JP2017506250A - Cdk阻害剤としてのピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5,7‐ジアミン化合物及びその治療用途 - Google Patents

Cdk阻害剤としてのピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5,7‐ジアミン化合物及びその治療用途 Download PDF

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Abstract

本発明は概して治療用化合物の分野に関する。より詳細には、本発明は、ある特定のピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5,7‐ジアミン化合物(本明細書においては「PPDA化合物」と呼ぶ)に関しており、その化合物はとりわけ、CDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)を阻害する(例えば、選択的に阻害する)。また本発明は、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびにこのような化合物及び組成物の、生体外と生体内の両方でCDKを阻害する用途及び障害を治療する用途にも関する。この障害としては、CDKに関連する障害;サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の不適切な活性により生じる障害;CDK変異に関連する障害;CDK過剰発現に関連する障害;CDKの上流経路活性化に関連する障害;CDKの阻害によって寛解する障害;増殖性障害;癌;ウイルス感染症(HIVを含む);神経変性障害(アルツハイマー病及びパーキンソン病を含む);虚血;腎疾患;ならびに心血管障害(アテローム性動脈硬化症を含む)が含まれる。任意に、上記の治療は、さらなる活性薬剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含み、上記のさらなる活性薬剤は、例えばアロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤、Her2遮断薬、細胞傷害性化学療法剤等である。【選択図】なし

Description

本出願は、2014年2月21日に出願した英国特許出願番号第1403093.6号に関連しており、該出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
本発明は概して治療用化合物の分野に関する。より詳細には、本発明は、特定のピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5,7‐ジアミン化合物(本明細書においては「PPDA化合物」と呼ぶ)に関しており、その化合物はとりわけ、CDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)を阻害する(例えば、選択的に阻害する)。また本発明は、このような化合物を含む医薬組成物、ならびにそのような化合物及び組成物の、生体外と生体内の両方でCDKを阻害する用途及び障害を治療する用途にも関する。この障害としては、CDKに関連する障害;サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の不適切な活性により生じる障害;CDK変異に関連する障害;CDK過剰発現に関連する障害;CDKの上流経路活性化に関連する障害;CDKの阻害によって寛解する障害;増殖性障害;癌;ウイルス感染症(HIVを含む);神経変性障害(アルツハイマー病及びパーキンソン病を含む);虚血;腎疾患;ならびに心血管障害(アテローム性動脈硬化症を含む)が含まれる。任意に、上記の治療は、さらなる活性薬剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含み、上記のさらなる活性薬剤は、例えばアロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤、Her2遮断薬、細胞傷害性化学療法剤等である。
本発明と本発明が関する技術の現状をさらに十分に記載し、開示するために、本明細書においてはいくつかの公表文献を引用している。これらの各参考文献は、あたかも個々の参考文献がそれぞれ参照によって詳細にかつ別個で援用されていると示されているようにして、参照によりその全体が本開示に援用される。
本明細書とこれに続く特許請求の範囲とを通し、文脈から別段の意が必要とされない限り、「含む(comprise)」という語と、その変化形(「comprises」及び「comprising」等)は、述べられている完全体もしくはステップ、または完全体もしくはステップの群を含むことを含意しているが、他のいかなる完全体もしくはステップ、または完全体もしくはステップの群を排除することを含意するものではないことがわかる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、文脈から明らかに別様に示されていない限り、単数形「a」「an」及び「the」は複数指示物を含むことに留意が必要である。したがって、例えば「医薬担体」という言及は、このような担体の2個以上の混合物等を含む。
本明細書においては、範囲はしばしば「およそ」の一特定値から、かつ/または「およそ」の別の特定値までとして表されている。このような範囲が表されている場合、別の実施形態は、その一特定値から、かつ/または他方の特定値までを含む。同様に、先行詞として「約」を使用することによって数値が近似値として表されている場合、その特定値が別の実施形態を形成するということが理解されよう。
本開示は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。その情報は、本明細書において提供される任意の情報が先行技術であるという承認をするものではなく、またはここで請求される発明に関連があることを承認するものではない。または、詳細にもしくは暗黙的に参照されている任意の公表文献が先行技術であることを承認するものではない。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、21個のセリン/スレオニンプロテインキナーゼのファミリーの触媒サブユニットであり(例えば、2009年のMalumbresらの文献を参照のこと)、それらのうちのいくつかは、成長段階を通しての細胞進行、DNA複製及び有糸分裂を制御する(例えば、1995年のPinesら;1995年のMorganらの文献を参照のこと)。細胞周期の別の段階を通しての適切な進行と、細胞周期の次の段階への移行には、特定のCDKの活性化が必要とされる。CDK4とCDK6は、成長期(G1)を通しての進行に必要とされ、CDK2はDNA合成(S期)で、そしてCDK1は有糸分裂と細胞分裂(M期)で必要とされる。細胞周期CDK活性化の調節は、細胞周期の段階を通しての正しい細胞進行のタイミングに極めて重要であり、それらの活性は多くの段階で調節される。その段階としては、特定サイクリン(A、B、D及びEクラスのサイクリン;これらのサイクリンは細胞周期の段階を通して合成され、分解される)、CDK阻害剤(CDKI)、特にCIP/KIP及びINK型CDKI(例えば、1995年のSherrらの文献を参照のこと)との複合体形成、ならびに特定残基におけるリン酸化及び脱リン酸化が含まれる。活性化ループ(Tループと呼ばれる)における特定スレオニン残基のリン酸化状態は、細胞周期CDKの活性に対し重要な修飾である(例えば、1994年のFisherらの文献を参照のこと)。
CDK自身はめったに変異しないので、CDK活性の調節解除が、一般に高い活性及び/または不適当な活性に起因する多くの病状の重要な要素である。細胞周期CDKにおける変異のまれな例としては、INK4 CDKIへの非感受性を生じさせる遺伝性メラノーマを有するCDK4ファミリーが挙げられる(例えば、1996年のZuoらの文献を参照のこと)。p16INK4及びp14ARF CDKIをコードするCDKN2A遺伝子における不活性化変異は、遺伝性メラノーマにおいて起こることがより多く(例えば、2010年のHanssonらの文献を参照のこと)、これらの変異は、罹患した家族での乳癌及び膵臓癌のよい多い発生率にも関連している(例えば、2000年のBorgらの文献を参照のこと)。CDK4及びCDK6は癌において増幅され、かつ/または過剰発現することができ、それらのサイクリンエフェクターであるD型サイクリンもしばしば増幅され、かつ/または過剰発現するが、CDK4/CDK6阻害剤(INK4遺伝子)は多くの種類の癌で頻繁に欠失し、かつ/または後成的なサイレンシングを経る(例えば、2002年のOrtegaらの文献を参照のこと)。E型サイクリンは活性化のためCDK2と相互作用し、癌において頻繁に過剰発現するが、CDK2、ならびにCDK1に作用するp21及びp27阻害タンパク質は、癌において後成的にサイレンシングされる(例えば、2001年のMalumbresらの文献;2007年のJonesらの文献を参照のこと)。したがって細胞周期CDKの活性の上方制御は、癌の発生と進行に欠くことのできないものである。
CDKファミリーの別のメンバーであるCDK7は、サイクリンH及びMAT1と複合化し、T‐ループの活性化において細胞周期CDKをリン酸化して、それらの活性を促進する(例えば、1994年のFisherらの文献を参照のこと)。よって、CDK7を阻害することにより、細胞周期進行を阻害する有力な手段が得られると提案されており、少なくとも大半の細胞型で、細胞周期に対してCDK2、CDK4及びCDK6の絶対的な必要性は乏しいことについて、マウスでの遺伝子ノックアウト研究から説得力のある証拠があることを考慮すると、かかる手段は特に適切あり得る(例えば、2009年のMalumbresらの文献を参照のこと)。一方、別の腫瘍はいくつかを必要とするが、他の間期CDK(CDK2、CDK4、CDK6)とは無関係であると思われる。最近の遺伝子研究及び生化学研究により、細胞周期進行に対するCDK7の重要性が確かめられている(例えば、2007年のLarochelleらの文献;2012年のGanuzaらの文献を参照のこと)。
CDK活性化キナーゼ(CAK)としての役割に加え、CDK7/サイクリンH/MAT1は、基本転写因子TFIIHと複合化して、RNAポリメラーゼII(PolII)のC末端ドメイン(CTD)をリン酸化する(例えば、1995年のLuらの文献;1995年のSerizawaらの文献を参照のこと)。ファミリーの他のメンバーであるCDK9も、PolII CTDリン酸化に必要とされる。PolII CTDは、チロシン‐セリン‐プロリン‐スレオニン‐セリン‐プロリン‐セリン(YSPTSPS)配列を有する7つのアミノ酸反復からなり、哺乳動物PolII CTDには52個のYSPTSPS七つ組反復が存在する。転写開始時にPolIIが遺伝子プロモーターから放出されるには、CDK7及びCDK9によるセリン‐2(S2)とセリン‐5(S5)のリン酸化が必要とされる。CDK7はCDK9の上流で作用すると思われ、CDK7によるS5リン酸化は、CDK9によるS2リン酸化よりも前に生じる(例えば、2012年のLarochelleらの文献を参照のこと)。フラボピリドールならびにCDK7とCDK9を阻害するCDK阻害剤等の転写阻害剤も、癌においてCDK7とCDK9を阻害することの潜在的な有用性を示している(例えば、2008年のWangらの文献を参照のこと)。PolII CTDのリン酸化における作用に加え、CDK7とCDK9は、乳癌に関連するエストロゲン受容体(ER)(例えば、2000年のChenらの文献を参照のこと)、レチノイド受容体(例えば、1997年のRochette−Eglyら;2000年のBastienらの文献を参照のこと)、アンドロゲン受容体(例えば、2011年のChymkowitchら;2010年のGordonらの文献を参照のこと)を含むいくつかの転写因子、ならびに腫瘍抑制因子p53(例えば、1997年のLuら;1997年のKoら;2006年のRadhakrishnanら;2006年のClaudioらの文献を参照のこと)の活性の調節に関係があるとされている。CDK8は、転写因子とPol II基本転写機構の間の相互作用に関する機構により遺伝子転写を制御するメディエーター複合体の要素であり、転写因子をリン酸化もしてその活性を制御する(例えば、2009年のAlarconらの文献を参照のこと)。また、CDK8は転写再開制御に対しても重要であると思われる。CDK8遺伝子は40〜60%の結腸直腸癌で増幅されており、その一方CDK8のサイクリンパートナーであるサイクリンCは多くの癌種で上方制御されているという発見により、癌におけるCDK8の重要性が注目を浴びている。一方、機能的研究が、癌におけるCDK8の発癌的役割を支持している(例えば、2011年のXuらの文献を参照のこと)。メディエーター活性の制御におけるCDK11の潜在的な役割が説明されており、転写制御におけるCDK11の役割が示されており(例えば、2012年のDrogatらの文献を参照のこと)、その一方CDK11はS2 PolII CTDをリン酸化する能力も、転写におけるCDK12及びCDK13の関与を示し;CDK12はゲノム安定性の維持にも(例えば、2010年のBartkowiakらの文献;2011年のBlazekらの文献;2012年のChengらの文献を参照のこと)。
上記のCDK及び他のCDKに関する、癌におけるかなりたくさんの証拠に加え(例えば、CDK10;例えば、2008年のLornsらの文献;2012年のYuらの文献を参照のこと)、CDKはHIVを含めたウイルス感染症(例えば、2002年のKnockeartらの文献を参照のこと)、アルツハイマー病及びパーキンソン病を含めた神経変性障害(ここで特に着目するのはCDK5である。例えば2005年のMonacoらの文献;2008年のFaternaらの文献を参照のこと)、虚血、ならびに腎疾患を含めた増殖性障害(例えば、2006年のMarshallらの文献を参照のこと)、ならびにアテローム性動脈硬化症を含めた心血管障害においても重要である。
小分子CDK阻害剤の開発により、多くのヒト疾患、特に癌の治療において潜在的に有力なアプローチがもたらされる。したがって、細胞周期進行の阻害は、選択的CDK1阻害剤(CDK1は細胞周期に必要不可欠であると思われるので)、もしくは選択的CDK7阻害剤(CDK7は細胞周期CDKを制御するので)の開発により達成されるか、または全ての細胞周期CDKに対する活性を有する阻害剤を用いて達成される可能性がある。いくつかの証拠は、選択的CDK4/CDK6阻害剤またはCDK2阻害剤が特定条件に対する有用性(例えば、造血器腫瘍におけるCDK4/CDK6、及び神経膠芽腫または骨肉腫におけるCDK2)を有する可能性があることを示しており、したがってこれらのCDKに対する選択的阻害剤の開発は有用であり得、選択性はおそらく毒性の問題の助けとなるであろう。
公知化合物
以下の化合物は公知であると思われる。
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
試験化合物PPDA‐001のモル濃度の対数(底を10とする)に対する増殖阻害パーセントのグラフであり、NCI60癌細胞株スクリーンによって測定されたものである。各線は、1種の細胞株を表す。 HCT116腫瘍異種移植研究における媒体対照(四角)、50mg/kg/1日2回(三角)及び100mg/kg/1日1回(十字)についての、時間に対する相対腫瘍体積のグラフである。エラーバーは平均の標準誤差(SEM)を表す。 HCT116腫瘍異種移植研究における媒体対照(四角)、50mg/kg/1日2回(三角)及び100mg/kg/1日1回(十字)についての、時間に対する体重パーセントのグラフである。 (a)媒体;(b)PPDA‐001/ICEC0942;(c)4‐ヒドロキシタモキシフェン;及び(d)PPDA−001/ICEC0942と4‐ヒドロキシタモキシフェンを用いた処理時間に対する相対増殖(平均増殖±平均の標準誤差)のグラフである。示されているように、同時処理することにより、各薬物単独で観測される増殖阻害は大幅に向上する。 (a)媒体;(b)PPDA‐001/ICEC0942;(c)フェソロデックス;及び(d)PPDA−001/ICEC0942とフェソロデックスを用いた処理時間に対する相対増殖(平均増殖±平均の標準誤差)のグラフである。示されているように、同時処理することにより、各薬物単体で観測される増殖阻害は大幅に向上する。 1μmol/L PPDA‐001/ICEC0942で処理したMCF‐7細胞からの細胞溶解物の、ホスホ‐ERS118、ER及びβ‐アクチンのバンドについての、時間に応じた免疫ブロットゲルを示す。図に示されているように、PPDA‐001/ICEC0942は、セリン‐118(ホスホ‐ERS118)でのERのリン酸化を阻害する。 10μmol/LのPPDA‐001/ICEC0942で24時間処理したMCF‐7細胞からの細胞溶解物の免疫ブロットゲルを示す。
本発明の一態様は、本明細書に記載のある特定のピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5,7‐ジアミン化合物(本明細書においては「PPDA化合物」と呼ばれる)に関する。
本発明の別の態様は、本明細書に記載のPPDA化合物と、薬学的に許容できる担体または希釈剤とを含む組成物(例えば、医薬組成物)に関する。
本発明の別の態様は、本明細書に記載のPPDA化合物と、薬学的に許容できる担体または希釈剤とを混合するステップを含む組成物(例えば、医薬組成物)の調製方法に関する。
本発明の別の態様は、生体外または生体内において、CDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)の機能(例えば、細胞での機能)を阻害する方法に関しており、この方法は、有効量の本明細書に記載のPPDA化合物と、上記の細胞を接触させることを含む方法である。
本発明の別の態様は、生体外または生体内において、細胞増殖(例えば、細胞の増殖)を制御する(例えば、阻害する)か、細胞周期進行を阻害するか、アポトーシスを促進するか、またはこれらのうちの1つ以上の組合せを行う方法に関しており、この方法は、有効量の本明細書に記載のPPDA化合物と、細胞を接触させることを含む方法である。
本発明の別の態様は、治療により人体または動物体を治療する方法において使用するための本明細書に記載のPPDA化合物に関しており、例えば本明細書に記載の障害(例えば、疾患)の治療方法において使用するための化合物に関する。
本発明の別の態様は、本明細書に記載のPPDA化合物の薬物製造用途に関しており、その薬物は、例えば本明細書に記載の障害(例えば、疾患)の治療方法等の治療方法において使用するための薬物である。
本発明の別の態様は、例えば本明細書に記載の障害(例えば、疾患)の治療方法等の治療方法に関しており、この方法は、治療有効量の本明細書に記載のPPDA化合物を、好ましくは医薬組成物の形態で、治療の必要な対象に投与することを含む方法である。
一実施形態においては、上記の治療は、さらなる活性薬剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含み、上記のさらなる活性薬剤は、例えば本明細書に記載のアロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤、Her2遮断薬、細胞傷害性化学療法剤等である。
本発明の別の態様は、(a)本明細書に記載のPPDA化合物、好ましくは医薬組成物として、好適な容器内に、かつ/または好適な包装を用いて提供されるもの;及び(b)使用についての説明書、例えば、上記の化合物の投与法について文書化された説明書を含むキットに関する。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の合成方法、または本明細書に記載の合成方法を含む方法によって得ることができるPPDA化合物に関する。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の合成方法、または本明細書に記載の合成方法を含む方法によって得られたPPDA化合物に関する。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の新規中間体に関しており、この中間体は、本明細書に記載の合成方法での使用に好適である。
本発明の別の態様は、上記のような本明細書に記載の新規中間体の、本明細書に記載の合成方法における用途に関する。
当業者によって理解されるように、本発明の一態様の特長及び好ましい実施形態は、本発明の他の態様にも関する。
化合物
本発明の一態様はある特定の化合物に関しており、その化合物はピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5,7‐ジアミンに関する。
Figure 2017506250
本発明の化合物はすべて、
(a)5位に置換アミノ基(本明細書においては‐NR5X5Yと表す);
(b)7位に置換アミノ基(本明細書においては‐NHR7と表す);及び
(c)3位にアルキル基またはシクロアルキル基(本明細書においては‐R3と表す)を有する。
より詳細には、‐R5X基は非芳香族複素環であるか、または非芳香族複素環を含んでいる。この非芳香族複素環は、1個以上の窒素環原子を含む5〜7個の環原子を有する非芳香族複素環(本明細書においては‐Qと表される)であり、かつ1個以上の「オキシ」置換基(本明細書においては‐Jと表す)で置換されている。
したがって、本発明の一態様は、以下の式の化合物またはその薬学的に許容できる塩、水和物もしくは溶媒和物であり、式中、‐R2、‐R3、‐R5X、‐R5Y、‐R6及び‐R7は本明細書において規定されるとおりである(便宜上、本明細書においては集合的に「ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5,7‐ジアミン化合物」及び「PPDA化合物」と呼ぶ)。
Figure 2017506250
本発明のいくつかの実施形態には以下のものが含まれる。
(1)以下の式:
Figure 2017506250
の化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
‐R5Xは‐L5X‐Qであり;
‐L5X‐は独立して共有単結合または‐L5XA‐であり;
‐L5XA‐は独立して直鎖飽和C1-6アルキレンまたは分岐飽和C1-6アルキレンであり、かつ‐OH及び‐ORL5Xから選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RL5Xはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキルまたは飽和C3-6シクロアルキルであり;
‐Qは、1個以上の窒素環原子を含む5〜7個の環原子を有する非芳香族複素環であり、この非芳香族複素環は、「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されており;
「n」は1、2または3であり;
「m」は0、1、2または3であり;
‐Jはそれぞれ独立して‐OH、‐ORJ、‐LJ‐OHまたは‐LJ‐ORJであり;
‐RJはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキルまたは飽和C3-6シクロアルキルであり;
‐LJ‐はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキレンまたは分岐飽和C1-6アルキレンであり;
‐RQはそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RQA、‐CF3、‐OCF3、‐NH2、‐NHRQA、‐NRQA 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(RQA)‐ピペラジノ、‐SH、‐SRQAまたは‐CNであり;
‐RQAはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキルまたは飽和C3-6シクロアルキルであり;
‐R5Yは独立して‐Hまたは‐R5YAであり;
‐R5YAは独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
‐R7は独立して‐R7Xまたは‐C(=O)R7Xであり;
‐R7Xはそれぞれ独立して:
‐R7A、‐R7B、‐R7C、‐R7D、‐R7E
‐L7‐R7B、‐L7‐R7C、‐L7‐R7Dまたは‐L7‐R7Eであり;
‐L7‐はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキレンまたは分岐飽和C1-6アルキレンであり;
‐R7Aはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり、かつ1個以上の置換基‐W1で任意に置換されており;
‐R7Bはそれぞれ飽和C3-6シクロアルキルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されており;
‐R7Cはそれぞれ非芳香族C3-7ヘテロシクリルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されており;
‐R7Dはそれぞれ独立してフェニルまたはナフチルであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されており;
‐R7EはそれぞれC5-12ヘテロアリールであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されており;
‐W1はそれぞれ独立して:
‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW1、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW1、‐NRW1 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(RW1)‐ピペラジノ、‐C(=O)OH、‐C(=O)ORW1、‐C(=O)NH2、‐C(=O)NHRW1、‐C(=O)NRW1 2、‐C(=O)‐ピロリジノ、‐C(=O)‐ピペリジノ、‐C(=O)‐モルホリノ、‐C(=O)‐ピペラジノ、‐C(=O)‐N‐(RW1)‐ピペラジノ、‐S(=O)RW1、‐S(=O)2W1、‐S(=O)2NH2、‐S(=O)2NHRW1、‐S(=O)2NRW1 2、‐S(=O)2ピロリジノ、‐S(=O)2‐ピペリジノ、‐S(=O)2‐モルホリノ、‐S(=O)2‐ピペラジノ、‐S(=O)2‐N‐(RW1)‐ピペラジノ、‐CNまたは‐NO2であり;
‐RW1はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルであり、フェニルはそれぞれ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW11、‐CF3、‐OH、‐ORW11及び‐OCF3から選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RW11はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
