JP2017516907A - 金属表面に対して接着力を有する熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 本発明は、金属に対する優れた接着力を有し、酸およびアルカリ溶液に対して極めて安定である熱可塑性エラストマー組成物に関する。本発明は、さらに、前記熱可塑性エラストマー組成物および複合材料を製造する方法、並びに、種々の複合材料における熱可塑性エラストマー組成物の使用に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、金属に対して優れた接着力を有し、かつ酸およびアルカリ溶液の影響に対して極めて安定な熱可塑性エラストマー組成物に関する。
接着力を得るために、特別な前処理がされた金属表面は必要ない。接着促進剤(換言すれば、プライマー)または接着剤の使用が不要とされ得る。例えば、棒材、空所、凹所、および孔部のような構成部分では、構造的な補助も不要とされ得る。したがって、本発明に係る材料の利点によって、設計技術者の設計およびプロセスの自由度が明らかに増す。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物(以下では、TPE化合物とも呼ばれる)は、室温において、および高温においても、酸およびアルカリ溶液の影響に対して、特に安定であることを特徴とする。膨潤挙動、硬度、破断伸び、および引っ張り強さのような重要なパラメータは、僅かな変化しか示さない。
TPE化合物は、これに限られる訳ではないが、好ましくは、30〜90ShAのショアA硬度を有し、少なくとも、極性官能基化されたTPE、つまり、スチレン含有ブロックコポリマー(TPS)(A)と、接着補助樹脂(B)と、プロセスオイル(C)との混合物からなる。本発明に係る化合物は、任意的に、更なる成分を含み得る。
熱可塑性エラストマー(TPE)は、エラストマーのゴム弾性と熱可塑性物質の有利な加工特性とを兼ね備えている。この特性の組み合わせによって、TPE材料についての多数の用途が広がる。このような用途は、数例を挙げると、例えば、車の内装および外装、産業用デバイス、工具、家庭用デバイス、医療用消耗品および医療用デバイス、歯ブラシなどの衛生用品、スポーツ用品、浴室備品、玩具、食品用容器である。TPE材料は、封止機能や制動機能などの特性を有し、肌触りの良さや見栄えに関する理由のために使用される。
上記用途の分野の多くにおいて、熱可塑性エラストマーと、熱可塑性材料、セラミック材料、ガラスまたは金属などの別の種類の材料とを、永続的に強固に接着させるように、結合させるという要求がある。これと同時に、接着剤またはプライマーが不要とされることが要求され、作製される前記構成部分の実現可能な設計自由度を最大にすることも要求されている。該目的は、単一のアッセンブリまたは完成部品において、剛性要素と可撓性要素とを結合することである。これにより、コスト削減、例えば、製造ステップを減らすこと、重量を減らすこと、製造時間を短くすること、および/または個々の部品および完成部品の構造の複雑さを小さくすることが伴われることが多い。TPEは、加硫ゴムと比べると、加工中において、可撓性要素としての利点を有するので、熱可塑性材料のように、簡単に、費用効率良く、かつ広く使用されている技術によって加工され得る。DE19938015に開示された方法では、更なる加硫ステップを必要とするので、サイクルタイムが長くなる。したがって、ゴムまたはゴム質プラスチックが金属部品上に注入された後に、加硫が生じる。加硫が終了した後にのみ、モールドから取り除くことが可能になる。
TPEと他の材料との間の効果的な結合は、実質的に、TPEおよび被覆される表面の極性次第である。そのため、US8071220、DE19645727、EP2610305、およびそれらで引用される段落は、全て、TPEと基材との間の極性が適合される必要があることを記載している。例えば、極性表面への良好な接着のために、極性または極性修飾TPEおよび/またはTPE化合物が使用される必要がある。
US8071120は、連続熱可塑性相(好ましくは、PPのような非極性ポリオレフィン)中に分散された非極性の架橋エラストマー粒子からなる典型的なTPVが、極性基材に対する接着性に乏しいことを教示している。技術水準における改善として、TPVの使用が提案され、これにより、ポリアミドに対する接着力が改善される。TPVは、ポリオレフィン系のエラストマー相(好ましくは、EPDM)と、幾つかの官能基化されたポリオレフィンのうちの1つまたはそれらの混合物によって、少なくとも80%が構成される熱可塑性相とからなる。不飽和の、および/または水素化された、スチレン系トリブロックコポリマーの形態であるエラストマー(TPS)は、エラストマーとして、またはポリオレフィン系エラストマーに混和するものとして使用され得る。カルボン酸、酸無水物、酸塩化物、イソシアネート、オキサゾリン、アミン、ヒドロキシおよびエポキシ基は、官能基と称される。酸無水物基が好ましい。ポリプロピレン上に、0.5%〜2.0%グラフト結合されるマレイン酸無水物(MAH)が特に好ましい。エラストマー相の官能基化は請求されていない。さらに、エラストマー相における官能基化されたスチレンブロックコポリマーの使用および接着補助樹脂の使用は開示されていない。詳細な説明には挙げられてはいるが、金属または金属表面への接着に関する実施例は開示されていない。開示されたTPVが、金属または金属表面への乏しい接着力を緩和することが示されている。有利であると記載されているTPVの官能基化された熱可塑性相へのポリアミドの混和は、却って、金属接着をさらに悪化させる原因となる。
また、US8193273は、ポリアミド(PA)へのTPE化合物の接着について記載している。またこの発明においては、ポリアミドがTPE化合物に混合される。しかしながら、高分子量の、マレイン化ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンブロックコポリマー(MAH−g−SEBS)が、ここでは使用される。さらに、実施例において、MAHでグラフトされたPPが、更なる接着成分として使用されている。US8193273および先述のUS8071220の両方は、混和されたPAが、PA基材への実際の接着力を増すという着想に基づいている。しかしながら、遊離したPAは、非極性化合物中に程々に導入され得るだけか、あるいは全く導入され得ないので、官能基化された反応性のMAH基を用いて、混和されたPAを、分散されたエラストマー、または、連続熱可塑性相若しくは前記二相の界面のいずれかに共有結合的に結合することが試みられている。経験によって示されることは、実際には、この取り組みによって、程々の成功しか示されなかったことである。これは、混和されたPAが、おそらく、表面において、接着力に積極的に寄与するには低すぎる濃度で存在していることが原因である。むしろ、前記化合物中にPAがなくなると、遊離MAH基が存在することとなるので、極性表面への良好な接着が可能になるということが示される。US8193273に記載されたTPE化合物のさらなる成分は、可塑剤および加工助剤として使用される樹脂(炭化水素樹脂)である。上記樹脂は、接着剤において粘着付与剤樹脂としても使用される。金属類に対する接着力については、US8193273には記載されていない。
