JP2017516773A - Pta産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法 - Google Patents

Pta産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法を提供する。該方法によると、圧力濾過器を利用して粗テレフタル酸を濾過し、そして、多段還流方法を利用して洗浄水を用いて酢酸溶媒を洗浄し、並びに偏流・導流手段を利用して濾液管路内の残液が圧力濾過器が回転するにつれて次の洗浄領域に流れる現象を防ぎ、洗浄効率を向上させ、洗浄水の使用量を減らすことができる。本発明において粗テレフタル酸の濾過・洗浄を一台の圧力濾過器に一体化させ、工程数を削減し、設備の占有面積を減らし、低エネルギー消費が図られる。また、母液タンク及び洗浄液タンクに窒素ガスを注入することで、システムの圧力バランスを維持することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、省エネルギーの技術分野に関し、特に、高純度テレフタル酸(以下、「PTA」と称する)産業装置の酸化ユニットにおける粗テレフタル酸(以下、「CTA」と称する)に含まれる酢酸溶媒の処理方法に関する。
PTA産業装置の酸化ユニットにおいては、反応で生成する粗テレフタル酸スラリーに大量の酢酸が含まれ、製造プロセスに対応するためにはPTAの精製に先立って粗テレフタル酸に含まれる酢酸を除去する必要がある。現在、PTAの大量製造に「遠心機や真空濾過器による濾過+蒸気管回転乾燥」といった技術が一般に採用され、該製造プロセスは、主に濾過、乾燥の2段階に分かれて行われる。
図1に示すように、該製造プロセスにおいて、まず、反応で生成し且つ大量の酢酸を含む粗テレフタル酸スラリーをスラリーポンプの作用下で遠心機又は真空濾過器に供給する。遠心機又は真空濾過器ではスラリーに含まれる一部の酢酸が分離され、得られた粗テレフタル酸の濾過ケークは蒸気管回転乾燥機に供給され、蒸気の作用下で間接的に加熱して乾燥させ、乾燥手段によって粗テレフタル酸に含まれる酢酸を更に除去する。そして、乾燥済みの粗テレフタル酸は、処理水を用いてスラリー化した後に精製ユニットに供給される。
しかしながら、上述の製造プロセスは以下の技術的な課題がある。
1)処理工程が複雑であり、必要とされる設備が多い。
該技術によると、濾過と乾燥がそれぞれ真空濾過器、蒸気管回転乾燥機、洗浄塔等の異なる設備で行われ、加えて空気ブロワ―、ポンプ、バルブ等の複数の付属設備と管材を必要とし、処理工程が複雑であり、操作も煩雑になっており、設備故障率及び安全面での不安事項が多い。
2)設備投入に莫大な費用が掛かり、設備の占有面積が大きい。
該技術によると、種々の設備が使われ、設備投入に莫大な費用が掛かる。例えば、粗テレフタル酸の粘性が高く、真空濾過器のフィルターを頻繁に洗浄、又は交換する必要がある。したがって、産業規模の製造装置としては一台の真空濾過器を稼動させ、他の一台の真空濾過器を待機させる必要があり、圧力濾過器の投資が更に増えることとなる。また、蒸気管回転乾燥機は体積が大きく、付属の圧力濾過器も複数あるため、設備の占有面積が大きい。
3)エネルギー消費が高い。
該技術において、遠心機又は真空濾過器、蒸気管回転乾燥機、ポンプ、空気ブロワ―等の設備が使われ、これらによって大量の電気エネルギーが消費される。蒸気管回転乾燥機は、蒸気の潜熱を利用して粗テレフタル酸に含まれる酢酸を蒸発させ、該処理過程で大量の蒸気が使われ、大量の熱エネルギーが消費される。乾燥排ガスには酢酸が含まれており、大量の洗浄水で洗浄する必要がある。また、乾燥済みの粗テレフタル酸には水分量が極めて低く、大量の処理水を用いてスラリー化する必要がある。したがって、該技術を利用する場合、エネルギー消費と水使用量が高いといった欠点がある。
真空遠心機、乾燥機、洗浄塔及び粉体タンク等の複数の設備で構成される従来の製造装置に換えて、現在、一体化設備・圧力濾過器が利用されつつある。例えば、中国特許出願公開公報第CN102476994A号に記載の方法は、圧力濾過器を利用して粗テレフタル酸の懸濁液に対して一次濾過を行った後、新鮮な水で粗テレフタル酸を数回に分けて繰返し洗浄することで粗テレフタル酸に含まれる酢酸を置換し、酢酸を除去する目的を達成するものである。