‐W2はそれぞれ独立して:
‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW2、‐CF3、‐OH、‐ORW2、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW2、‐NRW2 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(RW2)‐ピペラジノ、‐C(=O)OH、‐C(=O)ORW2、‐C(=O)NH2、‐C(=O)NHRW2、‐C(=O)NRW2 2、‐C(=O)‐ピロリジノ、‐C(=O)‐ピペリジノ、‐C(=O)‐モルホリノ、‐C(=O)‐ピペラジノ、‐C(=O)‐N‐(RW2)‐ピペラジノ、‐S(=O)RW2、‐S(=O)2W2、‐S(=O)2NH2、‐S(=O)2NHRW2、‐S(=O)2NRW2 2、‐S(=O)2ピロリジノ、‐S(=O)2‐ピペリジノ、‐S(=O)2‐モルホリノ、‐S(=O)2‐ピペラジノ、‐S(=O)2‐N‐(RW2)‐ピペラジノ、‐CNまたは‐NO2であり;
‐RW2はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルであり、フェニルはそれぞれ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW22、‐CF3、‐OH、‐ORW22及び‐OCF3から選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RW22はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
‐W3はそれぞれ独立して:
‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW3、‐CF3、‐OH、‐ORW3、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW3、‐NRW3 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(RW3)‐ピペラジノ、‐C(=O)OH、‐C(=O)ORW3、‐C(=O)NH2、‐C(=O)NHRW3、‐C(=O)NRW3 2、‐C(=O)‐ピロリジノ、‐C(=O)‐ピペリジノ、‐C(=O)‐モルホリノ、‐C(=O)‐ピペラジノ、‐C(=O)‐N‐(RW3)‐ピペラジノ、‐S(=O)RW3、‐S(=O)2W3、‐S(=O)2NH2、‐S(=O)2NHRW3、‐S(=O)2NRW3 2、‐S(=O)2ピロリジノ、‐S(=O)2‐ピペリジノ、‐S(=O)2‐モルホリノ、‐S(=O)2‐ピペラジノ、‐S(=O)2‐N‐(RW3)‐ピペラジノ、‐CNまたは‐NO2であり;
‐RW3はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルであり、フェニルはそれぞれ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW33、‐CF3、‐OH、‐ORW33及び‐OCF3から選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RW33はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
‐R3は独立して‐R3Aまたは‐R3Bであり;
‐R3Aは独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
‐R3Bは飽和C3-7シクロアルキルであり;
‐R2は独立して‐Hまたは‐R2Aであり;
‐R2Aは独立して、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐R2AA、‐CF3、‐OH、‐OR2AA、‐OCF3、‐NH2、‐NHR2AA、‐NR2AA 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(R2AA)‐ピペラジノ、‐SH、‐SR2AAまたは‐CNであり;
‐R2AAはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
‐R6は独立して‐Hまたは‐R6Aであり;
‐R6Aは独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐R6AA、‐CF3、‐OH、‐OR6AA、‐OCF3、‐NH2、‐NHR6AA、‐NR6AA 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(R6AA)‐ピペラジノ、‐SH、‐SR6AAまたは‐CNであり;
‐R6AAはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルである化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
誤解を避けるために以下を記載する。
「C5-10ヘテロアリール」、「C3-7ヘテロシクリル」等といった用語中の添え字「Cx-y」は環原子数を指し、この環原子は炭素原子またはヘテロ原子(例えば、N、O、S)であってもよい。例えば、ピリジルはC6ヘテロアリール基の例であり、ピペリジノはC6ヘテロシクリル基の例である。
「ヘテロアリール」という用語は、芳香環の一部分の原子で残りの分子に結合した基を指し、この芳香環は芳香環系の一部分であり、芳香環系は1個以上のヘテロ原子(例えば、N、O、S)を有する。例えば、ピリジルはC6ヘテロアリール基の例であり、キノリルはC10ヘテロアリール基の例である。
「ヘテロシクリル」という用語は、芳香環の一部分ではない環原子で残りの分子に結合した基を指し(すなわち、環は部分飽和または完全飽和である)、この環は1個以上のヘテロ原子(例えば、N、O、S)を含む。例えば、ピペリジノはC6ヘテロシクリル基の例である。
別段の定めがない限り、1つ以上のキラル中心を有する化合物が示されているかまたは記載されていて、2個以上の立体異性体が可能であるる場合、そのような立体異性体の全てが、別個で(例えば、他の立体異性体から単離されて)かつ混合物として(例えば、2個以上の立体異性体の等モル混合物または等モルでない混合物として)の両方で開示され、かつ包含されている。例えば、別段の定めがない限り、化合物が1つのキラル中心を有する場合には、(R)及び(S)鏡像異性体のそれぞれが、別個で(例えば、もう一方の鏡像異性体から単離されて)かつ混合物として(例えば、2個の鏡像異性体の等モル混合物または等モルでない混合物として)の両方で開示され、かつ包含されている。例えば、ペンダントsec‐ブチル基(‐CH(CH3)CH2CH3)の初めの炭素原子は通常キラルであり、立体異性体を生じさせ、例えばその炭素原子が唯一のキラル中心であれば(R)及び(S)鏡像異性体を生じさせ、それらはそれぞれ開示され、包含される。
‐L5X‐基
(2)‐L5X‐が共有単結合である(1)に記載の化合物。
(3)‐L5X‐が‐L5XA‐である(1)に記載の化合物。
‐L5XA‐基
(4)‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐は独立して直鎖飽和C1-6アルキレンまたは分岐飽和C1-6アルキレンである(1)〜(3)のいずれか1つに記載の化合物。
(5)‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐は独立して直鎖飽和C1-4アルキレンまたは分岐飽和C1-4アルキレンであり、かつ‐OH及び‐ORL5Xから選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RL5Xはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキルまたは飽和C3-6シクロアルキルである(1)〜(3)のいずれか1つに記載の化合物。
(6)‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐は独立して直鎖飽和C1-4アルキレンまたは分岐飽和C1-4アルキレンである(1)〜(3)のいずれか1つに記載の化合物。
(7)‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐は独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐、‐C(CH32‐、‐CH2CH2‐、‐CH(CH3)CH2‐、‐CH2CH(CH3)‐または‐CH2CH2CH2‐である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の化合物。
(8)‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐は独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐、‐C(CH32‐または‐CH2CH2‐である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の化合物。
(9)‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐は独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐または‐C(CH32‐である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の化合物。
(10)‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐は独立して‐CH2‐または‐CH2CH2‐である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の化合物。
(11)‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐が‐CH2‐である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RL5X
(12)‐RL5Xが存在する場合、‐RL5Xはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、または飽和C3-6シクロアルキルである(1)〜(11)のいずれか1つに記載の化合物。
(13)‐RL5Xが存在する場合、‐RL5Xはそれぞれ独立して直鎖C1-4アルキルまたは飽和C1-4アルキルである(1)〜(11)のいずれか1つに記載の化合物。
(14)‐RL5Xが存在する場合、‐RL5Xはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(11)のいずれか1つに記載の化合物。
(15)‐RL5Xが存在する場合、‐RL5Xはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(11)のいずれか1つに記載の化合物。
(16)‐RL5Xが存在する場合、‐RL5Xはそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(11)のいずれか1つに記載の化合物。
(17)‐RL5Xが存在する場合、‐RL5Xはそれぞれ‐Meである(1)〜(11)のいずれか1つに記載の化合物。
‐Q基
(18)‐Qが、1個以上の窒素環原子を含む5〜7個の環原子を有する非芳香族複素環であり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(19)‐Qが、1個以上の窒素環原子を含む5〜7個の環原子を有する非芳香族複素環であり、結合点が環窒素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(20)‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、アゼパニルまたはジアゼパニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
Figure 2017506250
(21)‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、アゼパニルまたはジアゼパニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(22)‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、アゼパニルまたはジアゼパニルであり、結合点が環窒素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(23)‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(24)‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(25)‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルであり、結合点が環窒素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(26)‐Qがピロリジニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(27)‐Qがピロリジニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(28)‐Qがピロリジニルであり、結合点が環窒素原子を介しており(すなわち、ピロリジノ)、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(29)‐Qがピロリジン‐2‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(30)‐Qがピロリジン‐3‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(31)‐Qがピペリジニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(32)‐Qがピペリジニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(33)‐Qがピペリジン‐4‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(34)‐Qがピペリジン‐3‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(35)‐Qがピペリジン‐2‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(36)‐Qがピペリジニルであり、結合点が環窒素原子を介しており(すなわち、ピペリジノ)、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(37)‐Qがモルホリニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(38)‐Qがモルホリニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(39)‐Qがモルホリン‐2‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(40)‐Qがモルホリン‐3‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(41)‐Qがモルホリニルであり、結合点が環窒素原子を介しており(すなわち、モルホリノ)、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(42)‐Qがピペラジニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(43)‐Qがピペラジニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(44)‐Qがピペラジン‐2‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(45)‐Qがピペラジン‐3‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
(46)‐Qがピペラジニルであり、結合点が環窒素原子を介しており(すなわち、ピペラジノ)、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている(1)〜(17)のいずれか1つに記載の化合物。
記号「n」
(47)「n」が1または2である(1)〜(46)のいずれか1つに記載の化合物。
(48)「n」が1である(1)〜(46)のいずれか1つに記載の化合物。
(49)「n」が2である(1)〜(46)のいずれか1つに記載の化合物。
(50)「n」が3である(1)〜(46)のいずれか1つに記載の化合物。
記号「m」
(51)「m」が0、1または2である(1)〜(50)のいずれか1つに記載の化合物。
(52)「m」が0または1である(1)〜(50)のいずれか1つに記載の化合物。
(53)「m」が0である(1)〜(50)のいずれか1つに記載の化合物。
(54)「m」が1である(1)〜(50)のいずれか1つに記載の化合物。
(55)「m」が2である(1)〜(50)のいずれか1つに記載の化合物。
(56)「m」が3である(1)〜(50)のいずれか1つに記載の化合物。
いくつかの好ましい‐Q基
(57)‐Qが
Figure 2017506250
から選択される(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(58)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(59)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(60)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(61)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(62)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(63)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(64)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(65)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(66)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(67)‐Qが
Figure 2017506250
から選択される(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(68)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(69)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(70)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(71)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(72)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(73)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(74)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(75)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(76)‐Qが
Figure 2017506250
から選択される(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(77)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(78)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(79)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(80)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(81)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(82)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(83)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(84)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(85)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(86)‐Qが
Figure 2017506250
から選択される(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(87)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(88)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(89)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(90)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(91)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(92)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(93)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(94)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(95)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(96)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
(97)‐Qが
Figure 2017506250
である(1)〜(56)のいずれか1つに記載の化合物。
‐J基
(98)‐Jがそれぞれ独立して‐OHまたは‐ORJである(1)〜(97)のいずれか1つに記載の化合物。
(99)‐Jがそれぞれ独立して‐OHまたは‐LJ‐OHである(1)〜(97)のいずれか1つに記載の化合物。
(100)‐Jがそれぞれ独立して‐LJ‐OHまたは‐LJ‐ORJである(1)〜(97)のいずれか1つに記載の化合物。
(101)‐Jがそれぞれ‐OHである(1)〜(97)のいずれか1つに記載の化合物。
(102)‐Jがそれぞれ‐ORJである(1)〜(97)のいずれか1つに記載の化合物。
(103)‐Jがそれぞれ‐LJ‐OHである(1)〜(97)のいずれか1つに記載の化合物。
(104)‐Jがそれぞれ‐LJ‐ORJである(1)〜(97)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RJ
(105)‐RJが存在する場合、‐RJはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、または飽和C3-6シクロアルキルである(1)〜(104)のいずれか1つに記載の化合物。
(106)‐RJが存在する場合、‐RJはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(104)のいずれか1つに記載の化合物。
(107)‐RJが存在する場合、‐RJはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(104)のいずれか1つに記載の化合物。
(108)‐RJが存在する場合、‐RJはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(104)のいずれか1つに記載の化合物。
(109)‐RJが存在する場合、‐RJはそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(104)のいずれか1つに記載の化合物。
(110)‐RJが存在する場合、‐RJはそれぞれ‐Meである(1)〜(104)のいずれか1つに記載の化合物。
‐LJ‐基
(111)‐LJ‐が存在する場合、‐LJ‐はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキレンまたは分岐飽和C1-4アルキレンである(1)〜(110)のいずれか1つに記載の化合物。
(112)‐LJ‐が存在する場合、‐LJ‐はそれぞれ独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐、‐C(CH32‐、‐CH2CH2‐、‐CH(CH3)CH2‐、‐CH2CH(CH3)‐または‐CH2CH2CH2‐である(1)〜(110)のいずれか1つに記載の化合物。
(113)‐LJ‐が存在する場合、‐LJ‐はそれぞれ独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐、‐C(CH32‐または‐CH2CH2‐である(1)〜(110)のいずれか1つに記載の化合物。
(114)‐LJ‐が存在する場合、‐LJ‐はそれぞれ独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐または‐C(CH32‐である(1)〜(110)のいずれか1つに記載の化合物。
(115)‐LJ‐が存在する場合、‐LJ‐はそれぞれ独立して‐CH2‐または‐CH2CH2‐である(1)〜(110)のいずれか1つに記載の化合物。
(116)‐LJ‐が存在する場合、‐LJ‐はそれぞれ独立して‐CH2‐である(1)〜(110)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RQ
