JP2005350827A - シリンダ用メタリックワイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】特にシリンダの表面速度が2000m/分を超える高速カードにおいて、シリンダ用メタリックワイヤの歯の局部摩耗を減少させ、繊維切断や繊維損傷を減少させると共に、メタリックワイヤの寿命を延長することを目的とする。
【解決手段】メタリックワイヤの歯の側面に、円弧面により形成された突条を歯の働き面を構成する直線部と上記直線部から歯底に至る曲線部との接合点を含みワイヤの底面と略平行となるように設けたシリンダ用メタリックワイヤを提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】メタリックワイヤの歯の側面に、円弧面により形成された突条を歯の働き面を構成する直線部と上記直線部から歯底に至る曲線部との接合点を含みワイヤの底面と略平行となるように設けたシリンダ用メタリックワイヤを提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、紡績の梳綿工程に使用する梳綿機のシリンダドラムに巻き付けて使用するメタリックワイヤに関し、特に高速高生産用梳綿機(以下、高速カードという)に適したシリンダ用メタリックワイヤに関するものである。
一般に、高速カードのシリンダには、高生産領域において、シリンダ上の単位面積当りの繊維密度が高くなってもシリンダとトップ間において良好なカーディング作用(開繊作用、除塵作用及び繊維の平行化作用)を維持し、シリンダからドッファへの繊維の移行率を高めるために、メタリックワイヤの歯の働き角が50°〜65°、歯の深さが0.40mm〜0.50mm、山数(25.4mm長さ当たりの歯数)が15山/25.4mm〜17山/25.4mmとなるように形成したメタリックワイヤが使用されていた。
しかし、最近の高速カードでは、シリンダの表面速度が従来のカードの2倍〜3倍に相当する2000m/分を超えるため、上記構成のメタリックワイヤでは、歯の働き面に把持された繊維は歯の働き面に沿って歯底方向に沈み込み、歯底の繊維は歯底側の曲面に沿って浮き上がり、繊維は歯の働き面と歯底側の曲面との接合点に集中して作用し、上記歯の接合点付近において局部摩耗を生じさせ、上記摩耗部において繊維切断、繊維損傷が生じるという問題が生じ、後工程での紡績糸の強力低下、糸品質の低下を招くと共にメタリックワイヤの寿命を短くすると言う問題点がある。
また、従来ドッファ用メタリックワイヤ10として、図3(a)及び(b)に示すように歯11の側面の片面又は両面に複数個の溝12又は凸条13を設けたメタリックワイヤが考えられていた。
実公昭56−52293号公報
実開昭61−30082号公報
上記各特許文献に示されるドッファ用メタリックワイヤは、繊維がシリンダからドッファへ移行し、さらにドッファから剥ぎ取り装置によって繊維が剥ぎ取られるまでの間に、ドッファに捲き付けられたメタリックワイヤの歯先から繊維が垂れ下がり、ケーシングとの間に詰まってケーシングが損傷したり、メタリックワイヤが損傷することを防ぐため、歯の働き面を構成する直線部に連なる側面に複数個の溝又は凸条を設けて繊維の垂れ下がりを防止したものである。
従って、上記歯の働き面を構成する直線部に連なる側面に複数個の溝又は凸条を設けたメタリックワイヤをシリンダドラムに巻き付けて使用した場合は、繊維が歯の働き面と歯底側の曲面との接合点に集中して作用し、上記歯の接合点付近において局部摩耗を生じさせるという問題を解決することができず、しかも繊維が溝又は凸条に引っ掛かり、その部分において、繊維損傷を生じたり、局部摩耗を招いてメタリックワイヤの寿命を短くすると言う問題点がある。
本発明のシリンダ用メタリックワイヤは、上記問題点を解決するためになされたものであり、メタリックワイヤの歯の少なくとも片側の側面に、円弧面により形成された突条が歯の働き面を構成する直線部と上記直線部から歯底に至る曲線部との接合点を含むように設けられ、かつ上記突条の尾根がメタリックワイヤの底面と略平行となるように設けられた構成を有している。
なお、上記構成において、歯の高さAは2.0mm〜2.8mm、歯の働き角Xは50°〜63°、歯先の夾角θは30°〜40°、歯の深さBは0.40mm〜0.55mm、縁部の厚さCは0.40mm〜0.55mm及びメタリックワイヤ1の長手方向の山数Mは15山/25.4mm〜17山/25.4mmとなるように形成する。
また、上記歯の側面に設けた突条は、曲率半径Rが0.05mm〜0.08mmを有し、高さHが0.01mm〜0.03mmを有するものである。
本発明の紡機用メタリックワイヤは、歯の働き面を構成する直線部と上記直線部から歯底に至る曲線部との接合点を含むように歯の側面の一定範囲にわたって突条を形成したため、繊維が歯の働き面と歯底に至る曲面との接合点に集中しても、上記部位の歯の厚みが突条により厚く構成されているため、歯の局部摩耗の進行を抑えることができ、局部摩耗による繊維切断、繊維損傷を減少し、後工程での紡績糸の強力低下、糸品質の低下を防止すると共に、メタリックワイヤの寿命を延長することができる。
上記構成において、突条の高さHが0.01mm未満では、摩耗の進行を充分に抑えることができず、繊維切断や繊維損傷が増加する傾向になり、また0.03mmを超えると繊維の歯の働き面及び歯底側の曲面に沿った移動が拘束され、従来と同様に、突条の上部又は下部に繊維が集中して局部摩耗を生じ、強力低下、糸品質の低下を防止し、メタリックワイヤの寿命を延長するという効果が期待できない。
また、曲率半径Rが0.05mm未満では、歯の突条部を含む厚みと幅が充分に取れないため、上記と同様に局部摩耗の進行を充分に抑えることができず、0.08mmを超えると突条の幅が大きくなりすぎ、開繊作用が低下する。
なお、上記突条は歯の少なくとも片側の側面に設けることが好ましいものである。
