JP2017512878A - ナノフィブリルセルロースを製造するための方法、およびナノフィブリルセルロース製品 - Google Patents

ナノフィブリルセルロースを製造するための方法、およびナノフィブリルセルロース製品 Download PDF

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Abstract

ナノフィブリルセルロースの製造方法において、セルロース繊維内の内部結合がセルロースの予備的修飾によって弱められたセルロース系繊維材料は、繊維および液体を含むパルプの形態で分解処理にさらされる。繊維材料は、10wt−%を超え、好ましくは少なくとも15wt−%の濃度において、分解処理であって、速く移動する連続的要素による繊維材料への繰り返し衝撃とセルロース繊維の弱められた内部結合との複合効果によって繊維材料から小繊維が脱離される分解処理に供給される。ナノフィブリルセルロースは、繊維材料の濃度以上の乾燥物質量で分解処理から回収される。分解処理において、繊維材料は、異なる逆回転ロータのブレード(1)の効果によるせん断および衝撃力に繰り返しさらされるようにロータの回転軸(RA)に関して半径方向外側にいくつかの逆回転ロータ(R1,R2,R3・・・)を通って供給される。

Description

本発明は、ナノフィブリルセルロースの製造方法であって、セルロース系繊維材料が別々の小繊維に粉砕される製造方法に関する。また、本発明は、ナノフィブリルセルロース製品に関する。
約3〜4%の低濃度における、たとえば、ディスクリファイナ、またはコニカルリファイナによるリグノセルロース含有繊維の叩解処理においては、繊維壁の構造が緩み、小繊維、またはいわゆる微細繊維が、繊維の表面から分離される。形成された微細繊維、および柔軟繊維は、大部分の等級の用紙の特性に有利な効果を有する。パルプ繊維の叩解においては、しかしながら、目的は、繊維の長さおよび強度を保持することである。機械パルプの叩解後においては、目的は、繊維の表面から小繊維を分離するために、厚い繊維壁を叩解によって薄くすることによる繊維の部分的フィブリル化である。
リグノセルロース含有繊維は、繊維壁における構成要素として機能する小繊維を分離することによって、小さな部分に分解されてもよく、得られた粒子は、有意に小さなサイズになる。このようにして得られた、いわゆるナノフィブリルセルロースの特性は、通常のパルプの特性とは有意に異なっている。また、ナノフィブリルセルロースを製紙における添加剤として使用し、内部結合強度(層間強度)および紙製品の引張強さを増加させ、紙の緊密性を増加させることが可能である。また、ナノフィブリルセルロースは、その外観においてパルプとは異なる。なぜなら、それは、小繊維が水分散液中に存在するゲル様物質だからである。このようなナノフィブリルセルロースの特性の故に、それは、所望の原材料となり、それを含む製品は、産業界において様々な用途を有し、たとえば様々な組成物における添加物としての用途を有している。
ナノフィブリルセルロースは、数種の細菌(アセトバクターキシリナス(Acetobacterxylinus))の発酵処理から直接にそれ自体で分離することができる。しかしながら、ナノフィブリルセルロースの大規模製造の観点において、最も有望な原材料は、植物に由来し、セルロース繊維、特に、それから作製される木材および繊維性パルプを含む原材料である。パルプからナノフィブリルセルロースを製造するには、繊維をさらに小繊維の大きさへの分解を必要とする。処理中、セルロース繊維懸濁液は、材料に高いせん断応力を生じる均質化工程に何回か通される。これは、懸濁液を高圧下で、速い速度を達成する狭い間隙に繰り返し通すことによって達成可能である。リファイナディスクを使用することも可能であり、そのリファイナディスク間を繊維懸濁液を何回か通すことになる。
国際出願PCT/FI2012/051116(公開公報WO2013/072559)は、繊維材料が、ロータに関して放射状に外側に流れる間に異なる逆回転ロータの効果によるせん断および衝撃力に繰り返しさらされるように、いくつかの逆回転ロータを通って導入される方法を示している。繊維材料は、それを低濃度(1.5%〜4.5%)でロータを介して供給することによってナノフィブリルセルロースにされる。この方法において出発材料として使用されたセルロース繊維は、セルロース分子が、セルロース繊維における内部結合の弱化を引き起して、小繊維の分離を促す側鎖官能基を有するように化学的に修飾される。触媒的酸化およびカルボキシメチル化は、公知の化学的修飾方法である。
従来、パルプは、良好な効率を保証するために、低濃度においてナノフィブリルセルロースに分解される。このことは、ほぼ同一の、wt−%で表わされるナノフィブリル濃度を有する水性ゲルの形態のナノフィブリルセルロースをもたらし、つまり、ナノフィブリルセルロースは、大量の水を含む。絶乾率を増加させるためのナノフィブリルセルロースゲルの脱水は、困難であることが示されている。一方、パルプは、高濃度ではナノフィブリルセルロースに分解することはできない。なぜなら、小繊維の形成は、乏しいままであり、高いゼロせん断粘度を有する特有のゲルは、得られないからである。したがって、大量のナノフィブリルセルロースの製造は、製造濃度が低いが故に不経済である。
本発明の目的は、上述の不利益が除かれて、ナノフィブリルセルロースを良好な生産能力で、高濃度で作製することができる方法を示すことである。
本方法においては、セルロース繊維における内部結合が高度に化学的修飾によって弱められたセルロース系繊維材料が、出発材料として使用される。前記出発材料は、高濃度で存在する繊維、パルプの水性懸濁液として、逆回転ロータの作用にさらされ、この濃度における材料は、ロータのブレードによって繰り返し衝撃を受ける。これらの繰り返し衝撃の過程において、衝撃の方向は、ロータは互いに逆の方向に回転するので変化する。
セルロース系繊維材料は、通常よりも高いパルプ濃度で、ゲルのようにふるまい、水に希釈されたとき、典型的な高いゼロせん断粘度およびせん断減粘性特性を有するナノフィブリルセルロースに分解することができることが予期せず見出された。分解処理は、分解装置の逆回転ロータによって生じる繊維材料への衝撃力を用いることによって行われる。これは、繊維材料におけるセルロースの高度な化学的修飾によって可能となり、セルロース分子の官能基の含有量、またはセルロース分子の置換度として表わすことが可能である。