(117)‐RQが存在する場合、‐RQはそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RQA、‐CF3、‐OH、‐ORQA、‐OCF3、‐NH2、‐NHRQA、‐NRQA 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノまたはN‐(RQA)‐ピペラジノである(1)〜(116)のいずれか1つに記載の化合物。
(118)‐RQが存在する場合、‐RQはそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RQA、‐OHまたは‐ORQAである(1)〜(116)のいずれか1つに記載の化合物。
(119)‐RQが存在する場合、‐RQはそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Brまたは‐Iである(1)〜(116)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RQA
(120)‐RQAが存在する場合、‐RQAはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、または飽和C3-6シクロアルキルである(1)〜(119)のいずれか1つに記載の化合物。
(121)‐RQAが存在する場合、‐RQAはそれぞれ独立して直鎖C1-4アルキルまたは分岐C1-4アルキルである(1)〜(119)のいずれか1つに記載の化合物。
(122)‐RQAが存在する場合、‐RQAはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(119)のいずれか1つに記載の化合物。
(123)‐RQAが存在する場合、‐RQAはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(119)のいずれか1つに記載の化合物。
(124)‐RQAが存在する場合、‐RQAはそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(119)のいずれか1つに記載の化合物。
(125)‐RQAが存在する場合、‐RQAはそれぞれ独立して‐Meである(1)〜(119)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R5Y
(126)‐R5Yが‐Hである(1)〜(125)のいずれか1つに記載の化合物。
(127)‐R5Yが‐R5YAである(1)〜(125)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R5YA
(128)‐R5YAが存在する場合、‐R5YAは独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(127)のいずれか1つに記載の化合物。
(129)‐R5YAが存在する場合、‐R5YAは独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(127)のいずれか1つに記載の化合物。
(130)‐R5YAが存在する場合、‐R5YAは独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(127)のいずれか1つに記載の化合物。
(131)‐R5YAが存在する場合、‐R5YAは独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(127)のいずれか1つに記載の化合物。
(132)‐R5YAが存在する場合、‐R5YAは独立して‐Meである(1)〜(127)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R7
(133)‐R7が‐R7Xである(1)〜(132)のいずれか1つに記載の化合物。
(134)‐R7が‐C(=O)R7Xである(1)〜(132)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R7X
(135)‐R7Xがそれぞれ独立して
‐R7B、‐R7C、‐R7D、‐R7E
‐L7‐R7B、‐L7‐R7C、‐L7‐R7Dまたは‐L7‐R7Eである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(136)‐R7Xがそれぞれ独立して
‐R7C、‐R7D、‐R7E
‐L7‐R7B、‐L7‐R7Dまたは‐L7‐R7Eである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(137)‐R7Xがそれぞれ独立して
‐L7‐R7B、‐L7‐R7Dまたは‐L7‐R7Eである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(138)‐R7Xがそれぞれ‐L7‐R7Dである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(139)‐R7Xがそれぞれ‐R7Aである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(140)‐R7Xがそれぞれ‐R7Bである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(141)‐R7Xがそれぞれ‐R7Cである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(142)‐R7Xがそれぞれ‐R7Dである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(143)‐R7Xがそれぞれ‐R7Eである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(144)‐R7Xがそれぞれ‐L7‐R7Bである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(145)‐R7Xがそれぞれ‐L7‐R7Cである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(146)‐R7Xがそれぞれ‐L7‐R7Dである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
(147)‐R7Xがそれぞれ‐L7‐R7Eである(1)〜(134)のいずれか1つに記載の化合物。
‐L7‐基
(148)‐L7‐が存在する場合、‐L7‐はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキレンまたは分岐飽和C1-4アルキレンである(1)〜(147)のいずれか1つに記載の化合物。
(149)‐L7‐が存在する場合、‐L7‐はそれぞれ独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐、‐C(CH32‐、‐CH2CH2‐、‐CH(CH3)CH2‐、‐CH2CH(CH3)‐または‐CH2CH2CH2‐である(1)〜(147)のいずれか1つに記載の化合物。
(150)‐L7‐が存在する場合、‐L7‐はそれぞれ独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐、‐C(CH32‐または‐CH2CH2‐である(1)〜(147)のいずれか1つに記載の化合物。
(151)‐L7‐が存在する場合、‐L7‐はそれぞれ独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐または‐C(CH32‐である(1)〜(147)のいずれか1つに記載の化合物。
(152)‐L7‐が存在する場合、‐L7‐はそれぞれ独立して‐CH2‐または‐CH2CH2‐である(1)〜(147)のいずれか1つに記載の化合物。
(153)‐L7‐が存在する場合、‐L7‐はそれぞれ‐CH2‐である(1)〜(147)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R7A
(154)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルである(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(155)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルであり、かつ1個以上の置換基‐W1で任意に置換されている(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(156)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(157)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuであり、かつ1個以上の置換基‐W1で任意に置換されている(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(158)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(159)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrであり、かつ1個以上の置換基‐W1で任意に置換されている(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(160)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(161)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etであり、かつ1個以上の置換基‐W1で任意に置換されている(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(162)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(163)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ‐Meであり、かつ1個以上の置換基‐W1で任意に置換されている(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
(164)‐R7Aが存在する場合、‐R7Aはそれぞれ‐Meである(1)〜(153)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R7B
(165)‐R7Bが存在する場合、‐R7Bはそれぞれ独立してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている(1)〜(164)のいずれか1つに記載の化合物。
(166)‐R7Bが存在する場合、‐R7Bはそれぞれ独立してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである(1)〜(164)のいずれか1つに記載の化合物。
(167)‐R7Bが存在する場合、‐R7Bはそれぞれ独立してシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている(1)〜(164)のいずれか1つに記載の化合物。
(168)‐R7Bが存在する場合、‐R7Bはそれぞれ独立してシクロペンチルまたはシクロヘキシルである(1)〜(164)のいずれか1つに記載の化合物。
(169)‐R7Bが存在する場合、‐R7Bはそれぞれシクロヘキシルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている(1)〜(164)のいずれか1つに記載の化合物。
(170)‐R7Bが存在する場合、‐R7Bはそれぞれシクロヘキシルである(1)〜(164)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R7C
(171)‐R7Cが存在する場合、‐R7Cはそれぞれ独立してピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、アゼパニルまたはジアゼパニルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている(1)〜(170)のいずれか1つに記載の化合物。
(172)‐R7Cが存在する場合、‐R7Cはそれぞれ独立してピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたはジオキサニルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている(1)〜(170)のいずれか1つに記載の化合物。
(173)‐R7Cが存在する場合、‐R7Cはそれぞれ独立してピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている(1)〜(170)のいずれか1つに記載の化合物。
(174)‐R7Cが存在する場合、‐R7Cはそれぞれ独立してピペリジニルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている(1)〜(170)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R7D
(175)‐R7Dが存在する場合、‐R7Dはそれぞれフェニルであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(174)のいずれか1つに記載の化合物。
(176)‐R7Dが存在する場合、‐R7Dはそれぞれフェニルである(1)〜(174)のいずれか1つに記載の化合物。
(177)‐R7Dが存在する場合、‐R7Dはそれぞれナフチルであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(174)のいずれか1つに記載の化合物。
(178)‐R7Dが存在する場合、‐R7Dはそれぞれナフチルである(1)〜(174)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R7E
(179)‐R7Eが存在する場合、‐R7EはそれぞれC5-10ヘテロアリールであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(180)‐R7Eが存在する場合、‐R7EはそれぞれC5-10ヘテロアリールである(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(181)‐R7Eが存在する場合、‐R7EはそれぞれC5-6ヘテロアリールであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(182)‐R7Eが存在する場合、‐R7EはそれぞれC5-6ヘテロアリールである(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(183)‐R7Eが存在する場合、‐R7EはそれぞれC9-10ヘテロアリールであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(184)‐R7Eが存在する場合、‐R7EはそれぞれC9-10ヘテロアリールである(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(185)‐R7Eが存在する場合、‐R7Eはそれぞれ独立してフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル(例えば、1H‐[1,2,3]トリアゾリル、2H‐[1,2,3]トリアゾリル、4H‐[1,2,4]トリアゾリル、1H‐[1,2,4]トリアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば、[1,2,3]オキサジアゾリル、フラザニル、[1,3,4]オキサジアゾリル、[1,2,4]オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば、[1,2,3]チアジアゾリル、[1,2,5]チアジアゾリル、[1,3,4]チアジアゾリル、[1,2,4]チアジアゾリル)、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニル(例えば、[1,3,5]‐トリアジニル)であり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(186)‐R7Eが存在する場合、‐R7Eはそれぞれ独立してフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルであり、かつ例えば1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(187)‐R7Eが存在する場合、‐R7Eはそれぞれ独立してフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルまたはイソチアゾリルであり、かつ例えば1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(188)‐R7Eが存在する場合、‐R7Eはそれぞれ独立してピリジル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルであり、かつ例えば1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(189)‐R7Eが存在する場合、‐R7Eはそれぞれ独立してインドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、フタラジニルまたはキノキサリニルであり、かつ例えば1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
(190)‐R7Eが存在する場合、‐R7Eはそれぞれベンゾチアゾリルであり、かつ例えば1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている(1)〜(178)のいずれか1つに記載の化合物。
‐W1
(191)‐W1が存在する場合、‐W1はそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW1、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW1、‐NRW1 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノまたはN‐(RW1)‐ピペラジノである(1)〜(190)のいずれか1つに記載の化合物。
(192)‐W1が存在する場合、‐W1はそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW1または‐OCF3である(1)〜(190)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RW1
(193)‐RW1が存在する場合、‐RW1はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルであり、フェニルはそれぞれ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW11、‐CF3、‐OH、‐ORW11及び‐OCF3から選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RW11はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(192)のいずれか1つに記載の化合物。
(194)‐RW1が存在する場合、‐RW1はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルである(1)〜(192)のいずれか1つに記載の化合物。
(195)‐RW1が存在する場合、‐RW1はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(192)のいずれか1つに記載の化合物。
(196)‐RW1が存在する場合、‐RW1はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(192)のいずれか1つに記載の化合物。
(197)‐RW1が存在する場合、‐RW1はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(192)のいずれか1つに記載の化合物。
(198)‐RW1が存在する場合、‐RW1はそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(192)のいずれか1つに記載の化合物。
(199)‐RW1が存在する場合、‐RW1はそれぞれ‐Meである(1)〜(192)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RW11
(200)‐RW11が存在する場合、‐RW11はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(199)のいずれか1つに記載の化合物。
(201)‐RW11が存在する場合、‐RW11はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(199)のいずれか1つに記載の化合物。
(202)‐RW11が存在する場合、‐RW11はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(199)のいずれか1つに記載の化合物。
(203)‐RW11が存在する場合、‐RW11はそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(199)のいずれか1つに記載の化合物。
(204)‐RW11が存在する場合、‐RW11はそれぞれ‐Meである(1)〜(199)のいずれか1つに記載の化合物。
‐W2
(205)‐W2が存在する場合、‐W2はそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW2、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW2、‐NRW2 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノまたはN‐(RW2)‐ピペラジノである(1)〜(204)のいずれか1つに記載の化合物。
(206)‐W2が存在する場合、‐W2はそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW2または‐OCF3である(1)〜(204)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RW2
(207)‐RW2が存在する場合、‐RW2はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルであり、フェニルはそれぞれ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW22、‐CF3、‐OH、‐ORW22及び‐OCF3から選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RW22はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(206)のいずれか1つに記載の化合物。
(208)‐RW2が存在する場合、‐RW2はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルである(1)〜(206)のいずれか1つに記載の化合物。
(209)‐RW2が存在する場合、‐RW2はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(206)のいずれか1つに記載の化合物。
(210)‐RW2が存在する場合、‐RW2はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(206)のいずれか1つに記載の化合物。
(211)‐RW2が存在する場合、‐RW2はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(206)のいずれか1つに記載の化合物。
(212)‐RW2が存在する場合、‐RW2はそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(206)のいずれか1つに記載の化合物。
(213)‐RW2が存在する場合、‐RW2はそれぞれ‐Meである(1)〜(206)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RW22
(214)‐RW22が存在する場合、‐RW22はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(213)のいずれか1つに記載の化合物。
(215)‐RW22が存在する場合、‐RW22はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(213)のいずれか1つに記載の化合物。
(216)‐RW22が存在する場合、‐RW22はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(213)のいずれか1つに記載の化合物。
(217)‐RW22が存在する場合、‐RW22はそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(213)のいずれか1つに記載の化合物。
(218)‐RW22が存在する場合、‐RW22はそれぞれ‐Meである(1)〜(213)のいずれか1つに記載の化合物。
‐W3
(219)‐W3が存在する場合、‐W3はそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW3、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW3、‐NRW3 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノまたはN‐(RW3)‐ピペラジノである(1)〜(218)のいずれか1つに記載の化合物。
(220)‐W3が存在する場合、‐W3はそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW3または‐OCF3である(1)〜(218)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RW3
(221)‐RW3が存在する場合、‐RW3はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルであり、フェニルはそれぞれ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW33、‐CF3、‐OH、‐ORW33及び‐OCF3から選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RW33はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(220)のいずれか1つに記載の化合物。
