本発明は、吸収を改善した薬学的組成物の調製プロセスを提供する。化合物1は、低い可溶性(1mg/ml未満)及び中程度のログp(3.63)を呈し、このため、化合物1のバイオアベイラビリティがその可溶性によって制限される。発明者らは、化合物1の溶解特性が、熱溶融押出によって調製される非晶質固体分散体を作製することによって改善され得ることを発見した。本発明のプロセスに従って、化合物1から、その薬物の溶解速度及び経口バイオアベイラビリティが高い製剤を提供することができる。さらに、本発明の固体分散押出成形物は、室温で優れた安定性を有する。
本発明の薬学的組成物は、NRAS及び/またはBRAF陽性変異癌における薬剤として優れた効果を有する。本発明の薬学的組成物は、経口で安全に患者に投与することができる。
本発明は、本明細書に記載される薬学的組成物の間欠的投与によって、患者におけるNRASまたはBRAF陽性変異を有する癌の治療方法を提供し、間欠的投薬レジメンは毎週投与であり、各週に投与される量は約400mg〜約1000mgである。間欠的投薬レジメンは、より高い単位用量を提供し、全用量密度を妥協することなく、化合物1のより高い濃度、及び投薬間隔内の時間域に対するより高度な経路阻害の達成を可能にする。
理論に束縛されるものではないが、本明細書に開示される薬学的組成物によって与えられる強い臨床的利益は、化合物1の改善したバイオアベイラビリティ及びより高い曝露によって生じると考えられている。
定義:
本明細書で用いる場合、「化合物1」という用語は、化合物(R)−2−(1−(6−アミノ−5−クロロピリミジン−4−カルボキシアミド)エチル)−N−(5−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを意味する。化合物1のさらなる化学名は、6−アミノ−5−クロロ−N−[(1R)−1−[5−[[[5−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]アミノ]カルボニル]−2−チアゾリル]エチル]−4−ピリミジンカルボキサミド及び6−アミノ−5−クロロ−N−[(1R)−1−(5−{[5−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]カルバモイル}−1,3−チアゾール−2−イル)エチル]ピリミジン−4−カルボキサミドである。化合物1の化学構造は、次の通りである。
本明細書で用いる場合、「有効量」は、(1)患者への適切な投与時に、(a)治療される障害若しくは疾患の状態の重症度を検出可能に低下させる、(b)患者の疾患若しくは障害の症状を改善若しくは軽減する、または(c)治療される障害若しくは疾患の状態の進行を遅らせるか、防ぐ、さもなければ治療される障害若しくは疾患の状態を安定化させるか、若しくは安定化を長引かせる(例えば、癌のさらなる腫瘍増殖を防ぐ)ために十分であり、(2)最大耐性用量(MTD)以下である、治療物質(例えば、本発明の組成物)の量を意味する。任意の形態または組成物では、臨床的有効量は、患者のBSA当たりの治療物質の量で、例えばmg/m2で表すことができる。
本明細書で用いる場合、「患者」は、疾患、障害、または病状と診断される、それらの症状を呈する、さもなければそれらを患うと考えられるヒトを意味する。
本明細書で用いる場合、「include」、「such as」、「for example」等の説明のための用語(及びそれらの変形、例えば、「includes」及び「including」、「examples」)は、別途指示がない限り、非限定的であることを意図する。つまり、別途明確に定められない限り、このような用語は、「but not limited to」を意味することを意図し、例えば、「including」は、〜を含むがこれらに限定されないことを意味する。
本明細書で用いる場合、「about」及び「approximately」という用語は、交換可能であり、一般的に、所与の数字の辺りの数字の範囲、ならびに列挙される数字の範囲の全ての数字を指すと理解すべきである(例えば、別途定められない限り「約5〜15」は、「約5〜約15」を意味する)。さらに、本明細書の全ての数域は、その範囲内の各整数を含むと理解すべきである。
「クロスポビドン」は、ビニルピロリドン(VP)の架橋ホモポリマーである。クロスポビドンの一商標は、Polyplasdone(登録商標)XL−10である。
「ビニルピロリジオン−ビニルアセテートコポリマー」という用語は、ビニルピロリドン及びビニルアセテートを含むポリマーを意味する。ビニルピロリジオン−ビニルアセテートコポリマーの名称及び略語は、コポビドン、コポビドナム、コポリビドン、コポビドン、PVP−VAc−コポリマーを含むが、これらに限定されない。コポビドンは、6部のビニルピロリドン及び4部のビニルアセテートを含むビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマー、例えば、CAS25086−89−9である。コポビドンの市販製品の例は、Kollidon(登録商標)VA 64及びKollidon(登録商標)64 Fineである。別の例は、60:40のN−ビニルピロリドンとビニルアセテートのランダムコポリマーである「Plasdone S−630」である。
「Eudragit(登録商標)」は、メタクリル酸及びメチルメタクリレートを基にしたアニオン性コポリマーである。
「HPMCAS」は、アセチル基及びサクシノイル基を含有するポリマーであるヒプロメロースアセテートサクシネートを指す。異なるpHで溶解する異なる型のHPMCASが存在する。
「ポロキサマー」は、ポリオキシエチレンの2つの親水性鎖が隣接するポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中心疎水性鎖を含む非イオン性トリブロックコポリマーである。
「重量/重量」は、重量ベースを意味する。例えば、40重量/重量%は、物質の質量が、溶液または混合物の全質量の40%であることを意味する。例えば、8500gの全質量を有する組成物の40重量/重量%の押出成形物は、3400gである(1360gの化合物1+2040gのコポビドン)。
本明細書で用いる場合、「実質的に非晶質」という用語は、その分子の位置に長距離秩序を少ししか、または全く有しない固体材料を指す。例えば、実質的に非晶質の材料は、約30%未満の結晶化度(例えば、約25%未満の結晶化度、約20%未満の結晶化度、約15%未満の結晶化度、約10%未満の結晶化度、約5%未満の結晶化度、約4%未満の結晶化度)を有する。「実質的に非晶質」という用語は、結晶化度を全く有しない(0%)材料を指す記述子「非晶質」を含むことにも留意されたい。
本明細書で用いる場合、「結晶性」という用語及び本明細書で用いられる関連する用語は、物質、成分、または生成物を説明するために使用される場合、X線回析及び/またはFT−ラマン顕微鏡法によって決定されるときに実質的に結晶性である。
本明細書で用いる場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、音医療判断(sound medical judgment)の範囲内で、過度の毒性、炎症、アレルギー反応等を伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触する使用に適しており、合理的な利益/危険比に相当する塩を指す。「薬学的に許容される塩」は、受容者への投与時に、直接的または間接的のいずれかで化合物1またはその活性代謝物若しくは残留物を提供することができる化合物1の任意の非毒性塩を意味する。
薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、参照により本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19で薬学的に許容される塩を詳細に説明する。化合物1の薬学的に許容される塩には、好適な無機酸及び無機塩基ならびに有機酸及び有機塩基から得られるものが挙げられる。薬学的に許容される非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸等の無機酸を用いて、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸等の有機酸を用いて、またはイオン交換等の当該分野で使用される他の方法を使用して、形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩(camphorate)、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシオン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。適切な塩基から得られる塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN+(C1−4アルキル)4塩が挙げられる。本発明は、化合物1の任意の塩基性窒素含有基の四級化も想定する。このような四級化によって、水溶性若しくは油溶性または分散可能な生成物を得ることができる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。さらに薬学的に許容される塩には、適切な場合、非毒性アンモニウム、四級アンモニウム、ならびにハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩等の対イオンを使用して形成されるアミンカチオンが挙げられる。
薬学的組成物
本発明は、汎Rafキナーゼ阻害剤化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物に関する。本発明は以下の実施形態を含む。
実施形態[1]:(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む固体分散押出成形物と、(2)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
実施形態[2]:(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約10重量/重量%〜約50重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)充填剤、崩壊剤、流動促進剤、及び滑沢剤を含む、約50重量/重量%〜約90重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
実施形態[3]:(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約10重量/重量%〜約50重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)充填剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、フィルムコーティング剤、着色剤、及び可塑剤を含む、約50重量/重量%〜約90重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
実施形態[4]:(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約20重量/重量%〜約40重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)充填剤、崩壊剤、流動促進剤、及び滑沢剤を含む、約60重量/重量%〜約80重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
実施形態[5]:(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約20重量/重量%〜約40重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)充填剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、フィルムコーティング剤、着色剤、及び可塑剤を含む、約60重量/重量%〜約80重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
実施形態[6]:(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約40重量/重量%〜約50重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)充填剤、崩壊剤、流動促進剤、及び滑沢剤を含む、約60重量/重量%〜約50重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
実施形態[7]:(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約40重量/重量%〜約50重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)充填剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、フィルムコーティング剤、着色剤、及び可塑剤を含む、約60重量/重量%〜約50重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
実施形態[8]:化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約10重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)約90重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、5mgの錠剤またはカプセルの形態の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[9]:化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約20重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)約80重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、20mgの錠剤またはカプセルの形態の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[10]:化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約32重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)約68%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、70mgの錠剤またはカプセルの形態の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[11]:化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約40重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)約60重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、100mgの錠剤またはカプセルの形態の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
本明細書に記載される薬学的組成物中の固体分散体の重量による割合(重量/重量)は、組成物の崩壊速度に重要である。一態様では、約40重量/重量%の固体分散体で調製される薬学的組成物は、10分未満で完全放出を達成する急速溶解を呈した。
実施形態[12]:固体分散押出成形物が化合物1を含む、実施形態[1]〜[11]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[13]:固体分散押出成形物が、化合物1の薬学的に許容される塩を含む、実施形態[1]〜[11]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[14]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーがコポビドンである、実施形態[1]〜[13]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コポビドンは、Kollidon(登録商標)VA 64である。一態様では、コポビドンは、Kollidon(登録商標)VA 64 Fineである。
実施形態[15]:固体分散押出成形物が非晶質である、実施形態[1]〜[14]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
固体分散押出成形物の非晶質特徴は、これらに限定されないが、顕微鏡法(走査電子顕微鏡法(SEM)、偏光顕微鏡法(PLM)、ホットステージ顕微鏡法(HSM))、熱的方法(示差走査熱量測定(DSC)、変調DSC(mDSC)、X線粉末回折(XRPD)等の回析法、及び分光法(FT−赤外線(IR)、FT−Ramen、固体NMR(ssNMR)、及び共焦ラマン顕微鏡法(CRM))を含む分析法を使用して検出することができる。一態様では、固体分散押出成形物の非晶質特徴は、X線粉末回折(XRPD)によって検出される。一態様では、固体分散押出成形物は、残留結晶性特徴を呈しない。図6は、実施例1の手順1に従って生成される固体分散押出成形物のXRPDスペクトルである。このXRPDスペクトルは、固体分散抽出物の非晶質特徴を示す。
実施形態[16]:固体分散押出成形物のガラス転移温度(TG)が、約45℃〜約120℃である、実施形態[1]〜[15]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[17]:固体分散押出成形物のガラス転移温度(TG)が、約60℃〜約110℃である、実施形態[1]〜[16]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[18]:固体分散押出成形物が、約3重量/重量%未満の2−(1−(6−アミノ−5−クロロピリミジン−4−カルボキシアミド)エチル)−N−(5−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)チアゾール−5−カルボキサミドのS−エナンチオマーを含む、実施形態[1]〜[17]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
一態様では、固体分散押出成形物の2−(1−(6−アミノ−5−クロロピリミジン−4−カルボキシアミド)エチル)−N−(5−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)チアゾール−5−カルボキサミドのS−エナンチオマーを含む、不純物の総量は、所望のR−エナンチオマー、化合物1の約3.0重量/重量%以下または約97.0重量/重量%以上である。一態様では、S−エナンチオマーの総量は、約3%以下、約2.7%以下、約2.5%以下、約2.3%以下、約2.1%以下、約1.9%以下、約1.7%以下、約1.5%以下、約1.3%以下、約1.1%以下、約0.9%以下、約0.8%以下、約0.7%以下、約0.5%以下、約0.3%以下、約0.1%以下である。図7A及び7Bは、実施例1の手順2に記載の方法に従って生成される固体分散押出成形物のHPLCの出力波形である。押出プロセス条件の最適化は、S−エナンチオマーの形成を減少させる。
実施形態[19]:化合物1の量が、約3重量/重量%〜約17重量/重量%である、実施形態[1]〜[18]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[20]:量が、約7重量/重量%〜約17重量/重量%である、実施形態[1]〜[19]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[21]:化合物1の量が、約8重量/重量%〜約16重量/重量%である、実施形態[1]〜[20]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[22]:組成物が5mgの錠剤またはカプセルの形態であり、化合物1の量が約4重量/重量%である、実施形態[1]〜[8]または[12]〜[19]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[23]:組成物が20mgの錠剤またはカプセルの形態であり、化合物1の量が約8重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[9]、または[12]〜[21]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[24]:組成物が70mgの錠剤またはカプセルの形態であり、化合物1の量が約13重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[10]、または[12]〜[21]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[25]:組成物が100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、化合物1の量が約16重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]または[11]〜[21]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[26]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が、約5重量/重量%〜約25重量/重量%である、実施形態[1]〜[25]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約5重量/重量%〜約25重量/重量%である。