EP2610305特許は、TPEと、セラミックス、金属材料または合成プラスチックの極性表面との間の接着力について詳細に記載している。さらに、得られた複合材料が開示されている。TPE、ポリビニルアセタール、および極性基を有するポリプロピレンの混合物が請求されている。TPEは、芳香族ビニル(好ましくは、スチレン)およびイソプレン(SIS)、ブタジエン(SBS)、イソプレン−ブタジエン混合物(SIBS)、並びに、それらの水素化された変形物(SEBS、SEEPS)のブロックコポリマーを基礎とする。更なる成分は、プロセスオイルおよび粘着付与剤である。記載された化合物のデメリットは、加工性が制限されること、および強酸およびアルカリ溶液の影響に対する安定性である。そのため、許容できる接着力は、圧縮成形加工のみで得られ、通常の射出成形では得られない。射出成形−インサート加工において、金属またはガラスと、TPE化合物との間の接着力を生み出す試みは失敗している。噴霧されたTPE片は、金属またはガラスの基材から、容易に手で剥離され得る。圧縮成形加工に制限されると、特に、大量に連続生産しようとする場合には、射出成形に比べて明らかにサイクルタイムが長くなるという理由のために不利である。EP2610305における全ての実施例は、2N/mm、3分間という条件の圧縮成形加工を用いて得られた。記載された組成物の更なるデメリットは、強酸およびアルカリ溶液に対する不安定性である。前記化合物は、接着力を失い、引っ張り強さや破断伸びのような必須の力学パラメータが悪化する。これは、主に、使用される接着成分の化学的性質が原因である。ポリビニルアセタールは、酸に対して、加水分解の点で安定でなく、対応するアルデヒドを放出する。ビニルアセタール基は、ビニルアルコール基に転換される。健康に害となり強烈な臭いがあるアルデヒド(この発明に係る好適な変形例におけるブチルアルデヒド)の分離は望ましくない。この発明に係るポリビニルアセタールは、55〜80%だけがアセタール化されていることが好ましいので、残りの官能基は、ビニルアルコール基または酢酸ビニル基のいずれかから成る。アルカリ溶液や酸の影響下では、酢酸ビニルは、酢酸単位を酢酸イオンまたは酢酸として切り離して、ポリビニルアルコールが形成される。水性媒体中でのポリビニルアルコールの高い溶解性は、再び、記載されたTPE化合物の安定性および接着力に対して不利となる。
EP2054227は、熱可塑性物質(「硬質プラスチック」、好ましくはABS)と、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィンを基礎とするTPS(「軟質プラスチック」、好ましくはSEBS)との複合生成物の製造方法を記載している。そして、この複合生成物は、電気メッキステップに耐えることがさらに記載されている。請求されているTPSは、クロム硫酸に対して、特に安定である。スチレン系エラストマーまたは極性基で官能基化されたポリオレフィンは挙げられていない。前記反応の逆反応は、請求されたTPSではうまくいかない。EP2054227の官能基化されていないTPSは、金属または金属表面(例えば、電気メッキされた熱可塑性物質)への接着力が弱いか、あるいは全く接着しない。
金属または金属表面との結合または接着について、TPE化合物が広範に有用となるために、まずは、接着に対する要求に加えて、通常の金属加工プロセスの化学物質に対する安定性にも留意する必要がある。金属表面(前)処理の一般的な方法は、水溶性または水不溶性であり得る有機溶媒を用いた脱脂、酸、アルカリ溶液、またはそれらの金属塩溶液を用いて、浸水、噴霧またはブラシ仕上げすることである。酸およびアルカリ溶液の使用は、エッチングとも呼ばれる。さらに、電気化学プロセスおよび電気メッキプロセスが常法である。研削、ブラシ研磨、ブラスト処理、またはポリッシングのような研磨法も一般的である。これに関しては、“A.V.Pocius,Adhesion and Adhesive Technology,Carl Hanser Verlag,3rd Ed.,Munich(2012),Chapter 7”およびここに引用された文献も参照のこと。
金属処理方法の中で、アルミニウムを加工する方法が、重要な位置を占める。タイプIIおよびIIIのアルミニウムのアノード酸化は、仕上げ法とみなされるが、特に挙げられるべきである。これらは、“Die Praxis der anodischen Oxidation,W.Huebner,C.−Th.Speiser,4th edition,Aluminum Verlag GmbH,Duesseldorf(1998)”に記載されている。
別の処理法は、「ナノモールディング技術」(NMT)である。この技術は、金属、特にアルミニウムの前処理において、熱可塑性物質に対する接着力を増加するのに役立つ。NMT技術は、株式会社タイセイプラスによって、EP1559542およびEP1459882において、あるいはwww.taiseiplas.comにおいても公表された。多段階法において、アルミニウムまたは銅、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鋼鉄、電気メッキ鋼、真ちゅうのような他の金属は、前処理(エッチング)され、これにより、表面状態によって、射出成形−インサート法を用いた熱可塑性材料の直接的な接着が可能となってもよい。そのため、例えば、スナップクロージャー、補強リブ、およびネジ付きのブッシュなどの成形されたプラスチック要素を極めて簡単に製造することができる。さらに、生じた結合を緩めることなく、更なる別のステップを行うことができる。例えば、後処理としては、以下に、アノード酸化、スピンコーティング、スパッタリング、エナメルを用いたコーティングが挙げられる。熱可塑性材料としては、以下に、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PA6およびPA66のようなPAタイプ、PS(ポリスチレン)およびPPA(ポリフタルアミド)が挙げられる。ソニーモバイルコミュニケーションズおよび株式会社タイセイプラスの支援を受けた修士論文(“Nanonmolding Technology on Cosmetic Aluminium Parts in Mobile Phones−An Experimental Study,C.−O. Annerfors,S.Petersson,School of Mechanical Engineering,Lund University,(2007)”)において、NMTは、有用性について試験された。PPSまたはPPOのような記載された熱可塑性材料は、金属表面に良好に接着したが、硬度の程度が高いので、封止要素または触覚要素としての使用には適していない。NMTについて挙げられた全てのステップにおいて、金属と熱可塑性材料との間の材料結合が挙げられている。一方で、金属と熱可塑性エラストマーおよび/またはTPE化合物との間の接着は記載されていない。本発明において記載されたTPE化合物によって、NMTの金属の前処理の多段階法が行われたり、行われないことが示されるとともに、良好な接着結果が得られることが示されている。