(222)‐RW3が存在する場合、‐RW3はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルである(1)〜(220)のいずれか1つに記載の化合物。
(223)‐RW3が存在する場合、‐RW3はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(220)のいずれか1つに記載の化合物。
(224)‐RW3が存在する場合、‐RW3はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(220)のいずれか1つに記載の化合物。
(225)‐RW3が存在する場合、‐RW3はそれぞれ‐Meである(1)〜(220)のいずれか1つに記載の化合物。
‐RW33
(226)‐RW33が存在する場合、‐RW33はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(225)のいずれか1つに記載の化合物。
(227)‐RW33が存在する場合、‐RW33はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(225)のいずれか1つに記載の化合物。
(228)‐RW33が存在する場合、‐RW33はそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(225)のいずれか1つに記載の化合物。
(229)‐RW33が存在する場合、‐RW33はそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(225)のいずれか1つに記載の化合物。
(230)‐RW33が存在する場合、‐RW33はそれぞれ‐Meである(1)〜(225)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R3
(231)‐R3が‐R3Aである(1)〜(230)のいずれか1つに記載の化合物。
(232)‐R3が‐R3Bである(1)〜(230)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R3A
(233)‐R3Aが存在する場合、‐R3Aは独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuもしくは‐tBu、n‐ペンチル、t‐ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、sec‐ペンチル、3‐ペンチル、1‐ヘキシル、2‐ヘキシル、3‐ヘキシル、3‐メチル‐1‐ペンチル、4‐メチル‐1‐ペンチル、4‐メチル‐2‐ペンチル、4‐メチル‐3‐ペンチル、2‐メチル‐2‐ペンチル、2‐メチル‐1‐ペンチル、2‐メチル‐2‐ペンチル、3,3‐ジメチル‐1‐ブチル、3,3‐ジメチル‐2‐ブチル、3‐メチル‐1‐ペンチル、3‐メチル‐2‐ペンチル、3‐メチル‐3‐ペンチル、2,2‐ジメチル‐1‐ブチル、2,3‐ジメチル‐1‐ブチルまたは2,3‐ジメチル‐2‐ブチルである(1)〜(232)のいずれか1つに記載の化合物。
(234)‐R3Aが存在する場合、‐R3Aは独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(232)のいずれか1つに記載の化合物。
(235)‐R3Aが存在する場合、‐R3Aは独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(232)のいずれか1つに記載の化合物。
(236)‐R3Aが存在する場合、‐R3Aは独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(232)のいずれか1つに記載の化合物。
(237)‐R3Aが存在する場合、‐R3Aは‐iPrである(1)〜(232)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R3B
(238)‐R3Bが存在する場合、‐R3Bは独立してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである(1)〜(237)のいずれか1つに記載の化合物。
(239)‐R3Bが存在する場合、‐R3Bは独立してシクロプロピルまたはシクロブチルである(1)〜(237)のいずれか1つに記載の化合物。
(240)‐R3Bが存在する場合、‐R3Bはシクロプロピルである(1)〜(237)のいずれか1つに記載の化合物。
(241)‐R3Bが存在する場合、‐R3Bはシクロブチルである(1)〜(237)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R2
(242)‐R2が‐Hである(1)〜(241)のいずれか1つに記載の化合物。
(243)‐R2が‐R2Aである(1)〜(241)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R2A
(244)‐R2Aが存在する場合、‐R2Aは独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐R2AA、‐CF3、‐OH、‐OR2AA、‐OCF3、‐NH2、‐NHR2AA、‐NR2AA 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノまたはN‐(R2AA)‐ピペラジノである(1)〜(243)のいずれか1つに記載の化合物。
(245)‐R2Aが存在する場合、‐R2Aは独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐R2AA、‐OHまたは‐OR2AAである(1)〜(243)のいずれか1つに記載の化合物。
(246)‐R2Aが存在する場合、‐R2Aは独立して‐F、‐Cl、‐Brまたは‐Iである(1)〜(243)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R2AA
(247)‐R2AAが存在する場合、‐R2AAはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(246)のいずれか1つに記載の化合物。
(248)‐R2AAが存在する場合、‐R2AAはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(246)のいずれか1つに記載の化合物。
(249)‐R2AAが存在する場合、‐R2AAはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(246)のいずれか1つに記載の化合物。
(250)‐R2AAが存在する場合、‐R2AAはそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(246)のいずれか1つに記載の化合物。
(251)‐R2AAが存在する場合、‐R2AAはそれぞれ‐Meである(1)〜(246)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R6
(252)‐R6が‐Hである(1)〜(251)のいずれか1つに記載の化合物。
(253)‐R6が‐R6Aである(1)〜(251)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R6A
(254)‐R6Aが存在する場合、‐R6Aは独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐R6AA、‐CF3、‐OH、‐OR6AA、‐OCF3、‐NH2、‐NHR6AA、‐NR6AA 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノまたはN‐(R6AA)‐ピペラジノである(1)〜(253)のいずれか1つに記載の化合物。
(255)‐R6Aが存在する場合、‐R6Aは独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐R6AA、‐OHまたは‐OR6AAである(1)〜(253)のいずれか1つに記載の化合物。
(256)‐R6Aが存在する場合、‐R6Aは独立して‐F、‐Cl、‐Brまたは‐Iである(1)〜(253)のいずれか1つに記載の化合物。
‐R6AA
(257)‐R6AAが存在する場合、‐R6AAはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである(1)〜(256)のいずれか1つに記載の化合物。
(258)‐R6AAが存在する場合、‐R6AAはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである(1)〜(256)のいずれか1つに記載の化合物。
(259)‐R6AAが存在する場合、‐R6AAはそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPrまたは‐iPrである(1)〜(256)のいずれか1つに記載の化合物。
(260)‐R6AAが存在する場合、‐R6AAはそれぞれ独立して‐Meまたは‐Etである(1)〜(256)のいずれか1つに記載の化合物。
(261)‐R6AAが存在する場合、‐R6AAはそれぞれ‐Meである(1)〜(256)のいずれか1つに記載の化合物。
特定の化合物
(262)以下の式の化合物ならびにそれらの薬学的に許容できる塩、水和物及び溶媒和物から選択される(1)に記載の化合物。
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
組合せ
本発明のある特定の特徴は、明確化のため、別々の実施形態の文脈に記載されているが、1つの実施形態において組み合わせて提供されてもよいことがわかる。 逆に、簡略化のため、本発明の様々な特徴が1つの実施形態の文脈に記載されているが、別々に提供されてもよく、または任意の好適な副組合せで提供されてもよい。可変要素(‐R2、‐R3、‐R5X、‐R5Y、‐R6、‐R7、‐L5X‐、‐L5XA‐、‐RL5X、‐Q、n、‐J、m、‐RQ、‐RJ、‐LJ‐、‐RQA、‐R5YA、‐R7X、‐R7A、‐R7B、‐R7C、‐R7D、‐R7E、‐L7‐、‐W1、‐W2、‐W3、‐RW1、‐RW11、‐RW2、‐RW22、‐RW3、‐RW33、‐R3A、‐R3B、‐R2A、‐R2AA、‐R6A、‐R6AA等)によって表されている化学基に関する実施形態の全組合せが本発明によって詳細に含まれており、あたかも各組合せ及び全組合せが別個にかつ明確に開示されているようにして、本明細書において開示される。この全組合せは、このような組合せが安定な化合物(すなわち、単離し、特性評価し、かつ生物活性の試験を行うことができる化合物)を含む範囲で本発明に含まれ、本明細書において開示される。これに関連して、容易に合成されない可能性があり、かつ/または化学的に安定でない化合物が、基(例えば、置換基)の特定の組合せにより生じてもよいことは、当業者によって容易に理解される。さらに、そのような可変要素を記載している実施形態で挙げられた化学基の副組合せの全ても、本発明によって詳細に含まれており、あたかもそのような化学基の副組合せのそれぞれ、及びそのような化学基の副組合せの全てが、別個にかつ明確に本明細書に開示されているようにして、本明細書において開示される。
実質的に精製された形態
本発明の一態様は、実質的に精製された形態及び/または混入物が実質的に存在しない形態の、本明細書に記載のPPDA化合物に関する。
一実施形態においては、実質的に精製された形態は、50重量%以上であり、例えば60重量%以上、例えば70重量%以上、例えば80重量%以上、例えば90重量%以上、例えば95重量%以上、例えば97重量%以上、例えば98重量%以上、例えば99重量%以上である。
別段の定めがない限り、実質的に精製された形態は、任意の立体異性形態または任意の鏡像異性形態の化合物を指す。例えば、一実施形態においては、実質的に精製された形態は立体異性体の混合物を指し、すなわち他の化合物に関して精製されている形態を指す。一実施形態においては、実質的に精製された形態は1つの立体異性体を指し、例えば光学的に純粋な立体異性体を指す。一実施形態においては、実質的に精製された形態は、鏡像異性体の混合物を指す。一実施形態においては、実質的に精製された形態は、鏡像異性体の等モル混合物(すなわち、ラセミ混合物、ラセミ化合物)を指す。一実施形態においては、実質的に精製された形態は、1つの鏡像異性体を指し、例えば光学的に純粋な鏡像異性体を指す。
一実施形態においては、混入物は50重量%以下であり、例えば40重量%以下、例えば30重量%以下、例えば20重量%以下、例えば10重量%以下、例えば5重量%以下、例えば3重量%以下、例えば2重量%以下、例えば1重量%以下である。
定めがない限り、混入物は他の化合物を指し、すなわち立体異性体または鏡像異性体以外の化合物を指す。一実施形態においては、混入物は他の化合物と、他の立体異性体とを指す。一実施形態においては、混入物は他の化合物と、他方の鏡像異性体とを指す。
一実施形態においては、実質的に精製された形態は60%以上光学的に純粋であり(すなわち、モル基準で化合物の60%が所望の立体異性体または鏡像異性体であり、40%は所望でない立体異性体または鏡像異性体である)、例えば70%以上光学的に純粋であり、例えば80%以上光学的に純粋であり、例えば90%以上光学的に純粋であり、例えば95%以上光学的に純粋であり、例えば97%以上光学的に純粋であり、例えば98%以上光学的に純粋であり、例えば99%以上光学的に純粋である。
異性体
ある特定の化合物は、1個以上の特定の幾何学形態、光学的形態、鏡像異性形態、ジアステレオ異性形態、エピマー形態、アトロピック(atropic)形態、立体異性形態、互変異性形態、立体配座形態またはアノマー形態、たとえば限定せずにcis‐及びtrans‐形態;E‐及びZ‐形態;c‐、t‐及びr‐形態;endo‐及びexo‐形態;R‐、S‐及びmeso‐形態;D‐及びL‐形態;d‐及びl‐形態;(+)及び(−)形態;ケト‐、エノール‐及びエノラート‐形態;syn‐及びanti‐形態;向斜‐及び背斜‐形態;α‐及びβ‐形態;アキシアル及びエカトリアル形態;舟型‐、いす型‐、ツイスト型‐、封筒型‐及び半いす形‐形態;ならびにそれらの組合せで存在し得、以降、まとめて「異性体」(または「異性形態」)と呼ぶ。
構造の集団への言及には、その集団内にある構造異性形態が適切に含まれてもよい(例えば、C1-7アルキルにはn‐プロピル及びイソプロピルが含まれ;ブチルにはn‐、iso‐、sec‐及びtert‐ブチルが含まれ;メトキシフェニルにはオルト‐、メタ‐及びパラ‐メトキシフェニルが含まれる)。しかしながら、特定の基または置換パターンへの言及には、空間内の位置ではなく原子間の結合に関して異なる他の構造(structural)異性体(または構造(constitutional)異性体)が含まれるように意図されていない。例えば、メトキシ基‐OCH3への言及は、その構造異性体であるヒドロキシメチル基‐CH2OHへの言及として解釈されるべきではない。同様にして、オルト‐クロロフェニルへの明確な言及は、その構造異性体であるメタ‐クロロフェニルへの言及として解釈されるべきではない。
上記の排除は、例えば以下の互変異性対:ケト/エノール(以下に図示する)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、N‐ニトロソ/ヒドロキシアゾ、及びニトロ/アシニトロにおける、例えばケト‐、エノール‐及びエノラート‐形態等の互変異性形態には関していない。本明細書においては、1つの互変異性体への言及は、両方の互変異性体を包含するよう意図される。
Figure 2017506250
例えば、1H‐ピリジン‐2‐オン‐5‐イルと2‐ヒドロキシル‐ピリジン‐5‐イル(以下に示す)は互いの互変異性体である。本明細書においては、一方への言及は、両方を包含するよう意図される。
Figure 2017506250
1つ以上の同位体置換がなされた化合物は、「異性体」という用語に特定的にに含まれることに留意されたい。例えば、Hは、1H、2H(D)及び3H(T)を含めたいずれの同位体形態であってもよく;Cは、12C、13C及び14Cを含めたいずれの同位体形態であってもよく;Oは、16O及び18Oを含めたいずれの同位体形態であってもよい等である。
別段の定めがない限り、特定の化合物への言及は、その混合物(例えばラセミ混合物)を含めた、上記のような異性体形態全てを含む。このような異性体形態の調製方法(例えば、不斉合成)及び分割方法(例えば、分別結晶法及びクロマトグラフィー手段)は、いずれも当業者に公知であるか、あるいは、本明細書で教示される方法または公知方法を公知様式で適合させることによって容易に得られる。

対応する化合物の塩、例えば薬学的に許容できる塩を調製し、精製し、かつ/または取り扱うことが便利であるかまたは望ましくあり得る。薬学的に許容できる塩の例は、Bergeら,1977,「Pharmaceutically Acceptable Salts」,J.Pharm.Sci.,66巻,1−19頁で考察されている。
例えば、化合物がアニオン性であるか、またはアニオン性であり得る官能基(例えば、‐COOHは‐COO-であってもよい)を有する場合、塩は好適なカチオンを用いて形成され得る。
好適な無機カチオンの例としては、Na+及びK+等のアルカリ金属イオン、Ca2+及びMg2+等のアルカリ土類カチオン、ならびにAl3+及びアンモニウムイオン(すなわち、NH4 +)等の他のカチオンが挙げられるがこれらに限定されない。好適な有機カチオンの例としては、置換アンモニウムイオン(例えば、NH3+、NH22 +、NHR3 +、NR4 +)が挙げられるがこれらに限定されず、例えば式中、Rはそれぞれ独立して直鎖または分岐の飽和C1-18アルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルキル‐C1-6アルキル及びフェニル‐C1-6アルキルであり、フェニル基は任意に置換されている。いくつかの好適な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン及びトロメタミン、ならびにリジン及びアルギニン等のアミノ酸から誘導されるイオンである。一般的な四級アンモニウムイオンの例はN(CH34 +である。
化合物がカチオン性であるか、またはプロトン付加によってカチオン性となってもよい官能基(例えば、‐NH2は‐NH3 +となってもよい)を有する場合、塩は好適なアニオンを用いて形成されてもよい。
例えば、親構造がカチオン性基(例えば、‐NMe2 +)を含むか、またはプロトン付加によってカチオン性となってもよい官能基(例えば、‐NH2は‐NH3 +となってもよい)を有する場合、塩は好適なアニオンを用いて形成されてもよい。四級アンモニウム化合物の場合には、正電荷と釣り合いをとるために、対アニオンが一般的には常に存在する。化合物が、カチオン性基(例えば、‐NMe2 +、‐NH3 +)に加え、アニオンを形成することができる基(例えば、‐COOH)も含む場合は、内塩(双性イオンとも呼ばれる)が形成されてもよい。
好適な無機アニオンの例としては、以下の無機酸:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸及び亜リン酸から誘導されるアニオンが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な有機アニオンの例としては、以下の有機酸:2‐アセチルオキシ安息香酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、1,2‐エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸及び吉草酸から誘導されるアニオンが挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリマー有機アニオンの例としては、以下のポリマー酸:タンニン酸、カルボキシメチルセルロースから誘導されるアニオンが挙げられるが、これらに限定されない。
四級アンモニウム化合物(例えば、‐NMe2 +基を有するもの)に特に好適である、好適な対イオンの例としては、1‐アダマンタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、臭化物塩、塩化物塩、ヨウ化物塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、1,5‐ナフタレン‐ビス‐スルホン酸塩、4‐ニトロベンゼンスルホン酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメチルスルホン酸塩、硫酸塩が挙げられる。繰り返して述べると、化合物が、アニオンを形成することができる基(例えば、‐COOH)も含む場合、内塩が形成され得る。
別段の定めがない限り、特定の化合物への言及は、その塩形態も含む。
溶媒和物及び水和物
対応する化合物の溶媒和物を調製し、精製し、かつ/または取り扱うことが便利であるかまたは望ましくあり得る。本明細書においては、「溶媒和物」という用語は、溶質(例えば、化合物、化合物の塩)と溶媒の複合体を指す従来の意味で使用される。溶媒が水の場合、溶媒和物は好都合に水和物と呼ばれてもよく、例えば一水和物、二水和物、三水和物等と呼ばれてもよい。
別段の定めがない限り、特定の化合物への言及は、その溶媒和物形態及び水和物形態も含む。
化学的保護形態
化合物を化学的保護形態で調製し、精製し、かつ/または取り扱うことが便利であるかまたは望ましくあり得る。本明細書においては、「化学的保護形態」という用語は、従来の化学的意味で使用され、特定された条件(例えば、pH、温度、照射、溶媒等)の下での望ましくない化学反応から、1個以上の反応性官能基が保護されている化合物に関する。実際には、周知の化学的方法を使用して、保護しなければ特定条件下で反応性である官能基を可逆的に非反応性にする。化学的保護形態では、1個以上の反応性官能基は、保護された基または保護している基(あるいは、マスクされた基もしくはマスクしている基、またはブロックされた基もしくはブロックしている基)の形態である。反応性官能基を保護することにより、保護基に影響を及ぼすことなく、他の無保護の反応性官能基に関わる反応を行うことができ;通常は次のステップで、分子の残り部分に実質的に影響を及ぼすことなく保護基を取り除くか、またはマスキング基を変換してもよい。例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」(T.Green及びP.Wuts;第4版;John Wiley and Sons,2006)を参照のこと。
多種多様の上記のような「保護」方法、「ブロック」方法または「マスキング」方法が幅広く使用されており、有機合成において周知である。例えば、特定された条件下でともに反応性である2個の非等価な反応性官能基を有する化合物を誘導体化して、その官能基のうち1つを「保護」し、したがって特定条件下で無反応性であるようにしてもよく;そのように保護して、1つの反応性官能基のみを効果的に有する反応体としてその化合物を使用してもよい。保護基は、所望の反応(他の官能基に関わる反応)の完了後、「脱保護」してもとの官能基に戻してもよい。
例えば、ヒドロキシ基をエーテル(‐OR)またはエステル(‐OC(=O)R)として保護してもよい。このエーテルまたはエステルは、例えばt‐ブチルエーテル;ベンジルエーテル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)エーテルもしくはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル;トリメチルシリルエーテルもしくはt‐ブチルジメチルしリルエーテル;またはアセチルエステル(‐OC(=O)CH3、‐OAc)である。
例えば、アルデヒド基またはケトン基を、それぞれアセタール(R‐CH(OR)2)またはケタール(R2C(OR)2)として保護してもよい。そこでカルボニル基(>C=O)は、例えば酸の存在下で一級アルコールを用いて反応させることにより、1,1‐ジエーテル(>C(OR)2)に変換する。そのアルデヒド基またはケトン基は、例えば酸の存在下で水を使用して加水分解することによって、容易に再生する。
例えばアミノ基を、例えばアミド(‐NRCO‐R)もしくはウレタン(‐NRCO‐OR)として;または、好適な場合には(例えば、環状アミン類)、ニトロキシドラジカルとして(>Ν‐O・)保護してもよい。このアミドまたはウレタンは、例えばアセトアミド(‐NHCO‐CH3);ベンジルオキシアミド(‐NHCO‐OCH265、‐NH‐Cbz);t‐ブトキシアミド(‐NHCO‐OC(CH33、‐NH‐Boc);2‐ビフェニル‐2‐プロポキシアミド(‐NHCO‐OC(CH326465、‐NH‐Bpoc)、9‐フルオレニルメトキシアミド(‐NH‐Fmoc)、6‐ニトロベラトリルオキシアミド(‐NH‐Nvoc)、2‐トリメチルシリルエチルオキシアミド(‐NH‐Teoc)、2,2,2‐トリクロロエチルオキシアミド(‐NH‐Troc)、アリルオキシアミド(‐NH‐Alloc)、2(‐フェニルスルホニル)エチルオキシアミド(‐NH‐Psec)である。
例えば、カルボン酸基をエステルまたはアミドもしくはヒドラジドとして保護してもよい。このエステルは、例えばC1-7アルキルエステル(例えば、メチルエステル;t‐ブチルエステル);C1-7ハロアルキルエステル(例えば、2,2,2‐トリハロエチルエステル);2‐トリ(C1-7アルキル)シリル‐エチルエステル;またはC5-20アリール‐C1-7アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル;ニトロベンジルエステル)である。上記のアミドまたはヒドラジドは、例えばアセトアミドまたはN,N,N’‐トリメチルヒドラジドである。
例えば、チオール基をチオエーテル(‐SR)として保護してもよい。このチオエーテルは、例えばベンジルチオエーテル;アセトアミドメチルエーテル(‐S‐CH2NHC(=O)CH3)である。
プロドラッグ
化合物をプロドラッグの形態で調製し、精製し、かつ/または取り扱うことが便利であるかまたは望ましくあり得る。本明細書において使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、生体内で所望の活性化合物を生成する化合物に関する。典型的には、プロドラッグは不活性であるか、または所望の活性化合物よりも活性が低いが、有利な取り扱い特性、投与特性または代謝特性を提供し得る。
例えば、いくつかのプロドラッグは、活性化合物のエステル(例えば、生理学的に許容できる代謝的不安定性エステル)である。代謝中、エステル基(‐C(=O)OR)が開裂して活性薬物を生成する。そのようなエステルは、例えば親化合物中のカルボン酸基(‐C(=O)OH)のいずれかをエステル化することによって形成させてもよく、必要に応じて、親化合物に存在する任意の他の反応基をあらかじめ保護し、その後必要であれば脱保護して形成させてもよい。
