JP2017516466A - 黄龍病を検出するための組成物および方法 - Google Patents

黄龍病を検出するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、カンキツ類樹木および昆虫において黄龍病(HLB)を検出する組成物および方法に関する。一態様において、本発明は、カンキツ類果樹園における黄龍病(HLB)感染を検出する方法であって、カンキツ類果樹園から得られた生物学的サンプルから抽出物を得る工程と、抽出物を、Candidatus核酸分子の等温増幅が可能な条件下において、ニッキング酵素、dNTPおよびポリメラーゼの存在下でCandidatus核酸分子と特異的に結合するフォワードプライマーおよびリバースプライマーと接触させる工程と、抽出物中のCandidatusアンプリコンを検出する工程とを含む、方法を提供する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年4月30日に出願の米国特許仮出願第61/986,587号の優先権を主張する。
本出願の全ての内容を、本明細書において参照により本明細書に組み込む。
カンキツグリーニング病としても知られている、黄龍病(HLB)は、カンキツ類樹木の致死的病害である。罹患した樹木は、斑葉、不十分な発根により特徴づけられ、適当に熟さない硬く、奇形の果物を少ししか産生しない。HLBに感染した樹木は、数年以内に枯れる。HLBは、昆虫、ミカンキジラミにより拡散される。HLBを保有している昆虫は、健康な樹木を餌にし、HLBを引き起こす原因となる細菌を伝播させる。感染した樹木は、他のカンキツ類樹木を保護するために除去されなければならない。病害は、培養することができない師部局在性細菌により引き起こされる。
HLBは、それが発生する地域におけるカンキツ類の生産をおびやかすカンキツ類の壊滅的な病害である。HLBは、アジア、アフリカ、インド亜大陸、およびアラビア半島、ブラジル、アメリカ合衆国南部、ならびに最近になってカリフォルニアにおいて同定されてきた。現在まで、病害の防除は、感染したカンキツ類植物の根絶および浸透殺虫薬による媒介動物の防除に限られてきた。HLBの管理は、罹患したカンキツ類樹木を同定できる決定的な試験がないことによって深刻に阻まれてきた。HLB感染樹木および昆虫を同定することの導入が、緊急に必要である。
下記の通り、本発明は、カンキツ類樹木および昆虫において黄龍病(HLB)を検出する組成物および方法に関する。
一態様において、本発明は、カンキツ類果樹園における黄龍病(HLB)感染を検出する方法であって、カンキツ類果樹園から得られた生物学的サンプルから抽出物を得る工程と、抽出物を、Candidatus核酸分子の等温増幅が可能な条件下において、ニッキング酵素、デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)およびポリメラーゼの存在下でCandidatus核酸分子と特異的に結合するフォワードプライマーおよびリバースプライマーと接触させる工程と、抽出物中のCandidatusアンプリコンを検出する工程とを含み、Candidatusアンプリコンの存在が、カンキツ類果樹園におけるHLB感染を検出し、アンプリコンの非検出が、カンキツ類果樹園におけるHLB感染の非存在を示す、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、カンキツ類サンプルにおけるHLB感染を検出する方法であって、カンキツ類抽出物を、Candidatus核酸分子の等温増幅が可能な条件下において、ニッキング酵素、dNTPおよびポリメラーゼの存在下でCandidatus核酸分子と特異的に結合するフォワードプライマーおよびリバースプライマーと接触させる工程と、Candidatusアンプリコンの有無を検出する工程とを含み、Candidatusアンプリコンの存在が、カンキツ類サンプルにおけるHLB感染を検出し、Candidatusアンプリコンの非存在が、カンキツ類サンプルにおけるHLB感染の非存在を示す、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、昆虫におけるHLB感染を検出する方法であって、昆虫抽出物を、HLB核酸分子の等温増幅が可能な条件下において、ニッキング酵素、dNTPおよびポリメラーゼの存在下でCandidatus核酸分子と特異的に結合するフォワードプライマーおよびリバースプライマーと接触させる工程と、Candidatusアンプリコンを検出する工程とを含み、Candidatusアンプリコンの存在が、HLB感染を検出し、Candidatusアンプリコンの非存在が、昆虫におけるHLB感染の非存在を示す、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、植物または昆虫においてHLBを検出する方法であって、植物または昆虫から核酸分子を抽出する工程と、抽出物を、Nt.BstNBI(NEB)ニッキング酵素、dNTPおよびBst DNAポリメラーゼIの存在下で以下の配列:
5’ GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’および
5’TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
をそれぞれ有するフォワードプライマーおよびリバースプライマーと少なくとも約10分間接触させる工程と、Liberibacter asiaticusアンプリコンの有無を検出する工程とを含み、Liberibacter asiaticusアンプリコンの存在が、植物または昆虫におけるHLB感染を同定し、Liberibacter asiaticusアンプリコンの非存在が、植物または昆虫におけるHLB感染の非存在を同定する、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、核酸配列:
5’GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’または
5’TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
を含有するプライマーを提供する。
別の態様において、本発明は、
核酸配列:
5’ GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’
を含有するフォワードプライマーと、
核酸配列:
5’ TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
を含有するリバースプライマーとを含む、一対のプライマーを提供する。
別の態様において、本発明は、
核酸配列:
5’CACGCA-MeOG-C-MeOA-G-MeOA-C-MeOG-G-MeOG-MeOU-G-MeOA-G-MeOU-A-MeOA-C-MeOG-TGCGTG 3’
を含有するプローブを提供する。
別の態様において、本発明は、
核酸配列:
5’ GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’
を含有するフォワードプライマーと、
核酸配列:
5’ TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
を含有するリバースプライマーと、
核酸配列:
5’CACGCA-MeOG-C-MeOA-G-MeOA-C-MeOG-G-MeOG-MeOU-G-MeOA-G-MeOU-A-MeOA-C-MeOG-TGCGTG 3’
を含有する検出可能なプローブとを含む、プライマーおよびプローブの組合せを提供する。
別の態様において、本発明は、
核酸配列:
5’ GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’
を含有するフォワードプライマーと、
核酸配列:
5’ TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
を含有するリバースプライマーと、
核酸配列:
5’CACGCA-MeOG-C-MeOA-G-MeOA-C-MeOG-G-MeOG-MeOU-G-MeOA-G-MeOU-A-MeOA-C-MeOG-TGCGTG 3’
を含有する検出可能なプローブとを含有する、キットを提供する。特定の実施形態において、キットは、ニッキング酵素、デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)(例えば、dATP、dCTP、dGTP、dTTP)およびポリメラーゼのうちの1つ以上を含む。
図1は、HLB核酸分子の増幅および検出に使用するプライマーオリゴヌクレオチドおよび分子ビーコンプローブの配列である。 図2は、典型的なHLBアッセイ、およびキジラミまたは葉柄から抽出したHLBアンプリコンの検出結果を示す図である。 図3は、AmpliFireまたはqPCR装置で得られたHLBアッセイ結果を示す図である。 図4は、キジラミからHLBポリヌクレオチドを抽出するアッセイ手順を示す図である。 図5は、葉柄からHLBポリヌクレオチドを抽出するアッセイ手順を示す図である。 図6は、HLB手順において使用した様々な試薬の量を示す図である。
本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、カンキツ類果樹園は、スウィートオレンジ、ダイダイ、マンダリン、キンカン、タンジェリン、タンジェロ、レモン、ライム、グレープフルーツ、ブンタン、メキシカンライムまたはコブミカンのうちの1つ以上を含有する。本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、生物学的サンプルは、植物、昆虫もしくは植物および昆虫材料であるかまたはそれらを含有する。様々な実施形態において、サンプルは、主葉脈、葉柄、葉身、樹皮または果物組織のうちの1つ以上である。様々な実施形態において、果実組織は、果肉(例えば、オレンジ果肉)、果汁(例えば、オレンジ果汁)、じょうのう膜、中隔、内果皮、果柄、中心軸および果皮であるかまたはそれらを含有する。本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、カンキツ類サンプルは、スウィートオレンジ、ダイダイ、マンダリン、キンカン、タンジェリン、タンジェロ、レモン、ライム、グレープフルーツ、ブンタン、メキシカンライムまたはコブミカンのうちの1つ以上であるかまたはそれらを含有する。
本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、昆虫は、Diaphorina citriを含めたキジラミである。様々な実施形態において、昆虫は、昆虫卵、若虫または成虫である。
本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、Candidatus細菌は、Candidatus Liberibacter asiaticus、Candidatus Liberibacter africanusまたはCandidatus Liberibacter americanusのうちの1つ以上である。
本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、フォワードプライマーおよびリバースプライマーは、以下の配列:
5’GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’および
5’TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
をそれぞれ含有する。
本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、増幅は以下の配列:
5’ CACGCA-MeOG-C-MeOA-G-MeOA-C-MeOG-G-MeOG-MeOU-G-MeOA-G-MeOU-A-MeOA-C-MeOG-TGCGTG 3’.