本発明に係るTPEは、酸およびアルカリ溶液に対する安定性の程度が高いので、TPEおよび金属の結合の生成後に、アノード酸化のような他の仕上げステップを、前もって生成されたTPE−金属結合を損傷せずに、適用することができる。このプロセスの自由度によって、技術水準と比較して、相当な利点が示される。
本発明の目的は、金属および/または金属表面への永続的に硬い材料結合を形成することができ、無機および/または有機酸並びにアルカリ溶液の影響に対して安定であり、かつ簡単に適用できるTPE化合物を提供することであった。本発明に係るTPE化合物は、特定の範囲の硬度およびこれに対応する弾性を有する。さらに、該化合物は、特に射出成形加工において加工性がよく、必要となる金属表面の前処理が簡単になるか、あるいは特別な前処理を要しない。一般的な化合物において加工の自由度を可能な限り高くすることを保証するために、摩耗を生じさせない金属加工処理法は、TPE化合物を付与した後に、無機および/または有機酸並びにアルカリ溶液に対する安定性の程度が高くなる。対応する金属基材への接着力、並びに、膨潤挙動、硬度、破断伸び、および引っ張り強さのような重要なパラメータの両方は、可能な限り、酸および/またはアルカリ溶液の作用の後に、可能な限り変化せずに一定となる。
本発明の特定の目的は、TPE化合物がアルミニウムに対して良好な接着力を有すべきであるということであった。
さらなる目的は、TPE化合物がアルミニウムに対して良好な接着力を有し、タイプIIおよびタイプIIIのアノード酸化状態に耐えることであった。これらのプロセスに対するTPE化合物の耐性を試験するために、試験される化合物は、DIN ISO 1817に基づいて、以下の化学物質に連続して曝された。

・85%リン酸に80℃で3分間
・30%硝酸に23℃で3分間
・70%硫酸に23℃で60分間
・pH10の水酸化アンモニウムに23℃で3分間
各ステップ後に、蒸留水を用いて、試験片を徹底的に洗浄した。全ての化学物質の作用の後に、TPEを該TPEのパラメータに関して調査した。パラメータの僅かな変化が見られる場合、硬度(±5ShA)、破断伸び(±20%)、引っ張り強さ(±30%)および膨潤挙動(±2%)の場合において、材料は耐性があると考えられた。上記試験における耐性は、以後、耐薬品性と同一視される。化学試験に加えて、TPE化合物を該化合物の接着力に関して調査した。上記のパラメータ決定に加えて、グレースケール(DIN EN 20105−A02/ISO 150−A02)に従って、試験片を視覚的に評価した。試験片が、グレースケールレベル4/5よりも悪くないと評価された場合、耐性があると考える。
上述の目的は、(A)重量平均分子量(M)が50,000〜500,000g/molであるスチレン含有ブロックコポリマー(TPS)を含む極性官能基化されたTPEであって、カルボン酸基、無水カルボン酸基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アミン基またはアミド基からなる群から選ばれる極性基を有する極性官能基化されたTPEと、(B)脂肪族合成樹脂および芳香族合成樹脂またはこれらの混合物から選ばれる接着補助樹脂と、(C)プロセスオイルと、を含むTPE化合物によって達成された。
前記TPE化合物は、ショアA硬度が30〜90ShAであることが好ましい。
前記TPE化合物の実施形態によれば、前記TPSは、A−B−Aトリブロックコポリマーであることが好ましい。
前記トリブロックコポリマーのAブロックはポリスチレンであり、前記トリブロックコポリマーのBブロックは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、および/またはポリイソブテンから選ばれることがさらに好ましい。
さらに、本発明に係るTPE化合物においては、前記Aブロック中において、スチレンモノマーは、スチレン誘導体、好ましくは、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、および4−シクロヘキシルスチレン、またはビニルナフタレン誘導体、好ましくは、1−ビニルナフタレンおよび2−ビニルナフタレンで、部分的または完全に置換され得ることが好ましい。さらに、前記Bブロックは、ジエンの混合物を含み得る。同様に、前記Bブロックは、部分的または完全に、水素化されることもできる。
本発明に係る化合物は、任意的に、複数の成分をさらに含み得る。これらは、TPE、極性官能基化されたTPE、熱可塑性物質、極性官能基化された熱可塑性物質、および添加物をさらに含む。ポリマー組成物は、ショアA硬度が30〜90ShAであることが好ましい。
本明細書に記載された熱可塑性エラストマー(TPE)は、“G.Holden,H.R.Kricheldorf,R.P.Quirk(Eds.),Thermoplastic Elastomers,Carl Hanser Verlag,3rd Ed.,Munich(2004)”、DIN EN ISO 18064、または“http://en.wikipedia.org/wiki/Thermoplastic_elastomer”において定義される。以下の熱可塑性エラストマー、例えば、スチレンブロックコポリマーを基礎とする熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリエステル基礎とする熱可塑性エラストマー(TPC)、ポリウレタン基礎とする熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリアミド基礎とする熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリオレフィン基礎とする熱可塑性エラストマー(TPO)、および連続熱可塑性相中に分散されて存在する架橋されたエラストマー粒子を基礎とする架橋されたTPE基礎とする熱可塑性エラストマー(TPV)は、区別される。
