリマー組成物(P)を含む物品に関する。
実際に、それらの高いガラス遷移温度、熱安定性、難燃性、耐化学薬品性および溶融加工性に関連して本発明のポリマー組成物(C)によって特徴づけられる有利な特性の傑出したバランスは、それらを、任意の公知の加工方法による、様々な物品の製造に特に好適なものにする。本発明の物品は、押出または成形技術によって製造され得る。
様々な成形技術が、ポリマー組成物(P)から造形品または造形品の部品を形成するために用いられてもよい。ポリマー組成物(P)の粉末、ペレット、ビーズ、フレーク、粉砕再生材料または他の形態が、予混合されるかまたは別々に供給される、液体または他の添加剤とともにまたはなしで、成形されてもよい。ポリマー組成物(P)はとりわけ、フィルム、シート、または屋内および屋外用途向けに好適な任意の成形品へ成形されてもよい。
本発明の最後の態様は、少なくとも1つの安定化化合物(SC)を少なくとも1つのポリマーに添加する工程を含むポリマーの安定化方法に関する。特に、少なくとも1つの安定化化合物(SC)は、少なくとも1つのポリマー用の酸捕捉剤として働き得る。
本開示は、本開示を説明することを意図され、そして本開示の範囲へのいかなる限定をもそれぞれ暗示することを意図されない、実施例でこれから説明される。代わりの安定剤化合物およびそれらの誘導体に関する、本発明の修正および変形は、本発明の前述の詳細な説明から当業者には明らかであろう。
9つの化合物を、安定剤化合物(SC)の2つの上記製造方法の1つを用いて合成した。UV安定性へのこれら9つの化合物の効果を、化合物が5モル%の量で存在する、溶液キャストフィルムを調製することによって芳香族ポリマー、すなわち、ポリスルホンUdel(登録商標)P−1800(Solvay Specialty Polymers USA,L.L.C.によって製造された)に関して試験した。
全ての安定剤化合物の構造純度は、GC−MS、H NMR、13C NMRおよび/またはTLCを用いて95%超であることが分かった。全ての質量スペクトルデータは、高分解能モードで操作されるWaters Synapt G2 HDMS四重極飛行時間型(Q−TOF)で発生された。この機器は、ポジティブモードで操作され、M、[M+H]、または[M+HO]のいずれかのイオンを生成する大気固体分析プローブ(ASAP)および大気圧化学イオン化源(APCI)を備えていた。
これらのフィルムは、このセクションのすぐ下に提供される安定剤性能評価説明に従って形成した。これらのフィルムについて得られた結果を次に、他の合成された安定剤化合物および業界で広く使用されている商業的に入手可能な安定剤化合物を使用して得られた類似のフィルムと比較した。
実施例1(E1):安定剤化合物(A−A)
安定剤化合物(A−A)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−(4−(フェニルスルホニル)フェノキシ)ピペリジンは、一般的な合成方法1を用いて調製した;より具体的には、カリウムtert−ブトキシド(THF中の1M溶液50mL、約0.05モル)を、25℃でTHF(40mL)中の1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オール(10g、0.0495モル)の攪拌溶液と組み合わせ、15分間攪拌させた。今やわずかに濁った、結果として得られた混合物を、25℃でTHF(50mL)中の1−クロロ−4−(フェニルスルホニル)ベンゼン(10g、0.04モル)の攪拌溶液にゆっくり添加し、次に直ちに72時間加熱還流させた。最終生成物、化合物(A−A)を単離するために、粗混合物を蒸発乾固させ、EtOH/HOから再結晶させ、真空で乾燥させて、純化合物(A−A)、(10.02g、65%)を、薄層クロマトグラフィー(TLC)、(溶離液:1:1ヘキサン/酢酸エチル)およびGC−MS分析によって測定されるように99%超の純度であるフワフワした白色結晶として得た。
H NMR(DMSO−d6)分析は、所望の化合物の合成を確証するのに役立つ次の重要なシグナルを提供した;δ=7.93(m,2H,SO2ArH),7.85(m,2H,SO2ArH),7.62(m,3H,ArH),7.09(m,2H,O−ArH),4.73(m,1H,OCH),2.17(s,3H,NCH),1.91(m,2H,CH),1.39(t, J=10.94Hz,2H,CH2),1.07(d,J=6.56Hz,12H,C(CH).13C NMR(DMSO−d6):δ=161.2(1C,CArO),141.9(1C,SOCAr),133.3(1C,SO2CAr),132.2(1C,CHAr),129.7(2C,CHAr),129.6(2C,CHAr),126.9(2C,CHAr),116.1(2C,CHAr),70.1(1C,CHO),54.6(2C,CH(CH),45.5(2C,CH),32.6(1C,NCH),27.7(2C,CH),20.4(2C,CH).HRMS(APCI付きASAP):m/z388.1947(M+H,計算値388.1946).分析値.C2230NOSに対する計算値.
