JP2017514860A - Glp−1及び抗il−21を使用した1型糖尿病の治療 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1型糖尿病の治療及び/又は予防におけるGLP-1アゴニスト及び抗IL-21抗体の使用に関する。

Description

本発明は、IL-21阻害薬及びGLP-1アゴニストの投与の組合せ効果に関し、これは、本明細書に記載のように、1型糖尿病の治療及び予防に役立つことが見出されている。
外因性インスリン療法における進歩は1型糖尿病を有する対象がその代謝障害を適切に調節するのを可能にしてきたが、その根本的な原因に取り組む治療選択肢はまだない。したがって、1型糖尿病の予防のための改良された治療及び選択肢が必要である。
IL-21は、クラスIサイトカインに典型的なアップ-アップ-ダウン-ダウンのトポロジーに配置された、4ヘリックスバンドル構造(ヘリックス1〜4/A〜D - 例えばJ. Immunol.、2011 第186巻 第2号 708〜721頁にある図1において、定義されている)を有する。IL-21は、専用の鎖IL-21Rα(IL-21Rとも呼ばれる)及びγC/IL-2Rγ/共通ガンマ鎖からなるヘテロ二量体受容体複合体を介してシグナルを伝達し、後者はIL-2、IL-4、IL-7、IL-9、及びIL-15によって共有されている。γC及びIL-21Rαは、IL-21上のオーバーラップしていない結合部位に結合するのだが、IL-21RαはヒトIL-21上のヘリックス1+3に結合し、γCはヘリックス2+4に結合する。IL-21Rαは、IL-21に高い親和性で結合し、結合エネルギーの大部分をもたらす。しかし、γCとの相互作用はシグナル伝達に必要とされ、IL-21Rαに結合するがγCと適切に相互作用できないIL-21変異体は、IL-21シグナル伝達の強力なアンタゴニストである。IL-21は、先天性免疫応答及び適応免疫応答の双方に対して多面的効果を発揮する。それは、活性化されたCD4+T細胞、濾胞性T細胞及びナチュラルキラーT細胞によって主に産生される。ヒトIL-21のアミノ酸配列は、配列番号1に示されている。IL-21拮抗作用は、免疫系の刺激におけるIL-21の複数の役割により、炎症の治療のための可能な経路として提唱されている。IL-21/IL-21Rα結合についての更なる詳細は、JBC、第287巻、第12号、9454〜9460頁、2012年3月16日に記載されており、代表的な抗IL-21抗体は、WO2010055366及びWO2012098113に記載されている。
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、グルコース代謝におけるその役割についてよく研究されているペプチドである。活性型のヒトGLP-1は、成熟中に最初の6アミノ酸残基が除去されるので、GLP-1(7-37)及びGLP-1-(7-36)NH2と呼ばれる。このペプチドは、寿命が極めて短く、グルコース依存性インスリン分泌を刺激すること及びグルカゴン分泌を抑制することができる強力な抗高血糖ホルモンである。GLP-1の作用を作動させる2型糖尿病治療における使用のための治療用化合物には、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド及びデュラグルチドが含まれる。
WO2010055366 WO2012098113 WO2012164021 WO98/08871 WO93/19175 WO2005/027978 WO2006/097537 WO09/030738 WO2011/104381 WO2013/164021
J. Immunol.、2011 第186巻 第2号 708〜721頁 JBC、第287巻、第12号、9454〜9460頁、2012年3月16日 Kabat, EA、Wu, TT、Perry, HMら Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版。US Department of Health and Human Services、Public Health Service、National Institutes of Health、NIH出版番号91-3242、1991 Wardら、(1989) Nature 341:544〜546 Birdら(1988) Science 242:423〜426 Hustonら(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879〜5883 Hol-liger, P.ら(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444〜6448 Poljak, R. J.ら(1994) Structure 2:1121〜1123 Harlowら、Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press社、Cold Spring Harbor、N.Y.、1988 Colliganら編、Current Protocols in Immunology、Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience社、N.Y.、(1992、1993) Muller、Meth. Enzymol. 92:589〜601 (1983) 「Principles of Biochemistry」、AL Lehninger、DL Nelson、MM Cox、第2版、Worth Publishers社、1993、763頁 Wilkenら、Diabetologia 43(51)、2000 Poulsen及びJensen、Journal of Biomolecular Screening 2007、第12巻、240〜247頁 Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995
本発明は、IL-21阻害薬及びGLP-1アゴニストの投与の組合せ効果に関し、これは、本明細書に記載のように、1型糖尿病の治療及び予防に役立つことが見出されている。
一部の実施形態では、本発明は、1型糖尿病の治療及び/又は予防のためのGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬の使用に関する。一部の実施形態では、本発明は、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬を、それらを必要とする患者に投与する工程を含む1型糖尿病の治療及び/又は予防のための方法に関する。一実施形態では、本発明は、1型糖尿病の治療及び/又は予防の方法における使用のためのGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬に関する。
一実施形態では、本発明は、1型糖尿病の治療及び/又は予防のための1種又は複数の医薬の製造における使用のためのGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬に関する。
本発明による方法は、一実施形態では、有効量のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬を必要とする対象に投与する工程を含みうる。一実施形態では、対象は、好ましくは内因性インスリンの一部の産生を保持している、最近診断された1型糖尿病患者である。GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬での組合せ治療は、患者が外因性インスリン療法の必要性を回避又は低減するのを可能にする。GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬での組合せ治療は、一実施形態では、外因性インスリンでの標準的な治療と比較してβ細胞機能を保持する。
NODモデルにおける個々の未治療の対照動物(上のグラフ)及びリラグルチドの投与後の個々の動物(下のグラフ)についての経時的な血中グルコース(BGV)を示す図である。図1の下のグラフでは、示されている期間は、リラグルチド治療期(糖尿病発症後0〜35日目)及び更なる35日のモニタリング(「リラグルチド中止」によって示される)にわたる。 NODモデルにおける抗IL-21抗体の投与後の個々の動物(上のグラフ)並びにリラグルチド及び抗IL-21抗体の投与後の個々の動物(下のグラフ)についての経時的な血中グルコース(BGV)を示す図である。 治療レジメンのそれぞれについて、動物の数は、実験の開始時に1群あたり10匹であったが、実験の過程にわたり、一部の動物は、高い血中グルコース値(600mg/dLを超える)及び/又は貧弱な健康状態によって試験から除外されて安楽死された;安楽死された動物は、「*」によって示されている。図2の下のグラフでは、示されている期間は、リラグルチド治療期(糖尿病発症後0〜35日目)及び更なる35日のモニタリング(「リラグルチド中止」によって示される)にわたる。 図1と同様の図であるが、実施例1及び実施例2に記載の試験に登録されたすべての動物が含まれる図である。 図2と同様の図であるが、実施例1及び実施例2に記載の試験に登録されたすべての動物が含まれる図である。図4において、35日目の「#」は、抗IL-21治療群及び組合せ治療群のそれぞれからの3匹のマウスが、他の目的(組織学的評価)のために犠牲にされ、したがって、更にモニターされなかったことを表している。 カプランマイヤープロット - 糖尿病発生率及び生存率を示す図である。 実施例1及び実施例2からのデータが集成されている。リラグルチドは、35日間毎日投与された。抗IL-21投与のタイミングは、X軸上に三角形/矢印によって印がつけられている。統計的有意性は、ログランク、マンテル・コックス検定によって決定された。P値は、有意差を有していた比較についてのみ示されている。他のすべての比較は有意でなかった。抗IL-21単剤療法群からの3匹の動物並びに組合せ群からの3匹のマウスは、35日目に組織学的解析のために犠牲にされ、70日目の生存解析に含まれていなかった。A.治療期間を通して糖尿病のままであるマウスの割合。B.糖尿病発症後70日間を通しての「生存」。生存は、末期の高血糖(2日連続でBGV≧600mg/dl)にならなかった動物として定義される。陰影領域は、リラグルチドの中止を示している。治療群3及び4のマウスの総数は、3匹のマウスが組織学のために除外されたため、1群あたり15匹のみである(18匹ではない)。
本発明者らは、驚くべきことに、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬の投与が、糖尿病の対象における血中グルコースレベルのより良い調節、例えば、糖尿病の対象における血中グルコースレベルの持続的な正常化を可能にすることを見出した。
本発明は、1型糖尿病の治療及び/又は予防のためのGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬の使用に関する。換言すれば、本発明は、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬を、それらを必要とする患者に投与する工程を含む1型糖尿病の治療及び/又は予防のための方法に関する。
一実施形態では、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬は、1型糖尿病の治療又は予防のための方法における使用のためのものである。
一実施形態では、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬は、最近診断された1型糖尿病を有する対象に投与される。一実施形態では、治療は、診断の12週間以内に開始される。一実施形態では、治療は、診断の8週間以内に開始される。一実施形態では、治療は、診断の4週間以内に開始される。
一実施形態では、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬は、1型糖尿病を発症するリスクがある対象、例えば、膵島自己抗体を有する対象又は膵島自己抗体はないが遺伝的にリスクがある対象に投与される。
一実施形態では、本発明は、有効量のGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及び有効量のIL-21機能の阻害薬の投与に関する。
IL-21機能の阻害薬
本発明によれば、IL-21機能の阻害薬は、IL-21を介したシグナル伝達及び生物学的効果を阻害する能力を有する作用剤であり、こうした作用剤は、IL-21中和性であると記載されることもある。本発明における使用のためのIL-21機能の阻害薬(IL-21/IL-21Rαアンタゴニストとも呼ばれる)は、IL-21を介したシグナル伝達及び生物学的効果を阻害する能力を有する作用剤である。好ましい一実施形態では、本発明における使用のためのIL-21Rαアンタゴニストは、IL-21に対する結合についてγC又はIL-21Rαのいずれかと競合する能力を有している中和性の抗IL-21抗体である。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21に特異的に結合することができる抗体である。一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、抗IL-21抗体である。一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21に対する結合について受容体鎖と競合し、ここで、前記受容体鎖は、IL-21Rα(専用の鎖)及びγC(共通ガンマ鎖)からなるリストから選択される。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21に対する結合についてIL-21Rαと競合する。一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、ヒトIL-21のヘリックス1及び3に結合する。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21上の不連続なエピトープに結合し、ここで、前記エピトープは、配列番号1に記載のアミノ酸I37からY52及びN92からP108を含む。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21上の不連続なエピトープに結合し、ここで、前記エピトープは、配列番号1に記載のI37からY52の領域内及びN92からP108の領域内のアミノ酸を含む。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、配列番号1によって定義されているIL-21のR34、R38、Q41のうちの少なくとも1つ並びにK102及びR105のうちの1つに結合する。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、配列番号1によって定義されているIL-21のR34、R38、Q41、K012及びR105のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ又は5つすべてに結合する。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21上の不連続なエピトープに結合し、ここで、前記阻害薬は、アミノ酸残基34、37、38、41、44、45、47、48、51、52、92、94、95、97、98、99、101、102、105、106、107及び108のうちの少なくとも15個に直接的な接触(4.0Åのカットオフ)を有する。
一実施形態では、抗体は、I37、R38、Q41、D44、I45、D47、Q48、N51及びY52(ヘリックス1領域)に直接的な接触を有する。一実施形態では、抗体は、(ヘリックス3領域)のN92、R94、I95、N97、V98、S99、K101、K102、R105、K106、P107及びP108に直接的な接触を有する。
IL-21に対する結合についてIL-21Rαと競合する抗IL-21抗体の例は、最初にWO2010055366にクローン番号362.78.1.44として開示されたヒト抗体である「mAb5」抗体である。mAb5の重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号2+3(IgG1アイソタイプバージョン)に示されている。一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、mAb5である。mAb5抗体は、ヒトIL-21のヘリックス1+3、又はより詳細には、配列番号1に記載のように、アミノ酸I37からY52及びN92からP108に結合する。mAb5、及びそのバリアントの結合特性、及びそれらの利点(高い親和性及び効力)は、WO2012098113により詳細に記載されている。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、WO2010/055366又はWO2012098113に記載の通りである。一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、WO2010/055366の表1に挙げられている抗体の群から選択される。一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、WO2010/055366において362.78.1.44と呼ばれる、ハイブリドーマによって産生された抗体又は抗体断片であり、ここで、ハイブリドーマは、American Type Culture Collectionに寄託され、ATCC特許寄託名称PTA-8790を有する。
JBC、第287巻、第12号、9454〜9460頁、2012年3月16日には、IL-21/IL-21Rα結合についての更なる詳細が開示されている。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、以下を含む抗ヒトIL-21モノクローナル抗体又は抗体断片である:
(a)以下を含む重鎖領域:
(i)配列番号15を含む重鎖可変領域CDR1;
(ii)配列番号16を含む重鎖可変領域CDR2;及び
(iii)配列番号17を含む重鎖可変領域CDR3;並びに
(b)以下を含む軽鎖領域:
(i)配列番号19を含む軽鎖可変領域CDR1;
(ii)配列番号20を含む軽鎖可変領域CDR2;及び
(iii)配列番号21又は22を含む軽鎖可変領域CDR3;