実施形態[27]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が、約12重量/重量%〜約24重量/重量%である、実施形態[1]〜[26]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約12重量/重量%〜約24重量/重量%である。
実施形態[28]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が、約11重量/重量%〜約24重量/重量%である、実施形態[1]〜[27]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約11重量/重量%〜約24重量/重量%である。
実施形態[29]:組成物が5mgの錠剤またはカプセルの形態であり、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が約6重量/重量%である、実施形態[1]〜[8]、[12]〜[19]、[22]、または[26]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約6重量/重量%である。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[30]:組成物が20mgの錠剤またはカプセルの形態であり、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が約12重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[9]、[12]〜[21]、[23]、または[26]〜[28]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約12重量/重量%である。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[31]:組成物が70mgの錠剤またはカプセルの形態であり、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が約19重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[10]、[12]〜[21]、[24]、または[26]〜[28]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約19重量/重量%である。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[32]:組成物が100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が約24重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[11]〜[21]、または[25]〜[28]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約24重量/重量%である。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[33]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含む、実施形態[1]〜[32]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。クロスカルメロースナトリウムは、即時放出のための崩壊剤として作用する。崩壊は、このタイプの超崩壊剤及び製剤内の固体分散体充填の機能である。
実施形態[34]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含み、クロスカルメロースナトリウムの量が約4重量/重量%〜約9重量/重量%である、実施形態[1]〜[33]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[35]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含み、クロスカルメロースナトリウムの量が約5%〜約8重量/重量%である、実施形態[1]〜[34]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[36]:組成物が5mg若しくは20mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含み、クロスカルメロースナトリウムの量が約5重量/重量%である、実施形態[1]〜[9]、[12]〜[23]、[26]〜[30]、または[33]〜[35]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[37]:組成物が5mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含み、クロスカルメロースナトリウムの量が約5重量/重量%である、実施形態[1]〜[8]、[12]〜[19]、[22]、[26]〜[29]、または[33]〜[35]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[38]:組成物が20mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含み、クロスカルメロースナトリウムの量が約5重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[9]、[12]〜[21]、[23]、[26]〜[28]、[30]、または[33]〜[36]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[39]:組成物が70若しくは100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであり、クロスカルメロースナトリウムの量が約8重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[10]〜[21]、[24]〜[28]、または[31]〜[35]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[40]:組成物が100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであり、クロスカルメロースナトリウムの量が約8重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[11]〜[21]、[25]〜[28]、[32]〜[35]、または[39]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[41]:組成物が70mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであり、クロスカルメロースナトリウムの量が約8重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[10]、[12]〜[21]、[24]、[26]〜[28]、[31]、[33]〜[35]、または[39]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[42]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、実施形態[1]〜[41]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コロイド状二酸化ケイ素が、製剤配合物(配合された粉末)の流動特性を補助する。
実施形態[43]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約0.5重量/重量%〜約6重量/重量%である、実施形態[1]〜[42]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[44]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が、約3重量/重量%〜約6重量/重量%である、実施形態[1]〜[43]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[45]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約3.5重量/重量%〜約4.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[44]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[46]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約4.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[45]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[47]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約0.5重量/重量%〜約5重量/重量%である、実施形態[1]〜[43]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[48]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約0.5重量/重量%〜約2重量/重量%である、実施形態[1]〜[43]または[47]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[49]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約0.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[43]または[47]〜[48]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、コロイド状二酸化ケイ素の量は、安定性の上昇を提供する。一態様では、コロイド状二酸化ケイ素の量は、錠剤の硬度の増加を提供する。
実施形態[50]:組成物が5、20、若しくは100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約4.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[9]、[11]〜[23]、[25]〜[30]、[32]〜[40]、または[42]〜[47]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[51]:組成物が5、70、若しくは100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約0.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[8]、[10]〜[22]、[24]〜[29]、[31]〜[37]、または[39]〜[49]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[52]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含む、実施形態[1]〜[51]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[53]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約40重量/重量%〜約81重量/重量%である、実施形態[1]〜[52]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[54]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約46重量/重量%〜約81重量/重量%である、実施形態[1]〜[53]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[55]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約40重量/重量%〜約80重量/重量%である、実施形態[1]〜[53]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[56]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約51重量/重量%〜約74重量/重量%である、実施形態[1]〜[55]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[57]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約47重量/重量%〜約70重量/重量%である、実施形態[1]〜[55]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[58]:組成物が5mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約80重量/重量%である、実施形態[1]〜[8]、[12]〜[19]、[22]、[26]、[29]、[33]〜[37]、[42]〜[47]、または[50]〜[55]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[59]:組成物が20mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約70重量/重量%〜約74重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[9]、[12]〜[21]、[23]、[26]〜[28]、[30]、[33]〜[36]、[38]、[42]〜[47]、または[50]〜[56]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[60]:組成物が20mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約70重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[9]、[12]〜[21]、[23]、[26]〜[28]、[30]、[33]〜[36]、[38]、[42]〜[47]、または[50]〜[57]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[61]:組成物が20mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が、約74重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[9]、[12]〜[21]、[23]、[26]〜[28]、[30]、[33]〜[36]、[38]、[42]〜[47]、または[50]〜[56]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[62]:組成物が70mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約59重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[10]、[12]〜[21]、[24]、[26]〜[28]、[31]、[33]〜[35]、[39]、[42]〜[49]、または[51]〜[57]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[63]:組成物が100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約47%〜約51%重量/重量である、実施形態[1]〜[7]、[11]〜[21]、[25]〜[28]、[32]〜[35]、[39]〜[40]、または[42]〜[57]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[64]:組成物が100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約47重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[11]〜[21]、[25]〜[28]、[32]〜[35]、[39]〜[40]、[42]〜[49]、[52]〜[55]、または[57]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[65]:組成物が100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースを含み、微結晶セルロースの量が約51%重量/重量である、実施形態[1]〜[7]、[11]〜[21]、[25]〜[28]、[32]〜[35]、[39]〜[40]、[42]〜[49]、または[52]〜[57]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[66]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態[1]〜[65]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、ステアリン酸マグネシウムは、圧縮中に製剤の潤滑を提供する。
実施形態[67]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含み、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.3重量/重量%〜約0.7重量/重量%である、実施形態[1]〜[66]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[68]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含み、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.4重量/重量%〜約0.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[67]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[69]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含み、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[68]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[70]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含み、組成物が5、20、70、若しくは100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[69]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[71]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含み、組成物が5、20、若しくは100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[9]、[11]〜[23]、[25]〜[30]、[32]〜[40]、[42]〜[47]、または[48]〜[70]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[72]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含み、組成物が20、70、若しくは100mgの錠剤またはカプセルの形態であり、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.5重量/重量%である、実施形態[1]〜[7]、[9]〜[21]、[23]〜[28]、[30]〜[36]、[38]〜[57]、または[59]〜[70]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[73]:実施形態[1]〜[72]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物は、さらにフィルムコーティングされてもよい。