ところで、圧力濾過器は実際稼動の過程において、図2に示すように、前の洗浄液が濾液管路を介して次の洗浄領域に流れる現象が起こり、次の洗浄液の濃度が高くなり、洗浄時の洗浄効率が大幅に低下する。そこで、製品要求を満たすために、洗浄水の使用量を増やさざるを得ない。また、圧力濾過器は複数のチャンバーに区切られ、洗浄が進行するにつれて濾過ケーク中の酢酸含有量が変化し、その結果、各チャンバーの圧力も次第に変化する。この状態で長期間に亘って連続稼動すると、チャンバー同士の密封状態を維持できなくなり、洗浄液がチャンバーの間で往復流動することになる。
上述の問題に鑑み、本発明は、酢酸の除去率を高めるため、PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係るPTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法は、以下の工程を含む。
工程S100:PTA産業装置の酸化ユニットに由来し且つ圧力を有する酢酸CTAスラリーを圧力濾過器の濾過領域に供給し、CTAスラリーに含まれる固体粒子と酢酸を分離してCTA濾過ケーク、分離済みの母液及び濾液管路内の残液を形成し、そして、分離済みの母液を母液タンクに供給すると同時に、濾液管路内の残液を前記母液タンクに偏流させる。
工程S200:前記圧力濾過器が回転するにつれて、CTA濾過ケークを順に複数の洗浄領域に通過させて洗浄を行い、このとき、最後の洗浄領域以外の各洗浄領域はそれぞれ1つの洗浄タンクに対応して連結され、各洗浄液タンクは洗浄液をそれぞれ対応する洗浄領域に供給してCTA濾過ケークを洗浄し、最後の洗浄領域において新鮮な処理水を洗浄液とし、他の各洗浄領域では次の洗浄で使われる洗浄液を前の洗浄液タンクに還流させる多段還流洗浄方式を採用し、並びに、各洗浄段階において各濾液管路内の残液を対応するタンクに偏流させる。
工程S300:前記圧力濾過器が回転するにつれて、数回洗浄が行われたCTA濾過ケークを吐出領域に移行させ、そして、窒素ガスと向流接触させ、並びに重力作用を利用して吐出領域内のCTA濾過ケークをスラリー化タンクに移行させ、外部からの処理水と混合してスラリー化し、並びに、CTA濾過ケークが吐出領域に移行する際には、各濾液管路内の残液を1つの濾液タンクに導入し、更に後部から2番目の洗浄領域に連結されている洗浄液タンクに導入する。
上記PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法については、第1洗浄領域が1つの回収用洗浄液タンクに連結され、前記工程S200では、該回収用洗浄液タンクを用いて第1洗浄時の洗浄液を回収する。
上記PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法については、前記母液タンク及び各洗浄液タンクにそれぞれ圧力制御機構が設けられ、タンク内の圧力が所定の圧力を超えると、該タンクに設けられている圧力制御機構を利用して該タンク内の一部ガスを抜き出し、タンク内の圧力が所定の圧力を下回ると、該タンクに設けられている圧力制御機構を利用して窒素ガスを該タンクに注入する。
上記PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法については、更に、母液タンク及び各洗浄液タンクに窒素ガスを注入してシステム全体の圧力バランスを維持する工程を含む。
上記PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法によると、前記工程S100において、圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで濾液管路内の残液を母液タンクに偏流させる。
上記PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法によると、前記工程S200において、圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで各濾液管路内の残液を対応する洗浄液タンクに偏流させる。
上記PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法によると、前記工程S300において、圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで濾液管路内の残液を濾液タンクに導入する。
上記PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法によると、前記工程S300において、ポンプの作用下で濾液タンク内の洗浄液を、後部から2番目の洗浄領域に連結されている洗浄液タンク内に導入する。