本発明に係るTPE化合物は、少なくとも、極性官能基化されたTPS(A)と、接着補助樹脂(B)と、プロセスオイル(C)との混合物であり、無機および/または有機酸並びにアルカリ溶液の影響に対して安定である。TPU、TPCおよびTPAのような種類の物質は、然程適していないか、適していないことがさらに示されている。
官能基化されておらず、むしろ非極性のTPSと、極性TPU、TPAおよびTPCとの金属への接着力を比べると、極性TPEが良好な値となることが分かる。しかしながら、極性TPSのような種類の物質の欠点は、酸および/またはアルカリ溶液の作用下において、それらは、部分的に、あるいは時には完全に分解することである。このことは、要求される耐薬品性の目的を得ることに対して障害となる。
これに対して、物質の種類がTPSであるものは、無機および/または有機酸およびアルカリ溶液に対して良好な耐性を示す。しかしながら、金属に接着できるようにするために、本発明に係るTPSは、極性官能基化される必要がある。EP2054227は、酸に対するTPSの良好な耐性を教示しているが、上記TPSは、極性基を欠くため、金属への永続的に強固に結合される接着のために使用され得ない。
本発明に係るTPSは、A−B−Aトリブロックコポリマーであり、該コポリマーにおいては、前記Aブロックは、通常、ポリスチレンであり、前記Bブロックは、通常、ポリブタジエン、ポリイソプレン、またはポリイソブテン(SBS、SIS、SiBS)から作製される。代わりに、前記Aブロックにおいて、スチレンモノマーは、例えば、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレンのようなスチレン誘導体、または1−ビニルナフタレンおよび2−ビニルナフタレンのようなビニルナフタレン誘導体で、部分的または完全に置換され得る。前記Bブロックは、代わりに、SIBSのようなジエン混合物を含むこともできる(ブタジエンおよびイソプレンの混合物のBブロック)。さらに、スチレンおよびジエンモノマーからなるTPSは、水素化された誘導体として使用されることもできる。Bブロックユニットは、部分的または完全に水素化されて存在する。ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−コ−ブチレン)ブロック−ポリスチレン(SEBS)およびポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−コ−(エチレン−プロピレン))−ブロック−ポリスチレン(SEEPS)が、本明細書で挙げられると好ましい。トリブロックに加えて、上記の、スチレン、スチレン誘導体(Aブロック)およびブタジエンの上記モノマーと、イソプレン、イソブチレンおよびこれらの混合物(Bブロック)とのジ、テトラまたはマルチブロックコポリマーが、AおよびBブロックの異なるシーケンス(例えば、B−A−B、A−B−A−Bなど)において、代わりに使用されてもよい。好ましいTPSは、A−B−Aトリブロックコポリマーで構成される。
本発明に係るTPSを基礎とするTPEは、重量平均分子量(M)が、50,000〜500,000g/molの範囲であり、好ましくは、100,000〜400,000g/molの範囲である。
コンタクト接着剤(PSA、感圧接着剤)のために使用される、スチレンを基礎とするブロックコポリマーは、それ以外のものと混同されるべきではない。それらの分子構造は、非常に似ているが、後者は、TPEと異なるレオロジー挙動を有する。コンタクト接着剤は、既に室温において軽い圧力(指圧)で基材への接着力を確立する必要がある。これを得るために、明らかにM50,000g/molを下回るブロックコポリマーが使用される。本発明に係るTPE化合物は、これらの条件下で接着力を示さず、フィルムを形成することができない。さらに、TPE化合物は、さらに重要な種類の接着剤であるホットメルトとは実質的に異なる。ホットメルトは、温度(通常100℃より高い)の作用下で流動する必要があり、さらなる処置を要さずにフィルムを形成する必要がある。一般に、TPEおよびTPE化合物は、加工可能とするために、加熱される必要があり、かつせん断される必要もある。単に加熱するだけだと、通常、何らの目立った融解または流動を生じずに、材料の分解が生じることとなる。さらに、接着剤は、薄い層として付与され得るように、調製される。三次元的な形状の広がりまたは構造についての要求はない。TPEおよびTPE化合物は、概して、三次元において、構造的な広がりを有する。本発明に係るTPE化合物は、構造的な広がりに加えて、接着特性も有する。しかしながら、それらを接着剤として言及することは、誤解を生む。
驚くべきことに、極性官能基化されたTPS(A)と、接着補助樹脂(B)と、プロセスオイル(C)との組み合わせが、本発明の上記目的、つまり、耐薬品性および簡単な処理によって伴われる金属接着力を達成するのに十分であることが明らかになった。
接着力を得るために、本発明に係る極性官能基化されたTPSが必要である。極性修飾は、グラフト化によって生じ得る。極性基は、カルボン酸、無水カルボン酸、エポキシ、ヒドロキシ、アミンまたはアミドであり得る。当業者は、これらの極性基を導入するラジカルグラフト化法に精通している。例えば、ペルオキシド開始剤、(メタ)クリル酸、MAH、グリシジル(メタ)クリレート、またはアクリルアミドを用いて、本発明に係る対応するTPSと反応させることである。グラフト化は、独立したステップにおいて、あるいは、本発明に係る化合物の製造中において生じ得る。グラフト化は、調合プロセス前に生じることが好ましい。好ましいグラフト化レベルは、0.5〜5.0%の間にあり、特に好ましくは、0.5〜3.0%の間にあり、最適には、1.0〜2.5%の間にある。好ましいグラフト剤として、MAHが挙げられ、特に好ましい範囲としては、0.5〜3.0%である。1.0〜2.5%のMAHでグラフトされたTPSは、本発明に係る使用される成分(A)として、最適である。グラフト化レベルの測定は、当業者に公知の全ての分析方法、例えば、酸基の滴定による湿式化学法および機器分析(GC−MS、NMR、IR、UV−Vis、元素分析など)の両方で、実行され得る。これらの方法は、当業者に公知である。
US8193273では、種々の市販のMAHでグラフトされたTPSとして、Kraton MD 6684CS、Kraton MD 6933、Septon 4077またはSepton 4099などが挙げられている。さらなるMAHでグラフトされたTPSとして、例えば、Kraton FG 1901GTが市販されている。