実施形態[74]:コア錠剤の重量に基づくフィルムコーティング剤の量が、約1重量/重量%〜約10重量/重量%である、実施形態[1]〜[73]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[75]:コア錠剤の重量に基づくフィルムコーティング剤の量が、約1.5重量/重量%〜約7重量/重量%である、実施形態[1]〜[74]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[76]:コア錠剤の重量に基づくフィルムコーティング剤の量が、約2重量/重量%〜約5重量/重量%である、実施形態[1]〜[75]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[77]:フィルムコーティングされた錠剤のコア錠剤を包むフィルムコーティングが、少なくとも1つ以上の薬学的に許容されるフィルム形成剤を含有する、実施形態[1]〜[76]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[78]:フィルムコーティングされた錠剤のコア錠剤を包むフィルムコーティングが、少なくとも1つ以上の薬学的に許容されるフィルム形成剤を含有し、フィルム形成剤がヒプロメロースを含む、実施形態[1]〜[77]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[79]:フィルムコーティングされた錠剤のフィルムコーティングが、1つ以上の可塑剤及び/または1つ以上の有色顔料を含有してもよい、実施形態[1]〜[78]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[80]:フィルムコーティングされた錠剤のフィルムコーティングが、1つ以上の可塑剤及び/または1つ以上の有色顔料を含有してもよく、可塑剤がポリエチレングリコールを含む、実施形態[1]〜[79]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[81]:フィルムコーティングされた錠剤のフィルムコーティングが、1つ以上の可塑剤及び/または1つ以上の有色顔料を含有してもよく、有色顔料が二酸化チタン及び酸化第二鉄を含む、実施形態[1]〜[80]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[82]:フィルムコーティングされた錠剤のフィルムコーティングが、約20重量/重量%〜約95重量/重量%のフィルム形成剤を含む、実施形態[1]〜[81]のうちのいずれか1つのうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[83]:フィルムコーティングされた錠剤のフィルムコーティングが、約50重量/重量%〜約90%重量/重量のフィルム形成剤を含む、実施形態[1]〜[82]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[84]:フィルムコーティングされた錠剤のフィルムコーティングが、約5重量/重量%〜約40重量/重量%の可塑剤を含む、実施形態[1]〜[83]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[85]:フィルムコーティングされた錠剤のフィルムコーティングが、約8重量/重量%〜約30重量/重量%の可塑剤を含む、実施形態[1]〜[84]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[86]:フィルムコーティングされた錠剤のフィルムコーティングが、約0.1%〜約10重量/重量%の有色顔料を含む、実施形態[1]〜[85]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
実施形態[87]:フィルムコーティングされた錠剤のフィルムコーティングが、約0.3重量/重量%〜約5重量/重量%の有色顔料を含む、実施形態[1]〜[86]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。
フィルムコートは、予混合フィルムコーティング剤から調製されてもよく、予混合フィルムコーティング剤は、商品名OPADRY(登録商標)を含む。フィルムコーティング剤の例には、OPADRY(登録商標)Red 03F45081(1008g)(COLORCON(登録商標)JAPAN製、ヒプロメロース2910、マクロゴール6000、酸化チタン、及び赤色酸化第二鉄を含有する)ならびにOPADRY(登録商標)Yellow 03F42240(2016g)(COLORCON(登録商標)JAPAN製、ヒプロメロース2910、マクロゴール6000、酸化チタン、及び黄色酸化第二鉄を含有する)が挙げられる。
実施形態[89]:薬学的組成物が実質的に非晶質である、実施形態[1]〜[88]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、実質的に非晶質の薬学的組成物は、一定量の結晶性の化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む。一態様では、結晶性の化合物1の量は、約30%未満、約29%未満、約28%未満、約27%未満、約26%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満である。一態様では、実質的に非晶質の薬学的組成物は、本来は非晶質の固体分散押出成形物を含有する薬学的組成物中での化合物1またはその薬学的に許容される塩の再結晶化時に精製される。
薬学的組成物の非晶質特性は、これらに限定されないが、顕微鏡法(走査電子顕微鏡法(SEM)、偏光顕微鏡法(PLM)、ホットステージ顕微鏡法(HSM))、熱的方法(示差走査熱量測定(DSC)、変調DSC(mDSC)、回析法(XRPD)、及び分光法(FT−赤外線の(IR)、FT−Ramen、固体NMR(ssNMR)、及び共焦ラマン顕微鏡法(CRM))を含む分析法を使用して検出することができる。一態様では、薬学的組成物の非晶質特性は、X線粉末回折(XRPD)によって検出される。
一態様では、実質的に非晶質の薬学的組成物中の結晶性物質の量は、試料の可変結晶質含有量に基づく較正曲線(高い及び低い領域)を使用して決定することができる。一態様では、本発明の実質的に非晶質の薬学的組成物中の結晶性の化合物1またはその薬学的に許容される塩の量は、組成物の可溶性に影響することがある。一態様では、本発明の実質的に非晶質の薬学的組成物中の結晶性の化合物1またはその薬学的に許容される塩の量は、組成物のバイオアベイラビリティに影響することがある。一態様では、実質的に非晶質の薬学的組成物中、約30%未満の結晶性の化合物1またはその薬学的に許容される塩は、組成物の可溶性及び/またはバイオアベイラビリティを低下させない。別の態様では、実質的に非晶質の薬学的組成物中、約29%未満、約28%未満、約27%未満、約26%未満、約24%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満の結晶性の化合物1またはその薬学的に許容される塩は、組成物の可溶性及び/またはバイオアベイラビリティを著しく低下させない。
実施形態[90]:(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩と、(2)ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーと、を含む、固体分散押出成形物。
実施形態[91]:(1)約30重量/重量%〜約50重量/重量%の化合物1またはその薬学的に許容される塩と、(2)約70重量/重量%〜約50重量/重量%のビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーと、を含む、実施形態[90]に記載の固体分散押出成形物。
実施形態[92]:(1)約35重量/重量%〜約45重量/重量%の化合物1またはその薬学的に許容される塩と、(2)約65%〜約55重量/重量%のビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーと、を含む、実施形態[90]〜[91]のうちのいずれか1つに記載の固体分散押出成形物。
実施形態[93]:(1)約40重量/重量%の化合物1またはその薬学的に許容される塩と、(2)約60重量/重量%のビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーと、を含む、実施形態[90]〜[92]のうちのいずれか1つに記載の固体分散押出成形物。
実施形態[94]:固体分散押出成形物が化合物1を含む、実施形態[90]〜[93]のうちのいずれか1つに記載の固体分散体。一態様では、化合物1は、実質的に純粋に存在する。「実質的に純粋」とは、95パーセント超純粋であることを意味する。
実施形態[95]:固体分散押出成形物が、化合物1の薬学的に許容される塩を含む、実施形態[90]〜[93]のうちのいずれか1つに記載の固体分散体。
実施形態[95A]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーがコポビドンである、実施形態[90]〜[95]のうちのいずれか1つに記載の固体分散体。
本発明で使用される化合物1またはその薬学的に許容される塩は、固体分散体の製剤の前に結晶性形態、非晶質形態、または実質的に非晶質形態であってもよい。図8は、結晶性形態の化合物1の代表的なXRPDパターンである。
上述の実施形態のうちのいずれかを組み合わせて、さらなる実施形態を形成してもよいことが理解される。
薬学的組成物の調製プロセス
本発明は、汎Rafキナーゼ阻害剤化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物の調製プロセスに関する。本発明の薬学的組成物の調製プロセスが、以下で説明される。
具体的には、本発明の薬学的組成物の調製プロセスは、概して押出プロセスを含み、その後、製剤プロセスが続く。不活性キラル不純物の形成が観察され、用いられた熱的な生成技法に直接関連することが決定され、押出プロセスの開発のために大量の作業を必要とした。ポロキサマー及びポリソルベート等の加工添加剤の組み込みは、キラル不純物形成のレベルをほとんど低下させなかった。さらに、加工添加剤は、固体分散体の非晶質安定性を損なうように見えた。プロセスの最適化試験は、最終的に、溶融抵抗時間に関する押出条件の制御によって不純物形成の低下を達成した。
押出プロセスは、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマー、例えば、Kollidon(登録商標)VA 64を化合物1に添加し、固体分散押出成形物を形成することを含む。製剤プロセスは、微結晶セルロース、クロスカメロース(croscamellose)ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを押出プロセスによって生成された固体分散押出成形物に添加し、本発明の薬学的組成物を形成することを含む。図1Aは、実施例1、2、及び3に従って、本発明の薬学的組成物の代表的な調製プロセスを例示するフロー図である。図1では、事前押出混合、溶融押出、及び製粉が押出プロセスにおけるステップであり、事前配合及び最終配合が製剤プロセスにおけるステップである。図1Bは、実施例1、4、5、及び6に従って生成される本発明の薬学的組成物の代表的な調製プロセスを例示するフロー図である。図1Bでは、事前押出混合、溶融押出、及び製粉が押出プロセスにおけるステップであり、事前配合及び最終配合、錠剤圧縮及びコーティングが製剤プロセスにおけるステップである。
化合物1及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマー、例えば、コポビドンは、押出プロセスの成分である。微結晶セルロース、クロスカメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムは、押出プロセスで生成される結果として得られる固体分散押出成形物に添加される製剤プロセスの成分である。フィルムコーティング剤であるOPADRY(登録商標)は、最終配合された粉末を含むコア錠剤に添加される製剤プロセスの成分である。
具体的には、押出プロセスでは、化合物1及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマー、例えば、コポビドンを正確に検量し、スクリーニングし、高剪断混合を使用して混合して、事前押出粉末混合物を形成する。
好適な熱溶融押出機(例えば、2軸のLeistritz Nano−16mmまたはMicro−18mm)を、冷却コンベヤー(例えば、Dorner model 220M060600D0169またはNara TBC−309−DC)及びオーガ付き供給装置(例えば、K−Tron Gravimeteric Feeder、例えば、デュアルフライト20mmオーガを備える)を含む、適切な支援機器を用いて設定する。プロセスパラメータの例は、以下の通りである:供給速度:2.0kg/時間、スクリュー回転数:250rpm、及びバレル温度:170、140、90、50℃、または1.0kg/時間、スクリュー回転数:275rpm、及びバレル温度:175、140、90、50℃。化合物1は、204℃の比較的高い融点を呈し、熱重量分析(TGA)は、化合物1が200℃未満の昇温で比較的安定していることを示した。
粉末混合物を熱溶融押出機中に供給し、結果として得られる固体分散押出成形物を冷却し、ハンマー前進構成を用いる好適な衝撃式製粉機(例えば、Fizmill L1A hammer mill)またはマルチピンロータ(例えば、NARA Sample mill SAM)を使用して製粉する。製粉された押出成形物を、好適なスクリーン(例えば、9,000rpmで作動する20メッシュ)を使用してスクリーニングして、大き過ぎる材料を除去し、次いで、第2の好適なスクリーン(例えば、60メッシュ)を用いてスクリーニングしてもよい。結果として得られる固体分散押出成形物を、製剤プロセスに進める。あるいは、結果として得られる固体分散押出物の一部を製剤プロセスに進める。
製剤プロセスの一態様、例えば、図1Aでは、成分は、固体分散押出成形物に連続して添加され(微結晶セルロース(例えば、Avicel PH 102、FMC Biopolymer)、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol(登録商標)、FMC Biopolymer))、好適なスクリーン(例えば、18メッシュ)を使用してスクリーニングされてもよい。コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil200、Evonik)を添加し、好適なスクリーン(例えば、40−mesh)を使用してスクリーニングして、例えば、拡散クラスブレンダーを使用して約20分間かけて配合された事前配合物を生成する。ステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt)を正確に検量して好適なスクリーン(例えば、30メッシュ)を用いてスクリーニングし、事前配合物に配合して、最終配合物を生成することができる。例えば、拡散クラスブレンダーを使用して20分間かけて配合する。一態様では、最終配合物は、錠剤プレス機上で錠剤に圧縮される。別の態様では、最終配合物は、カプセルに充填される。
製剤プロセスの別の態様、例えば、図1Bでは、成分は、固体分散押出成形物に連続して添加される:微結晶セルロース(例えば、Avicel PH 101、FMC Biopolymer)、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol(登録商標)、FMC Biopolymer)、及びコロイド状二酸化ケイ素(Aerosil 200、Evonik)が添加され、例えば、拡散クラスブレンダーを使用して約15分間かけて配合される事前配合物を生成する。ステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt)を正確に検量して好適なスクリーン(例えば、篩サイズ1.0mm)を用いてスクリーニングし、事前配合物に配合して、最終配合物を生成することができる。例えば、拡散クラスブレンダーを使用して5分間かけて配合する。最終配合物は、錠剤プレス機上でコア錠剤に圧縮される。コア錠剤は、好適なフィルムコーティング機械(例えばDriacoater Vario 500/600)に投入され、予混合フィルムコーティング剤(例えばOPADRY(登録商標)、Colorcon)を含むスプレー懸濁液でコーティングされる。
本発明は以下の実施形態を含む。
実施形態[96]:薬学的組成物の調製プロセスであって、
(i)化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーとの混合物を押し出し、固体分散押出成形物を形成するステップと、
(ii)結果として得られる固体分散押出成形物を1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と配合するステップと、を含む、薬学的組成物の調製プロセス。
実施形態[97]:薬学的組成物の調製プロセスであって、
(i)化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーとの混合物を押し出し、固体分散押出成形物を形成するステップと、
(ii)結果として得られる固体分散押出成形物を充填剤、崩壊剤、及び流動促進剤と配合し、事前配合物を形成するステップと、
(iii)滑沢剤を結果として得られる事前配合物と配合するステップと、を含む、薬学的組成物の調製プロセス。
実施形態[98]:プロセスが、(iv−A)ステップ(i)、(ii)、及び(iii)から得られる薬学的組成物を錠剤形態に圧縮するステップ、またはステップ(i)、(ii)、及び(iii)からの薬学的組成物をカプセル形態に充填するステップをさらに含む、実施形態[96]〜[97]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[99]:プロセスが、(iv−A)ステップ(i)、(ii)、及び(iii)から得られる薬学的組成物を錠剤形態に圧縮するステップをさらに含む、実施形態[96]〜[98]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、錠剤形態は、改善したバイオアベイラビリティを提供する。
実施形態[100]:プロセスが、(v)ステップ(iv)から得られる薬学的組成物をフィルムコーティングされた錠剤形態にコーティングするステップをさらに含む、実施形態[96]〜[99]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、フィルムコーティングされた錠剤形態が、改善したバイオアベイラビリティを提供する。
実施形態[101]:プロセスが、(iv−B)ステップ(i)、(ii)、及び(iii)から得られる薬学的組成物をカプセル形態に充填するステップをさらに含む、実施形態[96]〜[98]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[102]:ステップ(i)の混合物が、化合物1及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーである、実施形態[96]〜[101]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[103]:ステップ(i)の混合物が、化合物1の薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーである、実施形態[96]〜[101]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[104]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーがコポビドンである、実施形態[96]〜[103]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、コポビドンは、Kollidon(登録商標)VA 64である。一態様では、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーは、事前乾燥される。一態様では、コポビドンが60℃で約8時間事前乾燥される。
実施形態[105]:化合物1の量が、約3重量/重量%〜約17重量/重量%である、実施形態[96]〜[104]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[106]:化合物1の量が、約7重量/重量%〜約17重量/重量%である、実施形態[96]〜[105]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[107]:化合物1の量が、約8重量/重量%〜約16重量/重量%である、実施形態[96]〜[106]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[108]:化合物1の量が約4重量/重量%である、5mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[105]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[109]:化合物1の量が約8重量/重量%である、20mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[110]:化合物1の量が約13重量/重量%である、70mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[111]:化合物1の量が約16重量/重量%である、100mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[112]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が、約5重量/重量%〜約25重量/重量%である、実施形態[96]〜[111]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約5重量/重量%〜約25重量/重量%である。
実施形態[113]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が、約12重量/重量%〜約24重量/重量%である、実施形態[96]〜[112]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約12重量/重量%〜約24重量/重量%である。