セルロースが化学的に修飾された繊維系出発材料の濃度は、10wt−%、好ましくは少なくとも15wt−%よりも高い。分解処理は、繊維間の結合の形成を防ぐために、水が十分に存在する条件で行われる。濃度は、好ましくは10%よりも高く、最大で50%であり、より好ましくは15〜40%であり、最も好ましくは15〜30%である。
繊維出発材料中のセルロースは、物理的に修飾され、酵素的に修飾され、または化学的に修飾されたセルロースである。物理的修飾において、アニオン性、カチオン性、または非イオン性物質は、セルロース表面に物理的に吸着する。化学的修飾において、セルロース分子の化学的構造は、セルロースの化学的反応(「誘導体化」)によって変化する。
セルロースは、修飾後に特にイオン的に帯電することができる。なぜなら、セルロースのイオン性帯電は、繊維の内部結合を弱め、後のナノフィブリルセルロースへの分解を促進するからである。イオン性帯電は、セルロースの化学的または物理的修飾によって達成することができる。繊維は、修飾後、出発材料に比べて高い、アニオン性またはカチオン性電荷を有している。
1つの好ましい化学的修飾方法は、セルロースの酸化であって、アニオン性に帯電したセルロースが得られるセルロースの酸化である。セルロースの酸化において、セルロースの一次水酸基は、複素環ニトロキシル化合物、たとえば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシ遊離ラジカル「TEMPO」によって触媒的に酸化される。水酸基は、カルボキシル基に酸化される。方法工程によれば、酸化された水酸基の一部は、アルデヒド基であってもよい。
アニオン電荷を得るための別の化学的修飾方法は、カルボキシメチル基がセルロース分子に付加されるカルボキシメチル化である。カチオン電荷は、同様に、4級アンモニウム基のようなカチオン基がセルロース分子に付加されるカチオン化によって化学的に引き起こされてもよい。
高い修飾度について、触媒酸化によって修飾されるパルプは、乾燥パルプに基づいて、少なくとも0.8mmol/g以上、好ましくは少なくとも0.95mmol/g以上、および最も好ましくは少なくとも1.00mmol/g以上のカルボキシレート含有量を有する。カルボキシレート含有量は、好ましくは0.8〜1.8、より好ましくは0.95〜1.65、および最も好ましくは1.00〜1.55mmol/gパルプの範囲内である。
カルボキシメチル化セルロースの場合において、置換度は、0.1を超え、好ましくは少なくとも0.12以上である。置換度は、好ましくは0.12〜0.2の範囲内である。カチオン化セルロースの場合、置換度は、少なくとも0.1以上、好ましくは少なくとも0.15以上である。置換度は、カチオン化セルロースにおいて、好ましくは0.1〜0.6の範囲内、より好ましくは0.15〜0.35の範囲内である。
セルロースが化学的に修飾された出発材料、パルプは、高度の置換、または高い含有量の化学基(高い修飾度)によって特徴付けることができ、パルプを簡単な手段によってナノフィブリルセルロースであって、1〜2wt−%の濃度で水に希釈したとき、高いゼロせん断粘度、およびせん断減粘性挙動を有するゲルの典型的特性を有するナノフィブリルセルロースに分解することを可能にする。
ナノフィブリルセルロースの特性は、分解処理の条件と、処理の間の工程の数とに依存して広い範囲で変化してもよい。0.5%の濃度(水媒体)における応力制御回転式レオメータを用いて測定されたナノフィブリルセルロースのゼロせん断粘度(ゼロ付近の小さなせん断応力における一定粘度の「プラトー」)は、典型的には1000〜50000Pa・s、好ましくは5000〜50000Pa・sである。同一方法によって測定されたNFCの降伏応力は、1〜50Pa、好ましくは3〜20Pa、最も好ましくは6〜15Paの範囲である。
繊維材料からナノフィブリルセルロースを製造する方法において、分解処理の各段階において、乾燥物質として表わされる繊維としてよりも大きな割合で繊維材料中に常に水が存在する。繊維材料の絶乾率が、分解処理の間に上昇するとしても、本方法は、乾燥叩解方法として考えることはできない。
高濃度パルプの繊維材料が、一連の逆回転ロータを備える装置において小繊維のレベルまで分解されるとき、繊維材料の懸濁液は、ブレードが、回転速度で、反対方向において、半径(回転軸までの距離)によって決定される周辺速度で回転するとき、反対方向からそれに当たるロータのブレードまたはリブによって繰り返し衝撃を受ける。繊維材料は、半径方向の外側に移動するので、反対方向から高い周辺速度で次々に到来するブレード、すなわちリブの広い表面上で粉砕される。言い換えれば、それは、反対方向からの複数の連続的な衝撃を受ける。また、ブレード、すなわちリブの広い表面の端部において、その端部が、次のロータブレードの反対の端部とのブレード間隙を形成し、せん断力が生じ、フィブリル化(繊維を形成する小繊維の分離)に寄与する。
さらに、フィブリル化は、繊維懸濁液のpHが、中性または弱アルカリ範囲(pH6〜9、有利には7〜8)にあるときに良好に作用する。高温(30℃よりも高い)も、フィブリル化に寄与する。温度に関して、処理のための通常の動作環境は、通常20〜70℃である。温度は、有利には35〜60℃である。
各ロータの外周において、半径方向における先行および/または次のロータの複数のブレードとともに、複数のブレードが存在し、反対方向におけるそれらの回転運動によって、複数の狭いブレード空間または間隙であって、ブレード、すなわちリブの反対側の端部が反対方向に移動する場合において高速で互いに通過するときに繊維がせん断力にさらされる空間または間隙を繰り返し生じる。交互の回転方向を備える一連のロータの配置と、ロータ外周におけるブレードの分布とによって、異なる方向から高頻度で到来する衝撃をもたらすことができる。
逆回転ロータの各対において、多数の狭いブレード間隙と、同様に、衝撃方向の反転とは、各ロータの一回転の間に生じ、繰り返し頻度は、外周のブレード、すなわちリブの数に比例するということができる。その結果、繊維材料にブレード、すなわちリブによって生じる衝撃方向は、高頻度に変化する。回転の間におけるブレード間隙の数と、それらの繰り返し頻度とは、各ロータの外周に配置されたブレードの密度と、同様に、各ロータの回転速度とに依存する。そのようなロータ対の数は、n−1であり、nは、ロータの総数である。なぜなら、1つのロータは、処理されたパルプが叩解処理から出る最も外側のロータを除いて、半径方向における次の外側ロータと対を常に形成するからである。
異なるロータは、たとえば、最も外側のロータにおけるブレードの数が増加するように、ブレード、すなわちリブの異なる数を有してもよい。ブレード、すなわちリブの数は、他の式に従って変更することができる。