ここで、抗体のFc部分は、エフェクター機能を低下させるためにアミノ酸置換で任意選択で改変される。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、i)配列番号14のアミノ酸残基20から145及び配列番号18のアミノ酸残基21から126、又はii)配列番号14のアミノ酸残基1から145及び配列番号18のアミノ酸残基1から126を含み、且つ抗体のFc部分が、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4からなる群から選択される、抗ヒトIL-21モノクローナル抗体又は抗体断片である。
Fc部分は、生物物理学的/生化学的プロファイル又はエフェクター機能プロファイルを増大させるために更に最適化されてもよい。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、配列番号2に記載の3つのCDR配列及び配列番号3に記載の3つのCDR配列を含む。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21に対する結合についてγCと競合する抗IL-21抗体である。一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、ヒトIL-21のヘリックス2及び4に結合する。一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、配列番号1に記載のアミノ酸Glu65、Asp66、Val67、Glu68、Thr69、Asn70、Glu72、Trp73、Lys117、His118、Arg119、Leu143、Lys146、Met147、His149、Gln150、及びHis151を含むエピトープに結合する。
IL-21に対する結合についてγCと競合する抗IL-21抗体の例は、最初にWO2010055366にクローン番号366.328.10.63として開示されたヒト抗体である「mAb14」抗体である。mAb14は、ヒトIL-21のヘリックス2+4に結合する。より詳細には、mAb14は、WO2012164021に記載のように、ヒトIL-21のGlu65、Asp66、Val67、Glu68、Thr69、Asn70、Glu72、Trp73、Lys117、His118、Arg119、Leu143、Lys146、Met147、His149、Gln150、及びHis151に結合する。mAb14の重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号4+5に示されている。IL-21に対する結合についてγCと競合する抗IL-21抗体の更なる例は、WO2012164021に記載されている。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、mAb14である。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、配列番号4に記載の3つのCDR配列及び配列番号5に記載の3つのCDR配列を含む。
mAb5及びmAb14型の抗体は、IL-21に対する(ナノモル範囲で)異常に高い親和性、及びIL-21に誘導される影響を中和する大きな効力を有することを一般に特徴とする。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21に対する結合についてmAb5と競合する。阻害薬は、mAb5と同じビンの抗体であってもよい。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21に対する結合についてmAb14と競合する。阻害薬は、mAb5と同じビンの抗体であってもよい。
本発明における使用のためのIL-21機能の阻害薬又は中和性のIL-21Rαアンタゴニストの更なる実施形態は、IL-21Rαに対する結合についてIL-21と競合するものである。本発明における使用のためのIL-21Rαアンタゴニストは、好ましくは、IL-21Rαのβ鎖を連結するループに結合する作用剤である。AB、CD、EF、B'C'、及びF'G'ループ並びにリンカーはすべて、IL-21に結合するのに関与する残基を含む。IL-21Rにおいて、CDループ内のTyr36、EFループ内のMet89及びAsp91、及びB'C'ループ内のTyr148は、結合性表面に最も寄与する。最も重要なループはEFループであり、これは、IL-21に結合するのに関与するIL-21Rの20個のアミノ酸のうちの7個を供給する。
本発明における使用のための抗IL-21R抗体は、EFループに結合してもよい。本発明における使用のための好ましい抗IL-21R抗体は、以下から選択される少なくとも10個のアミノ酸残基の群に結合する: IL-21R(配列番号6)のTyr29、Gln52、Gln54、Tyr55、Glu57、Leu58、Phe86、His87、Phe88、Met89、Ala90、Asp91、Asp92、Ile93、Leu113、Ala115、Pro145、Ala146、Tyr148、Met149、Lys153、Ser209、Tyr210。
本発明における使用のためのIL-21/IL-21Rα、例えば抗IL-21R抗体、又はアンタゴニストは、IL-21RαのγCとの結合及びしたがってIL-21/IL-21Rα/γC複合体のアセンブリに干渉する抗体である。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、IL-21に結合し、且つそれによってIL-21機能を阻害する。IL-21機能の阻害薬は、IL-21に結合するIL-21受容体の断片を含む融合タンパク質、例えば、Chimerigen社によって製造され且つ例えばwww.biomol.deから商品番号CHI-HF-21021R-C100として商業的に入手可能な組換え製品「IL-21R(human):Fc(human)(rec.)」であってもよい。
一実施形態では、IL-21機能の阻害薬は、107M-1以上、108M-1以上、109M-1以上、1010M-1以上、1011M-1以上、又は1012M-1以上の結合親和性でIL-21に特異的に結合する。
本発明による「中和性の」IL-21阻害薬又は抗体は、IL-21Rαを介してシグナル伝達を有意に阻害する能力を有している分子である。中和性の効果は、IL-21R及びγCを発現している細胞を使用する多様な機能的アッセイ、例えば、NK92細胞を使用する生理活性アッセイ並びにWO2012/098113及びWO2012/164021に開示され且つ本明細書中でアッセイIII及びIVにおいて例示されているようなB細胞増殖アッセイ等において評価されうる。B細胞増殖アッセイにおけるナノモル範囲内のIC50は、極めて有効な中和性のIL-21阻害薬とみなされる。一般に、本明細書中に記載の抗体と同様の中和性の効果を有する分子は、IL-21の中和性の阻害薬であるとみなされる。
「抗体」、「組換え抗体」、「モノクローナル抗体」及び「mAb」という用語は、本明細書中で使用される場合、抗原に特異的に結合する能力を有する本発明による免疫グロブリン分子及びその断片を指すことが意図される。完全長の抗体は、4つ(又はそれより多く)のポリペプチド鎖、すなわち、ジスルフィド結合によって相互に連結された少なくとも2つの重(H)鎖及び少なくとも2つの軽(L)鎖を含む。それぞれの重鎖は、重鎖可変領域(本明細書中でVHと略記される)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2及びCH3を含む。それぞれの軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書中でVLと略記される)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLを含む。VH及びVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、超可変性の領域に更に再分割され得、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存された領域が散在する。それぞれのVH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に以下の順序: FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置された、3つのCDR及び4つのFRからなる。抗体配列中の可変領域及びCDRは、既知の可変領域のデータベースに対して配列をアライメントすることによって同定されうる。[フレームワーク及びCDRは、この中のKabat番号付けスキームによって定義される - (Kabat, EA、Wu, TT、Perry, HMらSequences of Proteins of Immunological Interest、第5版。US Department of Health and Human Services、Public Health Service、National Institutes of Health、NIH出版番号91-3242、1991)。
抗体の断片結晶化可能領域(「Fc領域」/「Fcドメイン」)は、Fc受容体と呼ばれる細胞表面受容体及び補体系の一部のタンパク質と相互作用する抗体の尾部領域を含む。この特性は、抗体が免疫系を活性化できるようにする。しかし、Fcドメインは、結果としてこれらのエフェクター機能の改変をもたらすアミノ酸変異を含んでいてもよい。好ましくは、改変されたFcドメインは、それぞれ結果として特定のFc受容体に対する親和性の低下(L234A、L235E、及びG237A)及びC1qを介した補体結合の低減(A330S及びP331S)をもたらすことになる上記の変異(EUインデックスによる残基番号付け)のうちの1つ又は複数、好ましくはすべてを含む。こうしたFcドメインは、in vivoでの長い循環半減期を依然として保持することになる。
「Fab領域」/「Fabドメイン」/「Fab断片」と呼ばれる、抗体の他の部分は、抗体が結合できる特異的な標的を定める可変領域を含む。Fab断片は、全長の抗体から、よく知られている方法を使用して、例えば、酵素、例えば、(Fab断片を産生するための)パパイン又は[F(ab')2断片を産生するための]ペプシンでのタンパク質分解切断によって、産生され得る。代替的に、抗体断片は、標準的な組換えDNA及びタンパク質発現技術を使用して、組換えで作製されてもよい。
「抗体」という用語に包含される結合性断片の例には、したがって、以下が含まれるが、これらに限定されない: (i)VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価の断片、Fab断片; (ii)ジスルフィド架橋によってヒンジ領域で連結された2つのFab断片を含む二価の断片、F(ab)2及びF(ab')2断片; (iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片; (iv)抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるscFv断片、(v)VHドメインからなる、dAb断片[Wardら、(1989) Nature 341:544〜546]、及び(vi)単離された相補性決定領域(CDR)。更に、Fv断片の2つのドメイン、VL及びVHは、別々の遺伝子によってコードされるが、これらは、VL及びVH領域対が一価の分子を形成する単一のタンパク質鎖としてこれらが産生されるのを可能にする合成リンカーによって、組換えの方法を使用して、連結されうる[単鎖Fv(scFv)として知られている;例えば、Birdら(1988) Science 242:423〜426:及びHustonら(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879〜5883)を参照されたい]。こうした単鎖抗体も、「抗体」という用語に包含されることが意図される。他の形態の単鎖抗体、例えばダイアボディも、「抗体」という用語に包含される。ダイアボディは、VH及びVLドメインが単一のポリペプチド鎖上で発現されるが、同じ鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用し、それによってドメインが別の鎖の相補的なドメインと対になるのを強制して2つの抗原結合部位を生じる、二価の、二重特異性抗体である[例えば、Hol-liger, P.ら(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444〜6448; Poljak, R. J.ら(1994) Structure 2:1121〜1123を参照されたい]。
抗原は、(1)単一のペプチド鎖からなる抗原決定基、(2)空間的に隣接した1つ又は複数のペプチド鎖を含み、エピトープのそれぞれのアミノ酸配列がポリペプチド配列に沿ってバラバラに位置する、立体構造のエピトープ、及び(3)全体又は部分のいずれかにおいて、翻訳後に抗原に共有結合で付加される分子構造、例えば、炭水化物基、又は類似物を含む翻訳後のエピトープ、を含む1つ又は複数のエピトープを有しうることが理解される。
「ヒト抗体」という用語は、本明細書中で使用される場合、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列から誘導される可変及び定常領域を有している抗体を意味する。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、in vitroでの無作為若しくは部位特異的な変異生成によって又はin vivoでの体細胞変異によって導入された変異)を、例えばCDR内に及び特にCDR3内に、含んでいてもよい。
CDR配列が別の哺乳動物種(例えばマウス等)に由来する抗体から誘導され、ヒトフレームワーク配列上へグラフトされていて、且つ任意選択で変異生成によって更に改変される可能性がある抗体は、「ヒト化抗体」と呼ばれる。
「キメラ抗体」という用語は、軽鎖及び重鎖遺伝子が、典型的には遺伝子工学によって、異なる種に属している免疫グロブリン可変及び定常領域遺伝子から構築されている、本発明による抗体を指す。例えば、マウスモノクローナル抗体からの遺伝子の可変セグメントが、ヒト定常セグメントに連結されてもよい。
「エピトープ」という用語は、本明細書中で使用される場合、「抗原結合性ポリペプチド」、例えば抗体(Ab)、とその対応する抗原(Ag)との間の分子相互作用の文脈において定義される。一般に、「エピトープ」とは、Abが特異的に結合するAg上の区域又は領域、すなわち、Abと物理的に接触する区域又は領域を指す。物理的な接触は、Ab及びAg分子内の原子についての多様な判定基準(例えば、2〜6Å、例えば3Å、例えば4Å、例えば5Åの距離カットオフ;又は溶媒露出度)を通して定義されうる。タンパク質エピトープは、Abに対する結合に直接関与するアミノ酸残基(エピトープの免疫優性成分とも呼ばれる)と、結合に直接関与しない、他のアミノ酸残基、例えば、Abによって有効にブロックされるAgのアミノ酸残基、すなわち、Abの「溶媒が排除された表面」及び/又は「フットプリント」内のアミノ酸残基とをAg内に含みうる。
所与の抗体(Ab)/抗原(Ag)対についてのエピトープは、実験及びコンピュータによる多様なエピトープマッピング法を使用して、様々なレベルの細部について、記述及び特徴付けされうる。実験方法には、当技術分野において知られている方法である、変異生成、X線結晶解析、核磁気共鳴(NMR)分光法、水素重水素交換質量分析(HX-MS)及び多様な競合結合法が含まれる。それぞれの方法が固有の原理に依存しているので、エピトープの記載は、それが決定された方法に密接に連鎖する。したがって、採用されたエピトープマッピング法に依存して、所与のAb/Ag対についてのエピトープは異なって記載されることもある。
同じ抗原に結合する抗体は、それらの共通の抗原に同時に結合するそれらの能力に関して特徴付けされえ、「競合結合」/「ビニング」が行われうる。本文脈において、「ビニング」という用語は、同じ抗原に結合する抗体をグループ化する方法を指す。抗体の「ビニング」は、標準的な技術に基づいたアッセイ、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)、ELISA又はフローサイトメトリーにおける、2種の抗体のそれらの共通の抗原に対する競合結合に基づきうる。
抗体の「ビン」は、参照抗体を使用して定められる。ある第2の抗体が参照抗体と同時に抗原に結合することができない場合、その第2の抗体は、参照抗体と同じ「ビン」に属すると言われる。この場合には、参照抗体及び第2の抗体は、抗原の同じ部分を競合的に結合し、「競合抗体」とされる。ある第2の抗体が参照抗体と同時に抗原に結合することができる場合、その第2の抗体は、別々の「ビン」に属すると言われる。この場合には、参照抗体及び第2の抗体は、抗原の同じ部分を競合的に結合せず、「非競合抗体」とされる。
「親和性」という用語は、本明細書中で使用される場合、受容体及びリガンドの結合、しばしばエピトープに対する抗体の結合、の強度を定義する。抗体の親和性は、[Ab]×[Ag]/[Ab-Ag](式中、[Ab-Ag]は抗体-抗原複合体のモル濃度であり、[Ab]は結合していない抗体のモル濃度であり、[Ag]は結合していない抗原の平衡でのモル濃度である)と定義される、平衡解離定数KDによって測定される。KDは、例えばSPR法によって決定される、複合体形成及び解離の動態からも記載されうる。一価の複合体の結合及び解離に対応する速度定数は、それぞれ結合速度定数ka(又はkon)及び解離速度定数kd(又はkoff)と呼ばれる。KDは、次いで、方程式KD=kd/kaを通してka及びkdと関連付けされる。親和定数KAは、1/KDによって定義される。競合的阻害によって抗体特異性及び親和性を決定するための好ましい方法は、Harlowら、Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press社、Cold Spring Harbor、N.Y.、1988)、Colliganら編、Current Protocols in Immunology、Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience社、N.Y.、(1992、1993)、及びMuller、Meth. Enzymol. 92:589〜601 (1983)の中で見出すことができる。高親和性抗体の使用は、本発明に関して好ましく、例えばSPRによって測定される例えば107M-1以上、108M-1以上、109M-1以上、1010M-1以上、1011M-1以上、又は1012M-1以上の結合親和性で抗原に特異的に結合する抗体がその例である。