を含有するプローブを使用して検出される。
本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、ニッキング酵素は、N.Bst9I、N.BstSEI、Nb.BbvCI(NEB)、Nb.Bpu10I(Fermentas)、Nb.BsmI(NEB)、Nb.BsrDI(NEB)、Nb.BtsI(NEB)、Nt.AlwI(NEB)、Nt.BbvCI(NEB)、Nt.Bpu10I(Fermentas)、Nt.BsmAI、Nt.BspD6I、Nt.BspQI(NEB)、Nt.BstNBI(NEB)およびNt.CviPII(NEB)のうちの1つ以上である。
本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、ポリメラーゼは、Bst DNAポリメラーゼIまたはGst DNAポリメラーゼIである。
本明細書において詳細に記述されるあらゆる態様の様々な実施形態において、本発明の方法は、HLBの存在についてカンキツ類果樹園または他の領域を監視するために定期的に使用される。様々な実施形態において、監視は3、6、9または12カ月毎に行われる。
本発明は、HLB感染した樹木および昆虫の同定を提供する。本発明により定義される組成物および物は、単離された、あるいは以下に提供する例に関連して製造された。本発明の他の特徴および優位性は、詳細な説明および請求項から明らかになる。
(定義)
別段の規定がない限り、本明細書において使用される専門的および科学的用語の全ては、この発明が属する技術に熟達した者によって一般によく理解される意味を有する。以下の参照文献は、この発明において使用される多数の用語の一般的な定義を当業者に提供する:Singletonら、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(第2版、1994年);The Cambridge Dictionary of Science and Technology(Walker編、1988年);The Glossary of Genetics、第5版、R.Riegerら(編)、Springer Verlag(1991年);ならびにHaleおよびMarham、The Harper Collins Dictionaly of Biology(1991年)。本明細書で使用されるように、以下の用語は、特に明記しない限り、以下に帰する意味を有する。
「アンプリコン」は、目的とする標的ポリヌクレオチドの増幅の間に生成されるポリヌクレオチドを意味する。
「塩基置換」は、相補的なヌクレオチド鎖同士のハイブリダイゼーションに有意な破壊を生じない核酸塩基重合体の置換基を意味する。
「相補的な」または「相補性」は、核酸が、従来のワトソン−クリックまたはフーグスティーン型塩基対形成のいずれかにより別の核酸配列と水素結合を形成できることを意味する。相補的な塩基対形成は、G−CおよびA−T塩基対形成を含むだけでなく、ユニバーサル塩基、例えばイノシンを含む塩基対形成も含む。パーセント相補性は、第2の核酸配列と水素結合を形成する(例えば、ワトソン−クリック型塩基対形成)ことができる核酸分子中で隣接する残基のパーセンテージを示す(例えば、第1のオリゴヌクレオチド中の合計10ヌクレオチドのうち5、6、7、8、9または10ヌクレオチドが、10ヌクレオチドを有する第2の核酸配列に対して塩基対形成することは、それぞれ50%、60%、70%、80%、90%、および100%相補的であることを表す)。パーセント相補性が、少なくとも特定のパーセンテージのものであることを決定するために、第2の核酸配列と水素結合を形成する(例えば、ワトソン−クリック型塩基対形成)ことができる核酸分子中で隣接する残基のパーセンテージを算出し、最も近い整数に切り下げる(例えば、第1のオリゴヌクレオチド中の合計23ヌクレオチドのうち12、13、14、15、16または17ヌクレオチドが、23ヌクレオチドを有する第2の核酸配列に対して塩基対形成することは、それぞれ52%、57%、61%、65%、70%、および74%を表し;それぞれ少なくとも50%、50%、60%、60%、70%、ならびに70%相補性を有する)。本明細書においては、「実質的に相補的な」とは、生物学的条件下でハイブリダイズできるような鎖相互間の相補性のことを指す。実質的に相補的な配列は、60%、70%、80%、90%、95%、またはさらに100%相補性を有する。加えて、核酸配列を検討することにより2本の鎖が生物学的条件下でハイブリダイズできるかどうかを決定する技術は、当業者に周知である。
本明細書で使用されるように、「二本鎖」とは、2本の一本鎖核酸の相互作用により形成される二重らせん構造のことを指す。二本鎖は、塩基のペアワイズ水素結合、すなわち、互いに対して逆平行に向けられた2本の一本鎖核酸の間の「塩基対形成」により一般に形成される。二本鎖における塩基対形成は、ワトソン−クリック型塩基対形成によって一般に生じ、例えば、DNAおよびRNAにおいてグアニン(G)はシトシン(C)と塩基対を形成し、DNAにおいてアデニン(A)はチミン(T)と塩基対を形成し、RNAにおいてアデニン(A)はウラシル(U)と塩基対を形成する。塩基対を形成することができる条件は、生理的または生物学的に関連のある条件(例えば、細胞内の:pH7.2、140mMカリウムイオン;細胞外のpH7.4、145mMナトリウムイオン)を含む。さらに、二本鎖は、隣接するヌクレオチド間でのスタッキング相互作用によって安定化される。本明細書で使用されるように、二本鎖は、塩基対形成もしくはスタッキング相互作用によって確立または維持することができる。二本鎖は、2本の相補的な核酸鎖によって形成され、その核酸鎖は、実質的に相補的であっても完全に相補的であってもよい。いくつかの塩基にわたって塩基対形成する一本鎖の核酸は、「ハイブリダイズする」と言われる。
「検出する」とは、検出しようとする分析物の有無または量を同定することを指す。
「検出可能な部分」は、目的とする分子と連結した際に、分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的または化学的手段によるその後の検出を可能にする組成物を意味する。例えば、有用な標識には、ラジオアイソトープ、磁気ビーズ、金属ビーズ、コロイド粒子、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAにおいて一般に使用される)、ビオチン、ジゴキシゲニンまたはハプテンがある。
「断片」は、核酸分子の一部分を意味する。この部分は、参照核酸分子またはポリペプチドの全長の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%を好ましくは含有する。断片は、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90または100ヌクレオチドを含有していてもよい。
「ハイブリダイズする」は、様々な厳しさの条件下で相補的なポリヌクレオチド配列(例えば、本明細書において記述される遺伝子)またはその部分の間で二本鎖分子を形成することを意味する(Wahl,G.M.およびS.L.Berger(1987年)Methods Enzymol.152:399頁;Kimmel,A.R.(1987年)Methods Enzymol.152:507頁を参照のこと)。ハイブリダイゼーションは、相補的な核酸塩基間の水素結合により生じ、その結合は、ワトソン−クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン型水素結合であり得る。例えば、アデニンおよびチミンは、水素結合の形成によって対になる相補的な核酸塩基である。