実施例2(E2):安定剤化合物(A−B)
安定剤化合物(A−B)、4−(1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシ)−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンは、代わりに一般的な手順2によって調製した。1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オール(15.91g、0.0929モル)を、25℃でNMP(100mL)に溶解させられたカリウムtert−ブトキシド(10.4g、0.0929モル)の溶液に添加した(結果として得られた溶液は、色が赤であった)。その後、4−フルオロビフェニル(8.0g、0.0465モル)をまたNMP(200mL)に溶解させ、25℃で攪拌反応混合物に添加し、100℃に15時間加熱し、冷却し、粗生成物混合物を回転蒸発乾固させた。結果として得られた固体を次にHO(500mL)に懸濁させ、EtOAc(3×300mL)で繰り返し抽出し、有機層を組み合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去して白色固体を得て、それをその後EtOHから数回再結晶させた。一連の再結晶画分を集め、それぞれを、薄層クロマトグラフィー(R=0.3、ベースラインからの縞、純EtOAcにおける)によって純度について分析した。1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オールの存在は、KMnO染色を用いることによって可視化し、その後純画分を組み合わせ、真空オーブン中で一晩乾燥させて化合物(A−C)(11.2g、74.46%)を、GC−MSによって99%超の純度であるフワフワした、真珠光沢の白色粉末として得た。
H NMR(DMSO−d6)分析は、所望の化合物の合成を確証するのに役立つ次の重要なシグナルを提供した;δ=7.55(m,4H,ArH),7.38(m,2H,ArH),7.26(m,1H,ArH),6.99(m,2H,OArH),4.59(m,1H,OCH),2.18(s,3H,NCH),1.97(m,2H,CH),1.42(t,J=10.94Hz,2H,CH),1.10(d,J=11.67Hz,12H,C(CH).13C NMR(DMSO−d6):δ=157.5(1C,CArO),140.4(1C,CAr),133.2(1C,CAr),129.1(2C,CHAr),128.2(2C,CHAr),127.0(2C,CHAr),126.5(1C,CHAr),116.7(2C,CHAr),70.3(1C,CHO),55.1(2C,CH(CH),46.1(2C,CH),33.0(1C,NCH),28.2(2C,CH),21.4(2C,CH).HRMS(APCI付きASAP):m/z324.2356(M+H,計算値324.2327).分析値.C2230NOに対する計算値.