本発明は、従来の技術に比べて以下の優勢がある。すなわち、本発明は、偏流・導流手段を採用して濾液管路内の残液を対応する洗浄液タンクに還流させ、前の洗浄液が次の洗浄領域に流れることなく、次の洗浄への影響を回避することができる。偏流・導流手段を採用することで、洗浄作業が理想に近づいた状態で行われ、洗浄効率の向上が図られる。また、導流手段を利用して洗浄液残液を単独に分離し、前段階の洗浄液を使い続けることができるので、洗浄液の使用量が減り、コスト削減に繋がる。
また、本発明は、窒素ガスを利用して母液タンク及び洗浄液タンク内の圧力を調整し、システムの圧力バランスを調整することができる。このような圧力調整法は便利であり、精度も高く、チャンバー同士の密封状態を維持できると同時に、洗浄液がチャンバーの間で往復流動する問題を解決することができる。
従来の粗テレフタル酸の遠心分離又は真空濾過システムを示す概略図である。 偏流手段を有さない従来の粗テレフタル酸の多段還流洗浄を示す概略図である。 本発明の工程を示す概略図である。 本発明の工程を示すブロック図である。 本発明の粗テレフタル酸の多段還流洗浄を示す概略図である。 本発明の偏流及び導流後の粗テレフタル酸の多段還流洗浄を示す模式図である。 図3の圧力濾過器の模式図である。 図7のコントロールヘッドの外観図である。
以下、本発明の目的、技術及び効果をより深く理解できるように、図面及び具体的な実施形態を参照しながら本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに制限されない。
図3〜図6に示すように、本発明の一実施形態によると、PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法は以下の工程a〜工程fを含む。
工程a:反応で生成した35%未満のTA固体、60%未満の酢酸を含む粗テレフタル酸スラリーを、0.3MPG〜0.6MPGの圧力下で圧力濾過器1の濾過領域に供給し、スラリーに含まれるTA固体粒子と酢酸を圧力濾過器1が回転するにつれて徐々に分離してCTA濾過ケークを形成し、分離済みの母液を圧力濾過器1のコントロールヘッドを介して母液タンク2に導入する。
工程b:濾過で形成した濾過ケークを圧力濾過器1が回転するにつれて第1洗浄領域に供給すると同時に、第1洗浄液循環ポンプ5を利用して第1洗浄液タンク4内の洗浄液を0.3〜0.6MPaGに加圧し、そして、第1洗浄領域に供給して濾過ケークを繰返し洗浄し(すなわち、第1洗浄)、第1洗浄を終えた濾過ケークを圧力濾過器1が回転するにつれて第2洗浄領域に供給し、洗浄後の第1洗浄液をコントロールヘッドによって配分して回収用洗浄液タンク3に導入する。
工程c:第2洗浄液循環ポンプ7を利用して第2洗浄液タンク6内の洗浄液を0.3〜0.6MPaGに加圧し、そして、第2洗浄領域に供給して第1洗浄後の濾過ケークを繰返し洗浄し(すなわち、第2洗浄)、第2洗浄を終えた濾過ケークを圧力濾過器1が回転するにつれて第3洗浄領域に供給し、洗浄後の第2洗浄液をコントロールヘッドによって配分して第1洗浄液タンク4に導入する。
工程d:第3洗浄液循環ポンプ9を利用して第3洗浄液タンク8内の洗浄液を0.3〜0.6MPaGに加圧し、そして、第3洗浄領域に供給して第2洗浄後の濾過ケークを繰返し洗浄し(すなわち、第3洗浄)、第3洗浄を終えた濾過ケークを圧力濾過器1が回転するにつれて第4洗浄領域に供給し、洗浄後の第3洗浄液をコントロールヘッドによって配分して第2洗浄液タンク6に導入する。
工程e:第4洗浄液循環ポンプ11を利用して第4洗浄液タンク10内の洗浄液を0.3〜0.6MPaGに加圧し、そして、第4洗浄領域に供給して第3洗浄後の濾過ケークを繰返し洗浄し(すなわち、第4洗浄)、第4洗浄を終えた濾過ケークを圧力濾過器1が回転するにつれて第5洗浄領域に供給し、洗浄後の第4洗浄液をコントロールヘッドによって配分して第3洗浄液タンク8に導入する。
工程f:外部からの90〜100℃の処理水を圧力濾過器1の第5洗浄領域に供給し、第4洗浄を終えた濾過ケークを更に洗浄することで(すなわち、第5洗浄)、粗テレフタル酸に含まれる酢酸を除去する。洗浄後の第5洗浄液をコントロールヘッドによって配分して第4洗浄液タンク10に供給し、第5洗浄を終えた濾過ケークを圧力濾過器1が回転するにつれて吐出領域に移行させ、窒素ガス(0.1〜0.3MPaG)と向流接触させ、並びに重力作用を利用してスラリー化タンク12に供給し、外部からの処理水と混合してスラリー化する。