「単離されたポリヌクレオチド」は、本発明の核酸分子が得られる生物の天然に存在するゲノムにおいて遺伝子に隣接する、遺伝子を含まない核酸(例えば、DNA)を意味する。したがって、その用語は、例えば、ベクターに;自己複製するプラスミドもしくはウイルスに;または原核生物もしくは真核細胞のゲノムDNAに組み込まれる;あるいは他の配列から独立して別々の分子として存在する(例えば、cDNAまたはPCRもしくは制限エンドヌクレアーゼ消化により産生したゲノムもしくはcDNA断片)組換えDNAを含む。加えて、その用語は、DNA分子および追加のポリペプチド配列をコードしているハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAから転写されるRNA分子を含む。
用語「単離された」、「精製された」または「生物学的に純粋な」とは、その天然の状態において見られる通常付随する成分を様々な程度で含まない材料のことを指す。「単離する」は、最初の供給源または環境からの分離の程度を意味する。「精製する」は単離より高い分離の程度を意味する。「精製した」または「生物学的に純粋な」タンパク質は、どんな不純物もタンパク質の生物学的特性に物質的な影響を及ぼさないまたは他の有害な結果を生じないように、他の材料を十分に含まない。すなわち、この発明の核酸またはペプチドが、組換えDNA技術によって産生される場合に細胞物質、ウイルス材料もしくは培地を、あるいは化学的に合成される場合に化学的前駆体もしくは他の化学薬品を実質的に含まない場合、それは精製されている。純度および均一性は、分析化学技術、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィを使用して一般に決定される。用語「精製された」は、核酸またはタンパク質が電気泳動ゲルにおいて基本的に1本のバンドを生じることを意味することができる。修飾、例えば、リン酸化またはグリコシル化に供することができるタンパク質の場合、異なる修飾は、別々に精製することができる、異なって単離されるタンパク質を生じることができる。
「反応を監視する」は、反応の経過を検出することを意味する。一実施形態において、反応経過の監視は、ポリメラーゼ伸長の検出および/または増幅反応の完了の検出を含む。
本明細書で使用されるように、用語「核酸」とは、一本鎖もしくは二本鎖形状の、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドまたは修飾ヌクレオチド、およびその重合体のことを指す。その用語は、既知のヌクレオチド類似体または修飾骨格残基もしくは結合を含有する核酸を包含し、その核酸は、合成、天然に存在する、および天然に存在せず、参照核酸と類似の結合特性を有し、参照ヌクレオチドと類似の方式で代謝される。そのような類似体の例には、2’修飾ヌクレオチド(例えば、2’−O−メチルリボヌクレオチド、2’−Fヌクレオチド)があるがこれに限定されない。
本明細書で使用されるように、「修飾ヌクレオチド」とは、ヌクレオシド、核酸塩基、ペントース環またはリン酸基に1つ以上の修飾を有するヌクレオチドのことを指す。例えば、修飾ヌクレオチドは、アデノシン一リン酸、グアノシン一リン酸、ウリジン一リン酸およびシチジン一リン酸を含有するリボヌクレオチドならびにデオキシアデノシン一リン酸、デオキシグアノシン一リン酸、デオキシチミジン一リン酸およびデオキシシチジン一リン酸を含有するデオキシリボヌクレオチドを除外する。修飾は、ヌクレオチドを修飾する酵素、例えばメチルトランスフェラーゼによる修飾の結果得られる天然に存在するそれを含む。修飾ヌクレオチドは、合成または天然に存在しないヌクレオチドも含む。ヌクレオチドにおける合成または天然に存在しない修飾には、2’修飾を持つもの、例えば、2’−O−メチル、2’−メトキシエトキシ、2’−フルオロ、2’−ヒドロキシル(RNA)、2’−アリル、2’−O−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]、4’−チオ、4’−CH−O−2’−ブリッジ、4’−(CH−O−2’−ブリッジおよび2’−O−(N−メチルカルバミン酸)または塩基類似体を含むものがある。
「ニッキング薬剤」は、二本鎖核酸分子の特定の構造を認識し、それに結合し、認識した特定の構造に結合すると同時に一本鎖上で隣接するヌクレオチドの間のリン酸ジエステル結合を切断し、それによってニック部位の前にある末端ヌクレオチドに遊離3’−ヒドロキシル基を形成することが可能な化学物質を意味する。好ましい実施形態において、3’末端は、エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼによって伸長させることができる。典型的なニッキング薬剤には、ニッキング酵素、RNAzyme、DNAzymeおよび遷移金属キレート剤がある。
「ポリメラーゼ停止分子」は、ポリヌクレオチド鋳型上でポリメラーゼの進行を阻害するまたは有意に減少させる、ポリヌクレオチドに付随する部分を意味する。好ましくは、その部分はポリヌクレオチドに組み込まれる。好ましい一実施形態において、その部分は、ポリメラーゼがテンプレート上を進行することを阻害する。
「ポリメラーゼ伸長」は、鋳型ポリヌクレオチド上で次に来るモノマーをその結合相手と合致させるポリメラーゼの前方への進行を意味する。
「半定量的」は、内部標準に基づく相対量の推定値を提供することを意味する。
「特異的産物」は、相補的な標的配列へのプライマーオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション、およびその後の標的配列のポリメラーゼ媒介伸長によって得られるポリヌクレオチド産物のことを意味する。
「実質的に等温の条件」は、単一温度または有意に変化しない狭い範囲の温度を意味する。一実施形態において、実質的に等温の条件下で実施する反応は、約1〜5℃しか変化しない(例えば、1、2、3、4または5℃変化する)温度で実施される。別の実施形態において、反応は、利用する装置の動作設定値範囲内の単一温度で実施される。
「標的核酸分子」は、分析しようとするポリヌクレオチドを意味する。そのようなポリヌクレオチドは、標的配列のセンスまたはアンチセンス鎖であることができる。用語「標的核酸分子」は、最初の標的配列のアンプリコンのことも指す。
本明細書において提供される範囲は、範囲内の値の全てについて略記されていると理解される。例えば、範囲1〜50は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50からなる群の任意の数、数の組合せ、または部分的範囲を含むと理解される。
具体的に述べられていないかまたは文脈上明らかでない限り、本明細書で使用されるように、用語「または」は、包括的であると理解される。具体的に述べられていないかまたは文脈上明らかでない限り、本明細書で使用されるように、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、単数または複数であると理解される。
具体的に述べられていないかまたは文脈上明らかでない限り、本明細書で使用されるように、用語「約」は、当業者にとって許容正常範囲内、例えば平均の2標準偏差以内であると理解される。約は、記載されている値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%または0.01%以内であると理解できる。文脈から明白でない限り、本明細書において提供されている全ての数値は、用語約により修飾される。
可変部の任意の定義における化学基の一覧の詳説は、その可変部の定義を、任意の単一の基または列挙した基の組合せとしてここに含む。可変部に関する実施形態もしくは態様の詳説は、任意の単一の実施形態としてまたは他の任意の実施形態もしくはその部分との組合せでその実施形態をここに含む。
本明細書において提供される任意の組成物または方法は、本明細書において提供される他の組成物および方法のいずれか1つ以上と組み合わせることができる。
(発明の詳細な記述)