また、いくつかのプロドラッグは酵素学的に活性化されて、活性化合物を生成するか、またはさらなる化学反応で活性化合物を生成する化合物を生成する(例えば、抗体指向性酵素プロドラッグ療法(ADEPT)、遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法(GDEPT)、脂質指向性酵素プロドラッグ療法(LIDEPT)等での場合)。例えば、プロドラッグは糖誘導体もしくは他のグリコシド複合体であってもよく、またはアミノ酸エステル誘導体であってもよい。
組成物
本発明の一態様は、本明細書に記載のPPDA化合物と、薬学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤とを含む組成物(例えば、医薬組成物)に関する。
本発明の別の態様は、本明細書に記載のPPDA化合物と、薬学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤とを混合することを含む、組成物(例えば、医薬組成物)の調製方法に関する。
用途
本明細書に記載のPPDA化合物は、例えば増殖性障害の治療(「抗増殖剤」として)、癌の治療(「抗癌剤」として)、ウイルス感染症の治療(「抗ウイルス剤」として)、神経変性疾患の治療(「抗神経変性剤」として)等において有用である。
CDK阻害方法における用途
本発明の一態様は、生体外または生体内において、CDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)の機能(例えば、細胞での機能)を阻害する方法に関しており、この方法は、有効量の本明細書に記載のPPDA化合物と、上記の細胞を接触させることを含む方法である。
当業者は、候補化合物がCDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)を阻害するか否かを容易に測定することができる。例えば、好適なアッセイは、本明細書に記載されているか、当業者に公知である。
一実施形態においては、上記の方法は生体外で行われる。
一実施形態においては、上記の方法は生体内で行われる。
一実施形態においては、PPDA化合物は、薬学的に許容できる組成物の形態で提供される。
任意の種類の細胞を処理してもよく、その細胞としては、脂肪、肺、胃腸(例えば、腸、結腸を含む)、乳房(乳腺)、卵巣、前立腺、肝臓(肝)、腎臓(腎)、膀胱、膵臓、脳及び皮膚が含まれる。
例えば、細胞試料を生体外で成長させ、この細胞と化合物を接触させ、化合物がその細胞に及ぼす効果を観測してもよい。「効果」の例としては、細胞の形態的状態(例えば、生存または死亡等)を測定してもよい。化合物が細胞に影響を及ぼすと見出された場合、このことを、同じ細胞型の細胞を保有する患者の治療法において、化合物の効力の予後マーカーまたは診断マーカーとして使用してもよい。
細胞増殖等を阻害する方法における用途
本明細書に記載のPPDA化合物は、例えば(a)細胞増殖の制御(例えば、阻害);(b)細胞周期進行の阻害;(c)アポトーシスの促進;または(d)これらのうちの1つ以上の組合せを行う。
本発明の一態様は、生体外または生体内において、細胞増殖(例えば、細胞の増殖)を制御する(例えば、阻害する)か、細胞周期進行を阻害するか、アポトーシスを促進するか、またはこれらのうちの1つ以上の組合せを行う方法に関しており、この方法は、有効量の本明細書に記載のPPDA化合物と、細胞を接触させることを含む方法である。
一実施形態においては、上記の方法は、生体外または生体内において、細胞増殖(例えば、細胞の増殖)を制御する(例えば、阻害する)方法であり、この方法は、有効量の本明細書に記載のPPDA化合物と、細胞を接触させることを含む。
一実施形態においては、上記の方法は生体外で行われる。
一実施形態においては、上記の方法は生体内で行われる。
一実施形態においては、PPDA化合物は、薬学的に許容できる組成物の形態で提供される。
任意の種類の細胞を処理してもよく、その細胞としては、肺、胃腸(例えば、腸、結腸を含む)、乳房(乳腺)、卵巣、前立腺、肝臓(肝)、腎臓(腎)、膀胱、膵臓、脳及び皮膚が含まれる。
当業者は、候補化合物が細胞増殖等を制御する(例えば、阻害する)か否かを容易に測定することができる。例えば、特定の化合物によって与えられる活性の評価に便利に使用されてもよいアッセイが、本明細書において記載されている。
例えば、細胞試料(例えば、腫瘍からの細胞)を生体外で成長させ、この細胞と化合物を接触させ、化合物がその細胞に及ぼす効果を観測してもよい。「効果」の例としては、細胞の形態的状態(例えば、生存または死亡等)を測定してもよい。化合物が細胞に影響を及ぼすと見出された場合、このことを、同じ細胞型の細胞を保有する患者の治療法において、化合物の有効性の予後マーカーまたは診断マーカーとして使用してもよい。
治療法における用途
本発明の別の態様は、治療により人体または動物体を治療する方法において使用するための本明細書に記載のPPDA化合物に関しており、例えば本明細書に記載の障害(例えば、疾患)の治療方法において使用するための化合物に関する。
薬物の製造における用途
本発明の別の態様は、本明細書に記載のPPDA化合物の薬物製造用途に関しており、その薬物は、例えば本明細書に記載の障害(例えば、疾患)の治療方法等の治療方法において使用するための薬物である。
一実施形態においては、上記の薬物はPPDA化合物を含む。
治療方法
本発明の別の態様は、例えば本明細書に記載の障害(例えば、疾患)の治療方法等の治療方法に関しており、この方法は、治療有効量の本明細書に記載のPPDA化合物を、好ましくは医薬組成物の形態で、治療の必要な対象に投与することを含む方法である。
治療される障害
一実施形態(例えば、治療法において使用する実施形態、薬物製造用途の実施形態、治療方法の実施形態)においては、治療は、CDKに関連する障害(例えば、疾患);CDKの不適切な活性により生じる障害(例えば、疾患);CDK変異に関連する障害(例えば、疾患);CDK過剰発現に関連する障害(例えば、疾患);CDKの上流経路活性化に関連する障害(例えば、疾患);CDKの阻害(例えば、選択的阻害)によって寛解する障害(例えば、疾患)の治療である。
一実施形態(例えば、治療法において使用する実施形態、薬物製造用途の実施形態、治療方法の実施形態)においては、治療は、増殖性障害;癌;ウイルス感染症(例えば、HIV);神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病);虚血;腎疾患;または心血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症)の治療である。
治療される障害‐CDKに関連する障害
一実施形態(例えば、治療法において使用する実施形態、薬物製造用途の実施形態、治療方法の実施形態)においては、治療は、CDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)に関連する障害(例えば、疾患)の治療である。
一実施形態においては、治療は、CDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)の不適切な活性により生じる障害(例えば、疾患)の治療である。
一実施形態においては、治療は、CDK変異;CDK過剰発現(例えば、対応する正常細胞と比較して;例えば、過剰発現が1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍もしくは50倍);またはCDKの上流経路活性化に関連する障害(例えば、疾患)の治療である。
一実施形態においては、治療は、CDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)の阻害(例えば、選択的阻害)によって寛解する障害(例えば、疾患)の治療である。
治療される障害‐増殖性障害
一実施形態(例えば、治療法において使用する実施形態、薬物製造用途の実施形態、治療方法の実施形態)においては、治療は増殖性障害の治療である。
本明細書において使用される場合、「増殖性障害」という用語は、不必要であるかまたは制御されていない、過剰または異常な細胞の細胞増殖に関しており、その細胞増殖は望まれない細胞増殖であり、例えば新生物成長または過形成性成長等である。
一実施形態においては、治療は、良性細胞増殖、前癌性細胞増殖または悪性細胞増殖を特徴とする増殖性障害の治療である。
一実施形態においては、治療は、過形成;新生物;腫瘍(例えば、組織球腫、グリオーマ、星状細胞腫、骨腫);癌;乾癬;骨疾患;線維増殖性障害(例えば、結合組織の線維増殖性障害);肺線維症;アテローム性動脈硬化症;または血管中の平滑筋細胞増殖(例えば、狭窄もしくは血管形成術後の再狭窄)の治療である。
治療される障害‐癌
一実施形態(例えば、治療法において使用する実施形態、薬物製造用途の実施形態、治療方法の実施形態)においては、治療は癌の治療である。
一実施形態においては、治療は癌転移の治療である。
癌に含まれるのは以下のものである。
(1)癌腫。重層扁平上皮(扁平上皮癌)から生じる腫瘍、ならびに臓器及び腺(腺癌)内に生じる腫瘍が含まれる。
例としては、乳房、結腸、肺、前立腺、卵巣が挙げられる。
(2)肉腫。骨肉腫及び骨原性肉腫(骨);
軟骨肉腫(軟骨);平滑筋肉腫(平滑筋);横紋筋肉腫(骨格筋);中皮肉腫及び中皮腫(体腔の膜裏層);線維肉腫(線維組織);血管肉腫及び血管内皮腫(血管);脂肪肉腫(脂肪組織);グリオーマ及び星状細胞腫(脳に存在する神経原性結合組織);粘液肉腫(一次胚結合組織);間葉腫または混合性中胚葉腫瘍(混合性結合組織型)が含まれる。
(3)骨髄腫。
(4)造血器腫瘍。骨髄性白血病及び顆粒球性白血病(骨髄及び顆粒球白血球系の悪性腫瘍);リンパ性、リンパ球性及びリンパ芽球性白血病(リンパ及びリンパ球血球系の悪性腫瘍);真性多血症(様々な血液細胞産物(しかし赤血球が一番多い)の悪性腫瘍)が含まれる。
(5)リンパ腫。ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫が含まれる。
(6)混合型。例えば腺扁平上皮癌;混合性中胚葉性腫瘍;癌肉腫;奇形癌腫が含まれる。
例えば、一実施形態においては、治療は乳癌の治療である。
一実施形態においては、癌は癌幹細胞を特徴とするか、または癌幹細胞をさらなる特徴とする。
一実施形態においては、癌はCDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)、特にCDK7と関連がある。
一実施形態においては、癌はCDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)、特にCDK7の不適切な活性を特徴とするか、またはその不適切な活性をさらなる特徴とする。
一実施形態においては、癌はCDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)、特にCDK7の過剰発現を特徴とするか、またはその過剰発現をさらなる特徴とする。
抗癌効果は、1個以上の機構により生じてもよい。その機構には、細胞増殖の制御、細胞周期進行の阻害、血管新生(新しい血管の形成)の阻害、転移(発生点からの腫瘍の広がり)の阻害、細胞移動(体の他の部分への癌細胞の広がり)の阻害、浸潤(隣接する正常組織への腫瘍細胞の広がり)の阻害、アポトーシス(プログラム細胞死)の促進、壊死による死、またはオートファジーによる死の誘発が含まれるがこれらに限定されない。本明細書に記載される化合物は、本明細書において論じられている機構から独立して、本明細書に記載の癌の治療に使用してもよい。
治療される障害‐ウイルス感染症
一実施形態(例えば、治療法において使用する実施形態、薬物製造用途の実施形態、治療方法の実施形態)においては、治療はウイルス感染症の治療である。
一実施形態においては、治療は、
(グループI)dsDNAウイルス、例えばアデノウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス;
(グループII)ssDNAウイルス、例えばパルボウイルス;
(グループIII)dsRNAウイルス、例えばレオウイルス;
(グループIV)(+)ssRNAウイルス、例えばピコルナウイルス、トガウイルス;
(グループV)(−)ssRNAウイルス、例えばオルソミクソウイルス、ラブドウイルス;
(グループVI)ssRNA−RTウイルス、例えばレトロウイルス;または
(グループVII)dsDNA−RTウイルス、例えばヘパドナウイルスによるウイルス感染の治療である。
上で使用される場合、ds:二重鎖;ss:+鎖;(+)ssRNA:+鎖RNA;(−)ssRNA:−鎖RNA;ssRNA−RT:生活環にDNA中間体を有する(+鎖)RNAである。
一実施形態においては、治療は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV);B型肝炎ウイルス(HBV);C型肝炎ウイルス(HCV);ヒトパピローマウイルス(HPV);サイトメガロウイルス(CMV);またはエプスタイン‐バーウイルス(EBV);カポジ肉腫に関連するヒトヘルペスウイルス8型(HHV);コクサッキーウイルスB3型;ボルナウイルス;インフルエンザウイルスの治療である。
治療
本明細書において障害の治療と関係して使用される場合、「治療」という用語は、一般に例えば障害の進行の阻害等の、いくつかの所望の治療効果が達成される、ヒトまたは動物(例えば、獣医学用途で)の治療に関する。また、「治療」という用語には、進行速度の減少、進行速度の停止、障害の症状の軽減、障害の寛解、及び障害の治癒が含まれる。予防手段(すなわち、予防法)としての治療も含まれる。例えば、まだ障害を生じさせていないが、障害を生じさせるリスクのある患者での使用が、「治療」という用語に包含される。
例えば、治療には、癌の予防法、癌の発生率を下げること、癌の症状の緩和等が含まれる。
本明細書において使用される場合、「治療有効量」という用語は、所望の治療計画に従って投与された際に、妥当な有益度/リスク比に応じていくつかの所望の治療効果を生じさせるのに有効な、化合物もしくは物質、組成物、または化合物を含む剤形の量に関する。
併用療法
「治療」という用語には、2つ以上の治療または療法を、例えば逐次または同時に組み合わせた併用治療及び併用療法が含まれる。例えば、本明細書に記載の化合物を、例えば他の薬剤と組み合わせて、併用療法で使用してもよい。治療及び療法の例としては、化学療法(例えば薬物、抗体(例えば、免疫療法の場合)、プロドラッグ(例えば、光線力学的療法、GDEPT、ADEPT等の場合)を含めた活性薬剤の投与);外科手術;放射線療法;光線力学的療法;遺伝子療法;及び食事制限が挙げられる。
本発明の一態様は、以下に記載する、1つ以上(例えば、1、2、3、4つ等)のさらなる治療薬と組み合わせた本明細書に記載の化合物に関する。
特定の組合せは医師の自己の判断で行われ、医師は自身の一般知識と、熟練の一般医に公知の投与計画とを使用して用量を選択する。
薬剤(すなわち、本明細書に記載の化合物と、1つ以上の他の薬剤)は、同時または逐次に投与してもよく、個人で異なる投与計画で異なる経路により投与してもよい。例えば、逐次投与する場合、薬剤は密な間隔で(例えば、5〜10分間にわたって)、またはより長い間隔で(例えば、1、2、3、4時間以上空けるか、もしくは必要であればさらに長い期間を空けて)投与することができ、詳細な投与計画は治療薬の特性に応じる。
薬剤(すなわち、本明細書に記載の化合物と、1つ以上の他の薬剤)は、1つの剤形に一緒に製剤されてもよく、あるいは、個々の薬剤を別々に製剤し、キットの形態で、任意に使用説明書と共に、一緒に提供されてもよい。
本明細書に記載のPPDA化合物を用いた治療と共に投与するか、または組み合わせてもよいさらなる薬剤/療法の例としては、以下のものが挙げられる。
アロマターゼ阻害剤、例えばエキセメスタン(アロマシンとしても知られる)、レトロゾール(フェマーラとしても知られる)、アナストロゾール(アリミデックスとしても知られる)等;
抗エストロゲン剤、例えばフェソロデックス(フルベストラント及びICI182780としても知られる)、タモキシフェン(ノルバデックスとしても知られる)、ヒドロキシタモキシフェン等;
Her2遮断薬、例えばハーセプチン、パーツズマブ、ラパチニブ等;
細胞傷害性化学療法剤、例えばタキサン(例えば、タクソールとしても知られるパクリタキセル;タキソテールとしても知られるドセタキセル)、シクロホスファミド、代謝拮抗薬(例えば、カルボプラチン、カペシタビン、ゲムシタビン、ドキソルビシン、エピルビシン、5‐フルオロウラシル等)等。
したがって、一実施形態においては、上記の治療は、さらなる活性薬剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含み、そのさらなる活性薬剤は、例えばアロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤、Her2遮断薬、細胞傷害性化学療法剤等である。
アロマターゼ阻害剤及び/または抗エストロゲン剤を用いた併用療法
エストロゲン受容体(ERα)は乳癌の70%で発現しており、この場合、乳癌の発生と進行の大きな要因であるとして認識されている。
したがってERαは、ERα‐陽性乳癌において、補助療法の有力な標的である。抗エストロゲン剤を用いた、エストロゲン生合成の阻害(例えば、アロマターゼ阻害剤を使用して)によるERαの活性の阻害は再発を減らし、患者生存を改善する(例えば、1998年のOsborneの文献;2010年のCuzickらの文献を参照のこと)。タモキシフェン(ノルバデックス)は、エストロゲン受容体への結合をエストロゲンと競合することによって作用して、ERα活性を阻害する抗エストロゲン剤である。重要なことには、ERα‐陽性乳癌を有する患者の多くは、これらのホルモン療法中に再発し、耐性腫瘍はほとんどERα‐陽性のままである(例えば、2002年のAliらの文献;2003年のJohnstonらの文献;2011年のAliらの文献;2011年のOsborneらの文献を参照のこと)。
タモキシフェンは、選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)として知られる抗エストロゲン剤のクラスの典型的な例であり、乳房では抗エストロゲン性であるが、心血管系及び骨等の他の組織ではしばしばエストロゲン様活性を有する。タモキシフェンは、閉経前及び閉経後の女性において、ERα‐陽性乳癌の治療で最初に使われる補助薬剤として幅広く使用されている。フルベストラント(フェソロデックス)は、ERαへの結合をエストロゲンと競合してERαの活性化を防ぎ、またERαタンパク質の下方制御も促進するERα抗エストロゲン剤である。このように、フルベストラントは、選択的エストロゲン受容体抑制物質(SERD)として知られる抗エストロゲン剤のクラスの例である。フルベストラントは、タモキシフェン等の最初に使用される補助薬剤での治療後に再発を経たERα‐陽性乳癌患者の治療において、主に使用される。
アロマターゼは、アンドロゲンのエストロゲンへの変換において、制限段階を触媒するチトクロムP450酵素である。臨床的に、アナストロゾール(アリミデックス)及びレトロゾール(フェマーラ)は、アロマターゼ複合体の競合的阻害薬であり、一方、エキセメスタン(アロマシン)はアロマターゼの不可逆阻害剤である。アロマターゼ阻害剤は、エストロゲン生合成を阻害し、それにより循環エストロゲンの濃度を阻害し、その結果、エストロゲンの入手可能性を制限することによって、ERα活性化を防ぐ。
ERαタンパク質へのエストロゲンの結合は、DNA結合領域(DBD)に対しC末端のリガンド(ホルモン)結合領域(LBD)で生じ、ERα二量体化、核移行、及び標的遺伝子の調節領域でのDNAへの結合を促進して、この標的遺伝子の発現を制御する。ERαのリン酸化は、DNA結合及び転写活性化を含めた、ERα活性を制御する重要な機構を提供する。特に、ERαによる転写活性化にとって重要な、DBDに対しN末端の領域(転写活性化機能1(AF‐1))におけるセリン‐118でのERαリン酸化は、ERα活性化において極めて早く起こるイベントの1つである。セリン‐118リン酸化は、CDK7を含む転写因子複合体TFIIHのエストロゲン刺激動員によって媒介される。エストロゲン結合LBDへのエストロゲン刺激TFIIH動員により、セリン‐118のCDK7媒介リン酸化が可能になり、ERα活性が促進される。CDK7過剰発現は、アロマターゼ阻害剤によって引き起こされる低エストロゲン濃度の条件下でERα活性を促進することができ、タモキシフェン結合ERαの活性化を導く(例えば、1993年のAliら;2000年のChenら;2002年のChenらの文献を参照のこと)。
これらの発見により、本明細書に記載のPPDA化合物をアロマターゼ阻害剤または抗エストロゲン剤と組み合わせ、乳癌患者の治療に使用する根拠が提供される。そのような併用療法は、アロマターゼ阻害剤耐性または抗エストロゲン剤耐性が発生した後の乳癌患者の治療において特に有用である。そのような併用療法は、毒性を下げるために、使用するPPDA化合物、抗エストロゲン剤及び/またはアロマターゼ阻害剤の量及び/または濃度を少なくすることも可能である。
エストロゲン反応性ERα‐陽性MCF‐7乳癌細胞株における、特定のPPDA化合物(PPDA‐001、本明細書においてはICEC0942とも呼ばれる)を抗エストロゲン剤(4‐ヒドロキシタモキシフェン、またはフェソロデックス)と組み合わせた相乗効果を示す研究を以下に記載する。薬剤は協同的に作用して、乳癌細胞の増殖を阻害する。
ATCC(米国)から購入したMCF‐7細胞をDMEM中でルーチン的に継代し、10%ウシ胎仔血清(FCS)を追加し、5%のCO2を有する37℃のインキュベーター内で保存した。両細胞株の増殖アッセイは、本明細書に記載の全く同じプロトコールを使用して、適切な培地にて行った。増殖アッセイでは、96ウェルプレートの各ウェルに、10%FCSを含むDMEM中で5000個の細胞を播種した。MCF‐7細胞は、PPDA‐001/ICEC0942(100nmol/L)及び4‐ヒドロキシタモキシフェン(1nmol/L)またはフェソロデックス(1nmol/L)の存在下で12日間にわたって増殖させた。媒体は、4‐ヒドロキシタモキシフェン(100nmol/L)及びフェソロデックス(100nmol/L)を調製した等量の溶媒(エタノール)の添加を指す。4‐ヒドロキシタモキシフェン及びフェソロデックスは、エタノール中100μmol/Lの濃度で調製し、培地1mLあたり1μLで培養液に希釈(1:1000希釈)して、最終濃度100nmol/Lを得た。各時点で、プレートをSRBアッセイ用に取り出した。このアッセイでは、氷冷した40%トリクロロ酢酸(TCA)100μL/ウェルを添加することによって細胞を固定した。プレートを4℃で1時間放置し、水で洗浄して、1%酢酸中で調製した0.4%(w/v)スルホローダミン(SRB;Sigma‐Aldrich、英国)100μLを加えた。プレートを1%酢酸中で洗浄して余分なSRB試薬を除去し、空気乾燥し、10mMトリス塩基100μLを加えることによって、結合色素を溶解した。プレートリーダーを使用して、プレートを492nmで読み取った。処理時間t=0での細胞のOD492読取値(n=5)を基準にして、相対増殖をプロットした。
4‐ヒドロキシタモキシフェンの結果を図4に示す。図4は、(a)媒体;(b)PPDA‐001/ICEC0942;(c)4‐ヒドロキシタモキシフェン;及び(d)PPDA−001/ICEC0942と4‐ヒドロキシタモキシフェンを用いた処理時間に対する相対増殖(平均増殖±平均の標準誤差)のグラフである。示されているように、共に処理することにより、各薬物単体で観測される増殖阻害は大幅に向上する。
フェソロデックスの結果を図5に示す。図5は、(a)媒体;(b)PPDA‐001/ICEC0942;(c)フェソロデックス;及び(d)PPDA−001/ICEC0942とフェソロデックスを用いた処理時間に対する相対増殖(平均増殖±平均の標準誤差)のグラフである。示されているように、共に処理することにより、各薬物単体で観測される増殖阻害は大幅に向上する。
10%FCSを追加したDMEM中で培養したMCF‐7細胞を、1μmol/L PPDA‐001/ICEC0942を用いて、示した時間処理した。PPDA‐001/ICEC0942はDMSO中で溶解したので、等量のDMSOを対照として加えた。細胞溶解物は、RIPA緩衝液(Sigma‐Aldrich、カタログ番号R0278)を加えることによって調製した。免疫ブロットを、標準的な方法(例えば、Harlow&Lane,1988,「Antibodies:A Laboratory Manual」,Cold Spring Harbor Laboratory Press,USAを参照のこと)を使用し、タンパク質またはリン酸化表示標識には抗体を用いて行い、β‐アクチンをタンパク質ローディングの対照として使用した。様々な一次抗体とそれらの希釈を以下の表に示す。二次抗体は、HRP結合ヤギ抗マウスIgGまたはHRP結合ヤギ抗ウサギIgGであった。
Figure 2017506250
図6は、1μmol/LのPPDA‐001/ICEC0942で処理したMCF‐7細胞からの細胞溶解物の、ホスホ‐ERS118、ER及びβ‐アクチンのバンドについての、時間に応じた免疫ブロットゲルを示している。図に示されているように、PPDA‐001/ICEC0942は、セリン‐118(ホスホ‐ERS118)でERのリン酸化を阻害する。
図7は、10μmol/LのPPDA‐001/ICEC0942で24時間処理したMCF‐7細胞からの細胞溶解物の免疫ブロットゲルを示している。
したがって、一実施形態においては、上記の治療はさらなる活性薬剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含み、そのさらなる活性薬剤はアロマターゼ阻害剤であり、例えばエキセメスタン(アロマシンとしても知られる)、レトロゾール(フェマーラとしても知られる)またはアナストロゾール(アリミデックスとしても知られる)である。一実施形態においては、上記の障害は乳癌(例えば、上記のアロマターゼ阻害剤に対し耐性のある乳癌)である。
また、一実施形態においては、上記の治療はさらなる活性薬剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含み、そのさらなる活性薬剤は抗エストロゲン剤であり、例えばフェソロデックス(フルベストラント及びICI182780としても知られる)、タモキシフェン(ノルバデックスとしても知られる)またはヒドロキシタモキシフェンである。一実施形態においては、上記の障害は乳癌(例えば、上記の抗エストロゲン剤に対し耐性のある乳癌)である。
他の用途
本明細書に記載のPPDA化合物は、CDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)を阻害する細胞培養液添加剤としても使用してよい。
本明細書に記載のPPDA化合物は、例えば、考察中の化合物と処理することにより候補のホストが利益を得る可能性があるかどうかを判断するために、生体外アッセイの一部としても使用してよい。