上記工程において偏流処理がないと、粗テレフタル酸の濾過・洗浄時に濾液管路内の残液は圧力濾過器1が回転するにつれて次の洗浄領域に流れ、順に濾過領域−第1洗浄領域−第2洗浄領域−第3洗浄領域−第4洗浄領域−第5洗浄領域−吐出領域を通過することとなる。このような状況を避けるため、本発明では圧力濾過器1の各領域の間に偏流手段を設け、濾液管路内の残液を順に第5洗浄領域−第4洗浄領域−第3洗浄領域−第2洗浄領域−第1洗浄領域−濾過領域に偏流させ、偏流によって前記濾液管路内の残液を対応する領域に還流させる(図6を参照)。そこで、本発明は、上記工程aにおいて濾液管路内の残液を母液タンクに偏流させる工程を更に含み、上記工程b、工程c、工程d及び工程eにおいて各洗浄段階での濾液管路内の残液を対応する洗浄液タンクに偏流させる工程を含む。また、上記工程fにおいて、CTA濾過ケークが吐出領域へ移行する段階で濾液管路内の残液を濾液タンク13に導入し、その後、後部から2番目の洗浄領域に連結されている洗浄液タンク(すなわち、第4洗浄液タンク10)に導入する工程を更に含み、好ましくは、ポンプ14(該ポンプは、その役割から「導流循環ポンプ」とも称される)の作用下で濾液タンク内の洗浄液を第4洗浄液タンク10に導入する。
圧力濾過器は、複数のチャンバー、濾過領域、第1洗浄チャンバー〜第5洗浄チャンバーに区切られているため、洗浄が進行するにつれて濾過ケークに含まれる酢酸量が変化し、各チャンバーの圧力も次第に変化する。故に、長期間に亘って連続稼動する際には、チャンバー同士の密封状態を維持することが困難であり、洗浄液がチャンバーの間で往復流動することになる。このような状況を避けるため、本発明において窒素ガスを用いて圧力濾過器、母液タンク及び各洗浄液タンク内の圧力を調整し、各チャンバー内の圧力をほぼ同じレベルになるようにする。そこで、本発明は、母液タンク及び各洗浄液タンクに0.3〜0.6MPaGの窒素ガスを注入する工程を更に含み、窒素ガスを用いて母液タンク及び洗浄液タンクの圧力を調整し、システム全体の圧力バランスを維持できるようにする。また、母液タンク及び各洗浄液タンクにそれぞれ圧力制御機構が設けられ、タンク内の圧力が所定の圧力を超えると、該タンクに設けられた圧力制御機構を利用して該タンク内の一部ガスを放出し、タンク内の圧力が所定の圧力を下回ると、該タンクに設けられた圧力制御機構を利用して一定量の窒素ガスを該タンク内に注入し、システム全体の圧力バランスを維持する。
本発明は、圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで偏流と排液を実現する構成になっている。すなわち、圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで、濾液管路内の残液を母液タンクに偏流させ、且つ圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで、各洗浄段階における濾液管路内の残液を対応する洗浄液タンクに偏流させる。更に、圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで、濾液管路内の残液を濾液タンクに導入する。
図7及び図8に示すように、本発明の圧力濾過器1は、筐体18及びコントロールヘッド23を備える。筐体18は、仕切り板A21、仕切り板B25、仕切り板C30、仕切り板D35、仕切り板E40、仕切り板F44及び仕切り板G48によって供給領域19、第1洗浄チャンバー24、第2洗浄チャンバー27、第3洗浄チャンバー33、第4洗浄チャンバー37、第5洗浄チャンバー42及び吐出領域II46に区切られる。コントロールヘッド23は、仕切り板a22、仕切り板b28、仕切り板c31、仕切り板d36、仕切り板e39、仕切り板f43及び仕切り板g47によって母液チャンバー20、第1濾液チャンバー26、第2濾液チャンバー29、第3濾液チャンバー32、第4濾液チャンバー38、第5濾液チャンバー41及び吐出領域I45に区切られる。仕切り板A21、仕切り板B25、仕切り板C30、仕切り板D35、仕切り板E40、仕切り板F44及び仕切り板G48は、それぞれ仕切り板a22、仕切り板b28、仕切り板c31、仕切り板d36、仕切り板e39、仕切り板f43及び仕切り板g47と1対1に対応して設けられる。コントロールヘッド23に調整板49が設けられ、第5濾液チャンバー41の末端に導入口50が設けられ、第1洗浄チャンバー24、第2洗浄チャンバー27、第3洗浄チャンバー33、第4洗浄チャンバー37及び第5洗浄チャンバー42は、それぞれ濾液管路34を介して第1濾液チャンバー26、第2濾液チャンバー29、第3濾液チャンバー32、第4濾液チャンバー38及び第5濾液チャンバー41と1対1に対応して連結される。
