JP2017506569A - 光線治療のための正弦波駆動システム及び方法 - Google Patents

光線治療のための正弦波駆動システム及び方法 Download PDF

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Abstract

光線治療LEDパッドのLEDは、LED光の強度が正弦波関数に従って変化するように制御される。これにより、LEDを矩形波関数に従ってデジタル的にパルス化したときに発生する高調波を排除することができる。このことは、正弦波を用いてLEDに直列接続されたMOSFETのゲートを制御することにより、または、デジタル/アナログ変換器を使用して正弦波関数の所定間隔での値を代表する階段関数に従ってMOSFETのゲートを制御することにより、アナログ的に実現される。あるいは、パルス幅変調を用いて、LEDを流れる平均電流が正弦波関数をシミュレートするようにMOSFETのゲートを制御する。シンプルな正弦波関数を用いることに加えて、周波数が互いに異なる複数の正弦波を含む「コード」に従ってLED電流を制御してもよい。【選択図】図33

Description

本発明は、光生物学的変調、光線治療及び生物共振を含む医学的適用のためのバイオテクノロジーに関する。
導入
バイオフォトニクス(Biophotonics)は、光子(フォトン)すなわち光の電子制御及び光子と生きた細胞及び組織との相互作用に関連する生物医学分野である。バイオフォトニクスには、手術、イメージング、バイオメトリクス、疾患検出、光線治療が含まれる。光線治療は、損傷、疾患、及び免疫系の苦痛との闘いを含む医学的治療を目的とした光量子、通常は赤外光、可視光及び紫外光の制御された適用である。より具体的には、光線治療は、生きた細胞及び組織のエネルギーの移動及び吸収挙動を制御するべく、治療を受ける細胞及び組織を、連続的または繰り返し不連続パルスのいずれかである特定の光波長の光子の流れにさらすステップを含む。
パルス光線治療技術の歴史
1世紀以上の間、医師、研究者及びアマチュア実験者たちが、紫外可視光、赤外光、熱、マイクロ波、電波、交流(特に微弱電流)、超音波及び音波を含む非電離エネルギーに対する生きた細胞及び組織の応答にわずかばかり取り組んできた。多くの場合、エネルギー源は振動またはパルスで変調され、エネルギーの安定利用によって生じる効果とは異なる「生物学的変調」効果を生じさせると報告されている。有名な科学者であり交流の父であるニコラ・テスラでさえも、AC技術及び振動エネルギーの想定される利益を見せるための芝居がかった公開デモンストレーションにおいて自分自身を高周波数変調された電気ショックまたは「落雷」にさらしていたことが知られている。残念ながら、全ての興味及び活動にもかかわらず、これらの大々的に扱われた制御不良の実験の結果は、一定の振動指向エネルギーを用いた細胞間相互作用の総合的体系的知識を生むのではなく、科学、疑似科学、神秘主義及び宗教の混沌とした自己矛盾さえする融合体を生み出した。これらの相反する、時には膨大な主張、今日の出版物、論文及びウェブサイトを広めることは、ハードサイエンス及びバイオテクノロジー研究からホリスティック医学及びスピリチュアリズムに及び、多くの場合、単に顧客の気を引いて商品の販売を促進するためのセンセーショナルな疑似科学(技術的な根拠を欠いている)である。
局所的には、今日の指向性エネルギー治療への最も大きな興味は治癒(すなわち光線治療)のための低レベルのパルス光に集中しているが、動物及びヒト組織の治癒プロセスに与える振動エネルギーの影響に関する最も初期の研究は、光を利用しておらず、代わりに正弦波微弱電流で組織を刺激することを必要としていた。1950年代半ばに鍼師ポール・ノジェ博士によって行われた、この十分に立証されていない実験に基づく研究は、特定の周波数が他の周波数よりも速く治癒を促進しかつ組織特異性を示すと結論付けた。これらの研究は、0(DC)ないし20kHzの可聴域周波数範囲で行われた。
用いられた治療条件及び装置の明確な文書はなく、出願人らの知る限りでは、ノジェ博士の実験及びその結果の検証の正確な科学的再現は起こっておらず、引用された公開論文に科学技術的報告は現れていない。よって、疾患を治療しかつ痛みに対処する特別な方法を構成するのではなく、報告されているノジェ博士の観察は、当分野の後続の調査及び開発において、ロードマップ、すなわち、次の前提を含む一連の指針としての役割を果たした。
・ヒト患者においては、負傷または病変組織及び患者の感知される痛みの治癒は、電気刺激の発振周波数(特に292Hzまたは音名「D」)によって変化する。
・20kHz及びそれ以下の可聴範囲にある特定の周波数が、その他の周波数よりも、様々な組織及び器官を促進するようである。すなわち、組織特異性は周波数に依存している。
・所与の周波数を2倍にした場合、組織特異性、効果、有効性において、元の周波数と同じように振る舞うようである。
最後の箇条書きにおいて、周波数の偶数倍が同じように振る舞うことが細胞生物学及び生理学的プロセスにおける高調波の挙動を暗示していることに言及しているのは興味深い。そのような高調波の挙動は、ピアノ及びその鍵盤のデザインに類似しており、ここで、周波数を2倍または半分にすることは、音楽的に、元の音名よりも1オクターブすなわち8音高いかまたは低い同じ音名と等しい。また、「偶数次」高調波の報告された利益は、偶数次高調波が、奇数次高調波を示す回路またはシステムよりも、エネルギーをより効率的に結合し、かつより予想通りに振る舞うことを示す物理系の数学的解析と一致する。
ノジェ博士の観察は、(特に光線治療への適用性において)医学研究者の間で本格的な研究テーマとなったが、ノジェ博士の観察には、生命が1つの純周波数を含み、当該周波数を妨げる何かが疾患や損傷を表し、これらの悪い周波数を排除または相殺することで何らかの形で健康を回復するという、非常に疑わしい形而上学的かつ宗教的原理を助長する過熱気味の狂信的な主張も含まれている。健康を維持するためのそのような懐疑的な主張が科学的に覆されてきたにもかかわらず、この理論の提案者たちは、より健康でより長寿命のためにいわゆる「生物共振」を用いて人々の健康的な周波数を「強化」するための利益のある製品やサービスを提供し続けている。
本願の文脈の中で、本明細書における生物共振の検討は、言葉のこの形而上学的な解釈に言及するものではなく、代わりに、光生物学的変調によって生じる細胞及び組織における十分に定義された生化学プロセスに言及する。実際には、科学的測定値は、1つではなく多数の周波数が人体に同時に共存することを明らかにしている。これらの測定された周波数は、ランダムなもの、固定周波数、時間的に変化するものがあるが、大部分は音声スペクトル内、すなわち20kHz以下に存在する。これらの自然発生の周波数には、心機能を制御するECG信号、思考を制御する脳内のEEG信号、視神経によって運ばれる可視信号、末梢筋肉において時間的に変化する筋肉刺激、腸及び子宮における蠕動筋肉収縮、中枢神経系及び脊髄によって運ばれる触感覚からの神経インパルス、及びさらに多くのものが含まれる。同様の信号は、ヒト、他の哺乳類及び鳥類において観察される。よって、明らかに、生活のための健康状態を一様に説明する1つの周波数は存在しない。
1960年代後半を起点として、ロシア人とチェコ人が先駆者となり医学的関心が微弱電流から光線治療へ変わり、その後1980年代には米国でNASAの委託研究が行われた。低レベル光治療(LLLP)としても知られている光線治療を研究する過程で、変調周波数の同じ疑問が生じ、光線治療のためのパルス光と連続照射を比較した。数々の努力は、主として可聴範囲内、すなわち20kHz以下の周波数の赤色及び赤外パルス光に集中した。
数多くの研究及び臨床試験において、光線治療のための連続波治療と様々なパルス赤外レーザ法が比較されてきた。論文誌Lasers Surg. Med. August 2010, volume 42(6), pp. 450-466の"Effect of Pulsing in Low-Level Light Therapy"(非特許文献1)において、マサチューセッツ総合病院、ハーバード大学医学大学院及び他の病院に属する著者及び医師ハシミら(Hashmi et al.)は、9つのパルス波(PW)及び連続波(CW)試験の直接比較試験を批評的にレビューした。これらの試験のうち、6つの研究はパルス治療が連続照射よりも優れていることを示しており、2つの事例においてのみ連続波治療が光パルスよりも優れていた。しかし、これらの公開された研究では、治療効果のための最適パルス条件を定義する同意または合意には至っていない。
パルス光による光線治療が連続光よりも優れていることを示す1つのそのような研究である、2011年9月10日に発行されたレーザ・メディカル・サイエンス(Laser Medical Science)のX.ウーら(X. Wu et al.)による "Comparison of the Effects of Pulsed and Continuous Wave Light on Axonal Regeneration in a Rat Model of Spinal Cord Injury" (非特許文献2)は、神経修復のテーマに取り組んでいる。抜粋すると、その導入において、「光療法(LT)は、動物試験及び臨床試験の両方において損傷及び疾患並びに中枢神経系の疾患の実行可能な治療として研究されてきた。インビボ研究に基づき、LTは、脊髄損傷(SCI)、外傷性脳損傷、脳卒中及び神経変性疾患の治療に有益な効果があった。」と述べられている。
この研究は、このとき、その効果を、SCIに対する連続波(CW)光療法対パルス波(PW)治療の比較に集中させていた 。ラットに対して、SCI手術から15分間以内に、808nmの(赤外)ダイオードレーザを50分間経皮的に照射し、その後も毎日、連続14日間にわたって照射した。長い検討の後、著者らは、「結論として、CW及びパルスレーザ光は、SCI後の軸索再生及び機能回復を支援する。パルスレーザ光は、損傷部位から離れて位置する脊髄セグメントに対する軸索再生を支援する可能性がある。したがって、パルス光の使用は、SCIにとって有望な非侵襲性療法である。」と報告した。
これらの研究の大部分はパルスレーザを用いていたが、デジタルパルス発光ダイオード(LED)を用いる同様のシステムがその後開発された。これらの研究(例えばLaser Med. Sci., 2009(非特許文献3))は、全てが等しいならば、LED光線治療はレーザ光線治療に匹敵するかまたはレーザ光線治療に優ることを示していた。さらに、LED治療のソリューションは、レーザ法及び装置よりも実装コストが安く、本質的により優れた安全性を提供する。これらの考察を所与として、本願は、LEDに基づくシステムに重点を置くが、開示されている独創性がある方法の多くがLEDまたは半導体レーザに基づくソリューションの両方に等しく適用可能であることも念頭に置いておく。
パルスLED光線治療システム
図1は、連続光またはパルス光での運転が可能な光線治療システムの要素を示しており、患者の組織5上にLEDパッド2から発する光子3の源としてLEDを制御しかつ駆動するLEDドライバ1を含む。組織5としてヒトの脳が示されているが、光線治療を用いて、任意の器官、組織または生理系を治療することができる。治療の前後または治療中に、医師または臨床医7は、モニタ観察に従ってLEDドライバ1の設定を制御することによって、治療を調整することができる。
図2に示すような多くの可能なメカニズムが存在するが、植物及び動物、例えば、鳥類、哺乳類、馬及びヒトを含むあらゆる真核細胞20に存在する細胞小器官であるミトコンドリア21内において、光線治療中に光生物学的変調に関与する支配的な光生物学的プロセス22が発生することが通常認められる。今日までの理解では、光生物学的プロセス22は、光子23がとりわけ分子シトクロムcオキシダーゼ(CCO)24に衝突するステップを含み、CCO24は、アデノシン一リン酸(AMP)をより高いエネルギー分子アデノシン二リン酸(ADP)に変換し、ADPをさらに高いエネルギー分子アデノシン三リン酸(ATP)に変換することによって細胞エネルギー含有量を増加させる充電器として働く。AMP→ADP→ATP充電シーケンス25において貯蔵エネルギーを増加させるプロセスでは、シトクロムcオキシダーゼ24は充電器と同様に働き、ATP26はエネルギーを貯蔵する携帯電池として働き、このプロセスは動物の「光合成」と見なすことができる。シトクロムcオキシダーゼ24は、食物の消化により得られるグルコースからATP充電シーケンス25における燃料へ、または消化及び光合成の組み合わせによって、エネルギーを変換することもできる。
細胞代謝に力を与えるべく、ATP26は、ATP→ADP→AMP放電プロセス28を通してエネルギー29を放出することができる。エネルギー29は、その後、触媒、酵素、DNAポリメラーゼ、及び他の生体分子の形成を含むタンパク質合成を駆動するために用いられる。
光生物学的プロセス22の別の側面は、シトクロムcオキシダーゼ24が、ニューロン伝達及び血管新生、新たな動脈及び毛細血管の成長における重要なシグナル伝達分子である一酸化窒素(NO)27のスカベンジャーであることである。光線治療中に治療される細胞におけるシトクロムcオキシダーゼ24の照射は、負傷または感染組織付近においてNO27を放出し、被治療組織への血流及び酸素の送達を増加させて、治癒、組織修復、及び免疫応答を促進する。
光線治療を行い、シトクロムcオキシダーゼ24を刺激して光子23からのエネルギーを吸収するために、光源と光を吸収する組織との間の介在組織は、光を遮断または吸収することができない。ヒト組織の電磁放射線(EMR)分枝吸収スペクトルが、図3に示す吸収係数対電磁放射線の波長λ(nmで測定)のグラフ40に示されている。図3は、酸化ヘモグロビン(曲線44a)、脱酸素化ヘモグロビン(曲線44b)、シトクロムc(曲線41a,41b)、水(曲線42)及び脂肪及び脂質(曲線43)の相対吸収係数を光の波長の関数として示している。図に示すように、脱酸素化ヘモグロビン(曲線44b)及び同様に酸化ヘモグロビン、すなわち血液(曲線44a)は、可視スペクトルの赤色部分、特に650nmよりも短い波長に対して光を強く吸収する。可視スペクトルの赤外部分におけるより長い波長、すなわち、950nm以上では、EMRは水(HO)によって吸収される(曲線42)。650−950nmの波長では、ヒト組織は、透明な光の窓45によって示されるように本質的に透明である。
脂肪及び脂質(曲線43)による吸収を除いて、透明な光の窓45内における波長λの光子23を含むEMRは、シトクロムcオキシダーゼ(曲線41a、41b)によって直接吸収される。具体的には、シトクロムcオキシダーゼ24は、水や血液に妨げられない曲線41bによって表されるスペクトルの赤外部分を吸収する。可視スペクトルの赤色部分の光によって照射されるシトクロムcオキシダーゼのための二次吸収テール(曲線41a)は、脱酸素化ヘモグロビンの吸収特性によって部分的に阻害され(曲線44b)、深部組織に対する光生物学的反応を制限しているが、上皮組織及び細胞においては尚も活性化されている。図3は、したがって、皮膚並びに内部器官及び組織のための光線治療が、異なる治療及び光の波長(皮膚には赤、内部組織及び器官には赤外)を必要とすることを示している。
現在の光子デリバリーシステム
光線治療中に組織内への最大エネルギー結合を達成するために、組織を光子により一貫して均一に照射するための一貫したデリバリーシステムを考案することが重要である。初期の試みではフィルタ付きランプが用いられていたが、ランプは非常に熱く、患者にとって不快であり、患者及び医師を火傷させるおそれがあり、長時間の治療中に均一な照射を維持することが非常に困難である。ランプはまた、寿命が短く、希薄気体を用いて構成されている場合には、定期的な交換の費用が高くつくこともある。フィルタのせいで、ランプを非常に高温で作動させることにより、妥当な治療期間で効率的な治療を達成するために必要な光子束を達成しなければならない。フィルタの付いていないランプは、太陽のように、実際に広範すぎるスペクトルを与え、特に電磁スペクトルの紫外部分において、一部が有害な光線を含むような、有用な化学反応及び望ましくない化学反応の両方を同時に刺激することによって光子の効果を制限する。
代替案として、光線治療を行うためにレーザが用いられ、依然として用いられている。ランプと同様に、レーザは、強い高濃度の光パワーに組織をさらすことで、加熱によらず、患者に火傷を負わせるリスクがある。当該問題を防止するために、レーザ光のパワー出力が制限されていること及び危険な光レベルを生み出す過度に高い電流が誤って生じることがないことに特別な注意を払わなければならない。第2の、より現実的な問題は、レーザの照射面積である「スポットサイズ」が小さいことに起因する。レーザは小さな集光領域を照射するので、大きな器官、筋肉や組織を治療することは困難であり、過電力状態が発生することの方がずっと容易である。
レーザ光に関連する別の問題は、その「コヒーレンス」により生じ、光の特性は、光が広がることを阻止し、治療中に広い面積を網羅することをより困難にする。種々の研究は、コヒーレント光を用いた光線治療から得られる固有の追加利益が存在しないことを示している。一例を挙げると、コヒーレント光は任意の既知の光源から自然発生しないので細菌、動植物の生命は、進化し、コヒーレント光ではなく散乱光を自然に吸収する。第二に、上皮組織の最初の2つの層は既に任意の光学コヒーレンスを破壊しているので、コヒーレンスの存在は明らかに、光の吸収ではなく光のデリバリーに格下げされる。
さらに、レーザの光学スペクトルは、効果の高い光線治療を達成するのに必要な有用な化学及び分子遷移の全てを完全に引き起こすには狭すぎる。レーザの限られたスペクトルは、通常はレーザの中心波長値±3nmの範囲であり、光線治療に必要な全ての有用な化学反応を適切に引き起こすことを困難にさせる。或る範囲の周波数を狭い帯域幅の光源で網羅することは困難である。例えば、再び図3を参照すると、疑いもなく、CCO吸収スペクトル(曲線41b)の生成に関わる化学反応は、吸収テール(曲線41a)を生じさせる反応とは明らかに異なる。両領域の吸収スペクトルが有用であることが分かっていると仮定すれば、波長スペクトルが6nm幅しかない光源を用いてこの広い範囲を網羅することは困難である。
よって、太陽光が、多くの競合する化学反応を多くのEMR波長で光生物学的に励起する過度に広範なスペクトルであるのと同じように、いくつかの有害ですらあるレーザ光は、狭すぎて、光線療法治療における完全な効果に到達するのに十分な化学反応を促進しない。この主題は、ウィリアムズらによる「Phototherapy System And Process Including Dynamic LED Driver With Programmable Waveform」と題する関連出願(米国特許出願第14/073,371号明細書(特許文献1))においてより詳細に議論されており、該文献は、引用を以って本明細書の一部となす。
透明な光の窓45内の波長の全範囲、すなわち約650−950nmの全幅を励起することによって光線治療を与えるために、当該範囲に及ぶように4つの異なる波長光源が用いられるとしても、各光源は、ほぼ80nmの帯域幅を必要とすることになる。これは、レーザ光源の帯域幅よりも1桁分以上広い。この範囲は、実際的にレーザが網羅するには全く広すぎる。今日では、電磁スペクトルの遠赤外から紫外部分までの広範囲の光スペクトルを放射するLEDが市販されている。±30nmないし±40nmの帯域幅では、スペクトルの赤、長い赤、短い近赤外(NIR)及び中間NIR部分、例えば、670nm、750nm、825nm及び900nmに位置する中心周波数で所望のスペクトルを網羅する方がずっと容易である。
図4は、光デリバリー問題の好適なソリューションがフレキシブルLEDパッドの使用であることを示しており、フレキシブルLEDパッドは、ピクトグラム59で示されるように患者の身体に沿って湾曲している。図のように、フレキシブルLEDパッド50は、身体の手足等の付属器官、この場合は組織61を含む脚部に適合するように意図的に曲がっており、ベルクロ(登録商標)ストラップ57によってぴんと引っ張られている。すべりを防止するために、フレキシブルLEDパッド50は、その表面に接着されたベルクロ(登録商標)ストリップ58を含む。使用時には、パッドの周りに巻かれたベルクロ(登録商標)ストラップ57をベルクロ(登録商標)ストリップ58に留めて、組織61を含む、患者の脚、腕、首、背中、肩、膝、または任意の他の付属器官、あるいは身体部分に合わせて、フレキシブルLEDパッド50をしっかりと適所に保持する。
結果として得られる利益も図4に示されており、フレキシブルパッド50を含むLED52から皮下組織62内への結果として得られる光浸透深さ63が、被治療組織の横方向の広がりに沿って完全に均一であることが示されている。被治療組織の上方に保持された高剛性LEDワンドやフレキシブルでないLEDパネルが光源であるデバイスと異なり、この例では、フレキシブルLEDパッド50は、患者の皮膚、すなわち上皮61と接触する。LEDパッド50との接触により毒性因子が不用意に広がることを防止するため、光パッド50と組織62の間に、使い捨ての無菌衛生バリア51、通常はきれいな低刺激性の生体適合性プラスチック層が挿入されている。デバイスを手で適所に保持するには長すぎる間隔である20分間ないし1時間を超える持続時間にわたって一貫した照射を維持するためには、LED52と組織62間の密接な接触は不可欠である。これは、ブラシ、櫛、ワンド、懐中電灯の明かりを含む携帯型LEDデバイス及び装置が光線治療のための医療上の利益をほとんどまたは全く提供しないことを示した1つの理由である。
今日利用可能であり、図5のピクトグラムに示されている、制御された光デリバリーのための従来技術の光線治療システムには、電子ドライバ70が含まれており、該ドライバ70はケーブル72a及び72bを介して1組以上のフレキシブルLEDパッド71a−71eに接続されており、フレキシブルLEDパッドは短い電気コネクタ73a−73dを介して互いに接続されている。
具体的には、電子LEDドライバ70の1つの電気出力が電気ケーブル72aによって中央フレキシブルLEDパッド71aに接続され、中央フレキシブルLEDパッド71aは、今度は、電気コネクタ73a及び73bを介して関連する付随するフレキシブルLEDパッド71b及び71cにそれぞれ接続されている。電子ドライバ70の第2の電気出力に接続された第2の組のLEDパッドは、電気ケーブル72bによって中央フレキシブルLEDパッド71cに接続され、中央フレキシブルLEDパッド71cは、今度は、電気ケーブル72bが取り付けられた縁部に垂直なLEDパッド71cの縁部に位置する電気コネクタ73c及び73dを介して関連する付随するフレキシブルLEDパッド91d及び91eにそれぞれ接続されている。フレキシブルLEDパッドの使用と、各々が3つ1組のパッドを含む2組のLEDパッドを最大900mAの電流で個々に駆動する電子LEDドライバ70の能力とによって、光線治療システムは、今日提供されているそのクラスで最高の製品になっている。
従来技術の光線治療システムには、その技術的優位性にもかかわらず、LEDパッド全体にわたるLEDパッドに対する不十分な信頼性、LED電流(したがって光の均一性)の制御不能、LEDを駆動する励起パターンの限定的な制御、限られた安全性及び診断機能、インターネットを介しての、無線での、またはクラウドサービスによる、通信または更新の受信の不能を含む、数々の制限及び難点があった。これらの様々な不備には、多くの関連特許が注意を向けている。
フレキシブルLEDパッドの信頼性を向上させることは、R.K.ウィリアムズら(R.K. Williams et. al.)による「Improved Flexible LED Light Pad for Phototherapy」と題する関連出願(米国特許出願第XX/XXX,XXX号,出願日2014年YY月YY日)に詳細に記載されており、該文献は、引用を以って本明細書の一部となす。図6Aは、全てのディスクリートワイヤ及びLEDパッド内のPCBに直接はんだ付けされた電線(中央ケーブル82と関連しているものを除く)を実質的に排除しているが、光線治療を受けている患者上のフレキシブルLEDパッドの配置及び配列におけるかなり大きな柔軟性を可能にしている、改良されたフレキシブルLEDパッドセットの図を示している。
図のように、LEDパッドセットには、中央フレキシブルLEDパッド80aと、2つの付随するフレキシブルLEDパッド80b及び80cとを含む3つのフレキシブルLEDパッドが、関連する電気ケーブル82とともに含まれている。3つのLEDパッド80a−80cは全て、パッド間ケーブル85a及び85bを接続するための2つのコネクタソケット84を含む。コネクタソケット84はこの斜視図では見えていないが、その存在は、ポリマー製フレキシブルLEDパッド80b及び同様にフレキシブルLEDパッド80a及び80cにおける隆起部86によって容易に識別される。パッド間ケーブル85a及び85bは、中央LEDパッド80aをLEDパッド80b及び80cにそれぞれ電気的に接続する。
業界基準USBコネクタは、安定した大量のサプライチェーンを通じて製造され、競争力のあるコストで高性能かつ一貫した品質を維持しており、プリント基板にしっかりと取り付けられたソケット84と、USBケーブル85a及び85bとを用いており、それによって、電気シールド及び成形プラグを一体化し、かつ繰り返される屈曲や曲げによる破損に耐える。さらに、USBコネクタケーブル85a及び85bは、最大で1Aの電流を確実に伝導することができ、長時間の使用中の過剰な電圧降下やエレクトロマイグレーション故障を回避する。USBケーブルを除いて、他のコネクタ及びケーブルセットオプションには、ミニUSB、IEEE−1394などが含まれる。図6Aに示した例では、その耐久性、強度及び普遍性のために、8ピン矩形USBコネクタフォーマットが選択された。
図6Aに示した実施形態では、中央フレキシブルLEDパッド80aは矩形であり、ケーブル82に接続するための張力緩和部81と、2つのUSBソケット84とを含み、これらは全て、x軸に平行なパッドエッジとして示されている中央LEDパッド80aの同じ縁部に位置している。同様に、付随するLEDパッド80b及び80cの各々も矩形であり、同様に同じ縁部に位置する2つのUSBソケットを含む。この接続スキームは、図5に示した従来技術のデバイスと著しく異なっている。ここで、コネクタソケットは独占所有権のあるものであり、LEDパッド71a−71c及び71c−71eの互いに向かい合う縁部に配置されている。
この設計変更の利益は、被治療患者におけるLEDパッドの配置における医師または臨床医の選択を大いに向上させる。コネクタソケットは従来技術のデバイスのように互いに向かい合っていないので、LEDパッドを近づけて配置するためにコネクタケーブル85a及び85bを短くすることを必要としない。事実、図の例では、長いケーブルが用いられるとしても、どのようなものであれケーブル85a及び85bに何らかのストレスを加えることなく、LEDパッド80a、80b及び80cは、必要に応じて、実際に互いに隣接することができる。LEDパッドの接触により、開示されているフレキシブルLEDパッドセットの多用途性は、最小の治療領域で最多数のLEDを使用する能力を医師に提供する。
あるいは、フレキシブルLEDパッドを例えば肩を横切って腕まで離して配置することができ、または2つのパッドをまとめて近接して配置し第3のパーツを遠くに離して配置することができる。ケーブル85a及び85bにおける電気シールドにより、既に示した従来技術のソリューションで悩まされていたノイズ感度に悩まされることなく、パッドを離れて配置することができる。
図6Aに示したデザインはまた、臨床医がフレキシブルLEDパッド80a−80cを患者の身体、例えば胃及び腎臓の周りにフィットするように曲げて配置し、その後、LEDパッド80a−80cにしっかりと取り付けられたベルクロ(登録商標)ストラップ92に付着するベルクロ(登録商標)ベルト93によって、パッド80a−80cを固定することを容易にする。個々のフレキシブルLEDパッド80a−80c及びベルクロ(登録商標)ベルト93を一緒に曲げることは、図6Bに示されており、ここでは、ベルト93及びパッド80a−80cが、x軸の方向に曲率を有する曲面にぴったり合うように曲げられている。x軸の方向に曲げるために、x軸に平行に向けられた高剛性PCBをLEDパッド80a−80cのいずれかに埋め込むことはできない。
今日診療所や病院で稼働している既存のLEDコントローラとの後方互換性を保存し、維持するために、中央LEDパッド80aにおいて、ケーブル82及びRJ45コネクタ83が、LEDパッド80a−80cをLEDコントローラに電気的に接続するために用いられている。RJ45コネクタ83をUSBコネクタに変換するためのアダプタが含まれている場合、中央接続部を第3のUSBソケット84に置き換えかつ、ケーブル82を、USBケーブル85aに類似しているが通常は長さがより長い別のUSBケーブルに置き換える代わりに、フレキシブルLEDパッド80aを、ケーブル82及び張力緩和部81をなくすように変更することができる。
光の均一性を向上させるための、LED励起パターンの制御を高めつつ強化された安全性及び自己診断機能を提供するLED電流を制御する方法が、上記の米国特許出願第14/073,371号明細書(特許文献1)に記載されている。
LED励起パターンの制御
光パルスの励起パターンを正確に制御するためには、高度な電子制御部を含むより洗練された光線治療システムが必要である。そのような回路は、既存のドライバエレクトロニクス、例えばHDTV LEDバックライトシステムに用いられるものから適合させ、光線治療に適用するために再利用することができる。
図7に示すように、LED TV駆動回路から適合させた1つのそのような高度な電子ドライブシステムは、LED順方向伝導電圧にかかわらず全てのLEDストリング内の電流を一致させることを確実にするために、個々のチャンネル電流制御を用いる。図のように、電流シンク96a、96b、...、96nが、N個のLEDストリング97a、97b、...、97Nにそれぞれ電力を供給するために結合され、伝導時にプログラム可能な電流並びに任意の個々のチャンネルまたはそれらの組み合わせを、それぞれデジタル信号98a、98b、...、98Nの制御下で同時にオン及びオフにする能力を有する切替型定電流デバイスとして作動する。数字Nは、実用的である任意のチャンネル数であってよい。
図のように、電流シンク96aにおける制御LED電流は、或る大きさIrefにおける基準電流99を基準に設定されかつ、M個の直列接続LED97aのストリングにおける電流ILEDaを維持するために、フィードバック回路をモニタリングしかつ回路のバイアスをそれに応じて調整することによって維持される。数字Mは、実用的である任意のLED数であってよい。電流制御フィードバックは、ループ及び関連する矢印の電流シンク96aへのフィードバックによって象徴的に表される。その後、デジタルイネーブル信号を用いて、制御されたデューティファクタにおいて、また上記の米国特許出願第14/073,371号明細書(特許文献1)に開示されているように、可変パルス周波数において、LED電流をオン及びオフに「切断」またはパルス状にする。LEDコントローラ103は、低ドロップアウト(LDO)線形レギュレータ102によって電力を供給され、SPIデジタルインタフェース105を介してマイクロコントローラ104によって指示される。スイッチモード電力供給装置100が、固定または動的に変化させられ得る高電圧+VLEDにおいてLEDストリング97a−97Nに電力を供給する。
アナログ電流制御を用いるにもかかわらず、得られた波形及びPWM制御は、本質的にデジタル波形であり、すなわち図8Aに示した一連のパルスのストリング、繰り返し率及びLEDのオン期間を調整することによって平均LED輝度を制御しかつ励起周波数を設定する。図8Aの簡略化したタイミング図に示したように、各々が異なる時間及び異なる期間照射される波長λ、λ及びλの異なる波長LEDを含み得るLED光の連続波形を生成するために、クロックパルスのストリングが用いられる。
図8Aの説明のための波形110及び111によって示されるように、LEDコントローラ103内のパルス発生器が間隔Tθでクロックパルスを生成し、波形111の生成に関連するLEDコントローラ103内に位置するカウンタが9クロックパルスをカウントし、その後、特定のチャンネルの電流シンク及びλLEDストリングを、再びオフにする前に4パルスの持続時間にわたってオンにする。波形112によって示されるように、同様にLEDコントローラ103内に位置する第2のカウンタが、1クロックパルスの直後に8クロックパルスの持続時間にわたってλチャンネルをオンにし、その後、4クロックパルスの持続時間(λLEDストリングがオンである間)にわたってチャンネルのLEDストリングをオフにし、その後、さらに3クロックパルスにわたってλLEDストリングを再びオンにする。波形113によって示されるように、LEDコントローラ103内の第3のカウンタは、λLEDストリングをオンにする前に4パルスの持続時間にわたって22パルスを待ち、その後再びオフにする。
この順序立てた方法では、λLEDストリングが持続時間Δt1(8クロックパルス)にわたって伝導し、その後、λLEDストリングが持続時間Δt2(4クロックパルス)にわたって伝導し、その後、オフにしたら、λLEDストリングが持続時間Δt3(3クロックパルス)にわたって伝導し、持続時間Δt4にわたって待機し、このときはどのLEDストリングも伝導しておらず、続いて、λLEDストリングが持続時間Δt5(4クロックパルス)にわたって伝導する。タイミング図110−113は、LED波長及び励起パターン周波数を変える際の新たな制御システムの柔軟性を示している。