一実施形態では、「抗IL-21抗体」及び「抗IL-21」という用語は、本明細書において互換可能に使用され、IL-21に特異的に結合する能力を有する抗体を指す。
本発明における使用のためのIL-21/IL-21Rαアンタゴニスト、例えば抗IL-21抗体は、組換え核酸技術によって作製されうる。一般に、クローニングされた野生型タンパク質X核酸配列は、所望のタンパク質をコードするように改変される。この改変された配列は、次いで、発現ベクター中に挿入され、それが宿主細胞内にトランスフォーム又はトランスフェクトされる。
配列
更なる配列情報のために、配列表の参照が行われる。
配列番号1: hIL-21(アミノ酸1〜29にわたるシグナルペプチドを含む - mAb5エピトープは太字で示されている; IL-21Rα結合部位は下線で示されている; mAb14エピトープを形成しているアミノ酸残基は斜体の小文字で示されている)。
4つのヘリックスが、以下のアミノ酸にわたって広がっている;ヘリックス1 アミノ酸32〜57、ヘリックス2 アミノ酸72〜81、ヘリックス3 アミノ酸93〜103及びヘリックス4 アミノ酸133〜149。
配列番号2:「mAb5」:軽鎖(シグナルペプチドは省略されている - CDR配列は太字/下線で示されている - 定常領域は小文字で示されている):
配列番号3:「mAb5」: IgG1アイソタイプの重鎖(シグナルペプチドは省略されている - CDR配列は太字/下線で示されている - 定常領域は小文字で示されている):
配列番号4:「mAb14」軽鎖(シグナルペプチドは省略されている - CDR配列は太字/下線で示されており、定常領域は小文字で示されている):
配列番号5: IgG4アイソタイプの「mAb14」重鎖(シグナルペプチドは省略されている - CDR配列は太字/下線で示されており、定常領域は小文字で示されている):
配列番号6: IL-21Rα(シグナル配列を含む):
配列番号7:γC(共通ガンマ鎖/IL-2Rγ)シグナル配列を含む:
配列番号11:組換えマウスIL-21:
配列番号12:マウス代替抗IL-21のアミノ酸配列 - 可変軽鎖(mIgG1/カッパアイソタイプ):
配列番号13:マウス代替抗IL-21のアミノ酸配列 - 可変重鎖(mIgG1/カッパアイソタイプ):
配列番号14:
配列番号15:
配列番号16:
配列番号17:
配列番号18:
配列番号19:
配列番号20:
配列番号21:
配列番号22:
GLP-1受容体アゴニスト
受容体アゴニストは、受容体に結合して天然リガンドの典型的な応答を導き出すアナログとして定義されうる。完全アゴニストは、天然リガンドと同規模の応答を導き出すものとして定義されうる(例えば、「Principles of Biochemistry」、AL Lehninger、DL Nelson、MM Cox、第2版、Worth Publishers社、1993、763頁を参照されたい)。
したがって、例えば、「GLP-1受容体アゴニスト」又は「GLP-1アゴニスト」は、GLP-1受容体に結合することができ且つそれを活性化することができる化合物として定義されうる。且つ「完全」GLP-1受容体アゴニストは、ヒトGLP-1と同様の規模のGLP-1受容体応答を導き出すことができるGLP-1受容体アゴニストとして定義されうる。
GLP-1アゴニスト
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、GLP-1(7-35)、GLP-1(7-36)、GLP-1(7-36)-アミド、GLP-1(7-37)、GLP-1(7-38)、GLP-1(7-39)、GLP-1(7-40)、GLP-1(7-41)又はこれらのアナログ若しくは誘導体から選択されるGLP-1ペプチドである。一実施形態では、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)と比較して置換、挿入又は欠失されている15個以下の、例えば10個以下又は6個以下の、アミノ酸残基を含む。一実施形態では、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)と比較して置換、挿入又は欠失されている5個以下の、例えば4個以下又は3個以下の、アミノ酸残基を含む。一実施形態では、GLP-1ペプチドは、遺伝子コードによってコードされていない4個以下のアミノ酸残基を含む。
更に別の実施形態では、GLP-1アゴニストは、エキセンディン-4若しくはエキセンディン-3、エキセンディン-4若しくはエキセンディン-3のアナログ、又はこれらの任意の誘導体である。
一実施形態では、本発明における使用のためのGLP-1アゴニストは、GLP-1活性を有する。一実施形態では、「GLP-1アゴニスト」は、ヒトGLP-1受容体を完全に又は部分的に活性化する、ペプチド及び非ペプチド性化合物を含む、任意の化合物を指すと理解される。一実施形態では、「GLP-1アゴニスト」は、GLP-1受容体に結合する任意のペプチド性又は非ペプチド性の小分子であり、好ましくは、当技術分野において知られている方法(例えば、WO98/08871を参照されたい)によって測定されるように1μM未満、例えば100nM未満の親和定数(KD)又は効力(EC50)を有する。
一実施形態では、「GLP-1アゴニスト」は、ヒトGLP-1受容体を完全に又は部分的に活性化する、ペプチドを指すと理解される。一実施形態では、「GLP-1アゴニスト」は、GLP-1受容体に結合する任意のペプチドであり、好ましくは、当技術分野において知られている方法(例えば、WO98/08871を参照されたい)によって測定されるように1μM未満、例えば100nM未満の親和定数(KD)又は効力(EC50)を有する。一実施形態では、「GLP-1アゴニスト」は、ヒトGLP-1受容体を完全に又は部分的に活性化する、ペプチド及び非ペプチド性化合物を含む、任意の化合物を指すと理解される。一実施形態では、「GLP-1ペプチド」は、GLP-1受容体に結合する任意のペプチド性又は非ペプチド性の小分子であり、好ましくは、当技術分野において知られている方法(例えば、WO98/08871を参照されたい)によって測定されるように1μM未満、例えば100nM未満の親和定数(KD)又は効力(EC50)を有する。一実施形態では、「GLP-1アゴニスト」は、非ペプチド性化合物、例えば非ペプチド性小分子ではない。
一実施形態では、GLP-1アゴニストを同定するための方法はWO93/19175(Novo Nordisk A/S)に記載されており、本発明によって使用されうる好適なGLP-1アゴニストの例はWO2005/027978(Novo Nordisk A/S)において言及されているものを含み、これらの教示はいずれも参照により本明細書に組み込まれている。「GLP-1活性」とは、GLP-1受容体に結合して、結果としてインスリン分泌作用又は当分野で知られているような他の生理学的効果をもたらすシグナル伝達経路を開始する能力を指す。例えば、本発明のGLP-1アゴニストは、本明細書中のアッセイ(I)に記載のアッセイを使用してGLP-1活性について試験されうる。一実施形態では、GLP-1アゴニストは、任意選択でアッセイ(I)によって決定される、3000pM以下、例えば、500pM以下又は100pM以下のEC50を有する。
更に別の実施形態では、GLP-1アゴニストは、安定なGLP-1アゴニストである。本明細書中で使用される場合、「安定なGLP-1アゴニスト」(例えば「安定なGLP-1ペプチド」)とは、以下に記載の方法によって任意選択で決定される、ヒトにおいて少なくとも24時間のin vivoでの血漿中の消失半減期を示すGLP-1アゴニストを意味する。安定なGLP-1アゴニストの例(例えばGLP-1ペプチド)は、WO2006/097537の中で見出すことができる。一実施形態では、GLP-1アゴニストは、DPPIV保護されたGLP-1ペプチドである。一実施形態では、GLP-1ペプチドは、DPPIV安定化される。
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、少なくとも24時間、例えば、少なくとも48時間、少なくとも60時間、若しくは少なくとも72時間、又は例えば、少なくとも84時間、少なくとも96時間、若しくは少なくとも108時間、又は任意選択で、少なくとも120時間、少なくとも132時間、若しくは少なくとも144時間の半減期を有し、ここで、前記半減期は、例えばアッセイ(II)によって、ヒト又はミニブタにおいて任意選択で決定される。
一実施形態では、ヒトにおける化合物の血漿中の消失半減期の決定のための方法は、以下のように行われうる:化合物は、等張バッファー、pH7.4、PBS又は他の任意の好適なバッファー中に溶解される。投与は、末梢に、好ましくは腹部又は上腿に、注射される。活性化合物の決定のための血液試料は、頻繁な間隔で、且つ終末相消失部分をカバーするための十分な期間で採取される[例えば、投与前、投与後1、2、3、4、5、6、7、8、10、12、24時間(2日目)、36時間(2日目)、48時間(3日目)、60時間(3日目)、72時間(4日目)及び84時間(4日目)]。活性化合物の濃度の決定は、Wilkenら、Diabetologia 43(51)、2000に記載のように行われる。誘導される薬物動態パラメーターは、市販のソフトウェアWinNonlin Version 2.1(Pharsight社、Cary、NC、USA)を使用して、ノンコンパートメント法を使用することによって各個の対象についての濃度-時間データから算出される。終末相消失速度定数は、濃度-時間曲線の終末相log-直線部分におけるlog-直線回帰によって算定され、消失半減期を算出するために使用される。
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、GLP-1誘導体である。こうした一実施形態では、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)のアミノ酸配列に対して相対的に23、26、34、36又は38位にあるアミノ酸残基を介して親水性スペーサーに付加される。
一実施形態では、GLP-1誘導体は、任意選択で親水性スペーサーを介して、共有結合で付加されたアルブミン結合性残基を含む。一実施形態では、前記アルブミン結合性残基は、任意選択で親水性スペーサーを介して、前記GLP-1ペプチドのC末端アミノ酸残基又はC末端アミノ酸残基でないアミノ酸残基に共有結合で付加される。一実施形態では、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)のアミノ酸配列に対して相対的に23、26、34、36又は38位にあるアミノ酸残基を介して親水性スペーサーに付加される。
ヒトグルカゴン様ペプチド-1は、GLP-1(7-37)であり、配列HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号8)を有する。GLP-1(7-37)は、「天然の」GLP-1とも呼ばれうる。配列表において、GLP-1(7-37)の最初のアミノ酸残基(ヒスチジン)は、1番と指定される。しかし、以下では - 当技術分野において確立された慣例により - このヒスチジン残基は7番と呼ばれ、後続のアミノ酸残基はそれに応じて番号付けされ、グリシン37番で終わる。したがって、一般に、本明細書中のGLP-1(7-37)配列のアミノ酸残基番号又は部位番号へのいかなる言及も、7位にあるHisから始まり37位にあるGlyで終わる配列に対する。GLP-1アナログは、対応するアミノ酸部位を使用して参照されうる。
好適なアナログ命名法の非限定的な例は、8位にあるアラニンがα-アミノイソ酪酸(Aib)で置換され、34位にあるリシンがアルギニンで置換され、且つ37位にあるグリシンがリシンで置換されている、GLP-1(7-37)アナログを表す、[Aib8、Arg34、Lys37]GLP-1(7-37)である。
「ペプチド」という用語は、例えば、本発明のGLP-1ペプチドの文脈において使用される場合、アミド(又はペプチド)結合によって相互に連結された一連のアミノ酸を含む化合物を指す。
本発明のペプチドは、ペプチド結合によって連結された少なくとも5個の組成のアミノ酸を含む。特定の実施形態では、ペプチドは、少なくとも10個、好ましくは少なくとも15個、より好ましくは少なくとも20個、更により好ましくは少なくとも25個、又は最も好ましくは少なくとも28個のアミノ酸を含む。特定の実施形態では、ペプチドは、i)29個、ii)30個、iii)31個、又はiv)32個のアミノ酸からなる。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)の全長にわたりGLP-1(7-37)と少なくとも60%、65%、70%、80%又は90%の配列同一性を示す。2種のアナログ間の配列同一性の決定のための方法の一例として、2種のペプチド[Aib8]GLP-1(7-37)及びGLP-1(7-37)がアライメントされる。GLP-1(7-37)に対して相対的な[Aib8]GLP-1(7-37)の配列同一性は、アライメントされた同一の残基の数から異なる残基の数を減算してGLP-1(7-37)中の残基の総数によって除算することによって与えられる。したがって、前記の例では、配列同一性は(31-1)/31である。一実施形態では、GLP-1ペプチドの非ペプチド性部分は、配列同一性を決定するときに含まれない。
「誘導体」という用語は、本明細書中では「コンジュゲート」という用語とは異なる。誘導体、例えばGLP-1誘導体は、ペプチド、本明細書中では主にGLP-1ペプチドの1つ又は複数の特定のアミノ酸残基に共有結合で付加された明確な構造の1つ又は複数の置換基又は側鎖を含む。替わって、コンジュゲートは、合成リンカーを介してペプチドに共有結合で結合された大きな、典型的には組換えの分子(例えばIgG-Fc又はアルブミン)を有する化合物を指す(それゆえに融合タンパク質と区別される)。
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、GLP-1ペプチド誘導体である。一実施形態では、「誘導体」という用語は、本明細書中でGLP-1ペプチド又はアナログの文脈において使用される場合、1つ又は複数の置換基がペプチド又はアナログに共有結合で付加されている、化学的に改変されたGLP-1ペプチド又はアナログを意味する。置換基は、側鎖とも呼ばれうる(アミノ酸側鎖と混同されない)。典型的な改変は、アミド、炭水化物、アルキル基、アシル基、エステル等である。GLP-1(7-37)の誘導体の例は、Nε26-(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))-[Arg34、Lys25])GLP-1(7-37)である。特定の実施形態では、側鎖は、アルブミンと非共有結合性凝集体を形成することによって血流によるGLP-1ペプチドの循環を促進することができ、またGLP-1ペプチド及びアルブミンの凝集体がゆっくりとしか、崩壊して活性医薬成分を放出しないことにより、GLP-1ペプチドの作用の時間を延長する効果を有することができる。したがって、置換基、又は側鎖は、全体として、アルブミン結合性部分と呼ばれうる。
特定の実施形態では、側鎖は、少なくとも10個の炭素原子、又は少なくとも15、20、25、30、35個、若しくは少なくとも40個の炭素原子を有する。更に特定の実施形態では、側鎖は、少なくとも5個のヘテロ原子、特にO及びN、例えば少なくとも7、9、10、12、15、17個、又は少なくとも20個のヘテロ原子、例えば少なくとも1、2、若しくは3個のN原子、及び/又は少なくとも3、6、9、12、又は15個のO原子を更に含んでいてもよい。
別の特定の実施形態では、アルブミン結合性部分は、アルブミン結合性ひいては延長性に特に関連する部分( portion)を含み、この部分は、したがって、延長性部分(protracting moiety)と呼ばれうる。延長性部分は、ペプチドに対するその付加の位置に相対して、アルブミン結合性部分の反対端に、又はその近くに、あってもよい。
なお更に特定の実施形態では、アルブミン結合性部分は、延長性部分とペプチドに対する付加の位置との間に部分を含み、この部分は、リンカー、リンカー部分、スペーサー等と呼ばれうる。リンカーは任意選択であってもよく、したがってその場合には、アルブミン結合性部分は延長性部分と同一であってもよい。
特定の実施形態では、アルブミン結合性部分及び/又は延長性部分は、親油性であり、且つ/又は生理学的pH(7.4)において負に帯電する。
アルブミン結合性部分、延長性部分、又はリンカーは、GLP-1ペプチドのリシン残基にアシル化によって共有結合で付加されてもよい。誘導体を調製するための更なる又は代替の手段には、アルキル化、エステル形成、若しくはアミド形成、又はシステイン残基へのカップリング、例えばマレイミド又はハロアセトアミド(例えばブロモ-/フルオロ-/ヨード-)によるカップリングが含まれる。
一実施形態では、例えば延長性部分及びリンカーを含む、アルブミン結合性部分の活性エステルは、アミド結合の形成下でリシン残基のアミノ基、例えばそのイプシロンアミノ基に共有結合で連結される(この方法はアシル化と呼ばれている)。
他に明記しない限り、リシン残基のアシル化への言及がなされる場合には、そのイプシロンアミノ基に対することが理解される。
本目的では、「アルブミン結合性部分」、「延長性部分」、及び「リンカー」という用語は、これらの分子の反応した形態だけでなく未反応の形態も含みうる。一方又は他方の形態が意味されているかどうかは、その用語が使用されている文脈から明らかである。
通常、延長性部分は、特定の部位にあるLysのイプシロンアミノ基にリンカーを介して連結され、同様に、一実施形態では、延長性部分、リンカー及びペプチドの間のすべての連結は、アミド結合である。
半減期延長特性のために、前記アルブミン結合性残基として且つ特に延長性部分の鍵となる部分として、脂肪酸が使用されてもよい。GLP-1ペプチドへの付加のために、脂肪酸の酸性基、又は脂肪二酸の酸性基のうちの1つは、GLP-1ペプチド中のリシン残基のイプシロンアミノ基とのアミド結合を介して直接に又はリンカーを介してのいずれかで付加される。
一実施形態では、GLP-1誘導体は、モノアシル化される。一実施形態では、GLP-1誘導体は、K26においてアシル化される。
一実施形態では、GLP-1誘導体は、ジアシル化される。一実施形態では、GLP-1誘導体は、K26及びK37、K27及びK36又はK38及びK42においてアシル化される。
一実施形態では、「脂肪酸」という用語は、4から28個までの炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸を指し、それは、任意選択で非分枝であり、且つ/又は番号付けされていても、且つ飽和若しくは不飽和であってもよい。