本発明は、16S RNA遺伝子を増幅することによる昆虫および感染した植物中のHLBの同定に有用な組成物ならびに方法に関する。
本発明は、黄龍病感染を、等温ニッキング増幅反応を使用して植物または昆虫サンプルをアッセイすることにより検出できるという発見に少なくとも一部基づく。
(黄龍病検出)
黄龍病(HLB)は、カンキツ類に影響を及ぼす致命的な細菌性病害である。HLBと関連する細菌を培養することができないので、HLB検出は、HLBの症状を有するカンキツ類樹木の同定を利用してきた。HLB感染の症状が現れるのに2年以上かかりかねないとすると、これは問題を含むと判明した。その間にも、致死的病害は拡散される恐れがある。
HLBは、Candidatus Liberibacter asiaticus、Candidatus Liberibacter africanus、Candidatus Liberibacter americanusを含むがそれだけには限らないCandidatus細菌と関係している。本発明は、細菌の16S RNA領域を増幅することを含むCandidatus Liberibacter asiaticusおよびCandidatus Liberibacter africanusの方法を提供する。
カンキツ類は、Citrus aurantiifolia(キーライム、オマーンライム)、Citrus crenatifolia、Citrus maxima[ザボン(ブンタン、ザボン)]、Citrus medica(シトロン)、Citrus reticulata(ミカン)、Citrus trifoliata(カラタチ)、Citrus australasica(オーストラリアンフィンガーライム)、Citrus australis(オーストラリアンラウンドライム)、Citrus glauca(オーストラリアンデザートライム)、Citrus garrawayae(マウントホワイトライム)、Citrus gracilis(カカドゥライムまたはハンプティドゥライム)、Citrus inodora(ラッセルリバーライム)、Citrus warburgiana(ニューギニアワイルドライム)、Citrus wintersii(ブラウンリバーフィンガーライム)、Citrus japonica(キンカン)、Citrus halimii(パペダ)、Citrus indica(インド野生ミカン)、Citrus macropteraおよびCitrus latipesを含むがこれに限定されない顕花樹木および潅木を含む。本発明の方法によると、HLB感染は、植物抽出物(例えば、主葉脈、葉柄、葉身、樹皮および果実組織、例えばじょうのう膜、中隔、内果皮、果柄、中心軸および果皮)において検出される。
HLBは、キジラミ(Psyllidae)によって伝播され、キジラミは、極めて宿主特異的な傾向があるアブラムシ様の昆虫である。特に、HLBは、ミカンキジラミDiaphorina citriによって伝播され、ミカンキジラミはHLB病害媒介動物として作用する。本発明の方法によると、HLB感染は、キジラミ抽出物(例えば、成虫、若虫またはその組合せの抽出物)において検出される。
キジラミ被害果樹園または植物は、蔓延が拡散することを予防するために破棄されなければならない。したがって、キジラミ感染の検出を、カンキツ類植物が栽培、貯蔵、輸送、または加工される様々な場所において実施することができる。本発明は、カンキツ類果樹園、苗床、温室、倉庫、トラックまたは市場もしくは住宅所有者によって栽培される樹木においてHLB感染キジラミもしくは植物を同定する組成物を提供する。
HLBの拡散を予防するために、HLB感染キジラミを保有するまたはHLB感染した可能性があるカンキツ類果物を監視することが重要になり得る。HLBに感染したならびに/またはHLB感染キジラミを保有する生産物は、果樹園、倉庫、トラックおよび市場を含むがそれだけには限らない供給連鎖に沿った様々な点で同定することができる。
またHLBは、果汁、果肉および食品加工中にオレンジから単離される他の材料においても検出可能である。
(核酸増幅方法)
本発明は、植物または昆虫抽出物中のCandidatusポリヌクレオチドの有無を検出することにより、カンキツ類樹木から採集される植物、昆虫もしくはそのような材料の組合せにおいてHLBを検出するための核酸増幅技術を提供する。特定の実施形態において、Candidatus核酸分子は、Candidatus標的配列に相補的であり、標的配列の対数増加をもたらすオリゴヌクレオチドプライマーを利用する等温ニッキング増幅反応で増幅される。ニッキング増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応法(「PCR」)とは対照的に等温で進行する。PCRにおいて、温度は、DNAの二本の鎖が分離できるように上昇される。ニッキング増幅反応において、プライマー分子は、付加した外来性DNAの相補配列にアニールする。ポリメラーゼは、既存の相補的DNA鎖を置換するとともに、プライマーの3’末端から標的核酸配列(付加した外来性DNA)の相補鎖合成を開始する。いくつかの実施形態において、標的核酸配列は、試験サンプル中に存在する特定のニッキング部位にニックを入れられる。鎖置換複製過程は、温度上昇の必要性がなくなる。第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、新しく合成された相補鎖にアニールし、ニッキング酵素認識配列を含むDNAの二本鎖を作りながら伸長する。次いでこの鎖は、ポリメラーゼによるその後の鎖置換伸長でニックを入れやすく、最初の標的DNAのいずれの側にもニック部位を有するDNAの二本鎖が産生される。これが一旦合成されると、分子は、新たなプライマー分子による置き換え鎖の複製によって指数的に増幅され続け、標的核酸分子のアンプリコンを生成する。加えて、増幅は、ニック部位を導入したプライマーでのニックトランスレーション合成の繰り返し作用によって各産物分子から線形にも進行する。結果は、標的シグナル増幅の非常に速い増加であり;PCR熱サイクルよりなお一層速く、増幅は10分未満で得られる。これは、サンプル採集直後のサンプル中のHLB感染の同定を可能にする。特に、本発明は、カンキツ類果樹園、苗床、温室、輸送設備、トラック、倉庫、市場またはHLB感染キジラミの蔓延、HLB感染もしくはHLB感染した材料の存在が疑われる他の部位におけるサンプルの現場試験を提供する。
(ニッキング増幅アッセイ)
本発明は、等温ニッキング増幅アッセイにおいて増幅される標的Candidatus核酸分子の検出を提供する。そのようなアッセイは、当業者に既知であり、本明細書において記述される。例えば、米国特許出願公開第2015/0104788号を参照のこと、その全体を本明細書において組み込む。本明細書において記述される方法に有用なポリメラーゼは、ヌクレオチドの組み込みを触媒して、標的核酸分子に結合しているオリゴヌクレオチド(例えば、プライマー)の3’ヒドロキシル終端を伸長することができる。そのようなポリメラーゼは、好熱性のものおよび/または鎖置換が可能なものを含む。一実施形態において、ポリメラーゼは、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性および/または鎖置換活性を欠いているもしくはそれが減少している。3’末端に2’−修飾ヌクレオチドを有するプライマーを含む方法に有用なDNAポリメラーゼは、分類学上Geobacillus stearothermophilusとしても再分類され、好熱細菌と近縁種であるBacillus stearothermophilusから単離されるDNAポリメラーゼIの誘導体およびバリアントを含み、そのポリメラーゼは、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を欠き、鎖置換活性を有する。典型的なポリメラーゼには、それだけには限らないが、Bst DNAポリメラーゼIおよびGst DNAポリメラーゼIの断片がある。