各ロータの外周におけるブレード/リブの密度と、半径方向に対するブレードの角度と、ロータの回転速度とは、叩解効率(叩解強度)と、叩解される繊維材料の処理時間とに影響を与えるために使用することができる。
供給は、ロータを通過する混合物が、それに混合されるガス状媒体を、分離相として、たとえば10体積%を超える、ガス状媒体の所定量を含むように行うことが可能である。小繊維の分離を増加するために、ガスの含有量は、少なくとも50体積%、有利には少なくとも70%、およびより有利には80〜99%であり、すなわち、充填度(ロータを通過する体積で処理される繊維懸濁液の割合)で表せば、90体積%未満、50%未満、30%未満、1〜20%である。ガスは、有利には空気であり、処理される繊維懸濁液は、所定割合の空気が繊維懸濁液に混合されるように供給することができる。空気は、室温(20〜25℃)であろうと高温であろうと、分解処理中に繊維材料の絶乾率を上昇させるであろう。ガス状媒体は濃度の計算には含まれておらず、その濃度は、パルプ、すなわち繊維および液体の混合物における繊維の割合に基づいている。
分解処理は、材料がホモジナイザにおける狭い間隙などを通って押し出される方法に比べて、より高い濃度においてさえも目詰まりする傾向がなく、この原則が、高体積、および高濃度においてナノフィブリルセルロースを製造することを可能にする。本方法は、たとえばロータの数を増加することによって、容易に規模を拡大することができる。この処理は、繊維材料の同一バッチに一回以上繰り返されて、目標の特性を有するナノフィブリルセルロースを製造することができる。
分解処理の直後に得られた製品は、出発繊維材料の初期濃度と同一またはわずかに高い、高い絶乾率を有する。これは、移送前にナノフィブリルセルロース製品の絶乾率を上昇させる必要性を減少、または除去さえもする。したがって、処理後に得られたナノフィブリルセルロースは、そのようなものとして梱包可能であり、高い絶乾率で顧客に発送することができる。ナノフィブリルセルロースは、「そのようなものとして」梱包されるか、または処理後に脱水されて、好ましくは、20〜35wt−%であるナノフィブリル濃度(ナノフィブリルの絶乾率に基づく)で好ましくは発送される。処理から得られるナノフィブリルセルロースは、発送前に、より高いナノフィブリル濃度でも、60wt−%までならば、乾燥することができる。一般的に、ナノフィブリルセルロース製品は、のナノフィブリル含有量を16〜60wt−%とすることが可能である。
さらに、処理後に得られた製品は、高い絶乾率に加えて、目視にて見てとれる独特の形態を有する。ナノフィブリルセルロースは、湿潤紛体様材料の形をしており、この湿潤紛体様材料の形では、ナノフィブリルセルロースの小繊維が集まって小さい湿潤セルロース粒子になり、該小さい湿潤セルロース粒子は、粒子の水分依存粘性を有するために凝集させることが可能である。
以下において、本発明は、添付図面を参照して詳細に説明される。
本発明において使用される装置をロータの回転軸に一致するA−A断面で示す。 図1の装置を部分的水平断面で示す。 様々な製品試料の粘度を示す。
繊維材料
分解処理にさらされる出発材料は、高濃度の繊維原材料である。繊維材料のセルロースは、高濃度における小繊維の分離(フィブリル化)を促進するために高い程度まで化学的に修飾される。
セルロースの修飾のための繊維性原料は通常、植物起源のセルロース原料から得られる。原料は、任意の植物原料であって、セルロースのマイクロフィブリルを含むセルロース性繊維を含む任意の植物原料に基づいてもよい。また、繊維は、いくらかのヘミセルロースを含んでもよく、その量は、植物源に依存する。植物材料は、木材であってもよい。木材は、トウヒ、マツ、銀モミ、カラマツ、ベイマツ、もしくはツガなどの軟材、またはカバノキ、アスペン、ポプラ、ハンノキ、ユーカリ、もしくはアカシアなどの硬材、または軟材と硬材との混合材であってもよい。非木材原料は、農業廃棄物、草、または綿、トウモロコシ、コムギ、オートムギ、ライムギ、オオムギ、米、亜麻、麻、マニラ麻、サイザル麻、ジュート、ラミー、ケナフ麻、バガス、竹、もしくは葦から得られた、わら、葉、樹皮、種子、豆類、花、野菜、もしくは果物などの他の植物材料を含んでもよい。
1つの好ましい選択肢は、繊維の小繊維が二次細胞壁に存在する非実質性植物材料に由来する繊維である。二次細胞壁に生じる小繊維は、本質的に、少なくとも55%の結晶度を有する結晶である。供給源は、木または非木材の植物材料であってもよい。たとえば、木繊維は、繊維性原材料が豊富な供給源の1つである。原材料は、たとえば、化学パルプであってもよい。パルプは、たとえば、軟材パルプ、もしくは硬材パルプ、またはこれらの混合物であってもよい。
全ての木由来、または非木由来繊維性原材料の共通の特徴は、ナノフィブリルセルロースが、繊維をマイクロフィブリルまたはマイクロフィブリル束のレベルまで分解することによって、それらから得られることである。
繊維に対する修飾処理は、化学的、または物理的であってもよい。化学的修飾において、セルロース分子の化学構造は、化学反応(セルロースの「誘導体化」)によって変えられるので、好ましくは、セルロース分子の長さは、影響されないが、官能基は、重合体のβ−D−グルコピラノースユニットに加えられる。セルロースの化学的修飾は、特定の変換度で行われるが、その変換度は、反応物の使用量、および反応条件に依存しており、したがって、通常は、セルロースが小繊維として固体形態でとどまって、水には溶解しないようには完了しない。物理的修飾において、アニオン性、カチオン性、もしくは非イオン性物質、またはこれらの任意の組み合わせは、セルロース表面上に物理的に吸着される。また、修飾処理は、酵素的であってもよい。酵素的修飾において、セルロースに作用する酵素は、繊維出発材料に添加される。
繊維内のセルロースは、修飾後に特にイオン的に帯電させることが可能である。なぜなら、セルロースのイオン性帯電は、繊維の内部結合を弱め、ナノフィブリルセルロースへの分解を後に促進するからである。イオン性帯電は、セルロースの化学的または物理的修飾によって生み出すことが可能である。繊維は、修飾後、出発原材料に比べて高いアニオン性またはカチオン性電荷を有し得る。最も一般的に使用される、アニオン性電荷を生じる化学的修飾方法は、水酸基がアルデヒドおよびカルボキシル基に酸化される酸化、ならびにカルボキシメチル化である。同様に、カチオン電荷は、4級アンモニウム基などの陽イオン基をセルロースに付加することによるカチオン化によって化学的に発生させることが可能である。