実施例:3(E3):安定剤化合物(A−C)
安定剤化合物(A−C)、4−((1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)オキシ)ベンズアミドは、一般的な手順2に従って調製した。NMP(200mL)中の1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オール(37.33g、0.217モル)の溶液を、NMP(200mL)中のKOtBu(24.35g、0.260モル)の攪拌溶液にゆっくり添加し、紫色への色変化を引き起こす反応をもたらし、結果として得られた混合物を室温で15分間攪拌するに任せてカリウム塩求核試薬を生成させた。その後、4−フルオロベンゾリトリル(12g、0.099モル)を一工程で添加し、反応物を次に窒素下で100℃に48時間加熱した。抽出を上に詳述されたように行ったが、この場合には、組み合わせた有機層を無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下に除去し、暗褐色オイルの提供をもたらし、オイルは一晩で固化した。所望の生成物を単離するために、高真空ラインでの分別蒸留を行った(真空蒸留)。主として1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オールからなる、第1留分は、微細な針状結晶として蒸留装置にて結晶化した。この留分は、75℃および1トル(140℃に設定された油浴)で蒸留した。第2留分は、85℃および0.8トル(160℃に設定された油浴)で蒸留して無色オイルをもたらした。第3の、非常に高沸点の留分(設定温度=220℃)を、黄色の、透明な固体として単離した。この第3留分をアセトンに溶解させ、全ての不溶性固体をその後濾去した。アセトン可溶画分を、回転蒸発乾固させ、その後トルエンから再結晶させて化合物VI(5.0g、18.5%)をGC−MSにより97%超の純度である白色粉末として得た。
H NMR(DMSO−d6)分析は、所望の化合物の合成を確証するのに役立つ次の重要なシグナルを提供した:δ=7.77(m,3H,C=ONHArH,C=ONH),7.14(bs,1H,C=ONH),6.90(m,2H,OArH),4.67(m,1H,OCH),2.14(s,3H,NCH),1.89(m,2H,CH),1.36(t,J=X Hz,2H,CH),1.06(d,J=X Hz,12H,C(CH).13C NMR(DMSO−d6):δ=167.8(1C,C=ONH),160.0(1C,OCAr),129.8(2C,CHAr),126.7(2C,CHAr),115.2(2C,CHAr),69.7(1C,CHO),55.1(2C,CH(CH),46.2(2C,CH),33.1(1C,NCH),28.1(2C,CH),20.8(2C,CH).HRMS(APCI付きASAP):m/z291.2096(M+H,計算値291.2073).分析値.C1727に対しての計算値.
実施例4(E4):安定剤化合物(B−A)
安定剤化合物(B−A);4,4’−((スルホニルビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ))ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン)は、一般的な手順1に従って調製した。前述同様に、THF(200mL)中の1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オール(26.24g、0.153モル)の攪拌溶液を調製し、15分以内に4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(20g、0.0696モル)の溶液を攪拌反応容器に添加し、それを加熱し、72時間N下に還流させ、これにEtOH/HO 90:10の混合物からの再結晶が続いて化合物VII(31.71g、81.8%)を白色のフワフワした固体として得た。
H NMR(DMSO−d6)分析は、所望の化合物の合成を確証するのに役立つ次の重要なシグナルを提供した:δ=7.76(m,4H,SOArH),7.04(m,4H,SOArH),4.65(m,2H,OCH),2.17 (s,6H,NCH),1.91(m,4H,CH),1.41(t,J=11.67Hz,4H,CH),1.05(d,J=10.2Hz,24H,C(CH).13C NMR(DMSO−d6):δ=161.5(2C,CArO),134.0(2C,SOCAr),129.7(4C,SOCAr),116.5(4C,OCHAr),70.9(2C,CHO),55.1(4C,CH(CH),46.2(4C,CH),32.8(2C,NCH),28.1(4C,CH),21.4(4C,CH).HRMS(APCI付きASAP):m/z557.3464(M+H,計算値557.3413).分析値.C3249Sに対する計算値.
実施例5(E5):安定剤化合物(B−B)
安定剤化合物(B−C)、4,4’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)オキシ)−1,1’−ビフェニルは、一般的な手順2に従って調製した。1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オール(19.81g、0.1157モル)溶液に、前述同様に4−4’−ジフルオロビフェニル(10.0g、0.0526モル)溶液の添加が続き、100℃に72時間加熱し、冷却し、結果として得られた固体を単離した。固体を、実施例3、4、および6について用いられた同じ手順に従って精製し、最終的に、GC−MSによって測定されるように95%超の純度であるフワフワした、真珠光沢の白色粉末として現れる化合物(B−C)(9.80g、37%)を得た。
H NMR(DMSO−d6)分析は、所望の化合物の合成を確証するのに役立つ次の重要なシグナルを提供した:δ=7.49(m,4H,ArH),6.99(m,4H,ArH),4.60(m,2H,OCH),2.23(s,6H,NCH),1.96(m,4H,CH),1.46(t,J=11.67Hz,4H,CH),1.15−1.11(d,J=13.85Hz,24H,C(CH).13C NMR(DMSO−d6):δ=156.9(2C,CArO),133.0(2C,CAr),127.6(4C,CAr),116.7(4C,CHAr),70.2(2C,CHO),55.1(4C,CH),46.7(4C,CH),33.0(2C,NCH),28.2(4C,CH),21.4(4C,CH).HRMS(APCI付きASAP):m/z493.3844(M+H,計算値493.3794.分析値.C3249に対する計算値.