ニッキング酵素は、二本鎖DNAを結合し、二本鎖の1方の鎖を切断する。本発明の方法において、ニッキング酵素は、トップ鎖(top stand)(ニッキング薬剤認識部位の5’−3’配列を含む鎖)を切断する。本明細書において開示する本発明の特定の実施形態において、ニッキング酵素は、トップ鎖だけおよび認識部位の3’下流を切断する。典型的な実施形態において、産物配列がニッキング部位を含有しないように、反応は、結合部位の下流を切断するかまたはニックを入れるニッキング酵素の使用を含む。結合部位の下流を切断する酵素を使用することにより、ポリメラーゼは、ニッキング酵素と置き換わる必要なしに容易に伸長することが可能になる。理想的には、ニッキング酵素は、ポリメラーゼと同じ反応条件下で機能的である。典型的なニッキング酵素には、N.Bst9I、N.BstSEI、Nb.BbvCI(NEB)、Nb.Bpu10I(Fermentas)、Nb.BsmI(NEB)、Nb.BsrDI(NEB)、Nb.BtsI(NEB)、Nt.AlwI(NEB)、Nt.BbvCI(NEB)、Nt.Bpu10I(Fermentas)、Nt.BsmAI、Nt.BspD6I、Nt.BspQI(NEB)、Nt.BstNBI(NEB)およびNt.CviPII(NEB)があるがこれに限定されない。
ニッキング増幅反応は、例えばジデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)などのヌクレオチドを一般に含む。反応は、標識放射性同位元素(例えば、32P、33P、125I、35S)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ)、蛍光標識[例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)]、ビオチン、アビジン、ジゴキシゲニン、抗原、ハプテンまたは蛍光色素を含むがこれに限定されない検出可能な部分を含むdNTPの存在下で実施することもできる。反応は、ニッキング酵素およびポリメラーゼの活性を提供する特定の塩および緩衝液をさらに含む。
有利には、ニッキング増幅反応は、増幅反応の過程で反応の温度がおよそ一定である実質的に等温の条件下で実施される。温度を、高い温度と低い温度の間で循環させる必要がないので、ニッキング増幅反応は、従来通りのPCRを実施することが困難になる条件下で実施できる。一般に、反応は、約35℃〜90℃(例えば、約35°、37°、42°、55°、56°、60°、65°、70°、75°、80°または85℃)で実施される。有利には、温度を、高い精度で維持することは必須でない。温度の多少の変動は、許容される。
この発明は、上および米国特許出願公開第2015/0104788号に記述される増幅戦略を利用する、リアルタイムでニッキング増幅反応を監視する方法を提供する。一実施形態において、定量的核酸増幅は、既知量の対照増幅と並行して標的核酸増幅を利用する。標的核酸の量は、絶対定量または対照の供給源(外来性または内在性対照)に基づく相対定量(半定量的)として算出することができる。
未知のヌクレオチド配列の定量化は、別々の組の反応もしくは同じ反応のいずれかにおける未知配列と一連の既知の標的配列との対数閾値増幅の比較か;または閾値をもたらす内部の内在性もしくは外来性共増幅産物のように、陽性結果(未知配列が閾値を超える場合)もしくは陰性結果(未知配列が閾値を超えない場合)のいずれかを示すことにより達成できる。
(プライマー)
本発明は、Candidatus核酸分子を特異的に標的するプライマーを提供する。好ましくは、プライマー内の標的認識配列は、少なくとも約25、26、27、28、29、30、35ヌクレオチドを含む。そのようなプライマーは、ニッキング増幅アッセイにおいてCandidatus標的核酸分子を増幅するのに有用である。好ましくは、プライマーの3’末端は、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7つ)の2’修飾ヌクレオチド{例えば、2’−O−メチル、2’−メトキシエトキシ、2’−フルオロ、2’−アルキル、2’−アリル、2’−O−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]、2’−ヒドロキシル(RNA)、4’−チオ、4’−CH−O−2’−ブリッジ、4’−(CH−O−2’−ブリッジ、および2’−O−(N−メチルカルバミン酸)}を含む。理論の束縛を受けることなく、等温増幅において1つ以上の2’修飾ヌクレオチドの組み込みにより、バックグラウンドシグナルが減少するまたは除去されると仮定される。2’修飾ヌクレオチドは、標的配列と塩基対をなす塩基を好ましくは有する。特定の実施形態において、標的特異的認識領域において2つ以上の2’修飾ヌクレオチド(例えば、2、3、4、5つまたはより多くの2’修飾ヌクレオチド)は、隣接している(例えば、修飾ヌクレオチドの区画)。いくつかの実施形態において、2’修飾ヌクレオチドの区画は、標的特異的認識領域の3’末端に配置される。
(検出可能なオリゴヌクレオチドプローブ)
本発明は、少なくとも1つのポリメラーゼ停止分子(例えば、オリゴヌクレオチドを、標的核酸分子を結合できるが標的として検出可能なオリゴヌクレオチドプローブを利用する鋳型伸長を支持できなくするヌクレオチド修飾または他の部分)を含む非増幅性の検出可能なポリヌクレオチドプローブを使用するニッキング増幅反応において標的Candidatus核酸分子またはそのアンプリコンの定量的検出を提供する。理論に束縛されるものではないが、ポリメラーゼを進行させない1つ以上の部分の存在が、オリゴヌクレオチドへの非核酸骨格の付加においてまたは複製のポリメラーゼの失速によってポリメラーゼ停止を起こす可能性が高い(すなわちC3−スペーサ、損傷したDNA塩基、他のスペーサ部分、O−2−Me塩基)。したがって、これらの構築物は、ニッキング増幅反応の過程でプローブの異常な増幅を阻害するまたは減少させる。このことは、これらの構築物と従来通りの検出プローブとを区別し、従来の検出プローブは増幅を阻害するためにニッキング増幅反応の終わりに添加されなければならない。
従来通りの検出プローブは、リアルタイムでニッキング増幅反応を定量化するのに非実用的であることが判明した。従来通りの検出プローブをニッキング増幅反応に組み込む場合、これらの従来通りの検出プローブは標的と同時に増幅される。これらの検出分子の増幅は、反応開始時における検出プローブの開始分子数のため、真の標的アンプリコンの検出を覆い隠す。
本発明は、少なくとも1つのポリメラーゼ−停止分子を含む非増幅性の検出可能なポリヌクレオチドプローブを提供する。本発明のポリメラーゼ停止分子は、複製のDNAポリメラーゼによるプライマー伸長を遮断し、それによって検出分子の増幅を阻害するが;標的分子もしくは標的分子の増幅されたコピーに対する適当なハイブリダイゼーションまたはヌクレオチドスペーシング(nucleotide spacing)を可能にするヌクレオチド修飾または他の部分を含むが、これに限定されない。一実施形態において、本発明の検出可能なオリゴヌクレオチドプローブは、検出分子の異常な増幅を阻害するまたは減少させる炭素3つのスペーサ(C3−スペーサ)を含む。
一実施形態において、検出可能なオリゴヌクレオチドプローブは、相補的なヌクレオチドに対する結合親和性を向上させた1つ以上の修飾ヌクレオチド塩基を含む。修飾塩基の例は、2’フルオロアミダイトおよび2’OMe RNAアミダイト(ポリメラーゼ停止分子としても機能する)を含むが、これに限定されない。本発明の検出可能なオリゴヌクレオチドプローブは、異なる有色の発蛍光団で合成することができ、実質的に任意の標的配列とハイブリダイズするように設計することができる。優れた特異性を考えると、本発明の非増幅性の検出可能なポリヌクレオチドプローブは、サンプル中の単一標的核酸分子を検出するために使用される、またはそれぞれ異なる標的核酸分子を結合する検出可能なオリゴヌクレオチドプローブと組み合わせて使用される。したがって、本発明の非増幅性の検出可能なポリヌクレオチドプローブを使用して、同じ反応において1つ以上の標的核酸分子を検出することができ、これらの標的を同時に定量化することが可能になる。本発明は、本明細書において記述される検出可能なオリゴヌクレオチドプローブと組み合わせるそのような発蛍光団の使用を包含する。