一実施形態では、「脂肪二酸」という用語は、上記に定義されている脂肪酸と同様であるが、オメガ位に更なるカルボン酸基を有する脂肪酸を指す。したがって、脂肪二酸は、ジカルボン酸である。
一実施形態では、延長性部分は、C14〜C20脂肪酸及びC16〜C20脂肪二酸から独立に選択される1種又は複数の脂肪酸を含む。
一実施形態では、延長性部分は、C16脂肪酸(CH3-(CH2)14-CO-)を含んでいてもよい。
一実施形態では、延長性部分は、C18二酸基(HOOC-(CH2)16-CO-)を含んでいてもよい。一実施形態では、延長性部分は、C20二酸基(HOOC-(CH2)18-CO-)を含んでいてもよい。
一実施形態では、延長性部分は、4-COOH-PhO-脂肪酸を含んでいてもよく、ここで、4-COOH-PhO-構造の後に-(CH2)y-C(=0)-[式中、yは7〜11である]が続く。
一実施形態では、延長性部分は、化9を含んでいてもよく、式中、y=9である。
化4:
一実施形態では、GLP-1ペプチド誘導体の延長性部分のうちの1つ又は複数は、リンカーを介して付加される。
本発明のGLP-1誘導体のリンカーは、一実施形態では、以下の第1のリンカーエレメントを含みうる:
化5:
[式中、kは1〜5の範囲内の整数であり、且つnは1〜5の範囲内の整数である]。
特定の実施形態では、k=1且つn=1のときには、このリンカーエレメントは、OEG、又は8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(dioxaoctanic acid)のジラジカルを指してもよく、且つ/又は以下の式によって表されてもよい:
化5a:
*-NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO-*
別の特定の実施形態では、本発明のGLP-1ペプチドの各リンカーは、独立に、第2のリンカーエレメント、例えば、Gluジラジカル、例えば、以下の化6及び/又は化7を更に含んでいてもよい:
化6:
化7:
[式中、Gluジラジカルはp倍含まれていてもよく、ここで、pは1〜3の範囲内の整数である]。
化6は、それが、別のリンカーエレメント、又はリシンのイプシロンアミノ基への連結のためにここで使用されるアミノ酸グルタミン酸のガンマカルボキシ基であるという事実のために、ガンマ-Glu、又は簡単にgGluとも呼ばれうる。上記で説明したように、他のリンカーエレメントは、例えば、別のGlu残基、又はOEG分子であってもよい。Gluのアミノ基は、次いで、延長性部分のカルボキシ基と、又は存在する場合には、例えばOEG分子の、カルボキシ基と、又は存在する場合には、例えば別のGluの、ガンマカルボキシ基と、アミド結合を形成する。
化7は、それが、別のリンカーエレメント、又はリシンのイプシロンアミノ基への連結のためにここで使用されるアミノ酸グルタミン酸のアルファカルボキシ基であるという事実のために、アルファ-Glu、又は簡単にaGlu、又は単にGluとも呼ばれうる。
化6及び化7の上記の構造は、GluのD型だけでなくL型も包含する。特定の実施形態では、化6及び/又は化7は、独立に、a)L型にある、又はb)D型にある。
なお更に特定の実施形態では、リンカーは、a)5から41個のC原子;及び/又はb)4から28個のヘテロ原子を有する。
血漿中の本発明のGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)の濃度は、任意の好適な方法を使用して決定されうる。例えば、LC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析)が使用されてもよく、又はイムノアッセイ、例えば、RIA(ラジオイムノアッセイ)、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、及びLOCI(発光酸素チャネリングイムノアッセイ)。好適なRIA及びELISAアッセイのための一般的なプロトコールは、例えば、WO09/030738において116〜118頁上で見出される。好ましいアッセイは、一般に、Poulsen及びJensenによってJournal of Biomolecular Screening 2007、第12巻、240〜247頁にインスリンの決定について記載されているような、LOCI(発光酸素チャネリングイムノアッセイ)である - 簡単に説明すると、血液試料は、望ましい間隔で採取されえ、血漿が分離されて、直ちに凍結されえ、それぞれのGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)の血漿中濃度について分析されるまで-20℃に維持されうる;ドナービーズは、ストレプトアビジンでコーティングされるのに対して、アクセプタービーズは、ペプチドの中央/C末端のエピトープを認識するモノクローナル抗体とコンジュゲートされる; N末端に特異的な、別のモノクローナル抗体はビオチン化される;これら3種の反応物は、被分析物と組み合わされ、2部位に位置する免疫複合体を形成する;複合体の照射により、ドナービーズから一重項酸素原子が放出され、それがアクセプタービーズに伝わって、Envisionプレートリーダー内で測定されうる化学発光が誘発される;光の量は、化合物の濃度に比例する。
一実施形態では、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチドは、以下の式(I)のアミノ酸配列(配列番号9)を含む:
式(I): Xaa7-Xaa8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19Xaa20GluXaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Trp-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Xaa42-Xaa43-Xaa44-Xaa45-Xaa46
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジン、α-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa8は、Ala、Gly、Val、Leu、Ile、Lys、Aib、(1-アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1-アミノシクロブチル)カルボン酸、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘプチル)カルボン酸、又は(1-アミノシクロオクチル)カルボン酸であり;
Xaa16は、Val又はLeuであり;
Xaa18は、Ser、Lys又はArgであり;
Xaa19は、Tyr又はGlnであり;
Xaa20は、Leu又はMetであり;
Xaa22は、Gly、Glu又はAibであり;
Xaa23は、Gln、Glu、Lys又はArgであり;
Xaa25は、Ala又はValであり;
Xaa26は、Lys、Glu又はArgであり;
Xaa27は、Glu又はLeuであり;
Xaa30は、Ala、Glu又はArgであり;
Xaa33は、Val又はLysであり;
Xaa34は、Lys、Glu、Asn又はArgであり;
Xaa35は、Gly又はAibであり;
Xaa36は、Arg、Gly又はLysであり;
Xaa37は、Gly、Ala、Glu、Pro、Lys、アミドであるか又は存在せず:
Xaa38は、Lys、Ser、アミドであるか又は存在せず:
Xaa39は、Ser、Lys、アミドであるか又は存在せず:
Xaa40は、Gly、アミドであるか又は存在せず:
Xaa41は、Ala、アミドであるか又は存在せず:
Xaa42は、Pro、アミドであるか又は存在せず:
Xaa43は、Pro、アミドであるか又は存在せず:
Xaa44は、Pro、アミドであるか又は存在せず:
Xaa45は、Ser、アミドであるか又は存在せず:
Xaa46は、アミドであるか又は存在せず:
但し、Xaa38、Xaa39、Xaa40、Xaa41、Xaa42、Xaa43、Xaa44、Xaa45又はXaa46が存在しない場合には、それぞれの下流のアミノ酸残基も存在しない]。
一実施形態では、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド等は、以下の式(II)のアミノ酸配列(配列番号10)を含む:
式(II): Xaa7-Xaa8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Xaa18-Tyr-Leu-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Ala-Xaa26-Glu-Phe-Ile-Xaa30-Trp-Leu-Val-Xaa34-Xaa35-Xaa36-Xaa37Xaa38
[式中、
Xaa7は、L-ヒスチジン、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジン、α-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン又は4-ピリジルアラニンであり;
Xaa8は、Ala、Gly、Val、Leu、Ile、Lys、Aib、(1-アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1-アミノシクロブチル)カルボン酸、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘプチル)カルボン酸、又は(1-アミノシクロオクチル)カルボン酸であり;
Xaa18は、Ser、Lys又はArgであり;
Xaa22は、Gly、Glu又はAibであり;
Xaa23は、Gln、Glu、Lys又はArgであり;
Xaa26は、Lys、Glu又はArgであり;
Xaa30は、Ala、Glu又はArgであり;
Xaa34は、Lys、Glu又はArgであり;
Xaa35は、Gly又はAibであり;
Xaa36は、Arg又はLysであり;
Xaa37は、Gly、Ala、Glu又はLysであり;
Xaa38は、Lys、アミドであるか又は存在しない]。
一実施形態では、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチドは、リラグルチドである。リラグルチドは、Novo Nordisk A/S社によって市販されている1日1回投与用のモノアシル化されたGLP-1ペプチドであり、WO98/08871 実施例37に開示されている。
一実施形態では、本発明は、GLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)の薬学的に許容される塩を包含する。こうした塩には、薬学的に許容される酸付加塩、薬学的に許容される金属塩、アンモニウム、及びアルキル化されたアンモニウム塩が含まれる。薬学的に許容される酸付加塩として更に意図されるのは、本GLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)が形成可能な水和物である。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、8位にAib残基を含む。一実施形態では、「Aib」という用語は、本明細書中で使用される場合、α-アミノイソ酪酸を指す。
一実施形態では、前記GLP-1ペプチドの7位にあるアミノ酸残基は、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、Nα-アセチル-ヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジン、α-メチル-ヒスチジン、3-ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン及び4-ピリジルアラニンからなる群から選択される。
一実施形態では、GLP-1アゴニストペプチドは、以下の式のアミノ酸配列を含む: H-His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-NH2。
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、親水性スペーサーを介して前記GLP-1ペプチドのC末端アミノ酸残基に付加されたアルブミン結合残基を含む。
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、C末端アミノ酸残基でないアミノ酸残基に付加された第2のアルブミン結合残基を含む。
一実施形態では、GLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)は、リラグルチド及びセマグルチドからなる群から選択される。
リラグルチドは、2009年現在、Novo Nordisk A/S社によって市販されている1日1回投与用のモノアシル化されたGLP-1アゴニストであり、WO98/08871 実施例37に開示されている。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、セマグルチドである。WO06/097537には、週1回投与用のモノアシル化されたGLP-1アゴニストである、セマグルチドが開示されている(実施例4)。一実施形態では、GLP-1ペプチドは、構造His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Aib-Argを有する。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、Arg34GLP-1(7-37)又は[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)を含む。
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、IgGのFc断片を含む。一実施形態では、GLP-1アゴニストは、IgGのFc断片及び1種又は複数の、例えば2種の、GLP-1ペプチドを含む。
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、アルビグルチド及びデュラグリチドから選択される。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、以下の構造を有する: His-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Aib-Arg。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、以下の構造を有する: (His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg)2 - 組換えでヒトアルブミンと融合される。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、デュラグルチドである。
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、ヒトにおいて少なくとも48時間の半減期を有するように製剤化される。これは、当技術分野において知られている徐放性製剤によって達成されうる。
更に別の実施形態では、GLP-1アゴニストは、エキセンディン-4若しくはエキセンディン-3、エキセンディン-4若しくはエキセンディン-3のアナログ、又はこれらの任意の誘導体である。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、エキセナチド、アルビグルチド、及びデュラグリチドからなる群から選択される。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、エキセナチドである。一実施形態では、GLP-1ペプチドは、以下の式のアミノ酸配列を含む:H-His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-NH2。エキセナチドは、アメリカドクトカゲの唾液中に見出されるホルモンである、エキセンディン-4の合成バージョンである。エキセナチドは、GLP-1と同様の生物学的特性を示す。一部の実施形態では、組成物は、BYDUREON(登録商標)(PLGA粒子中のエキセナチドの長時間作用性放出配合物)である。一実施形態では、「Bydureon(登録商標)組成物」は、注射の直前に、注射用に、カルメロースナトリウム、塩化ナトリウム、ポリソルベート20、一塩基リン酸ナトリウム(例えば、その一水和物)、二塩基リン酸ナトリウム(例えば、その七水和物)、及び水を含む溶媒中に復元される、エキセナチド、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)及びスクロースを含む粉末を指す。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、構造(His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg)2 - 遺伝的にヒトアルブミンと融合される - を有する。アルビグルチドは、組換えヒト血清アルブミン(HSA)-GLP-1ハイブリッドタンパク質であり、HSAに融合されたGLP-1ダイマーである可能性が高い。成分のGLP-1ペプチドは、8位にあるAlaがGluによって置換されているアナログである。
一実施形態では、GLP-1ペプチドは、デュラグリチドである。デュラグルチドは、GLP-1-Fcコンストラクト(GLP-1-リンカー-IgG4からのFc)である。
医薬組成物
医薬組成物の調製法は、当技術分野において知られている。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995の参照が行われる。
本発明による製剤は、バッファー系、保存剤、等張化剤、キレート化剤、安定剤及び界面活性剤を含んでいてもよい。本発明の一実施形態では、医薬製剤は、水性製剤、すなわち、水を含む製剤である。こうした製剤は、典型的には溶液又は懸濁液である。本発明の更なる実施形態では、医薬製剤は、水溶液である。「水性製剤」という用語は、少なくとも50%(w/w)の水を含む製剤として定義される。同様に、「水溶液」という用語は、少なくとも50%(w/w)の水を含む溶液として定義され、「水性懸濁液」という用語は、少なくとも50%(w/w)の水を含む懸濁液として定義される。
