JP2017512922A - カード機械のための全鋼製針布 - Google Patents

Abstract

本発明は、ワイヤ進行方向１１に続々と形成された複数の歯１２を備える鋸歯状ワイヤ１０を有する紡織繊維を処理するフラットカード又はローラカードのための全鋼製針布であって、前記歯１２の歯形状は、歯基面１３から始まり、少なくとも、歯背面１４へ変移し、さらに歯先端部１５へ変移し、さらに歯正面１６へ変移し、再び、次の歯基面１３へ変移するように確定され、前記歯先端部１５は、前記ワイヤ進行方向１１において予め定められた歯先端部長さＬを備えるように形成される全鋼製針布に関する。本発明によれば、歯突起１７が前記歯先端部１５に形成され、前記歯突起１７は、前記歯先端部長さＬより小さな歯突起長さｌを備える。【選択図】図１

Description

本発明は、紡織繊維を処理するフラットカード又はローラカードのための全鋼製針布に関し、これは、ワイヤ進行方向に続々と形成された歯を備える鋸歯状ワイヤを有し、これら歯の歯形状は、歯基面から始まり、少なくとも、歯背面へ変移し、さらに歯先端部へ変移し、さらに歯正面へ変移し、再び、次の歯基面へ変移するように確定され、歯先端部は、ワイヤ進行方向において予め定められた歯先端部長さを備えるように形成される。

フラットカード又はローラカードのための包括的に同じ種類の全鋼製針布は、ある特許文献から公知である（例えば、特許文献１参照。）。鋸歯状ワイヤは、ワイヤ進行方向において続々と形成された歯を有し、頭部表面と呼ばれる歯先端部は、歯ピッチの長さの少なくとも１５％に相応する長さによって確定され、歯ピッチは、二つの隣接歯の歯先端の間の距離として確定される。針布内の各歯の歯先端は、歯先端部から歯正面への変移によって形成される。

全鋼製針布は、一方で、長い実用寿命を有するべきであり、他方で、針布は、紡績糸を形成する紡織繊維の良好な方向付け及び浄化を可能とすべきである。このために、頭部領域における歯幅と歯先端部長さとによって確定される歯先端部の表面は、可能な限り小さくすべきである。もし、鋸歯状ワイヤの摩耗のために、この表面が再研磨されるならば、歯先端部の表面は、より長くなり、その結果として、もはや、満足するカード結果を得ることはできない。これは、特に、歯の構造にとって、さらに、特に紡織繊維との相互作用にとって、歯背面のフランク角が歯正面の面角度より平坦でなければならないためである。もし、歯先端部の表面領域が非常に頻繁に再研磨され、その結果として、すっかり研磨されるならば、この表面は、全鋼製針布がもはや使用されることができなくなるまで、歯高さの減少のためにより大きくなる。

欧州特許第１５７６２１５号

本発明の課題は、鋸歯状ワイヤを備える全鋼製針布をさらに改善することであり、鋸歯状ワイヤの歯は、歯先端部が可能な限り頻繁にすっかり研磨されることを可能とする歯形状を有するべきである。ここで、歯先端部の表面は、可能な限り小さくされるべきであり、繰り返しすっかり研磨された後でさえ不必要により大きくなるべきではない。加えて、歯正面の面角度は、さらに、可能な限り、繰り返しすっかり研磨された後でさえ変化しないままであるべきである。

この課題は、特徴と組み合わせて請求項１の前段による紡織繊維を処理するフラットカード又はローラカードのための全鋼製針布から始まり解決される。本発明の有利な改善は、従属請求項に述べられる。

本発明は、歯突起が歯先端部に形成される技術的教示を含有し、この歯突起は、歯先端部長さより小さな歯突起長さを備える。

本発明の課題は、歯先端部の表面の一部の上面に設置される歯突起によって解決される。この場合における歯突起は、例えば、歯自身と同じ材質から構成され、歯自身と一体に構成され、その結果として、歯の歯形状は歯先端部の領域における歯突起の形状によって変更される。もし、歯突起がすっかり研磨されるならば、歯突起は後側において歯背面へ変移されていないために、その結果として、歯先端部長さは変化せず、又は、極めて僅かだけしか変化しない。むしろ、後側において、歯突起は、歯先端部へ変移する。この利点は、特に、全鋼製針布が六回まで又はさらに頻繁でさえ再研磨されることができることである。さらに実質的な利点は、歯正面とワイヤ進行方向の垂直面との間の面角度が５０°から６０°、好ましくは５５°の値を有することができることである。この角度値は、全鋼製針布の繰り返された再研磨の後でさえ変化せず、全鋼製針布は、繰り返された再研磨の後でさえ最適な面角度を備えて使用されることができる。