例示された薬剤での官能基化の場合、調製されたTPE化合物を金属表面に適用するまでグラフト化している間、官能基は、さらなる添加物または不純物と反応しないので、接着力に全く影響しないか、程々に影響するだけであることに注意することは、有利となることが判明した。そのため、例えば、アクリル酸またはMAH基で官能基化されたTPEは、ポリアミドの遊離のアミノ官能基若しくはアミド官能基、またはポリエステルの遊離のヒドロキシ基と反応すべきではない。天然樹脂(コロホニウム)の幾つかは、遊離のヒドロキシ基を有するので、これらを使用することも不利である。さらに、加水分解を受けやすいアルキルシリケート樹脂を使用することは不利である。これらは、アルコールを分離し、次に、例えば、MAHで官能基化されたTPEと反応できる。
さらに、本発明に係るTPSのポリマー鎖が酸またはアルカリ溶液の影響に対して安定となるように、本発明に係るTPSのポリマー鎖に極性の間の基を結合することが有利であることが判明した。このことは、それらが分離されないことを意味する。したがって、極性基とTPSとの間の炭素−炭素結合が望ましい。
本発明の成分(B)は、接着補助樹脂である。これはまた、粘着付与剤として広く参照されていて、接着剤またはラッカーの極めて幅広い種々の用途で見られる。“A.V.Pocius,Adhesion and Adhesive Technology,Carl Hanser Verlag,3rd Ed.,Munich(2012)”の10.2.2章において、並びに、EP2610305およびDE102004063516においても、極めて幅広い種々の粘着付与剤が記載されている。列挙された複数の樹脂から、本発明の意味における耐薬品性がある樹脂が、本発明に特に適している。コロホニウム樹脂(ロジン)およびそれらの水素化された変形物などのカルボン酸エステル結合を有する樹脂は、それほど適していない。DE102004063516の加水分解性のアルキルシリコン樹脂は、開裂生成物が本発明に係る成分(A)の極性ユニットと反応するので、避けられるべきである。クラッカー生成物を基礎とする合成樹脂が適していて好ましい。本明細書では、脂肪族の粘着付与剤と芳香族の粘着付与剤とが区別される。そのため、接着補助樹脂は、脂肪族の合成樹脂および芳香族の合成樹脂またはこれらの混合物から選ばれると好ましい。
脂肪族化合物は、大部分が、クラッカー留分のC5区分を基礎とする。V.Pociusは、原理上使用され得る粘着付与剤の種類をさらに記載している。合成樹脂または合成樹脂の混合物が、好ましい接着補助樹脂(B)であることが判明している。酸およびアルカリ溶液に対して加水分解安定性を示すことが好ましい、芳香族樹脂およびC5系脂肪族樹脂、または芳香族樹脂およびC5系樹脂の混合物が、特に好ましい。好適な市販の樹脂は、例えば、芳香族樹脂の群、例えば、イーストマン社から市販されている、Endex155(登録商標)のようなEndexタイプまたはクレイバレー社から市販されている、Norsolene(登録商標)W140、および脂肪族樹脂の群、例えば、EastotacH−130R(登録商標)のようなEastotacタイプから選ばれる。
TPE化合物の製造のために常用される全てのプロセスオイル(可塑剤とも称される)が、本発明に係るプロセルオイル(C)として使用され得る。これらには、パラフィン系オイル、ナフタレン系オイルまたは芳香族系オイルが含まれる。工業用および医薬用の両方のホワイトオイルは、パラフィン系オイルに含まれるものであり、列挙されるものであってもよい。さらに、本発明に係るプロセスオイル(C)は、GTLオイルまたは水素化オイルなどの合成オイルも含む。フタル酸エステル(例えば、ジオクチルまたはジブチルフタレート)、天然オイル(例えば、ナタネ油またはダイズ油)、アルキルスルホネート、または、概して、モノ、ジ、または高次のアルキル酸エステルを基礎とするもののような、エステル結合を有する加水分解に不安定なオイルまたは可塑剤は、それほど適していないか、全く適していない。
加工性を改善することに加えて、オイルは、実質的に、本発明に係る化合物の最終的な硬度を調節する機能を有する。
極性官能基化されたTPS(A)と、接着補助樹脂(B)と、プロセスオイル(C)との混合物を少なくとも含むまたはこれらから構成される本発明に係るTPE化合物は、任意的に、さらなる成分を含む。これらには、TPE、極性官能基化されたTPE、熱可塑性物質、極性官能基化された熱可塑性物質、および添加物がさらに含まれる。
さらに、TPEは、耐薬品性のために、TPS、TPO、およびTPVの群から選ばれる。好ましくは、TPSおよびTPOである。成分(A)と同じTPE種から選ばれる任意的なTPEが、最適である。
種々のTPOが、TPO(A)として使用され得る。それらは、ポリオレフィン系のブロックコポリマー、および熱可塑性ポリオレフィンとエラストマーゴムとの混合物の両方からなる。プロピレンおよびエチレンのようなオレフィンのブロックコポリマー(例えば、PP−PE−PPまたはブロックPP−ブロック−(コ−PE−PP)−ブロック−PP)、またはブタジエンおよびイソプレンの水素化されたブロックコポリマー(B−I−B)が、例示される。熱可塑性ポリオレフィンとエラストマーゴムとの混合物の例には、イソタクチックPPとEPDMゴムとの混合物が含まれる。本発明に係るTPOは、“G.Holden,H.R.Kricheldorf,R.P.Quirk(Eds.),Thermoplastic Elastomers,Carl Hanser Verlag,3rd ed.,Munich(2004)”の第5章に詳細に記載されている。既に列挙されたものに加えて、さらなるタイプのTPOが、93ページに挙げられている。ISO EN 18064のTPOの定義が、G.Holdenの定義と異なることに注意されたい。DIN標準に係るTPOは、もっぱら、「ポリオレフィンと通常のゴムとの混合物であって、前記混合物中のゴム相は、僅かに架橋結合しているか、全く架橋結合していない混合物から」成る。TPVは、エラストマー相が、付加的に、通常は動的に、架橋結合されている点で、TPOと異なる。本発明によれば、PPおよびPEのブロックコポリマーと、PPとEPDMとの混合物からなるTPOが好ましい。PPおよびEPDMは、極性修飾されたTPO(A)の製造のために、最適なTPOである。
さらなる極性官能基化されたTPEは、成分(A)として既に開示されたように、修飾されたTPSまたはTPOであり得、該修飾されたTPSまたはTPOにおいては、極性基、極性基の含有量、またはTPE種のいずれかは、成分(A)以外のものである。