実施形態[114]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が約6重量/重量%である、5mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[105]、[108]、または[112]〜[113]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約6重量/重量%である。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[115]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が約12重量/重量%である、20mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[109]、または[112]〜[113]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約12重量/重量%である。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[116]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が約19重量/重量%である、70mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[110]、または[112]〜[113]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約19重量/重量%である。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[117]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーの量が約24重量/重量%である、100mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]または[111]〜[113]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、コポリマーは、コポビドンである。一態様では、コポビドンの量は、約24重量/重量%である。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[118]:プロセスが、(i−A)ステップ(ii)の前に結果として得られる押出成形物を冷却及び製粉するステップをさらに含む、実施形態[96]〜[117]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[119]:プロセスが、(i−A)ステップ(ii)の前に結果として得られる押出成形物を冷却及び製粉するステップと、(i−B)ステップ(ii)の前にステップ(i−A)後に製粉された押出成形物をスクリーニングするステップと、をさらに含む、実施形態[96]〜[118]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[120]:プロセスが、ステップ(i)の前に混合物を提供することをさらに含み、高剪断混合を使用して、化合物1またはその薬学的に許容される塩とビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーとの混合物を調製する、実施形態[96]〜[119]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
高剪断混合は、効力のバラツキを最小化することができる(図5)。
実施形態[121]:押出が、約225rpm〜約350rpmのスクリュー回転数で作動する押出機で行われる、実施形態[96]〜[120]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[122]:押出が、約250rpmのスクリュー回転数で作動する押出機で行われる、実施形態[96]〜[121]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[123]:押出が、約275rpmのスクリュー回転数で作動する押出機で行われる、実施形態[96]〜[121]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[124]:押出が、混合物が約0.5kg/時間〜約2.5kg/時間の供給速度で押出機に供給された後、押出機で行われる、実施形態[96]〜[123]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。押出機の供給区域は、押出機のバレルに供給原料を移す。
実施形態[125]:押出が、混合物が約1.0kg/時間〜約2.0kg/時間の供給速度で押出機に供給された後、押出機で行われる、実施形態[96]〜[124]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[126]:押出が、混合物が約1.0kg/時間の供給速度で押出機に供給された後、押出機で行われる、実施形態[96]〜[125]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[127]:押出が、ほぼ室温〜約180℃の範囲の傾斜温度プロファイルを含むバレル温度で作動する押出機で行われる、実施形態[96]〜[126]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、傾斜温度プロファイルの実現が、製造中にキラル不純物レベルの著しい低下をもたらす。例えば、温度の上昇は、押出成形物の残留結晶性形態の減少を提供する。
実施形態[128]:押出が、約50℃〜約170℃の範囲の傾斜温度プロファイルを含むバレル温度で作動する押出機で行われる、実施形態[96]〜[127]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[129]:押出が、(1)約50℃、(2)約90℃、(3)約140℃、及び(4)約170℃〜約175℃の4つの温度帯を含む傾斜温度プロファイルを含むバレル温度で作動する押出機で行われる、実施形態[96]〜[128]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、より低いバレル温度は、より低いキラル不純物レベルの組成物をもたらす。
実施形態[130]:押出が、(1)約50℃、(2)約90℃、(3)約140℃、及び(4)約170℃の4つの温度帯を含む傾斜温度プロファイルを含むバレル温度で作動する押出機で行われる、実施形態[96]〜[129]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、より低いバレル温度は、より低いキラル不純物レベルの組成物をもたらす。
実施形態[131]:押出が、(1)約50℃、(2)約90℃、(3)約140℃、及び(4)約175℃の4つの温度帯を含む傾斜温度プロファイルを含むバレル温度で作動する押出機で行われる、実施形態[96]〜[129]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、より低いバレル温度は、より低いキラル不純物レベルの組成物をもたらす。
実施形態[132]:ステップ(i)の固体分散押出成形物が非晶質である、実施形態[96]〜[131]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。例えば、固体分散押出成形物が、XRPD(図6)によって検出される際、非晶質である。別の態様では、固体分散押出成形物の非晶質特性が、示差走査熱量測定(DSC)を使用して検出することができる。
実施形態[133]:押出成形物の充填量が、約10重量/重量%〜約50重量/重量%である、実施形態[96]〜[132]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[134]:押出成形物の充填量が、約10重量/重量%〜約40重量/重量%である、実施形態[96]〜[133]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[135]:押出成形物の充填量が、約40重量/重量%〜約50重量/重量%である、実施形態[96]〜[134]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、押出成形物の充填量は、崩壊速度に重要である。一態様では、約40%の固体分散体で調製される錠剤形態は、急速溶解を呈し、10分間未満で完全放出を達成する。
実施形態[136]:化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約10重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)約90重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、5mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[105]、[108]、[112]〜[114]、[118]〜[134]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[137]:化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約20重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)約80重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、20mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[109]、[112]〜[113]、[115]、または[118]〜[134]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[138]:化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約32重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)約68重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、70mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[110]、[112]〜[113]、[116]、または[118]〜[134]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[139]:化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む約40重量/重量%の固体分散押出成形物と、(2)約60重量/重量%の1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、100mgの錠剤またはカプセルの組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[111]〜[113]または[117]〜[135]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[140]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムを含む、実施形態[96]〜[139]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、カルスカルメロース(carscarmellose)ナトリウムは、即時放出のための崩壊剤として作用する。一態様では、崩壊は、このタイプの超崩壊剤及び製剤内の固体分散体充填の機能である。
実施形態[141]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がカルスカルメロースナトリウムであり、クロスカルメロースナトリウムの量が約4重量/重量%〜約9重量/重量%である、実施形態[96]〜[140]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[142]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がカルスカルメロースナトリウムであり、クロスカルメロースナトリウムの量が約5重量/重量%〜約8重量/重量%である、実施形態[96]〜[141]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[143]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであり、クロスカルメロースナトリウムの量が約5重量/重量%である、5mg若しくは20mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[109]、[112]〜[115]、[118]〜[134]、[136]〜[137]、または[140]〜[142]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[144]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカラメロース(croscaramellose)ナトリウムであり、クロスカルメロースナトリウムの量が約8重量/重量%である、70mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[110]、[112]〜[113]、[116]、[118]〜[134]、[138]、または[140]〜[142]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[145]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が崩壊剤を含み、崩壊剤がクロスカラメロースナトリウムであり、クロスカルメロースナトリウムの量が約8重量/重量%である、100mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[111]〜[113]、[117]〜[135]、または[139]〜[142]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[146]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素を含む、実施形態[96]〜[145]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、コロイド状二酸化ケイ素は、製剤配合物の流動特性を補助する。
実施形態[147]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素であり、コロイド状二酸化ケイ素の量が約0.5重量/重量%〜約6重量/重量%である、実施形態[96]〜[146]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[148]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素であり、コロイド状二酸化ケイ素の量が約3重量/重量%〜約6重量/重量%である、実施形態[96]〜[147]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[149]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素であり、コロイド状二酸化ケイ素の量が約3.5%〜約4.5重量/重量%である、実施形態[96]〜[146]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[150]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素であり、コロイド状二酸化ケイ素の量が約0.5重量/重量%〜約5重量/重量%である、実施形態[96]〜[146]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[151]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素であり、コロイド状二酸化ケイ素の量が約0.5重量/重量%〜約2重量/重量%である、実施形態[96]〜[146]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[152]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約4.5重量/重量%である、5、20、若しくは100mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[109]、[111]〜[115]、[117]〜[137]、[139]〜[143]、または[145]〜[150]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、カプセルである。一態様では、形態は、錠剤である。
実施形態[153]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が流動促進剤を含み、コロイド状二酸化ケイ素の量が約0.5重量/重量%である、20、70、若しくは100mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[109]〜[113]、[115]〜[135]、[135]〜[151]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、カプセルである。一態様では、形態は、錠剤である。
実施形態[154]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースである、実施形態[96]〜[153]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[155]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約46重量/重量%〜約81重量/重量%である、実施形態[54]〜[154]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[156]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約40重量/重量%〜約80重量/重量%である、実施形態[96]〜[155]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[157]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約51重量/重量%〜約74重量/重量%である、実施形態[96]〜[156]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[158]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約47重量/重量%〜約70重量/重量%である、実施形態[96]〜[157]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[159]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約80重量/重量%である、5mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[105]、[108]、[112]〜[114]、[118]〜[133]、[136]、[140]〜[143]、[146]〜[152]、または[154]〜[156]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[160]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約74重量/重量%〜約70重量/重量%である、20mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[109]、[112]〜[113]、[115]、[118]〜[134]、[137]、[140]〜[143]、または[146]〜[158]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[161]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約70重量/重量%である、20mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[109]、[112]〜[113]、[115]、[118]〜[134]、[137]、[140]〜[143]、または[146]〜[158]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[162]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約74重量/重量%である、20mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[109]、[112]〜[113]、[115]、[118]〜[134]、[137]、[140]〜[143]、または[146]〜[158]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[163]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約59重量/重量%である、70mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[110]、[112]〜[113]、[116]、[118]〜[134]、[138]、[140]〜[142]、[144]、または[146]〜[151]、または[154]〜[158]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[164]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が充填剤を含み、充填剤が微結晶セルロースであり、微結晶セルロースの量が約47重量/重量%である、100mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[111]〜[113]、[117]〜[135]、[139]〜[142]、[145]〜[151]、[153]〜[156]、または[158]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[165]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態[96]〜[164]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、ステアリン酸マグネシウムは、圧縮中に製剤の潤滑を提供する。