特に都合よく、歯突起長さは、歯先端部長さの１０％〜５０％、好ましくは１５％〜２５％であることができる。歯突起は、前側領域において歯先端部の上面に設けられることができ、それにより、歯突起は、歯正面に隣接して歯先端部に形成される。これは、歯突起から歯正面への変移における歯形状が歯先端を形成することを意味する。鋸歯状ワイヤが再研磨され、この処理において、歯突起が各研磨作業により僅かに低くされるときに、歯先端は、それが再び鋭くされるように下方向に移動する。例えば、鋸歯状ワイヤは、鋸歯状ワイヤが使用されることをやめる以前に、歯先端部の歯突起が完全にすっかり研磨されて、歯先端が歯先端部から歯正面への直接変移によって形成されるまで、鋸歯状ワイヤの場合のように頻繁に再研磨されることができる。この処理において、歯正面とワイヤ進行方向の垂直面との間の面角度は、鋸歯状ワイヤが使用されることをやめるまで、例えば５５°の値に維持されることができる。

さらに都合よく、歯突起は、平坦な構造の突起上面を有するように形成されることができる。歯突起は、突起上面の後側に形成された突起背面を有することができ、この突起背面は、同じ高さに位置する歯正面の部分とほぼ平行な歯形状の一部分として形成される。もし、突起背面及び歯正面の形状が互いにほぼ平行に延在するならば、歯突起長さは、繰り返されて再研磨された後でさえ一定を維持し、歯突起長さは、例えば、歯先端部長さの１０％〜５０％、好ましくは１５％〜２５％のままでいることができる。歯突起が同様に構成されるときに、この値は、変化せず、鋸歯状ワイヤが再研磨される頻度に関係なく維持される。

突起上面は、鋸歯状ワイヤのワイヤ進行方向と平行に形成されることができ、このワイヤ進行方向は、鋸歯状ワイヤの底面の進路によって確定され、シリンダ、例えばカード機械のドラムに配置されるときには、さらに曲率を有し、それにより、底面への対応接線がワイヤ進行方向として確定される。全鋼製針布の構成へのさらなる利点によれば、歯正面とワイヤ進行方向の垂直面との間の面角度は、５０°から６０°、好ましくは５５°の値を有することができる。それにより、突起背面も、この面角度に相応する角度を有することができる。

最後に、歯突起長さは、ほぼ、歯先端から歯先端への歯ピッチの長さの１０％〜２０％、好ましくは１２％〜１８％、特に１５％に相応することができる。

本発明を改善するさらなる手段は、以下の図面を参照して、本発明の好適例の実施形態の記述と共に以下により詳細に述べられる。

本発明による歯先端部の歯突起を有する歯形状を備える鋸歯状ワイヤの一部の側面図を示す。 鋸歯状ワイヤを通る断面図を示す。 本発明による特徴を備える鋸歯状ワイヤの歯の詳細図を示す。

図１は、紡織繊維を処理するフラットカード又はローラカードのための全鋼製針布の鋸歯状ワイヤ１０の一部を示す。鋸歯状ワイヤ１０は、ワイヤ進行方向１１を有し、これは、鋸歯状ワイヤ１０の底面２１の進路によって確定される。鋸歯状ワイヤ１０の一部において、二つの歯１２が示され、これら歯１２は、ワイヤ進行方向１１を向く歯先端１８を有する。

歯１２の歯形状は、幾つかの部分によって確定され、この歯形状は、歯背面１４へ変移する歯基面１３で始まり、歯背面１４は、歯１２のワイヤ進行方向１１と反対側に位置させられる。歯背面１４からの変移をワイヤ進行方向１１と平行に延在することができる歯先端部１５へ続くように形成し、又は、この歯先端部１５は、歯背面１４の方向における傾斜を有する。歯先端部１５は、さらに、本発明による歯突起１７へ変移し、この歯突起１７は、歯先端１８を形成する過程で歯正面１６へ変移し、歯正面１６は、ワイヤ進行方向１１の方を向き、歯突起１７の高さまで延在させられる。最後に、歯正面１６は、再び、次の歯基面１３へ変移する。

図２は、鋸歯状ワイヤ１０の側面図を示し、鋸歯状ワイヤ１０の基部２２は、基部２２の上面に隣接する歯１２の幅より広く構成される。この断面は、図１に示され、二つの歯１２の間に位置し、歯基面１３によって上面の境界が定められる。

最後に、図３は、鋸歯状ワイヤ１０の歯１２の詳細図を示し、歯１２の歯形状が、個々の部分と共に詳細に示される。歯基面１３から始まり、先ず、ワイヤ進行方向１１と反対側の歯１２の境界を定める歯背面１４に続く。歯背面１４は、長さＬを有する歯先端部１５へ変移する。歯正面１６へ変移する歯先端部１５の前側端部において、歯先端部１５の上面には、歯突起１７が形成され、この歯突起１７は、歯突起長さｌを有する。この形状は、歯先端部１５の後側から突起背面２０へ変移し、突起背面２０は、突起上面１９へ変移する。歯突起１７の前側において、歯正面１６の形状は、歯先端１８を形成する突起上面１９へ変移する。面角度αは、歯正面１６と突起上面１９との間において測定されることができる。