改良されたLEDシステムは、各LEDストリングλ,λ及びλによって放射される各光パルスの持続時間の精密制御を可能にする。しかし、実際には、生きた細胞などの生体系は単一の1秒以下の光パルスに反応することができないので、代わりに、パルスの1つの波長及び1つのパターン周波数を含む1つのパターンが、別のLED波長及び励起パターン周波数への切り替え前に、長時間にわたって繰り返される。より現実的なLED励起パターンを図8Bに示す。ここで、合成パターン周波数fsynthを有する1つのλ波長光の固定周波数励起パターン116を合成する、すなわち生成するために同じクロック信号(波形110)が用いられており、
synth=1/nTθ
である。ここで、時間Tθは連続クロックパルスが生成される時間間隔であり、「n」は合成波形の各周期におけるクロックパルスの数である。波形116に示されているように、時間tまで、LEDストリングは、時間の50%がオンであるので、デューティファクタDは50%であり、LEDの輝度は、常にオンであるとした場合の輝度の半分に等しい。時間tの後、デューティファクタは75%に増加されており、平均LED輝度は増加するが同じ合成パターン周波数fsynthを維持している。
タイミング図117は、時間tまでの固定輝度及びデューティファクタD=50%における1つのλ波長光の同様の合成波形を示している。しかし、時間tで輝度を変更する代わりに、合成パターン周波数は、fsynth1=1/nTθからより高い周波数fsynth2=1/mTθに変化した(mはnより小さい)。よって、時間tでは、デューティファクタ(50%)及びLEDの輝度は一定であるが、合成周波数はfsynth1からfsynth2に増加している。要約すれば、改良したLEDドライブシステムは、輝度と、持続時間と、デジタル繰り返し率、すなわち励起またはパターン周波数が制御された、複数の様々な波長のLEDの任意のパルスストリングの制御されたシーケンシングを可能にする。
混乱を避けるために、パターン周波数fsynthはLEDの光の周波数ではないことに留意されたい。光の周波数、すなわち放射光の色は、光の速さを光の波長λで除した値に等しく、数学的には
νEMR=c/λ≒(3×10m/s)/(0.8×10−6m)=3.8×1014サイクル/s=380THz
として表される。明確にするために、示した光の周波数は、ギリシャ文字ニューすなわち「ν」で表し、小文字fまたはfsynthでは表さない。計算すると、光の電磁周波数は数百THz(すなわちテラヘルツ)に等しいが、デジタルパルスの合成パターン周波数fsynthは一般的に音声または「可聴」範囲(最大限でも超音波範囲)にあり、すなわち100kHz以下であり、少なくとも9桁小さい。例外を示されない限り、本願の残りの部分を通して、光の「色」はその波長によってのみ言及され、その周波数によって言及されないものとする。逆に、パルスレートまたは励起パターン周波数fsynthは、周波数としてのみ説明し、波長によって説明しないものとする。
米国特許出願第14/073,371号明細書
Hashmi et al. "Effect of Pulsing in Low-Level Light Therapy" published in Lasers Surg. Med. August 2010, volume 42(6), pp. 450-466 X. Wu et al. "Comparison of the Effects of Pulsed and Continuous Wave Light on Axonal Regeneration in a Rat Model of Spinal Cord Injury" Laser Medical Science, 10 September 2011 Laser Med. Sci., 2009
従来技術の光線治療の限界の要約
従来技術の光線治療装置は、その設計及び実現において、例えば次の問題を含む数々の根本的問題によって制約を受けたままである。
・光生物学的刺激を最大化しかつ医学的効果を最適化するために必要な所要範囲の化学反応を同時に促進することができない放射光の本質的に狭い帯域幅によって制限されたレーザ(LEDの代わりに)の使用
・レーザの使用における安全上の懸念
・治療領域に適合することができない剛性ハウジング内に設置されたLED
・光線治療励起パターンの不十分、不適切、または効果のない変調
最後の主題である光線治療励起パターンの効果のない変調は、光生物学的変調及び治効を向上させるための主たる課題及び機会を示しており、本開示の焦点を示すものである。
本発明によれば、光線治療に用いられる光の強度は、ONまたはOFFのいずれかである一連の矩形波パルスとして与えられるのではなく、規則的な周期性を以って次第にかつ繰り返し変化させられる。多くの実施形態では、光は発光ダイオード(LED)のストリングによって発生されるが、他の実施形態では、他の種類の光源、例えば半導体レーザなどを用いてもよい。好適実施形態では、光は、時として、1つの正弦状関数、または成分として2つ以上の正弦波を有する「コード」に従って変化させられるが、本明細書に記載の技術を用いて無限の様々な強度パターン及び関数を生成することができることが明らかになるであろう。
1つの実施形態群では、LEDのストリングが放射する光の強度は、LEDに直列に接続された電流シンクMOSFETのゲート電圧を類推制御することによって変化させられる。ゲートドライバが、LEDストリングを流れる電流を正弦基準電圧と比較し、LED及び基準電流が一致しかつLED電流が所望の値になるまで、MOSFETドライバ内の回路によって電流シンクMOSFETのゲート電圧が自動的に調整される。このような方法で、LED電流は正弦基準電圧を模倣する。正弦基準電圧は、様々な方法で、例えば、LCまたはRC発振器、ウィーンブリッジ発振器またはツインT発振器を用いて発生させることができる。
これらの実施形態の別のバージョンでは、電流シンクMOSFETのゲート電圧は、デジタル/アナログ(D/A)変換器を用いて変化させられる。D/A変換器に対して、所定の瞬間における正弦波の値を表す一連のデジタル値、例えば全360°サイクルにおける24個の値が供給される。デジタル値は、正弦波を表すことができるだけではなく、CDやDVDによって、あるいはCDやDVDから生成することができる。
第2の実施形態群では、LED電流が、好適にはパルス幅変調(PWM)を用いて、デジタル的に制御される。前の実施形態と同様に、正弦波は、特定の時間間隔におけるそのレベルを表す一連のデジタル値に分解される。これらの間隔は、本明細書においては、持続時間Tsyncを有するものとして参照される。各Tsync間隔に対してパルスが生成され、その幅は当該間隔における正弦波の値を表す。これを行うために、各Tsync間隔が複数のより短い間隔(各間隔は、本明細書においてTθと呼ばれる持続時間を有する)にさらに分解され、正弦波の値を表す多くのこれらのより短いTθ間隔中にLED電流が流れるように電流シンクMOSFETのゲートが制御される。このようにして電流シンクMOSFETが各Tsync間隔の一部の間にオンにされ、各Tsync間隔の残りの間にオフにされる。結果として、LED電流のレベルが正弦波の形態に平均化される(均される)。
電流シンクMOSFETのゲートは、基準電流源から基準電流を受け取りかつデジタルシンセサイザからイネーブル信号を受信する精密ゲートバイアス及び制御回路によって制御することができる。デジタルシンセサイザは、電流シンクMOSFETがオンにされる短いTθ間隔の数を代表する数にセットされたカウンタを含む。電流シンクMOSFETはONにされ、カウンタはゼロまでカウントダウンする。カウンタがゼロに到達したら、電流シンクMOSFETがオフにされる。電流シンクMOSFETは、電流シンクMOSFETがオンにされたTθ間隔の数よりも少ないTsync間隔におけるTθ間隔の総数に等しいTθ間隔の数にわたって、オフのままである。
次のTsync間隔の最初に、正弦波の次の値を代表する新たな数が精密ゲートバイアス及び制御回路内のカウンタにロードされ、このプロセスが繰り返される。
正弦状関数に従ってLEDを制御することで、高調波が排除される。高調波は、LEDがON及びOFFパルスを発するときに矩形波関数に従って生成され、その多くが「音声」スペクトル(通常は20,000Hz未満)内に入り得るものであり、光線治療に有害な効果を及ぼし得る。本発明の技術を用いて、正弦状関数を生成するのに用いられるより短い間隔の周波数(1/Tsync及び1/Tθ)は、通常、20,000Hz以上に設定することができ、これでは通常光線治療への効果がほとんどない。
成分正弦波の値を足し合わせることによって、複数の正弦状関数を含むコードを生成することができる。アナログ技術では、アナログミキサを用いて正弦波を足し合わせることができ、あるいは、発振器の代わりに和音(ポリフォニック)アナログ音源を用いてコードを生成することができる。デジタル技術では、算術論理演算ユニット(ALU)を用いて、成分正弦波を表す数値を足し合わせることができる。コードを作成する別の方法は、ストローブ周波数においてアナログ波形をON及びOFFに「ストロビング(strobing)」することによって、アナログ合成波形を第2のデジタルパルス周波数と組み合わせることである。ストローブ周波数は、アナログ波形の周波数よりも高くても低くてもよい。ストローブパルスは、アナログ正弦波を2、4または8つのカウンタによる除算に入力することによりアナログ正弦波よりもそれぞれ1、2または3オクターブ上の第2の波形を作り出すことによって生成することができる。
アナログ電圧を生成するためにD/A変換器を用いたりデジタル技術を用いたりすることの利点は、治療シーケンス(例えば、特定の器官や組織に対するもの)を、医師や他の臨床医が検索して使用するのに便利であるように、メモリ(例えばEPROM)内にデジタル的に格納することができることである。
光線治療の簡略化した図である。 細胞ミトコンドリアの光生物学的変調の簡略化した図である。 シトクロムc(CCO)、血液(Hb)、水及び脂質の吸収スペクトルを示すグラフである。 光線治療に用いられるLEDパッドの写真による例及び略図である。 1つのコントローラ及び6つのフレキシブルなポリマー製LEDパッドを含む光線治療システムの図である。 互いに接続されかつベルクロ(登録商標)ストラップに取り付けられた3つのフレキシブルなポリマー製LEDパッドのセットの略図である。 図6Aに示したフレキシブルなポリマー製LEDパッドのセットの略図であるが、患者の身体に適合するようにわずかに曲がっている。 電流制御されたLEDパルス光線治療システムの電気配線図である。 様々な持続時間での複数の波長LEDの一連のパルス励起を示す例示的なタイミング図である。 デューティファクタ及び周波数の様々な組み合わせでの複数の波長LEDの一連のパルス励起を示す例示的なタイミング図である。 デジタル(矩形波)パルスの時間領域及びフーリエ周波数領域を示す図である。 様々な数の合成された正弦波を用いた離散フーリエ変換を示す図である。 デジタル的にパルス化された電源の測定された電流高調波成分を示す図である。 振幅高調波の測定されたフーリエスペクトルを示す図である。 短期間のサンプルにより生成された周波数「スプール(spur)」を表す測定された振幅データの限られた時間のサンプルのフーリエ変換を示す図である。 奇数次及び偶数次高調波の大きさと、デジタル(矩形波)パルスの連続的フーリエ変換のスペクトルに蓄積されたエネルギーを示す図である。 2つの共振周波数を有する振動系の周波数応答を示すグラフである。 可変周波数の2つの同期されたデジタルパルスの合成を示す図である。 音声スペクトルを汚染する292Hzのデジタルパルスのスペクトル成分と、同じ範囲のD4の理想的なオクターブとを示すグラフである。 超音波スペクトルを主に汚染する4、672Hzのデジタルパルスのスペクトル成分を示すグラフである。 光生物学的変調の様々な物理的メカニズムを示す図である。 電流制御を有する単一チャンネルLEDドライバの2つの同等の回路を示す図である。 基準電流及びイネーブル信号と、その結果生成されたLED電流波形との組み合わせの様々な例を示す図である。 単一の基準電流からの複数のロード間での電流の共有の問題を示す図である。 複数のロード間で基準電流を分配するための相互コンダクタンス増幅器の使用を示す図である。 高電圧MOSFET及びMOSFETドライバ回路を含む電流シンクの抵抗トリミングによる制御の一実施を示す図である。 高電圧MOSFET及びMOSFETドライバ回路を含む電流シンクのMOSFETトリミングによる制御の一実施を示す図である。 振動基準電流を生成するための固定電圧源の使用を示す図である。 振動基準電流を生成するための調節可能な電圧源の使用を示す図である。 振動基準電流の生成に使用される、ウィーンブリッジ発振器を含む周波数及び電圧を調節可能な電圧源を示す図である。 抵抗ラダーを使用したプログラム可能なレベルシフト回路を示す図である。 基準電流を生成するためにD/A変換器を使用した、単一チャンネル電流制御式LEDドライバの一実施を示す図である。 抵抗ラダーを使用したD/A変換器の一実施を示す図である。 D/A変換器から合成された292Hzの正弦波を示す図である。 D/A変換器により生成した基準電流を使用して合成された292Hzの正弦波の高調波スペクトルを示す図である。 D/A変換器により生成した基準電流から合成された292Hzの正弦波において存在するデジタルステップの拡大図である。 D/A変換器のクロック周波数で発生する電圧変化のシーケンスを含む18.25Hzの正弦波の一部を示す図である。 D/A変換器により生成した基準電流を使用して合成された18.25Hzの正弦波の高調波スペクトルを示す図である。 正弦波基準電流と、その結果生成されたLED電流波形との様々な組み合わせを示す図である。 2つの正弦波波形の合成と、その結果生成された波形とを示す図である。 光線治療LED駆動のための和音振動基準電流を生成するためのアナログミキサの使用を示す図である。 光線治療LED駆動のための和音振動基準電流を生成するためのアナログ音源の使用を示す図である。 光線治療LED駆動のための和音振動基準電流を生成するためのデジタル音源の使用を示す図である。 正弦波基準電流及び高周波数デジタルパルスから生成された、合成された和音波形を示す図である。 292Hzの正弦波基準電流及び4、672Hzのデジタルパルスから生成された和音高調波スペクトルを示す図である。 292Hzの正弦波基準電流及び9、344Hzのデジタルパルスから生成された和音高調波スペクトルを示す図である。 292Hzの正弦波基準電流及び超音波デジタルパルスから生成された和音高調波スペクトルを示す図である。 292Hzの正弦波基準電流及び18、688Hzのデジタルパルスから生成された和音高調波スペクトルを示す図である。 正弦波基準電流及び低周波数デジタルパルスから生成された、合成された和音波形を示す図である。 9、344Hzの正弦波基準電流及び4、672Hzのデジタルパルスから生成された和音高調波スペクトルを示す図である。 584Hzの正弦波基準電流及び292Hzのデジタルパルスから生成された和音高調波スペクトルを示す図である。 単一の発振器からの光線治療のための和音LED電流駆動の実施を示す図である。 複数の対応するLEDドライバを制御する複数のデジタルシンセサイザを概略的に示す。 複数のLEDドライバを別々に制御する集中型デジタルシンセサイザを概略的に示す。 複数のLEDドライバを共通信号で制御する1つのデジタルシンセサイザを概略的に示す。 デジタルシンセサイザの回路図を示す。 デジタルシンセサイザ動作のタイミング図を示す。 固定周波数及び可変デューティファクタの合成パルスを示す。 固定周波数PWM合成正弦曲線を含むLEDドライブ波形を示す。 デジタル的に合成された正弦曲線の例を示す。 1つの時間間隔にわたるD/A変換器対PWM制御の出力波形の比較を示す。 必要なカウンタクロック周波数に対する、PWMビット分解能、時間間隔の数、及び合成される最大周波数の相互関係をグラフで示す。 クロック発生回路を概略的に示す。 合成される最大周波数への全デジタル合成分解能及びPWMビット分解能の依存をグラフで示す。 デジタル的に合成された4,672Hz正弦曲線の周波数スペクトルを示す。 デジタル的に合成された292Hz正弦曲線の周波数スペクトルを示す。 合成周波数への同期及びPWMカウンタ周波数の依存をグラフで示す。 開示されているデジタル合成法を用いた正弦波形生成のフローチャートを示す。 間隔15°を用いた292Hz(D4)正弦波のデジタル合成をグラフで示す。 間隔20°を用いた292Hz(D4)正弦波のデジタル合成をグラフで示す。 間隔20°を用いた292Hz(D4)正弦波のデジタル合成に用いたPWM間隔をグラフで示す。 間隔20°を用いた1,168Hz(D6)正弦波のデジタル合成をグラフで示す。 間隔20°を用いた4,672Hz(D6)正弦波のデジタル合成をグラフで示す。 振幅50%の1,168Hz(D6)正弦波のデジタル合成をグラフで示す。 振幅50%、オフセット+25%の1,168Hz(D6)正弦波のデジタル合成をグラフで示す。 振幅20%、オフセット+60%の1,168Hz(D6)正弦波のデジタル合成をグラフで示す。 振幅20%、オフセット+60%のデジタル的に合成された1,168Hz(D6)正弦曲線の周波数スペクトルを示す。 間隔20°を用いた4サイクル分の4,472Hz(D8)正弦波のデジタル合成をグラフで示す。 4Xオーバーサンプリングを用いた1,168Hz(D6)正弦波のデジタル合成をグラフで示す。 4Xオーバーサンプリングを用いた1,168Hz(D6)正弦波のデジタル合成のためのパターンファイルを示す。 振幅が等しい4,472Hz(D8)及び1,1672Hz(D6)正弦曲線のコードのデジタル合成をグラフで示す。 振幅が等しい4,472Hz(D8)及び1,1672Hz(D6)正弦曲線のデジタル的に合成されたコードの周波数スペクトルを示す。 振幅が異なる4,472Hz(D8)及び1,1672Hz(D6)正弦曲線のコードのデジタル合成をグラフで示す。 合成パターンファイルを生成するためのアルゴリズムを示す。 パターンライブラリに格納するための2つ以上の正弦曲線のコードをリアルタイムで、または前もって生成するためのアルゴリズムを示す。 図41で説明したアルゴリズムを利用して、正規化された数学関数により個々の正弦波パターンファイルを生成するためにコードを作成する別の方法を示す。 互いの整数倍である周波数の正弦曲線を示す。 互いの分数倍である周波数の正弦曲線を示す。 周波数比が11.5である正弦曲線からなるコードを生成するための、ミラー位相対称性の使用を示す。 互いに対して不規則な比(1.873)である周波数を有する正弦曲線からなるコードを生成するための、補間されたギャップフィルの使用を示す。 基準電流αIrefを変化させながらのPWMを用いた正弦曲線の生成を示す。 LEDストリングを駆動するために用いた従来技術のデジタルパルス回路を、どのようにして正弦波形の合成のために再利用することができるかを示す。 光線治療による治療に適しているであろう様々な生理学的構造及び状態を、LEDを照射するために用いた正弦波電流の振幅、周波数及びDC成分の関数として示す。
合成されたパターンの高調波スペクトル
前述したように、従来技術の光線治療における前述の周波数での光のパルス化は、パルス化されたレーザ光は痛み軽減及び組織治癒において連続光よりも良く作用するという経験的証拠及び医師の所見に基づいて行われる。また、前述したように、この一般的な結論は信憑性があるように思われるが、どのデジタルパルスが最良の結果及び最高の治療効果をもたらすかについては意見の一致がない。これまで、レーザ光線治療の研究は、任意の波形(例えば、正弦波、ランプ波、のこぎり波など)を考慮しておらず、連続波(CW)レーザ動作とパルス波(PW)レーザ動作(すなわち矩形波)と間の直接的な比較に限定されていた。ほとんどのレーザ装置は、おそらくはただ単に、デジタル的にオン/オフすることにより動作するように設計されているからである。使用されるパルスレートは、特定の経験的に観察される光生物学的プロセスの時定数(すなわち、20kHz未満の音声帯域)に近いレートで動作するように選択される。
これらの研究では、実験者は、デジタルパルスレートを報告し、光の変調に使用されるこの矩形波パルス周波数がテスト中に存在する唯一の周波数であると誤って仮定している。しかしながら、伝達理論、物理学、電磁気学、及びフーリエ数学により、デジタルパルスはデジタルパルス周波数のみを示すのではなく、実際には周波数の全スペクトルを示すことがよく知られている。したがって、固定クロックレートで動作するデジタルパルスが単一の周波数でのみ放射及び伝達されるという仮定は合理的に見えるかもしれないが、基本スイッチング周波数、この自明の真理は、実際は誤りである。
実際、スイッチ式デジタルシステムでの高周波成分は、エネルギー及びスペクトルの両方において重要であり、高周波は、基本周波数の桁違いに高い周波数で生じるいくつかの高調波を汚染する。電磁気学では、これらの高調波は、望ましくない伝導及び放射ノイズの原因となる場合が多く、回路動作信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。より高い周波数では、これらの高調波は、周囲に放射される電磁干渉(EMI)を発生させることが知られている。
数学的な分析により、デジタルオン/オフ遷移の速度(任意の可能性のあるリンギングまたはオーバーシュートと共に)が、生成された高調波スペクトルの波形を決定することが明らかになった。光線治療システムで使用されるLEDやレーザドライバなどの電力電子システムでは、この問題は、前記システムに伝達される高電流、高電圧、及び高電力により悪化する。より大きなエネルギーが制御されるためである。実際、デジタルパルスのストリングの正確な立ち上がり時間及び立ち下がり時間が正確に記録されているにも関わらず、パルスのストリングにより生成される周波数スペクトルは未知である。
これらの予期せぬ周波数の原因及び大きさは、数学的に最もよく理解できるであろう。任意の物理系または電気回路の分析は、時間をキー変数として全てを測定及び言及する「時間領域」分析か、または全ての時間依存性波形または関数を正弦波発信周波数の合計として見なす「周波数領域」分析により行うことができる。工学では、時間領域分析及び周波数領域分析の両方が互換的に用いられる。基本的に、或る問題は時間領域においてより容易に解決することができ、他の問題は周波数としてより良好に分析することができるからである。
時間と周波数の間のこの変換を行うための1つの手段は、一般関数は、単純な三角関数の合計、通常は正弦波形及び余弦波形(余弦波形は、位相を90度シフトした正弦波形と見なすことができる)により表せることを明らかにした、フランスの数学者兼物理学者であるジャン・フーリエの18世紀の業績に基づいている。この方法論は双方向性であり、フーリエ分析は、関数をより単純な要素に分解または「変換」すること、またはその逆に、それらの単純な要素から関数を合成することを含む。工学の専門用語では、フーリエ分析という用語は、両方の操作の研究及び適用を意味するのに用いられる。
連続フーリエ変換は、連続的な実変数から連続的な周波数分布への、またはその反対への変換を意味する。理論的には、連続フーリエ変換における、時間的に変化する波形を正確な等価周波数領域に変換する能力は、様々な周波数の無数の正弦波を合計することと、時間依存性波形を無限の時間に渡って収集することとを必要とする。この変換の例は、図9Aに示す、繰り返し型の時間依存性波形118を示すグラフg(t)に示されている。等価周波数領域スペクトルは、グラフG(f)に示されており、このグラフG(f)は、単純な矩形波が、基本周波数f=0を中心とした様々な大きさの周波数の連続的なスペクトル119に変換されること示している。
当然ながら、データサンプルを無限の時間に渡って収集することや、無数の正弦波を合計することは、両方とも理想的なものであり現実的には不可能である。数学及び制御理論では、「無限」という用語は、「非常に大きな数」、または工学ではより具体的に「分析された数と比べて非常に大きな数」という意味に安全に翻訳することができる。このような、「離散した」正弦波の限られた数の級数和の近似化は、離散フーリエ変換または「フーリエ級数」と呼ばれている。実際には、規則的に繰り返される時間領域波形の2〜5周期の測定は、様々な周波数の正弦波の50個未満の合計により、非常に正確に模倣することができる。さらに、元の時間領域波形がシンプルであり、規則的であり、かつ長時間繰り返される場合は、数個の正弦波を合計するだけで妥当な近似値を得ることができる。
この原理は、図9Bに示す、信号(この場合はLED電流)の大きさと時間との関係を示すグラフに示されている。このグラフは、離散フーリエ変換法を用いて、矩形波117を近似する互いに異なる4つの場合について示している。この4つの場合は、変換に使用される様々な正弦波Kの数を、K=1からK=49まで変化させた場合を示している。明らかに、K=1の場合では、単一の正弦波は、矩形波117に曖昧にしか似ていない。変換に使用される様々な周波数の正弦波の数をK=5に増加させた場合、その結果生成された波形121の矩形波117に対する一致度は、劇的に向上する。K=11では、波形121は、元の波形117に対して非常に密接に一致し、K=49では、変換され再構成させた波形122は、元の波形117とほとんど見分けがつかない。
したがって、フーリエ分析を用いることにより、物理学者は、構成成分及び各成分において存在するエネルギー量を見ることによって、時間的に変化する系または回路においてどの周波数が存在するかを観察することができる。この原理は、図9Cのグラフに例示されており、図9Cのグラフには、150Hzの矩形波を含む電力回路の電流の測定されたスペクトル成分が示されている。FFT(高速フーリエ変換)と呼ばれる実時間分析アルゴリズムを用いた測定装置によりフーリエ変換を行い、最小限のデータサンプルから測定スペクトルを即座に推定した。スパイク125により示すように、基本パルス周波数は150Hzであり、1.2Aの振幅を有している。基本周波数は、基本周波数の3次、5次、7次、9次の各高調波に対応する、450Hz、750Hz、1050Hz、1350Hzの一連の高調波を伴う。9次の高調波127は、低い基本パルスレートにも関わらず、kHzの範囲に十分入る周波数を有する。また、3次高調波126は、システムを流れる電流の大部分である0.3Aの電流の波形の原因となることに留意されたい。図示のように、回路はまた、2.5Aの電流DC成分128を含む(すなわち、0Hzの周波数で)。不変DC成分は、スペクトル分布に寄与しないので、フーリエ分析において無視することができる。
図9Dは、FFTの別の例を示す。この例では、信号の振幅は、デシベル(dB)の単位で測定されている。図示のように、1kHzの基本波は、3kHzでかなり大きな3次高調波131を伴い、マイナス30dBよりも大きく20kHzを超えたスペクトル分布132を含む。対照的に、図9Eは、250Hzの基本周波数135、75Hzの3次高調波136、3750Hzの15次高調波137を有する、250Hzの矩形波の非理想的に見えるFFT出力を示す。各主要周波数の付近のローブ138及び周波数の不正確さが、信号のジッタを含み得る短い不十分な時間に基づくサンプル測定、または通常のオシロスコープ波形では現れないが波形を歪ませる高周波数高速過渡現象の存在の、2つの現象として発生する。この場合、図示した全ての上記の例のように、矩形波のFFT、すなわち繰り返されるデジタルパルスは、基本周波数の奇数の高調波のみを示す。
デジタルパルスの矩形波またはストリングの挙動は、図9Fに示す矩形波の離散フーリエ変換計算に要約される。基本周波数140は、3次、5次、7次、...、19次の高調波に対応する奇数の高調波141、142、143、...、144のみを伴う。基本周波数f1の全ての偶数の高調波145は、エネルギーを搬送せず、そのため、それらのフーリエ係数はゼロである(すなわち、それらは存在しない)。y軸が基本周波数及び各高調波成分の累積電流またはエネルギーも示す場合、全電流が最初の20個の高調波に存在し、他の高調波がフィルタ除去されると仮定すると、基本波だけでは、曲線146で示される合計電流の47%しか示さない。このことは、所望の周波数では、電流の半分未満が振動していることを意味する。3次高調波を含むと、合計電流は63%であり、5次高調波、7次高調波を含むと、合計電流はそれぞれ72%、79%に増加する。
偶数次の高調波、例えば2次、4次、6次、...、2n次の高調波は、基本周波数を強化する傾向があるが、奇数次の高調波は、基本周波数を阻害する(すなわち、互いに妨害する)傾向があることが知られている。例えば、音声スペクトルでは、真空管増幅器は、人間の耳には良い音として聞こえる音である、偶数次の高調波のひずみを生成する。一方、バイポーラトランジスタは、互いに干渉する奇数次の高調波(音声スペクトルでは耳障りな不快な音である)生成し、エネルギーを無駄にする。これらの周波数は、オーディオ膜(例えばスピーカトランスデューサ、マイクトランスデューサ)や人間の鼓膜を刺激する場合でも、または、分子または分子群を刺激する場合でも結果は同じである。すなわち、偶数次の高調波の規則的な振動は、振動を強化する建設的干渉を示し、奇数次の高調波のランダムな振動と競合して破壊的な波形干渉をもたらすランダムで均一な時間依存性波形を生成するものの、系において非常に非効率的なエネルギー結合をもたらし、場合によっては系を不安定な状態にすることすらある。
このことは、エネルギーを動力学的に放出するのではなく、エネルギーを吸収して一時的に貯蔵することができる任意の物理系にも当てはまる。このような物理系での、周波数スペクトルで励起される相互作用を理解するためには、振動挙動と共振の概念を考慮する必要がある。その後は、同一の物理法則に従う化学系及び生物学系の挙動を、より完全に理解することができるであろう。
振動及び共振の原理
動力学的エネルギー(すなわち、運動エネルギー)とポテンシャルエネルギー(すなわち、貯蔵エネルギー)の両方が現れることが可能な任意の物理系では、振動挙動と「共振」の可能性が存在する。振動は、エネルギーがポテンシャルエネルギーの或る形態から他の形態に繰り返し遷移したときに発生する。機械的な例では、ばねの圧縮及び伸張が振動系を表し、ばねの張力が貯蔵エネルギーを表す。また、ドアの開閉動作は運動エネルギーを表し、それに関連する摩擦はエネルギー損失をもたらす。同様の例は、ブランコでの振り子運動または子供のスイング運動であり、毎回、そのスイングの円弧(運動エネルギーがゼロになり、ポテンシャルエネルギーが最大になる位置)の頂部で毎回止まり、その後、ブランコは、そのスイング円弧の底部(ポテンシャルエネルギーが最小となり、スイングの速度及び運動エネルギーが最大になる位置)に向かうように地面に向かって落下する。このような例では、ポテンシャルエネルギーは、重力に起因する力に貯蔵される。同様の現象は建物及び橋においても発生し、風及び地震振動の両方の影響を受け易い。物体が振動するたびに、摩擦によりエネルギーの一部が除去され、系はその合計エネルギーを損失する。エネルギーが補充されない限り、最終的には系はそのエネルギーを全て失い、振動が終わる。
振動挙動のメカニズムは磁気素子及び容量素子を有する電気回路においても現れ、エネルギーは、磁界、電界、またはそれらの組み合わせに貯蔵される。誘導素子及び容量素子における電流及び電圧は、本質的に位相不一致であり、一旦印加されると、インダクタからコンデンサに(またはその逆に)再分配される貯蔵エネルギーにより自然発生的に振動する。振動中は、電流がエネルギー貯蔵素子間を流れるたびに、電気抵抗により、系のエネルギーの一部が熱として失われる。
しかし、十分に高い振動周波数では、電界及び磁界は、もはや回路素子に貯蔵されない。発生した電磁界は、「進行」波(電磁放射またはEMRとしても知られている)として、空間を伝搬する。振動周波数に応じて、EMRは、電波、マイクロ波、赤外線、光、紫外線、X線、またはガンマ線を含む。真空空間では、EMRは、無限に進むことができる。対照的に、任意のEMR伝搬物質では、機械系における摩擦に起因するエネルギー損失または電気回路における抵抗に起因するエネルギー損失と同様の態様で、波は次第に減衰し、波が進むにしたがってエネルギーが失われる。
振動挙動を示すことができる任意の系では、系にエネルギーを入力するタイミングにより、その応答が決定される。ブランコの例では、ブランコがその高さの頂点まで完全に戻る前に大人により押された場合、その押す力がブランコのスイング動作に対して作用してそのエネルギーを低下させ、それにより、次回のスイングサイクルでブランコが到達する最大高さは低くなる。タイミングが早すぎるブランコを押す動作は、スイング動作を妨げるかまたは干渉し、このことは、相殺的干渉と呼ばれる、逆に、ブランコがそのピーク高さ(ブランコのスイング方向が反対になる位置)に達する後まで大人が待ち、その時点で押すと、ブランコにエネルギーが入力されて振動が強化され、次回の振動サイクルでブランコが到達する高さをより高くすることができる。ブランコを押す動作を適切なタイミングで行うことにより、ブランコのスイング動作を強化することができ、このことは、建設的干渉と呼ばれる。ブランコを押す動作を適切なタイミングで周期的に行うと、ブランコは各サイクルでより高い位置までスイングすることができ、また、ブランコの振動に変換されるエネルギーを最大にすることができる。ブランコは、その「共振」周波数の近傍での振動と言われている。