本明細書に記載のPPDA化合物は、他の活性化合物や他のCDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13等)阻害剤等を同定するために、例えばアッセイで標準物質としても使用してよい。
キット
本発明の一態様は、(a)本明細書に記載のPPDA化合物、または本明細書に記載のPPDA化合物を含む組成物、例えば、好ましくは好適な容器内に、かつ/または好適な包装を用いて準備されたもの;及び(b)使用についての説明書、例えば、上記の化合物または組成物の投与法について文書化された説明書を含むキットに関する。
文書化された説明書は、活性成分が治療するのに好適な適応症のリストも含んでよい。
投与経路
PPDA化合物またはそのPPDA化合物を含む医薬組成物は、任意の好都合な投与経路により、全身的、末梢的または局所的のいずれでも(すなわち、所望の作用部位で)対象に投与してよい。
投与経路の例としては、経口(例えば、摂取による投与);口腔内;舌下;経皮(例えば、パッチ、硬膏剤等による投与が含まれる);経粘膜(例えば、パッチ、硬膏剤等による投与が含まれる);鼻腔内(例えば、鼻腔スプレーによる投与);眼内(例えば、点眼薬による投与);経肺(例えば、エアロゾルを使用して、例えば口または鼻を経た吸入または通気療法による投与);経直腸(例えば、座薬または浣腸による投与);膣内(例えば、膣坐剤による投与);非経口、例えば皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、嚢下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下及び胸骨内を含めた注射による投与;例えば皮下または筋肉内のデポーまたはリザーバの移植による投与が挙げられる。
対象/患者
対象/患者は、脊索動物、脊椎動物、哺乳動物、有胎盤哺乳動物、有袋類(例えば、カンガルー、ウォンバット)、齧歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、ネズミ科動物(例えば、マウス)、ウサギ目動物(例えば、ウサギ)、鳥類(例えば、トリ)、イヌ科動物(例えば、イヌ)、ネコ科動物(例えば、ネコ)、ウマ科動物(例えば、ウマ)、ブタ(porcine)(例えば、ブタ(pig))、ヒツジ(ovine)(例えば、ヒツジ(sheep))、ウシ科動物(例えば、ウシ)、霊長類、サル(simian)(例えば、サル(monkey)または類人猿)、サル(monkey)(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)、またはヒトであってもよい。
さらに、対象/患者は、任意の発達形態であってもよく、例えば胎児であってもよい。
好ましい一実施形態においては、対象/患者はヒトである。
製剤
PPDA化合物は単独で投与することも可能であるが、医薬組成物(例えば、組成物、調剤品、薬物)として提供することが好ましく、この医薬組成物は、1種以上の本明細書に記載のPPDA化合物を、1種以上の他の薬学的に許容できる成分と一緒に含む。この薬学的に許容できる成分は当業者に周知であり、これには、薬学的に許容できる担体、希釈剤、賦形剤、アジュバント、充填剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、滑沢剤、安定剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば、湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、香味剤及び甘味剤が含まれる。製剤は、他の活性薬剤、例えば、他の治療薬または予防薬をさらに含んでもよい。
したがって、本発明は、上で規定された医薬組成物をさらに提供し、かつ、1種以上の本明細書に記載のPPDA化合物を、1種以上の他の薬学的に許容できる成分と一緒に混合することを含む、医薬組成物の作製方法をさらに提供する。上記の薬学的に許容できる成分は当業者に周知であり、例えば担体、希釈剤、賦形剤等である。個別の単位(例えば、錠剤等)として製剤される場合は、各単位は所定量(用量)の上記の化合物を含有する。
「薬学的に許容できる」という用語は、本明細書において使用される場合、信頼できる医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、妥当な効果/リスク比と釣り合って、問題の対象(例えば、ヒト)の組織と接触して使用するのに好適な化合物、成分、物質、組成物、剤形などに関する。各担体、希釈剤、賦形剤等は、製剤の他の成分と適合性であるという意味でも、「許容できる」必要がある。
好適な担体、希釈剤、賦形剤等は、標準的な医薬教書、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,第18版,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990;及び「Handbook of Pharmaceutical Excipients」,第5版,2005において見出すことができる。
上記の製剤は、薬学の技術分野で周知の任意の方法によって調製してもよい。このような方法は、上記の化合物を、1種以上の副成分を構成する担体と合わせるステップを含む。一般に、上記の製剤は、上記の化合物を担体(例えば、液体担体、微粉化された固体担体等)と均一かつ密に合わせ、次いで必要に応じて製品を成形することにより調製する。
上記の製剤は、速放性または徐放性(slow release);即時放出性、遅延放出性、徐放性(timed release)、もしくは徐放性(sustained release);またはそれらの組合せを提供するよう調製してもよい。
製剤は好適に液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、乳濁液(例えば、水中油型、油中水型)、エリキシル、シロップ、舐剤、洗口液、ドロップ、錠剤(例えば、コーティングした錠剤が含まれる)、顆粒剤、粉剤、トローチ剤、香錠、カプセル(例えば、硬質ゼラチンカプセル及び軟質ゼラチンカプセルが含まれる)、カシェ剤、丸剤、アンプル、巨丸剤、坐剤、膣坐剤、チンキ、ゲル剤、ペースト剤、軟膏、クリーム、ローション剤、油剤、フォーム剤、スプレー、噴霧剤またはエアロゾル剤の形態であってもよい。
製剤は、1種以上の化合物と、任意に1種以上の他の薬学的に許容できる成分とを浸透させたパッチ、絆創膏、包帯、包帯材等として好適に提供してもよい。この薬学的に許容できる成分には、例えば浸透(penetration)増強剤、浸透(permeation)増強剤及び吸収増強剤が含まれる。製剤は、デポーまたはリザーバの形態で好適に提供してもよい。
上記の化合物は、1種以上の他の薬学的に許容できる成分に溶かすか、懸濁させるか、またはそれと混合してもよい。上記の化合物は、リポソーム内で提供するか、または例えば血液成分もしくは1種以上の臓器を標的にして化合物を向かわせるよう設計された他の微粒子内で提供してもよい。
経口投与(例えば、摂取による投与)に好適な製剤としては、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、乳濁液(例えば、水中油型、油中水型)、エリキシル、シロップ、舐剤、錠剤、顆粒剤、粉剤、カプセル、カシェ剤、丸剤、アンプル、巨丸剤が挙げられる。
口腔内投与に好適な製剤としては、洗口液、トローチ剤、香錠、ならびにパッチ、絆創膏、デポー及びリザーバが挙げられる。トローチ剤は通常、風味付けした主成分中に上記の化合物を含む。この風味付けした主成分は通常、スクロール及びアラビアゴムまたはトラガカントゴムである。香錠は通常、ゼラチン及びグリセリン、またはスクロース及びアラビアゴム等の不活性マトリックス中に上記の化合物を含む。洗口液は通常、好適な液体担体中に上記の化合物を含む。
舌下投与に好適な製剤としては、錠剤、トローチ剤、香錠、カプセル及び丸剤が挙げられる。
経口経粘膜投与に好適な製剤としては、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、乳濁液(例えば、水中油型、油中水型)、洗口液、トローチ剤、香錠、ならびにパッチ、絆創膏、デポー及びリザーバが挙げられる。
非経口経粘膜投与に好適な製剤としては、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、乳濁液(例えば、水中油型、油中水型)、座剤、膣坐剤、ゲル剤、ペースト剤、軟膏、クリーム、ローション剤、油剤、ならびにパッチ、絆創膏、デポー及びリザーバが挙げられる。
経皮投与に好適な製剤としては、ゲル剤、ペースト剤、軟膏、クリーム、ローション剤及び油剤、ならびにパッチ、絆創膏、包帯、包帯材、デポー及びリザーバが挙げられる。
錠剤は、任意に1種以上の副成分を用いて好都合な手段によって作製してもよく、例えば圧縮または成形によって作製してもよい。圧縮錠剤は、粉末または顆粒等の流動性形態の上記の化合物を、任意に1種以上の結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、アラビアゴム、ソルビトール、トラガカントゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤または希釈剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ);崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム);界面活性剤または分散剤または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム);防腐剤(例えば、p‐ヒドロキシ安息香酸メチル、p‐ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸);香料、香味増強剤及び甘味剤と混合して、好適な機械で圧縮することにより調製してもよい。錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた上記の粉末化合物の混合物を、好適な機械で成型することによって調製してもよい。錠剤は、任意にコーティングしても、割線をいれてもよく、中にある上記の化合物の徐放性または制御放出性を提供するために、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを、比率を変えて使用して製剤し、所望の放出特性を提供してもよい。錠剤は、任意にコーティングして提供して例えば放出性に影響を与えてもよく、例えば腸溶コーティングして、胃ではなく腸の部分で放出をもたらしてもよい。
軟膏は通常、上記の化合物と、パラフィン系軟膏基剤または水混和性軟膏基剤とから調製する。
クリームは通常、上記の化合物と、水中油型クリーム基剤とから調製する。所望であれば、クリーム基剤の水相は、例えば約30%w/w以上の多価アルコールを含んでもよい。この多価アルコールは、すなわち2個以上のヒドロキシル基を有するアルコールであり、例えばプロピレングリコール、ブタン‐1,3‐ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール及びポリエチレングリコールならびにそれらの組合せ等である。局所用製剤は、皮膚または他の患部への上記の化合物の吸収または浸透を向上させる化合物を望ましくは含んでもよい。このような経皮浸透増強剤の例としては、ジメチルスルホキシド及び関連類似体が挙げられる。
乳濁液は通常、上記の化合物と、油相とから調製し、、任意に単に乳化剤(他には乳化剤(emulgent)としても知られる)を含んでもよく、または1種以上の乳化剤と、脂肪もしくは油もしくは脂肪及び油の両方との混合物を含んでもよい。好ましくは、親水性乳化剤が、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれる。油と脂肪の両方を含むことも好ましい。さらに、乳化剤は、安定化剤を伴うかまたは伴わずにいわゆる乳化蝋を形成し、この蝋は、油及び/または脂肪と共にいわゆる乳化軟膏基剤を形成し、これがクリーム製剤の油性分散相を形成する。
好適な乳化剤及び乳濁液安定剤としては、Tween60、Span80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。医薬乳濁液に使用する可能性のあるほとんどの油では上記の化合物の溶解度は非常に低くてもよいので、上記の製剤に好適な油または脂肪の選択は、所望の美容特性を達成することに基づく。したがって、上記のクリームは、好ましくはチューブまたは他の容器からの漏れを避けるのに好適な粘稠性を有する、非グリース状、非着色性かつ洗浄可能製品である必要がある。ジイソアジピン酸エステル、ステアリン酸イソセチルエステル、ヤシ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2‐エチルへキシル、またはCrodamol CAPとして知られる分岐鎖エステルの混和物といった、直鎖または分岐鎖の一塩基性または二塩基性アルキルエステルを使用してもよく、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、必要な特性に応じて、単独で使用しても、組み合わせて使用してもよい。あるいは、白色軟パラフィン及び/もしくは流動パラフィン等の高融点脂質、または他の鉱油を使用することができる。
鼻腔内投与に好適な製剤としては、担体が液体である場合は、例えば鼻腔用スプレー、点鼻薬、またはネブライザーによるエアロゾル剤投与が挙げられ、上記化合物の水性または油性溶液を含む。
鼻腔内投与に好適な製剤としては、担体が固体である場合は、例えば約20〜約500ミクロンの粒径を有する粗粉末として提供される製剤が含まれる。この製剤は、鼻から吸入する手法で、すなわち、鼻の近くに持った上記の粉末の容器から鼻孔を経て急速に吸入して投与される。
経肺投与(例えば、吸入または通気療法による投与)に好適な製剤としては、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスといった好適な高圧ガスを使用した加圧容器からのエアロゾルスプレーとして提供される製剤が含まれる。
眼内投与に好適な製剤としては、上記の化合物が好適な担体中に(特に上記化合物では水性溶媒中に)溶解または懸濁している点眼剤が挙げられる。
経直腸投与に好適な製剤は、例えばカカオバターもしくはサリチル酸エステルといった、天然油もしくは硬化油、蝋、脂肪、半液体もしくは液体ポリオールを含む好適な基剤を用いた座剤として;または浣腸による治療用の溶液もしくは懸濁液として提供してもよい。
膣内投与に好適な製剤は、当技術分野において適切であることが公知の担体を上記の化合物に加えて含有する膣坐剤、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤またはスプレー製剤として提供してもよい。
非経口投与(例えば、注射による投与)に好適な製剤としては、発熱物質を含まない水性もしくは非水性等張滅菌液(例えば、溶液、懸濁液)が挙げられ、この滅菌液には、上記の化合物が溶解、懸濁、または他の方法(例えば、リポソーム内もしくは他の微粒子内)で準備されている。そのような液体は、抗酸化剤、緩衝剤、防腐剤、安定剤、静菌剤、懸濁剤、増粘剤、及び対象のレシピエントの血液(または他の関連体液)と製剤を等張にする溶質といった、他の薬学的に許容できる成分をさらに含有してもよい。賦形剤の例としては、例えば水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等が挙げられる。このような製剤で使用するのに好適な等張性担体の例としては、塩化ナトリウム注射剤、リンゲル液または乳酸加リンゲル注射剤が挙げられる。
典型的には、液体中の上記の化合物の濃度は、約1ng/mL〜約10μg/mL、例えば約10ng/mL〜約1μg/mLである。製剤は、単回用量または頻回用量の密封容器、例えば、アンプル及びバイアルで提供してもよく、また、使用直前に無菌液体担体(例えば、注射用水)の添加のみを必要とする凍結−乾燥(凍結乾燥)状態で保存してもよい。
無菌の粉剤、顆粒剤及び錠剤より、即席注射溶液及び懸濁液を調製してもよい。
用量
PPDA化合物、及びPPDA化合物を含む組成物の適切な用量は、患者ごとに異なりうることは当業者に理解されよう。一般に、最適用量の決定は、あらゆるリスクまたは有害な副作用に対する治療利益のレベルを比べて考えることを含む。選択される用量レベルは、特定のPPDA化合物の活性、投与経路、投与の時間、PPDA化合物の排出速度、治療期間、組み合わせて使用する他の薬物、化合物及び/または物質、障害の重症度、ならびに患者の種、性別、年齢、体重、状態、健康状態及び既往歴を含めた様々な要因に依存する。用量は、PPDA化合物の用量及び投与経路は、最終的には医師、獣医師または臨床医の裁量によるものであるが、一般には、作用部位で、実質的に有害または有毒の副作用を引き起こさずに所望の効果が得られる局所濃度に到達するよう選択される。
投与は、治療期間全体を通じて1回の投与で行うか、連続的にまたは間欠的に(例えば、適切な間隔での分割用量で)行うことができる。最も有効な投与手段及び投与量を決定する方法は当業者に周知であり、療法で使用する製剤、療法の目的、治療標的細胞、及び治療する対象に応じて変動する。治療を行う医師、獣医師または臨床医によって選択される用量レベル及びパターンを用いて、単回または頻回の投与を行うことができる。
一般に、PPDA化合物の好適な用量は、1日につき、対象の体重1キログラムあたり約10μg〜約250mg(より典型的には、約100μg〜約25mg)の範囲である。上記の化合物が塩、エステル、アミド、プロドラッグ等である場合、投与する量は親化合物に基づいて計算するので、実際に使用する重量は比例して増加する。
化学合成
融点はReichert−Thermovarホットステージ装置を使用して測定した。融点は未補正である。IRスペクトルは薄膜で記録し、吸収バンドは波数(cm-1)で報告した。
1H NMRスペクトルは400MHzまたは500MHzで記録した。化学シフトは、CDCl3ピーク(δH 7.26)、CD3ODピーク(δH 3.31)及びDMSO‐d6ピーク(δH 2.54)を基準にした、ppm単位のδ値で報告している。結合定数(J)はヘルツ(Hz)単位で記録し、最小単位0.5Hzで示す。
旋光度は、589.3mnのナトリウムD線を使用して、光路長1dmで記録した。濃度(c)はg/100mL単位で示す。
全ての反応はマグネチックスターラーを用いて行い、空気または湿度に影響されやすい場合は、炎光乾燥またはオーブン乾燥したガラス器具内で、窒素またはアルゴン下で行った。試薬及び溶媒を移すのに使用したシリンジは、使用前に窒素またはアルゴンで置換した。室温以外の反応温度は、別段の言及がない限り、浴の温度として記録した。
全ての溶媒及び試薬は、別段の言及がない限り、市販のまま使用した。Et2O、THF、PhMe及びCH2Cl2は、それぞれNa−Ph2CO、Na−Ph2CO、Na及びCaH2から再蒸留した。
薄層クロマトグラフィーは、予めコーティングされたアルミニウム支持シリカゲルF254ガラスプレートで行った。クロマトグラムは、UV光下で可視化させ、かつ/または過マンガン酸カリウム水溶液もしくは酸性バニリン水溶液を使用して着色後、ヒートガンで加熱することによって可視化させた。
フラッシュカラムクロマトグラフィーは、粒径40〜63μmのシリカゲルを使用して行った(溶離液は括弧内に示している)。
一般的な合成
目的化合物への一般的な合成経路を以下のスキームに示す。3種の主な側鎖(R1、R2及びR3)は大きく変化させることができる。
スキーム1
Figure 2017506250
a)HCO2Et、LiN(iso‐Pr)2、−78℃〜室温。
b)Ν2Η4・H2Ο、酢酸、EtOH。
c)Na、EtOH、マロン酸ジエチル、還流。
d)N,N‐ジメチルアニリン、POCl3、還流。
e)R2‐NH2、Et3N、EtOH、還流。
f)Boc2O、DMAP、Et3N、THF、室温。
g)R3‐NH2、Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃。
h)5M HCl/MeOH。
1.芳香族ジヒドロ複素環化合物9の合成
二塩化物9の合成は、公開されている方法と同様な方法で行った。例えば、2008年のJogalekarらの文献を参照のこと。
スキーム2
Figure 2017506250
a)HCO2Et、LiN(iso‐Pr)2、−78℃〜室温。
b)Ν2Η4・H2Ο、酢酸、EtOH。
c)Na、EtOH、マロン酸ジエチル、還流、35%(3ステップ)。
d)N,N‐ジメチルアニリン、POCl3、還流、81%。
2.芳香族コアの合成
スキーム3
Figure 2017506250
Figure 2017506250
a)
10:ベンジルアミン、EtOH、還流、97%。
11:4‐ピコリルアミン、EtOH、還流、99%。
12:tert‐ブチル4‐カルバモイルピペリジン‐1‐カルボキシレート、Na H、DMF、室温、60%。
13:4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)アニリン、NaH、DMF、50℃、66%。
b)
14:Boc2O、DMAP、THF、室温、96%。
15:Boc2O、DMAP、THF、室温、92%。
16:Boc2O、DMAP、1,4‐ジオキサン、96%。
2.1.一般的手順A‐塩化物9の置換
EtOH(20mL)中に3‐イソプロピル‐5,7‐ジクロロピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン9(2.17mmol)とアミン(4.56mmol)を含む溶液を3時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH:EtOAc)によって精製して、所望の生成物を分析的高純度形態で得た。
2.2.芳香族コアの合成
合成1
N‐ベンジル‐5‐クロロ‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐7‐アミン(10)
Figure 2017506250
一般的手順Aに従って、化合物9(500mg、2.17mmol)とベンジルアミン(0.52mL、4.78mmol)をEtOH(20mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 6:1)後、標題化合物を白色固体(630mg、97%)として得た。
融点=74℃(CHCl3);1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.82(m,1H),7.32(m,5H),7.01(m,1H),5.90(m,1H),4.53(m,2H),3.27(七重項,J=6.9Hz,1H),1.32(d,J=6.9Hz,6H);13C(CDCl3,300MHz)δ150.1,146.8,144.1,141.5,135.7,129.0,128.1,127.1,116.9,84.6,46.0,23.4,23.3;HRMS(CI) C1617ClN4に対する計算値(M+H+):301.1220,実測値:301.1230;分析 C1617ClN4に対する計算値:C 63.89,H 5.70,N 18.63,実測値:C 63.95,H 5.78,N 18.59。
合成2
5‐クロロ‐3‐イソプロピル‐N‐(ピリジン‐4‐イルメチル)ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐7‐アミン(11)
Figure 2017506250
一般的手順Aに従って、化合物9(460mg、2.0mmol)と4‐ピコリルアミン(0.407mL、4.0mmol)をEtOH(4mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:7:3〜1:1)後、標題化合物を淡黄色固体として得た(601mg、99%)。
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ150.4,150.0,146.9,145.3,144.2,141.8,121.5,117.2,84.8,44.8,23.4;HRMS(ESI) C1516ClN5に対する計算値(M+H+):302.1185,実測値:302.1172。
合成3
tert‐ブチル4‐((5‐クロロ‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐7‐イル)カルバモイル)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(12)
Figure 2017506250
tert‐ブチル4‐カルバモイルピペリジン‐1‐カルボキシレート(1g、4.37mmol)を脱水DMF(4mL)に溶かし、室温で1時間、NaH(60重量%、175mg、4.37mmol)で処理した。混合物を化合物9(1.0g、4.37mmol)で処理した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 8:2)後、標題化合物を白色固体(1.1g、60%)として得た。
IR(ニート法):ν最大=3141,1705,1541;1H NMR(400MHz,CDCl3)δ9.31(s,1H),7.80(s,1H),7.57(s,1H),4.28‐4.07(m,2H),3.26‐3.11(m,1H),2.79(br. s.,2H),2.70‐2.59(m,1H),1.92(d,J=11.2Hz,2H),1.76‐1.64(m,2H),1.40(s,9H),1.26(d,J=6.8Hz,6H);13C NMR(101MHz,CDCl3)δ=173.1,170.9,154.4,150.1,143.5,141.4,139.5,118.0,94.5,79.7,60.1,43.9,42.6,28.2,28.0,23.3,23.1。
合成4
5‐クロロ‐3‐イソプロピル‐N‐(4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニル)ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐7‐アミン(13)
Figure 2017506250
4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)アニリン(例えば、2012年のSenguptaらの文献を参照のこと)(60g、3.14mmol)のTHF(15mL)溶液に、NaH(60重量%、125mg、3.14mmol)を撹拌しながら加えた。10分後、化合物9(0.72g、3.14mmol)のDMF(2mL)溶液を加え、この混合物を50℃で3時間加熱した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH 9:1)後、標題化合物を白色固体(80mg、66%)として得た。
f=0.36(9:1 CH2Cl2/MeOH);IR(ニート法):ν最大=3324,1609,1577cm-11H NMR(CDCl3,400MHz)δ7.97(s,1H),7.90(s,1H),7.26‐7.22(m,2H),7.02‐6.98(m,2H),6.07(s,1H),3.33(七重項,J=6.7Hz,1H),3.28(dd,J=6.3,3.9Hz,4H),2.62(dd,J=6.3,3.9Hz,4H),2.39(s,3H),1.35(d,J=6.9Hz,6H);HRMS(ESI) C20256Clに対する計算値[M+H]+,385.1907,実測値 385.1909。