比較例1(CE1):安定剤化合物(C−A)
安定剤化合物(C−A)、(4−((1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)(フェニル)メタノンは、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オールのカリウムtert−ブトキシド攪拌溶液を4−フルオロベンゾフェノンの攪拌溶液にゆっくり添加し、上記の通り還流させたことを除いては、一般的な手順1に従って調製した。粗混合物を同様に同じ方法で単離し、純化合物A−B(12.53g、72%収率)はまた、純粋な(99%超の)白色結晶として現れた。
単離された(C−A)化合物を確認するために、再びH NMR(DMSO−d6)分析を、次の結果で前述同様に行った;δ=7.70(m,2H,C=OArH),7.66(m,2H,C=OArH),7.59(m,1H,ArH),7.52(m,2H,ArH),7.03(m,2H,OArH),4.71(m,1H,OCH),2.18(s,3H,NCH),1.97(m,2H,CH),1.44(t,J=11.67Hz,2H,CH2),1.10(d,J=9.48Hz,12H,C(CH).13C NMR(DMSO−d6):δ=194.6(1C,C=O),161.6(1C,CArO),138.4(1C,C=OCAr),132.5(1C,C=OCAr),132.2(1C,CHAr),129.8(2C,CHAr),129.4(2C,CHAr),128.7(2C,CHAr),115.6(2C,CHAr),70.5(1C,CHO),55.1(2C,CH(CH),46.3(2C,CH2),33.0(1C,NCH),28.1(2C,CH),21.2(2C,CH).HRMS(APCI付きASAPEI):m/z)352.2269(M+H,計算値352.2277).分析値.C2329NOに対する計算値.
比較例2(CE2):安定剤化合物(C−B)
安定剤化合物(C−B)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−フェノキシピペリジンは、この場合には、4−フルオロベンゼン(12.49g、0.130モル)を、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オール(44.56g、0.260モル)の攪拌溶液に滴加し、完全な添加時に、反応混合物を85℃に72時間加熱したことを除いては一般的な手順2に従って全く同様に調製した。結果として得られた生成物を単離し、分別蒸留(85℃、0.8トル)によってさらに精製して化合物A−D(17.47g、54%)を、TLC(溶離液:EtOAc、Rf=0.4)およびGC−MSによって測定されるように98%超の純度である無色オイルとして得た。
H NMR(DMSO−d6)分析は、所望の化合物の合成を確証するのに役立つ次の重要なシグナルを提供した;δ=7.23(m,2H,OArH),6.86(m,3H,ArH),4.55(m,1H,OCH),2.15(s,3H,NCH3),1.90(m,2H,CH2),1.35(t,J=11.67Hz,2H,CH2),1.04(d,J=10.94Hz,12H,C(CH).13C NMR(DMSO−d6):δ=157.6(1C,CArO),129.9(2C,CHAr),120.7(1C,CHAr),115.9(2C,CHAr),69.3(1C,CHO),55.0(2C,CH(CH),46.4(2C,CH2),33.2(1C,NCH),28.1(2C,CH),20.8(2C,CH3).HRMS(APCI付きASAP):m/z248.2034(M+H、計算値248.2014).分析値.C1626NO)に対する計算値.