電気系においても同じことが言える。RLC発振回路またはRLC「タンク」の系では、エネルギーは、インダクタLとコンデンサCとの間で行ったり来たり「スロッシュ(slosh)」する(水が「タンク」に出たり入ったりスロッシュすることの比ゆである)。ネットワークを駆動するエネルギーの発振源、例えばAC電圧源などが、1/SQRT(LC)の値に達する周波数で振動する場合、振動はその最大大きさに達し、AC電源からタンク回路に結合されるエネルギーは最大となる。抵抗Rの存在により、タンク回路においてエネルギー損失が生じる。共振周波数よりも小さいまたは大きい任意の励起周波数により、エネルギーはタンク回路に共振周波数よりも非効率的に結合される。
この挙動をより良く理解するために、発振タンク回路を励起する発振電圧源の周波数を、共振周波数よりも低い低周波数からスイープを開始し、より高い値まで一定の割合で増加させた。非常に低い周波数(DC付近)では、タンク回路は全く反応しなかった。周波数を大きくすると、エネルギーは系に結合され、電流はインダクタとコンデンサとの間で振動を開始した。駆動周波数を増加させ続けると、励起に対するタンク回路の応答、及びそれに対応する振動の大きさは、最初は一定の割合で徐々に増加し、その後、共振周波数に達すると急激に増加する。駆動電圧源が回路の共振周波数に達すると、振動はそのピーク値に達し、エネルギー変換は最も効率的になる。周波数を、共振周波数を超えて増加させ続けると、振動の大きさは減少する。
前述の例では単一の共振周波数を有する系について説明したが、系は、しばしば、2以上のエネルギー貯蔵素子、状態、またはメカニズムを有し、それ故に、2以上の固有共振周波数を有し得る。2以上の共振周波数を有する系の例が、図10のグラフに示されている。このグラフでは、振動の大きさG(f)をy軸に、周波数fをx軸にプロットしている。図示のように、応答曲線151は、周波数f1での低周波数共振ピーク152と、周波数f2での高周波数共振ピーク153とを有している。図示のように、共振ピーク152は共振ピーク153よりも、周波数の大きさ及び幅が大きい。すなわち、共振ピーク153は、共振ピーク152よりも周波数の大きさが小さく、かつ鋭い感度を示す。この2つの共振ピーク間でのこの系の応答の大きさは、決してゼロにはならない。これは、エネルギー貯蔵素子の全系はこれらの励起周波数で相互作用することを意味する。
したがって、従来の分析方法を用いて、単一のAC電圧源を低周波数から高周波数までスイープすると、G(f)が周波数f1での共振ピーク152に達するまで増加し、その後、より小さい大きさまで減少して平坦になり、そこから駆動周波数として周波数f2での共振ピーク153に達するまで再び増加し、それを超えると減少する曲線151を描くことができる。多くの場合、物理系は、通常状態では決して励起されないので、決して観察されることのない共振ピークを含む。この挙動の典型的な例は、風の固定周波数では無害に揺れるが、地震では低周波数で大きく共振して崩壊するおそれがある建物である。したがって、任意の振動系において共振周波数が未知の場合、励起、特に意図せぬ励起に対する系の応答を分析することは困難である。
さらに悪いことに、励起を提供するエネルギー源自体が幅広くかつ未知の周波数スペクトルを有している場合は、系の応答を予測、理解、または解釈することは困難である。これが、複数の共振周波数を有する振動系のデジタルパルス励起に関する問題である。各デジタルパルスが基本周波数及び高調波スペクトルを生成するので、様々な周波数が、未知の、望ましくない、またはさらには有害の可能性がある高調波を励起する恐れがある。
他の場合では、いくつかの特定の共振周波数だけを意図的に励起することが望ましい。このような場合、高調波が周波数の範囲をカバーして望ましくない共振を励起するので、デジタルパルスは望ましくない。したがって理想的には、このような環境では、2つの目標周波数(例えば、f1とf2)での振動を生成することが好ましい。しかし残念ながら、高調波の問題を無視できたとしても、所望の周波数またはその近傍でパルスを生成するためのデジタルパルス制御の別の限界は、基本励起周波数が本質的にモノラルであること、すなわち、単一の周波数、ピッチまたは音を含むことである。
例えば、図11に示すように、系が、60Hzのデジタルパルス155を連続的に生成し、その後、元の60Hzのデジタルパルス155に120Hzの第2のデジタルパルス156を重ねて同期させた場合、その結果得られた波形157は、60Hzの成分を有していない120Hzのデジタルパルス156と全く一致する。これは、同期されたデジタルパルスの偶数倍については、より高い倍数の周波数のみが現れることを意味する。要するに、所望の周波数またはその近傍の周波数に変調されたデジタルパルスを使用する場合、電気回路またはエネルギー変換装置(例えば、レーザ装置またはLED)は単一の基本周波数でしか励起することができない。すなわち、現在の光線治療装置に用いられるデジタル技術及び方法では、コードまたは複数の周波数を同時に生成することができない。
パルス式光線治療の限界
結論として、デジタルパルスを使用して、光線治療システムにおいて使用されるLEDやレーザ装置などの電気負荷の明るさや周波数パターンを制御する場合は、エネルギー変換装置を駆動するのに使用される基本周波数を大幅に超える周波数スペクトルが生成されることが、フーリエ分析により明らかになった。生成された高調波スペクトルは、奇数の高調波を含み、エネルギーを無駄にし、かつ、光線治療における、電気回路またはエネルギー変換装置(例えば、レーザ装置またはLED)の特定の駆動周波数を正確に制御及び送達する能力を損なわせる恐れがある
振動及び共振の原理を光線治療に適用すると、LEDまたはレーザ光のデジタル変調は、様々な化学的及び光生物学的プロセスを未制御の状態で励起する可能性のある幅広い周波数スペクトルを生成する。治療プロセスにおいて特定の化学反応を励起するのに必要とされる周波数は正確に分かっていないので、未制御の高調波スペクトルによる組織の刺激は、有益なキー周波数の識別及び分離をもたらし、治療効果の体系的な向上は不可能となる。
試験状態の不十分な報告による曖昧な始まりと共に、光線治療実験中の光源の矩形波パルシングにより生じた高調波スペクトル汚染は、少なくとも一部には、光線治療のパルス波の最適化を図る発表された研究において報告された観察結果と矛盾する結果及び有効性の原因となる、未制御の変数を示す。ほとんどの光生物学的プロセスが音声スペクトルにおいて、すなわち20kHz未満で発生すると仮定すると、分析は、パルス動作によるスペクトル汚染の影響は低周波数のデジタルパルスにおいて最悪となることを示す。望ましくない高調波スペクトルは、より大きなオーバーラップを生成し、光生物学的刺激に対する周波数感度に影響を与えるからである。
例えば、292Hz矩形波パルスの高調波スペクトルは、音声スペクトルの大部分を汚染するが、5kHzの矩形波パルスから生成された大きな高調波は、超音波帯域(>20kHz)で発生し、そのような高速周波数に対する細胞の反応能力を超える。
この点を詳細に説明するために、図12Aのグラフは、ノジェの治療研究で推奨されているように、292Hzのデジタルパルスの高調波成分、すなわちDの4オクターブ(D4)と、この周波数の偶数倍とを対比する。純音を用いた、292Hzの基本周波数161は、音声スペクトル163におけるDの他の倍数の高調波、例えば584Hz、1168Hz、2336Hz、4672Hzの周波数に対応するD5、D6、D7、D8と混合させたときに、建設的干渉及びエネルギー変換の向上を示す。一方、292Hzの繰り返し型のデジタルパルス162は、そのどれもが生理学的研究により推奨される偶数次の高調波周波数と全く一致しない、876Hz、1460Hz、2044Hz、2628Hz、3212Hz、3796Hz、4380Hz...での3次、5次、7次、9次、11次、13次、15次...の周波数を含む奇数次の高調波164を生成する。一方、292Hzのデジタルパルス162により生成された奇数次の高調波164の結果として生じるスペクトル成分は音声スペクトルの大部分を汚染し、様々な生化学プロセスとの有害なまたは非有益な相互作用の発生、及び所望の光生物学的変調(Photobiomodulation)の阻害をもたらす。
デジタルパルスは望ましくない高調波を生成するが、全てのパルス周波数が、生化学プロセス及び光生物学的変調(フォトバイオモジュレーション)に対して等しく大きな影響を与えるわけではない。図12Bは、4672Hzのデジタルパルス172及びその奇数次の高調波174を、4672Hzの周波数を有する8オクターブの純音D171(D8)及び純音D8の偶数次の高調波173と比較する。具体的には、8オクターブの純音D171は、ほとんどの光生物学的変調が起こる音声帯域内に、この周波数の偶数倍、9344Hz及び18688HzでのD9及びD10を含む。対照的に、37376Hzでは音D11は超音波スペクトルの範囲内であり、この周波数を超える音の範囲、すなわち、聞くのにもほとんどの細胞及び組織が化学的に反応するのにも高すぎる範囲は、線175で示す。このグラフの重要な点は、4672Hzのデジタルパルス172が奇数次の高調波174の全てのスペクトルを生成するという事実にも関わらず、14016Hzでの3次高調波の単一の高調波だけが、音声スペクトル帯域に入り、かつ線175によって特定された周波数よりも低くなることである。他の全ての高調波は、ほとんどの組織が有意に応答または反応するには、周波数が高すぎる。
結論として、デジタルパルスにより発生するスペクトル汚染は、低周波数ではより重要である。5kHzパルスレートを超えると、発生する望ましくない奇数次の高調波の大部分は、音声周波数帯域を超える超音波帯域に入り、かつ周波数が高すぎて有益な光生物学的変調に悪影響を及ぼす周波数になるからである。
また、望ましくない高調波の生成に加えて、所望の周波数範囲のパルスのデジタル励起パターンによるレーザ装置またはLEDのアレイの制御は、コードまたは複数の周波数を同時に生成することはできなかった。そのため、細胞、組織、または器官へのエネルギー結合を制御または最適化するための、光線治療装置の可能性が制限されていた。
望ましくない及び未制御の高調波によるスペクトル汚染、特に音声スペクトル(すなわち、20kHz未満)の汚染を発生することなく、特定の望ましい周波数または周波数のグループ(コード)を合成するために、レーザ装置またはLEDアレイの励起パターン動作を制御する方法が求められている。
高調波制御による光生物学的変調の向上
光線治療(低レベル光治療:LLLT)中の光生物学的変調の完全な制御を提供するために、本明細書で説明する本開示のシステムは、連続的かつ時間依存性の変調パターン、周波数、及び占有率を含み、望ましくない高調波またはスペクトル汚染を含まない、ユーザが選択可能な任意波形(及び波形のシーケンス)により、様々な波長のLEDアレイまたはレーザ装置を体系的に駆動することができる。時変波形は、デジタルパルス、正弦波、パルス化された正弦波、連続動作、ユーザが定義した波形、及び数学的関数を含む。
この向上した制御の目標は、細胞、組織、器官、及び生理学的系に特異的な特定の生化学的プロセスの固有周波数に同期するように装置動作を調節することにより、治療効果を向上させることである。エネルギー送達のタイミングを調節し、その周波数及び高調波を制御することにより、組織特異性を高めることができる。これらの動作パラメータを究明するために、光生物学的変調の周波数依存性の生化学的及び細胞学的な原因をまず考慮する必要があり、現在の知識及び入手可能な技術文献から始める。
光生物学的変調の周波数依存性の原因
光生物学的変調の周波数依存性と、それの光線治療への影響は、生きている細胞、組織、器官、及び生理学的系における物理学的機構に相関する。
前述の論文「Effect of Pulsing in Low-Level Light Therapy" published in Lasers Surg. Med. August 2010, volume 42(6), pp. 450-466」によれば、パルス光の効果向上の生物学的説明があるとすれば、それは、生物系に存在する数十または数百Hzの範囲の或る基本周波数に起因するか、または数ミリ秒(ms)の時間スケールを有する生物系プロセスに起因する。
この論文には、生きている器官において生じる固有振動数が記載されており、脳波の4つの個別のクラス、すなわち、8−13Hzでのアルファ波、14−40Hzでのベータ波、1−3Hzでのデルタ波、4−7Hzでのシータ波を同定する脳波記録研究を含む。これらの様々な波は、睡眠、安静、瞑想、視認、認識精神活動などの様々な状態中に存在し、病気、脳震とう、外傷性脳損傷、年齢の影響を受ける。この論文の著者は、「光パルスの周波数と脳波の周波数との間で発生する共振の可能性は、パルス光を用いた経頭蓋LLLTの結果のいくつかを説明できるであろう」と推測している。
同様の見解が、心電図の信号及び心臓機能の調整に関して、他の著者によりなされている。安静時の心拍数は、その人の年齢及び健康状態に応じて、一般的に60−100拍/分、あるいは大体1−2Hzである。腸の蠕動性収縮は、1Hz以下の周波数で生じる。これらの系及びそれらの最適な応答状態は、それら自体の時間制御(一般に、固有の電気化学的な)を有するクロック系として動作するので、シンプルな化学的または電気的反応速度を表さない。例えば、電気化学的プロセスを通じて、カリウムは、人間の心臓の固有パルスレートの設定に密接に関与する。
細胞内に存在する機構の別の完全に異なるクラスと、光生物学的変調周波数依存性の関与の可能性は、化学またはイオン反応速度及びイオン輸送に関連するように見える。Hashmi他による上記の論文は、ミトコンドリアにおけるカリウム及びカルシウムイオンチャンネルを含む、0.1−100ms、すなわち100−10Hzの範囲のイオンチャンネルについての時定数を示した参照文献とともに、「イオンチャンネルの開閉動作の時間スケールは約数msである」と続けている。他の論文は、筋線維鞘、すなわち筋細胞を包む脂質二重層細胞膜が、光生物学的変調周波数依存性に関与していることを示唆している。脂質二重層細胞膜は、多くの場合、イオンポンプの役割を果たすからである。
細胞レベルでの、光生物学的変調の周波数依存性に関与する別の機構は、シトクロムcオキシダーゼ(CCO)において見られるタンパク質結合部位(ヘムまたはカッパ)からの一酸化窒素(NO)の光分解である。CCOは、NOスカベンジャー分子としての役割を果たし、負フィードバックとNO調節を提供する。図2を参照して前述したように、光生物学的変調の存在下では、NOは、光線治療が施される部分、おそらくは病変または損傷組織の部分にのみ放出される。パルス光線治療の観察された利益は、パルス光が複数の光分解事象をトリガーすることができるために得られると推定される。一方、連続波(CW)モードでは、固定された低いレートではNO放出は安定するが、NO放出はNO再付着のカウンタ反応によりバランスが取られる。
図13は、光生物学的変調の物理的メカニズムを図式的に要約する。図示のように、光子190は、分子191により吸収され相互作用し、新しい結合を形成するかまたは結合を破壊する。衝突光のエネルギーは、その波長に依存し、アインシュタインの関係式:E=hc/λ、または便宜上E=1.24eV−μm/λ(λはμmで測定される)により与えられる。光子あたりのエネルギーは、650nmの赤色光ではE=1.91eVであり、950nmのNIR光ではE=1.31eVである。水素結合、イオン結合、及び大部分の共有結合を含む大部分の化学結合の結合エネルギーは0.2−10eVの範囲であるが、光子のエネルギーによる化学結合の形成または破壊は、分子、特に結晶が、集団的に機能する多数の結合手を有する原子群を含むという事実により複雑である。これは、単一の結合の破壊が、必ずしも結合変換を誘導しないことを意味する。さらに、反応に応じて、複数のエネルギー源及び酵素により、化学変換の誘導において、光子を支援することができる。例えば、単一のATP分子は最大で0.6eVのエネルギーを放出することができ、これにより、光化学反応の提供において単独でまたは集団的に支援することができる。
分子191の光生物学的変調の結果は、いくつかの機構、すなわち、電子伝導192、化学的変換193、イオン伝導194、熱振動195のうちの1つにおいて現れる。イオン化中の自由電子の放出192は、光生物学的変調の純粋な電気成分を示す。時定数τで生じる電子輸送は、比較的速く、kHzから最大で数十kHzまでの刺激に応答することが可能である。電子放出による電気伝導を誘導する光生物学的変調は、バイオ光電伝導と呼ぶことができる。
それぞれ時定数τ及び時定数τを有する化学的変換193及びイオン伝導194は、比較的遅く、10Hz−1kHzの範囲の光生物学的変調に応答する。化学プロセスは複雑であり、影響を受ける分子198の構造変換及びそれに対応する化学反応性及び貯蔵されたポテンシャルエネルギー(PE)の変化を伴う。イオン化プロセス194は、単純な電子伝導192よりも大幅に遅い。伝導イオン197は、大きな分子である場合が多く、拡散(濃度勾配dNq/dxにより駆動される)または電子伝導(空間中に不均一に分布したイオンにより生成された細胞内及び細胞間電界により誘導された力qEにより駆動される)により伝導されるからである。イオン輸送による電子伝導を誘導する光生物学的変調は、バイオ光イオン伝導と呼ぶことができる。同様に、分子の構造変換を誘導する光生物学的変調は、バイオ光化学変換と呼ぶことができる。
他の機構、熱振動195は熱の拡散であり、典型的な運動エネルギーまたは量子化された光子の伝導により、分子196はその周囲よりも高いレベルで振動する。エネルギーは光子で励起された分子を逃がし、その周囲に熱的に拡散させるからである。過渡熱効果、すなわち組織全体への振動の拡散は、1−10Hzで発生させることができる。一方、定常状態伝導は、安定させるのに数分を要する、すなわちサブHzの周波数に応答する。熱振動は、光生物学的変調における別の重要な機構である。熱励起は、溶液中で化学反応物を攪拌するかのように、イオン及び分子をより周期的かつより迅速に互いに衝突させることにより、反応速度を速めるからである。分子間での熱の拡散を誘導する光生物学的変調は、「バイオ光熱」伝導、すなわち熱振動と呼ぶことができる。
周波数依存性光生物学的変調は、入射光子の変調またはパルス周波数と相互作用する上記の物理的プロセスにより生じる。デジタルパルスレートまたは光変調周波数がそれに対する物理プロセスの応答能力よりも速い場合に、過剰刺激が生じる。このような場合、細胞または分子は、単純に刺激に遅れずについていくことができないので、応答は減少する。これは、混雑した高速道路の進入ランプの信号機の信号が変わらないと、高速道路上で車がますます渋滞し、どの車が動けなくなることに似ている。デジタルパルスレートまたは光変調周波数が、細胞の吸収能力よりもはるかに遅く、光生物学的変調がほとんど起こらない場合に、低刺激が生じる。この状態は、信号機が高速道路への進入をほとんど誰にも許可しない場合、すなわち誰もどこにも行けない場合に似ている。光生物学的変調周波数が、系の固有応答周波数と一致した場合にのみ、最適な結果及び効率的なエネルギー伝達がなされる。例えば、高速道路の侵入ランプの信号機が時間的に正確である場合、最適な数の車が高速道路上に存在することができ、交通渋滞を発生することなく、目的地に速やかに向かうことができる。
詳細には、非常に低い周波数での低刺激と、非常に高い周波数での過剰刺激は、光生物学的変調応答を低下させ、それらの間の最適なパルスレートまたは励起周波数でのみ、光生物学的変調応答及び光線治療効果を最大化することができる。特定の周波数で発生するこのピーク応答状態は、図10の応答曲線に非常によく似ていると思われる。とりわけ、上述の分析により、どの細胞、組織、器官にも、それぞれ特定の電子的、イオン的、化学的、熱的機構を誘導するように最適化された複数の時定数が存在することが明らかになったからである。
そのため、この様々なピーク応答状態は、その機構はエネルギー貯蔵及び持続放出を伴わないが、上述した共振系の場合と同様に、生物共振と呼ぶことができる。これらの選択された共振周波数を、制御された態様で、かつスペクトル汚染を生じることなく励起することが重要であり、特に、相殺的干渉及び効果損失を引き起こす周波数が不用意に生成されるのを避けることが重要である。さらに、現在のデジタルパルスに基づく光線治療システムを使用して、複数の生物共振機構を同時に駆動することは不可能ではない。本明細書で説明する本開示の新規な電子駆動システムは、従来技術では開示も示唆もされていない、光線治療のための正弦波駆動及びLEDまたはレーザ光の任意の波形合成を実現するための、発明的な装置と新規な方法との両方を含む。
光線治療のための波形合成システム
LED及び半導体レーザ装置を制御された周波数及び高調波で駆動する際の重要点は、LEDデバイス等の波形、パターン、及び駆動状態を生成するのに使用される電気回路及びアルゴリズムである。以下、直列に接続されたLEDの複数のストリングのアレイの駆動手段(電気回路)について詳細に説明するが、この電気回路は、1または複数の半導体レーザ装置にも適用可能である。
LEDの光出力は電流に依存し、LEDの明るさはLEDの順電圧にほとんど相関しないため、定電圧駆動よりも、制御された定電源(及び電流シンク)を使用することが好ましい。例えば、直列接続されたLEDストリングを、直列抵抗を介して接続された電圧源により駆動する場合、LED電流ILEDは、全LEDの直列順電圧降下Vの合計により、不回避的に変化する。電力供給電圧+VLEDがLEDストリングの順電圧降下Vよりも高いという条件で(すなわち、+VLED>V)、LED電流ILEDは、ILED=(+VLED−V)/Rの関係式で与えられる。これは、LED電圧の変化により、LED電流が変化し、したがってLEDの明るさも変化することを示す。各LEDストリングが全電圧に一致するように選別されたLEDを含まない限り、LED電圧は正確に制御または一致させることができないので、どのLEDストリングも、必ず前回よりも明るくなるかまたは暗くなる。
図14は、直列接続されたLEDのストリング205aを流れる電流を制御する電流シンクの2つの同等の回路200a、200bを示す。回路200aでは、電流シンク201aは、LEDストリング205aにおいて予め定められた電流ILEDaを維持するように設計されたセンシング及びフィードバックを有する理想的な電流制御デバイスを示す。図示のように、LEDストリング205aは、アノード・カソード間に直列接続された「m」個のLEDを含む。mは数学的な変数であり、アルファベットの13番目の文字を表すことを意図していない。回路要素199aは、電流ILEDaの値のセンシングからのフィードバックを表す。このフィードバックにより、電流シンク201aの電圧が変化した場合でも、電流が一定に保たれることを確実にする。
伝導時は、LED電流ILEDaの値は、低電圧電流源202aにより定められたアナログ入力電流αIrefに比例する。電流シンク201aが伝導されていない場合、すなわち電流源202aがイネーブルでない場合、LEDの電圧は最小となり、電流シンク201aの電圧は、+Vlogicの低電圧(例えば、3−5V)と比べると比較的高い電圧である(例えば40V)+VLEDに達する。電流シンク201aは、デジタルシンセサイザ203aに接続されたデジタルイネーブルピン「イネーブル」を介して、デジタル的にオンとオフ、すなわち伝導と非伝導を切り替えることができる。添字の「a」は、LEDパッドにおける直列接続されたLEDストリングを個別に駆動する複数のチャンネルのうちの1つを表すことに留意されたい。LEDパッドは、多数の独立的に制御されるLEDストリング、すなわち、LED出力チャンネルa、b、c、...、nを含んでいる。nは数学的な変数であり、アルファベットの14番目の文字を表すことを意図していない。
回路200bでは、直列接続された「m」個のLEDは、LEDデバイス内に文字「m」が付された単一のLEDに象徴的に置き換えられている。また、LEDの電圧として、+Vfaが付されている。図示のように、電流シンク201aは、高電圧MOSFET216aのゲートを駆動するMOSFETドライバ215aを含むアナログフィードバック回路をさらに詳細に示している。動作中は、MOSFETドライバ215aは、電流シンクMOSFET216aのゲートに電圧を提供し、MOSFETドライバ215aに含まれるセンシング回路を通じてグランドへ電流ILEDaを流す。この電流は、その後、低電圧電流源202aにより定められた様々なアナログ入力αIrefと比較され、電流シンクMOSFET216aのゲート電圧は、MOSFETドライバ215a内の回路により、電流αIrefと電流ILEDaとが互いに一致し、電流ILEDaが所望の値になるまで自動的に調節される。アナログ閉ループ回路のために、MOSFETドライバ215aからのフィードバックはほぼ瞬間的に行われ、変動する電圧は動的に調節され、電流源202aから入力される基準電流はプログラム的に変化させられる。
電流源202aから入力される基準電流αIrefは、固定された時間依存性のまたは調節可能な参照電圧と、正確な電圧を正確な基準電流に変換するために正確にトリム(調節)された直列抵抗とにより実現される。正確な電圧源は、固定値のツェナーダイオードまたはバンドギャップ電圧、電圧制御発振器(VCO)、または電流源202aから出力されるアナログ電流値のデジタル制御を容易にするデジタル/アナログ変換器(DAC)を含み得る。デジタルシンセサイザ203aからの出力は、カウンタ及びクロック回路、プログラム可能な論理アレイ(PLA)、またはファームウェア若しくはソフトウェア命令を実行するマイクロプロセッサにより実現することができる。
上述した回路のいくつかの実施は、前述した特許文献の米国特許出願第14/073,371号(特許文献1)に記載されている、他の例示的な及び新規な、アナログ、デジタル、または混合モードの回路も本明細書で後述する。
図15は、上述の駆動回路で合成される様々な種類の波形を示す。グラフ240aは、デジタルシンセサイザ203aからのデジタルイネーブル信号出力と、電流源202aからの基準電流αIref出力とを含む電流シンク201aの入力波形を示す。グラフ240bは、生成されたLED電流伝導波形を示す。グラフ240a及びグラフ240bは、互いの比較を容易にするために、同一の時間基準t1、t2...を含む。生成された波形は、例示のためのものであり、光線治療システムにおける望ましくない高調波を避けるための特定の動作状態の暗示を意図するものではなく、ただ単に、デジタルパルス化とアナログ電流制御との組み合わせがLED励起のほぼ無制限の制御を提供することを示すものである。
グラフ240aに示すように、デジタルイネーブル信号は区間241−245を含み、基準電流αIrefは曲線251−258を含む。グラフ240bの対応するLED電流の出力では、瞬間的なLED電流は曲線260−269で表され、利用可能な平均LED電流は線分271−275で示される破線で表される。
LED励起のアナログ制御とデジタル制御との間の相互作用を理解するために、この2つのグラフを、互いに対応する時間間隔で比較した。具体的には、時間t以前は、イネーブル信号241は論理ゼロであり、基準電流251はある公称値αIref、例えば20mAの出力電流ILEDaに対応する入力電流でバイアスされている。デジタルイネーブル信号241は論理ゼロであり、LED電流260はゼロであり、LEDストリングは、基準電流αIrefが非ゼロ値であるにも関わらずオフのままだからである。
時間tと時間tとの間では、デジタルイネーブル信号242は論理ゼロ状態から論理1状態にジャンプするが、基準電流251の値はαIrefの値(例えば、20−30mA)にバイアスされたままである。この結果、LED電流261は、基準電流251の値にジャンプする。時間tでのLED状態のオフからONへの遷移は、アナログ回路シンクをデジタル的に「トグリングした(切り替えた)」結果を示す。
デジタルイネーブル信号242はオンのままであるが、時間tでは、基準電流252のアナログ値αIrefはより高い値にジャンプし、その後、元の値251と同一である値253に達するまで、特定の、しかしユーザ設定可能な態様で減少する。LED電流262は基準電流252と同様に変化し、20mAからそれよりも高い値(例えば27mA)にジャンプし、その後、時間tで20mA(LED電流263)に戻る。LED電流262及び263の出力波形は、基準電流を用いることにより、デジタルパルス化を全く行うことなく、LED電流及び明るさのアナログ制御を容易に行うことができることを示す。
時間tでは、曲線254で示すように、基準電流は、ゼロ値ではない平均DC値に重畳された、制御された小信号の正弦波振動を開始する。基準電流のゆらぎは小信号と見なすことができる。振動の大きさは、電流αIrefの平均値と比べると小さいからである。合成振動では、平均電流は、振動開始前に存在した基準電流のDC値(曲線253)から変化しないままである。任意の振動周波数が可能であると考えられるが、光線治療における振動波形の実際の考察及び値は、動作周波数は20kHz以下にすべきであると示唆している。グラフ240bの対応するLED電流(曲線264)は、時間tで開始され、曲線254で示した基準電流と同様に変化し、20mAの平均電流値(破線271)を有し、平均LED電流を中心にして所定の一定量(例えば±1mA)で対称的に変化する。このことは、LED電流が、19mAから21mAの範囲のピークピーク値を有する正弦波的に変化することを意味する。
時間tでは、その前の時間区間t―t中の基準電流の小信号振動(曲線255)は、その前の時間区間t―tと同じ振動周波数を有する大信号振動に変化する。この図示した例では、最小基準電流αIrefはゼロ(またはほぼゼロ)に達し、ピーク基準電流は平均値に2回達する(すなわち、曲線253で示される基準電流の値に2回達する)。前述したように、デジタルイネーブル信号の値(線分242)は論理1状態に保たれるので、LED電流(曲線265)は、周波数及び波形の両方において基準電流(曲線255)の倍数の値をたどり、約±20mAのピークピーク振動を有する20mAの平均LED電流(破線271)を有する。これは、LED電流は、0mAから40mAへ正弦波的に変化し、20mAの平均値を有することを意味する。
時間tからは、基準電流(曲線255)とそれに対応するLED電流(曲線285)の振動周波数が低振動周波数まで意図的に減少することを除いては(基準電流については曲線265で示し、対応するLED電流については曲線266で示す)、時間区間t−tで存在したのと同じ振動動作状態を持続し、出力は、振動LED電流(曲線264及び265)において以前に生じたのと同じ平均値である、20mAの平均LD電流71に保たれる。
時間tでは、デジタルイネーブル信号と基準電流αIrefの役割は逆になり、基準電流の値が所定の最小値で一定となり(線分257)、デジタルイネーブル信号がパルス動作を開始する。具体的には、時間tでは、デジタルイネーブル信号(曲線243)は、50%の占有率でパルス動作を開始し、1/Tのデジタルクロック周波数でパルス化する(Tは、各繰り返しサイクルのパルス周期を示す)。時間tでは、曲線244で示すようにデジタルイネーブル信号のパルスオン期間が増加するが、パルス周期T及びそれに対応するパルス周波数はそれまでと同じに保たれる。この結果、占有率50%の20mAのパルスLED電流(曲線267で示す)は、占有率75%のLED電流(曲線268で示す)となる。この動作モードは、LED電流が20mAの平均LED電流の50%、すなわち10mAの平均LED電流(破線272で示す)から、時間tで20mAまたは15mAの平均LED電流の75%(破線273で示す)に変化する、固定周波数PWM(パルス幅変調)制御を含む。
時間tでは、基準電流の値は変化しないままであるが(曲線257)、曲線245に示すように、デジタルイネーブル信号のパルス周期、したがってパルスオン期間も、値Tまで増加する。これは、LED電流の波形に反映される(曲線269)。図示のように、合計周期Tで割られたデジタルイネーブル信号の占有率、パルスオン期間(曲線245)も増加し、占有率の90%への増加に相当するより高い平均値(破線274で示す)を有するLED電流が生成される。その後のt−t区間中での動作周波数の1/Tからそれよりも低い動作周波数1/Tへの減少は、可変周波数PWM制御の一例であり、PWM占有率をデジタルパルス周波数とは独立して変更できることを明らかにする。
図15に示す最後の波形において、時間t10では、基準電流の値はより高い値に増加する(曲線257から曲線258への遷移により示される)が、デジタルイネーブル信号の波形は、t−t10区間と同じ波形に保たれる。この結果、LED出力電流の瞬時値が増加し(曲線269から曲線270への遷移により示される)、平均LED電流も増加する(破線274から破線275への遷移により示される)。LED明るさの平均的及び瞬間的な増加にも関わらず、LED電流の占有率及びパルス周波数は、t9−t10の時間区間の対応する値から変化しないままである。
結論として、LED電流の瞬間的及び時間平均値は、基準電流のアナログ制御や、図14に示した電流シンクのイネーブル信号のデジタルパルス制御を用いる様々なフレキシブルな方法により制御することができる。電流シンク201a、基準電流源202a、及びデジタルシンセサイザ203aの実現は様々な方法で達成することができる。これらの回路の正確な実現には、正確さ、再現性、及び拡張性の問題を、マルチチャンネルシステムに適用する必要がある。このような回路は、アナログLED制御及びデジタル合成の2つの広義のカテゴリに分けることができる。
アナログLED電流制御
図14を再び参照して、LED電流ILEDaの制御には、アナログ制御による、MOSFETドライバ215a内のセンス及びLED駆動回路、並びに正確な基準電流202aの実施を必要とする。