(非増幅性の検出可能なポリヌクレオチドプローブの使用)
非増幅性の検出可能なポリヌクレオチドプローブは、ニッキング増幅反応において標的核酸分子を定量化する方法において有用である。本方法は、実質的に等温の条件下で適切な緩衝液およびdNTPの存在下で標的核酸分子(例えば、Candidatus核酸分子)をポリメラーゼ、標的ヌクレオチド分子上の相補配列に各特異的に結合する2つのプライマー、ニッキング酵素、および検出可能なオリゴヌクレオチドプローブと接触させる工程と、前記標的核酸分子の少なくとも一部を含むアンプリコンを生成する工程と;標的核酸分子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを定量化することにより反応中に存在する標的核酸分子のレベルを決定する工程とを含む。必要に応じて、これは、反応中のプローブ分子からの蛍光強度に基づいて反応中にリアルタイムで行うことができる。
一般に、本発明の非増幅性の検出可能なポリヌクレオチドプローブは、(1)標的核酸分子;(2)標的核酸分子に相補的ないくつかのオリゴヌクレオチドおよびニッキング酵素により切断できる部位を含む2つのプライマー;(3)dNTP;(4)鎖置換ポリメラーゼ;および(5)ニッキング酵素を含むニッキング増幅反応に含まれる。したがって、本発明は、これらの成分を使用して標的HLB核酸分子を定量化する方法を提供する。
(キット)
本発明は、標的Candidatus核酸分子の検出用キットも提供する。そのようなキットは、生物学的サンプル(例えば、植物、昆虫、植物/昆虫混合サンプル)中の標的Candidatus核酸の検出または定量に有用である。本発明のキットは、例えば、1つ以上のポリメラーゼ、フォワードプライマーおよびリバースプライマー、および1つ以上のニッキング酵素、ならびに本明細書において記載のプローブを含むことができる。1つの標的を増幅しようとする場合、1つまたは2つのニッキング酵素をキットに含めることができる。
本発明のキットは、任意の数の別々の容器、包み、チューブ(例えば、<0.2mL、0.2mL、0.6mL、1.5mL、5.0mL、>5.0mL)、バイアル、マイクロタイタープレート(例えば、<96ウェル、96ウェル、384ウェル、1536ウェル、>1536ウェル)、アレイ型(ArrayTape)などに1つ以上の成分を含むこともでき、または成分は、そのような容器中で様々な組合せで混合することができる。様々な実施形態において、キットは、陽性対照として使用することができる参照配列を結合し、増幅することができる一対のプライマーをさらに含む。さらに他の実施形態において、キットは、プライマーを含有する無菌容器を含み;そのような容器は、箱、アンプル、ボトル、バイアル、チューブ、袋、小袋、ブリスター包装または当業者に既知の他の適切な容器形状でありえる。そのような容器は、プラスチック、ガラス、ラミネート紙、金属箔または核酸を保持するのに適切な他の材料で作ることができる。
キットの成分は、例えば、1つ以上の容器の中に存在してもよく、例えば、成分の全てが1つの容器の中にあってもよく、または例えば酵素はプライマーとは別の容器の中にあってもよい。成分は、例えば、乾燥されても(例えば、粉末)または安定な緩衝液(例えば、化学的に安定化されている、熱的に安定化されている)中にあってもよい。乾燥成分は、例えば、凍結乾燥、真空ならびに遠心利用乾燥および/または環境乾燥により調製することができる。様々な実施形態において、ポリメラーゼおよびニッキング酵素は、単一容器中の凍結乾燥形状であり、プライマーは、異なる容器で凍結乾燥、フリーズドライまたは緩衝液中のいずれかである。いくつかの実施形態において、ポリメラーゼ、ニッキング酵素およびプライマーは、単一容器中の凍結乾燥形状である。他の実施形態において、ポリメラーゼおよびニッキング酵素は、異なる容器に分離されてもよい。
キットは、例えば、反応において使用するdNTP、もしくは修飾ヌクレオチド、反応のために使用するキュベットもしくは他の容器、または凍結乾燥された成分を再水和するための水もしくは緩衝液のバイアルをさらに含むことができる。使用する緩衝液は、例えばポリメラーゼとニッキング酵素活性の両方に適当であってもよい。
本発明のキットは、本明細書において記述される1つ以上の方法を実行する取り扱い説明書および/または本明細書において記述される1つ以上の組成物または試薬の説明書を含むこともできる。取り扱い説明書および/または説明書は、印刷された形状であることができ、キット挿入物に含めることができる。キットは、そのような取り扱い説明書または説明書を提供するインターネット位置の説明文を含むこともできる。
キットは、検出方法に使用する試薬、例えばハイブリダイゼーションプローブまたはDNA結合染料などをさらに含むことができる。検出成分は、側方流動装置に組み込むことができる。側方流動装置は、ポイントオブケアで使用することができる。
本発明の実践には、特に明記しない限り、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来通りの技術を利用し、それらは当業者の範囲で周知である。そのような技術については、文献、例えば、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第2版(Sambrook、1989年);「Oligonucleotide Synthesis」(Gait、1984年);「Animal Cell Culture」(Freshney、1987年);「Methods in Enzymology」「Handbook of Experimental Immunology」(Weir、1996年);「Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells」(MillerおよびCalos、1987年);「Current Protocols in Molecular Biology」(Ausubel、1987年);「PCR:Polymerase Chain Reaction」(Mullis、1994年);「Current Protocols in Immunology」(Coligan、1991年)に詳細に説明される。これらの技術は、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの産生に適用でき、したがって本発明を作製ならびに実行すると考えることができる。特定の実施形態に対する具体的に有用な技術は、次の段落において検討されることになる。
以下の例は、当分野の技術者に本発明のアッセイ、スクリーニングおよび治療方法を、どのように作製および使用するかの十分な開示および説明を提供するために示され、本発明者が発明と考えるものの範囲を制限しないものとする。
[実施例1]
Liberibacter asiaticus由来DNAの定性的検出用試験キット
迅速で必要な場所での黄龍病(HLB)の検出は、その拡散を予防するための介入を実施することを必要とする。黄龍病、別名カンキツグリーニング病は、植物組織の黄変、異常形成された果物の産生および最終的に植物の枯死を引き起こす。ミカンキジラミは、病原体の保菌動物である。試験キットを、Liberibacter asiaticus由来DNAの定性的検出用として生成した。Candidatus Liberibacter asiaticus psy62株の全ゲノムは、既知であり、NCBIアクセッション番号CP001677で寄託された。