比較例5(CE5):安定剤化合物(C−C)
安定剤化合物(C−C)、ビス(4−((1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)メタノンはまた、THF(200mL)中の1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オール(34.55g、0.20モル)の攪拌溶液を使用して一般的な手順1に従って調製した。15分後に、ジフルオロベンゾフェノン(20g、0.0917モル)の溶液を攪拌中に添加し、還流させ、EtOH/HO 90:10の混合物から再結晶させて白色のフワフワした固体として現れる化合物B−B(41.64g、87.1%)を得た。
H NMR(DMSO−d6)分析は、所望の化合物の合成を確証するのに役立つ次の重要なシグナルを提供した:δ=7.69(m,4H,C=OArH),7.05(m,4H,C=OArH),4.72(m,2H,OCH),2.23(s,6H,NCH),1.99(m,4H,CH),1.50(t,J=11.67Hz,4H,CH),1.15(d,J=10.21Hz,24H,C(CH).13C NMR(DMSO−d6):δ=193.3(1C,C=O),161.2(2C,CArO),132.1(4C,CHAr),130.6(2C,CAr),115.6(4C,OCHAr),70.6(2C,CHO),55.1(4C,CH(CH),46.4(4C,CH),32.9(2C,NCH),28.2(4C,CH),21.4(4C,CH).HRMS(APCI付きASAP):m/z521.3794(M+H、計算値521.3743).分析値.C3349に対する計算値.
比較例6(CE6):安定剤化合物(C−D)
安定剤化合物(C−D)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−((4−トリフルオロメチル)フェノキシ)ピペリジンは、THF(40mL)中の2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−オール(12.52g、0.073モル)およびカリウムtert−ブトキシド(THF中の1M溶液73mL、0.073モル)とTHF(50mL)中の4−フルオロベンゾトリフルオリド(10g、0.061モル)とを使用して一般的な手順1に従って合成した。最終生成物を多重真空蒸留(1トルで100〜110℃)によって精製して所望の化合物(A−E)(11.2g、58%収率)を、GC−MSによって測定されるように97%純度である無色オイルとして得た。この化合物について、TLC分析は、所望の生成物への高転化率を示した(溶離液:EtOAc/ヘキサン 1:1、Rf=0.7)。
H NMR(DMSO−d6)分析は、所望の化合物の合成を確証するのに役立つ次の重要なシグナルを提供した:δ=7.62(m,2H,CFArH),7.12(m,2H,OArH),4.75(m,1H,OCH),2.19(s,3H,NCH),1.95(m,2H,CH),1.41(t,J=10.95Hz,2H,CH),1.09(d,J=6.57Hz,12H,C(CH).13C NMR(DMSO−d6):δ=160.5(1C,CArO),127.4(4C,CF,CFCAr,CHAr),116.2(2C,CHAr),70.1(1C,CHO),55.1(2C,CH(CH),46.0(2C,CH2),33.1(1C,NCH),28.1(2C,CH),20.8(2C,CH).HRMS(APCI付きASAP):m/z316.1918(M+H,計算値316.1888).分析値.C1725NOに対する計算値.
以下の表1は、調製された9つの安定剤化合物のまとめを、それらを製造するのに用いられる一般的な合成方法のリストを含めて提供する。
安定剤性能評価
芳香族ポリマーにおけるUV劣化の速度の遅延における安定剤化合物の効能を検討するために、商品名UDEL(登録商標)ポリスルホン P1800でSolvay Specialty Polymers USA,L.L.C.によって製造された芳香族ポリマーポリスルホンを、5モル%使用量での安定剤化合物E1、E2およびE4と溶液ブレンドした(表2にまとめられるように)。これは、先ず安定剤化合物およびポリマーをジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させて23重量%溶液(パーセント総固形分)を調製し、引き続き70℃に予熱されたガラス板上へスクエアアプリケーター(BYK Gardener)の15ミル側を用いてフィルムキャストすることによって成し遂げた。結果として生じた4インチ×4インチ×50ミクロン厚さフィルムを、真空オーブン(120℃、−25mmHg未満)を用いて(ガラス板上で)48時間乾燥させ、その時点でフィルムを、かみそりの刃を用いてガラス基材から取り外した。独立フィルムを次に、高精度の楕円コンパスカッターを用いてカットして10mm×10mm×50ミクロンストリップにし、Atlas ci4000 Xenonウエザロメーターで使用するように設計されたアルミ枠上へ取り付けた。全てのフィルムを、FT−IRを用いて残留溶媒の除去についてチェックした(UV暴露前に1680cm−1のDMFについてのカルボニルバンド)。