濾液管路内の残液を母液タンクに偏流させるため、コントロールヘッド23の仕切り板a22を筐体18の対応する仕切り板A21より前向きに角度θ1となるように調整することができ、よって、回転筒が角度θ1まで回転する時間を目処に母液残液を対応する母液チャンバー20に導入する。母液チャンバー20は、配管を介して母液タンク2に連結される。
第1洗浄後の濾液管路内の残液を第1洗浄液タンク4に偏流させるため、第1濾液チャンバー26と第2濾液チャンバー29との間にある仕切り板b28の位置を、筐体18の対応する仕切り板B25より前向きに角度θ2となるように調整することができ、よって、回転筒が角度θ2まで回転する時間を目処に第1濾液残液を対応する第1濾液チャンバー26に導入する。第1濾液チャンバー26は、配管を介して第1洗浄液タンク4に連結される。
第2洗浄後の濾液管路内の残液を第2洗浄液タンク6に偏流させるため、第2濾液チャンバー29と第3濾液チャンバー32との間にある仕切り板c31の位置を、筐体18の対応する仕切り板C30より前向きに角度θ3となるように調整することができ、よって、回転筒が角度θ3まで回転する時間を目処に第2濾液残液を対応する第2濾液チャンバー29に導入する。第2濾液チャンバー29は、配管を介して第2洗浄液タンク6に連結される。
第3洗浄後の濾液管路内の残液を第3洗浄液タンク8にさせるため、第3濾液チャンバー32と第4濾液チャンバー38との間にある仕切り板d36の位置を、筐体18の対応する仕切り板D35より前向きに角度θ4となるように調整することができ、よって、回転筒が角度θ4まで回転する時間を目処に第3濾液残液を対応する第3濾液チャンバー32に導入する。第3濾液チャンバー32は、配管を介して第3洗浄液タンク8に連結される。
第4洗浄後の濾液管路内の残液を第4洗浄液タンク10に偏流させるため、第4濾液チャンバー38と第5濾液チャンバー41との間にある仕切り板d39の位置を、筐体18の対応する仕切り板E40より前向きに角度θ5となるように調整することができ、よって、回転筒が角度θ5まで回転する時間を目処に第4濾液残液を対応する第4濾液チャンバー38に導入する。第4濾液チャンバー38は、配管を介して第4洗浄液タンク10に連結される。
第5洗浄後の濾液管路内の残液を濾液タンク13に導入するため、第5濾液チャンバー42と吐出領域I45との間にある仕切り板f43の位置を調整し、よって、仕切り板f43と筐体18の仕切り板F40とを対応させる。そして、吸込セットを利用して残液を濾液管路の導入口50から濾液タンク13に導入し、濾液タンク13に連結されている排液循環ポンプ14を利用して第4濾液タンク10に導入する。
第5洗浄が終わると、濾過ケークを回転筒が回転するにつれて筐体18の吐出領域II46に移行させる。同時に、コントロールヘッド23の吐出領域I45から吐出気流を導入して濾過ケークと向流接触させることにより、濾過ケークをスラリー化タンク12に押込んでスラリー化し、得られるスラリーを排出する。
以上は本発明を例示したに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、本発明の趣旨から逸脱しない限り、本発明に対して種々の変形と変更を施すことが可能であり、これらの変形と変更も本発明の範囲に含まれる。
本発明は、偏流と導流手段を利用して濾液管路内の残液を対応する洗浄液タンクに還流させ、洗浄液が次の洗浄領域に入ることなく、次の洗浄への影響を避け、洗浄効率の向上が図られる。また、導流手段を利用して洗浄液残液を単独に分離し、更に洗浄液として使い続けることで洗浄液の使用量が減り、コスト削減に繋がる。更に、本発明において窒素ガスを用いて圧力濾過器、母液タンク及び洗浄液タンク内の圧力を調整し、システム内の圧力バランスを維持できるようにする。このような圧力調整法は便利であり、精度も高く、チャンバー同士の密封状態を維持することができ、洗浄液がチャンバーの間で往復流動する問題を解決することができる。
1 圧力濾過器
2 母液タンク
3 回収用洗浄液タンク
4 第1洗浄液タンク
5 第1洗浄液循環ポンプ
6 第2洗浄液タンク
7 第2洗浄液循環ポンプ
8 第3洗浄液タンク
9 第3洗浄液循環ポンプ
10 第4洗浄液タンク
11 第4洗浄液循環ポンプ