別の実施形態では、医薬製剤は、いかなる事前の溶解もなく使用する準備ができている乾燥された(例えば、凍結乾燥された又は噴霧乾燥された)製剤である。
一実施形態では、バッファーは、酢酸、炭酸、クエン酸、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リン酸、リン酸水素、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン(TRIS)、ビシン、トリシン、コハク酸、アスパラギン酸、アスパラギン又はこれらの混合物からなる群から選択されうる。
一実施形態では、組成物は、5〜10、例えば、6〜9、6〜8、5〜7、7〜9又は例えば5.5〜7.5の範囲内のpHを有する。
本発明の更なる実施形態では、製剤は、薬学的に許容される保存剤を更に含む。
本発明の更なる実施形態では、保存剤は、フェノール、m-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、クロロクレゾール、塩化ベンゼトニウム1、又はこれらの混合物からなる群から選択される。医薬組成物における保存剤の使用は、当業者によく知られている。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995の参照が行われる。
本発明の更なる実施形態では、製剤は、等張化剤を更に含む。等張化剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖、例えば、単糖、二糖、若しくは多糖、又は、例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストランを含む、水溶性グルカン、又は糖アルコール、例えば、アミノ酸(例えば、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール[例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール]、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、又はこれらの混合物からなる群から選択されうる。糖アルコールは、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールを含む。
医薬組成物における等張化剤の使用は、当業者によく知られている。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995の参照が行われる。
本発明の更なる実施形態では、製剤は、キレート化剤を更に含む。本発明の更なる実施形態では、キレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、及びアスパラギン酸の塩、EGTA、並びにこれらの混合物から選択される。
本発明の更なる実施形態では、製剤は、安定剤を更に含む。医薬組成物における安定剤の使用は、当業者によく知られている。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995の参照が行われる
本発明の医薬組成物は、組成物の保存中のポリペプチド又はタンパク質による凝集体形成を低減するのに十分なある量のアミノ酸塩基を更に含んでいてもよい。「アミノ酸塩基」とは、アミノ酸又はアミノ酸の組合せを意図し、ここで、いかなる所与のアミノ酸もその遊離塩基の形態又はその塩の形態のいずれかで存在する。アミノ酸は、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、及びグルタミン酸、アミノグアニジン、オルニチン及びN-モノエチルL-アルギニン、エチオニン及びブチオニン並びにS-メチル-Lシステインであってもよい。
本発明の更なる実施形態では、製剤は、高分子量ポリマー又は低分子化合物の群から選択される安定剤を更に含む。本発明の更なる実施形態では、安定剤は、ポリエチレングリコール(例えばPEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ/ヒドロキシセルロース又はこれらの誘導体(例えば、HPC、HPC-SL、HPC-L及びHPMC)、シクロデキストリン、硫黄含有物質、例えば、モノチオグリセロール、チオグリコール酸及び2-メチルチオエタノール、及び種々の塩(例えば塩化ナトリウム)から選択される。
本発明の更なる実施形態では、製剤は、界面活性剤を更に含む。典型的な界面活性剤(商品名の例は角括弧[]内に示されている)は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレン(20)モノラウリン酸ソルビタン[Tween 20]、ポリオキシエチレン(20)モノパルミチン酸ソルビタン[Tween 40]又はポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタン[Tween 80]、ポロキサマー、例えば、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンブロックコポリマー[Pluronic F68/ポロキサマー188]、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル[Triton X-100]又はポリオキシエチレングリコールドデシルエーテル[Brij 35]である。医薬組成物における界面活性剤の使用は、当業者によく知られている。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995の参照が行われる。
特定の実施形態では、リラグルチドは、5〜10.0mg/mlのリラグルチド、1〜2mg/mlのリン酸二ナトリウム二水和物、10〜20mg/mlのプロピレングリコール及び2〜8mg/mlのフェノールを含む水溶液で投与されてもよい。
特定の実施形態では、リラグルチドは、6.0mg/mlのリラグルチド、1.42mg/mlのリン酸二ナトリウム二水和物、14.0mg/mlのプロピレングリコール、5.5mg/mlのフェノール、並びにpHを8.15に調整するためのNaOH及び/又はHClからなる水溶液で投与されてもよい。
一実施形態では、本発明は、GLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)及びIL-21機能の阻害薬を含む組成物を提供する。GLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)及びIL-21機能の阻害薬は、単一の組成物中又は別々の組成物中に含まれていてもよい。一実施形態では、GLP-1アゴニスト及びIL-21の阻害薬は、別々の組成物中で提供される。一実施形態では、本発明は、1種又は複数の薬学的に許容される添加剤と共に製剤化された、本発明の1種又は複数のIL-21機能の阻害薬及び/又はGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、本発明による使用のための組成物は、個別に製剤化され、GLP-1アゴニスト及びIL-21阻害薬それぞれに好適な異なるバッファー及び添加剤を含む。
更なる一実施形態では、医薬組成物は、抗体、及びバッファー、の水溶液を含み、ここで、抗体は、1mg/ml以上からの濃度(例えば、1〜200、1〜100、50〜200、50〜150、50〜100、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、又は200mg/ml等)で存在し、ここで、前記組成物は、約6.0から約8.0までのpH、例えば、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7,9、又は8.0等を有する。
一実施形態では、抗体製剤は、ヒスチジン、スクロース、アルギニン、ポリソルベート及び塩化ナトリウムを含む。高濃縮抗体製剤の例は、当技術分野において知られており、例えばWO2011/104381に、記載されている。
一実施形態では、GLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)は、ヒトにおいて少なくとも48時間の半減期を有するように製剤化される。これは、当技術分野において知られている徐放性組成物によって達成されうる。
投与の様式
本発明による医薬組成物の投与は、こうした治療を必要とする患者にいくつかの投与の経路、例えば、舌側、舌下、頬側、口内、経口、胃内、腸内、経鼻、経肺、例えば、細気管支及び肺胞又はこれらの組合せの経路を通して、表皮、真皮、経皮、経膣、直腸、眼内、例えば、結膜経路を通して、尿道、並びに腸管外経路を通してであってもよい。
医薬組成物は、こうした治療を必要とする患者にいくつかの部位において、例えば、局所部位、例えば、皮膚及び粘膜部位において、吸収を回避する部位において、例えば、動脈内、静脈内、心臓内において、並びに吸収に関与する部位において、例えば、皮内、皮下、筋肉内又は腹部内において投与されてもよい。
非経口投与は、シリンジ、任意選択でペン様シリンジにより、皮下、筋肉内、腹腔内又は静脈内の注射によって行われうる。代替的に、非経口投与は、注入ポンプによって行われてもよい。更なる選択肢は、経鼻又は経肺スプレーの形態での[化合物]の投与用の溶液又は懸濁液であってもよい組成物である。なお更なる選択肢として、本発明の[タンパク質]化合物を含む医薬組成物は、経皮投与、例えば、無針注射による若しくはパッチ、任意選択でイオン導入パッチからの、又は経粘膜、例えば頬側、投与にも適合されていてもよい。
本発明のGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)及びIL-21機能の阻害薬は、別々に又は組合せで、例えば、それぞれ別々の剤形で又は単一の剤形中に組み合わされて、投与されてもよい。
本発明のGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)及びIL-21機能の阻害薬は、同時又は連続に投与されてもよい。
一実施形態では、GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬は、本明細書中に定義されている治療において使用される更なる治療活性剤と一緒に共投与される。一実施形態では、前記更なる治療活性剤は、インスリンである。
一実施形態では、本発明のGLP-1アゴニスト及び/又はIL-21の阻害薬の投与の経路は、活性化合物を適切な又は望ましい作用部位、例えば腸管外、に有効に輸送するいかなる経路であってもよい。
一実施形態では、本発明のGLP-1アゴニスト及び/又はIL-21の阻害薬を含む医薬又は医薬組成物は、それを必要とする患者に非経口的に投与されてもよい。一実施形態では、非経口投与は、シリンジ、任意選択でペン様シリンジによる皮下、筋肉内又は静脈内注射によって行われうる。
本発明のGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)及び/又はIL-21機能の阻害薬は、非経口的に、例えば静脈内、例えば筋肉内、例えば皮下に投与されてもよい。一実施形態では、GLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)及び/又はIL-21機能の阻害薬は、非経口投与、例えば皮下注射によって投与される。一実施形態では、非経口投与は、シリンジ、任意選択でペン様シリンジによる皮下、筋肉内又は静脈内注射によって行われうる。代替的に、非経口投与は、注入ポンプによって行われうる。更なる選択肢は、経鼻又は経肺スプレーの形態でのGLP-1アゴニストの投与用の粉末又は液体でありうる組成物である。なお更なる選択肢として、GLP-1アゴニストは、経皮的又は経粘膜的に、例えば、頬側にも投与されうる。
代替的に、本発明のGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)及び/又はIL-21の阻害薬は、非腸管外経路を介して、例えば経口的又は局所的に、投与されてもよい。本発明のGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)及び/又はIL-21の阻害薬は、予防的に投与されてもよい。本発明のGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)及び/又はIL-21の阻害薬は、(必要に応じて)治療的に投与されてもよい。
一実施形態では、GLP-1アゴニストは、皮下に投与される。一実施形態では、IL-21阻害薬は、静脈内又は皮下に投与される。
GLP-1アゴニスト及びIL-21阻害薬の頻度及び用量は、対象における、投与経路に依存した、複数の因子、特に、治療薬の半減期及び生物学的利用能に依存することになる。
2型糖尿病の治療のためにすでに使用されているGLP-1アゴニストは、1日1回又は2回投与される。更に長い半減期を有するGLP-1アゴニストは、週1回の投与に好適である。可能であれば、より稀な、例えば10日毎又は14日間(2週間)毎の投与が、半減期及び生物学的利用能がこれを支持するのであれば、適することもある。用量レジメンは、GLP-1アゴニスト治療についての一般的な知識に基づいて調整される。副作用を低減するために、より低い開始用量が使用されてもよい。
同様に、IL-21阻害薬は、所与の組成物中の治療薬の半減期及び生物学的利用能に依存して毎日又は毎週の投与用であってもよい。一実施形態では、IL-21阻害薬は、延長された半減期を有し、例えば抗体分子及び投与はより低頻度、例えば毎月又は多くとも4週間毎である。一実施形態では、1年あたり約6〜10用量単位、例えば4〜8週間毎、例えば5〜7週間毎の用量単位が投与される。一実施形態では、GLP-1ペプチドは毎日投与されるのに対して、IL-21阻害薬は6週間毎に投与される。
一実施形態では、本明細書中で使用される場合、回数又は間隔に関する所与の特定の値は、特定の値として又はおよそ特定の値として理解されうる。
治療及び/又は予防
1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が破壊されるのでインスリンを産生する身体の能力が徐々に低下される進行性の自己免疫疾患である。1型糖尿病は、例えば、患者が、血中グルコースを低く保つために外因性インスリンを必要とする、インスリン依存性の段階に通常急激に進行する慢性疾患と考えられている。1型真性糖尿病(T1DM)又は単なる1型糖尿病(T1D)の臨床診断は、以下の通りである:
・ HbA1c≧6,5%又は
・ 空腹時血漿グルコース≧7.0(126mg/dL)又は
・ 水中に75グラムの無水グルコースのグルコース負荷での経口グルコース負荷試験中に2時間血漿グルコース≧11.1mmol/dL(200mg/dL)又は
・ 高血糖の古典的な症状及び無秩序な血漿グルコース≧11.1mm/L
1型糖尿病のための古典的な治療は、失われたインスリンの代わりとなるように外因性インスリンを補い且つそれによって血中グルコースの調節をもたらすことである。健常な個体は、極めて厳密に血中グルコースのレベルを調整することができる。現代のインスリン製品でも、糖尿病患者は同様に十分に調節された血中グルコースを得るのに困難を有し、低血糖及び高血糖のエピソードのリスクが残る。
本発明は、新しく診断された個体における1型糖尿病の治療及び予防に関する。一実施形態では、個体は、少なくとも0.2nmol/Lの非空腹時Cペプチドを有する。一実施形態では、個体は、少なくとも0.2nmol/Lの空腹時Cペプチドを有する。一実施形態では、1種又は複数の膵島自己抗体が存在する個体が検出されている。
本明細書中に上述のように、本発明は、有効量のGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及び有効量のIL-21機能の阻害薬の投与による1型糖尿病の治療及び/又は予防に関する。本場合において、治療及び/又は予防は、必ずしも完全な治癒又は糖尿病1型進行に対する耐性を指すというわけではない。本発明は、最近診断された1型糖尿病患者又は1型糖尿病を発症するリスクがある個体の治療に関する。上述の通り、糖尿病1型は、患者が十分なインスリンを産生する能力を徐々に失う進行性の疾患である。
大部分の1型糖尿病患者は、インスリン治療を必要とし、本明細書中に記載の方法は、代謝調節を達成するための通常の指針後の併用のインスリン治療を可能にする。
一実施形態では、治療は、ベータ細胞機能を保持する。一実施形態では、治療は、内因性インスリン分泌を促進する。
一実施形態では、ベータ細胞機能は、少なくとも1年間、例えば、治療の開始から少なくとも2年間、保持される。
ベータ細胞機能、例えばインスリンを産生する能力は、標準的な技術を使用して測定されうる。一実施形態では、治療は、空腹時Cペプチドの濃度を上昇させる。
Cペプチドは、インスリンの産生中に放出される。健常な個体においてCペプチドの濃度は、1ミリリットルあたり0.5から2.7ナノグラム(ng/mL)である。1型糖尿病患者は、診断時にいくらかのインスリン及びしたがって同様の量のCペプチドを産生しているが、この能力は、相対的に短い期間内で通常失われる。
T1DMを有する一部の個体では、極めて少量のインスリンが診断後長期間(>10年)産生されうる。
一実施形態では、Cペプチド濃度は、治療の開始から少なくとも1年間、例えば少なくとも2年間保持される。
インスリンを産生する能力は、一実施形態では、混合食負荷試験(MMTT)に対する応答において測定されうる。こうした一実施形態では、Cペプチドの量は、試験において測定され、治療前の試験に対する応答において測定されたCペプチドの量と比較される。パラメーターは、血中のCペプチドのAUC0-2h、AUC0-4h又は最大MMXでありうる。
一実施形態では、非空腹時Cペプチド分泌における低下は、標準的な治療と比較して軽減される。一実施形態では、非空腹時Cペプチド(MMTT)における低下は、少なくとも1年間又は例えば2年間、標準的なインスリン治療と比較して軽減される。
一実施形態では、非空腹時Cペプチドのレベルは、治療の開始から維持される。一実施形態では、非空腹時Cペプチドにおけるベースライン(治療開始)からの低下は、1年後に多くとも10%、又は例えば1年後に多くとも5%である。
一実施形態では、治療は、糖血症対照を改善する。一実施形態では、本発明による治療及び/又は予防は、対象における平均血中グルコースを低減する。治療は、患者が治療目標に到達するのを補助しうる。一実施形態では、患者は、標準的な治療を使用して通常得られるよりも低いHbA1cを達成する。糖尿病患者のための一般的な目標は、HbA1cを6.5%未満に維持することである。一実施形態では、治療は、治療期間内でHbA1cを低減する。一実施形態では、治療は、HbA1cを長期間低減する。一実施形態では、(標準的な治療と比較して)より多くの患者が、6.5%未満のHbA1cを得る。