合成された安定剤と2つの商業的に入手可能な光安定剤(すなわち、それぞれCE3およびCE4と呼ばれる、Chitec(登録商標)Technologyから商業的に入手可能な、Chiguard 770およびChiguard 353)との間の比較を可能にする比較安定剤化合物CE1、CE3およびCE4について同じ手順に従った。
全ての耐候性実験は、タイプ「S」ボロシリケート・インナーフィルターおよびソーダ石灰アウターフィルターをさらにまた備えた同じウェザロメーターを用いて、24時間単位で最長5日間実施した。カットオフフィルターは、340nm超の全ての波長を排除した。全ての耐候サイクルは、55℃のパネル温度、38℃のチャンバー温度、および55%の相対湿度で、0.30w/mの放射照度に設定した。全ての他の変数は、ASTM G155−4に従って制御した。UVへの暴露後に、各フィルムをその後、透過率モードに設定されたUV Vis分光光度計に入れ、UV−Visスペクトルをλ=350nmで集めた。
表2は、モノ置換ピペリジン−オール安定剤化合物(A−A)、(A−B)、および(A−C)についてならびに比較例CE1(C−A)、およびピペリジンベースの市販化合物CE−3およびCE−4(HALS)について同じウェザロメーターでUV老化(暴露)後の透過率の変化をまとめる。
表3は、TA機器DSC Q10示差走査熱量計を用いて窒素下に行われる示差走査熱量測定法(DSC)によって測定された、ガラス遷移温度(Tg)の変化をまとめる。温度プログラムは、20℃/分の速度で25℃および225℃の間で実施される2つの一連の加熱および冷却サイクルを提供した。全てのガラス遷移温度は、TA Thermal Advantage and Universal Analysisソフトウェアを用いて測定し、第2加熱サイクルを用いて行った。
表4は、ビス置換安定剤化合物(B−A)(E4)、および(B−B)(E5)についてならびに比較例CE5(化合物(C−C))について同じウェザロメーターでのUV老化(暴露)後の透過率の変化をまとめる。
CE6の化合物(C−D)は、非常に低い熱安定性を示した。10%重量損失が化合物(A−C)について熱重量分析(TGA)によって観察された温度は132℃であり、それ故、高性能芳香族ポリマーの高い加工温度は言うまでもなく、商品ポリマーの加工温度で使用されるのに好適ではないであろう。
さて、表2および4の透過率データを分析するときに、安定剤化合物E1、E2、E3、CE3、CE4、E4およびE5の存在は、透過率値を、非安定化UDEL(登録商標)PSU対照について得られた16%と比べて、少なくとも25%にして、UVへの5日暴露後のUDEL(登録商標)PSUの挙動を大きく改善するように思われる。
しかし、これらの結果を、フィルムのTgに関して表3に提供されるデータを使ってさらに評価する。添加剤/安定剤の組み入れがポリマーのTgを余りにも多く低下させないことが重要である。商業的に入手可能な安定剤CE3およびCE4を含有するフィルムに関して得られたTgが、UDEL(登録商標)ポリスルホン単独のTgと比べて少なくとも31℃のΔTgの非常に低く許容できないTg値まで低下したことに言及することは興味深い。意外にも、ベンゾフェノン部分を含有する、CE1およびCE5のケトン構造はUV安定性の増加を付与しなかった。
参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。

Claims (16)

  1. 式(I)または式(II):
    [式中、Rは、−H、脂肪族基およびアルコキシ基からなる群から選択され、
    式中、互いにおよびRに等しいかもしくは異なる、Rのそれぞれは、脂肪族基から選択され、
    式中、Rは、
    − 一般式(Y−I)の基:
    − 一般式(Y−II)の基:
    (ここで、RiおよびRmは、互いに同じもしくは異なるものであり、−H、−CF、−CN、−C(=O)NH、−NO、アルキル基、過フッ素化基、アリール基、アリールアミン基、アリールエーテル基、アリールスルホン基、アリールチオエーテル基、縮合アリール環系、スルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸塩、およびホスホン酸塩からなる群から独立して選択され、
    ここで、Riは、オルト位、メタ位またはパラ位のいずれかにあり、
    ここで、Rmは、オルト位またはメタ位のいずれかにあり、
    ここで、Qは、結合、−O−、−CH−、
    −C(CH−、−NH−、−S−、−C(CF−、−C(=CCl)−、および−SO−からなる群から選択され、