電流シンク201aは、LED電流ILEDaを制御するようにバイアスされた高電圧MOSFET216aと、LED電流ILEDaを検出して望ましい基準電流αIrefと比較し、LED電流ILEDaが基準電流202aの予め定められたスカラー倍に一致するまで高電圧MOSFET216aのゲート電圧を動的に調節するMOSFETドライバ215aとを含む。測定及びフィードバックは、高電圧MOSFET216aの相互コンダクタンス及びチャンネル間マッチングに影響を与える高電圧MOSFET216aの任意の製造上のばらつき、例えば閾値電圧及びゲート酸化物の厚さに適応するために、閉ループ態様で行う必要がある。
基準電流αIrefは、制御された電流として図式的に表されているが、図16Aに示すように、正確な電流を複数のチャンネルに分配することには問題がある。電流源206の合計電流nαIrefは、MOSFETドライバ215a−215nの入力に、必ずしも均等に分配されないからである。すなわち、I、I、...、Iは互いに等しくない。この問題の解決策は、図16Bに概念的に示すように、基準電圧源207を用いて各チャンネルに電流ではなく電圧Vrefを分配し、その電圧を各チャンネルに設けた相互コンダクタンス増幅器208a、208b、...、208nを用いて同一の電流に変換することである。例えば、相互コンダクタンス増幅器208aは、VrefをMOSFETドライバ215aに供給されるIに変換し、相互コンダクタンス増幅器208bは、VrefをMOSFETドライバ215bに供給されるIに変換する(以下同様)。
しかし実際は、MOSFETドライバの回路内に電圧変換機能を予め設けることができるので、各チャンネルに対応するn個の相互コンダクタンス増幅器を用いる必要はない。例えば、図16Cに示すように、基準電圧源207から提供されMOSFETドライバ215aに供給される電流Iは、バイアス抵抗器212及びトリム抵抗器213a−213xの並列ネットワークを介して電流ミラーMOSFET210をバイアスするのに用いられる。添字xは数学的な変数であり、アルファベットの24番目の文字を表すことを意図していない。MOSFET210のゲートはそのドレインに接続されているので、すなわちMOSFET210は「閾値接続」されているので、MOSFET210のゲート電圧は、直列抵抗器212と、抵抗器213a−213gを含む並列トリムネットワーク220とにより設定されたようにして、望ましい基準電流Iを伝導するのに十分な電圧VG2に自然にバイアスされる。MOSFET210と、直列抵抗器212及びトリムネットワーク220の並列組み合わせとにより電圧ドライバが形成され、ミラーMOSFET210の両端間の電圧は、Vpilot=Vref−Ia・Requivとなる(ただし、1/Requiv=1/Rmax+1/Rt1+1/Rt2+...+1/Rtxとする)。抵抗器ネットワーク220の抵抗値を変化させることにより、Vpilotは、ドレイン電流と一致するMOSFET210のゲート電圧VG2を生成するように調節される(すなわち、VGS=Vpilot)。MOSFET210のゲート電圧VG2は、その閾値電圧よりもわずかに大きいので、「閾値接続」されることとなる。
この同一のゲート電圧VG2は、より大きなMOSFET211を、電流ミラーMOSFET210及び211を流れる公称動作電流の比率が、電流ミラーMOSFET210及び211のゲート幅の比率と等しくなるように、同一の駆動状態にバイアスする。例えば、基準電流Iaが公称的には2μAに設定され、かつILEDaを20mAにすることを目的としている場合、MOSFET210及び211間のサイズ比率は、20mA/2μA=10、000に選択されるべきである。これは、電流ミラーMOSFET211のゲート幅を、電流ミラーMOSFET210のゲート幅よりも10、000倍大きくするべきであることを意味する。これらの共通のゲートバイアス及び一定サイズの比率のために、電流ミラーMOSFET211が20mAを伝導する場合にのみ、ドレイン・ソース電圧VsenseがVpilotと等しくなる。LEDストリング205aの照明中、一定の電圧ゲインAvを有する閉ループでバイアスされる差動増幅器214は、MOSFET216a及び211を流れる電流ILEDaによりVsenseとVpilotとの差がゼロになるまで(すなわち、Vsense−Vpilot=0)、ゲート電圧VG1を有する高圧MOSFET216aのゲートを駆動する。このようにして、基準電流Iaは、MOSFET211において「ミラーされ(mirrored)」、LED供給電圧+VLEDが変化した場合でも、制御された一定の電流がLEDストリング205aを流れる。
製造中は、固定抵抗器212に並列な抵抗ネットワーク220は、正確な出力電流を生成するために機能的に調節(トリム)され、それにより、MOSFET210の相互コンダクタンスに由来するばらつき、または抵抗器212の抵抗値Rmaxのばらつきを除去する。図示した例では、トリムは、電流ILEDaを測定し、その後、ILEDaの測定値がその目標値に達するまでヒューズリンクをブローさせることにより行われ。増幅器214はMOSFET216a(したがって、電流ILEDa)を制御してMOSFET210及び211のサイズ、そしてエラー電圧を等しくするため、電流IとILEDaとが互いに等しくなったときに、VsenseとVpilotとの差はゼロになる。MOSFET211のゲート幅がMOSFET210のゲート幅よりも大きく、かつエラー電圧がゼロである場合、MOSFETの幅の比率により、LED電流ILEDaは基準電流Iaよりも大きくなる。
例えば、製造の直後及びトリムの直前に、抵抗器ネットワーク220の全ての抵抗器が依然として抵抗器212と電気的に並列に接続されている場合、抵抗器ネットワーク220の全抵抗はその最大値となり、電流Iはその目標値よりも高くなるため、ILEDaの値も非常に高い値、例えば22mA(20mAの目標値よりも10%高い)になる。集積回路(または、印刷回路基板)において、プローブが、共通の金属トリムパッド221、及び特定の抵抗器トリムパッド222の全てに電気的に接続されている。明瞭にするために、トリム抵抗器213bに直列接続されたトリムパッド222bのみに符号を付している。その後、共通トリムパッド222と特定チャンネルのトリムパッド、例えばトルムパッド222bとの間にテスターから高電流を印可し、金属ヒューズリンク223bの薄い部分を融解させて電気的にオープンな回路にし、抵抗器213bをトリムネットワーク220から切断する。並列抵抗の減少により合計抵抗が増加し、それにより、基準電流の値が低下する。そして、LEDストリング205aを流れるLED電流は、一定量減少する。
この測定及びリンクブロープロセスは、目標値の電流ILEDaが得るために適切な数の金属ヒューズリンクをブローさせるまで繰り返される。全てのヒューズリンクがブローされた場合、MOSFET210に直列な抵抗(抵抗器212の抵抗)はその最大値Rmaxに増加し、基準電流Iはその最小値になる。その電流が目標値よりも依然として大きい場合、その特定の集積回路は、生産収率を低下させ製造コストを増加させる欠陥品として却下される。したがって、抵抗器ネットワーク220に使用される抵抗値Rt1、Rt2、...、Rtxは、集積回路の製造における通常の確率的なばらつきに適合するように、注意深く選択する必要がある。ヒューズリンク223bは、図16Cに示した他のコンダクタよりも細い線で図示されていることに注意されたい。
また、MOSFET215aのデジタルイネーブル機能を示すために、単極・双投スイッチ217が示されている。MOSFET216aが伝導され、LEDストリング205aが照明されたとき、デジタルゲートバッファ(インバータ記号で示されている)218へのデジタル入力は、「高」または論理1となる。イネーブル信号が論理ゼロ状態にバイアスされた場合、スイッチ217は、高電圧MOSFET216aのゲートをグランドに接続する。これにより、VG1=0となり、MOSFET216aはオフになり、LEDストリング205aへの電流を遮断する。この機能は、機械的スイッチとして示されているが、実際には、当業者にはよく知られているように、アナログスイッチまたは増幅器として構成されたトランジスタのネットワークにより実現される。また、特定のチャンネルがイネーブルでない期間は、差動増幅器214は電圧を中断するかまたは固定するように動作して、MOSFET211のセンス電流を増加させようとする無益な出力電圧を増加させないようにする必要がある。
抵抗器のトリムは一般的であるが、トランジスタのネットワークのサイズ、すなわちゲート幅のトリムは、抵抗器を使用する場合よりもより容易でかつより正確である。そのような回路が図16Dに示されている。図16Dの回路は、抵抗器212はトリム抵抗器の並列ネットワークを有しておらず、その代わりに、電流ミラーMOSFET210がトリムMOSFET225a、225b、...、225xの並列ネットワーク230を有している。抵抗器トリムではなくMOSFETトリムを用いることの別の利点は、ネットワーク230が図16Cに示したネットワーク220よりも小さいことである。抵抗器トリム方法と同様に、ヒューズリンク233xがブローされて切断されたとき、すなわちオフにされたとき、1または複数のMOSFET225a...225xが、電流ミラーMOSFET210と並列になる。例えば、製造の直後及びトリムの直前に、全てのMOSFET210及び225a...225xが依然として電気的に並列に接続されている場合、MOSFET211と、電流ミラーMOSFET210及びトリムネットワーク230の並列組み合わせとの間のサイズ比率は最少となり、電流ILEDaはその目標値よりも低くなる(例えば、20mAの目標値よりも10%低い18mAとなる)。例えば、共通トリムパッド231と特定のチャンネルのトリムパッド232xとの間に高電流を印加することによりヒューズリンク233xをブローさせ、それにより、トリムMOSFET225xのゲートとMOSFET210のゲートとの間の接続を切断することができる。あるいはその代わりに、抵抗器226xのゲートを切断することにより、MOSFET225xをオフにバイアスすることができる。MOSFETトリムネットワークの並列ゲート幅を減少させることにより電流ミラー比率は増加、その分だけ基準電流Iaも増加し、それに伴いLED電流ILEDaが増加する。
図16Dでは、MOSFE210及び211のゲートは、MOSFEトリムネットワーク230のゲートと共に、電圧源224によりバイアスされ、電流ミラーMOSFET210のゲートとそのドレインとの接続によりバイアスされないことに留意されたい。この方法の利点は、電流ミラーMOSFET211が、より低いドレイン電圧Vsenseにより動作することである。この方法を用いることによりいくつかの初期の正確さが失われるかもしれないが、その欠失を修正するための機能的なトリムが可能となる。有益なことに、MOSFE211の両端でのより低い電圧降下は電力損失を減少させ、それにより、LEDドライバ215aのシステム全体の効率を向上させる。
また、基準電流の代わりに基準電圧を用いるのには、アナログ回路が必要となる。固定値の基準電圧源を製造する方法は公知であり、温度による電圧のばらつきを最小限に抑える手段を含む。そのような方法は、バンドギャップ電圧基準(en.wikipedia.org/wiki/bandgap_voltage_referenceを参照)と、ツェナーダイオード電圧基準(en.wikipedia.org/wiki/Zener_diodeを参照)とを含む。これらの技術は、当業者には公知であるので、ここでは説明を省略する。
アナログ正弦波合成
後述するように正弦波波形はデジタル的に生成することができるが、本開示に係る発明的手段では、光線治療システムにおいてLEDを駆動するための正弦波波形の生成は、アナログ合成を用いて行う。上述したように、デジタル合成は、正弦波(または、複数の周波数の正弦波のコード)を合成するために、LED電流のオン/オフを一定の変化間隔で繰り返してパルシングすること(すなわちパルス幅変調)を含むが、アナログ合成は、基準電流、すなわちLED電流制御回路にバイアスする電流を正弦波的に変化させること(すなわち、LEDストリングの電流ミラー駆動)、要するに、基準電流を発振器に入力することを含む。図15に示した例示的な波形を参照して、アナログ波形合成は、時間t、t、tで生じる正弦曲線245、255、256、並びに、任意の制御機能を実施する能力を表す任意の時間依存性波形である時間tでの波形252により示される。
図17Aに示すように、アナログ正弦波合成を行うために、MOSFETドライバ215aをバイアスする基準電圧は、固定周波数の正弦波または正弦波的に発振する基準電圧源235(線形または「高調波」発振器としても知られている)に置き換えられる。音声帯域の高調波発振器は、インダクタコンデンサ回路、すなわちLC発振器、または、抵抗コンデンサ回路、すなわちRC発振器、RC相シフト発振器、ウィーンブリッジ発振器、ツインT発振器を用いて作製することができる(wikieducator.org/sinusoidal_oscillatorを参照)。製造中は、発振基準電圧源235の出力電圧は、抵抗器またはトランジスタのアレイを用いて、前述したMOSFETドライバ215aのトリムと同様の方法でトリムする必要がある。一方、単純な弛緩発振器を含むクロック生成のためによく使用される他の一般的なRC回路は、高調波発振器ではなく、望ましくない広範囲のスペクトラム成分を含むのこぎり歯形または三角形の波形を生成するので、使用することはできない。
図17Bでは、発振基準電圧源235が、周波数及び電圧を調節可能な制御された発振基準電圧源236に置き換えられている。このような発振基準の一例は、図17Cに示されている。図17Cに含まれるウィーンブリッジ発振器280は、電圧フォロワ281と、トリム可能な可変電圧出力バッファ282とを含んでいる。ウィーン発振器280は、2つの互いに一致した可変コンデンサ284a及び284bと、2つの互いに一致したプログラム可能な抵抗器283a及び283bとを含む。この2つのRCネットワークは、分圧器と、高ドレイン差動増幅器285の出力からの信号をその正入力に戻すフィードバックネットワークを形成する。抵抗器286a及び286bを含む減衰ネットワークは、発振を安定化させるために回路のゲイン及び安定性を設定する。
発振周波数は、プログラム可能な抵抗器283a及び283bの抵抗ROSCを変更することにより、あるいは、可変コンデンサ284a及び284bのキャパシタンスCOSCを変更することにより調節することができる。可変抵抗は、その線形動作領域においてバイアスされるMOSFETのゲート電圧及び抵抗を変更することにより、あるいは、離散抵抗器を含むデジタルポテンショメータを様々な抵抗器をショートさせることができる並列MOSFETと共に使用することにより実現することができる。様々なキャパシタンスは、その内の1つが接合容量を生成すべく固定電圧に逆バイアスされるバックツーバックpn接合ダイオードを含むバラクタにより実現することができる。抵抗またはキャパシタンスの一方を変更することにより、ウィーン発振器280の発振周波数を調節することができる。
トリム可能な可変電圧出力バッファ282による負荷がウィーン発振器280の発振周波数に影響を与えないことを確実にするために、抵抗器288を介しての負のフィードバックを有する差動増幅器287を含む電圧フォロワ281はバッファリングを提供する。電圧フォロワ281の電圧Vbufは、その後、抵抗値Rを有する固定抵抗器292及び抵抗値Rを有する可変抵抗器291を含む抵抗器ドライバにより調節される。可変抵抗器291は、上述したように、トリムネットワーク及びデジタルポテンショメータを含み得る。抵抗器291及び抵抗器292間に位置し、差動増幅器289の正入力に接続されたタップ点での電圧は、電圧フォロワ281の出力電圧Vrefoutと等しく、次の式で表せる。
refout=(Vbuf・R)/(R+R
その出力が導線290により負入力に接続されているので、差動増幅器は、その入力の電圧波形を正確に再生する電圧フォロワとして動作するとともに、その出力Vrefoutに接続された電気負荷に必要とされる電流を送達する。
出力波形295により示すように、この出力電圧Vrefoutは、ゼロからそのピーク値+VAC(t)まで及びVAC(t)/2の平均値を有するAC成分VAC(t)を含み、追加的なDCオフセットは含まない(正弦波の固有DC平均値を除いて)。電圧成分はACだけ、具体的には高調波発振器280により生成された正弦波+VAC(t)だけなので、正弦波は大信号AC挙動を示すと言える。DCオフセットも含むことが望ましい場合、発振基準電圧源236の出力は、図17Dに示す回路によってさらに調節することができる。この回路では、図17Cに示した回路の出力Vrefoutは、AC結合コンデンサ303を介して、差動増幅器302(または他のタイプの電圧フォロワ回路)を含む電圧フォロワ300に供給される。差動増幅器302は、導線301を介した負のフィードバックによりその出力がその負入力に接続されるので、電圧フォロワとして動作する。AC結合コンデンサ303の目的は、発振基準電圧源236の出力に存在するDCオフセットを遮断することである。オフセットが存在しない場合、コンデンサ303は除去してもよい。
演算増幅器302は、論理電源+Vlogicにより駆動されるが、その負の供給経路はグランドに接続されておらず、その代わりに、電圧バイアス回路309により生成された生成電圧+Vneg、差動増幅器302のための負の供給経路の役割を果たすアバブグランド電圧に接続されている。負の供給経路のこの再基準により、差動増幅器302の出力電圧Vrefoutは、その電圧レベルはグランドからそれよりも大きい正の値にシフトされる。この結果、出力電圧Vrefoutの波形は、その入力Vrefの波形と同じに見えるが、Vrefoutは生成電圧+Vnegと等しいDC電圧によりオフセットされる。このことは数学的には次のように表される。
refout=VDC+VAC(t)=+Vneg+Vrefout<+Vlogic
この回路は、DCバイアス(+VNEG)及び正弦波入力信号AC(t)の合計が供給電圧+Vlogicを超えない限り、入力を正確に再生する。さもなければ、正弦波の頂部は、「クリップされる」、すなわち、+Vneg+Vrefout?+Vlogicである任意の期間中に、+Vlogicで一定の最大出力電圧に達する。波形のクリップは、出力波形のゆがみ(変形)をもたらし、デジタルパルスを用いたLED駆動と同様に(またはさらに悪化した)、望ましくない高調波及びスペクトラル汚染を生成する。電圧の差(+Vlogic−+Vneg)が非常に小さい場合、つまり、レベルシフトされたバイアスが非常に高い場合、差動増幅器302は正確に機能できないことに留意されたい。
DC電圧+Vnegの生成は、トリムされたバンドギャップ電圧及びそれに続く可変ゲイン増幅器、電圧が制御された増幅器、または可変抵抗器もしくはスイッチトキャパシタ電圧ドライバネットワークなどの様々な方法により行うことができる。そのような分圧方法の1つが、抵抗分圧電圧技術を用いた電圧生成回路309として図17Dに示されている。図示のように、論理供給電圧+Vlogicは、抵抗器304a−304xを含む直列抵抗ストリングに接続されている。xは数学的な変数であり、アルファベットの24番目の文字を表すことを意図していない。抵抗器304a−304xのそれぞれは、MOSFET305b−305xと並列に接続されている。抵抗器の数は、一般的に、要求精度に応じて、実現すべき電圧の8ビット、12ビット、16ビットの様々な組み合わせを可能にする9、13、17であり得る。抵抗器の数は、要求される精度のビット数よりも1大きい数にする必要がある。例えば、要求精度が8ビットである場合、9個の抵抗器により、256レベルの出力電圧が提供される。
抵抗器304a及び抵抗器304b間の電圧タップ点から取得される出力電圧+Vnegは、MOSFET305b−305xを様々な組み合わせでオン/オフして様々な抵抗器をショートさせることにより変化させることができる。例えば、MOSFET305b−305xの全てをオンにし、それらの抵抗値が抵抗器304aの抵抗値Rよりも小さい値に設定されている場合は、出力電圧+Vnegはグランド付近となる。また、トランジスタ305n−305xの全てをオフにした場合は、出力電圧+Vnegは+Vlogicとなり、様々な他の組み合わせについては、中間の電圧が選択される。抵抗器ネットワーク304a−304xは、供給範囲の一部のみから電圧を選択するために、さらに調節することができる。例えば、Vlogicよりも低い電圧を使用して、抵抗器ストリングに電力を供給することもできる。抵抗器304a−304xの直列ラダー回路は、デジタル/アナログ変換器の一種を形成する。様々なMOSFETのオン/オフは、本質的にデジタル的な機能であり、その結果、量子化されてはいるがアナログ電圧が生成されるからである。分解度を高めるためには、最下位ビット(LEB)がより小さい電圧階調を示すように、抵抗器の数を増加させるか、あるいは電圧範囲を減少させるとよい。
電圧発生機能は別として、並列抵抗器311a−311xを含む抵抗器トリムネットワーク310は、高電流を一時的にIC上のトリムパッドに印加してヒューズリンクをブローすることにより製造中に電圧精度をトリムする手段を提供するために、抵抗器304aに対して並列に配置される。例えば、共通トリムパッド312とトリムパッドとの間に高電流を流すことにより、薄い金属線313はヒューズのように作用して融解する。これにより、電気的な開回路が形成され、トリムネットワーク310の抵抗器の並列ネットワークから抵抗器311bが除去される。
結論として、図17Dに示したDCオフセット回路は、図17Cの発振基準電圧回路と共に、DC電圧による可変周波数の正弦波AC(t)の電気的生成及び大きさのオフセットを可能とする。供給電圧+Vlogicを超えない限り、この新規に開示された発振基準電圧の出力電圧は、
refout=VDC±VAC(t)/2=+Vneg±Vrefout
となり、VDC+VAC(t)/2のピーク電圧、VDC−VAC(t)/2の最少出力電圧、及びVDCの平均出力電圧を有する。AC結合コンデンサ303を除去した場合、出力の平均値は正弦波の平均電圧VAC(t)/2により増加し、差動増幅器302の使用可能な動作電圧範囲を減少させる。
refout波形308により示すように、図17Dの回路または同様の回路を使用することにより、信号のAC成分は、DCオフセット電圧よりも小さくなる(すなわち、VAC(t)<VDC)。電圧の主成分はDCであり正弦波でないので、正弦波は小信号AC挙動を示すと言える。光線治療の用途では、Vrefoutの電圧値は実際には、LEDストリングがイネーブルにされて導電されているときは常に、LEDの明るさを決定する基準電流を示す。本発明に係る回路の小信号動作は、光線治療のための完全に新規な動作モードを示し、LEDストリングが固定電流で連続的に照明され、その後、バイアス条件で正弦波的に変調されて電流を若干増加または減少させ、それに対応して明るさを変化させる。
図18Aに示すように、基準電流を変化させる別の方法は、デジタル/アナログ(D/A)変換器機315からMOSFETドライバ215aに、基準電流αIrefを生成するのに用いられた基準電圧を供給することである。任意のビット数を正確さの制御に用いることができるが、一般的に入手可能な変換器、例えば、HDTVに使用される変換器は、8ビット(256レベル)、12ビット(4096レベル)、または16ビット(65、536レベル)を含む。光線治療に必要とされる最高周波数は20kHzであり、ほとんどの場合は5kHzに過ぎないので、変換器の速度は高速ではない。動作中は、変換器がそのロード入力ピンにデジタルクロックパルスを受け取るたびに、すなわち、望ましくは5khzと20khzとの間で、データがラッチまたはスタティックメモリ、具体的にはILEDレジスタ316に書き込まれ、D/A変換器にロードされる。
スイッチトキャパシタ、抵抗ラダー、及び他の種類のD/A変換器(DAC)を含む様々な方法が存在するが、光線治療用途には音声周波数帯のみが必要とされるので、低コストのソリューションが使用され得る。そのような回路の1つは、図18Bに示す8ビットの抵抗ラダー変換器315であり、この変換器315は、正確な基準電圧源320と、抵抗器321a−321xを有するDAC抵抗ラダーと、デコーダ323により制御されるMOSFET322b−322xを有するDASスイッチとを含む。MOSFET322b−322xはそれぞれ、抵抗器321b−321xと並列に接続されている。動作中は、デコーダ323は、そのデジタルロード入力(デジタルインバータ344で示す)がクロックパルスを受信したときに、その入力ライン8bから8ビットワードをロードし、その8ビットワードを、抵抗器321a及び321b間のDACラダータップ点で線形出力電圧を生成するためにMOSFET322b−322xを様々な組み合わせでオンにする命令に変換する。ゼロからVrefの範囲のDACラダー電圧は、その後、電圧フォロアとして構成された差動増幅器335の正入力に供給される。抵抗器324a−324x、トリムパッド(例えば、326及び328)、及びヒューズリンク327を含む抵抗器トリムネットワーク325は、製造中に出力電圧をトリムするために、抵抗器312aに対して並列に配置される。あるいは、基準電圧源320から提供される内部基準電圧Vrefが、要求される精度を提供するためにトリムされる。
発明的要素として、出力電圧Vrefoutのリップルをフィルタするために、または、フィルタイネーブル入力(デジタルインバータ343で示す)に入力されるデジタル制御信号に基づいてフィルタを無効にするために高速過渡が求められる場合は、スイッチドフィルタコンデンサ342が任意選択で含まれる。動作中にMOSFET340がオンにされてMOSFET341が無効になった場合、コンデンサ342はバッファ増幅器335の出力に並列に接続され、抵抗ラダー変換器315の出力はフィルタされて高周波数ノイズは除去される。MOSFET340がオフにされてMOSFET341が有効になった場合、コンデンサ342はバッファ増幅器335の出力から切断され、バッファ増幅器335の出力及び抵抗ラダー変換器315の出力はフィルタされない。MOSFET341を有効にすることにより、繰り返し動作に起因する電圧の蓄積を防止するために、コンデンサ342の荷電は放出される。所望であれば、抵抗ラダー変換器315の代わりに、他のD/A変換器を使用してもよい。
本開示の方法により生成された、任意の追加的なDCオフセットを含まない292Hz(D4)発振基準電圧の例として、3.42msの周期と0.6Vの平均電圧出力を有する1.2Vの正弦波350が図19Aに示されている。ピーク電圧は、低温度係数またはゼロ付近の「tempco」にトリムされたバンドギャップの出力と同様になるように適切に選択される。なお、LEDドライバ215aへの所望の入力電流を生成するために、他の電圧を用いてもよい。
ここに開示された正弦波350は、合成されており、プログラム可能であり、低電圧であり、かつ回転式の電磁発電機または発電所でのAC発電に使用される交流機のアーチファクトではないことを強調しておく。住宅及び商業施設の照明用途に使用されるLEDは、少なくとも理論上は60HzAC線間電圧から直接的に駆動することができるので、一般照明におけるAC線間電圧の正弦波特性及びその用途は、本開示で提案された光線治療に適用可能な合成された正弦波によるLED励起とは完全に異なる。
第1に、AC線間電圧は、一般的に110VACまたは220VACの高電圧なので、装置、この場合はLEDアレイ及びパッドが皮膚に接触する医療用途では、容認できないほど危険である。光線治療用のLED駆動では、直列接続されるLEDの総数は、アンダーライター研究所(Underwriter Laboratories:UL)により消費者及び医療用途に安全と判断された電圧である40V未満の最大電圧で動作するように制限される。
第2に、AC線間電圧の周波数は大口消費者の負荷により変化し、それにより、様々な望ましくないスペクトル高調波により汚染され、正弦波の純度に影響を与えるので、光線治療用途に不適切なものとなる。
第3に、AC線間電圧の周波数、すなわち60Hz及びその高調波120Hzは、光線治療に有益であると知られている周波数(例えば、292hzの倍数)を示さない。実際、60Hzは、光生物学的変調に使用される任意の純音または半音階音ではない。
第4に、ローディングによる変化が制御されていないことは別にして、AC線間電圧の周波数は固定されており、プログラム可能でも調節可能でもない。また、動的に調節及び変更することも、天然の生化学プロセスの時定数及びそれに関連する時定数に一致させることもできない。また、複数の周波数の正弦波のコードの生成に使用することも、エネルギー密度及びスペクトル成分を制御すること(すなわち、複数の周波数の正弦波の混合)もできない。
第5に、AC主線間電圧を110VACまたは220VACから安全レベル(すなわち、40V)へ減少させるのには、60Hzで動作するように設計された大きくて重い鉄心変圧器を必要とする。
第6に、光線治療に使用されるLEDは、必然的に、スペクトルの赤色、近赤外線、または青色部分において、比較的狭いスペクトル波長を含む。トンネル放射の量子力学的プロセスにより放射されるLED光(一般的に±35のスペクトル幅を有する)は、製造中にLEDの実現に使用される人工水晶のバンドギャップ工学により測定される。照明に使用されるLEDは、虹の様々な色を含む広範囲スペクトルの光、すなわち白色光を放射するように設計される。光線治療に使用されるLEDとは異なり、白色光LEDは、青色またはUV光を吸収するように調整された蛍光体を含有するレンズキャップを有する。青色またはUVLEDを含む。動作中は、LED半導体材料から放射された光は、レンズキャップ中の蛍光体原子により吸収され、太陽光と同様であるが、太陽光よりも白くかつ黄色さが薄い、広範囲スペクトルの「白色」光に変換される。
最後に、一般照明用途におけるAC正弦波を用いたLEDの直接駆動は、実際には、電力効率の悪さ、力率の悪さ、感電の危険性、ちらつき(フリッカー)などの様々な解決困難な技術的な問題のため、現在は商業的に一般的ではない。現在のLEDバルブは、力率補正及び電圧制御のために、多段式PWMスイッチング電源を使用している。そのため、LEDの明るさは、正弦波の使用によってではなく、デジタルパルスにより制御される。
したがって、ACにより駆動されるLED照明は、光線治療に適用することはできない。
D/A変換器315の動作中は、デコーダ323へのデジタル入力は、任意の調節可能な周波数を有する正弦波を生成するために一定の時間間隔で発生するロードピン(すなわち、インバータ344への入力)のクロッキング中に、繰り返しロードされる。下記の表は、波形合成に用いられる様々な時点の例を示す。
Figure 2017506569
図示のように、8ビットのD/A変換器は、そのゼロ状態よりも大きい256の出力状態または256の段階を示す(すなわち、2進数では0000−0000、16進数では00からFF)。これらの状態を360度の円狐角度に都合よくマップするために、D/A変換器の240のステップ(すなわち、241の状態)のみを用いた。したがって、240のステップは360°またはDACステップあたり1.5°に相当する。DACの残りのステップ241−255(16進数におけるF0−FFのDAC入力コードに相当)は、意図的にスキップされ、正弦波の生成には使用されない。前述したように、DAC値は、3つの均等な方法で示される。
・上記の表の3番目の欄に「16進数コード」で示す16進数のデジタルコード、または図18Bのデコーダ323への入力により、
・上記の表の2番目の欄に示す、抵抗分圧ネットワークの比率を動的に変更するための図18BのMOSFETS322b−322xのオン/オフの様々な組み合わせを示す、2進数のデジタルコードにより、
・上記の表の一番右側の欄に示すDAC315及びバッファ355から出力されるアナログ出力電圧により、あるいは、DACにより制御された電流を生成するために抵抗器により電圧が分圧される場合は電流により
動作中は、増加デジタルコードの配列が、一定の時間間隔でDACに供給され、出力電圧を上昇させる。逆に、減少デジタルコードの配列は、DACの出力電圧を低下させるのに使用される。この増加及び減少コードの配列が繰り返して連続的に実施される場合は、任意の周期関数をDAC315の出力として合成することができる。コードが、角度の固定ステップ、例えば15°についての正弦関数の評価に従って、DACに一定の時間間隔で入力される場合、前記配列はDAC315からの正弦波出力となる。
T=約3.42msの周期を有する292Hzの正弦波を合成するためには、240のステップの各ステップは0.0142694msを含む。そのため、DACデコーダ323をロードするのに使用される最小限の対応する信号は、292Hz・240状態/Hzまたは70、080Hzである必要がある。発振基準電圧による生成スペクトルは図19Bに示されており、ここでは、D/A変換器を使用して、純粋な正弦波D4周波数350に対応する周波数fsynth=fref=292Hzを有する正弦波発振基準電圧351を合成した。70kHzを超えると、クロック周波数354は超音波範囲に十分に入るために、望ましくないスペクトル汚染の原因にならない。図12に示すように従来技術の矩形波スペクトルで292Hz(すなわち、パルスD4)を生成した場合と比較して、292Hz正弦波の3倍、5倍、7倍、...、13倍の高調波スペクトル353のエネルギーは全てゼロである。これは、音声帯域においてスペクトル汚染が完全に除去されたことを意味する(表355を参照)。
音声帯域外は別にして、クロック周波数354により生成されるノイズの大きさは小さい。図19Cに示した正弦波350の拡大図352はノイズの原因を明らかにし、D/A変換器の出力が電圧を変化させるたびに、生成された波形358に存在する電圧359の増分ステップが生じる。図示のように、これらの遷移は、DACのデコーダをロードするのに使用されるクロックの発振周波数で発生する。この周波数は、周波数fclock=fref・(DACステップの#)で発生する。「DACステップの#」は、D/A変換器のビット分解度(任意の都合のよいステップ数に丸められる)に対応する。なお、このクロック周波数よりも高いクロック周波数を使用することも可能である。