一実施形態では、治療は、治療前の空腹時血漿グルコースの測定と比較して空腹時血漿グルコースを改善する。一実施形態では、治療は、標準的なインスリン治療を使用して到達される平均と比較して空腹時血漿グルコースを改善する。
一実施形態では、治療は、対象が内因性インスリンを産生する期間を延長する。治療は、したがって、対象が(外因性の)インスリンを必要とする時点を延期させうる且つ/又は必要とされる(外因性の)インスリンの量を低減させうる。この治療は、したがって、ベータ細胞破壊の進行を遅延させて外因性インスリンに対する依存性を低下させうる。一実施形態では、治療は、外因性インスリンに対する依存性を低下させる。
一実施形態では、本発明による治療及び/又は予防は、対象が外因性インスリン、例えばインスリン注射の量を低減することを可能にする。
一実施形態では、治療は、空腹時血漿グルコースを低減する。一実施形態では、治療は、膵島炎を軽減する。
一実施形態では、治療は、1〜4週間又は1〜6カ月の時間枠の中で観察される。1型糖尿病は進行性の慢性疾患であると理解されているので、観察された効果は、好ましくは、1年又は2年間まで維持されるべきである。一実施形態では、治療は、ベータ細胞機能を6、12、18又は24週間保持する。一実施形態では、治療は、ベータ細胞機能を36、42、48又は52週間保持する。
一実施形態では、大多数の患者は、ベータ細胞機能を少なくとも1年間維持する。一実施形態では、大多数の患者は、ベータ細胞機能を少なくとも2年間維持する。
一実施形態では、治療は、(3日にわたる平均として算出される)日用量(単位/kg)又は1日あたり投与されるインスリン注射の回数(3日平均)を低減することのいずれかによって患者が外因性インスリンの量を低減するのを可能にする。一実施形態では、治療は、インスリン要求性を6、12、18又は24週間低下させる。一実施形態では、治療は、インスリン要求性を36、42、48又は52週間低下させる。
一実施形態では、本発明は、有効量のGLP-1アゴニスト及び有効量のIL-21阻害薬を、
それらを必要とする患者に投与する工程を含む、1型糖尿病の治療及び/又は予防の方法に関する。上記のように2種の化合物はおそらく別々に投与されるのに対して、本明細書に記載の1型糖尿病の治療において有効なのはGLP-1及びIL-21阻害薬の組み合わされた用量であることを理解されたい。
一実施形態では、本発明は、組合せにおいて有効な、ある量のGLP-1アゴニスト及びある量のIL-21機能を必要とする対象に投与する工程を含む1型糖尿病の治療の方法に関する。
GLP-1の及びIL-21阻害薬の独自性に依存して、厳密な用量が調整されうる。製品の半減期に依存して、用量及び投与回数が調整されうる。
リラグルチド等のGLP-1ペプチド誘導体については、0.01〜100mg、例えば0.1〜1.8mgの用量が、用量単位あたり投与される。一実施形態では、0.5mgから2mgが、用量単位あたり投与される。一般に、1日1回の用量が投与される。延長された半減期を有するGLP-1アゴニスト(GLP-1ペプチドを含む)については、投与は、週2回又は1回であってもよい。生物学的利用能が拡張されるのであれば、月1回の投与も見通されうる。
抗体IL-21阻害薬については、5〜20mg/kgの用量が、用量単位あたり投与される。一実施形態では、10〜15mg/kgが投与される。抗体製品は、通常、GLP-1アゴニストよりも低頻度で、例えば多くとも週1回、投与される。一実施形態では、抗体IL-21阻害薬は、4〜10週間毎、例えば4〜8週間毎、例えば6週間毎に投与される。一実施形態では、12mg/kgの抗IL-21抗体が6週間毎に投与される。
本発明の特定の特徴が本明細書中に記載及び例示されているが、ここで、多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者に生じることになる。したがって、本出願が、すべてのこうした修正及び変更を、本発明の真の趣旨の範囲内に入るものとして包含することが意図されることは理解されるべきである。添付の実施形態及び特許請求の範囲は、本発明の制限として解釈されるべきではない。
本発明の実施形態
1. 1型糖尿病の治療及び/又は予防のためのGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬の使用。
2. 前記阻害薬がIL-21機能を中和する、実施形態1による使用。
3. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に特異的に結合する能力のある抗体である、実施形態1又は2による使用。
4. IL-21機能の前記阻害薬が抗IL-21抗体である、実施形態1から3のいずれか一実施形態による使用。
5. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に対する結合について受容体と競合し、前記受容体が、IL-21Rα及びγCからなるリストから選択される、実施形態1から4のいずれか一実施形態による使用。
6. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に対する結合についてIL-21Rαと競合する、実施形態1から5のいずれか一実施形態による使用。
7. IL-21機能の前記阻害薬が、ヒトIL-21のヘリックス1及び3に結合する、実施形態1から6のいずれか一実施形態による使用。
8. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21上の不連続なエピトープに結合し、前記エピトープが、配列番号1に記載のアミノ酸I37からY52及びN92からP108を含む、実施形態1から7のいずれか一実施形態による使用。
9. IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号2に記載の3つのCDR配列及び配列番号3に記載の3つのCDR配列を含む、実施形態1から8のいずれか一実施形態による使用。
10. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に対する結合についてγCと競合する抗IL-21抗体である、実施形態1から9のいずれか一実施形態による使用。
11. IL-21機能の前記阻害薬が、ヒトIL-21のヘリックス2及び4に結合する、実施形態1から10のいずれか一実施形態による使用。
12. IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号1に記載のアミノ酸Glu65、Asp66、Val67、Glu68、Thr69、Asn70、Glu72、Trp73、Lys117、His118、Arg119、Leu143、Lys146、Met147、His149、Gln150、及びHis151を含むエピトープに結合する、実施形態1から11のいずれか一実施形態による使用。
13. IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号4に記載の3つのCDR配列及び配列番号5に記載の3つのCDR配列を含む、実施形態1から12のいずれか一実施形態による使用。
14. IL-21機能の前記阻害薬が、107M-1以上、108M-1以上、109M-1以上、1010M-1以上、1011M-1以上、又は1012M-1以上の結合親和性でIL-21に特異的に結合する、実施形態1から13のいずれか一実施形態による使用。
15. 前記GLP-1ペプチドがリラグルチドである、実施形態1から14のいずれか一実施形態による使用。
16. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、同時又は連続に投与される、実施形態1から15のいずれか一実施形態による使用。
17. 前記GLP-1アゴニストが毎日投与されるのに対して、IL-21阻害薬が6週間毎に投与される、実施形態1から16のいずれか一実施形態による使用。
18. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、最近診断された1型糖尿病を有する対象に投与される、実施形態1から17のいずれか一実施形態による使用。
19. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、少なくとも0.2nmol/Lの非空腹時Cペプチドを有する対象に投与される、実施形態1から18のいずれか一実施形態による使用。
20. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、1型糖尿病を発症するリスクがある対象、例えば、膵島自己抗体を有する対象又は膵島自己抗体はないが遺伝的にリスクがある対象に投与される、実施形態1から19のいずれか一実施形態による使用。
21. ベータ細胞機能が、治療開始から少なくとも1年間保持される、実施形態1から20のいずれか一実施形態による使用。
22. 平均の1日のインスリン要求性が、標準的なインスリン治療と比較して低下される、実施形態1から21のいずれか一実施形態による使用。
23. 0.01〜100mg、例えば0.1〜1.8mgのGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチドが、用量単位あたり投与される、実施形態1から22のいずれか一実施形態による使用。
24. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、1種又は複数の更なる添加剤を任意選択で含む組成物中に含まれる、実施形態1から23のいずれか一実施形態による使用。
25. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、1種又は複数の更なる添加剤を任意選択で含む別々の医薬組成物に含まれる、実施形態1から24のいずれか一実施形態による使用。
26. 前記組成物が、水性組成物又は凍結乾燥された組成物の形態である、実施形態1から25のいずれか一実施形態による使用。
27. 前記組成物が、5〜10、例えば6〜8の範囲内のpHを有する、実施形態1から26のいずれか一実施形態による使用。
28. GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬を、それらを必要とする患者に投与する工程を含む1型糖尿病の治療及び/又は予防のための方法。
29. 前記阻害薬がIL-21機能を中和する、実施形態28による方法。
30. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に特異的に結合する能力のある抗体である、実施形態28又は29による方法。
31. IL-21機能の前記阻害薬が抗IL-21抗体である、実施形態28から30のいずれか一実施形態による方法。
32. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に対する結合について受容体と競合し、前記受容体が、IL-21Rα及びγCからなるリストから選択される、実施形態28から31のいずれか一実施形態による方法。
33. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に対する結合についてIL-21Rαと競合する、実施形態28から32のいずれか一実施形態による方法。
34. IL-21機能の前記阻害薬が、ヒトIL-21のヘリックス1及び3に結合する、実施形態28から33のいずれか一実施形態による方法。
35. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21上の不連続なエピトープに結合し、前記エピトープが、配列番号1に記載のアミノ酸I37からY52及びN92からP108を含む、実施形態28から34のいずれか一実施形態による方法。
36. IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号2に記載の3つのCDR配列及び配列番号3に記載の3つのCDR配列を含む、実施形態28から35のいずれか一実施形態による方法。
37. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に対する結合についてγCと競合する抗IL-21抗体である、実施形態28から36のいずれか一実施形態による方法。
38. IL-21機能の前記阻害薬が、ヒトIL-21のヘリックス2及び4に結合する、実施形態28から37のいずれか一実施形態による方法。
39. IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号1に記載のアミノ酸Glu65、Asp66、Val67、Glu68、Thr69、Asn70、Glu72、Trp73、Lys117、His118、Arg119、Leu143、Lys146、Met147、His149、Gln150、及びHis151を含むエピトープに結合する、実施形態28から38のいずれか一実施形態による方法。
40. IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号4に記載の3つのCDR配列及び配列番号5に記載の3つのCDR配列を含む、実施形態28から39のいずれか一実施形態による方法。
41. IL-21機能の前記阻害薬が、107M-1以上、108M-1以上、109M-1以上、1010M-1以上、1011M-1以上、又は1012M-1以上の結合親和性でIL-21に特異的に結合する、実施形態28から40のいずれか一実施形態による方法。
42. 前記GLP-1アゴニストがリラグルチドである、実施形態28から41のいずれか一実施形態による方法。
43. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、同時又は連続に投与される、実施形態28から42のいずれか一実施形態による方法。
44. 前記GLP-1アゴニストが毎日投与されるのに対して、IL-21阻害薬が6週間毎に投与される、実施形態28から43のいずれか一実施形態による方法。
45. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、最近診断された1型糖尿病を有する対象に投与される、実施形態28から44のいずれか一実施形態による方法。
46. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、少なくとも0.2nmol/Lの非空腹時Cペプチド濃度を有する対象に投与される、実施形態28から45のいずれか一実施形態による方法。
47. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、1型糖尿病を発症するリスクがある対象、例えば、膵島自己抗体を有する対象又は膵島自己抗体はないが遺伝的にリスクがある対象に投与される、実施形態28から46のいずれか一実施形態による方法。
48. 有効量のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬を、それらを必要とする患者に投与する工程を含む1型糖尿病の治療及び/又は予防のための実施形態28から47のいずれかによる方法。
49. 非空腹時Cペプチド分泌における低下が、標準的な治療と比較して軽減される、有効量のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬を、それらを必要とする患者に投与する工程を含む1型糖尿病の治療及び/又は予防のための実施形態28から48のいずれかによる方法。ベータ細胞機能が、治療開始から少なくとも1年間保持される、有効量のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬を、それらを必要とする患者に投与する工程を含む1型糖尿病の治療及び/又は予防のための実施形態28から48のいずれかによる方法。
50. 平均の1日のインスリン要求性が、標準的なインスリン治療と比較して低下される、有効量のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬を、それらを必要とする患者に投与する工程を含む1型糖尿病の治療及び/又は予防のための実施形態28から49のいずれかによる方法。
51. 0.01〜100mg、例えば0.1〜1.8mgのGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチドが、用量単位あたり投与される、実施形態28から50のいずれか一実施形態による方法。
52. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、1種又は複数の更なる添加剤を任意選択で含む別々の医薬組成物に含まれる、実施形態28から51のいずれか一実施形態による方法。
53. 前記組成物が、水性組成物又は凍結乾燥された組成物の形態である、実施形態28から52のいずれか一実施形態による方法。
54. 前記組成物が、5〜10、例えば6〜8の範囲内のpHを有する、実施形態28から53のいずれか一実施形態による方法。
55. 1型糖尿病の治療及び/又は予防のための1種又は複数の医薬の製造における使用のためのGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬。
56. 1型糖尿病の治療及び/又は予防の方法における使用のためのGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬。
57. 前記阻害薬がIL-21機能を中和する、実施形態55又は56によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
58. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に特異的に結合する能力のある抗体である、実施形態55から57のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
59. IL-21機能の前記阻害薬が抗IL-21抗体である、実施形態55から58のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
60. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に対する結合について受容体と競合し、前記受容体が、IL-21Rα及びγCからなるリストから選択される、実施形態55から59のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
61. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に対する結合についてIL-21Rαと競合する、実施形態55から60のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
62. IL-21機能の前記阻害薬が、ヒトIL-21のヘリックス1及び3に結合する、実施形態55から61のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
63. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21上の不連続なエピトープに結合し、前記エピトープが、配列番号1に記載のアミノ酸I37からY52及びN92からP108を含む、実施形態55から62のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
64. IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号2に記載の3つのCDR配列及び配列番号3に記載の3つのCDR配列を含む、実施形態55から63のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
65. IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に対する結合についてγCと競合する抗IL-21抗体である、実施形態55から64のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
66. IL-21機能の前記阻害薬が、ヒトIL-21のヘリックス2及び4に結合する、実施形態55から65のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
67. IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号1に記載のアミノ酸Glu65、Asp66、Val67、Glu68、Thr69、Asn70、Glu72、Trp73、Lys117、His118、Arg119、Leu143、Lys146、Met147、His149、Gln150、及びHis151を含むエピトープに結合する、実施形態55から66のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
68. IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号4に記載の3つのCDR配列及び配列番号5に記載の3つのCDR配列を含む、実施形態55から67のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
69. IL-21機能の前記阻害薬が、107M-1以上、108M-1以上、109M-1以上、1010M-1以上、1011M-1以上、又は1012M-1以上の結合親和性でIL-21に特異的に結合する、実施形態55から68のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
70. 前記GLP-1アゴニストがリラグルチドである、実施形態55から69のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
71. 前記GLP-1アゴニスト、及びIL-21機能の前記阻害薬が、同時又は連続に投与される、実施形態55から70のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
72. 前記GLP-1アゴニストが毎日投与されるのに対して、IL-21阻害薬が6週間毎に投与される、実施形態55から71のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
73. 前記GLP-1アゴニスト、及びIL-21機能の前記阻害薬が、1型糖尿病と最近診断された対象に投与される、実施形態55から72のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
74. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、少なくとも0.2nmol/Lの非空腹時Cペプチド濃度を有する対象に投与される、実施形態55から73のいずれか一実施形態による方法。
75. 前記GLP-1アゴニスト、及びIL-21機能の前記阻害薬が、1型糖尿病を発症するリスクがある対象、例えば、膵島自己抗体を有する対象又は膵島自己抗体はないが遺伝的にリスクがある対象に投与される、実施形態55から74のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
76. ベータ細胞機能が、治療開始から少なくとも1年間保持される、実施形態55から75のいずれかによるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
77. 平均の1日のインスリン要求性が、標準的なインスリン治療と比較して低下される、実施形態55から76のいずれかによるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
78. 0.01〜100mg、例えば0.1〜1.8mgのGLP-1アゴニストが、用量単位あたり投与される、実施形態55から77のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
79. 前記GLP-1アゴニスト、及びIL-21機能の前記阻害薬が、1種又は複数の更なる添加剤を任意選択で含む組成物中に含まれる、実施形態55から78のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
80. 前記GLP-1アゴニスト及びIL-21機能の前記阻害薬が、1種又は複数の更なる添加剤を任意選択で含む別々の医薬組成物に含まれる、実施形態55から79のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
81. 前記組成物が、水性組成物又は凍結乾燥された組成物の形態である、実施形態55から80のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
82. 前記組成物が、5〜10、例えば6〜8の範囲内のpHを有する、実施形態55から81のいずれか一実施形態によるGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬。
材料及び方法
GLP-1ペプチド、リラグルチドは、市販されており、WO98/08871の実施例37に記載のように製造することができる。抗IL-21抗体は、例えばヒトIL-21又はマウスIL-21での免疫化によって、WO2010/055366の実施例1に記載のように製造することができ、中和活性は、その中のその後の実施例に記載のように特徴付けすることができる。
アッセイ(I): GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチドのin vitroでの効力
この実施例の目的は、in vitroにおけるGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)の活性、又は効力、を試験することである。GLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)の効力は、以下に記載のように、すなわち、ヒトGLP-1受容体を発現している膜を含む培地における環状AMP(cAMP)形成の刺激として決定されうる。
原理:ヒトGLP-1受容体を発現している安定なトランスフェクトされた細胞株、BHK467-12A(tk-ts13)から精製された形質膜を、問題となっているGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)で刺激し、Perkin Elmer Life Sciences社からのAlphaScreenTM cAMPアッセイキットを使用してcAMP産生の効力を測定する。AlphaScreenアッセイの基本原理は、内因性cAMPと外因的に添加されたビオチン-cAMPとの間の競合である。cAMPの捕捉は、アクセプタービーズにコンジュゲートされた特異的な抗体を使用することによって達成される。
細胞培養及び膜の調製:安定なトランスフェクトされた細胞株及び高発現クローンを、スクリーニング用に選択する。細胞を、DMEM、5%のFCS、1%のPen/Strep(ペニシリン/ストレプトマイシン)及び0.5mg/mlの選択マーカーG418中、5%のCO2で培養する。約80%のコンフルエンスにある細胞をPBSで2回洗浄してベルセン(エチレンジアミン四酢酸のテトラナトリウム塩の水溶液)で回収し、1000rpmで5分遠心分離して上清を除去する。更なる工程は、すべて氷上で行われる。細胞ペレットを、Ultrathuraxによって10mlのバッファー1(20mM Na-HEPES、10mM EDTA、pH=7.4)中で20〜30秒間ホモジナイズして、20,000rpmで15分遠心分離し、ペレットを10mlのバッファー2(20mM Na-HEPES、0.1mM EDTA、pH=7.4)中に再懸濁する。この懸濁液を、20〜30秒間ホモジナイズし、20,000rpmで15分遠心分離する。バッファー2中での懸濁、ホモジナイゼーション及び遠心分離をもう一度繰り返して、膜をバッファー2中に再懸濁する。タンパク質濃度を決定し、膜を使用まで-80℃で保存する。1/2面積の96ウェルプレート、平底(例えば、Costar社カタログ番号:3693)内でアッセイを行う。1ウェルあたりの最終容量は50μlである。
溶液及び試薬:例示的な溶液及び試薬は、以下に示されている。
Perkin Elmer Life Sciences社からのAlphaScreen cAMPアッセイキット(カタログ番号:6760625M);抗cAMPアクセプタービーズ(10U/μl)、ストレプトアビジンドナービーズ(10U/μl)及びビオチン化cAMP(133U/μl)を含む。
AlphaScreenバッファー、pH=7.4: 50mM TRIS-HCl(Sigma社、カタログ番号:T3253); 5mM HEPES(Sigma社、カタログ番号:H3375); 10mM MgCl2、6H2O(Merck社、カタログ番号:5833); 150mM NaCl(Sigma社、カタログ番号:S9625); 0.01% Tween(Merck社、カタログ番号:822184)。使用前にAlphaScreenバッファーに以下が添加された(最終濃度が示されている): BSA(Sigma社、カタログ番号A7906):0.1%; IBMX(Sigma社、カタログ番号I5879):0.5mM; ATP(Sigma社、カタログ番号A7699):1mM; GTP(Sigma社、カタログ番号G8877):1μM。
cAMP標準(アッセイにおける希釈倍率=5):cAMP溶液:5μlの5mM cAMPストック+495μlのAlphaScreenバッファー。
AlphaScreenバッファー中の好適な希釈系列を、cAMP標準及び試験するGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、例えば、以下の8つの濃度のGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド:10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10-12、10-13及び10-14M、並びに、例えば10-6から3×10-11のcAMP、からの系列について調製する。
膜/アクセプタービーズ: hGLP-1/BHK 467-12A膜を使用する; 0.6mg/mlに相当する6μg/ウェル(1ウェルあたりに使用される膜の量は変化しうる)。「膜なし」: AlphaScreenバッファー中のアクセプタービーズ(最終15μg/ml)。「6μg/ウェルの膜」: AlphaScreenバッファー中の膜+アクセプタービーズ(最終15μg/ml)。10μlの「膜なし」をcAMP標準(1ウェルにつき2通りずつ)並びに陽性及び陰性の対照に添加する。10μlの「6μg/ウェルの膜」をGLP-1及びGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)(1ウェルにつき2通り/3通りずつ)に添加する。陽性対照: 10μlの「膜なし」+10μlのAlphaScreenバッファー。陰性対照: 10μlの「膜なし」+10μlのcAMPストック溶液(50μM)。ビーズは直接光に感受性であるため、いかなる取扱いも(可能な限り暗い)暗所、又は緑色光下で行う。すべての希釈は、氷上で行われる。
手順: 1)AlphaScreenバッファーを作製する。2)GLP-1アゴニスト/cAMP標準(例えば、GLP-1ペプチド/cAMP標準)をAlphaScreenバッファー中に溶解及び希釈する。3)ドナービーズ溶液を作製し、室温で30分インキュベートする。4)cAMP/GLP-1アゴニスト(例えば、cAMP/GLP-1ペプチド)をプレートに添加する: 1ウェルあたり10μl。5)膜/アクセプタービーズ溶液を調製し、これをプレートに添加する: 1ウェルあたり10μl。6)ドナービーズを添加する: 1ウェルあたり30μl。7)プレートをアルミニウム箔に包み、(極めてゆっくりと)振盪器上で3時間室温でインキュベートする。8)AlphaScreen上で計数する - 各プレートをAlphaScreen中で計数前に3分間予めインキュベートする。EC50[pM]値は、Graph-Pad Prismソフトウェア(バージョン5)を使用して算出することができる。必要に応じて、GLP-1に対する倍変動が、EC50(GLP-1)/EC50(アナログ)として算出されてもよい - 3693.2。
アッセイ(II):ミニブタにおけるGLP-1アゴニスト(例えばGLP-1ペプチド)の半減期
この試験の目的は、ミニブタへの静脈内投与後のGLP-1アゴニスト(例えば、GLP-1ペプチド)のin vivoでの延長性、すなわち、それらの作用の時間の延長を決定することである。これは、薬物動態(PK)試験において行われ、問題となっているGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチドの終末相半減期が決定される。終末相半減期とは、一般に、初期分布相の後に測定される、ある血漿中濃度を半減させるのにかかる期間を意味する。
雄のGottingenミニブタをEllegaard Gottingen Minipigs社(Dalmose、デンマーク)から入手し、約7〜14カ月齢で体重が約16〜35kgのものを試験において使用する。ミニブタを個別に収容し、SDSミニブタ食(Special Diets Services社、Essex、UK)を1日1回又は2回、制限的に給餌する。少なくとも2週間の順化後、2本の長期留置型の中心静脈カテーテルを、各動物において後大静脈又は前大静脈に埋め込む。動物を、外科手術後に1週間回復できるようにさせ、次いで、投与の間に好適な休薬期間を有する反復薬物動態試験に使用する。
動物は、投与前約18時間、及び投与後少なくとも4時間絶食させるが、水は全期間中自由に摂取させる。
GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチドを、50mMのリン酸ナトリウム、145mMの塩化ナトリウム、0.05%のtween 80、pH7.4中に溶解して通常20〜60nmol/mlの濃度にする。化合物の静脈内注射(通常1〜2nmol/kgに相当する容量、例えば0.033ml/kg)は1本のカテーテルを通して行い、(好ましくは他のカテーテルを通して)投与13日後までの間の予め定められた時点において血液を試料採取する。血液試料(例えば0.8ml)を、EDTAバッファー(8mM)中に採取し、次いで、4℃且つ1942Gで10分間遠心分離する。血漿をピペットでドライアイス上のMicronicチューブ中に移し、ELISA若しくは同様の抗体に基づくアッセイ又はLC-MSを使用してそれぞれのGLP-1化合物の血漿中濃度について分析するまで-20℃に維持する。個々の血漿中濃度-時間プロファイルを、WinNonlin v. 5.0(Pharsight社、Mountain View、CA、USA)においてノンコンパートメントモデルによって解析して、結果として得られる終末相半減期(調和平均)を決定する。
アッセイ(III): IL-21を介したSTAT-3リン酸化の阻害。
IL-21を中和する抗IL-21抗体の能力は、STAT3のリン酸化を読み出しとして使用する細胞に基づくアッセイにおいて測定することができる。IL-21受容体(IL-21R)をトランスフェクトしたBaF3細胞を使用し、IL-21はSTAT3リン酸化を誘導するので、抗IL-21抗体によるその低下は、IL-21中和活性を反映する。
抗体を含む上清の存在下でのマウスIL-21活性における低下は、BaF3/KZ134/hIL-21R細胞におけるリガンド-受容体相互作用後のSTAT3リン酸化のレベルを測定することによって決定された。
相対的な中和活性は、リガンド単独と共にインキュベートされた対照細胞に対して相対的なリン酸化STAT3レベルにおける百分率の低下に基づいて決定された。Baf3/KZ134/hIL-21R細胞を、50,000細胞/ウェルの密度で96ウェル丸底組織培養プレート中に播種する。マウスIL-21を、播種した細胞に移入する前に、試験するそれぞれのウェルからの上清と共に予めインキュベートした。反応を停止し、製造業者の説明書、(BIO-RAD Laboratories社)に従って細胞を溶解した。上清を回収して、アッセイバッファーと混合し、保存した。捕捉ビーズ(BIO-PLEX Phospho-STAT3 Assay、BIO-RAD Laboratories社)を、製造業者の説明書(BIO-RAD Laboratories社)に従って96ウェルフィルタープレート中に播種して細胞溶解液試料と混合し、インキュベートした。検出抗体(BIORAD laboratories社)及びストレプトアビジン-PEを添加して、反応物を再懸濁バッファー(BIO-RAD Laboratories社)中に再懸濁した。リン酸化STAT3のレベルは、アレイリーダー(BIO-PLEX、BIO-RAD Laboratories社)上で製造業者の説明書に従って決定された。溶解液中のリン酸化されたSTAT3転写因子のレベルにおける上昇は、マウスIL-21受容体-リガンド相互作用を示した。中和アッセイでは、リン酸化されたSTAT3転写因子のレベルにおける低下は、mAbがIL-21受容体-リガンド相互作用を中和できることを示した。