    ここで、Gは、−C(=O)NH、−NO、アルキル基、過フッ素化基、アリール基、アリールアミン基、アリールエーテル基、アリールスルホン基、アリールチオエーテル基、縮合アリール環系、スルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸塩、およびホスホン酸塩からなる群から選択される基である)
    からなる群から選択される一価置換基であり、
    式中、Rは、
    − 一般式(Z−I)の基:
    − 一般式(Z−II)の基:
    (ここで、RiおよびRmは、互いに同じもしくは異なるものであり、−H、−CF、−C(=O)NH
    −NO、アルキル基、過フッ素化基、アリール基、アリールアミン基、アリールエーテル基、アリールスルホン基、アリールチオエーテル基、縮合アリール環系、スルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸塩、およびホスホン酸塩からなる群から独立して選択され、
    ここで、RiおよびRmは独立してオルト位またはメタ位のいずれかにあり、
    ここで、Qは、結合、−O−、−CH−、
    −C(CH−、−NH−、−S−、−C(CF−、−C(=CCl)−、および−SO−からなる群から選択され、
    ここで、Gは、アルキル基、過フッ素化基、アリール基、アリールアミン基、アリールエーテル基、アリールスルホン基、アリールチオエーテル基、および縮合アリール環系からなる群から選択される二価基である)
    からなる群から選択される二価置換基である]
    の安定剤化合物(SC)。
  2. からなる群から選択される、請求項1に記載の式(I)の安定剤化合物(SC)。
  3. からなる群から選択される、請求項1に記載の式(II)の安定剤化合物(SC)。
  4. Rmが−Hである、請求項1に記載の安定剤化合物(SC)。
  5. Qが
    −SO−である、請求項1に記載の安定剤化合物(SC)。
  6. 塩基の存在下で式(III)および(IV)
    (式中、Xiは、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択されるハロゲンであり、
    式中、R、R、Rは、式(I)について請求項1で定義された通りである)
    の化合物を一緒に反応させる工程を含む、請求項1に記載の式(I)の安定剤化合物の製造方法。
  7. 塩基の存在下で式(III)および(IV)
    (式中、XiまたはXjは、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素からなる群からの同じハロゲンか、またはその群から独立して選択されるハロゲンであり、
    式中、R、R、Rは、式(II)について請求項1において定義された通りである)
    の化合物を一緒に反応させる工程を含む、請求項1に記載の式(II)の安定剤化合物の製造方法。
  8. 前記反応が極性の非プロトン性溶媒中で実施される、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記極性の非プロトン性溶媒がテトラヒドロフランであり、前記反応が25℃〜66℃の温度で実施される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記極性の非プロトン性溶媒がN−メチルピロリドンであり、前記反応が25℃〜204℃の温度で実施される、請求項8に記載の方法。
  11. 請求項1に記載の少なくとも1つの安定剤化合物(SC)と少なくとも1つのポリマーとを含む、ポリマー組成物(P)。
  12. 前記ポリマーが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリケトン、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレンアクリロニトリル、アクリレートスチレンアクリロニトリル、セルロースアセテートブチレート、セルロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニルスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリシロキサン、およびポリケチミンからなる群から選択される、請求項11に記載のポリマー組成物(P)。
  13. 染料、顔料、充填材、UV安定剤、光安定剤、蛍光増白剤からなる群から選択される少なくとも別の原料をさらに含む、請求項11に記載のポリマー組成物(P)。
  14. 請求項1に記載の少なくとも1つの安定化化合物(SC)を少なくとも1つのポリマーに添加する工程を含むポリマーの安定化方法。
  15. 前記少なくとも1つの安定化化合物(SC)が、前記少なくとも1つのポリマー用の酸捕捉剤として働く、請求項13に記載の方法。
  16. 請求項11〜13に記載のポリマー組成物(P)を含む物品。
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