検出アッセイは、等温核酸増幅方法に基づく。Liberibacter asiaticus中のアッセイ標的配列は、30〜60塩基対の配列ウインドウ中に単一ヌクレオチド多型(SNP)がないことに基づいて選択した。以下のプライマーを、標的核酸分子の増幅に使用した(図1)。
フォワードプライマーT1:Las.Laf.16S.12.77.fb 100nM(MeO=2’メトキシヌクレオチド)5’−GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG−MeOC−MeOA−MeOG−MeOA−MeOC−3’
リバースプライマーT2:Las.Laf.16S.12.100.rb 600nM(MeO=2’メトキシヌクレオチド)5’−TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC−MeOU−MeOA−MeOC−MeOG−MeOC−3’。
以下のプローブを、標的核酸分子の検出に使用した:
プローブMB:HLB.83.F.CH CalRed 300nM(MeO=2’メトキシヌクレオチド)5’−Cal red610 CACGCA−MeOG−C−MeOA−G−MeOA−C−MeOG−G−MeOG−MeOU−G−MeOA−G−MeOU−A−MeOA−C−MeOG−TGCGTG−BHQ−3’。
上記のプライマーおよびプローブを、図6に記載の通り等温核酸増幅反応で試験した。試験サンプルを、Liberibacter asiaticusに感染したキジラミまたはLiberibacter asiaticusに感染した葉柄から調製した。標的核酸の核酸増幅を、感染したキジラミ由来のサンプルを使用してプライマー−プローブの組合せで検出した(図2)。増幅および検出反応は、高いシグナル対ノイズ比、指数増幅の早い始まり、急な増幅傾斜、検出までの迅速な時間、および複製したアッセイ反応の間で低いシグナル変動を表した。感染した葉柄由来サンプルの場合、アッセイは、高いシグナル対ノイズ比および指数増幅の早い始まりを持つ標的核酸分子の検出を示した(図2)。
シグナル検出における装置変動を試験するために、2つの異なる器具を使用してシグナルを定量化した。両方の装置が、高いシグナル対ノイズ比、指数増幅の早い始まり、急な増幅傾斜、検出までの迅速な時間、および複製したアッセイの間で低いシグナル変動を持つアッセイ結果を示した(図3)。アッセイをいずれの試験装置で実行した場合でも、標的なし対照サンプルは、シグナルを示さなかった(図3Aおよび3B)。これらの結果は、前述の反応および試薬を、Liberibacter asiaticusの迅速な検出に使用できることを示す。
本発明は、以下の材料および方法を使用して作製した。検出アッセイは、材料および方法を使用しても実行する。
(キジラミサンプル採集および調製)
野外からキジラミを採集し、エタノール溶液(70%)に入れた。キジラミサンプルは、試験時まで冷蔵した。試験キット成分も、試験時まで、4℃で貯蔵した。試験時に、アッセイ成分を、室温に戻させた。個々のキジラミを、エタノール溶液から取り出し、短時間に乾燥させた後に抽出緩衝液(MB3、250μL)を含有するサンプル抽出チューブに入れた(図4)。1〜10匹のキジラミを、単一サンプルチューブに一緒にプールした。キジラミを、乳棒を用いて緩衝液中で浸軟させた。試験チューブを、穏やかに反転させて(例えば、5回)混合し、次いで、サンプルを少なくとも3分間静置した。
(葉柄サンプルの採集および調製)
スウィートオレンジの葉および葉柄サンプルを、図5に記載の通り採集し、加工した。キジラミサンプルは、試験時まで1〜2日間冷蔵した。他の実験において、キジラミサンプルを、長期貯蔵のために−20℃で凍結した。試験キット成分も、試験時まで、4℃で貯蔵した。試験時に、アッセイ成分を、室温に戻させた。清潔な、乾燥したハリスパンチを使用して、葉柄サンプルを葉柄の下段から始めて打ち出した(小さい葉組織をできるだけ除去する)。葉柄パンチ(例えば、n=4)を、抽出緩衝液(CE+0.5%亜硫酸ナトリウム緩衝液、400μL)を含有する試験チューブに添加した。サンプルを、95℃で5分間加熱した。95℃でのインキュベーションの終わりに、サンプルにTE(400μL)を添加し、ボルテックスにより混合した(例えば、10秒間)。
(核酸検出アッセイ)
一実施形態において、アッセイは、ペレットの形態で凍結乾燥した試薬(プライマー、プローブなど;図6を参照のこと)を含有する試験管、および試験管を閉じるための小片を含んだ。
サンプル(5〜50μL)を、凍結乾燥マスターミックスに直接添加した。反応は、10〜15分間56℃でインキュベートし、蛍光シグナルを記録した。陰性対照と比較した蛍光の存在は、サンプル中のHLBの存在を示す。
マスターミックスは、LYO緩衝液 16.8μL、フォワードプライマー0.06μL、リバースプライマー0.3μL、リアルタイムプローブ(MB)0.15μL、TE(トリスEDTA)1.0μL、dNTP(mM)1.5μL、Bst DNAポリメラーゼI 0.16μL、ニッキング酵素Nt.BstNBI(NEB)を含む。
(他の実施形態)
前述の説明から、変更および修正を本明細書において記述される本発明に作製して、様々な使用法ならびに条件に採用できることが明らかになる。そのような実施形態も、以下の請求項の範囲内である。
可変部の任意の定義における要素の一覧の詳説は、その可変部の定義を、任意の単一の要素または列挙した要素の組合せ(またはサブコンビネーション)としてここに含む。実施形態の詳説は、任意の単一の実施形態としてまたは他の任意の実施形態もしくはその部分との組合せでその実施形態をここに含む。
それぞれ独立した特許および出版物が、具体的かつ個別に示されて参照により組み込まれるがごとく、この明細書に記載の特許および出版物の全ては、同程度に参照によりここに組み込まれる。

Claims (24)

  1. カンキツ類果樹園における黄龍病(HLB)感染を検出する方法であって、
    カンキツ類果樹園から得られた生物学的サンプルから抽出物を得る工程と、
    抽出物を、Candidatus核酸分子の等温増幅が可能な条件下において、ニッキング酵素、dNTP、およびポリメラーゼの存在下でCandidatus核酸分子と特異的に結合するフォワードプライマーおよびリバースプライマーと接触させる工程と、
    抽出物中のCandidatusアンプリコンを検出する工程
    とを含み、Candidatusアンプリコンの存在が、カンキツ類果樹園におけるHLB感染を検出し、前記アンプリコンの非検出が、カンキツ類果樹園におけるHLB感染の非存在を示す、方法。
  2. 生物学的サンプルが、植物、昆虫、または植物材料および昆虫材料を含む、請求項1に記載の方法。
  3. カンキツ類果樹園が、スウィートオレンジ、ダイダイ、マンダリン、キンカン、タンジェリン、タンジェロ、レモン、ライム、グレープフルーツ、ブンタン、メキシカンライム、およびコブミカンを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  4. カンキツ類サンプルにおけるHLB感染を検出する方法であって、
    カンキツ類抽出物を、Candidatus核酸分子の等温増幅が可能な条件下において、ニッキング酵素、dNTP、およびポリメラーゼの存在下でCandidatus核酸分子と特異的に結合するフォワードプライマーおよびリバースプライマーと接触させる工程と、
    Candidatusアンプリコンの有無を検出する工程
    とを含み、Candidatusアンプリコンの存在が、カンキツ類サンプルにおけるHLB感染を検出し、Candidatusアンプリコンの非存在が、カンキツ類サンプルにおけるHLB感染の非存在を示す、方法。