12 スラリー化タンク
13 濾液タンク
14 導流液循環ポンプ
18 筐体
19 供給領域
20 母液チャンバー
21 仕切り板A
22 仕切り板B
23 コントロールヘッド
24 第1洗浄チャンバー
25 仕切り板B
26 第1濾液チャンバー
27 第2洗浄チャンバー
28 仕切り板b
29 第2濾液チャンバー
30 仕切り板C
31 仕切り板c
32 第3濾液チャンバー
33 第3洗浄チャンバー
34 濾液管路
35 仕切り板D
36 仕切り板d
37 第4洗浄チャンバー
38 第4濾液チャンバー
39 仕切り板e
40 仕切り板E
41 第5濾液チャンバー
42 第5洗浄チャンバー
43 仕切り板f
44 仕切り板F
45 吐出領域I
46 吐出領域II
47 仕切り板g
48 仕切り板G
49 調整板
50 導入口

Claims (8)

  1. PTA産業装置の酸化ユニットにおける酢酸溶媒の処理方法であって、
    PTA産業装置の酸化ユニットに由来し且つ圧力を有する酢酸CTAスラリーを圧力濾過器の濾過領域に供給し、CTAスラリーに含まれる固体粒子と酢酸を分離してCTA濾過ケーク、分離済みの母液及び濾液管路内の残液を形成し、そして、分離済みの母液を母液タンクに供給すると同時に、濾液管路内の残液を前記母液タンクに偏流させる工程S100と、
    前記圧力濾過器が回転するにつれて、CTA濾過ケークを順に複数の洗浄領域に通過させて洗浄を行い、このとき、最後の洗浄領域以外の各洗浄領域はそれぞれ1つの洗浄タンクに対応して連結され、各洗浄液タンクは洗浄液をそれぞれ対応する洗浄領域に供給してCTA濾過ケークを洗浄し、最後の洗浄領域において新鮮な処理水を洗浄液とし、他の各洗浄領域においては次の洗浄で使われる洗浄液を前の洗浄液タンクに還流させる多段還流洗浄方式を採用し、並びに、各洗浄段階において各濾液管路内の残液を対応するタンクに偏流させる工程S200と、
    前記圧力濾過器が回転するにつれて、数回洗浄が行われたCTA濾過ケークを吐出領域に移行させ、そして、窒素ガスと向流接触させ、並びに重力作用を利用して吐出領域内のCTA濾過ケークをスラリー化タンクに移行させ、外部からの処理水と混合してスラリー化し、並びに、CTA濾過ケークが吐出領域に移行する際には、各濾液管路内の残液を1つの濾液タンクに導入し、更に後部から2番目の洗浄領域に連結されている洗浄液タンクに導入する工程S300と
    を備えることを特徴とする、処理方法。
  2. 前記第1洗浄領域は1つの回収用洗浄液タンクに連結され、前記工程S200において、該回収用洗浄液タンクを用いて第1洗浄時の洗浄液を回収する工程を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記母液タンク及び各洗浄液タンクに窒素ガスを注入してシステム全体の圧力バランスを維持する工程を更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の処理方法。
  4. 前記母液タンク及び各洗浄液タンクにそれぞれ圧力制御機構が設けられ、タンク内の圧力が所定の圧力を超えると、該タンクに設けられている圧力制御機構を利用して該タンク内の一部ガスを抜き出し、タンク内の圧力が所定の圧力を下回ると、該タンクに設けられている圧力制御機構を利用して窒素ガスを該タンク内に注入することを特徴とする、請求項3に記載の処理方法。
  5. 前記工程S100において、圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで、母液を母液タンクに導入し、同時に濾液管路内の残液を母液タンクに偏流させることを特徴とする、請求項1に記載の処理方法。
  6. 前記工程S200において、圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで、各濾液管路内の残液を対応する洗浄液タンクに偏流させることを特徴とする、請求項1に記載の処理方法。
  7. 前記工程S300において、圧力濾過器のコントロールヘッド内にある仕切り板の位置を調整することで、濾液管路内の残液を濾液タンクに導入することを特徴とする、請求項1に記載の処理方法。
  8. 前記工程S300において、ポンプの作用下で濾液タンク内の洗浄液を、後部から2番目の洗浄領域に連結されている洗浄液タンク内に導入することを特徴とする、請求項1に記載の処理方法。
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