1つの好ましい修飾方法は、セルロースの酸化である。セルロースの酸化において、セルロースの一次水酸基は、たとえば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシ遊離ラジカル「TEMPO」のような複素環ニトロキシル化合物によって触媒的に酸化される。これらの水酸基は、アルデヒドおよびカルボキシル基に酸化される。したがって、酸化にさらされる水酸基の一部は、酸化されたセルロースにおいてアルデヒド基として存在するか、またはカルボキシル基への酸化を完了させることが可能である。
繊維材料は、高濃度でフィブリル化することができるので、先行するセルロースの化学的修飾は、十分に高いレベルまで進行しなければならない。触媒酸化によって修飾された繊維材料は、乾燥パルプ重量に基づいて、0.8mmol/g以上、好ましくは0.95mmol/g以上、最も好ましくは1.00mmol/g以上のカルボキシレート含有量を有する。カルボキシレート含有量は、好ましくは、0.8〜1.8、より好ましくは0.95〜1.65、および最も好ましくは1.00〜1.55mmol/gの範囲である。セルロースがカルボキシメチル化された繊維材料において、置換度は、0.1を超え、好ましくは0.12以上である。置換度は、カルボキシメチル化セルロースにおいて、好ましくは0.12〜0.2の範囲内である。セルロースがカチオン化された繊維材料において、置換度は、0.1以上、好ましくは0.15以上である。置換度は、カチオン化セルロースにおいて、好ましくは、0.1〜0.6、より好ましくは0.15〜0.35の範囲内である。
セルロースであって、アニオン性またはカチオン性物質をセルロース表面上に吸着させることによって物理的に修飾されたセルロースは、乾燥パルプの重量に基づいて、20〜1000mg/g、好ましくは40〜500mg/g、および最も好ましくは90〜250mg/gの十分に多量の吸着された物質を含む。添加された物質は、好ましくは水溶性である。たとえば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)は、アニオン性に帯電させた物理的に修飾されたセルロースを作製するために添加することが可能である物質である。
アニオン性、またはカチオン性物質は、カチオン化、またはアニオン化(化学的修飾)の好ましい量に相当する量であって、モル等量(eq/gまたはmeq/g)、つまり、1gパルプあたりの化学的修飾によって得られたものと同じイオン性帯電量を表す量として表わされてもよい量で好ましく吸着される。
ナノフィブリルセルロース
本願において、ナノフィブリルセルロース(NFC)とは、単離されたセルロースナノフィブリル(ミクロフィブリルとも称される)の集合体、またはセルロース原料に由来するナノフィブリル束を意味する。ナノフィブリルセルロースは典型的には、高いアスペクト比(長さ/直径)を有し、長さは1マイクロメートルを超えてもよいが、数平均直径は典型的には200nm未満である。また、ナノフィブリル束の直径は、もっと大きいが、一般的に5μm未満である。最も小さなナノフィブリルは、いわゆる基本小繊維と同様であり、典型的には2〜12nmの直径である。小繊維または小繊維束の直径は、原料および分解方法に依存する。また、ナノフィブリルセルロースは、いくらかのヘミセルロースを含んでもよく、その量は、植物源に依存している。ナノフィブリルセルロースは、大きな比表面積と、水素結合を形成する強い能力とによって特徴付けられる。水分散液において、ナノフィブリルセルロースは通常、淡いまたはほとんど無色のゲル様材料として見える。繊維原材料に依存して、ナノフィブリルセルロースは、少量の、ヘミセルロースまたはリグニンのような他の木材成分を含んでもよい。ナノフィブリルセルロースによく使用される別名は、ナノフィブリル化セルロース(NFC)を含み、多くの場合、単にナノセルロース、およびマイクロフィブリル化セルロース(MFC)と称される。
ナノフィブリルセルロースは、いくつかのレオロジー値によって特徴付けることができる。NFCは、すでに比較的低濃度(1〜2wt−%)で水に分散されたとき、粘性ゲル「ヒドロゲル」を形成する。NFCの独特の特徴は、水性分散液中におけるそのせん断減粘性挙動であり、せん断速度の増加とともに粘度の減少として観察される。さらに、「閾値」せん断応力は、材料が流れ始める直前に越えられなければならない。この臨界的せん断応力は、降伏応力とよく称される。NFCの粘度は、ゼロ付近の小さなせん断応力において一定の粘度の「プラトー」に対応するゼロせん断粘度によって最もよく特徴付けることができる。
分解処理
本願において、用語「分解処理」または「フィブリル化」は一般的に、粒子に適用されるワークによって機械的に材料を粉末化することを表し、仕事は、粉砕、破砕、もしくはせん断、もしくはこれらの組み合わせ、または粒子サイズを減少させる別の同様の作用などの、様々な効果に基づいてもよい。叩解作用によって得られるエネルギーは通常、たとえば、kWh/kg、MWh/tonの単位、またはこれらに比例した単位で、処理された原材料の量あたりのエネルギーによって表わされる。
分解処理は、繊維原材料と水との混合物、繊維懸濁液について高濃度で行われる。以下において、用語、パルプは、繊維原材料の混合物についても使用され、水は、分解処理にさらされる。そのような処理を行われた繊維原材料は、繊維全体、それらから分離された部分、小繊維束、または小繊維を表してもよく、パルプは通常、そのような構成要素の混合物であり、各成分間の割合は、処理段階、たとえば、工程、または繊維材料の同一バッチの処理を「通過」する数に依存する。
特に、本願において示される場合において、「分解処理」または「フィブリル化」は、頻繁に繰り返される一連の衝撃を利用する衝撃エネルギーによって行われる。これらの衝撃は、分解処理が行われる装置の構成によって様々な作用方向を有する。
図1に示される装置は、高濃度において化学的に修飾された繊維材料が、高頻度で繰り返される衝撃にさらされる分解処理において好ましく使用される。装置は、いくつかの逆回転ロータR1,R2,R3・・・を備え、該いくつかの逆回転ロータR1,R2,R3・・・は、それらが共通の回転軸RAの周囲を回転するように互いに同心に配置されている。装置は、同一方向に回転する一連のロータR1,R3・・・と、反対方向に回転するロータR2,R4・・・とを備え、当該ロータは、1つのロータが、逆回転ロータによって常に半径方向に後続、および/または先行されるように2つ1組で配置される。同一方向に回転するロータR1,R3・・・は、同一の機械的回転手段5に接続される。反対方向に回転するロータR2,R4・・・も、同一の機械的回転手段4に接続されるが、上述の手段の方向に対して反対方向に回転する。回転手段4,5は共に、下方から差し込まれるそれら自身の駆動軸に接続される。駆動軸は、たとえば、外側駆動軸が下部回転手段4に接続され、その内部に位置し、それに関して自由に回転する内側駆動軸が上部回転手段5に接続されるように回転軸RAに関して同心円的に位置してもよい。