本発明の紡機用メタリックワイヤは、歯の少なくとも片側の側面に突条を設けているため、歯の働き面に把持された繊維が歯底方向に沈み込むのを防ぐことができ、繊維が歯の先端に把持され易く、良好な解繊作用を受けることに成り、ネップの減少が図れる。しかも繊維が歯の先端部に把持されているため、繊維のドッファへの移行も良好に行われるので、高速高生産が可能となる。
また、突条は歯の直線部と曲線部との接合部Pを含むように設けられているので、上記接合部Pに繊維の局部集中が発生しても、歯の働き面の稜線摩耗が軽減され、メタリックワイヤの寿命を延長することができるという優れた効果を有する発明である。
以下、本発明における紡機用メタリックワイヤの実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図2は本発明の紡機用メタリックワイヤの一実施例を示し、図1は要部拡大正面図、図2は図1のY−Y線断面図である。
本発明のメタリックワイヤ1は、図1〜図2に示すように、歯2の高さAは2.0mm〜2.8mm、歯2の働き角Xは50°〜63°、歯先の夾角θは30°〜40°、歯2の深さBは0.40mm〜0.55mm、縁部4の厚さCは0.40mm〜0.55mm及びメタリックワイヤ1の長手方向の山数Mは15山/25.4mm〜17山/25.4mmとなるように形成されている。
また、上記歯2の縁部4側の側面5には単一の突条6が形成されている。
上記突条6は、その垂直方向の断面における曲率半径Rが0.05mm〜0.08mm、高さHが0.01mm〜0.03mmを有すると共に、歯の働き面を構成する直線部3と上記直線部3から歯底9に至る曲線部7との接合点Pを含むように設けられ、その幅Wが0.15mm〜0.17mmとなるように形成されている。
以下、本発明の紡機用メタリックワイヤ1の一実施例を図1及び図2に基づいて説明する。
紡機用メタリックワイヤ1は図に示すように、歯の高さAが2.0mm、歯の働き角Xが50°、歯先の夾角θが32°、歯の深さBが0.4mm、縁部の厚さCが0.4mm、縁部の高さDが1.3mm及び山数Mが15山/25.4mmとなるように形成されている。
上記歯2の縁部4側の側面5には、単一の突条6が歯の働き面を構成する直線部3と上記直線部3から歯底9に至る曲線部7との接合点Pを含むように設けられている。
上記突条6は、その尾根がメタリックワイヤ1の底面8と略平行になるように形成されている。
また、上記突条6は、曲率半径Rが0.06mm、高さHが0.03mmを有すると共に、歯の働き面を構成する直線部3と上記直線部3から歯底9に至る曲線部7との接合点Pを含む幅Wが0.16mmとなるように形成されている。
1 メタリックワイヤ
2、11 歯
3 直線部
4 縁部
5 側面
6 突条
7 曲線部
8 底面
9 歯底
10 ドッファ用メタリックワイヤ
12 溝
13 凸条
2、11 歯
3 直線部
4 縁部
5 側面
6 突条
7 曲線部
8 底面
9 歯底
10 ドッファ用メタリックワイヤ
12 溝
13 凸条
Claims (3)
- メタリックワイヤの歯の少なくとも片側の側面に、円弧面により形成された突条が歯の働き面を構成する直線部と上記直線部から歯底に至る曲線部との接合点を含むように設けられ、かつ上記突条の尾根がメタリックワイヤの底面と略平行となるように設けられたことを特徴とするシリンダ用メタリックワイヤ。
- 突条が歯の縁部側の側面に設けられたことを特徴とする請求項1記載のシリンダ用メタリックワイヤ。
- 突条は、垂直方向の断面において、曲率半径Rが0.05mm〜0.08mm、高さHが0.01mm〜0.03mmを有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシリンダ用メタリックワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004175114A JP2005350827A (ja) | 2004-06-14 | 2004-06-14 | シリンダ用メタリックワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004175114A JP2005350827A (ja) | 2004-06-14 | 2004-06-14 | シリンダ用メタリックワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005350827A true JP2005350827A (ja) | 2005-12-22 |
Family
ID=35585535
Family Applications (1)
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JP2004175114A Pending JP2005350827A (ja) | 2004-06-14 | 2004-06-14 | シリンダ用メタリックワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005350827A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106133217A (zh) * | 2014-04-07 | 2016-11-16 | 特吕茨施勒有限及两合公司 | 用于梳棉机的全金属针布 |
CN106661776A (zh) * | 2014-05-16 | 2017-05-10 | 格罗兹-贝克特公司 | 金属梳针 |
CN108456954A (zh) * | 2018-04-20 | 2018-08-28 | 青岛大学 | 一种双面斜纹道夫针布 |
-
2004
- 2004-06-14 JP JP2004175114A patent/JP2005350827A/ja active Pending
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CN108456954B (zh) * | 2018-04-20 | 2023-05-09 | 青岛大学 | 一种双面斜纹道夫针布 |
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