本発明に係るTPE化合物の任意的な熱可塑性物質は、本発明に係る、TPS、TPO、並びに極性官能基化されたTPSおよびTPOと互換するものであり、アルカリ溶液および酸に対して、加水分解耐性を示す。PE、PP、ポリスチレン、およびPVCが、本明細書において挙げられる。HDPE、LDPEおよびPPが好ましい。
さらに、極性官能基化された熱可塑性物質は、本発明に係る化合物と混和され得る。適用可能な極性官能基は、カルボン酸基、無水カルボン酸基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アミン基またはアミド基から選ばれる。TPEと同様に、極性基は、グラフト化によって導入され得る。該方法は、当業者に公知である。ペルオキシド開始剤を用いるラジカルグラフト化が、特に注目される。グラフト化は、好ましくは、調合プロセスの前に生じる。好ましいグラフト化レベルは、0.5〜5.0%の間にあり、特に好ましくは、0.5〜2.0%の間にある。MAHが、好ましいグラフト剤として挙げられ、PEおよびPPが、グラフトされる好ましい熱可塑性物質として挙げられる。PPのグラフト化の詳細な説明は、例えば、EP2610305に見られる。その内容は、本明細書に参照される。市販の製品は、例えば、Byk社から入手できるScona(登録商標)TSPEのようなScona(登録商標)タイプ(MAHでグラフトされたPE)、またはScona(登録商標)TPPP(MAHでグラフトされたPP)である。
さらに、本発明に係る化合物は、さらなる添加物を含むことができる。加工補助剤、安定剤、またはフィラーが挙げられる。
以下に、加工補助剤および安定剤を列挙する。例えば、静電気防止剤、消泡剤、潤滑剤、分散剤、分離剤、抗ブロッキング剤、ラジカル捕捉剤、抗酸化剤、殺生物剤、殺菌剤、UV安定剤、他の光安定剤、金属不活性化剤、さらにまた、起泡剤、発泡剤、難燃剤、排ガス抑制剤、耐衝撃性改良剤、接着剤、曇り止め剤、染料、着色顔料、カラーマスターバッチ、粘度調整剤のような添加物である。以下に、フィラーを例示する。例えば、カオリン、マイカ、白雲母、金雲母、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪酸塩、シリカ、タルク、カーボンブラック、グラファイトまたは合成繊維である。
本発明に係るTPE化合物の硬度は、30〜90ShAの範囲にあり、好ましくは、40〜80ShAの範囲にあり、最適には、50〜70ShAの範囲にある。
本発明に係るTPE化合物は、少なくとも、極性官能基化されたTPS(A)と、接着補助樹脂(B)と、プロセスオイルと(C)を含むか、これらから成る。TPE化合物の成分(A)および(B)は、(A):(B)の重量比が、10:1〜1.5:1の範囲であり、好ましくは、5:1〜2:1の範囲であり、最適には4:1〜2.5:1の範囲である。
プロセスオイル(C)は、要求される硬度、および、成分(A)、(B)に応じて混和され、任意的なさらなる成分が、本発明に係る化合物に混和される。指針として、TPE化合物が柔らかいほど、多量に含まれると言える。一般に、(C)は、最終的なTPE化合物に対して、50〜5重量%の範囲で添加され、好ましくは、40〜10重量%の範囲で添加され、特に好ましくは、40〜15重量%の範囲で添加される。
さらに、本発明に係るTPE化合物は、(A)、(B)、および(C)に加えて、TPE、極性官能基化されたTPE、熱可塑性物質、極性官能基化された熱可塑性物質および添加物のような成分をさらに含み得る。
全てのさらなるTPEおよび極性官能基化されたTPEにおける(A)の総重量は、成分(B)に対して、重量比で、10:1〜1.5:1に選ばれ、好ましくは、5:1〜2:1に選ばれることが判明した。
任意的な熱可塑性物質および極性官能基化された熱可塑性物質の添加量は、TPE化合物の総重量に対して、トータルで、0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%、特に好ましくは0〜10重量%となる。
適用可能な添加物の一覧から見ると、0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%、特には0〜15重量%のフィラーが添加される。TPE化合物に含まれる、UV安定剤、加工安定剤および抗酸化剤は、0〜2重量%の範囲であり、好ましくは0〜1重量%の範囲である。任意的な添加物の重量百分率は、本発明に係るTPE化合物の各総重量に対するものである。
本発明のTPE化合物は、金属および金属表面に対して、永続的に強固に結合される優れた接着力を示す。接着力を得るために、複雑な前処理を何ら要しない。同様に、プライマーまたは接着剤の使用が不要となり得る。接着力の乏しさを補償する必要がある製造部品のさらなる構造的な補助(バー、空隙など)を必要としない。本発明に係るTPE化合物は、設計および加工の自由度に対して、十分な利点をもたらすことができる。
そのため、TPE化合物、および該化合物から製造される部品は、技術水準に対して、明らかな利点を示す。
金属および金属表面の前処理がさほど複雑でないことは、例えば、一般的な有機溶媒、または水溶性または水不溶性(例えば、アセトン、イソプロパノール、エタノール、トルエン、キシレン)である溶媒混合物によって、表面だけが脱脂されることを意味する。さらに、さほど複雑でないことは、研削、ブラシ研磨またはブラスト処理を用いて、表面が僅かに粗化されることを意味する。このことは、中でも、表面の酸化層が部分的または完全に除去されるという利点を有する。言うまでもないが、本発明に係るTPE化合物が、強固に結合するように付与される前に、例えば、EP1559542のNMT法のような金属表面を前処理する一般的または特別な方法も使用され得る。そのため、TPE化合物は、既存のプロセス中に極めて簡単に組み込まれ得る。特に、TPEが部品の全表面に噴霧されない場合、先の、またはその後の加工ステップにおいて、表面の前処理が必要になる。そのため、極めて多種多様な材料の複合材料、例えば、NMTによって前処理されており、TPEに加えて、封止材として、ネジ切りされたブッシュのための熱可塑性要素をも追加で含む金属で作られる消費者向け電子部品(例えば、携帯電話)が製造され得る。
本発明に係るTPE化合物は、金属または金属表面への材料結合を生じるために、コスト効率良く、かつ広く使用される技術によって加工され得る。非貴金属および貴金属の両方は、金属として理解される。金属の合金が含まれる。アルミニウム、銅、マグネシウム、チタン、鋼鉄、ステンレス鋼(例えば、V2A、V4A)、亜鉛メッキ鋼鉄、銅、ニッケル、クロム、または他の金属の被膜を有する電気メッキ鋼鉄が、例示される。さらに、金属の被膜を有する、または電気メッキプロセスを用いて金属化されたプラスチックおよびプラスチック部品が挙げられてもよい。これらは、本発明の意義の範囲内で、金属表面に被膜される。本発明に係るTPEの金属への材料結合、特に好ましくは、アルミニウム、銅、チタン、およびステンレス鋼への材料結合は好適である。