図は、ロータが回転するために内部に配置される装置の固定式ハウジングを示していない。ハウジングは、材料を最内ロータR1の内部に上方から供給可能な注入口と、ロータの外周に関してほぼ接線方向外側に配置され、側面に位置する排出口とを備える。ハウジングは、駆動軸を下方に通す貫通孔を備える。
実際には、ロータは、円であって、その幾何学的中心が回転軸RAである円の外周上に所定間隔で設置され放射状に延びる、ベーンまたはブレード1からなる。同一ロータにおいて、流通経路2は、複数のベーン1の間に形成され、叩解される材料は、その経路を通って放射状に外側に流れ得る。2つの連続するロータR1,R2;R2,R3:R3,R4、などの間において、いくつかのブレード間隔または間隙が、繰り返し、そして反対方向におけるロータの回転運動中は高い周期で形成される。図2において、参照符号3は、半径方向における第4および第5ロータR4,R5のブレード1の間のそのようなブレード間隙を示す。同一ロータのブレード1は、半径方向における(円の外周上により狭い半径を有する)先行ロータのブレード1と、半径方向における(より大きな半径を有する円の外周に位置する)次のロータのブレード1とによって狭い間隙、すなわちブレード間隙3を形成する。対応する方法において、衝撃方向における多くの変化は、第1ロータのブレードが円の外周に沿って第1方向に回転し、次のロータのブレードが同心円の外周に沿って反対方向に回転するとき、これら2つの連続するロータの間に形成される。
第1シリーズのロータR1,R3,R5は、水平な下部ディスクおよび水平な上部ディスクからなる、同じ機械的回転手段5上に搭載され、その水平な下部ディスクと水平な上部ディスクとは、半径方向において最も内側の第1ロータR1のブレード1によって互いに結合されている。次いで、上部ディスクには、この第1シリーズの他のロータR3,R4のブレード1が搭載され、このブレード1は下方に延びる。このシリーズにおいては、同一ロータのブレード1は、最も内側のロータR1を除いて、それらの下方端において接続リングによってさらに接続される。第2シリーズのロータR2,R4,R6は、前記下部ディスクの下部に位置する水平ディスクである第2機械的回転手段4に取り付けられ、当該シリーズのロータのブレード1が接続され、上方に延びる。このシリーズにおいて、同一ロータのブレード1は、接続リングによってそれらの上端部で接続される。前記接続リングは、回転軸RAと同心である。下部ディスクは、ディスク表面に面し、回転軸RAに同心で配置され、それから均等に離れた、環状溝および整合環状突起によって同心でさらに配置される。
図1は、ベーンまたはブレード1が、回転軸R1に平行な細長い部分であり、幅I(半径方向の寸法)よりも大きな高さを有することを示す。断面図において、ブレードは、四角形であり、図2において長方形である。繊維材料は、中心から外側に向かってブレードの長手方向に交差して通過し、ブレード1における半径方向に面する表面の側面における端部は、第2ロータのブレード1の対応する端部とともにブレードの長手方向に延びる長く狭いブレード間隙3を形成する。
ロータR1,R2,R3・・・は、したがって、ある点では、回転軸に関して回転同心体形状の貫流ロータであり、繊維材料を処理するそれらの部分は、回転軸RAの方向に延びる細長いベーンまたはブレード1と、それらの間に残される流通経路2とからなる。
また、図1は、ロータブレード1の高さh1,h2,h3・・・が、第1、すなわち最も内部のロータR1から外側に向かって徐々に増加することを示す。その結果、ロータブレード1によって制限される流通経路2の高さも、同一方向に増加する。実際には、このことは、放射状流の断面積が、ロータの周辺長さとして外側に向けて増加するとき、高さの増加は、この断面積も増加することを意味する。その結果、仮に体積流を一定と考えた場合、単一繊維の移動速度は、外方向に減速する。
ロータの回転運動によって生じる遠心力によって、処理される材料は、所定の保持時間でロータを通過する。
図2から容易に結論付けることができるように、一対のロータの一回の全回転の間(所定のブレード1が並べられた位置から同一のブレード1が再び並べられる位置まで)に、外周方向における連続的ブレード1が第2ロータのブレード1に連続的に遭遇するとき、いくつかのブレード間隙3が形成される。その結果、流通経路2を通って半径方向外側に移動する材料は、材料がロータの範囲から外側のロータの範囲まで通過するとき、異なるロータの間のブレード間隙3において、およびロータの外周上のブレードの間の流通経路2において、せん断および衝撃力に連続的にさらされるが、異なる方向に回転するロータによって生じる、外周方向におけるブレードの動きと当該動きの方向変化とは、遠心力の効果によってロータを通る過剰に速い材料の通過流を妨げる。ブレード間隙3、および対応するブレード1の遭遇、および半径方向に連続的な2つのロータにおける衝撃方向の相対変化は、2×f×n×nである頻度[1/s]で生じ、nは、第1ロータの外周におけるブレード1の数、nは、第2ロータの外周におけるブレードの数、およびfは、1秒あたりの回転における回転速度である。係数2は、ロータが反対方向に同一の回転速度で回転するという事実によるものである。より一般的に、式は、(f(1)+f(2))×n×nの形態を有し、f(1)は、第1ロータの回転速度であり、f(2)は、反対方向の第2ロータの回転速度である。
さらに、図2は、ブレード1の数が異なるロータにおいてどのように異なり得るかを示す。図において、ロータごとのブレード1の数は、先行ロータR5よりも少ない最後のロータR6を除いて、最も内側のロータから増加する。回転速度(rpm)は、位置およびロータの回転方向に関わらず等しいので、このことは、ブレード3が所定ポイントを通過する頻度を意味し、同様に、ブレード間隙3の形成頻度は、装置の内部から半径方向外側に向かって増加する。
図1において、半径rの方向におけるブレードの寸法は、15mmであり、同一方向におけるブレード間隙3の寸法eは、1.5mmである。前記値は、たとえば、それぞれ10〜20mmまで、および1.0〜2.0mmまで変化してもよい。寸法は、たとえば、処理される繊維材料の濃度によって影響される。