実施形態[166]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムであり、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.3重量/重量%〜約0.7重量/重量%である、実施形態[96]〜[165]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[167]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムであり、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.4重量/重量%〜約0.5重量/重量%である、実施形態[96]〜[166]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[168]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムであり、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.5重量/重量%である、実施形態[96]〜[167]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[169]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムであり、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.5重量/重量%である、20、70、若しくは100mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[107]、[109]〜[113]、[118]〜[135]、[137]〜[143]、[146]〜[158]、または[160]〜[168]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[170]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が滑沢剤を含み、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムであり、ステアリン酸マグネシウムの量が約0.5重量/重量%である、5、20、若しくは100mgの錠剤またはカプセルを含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[109]、[111]〜[114]、[116]〜[135]、[137]〜[151]、[153]〜[156]、[158]、または[165]〜[168]のうちのいずれか1つの実施形態に記載のプロセス。一態様では、形態は、錠剤である。一態様では、形態は、カプセルである。
実施形態[171]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤がフィルムコーティング剤を含み、実施形態[96]〜[170]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。一態様では、フィルムコーティング剤は、OPADRY(登録商標)を含む。
実施形態[172]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤がフィルムコーティング剤を含み、フィルムコーティング剤がOPADRY(登録商標)を含み、OPADRY(登録商標)の量が約0.5重量/重量%〜約5重量/重量%である、実施形態[96]〜[171]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[173]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤がフィルムコーティング剤を含み、フィルムコーティング剤がOPADRY(登録商標)を含み、OPADRY(登録商標)の量が約3.3重量/重量%〜約4.2重量/重量%である、実施形態[96]〜[172]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[174]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤がフィルムコーティング剤を含み、フィルムコーティング剤がOPADRY(登録商標)を含み、OPADRY(登録商標)の量が約4.2重量/重量%である、20mgの錠剤を含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[173]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[175]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤がフィルムコーティング剤を含み、フィルムコーティング剤がOPADRY(登録商標)を含み、OPADRY(登録商標)の量が約3.3重量/重量%である、70mgの錠剤を含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[173]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[176]:1つ以上の薬学的に許容される賦形剤がフィルムコーティング剤を含み、フィルムコーティング剤がOPADRY(登録商標)を含み、OPADRY(登録商標)の量が約3.4重量/重量%である、100mgの錠剤を含む組成物を調製するための、実施形態[96]〜[173]のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態[177]:薬学的組成物の調製プロセスであって、
(i)化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーとの混合物を押し出し、固体分散押出成形物を形成するステップと、
(ii)結果として得られる固体分散押出成形物を充填剤、崩壊剤、及び流動促進剤と配合し、事前配合物を形成するステップと、
(iii)滑沢剤を結果として得られる事前配合物と配合するステップと、を含み、
調製される薬学的組成物が、
約3重量/重量%〜約17重量/重量%の化合物1またはその薬学的に許容される塩と、
約5重量/重量%〜約25重量/重量%のビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーと、
約4重量/重量%〜約9重量/重量%の崩壊剤と、
約3重量/重量%〜約6重量/重量%の流動促進剤と、
約46重量/重量%〜約81重量/重量%の充填剤と、
約0.3重量/重量%〜約0.7重量/重量%の滑沢剤と、を含む、薬学的組成物の調製プロセス。
実施形態[178]:薬学的組成物の調製プロセスであって、(i)化合物1とコポビドンとの混合物を押し出して、固体分散押出成形物を形成するステップと、
(ii)結果として得られる固体分散押出成形物を充填剤、崩壊剤、及び流動促進剤と配合し、事前配合物を形成するステップと、
(iii)滑沢剤を結果として得られる事前配合物と配合するステップと、を含み、
調製される薬学的組成物が、
約3重量/重量%〜約17重量/重量%の化合物1と、
約5重量/重量%〜約25重量/重量%のコポビドンと、
約4重量/重量%〜約9重量/重量%のクロスカルメロースと、
約3重量/重量%〜約6重量/重量%の流動促進剤と、
約46重量/重量%〜約81重量/重量%の充填剤と、
約0.3重量/重量%〜約0.7重量/重量%の滑沢剤と、を含む、薬学的組成物の調製プロセス。
実施形態[179]:薬学的組成物の調製プロセスであって、
(i)化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーとの混合物を押し出し、固体分散押出成形物を形成するステップと、
(ii)結果として得られる固体分散押出成形物を充填剤、崩壊剤、及び流動促進剤と配合し、事前配合物を形成するステップと、
(iii)滑沢剤を結果として得られる事前配合物と配合するステップと、
(iv)結果として得られる最終配合物を圧縮して、コア錠剤を形成するステップと、
(v)コア錠剤をフィルムコーティング剤でコーティングするステップと、を含み、
調製される薬学的組成物が、
約3重量/重量%〜約17重量/重量%の化合物1またはその薬学的に許容される塩と、
約5重量/重量%〜約25重量/重量%のビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーと、
約4重量/重量%〜約9重量/重量%の崩壊剤と、
約0.1重量/重量%〜約5重量/重量%の流動促進剤と、
約40重量/重量%〜約80重量/重量%の充填剤と、
約0.3重量/重量%〜約0.7重量/重量%の滑沢剤と、
約0.5重量/重量%〜約5重量/重量%のフィルムコーティング剤と、を含む、薬学的組成物の調製プロセス。
実施形態[180]:薬学的組成物の調製プロセスであって、
(i)化合物1とコポビドンとの混合物を押し出して、固体分散押出成形物を形成するステップと、
(ii)結果として得られる固体分散押出成形物を充填剤、崩壊剤、及び流動促進剤と配合し、事前配合物を形成するステップと、
(iii)滑沢剤を結果として得られる事前配合物と配合するステップと、
(iv)結果として得られる最終配合物を圧縮して、コア錠剤を形成するステップと、
(v)コア錠剤をフィルムコーティング剤でコーティングするステップと、を含み、
調製される薬学的組成物が、
約3重量/重量%〜約17重量/重量%の化合物1と、
約5重量/重量%〜約25重量/重量%のコポビドンと、
約4重量/重量%〜約9重量/重量%のクロスカルメロースと、
約3重量/重量%〜約6重量/重量%の流動促進剤と、
約46重量/重量%〜約81重量/重量%の充填剤と、
約0.3重量/重量%〜約0.7重量/重量%の滑沢剤と、
約0.5重量/重量%〜約5重量/重量%のコーティング剤と、を含む、薬学的組成物の調製プロセス。
実施形態[181]:実施形態[96]〜[180]のいずれかに記載のプロセスによって調製される薬学的組成物。
実施形態[182]:
(i)化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーとの混合物を押し出し、固体分散押出成形物を形成するステップと、
(ii)結果として得られる固体分散押出成形物を1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と配合するステップと、を含む、プロセスによって調製される薬学的組成物。
実施形態[183]:
(i)化合物1またはその薬学的に許容される塩と、ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーとの混合物を押し出し、固体分散押出成形物を形成するステップと、
(ii)結果として得られる固体分散押出成形物を充填剤、崩壊剤、及び流動促進剤と配合し、事前配合物を形成するステップと、
(iii)滑沢剤を結果として得られる事前配合物と配合するステップと、を含む、プロセスによって調製される薬学的組成物。
実施形態[184]:
(i)化合物1とコポビドンとの混合物を押し出して、固体分散押出成形物を形成するステップと、
(ii)結果として得られる固体分散押出成形物を充填剤、崩壊剤、及び流動促進剤と配合し、事前配合物を形成するステップと、
(iii)滑沢剤を結果として得られる事前配合物と配合するステップと、を含む、プロセスによって調製される薬学的組成物であって、
調製される薬学的組成物が、
約3重量/重量%〜約17重量/重量%の化合物1と、
約5重量/重量%〜約25重量/重量%のコポビドンと、
約4重量/重量%〜約9重量/重量%のクロスカルメロースと、
約3重量/重量%〜約6重量/重量%の流動促進剤と、
約46重量/重量%〜約81重量/重量%の充填剤と、
約0.3重量/重量%〜約0.7重量/重量%の滑沢剤と、を含む、薬学的組成物。
実施形態[185]:薬学的組成物が実質的に非晶質である、実施形態[181]または[184]のいずれか1つに記載の薬学的組成物。一態様では、実質的に非晶質の薬学的組成物は、一定量の結晶性の化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む。一態様では、結晶性の化合物1の量は、約30%未満、約29%未満、約28%未満、約27%未満、約26%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満である。
実施形態[186]:活性成分として化合物1またはその薬学的に許容される塩を含み、活性成分がビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む固体分散形態である、薬学的組成物。
実施形態[187]:コポリマーがコポビドンである、実施形態[186]に記載の薬学的組成物。
実施形態[188]:薬学的組成物が実質的に非晶質である、実施形態[186]または[187]に記載の薬学的組成物。一態様では、実質的に非晶質の薬学的組成物は、一定量の結晶性の化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む。一態様では、結晶性の化合物1の量は、約30%未満、約29%未満、約28%未満、約27%未満、約26%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満である。
実施形態[188A]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーと組み合わせて非晶質系を形成することによる、化合物1またはその薬学的に許容される塩の吸収の改善方法。
実施形態[188B]:ビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーがコポビドンである、実施形態[188A]に記載に方法。
上述の実施形態のうちのいずれかを組み合わせて、さらなる実施形態を形成してもよいことが理解される。
本発明の薬学的組成物の実用性
MAPキナーゼ経路は、多数の癌及び発達障害における調節異常の中心シグナル伝達経路である。通常、増殖因子のその受容体への結合は、RASのスイッチをオンにし、それは次いで、RAFキナーゼファミリーメンバー、ARAF、BRAF、及びCRAF(Raf−1)のうちの1つ以上を活性化する。RAFキナーゼは、第3のキナーゼであるERKをリン酸化する別のキナーゼであるMEKをリン酸化及び活性化することによってシグナルを長期化させる。次いで、ERKは、いくつかの主要な増殖、生存、または分化を促進する標的をリン酸化する。
カスケードにおけるタンパク質のうち、RAFキナーゼは、二量体を形成する能力を含む最も複雑な調節機構を有する。RAF二量化は、通常のRAS依存性RAF活性化を含む複数の細胞状況におけるRAFシグナリングに必要とされるステップであると認知されている。その上、一部の発癌性環境では、RAF二量化は、経路の病因的役割に寄与する。具体的には、RAFは、発癌性変異がNRASに影響を及ぼす環境、ならびにK601のアミノ酸V600を標的としないBRAFタンパク質の点変異がある環境において、二量体としてシグナルを伝達する。
RAF二量化は、1型BRAF ATP競合阻害剤(ベムラフェニブ等)で治療される患者における治療反応及び疾患進行を変化させることも分かっている。これらの環境では、下流経路の不慮の活性化を引き起こす阻害剤誘発RAFヘテロ二量化が存在する。この現象は、MAPキナーゼ経路の矛盾した活性化として知られており、それによって1型BRAF阻害剤が扁平上皮癌(SCC)の形成を含むある特定の有害事象を誘発する機構と考えられている。この理由から、1型BRAF阻害剤による治療は、RASファミリーの変異またはV600若しくはK601 BRAF変異が生じる癌環境では禁忌であり得る。
1型BRAF ATP競合阻害剤は、黒色腫、甲状腺癌、結腸癌、及びNSCLCにおいて生じるBRAF V600*変異(V600E等)を標的とするように開発された。これらの1型BRAF阻害剤は、この変異を有する患者に対する臨床的利益が実証されている。これらの患者において観察される応答は、RAFシグナリングの違いによって説明することができる。これらの環境では、BRAFは、RAF二量体としてではなく、RAFモノマーとして機能する。このRAFモノマーは、上流増殖刺激とは関係なくシグナルを伝達し、BRAFモノマータンパク質の構造活性化を引き起こす。上で考察されるように、1型BRAF阻害剤は、RAF二量体環境における癌に対して抑制され得る。一方、化合物1等の汎RAF阻害剤は、原理上、はっきりと異なる変異体状況、例えば、BRAF及びNRASにおけるRAF二量化の環境において作用する。
前臨床モデルは、より高い最大耐性用量の化合物1は、より良好な均衡状態または腫瘍退縮を達成し得ることを示唆した。黒色腫の腫瘍組織における化合物1の薬力学効果は、この仮説をさらに支持する。したがって、ここで、化合物1を含む本発明の薬学的組成物は、間欠的投薬レジメンを使用して投与される場合に、より高い最大耐性用量、及びこのため、より高い有効量を達成するように、投与することができることが発見された。
したがって、本発明は、間欠的投薬レジメンに従って本明細書に記載されるこのような薬学的組成物を患者に投与することを含む、BRAF及びNRAS陽性変異癌との関連においてRAF二量化の環境における癌の治療方法に関し、ならびに薬剤の製造における本明細書に記載されるこのような薬学的組成物の使用に関する。
本発明は以下の実施形態を含む。
実施形態[189]:間欠的投薬レジメンに従って、有効量の本明細書に記載される薬学的組成物、例えば、実施形態[1]〜[89]または[181]〜[188]に記載の薬学的組成物を患者に投与することを含み、投薬レジメンが組成物を週1回または2回投与することを含み、各週に投与される組成物の量が約400mg〜約1000mgである、癌の治療を必要とする患者における癌の治療方法。
実施形態[190]:間欠的投薬レジメンに従って、(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む固体分散押出成形物と、(2)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、有効量の薬学的組成物を患者に投与することを含み、投薬レジメンが組成物を週1回または2回投与することを含み、各週に投与される組成物の量が約400mg〜約1000mgである、癌の治療を必要とする患者における癌の治療方法。
実施形態[191]:薬学的組成物が、(1)化合物1及びビニルピロリジノン−ビニルアセテートコポリマーを含む固体分散押出成形物と、(2)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、実施形態[190]に記載の方法。
実施形態[192]:薬学的組成物が、(1)化合物1及びコポビドンを含む固体分散押出成形物と、(2)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、実施形態[191]に記載の方法。
実施形態[193]:投薬レジメンが、各投与間に6日間の休薬期間を設けて組成物を患者に週1回投与することを含む、実施形態[189]〜[192]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[194]:投薬レジメンが、組成物を単回用量で投与することを含む、実施形態[189]〜[193]のうちのいずれか1つに記載の方法。例えば、1週間に投与される組成物の量は、28日周期の1日目、8日目、15日目、及び22日目に単回用量で投与される。
実施形態[195]:投薬レジメンが、組成物を分割用量で投与することを含む、実施形態[189]〜[194]のうちのいずれか1つに記載の方法。例えば、「組成物を分割用量で投与する」とは、一時点で1週間に投与される組成物の半分を投与し、その後の時点で組成物の残りの半分を投与することを意味する。一態様では、この2つの半用量は、同じ日、例えば、28日周期の1日目、8日目、15日目、及び22日目に投与される。一態様では、2つの半用量は、約12時間離れた異なる時点で投与される。一態様では、2つの半用量は、12時間離れた異なる時点で投与される。