2.3.一般的手順B‐Boc保護
上記のアミノ複素環(0.52mmol)と4‐ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.31mmol)の脱水THF(2mL)溶液に、Boc2O(0.73mmol)を0℃で撹拌しながら加えた。室温で16時間後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で2回洗浄し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:Et2O)によって精製して、所望の生成物を分析的高純度形態で得た。
2.4.Boc保護芳香族コアの合成
合成5
tert‐ブチルベンジル(5‐クロロ‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐7‐イル)カルバメート(14)
Figure 2017506250
一般的手順Bに従って、化合物10(300mg、1mmol)、Boc2O(284mg、1.3mmol)及びDMAP(24mg、0.2mmol)をTHF(6mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 20:1)後、標題化合物を淡黄色固体として得た(385mg、96%)。
融点=93‐94℃(EtOAc);IR(ニート法)ν最大=1727,1612,1518,1454,1154,699cm-113C NMR(300MHz,CDCl3)δ152.6,147.9,144.9,144.0,142.5,136.7,128.5,127.7,127.6,118.2,106.1,82.9,51.3,27.8,23.5,23.3;HRMS(CI) C2125ClN42に対する計算値(M+H+):401.1744,実測値:401.1747;分析 C2125ClN42に対する計算値:C 62.91,H 6.29,N 13.98,実測値:C 62.87,H 6.19,N 13.94。
合成6
tert‐ブチル(5‐クロロ‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐7‐イル)(ピリジン‐4‐イルメチル)カルバメート(15)
Figure 2017506250
一般的手順Bに従って、化合物11(560mg、1.85mmol)、Boc2O(565mg、2.59mmol)及びDMAP(67mg、0.55mmol)をTHF(10mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 4:1)後、標題化合物を淡黄色固体として得た(688mg、92%)。
IR(ニート法)ν最大=1724,1610,1560,1516,1367,1305,1150,1103,877,730cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.51(d,J=5.0Hz,2H),7.97(s,1H),7.20(d,J=5.0Hz,2H),6.57(s,1H),4.98(s,2H),3.25(七重項,J=6.9Hz,1H),1.32(s,9H),1.30(d,J=6.9Hz,6H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ152.2,149.8,147.7,145.8,144.9,143.8,142.5,121.9,118.2,105.3,83.2,50.6,27.6,23.4,23.1;HRMS(ESI) C2024ClN52に対する計算値(M+H+):402.1698,実測値:402.1697。
合成7
tert‐ブチル5‐クロロ‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐7‐イル(4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニル)カルバメート(16)
Figure 2017506250
一般的手順Bに従って、化合物13(0.67g、1.74mmol)、Boc2O(0.76g、3.48mmol)及びDMAP(21mg、0.174mmol)を1,4‐ジオキサン(8mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 20:1)後、標題化合物を淡黄色固体として得た(806mg、96%)。
f=0.50(9:1 CH2Cl2/MeOH);IR(ニート法)ν最大=1735,1608,1511,1147cm-113C NMR(CDCl3,100MHz)δ152.1,150.7,148.1,145.3,145.1,142.8,131.4,127.6,118.2,116.1,105.5,83.1,55.0,48.7,46.2,27.9,23.6,23.5;HRMS(ESI) C253362Clに対する計算値[M+H]+,485.2432,実測値 485.2421。
3.ピロリジン及びピペリジン中間体の合成
3.1.ピロリジン22の合成
スキーム4
Figure 2017506250
a)ベンジルアミン、キシレン、ディーン・スターク、160℃、81%。
b)i)LiAlH4、THF、0℃〜還流;ii)H2、Pd/C、MeOH、Boc2O、72%(2ステップ)。
c)NaH、MOMCl、THF、0℃〜室温、75%。
d)i)MsCl、Et3N、0℃;ii)NaN3、DMF、100℃、81%(2ステップ)。
e)H2、Pd/C、MeOH、98%。
合成8
(3S,4S)‐1‐ベンジル‐3,4‐ジヒドロキシピロリジン‐2,5‐ジオン(18)
Figure 2017506250
キシレン(25mL)中のベンジルアミン(3.7mL、33mmol)とD‐(+)‐酒石酸17(5g、33mmol)を、ディーン・スターク装置を使用して、激しく撹拌しながら6時間加熱還流(160℃)した。反応混合物を室温に冷却して濾過し、残渣をアセトンで洗浄した。無水エタノール(35mL)から再結晶して、標題化合物(6g、81%)を白色固体として得た。例えば、1984年のNagelらの文献を参照のこと。
[α]20 D=‐139(c 1.0,MeOH);融点=198℃;1H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ7.24‐7.35(m,5H),6.31(d,J=5.4Hz,2H),4.58(d,J=14.8Hz,1H),4.52(d,J=14.8Hz,1H),4.38(d,J=5.4Hz,2H);13C NMR(100MHz,DMSO‐d6)δ174.7,136.1,128.7,127.6,74.6,41.3。
合成9
(3R,4R)‐tert‐ブチル3,4‐ジヒドロキシピロリジン‐1‐カルボキシレート(19)
Figure 2017506250
化合物18(3g、13.6mmol)のTHF(90mL)溶液に、LiAlH4(THF中2M、18.5mL、37mmol)を0℃で撹拌しながらゆっくり加えた。反応化合物を16時間加熱還流し、0℃に冷却し、H2O(1.48mL)、NaOH水溶液(H2O中15重量%、1.48mL)及びH2O(4.5mL)でゆっくり失活させた。反応混合物をセライトで濾過し、熱THF(50mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、粗製の(3R,4R)‐1‐ベンジル‐3,4‐ジヒドロキシピロリジンを淡黄色固体として得た。これを、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
MeOH(35mL)中の粗製ベンジルピロリジンを、Boc2O(3.26g、15mmol)及びPd/C(10重量%、300mg)と反応させ、水素雰囲気下で16時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮し、残渣を熱EtOAc(25mL)から再結晶して、化合物19(2.0g、72%)を淡黄色結晶として得た。例えば、1984年のNagelらの文献を参照のこと。
f=0.22(CH2Cl2:MeOH 19:1);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ3.94(brt,J=3.3Hz,2H),3.67(dd,J=12.0,4.9Hz,1H),3.63(dd,J=12.0,5.0Hz,1H),3.42(dd,J=12.0,2.3Hz,2H),3.37(dd,J=12.1,2.3Hz,2H),1.44(s,9H);13C NMR(400MHz,CDCl3)δ153.9,80.5,64.2,63.4,48.8,48.5,28.4;MS(ESI):m/z 204(M+H+)。
合成10
(3R,4R)‐tert‐ブチル3‐ヒドロキシ‐4‐(メトキシ‐メトキシ)‐ピロリジン‐1‐カルボキシレート(20)
Figure 2017506250
化合物19(993mg、4.89mmol)の脱水THF(25mL)溶液に、NaH(60重量%、5.87mmol、235mg)とMOMCl(445μL、5.87mmol)を0℃で撹拌しながら加えた。この溶液を室温に達するまで放置し、5時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液(10mL)を加え、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 19:1)によって精製して、標題化合物(910mg、75%)を淡黄色油状物質として得た。
f=0.42(CH2Cl2:MeOH 19:1);[α]20 D=−45(c 0.88,CH2Cl2);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.68(d,J=7.2Hz,1H),4.66(d,J=7.6Hz,1H),4.18(dd,J=9.6,4.0Hz,1H),3.94(brs,1H),3.63(brs,2H),3.38(s,3H),3.26‐3.35(m,2H),1.43(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.7,96.1,82.3,79.7,74.1,55.8,51.3,49.6,28.6;HRMS(CI)C1121NO5に対する計算値(M+H+):248.1498,実測値:248.1494;C1121NO5に対する分析計算値:C 53.43,H 8.56,N 5.66,実測値:C 53.56,H 8.62,N 5.70。
合成11
(3S,4R)‐tert‐ブチル3‐アジド‐4‐(メトキシ‐メトキシ)‐ピロリジン‐1‐カルボキシレート(21)
Figure 2017506250
化合物20(920mg、3.72mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液に、Et3N(1.05mL、7.5mmol)と塩化メタンスルホニル(440μL、5.6mmol)を0℃で撹拌しながら加えた。反応混合物を0℃で40分間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)で失活させ、CH2Cl2(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。得られた橙色油状物質は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
粗製油状物質を脱水DMF(20mL)に溶かし、アジ化ナトリウム(1.2g、18.6mmol)を加え、得られた懸濁液を100℃で48時間加熱し、室温に冷却して、水(10mL)とEt2O(10mL)で希釈した。水層をEt2O(3×10mL)で抽出し、合わせた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:Et2O 2:3)によって精製して、アジ化物21(825mg、81%)を無色油状物質として得た。
f=0.33(ヘキサン:Et2O 2:3);[α]20 D=−34(c 1.07,CH2Cl2);IR(ニート法):ν最大=2102,1692,1399,1365,1117,995cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.73(d,J=7.0Hz,1H),4.71(d,J=7.0Hz,1H),4.25‐4.31(m,1H),3.89‐3.95(m,1H),3.53‐3.60(m,2H),3.37‐3.50(m,2H),3.42(s,3H),1.45(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.31,96.1,80.0,76.6,60.8,55.9,49.6,48.0,28.5;HRMS(CI)C112045に対する計算値(M+H+):273.1563,実測値 273.1569;C112045に対する分析計算値:C 48.52,H 7.40,N 20.58,実測値:C 48.45,H 7.31,N 20.50。
合成12
(3S,4R)‐tert‐ブチル3‐アミノ‐4‐(メトキシ‐メトキシ)‐ピロリジン‐1‐カルボキシレート(22)
Figure 2017506250
アジ化物21(100mg、0.37mmol)をメタノール(5mL)中で撹拌し、水素雰囲気下で40分間、Pd/C(10重量%、20mg)と反応させた。混合物をセライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH:30重量%アンモニア水 92.75:7:0.25)によって精製して、化合物22(89mg、98%)を無色油状物質として得た。
f=0.40(CH2Cl2:MeOH:30重量%アンモニア水 92.75:7:0.25);[α]20 D=−21(c 1.0,CH2Cl2);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.62‐4.69(m,2H),3.96(q,J=7.2Hz,1H),3.48‐3.55(m,2H),3.40‐3.46(m,2H),3.34(s,3H),2.98‐3.10(m,1H),1.55(brs,2H),1.39(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.7,96.0,79.4,77.6,55.7,53.8,51.3,50.0,28.5;HRMS(CI)C112224に対する計算値(M+H+):247.1658,実測値 247.1653;C112224に対する分析計算値:C 53.64,H 9.00,N 11.37,実測値:C 53.58,H 8.96,N 11.31。
3.2.アミン31の合成
スキーム5
Figure 2017506250
a)i)塩化ベンジル、MeCN、還流;ii)NaBH4、MeOH、−20℃、79%(2ステップ)。
b)K2Os2(OH)4、(DHQD)2PHAL、MeSO2NH2、K2CO3tBuOH/H2O(1:1)、41%。
c)H2、Pd/C、MeOH、50℃、99%。
d)Boc2O、CH2Cl2:MeOH(4:1)、81%。
e)TsCl、ピリジン、50%。
f)NaN3、DMF、60℃、92%。
g)2,2‐ジメトキシプロパン、TsOH、アセトン、87%。
h)H2、Pd/C、MeOH、97%。
合成13
(1‐ベンジル‐1,2,3,6‐テトラヒドロピリジン‐4‐イル)メタノール(24)
Figure 2017506250
4‐ピリジンメタノール(25.0g、229mmol)をMeCN(250mL)中で懸濁させ、塩化ベンジル(31.5mL、275mmol)をゆっくり加えた。反応物を3時間加熱還流し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。赤色の残渣をメタノール(350mL)に溶かし、−35℃に冷却した。内部温度を−20℃未満に保ちながら、水素化ホウ素ナトリウム(17.4g、485mmol)を少しずつ加えた。添加が完了したら、混合物を30分間撹拌し、水(50mL)の滴下によって失活させた。混合物を減圧下で濃縮し、CH2Cl2(10mL)と水(10mL)で希釈した。水層をCH2Cl2(3×15mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:2:3〜0:1)によって精製して、化合物24(32.0g、69%)を白色固体として得た。例えば、2008年のGijsenらの文献を参照のこと。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.30(5H,m),5.54(1H,m),4.68(t,J=5.6Hz,1H),3.83(brd,J=5.5Hz,2H),3.53(2H,s),2.87(2H,m),2.50(t,J=5.7Hz,2H),2.02(2H,m);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ139.1 137.1,129.1,128.6,127.3,118.9,64.7,62.3,52.5,49.8,26.6。
合成14
1‐ベンジル‐4‐(ヒドロキシメチル)ピペリジン‐3,4‐ジオール(25)
Figure 2017506250
tBuOH及びH2O(50mL、1:1)中であらかじめ混合したK3Fe(CN)6(4.90g、15.0mmol)、K2CO3(2.06g、15.0mmol)、(DHQD)2PHAL(123mg、0.16mmol),K2OsO2(OH)4(29.1mg、0.079mmol)及びMeSO2NH2(476mg、5.00mmol)の透明溶液を0℃に冷却し、テトラヒドロピリジン24(1.02g、5.00mmol)を加えた。0℃で12時間撹拌後、亜硫酸ナトリウム(30g)を加え、反応混合物をH2O(20mL)で希釈した。室温で1時間激しく撹拌した後、反応混合物をCH2Cl2(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH:濃NH3水 勾配:98:2:0.5〜90:10:0.5)によって精製して、化合物25(485mg、41%)を橙色油状物質として得た。例えば、1994年のKolbらの文献を参照のこと。
f=0.20(CH2Cl2:MeOH 19:1);IR(ニート法):ν最大=3342,1454,1300,1102,1075,1045,1007,963,746,698cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.36‐7.26(m,5H),3.83(dd,J=8.9,4.1Hz,1H),3.67‐3.51(m,4H),3.49(s,1H),3.16(brs,2H),2.71(dd,J=10.9,3.5Hz,1H),2.53‐2.34(m,3H),1.69‐1.57(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ137.3,129.3,128.3,127.3,71.0,70.4,68.7,62.4,54.9,48.4,31.5;HRMS(ESI)C1319NO3に対する計算値(M+H+):238.1443,実測値:238.1445。
合成15
4‐(ヒドロキシメチル)ピペリジン‐3,4‐ジオール(26)
Figure 2017506250
トリオール25(440mg、1.85mmol)をMeOH(3mL)に溶かし、Pd/C(15重量%、22mg)で処理して、水素雰囲気下50℃で10時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、アミン26(270mg、99%)を得た。
IR(ニート法):ν最大=3273,1646,1533,1420,1272,1052,971,856,818cm-11H NMR(400MHz,CD3OD)δ3.61(dd,J=10.1,5.0Hz,1H),3.59(d,J=10.9Hz,1H),3.43(d,J=10.9Hz,1H),3.35(s,2H),2.88‐2.70(m,4H),1.64‐1.61(m,2H),1.69‐1.57(m,2H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ73.1,69.8,67.9,48.3,41.7,33.9;HRMS(CI)C613NO3に対する計算値(M+H+):148.0974,実測値:148.0974。
合成16
tert‐ブチル3,4‐ジヒドロキシ‐4‐(ヒドロキシメチル)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(27)
Figure 2017506250
アミン26(250mg、1.70mmol)のCH2Cl2(2mL)溶液に、Boc2O(370mg、1.70mmol)とMeOH(0.5mL)を撹拌しながら加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 勾配:19:1〜9:1)によって精製して、カルバミン酸エステル27の化合物27(342mg、81%)を白色固体として得た。
f=0.30(CH2Cl2:MeOH 19:1);IR(ニート法):ν最大=3335,1664,1425,1366,1274,1250,1156,1057,988,960cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ3.98‐3.95(m,1H),3.83(brs,1H),3.72(d,J=11.1Hz,1H),3.57(d,J=11.1Hz,1H),3.11(brs,4H),2.96(dd,J=12.4,10.6Hz,1H),1.68‐1.65(m,1H),1.52‐1.41(m,2H),1.47(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.9,80.2,71.1,70.5,69.8,44.8,39.0,31.7,28.4;HRMS(CI)C1121NO5に対する計算値(M+H+):248.1498,実測値:248.1503。
合成17
tert‐ブチル3,4‐ジヒドロキシ‐4‐((4‐トルエンスルホニルオキシ)‐メチル)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(28)
Figure 2017506250
トリオール27(290mg、1.17mmol)の乾燥ピリジン(2.4mL)溶液に、pTsCl(246mg、1.29mmol)を撹拌しながら加えた。反応混合物を室温で14時間撹拌し、水に注いで、CH2Cl2(3×3mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:7:3〜1:1)によって精製して、スルホン酸エステル28(237mg、50%)を白色固体として得た。
f=0.57(ヘキサン:EtOAc 2:3);融点=110℃;IR(ニート法):ν最大=3411,1686,1427,1359,1255,1183,1169,1070,1054,972,840,814,667cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.80(d,J=8.3Hz,2H),7.38(d,J=8.3Hz,2H),4.07(d,J=10.1Hz,1H),4.06(brs,1H),3.90(d,J=10.1Hz,1H),3.70(dd,J=10.5,5.4Hz,1H),3.89(brs,1H),3.02(brs,2H),2.88(brs,1H),2.61(brs,1H),2.49(s,3H),1.71‐1.59(m,2H),1.48(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.6,145.3,132.3,130.0,128.0,80.1,72.7,70.9,66.7,44.1,38.9,31.7,28.4,21.7;HRMS(ESI)C1827NO7Sに対する計算値(M+Na+):424.1406,実測値:424.1399。
合成18
tert‐ブチル4‐(アジドメチル)‐3,4‐ジヒドロキシ‐ピペリジン‐1‐カルボキシレート(29)
Figure 2017506250
4‐トルエンスルホン酸エステル28(225mg、0.560mmol)の脱水DMF(5.6mL)溶液に、NaN3(109mg、1.68mmol)を撹拌しながら加えた。反応混合物を60℃で12時間撹拌し、室温に冷却して、H2O(25mL)を加えた。反応混合物をEt2O(3×10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:Et2O 7:3〜1:4)によって精製して、アジ化物29(140mg、92%)を無色油状物質として得た。
f=0.29(ヘキサン:EtOAc 3:2);IR(ニート法):ν最大=3386,2101,1664,1426,1367,1275,1246,1152,1068,873,763cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.02‐4.01(m,1H),3.83(brs,1H),3.63‐3.59(m,1H),3.49(d,J=12.2Hz,1H),3.37(d,J=12.2Hz,1H),3.09(brt,J=11.3Hz,1H),2.99‐2.51(brs,2H),2.92(t,J=11.5Hz,1H),1.79(d,J=14.0Hz,1H),1.63‐1.47(m,1H),1.47(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.8,80.3,71.9,68.2,58.2,44.8,39.2,32.5,28.4;HRMS(CI)C112044に対する計算値(M+NH4 +):290.1828,実測値:290.1831。
合成19
tert‐ブチル7a‐(アジドメチル)‐2,2‐ジメチル‐テトラヒドロ‐[1,3]ジオキソロ[4,5‐c]ピリジン‐5(6H)‐カルボキシレート(30)
Figure 2017506250
アジ化物29(130mg、0.48mmol)をアセトン及びジメトキシプロパン(1:1;6mL)に溶かし、pTsOH(9mg、0.05mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 1:1)によって精製して、アジ化物30(130mg、87%)を無色油状物質として得た。
f=0.6(ヘキサン:EtOAc 1:1);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.20‐4.08(m,2H),3.62 ‐3.20(m,4H),3.10‐3.02(m,1H),1.88(m,1H),1.51‐1.44(m,16H);HRMS(ESI)C142344(M+Na+):311.1719,実測値:311.1702。
合成20
tert‐ブチル7a‐(アミノメチル)‐2,2‐ジメチル‐テトラヒドロ‐[1,3]ジオキソロ[4,5‐c]ピリジン‐5(6H)‐カルボキシレート(31)
Figure 2017506250