より高いクロック周波数を意図的に使用しない限り、クロック周波数、それ故に、クロックにより生成されるノイズの周波数は、生成された正弦波の周波数によりスケールすることができる。したがって、生成された正弦波が低周波数である場合、クロックのノイズスペクトルは、それに対応して低周波数で発生し、音声スペクトルと重なる可能がある。例えば、図19Dに示したグラフ360aは、18.25Hzの正弦波361の一部が、D/A変換器のクロック周波数(具体的には4、380Hz)で発生する一連の小電圧変化362を含むことを示している。
同じ時間スケールで、図19Dのグラフ360bは、各ステップでのΔVrefの電圧の変化を、発振周波数の1.2Vのピークツーピーク大きさの割合として、ヒストグラム363で示す。13.7msまでは、出力電圧Vrefは依然として増加し、ΔVrefの値は正である。13.7msでは、電圧変化はほぼゼロにまで減少し、その後、電圧変化の極性は負になる。正弦波がその平均電圧の0.6Vを通過する約27.4ms(時点364)では、ΔVrefの大きさはその最大負値に達し、その後、大きさの減少が始める。このピーク大きさは、正弦波自体の振幅の1.3%未満を示す。
この結果生じたスペクトルが図19Eに示されている。図19Eは、クロック周波数4、380Hz(柱367で示す)で発生する電圧遷移の振幅(大きさ)は、18.25Hz(柱366で示す)での発振基準電圧の振幅と比べると小さいことを示している。同様に、これらのデジタル遷移の高調波は、相対振幅において、無視できるほど小さい。例えば、クロック周波数の3次高調波の振幅は、柱368で示される。クロック及びその3次及び5次高調波が音声スペクトル内に含まれる、すなわち線175で示される22、000Hzより低いのにも関わらず、たとえ低周波数であっても、これらの小さい振幅により、合成された発振基準電圧のわずかなスペクトル汚染が生じる。必要ならば、MOSFET340をオンにすることによりコンデンサ342を出力Vrefに接続するようにバイアスされたフィルタイネーブル機能により、残りのリップル(小さいが)をさらにフィルタ除去することができる。
ここに開示したように、アナログ合成を用いることにより、音声スペクトルにおける様々な正弦波励起パターンを生成し、高調波汚染を生じることなく光線治療用途のLEDアレイを駆動することができる。本開示のアナログ正弦波合成方法及び装置を用いることにより、ピークの独立的制御及び平均電流制御を含む、周波数及び振幅の両方における波形の動的な制御を実現することができる。
図20に示すように、様々な組み合わせが、イネーブル信号371及び基準電流波形375−379を示すグラフ370aと、生成されたLED電流の波形385−389を示すグラフ370bに例示されている。下記の表に要約されたこれらの正弦波の波形は、特定の治療または手順を示すものではなく、単に、アナログ合成を使用して合成可能な様々な電流波形の組み合わせを示すものである。
Figure 2017506569
グラフ370a及び370bは、波形例が互いに異なる5つの時間区間に分割される。時間tの前の区間では、LED電流がピークツーピーク変動で振動する大信号挙動を示し(ピークアベイラブル供給電流のかなりの割合を示す)、tの後の区間ではピークアベイラブル供給電流及び平均DC電流(ILDC+ΔIL3)と比較して電流の小変動を示す。さらに、tの前とt−t間の区間の周波数fref0及びfref3が、他の区間の波形の周波数と比較すると大きいことが示されている。
具体的には、0−t及びt−tの区間では、基準電流波形375及び376の振幅は、ゼロとピーク電流値Ir1との間で振動し、Ir5=Ir1/2の平均電流(破線380で示す)、及び各周波数fref0>fref1有する。この基準電流は、平均LED電流ΔIL1(破線390で示す)、ピーク電流2ΔIL1、及びゼロの最小値電流を有するLED電流ΔIL1±ΔIL1を生成する。その後のt−tの区間では、大信号基準電流波形377は、それ以前の区間と比べるとピーク大きさが減少するが、依然として大信号を維持し、ゼロからIr2の範囲の基準電流、及び平均値Ir6=Ir2/2(破線381で示す)を有する。その結果、LED電流387は、振幅ΔIL2の平均電流(破線391で示す)を中心にして、ゼロからピーク電流2ΔIL2まで正弦波的に振動する。波形377及び378の周波数fref2は任意の値に選択することができるが、図示のように、それ以前の区間t−tと同じ値に保たれる(すなわち、fref2=fref1)。
及びそれ以降は、基準電流波形378及び379の振幅は著しく減少し、波形378及び389は平均電流Ir3(破線382で示す)を中心にして電流Ir2及びIr4間の範囲で対称的になり、一定のDCオフセットIr4と組み合わされた周波数fref3>fref4で振動する。この結果生成されたLED電流388及び389はそれぞれ、周波数fref3及びfref4で正弦波的に振動し、両方とも、2ΔIL3のピークツーピーク範囲と破線392で示す平均電流を有する。平均電流392は、DCオフセットILDCに、波形388及び389のピークツートラフ範囲2ΔIL3の2分の1を足した値(すなわち、ILDC+ΔIL3)と等しい。したがって、生成された小信号波形は、ILDC+ΔIL3±ΔIL3の最大値と最小値との間で正弦波的に振動する電流を示す。これは、LEDが連続的に照明され、かつLEDの明るさが正弦波的に変化することを意味する。
結論として、光線治療用の一定周期の時変電流を生成するためには、制御された電圧源でLEDストリングを駆動する代わりに、制御された電流源または制御された電流シンクを使用してLED電流を変化させることが好ましい。LEDの明るさは、電流に比例して一定の割合で変化するためである。対照的に、LED電圧は、明るさとは独立的に変化し、主にLEDダイ製造のばらつき結果として変化する。そのため、電圧駆動を使用してLEDの明るさを一定及び均一に維持することには依然として問題が残り、LED駆動の各チャンネルの正確なトリムが必要となる。
前述したように、制御された電流シンクを実施するためには、プログラム可能な電圧を抵抗器及びトランジスタのネットワークに供給して基準電流を生成し、その基準電流を、個別のLEDストリングを駆動する1または複数のチャンネルにミラーする必要がある。基準電流の値は、所定の電圧入力に対する電流の正確な値を設定するために、図16Cを参照して前述したように抵抗器ネットワークをトリムすることにより、または図16Dを参照して前述したようにトランジスタネットワークをトリムすることにより、製造中に能動的にトリムすることができる。トランジスタは、バイポーラ型またはMOSFET型を含む。
電流ミラーまたは相互コンダクタンス増幅器の駆動に使用される電圧を、一定周期で経時的に変化させることにより、時間依存性または振動性LED電流を生成することができる。電圧は、発振回路において電圧基準を操作することにより、正弦波的にまたは任意の他の一定周期の関数により変化させられる。あるいは、電圧は、電圧出力型DACのデジタル制御を使用して、所望の波形が「合成」されるように常に変化させることができる。
制御された電圧を生成する別の方法は、プログラム可能な時変電圧を、電圧をそれに対応する電流に自然に変換する相互コンダクタンス増幅器に供給することである。しかし、相互コンダクタンス増幅器は、電流ミラーを使用する実施と比べて、サイズが大きく、かつ高価である。
さらなる別の方法は、少なくとも理論的には、各電流シンクMOSFETを一定電流の動作レジメで動作させるようにバイアスし、各所望のドレイン電流について適切なゲート電圧で正確に駆動させることである。この目標を実現するためには、製造時にゲート駆動回路を較正する必要がある。一旦較正した後は、電圧の時変シーケンスによってMOSFETゲートを駆動させることにより、所望の周期的な電流波形を生成することができる。しかし、閾値電圧は製造工程だけではなく温度によっても変化するので、LEDドライバの複数のチャンネルを流れる制御されたかつ良好に一致した電流を生成するための較正方法は、依然として問題がある。したがって、電流ミラーは、依然として非常に優れている。2以上のミラートランジスタは、製造工程及び温度によって同じように変化し、トランジスタの電流比及び生成されたLED電流は、一定に保たれるからである。
最後に、プログラム可能な電流モードのDACを使用して周期的な時変電流を合成することもできるが、複数のLEDストリングを駆動するためには、DAC出力電流をトランジスタ電流ミラーに供給して、電流を高い値にバッファするだけでなく、良好に一致したLEDドライバの複数のチャンネルを都合よく形成することが依然として有益である。
コードのアナログ正弦波合成
図10の共振グラフを再び参照して、ほとんどではないにしても多くの物理系が2以上の共振周波数を示すことがよく実証されている。生き物の解剖学的及び細胞学的プロセスに存在する多数の時定数を考えると、自然界にも複数の生物共振周波数が存在することは明らかである。複数の生物共振周波数の同時励起が治療効果に対して有益な影響を与えるかどうかは証明されていないが、従来のシステムはLEDの励起にデジタルパルスを使用している。図11及び図12に示すように、そのような純粋にデジタル的な矩形波LED駆動方法は、望ましくない高調波を除いては、複数の周波数を同時に生成することはできない。
極めて対照的に、アコースティックピアノにおける複数音の「和音コード」の存在により証明されているように、正弦波周波数は、無制限に代数的に足し合わせることができることがよく知られている。数学的には、正弦波の合計は、様々な振幅A、周波数ω、及び持続時間(または減衰率)を有する複数の正弦波の級数和により表すことができる。
G(t)=A(t)・sin(ω)+A(t)・sin(ω)+...+A(t)・sin(ω
図21のグラフに示すように、192Hzの正弦波401及び120Hzの正弦波402が互いに組み合わされ、波形403で示される2音のコードが生成される。和音励起によるLED駆動は、エネルギーを同等の生体共振周波数に効果的に結合させる能力を有する複数の周波数を同時に発生させることができる。
和音コードを合成する手法の1つが図22Aに示されている。図22Aに示す手法はアナログミキサ回路405を含み、このアナログミキサ回路405は、発振器236a及び236bによりそれぞれ生成された発振基準電圧Vrefa及びVrefbを合計することにより、MOSFETドライバ215aの入力として発振基準電流αIrefを生成する時変電圧を生成する。多種多様なアナログミキサ回路が存在し、そのようなアナログミキサ回路には、例えば、調節可能な抵抗器ドライバを使用して個々の入力のゲインを変化させる多重入力増幅器が含まれる。互いに異なる発振周波数を有する発振器236a及び236bは、望ましくない周波数ドリフト及びエイリアシングを防止するために同期させられる。
別のアナログ音源を使用して、1またはそれ以上のコードまたは音楽を含む和音基準電流を生成してもよい。例えば、図22Bに示すように、音楽シンセサイザ、ラジオデコーダ、またはオーディオ録音プレーヤーなどの任意の和音音源408のアナログ出力を使用して、基準電流αIrefを生成してもよい。ただし、信号ひずみを防止するために、音源408のアナログ電圧出力及び回路の直列抵抗器が、αIrefのピーク値をMOSFETドライバ215aの許容可能な入力範囲に制限するように調節されていることが条件である。概念上は、音源408のアナログ電圧出力は、時変電流αIrefを生成するために、抵抗器407a及び407bを含む電圧ドライバにより、続いて可聴周波前置増幅器406により電圧がスケールされる。そのような回路を実施する方法の1つは、αIrefの値の固定基準電流を使用し、この電流を、電流ゲインαを有する電流増幅器によって、より高いまたはより低い電流にスケールすることである。ゲインαは、アナログ音源408のアナログ出力に応じて調節される。アナログ音源408は、テーププレーヤー、デジタルオーディオプレーヤー、CDプレーヤー、またはデジタル的にストリーム配信された音楽を含む。
別の方法が図22Cに示されている。図22Cに示す方法は、アナログ音源を、デジタル音源413、例えばデジタル的にストリーム配信された音楽、デジタル的にエンコードされたデータ、またはCD音声に直接的に変換する、及び、音声コーデック412のフォーマット変換を用いて、特定のデータエンコードフォーマットを、並列または直列のデジタルデータに変換する。この1ビットデータのストリームまたは16ビットの並列ワードの配列はその後、所望の時変基準電流αIrefを生成するために、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)411においてカスタムアルゴリズムを用いて処理され、一定の間隔でD/A変換器410にロードされる。音声スペクトル全体を維持する場合は、音のひずみを防止するために、デジタルワードは44kHzの最小周波数でD/A変換器410にロードされるべきである。
混乱する一般的な点の1つは、例えばCDプレーヤーやインターネットストリーム配信されたデジタル音声などのデジタル音源は、音声情報が「ビット」、具体的には、PCMまたはパルスコード変調と一般的に呼ばれるオーディオボリュームの配列を示すデジタルワードで格納されているため、デジタルと見なされる場合が多いことである。しかしながら、アナログ音声信号の再構成中は、デジタルPCM源は、D/A変換器を駆動して時変アナログ信号を生成するのに使用される。したがって、信号の再構成は、図22Cに示した方法と同様の方法の「アナログ」合成を含む。
これらの類似点は別にして、デジタルオーディオプレーヤーの機能は、光を生成するのではなく、空気を振動させて音を生成する磁気コイルまたは圧電性結晶を駆動する音声信号を再生することである。スピーカまたはトランスデューサの質量は、天然のフィルタの役割を果たし、その慣性ダンピングは望ましくない周波数及びスパイクの除去に関与する。例えば、フィルタのキャパシタと組み合わされて、スピーカのインダクタンスは、単純なローパスフィルタを自然に形成する。要するに、音声の再生は低周波数の方を好み、高周波数音を正確に再生するためには、電力増幅器によって生成した高電流で駆動する必要がある。多くの場合、例えばギター増幅器のように、増幅器は、高調波音が「良い」音に聞こえる限り、音をひずませるように意図的に駆動される。
対照的に、光子は質量ゼロであり、慣性ダンピングまたはフィルタリングを受けない。LEDの応答時間はナノ秒(ns)の精度で生じ、駆動波形の全ての高調波を、たとえそれが光線治療の目的に望ましくないまたは有害だったとしても、正確に再生する。これらの違いの結果として、光線治療のための波形の生成にアナログ合成またはデジタル合成のいずれを使用するかに関わらず、光線治療におけるLEDの駆動に使用される高調波スペクトル成分は、特定の生物物理学プロセス(例えば、電子伝導、イオン輸送、分子結合、熱伝導、過渡熱伝導、細胞、組織または器官の定常状態加熱など)との生物共振を実現するためのキーである。
例えば、LED駆動のために音源または音楽が用いられたとき、DSP411は、音声ストリームから特定の周波数及び音を選択的にフィルタするとともに、光線治療に有害な他の音、例えばシンバルの衝突により生成された奇数次の高調波を抑制する。そのため、D/A変換器410に新しいデータをロードするデータ速度は、MOSFETドライバ215aによるLED電流変調として再生された一番高い周波数の2倍以上にするべきである。便宜上、D/A変換器410、DSP変換器411、及び音声コーデック412は、大抵は水晶(xtal)発振回路の発振を分割することにより生成される共通クロック信号414により同期化されている。デジタルフィルタリングは、スピーカまたはヘッドホンに再生された音楽及び音を人間の耳には聞こえなくするが、光線治療におけるLED駆動波形から望ましくない高調波及びスペクトル成分を除去することは、光線治療中の組織特異性及び高治療効率を実現する上で重要である。
音のコードを生成するためのアナログ信号処理、デジタルフィルタリング、または音声ミキシングの複雑化及びコスト増大を避けるための本開示の別の発明的方法は、アナログ合成された波形に第2のデジタルパルス周波数を組み合わせることであり、アナログ発振波形をデジタル的に「ストロビング(strobing)」することにより実現される。図17Bの回路を再び参照して、そのような方法は、単一周波数発振器236を用いて、MOSFETドライバ215aの基準電流入力を供給するとともに、デジタルシンセサイザ203aを使用してMOSFETドライバのオン/オフをストロビングする。2つの可能性のある方法が存在する。すなわち、
・デジタルストロビング周波数fclockを、発振基準電流の周波数frefよりも高く設定する(すなわち、fclock>fref
・発振基準電流の周波数frefをデジタルストロビング周波数fclockよりも高く設定する(すなわち、fref>fclock
これらの2つの方法を用いて生成された波形は、互いに異なるスペクトル特性を有する。そのため、これらの2つの方法は、双周波数LED駆動を実施するために相互互換的に用いることはできない。
図23Aは、クロック信号の周波数fclockが、正弦波発振基準電流の周波数frefよりも大きい場合、すなわち上記の1番目の方法を示す。グラフ420aに示すように、Tref=3.42msの周期及び平均値422を有する292Hzの正弦波基準電圧421(D4)は、明らかに、クロック周期Tclockを有するイネーブル信号423のデジタルパルスよりも長い周期及び低い周波数を有する。この説明の目的のために、イネーブル信号423のデジタルパルスの特定の周波数fclockは、正弦波周波数frefの2倍以上という条件で、任意の値であり得る。動作中は、イネーブル423が論理ゼロであり、発振基準電流421が論理1または「高」状態であるときは常に、MOSFETドライバ215は、ゼロボルト、すなわちグランドを出力する。その結果生成された波形は、デジタル乗算器により各時点についてアナログ正弦波に「1」または「0」を乗算したものと等しい(実質的に、正弦波を小片に「切断(chopping)」することとなる)。
グラフ420bに示したLED電流の波形は、様々な高さの電流の小パルスを含む。このパルスの集合により、発振基準電流421と同一の周波数及び位相を有するエンベローブ425a、425b、425c、または425d(集合的には425と称する)が形成される。これらのエンベローブの違いは、イネーブル信号423のtonのTclockに対する割合に依存する振幅の差異のみである。イネーブル信号423の占有率(すなわちton/Tclock)はPWM明るさ制御の役割を果たし、正弦波基準電圧421の周波数または位相を変化させることなく、パルス幅変調により正弦波エンベローブ425の平均電流(すなわちLED明るさ)を制御する。
和音コードにおける2つの周波数のうちの高い方の周波数が「デジタル的に」生成されるので、この周波数成分は、望ましくないスペクトル汚染の原因となる上述した矩形波の高調波を示す。この点は図23Bに示されており、周波数fref(線431で示す)において292Hzの基準電流421が発生し、周波数fclock(線432で示す)において発生した4、672Hzのデジタル的にパルス化されたイネーブル信号423と組み合わされる。イネーブル信号423は、矩形波であるため、音声スペクトルにおける14、016Hzでの3次高調波と、超音波スペクトル(すなわち、線175で示した周波数を超える範囲)における残りの高調波とを含む高調波434を生成する。したがって、この方法を使用することにより、ミキサまたは2つのアナログ発振器を必要とすることなく、望ましくない3次高調波が音声帯域に依然として存在するというデメリットのみを有する、292Hz(D4)及び4、672Hz(D8)のコードを生成することができる。この結果得られたスペクトルを、Dの他のオクターブを参照のために含む表435に要約した。
デジタルパルス率がD9または約7kHzよりも高い任意の他の音まで増加した場合、音声スペクトルに高調波は生じない。この例は図23Cに示されており、292Hzの基準電流(線431で示す)が、周波数fclock(D9)で9、344Hzのデジタル的にパルス化されたイネーブル信号441(線440で示す)と組み合わされる。この結果得られたスペクトルを、Dの他のオクターブを参照のために含む表445に要約した。
図23Dに示すように、線450で示すクロック周波数fclockは超音波スペクトルに押し込むことができ、その場合は、表451に示すように、懸念となる高調波は存在しないことに留意されたい。この方法は、コードの第2の音を除去するため、和音合成のための方法ではなく、イネーブル信号を連続的に残すことに対する優位性は提供しない。別の方法として、図23Eに実線452で示すように、クロックを18、688Hz(D10)で実行することにより、全ての高調波を除去することができるが、frefの1オクターブの第2の周波数を依然として提供する。
要約すると、fclock>frefの2つの音を和音合成するためには、frefの値に制限はないが、デジタルパルスにより生成された周波数fclockは、音声帯域での大幅なスペクトル汚染を避けるように選択される必要がある。
図24は、イネーブル信号が、正弦波発振基準電流の周波数frefよりも低い周波数fclock(すなわち、fclock<fref)で、デジタル的にストロボされる場合を示す。
グラフ460aに示すように、周期Tref及び平均値464を有し、固定周波数により常に発振される基準電流462は、クロック周期Tclockを有するイネーブル信号461のデジタルパルスよりも長い周期及び低い周波数で振動する。各クロック周期Tclockは、2つの区間、イネーブル信号461が論理ゼロになるまたは「オフ」状態にバイアスされるtoff区間と、イネーブル信号461が論理1または「高」状態にバイアスされるton区間とにさらに分割される。動作中は、イネーブル信号461が論理ゼロである場合は常に、MOSFETドライバ215aは、ゼロボルト、すなわちグランドを出力する。逆に、イネーブル信号461が論理1または「高」である場合は常に、MOSFETドライバ215は、発振基準電流462の時変アナログ値を出力する。
このton区間中は、MOSFETドライバ215aの出力は、単一の一定のLED電流を生成しないが、電圧及び電流の正弦波振動のどの部分もこの区間に発生する。その結果生成された波形は、デジタル乗算器により各時点についてアナログ正弦波を「1」または「0」を乗算したものと等しい(実質的に、正弦波を、振動の短い区間または「小片(snippet)」に「切断」することとなる)。グラフ460bに示したLED電流波形は、同じ持続期間のtonを含む。LED電流466は、線467に示すように区間toffでオフにされる前に、1回または数回の振動サイクルを完了し、その後、全サイクルを繰り返す。
グラフ460aに示すように、基準電流波形463が平均値465を有するDCオフセットを含む場合、グラフ460bに示すように、生成されたLED電流波形468は、振動の大きさが減少したことを除いては同一のAC発振挙動を示す。これにより、その伝導及び小信号振動が再開される前に、ton期間において繰り返された後にtoff区間において一時的に中断される、LEDストリングの明るさの振動性のゆらぎが生じる。発振基準電流におけるDCオフセットの存在の有無は、2つの音のコードの高調波スペクトルに影響を与えないことに留意されたい。
この本開示の方法を用いて生成されたD8及びD9のコードについてのスペクトルが図25Aに示されている。図25Aでは、9、344Hzの周波数fref(D9)での正弦波基準電圧(実線472で示す)が、4、672Hz(D8)の周波数fclockでデジタル的にパルス化されたイネーブル信号(実線423で示される)と組み合わされている。イネーブル信号はデジタル的にパルス化されるので、音声スペクトルにおける14、016Hzでの3次高調波と、超音波スペクトル(すなわち、線175で示した周波数を超える範囲)における高周波数の高調波とを含む高調波434が生成される。したがって、この方法を使用することにより、ミキサまたは2つのアナログ発振器を必要とすることなく、望ましくない3次高調波が音声帯域に依然として存在するというデメリットのみを有する、D8及びD9のコードを生成することができる。この結果得られたスペクトルを、Dの他のオクターブを参照のために含む表473に要約した。
この方法は、高周波数コードには良好に働くが、高調波ノイズ及びスペクトル汚染の原因となるデジタルクロックが2音の和音コードの低周波数で生じるので、低周波数が生成されたときは、その動作は問題となる。この問題を図25Bに示した。図25Bは、584Hz(D5)の基準電流(線476)に、292Hz(D4)のデジタル的にパルス化されたイネーブル信号(線161)を組み合わせた結果を示す。292Hzの矩形波のイネーブル信号により、図12に示した表と同一の表477に示すように、音声スペクトルの全体に渡って高調波164のスペクトル汚染が発生する。そのため、このような方法は、光線治療用途でのLED駆動のための、低周波数の和音コードの生成には有用でない。
高周波数の和音コードを生成するためには、図26に示すように、この方法を低コストで実施することができる。正弦波の生成に使用される発振器236は、MOSFETドライバ215aへのイネーブル信号入力として必要なデジタルクロックパルスを単純に生成するための、2、4、または8で単純に分割するカウンタ482の駆動にも使用できるからである。発振基準236は、トリガーカウンタ482をクリーニングするには非常に遅い正弦波的遷移を示すため、ヒステリシス及び高出力インピーダンスを有する介在型のシュミットトリガーまたは比較器481が、発振器236とカウンタ482との間に挿入される。カウンタ482により実施された周波数分割における2の各倍数は、音階音のオクターブを示す。例えば、2で割られたD8はD7であり、4で割られたD8はD6である(以下同様)。
パルス幅変調デジタルLED制御
上記のアナログ正弦波合成に加えて、光線治療システム内のLEDを駆動させるための制御された高調波含有量を有する正弦波形を合成するための本明細書に開示されている別の独創性がある手段は、デジタル合成の使用によるものである。アナログ合成は、LED電流制御回路への基準電流またはバイアス電流を正弦曲線的に変化させるステップを含むが、デジタル合成は、持続時間を絶えず変化させる際にLED電流をオン及びオフのパルス状にすることによって正弦波(または正弦波の複数の周波数のコード)を合成するステップを含む。パルス変調技術には、固定周波数「パルス幅変調」(pulse width modulation;通常はその頭文字をとってPWMと呼ばれる)と、可変周波数「パルス周波数変調」(pulse frequency modulation;通常はその頭文字をとってPFMと呼ばれる)とが含まれる。PWM及びPFM変調技術はともに、電圧レギュレータなどの電子回路において平均電流または電圧を制御するために用いることができるが、PFMの可変クロックレートは波形合成を複雑にする。さらに、PFMは、望ましくない無線周波数ノイズ及び電磁妨害(EMI)を生じさせることがあり、これは、周波数が変化し、したがって、フィルタリングやシールドが困難である。病院や診療所において他のライフクリティカルな医療機器に危険なほどに障害を発生させるおそれがあるEMIはFDAやFCCなどの政府機関によって厳しく禁止されているため、EMIは医療機器において特に問題である。結果として、本願のデジタル合成のセクションは、代わりに、そのように望ましい波形合成において、一連のPFM制御されたパルスを用いることができるという理解を持って、主としてPWM制御技術に焦点を当てている。
図15に示した波形の例に戻ると、パルスデジタル波形243−258は、デジタル正弦波合成を具体的に示してはいないが、単にLED電流パルス幅267をより長いパルス幅268に増加させることによって、破線272で示されているレベルからより高いレベル273へ平均LED電流を変化させる能力を示している。パルス267及び268の周波数はともに1/Tに等しいので、これは、正弦波合成をデジタル的に行うための1つの手段である「パルス幅変調」(固定周波数PWMとしても知られている)の原理を表している。デジタル合成の別法である「パルス周波数変調」すなわち「PFM」は、LEDのオン期間及び周波数を変化させることによって破線273で示されているレベルからレベル274へ平均LED電流を増加させるために用いられる時間t及びtにおけるパルス268及び269を比較することによって裏付けられ、すなわちTはTよりも大きいので、パルス268の周波数(1/T)はパルス269の周波数(1/T)よりも大きい。可変周波数PFM法は、固定オン期間または固定オフ期間変調スキームを含み得る。フィルタリングすることが困難なノイズを生じさせる動的に変化する電磁妨害に寄与する時変信号の懸念があるので、可変周波数PFM法は多くの場合に回避される。
性能及び回路安定性が出力の電気装荷の影響を受けやすいアナログ回路とは異なり、デジタル合成では、デジタルシンセサイザ回路によって生み出されるイネーブル信号は、大きなデジタル「ファンアウト」を有し、このことは、1つのデジタルシンセサイザを用いて多くのチャンネル及びMOSFETドライバを制限することができることを意味する。大きなファンアウトの一例を図27Cに示す。ここでは、デジタルシンセサイザ203が1つの出力を有しかつ多数のMOSFETドライバ215a−215n(ここで、nは変数であり、必ずしも英語のアルファベットの14番目の文字を表すものではない)のイネーブル入力を駆動するために用いられる。この例では、デジタルシンセサイザ203が1つの出力を有する場合、LEDドライバの全てのチャンネルは、同じデジタル波形を示しかつ同じ正弦曲線を同期的に合成することになる。この集中型アプローチは、電線か、導電性プリント基板(PCB)トレースか、データバスかの共有の導電性信号パスを用いて、1つのデジタルシンセサイザを全てのMOSFETドライバに接続することを可能にする。
図27A、図27B及び図27Cは、デジタルシンセサイザとLEDドライブの独立したチャンネルとの様々な組み合わせを示しかつ対比している。図27Aでは、各MOSFETドライバ215a−215nは、自身の対応するデジタルシンセサイザ203a−203n(集合的にデジタルシンセサイザ203)によって制御される。ここで、下付き文字「n」は数学的変数を表しており、英語のアルファベットの14番目の文字を表すものではない。図示されているこれらの様々なデジタルシンセサイザは、集中型、クラスタ化、または完全分散型システムのいずれかを表す1つの、幾つかの、または完全に独立した集積回路を占有し得る。各LEDチャンネル及び関連MOSFETドライバは、自身の専用のデジタルシンセサイザによって制御されるので、この実装形態は、望ましい場合は、チャンネル固有の周波数、大きさ及び持続時間の正弦曲線を合成する際に完全な柔軟性を提供する。したがって、複数のチャンネルを1つの共通クロック基準に同期させることが重要であり、さもないと、チャンネル間相互作用及びエイリアシングからノイズが生じ得る。この独立した自律的なアプローチでは、デジタルシンセサイザ203a−203nの各々は、MOSFETドライバ215a−215nのうちの対応する1つに、専用の電線または導電性PCBトレースにより接続しなければならない。
柔軟性を犠牲にすることなく回路の重複を最小限に抑えかつICリアルエステートを最小限に抑える別の方法は、複数の独立的に制御される出力を有する1つのデジタルシンセサイザ203を含む図27Bに示した集中型制御方法である。この手法では、集中型デジタルシンセサイザ203は、別体をなしかつ他とはっきり区別できる電線または導体により、全てのMOSFETドライバを一意にアドレス指定しなければならない。ディスクリートワイヤまたは導電性PCBトレースを用いる場合、デジタルシンセサイザは、MOSFETドライバの近傍、すなわち物理的に近くに配置されなければならず、そうでなければ、多数の長い導体が必要となる。あるいは、データバスを用いて全てのチャンネルに対してデータを分配してもよいが、このとき、各チャンネルは、その特定の制御信号を他から一意に識別するためのデコーダ回路を必要とする。
図27Aのデジタルシンセサイザ203aの1つの実装形態であって、デジタルカウンタ503と、ラッチ506と、インバータ507a及び507bを含むデジタルバッファストリングとを含み、デジタルシンセサイザ203aの出力が、マイクロコントローラμC500によって生成されるクロック信号501及びパラレルデータバス502によって制御される実装形態を図28Aに概略的に示す。1つ以上のMOSFETドライバ215aの入力キャパシタンスを駆動するために、及びデジタルシンセサイザ203aと電流シンク回路201aによって表される電気負荷との間の導電性相互接続に存在する任意の寄生抵抗及びキャパシタンスを補償するために、最小サイズの論理トランジスタを含むラッチ506の出力をバッファリングしなければならないことを示すために、インバータ507a及び507bが示されている。したがって、イネーブルラインを必要な速度で駆動するために、インバータ507bに用いられるMOSFETの電流駆動能力及び対応するゲート幅をそれに応じてサイズ決定すべきである。