アッセイ(IV): IL-21によって駆動されるB細胞増殖の阻害。
機能性試験として、抗mIL-21を、mIL-21によって駆動されるB細胞増殖を中和するその能力について試験する。例えば、健常なヒト志願者から単離されたPBMCのものを利用するWO2013/164021の実施例10のように、抗hIL-21抗体の試験のために等価試験が行われてもよい。B細胞成熟を抑制する能力についての更なる情報は、WO2012/098113の実施例6及び12に記載のように得ることができる。
材料
プレート: U底の96ウェルプレート(Corning社 Costar #3894)
完全培地: GlutaMAX(カタログ番号61870)、0.5mMのピルビン酸ナトリウム、5mlの非必須アミノ酸(100×)、50μMの2-ME、Pen/Strep及び10%のHI FBSを含むRPMI。
精製抗CD40: BD#553787:
精製抗IgM: Jackson社 #115-006-020
CD45R(B220)マイクロビーズ: Miltenyi Biotec社 130-049-501
3H-チミジン: Amersham社、TRK-565。
試験及び対照材料
マウス抗mIL-21 mAb、クローン397.18.2.1
組換えマウスIL-21(rmIL-21)
マウスIgG1アイソタイプ(抗TNP)
6〜8週齢の野生型C57BL/6マウスから採取した脾臓からマウスB細胞を精製する。臓器を70μmのセルストレーナーからPBS中へ強制的に通過させることによって単一細胞の脾細胞を調製する。磁気ビーズ及びAutoMACS細胞分離装置(Miltenyi Biotec社)を製造業者のプロトコールに従って使用して、磁気ビーズによる抗B220陽性選択によってB細胞を精製した。
以下を用いてin vitroで細胞を刺激する: a)可溶性抗IgM(1μg/mL)、b)可溶性抗CD40(1μg/mL)及びc)mIL-21(25、50、100ng/mL)。105個の精製B細胞を、96ウェルプレート中に1ウェルあたり添加して、抗IL-21抗体又はアイソタイプ対照抗体の存在下で、可溶性IgM(1μg/mL)、可溶性抗CD40 IgM(1μg/mL)及びrmIL-21(100ng/mL)を用いて37℃で72時間刺激した。インキュベーションの最後の18時間、3H-チミジンを各ウェルに添加して、チミジンの取込み(増殖)をTop Counter液体シンチレータ(Perkin Elmer社)上で測定した。
結果は、抗mIL-21抗体が濃度依存的な様式でB細胞増殖を阻害できることを実証した。
アッセイ(V): NODモデルにおける血中グルコース効果の決定
この実験の目的は、GLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及び/又はIL-21機能の阻害薬の投与の血中グルコースに対する効果を決定することであった。
近年発症したNODマウスモデルを使用した。マウスは週2回スクリーニングされ、糖尿病発症は2連続の血中グルコース値>250mg/dLと定義された。マウスは、11週齢で開始して実験に登録され、26週齢を通して登録され続けた。投与は、体重に基づいていた。
血中グルコースは、対応する血中グルコースストリップを用い血中グルコース測定器(Bayer Contour USB)を使用することによって測定された。2日連続で血中グルコースレベル>250mg/dLを有するマウスは、糖尿病とみなされた。初めて高い血中グルコースが認められた場合、翌日に血中グルコースが再度測定された。測定値が再び>250mg/dLであった場合、その動物は糖尿病として記録され、治療群に入れられ、2連続の>600mg/dLの測定値に到達するまで更にモニターされた。この時マウスは犠死させられた。マウスは、体重及び/又は総合的な外見によって決定されるように、それらの総合的な健康状態が悪化していた場合には、それらが>600mg/dLの血中グルコース値に到達する前にも犠死させられた。2回目の測定で糖尿病の発症が確認されなかった(すなわち、<250mg/dLである)場合、その動物は次の定期的な測定まで残され、上記の手順が繰り返された。
(実施例1)
NODモデルにおける抗IL-21との組合せのリラグルチド
この実験の目的は、抗IL-21抗体及びリラグルチドの組合せの血中グルコースに対する効果を決定することであった。毎日のリラグルチド投与との組合せの短い過程のマウス代替抗IL-21抗体が高血糖から回復させることができるかどうかを試験した。マウス代替抗IL-21抗体を、アジュバントの混合物中の組換えマウスIL-21での皮下注射による、6から8週齢のBALB/cマウスの免疫化によって調製した。組換えマウスIL-21は、市販されており、配列MHKSSPQGPD RLLIRLRHLI DIVEQLKIYE NDLDPELLSA PQDVKGHCEH AAFACFQKAK LKPSNPGNNK TFIIDLVAQL RRRLPARRGG KKQKHIAKCP SCDSYEKRTP KEFLERLKWL LQKMIHQHLS(配列番号13)を有する。最初に、mIL-21に結合する抗体クローンを標準的な捕捉形式のELISAアッセイを使用して選択し、次いで、上記のSTAT3リン酸化アッセイによって決定されるような強力な中和活性を有するクローンを選択した。
実験は本明細書中のアッセイ(V)に記載のように行われ、ここで、実験の詳細は以下の通りであった:治療群は以下の通りであった: (1)未治療; (2)抗IL-21 25mg/kg、5回投与; (3)リラグルチド毎日1mg/kg、5週間;及び(4)抗IL-21 25mg/kg、5回投与+リラグルチド毎日1mg/kg、5週間。抗IL-21は、マウスの編入後直ちに、すなわち、0日目から開始して腹腔内に週2回で5回投与された。リラグルチドは、その市販された組成物において、0日目に0.3mg/kg、1日目に0.6mg/kg、次いで2日目以降は1mg/kgの漸増で皮下に投与された。リラグルチド治療は、糖尿病発症後0〜35日目に行われた;血中グルコースは、更に35日間、週2回モニターされた。マウス代替抗IL-21は、VLアミノ酸配列: MDFQVQIFSFLLISASVILSRGQTVLIQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSSVSYMHWYQQKSGTSPKRWIYDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWNSNPPTFGGGTKLEMK、及びVHアミノ酸配列: MNFGPSLIFLVLILKGVQCEVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFNRYSMSWVRQSPEKRLEWVAEISVGGSYTQYVDIVTGRFTISRDNAKNTLYLEMSSLRSEDTAMYYCARLYYSGSGDSYYYAMDYWGQGTSVTVSSを有するmIgG1/カッパアイソタイプである。抗IL-21のストック濃度は、20mMのリン酸塩、150mMのNaCl、pH=7.4中に11mg/mlであった;エンドトキシンレベルは<0.01EU/mgであった;純度は>95%である;長期保存は-80℃で行われた。使用前に、抗IL-21は、バッファー(20mM リン酸塩、150mM NaCl、pH=7.4)中で希釈された。動物内への注射用の抗IL-21の一定分量は、1回解凍されただけであった。これらの結果は、Table 1(表1)及び図1〜図2に示されている。
結果は、群1又は2の動物がいずれも70日間生存しないことを明確に示す図1及び図2によって更に例示される。これに対して、治療群3及び4でははるかに少ない数のマウスが除外され、組合せ治療は1匹のマウスのみが70日の期間中に試験から除外されたことから、最も効率的であった。
この実験からのデータは、抗IL-21での単剤療法が、一部のマウスにおいて高血糖から回復させることができることを示す。リラグルチド単剤療法は、投与の最初の数日に血中グルコース値における有意であるが一時的な低下が示されたが、従来の実験及び文献と一致して、末期高血糖への進行に影響を及ぼさない。ほぼすべての動物が血中グルコースレベルの持続的正常化を経験するのは、2種の治療、すなわち抗IL-21及びリラグルチドが組み合わされたときだけである。興味深いことに、治療された多くの動物は、リラグルチドを中止しても正常血糖を維持し、これから、機能的なベータ細胞の集団が増殖及び/又は回復することが示唆される。
(実施例2)
NODモデルにおける抗IL-21との組合せのリラグルチド - 補足データ
実施例1に記載のようなマウスの登録は、治療群1から4に、それぞれ9、8、8及び8匹の対象を加えて継続された。新しい対象についての平均血中グルコース測定値はTable 2(表2)に含まれるのに対して、完全なデータセットについての平均血中グルコース測定値はtable 3(表4)に含まれる。
上記の対象とは対照的に、これらのデータには、ほんの一時的に糖尿病であった(70日目まで低BGVが続いた)3匹の未治療のマウスが含まれる。これは異常であるが、特にマウスが糖尿病発症時に比較的高齢である場合に、いくらかの頻度で生じることが観察されている。抗IL-21単独で治療されたマウスについての平均BGVは、(低BGVを有する)3匹の「治癒した」マウスの除外によって影響を受け、したがって、残りのマウスの平均BGVは、すべてのマウスが依然として含まれていた場合に得られていたはずである結果よりも高い。
(実施例3)
NODモデルにおける抗IL-21との組合せのリラグルチド 実施例1及び実施例2からのデータの集成
この下の表に記載の4つの治療群の合計19匹、18匹、18匹及び18匹の対象についてのデータを提供するために、実施例1及び実施例2からのすべてのデータが集成されている。
上記の通り、BGV平均値はtable 3(表4)に含まれる。
実施例1及び実施例2のすべてのマウスについての平均BGV値は、図3及び図4に例示されており、ここでも、未治療の群及びリラグルチドで治療された群において生存しているマウスの数は極めて少ないのに対して、単独又はリラグルチドとの組合せのいずれかの抗IL-21で治療されたかなりの数のマウスは70日の試験期間の全体を通して生存可能なままであったことを示している。ここでも、これらの2つの群における3匹の動物の除外の結果、実際の効果がそのまま完全に反映されているわけではない。
結果を評価するために、平均BGV値は、末期の病状になることによって試験の間に除外されるマウスの数に対して相対的な、試験に参加して残っているマウスの数と組み合わされなければならない。これは、図5のカプランマイヤープロットによって例示されている。上のグラフ(図5A)は、糖尿病のままであるマウス、例えば、250を超えるBGVを有するマウスの割合(百分率)を図示しており、600を超えるBGV又は貧弱な健康状態によって試験から除外されたマウスが含まれる。もっともなことであるが、ごく少数の未治療又はリラグルチドで治療されたマウスのみが、35日間の期間中に自然に回復する。対照的に、抗IL-21での治療は、半数のマウスにおいて糖尿病から回復(BGVを250mg/mL未満まで低下)させることができ、リラグルチドとの組合せでは、(18匹のうちの)2匹のマウスのみが、治療期間である、試験の最初の35日の間に糖尿病のままであった。
下のグラフ(図5B)は、各群のnに対して相対的な、全期間(70日)試験に残っているマウスの数によって定義される各治療群における生存率を図示している。3+3匹のマウスが組織学的検査のために除外されたので抗IL-21治療及び組合せ治療についてのnが15である(18ではない)ことが理解される。15匹のうちの2匹のマウスのみが末期の高血糖又は貧弱な健康状態になったために犠死させられたので、ここでも組合せ治療は有効であった。未治療の及びリラグルチド治療されたそれぞれ3匹及び0匹の動物のみが70日目まで末期の高血糖にならなかったことにも留意されたい。
組織学的検査:組織学的な解析は、各群からのマウスの部分集合からの膵組織上で行われた。切片は、膵島炎を評価するためにヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色され、膵島炎を評価するため及び更に浸潤物中の細胞型を特徴付けするためにCD8及びインスリン又はCD4及びインスリンのいずれかで免疫蛍光染色された。未治療のマウス及びリラグルチドで治療されたマウスは、認めることができる膵島はほとんど残存していなかった[末期の高血糖(BGV>600mg/dL)になったマウスにおいて予想される通り]。これらのマウスからの膵臓は重度の細胞浸潤を示したのに対して、抗IL-21単独又はリラグルチドとの組合せで治療されたマウスでは、浸潤の程度が低下しているのが認められた。膵島炎は、抗IL-21単独又はリラグルチドとの組合せで治療された生存マウスにおいて低減された。
(実施例4)
NODモデルにおける抗IL-21との組合せのリラグルチド - 確認試験
試験は、この下の表に記載の治療群を用いて、実施例1に開示のように行われる。
詳細なデータは、全体の結果がより前の試験と一致するので、ここには含まれていない。
簡単な説明:抗IL-21単剤療法は、確立された高血糖を有するマウスのうちの75%を疾患発症後の最初の35日以内に治癒させるのに成功したのに対して、リラグルチド単独は、糖尿病進行に対する効果をほとんど有さず、60%のマウスがリラグルチド治療期間の終了前に、残りの40%はその後すぐに、末期の高血糖になった。
しかし、抗IL-21及びリラグルチドが組合せで投与されたとき、このレジメンは、治療されたマウスのうちの87%において、確立された高血糖から回復させ、更に、高血糖の発症後70日を通して、未治療のマウス及びリラグルチド単独で治療されたマウスと比較して生存が促進される結果となった(組合せ療法については80%生存;リラグルチド単独及び未治療の両方については0%)。抗IL-21単剤療法は、未治療及びリラグルチド単独で治療されたマウスと比較して促進された生存(75%)も可能にした。
このデータは、抗IL-21及びリラグルチドでの組合せ療法が、いずれかの薬剤での単剤療法と比較して、確立された糖尿病からの回復において増強された効力をもたらすことを実証する。正常血糖へのこの回復は、リラグルチドが中止された後でさえも大多数のマウスで安定したままである。

Claims (15)

1型糖尿病の治療及び/又は予防のための方法における使用のためのGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21に特異的に結合する能力のある抗体である、請求項1に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
IL-21機能の前記阻害薬が、
a.ヒトIL-21のヘリックス1及び3又は
b.ヒトIL-21のヘリックス2及び4
に結合する、請求項1又は2に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
IL-21機能の前記阻害薬が、IL-21上の不連続なエピトープに結合し、前記エピトープが、配列番号1に記載のアミノ酸I37からY52及びN92からP108によって構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
IL-21機能の前記阻害薬が、配列番号1によって定義されているIL-21のR34、R38、Q41のうちの少なくとも1つ並びにK102及びR105のうちの1つに結合する、請求項1から4のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
IL-21機能の前記阻害薬が、
a.配列番号2に記載の3つのCDR配列及び配列番号3に記載の3つのCDR配列、又は
b.重鎖CDR1がTYGMHであること以外は配列番号2に記載の3つのCDR配列及び配列番号3に記載の3つのCDR配列
c.配列番号4に記載の3つのCDR配列及び配列番号5に記載の3つのCDR配列
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
IL-21機能の前記阻害薬が、107M-1以上、108M-1以上、109M-1以上、1010M-1以上、1011M-1以上、又は1012M-1以上の結合親和性でIL-21に特異的に結合する、請求項1から6のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
前記GLP-1アゴニストがGLP-1ペプチドである、請求項1から7のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
前記GLP-1アゴニストがGLP-1誘導体である、請求項1から8のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
前記GLP-1アゴニストが、アルブミン結合性GLP-1誘導体、例えば脂肪酸GLP-1誘導体である、請求項1から9のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
前記GLP-1アゴニストが、アルブミン結合性部分がLys残基、例えばGLP-1(7-37)の残基23、26、34、36又は38から選択されるLys残基を介して付加されたGLP-1ペプチドである、請求項1から10のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
前記GLP-1アゴニストがリラグルチドである、請求項1から11のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
前記GLP-1アゴニスト、及びIL-21機能の前記阻害薬が、同時又は連続に投与される、請求項1から12のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
前記GLP-1アゴニスト、及びIL-21機能の前記阻害薬が、1種又は複数の更なる添加剤を任意選択で含む組成物中に含まれる、請求項1から13のいずれか一項に記載のGLP-1アゴニスト及びIL-21機能の阻害薬。
有効量のGLP-1アゴニスト、例えばGLP-1ペプチド、及びIL-21機能の阻害薬を、それらを必要とする患者に投与する工程を含む1型糖尿病の治療及び/又は予防のための方法。
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