これら図面は、歯突起１７の歯１２へのおおよその大きさ関係を示し、特に、歯先端部長さＬより小さな歯突起長さｌを示す。例えば、歯突起長さｌは、歯先端部長さＬの１０％〜５０％、好ましくは１５％〜２５％であることができ、本例は、歯突起長さｌが歯先端部長さＬの約２０％であることを示している。

鋸歯状ワイヤ１０が再研磨されるならば、歯突起１７の突起上面１９への再研磨が実施される。鋸歯状ワイヤ１０は、ここで、歯先端部１５の歯突起１７が殆どなくなるまで繰り返し再研磨されることができ、歯先端部１５は、図面に示すように、歯先端１８が破線の領域へ下がるまで延在する。

本発明は、前述された好適例の実施形態への実施に限定されない。むしろ、多くの変更が実施可能であり、これらは、基本的に異なる形状の実施形態の場合でさえも述べられた解決方法を使用する。請求の範囲、明細書、又は、図面の範囲から生じる構造的詳細及び空間的配置を含む全ての特徴及び利点の少なくとも一方は、本発明自身及び最も広い様々な組み合わせの両方において本発明への本質であることができる。

１０ 鋸歯状ワイヤ
１１ ワイヤ進行方向
１２ 歯
１３ 歯基面
１４ 歯背面
１５ 歯先端部
１６ 歯正面
１７ 歯突起
１８ 歯先端
１９ 突起上面
２０ 突起背面
２１ 底面
２２ 基部
α 面角度
Ｌ 歯先端部長さ
ｌ 歯突起長さ

最後に、図３は、鋸歯状ワイヤ１０の歯１２の詳細図を示し、歯１２の歯形状が、個々の部分と共に詳細に示される。歯基面１３から始まり、先ず、ワイヤ進行方向１１と反対側の歯１２の境界を定める歯背面１４に続く。歯背面１４は、長さＬを有する歯先端部１５へ変移する。歯正面１６へ変移する歯先端部１５の前側端部において、歯先端部１５の上面には、歯突起１７が形成され、この歯突起１７は、歯突起長さｌを有する。この形状は、歯先端部１５の後側から突起背面２０へ変移し、突起背面２０は、突起上面１９へ変移する。歯突起１７の前側において、歯正面１６の形状は、歯先端１８を形成する突起上面１９へ変移する。面角度αは、歯正面１６と、ワイヤ進行方向１１と直角な線との間において測定されることができる。

Claims (8)

1. ワイヤ進行方向（１１）に続々と形成された複数の歯（１２）を備える鋸歯状ワイヤ（１０）を有する紡織繊維を処理するフラットカード又はローラカードのための全鋼製針布であって、前記歯（１２）の歯形状は、歯基面（１３）から始まり、少なくとも、歯背面（１４）へ変移し、さらに歯先端部（１５）へ変移し、さらに歯正面（１６）へ変移し、再び、次の歯基面（１３）へ変移するように確定され、前記歯先端部（１５）は、前記ワイヤ進行方向（１１）において予め定められた歯先端部長さ（Ｌ）を備えるように形成される全鋼製針布において、
   歯突起（１７）が前記歯先端部（１５）に形成され、前記歯突起（１７）は、前記歯先端部長さ（Ｌ）より小さな歯突起長さ（ｌ）を備えることを特徴とする全鋼製針布。
2. 前記歯突起長さ（ｌ）は、前記歯先端部長さ（Ｌ）の１０％〜５０％、好ましくは１５％〜２５％であることを特徴とする請求項１に記載の全鋼製針布。
3. 前記歯突起（１７）は、前記歯正面（１６）に隣接して前記歯先端部（１５）に形成され、それにより、前記歯突起（１７）から前記歯正面（１６）への変移における歯形状が歯先端（１８）を形成することを特徴とする請求項１又は２に記載の全鋼製針布。
4. 前記歯突起（１７）は、平坦な構造の突起上面（１９）を有するように形成されることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の全鋼製針布。
5. 前記歯突起（１７）は、前記突起上面（１９）の後側に形成された突起背面（２０）を有し、前記突起背面（２０）は、同じ高さに位置する前記歯正面（１６）の部分とほぼ平行な歯形状の一部分として形成されることを特徴とする請求項４に記載の全鋼製針布。
6. 前記歯の前記突起上面（１９）は、前記鋸歯状ワイヤ（１０）の前記ワイヤ進行方向（１１）と平行に、又は、前記ワイヤ進行方向（１１）に関して３°までの傾斜を備えて形成され、この場合において、前記突起上面（１９）は前記傾斜の結果として前記突起背面（２０）の方向に下がることを特徴とする請求項４又は５に記載の全鋼製針布。
7. 前記歯正面（１６）と前記ワイヤ進行方向（１１）の垂直面との間の面角度（α）は、５０°から６０°、好ましくは５５°の値を有することを特徴とする請求項１〜６のいずれか一項に記載の全鋼製針布。
8. 前記歯突起長さ（ｌ）は、前記歯先端（１８）から前記歯先端（１８）への歯ピッチの長さの約１５％に相応することを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載の全鋼製針布。

Images