  5. サンプルが、スウィートオレンジ、ダイダイ、マンダリン、キンカン、タンジェリン、タンジェロ、レモン、ライム、グレープフルーツ、ブンタン、メキシカンライム、およびコブミカンからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. サンプルが、主葉脈、葉柄、葉身、樹皮、および果実組織からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 果実組織が、オレンジ果肉、オレンジ果汁、じょうのう膜、中隔、内果皮、果柄、中心軸、および果皮を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 昆虫におけるHLB感染を検出する方法であって、
    昆虫抽出物を、HLB核酸分子の等温増幅が可能な条件下において、ニッキング酵素、dNTP、およびポリメラーゼの存在下でCandidatus核酸分子と特異的に結合するフォワードプライマーおよびリバースプライマーと接触させる工程と、
    Candidatusアンプリコンを検出する工程
    とを含み、Candidatusアンプリコンの存在が、昆虫におけるHLB感染を検出し、Candidatusアンプリコンの非存在が、昆虫におけるHLB感染の非存在を示す、方法。
  9. 昆虫が、キジラミである、請求項8に記載の方法。
  10. キジラミが、Diaphorina citriである、請求項10に記載の方法。
  11. 昆虫が、昆虫卵、若虫または成虫である、請求項8に記載の方法。
  12. Candidatus細菌が、Candidatus liberibacter asiaticus、Candidatus Liberibacter africanus、Candidatus Liberibacter americanusからなる群から選択される、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
  13. フォワードプライマーおよびリバースプライマーが、それぞれ以下の配列:
    5’GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’および
    5’TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
    を含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 増幅が、以下の配列:
    5’CACGCA-MeOG-C-MeOA-G-MeOA-C-MeOG-G-MeOG-MeOU-G-MeOA-G-MeOU-A-MeOA-C-MeOG-TGCGTG 3’
    を有するプローブを使用して検出される、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. ニッキング酵素が、N.Bst9I、N.BstSEI、Nb.BbvCI(NEB)、Nb.Bpu10I(Fermentas)、Nb.BsmI(NEB)、Nb.BsrDI(NEB)、Nb.BtsI(NEB)、Nt.AlwI(NEB)、Nt.BbvCI(NEB)、Nt.Bpu10I(Fermentas)、Nt.BsmAI、Nt.BspD6I、Nt.BspQI(NEB)、Nt.BstNBI(NEB)、およびNt.CviPII(NEB)からなる群から選択される、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
  16. ポリメラーゼが、Bst DNAポリメラーゼIまたはGst DNAポリメラーゼIである、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
  17. 植物または昆虫においてHLBを検出する方法であって、
    植物または昆虫から核酸分子を抽出する工程と、
    抽出物を、Nt.BstNBI(NEB)ニッキング酵素、dNTP、およびBst DNAポリメラーゼIの存在下で以下の配列:
    5’GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’および
    5’TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
    をそれぞれ有するフォワードプライマーおよびリバースプライマーと少なくとも約10分間接触させる工程と、
    Liberibacter asiaticusアンプリコンの有無を検出する工程
    とを含み、Liberibacter asiaticusアンプリコンの存在が、植物または昆虫におけるHLB感染を同定し、Liberibacter asiaticusアンプリコンの非存在が、植物または昆虫におけるHLB感染の非存在を同定する、方法。
  18. HLBの存在についてカンキツ類果樹園または他の領域を監視するために定期的に使用される、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 監視が、3カ月毎、6カ月毎、9カ月毎、または12カ月毎に行われる、請求項18に記載の方法。
  20. 核酸配列:
    5’GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’または
    5’ TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
    を含むプライマー。
  21. 核酸配列:
    5’ GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’
    を含むフォワードプライマーと、
    核酸配列:
    5’ TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
    を含むリバースプライマー
    とを含む、一対のプライマー。
  22. 核酸配列:
    5’CACGCA-MeOG-C-MeOA-G-MeOA-C-MeOG-G-MeOG-MeOU-G-MeOA-G-MeOU-A-MeOA-C-MeOG-TGCGTG 3’
    を含むプローブ。
  23. 核酸配列:
    5’ GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’
    を含むフォワードプライマーと、
    核酸配列:
    5’ TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
    を含むリバースプライマーと、
    核酸配列:
    5’CACGCA-MeOG-C-MeOA-G-MeOA-C-MeOG-G-MeOG-MeOU-G-MeOA-G-MeOU-A-MeOA-C-MeOG-TGCGTG 3’
    を含む検出可能なプローブ
    とを含む、プライマーおよびプローブの組合せ。
  24. 核酸配列:
    5’ GGACTCCATATGGAGTCCTCGCGAGCGG-MeOC-MeOA-MeOG-MeOA-MeOC 3’
    を含むフォワードプライマーと、
    核酸配列:
    5’TGACTCCATATGGAGTCATCTAGATTCC-MeOU-MeOA-MeOC-MeOG-MeOC 3’
    を含むリバースプライマーと、
    核酸配列:
    5’CACGCA-MeOG-C-MeOA-G-MeOA-C-MeOG-G-MeOG-MeOU-G-MeOA-G-MeOU-A-MeOA-C-MeOG-TGCGTG 3’
    を含む検出可能なプローブ
    とを含むキット。
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