図には、ラッチ506のバッファリングされていない出力と高電流インバータ507bへの入力との間に電気的に挿入された1つのインバータ507aが示されているが、実際には、連続的に増加するゲート幅の多くの中間インバータ(図示せず)を用いて、 各インバータの出力電流を次のインバータの容量性負荷にスケールすることができる。一連のインバータ(第1のインバータ507a及び最後のインバータ507bを含む)に含まれるインバータの総数が偶数、例えば2、4、6、...である限り、デジタルカウンタ503及びラッチ506の出力はデジタルシンセサイザ203aの出力とともにデジタル位相にとどまるべきである。既に説明したシーケンシャルバッファストリングを用いる結果は、著しく大きくなったファンアウトと、信号伝搬遅延のごくわずかな変化に寄与しつつ広範囲のデータラインを絶えず駆動する能力である。本開示を通して、この同じ技術は、高速ゲートが長いライン、高いキャパシタンス、または重い負荷を高速で駆動する必要があるときはいつでも用いることができるので、再度説明しない。
運転中に、μC500は、そのパターンEPROMからパラレル出力ライン502へデータを書き込む。μC500はまた、同期パルス及びクロック信号θを含むライン501上のクロック信号を生成する。運転中に、同期パルスはラッチ506の出力を論理「1」にセットし、これは、インバータ507a及び507bによりバッファリングされてMOSFETドライバ215aをイネーブルにしてオン状態にし、MOSFET216aのゲートを駆動してプログラムされた電流ILEDを生じさせ、かつLEDストリング205aを固定輝度に照射する。同時に、同期パルスは、デジタルカウンタ503をしてパラレルデータバス502上に存在するデータを例として8ビットワードとして示されているカウンタのレジスタ504にロードさせる。クロック信号θのパルスは、デジタルカウンタ503をして線形にカウントダウンさせ、各パルスとともに残りのカウントを1デクリメントする。カウントがゼロに到達したら、デジタルカウンタ503は出力ライン505上でパルスを生成し、ラッチ506の出力を「0」にリセットし、MOSFETドライバ215aをディセーブルにする。
図28Bのタイミング図は、グラフ510aにおいてデジタルカウンタ503のデジタルシンセサイザ動作を示し、グラフ510bにおいてラッチ506の動作を示している。図のように、デジタルカウンタ503は、クロック信号ライン501のうちの1本上の同期パルスによってロード命令511がトリガーされた時点でデータ512をロードする。クロック信号θの繰り返しパルスは、その後、各間隔Tθにつき1回カウンタレジスタ504をデクリメントし、最終的に時間513においてゼロカウントまでカウントダウンする。この時間の間、デジタルシンセサイザ203aの出力は、波形516で示されている論理「1」状態を出力する。デジタルカウンタ503内のカウントの値がゼロに到達したら、出力はリセットされ(線517)、LEDストリングは時間513においてオフにする。次のロードパルス(線511)まで、デジタルカウンタ503におけるカウントは0のままである(線514)か、あるいはカウントし続けたとしても無視される。
図に示すように、デジタルカウンタ503はバイナリであり、リップルカウンタまたは同期カウンタを含むことができる。あるいは、カウンタ503は、μC500内のソフトウェアによって実現することができ、その場合ハードウェアカウンタ及びラッチを不要にするが尚も同様の機能を実行する。結論として、デジタルシンセサイザ203a内のPWMカウンタ機能は、離散的に、またはμC500内の専用のタイマ機能を用いて、またはμC500内のソフトウェアで実装することができる。しかしながら、ソフトウェアタイマを用いる場合には、インタラプトが規則的なカウンタ動作を一時停止または遅延させないことを確実にするように注意を払わなければならない。さもなければ、誤った周波数が合成されるであろう。
開示されているLEDドライブシステムの結果として得られるLED電流波形は、固定クロックレートで繰り返される制御された幅及び様々な持続時間のパルスを含む。固定クロック周期Tsyncを維持しながら時間tonを変化させることによって、LEDストリングの平均電流をデジタル制御することができる。そのような方法は、固定周波数パルス幅変調またはPWM制御と呼ばれ得る。可変オン期間のパルスの固定周波数PWM生成の例を図28Cに示す。光線治療用途では、図8Bに示したように、また既に引用した米国特許出願第14/073,371号明細書(特許文献1)に記載されているように、PWM平均電流制御をデジタルパルスLED電流の動的輝度調整のために用いることができる。あるいは、本明細書に開示されているそのようなPWM法を正弦波形のデジタル合成に用いて、音声スペクトルにおけるスペクトル汚染がない独創的な方法でLEDストリングを駆動することができる。
前のセクションで説明したアナログ合成では、正弦基準電圧を用いて伝導LED電流を変更することによって平均LED電流が変えられるが、それとは異なり、デジタル正弦波合成では、パルス自体を生成するために用いられるクロックレートをはるかに下回る周波数で正弦波形を再現するために、指示された方法で変化する一連のパルス幅が用いられる。図28Cに示したように、パルス520は、クロック周期Tsyncの半分であるオン期間ton50を含み、具体的には波形の部分520にわたってデジタル値「1」、Tsync周期の残りの部分521にわたってデジタル値「0」である。したがって、オン期間ton=50%・Tsync、オフ期間toff=1−ton=50%・Tsyncであり、この特定の事例ではton=toffである。
任意のPWMパルス中の平均電流は、そのデューティファクタによって決定され、デューティファクタは、D≡ton/Tsyncとして定義される。したがって、この例では、デューティファクタは、D=ton50/Tsync=50%によって与えられ、ここで、破線522は、波形の平均値を視覚的に表すデューティファクタをグラフで示している。波形523から始まり、図28Cに示した上の行の波形は、50%より大きなデューティファクタ、具体的には61%、71%、79%、82%及び99%のデューティファクタを有するパルス524を示している。99%波形では、線分525によって示されるオフ期間及び平均値を表しており、変数をより良好に示すために、破線526は縮尺通りに描かれていない。同様に、波形527から始まり、図28Cに示した下の行の波形は、50%未満のデューティファクタ、具体的には39%、29%、21%、18%及び1%のデューティファクタを有するパルスを示している。1%波形では、パルス528によって示されるオン期間及び平均値を表しており、変数をより良好に示すために、破線529は縮尺通りに描かれていない。上の行における各例は、下の行のその相補的波形の上に位置し、すなわち50%状態を中心に鏡像状態である。例えば、オン期間tton61を有しかつデューティファクタが61%である波形524は、50%中心値よりも11%上回るデューティファクタを有するが、オン期間tton39を有しかつデューティファクタが39%である波形527は、50%中心値よりも11%下回るデューティファクタを有する。
デューティファクタが可変でかつ周期が固定の一連のパルスを特別な方法でつなぎ合わせる、すなわちシーケンシングすることによって、PWM変調されたデジタルパルスから、正弦波形を含む任意の数学関数を生成することができる。例えば、図29Aでは、固定周期Tsyncで発生する例えば、ton50、ton82、ton21などの可変幅の一連のデジタルパルス590は、純正弦波592を合成する時間的に変化する平均値をもたらす。このデジタル合成中、アナログ基準電流591の値は一定のままであり、正弦波の生成に寄与しない。この方法では、クロック周波数1/Tsyncが合成される最高周波数1/Tsynthよりも高いならば、クロック周波数1/Tsyncと無関係である任意の周波数及び周期を有するように正弦波592を合成することができる。
クロック周波数fsync=1/Tsyncが22kHzに近いかまたはそれよりも大きいように選択されるならば、音声スペクトルにはデジタルクロック周波数もその高調波も存在せず、結果として得られるデジタル合成は、光線治療効果に悪影響を及ぼし得るようなスペクトル汚染を生み出さない。例えば、21,024Hzのクロックを用いて、24個の独立したTsync時間間隔を有する1,168Hz(D6)正弦波を合成することができる。そのような手法は、図29Bに示すデジタルシンセサイザの正規化された大きさ対時間のグラフ600に示すように、360°正弦波を、各々が15°かつ35.7マイクロ秒(μs)である24個の要素に分けることに等しい。正弦波601の平均値を、固定15°角度増分602で表される経過時間に対してプロットすると、生成された正弦曲線602の周波数fsynth=1/Tsynthを含むスペクトルが、それを生成するために用いられたクロック周波数fsync=1/Tsyncとともに得られる。パルス幅変調では、PWMのデューティファクタによって決定される各パルスの大きさは、同じ分解能を有するD/A変換器のものと同じ平均振幅を有する。
しかし、D/A変換器とは異なり、PWM制御では実際のアナログ値は、波形の振幅には存在しないが、電流または電圧の時間平均値によって決まるその持続時間には存在する。この持続時間は、0°、90°、150°及び330°の円弧角にそれぞれ対応する50%、100%、75%及び25%のPWMデューティファクタを有する波形604a−604dによって示されている。任意の15°時間増分の平均値602は、出力が100%のフルスケールであるときの時間の一部と、出力が0%であるときの周期の残りとを含む。正弦曲線600として示されている平均値は、中間にあり、各時間部分のデューティファクタに比例して変化する。
実際問題として、デジタル回路を用いる正弦波合成においては、負電圧は、デュアル電力供給電圧、例えば±0.6Vを必要とするので問題であり、ここで、信号は、グラウンド電圧を上回る電圧からこれらの「グラウンド電圧を下回る」電圧までの幅があるものでなければならない。負電圧すなわちグラウンド電圧を下回る電圧は、特別な電気的絶縁技術を必要とし、デジタル回路においてはほとんど知られていないので、集積回路ではめったに見られず、組み入れるのが困難である。正の供給電圧のみを用いて正弦曲線を実現するためには、正弦波の平均値がグラウンドよりも上に現れなければならない。例えば、1.2V論理を用いて正弦波601が実現される場合、1.2Vのピークトゥピーク電圧範囲すなわち±0.6Vを有する正弦曲線の場合、正弦波の平均電圧は0.6Vで発生する。デジタル合成では、この中心電圧は、D=50%で発生し、0°、180°及び360°で発生する正弦波のゼロ状態に等しい。
正弦曲線のアナログ合成と固定周波数PWMデジタル合成の直接比較を図29Cに示す。ここで、縦軸は、所与の間隔における合成正弦波の振幅を示しており、横軸は、当該間隔内の時間を示している。D/A変換器(DAC)を用いるアナログ合成では、DAC出力によって制御されるグラフ620aに示されている信号の振幅が、全期間Tsyncにわたって一定電圧にとどまる。任意の所与の間隔において、正規化されたDAC出力は、0−100%の値Von/1.2Vを有し、次の時間増分において大きさの変化622だけ変化し得る。これらの大きさ変化は通常、8ビットDACには256のレベル、12ビットDACには4096のレベル、16ビットDACには65,536のステップを含む任意の所望の分解能に従って、±ΔV、±2ΔVなどの線形ステップを含む。波形の瞬間電圧はDACによってセットされ、PWMカウンタによってセットされないので、このときアナログ合成を実現するための最高必要クロック周波数は1/Tsyncであり、周期Tsyncは、忠実度で再現される最高周波数に従って調整される。
対照的に、PWMデジタル合成を用いて、グラフ600bに示されている電圧対時間のプロットにおいて、各時間間隔の最初に、電圧が0%から最大100%まで遷移を除いて中間値なしで上昇し、Tsync周期627のいくつかの少部分のton時間625にわたってこの電圧にとどまる。オン期間tonは、利用可能なクロック周波数によって別な方法で制限されない限り、所望の分解能に従って、それぞれ256、4096または65,536ステップの分解能を有する8ビット、12ビットまたは16ビットカウンタによって定められる±Δt、±2Δtなどの時間の線形増分において、動的に調整される。正弦曲線の平均値は、クロックカウント時間によって確定されるので、グラフ660bに示されているパルスをさらに細かく分け、その後、D/A変換器を用いるときに必要であるよりも高いクロックレートが、正弦波を合成するために必要とされる。よって、アナログ合成はその分解能を電圧のステップで達成するが、PWMデジタル合成はその分解能を時間のステップにより達成する。したがって、PWMデジタル合成に必要なクロックの最大周波数は1/Tθであり、この周波数は同期クロック周波数1/Tsyncに所望の分解能を乗じたものである。PWM合成では、各時間間隔、例えば604aは、LEDを流れる時間電流の一部と、駆動電流が0である時間の一部とを含む。クロック周波数fsyncが音声スペクトルを超えるほど十分に高いならば、生体組織の細胞はこの高周波数の存在に反応することができない。というのも、特に、それが1つの間隔から次の間隔への平均電流における小さな信号を表しているからである。本質的には、細胞は天然のフィルタリングを提供する。駆動電流波形エッジを不可避的に軟らかくし、高周波数ノイズ、特に音声スペクトルを超える高調波をフィルタリングするようなLED及びMOSFETドライブ回路におけるキャパシタンスのため、別のフィルタリング効果が現れる。最後に、必要に応じて、LEDドライブチャンネルに追加のキャパシタンスを加えることができる。
良好な忠実度での正弦波再構成、すなわち数学的に理想的な形状から波形の歪みからの最小の高調波での正弦波合成は、再現される最高正弦波周波数fsynth(max)の十分な数の間隔を必要とする。アナログ合成の場合、このクロック周波数fsyncは、関係式
sync=1/Tsync=(#間隔)・fsynth(max)
によって与えられる。ここで、変数「#間隔」は、合成された最高周波数波形に対する360°当たりの時間間隔の数であり、fsynth(max)は、合成された最高周波数波形である。#間隔を選択することができる1つの手段は、次の関係式:#間隔≡360°/(各時間間隔の円弧角)用いた各時間間隔の所望の幅[°]によるものである。例えば、各円弧角が36°である場合、#間隔=10であり、各円弧角が20°である場合、#間隔=18であり、各円弧角が15°である場合、間隔=24であり、各円弧角が6°である場合、#間隔=60である等々である。1つの全360°サイクル分の正弦波を説明するためにより小さな角度がより多くの時間間隔を必要とするというこの双曲関係は、PWM合成において、より高い分解能がより高速なクロックを必要とすることを意味する。
比較を要約すると、各時間間隔Tsyncはより小さな持続時間Tθの断片にさらに細分されなければならず、これはデジタルPWM合成の場合にビット分解能が同じであればアナログ合成よりも高いクロック周波数を必要とすることを意味するので、デジタルPWM合成はアナログ合成よりも高い周波数クロックfθを必要とする。このより高速なクロックの必要周波数fθは、オン期間の増分をカウントしかつデューティファクタをセットするために用いられ、合成される1サイクル分の最高周波数を再構成するためにいくつの固定時間間隔の細い長方形が用いられるかを本質的に説明する関係式
θ=1/Tθ=(ビット分解能)・fsync=(ビット分解能)/Tsync
=(ビット分解能)・(#間隔)・fsynth(max)
によって与えられる。このより高速なPWMクロック信号fθは、好適にはドリフトを最小限に抑えるように一定または動的に調整可能な周波数比を用いて温度補償されたさらに高い固定周波数発振器foscから生成することができる。合成正弦波形を、固定持続時間及び関数の大きさに等しい高さの複数の小さな長方形に分割するプロセスは、微積分学において「積分」と呼ばれる数学的方法に類似している。微積分学では、時間増分「dt」が無限に細くなるので、合成波形は正確に再現され、光線治療励起の曲線下面積、エネルギー及び高調波含有量は正確に制御される。アナログ合成及びデジタル合成の両方に対してTsyncの値が同一であることも留意されたい。例えば、1,168Hz(D6)正弦曲線を合成するための各々20°の18個の間隔を用いて、アナログ合成におけるD/A変換器のロードまたはデジタルPWM合成におけるデジタルカウンタのロードに用いられる同期クロックは、それ及び全てのその高調波が可聴域周波数範囲の最も高い方の範囲及びそれを超えて発生するような十分に高い周波数である21,024Hzの周波数fsyncを有する。
図29Dのグラフ640aは、システムに必要なクロック周波数のプロットを、D4からD8までの、合成される最大周波数正弦波の関数として示している。y軸は、最高周波数クロックを表しており、これは、アナログ合成の場合は、線641によって表される、周波数fsyncでD/A変換器をロードするのに用いられる同期パルスであり、デジタルPWM合成の場合は、周波数fθを有するデジタルカウンタクロックである。同じ1,168Hz波形のデジタル合成を用いて、線642及び643によって示される8ビット及び10ビット分解能のためのPWMデジタルカウンタのデジタルクロックレートは、それぞれ約5.38MHz及び21,529MHzの対応するクロック周波数fθを必要とする。12ビット分解能の場合、デジタルカウンタクロックはfsyncの4,096倍、すなわち86MHz超であり、高すぎてグラフに示されていない。
図29Dに示されているグラフ640bもまた、360°の生成される最高周波数正弦波を合成するために用いられる時間間隔の数を増加させることの線形的な影響を示しており、間隔の数は8から30まで変化する。線645によって示されるように、2,336Hz(D7)正弦波を合成するために必要なクロックレートは、1.2V正弦波のための64の大きさを提供する6ビットカウンタを用いるための5MHz以下にとどまっており、すなわち各ステップは信号の18.8mVすなわち1.6%増分を表している。線646は、256のステップを提供する8ビットカウンタを示しており、20MHzを超えない全範囲にわたって4.69mVの精度すなわち0.4%ステップ増分を達成することができる。
通常10−25MHzのクロック周波数で作動する実用的な市販のマイクロコントローラを考慮すれば、線647は、8以下の少数の間隔を有する10ビットのPWMカウンタのみを用いることができるが、25MHz以下にとどまっていることを示している。360°当たり12よりも少ない間隔を用いると、より高いビット精度によって補償されない合成正弦曲線の歪みがもたらされ、これは、12ビットまたはそれより大きなPWMカウンタを用いることによって所与の時間間隔における平均電圧をより正確に定めることの利益を意味し、正弦曲線を作成するために用いられる時間間隔の数を犠牲にする価値がない。望ましくない音声スペクトル高調波がない正弦曲線の高忠実度合成のために、実施を考慮した時間間隔の数は、各々が幅30°の12個の時間間隔から15°の24個の間隔に及ぶ。様々な大きさのPWMカウンタを用いて4,672Hz(D8)正弦曲線を合成するために必要なクロック周波数を下表に列挙する。
Figure 2017506569
上記条件のうち、クロック周波数が25MHzを超えているかまたは時間間隔の数が少なすぎるかのいずれかの理由で、網掛けボックスは実行可能ではない。この解析は、最適条件が、各々が幅20°の18個の時間間隔から4,672Hz(D8)正弦曲線を合成するべく8ビットPWMカウンタを駆動する21.5MHzのPWMクロックであることを示唆している。対応するPWMクロックは、周期Tθ=1/fθ=1/(21.529MHz)=46.5ns及び同期周期Tsync=256/fθ=11.9μsを有し、対応する周波数はfsync=83.9kHzである。
ディスクリート発振器ソリューションを利用することができるが、多くのそのようなソリューションが開発されたことを考慮すれば、多くの場合、特に無線通信の場合、精度及びコストが保証されていない。他方では、25MHz発振器は、離散的に、または共通マイクロコントローラとともに製造することが比較的容易であり、その理由は、この発振周波数がイーサネット(登録商標)通信において一般に用いられているためである。本発明に従って製造される1つのタイミングソース及びクロック発生回路660であって、図28Aに示したデジタルシンセサイザ203aを駆動するために用いられるクロック信号501を発生させるために、発振器661、デジタルカウンタ662及び664、並びにトリムレジスタ693を含む回路を図30に示す。
発振器661は、水晶発振器、RC弛張発振器、リング発振器、またはシリコンMEM発振器を用いて実現することができる。特定の周波数を共振させるように機械的に調整された水晶の結晶の破片を含む水晶発振器は、温度不依存であるため有利であるが、残念ながら半導体と比べて相対的に脆弱である。RC弛張発振器は、抵抗器−コンデンサネットワークを用いることにより、コンデンサを規定のレートで充電し、コンパレータまたはシュミットトリガーしきい値に到達後にコンデンサを急速に放電させ、このプロセスを延々と繰り返す。多くの場合、タイミングソース660を実装するための回路素子は、μC500(図28Aに示されている)に完全に一体化されており、ファームウェアまたはソフトウェアにおいて完全にユーザがプログラム可能である。
クロック精度は、RC発振器内の抵抗器をトリミングすることによって、及び/または比較的温度非依存である材料を用いて達成される。別の代替形態は、ループまたはリングを形成するために、ヘッドとテール、すなわち出力と入力が接続された多数のインバータを用いて、タイムソースを作り出すことである。電力を供給されたとき、信号は、インバータの伝搬遅延に従って、所定周波数でインバータリング周りを伝搬する。振動が続くことを確実にするために、奇数のインバータが必要とされる。今日利用可能な最新のソリューションは、容量性結合またはピエゾ抵抗の変化によって電子的にモニタリングされる小型の振動するバネまたはダイビングボード(カンチレバー)を作製するために用いられかつその特定の質量に従って共振するように調整されるような、シリコン超小型デバイスまたはMEMSの使用である。
用いられる技術にかかわらず、発振器661は25MHzの発振信号を発生させ、これはその後、デジタルカウンタ662によって任意のより低い所望の周波数、例えば21.5MHzまで調整される。製造中に発振器661がトリミングされる場合には、ソフトウェアによってカウンタ662を固定値にプリセットすることができる。しかし、発振器661の周波数が製造時に変化する場合には、通常、製造中にトリムレジスタ663を用いた機能トリミングが行われる。機能トリミングでは、トリムレジスタ663に格納されたデジタル値によってカウンタ662にロードされているカウントが、所望の周波数が達成されるまで調整され、かつ周波数源が較正される間、周波数fθの測定が繰り返し行われる。
このPWMクロック周波数は、デジタルシンセサイザと、プログラム可能なカウンタ664の入力とにも供給され、PWMクロック周波数fθを、図のようにfθの256分の1である周波数fsyncを有する同期パルスに変換する。カウンタ664のための因数による除算は、PWM出力の所望の分解能、例えば、8ビット、10ビットなどに一致するべきである。このようにして、PWMデジタルカウンタ664が周波数fθに対応するパルスをカウントすることになり、後で256のパルスを生じさせる同期パルスが、LEDドライバをリセットし、カウントを再開することになる。
光線治療におけるLEDドライブに適用されるときに、本発明を用いる正弦波生成の有効分解能は、正弦曲線を作成する際に用いられる時間間隔の数に、可能なPWMデューティファクタの数、すなわちPWMカウンタのビット分解能を乗ずることによって推定することができる。4ビット精度にほぼ等しい18個の時間増分に、最大5,425Hzの正弦曲線の8ビットカウンタ平均から生成された256の可能なD値を乗ずると、総分解能は、12ビットすなわち4096の組み合わせにほぼ等しい。クロック周波数がfsynth(max)に比例して増加するのでない限り、この周波数を上回る正弦曲線を合成するためにPWM法を用いることは、総分解能を大いに低下させなければならないこと、すなわちfosc/fsynth(max)が、ビット分解能または時間間隔の数のいずれかを減らすことによって、忠実度を犠牲にすることを意味する。この合成された最大周波数とその総分解能とのトレードオフを次表に示す。
Figure 2017506569
上表は、最大約5.4kHzの正弦曲線を合成するために、デジタルシンセサイザの全分解能は4608の組み合わせであり、12ビット分解能よりも大きいことを示している。この周波数(本明細書ではシンセサイザの「帯域幅」と呼ぶ)を上回ると、デジタルシンセサイザの分解能は正弦曲線の周波数に比例して低下し、9,344Hz(D9)で11ビット精度に低下し、少なくとも10ビットの分解能を音声スペクトルの上方エッジまでずっと維持する。帯域幅制限及びその影響を図31にグラフで示す。ここで、曲線671は、可能な組み合わせの数及びそれらのビット同値の両方におけるシンセサイザ総分解能対最大合成周波数fsynth(max)を示している。図のように、デジタルシンセサイザの帯域幅である5.425kHzの周波数に到達するまで(線673)、デジタルシンセサイザ203aの精度は12ビットを超える値で一定のままであり、それを上回ると分解能がfsynth(max)とともに比例して減少する。超音波スペクトルのエッジ(線175)では、デジタルシンセサイザ203aは尚も10ビットの全分解能を維持している。最高周波数正弦波を合成するために用いられる時間間隔の数が#間隔=18に維持される場合には、総分解能671の低下は、線672によって示されるようにPWMカウンタ分解能の減少を伴わざるを得ない。シンセサイザ203aの帯域幅より上、最大で超音波スペクトルのエッジ175で作動する場合であっても、PWMカウンタ分解能は尚も6ビットを超える。
シンセサイザ203aの帯域幅よりも明らかに上では、分解能が低下するにつれて合成正弦波の忠実度が劣る。音楽を聴くオーディオ愛好家にとっては、デジタル音声再現プロセスの微妙な歪み及び位相アーチファクトは、訓練された耳につくであろうが、光線治療のためのLEDドライブでは、エネルギーがほとんどなくかつ音声スペクトル外の高調波周波数において発生する結果として得られる歪みは、本質的に重要ではない。この周波数範囲では悪影響は予期されない。
既に説明したように、7kHzよりもわずかに高い周波数においては、矩形波の最低高調波ですら音声スペクトル外にあり、光生物学的変調及び光線治療効果に影響を及ぼすと予想されていない。よって、図31の線673で示されているしきい値周波数よりも上の周波数では、開示されている発明は、低忠実度でPWM合成を続行するか、デジタル操作に切り替えるか、または既に説明したアナログ合成に切り替えることができる。図32Aに示す結果として得られた高調波スペクトルは、正弦曲線のPWMデジタル合成を用いると、可聴範囲において線675によって表される合成周波数のみをもたらすことを示している。線676によって表される、データ流をPWMデジタルカウンタにロードするために用いる同期周波数fsyncは、音声スペクトルの上限(線175)を超えた超音波スペクトルの高い周波数において発生する。PWMのオン期間を制御するために用いられるクロックパルス(線678)及びそれを生成するために用いられるクロックパルス(線677)はMHz範囲に発生し、どのようなものであれLEDドライブ励起波形には存在しない。
同じ手法を用いて、より低い周波数正弦波、例えば図32Bの線681で示されるfsynth=292Hz(D4)を合成する場合には、潜在的に深刻なノイズ問題が起こる。292Hzの合成周波数が最低限必要な同期クロック周波数(線682)を用いて生成される場合、結果として得られるクロック周波数fsyncは、音声スペクトルの真ん中に比較的高エネルギー含有量を有する7,078Hzで発生する。さらに、図32Bの表679に示すように、同期クロックの第3の高調波(線683)もまた、音声スペクトルの上部における超音波スペクトルの下限(線175)以下の周波数まで低下する。よって、高周波数波形を合成する際には最小可能クロック周波数を用いることが有用であるが、より低周波数の正弦波を生成する際には有利ではない。
図32Cに示すように、PWMクロック周波数fθの上限が好適な発振器周波数25MHzを超えず、同期パルス周波数fsyncの下限が音声スペクトル内に入らないことを要件とすることは、既に説明した固定クロック比を用いて合成可能な周波数fsynthの範囲に実用的制約を課す、すなわち、
θ=(ビット分解能)・fsync=(ビット分解能)・(#間隔)・fsynth(max)
となる。24個の15°時間間隔または18個の20°時間間隔から形成されている合成正弦波のためのPWMクロック周波数を水平線680に示される25MHzまたはそれ以下にとどめるために、最大周波数正弦波fsynth(max)は、点682a及び682bによって示されるように4,069Hz及び図31と一致する5,425Hzにそれぞれ制限される。その一方で、上記関係式に従って、時間間隔15°で917Hz以下または時間間隔20°で1,222Hz以下の周波数fsynthを有する任意の正弦波を合成することは、同期クロックパルス周波数fsyncが、線175によって表される周波数を下回り具体的には点684a及び684bとして示される可聴帯域に入るほど十分に低くなり、光線治療効果に影響を及ぼす望ましくないスペクトル汚染の可能性を生じさせることを意味する。結果として得られる範囲は、下端で同期クロックfsyncの音声スペクトルの限界に、上端(20°合成例の場合、網掛け領域685によって示されている)でPWMクロック周波数fθの発振器の25MHz周波数の実用限界に制約されている。発振器周波数及び音声境界が固定されていると仮定すれば、許容された範囲外での動作は、高正弦波周波数を合成するための分解能を犠牲にしなければならないことを意味し、かつその一方で、低周波数正弦波を合成するときに、最小よりも高い、すなわち「オーバーサンプリングされた」同期クロック周波数が維持されなければならない。
結論として、PWMデジタル合成に必要なクロック周波数が非実際的に高い場合には、本発明を用いる利用可能な選択肢には、
・合成正弦波の最大周波数を制限する
・PWMビット分解能を制限すること、すなわちデューティファクタの分解能を低下させることによって、合成波形の調波忠実度を損なう
・より大きな時間間隔を用いることによって合成波形の調波忠実度を損ない、それによってTsynth当たりの時間間隔の数を減少させる
・アナログ、デジタル及びPCM源に従ってLED電流の大きさを変化させるためのものを含む既に説明したようなD/A変換器を用いて、或るクロック周波数以上でデジタル合成からアナログ合成に切り替える
・上記方法の組み合わせ
が含まれる。逆に、合成される正弦波の周波数が低すぎる場合には、最大同期クロック周波数を設定周波数限界以上に維持しなければならず、合成周波数に比例してスケールすることができない。したがって、本明細書に開示されている独創性がある方法を用いて、音声スペクトルにおいて望ましくない高調波のスペクトル汚染がないデジタル合成を用いて、LED光線治療のための制御されかつ動的に調整可能な周波数の正弦曲線を生成することができる。
デジタル正弦波合成
LED電流、周波数、及び輝度のパルス幅変調制御の装置及び方法の前述の説明を前提として、任意の正弦曲線、一連の正弦曲線、または複数の正弦曲線のコードを動的に合成することができる。
再び図28Aの装置を参照すると、正弦波合成では、特定の制御シーケンス、すなわち特定の一連のPWMカウントが、μC500などの任意のデジタルコントローラからデジタルシンセサイザ203aのレジスタ504内に連続的にロードされる。本明細書で説明されている方法に従う正弦曲線のデジタル合成は、光線治療に用いられる1つ以上のLEDストリングの高調波含有量及び輝度を制限する。これらの命令の源としてマイクロコントローラμC500が示されているが、任意のプログラム可能な論理または論理アレイ、カスタムデジタル回路またはカスタム集積回路を用いて制御シーケンスを生成することもできる。
ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせによって、デジタル合成の実行は、図33に示すような一連のステップを含む。「パターンを選択する」ステップ(ステップ700)から始まり、LED波長、チャンネル、及び駆動アルゴリズムが選択される。「条件をロードする」(ステップ701)では、fsync、fθ、ton、Tsync、Tsynth、及び様々な合成パターンを含むこれらの設定が、μC500内及び関連するハードウェア内、カウンタ内、バッファ内などの適切なレジスタにロードされる。単一周波数正弦波fsynth1を合成するのであれば、必要な一連のデジタル符号が不揮発性メモリファイルから呼び出され、その後データレジスタまたはスタックに保存される。これらの符号は、Tsyncパルスが発生するたびにPWMカウンタに連続的にロードされたカウントを表している。複数の正弦曲線fsynth1+fsynth1+...+fsynthxのコードを合成するのであれば、異なる一連のデジタル符号が、データレジスタまたはスタックを含みかつ該データレジスタまたはスタックにロードされた不揮発性メモリファイルから呼び出される。データレジスタは、静的または動的メモリ、すなわちSRAMまたはDRAMを含むことができるが、これらは合成中に頻繁にかつ迅速に変更される、すなわち「書き込まれる」ので、データレジスタは、光線治療パターン及びアルゴリズムを格納するために用いられるEPROM、EPROMまたはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリに対して高すぎる周波数で作動する。