実施形態[196]:投薬レジメンが、組成物を異なる2日間に分割用量で投与することを含む、実施形態[195]に記載の方法。例えば、2つの半用量は、異なる2日間、例えば、28日周期の1日目及び2日目、8日目及び9日目、15日目及び16日目、ならびに22日目及び23日目に投与される。
実施形態[197]:各週に投与される組成物の量が約800mg〜約1000mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[198]:各週に投与される組成物の量が約400mg〜約900mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[199]:各週に投与される量が約500mg〜約900mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[200]:各週に投与される量が約600mg〜約800mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[201]:各週に投与される量が約400mg〜約600mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[202]:各週に投与される量が約400mg〜約700mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[203]:各週に投与される量が約600mg〜約700mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[204]:各週に投与される量が約300mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[205]:各週に投与される量が約400mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[206]:各週に投与される量が約500mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[207]:各週に投与される量が約600mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[208]:各週に投与される量が約700mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[209]:各週に投与される量が約800mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[210]:各週に投与される量が約900mgである、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[211]:癌が固形腫瘍癌である、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[212]:癌が再発性である、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[213]:癌が難治性である、実施形態[189]〜[196]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[214]:癌がBRAF及び/またはNRAS陽性癌である、実施形態[189]〜[213]のいずれか1つに記載の方法。
本明細書で用いる場合、「BRAF」は、セリン/トレオニンキナーゼであるB−Raf癌原遺伝子を指し、GenBank受託番号NM_004333、配列番号:1(オープンリーディングフレームは、配列番号:2、配列番号:1のヌクレオチド62〜2362である)、GenPept受託番号NP_004324、配列番号:3をコードする)が割り当てられたmRNA配列に関連付けられる。BRAFの別名には、rafB1及びヌーナン症候群7(NS7)が挙げられる。BRAFは、セリン/トレオニンキナーゼとして機能し、MAPキナーゼ/ERKシグナリング経路を調節する役割を有し、染色体7q上で発見され得る。
本明細書で用いる場合、「NRAS」は、神経芽腫RASウイルス性(v−ras)発癌遺伝子相同体を指し、GenBank受託番号NM_002524、配列番号:4(オープンリーディングフレームは、配列番号:5、配列番号:4のヌクレオチド255〜824である)、GenPept受託番号NP_002515、配列番号:6をコードする)が割り当てられたmRNA配列に関連付けられる。NRASの別名は、自己免疫性リンパ増殖症候群IV型(ALPS4)、NRAS1、及びヌーナン症候群6(NS6)が挙げられる。NRASは、GTPアーゼ活性を有する発癌遺伝子として機能し、染色体1p上で発見され得る。NRASは、細胞膜ならびにRaf及びRhoA等の様々なエフェクタータンパク質と相互作用し、それは、細胞骨格を通してそのシグナリング機能を行い、細胞接着をもたらす(Fotiadou et al.(2007)Mol.Cel.Biol.27:6742−6755)。
本明細書で用いる場合、「BRAF陽性癌」、「BRAF変異陽性癌」、「BRAF陽性変異癌(BRAF positive−mutation cancer)」、または「BRAF陽性変異癌(BRAF positive−mutation cancer)」という語句は、BRAF遺伝子の1つ以上の変異を有する癌を意味する。本明細書で用いる場合、「NRAS陽性癌」、「NRAS変異陽性癌」、「NRAS陽性変異癌(NRAS positive−mutated cancer)」、または「NRAS陽性変異癌(NRAS positive mutation cancer)」は、NRAS遺伝子の1つ以上の変異を有する癌を意味する。一態様では、癌は、BRAF野生型であり、NRAS遺伝子の1つ以上の変異を有する。一態様では、癌は、NRAS野生型であり、BRAF遺伝子の1つ以上の変異を有する。一態様では、癌は、BRAF遺伝子及びNRAS遺伝子の両方の1つ以上の変異を有する。
実施形態[215]:癌がBRAF変異陽性癌である、実施形態[189]〜[214]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[216]:1つ以上のBRAF変異が、エクソン15または11にある、実施形態[189]〜[215]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[217]:1つ以上のBRAF変異が、コドン464〜469、600、または601にある、実施形態[189]〜[216]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[218]:BRAF変異がV600変異である、実施形態[189]〜[217]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、V600変異は、V600E、V600G、V600A、若しくはV600K;V600E、V600D、若しくはV600K;またはV600E、V600D、V600M、V600G、V600A、V600R、若しくはV600Kである。一態様では、BRAF変異は、V600Eである。一態様では、BRAF変異はV600Dである。一態様では、BRAF変異はV600Kである。「V600E変異」とは、600のアミノ酸位置におけるバリンからグルタミン酸への置換を意味する。「V600K変異」とは、600のアミノ酸位置におけるバリンからリジンへの置換を意味する。「V600D変異」とは、600のアミノ酸位置におけるバリンからアスパラギン酸への置換を意味する。「V600G変異」とは、600のアミノ酸位置におけるバリンからグリシンへの置換を意味する。「V600A変異」とは、600のアミノ酸位置におけるバリンからアラニンへの置換を意味する。「V600M変異」とは、600のアミノ酸位置におけるバリンからメチオニンへの置換を意味する。「V600R変異」とは、600のアミノ酸位置におけるバリンからアルギニンへの置換を意味する。
実施形態[219]:1つ以上のBRAF変異が、非V600E変異である、実施形態[189]〜[218]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、1つ以上の非V600E変異は、G466A、G466V、N581S、D594H、R146W、L613F、D565_スプライス、S394*、P367R、G469A、G469V、G469*、G466V、G464V、G397S、S113I、A762E、G469L、D594N、G596S、G596R、D594N、D594H、またはG327_スプライスである。一態様では、1つ以上の非V600E変異は、G469R、R95T、A621_スプライス、V639I、Q609H、G464V、またはG466Vである。アスタリスク「*」は、終止コドンを意味する。
実施形態[220]:癌がNRAS変異陽性癌である、実施形態[189]〜[219]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[221]:1つ以上のNRAS変異が、エクソン3またはエクソン4にある、実施形態[189]〜[220]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[222]:1つ以上のNRAS変異が、コドン59、61、117、または146にある、実施形態[189]〜[221]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[223]:NRAS変異がQ61である、実施形態[189]〜[222]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、NRAS変異は、Q61R、Q61K、Q61L、Q61H、またはQ61Pである。一態様では、NRAS変異はQ61Rである。
実施形態[224]:癌が皮膚癌、眼の癌、胃腸癌、甲状腺癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、脳癌、喉頭癌、子宮頸癌、リンパ系癌、尿生殖路癌、または骨癌である、実施形態[189]〜[223]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[225]:癌が皮膚癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[226]:癌が眼の癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[227]:癌が甲状腺癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[228]:癌が乳癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[229]:癌が卵巣癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[230]:癌が肺癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[231]:癌が脳癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[232]:癌が喉頭癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[233]:癌が胃腸癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[234]:癌が子宮頸癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[235]:癌がリンパ系癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[236]:癌が尿生殖路癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[237]:癌が骨癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、骨癌は、多発性骨髄腫である。
実施形態[238]:癌が皮膚癌である、実施形態[189]〜[225]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、皮膚癌は、黒色腫である。一態様では、黒色腫は、局所進行性、転移性、及び/または切除不能な黒色腫である。一態様では、黒色腫は、局所進行性である。一態様では、黒色腫は、転移性である。態様では、黒色腫は、切除不能な黒色腫である。一態様では、黒色腫は、BRAF変異陽性黒色腫である。一態様では、黒色腫は、BRAF変異陽性皮膚黒色腫である。一態様では、BRAF変異は、V600E、V600K、及びV600D変異から選択される。一態様では、BRAF変異は、V600Eである。一態様では、BRAF変異は、V600Kである。一態様では、BRAF変異は、V600Dである。一態様では、黒色腫は、NRAS変異陽性黒色腫である。一態様では、黒色腫は、NRAS変異陽性皮膚黒色腫である。一態様では、黒色腫は、BRAF/NRAS変異陰性皮膚黒色腫(野生型)である。一態様では、黒色腫は、皮膚、ブドウ膜、または粘膜由来のものである。一態様では、黒色腫は、皮膚由来のものである。一態様では、黒色腫は、ブドウ膜由来のものである。一態様では、黒色腫は、粘膜由来のものである。
実施形態[239]:癌が眼の癌である、実施形態[189]〜[224]のいずれか1つに記載の方法。一態様では、眼の癌は、眼の黒色腫である。
実施形態[240]:癌が脳癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、脳癌は、神経膠腫、神経芽腫、または星状細胞腫である。一態様では、脳癌は、神経膠腫である。一態様では、脳癌は、神経芽腫である。一態様では、癌は、星状細胞腫である。
実施形態[241]:癌が尿生殖路癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、尿生殖路癌は、膀胱癌または前立腺癌である。一態様では、癌は、膀胱癌である。一態様では、癌は、前立腺癌である。
実施形態[242]:癌が乳頭甲状腺癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[243]:癌が胃腸癌である、実施形態[189]〜[224]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、胃腸癌は、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、肝臓癌、腎臓癌、膵臓癌、または胆嚢癌である。一態様では、胃腸癌は、食道癌である。一態様では、胃腸癌は、胃癌である。一態様では、胃腸癌は、結腸直腸癌である。一態様では、胃腸癌は、肝臓癌である。一態様では、胃腸癌は、腎臓癌である。一態様では、胃腸癌は、膵臓癌である。一態様では、胃腸癌は、胆嚢癌である。
実施形態[244]:間欠的投薬レジメンに従って、実施形態[1]〜[89]または[181]〜[188]のうちのいずれか1つに記載の有効量の薬学的組成物を患者に投与することを含み、投薬レジメンが組成物を週1回投与することを含み、各週に投与される組成物の量が約400mg〜約700mgであり、黒色腫が、BRAF野生型であり、NRAS遺伝子の変異を有する、黒色腫の治療を必要とする患者における黒色腫の治療方法。一態様では、NRAS変異は、エクソン3または4にある。一態様では、NRAS変異はQ61である。一態様では、黒色腫は、再発性及び/または難治性である。
実施形態[245]:間欠的投薬レジメンに従って、実施形態[1]〜[89]または[181]〜[188]のうちのいずれか1つに記載の有効量の薬学的組成物を患者に投与することを含み、投薬レジメンが組成物を週1回投与することを含み、各週に投与される組成物の量が約400mg〜約700mgであり、黒色腫がBRAF遺伝子の変異を有する、黒色腫の治療を必要とする患者における黒色腫の治療方法。一態様では、BRAF変異は、エクソン15または11にある。一態様では、BRAF変異は、V600である。一態様では、BRAF変異は、V600Eである。一態様では、黒色腫は、再発性及び/または難治性である。
実施形態[246]:間欠的投薬レジメンに従って、実施形態[1]〜[89]または[181]〜[188]のうちのいずれか1つに記載の有効量の薬学的組成物を患者に投与することを含み、投薬レジメンが組成物を週1回投与することを含み、各週に投与される組成物の量が約400mg〜約700mgであり、結腸直腸癌がBRAF遺伝子の変異を有する、結腸直腸癌の治療を必要とする患者における結腸直腸癌の治療方法。一態様では、BRAF変異は、エクソン15または11にある。一態様では、BRAF変異は、V600である。一態様では、BRAF変異は、V600Eである。
実施形態[247]:間欠的投薬レジメンに従って、実施形態[1]〜[89]または[181]〜[188]のうちのいずれか1つに記載の有効量の薬学的組成物を患者に投与することを含み、投薬レジメンが組成物を週1回投与することを含み、各週に投与される組成物の量が約400mg〜約700mgであり、非小細胞肺癌がBRAF遺伝子の変異を有する、非小細胞肺癌の治療を必要とする患者における非小細胞肺癌の治療方法。一態様では、BRAF変異は、非V600Eである。一態様では、BRAF変異は、エクソン15または11にある。一態様では、BRAF変異は、V600である。一態様では、BRAF変異は、V600Eである。
実施形態[248]:間欠的投薬レジメンに従って、実施形態[1]〜[89]または[181]〜[188]のうちのいずれか1つに記載の有効量の薬学的組成物を患者に投与することを含み、投薬レジメンが組成物を週1回投与することを含み、各週に投与される組成物の量が約400mg〜約700mgであり、結腸直腸癌がNRAS遺伝子の変異を有する、結腸直腸癌の治療を必要とする患者における結腸直腸癌の治療方法。一態様では、NRAS変異は、エクソン3または4にある。一態様では、NRAS変異は、コドン59、61、117、または146にある。
実施形態[249]:間欠的投薬レジメンに従って、実施形態[1]〜[89]または[181]〜[188]のうちのいずれか1つに記載の有効量の薬学的組成物を患者に投与することを含み、投薬レジメンが組成物を週1回投与することを含み、各週に投与される組成物の量が約400mg〜約700mgであり、甲状腺癌がBRAF遺伝子の変異を有する、甲状腺癌の治療を必要とする患者における甲状腺癌の治療方法。一態様では、BRAF変異は、エクソン15または11にある。一態様では、BRAF変異は、V600である。一態様では、BRAF変異は、V600Eである。
実施形態[250]:患者が、1つ以上のRAF及び/またはMEK阻害剤を用いる以前の治療を受けたことがない、実施形態[189]〜[249]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[251]:RAF阻害剤及び/またはMEK阻害剤を用いる以前の治療に対する患者の応答が、1)客観的反応後に再発した、2)客観的反応を示さなかった、及び/または3)許容されない毒性のため、このようなレジメンに耐性がなかった、実施形態[189]〜[249]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[252]:患者が、少なくとも1つの一連の以前の抗癌療法を受けた、実施形態[189]〜[249]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、方法は、少なくとも1つの標準的化学療法が失敗した後に、患者を治療するためのものである。
実施形態[253]:患者が、イピリムマブ、抗PD−1、及び/または抗PDL−1 mAbsを用いる治療を除いて、任意の以前の抗癌治療を受けたことがない、実施形態[189]〜[249]のいずれか1つに記載の方法。
実施形態[254]:患者を実施形態[1]〜[89]または[181]〜[188]のうちのいずれか1つに記載の薬学的組成物で治療するかどうかの決定方法であって、
a) 腫瘍細胞を含む患者試料中の遺伝子変異に関連する少なくとも1つ以上のBRAF及び/またはNRASマーカーの少なくとも1つの特性を測定することと、
b) ステップa)で測定された少なくとも1つの特性が、薬学的組成物による治療時の成績に対する情報を提供するかどうかを特定することと、
c) 情報提供特性が、腫瘍細胞が、薬学的組成物による治療に対する良好な成績を示す、BRAF及び/またはNRAS変異状態を有する少なくとも1つのマーカー遺伝子を含むことを示す場合、患者を薬学的組成物で治療することを決定することと、を含む、方法。
実施形態[255]:少なくとも1つの特性が、一連のものである、実施形態[254]に記載の方法。
実施形態[256]:BRAF及び/またはNRASマーカーのうちの少なくとも1つの変異状態が、変異体である、実施形態[254]または[255]に記載の方法。
実施形態[257]:BRAFマーカーの変異状態が、変異体である、実施形態[254]〜[256]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[258]:BRAF変異が、エクソン15または11にある、実施形態[254]〜[257]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[259]:1つ以上のBRAF変異が、コドン464−469、600、または601にある、実施形態[254]〜[258]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[260]:BRAF変異がV600変異である、実施形態[254]〜[259]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、V600変異は、V600E、V600G、V600A、若しくはV600K;V600E、V600D、若しくはV600K;またはV600E、V600D、V600M、V600G、V600A、V600R、若しくはV600Kである。一態様では、BRAF変異は、V600Eである。