詳細には列挙されていないが、本発明に係る化合物の幾つかは、ガラス、セラミック、および工業用プラスチック、特に、熱可塑性物質のような他の表面に極めて良好な接着力を有する。
金属または金属表面との結合の付与および生成後、本発明のTPE化合物は、酸および/またはアルカリ溶液と接触した後に、無機および/または有機酸およびアルカリ溶液に対して、高いレベルの安定性を有し、対応する金属基材に対して引き続き極めて良好な接着力を有し、かつ膨潤挙動、硬度、破断伸びおよび引っ張り強さのような重要なパラメータについて、変化を示さないか、僅かな変化を示すだけである。この耐薬品性は、TPE化合物と金属表面との結合の生成後に後処理が生じる場合に、利点となる。化学的な後処理および/または化学物質を用いた後処理が特に挙げられる。これらは、例えば、アルミニウムのアノード酸化も含む。後処理は、腐食保護、特別な表面状態、および/または視覚的な外観を目的とする金属表面のさらなる仕上げに役立つことが多い。言うまでもないが、酸およびアルカリ溶液に対する仕上げ部分の耐性は、多くの用途において、非常に重要な利点である。例えば、TPEで作られた制御要素(ボタン)は、汗と接触するようになる。
例えば、本発明の主題はまた、押出機、密閉式混合機、混練機、好ましくは、押出機または二軸押出機を用いて、上述のTPE化合物を製造する方法である。
本発明のさらなる主題はまた、複合材料を製造する方法である。ここで、前記複合材料は、上述のTPE化合物と、金属、ガラス、セラミック、熱可塑性物質、およびこれらの混合物から選ばれる、さらなる物質とを用いて、射出成形、射出成形−インサート法、押出し成形、圧縮成形法によって、好ましくは、射出成形、射出成形−インサート法、および押出し成形を用いて、最適には、射出成形−インサート法によって、製造される。
TPE化合物の製造は、従来の混合ユニットを用いて実行される。好適なユニットは、押出機、密閉式混合機、または混練機であり得る。各化合物の個々の原料の均一な分散が保証される。押出機、特に、二軸押出機が、好適なユニットである。
本発明のTPE化合物は、優れた流動性と加工特性とを特徴とする。TPEは、複合製品を提供するために、極めて多種多様な形態で、金属表面に塗布され得る。
TPEおよび熱可塑性物質の共加工法は、硬い要素(金属または金属化された部品)と柔らかい部品(TPE化合物)との間の結合を形成するために使用され得る。射出成形、射出成形−インサート法、押出し成形、圧縮成形法が、例示として開示されてもよい。射出成形、射出成形−インサート法、および押出し成形が好ましく、射出成形−インサート法が、最適である。開示された方法の非常に重要な利点は、時間がかかり、エネルギー集約的な加硫ステップが、不要となり得ることである。
本発明を用いると種々の結合が生成されることは明らかである。最も簡単なものは、金属−TPEである。例えば、金属/TPE化合物/金属のような3以上の層の構造(サンドウィッチ構造)も作られ得る。
金属表面以外の表面、例えば、ガラス、セラミックおよび熱可塑性物質への極めて良好な接着力を部分的に得るために、結合は、二種以上の材料(金属、TPE)間に生成され得る。このような材料結合は、少なくとも2つの材料間にTPE化合物が接着成分として存在する材料結合を意味する。金属/TPE化合物/熱可塑性物質結合が、一例として開示されてもよい。
本発明は、種々の部品および仕上げ製品を製造するための本発明に係るTPE化合物の使用にも関する。種々の部品および仕上げ製品においては、金属部分または金属表面被膜を有する部分の一部または全部が、TPEで作製された弾性要素との強固な結合内に入り込んでいる。典型的な適用分野は、携帯電話、ラップトップ、PC、記憶媒体のような電子デバイスのための、部品、仕上げ部分、成形ボディ、ハウジングである。さらに、車の内装および外装のための、部品、仕上げ部分、成形ボディ、ハウジング、産業用デバイス、工具、家庭用デバイス、スポーツ用品、または時計または装飾品のような他の製品である。
そのため、本発明の主題はまた、金属、ガラス、セラミック、熱可塑性物質およびこれらの混合物を有する複合材料の製造のための上述のTPE化合物の使用である。
さらに、金属が、アルミニウム、銅、チタン、鋼鉄、およびステンレス鋼、および/またはこれらの合金から選ばれることが好ましい。
以下、本発明は、いくつかの実施例を参照して、より詳細に説明される。ここで、各実施例は、説明のためだけのものであり、本発明の保護の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
1.TPE化合物の製造
本発明に従って開発および試験されたTPE化合物の全ては、共回転スクリュー、および溶融ポンプを備える二軸押出機において製造された。スクリューの直径は27mmであり、L/D比は46である。前記押出機は、8つの温度調節可能な押出し領域を有する。前記スクリューの回転速度は、100〜800rpmの間にある。次に、水の存在下で、造粒が行われる。
2.使用した原料
極性官能基化されたTPS(A):KRATON FG 1901GT、KRATON MD 66845 GS
接着補助樹脂(B):ENDEX(登録商標)155、NORSOLENE(登録商標)W140、EASTOTAC(登録商標)H−130R
プロセスオイル(C):Shell Ondina(登録商標)941
任意的に、MAHでグラフトされた熱可塑性物質(PE):SCONA TSPE 2102GAHDS
さらなる原料を、比較例のために使用した。
官能基化されていないTPS:Kraton G 1651 ES、SEPTON 4033
熱可塑性物質(PP):Moplen(登録商標)HP 501 L
TPU:DESMOPAN(登録商標) 487
フィラー:OMYACARB(登録商標) 5 GU
上述のように、二軸押出機を用いて全ての例を製造した。以下の表1に使用された化合物の対応する重量比を示す。
Figure 2017516907
3.金属/TPE化合物結合の生成
MNT法によって前処理されたアルミニウムの金属板を、追加の処理をせずに、直接用いた。
処理されていない、アルミニウム、鋼鉄、および銅の金属板を、以下のように連続的に前処理した。
a)汚れおよび酸化層を除去するために、Scotch−Brite(商標)WR−RL研磨用原反、赤色、Art.No.61152を用いて、前記表面を研磨する。
b)アセトンで脱脂する。
前記金属板の全ては、寸法が115mm×60mm×1mmであった。射出成形−インサート法を用いて、これらの板を射出成形用具内に配置し、溶融されたTPEに浸した。ここでは、幅20mmおよび厚さ1mmを有する、中心に配置したTPE片が前記金属との結合として生成されるようにした(図1参照)。