「Tsyncカウンタにロードする」(ステップ702a)において条件が迅速なアクセスのためにレジスタまたはスタックにロードされた後、第1の時間間隔Tsyncを表すデータを含むレジスタ705が、図30Tsyncに示したカウンタ664にロードされる。並行して、「PWMカウンタにロードする」(ステップ702b)において、時間間隔Tsync以内のパルスのオン期間を表すレジスタ706内のデータが、図28Aに示したPWMカウンタ503にロードされる。「ラッチをセットし、LEDをイネーブルにし、カウントを開始する」と題するステップ(ステップ702c)では、PWMラッチ506の出力が「高」にセットされ、MOSFETドライバ215aをイネーブルし、LEDストリング205aを照射する。同時に、Tsyncカウンタ664及びPWMカウンタ503が、fθクロックからのパルスをカウントし始める。「PWMカウンタをゼロにデクリメントする」と題するステップ(ステップ702d)では、PWMカウンタ503はゼロまでカウントダウンするが、Tsyncカウンタは減少することなく続く。PWMカウンタ503がゼロに到達したら、PWMラッチ506の出力が「低」にセットされ、MOSFETドライバ215aをディセーブルにし、「ラッチをリセットし、LEDをディセーブルにし、Tsyncカウントを続行する」と題するステップ(ステップ702c)によって記述されるように、LEDストリング205aオフにする。その名が示す通り、Tsyncカウンタは、「Tsyncカウンタをゼロにデクリメントする」と題するステップを通して、Tsyncカウントがゼロに到達するまでカウントし続ける。
syncカウンタ664がゼロに到達したら、「パターンを選択する」ステップ700中に元々ロードされたファイルによって指示されたアルゴリズムに従ってプログラム決定(ステップ703)はなされる。「パターン完了」の事例(矢印704a)でパターンが完了した場合、シーケンスが終了し、持続する新たなパターンを選択しなければならない。さもなければ、「パターン未完了」(矢印704b)の事例では、新たな時間間隔Tsync705を表すレジスタ705内のデータを含む新たなカウントセットと、時間間隔Tsync内のパルスのオン期間を表すレジスタ706内のデータとが、Tsyncカウンタ664及びPWMカウンタ503にそれぞれロードされ、ステップ702aないし702fが繰り返される。このプロセスは、決定703がパターンの完了を判定するまで続き、それによってプログラムの実行が終了し、一連の正弦曲線または正弦波コードのデジタル合成が完了する。
ソフトウェア実装では、カウンタ702a及び702bのサイズが調整可能であり、1サイクルまたは複数サイクル分の正弦曲線を合成することができる。所与のパルスのデューティファクタを、レジスタ706に格納されたカウント及びレジスタ705に格納されたTsync時間間隔によって決定されるオン期間の比として計算することができる。固定周波数PWM合成において、レジスタ705内のTsync時間間隔は一定のままであるが、デューティファクタを制御するべくレジスタ706内のオン期間が調整され、任意の周波数fsynthの任意の所与の正弦曲線を合成するべくTsync周期が調整され得る。図33に示したアルゴリズムは、合成される正弦曲線の周波数に従って、かつ所望の分解能を維持するべく、Tsyncの値を変化させることを提供する。例えば、合成される正弦曲線の最大周波数fsynth(max)に比例してfsyncを減少させることができる。あるいは、必要とされるよりも高いfsync値を用いてもよい。
例えば、前述の可聴域周波数ノイズ問題を除いて、8ビットPWMカウンタ及び24個または18個のいずれかの時間間隔を用いて292Hz(D4)正弦曲線を合成することができる。図34Aのグラフ730では、各々が15°の円弧に相当しかつ140.7μsの持続時間を有する24個の等間隔を用いて、正弦曲線731aが合成されている。各間隔は、テーブル732にまとめられた256の持続時間を有する8ビットPWMカウンタによって決定されるステップ731bに示す平均値を有する。PWMカウンタに、テーブルの733「PWMカウント」欄の10進数の2進数相当値または「hex」欄の16進数を連続してロードすることによって、正弦波形731aが生じることになる。運転中に、0°を表す第1の時点において、PWMカウンタに50%のhex数80、50°の正弦がロードされる。カウンタの量子化誤差、すなわち128/255のせいで、最も近いデューティファクタは50.2%であり、シンセサイザはその理想平均出力からのわずかな相違を示している。1つのTsync時間間隔である140μsの後、PWMカウンタに新たな値A0 hex(160の10進数)がロードされ、デューティファクタを62.7%に変更する。
このプロセスは、PWMカウンタにFF hexがロードされて100%のデューティファクタに到達する0.86msまで平均大きさをより高く連続的に誘導し続ける。その後、PWMのデューティファクタが低下し、270°の正弦に対応する0の2.57msにおいて最小値に到達する。その後、このプロセスの繰り返しで追加サイクル分の正弦曲線を合成する。この正弦波合成の主要な負の側面は、テーブル732に示されるfsync=7,008Hzによって生成されるノイズである。これは、可聴帯域において意図的に作動する今日のデジタルパルスシステムに存在する可聴域周波数高調波のスペクトル全体を含まないが、尚も音声スペクトル汚染を表している。
図34Bのグラフ730では、各々が20°の円弧に相当しかつ190.3μsの持続時間を有する18個の等間隔を用いて、正弦曲線736aが合成されている。各間隔は、ステップ736bによって示される、テーブル737にまとめられた256の持続時間を有する8ビットPWMカウンタによって決定される平均値を有する。PWMカウンタに、テーブル738の「PWMカウント」欄の10進数の2進数相当値または「hex」欄の16進数を連続してロードすることによって、正弦波形736aが生じることになる。1つの正弦波を20°の時間間隔に分けることの利点は、15°の時間間隔に分ける場合よりに比べて、より低い分解能で、クロック周波数fθを有するより高周波数の正弦波を合成できることである。20°間隔を用いることの短所は、90°及び270°における正弦曲線上の最大値及び最小値への最近点が、80°、100°、260°及び280°において発生し、合成正弦波の平坦化を生じさせて、あたかも波形が「切り揃え」られたかのようにわずかな歪みが現れることである。この正弦波合成の別の負の側面は、テーブル737に示されているfsync=5,256Hzによって生成されるノイズである。これは、可聴帯域において意図的に作動する今日のデジタルパルスシステムに存在する可聴域周波数高調波のスペクトル全体を含まないが、尚も音声スペクトル汚染を表している。
正弦曲線736a及びその連続する平均値ステップ736bを合成するために用いたPWMパルス739の時間グラフを、より詳細に図34Cに示す。明確にするために、各ステップ736bの平均値を各間隔についての割合として、8ビットPWMカウンタにロードされた2進数カウントに相当する対応する10進数とともに載せている。
図34Dは、20°の18個の時間間隔を含む、ステップ741bによって示されるPWM平均値を有する1サイクル分の1,168Hz(D6)正弦曲線741aの合成を示している。この場合、テーブル742にまとめられたように、PWMクロック周波数fθ及び同期間隔Tsyncは、fθ=1.346−5.198MHz、Tsync=190.3−49.3μsに調整され、合成正弦曲線の周期の3.42msから0.86msへの減少と等しい。正弦曲線741aを合成するために用いたPWMカウンタシーケンスが、テーブル743に16進数形式及びその10進数相当値で記載されている。同期周波数はfsync=20,304Hzであるので、音声スペクトルノイズは生成されない。
図34Eは、テーブル748に示すPWMカウントシーケンス及びテーブル747に示すクロック周期に従って形成されたステップ746bを含む、グラフに示された4,672Hz(D8)正弦曲線746aを合成するための同じデータを示している。これらの条件と、より低周波数の正弦波の合成との比較は、PWMクロックfθのための最小周波数クロックレート要件が、合成精度、すなわち正弦曲線(#間隔)を合成するために用いた時間間隔の数と、合成される正弦曲線の周波数fsynthとともに変化することを示している。
Figure 2017506569
上表が示すように、PWMクロック周波数fθは、合成される周波数に比例して増加し、15°増分での合成は、20°分解能と比較して追加されたクロックレートにおいて33%のオーバヘッドを持っている。28.7MHzはマイクロコントローラ及びイーサネット(登録商標)に用いられる一般的なクロック周波数25MHzを超えているので、上記の追加された精度は、4,672Hz(D8)周波数またはそれよりも高い周波数を合成する場合には制限になるだけである。上表はまた、最小周波数fsyncを用いた292Hz正弦波の合成が約5kHz及び7kHzで音声スペクトルにおいてノイズをもたらすことを明らかにしている。この問題は、後述するオーバーサンプリングを用いて回避することができる。
前述の波形は、デジタルスケールの100%を表すピークトゥピーク振幅を有する正弦曲線を含んでいたが、図35Aのテーブル753に示す一連のPMW符号を変更するだけで合成正弦波の大きさを減少させることができる。グラフ750に示したデジタル合成波形751では、関数の平均値は+25%であり、全体で0%から50%までの±25%の振幅754、すなわち25%±25%の正弦波出力により変化する。テーブル732において既に特定したフルスケール正弦曲線のものからテーブル752における動作条件を変えることなく、単に大きさの数を小さくするようにテーブル753の「Hex」と表示されたPMW符号シーケンスを調整することによって、デジタル的に合成された正弦曲線の大きさ及び平均値を制御することができる。
図35Aに示したこの大きさが小さくなった正弦波は、図35Bに示すように、線764によって示される±25%の大きさが小さくなった正弦曲線であるとしても、その最小値で0%まで下方に拡張されたが、曲線全体をDCオフセット765だけ、この例では+25%だけ上方にシフトすることによって、DCバイアスオフセットを有する結果として得られるオフセット正弦曲線761を得ることができる。光線治療では、この波形は、常にいくらかの照射を維持するようにLED輝度を調整する。シフトは平均値であり、より小さな振動の大きさは、テーブル763で説明されている一連のPMW符号の変化を最小限に抑えることによって完全に達成される。
図35Cが示すように、テーブル773に示すようなPMW符号の変更を用いて、AC振幅を小さな信号レベル、例えば±10%のばらつきにさらに制限することができる。このAC成分774は、正弦曲線全体において+60%のオフセット765を含む波形771のDC成分765と比較して小さな信号を考える事ができる。得られたスペクトルを図35Dに示す。図35Dでは、1,168Hz(D6)の周波数(線780)における限られた振幅(線781)の正弦曲線を示している。グラフで示されているように、限られた振幅(線781)の正弦曲線がDCオフセット(線782)の上に位置する。定義上、直流すなわちDCは、0ヘルツの周波数を有する。同期クロックは、音声スペクトルの十分外側にある28kHzの周波数(線783)を有する。
コードのデジタル正弦波合成
本発明に従って製造されたLED光線治療駆動システムも、LEDストリングを駆動するための複数の周波数のコードをデジタル的に合成することができる。2つ以上の周波数パターン、例えば周期Tsynth1のより高周波数の正弦波と、周期Tsynth2のより低周波数の正弦波とが存在するとき、当該パターンの持続時間は、少なくとも1サイクル分のより低い周波数を合成するように選択される。これは、パターンの全期間が少なくともTsynth2の持続時間を有し、かつ同じ間隔にわたって2つ以上の360°サイクル分のより高周波数の正弦波が必然的に発生することになることを意味している。簡単にするために、正弦曲線の比が整数である、すなわちTsynth2=βTsynth1であると仮定すれば、1サイクル分のみのより低周波数の正弦波が発生するのと同時にβサイクル以上のより高周波数の正弦波が発生することになる。例えば、360°を完了するのに1サイクル分の1,168Hz(D6)正弦波は0.856msを要するが、4,672Hz(D8)正弦波は0.214msしか要しない。したがって、両者の正弦波周期の比はβ=4であり、これは、1サイクル分のみの1,168Hz正弦曲線が完了するのと同じ時間間隔で4全サイクル分の4,672Hz(D8)正弦波が完了することを意味している。
このより高い周波数成分の一例を図36に示す。図36では、周期Tsynth1=0.214msを有する個々のサイクル分の4,572Hz正弦曲線が4サイクル繰り返され、βTsynth1=4Tsynth=4・0.214ms=0.856msの合成されたパターンのための全周期を有する。グラフ800に示されている得られた曲線801は、同じパターンの合成デューティファクタ及びテーブル803aで説明されている0−0.214msの持続時間のデジタルPMW符号を含み、その後、カラム803b、803c及び803dで0.214−0.428ms、0.428−0.642ms及び0.642−0.856msの対応する時間間隔にわたって繰り返す。合計で、4サイクル分の4,672Hz正弦曲線合成は、完了するのに4×0.214=0.856msを要し、4×18=72の時間間隔が含まれている。
本明細書に開示されているデジタル合成において2つ以上の波形を正確に足しあわせてコードを形成するために、他の時点から値を補間しなければならないとしても、各関数は、同じ時点において規定値を有していなければならない。例えば、1,168Hz正弦波の値を4サイクル分の4,672Hz正弦波801の値とともに足し合わせるために、両正弦波は、0.214msの各時間増分において対応する値を有していなければならない。よって、1つの360°サイクル分のより高周波数の正弦波801の合成は18個の時間間隔しか含まないことになるが、より低周波数の正弦波は、その高忠実度合成のために必要とされるよりも多い72個の時間間隔を含むことになる。高忠実度再現に実際的に必要とされるよりも多い時間間隔を有する波形の合成は、本明細書において、「オーバーサンプリング」と呼ばれる。
オーバーサンプリングされた正弦曲線の一例を図37Aに示す。これには、72個の異なる時間間隔のPWM平均値812から生成された1,168Hz正弦曲線811が含まれ、正弦曲線811を高忠実度で忠実に合成するために必要とされる数の4Xである。オーバーサンプリングの利点には、
・出力リップルを低下させること
・高周波数クロック信号のフィルタリングを単純化すること
・低周波数正弦波を合成するときに同期クロック周波数が音声スペクトルに入ることを防止すること
・周波数が異なる2つ以上の正弦曲線の振幅を加算することによって周波数のコードをデジタル的に合成することができるような共通時点を含むように分解能を増加させること
が含まれる。例えば、正弦曲線811を合成するために用いられるPWMカウントを規定する図37Bに示すパターンテーブル815a、815b及び815cにおいて、網掛けの行のみが、忠実度を有する波形を合成するのに必要である。PWMカウントの残りは、オーバーサンプリングされたデータを表している。所望の正弦波を正確に生成するために4つに1つのPWMカウントしか必要とされないので、ドライブデータは4Xであり、すなわち4倍オーバーサンプリングされる。
この場合、そのような波形を図36の正弦曲線801に直接足し合わせることによって2つの正弦波のコードを含む新たな波形を得ることができる。2つの成分周波数のコードを含む新たな波形を得るための波形を加えるプロセスは、図38にグラフで示されており、ここで、グラフ820aは、コードの2つの成分周波数、すなわち、1サイクル分の1,168Hz(D6)正弦曲線811及び4サイクル分の4,672Hz(D8)正弦曲線801を示しており、各々は振幅が等しく、100%のピークトゥピーク振幅及び50%の平均デューティファクタを有している。4サイクル分の正弦曲線801は、線821によって示される周期Tsynth1=0.21msを有しているが、より低周波数の正弦波811は、Tsynth1よりも4倍長い、線822によって示される周期Tsynth2=0.86を有している。2つの曲線は互いの整数倍であるので、オーバーサンプリングは、2つの音名のコードを合成するために各時間間隔におけるPWMカウントを加算することを容易にする。
成分周波数のコードを表す得られた複合周波数は、図38のグラフ820bにおいて波形823で示されている。グラフ820bに示した時間波形からは、波形の正弦波特性及びその成分周波数が容易に識別されない。しかし、図39に示す周波数スペクトルでは、Dの6番目及び8番目のオクターブに等しい線828及び827によって表される合成周波数が等振幅でありかつ音声スペクトルの上限(線175)以下の合成周波数のみであることが容易に分かる。同期クロックは、最高周波数の18倍の周波数、すなわち超音波スペクトルに十分に達した18×4,672Hz=84,096Hz(線829)で発生する。
より多くの音名がコードに加えられるとき、あるいは成分周波数が異なる振幅を有する場合、波形は視覚的にさらに一層複雑になる。周波数及び振幅が異なる正弦曲線の混合の一例を図40のグラフ830aに示す。ここでは、50%平均値を中心に±50%のピークトゥピーク振幅を有する1,168Hz(D6)正弦曲線811が、±7.5%の減衰されたACの大きさ852を有する4サイクル分の4,672Hz正弦曲線831に混合され、すなわち代数的に加算され、正弦曲線831は+17.5%のDCオフセット833の上に位置し、これは正弦曲線831が17.5%の低値から15%の上限値に及ぶことを意味している。光線治療では、DCオフセットを、LEDがそれよりも下回らない最小電流及び対応する輝度と解釈することができる。2つの正弦曲線をコードに加算して得られた波形834を図40のグラフ830bに示す。図38の波形834及び波形823はともに、同一周波数成分及び高調波スペクトル、具体的には音名D6及びD8を含むという事実にもかかわらず、時間波形は完全に異なっているように見える。
或るプロセスによって正弦波合成のために用いられるパターンテーブル、例えば図41に示すアルゴリズムまたはその変更形態を含むテーブル815a−815cが作成される。この方法では、時間間隔の数、例えば#間隔=18から始まり、その後、固定角度すなわちΦ=360/18=20°を用いてデータの弧度の欄が計算される。弧度Φの欄と、合成波形の周波数fsynth、例えばfsynth=4,672Hzとの組み合わせにより、計算された時間間隔Tsync=1/Tsynth=(20°/360°)/4,672Hz=0.012msが得られる。上記の内容を前提として、サイクルの数がβ=1であれば、全周期βTsynthはβTsynth 1×(18×0.012ms)=0.214msである。結果は、角度対対応する時点の欄を含む時間間隔テーブル843である。2サイクルが望ましい、すなわちサイクルの数がβ=2である場合は、時間間隔テーブル843の高さが2倍になり、ここで、時間の欄は増分0.012msで0msから0.428msまで延び、対応する円弧角は増分20°で0°から720°までである。
次に、時間対円弧角Φの時間間隔テーブル843は、正規化された数学関数840によって、この例では正弦曲線関数[A・(sin(Φ)+1)+B]≦100%によって、1行毎に処理される。図のように、関数は正規化され、すなわち0−100%のパーセンテージとして表される。Aは振幅、Bは正弦波のオフセットを表す。振幅Aは、正弦波のピークトゥピーク値間の垂直中点から計算され、オフセットBは、正弦波の最小値から計算される。よって、0>A≦0.5かつ0≦B<1であり、A=0.5であるときB=0である。結果は、時間の欄と、対応する円弧角Φ及び正規化された数学関数840の出力、各円弧角における正弦関数の正規化された厳密値(ただし、該関数は100%を超えない)を含むアナログサインテーブル844である。
例えば、図34Dに示したDCオフセットなしのスケールされていない正弦波では、正規化された数学関数840の出力が、0%から100%に及ぶ値であって、平均値が50%である値を有する[0.5・(sin(Φ)+1)+0]となるように、乗算器A=0.5かつB=0である。図35Aのグラフ750に示すようなスケールされた振幅A=0.25かつDCオフセットB=0である減衰された正弦波の事例では、正規化された数学関数840の出力は[0.25・sin(Φ)+1)+0]であり、0%から50%に及び、平均値は25%である。図35Bのグラフ750に示すようなDCオフセットを有するA=0.25かつB=0.25である減衰された正弦波の事例では、正規化された数学関数840の出力が、25%から75%に及ぶ値であって、平均値が50%である値を有する[0.25・(sin(Φ)+1)+0.25]である。図35Cのグラフ770に示す例では、大きなDCオフセットを有するA=0.10かつB=0.60である高度に減衰された正弦波を示し、それによって、正規化された数学関数840の出力が、60%から80%に及ぶ値であって、平均値が70%である値を有する[0.10・(sin(Φ)+1)+0.60]によって与えられる。
正規化された数学関数840の計算値が100%を超える場合、例えば[(A・sin(Φ)+1)+B]>100%である場合には、数学関数840の出力は、該関数の最大値である100%で固定される。そのような事例では、波形の上部が最大値100%で「切り揃え」られることになり、結果として得られる波形の歪みが不当な高調波及びスペクトル汚染を生み出すであろう。スペクトル制御及び望ましくない高調波の防止が重要であるような光線治療において治癒を促進するために、好適なLED励起パターンは、偶数次高調波を有する歪みのない正弦波形である。光線力学的治療、すなわち光子を用いて化学化合物または薬剤を励起すなわち化学的に活性化させる他の事例、または細菌またはウイルスの細胞破壊を目的にするなどの試みにおいては、他の波形も有用であり得る。したがって、正規化された数学関数840によって行われる数学演算は、任意の時変関数、好適には循環関数を表すことができ、正弦曲線に限定されない。関数にかかわらず、この演算のアナログ出力を0%から100%までの範囲の「厳密値」、すなわち正規化されたデータにスケールすることが便利である。正規化は実際には必要ではないが、スケーリング及び正規化によってデータ範囲を0−100%の範囲に制限することは、任意の後続の数学演算の入力範囲よりも大きい信号を回避する際に後続のアナログテーブル844のデータ処理をより便利なものにする。
「厳密値」なる語は、本明細書において、パターン生成プロセスの後続ステップにおけるデジタル化プロセスのLSB、すなわち最下位ビットよりも高い精度を意味する。結果として得られる出力には、0−100%のアナログデューティファクタが含まれる。正弦曲線が減衰された振幅A<50%を有する場合、例えばA=25%場合には、フルスケール未満のデューティファクタの範囲に限定された出力がもたらされる。
再び図41を参照すると、次にアナログサインテーブル844がアナログ/デジタル変換器841に入力され、ここで、関数(A?sin(Φ)+1)+Bの各パーセント値は、同等のデジタルデューティファクタに変換され、後でPWMカウンタにおいて正弦曲線を生成するために用いられる。変換プロセスは、意図されたPWMカウンタのビット分解能に一致するように選択される。例えば、正規化された数学関数840のアナログ出力を、8ビットカウンタで用いる8ビット変換を用いてデジタル化する際に、デューティファクタは、デジタル化されたサインテーブル845に示されている10進数形式の0から255までのデジタル化された値またはカウントである。データをこのカウントの16進数相当値である00からFFまでで表すこともできるが、実際の使用では、PWMカウンタは2進数(base-2)ブール論理を用いてデジタル的に作動する。デジタル化のプロセスは、正確なアナログ値(厳密値)をその最も近いデジタル相当値に必然的に丸め、PWMカウントは、アナログ/デジタル変換器841に入力された元のアナログ値に最も近いアナログ値を有する。
その後、アナログサインテーブル844に格納されているアナログ値の10進数相当値がPWMカウンタエミュレータ842にロードされて、リアルタイムで正弦曲線を合成するために用いられるパターンテーブル846の主要な要素である量子化出力「合成デューティファクタ」が生成される。パターンテーブル846の合成デューティファクタの欄は、アナログサインテーブル844における元の厳密値に最も近いアナログ合成値を表しており、小さな相違は、アナログ/デジタル変換器841の変換プロセスによって生じるデジタル化誤差である。この誤差を、パターンテーブル846を作成するときに再検討することにより、元の値との一致が許容可能であるかどうかを判定することができる。否であれば、より高い分解能データ変換を用いることによって合成正弦曲線の最大周波数を低下させることができることを念頭に置いて、より高いビット分解能を用いることができる。LEDドライブを制御するPWMカウンタを駆動するためにデューティファクタの10進数相当値が用いられるが、パターンテーブル846内のアナログ値はディスプレイグラフィクスを駆動するのに有用である。
図41に示したパターンファイルを生成するためのアルゴリズム的プロセスは、リアルタイム「オンザフライ」で、または前もって実行することができるが、よく使われる周波数に対してプロセスを前もって実行すること、及び光線治療における通常の機械操作中に便利なアクセスのためにパターンファイルの集まりを「パターンライブラリ」に格納することが有用である。
同じ方法で、図42Aのアルゴリズムに示すように、2つ以上の正弦曲線のコードをリアルタイムで生成するか、前もって生成してパターンライブラリに格納することができる。このプロセスでは、周波数fsynthAを有する正弦曲線A及び周波数fsynthBを有する正弦曲線Bの両方に対する入力条件から時間間隔テーブルが生成される。より高周波数の正弦波上の間隔の最小許容可能数に合うように、時間間隔の数と、それゆえに円弧角Φの漸次的変化とを選択しなければならない。異なる周波数正弦波の振幅を加えるために、2つの正弦波は同じ時間スケールを有するものとする。結果として、図37Aに示したような、高忠実度での合成に必要なものよりも多くの時間間隔の数及び円弧角Φのより微細な漸次的変化を有する、より低周波数の正弦波がオーバーサンプリングされることになる。各時間間隔テーブルは、その後、正規化された数学関数850a及び850bと、それらの対応するアナログサインテーブル(図示せず)における出力を用いて、異なる周波数の2つの正弦波に対応する
(Φ)=[A・(sin(Φ)+1)+B]
(Φ)=[A・(sin(Φ)+1)+B]
によって、大きさG(Φ)の厳密値に変換される。
これらの振幅値は、その後、スカラー乗算器851a及び851b C及びCによってスケールされる。スケーリング後に、正規化された数学関数ジェネレータ850a及び850bから出力された成分アナログ波形データの加重和加算を促進するべく、算術論理演算ユニット(ALU)851または同等のプログラムを用いて、任意のDCオフセットCDCを有する大きさが算術的に足し合わせられる。ALU852内のこれらの波形の加重平均は、
加重平均={C・G(Φ)+C・G(Φ)+CDC}/(C+C+CDC
によって与えられる。C=C=1かつCDC=0である場合には、加重平均={G(Φ)+G(Φ)}/2であり出力は2つの値の平均である。加重平均の場合、例えばC=2かつC=1である場合、正弦曲線Aは、正弦曲線Bよりもコードに2倍寄与し、その場合、
加重平均={2G(Φ)+G(Φ)}/3
である。信号に対して最大振幅の4分の1を含むDCオフセットが加えられる場合には、上式は、
加重平均={2G(Φ)+G(Φ)+1}/4
となる。混合後に、ALU852の出力がその後、アナログ/デジタル変換器853を用いてデジタル化されて、PWMカウンタのオン期間を制御するために用いられるデジタル符号によって表される信号の大きさが得られる。コードパターンテーブル855を完成させるために、デジタル符号はPWMカウンタエミュレータ854によって変換されてデューティファクタを表すアナログ値に戻される。このプロセスによって導入される唯一の誤差は、ALU852の加重平均出力を丸めることによって生じる1つのデジタル化誤差である。
数値誤差は、一度だけ、すなわちコードパターンファイルを生成するときに引き起こされるので、図42Aのアルゴリズムは優れた精度を提供する。この精度は、パターンライブラリへの参入のために複雑なパターンファイルを合成するときに特に有用であり、後で後続の再生に用いられる。上記アルゴリズムの1つの短所は、複数のアナログ値の数学的加重平均によって導入される複雑さと、後続のデジタル化を必要とすることであり、それを完全デジタル信号再構成法よりもコードのリアルタイム合成に適していないものにする。
図42Bに示すような、完全デジタル再構成を用いてコードを作成する別の手法は、図41で説明したアルゴリズムを利用して、正規化された数学関数A 860a及びアナログ/デジタル変換器861aを用いて個々の正弦波パターンファイルを生成することによって正弦曲線Aパターンテーブル862aを作成し、かつ同様に正規化された数学関数B 860b及びアナログ/デジタル変換器861bを用いて正弦曲線Bパターンファイル862bを作成する。これらの個々のパターンテーブルをデジタル形式でパターンライブラリにセーブし、後でコードを生成するために用いることができる。
図42Bに示したように、コードを生成するために、個々の正弦曲線パターンテーブル862a及び862bはスケールされ、すなわち、Eデジタル乗算器860a及びEデジタル乗算器860bによってそれぞれデジタル的に乗算される。これらのスケールされたファイルは、その後、デジタルEDC DCオフセット863cにデジタル的に加算され、ALU864においてブール代数を用いて加算され、その出力がPWMカウンタエミュレータ854によって合成コードパターンに変換される。あるいは、LEDのリアルタイム制御を提供するべくデータを直接PWMカウンタに入力することができる。
デジタルコード合成の1つの複雑さは、1つのパターンの最後及び次のパターンの最初から、複合波形の数学関数が振幅及び傾き、すなわちその一次導関数において連続しているファイルを作成することである。この目標は、図43の例に示すような、互いの整数倍である複合周波数を有する、すなわちβが整数である正弦曲線によって、最も容易に対処される。全ての例において、より低周波数の正弦波870が、正弦曲線870の周波数の整数β倍であるより高い周波数、具体的にはβが2、3、4、5、6及び8にそれぞれ等しい場合を表すより高周波数の正弦波872、873、874、875、876及び878と組み合わされる。
正弦曲線872、873、874、875、876及び878の周波数は、正弦曲線870の周波数の整数倍であるので、各正弦曲線は、同じ値すなわちD=50.2%で始まって同じ値で終わる。デューティファクタが50%ではなく50.2%である理由は、デジタル化プロセスのアーチファクトである。たとえPWMカウンタがゼロ符号のための0ボルトを含む256のレベルを有しているとしても、最大間隔の数は255ステップであり、すなわち当該255は100%を表す。よって、符号128は255ステップのちょうど半分ではないが、代わりに128/255=50.2%である。
したがって、これら2つの成分周波数の任意の混合を含むコードは、合成パターンの最初と最後で同じ振幅を有することになり、連続的に繰り返されたときに振幅及びその一次導関数において区分的に連続波形を形成することになる。偶数次高調波及び光線治療効果におけるその重要性の従来の議論に従って、複数の正弦曲線872、874、876及び878でさえも好ましい。正弦曲線872、874及び878は、具体的には正弦曲線870の周波数のうちの2つの周波数の倍数であり、基本波のオクターブを表している。
コードの成分周波数が非整数である比を有する場合には、1サイクル分のより低い基本周波数を含むパターンを用いても、繰り返されるパターン全域で連続関数を達成することにはならない。任意の不連続部はLED電流の急上昇を引き起こし、望ましくない高調波をもたらす。単一パターンのシーケンシングが3分間ないし20分間超の持続時間にわたって繰り返されるので、高調波は常に存在する。
β>1の小数値において不連続性を克服するための1つの簡単なソリューションは、2サイクル分以上のより低い基本周波数fsynth2=1/Tsynth2を用いて、パターンβTsynth2の全周期を画定することである。必要なサイクルの最小数は、最小公分母を用いて10進数比を小数に変換することによって決定することができる。この最小公分母は、パターンにおけるより低い周波数基本波のサイクルの数を規定し、一方で、分子は、より高い周波数の全サイクルの数を規定する。
例えば、β=1.5=3/2と表示されている図44の一番上のグラフの例では、1.5すなわち分数では3/2の周波数比を有する2つの正弦曲線は、開始及び終了の値が互いに同じであるような、曲線880によって示される2サイクル分のより低周波数の正弦波fsynth2と、曲線881によって示される3サイクル分の高周波数正弦波fsynth1とを含む。成分正弦曲線は同じ値で始まって同じ値で終わるので、2つの正弦曲線を組み合わせた任意のコードも、繰り返されるパターン全域で、大きさ及びその傾きにおいて、すなわちその一次導関数において連続していることになる。この分数の整数倍、例えば、6/4、12/8または24/16を含むパターンを格納することもできるが、データセットは、追加的な情報を加えたり分解能を向上させたりすることなく、実質的により大きい。したがって、最小公分母に基づく分数のスカラー倍を含むパターンは、同じ全パターン持続時間を有するパターンライブラリにおける他のパターンに一致させる際にのみ有用であり、それらの忠実度または高調波含有量に関してではない。