実施形態[261]:BRAF変異が非V600E変異である、実施形態[254]〜[260]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[262]:NRASマーカーの変異状態が、変異体である、実施形態[254]〜[261]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[263]:1つ以上のNRAS変異が、エクソン3またはエクソン4にある、実施形態[254]〜[262]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[264]:1つ以上のNRAS変異が、コドン59、61、117、または146にある、実施形態[254]〜[263]のうちのいずれか1つに記載の方法。
実施形態[265]:NRAS変異がQ61である、実施形態[254]〜[264]のうちのいずれか1つに記載の方法。一態様では、NRAS変異は、Q61R、Q61K、Q61L、Q61H、またはQ61Pである。一態様では、NRAS変異は、Q61Rである。
実施形態[266]:癌(特に本明細書に記載される癌から選択される癌)と診断された患者における、本明細書に記載される薬学的組成物による治療の、薬理効果の可能性増加の決定方法であって、
患者からの癌(腫瘍)試料由来の核酸試料に対してBRAF若しくはNRAS変異検査またはPCRを行うことを含み、BRAFまたはNRAS遺伝子の少なくとも1つの変異、例えば、本明細書に記載される変異のうちの1つ以上の存在が治療の薬理効果の可能性増加を示す、方法。
実施形態[267]:癌(特に、本明細書に記載される癌)を患う患者の治療方法であって、
i) 該患者からの癌試料由来の核酸試料を得ることと、
ii) 試料に対してBRAF若しくはNRAS変異検査またはPCRを行い、BRAFまたはNRAS遺伝子の少なくとも1つの変異の存在(例えば、本明細書に記載される変異のうちの1つ以上等)を特定することと、
iii) 有効量の本明細書に記載される薬学的組成物を患者に投与することと、を含み、その患者の試料中でBRAFまたはNRAS遺伝子の少なくとも1つの変異の存在(例えば、本明細書に記載される変異のうちの1つ以上等)が特定される、方法。
上述の実施形態のうちのいずれかを組み合わせて、さらなる実施形態を形成してもよいことが理解される。
一般手順
いくつかの実施形態では、マーカーの変異は、マーカー遺伝子、例えば、遺伝型マーカー遺伝子、例えば、BRAF若しくはNRASと相関した核酸、例えば、DNA、RNA、cDNA、またはタンパク質の配列決定することによって特定され得る。核酸を配列決定するための当該分野で既知のいくつかの方法が存在する。核酸プライマーは、潜在的な変異部位を含む領域に結合するように設計され得るか、または野生型配列ではなくむしろ変異配列を補完するように設計され得る。プライマー対は、マーカー遺伝子の潜在的な変異を含む領域を囲むように設計され得る。プライマーまたはプライマー対を用いて、マーカー遺伝子に対応するDNAの一方または両方の鎖を配列決定することができる。プライマーは、プローブ、例えば核酸プローブ、例えばハイブリダイゼーションプローブと併せて使用して、配列決定の前に対象とする領域を増幅させ、マーカー遺伝子の変異の検出のために配列量を引き上げることができる。配列決定され得る領域の例には、全遺伝子、遺伝子の転写産物、及び遺伝子または転写産物の断片、例えば、エクソン若しくは未翻訳領域のうちの1つ以上、または変異部位を含むマーカーの一部が挙げられる。プライマー選択及び配列分析または組成分析を目的とした変異の例は、National Center for Biotechnology Information(Bethesda,MD)によって管理されるDatabase of Genotypes and Phenotypes(dbGaP)及びWellcome Trust Sanger Institute(Cambridge,UK)によって管理されるCatalogue of Somatic Mutations in Cancer(COSMIC)データベース等の変異情報を収集する公開データベースで見ることができる。
配列決定法は、当業者に既知である。方法の例としては、サンガー法、SEQUENOM(商標)法、及び次世代配列決定(NGS)法が挙げられる。電気泳動、例えば、プライマー伸長標識DNA断片を分離するためのキャピラリー電気泳動の使用を含むサンガー法は、ハイスループット適用のために自動化され得る。プライマー伸長配列決定は、対象とする領域のPCR増幅後に実施され得る。ソフトウェアは、配列ベース呼び出し及び変異特定を支援することができる。SEQUENOM(商標) MASSARRAY(登録商標)配列決定分析(San Diego,CA)は、変異を特定するために対象とする特定断片の実際の質量を予測される質量と比較する質量分光分析法である。NGS技術(「超並列配列決定」及び「第二世代配列決定」とも称される)は、概して、以前の方法よりもはるかに多くのスループットを提供し、様々な手法を用いる(Zhang et al.(2011)J.Genet.Genomics 38:95−109及びShendure and Hanlee(2008)Nature Biotech.26:1135−1145で概説される)。NGS法は、試料中のマーカーにおける低頻度の変異を特定することができる。いくつかのNGS法(例えば、GS−FLXゲノムシーケンサー(Roche Applied Science,Branford,CT)、ゲノムアナライザー(Illumina,Inc.San Diego,CA)SOLID(商標)アナライザー(Applied Biosystems,Carlsbad,CA)、Polonator G.007(Dover Systems,Salem,NH)、HELISCOPE(商標)(Helicos Biosciences Corp.,Cambridge,MA)を参照されたい)は、フローセルにおいて空間的に分離されたPCR産物のクローン増幅を伴うか、または伴わない環状アレイ配列決定、及び配列決定酵素(例えば、ポリメラーゼまたはリガーゼ)によって組み込まれる標識修飾ヌクレオチドを検出するための様々なスキームを用いる。1つのNGS法では、プライマー対をPCR反応で使用して、対象とする領域を増幅することができる。増幅された領域は連結されて、連鎖状の産物になり得る。クローンライブラリは、PCR産物または連結された産物からフローセル内に生成され、ポリメラーゼが、標識塩基の同一性に応じて4つのチャネルのうちの1つに画像化される標識された可逆的に終止される塩基を添加するときに、シングルエンド配列決定のためにさらに増幅され(「ブリッジ」または「クラスター」PCR)、次いで、次のサイクルのために除去される。ソフトウェアは、変異を特定するためのゲノム配列の比較に役立つことがある。別のNGS法は、ゲノム中の全ての遺伝子のエクソンの配列決定に焦点を当てたエキソーム配列決定である。他のNGS法と同様に、エクソンは、捕捉法または増幅法によって富化されてもよい。
いくつかの実施形態では、DNA、例えば、野生型または変異したマーカーに対応するゲノムDNAは、当該分野で既知の方法を使用して、生体試料において原位置形式及び生体内形式の両方で分析され得る。DNAは、試料から直接単離されてもよく、または別の細胞成分、例えば、RNA若しくはタンパク質の単離後に単離されてもよい。キットは、例えば、QIAAMP(登録商標)DNAマイクロキット(Qiagen,Valencia,CA)は、DNA単離に使用可能である。DNAは、このようなキットを使用して増幅することもできる。
別の実施形態では、マーカーに対応するmRNAは、当該分野で既知の方法を使用して生体試料において原位置形式及び生体内形式の両方で分析され得る。多くの発現検出方法が単離されたRNAを使用する。生体内方法の場合、mRNAの単離を選択しない任意のRNA単離技法を利用して、腫瘍細胞からRNAを精製することができる(例えば、Ausubel et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,New York 1987−1999を参照されたい)。さらに、多数の組織試料は、例えば、Chomczynskiの一段階RNA単離プロセス(1989年、米国特許第4,843,155号)等の当業者に周知の技法を使用して容易に処理され得る。RNAは、標準的手順(例えば、Chomczynski and Sacchi(1987)Anal.Biochem.162:156−159を参照されたい)、溶液(例えば、トリゾール、TRI REAGENT(登録商標)(Molecular Research Center,Inc.,Cincinnati,OH、米国特許第5,346,994号を参照されたい)、またはキット(例えば、QIAGEN(登録商標)Group RNEASY(登録商標)単離キット(Valencia,CA)若しくはLEUKOLOCK(商標) 全RNA単離システム、Ambion division of Applied Biosystems,Austin,TX)を使用して単離することができる。
さらなるステップを用いて、RNA試料からDNAを除去してもよい。細胞溶解は、非イオン性洗浄剤を用いて達成することができ、その後、核、ゆえに、細胞DNAの大部分を除去するためのマイクロ遠心分離が続く。DNAは、その後、DNA分析のために核から単離され得る。一実施形態では、RNAは、チオシアン酸グアニジン溶解、続いて、RNAをDNAから分離するCsCl遠心分離を使用して、対象とする様々な型の細胞から抽出される(Chirgwin et al.(1979)Biochemistry 18:5294−99)。ポリ(A)+RNAは、オリゴ−dTセルロースの選択によって選択される(Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning−−A Laboratory Manual(2nd ed.),Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.を参照されたい)。あるいは、DNAからのRNAの分離は、例えば、熱フェノールまたはフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールでの有機抽出によって達成され得る。所望に応じて、RNAse阻害剤は、溶解緩衝液に添加されてもよい。同様に、ある特定の細胞型において、タンパク質変性/消化ステップをプロトコルに追加することが望ましい場合がある。多くの用途において、トランスファーRNA(tRNA)及びリボソームRNA(rRNA)等の他の細胞RNAに対してmRNAを富化することが望ましい。ほとんどのmRNAは、3’末端にポリ(A)尾部を含有する。これは、それらが、例えば、セルロースまたはSEPHADEX.R(商標)媒体等の固体支持体に結合されるオリゴ(dT)またはポリ(U)を使用して、親和性クロマトグラフィーによって富化されることを可能にする(Ausubel et al.(1994)Current Protocols In Molecular Biology,vol.2,Current Protocols Publishing,New Yorkを参照されたい)。いったん結合されると、ポリ(A)+mRNAは、2mMのEDTA/0.1% SDSを使用して親和性カラムから溶出される。
例えば、試料(例えば、腫瘍生検)を検査対象から得た後の、試料中の本発明のマーカーの特性は、例えば、核酸(例えば、RNA、mRNA、ゲノムDNA、若しくはcDNA)及び/または翻訳されたタンパク質の例えばマーカーまたは複数のマーカーの特性を検出または測定するための多種多様な周知の方法のうちのいずれかによって評定され得る。このような方法の非限定的な例には、分泌タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞質タンパク質、または核タンパク質を検出するための免疫学的方法、タンパク質精製方法、タンパク質機能または活性アッセイ、ミスマッチ領域、すなわち、変異体または多様体の領域を消化して、結果として得られる消化された断片から変異体または多様体を分離及び特定する「ミスマッチ切断」ステップを任意に含む、核酸ハイブリダイゼーション法(Myers,et al.(1985)Science 230:1242)、核酸逆転写法、ならびに核酸増幅法及び増幅産物の分析が挙げられる。これらの方法は、遺伝子アレイ/チップ技術、RT−PCR、例えば、GLPに認可された実験室条件下でのTAQMAN(登録商標)遺伝子発現アッセイ(Applied Biosystems,Foster City,CA)、原位置ハイブリダイゼーション、免疫組織化学法、免疫ブロット法、FISH(蛍光原位置ハイブリダイゼーション)、FACS分析、ノーザンブロット、サザンブロット、INFINIUM(登録商標)DNA分析ビーズチップ(Illumina,Inc.,San Diego,CA)、定量PCR、細菌人工染色体アレイ、単一ヌクレオチド多型(SNP)アレイ(Affymetrix,Santa Clara,CA)、または細胞遺伝学的分析を含む。
2つの核酸間の少なくとも1つのヌクレオチドの違いを検出するための技法の例として、選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー伸長が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、オリゴヌクレオチドプローブが調製され得、そこで、既知の多型ヌクレオチドが中心に置かれ(対立遺伝子特異的プローブまたは変異体特異的プローブ)、次いで、完全一致が見られる場合のみ、ハイブリダイゼーションを許容する条件下で標的DNAにハイブリッド形成され得る(Saiki et al.(1986)Nature 324:163)、Saiki et al(1989)Proc.Natl Acad.Sci USA 86:6230、及びWallace et al.(1979)Nucl.Acids Res.6:3543)。このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション技法を使用して、NRASの異なる多型または変異領域におけるいくつかのヌクレオチドの変化を同時に検出することができる。例えば、特定の対立遺伝子の多様体または変異体のヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドは、固体支持体、例えば、ハイブリッド形成する膜及びこの支持体、例えば、膜に結合され、次いで、標識試料核酸とハイブリッド形成される。このため、ハイブリダイゼーションシグナルの分析は、試料核酸のヌクレオチドの同一性を明らかにすることができる。
実験手順
以下の例は、本発明を例示する目的で示され、本発明の範囲を制限するものであると解釈されるべきではない。
本明細書に記載される薬学的に許容されるポリマー組成物を含む多成分薬学的剤形の製造。
実施例1:固体分散押出成形物の調製のための実験手順
手順1:
1,200グラムの化合物1及び1,800グラムのコポビドン(例えば、Kollidon VA64、BASF)を正確に検量し、好適な篩(例えば、12メッシュ)でスクリーニングし、325rpm±25rpmで作動する高剪断混合器(例えば、Vector GMX−25高剪断混合器)を使用して約5分間混合して、事前押出配合粉末を形成した。
好適な2軸熱溶融押出機(例えば、Leistritz ZSE−18HP)を、冷却コンベヤー(例えば、Dorner Cooling Conveyor)及びオーガ付き供給装置(例えば、K−Tron Gravimeteric Feeder)を含む適切な支援機器を用いて設定した。プロセスパラメータは以下の通りであった:
供給速度:1.0kg/時間(範囲:0.5〜1.5kg/時間)、
スクリュー回転数:250rpm(範囲:225〜275rpm)、
バレル温度:ゾーン1:50±5℃、ゾーン2:90±5℃、ゾーン3:140±5℃、ゾーン4:170±5℃、ダイヒーター:165±10℃
事前押出配合粉末の3つのバッチを熱溶融押出機に供給し、結果として得られる押出成形物を冷却し、9,000±1,000rpmで作動するハンマー前進構成を用いる好適な衝撃式製粉機を使用して(例えば、FizmillモデルL1A)製粉した。製粉した押出成形物を、手動で好適なスクリーン(例えば、60メッシュ)を通過させた。
手順2:
2,000グラムの化合物1及び3,000グラムのコポビドン(例えば、Kollidon VA64、BASF)を正確に検量し、好適な篩(例えば、12メッシュ)でスクリーニングし、325rpm±25rpmで作動する高剪断混合(例えば、POWREX VG−50高剪断垂直造粒機)を用いて約10分間混合して、事前押出配合粉末を形成した。
好適な2軸熱溶融押出機(例えば、Leistritz ZSE−18HP)を、冷却コンベヤー(例えば、Dorner End Drive Conveyor)及びオーガ付き供給装置(例えば、K−Tron Gravimeteric Feeder)を含む適切な支援機器を用いて設定した。プロセスパラメータは以下の通りである:
供給速度:1.0kg/時間(範囲:0.5〜1.5kg/時間)、
スクリュー回転数:250rpm(範囲:225〜275rpm)、
バレル温度:ゾーン1:50±5℃、ゾーン2:90±5℃、ゾーン3:140±5℃、ゾーン4:170±5℃、ダイヒーター:165±10℃。
事前押出配合粉末の2つのバッチを熱溶融押出機に供給し、結果として得られる押出成形物を冷却し、6,000rpm±100rpmで作動するハンマー前進構成を用いる好適な衝撃式製粉機(例えば、FizmillモデルM5A)を使用して製粉した。製粉した押出成形物を、手動で、または自動篩振盪機(例えば、Kason篩振盪機)を使用して、好適なスクリーン(例えば、60メッシュ)を通過させた。
手順3:
4,400グラムの化合物1及び6,600グラムのコポビドン(例えば、Kollidon VA64、BASF)を正確に検量し、200rpmで作動する高剪断混合(例えば、Diosna P100高剪断垂直造粒機)を使用して約10分間混合して、事前押出配合粉末を形成した。
好適な2軸熱溶融押出機(例えばLeistritz ZSE−18HP)を、冷却コンベヤー(例えば、Nara TBC−309−DC)及びオーガ付き供給装置(例えば、K−Tron Gravimeteric Feeder)を含む適切な支援機器を用いて設定した。プロセスパラメータは以下の通りである:
供給速度:1.0kg/時間(範囲:0.5〜1.5kg/時間)、
スクリュー回転数:275rpm(範囲:250〜300rpm)、
バレル温度:ゾーン1:50±10℃、ゾーン2:90±10℃、ゾーン3:140±10℃、ゾーン4:175±10℃、ダイヒーター:175±10℃。
事前押出配合粉末を熱溶融押出機に供給し、結果として得られる押出成形物を冷却して、マルチピンロータ及び好適なスクリーンを備える10,000rpmで作動する好適な粉砕機(例えば、0.5mmスクリーンを備えるNARA Sample mill SAM)を使用して製粉した。
実施例2:化合物1の組成物の20mgの錠剤に対する実験手順
1,700グラムの篩分けした押出成形物(手順1より)、5,950グラムの微結晶セルロース(例えば、Avicel PH 102、FMC Biopolymer)、425.0グラムのクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol(登録商標)、FMC Biopolymer)、及び382.5グラムのコロイド状二酸化ケイ素を正確に検量した。押出成形物、クロスカルメロースナトリウム、及びほぼ半分の微結晶セルロースを拡散混合器(例えば、Bohle LM40 Bin Blender)に投入した。コロイド状二酸化ケイ素を残りの微結晶セルロースと組み合わせて、好適なスクリーン(例えば、40メッシュ)を通してスクリーニングし、混合器に投入した。次いで、粉末を25rpmで10分間配合し、事前配合粉末を生成した。42.5グラムのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt)を正確に検量し、好適なスクリーン(例えば、30メッシュ)でスクリーニングし、事前配合物と25rpmで5分間配合して、最終配合粉末を生成した。最終配合粉末を9mmの丸パンチを用いて回転式錠剤作製機(例えば、Stokes B2 16ステーション錠剤プレス機)で圧縮し、重量が250mgの錠剤を生成した。
実施例3:化合物1の組成物の100mgの錠剤に対する実験手順
3,400グラムの篩分けした押出成形物(手順1より)、3,995グラムの微結晶セルロース(例えば、Avicel PH 102、FMC Biopolymer)、680.0グラムのクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol(登録商標)、FMC Biopolymer)、及び382.5グラムのコロイド状二酸化ケイ素を正確に検量した。押出成形物、クロスカルメロースナトリウム、及びほぼ半分の微結晶セルロースを拡散混合器(例えば、Bohle LM40 Bin Blender)に投入した。コロイド状二酸化ケイ素を残りの微結晶セルロースと組み合わせて、好適なスクリーン(例えば、40メッシュ)を通してスクリーニングし、混合器に投入した。次いで、粉末を25rpmで10分間配合し、事前配合粉末を生成した。42.5グラムのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt)を正確に検量し、好適なスクリーン(例えば、30メッシュ)でスクリーニングし、事前配合物と25rpmで5分間配合して、最終配合粉末を生成した。最終配合粉末を、回転式錠剤作製機(例えば、Stokes B2 16ステーション錠剤プレス機)18mmx8mmのカプレットパンチで圧縮し、重量が625mgの錠剤を生成した。