最も外側のロータR6の外縁から計算された装置の直径dは、所望の容量に従って変化してもよい。図1において、直径は、500mmであるが、直径は、より大きくてもよく、たとえば800mmよりも大きくてもよい。直径が増加されたとき、製造性能は、直径の比率よりも大きな割合で増加する。
ロータ回転速度の減少は、フィブリル化を弱めることが見出された。同様に、流速(製品)の減少は、フィブリル化を明らかに向上させる。言い換えれば、ブレード、すなわちリブの衝撃およびせん断力にさらされる間に処理される材料の保持時間が延びるにつれて、フィブリル化の結果が良好になる。
十分な修飾度のセルロース系繊維材料は、速く移動する連続的な細長い要素によって衝撃を繰り返し生じる他の装置を用いて、高濃度でナノフィブリルセルロースを処理することもできる。そのような装置は、中濃度および高濃度のリファイナ(MCリファイナ、HCリファイナ)を含み、処理は、それぞれ中濃度および高濃度叩解である。これらの種類のリファイナにおいて、速く移動する要素は、叩解表面の反対側の棒であり、フィブリル化は、叩解表面(ロータおよびステータ)の反対側の相対回転運動によって、棒が横断する間(反対側の棒がお互いに通り過ぎるとき)に棒の間に形成される間隙において行われる。コニカルリファイナおよびディスクリファイナは、そのようなリファイナの一般的な種類である。
上述の処理において、ナノフィブリルセルロースを製造するために処理される繊維材料は、水と、出発材料が好ましくは木材原料である機械パルプまたは化学パルプの先行する製造処理において互いに分離されたセルロース系繊維との混合物である。ナノフィブリルセルロースの製造において、セルロース小繊維が繊維構造から分離可能である他の植物からのセルロース繊維を使用することも可能である。上述の供給源のいずれかから得られた繊維は、次に、化学的修飾にさらされる。フィブリル化される高濃度パルプの好適な濃度は、10wt−%を超え、好ましくは少なくとも15wt−%である。好適な濃度範囲は、10wt−%を超え、最大で50wt−%、特に15〜50wt−%、より好ましくは15〜40wt−%、および最も好ましくは15〜30wt−%である。繊維材料が所望の濃度まで懸濁される液体媒体は、好ましくは水性媒体である。材料は、1回以上同一処理をすでに通過し、小繊維がすでに分離された繊維材料であってもよい。材料が、先行処理工程の結果、既に部分的にフィブリル化されているとき、それは、多かれ少なかれ「粘着性」になる傾向があるが、材料特性に感受性でない装置のロバスト構造によって装置において同一の高濃度または濃度でさらに処理することができる。
水中において所定濃度の繊維材料は、生成物がゲルを形成するまで希釈されたとき、ナノフィブリルセルロースに特有の粘度値およびせん断減粘性挙動として観察することができる所望の程度のフィブリル化に到達するまでロータR1,R2,R3・・・を通って上述の方法で供給される。必要であれば、処理は、材料を再度ロータに通すこと、または別の同様のシリーズのロータを通すことによって、1回、または複数回繰り返され、2以上の上述のロータのセットを備える装置は、順番に対を形成し得る
最終結果として、いくつかの叩解工程の後に得られた製品は、ナノフィブリルセルロースの小繊維が、視覚で認識可能な湿潤粒子または顆粒に集まる湿潤粉末材料として存在する。粒子の寸法は、0.1〜1mmである。これらの粒子は、生成物の水分に依存して、湿潤粒子の粘性によってより大きな顆粒状凝集体に集まり得る。粒子の数に基づくメジアン粒径(d50)は、粒子を分離するために水に穏やかに分散され、レーザ回折式粒子寸法分析装置によって測定されたとき、100〜1000μm、好ましくは150〜500μmである。生成物は、同一の化学構造と、化学基または等価物/g ナノフィブリルセルロース(乾燥物質)の量として、または置換度(DS)として表わすことができる、出発材料として使用される繊維材料としてのセルロースの修飾度とによって特徴付けられる。パルプ分解後の生成物は、さらに乾燥させることができ、またはそれ自体、すなわち、分解処理に存在する水分含有量で梱包することができる。
上記に示された方法によって、生成物で作製された水性分散液の粘度が、比エネルギーの関数として、つまり、フィブリル化に使用される比エネルギーの増加として増加する(エネルギー消費)。その結果、希釈された生成物の粘度と、本方法において使用された比エネルギーとは、正の相関関係を有する。ナノフィブリルセルロースを得ることができ、それによって繊維粒子の濁度および含有量が比エネルギーの関数として減少する(エネルギー消費)ことも見出された。
典型的には、本方法において、その目的は、ナノフィブリルセルロースであって、その0.8%濃度(10rpm)で測定されたブルックフィールド粘度が、少なくとも5,000mPa・s、たとえば、5,000〜20,000mPa・sであるナノフィブリルセルロースを最終生成物として得ることである。高粘度に加えて、生成物を希釈することによって得られた水性ナノフィブリルセルロース分散液は、いわゆるせん断減粘性によっても特徴付けられる。つまり、粘度が減少するにつれてせん断速度が増加する。
さらに、その目的は、ナノフィブリルセルロースであって、その濁度が典型的には、0.1wt%の濃度(水性媒体)において、濁度計によって測定された80NTU未満、有利には10〜60NTUであるナノフィブリルセルロースを得ることである。
さらに、その目的は、0.5wt%の濃度(水性媒体)で測定された、1,000〜50,000Pa・sの範囲のゼロせん断粘度(小さいせん断応力において一定粘度の「プラトー」)と、1〜50Paの範囲、有利には3〜20Paの範囲、好ましくは6〜15Paの範囲内の降伏応力(せん断減粘性が始まるせん断応力)とを有するせん断減粘性ナノフィブリルセルロースを得ることである。
[実施例]
以下において、本方法は、本方法を限定するものでないいくつかの実施例によって説明される。
実施例−高濃度におけるナノフィブリルセルロースの製造
セルロースカバノキパルプは、「TEMPO」酸化によってアニオン性に修飾された。2つの修飾レベル:0.77mmol COOH/g パルプ(22%乾燥固形物)、および1.07mmol COOH/g パルプ(18%乾燥固形物)。カルボキシレート含有量は、伝導度滴定によって測定された。
参照例(REF)
アニオン性パルプ(1.07mmol COOH/g パルプ)は、2.5%(w/w)分散液を形成するために水に分散された。分散液は、600バールでホモジナイザ(GEA NiroSoavi Panther)に供給された。その結果、粘性のナノフィブリルセルロースゲルが形成された。