最小公分母を含む分数は、全パターン持続時間及び基本的なデータファイルが管理可能である任意の周波数に適用可能である。例えば、β=2.33333=7/3と表示されている図44の一番下のグラフの例は、2.33333すなわち分数では7/3の周波数比を有する2つの正弦曲線を含む。この例では、コードの成分は、開始及び終了の値が互いに同じであるような、曲線882によって示される3サイクル分のより低周波数の正弦波fsynth2と、曲線883によって示される7サイクル分の高周波数正弦波fsynth1とを含む。成分正弦曲線は同じ値で始まって同じ値で終わるので、2つの正弦曲線を組み合わせた任意のコードも、繰り返されるパターン全域で、大きさ及びその傾きにおいて、すなわちその一次導関数において連続していることになる。β=1.5の例よりも、初めから終わりまで連続性を維持する繰り返しパターンを作成するために必要なサイクルが多いので、そのようなパターンのデータファイルは必然的により大きくかつより長い。長い持続時間においてさえ、パターンは、管理可能なファイルサイズを有しているが、新たな組み合わせの作成において柔軟性に劣る。
ファイルサイズ及びパターン長さを減少させるための別の手段は、ミラー位相対称性の原理を利用することである。例えば、β=11.5と表示されている図45の一番上の波形において、周期Tsynth2の1サイクル分のより低周波数の正弦波が、11.5倍高い周波数を有する正弦曲線886と組み合わされている。正弦曲線886は、欠けている部分887によって示されるように、12の全正弦波サイクルの半サイクルが不足している。両正弦波がパターンの最初と最後で同じ振幅を有するにもかかわらず、パターンの最後で正弦曲線886の傾きが負であり、このことは、関数が正であり、パターンの最後で大きさが減少することを意味している。パターンを繰り返すことで、正弦波に2つの正の「ハンプ(こぶ)」が生じることになり、望ましくない、より高い高調波スペクトル成分が生成される。
この問題を回避するためにパターンの長さを2倍にしてその最小公分母分数β=23/2にするよりもむしろ、別の選択肢は、ミラー位相パターンを数値的に合成することである。本明細書に開示されているこの独創性がある方法は、図45の一番下のグラフに示されており、それによって基本正弦波885はノーマル位相パターン及びミラー位相パターンの両方において同じ状態のままであるが、ノーマル位相パターンに示されているより高周波数の正弦波886は、反転されてミラー位相における正弦曲線888を形成する。ノーマル位相パターンとミラー位相パターンの交互の組み合わせは、長いて柔軟性のないパターンをパターンライブラリに格納する必要なく、大きさ及びその傾きにおいて、すなわちその一次導関数において連続している正弦曲線をもたらす。
不規則な分数の周波数が組み合わせられる場合には、2つ以上の全サイクルの正弦曲線を作成するための便利な分数を探すことは非現実的であり得る。例えば、図46は、正弦曲線891の周波数が基本正弦波890の周波数の整数倍でなく、分数倍でさえないことを示している。代わりに、正弦曲線891は、パターンの最初と最後の値間の振幅892のギャップ(隔たり)を示している。このパターンを繰り返すと、1つのパターンの最後と次のパターンの最初の間の遷移において振幅及び傾きの重大な不連続性が生じることになる。さらに、周波数の非整数分数倍β=1.873のため、多数のサイクルでさえ、不連続性のない遷移に収束しない。1つのブルートフォースソリューションは、補間されたギャップフィル894を用いることであり、ここでは、正弦曲線891が、手動でまたは或る数学的手段によって作成された、補間された線分895が作成された曲線893に変更される。補間された線分895の形状は、パターンの振幅における不連続性のなさ及び傾きにおける最小の不連続性をもたらす。この編集は高調波を作成するが、それは、フーリエ解析を用いて高調波スペクトルの何らかの悪影響を最小限に抑えるように設計することができる。
デジタル合成を用いて光線治療システムにおけるLEDドライブのために正弦波及びコード励起パターンを合成するための開示されている装置及び方法について、LEDドライブ回路に用いた基準電流が様々なパターンの生成を通して一定のままであるという背景において説明した。周波数、振幅及びDCオフセットの変化は全て、アナログ合成を用いずに完全にデジタル領域内で生成することができる。本願の文脈の中で、純デジタル合成とは、PCM音声法を含まないPWM合成の使用を意味する。対照的に、時変アナログ出力を出力するデジタル/アナログ変換を用いているので、パルス符号変調はここではアナログ合成と考えられる。本開示の前のセクションは、完全アナログ法及びそのようなPCM及び他のデジタル化されたアナログ合成法の両方を用いてLEDドライブを生成するための選択肢の範囲についても説明している。本願では、正弦曲線及びそのコードを生成するための、デジタル及びアナログ合成の両方の使用の組み合わせを妨げない。
そのような混合モード合成の議論は、本願の範囲を超えており、デジタルPWM合成を用いて生成された正弦曲線のフルスケール値を調整するための手段として基準電流を用いるという状況を除いて、これ以上の説明はしない。この点の一例を図47に示す。ここで、一番上の波形は、既に開示した方法に従って可変パルス幅のパルス901を用いてPWMで生成した正弦波903を示している。図のように、基準電流αIrefは、時間tにおいてより高い電流903bに増加する値903aを有する。この基準電流の変化の結果は、説明した合成波形によって生じるLED電流を示す図47の一番下のグラフに示されている。
基準電流が電流903aにおいてバイアスされるような時間t以前の間隔では、LEDドライバのフルスケール出力電流は線905aで示されている。基準電流を電流903bに増加させた時間tの後では、それに応じてLEDドライバのフルスケール出力電流が電流レベル905aに増加する。デジタル合成はドライバのLEDイネーブル信号のみを制御するので、LEDドライバが伝導しているときに流れる実際の電流は、基準電流値により定められる。結果として、時間tより前には正弦曲線906のピークトゥピーク値は0から電流レベル905aに及ぶが、時間t後には正弦曲線907のピークトゥピーク値は0からレベル905bに及び、それによって、正弦波合成に用いられるデジタルパターン符号を変えずに出力の大きさを増加させる。時間tの遷移において不連続部908が生じ得るが、不連続部908は、LEDドライブ回路に存在するキャパシタンスとともに、フィルタリングされて遷移909になるようである。基準電流の変更は光線治療では稀な出来事であるので、非繰り返し遷移はLEDドライブの周波数スペクトルに著しい影響を与えない。
バスアーキテクチャに基づく制御
図27Aを参照すると、分散型LEDドライバシステムは、MOSFETドライバ215a−215nのイネーブル入力を介してLEDの複数のチャンネルにおける電流を個々に制御する別々のデジタルシンセサイザ203a−203nを含む。専用のカウンタ及びラッチを用いて構成されているので、これらのデジタルシンセサイザは、独立的に作動することができるが、所望の正弦曲線を合成するためにカウンタに繰り返しロードされるように適切な連続するPMW符号を必要とする。この関連で、集合的にデジタルシンセサイザ203は、したがって、各デジタルシンセサイザ203a−203nに一意に高速でアクセスすることができる集中制御を必要とする。この種の制御及び通信を行うための1つのそのような手段は、高速デジタルバスによるものである。
既に引用した米国特許出願第14/073,371号明細書(特許文献1)に説明されているように、プログラム可能矩形波パルスを生成するために、バス制御されるLEDドライバが用いられる。本明細書において開示されている方法を利用することによって、LEDドライブに用いたデジタルパルス駆動回路を正弦波合成のために再利用することができる。例えば、図48の回路は、ILEDレジスタ931aに格納された8ビットデジタルワードを、256レベルに量子化されたアナログ電流αIrefに変換するような、D/A変換器932aを含むバス−プログラム可能基準電流源930aを含むLEDドライバの1つのそのような実装形態を示している。より大きな分解能が必要である場合には、より大きなビット数、例えば、4096の量子化レベルでは12ビット、65,536の量子化レベルでは16ビットを用いることができる。
図のように、電流αIrefを決めるデータは、中央コントローラまたはマイクロプロセッサ920に存在するソフトウェアまたはファームウェアプログラムからILEDレジスタ931aのラッチにロードされ、デジタル通信バス923を介してILEDレジスタ931aに伝えられる。2つ以上のチャンネルが同じマイクロコントローラ920によって制御されかつ同じ共通データバス923に接続されているので、デコーダ925aは、「チャンネル−a」アナログ情報のみを検出してデジタルレジスタ931aに(レジスタ927a及び928aのためのデジタル合成データとともに)格納し、それによって、他のチャンネルのためのデータを無視するために含まれている。
バスの制御は、マイクロコントローラ920内に含まれるバス制御回路920bを通じて管理される。この情報は、データバス921によって、通常はSPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース)などの標準的なプロトコルまたは他の高速な代替手段を用いて、バスに接続された様々なICに伝達される。各ICは、SPIインタフェース922を介してバスと通信し、シリアル情報を、集積回路内部での通信用に特にフォーマットされたシリアルまたはパラレルデータに変換し、内部バス923を介して情報をデコーダ925a及び他のチャンネルに届ける。内部バス923などの内部バスデータ構造は通常、多数の導体を必要とするパラレルデータを含むが、様々なICを一緒に接続するために用いられるSPIバス921などのシステムバスプロトコルは通常、接続用電線の数を最小にするために高速シリアルデータを含む。情報は、マイクロコントローラ920からSPIバス921を通ってSPIインタフェース922へ伝えられるが、アルゴリズム情報及びプログラムを含むことができ、通常は、例えばデータレジスタ927a、928a及び930aのためのレジスタデータなどの、LEDをどのように駆動するかをLEDドライバICに指示するのに必要な動作設定のみを含む。これらの設定は、マイクロコントローラ920内に含まれるパターンEPROM920aに表形式で格納することができる。
LEDレジスタ931aにデジタルデータを伝達することに加えて、デコーダ925a内の復号されたデータが、オン期間データをtonレジスタ927aに、位相遅延データをレジスタ928aにロードする。各特定のチャンネルに対してプログラム可能電流制御がどのように達成されるかにかかわらず、LEDの複数のストリングのアレイの独立制御は、開示されているLED電流ドライバの複数のチャンネルを組み合わせるかまたは統合し、かつそれらを中央コントローラまたはマイクロプロセッサから制御することによって、達成することができる。
例えば、マイクロコントローラ920は、そのパターンライブラリ920a内に、精密ゲートバイアス及び制御回路935a及び高電圧MOSFET936aによって示されるようなLEDドライバチャンネルによって実行される波形合成アルゴリズムを含む。マイクロコントローラ920によって生成されるこの波形パターン情報は、その内部バスインタフェース920bから1つ以上のLEDドライバICへ高速SPIバス921を用いて伝えられる。他のデジタルインタフェースを用いてもよいが、SPIバスは、LCD及びHDTVバックライティングシステムにおける業界基準及び大型ディスプレイにおける(しかし、携帯型エレクトロニクスに用いられる小型ディスプレイにおける、ではない)LEDドライバICのための共通インタフェースになった。したがって、このドライブエレクトロニクスを光線治療におけるLEDドライブに再利用することができ、そのようなICがそのような目的を意図したものではないという事実にもかかわらず、本明細書に開示されている方法に従って正弦波合成に適合させることができる。
SPIプロトコルを用いて、各LEDドライバICは、その固有のチップIDコードを有している。SPIバス921上のマイクロコントローラ920から送信される全てのデータパケットは、データ流のヘッダにこの固有のチップIDを一種のアドレス、すなわち唯一のLEDドライバICに用いられるアドレスとして含んでおり、すなわち標的LEDドライバICにデータを向ける。全てのドライバICが同じデータ放送を受信するにもかかわらず、特定のチップIDに一致するデータのみが、対応する標的LEDドライバICによって処理されることになる。チップIDは通常、1つまたは2つのピンを有する各LEDドライバICに対してハードウェアでプログラムされたものである。各ピンが接地されているか、Vlogicに関連付けられているか、開いたままになっているか、抵抗器を通して接地されているかのいずれかであり得る4状態入力を用いて、多状態アナログコンパレータがアナログレベルを解釈し、2ビットデジタル符号を出力する。2つのピンを用いて、4ビットバイナリワード(すなわちバイナリニブル)が4すなわち16個のチップIDのうちの1つを一意に識別する。任意の特定のLEDドライブのチップIDに一致するSPIバス921上でデータ放送を受信する、すなわち特定IDが「選択」されたときはいつでも、特定のLEDドライバICが送信命令及び設定に対応することを意味している。データヘッダが特定のLEDドライバICのチップIDと一致しないデータ放送は無視される。要約すれば、一連の「n」チャンネル駆動回路を含む各LEDドライバチャンネルは、通常、マイクロコントローラ920からの命令を直接的に当該特定IC及び内部に含まれるLEDドライブチャンネルに向けるために用いられる固有の「チップID」とともに1つの集積回路として実現される。マイクロコントローラ920からの同じ通信は、一致するチップIDなしに集積回路内で作られた全ての他のLEDドライバに無視される。
選択されたLEDドライバIC内で、SPIインタフェース922はSPIバス921から命令を受け取り、その後、この情報を解釈し、個々のLEDドライバチャンネルに駆動条件(各チャンネルに対応したタイミング及びLEDバイアスを含む)を指示する内部デジタルバス923を通して、デコーダ925a及び他のチャンネルデコーダに分配する。最小数の相互接続での高速データ送信の場合、内部デジタルバス923は、いくつかのシリアル及びパラレル通信の組み合わせを含む。バス923は専用のものでかつLEDパッドのLEDドライバ内部にあるので、バス923は独自の定義された規格に準拠し得るが、任意の事前に確立されたプロトコルに従わない。
デジタルバス923からのデジタル情報は、デコーダ925a及び他のチャンネルによって復号されたら、次に、各々の個々のLEDドライバチャンネル内に存在するデジタルデータレジスタに伝えられる。識別の明確化のため、所与のチャンネル内のそれぞれの要素はチャンネルと同じ文字指示子を用い、例えば、カウンタ227はチャンネル−aでは227a、チャンネル−b(図示せず)では227bと称される。これらのレジスタは、当業者に知られているSタイプまたはDタイプフリップフロップ、静的ラッチ回路、あるいはSRAMセルによって実現することができる。
図の特定のドライバICでは、各チャンネルのための復号されたデータは、チャンネルのオン期間tonを定義する12ビットワードと、位相遅延φを定義する12ビットワードと、LED電流を定義する8ビットワードとを含み、これらはそれぞれ、tonレジスタ927a、φレジスタ928a及びILEDレジスタ931a、並びに他のチャンネルの対応するton、φ及びILEDレジスタ(図示せず)に格納されている。例えば、チャンネル−aのためのton、φ及びILEDデータを含むデコーダ925aの復号された出力が、レジスタ927a、928a及び931aにそれぞれロードされる。
既に説明したように、LEDストリング940aのオン期間tonは、クロックライン924上のClk θ信号及び同期信号とともに、結合することにより、対応するPWMのデューティファクタDによりLEDの輝度を設定し、かつ波形合成において光励起の合成パターンのパルス周波数fsynthを設定する。パルス合成時には、各々対応するレジスタにロードされたton、φ及びILEDデータは、稀に変化するが、正弦波合成時には、全ての同期パルスで更新され、新たなPWM値をカウンタ929aにロードする。
同様に、チャンネル−bに対するton、φ及びILEDデータを含むデコーダ925b(図示せず)の復号された出力が、その対応するレジスタ927b、928b及び931b(図示せず)にそれぞれロードされ、チャンネル−n対するton、φ及びILEDデータを含むデコーダ925nの復号された出力が、レジスタ927n、928n及び931n(同様に図示せず)にそれぞれロードされる。
これらのデータレジスタは、所定の時間のみデータをロードするクロックドラッチとして作動することができ、例えば、同期パルスが発生したときはいつでも、またはリアルタイムで、連続的に変更され得る。データロード及び実行とクロックパルスの同期をとることは、本明細書においては「同期」または「ラッチ」動作として識別されるが、データをいつでも動的に変更することができるラッチ及びカウンタの動作は、「非同期」または「非ラッチ」動作と呼ばれる。ラッチ動作は、最大動作周波数を制限するが、非同期動作よりも大きなノイズ排除性を示す。本発明の開示では、LEDドライブによって行われる正弦波形合成は、いずれかの方法によって、すなわちラッチまたは非同期法のいずれかを用いて、実現することができる。しかし、ディスプレイ用途では、ノイズに対するLCD画像の感度が深刻であるので、ラッチ動作のみが用いられる。
非ラッチまたは非同期動作では、チャンネル−a用のSPIバス921で受信したデータが復号され、チャンネル−nのレジスタ927n、928n及び931nを介して、tonレジスタ927a、φレジスタ928a及びILEDレジスタ931a、並びに他のチャンネルの対応するレジスタに即座にロードされる。LEDドライバICの実装に応じて、その後に2つの可能なシナリオが起こり得る。第1の事例では、カウンタ929aにおいて実行されているカウントは、新たなデータがカウンタ929aにロードされて新たなカウントが始まる前に、その動作を完了することができる。
例として、非ラッチ動作では、デコーダ925aからton、φ及びILEDレジスタ927a、928a及び931aへ新たにロードされたデータは、カウンタ929aにおける進行中のカウントが完了するまで待つことになる。カウントが完了した後、レジスタ927a及び928a内のton及びφの更新されたデータがカウンタ929aにロードされ、同時に、レジスタ931a内の更新されたILEDデータがD/A変換器932aにロードされて、精密ゲートバイアス及び制御回路935aへのバイアス条件を変更する 。データロード後に、カウンタ929aは、先ずLEDストリング940aがオンであればそれをオフにし、次に、精密ゲートバイアス及び制御回路935a及びMOSFET936aをオンに戻すように切り替える前にφレジスタ928a内のパルスの数をカウントすることによって、クロックライン924のClk θライン上のパルスを即座にカウントし始める。LEDストリング940aをオンに戻した後、カウンタ929aはその後、LEDストリング940aを再びオフにする前に、Clk θライン上のtonレジスタ927aからロードされたカウントの数をカウントする。カウンタ929aはその後、別の命令を待つ。
非ラッチまたは非同期動作のための第2の代替手段では、システムは、既に説明した非ラッチ動作と全く同じ振る舞いをするが、例外的に、SPIバス921上で送信により命令を受け取ったときはいつでも、ラッチは即座に書き換えられかつ同時に再始動される。レジスタデータが書き換えられたときに進行中のカウントサイクルを短縮する以外は、動作順序は同一である。どちらの非同期法が用いられるかにかかわらず、ありとあらゆるチャンネルについて1つずつ送信し、復号し、動作を開始するには時間を要する。ディスプレイ用途では、LCDパネルの最初と最後のチャンネル間における新たなデータの書き込み(LEDストリングの動作状態の変更)の遅延が、フリッカー及びジッタをもたらし得る。したがって、非同期動作は、LCDバックライティングにおいて実行可能な選択肢ではない。しかし、固定状態が数分間維持され得るLED光線治療では、より高周波数のLED励起パターン、すなわちより高いfsynth値を生成する場合は特に、非ラッチ動作は実行可能な選択肢である。
データが絶えず更新される非同期動作とは異なり、ラッチまたは同期動作においては、LED動作条件は、所定の機会にのみ、指示されたイベントまたは固定時間に同期されたときのいずれかにおいて更新される。図48に示した回路のラッチ動作では、ライン924上で同期パルスが発生したときはいつでも、tonレジスタ927a及びφレジスタ928aに直前にロードされたデータがカウンタ929aにロードされる。カウンタ929aはその後、精密ゲートバイアス及び制御回路935aをオンに切り替える前に、φレジスタ928bに格納された数に等しいClk θライン924上のパルスの数をカウントし始める。カウントを完了した後、カウンタ929aは精密ゲートバイアス及び制御回路935aをオンに切り替え、指示された量の電流ILEDaを伝導するように電流シンクMOSFET936aのゲートをバイアスし、それによってLEDストリング940aを所望の輝度レベルまで照射する。カウンタ929aは、その後、tonレジスタ927aからロードされたClk θパルスの数をカウント完了までカウントし、その後、精密ゲートバイアス及び制御回路935aを切り替えることにより電流シンクMOSFET936aをオフにし、照射を終了する。この時点で、LEDドライバICのデザインにもよるが、LEDストリング940aは、Tsync周期の残りの期間にわたって、すなわちクロックライン924上に次の同期パルスが現れるまでオフのままであり得るか、あるいは、ライン223a上に次の同期パルスが発生するまで、tonレジスタ927aにロードされた値で繰り返しオン・オフを切り替える。
ラッチシステムでは、同期パルスは幾つかの目的を果たす。第一に、同期パルスは、tonレジスタ927a及びφレジスタ928aからプログラム可能デジタルカウンタ227aへデータをロードする命令である。第二に、同期パルスは、カウンタ929aにおいてカウンタ929aをリセットしてカウントし始め、先ず、位相遅延φに対応する期間を過ごし、次に、対応するtonレジスタ927aにロードされたクロックカウントの数にわたってLEDストリング940aをオンにする命令である。第三に、同期パルスは、ILEDレジスタ931a内の値をD/A変換器932aにロードし、電流αIrefのアナログ値を正確に定める命令である。同様の動作が、他のチャンネルの対応するカウンタ、D/A変換器、並びにton、φ及びILEDレジスタ内で行われる。最後に、同期パルスは、カウントを支離滅裂にする途中のレジスタ927a、928a及び931a内のデータがノイズによって上書きされることを防止する。
光線療法戦略
光線治療用途のための照射パターン及びLEDドライブの正弦波合成を容易にするための本明細書で説明した発明を用いて、組織修復及び免疫応答における光生物学的プロセスを、パルスLEDドライブに存在するスペクトル汚染なしの、より高い精度、制御及び組織特異性により促進することができる。正弦波駆動波形の生成は、アナログ合成、デジタル制御されたアナログ合成(PCM)を用いて、または完全デジタル合成法によって、好適には固定周波数PWM技術を用いて行うことができる。LED駆動波形は、可聴域周波数矩形波パルス、正弦波、正弦曲線のコード、及び任意の他の時変波形、例えばランプ波及び三角波、フィルタリングされた音源、またはそれらの組み合わせの同時混合及び/またはプログラムされた順序を含むことができる。
開示されている方法は、長い赤外光、近赤外光、可視光、例えば、濃赤色、赤色、青色及び紫色を含む任意の波長LEDまたはレーザダイオードを駆動するため及び近紫外LEDを駆動するために用いることができる。遠紫外及びそれを超えるものは、電離放射線の有害な健康リスクがあるので除外される。
上記したように、本発明の方法及び装置は、光線治療のための主要パラメータ、すなわち、
・振動LED電流駆動の大きさ(AC振幅)
・LEDドライブにおける合成正弦波振動の周波数
・連続LED電流駆動の大きさ(DCオフセット)
・複数の正弦波周波数のコード
の制御を容易にする。制御は、動的に行うか、または、使用に先立って作成されてパターンライブラリに格納された所定のパターンで行うことができる。特に奇数次高調波多重の望ましくない可聴域周波数高調波の潜在的な悪影響なしに、上記の変数を制御することによって、生物共振及び光生物学的時定数の原則と一致する戦略を実現することができる。
光線療法戦略の一例を図49に3次元的にグラフで示す。ここで、x軸は、0−30mAの振動LED電流のピークトゥピーク振幅を表し、y軸は、0−30mAのLED電流の一定のDC成分を表し、z軸は、0.1Hz(ほぼDC)から10kHz超に及ぶ正弦波振動のAC周波数を表している。符号960−983で示される様々な生理学的構造の位置及び状態は、LEDストリングを照射するために用いられる電流の振幅、正弦波周波数及びDC成分の特定の組み合わせによる可能な最大の有益な効果の領域を示している。グラフは、大まかに言えば、電子輸送960が、より高周波数、kHz及びそれを超える範囲で発生することができ、イオン輸送961が数十ないし数百Hzで発生し、化学変換962が1桁のHz範囲で発生するという従前の観察を示している。1桁の範囲においても、具体的にはより高いDC電流またはより高い低周波数AV電流であるが、一過性の熱効果は明白である。0.1HzないしDC、すなわち0Hzの周波数におけるさらなる加熱からの高DC電流においてさえ、定常状態の熱プロセス964が発生する。
また、図のように、器官全体967を刺激するためにはより高い大きさACが必要であり、組織966の一画を治療するのに必要な電流はそれより少なく、細胞965の高濃度の一群に影響を及ぼすのに必要な電流はさらに少ない。高すぎるAC振幅を用いると、特定の光生物学的プロセスが吸収または使用することができるよりも高いレートでエネルギーを導入することによって効果を実際に減少させることがある。図49に例示的に示した治療の中で、筋肉970及び温熱療法969は、より多くの加熱から恩恵を受けるので、より高い連続LED照射、すなわちより大きなDCオフセットが必要である。
神経982や弛緩981などの神経学的応答は、最小のDCオフセットを有するより高い周波数及び中程度のAC電流から恩恵を受ける。光化学プロセスを促進または活性化するために光子が用いられる光線力学的治療980や、エネルギーが正常細菌代謝を妨げようとする抗菌治療は、高励起周波数及び高ACのLED電流の組み合わせを必要とする。光線力学的治療も高い全光強度から恩恵を受けるが、これは、より明るく、したがってより高いDC電流がより良いことを意味している。
中程度の周波数及びDC容量がほとんどまたは全くないAC電流レベルでは、細胞レベル及び組織レベルでの治療メカニズムを示す、血液循環及び血管新生974、免疫系及びホルモン刺激973及び皮膚972のための治療療法を含む様々な治療法が存在する。肺971、心臓、腎臓、肝臓、膵臓及び他の主要な身体の器官は、組織レベル及び器官レベルの両方において、AC電流の増加を引き起こすメカニズムから恩恵を受ける。
特定の治療が、描写されている3Dグラフと一致する効果を提供するかにかかわらず、スペクトル汚染を伴う従前のパルス光実験が尚もパルス周波数の大きな影響及び治効のLEDの輝度を明らかにする。本明細書で開示されているアナログ及びデジタル合成方法を用いて、LEDの正弦波励起の周波数及び振幅を生成しかつ制御する本装置、方法の能力が、光線治療の制御及び効果を従来技術のデジタルパルスLEDまたはレーザシステム以上に大いに向上させると期待される。

Claims (20)

  1. 光線治療方法であって、
    複数の発光ダイオード(LED)を含むLEDパッドを用意するステップと、
    前記LEDパッドを、ヒトまたは動物にLED光が入射するように配置するステップと、
    前記LEDから放射される前記LED光の強度を、正弦波関数に従って変化させるステップとを含む方法。
  2. 前記正弦波関数が、単一の正弦波から成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記正弦波関数の周波数が、20KHz未満であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記LED光が、前記正弦波の周波数以外は、20KHz未満の周波数は含まないことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記正弦波関数の周波数が、複数の正弦波を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記複数の正弦波に含まれる各周波数は全て20KHz未満であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記LED光が、前記複数の正弦波の各周波数以外は、20KHz未満の周波数は含まないことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 光線治療システムであって、
    LEDのストリングを含むLEDパッドと、
    前記LEDのストリングに直列に接続されたMOSFETと、
    前記MOSFETのゲート電圧を正弦波関数に従って駆動する駆動手段とを含むシステム。
  9. 前記駆動手段が、基準電流と、前記基準電流を正弦波関数に従って振動させる振動手段とを含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  10. 前記駆動手段が、前記基準電流を、前記MOSFETを流れる電流と比較する比較手段を含むことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
  11. 前記振動手段が、LC発振器、RC発振器、ウィーンブリッジ発振器、及びツインT発振器から成る群より選択される装置を含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  12. 前記駆動手段が、デジタル/アナログ(D/A)変換器と、予め定められた時間に前記正弦波関数の代表値を入力するために前記D/A変換器の入力端に接続されたレジスタとを含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  13. 前記駆動手段が、前記正弦波関数の成分波形を組み合わせるためのアナログミキサを含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  14. 光線治療システムであって、
    LEDのストリングを含むLEDパッドと、
    前記LEDのストリングに直列に接続されたMOSFETと、
    前記MOSFETのゲートにパルス幅変調(PWM)信号を供給する供給手段とを含むシステム。
  15. 前記供給手段が、PWMラッチとPWMカウンタとを含み、
    前記PWMカウンタの出力端は、前記PWMラッチの入力端に接続されていることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  16. 前記供給手段が、前記MOSFETのオン期間の代表値を保持するためのレジスタをさらに含み、
    前記レジスタが前記PWMカウンタに接続されていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
  17. 前記供給手段が、前記PWMラッチ及び前記PWMカウンタに接続されたfsync出力端と前記PWMカウンタに接続されたfθ出力端とを有するタイミング源及びクロック生成回路を含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  18. 前記タイミング源及びクロック生成回路は、Tsyncカウンタをさらに含み、
    前記Tsyncカウンタの入力端は、前記fθ出力端に接続されており、
    前記Tsyncカウンタの出力端は、前記fθ出力端に接続されていることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  19. 前記供給手段が、カウンタと、前記MOSFETのオン期間の代表値を保持するためのtonレジスタと、前記MOSFETのオフ期間の代表値を保持するためのレジスタとを含み、
    前記tonレジスタの出力端は、前記カウンタの第1の入力端に接続されており、
    前記φレジスタの出力端は、前記カウンタの第2の入力端に接続されていることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  20. 前記供給手段が、前記MOSFETの電流の代表値を保持するためのILEDレジスタと、デジタル/アナログ(D/A)レジスタとをさらに含み、
    前記ILEDレジスタの出力端は、前記D/A変換器の入力端に接続されていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
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