このように生成した金属結合は、試験片として役立ち、以下の試験において、初めに、標準的な季候条件下、最小調整期間24時間での以下の試験の対象になった。同じ結合を有する試験片として少なくとも2個のサンプルを常時製造した。
4.接着力の試験
VDI 2019に基づいて、以下の条件で製造した試験片において、全ての接着力測定を行った(図1参照)。
前記TPE片の引き剥がしを金属板試験片に対して90°で行った(図2および3並びにVDI 2019を参照)。さらに、耐薬品性の試験を行った後のサンプルにおいて、接着力の測定を行った(以下の項目6を参照)。
5.さらなるパラメータの試験
さらなるパラメータの試験のために、125mm×125mm×2mmの寸法を有する表1の純粋なTPE化合物の試験板を製造した。表2に従って、硬度、密度、引っ張り強さおよび破断伸びを測定した。硬度および密度の測定を、これらの試験板および該試験板の一部において行った。引っ張り強さおよび破断伸びの測定のために、2±0.05mmの密度を有し、「純粋なTPE」試験板から打抜かれたS2試験片を、各場合において使用した。
Figure 2017516907
6.耐薬品性の試験
DIN ISO 1817に基づいて、各試験片(接着力の試験のための図1の試験片、引っ張り強さおよび破断点伸びのためのS2試験片、硬度および密度のための項目5で挙げた試験板または該試験板の一部)を、以下の化学物質に連続して曝した。

・85%リン酸に80℃で3分間
・30%硝酸に23℃で3分間
・70%硫酸に23℃で60分間
・pH10の水酸化アンモニウムに23℃で3分間
各ステップの後、蒸留水で各試験片を完全に洗浄した。全ての化学物質の作用の後、前記サンプルを、それらのパラメータについて調査した。前記パラメータに示される変化が僅かの場合、硬度(±5ShA)、破断点伸び(±20%)、引っ張り強さ(±30%)、および膨潤挙動(±2%)の場合において、前記材料は、耐薬品性であると考えられる。挙げられた試験での耐性は、以後、耐薬品性と同等視される。表3に、表1のTPE化合物の初期値を示す。表4に、耐薬品性の試験後の前記パラメータの変化を示す。挙げられたパラメータの測定に加えて、試験片を、グレースケール(DIN EN 20105−A02/ISO 150−A02)に従って、視覚的に評価した。前記試験片がグレースケールレベル4/5よりも悪くない場合、耐性を有するとした。
Figure 2017516907
Figure 2017516907
7.論考
例I、II、およびIIIは、参照例を示している。例Iの化合物は上記化学物質に対する耐性を有するが、金属に接着しない。また、低分子量用に使用される官能基化されていないTPSを交換しても、挙動は変わらない。参照化合物III、すなわち、TPUは、NMT法に従って前処理されたアルミニウムに良好に接着し、前処理の程度が低い金属への接着に乏しいが、化学物質への耐性がない。さらに、純粋なTPSは、所望のショアA硬度の上限である。本発明に係る他の例IV〜VIIの全てによって、本発明の目的が得られる。

Claims (12)

  1. (D)重量平均分子量(M)が50,000〜500,000g/molであるスチレン含有ブロックコポリマー(TPS)を含む極性官能基化されたTPEであって、カルボン酸基、無水カルボン酸基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アミン基、またはアミド基からなる群から選ばれる極性基を有する極性官能基化されたTPEと、
    (E)脂肪族合成樹脂および芳香族合成樹脂またはこれらの混合物から選ばれる、接着補助樹脂と、
    (F)プロセスオイルと、を含む、
    TPE化合物。
  2. 前記TPE化合物は、30〜90ShAのショアA硬度を有する、
    請求項1に記載のTPE化合物。
  3. 前記TPSは、A−B−Aトリブロックコポリマーである、
    請求項1または2に記載のTPE化合物。
  4. 前記トリブロックコポリマーのAブロックはポリスチレンであり、前記トリブロックコポリマーのBブロックは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、および/またはポリイソブテンから選ばれる、
    請求項3に記載のTPE化合物。
  5. 前記Aブロックにおいて、前記スチレンモノマーは、スチレン誘導体、好ましくは、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、および4−シクロヘキシルスチレン、またはビニルナフタレン誘導体、好ましくは、1−ビニルナフタレンおよび2−ビニルナフタレンで、部分的または完全に置換され得る、
    請求項4に記載のTPE化合物。
  6. 前記Bブロックは、ジエンの混合物を含み得る、
    請求項4に記載のTPE化合物。
  7. 前記Bブロックは、部分的または完全に、水素化されている、
    請求項4に記載のTPE化合物。
  8. 前記TPEは、前記極性官能基化されたTPEに対して、前記極性基のグラフト化レベルが0.5〜5.0%である、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のTPE化合物。
  9. 金属、ガラス、セラミック、熱可塑性物質、およびそれらの混合物を有する複合材料の製造のための、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のTPE化合物の使用。
  10. 前記金属は、アルミニウム、銅、チタン、鋼鉄、ステンレス鋼、および/またはこれらの合金から選ばれる、
    請求項9に記載のTPE化合物の使用。
  11. 押出機、密閉式混合機、または混練機、好ましくは、押出機または二軸押出機を用いた請求項1乃至8のいずれか1項に係るTPE化合物の製造方法。
  12. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のTPE化合物と、金属、ガラス、セラミック、熱可塑性物質およびそれらの混合物から選ばれる、さらなる物質とを用いた複合材料の製造方法であって、
    前記複合材料は、射出成形、射出成形−インサート法、押出し成形、圧縮成形法を用いて、好ましくは、射出成形、射出成形−インサート法、および押出し成形を用いて、より好ましくは、射出成形−インサート法を用いて製造される、
    複合材料の製造方法。
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