比較例
高濃度のアニオン性パルプ(0.77mmol COOH/g)は、分散装置(Atrex)を、その一連の逆回転ロータを通して3回通された。使用された分散装置は、850mmの直径を有し、使用された回転速度は、1800rpmであった。その結果、湿潤セルロース粉末様生成物が得られた。
実施例1
高濃度(出発濃度18%)のアニオン性パルプ(1.07mmol COOH/g)は、分散装置(Atrex)を、その一連の逆回転ロータを通して3回通された。使用された分散装置は、850mmの直径を有し、使用された回転速度は、1800rpmであった。その結果、湿潤粉末様生成物が得られた。
実施例2
高濃度のアニオン性パルプ(1.07mmol COOH/g)は、分散装置(Atrex)を、その一連の逆回転ロータを通して3回通された。使用される分散装置は、850mmの直径を有し、使用された回転速度は、1800rpmであった。その後、形成されたセルロース粉末は、3.0%(w/w)分散液を形成するために水に分散された。分散液は、Atrex装置を1回通過した。その結果、粘性ナノフィブリルセルロースゲルが形成された。
フィブリル化の成功を確かめるために、ナノフィブリルセルロースヒドロゲル形態の生成物のレオロジー測定が、4つのブレードの付いたベーン形状を備えた応力制御回転式レオメータ(ARG2, TA instruments, UK)を用いて行われた。試料は、脱イオン水(200g)を用いて0.5w%の濃度まで希釈され、混合の間に短い間隔4×10秒(20000rpm)でWaring Blender(LB20E*, 0.5L)を用いて混合された。レオメータ測定は、試料についてなされた。円筒状試料カップおよびベーンの直径は、それぞれ30mmおよび28mmであり、長さは、42mmであった。ヒドロゲルの安定状態粘度は、0.001〜1000Paの徐々に増加するせん断応力を用いて測定された。試料をレオメータに入れた後、それらは、測定が始まる前に5分間静かに置かれる。安定状態の粘度は、徐々に増加するせん断応力(加えられたトルクに比例した)を用いて測定され、せん断速度(角速度に比例した)が測定された。特定のせん断応力において報告された粘度(=せん断応力/せん断速度)は、一定のせん断速度に到達した後、または2分間の最大時間後に記録される。測定は、1000s−1のせん断速度を超えたときに停止される。方法は、ゼロせん断粘度を測定するために使用される。
0.5%希釈における4つのナノフィブリルセルロース生成物試料についてせん断応力の関数としての粘度は、図3に示される。結果から分かるように、高い修飾度を有する試料であって、カルボキシレート基含有量が1.00mmol COOH/g パルプ(1.07mmol COOH/g)を超える試料は、低濃度(2.5%)で作製された参照と同様にさらに高いゼロせん断粘度値に達したが、一方、より低度の修飾(0.8mmol/g パルプ未満のカルボキシレート含有量)を有する試料は、識別可能な降伏点(降伏応力値)をもたない非常に低い粘度値を有していた。
粒子寸法
実施例1の湿潤セルロース粉末の粒子寸法は、Beckman Coulter LS320(レーザ回析型粒子寸法分析装置)によって測定された。4gの粉末は、ハンドミキサを用いて500mlの水に分散された。粒子は、循環において十分な粒子が存在するまで粒子分析装置に供給された。水は、バックグラウンド液体として使用された。コールターLS粒子寸法メジアン径、292μmが測定された。(留意:高度の固体フィブリル化が原因で、ナノフィブリルは、凝集した顆粒の形態である。粒子寸法分析のために、これらの凝集した顆粒は、レオロジー測定のためのナノフィブリルセルロースを作製するために穏やかな混合のみによって分散され、使用の前に、強力な分散が必要である。
濁度
試料の濁度は、濁度計によって0.1wt−%で測定された。
本方法において、ナノフィブリルセルロース試料は、0.1wt−%の測定濃度まで水に希釈される。50ml測定容器を備えたHACH P2100濁度計は、濁度測定に使用される。ナノフィブリルセルロース試料の乾燥物質量が測定され、乾燥物質量として計算された0.5gの試料は、測定容器に入れられ、500gまで水道水で満たされ、約30秒間振とうすることによって力強く混合された。遅滞なく、水性混合物は、5つの測定容器に分割され、濁度計に挿入される。各容器について3回の測定が実行される。平均値および標準偏差は、得られた結果から計算され、最終結果は、NTU単位としてもたらされる(ネフェロメ濁度単位)。実施例1および2から得られた試料の特徴は、以下の通りであった。
実施例1 24NTU
実施例2 19NTU
そのレオロジー特性と、小繊維強度特性と、それから得られる生成物の半透明性とによって、本方法によって得られるナノフィブリルセルロースは、たとえば、レオロジー修飾因子、および粘度制御因子として、ならびに異なる構造体における要素、たとえば補強剤として多くの用途に適用することができる。ナノフィブリルセルロースは、特に、レオロジー修飾因子、およびシーリング剤として油田において使用することができる。同様に、ナノフィブリルセルロースは、様々な医薬および化粧品製品における添加剤として、複合材料における補助剤として、ならびに紙製品における材料として使用することができる。このリストは、網羅的なものであることを意図されておらず、ナノフィブリルセルロースは、それらに適切な特性を有することが見出されれば、他の用途においても適用することができる。

Claims (19)

  1. セルロース繊維の内部結合がセルロースの予備的修飾によって弱められたセルロース系繊維材料が、繊維および液体を含むパルプの形態で分解処理にさらされる、ナノフィブリルセルロースの製造方法であって、
    − 10wt−%よりも高い濃度、好ましくは少なくとも15wt−%の濃度で繊維材料を分解処理に供給することと、
    − 速く移動する連続的要素による繊維材料への繰り返し衝撃と、セルロース繊維の弱くなった内部結合との複合効果によって、前記分解処理中に繊維材料から小繊維を脱離することと、
    − ナノフィブリルセルロースを、前記繊維材料の濃度と同じまたはそれより高い絶乾率で分解処理から回収することとを含むことを特徴とするナノフィブリルセルロースの製造方法。