6,600グラムの篩分けした押出成形物(手順2より)、7,755グラムの微結晶セルロース(例えば、Avicel PH 102、FMC Biopolymer)、1,320グラムのクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol(登録商標)、FMC Biopolymer)、及び742.5グラムのコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Aerosil 200、Evonik)を正確に検量した。押出成形物及びクロスカルメロースナトリウムを拡散混合器(例えば、Showa Kagaku Kikai Kosakusho TM−60S)に投入した。コロイド状二酸化ケイ素を微結晶セルロースと組み合わせて、好適なスクリーン(例えば、30メッシュ)を通してスクリーニングし、混合器に投入した。次いで、粉末を15rpmで5分間配合し、事前配合粉末を生成した。82.5グラムのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt)を正確に検量し、好適なスクリーン(例えば、30メッシュ)でスクリーニングし、事前配合粉末と15rpmで2分間配合して、最終配合粉末を生成した。最終配合粉末を、18mmx8mmのカプレットパンチを用いて回転式錠剤作製機(例えば、Kikusui Seisakusho,Ltd AQUARIUS)で圧縮し、重量が625mgの錠剤を生成した。
実施例4:化合物1の組成物の20mgのフィルムコーティング錠剤に対する実験手順
2,000グラムの押出成形物(手順3より)、7,400グラムの微結晶セルロース(例えば、Avicel PH 101、FMC Biopolymer)、500.0グラムのクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol(登録商標)、FMC Biopolymer)、及び50.0グラムのコロイド状二酸化ケイ素を正確に検量した。コロイド状二酸化ケイ素及び一部の微結晶セルロースを拡散混合器(例えば、10Lの混合容器を備えるBohle LM40 Bin Blender)に投入して、6rpmで5分間配合した。粉末を好適なスクリーン(例えば、篩サイズ0.5mm)を通してスクリーニングし、好適な拡散混合器(例えば、40Lの混合容器を備えるBohle LM40 Bin Blender)に投入した。押出成形物、クロスカルメロースナトリウム、及び残りの微結晶セルロースを混合器に投入した。粉末を6rpmで15分間配合し、事前配合粉末を生成した。50.0グラムのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt)を正確に検量し、好適なスクリーン(例えば、篩サイズ1.0mm)でスクリーニングし、事前配合物と6rpmで5分間配合して、最終配合粉末を生成した。最終配合粉末を9mmの丸パンチを用いて回転式錠剤作製機(例えば、Korsch XL 100)で圧縮し、重量が250mgのコア錠剤を生成した。その後、840.0グラムのOPADRY(登録商標)RED 03F45081及び6,160グラムの精製水をタンクに添加し、撹拌してスプレー懸濁液を調製した。コア錠剤を好適なフィルムコーティング機(例えば、Driacoater Vario 500/600)に投入し、1錠剤当たりのコーティング量が10.5mgに達するまでスプレー懸濁液でコーティングした。
実施例5:化合物1の組成物の70mgのフィルムコーティング錠剤に対する実験手順
3,241グラムの押出成形物(手順3より)、5,859グラムの微結晶セルロース(例えば、Avicel PH 101、FMC Biopolymer)、800.0グラムのクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol(登録商標)、FMC Biopolymer)、及び50.0グラムのコロイド状二酸化ケイ素を正確に検量した。コロイド状二酸化ケイ素及び一部の微結晶セルロースを拡散混合器(例えば、10Lの混合容器を備えるBohle LM40 Bin Blender)に投入して、6rpmで5分間配合した。粉末を好適なスクリーン(例えば、篩サイズ0.5mm)を通してスクリーニングし、好適な拡散混合器(例えば、40Lの混合容器を備えるBohle LM40 Bin Blender)に投入した。押出成形物、クロスカルメロースナトリウム、及び残りの微結晶セルロースを混合器に投入した。粉末を6rpmで15分間配合し、事前配合粉末を生成した。50.0グラムのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt)を正確に検量し、好適なスクリーン(例えば、篩サイズ1.0mm)でスクリーニングし、事前配合物と6rpmで5分間配合して、最終配合粉末を生成した。最終配合粉末を、9mmx14mmの楕円形パンチを用いて回転式錠剤作製機(例えば、Korsch XL 100)で圧縮し、重量が540mgのコア錠剤を生成した。その後、667.0グラムのOPADRY(登録商標)Yellow 03F42240及び4,889グラムの精製水をタンクに添加し、撹拌してスプレー懸濁液を調製した。コア錠剤を好適なフィルムコーティング機(例えば、Driacoater Vario 500/600)に投入し、1錠剤当たりのコーティング量が18.0mgに達するまでスプレー懸濁液でコーティングした。
実施例6:化合物1の組成物の100mgのフィルムコーティング錠剤に対する実験手順
4,000グラムの押出成形物(手順3より)、5,100グラムの微結晶セルロース(例えば、Avicel PH 101、FMC Biopolymer)、800.0グラムのクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol(登録商標)、FMC Biopolymer)、及び50.0グラムのコロイド状二酸化ケイ素を正確に検量した。コロイド状二酸化ケイ素及び一部の微結晶セルロースを拡散混合器(例えば、10Lの混合容器を備えるBohle LM40 Bin Blender)に投入して、6rpmで5分間配合した。粉末を好適なスクリーン(例えば、篩サイズ0.5mm)を通してスクリーニングし、好適な拡散混合器(例えば、40Lの混合容器を備えるBohle LM40 Bin Blender)に投入した。押出成形物、クロスカルメロースナトリウム、及び残りの微結晶セルロースを混合器に投入した。粉末を6rpmで15分間配合し、事前配合粉末を生成した。50.0グラムのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt)を正確に検量し、好適なスクリーン(例えば、篩サイズ1.0mm)でスクリーニングし、事前配合物と6rpmで5分間配合して、最終配合粉末を生成した。最終配合粉末を、9mmx16mmの楕円形パンチを用いて回転式錠剤作製機(例えば、Korsch XL 100)で圧縮し、重量が625mgのコア錠剤を生成した。その後、224.0グラムのOPADRY(登録商標)RED 03F45081、448.0グラムのOPADRY(登録商標)Yellow 03F42240、及び4,928グラムの精製水をタンクに添加し、撹拌してスプレー懸濁液を調製した。コア錠剤を好適なフィルムコーティング機(例えば、Driacoater Vario 500/600)に投入し、1錠剤当たりのコーティング量が21.0mgに達するまでスプレー懸濁液でコーティングした。
実施例7:熱溶融押出固体分散担体の開発
化合物1の可溶性が限られているため、本発明の薬学的組成物を生成するために幅広い範囲の開発作業を必要とした。可溶性、溶解、及び安定性に関する重要な検査を含む事前製剤試験は、製剤開発のためのストラテジーとして固体分散体の最初の特定をもたらした。事前製剤作業に続いて、いくつかの異なるタイプの固体分散体を評価した。例えば、沈殿しない徐放出の原薬と組み合わせるために樹脂との複合物を試みて、多くの異なる型のポリマー(固体系及び非固体系)、界面活性剤、及び可塑剤を含む組成物も調製し、溶解特性及び安定性を試験した。これらの固体分散体を、最初に溶媒蒸発によって調製した。後に、製造中の溶媒の使用を避けるために熱溶融押出を試みた。
材料によって提供される改善した経口バイオアベイラビリティのため、化合物1の固体分散体の好ましい製造方法が溶融押出であることが分かった。さらなるポリマー型及び他の賦形剤を調査するためにさらなる実現可能性試験を行った。ポリマー型及び熱溶融押出中の薬物充填の最適化は、原薬のラセミ化及び結晶化を回避するために極めて重要であった。供給速度及びゾーン温度等の極めて重要なプロセスパラメータが固体分散体の極めて重要な製品特質(非晶質性、キラル純度)に重大な影響を有することも分かった。
試験は、化合物1の固体分散押出成形物の生成に熱溶融押出を使用した際に、高レベルのキラル不純物(化合物1のS−エナンチオマー)が観察されたことを示した。ポロキサマー及びポリソルベート等の加工添加剤の組み込みは、キラル不純物形成のレベルをほとんど低下させなかった。表Eは、いくつかの固体分散組成物の効力、キラル純度、非シンク溶解、及びガラス転移値を評価するために行われた1つの試験の結果を示す。キラル不純物の形成のレベルが低いため、分散のための一次ポリマーとしてコポビドン(Kollidon(登録商標)VA 64)を選択した。化合物1(所望のR−異性体)の量を高速液体クロマトグラフィーで測定した。
バイオシミラー媒体を用いて改変遠心分離法を使用して非シンク溶解検査を実施した。簡潔に言えば、固体分散体と等量の約4.0mgの化合物1を正確に検量し、0.5重量/重量%の胆汁酸塩(NaTC、POPC)、pH6.5リン酸塩媒体を含む遠心分離バイアル中に分散し、250rpmの振盪下で貯蔵した。既定の時点で、遠心分離バイアルを13,000rpmで回転させ、HPLCによる分析用に25マイクロリットルの上清を非復元抽出した。材料を再懸濁するために、37℃で維持される培養振盪機システムに戻す前に、残りの材料を、簡単に渦を巻いて混合した。
ダイヤモンドDSCを使用して示差走査熱量測定(DSC)で試料を分析した。10℃/分の傾斜率を使用して25℃〜225℃、及び約8mgの試料サイズで全ての試料を分析した。第2の加熱サイクルの分析によって自然ガラス転移温度を得た。
実施例8:加工添加剤
Kollidon(登録商標)VA 64担体を使用する表Eから選択される製剤(バッチ 2、5、及び12)を一カ月間にわたり加速(40℃/75%RH)開放皿安定下に置き、表面再結晶化の可能性を評定するために走査電子顕微鏡法で検査した。Tween 80及びポロキサマー407等の加工添加剤を含有する組成物の表面画像は、再結晶化の兆候を示した。この挙動の規模は、選択される添加剤の種類に著しく影響された。ポロキサマー407を含有する組成物は、貯蔵期間にわたって実質的な表面再結晶化を呈し、一方Tween 80を使用する製剤は、再結晶化の最小の可能性のみを示した。加工助剤を用いずに生成される固体分散体は、再結晶化の兆候を示さない優れた非晶質安定性を呈した。
表Eの非イオン性界面活性剤ポロキサマー407を含む及び含まないKollidon(登録商標)VA 64組成物(バッチ2及び12)も、カニクイザルにおける経口バイオアベイラビリティの強化に関して評価した。この組成物を化合物1(R−エナンチオマー)の25mg/体重1kgの標的用量を達成するまで投与した。製剤開発結果は、これらの組成物が同様の生理化学特性を提供し、同様の非シンク溶解挙動ももたらしたことを示した。ポロキサマー407を含有する第2のバッチは、ZSE−18mm押出機を使用してこの投薬実験用に生成された(最初のバッチはNano−16押出機を使用して生成された)。さらに、組成物の崩壊を強化するために、全ての投薬されたカプセルは、4.0%の充填量でPolyplasdone XL−10(クロスポビドン)を含有した。この第2のバッチは、同等の製剤に関して前に記載されたものと同様の効力及びキラル不純物レベルをもたらしたが、しかしながら、ポロキサマー407を含まない製剤(バッチ2)と比較して著しく低減された経口バイオアベイラビリティを示した。試験した製剤は、ポロキサマー407を含まない製剤及びポロキサマー407を含有する製剤に対してそれぞれ、104%±33%及び38%±19%の相対的な経口バイオアベイラビリティを示した。
実施例9:バイオアベイラビリティ試験
カニクイザルにおける経口バイオアベイラビリティを支持するように錠剤及びカプセル剤形を調製した。各バッチの製剤は、組成特質とともに以下の表Fに示される。
動物試験を支持するように調製された錠剤を、100mgの化合物1の標的送達を達成するように押出成形物の測定効力及びキラル純度に基づいて調整した。錠剤及びカプセルの両方の力価を、押出成形物の測定されたキラル不純物レベルを構成するように約103.5%で検査した。化学的純度に関連する組成特質(表G)は、生成された剤形が、製造プロセスによって著しい分解が誘発されない強固な生成物を提供したことを示した。
固体分散組成物の非晶質性をXRPDで評定し、各構成原材料及びそれぞれの剤形に対する代表的な回析パターンを図2に示した。結果は、ステアリン酸マグネシウム及び結晶性化合物1のみが、それらの結晶質性を示す特性ピークを生成したことを示す。組成物中の他の材料は、結晶性構造に関連付けられる特性ピークがないことから、非晶質であるとみられた。両方の組成物の検査は、この試験用に調製された材料が非晶質であり、製剤中の主要な非晶質賦形剤の非晶質ハローの特性を実証したことを示した。これらの結果に基づいて、調製された組成物は、非晶質であるとみられた。
シンク溶解を用いて生成された組成物の溶解挙動も評定し、プロファイルを図3に示した(菱形=錠剤、四角形=カプセル)。化合物1錠剤は、急速溶解を示した。カプセル製剤は、錠剤製剤に比べて落ち着いた放出を示した。
25mg/kgの概算用量でカニクイザル(n=3)において前臨床バイオアベイラビリティ試験を行い、熱溶融押出及び噴霧乾燥によって調製された錠剤及びカプセル剤形の経口バイオアベイラビリティを評定した。溶融押出組成物は、噴霧乾燥製剤と比較して優れたAUC値を提供することが示された。製剤の各々に対する平均血漿プロファイルが図4に示される。
実施例10:高剪断混合は効力のバラツキを低減する
押出プロセスの連続性質により、効力のバラツキは、安定した製造手順をもたらすために最小に保持されなければならない。初期開発の進行中に、加工中の供給原料の質量平衡及び示唆される不均一性に基づいて説明できないバッチ内の著しい効力のバラツキが観察された。初期開発バッチの調製に関して、袋での配合手順を使用し、化合物1及びKollidon(登録商標)VA 64をポリエチレンの袋に加えて、最大5分間にわたって手動で撹拌した。いったんバッチ内の効力変動性が観察されると、手順を変更し、18メッシュスクリーンを通して両方の成分をスクリーニングし、1,500rpmで2分間、高剪断混合器中で混合することによって供給原料を調製した。図5に示される力価の遡及比較は、高剪断混合の使用が効力のバラツキを著しく抑えることを示した。
実施例11:錠剤崩壊
予備崩壊試験のため、錠剤を、それぞれ62.5%及び80%の押出成形レベルを有する配合バッチから、4.8、6.9、6.2、及び13.9kNの圧縮力で10.0mmの丸い標準的な凹形工具を使用して、100mgの強度で手動で調製した。圧縮に用いられる力は、10.0±5.0kPの概算硬度値の錠剤をもたらすように選択された。疑似胃液を使用して崩壊検査を行い、性能を評定した。原型バッチの検査からの結果は、選択された試料に対して180分を超える測定時間で限られた崩壊を示した。固体分散体充填量を順次低下させ、使用される希釈剤及び超崩壊剤のグレードも修正することによって、さらなる最適化を行った。この試験に関して、表Hに示されるように4つの製剤修飾及び2つの工具種類を調査した。結果は、62.5%から50%への固体分散体充填量の低減が崩壊性能の著しい改善を提供し、
40%にさらに低減した場合、さらなる改善が観察されたことを示した。
実施例12:圧縮最適化
手動錠剤プレス機を使用して各製剤の圧縮頑強性を試験し、極めて重要なプロセスパラメータ(ドウェル時間及び圧縮力)ならびに崩壊時間及び錠剤硬度の影響を評定した。この試験のため、表Iに示される各々極めて重要なプロセスパラメータのレベルを変えた2つのレベルの要因計画を実現した。
各製剤条件に対する極めて重要な製品特質を評価し、結果を表Iに示した。両方の製剤は、圧縮力及びドウェル時間の両方に依存する錠剤硬度値を呈した。両方の製剤の崩壊挙動は急速であり、測定された崩壊時間は全ての試験錠剤に関して5分未満であった。
実施例13:患者の治療
「転移性黒色腫を患う患者における用量拡大期が続く、再発性または難治性固形腫瘍を患う患者における化合物1のオープンラベル第I相用量漸増試験」
これは、第1相多施設非無作為化オープンラベル用量漸増試験である。この試験は、進行性の固形腫瘍(リンパ腫を除く)(用量漸増及びPK拡大コホート)または局所進行性、転移性、及び/若しくは切除不能な黒色腫(黒色腫拡大コホート)、ならびにさらなる固形腫瘍を患う18歳以上の患者において行われる。
QW群は、28日周期で週1回(1日目、8日目、15日目、及び22日目に)、400mgの初期化合物1用量を検査する。患者は、化合物1の用量を摂取する少なくとも2時間前及び少なくとも2時間後に絶食する(水を除く)。患者は、疾患が進行するまで、毒性が許容されなくなるまでは、または任意の他の理由により患者が継続しなくなるまで、さらなる周期にわたって治療を継続してもよい。治療の最長期間は、患者が12カ月間を超える持続的療法から利益を得ることが判明しない限り、12カ月間である。
QW用量拡大期:いったんMTD及び/またはRP2DのQW化合物1が決定されると、試験は、QW用量拡大期に続く。用量拡大期は、約16名の患者(1コホート当たり最大16名の患者)を登録し、1コホートは、MEK若しくはRAF阻害剤を受けたことがない局所進行性、転移性、及び/または切除不能なNRAS変異陽性黒色腫を患う患者であり、1コホートは、BRAF変異陽性甲状腺癌、結腸直腸癌、または非小細胞肺癌を患う患者である。個々の用量拡大コホートは、発生データに基づいて試験依頼者の裁量で連続してまたは並行してオープンまたはクローズであってもよい。
QW用量拡大期の患者は、疾患が進行するまで、毒性が許容されなくなるまで、または任意の他の理由により患者が継続しなくなるまでは、28日周期にわたり経口でQW、化合物1を摂取する。治療の最長期間は、患者が12カ月間を超える持続的療法から利益を得ることが判明しない限り、1年間である。
実施例14:BRAF及び/またはNRASマーカーの測定方法
BRAF PCRベースのアッセイ(供給元:Qiagen、カタログ番号:870801)BRAF RGQ PCR Kit v2は、ARMS(登録商標)及びスコーピオン(登録商標)の2つの技術を組み合わせて、リアルタイムPCRアッセイで変異を検出する。このアッセイは、BRAFV600変異V600E(GAG)及びV600E複合体(GAA)、V600D(GAT)、V600K(AAG)、V600R(AGG)を検出する。このキットは、V600E(GAG)及びV600E複合体(GAA)の存在を検出するが、これらを区別することはできない。
ARMS
特定の変異配列が、変異DNAに一致するように設計される対立遺伝子特異的プライマーによって選択的に増幅される。
スコーピオン
スコーピオンを使用して増幅の検出を実施する。スコーピオンは、蛍光標識されたプローブ(すなわち、FAM(商標)またはHEX(商標))及びクエンチャーに共有結合されたPCRプライマーである。PCRの間、プローブがアンプリコンに結合すると、フルオロフォア及びクエンチャーが分離され、蛍光シグナルの増加をもたらす。
手順
BRAF RGQ PCR Kit v2は、2つのステップ手順を含む。第1のステップでは、対照アッセイを実施して、試料中の全増幅可能なBRAF DNAを評定する。第2のステップでは、変異及び対照アッセイの両方を実施して、変異体DNAの存在または不在を判定する。
●対照アッセイ
FAMで標識された対照アッセイを使用して、試料中の全増幅可能なBRAF DNAを評定する。対照アッセイは、BRAF遺伝子のエクソン3の領域を増幅する。プライマー及びスコーピオンプローブは、任意の既知のBRAF多型とは関係なく増幅するように設計される。
●変異アッセイ
各変異アッセイは、野生型DNAと特定の変異体DNAとを区別するためのFAMで標識されたスコーピオンプローブ及びARMSプライマーを含有する。
データ分析:ΔCt法
スコーピオンリアルタイムアッセイは、反応の開始時に存在する標的分子の一つの指標として、バックグラウンドシグナルを上回る蛍光シグナルを検出するために必要な数のPCRサイクルを使用する。バックグラウンド蛍光を上回ってシグナルが検出される点を、「サイクル閾値」(Ct)と呼ばれる。
試料のΔCt値は、変異アッセイCtと同じ試料からの対照アッセイCtとの間の差として計算される。試料がそのアッセイに対するカットオフΔCt値よりも小さいΔCtをもたらす場合、試料は変異陽性と分類される。この値を上回ると、試料は、キットによって検出可能な割合を下回る変異を含有するか(アッセイの限界を超える)、または試料は変異陰性であるかのいずれかである。
ARMSプライマーを使用する場合、いくつかの非効率的なプライミングが生じ、変異を含有しないDNAから非常に遅いバックグラウンドCtをもたらす。バックグラウンド増幅から計算される全てのΔCt値は、カットオフΔCt値を超え、試料は変異陰性と分類される。
各試料に関して、ΔCt値は、次のように計算され、変異Ct値及び対照Ct値が同じ試料からであることを確実にする:
ΔCt={試料変異Ct}−{試料対照Ct}
試料対照Ctは、27〜33の範囲であってもよい。
試料変異Ctは、15〜40の範囲であってもよい。
変異体細胞に対して許容可能なΔCtは、<6または7である。
NRAS変異の測定方法は、上でBRAFに関して記載されるものと類似している。NRAS Q61変異の検出のためのQiagen NRASアッセイは、以下を含む。
Q61K(181 C>A)
Q61R(182 A>G)