  2. 繊維材料は、10wt−%を超え、最大で50wt−%の濃度、特に15〜50wt−%の濃度、より好ましくは15〜40wt−%の濃度、および最も好ましくは15〜30wt−%の濃度で供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記分解処理に供給される繊維材料におけるセルロースは、イオン的に帯電したセルロースであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記分解処理に供給される繊維材料は、
    − 酸化されたセルロースが、少なくとも0.8mmol/g パルプ以上、好ましくは少なくとも0.95mmol/g パルプ以上、および最も好ましくは少なくとも1.00mmol/g パルプ以上、好ましくは0.8〜1.8、より好ましくは0.95〜1.65、および最も好ましくは1.00〜1.55mmol/g パルプの範囲のカルボキシレート含有量を有し、
    − カルボキシメチル化セルロースが、0.1を超える、好ましくは少なくとも0.12以上、好ましくは0.12〜0.2の範囲の置換度を有し、
    − カチオン化セルロースが、少なくとも0.1以上、好ましくは少なくとも0.15以上、好ましくは0.1〜0.6の範囲、より好ましくは0.15〜0.35の範囲の置換度を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記分解処理に供給される繊維材料は、
    − セルロースが、アニオン性またはカチオン性物質を、20〜1000mg/g、好ましくは40〜500mg/g、および最も好ましくは90〜250mg/g パルプの量でセルロース表面上に吸着することによって物理的に修飾されたことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 前記分解処理に供給される繊維材料におけるセルロースは、酵素的に修飾されたセルロースであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記分解処理において、繊維材料は、反対方向からの連続的な繰り返し衝撃にさらされることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記分解処理において、繊維材料は、当該材料が、異なる逆回転ロータのブレード(1)の効果によって、せん断および衝撃力に繰り返しさらされ、それによって、同時にフィブリル化されるように、いくつかの逆回転ロータ(R1,R2,R3・・・)を通って、前記ロータの回転軸(RA)に関して半径方向外側に向かって供給され、
    フィブリル化は、反対方向からのいくつかの連続的衝撃によって生じる様々な作用方向を有する頻繁に繰り返される一連の衝撃を利用する衝撃エネルギーによってもたらされることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記分解処理は、前記分解処理から回収されたナノフィブリルセルロースが、0.5%の濃度で測定されたとき、1,000〜50,000Pa・sのゼロせん断粘度と、1〜50Pa、有利には3〜20Paの降伏応力とに達するまで継続されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. パルプ形態の繊維材料は、ガス状媒体とともに前記分解処理にさらされることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記ナノフィブリルセルロースは、前記分解処理から回収されたとき、同一の絶乾率で、梱包および発送されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ナノフィブリルセルロースが前記分解処理から回収された後、その絶乾率が上昇し、前記ナノフィブリルセルロースは、前記分解処理から回収された絶乾率よりも高い絶乾率で梱包および発送されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記ナノフィブリルセルロースの絶乾率は、ナノフィブリルの乾燥物質量に基づいて、16〜60wt−%、好ましくは20〜35wt−%、最も好ましくは22〜30wt−%であることを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
  14. セルロースナノフィブリルで形成された粒子を含む湿潤粉末の形態であるナノフィブリルセルロース製品であって、セルロースが化学的に修飾されたセルロースであり、レーザ回析分析によるメジアン粒径が、100〜1000マイクロメートル、好ましくは150〜500マイクロメートルであることを特徴とするナノフィブリルセルロース製品。
  15. ナノフィブリルセルロース粉末の絶乾率は、ナノフィブリルの乾燥物質量に基づいて、16〜60wt−%、好ましくは20〜35wt−%、最も好ましくは22〜30wt−%であることを特徴とする請求項14に記載のナノフィブリルセルロース製品。
  16. セルロースは、イオン的に帯電したセルロースであることを特徴とする請求項14または15に記載のナノフィブリルセルロース製品。
  17. セルロースは、
    − 少なくとも0.8mmol/g以上、好ましくは少なくとも0.95mmol/g以上、最も好ましくは少なくとも1.00mmol/g以上、好ましくは0.8〜1.8mmol/gの範囲、より好ましくは0.95〜1.65mmol/gの範囲、および最も好ましくは1.00〜1.55mmol/gの範囲にあるカルボン酸塩成分を含む酸化セルロース、
    − 0.1を超える、好ましくは少なくとも0.12以上、好ましくは0.12〜0.2の範囲の置換度を有するカルボキシメチル化セルロース、または
    − 少なくとも0.1以上、好ましくは少なくとも0.15以上、好ましくは0.1〜0.6の範囲、より好ましくは0.15〜0.35の範囲の置換度を有するカチオン化セルロースであることを特徴とする請求項16に記載のナノフィブリルセルロース製品。
  18. セルロースは、
    − アニオン性、またはカチオン性物質をセルロース表面上に吸着させることによって物理的に修飾されたセルロースであることを特徴とする請求項16に記載のナノフィブリルセルロース製品。
  19. 0.5%の濃度で水中に分散したとき、1,000〜50,000Pa・sのゼロせん断粘度と、1〜50Pa、有利には3〜20Paの降伏応力とを有することを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載のナノフィブリルセルロース製品。
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