アジ化物30(80mg、0.26mmol)をMeOH(5mL)に溶解し、撹拌して、水素雰囲気下で3時間、Pd/C(10重量%、60mg)と反応させた。混合物をセライトで濾過し、MeOHで洗浄し、減圧下で濃縮して、アミン31(72mg、0.25mmol、97%)を無色油状物質として得た。これを、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
f=0.25(CH2Cl2:MeOH 19:1)。
3.3.ピペリジン38の合成
スキーム6
Figure 2017506250
a)i)BH3・THF、THF、‐30℃;ii)H22、65℃、53%(2ステップ)。
b)i)Pd/C、H2、Boc2O、MeOH、50℃;ii)pTsCl、ピリジン、DMAP、CH2Cl2、0℃;
iii)NaN3、DMF、60℃、66%(3ステップ)。
c)(R)‐O‐アセトキシ‐マンデル酸、EDCI、DMAP、CH2Cl2、41%(34)、41%(35)。
d)LiOH、THF/MeOH/H2O(1:1:1)、98%。
e)MOMCl、DIPEA、CH2Cl2、94%。
f)Pd/C、H2、MeOH、83%。
合成21
1‐ベンジル‐4‐(ヒドロキシメチル)ピペリジン‐3‐オール(32)
Figure 2017506250
テトラヒドロピリジン24(2.00g、9.85mmol)をTHF(19mL)に溶かし、−30℃に冷却した。ボラン・THF錯体(THF中1M、19.0mL、19.0mmol)を滴下し、混合物を一晩放置して室温に温めた。この溶液を−10℃に冷却し、水(0.5mL)の添加により失活させた。過酸化水素(水中30%、1.24mL)と水酸化ナトリウム(水中3M、1.37mL)を同時に滴下した。水酸化ナトリウム(水中50%、2.5mL)を加え、混合物を4時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、白色沈殿を濾過により取り除いた。濾液を減圧下で濃縮し、CH2Cl2及び水の中に入れ、飽和NaHCO3水溶液(10mL)に注いだ。水層をCH2Cl2(3×10mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。生成物をi‐Pr2Oから摩砕することにより精製して、化合物41(1.14g、53%)を得た。例えば、2008年のGijsenらの文献を参照のこと。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.32(m,5H),3.72(m,3H),3.02(dd,J=10.7,4.4Hz,1H),2.85(md,J=11.1Hz,1H),2.63(s,1H),2.19(brs,1H),2.00(td,J =11.6,2.5Hz,1H),1.89(t,J=10.2Hz,1H),1.59(m,3H),1.28(qd,J=12.8,4.2Hz,1H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ138.0,129.2,128.2,127.1,73.1,68.0,62.7,60.0,52.6,44.5,26.1。
合成22
tert‐ブチル4‐(アジドメチル)‐3‐ヒドロキシ‐ピペリジン‐1‐カルボキシレート(33)
Figure 2017506250
ピペリジン32(2.62g、11.9mmol)とPd/C(10重量%、263mg)をMeOH(25.0mL)中で懸濁させ、Boc2O(3.89g、17.8mmol)を加えた。雰囲気を水素で置き換え、混合物を50℃で一晩加熱した。懸濁液を室温に冷却し、まずセライトで濾過し、続いてシリカ床で濾過して、標題化合物(2.74g、99%)を得た。これを、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
粗製のtert‐ブチル3‐ヒドロキシ‐4‐(ヒドロキシメチル)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(414mg、1.78mmol)をCH2Cl2(1mL)及びピリジン(1mL)に溶かし、0℃に冷却した。pTsCl(358mg、1.87mmol)を少しずつ加え、次にDMAP(1.00mg、0.008mmol)を加えた。混合物を48時間撹拌し、CH2Cl2(5mL)で希釈して、塩酸(0.5M、5mL)に注いだ。水層をCH2Cl2(3×3mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:1:9〜1:1)によって精製して、tert‐ブチル3‐ヒドロキシ‐4‐(トルエン‐4‐スルホニルオキシメチル)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(493mg、72%)を得た。これを、さらなる精製なしで直接使用した。
tert‐ブチル3‐ヒドロキシ‐4‐(トルエン‐4‐スルホニルオキシ‐メチル)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(425mg、1.10mmol)をDMF(10mL)に溶かし、NaN3(86.0mg、1.32mmol)を加えた。混合物を60℃で一晩加熱し、室温に冷却して、飽和食塩水に注いだ。水層をEt2O(3×3mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:9:1〜3:1)によって精製して、アジ化物33(253mg、99%)を得た。
1H NMR(500MHz,DMSO‐d6)δ4.58(brs,1H),4.02(ddd,J=12.9,5.1,1.8Hz,1H),3.89(dddd,J=13.2,4.5,2.7,1.8Hz,1H),3.56(dd,J=12.4,3.8Hz,1H),3.35(dd,J=12.2,6.8Hz,1H),3.19(td,J=9.7,4.8Hz,1H),2.68(ddd,J=13.2,12.3,3.0Hz,1H),2.48(m,1H),1.73(dq,J=13.3,3.0Hz,1H),1.56(m,1H),1.42(s,9H),1.22(qd,J=12.0,4.5Hz,1H);13C NMR(125MHz,DMSO‐d6)δ153.3,78.0,66.4,52.5,49.4,42.8,42.3,27.5,26.7。
合成23
(3R,4R)‐tert‐ブチル3‐((R)‐2‐アセトキシ‐2‐フェニル‐アセトキシ)‐4‐(アジドメチル)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(34)
(3S,4S)‐tert‐ブチル3‐((R)‐2‐アセトキシ‐2‐フェニル‐アセトキシ)‐4‐(アジドメチル)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(35)
Figure 2017506250
アジ化物33(7.13g、29.0mmol)、(R)‐O‐アセトキシ‐マンデル酸(6.75g、34.7mmol)及びDMAP(354mg、2.90mmol)をCH2Cl2(100mL)に溶かした。EDCI(6.66g、34.7mmol)を加え、反応混合物を16時間撹拌した。水(150mL)の添加により、反応を失活させた。相を分割し、水相をCH2Cl2(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。ジアステレオ異性体の混合物を分取HPLCによって分割して、化合物34(5.02g、41%)と35(5.00g、41%)を無色油状物質として得た。
34:Rf=0.41(ヘキサン:Et2O 1:1);[α]25 D=−51.6(c 2.0,CH2Cl3);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.45‐7.44(m,2H),7.40‐7.38(m,3H),5.82(brs,1H),4.65(brs,1H),4.02(brs,2H),3.48(d,1H,J=11.8Hz),3.22(dd,J=12.4,7.2Hz,1H),2.64(t,J=12.5Hz,1H),2.44(t,J=11.3Hz,1H),2.20(s,3H),1.87‐1.77(m,2H),1.41(s,10H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ170.7,168.3,154.4,133.3,129.6,129.0,127.6,80.4,74.7,70.2,52.6,46.0,42.8,41.3,28.4,27.8,20.8;HRMS(ESI)C212846に対する計算値(M+Na+):455.1907,実測値:455.1896。
35:Rf=0.38(ヘキサン/Et2O 1:1);[α]25 D=−86.1(c 2.0,CHCl3);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.47‐7.45(m,2H),7.40‐7.39(m,3H),5.88(s,1H),4.53(bs,1H),4.27(bs,1H),4.01(bs,1H),2.88(d,J=11.4Hz,1H),2.72(dd,J=12.1,6.9Hz,1H),2.64(t,J=11.9Hz,1H),2.19(s,3H),1.73‐1.59(m,3H),1.44(s,9H),1.31(dq,J=12.4,4.3Hz,1H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ170.3,168.0,154.4,133.8,129.6,129.0,127.7,80.3,74.4,70.6,52.1,46.5,42.7,41.0,28.4,27.6,20.8;HRMS(ESI)C212846に対する計算値(M+Na+):455.1907,実測値:455.1905。
合成24
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐(アジドメチル)‐3‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート(36)
Figure 2017506250
マンデル酸エステル34(5.00g、11.6mmol)とLiOH・H2O(1.21g、28.9mmol)を、THF、MeOH及びH2O(1:1:1;60mL)に溶かし、2時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(4×50mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られたアルコール36(2.91g、98%)は分析的高純度であり、さらなる精製なしで使用することができた。
[α]25 D=+20.1(c 4.0,MeOH);1H NMR(500MHz,DMSO‐d6)δ4.58(brs,1H),4.02(ddd,J=12.9,5.1,1.8Hz,1H),3.89(dddd,J=13.2,4.5,2.7,1.8Hz,1H),3.56(dd,J=12.4,3.8Hz,1H),3.35(dd,J=12.2,6.8Hz,1H),3.19(td,J=9.7,4.8Hz,1H),2.68(ddd,J=13.2,12.3,3.0Hz,1H),2.48(m,1H),1.73(dq,J=13.3,3.0Hz,1H),1.56(m,1H),1.42(s,9H),1.22(dq,J=12.0,4.5Hz,1H);13C NMR(125MHz,DMSO‐d6)δ153.3,78.0,66.4,52.5,49.4,42.8,42.3,27.5,26.7。
合成25
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐(アジドメチル)‐3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(37)
Figure 2017506250
アルコール36(165mg、0.644mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.224mL、1.29mmol)とMOMCl(98μL、1.29mmol)を0℃で撹拌しながら滴下した。室温にて14時間後、反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(5mL)に注ぎ、Et2O(3×2mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:Et2O 勾配:4:1〜1:1)によって精製して、アジ化物37(144mg、74%)を無色油状物質として得た。
f=0.69(ヘキサン:Et2O 7:3);IR(ニート法):ν最大=3286,1693,1421,1366,1278,1153,1140,1101,1037cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.75(d,J=6.8Hz,1H),4.67(d,J=6.8Hz,1H),4.39(brs,1H),4.08(brs,1H),3.59(dd,J=12.2,3.3Hz,1H),3.43(s,3H),3.43‐3.38(m,1H),3.34(td,J=10.0,4.9Hz,1H),2.70(brt,J=12.5Hz,1H),2.55(brt,J=9.9Hz,1H),1.84‐1.79(m,1H),1.76‐1.67(m,1H),1.47(s,9H),1.40(dq,J=12.5,4.5Hz,1H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.5,96.2,79.9,73.9,55.8,53.1,47.7,43.5,42.4,28.4,28.0;HRMS(CI)C132444に対する計算値(M+Na+):323.1695,実測値:323.1693。
合成26
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐(アミノメチル)‐3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(38)
Figure 2017506250
アジ化物37(130mg、0.433mmol)のMeOH(2mL)溶液を脱気し、Pd/C(15重量%、19.5mg)を加えた。水素雰囲気下にて1.5時間後、反応混合物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。
フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH:NH4OH 勾配:94:5:1〜87.5:12.5:1)によって精製して、化合物38(98.7mg、83%)を無色油状物質として得た。
f=0.35(CH2Cl2:MeOH 9:1);IR(ニート法):ν最大=1689,1421,1365,1244,1151,1102,1030,917,882cm-11H NMR(400MHz,CD3OD)δ4.73(d,J=6.9Hz,1H),4.66(d,J=6.9Hz,1H),4.29‐4.26(m,1H),4.00‐3.96(m,1H),3.39(s,3H),3.25(td,J=9.8,4.6Hz,1H),2.93(dd,J=12.8,4.7Hz,1H),2.78(brt,J=13.2Hz,1H)2.75‐2.56(m,1H),2.58(dd,J=12.8,6.8H,1H),1.84‐1.80(m,1H),1.64‐1.54(m,1H),1.45(s,9H),1.23(m,1H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ156.4,97.4,81.3,77.2,56.1,49.5,45.1,44.5,28.7;HRMS(CI)C132624に対する計算値(M+H+):275.1971,実測値:275.1970。
3.4.ピペリジン41の合成
スキーム7
Figure 2017506250
a)MeNO2、Et3N、93%。
b)i)Et3SiCl(TESCl)、イミダゾール、DMF、65℃;ii)Pd/C、AcOH、H2、MeOH、40%。
合成27
tert‐ブチル4‐ヒドロキシ‐4‐(ニトロメチル)‐ピペリジン‐1‐カルボキシレート(40)
Figure 2017506250
ニトロメタン(100mL)とΕt3Ν(42.8mL、301mmol)の溶液に、tert‐ブチル4‐オキソピペリジン‐1‐カルボキシレート39(10.0g、50.2mmol)を撹拌しながら少しずつ加え、この混合物を室温で4日間撹拌した。反応混合物をEtOAc(80mL)で希釈し、水、飽和NH4Cl水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、標題化合物(12.1g、93%)を白色固体として得た。例えば、2005年のBosmansらの文献を参照のこと。
f=0.10(ヘキサン:EtOAc 4:1);融点=141℃;IR(ニート法):ν最大=3383,1660,1545cm-1;1H NMR(CDCl3,400MHz)δ4.42(s,2H),3.93‐3.90(m,2H),3.22‐3.15(m,2H),2.99(brs,1H),1.68‐1.65(m,2H),1.61‐1.57(m,2H),1.45(s,9H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ154.6,84.7,79.9,69.1,40.0,34.2,28.4;HRMS(ESI)C112025に対する計算値(M+H+):260.1367,実測値:260.1450。
合成28
tert‐ブチル4‐(アミノメチル)‐4‐ヒドロキシ‐ピペリジン‐1‐カルボキシレート(41)
Figure 2017506250
TESCl(1mL)及びDMF(0.5mL)に溶かしたピペリジン40(200mg、0.77mmol)とイミダゾール(260mg、3.82mmol)の溶液を撹拌しながら70℃で加熱した。20時間後、混合物を室温に冷却し、水(100mL)で処理した。酢酸エチル(3×50mL)で抽出した後、合わせた有機相を飽和食塩水(1×50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮して、TESエーテル中間体を含有する黄色油状残渣を得た。この物質を、さらなる精製なしで反応経路の次のステップで使用した。
TESエーテル中間体の脱水MeOH(5mL)溶液を撹拌しながらPd/C(10重量%、200mg)で処理し、22バールの水素雰囲気下に置いた。48時間後、その混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、黄色油状物質を得た。この物質をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 勾配:19:1〜9:1)に付し、アミン41(182mg、69%)を無色油状物質として得た。
f=0.5(EtOAc);IR(ニート法):ν最大=3396,2953,2913,2875,1692,1421,1365,1243,1155,1060cm-11H NMR(CDCl3,400MHz)δ3.61‐3.57(m,2H),3.28(ddd,J=13.2,8.8,4.3Hz,2H),2.67(s,2H),1.55‐1.51(m,2H),1.43(s,9H),1.17(s,2H),0.94(t,J=7.9Hz,9H),0.59(q,J=7.9Hz,6H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ154.8,79.3,74.1,51.5,40.1,35.0,28.4,7.2,6.9;HRMS(ESI)C173723Siに対する計算値(M+H+):345.2573,実測値:345.2563。
3.5.ピロリジン46の合成
スキーム8
Figure 2017506250
a)Pd/C、H2、Boc2O、MeOH、50℃、99%。
b)i)pTsCl、ピリジン、DMAP、CH2Cl2;ii)NaN3、DMF、60℃、53%(2ステップ)。
c)MOMCl、iso‐Pr2NEt、CH2Cl2、0°C〜室温、70%。
f)Pd/C、H2、MeOH、95%。
合成29
tert‐ブチル3,3‐ビス(ヒドロキシメチル)‐ピロリジン‐1‐カルボキシレート(43)
Figure 2017506250
ピロリジン42(例えば、2011年のXuらの文献を参照のこと)(2.62g、11.9mmol)とPd/C(10重量%、263mg)をMeOH(25.0mL)中で懸濁させ、Boc2O(3.89g、17.8mmol)を加えた。雰囲気を水素で置き換え、混合物を50℃で一晩加熱した。懸濁液を室温に冷却し、まずセライトで濾過し、続いて小さなシリカ床で濾過して、カルバミン酸エステル43(2.74g、99%)を得た。
f=0.43(CH2Cl2:MeOH:飽和NH3水溶液 10:1:0.1);IR(ニート法):ν最大=3394,1666,1610,1574,1477,1415,1366,1254,1149,1107,1039,914,879,771,731,700,646cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.06(brs,1H),3.91(brs,1H),3.60(s,4H),3.39‐3.32(m,2H),3.20‐3.17(m,2H),1.70(t,J=7.2Hz,2H),1.41(s,9H)。
合成30
tert‐ブチル3‐(アジドメチル)‐3‐(ヒドロキシメチル)ピロリジン‐1‐カルボキシレート(44)
Figure 2017506250
ジオール43(750mg、3.2mmol)をCH2Cl2及びピリジン(3.6mL、1:1)に溶かした。混合物を0℃に冷却し、pTsCl(0.648mg、3.4mmol)とDMAP(2mg、0.02mmol)で処理した。混合物を室温で24時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、DMF(15mL)に溶かし、NaN3(1.85mg、22.4mmol)で処理し、その混合物を85℃で24時間加熱した。混合物を室温に再冷却して濾過し、濾液をEtOAcで抽出して飽和食塩水で洗浄した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:9:1〜7:3)後、標題のアジ化物を無色油状物質(434mg、53%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ3.57(d,J=3.7Hz,2H),3.44(m,4H),3.22(td,J=18.1,10.8Hz,2H),2.17(m,1H),1.78(m,1H),1.45(s,9H);MS(CI):m/z 279.2(M+Na+)。
合成31
tert‐ブチル3‐(アジドメチル)‐3‐((メトキシ‐メトキシ)メチル)ピロリジン‐1‐カルボキシレート(45)
Figure 2017506250
アジ化物44(650mg、2.54mmol)をCH2Cl2(8mL)に溶かし、iso‐Pr2NEt(1.8mL、10.33mmol)で処理した。混合物を0℃に冷却し、MOMCl(0.6mL、7.9mmol)と反応させ、室温で一晩撹拌した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:9:1〜4:1)後、標題のアジ化物を得た(535mg、70%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.62(s,2H),3.43(m,6H),3.36(s,3H),3.22(m,2H),1.79(s,2H),1.45(m,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.5,96.6,79.5,69.2,55.4,54.7,51.8,44.4,30.9,30.3,28.5。
合成32
tert‐ブチル3‐(アミノメチル)‐3‐((メトキシ‐メトキシ)メチル)ピロリジン‐1‐カルボキシレート(46)
Figure 2017506250
MeOH(8mL)中のアジ化物45(460mg、15.3mmol)をPd/C(10重量%、50mg)と反応させ、水素雰囲気下で2時間撹拌した。混合物をメンブレンフィルターで濾過した。標題のアミンを無色油状物質として得た(400mg、95%)。これをさらなる精製なしで使用した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.61(s,2H),3.45(m,4H),3.36(s,3H),3.20(m,2H),2.76(m,2H),1.75(m,2H),1.45(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.5,96.6,79.5,70.1,55.4,54.7,51.8,44.4,30.9,30.3,28.5;MS(ESI):m/z 275.2(M+H+)。
3.6.ピロリジン51の合成
スキーム9
Figure 2017506250
a)t‐BuMe2SiCl(TBSCl)、イミダゾール、CH2Cl2、63%。
b)(PhO)2P(O)N3(DPPA)、DBU、THF、0℃〜室温、91%。
c)NaN3、DMF、80℃、46%。
f)Pd/C、H2、MeOH、81%。
合成33
(2S,4R)‐tert‐ブチル2‐((tert‐ブチルジメチル‐シリルオキシ)メチル)‐4‐ヒドロキシピロリジン‐1‐カルボキシレート(48)
Figure 2017506250
アルコール47(0.50g、2.30mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に、イミダゾール(0.313g、4.6mmol)とTBSCl(0.415g、2.76mmol)を加え、この反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)に注ぎ、Et2O(5×5mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:2:1〜1:1)によって精製して、化合物48(0.480g、63%)を透明油状物質として得た。例えば、1991年のVinceらの文献を参照のこと。
f=0.33(ヘキサン:EtOAc 1:1);[α]23 D=−54.44(c 1.15,CHCl3);IR(ニート法):ν最大=3427,1696,1670,1399,1252,1165,1109cm-1;HRMS(ESI)C1634NO4Siに対する計算値(M+H+):332.2257,実測値:332.2246。
合成34
(2S,4R)‐tert‐ブチル2‐((tert‐ブチルジメチル‐シリルオキシ)メチル)‐4‐(ジフェノキシホスホリルオキシ)ピロリジン‐1‐カルボキシレート(49)
Figure 2017506250
アルコール48(0.420g、1.27mmol)のTHF(2.5mL)溶液に、DPPA(0.327mL、1.52mmol)とDBU(0.228mL、1.52mmol)を0℃で撹拌しながら滴下し、その混合物を放置して室温に温めた。24時間後、反応混合物をEt2O(5mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(5mL)に注ぎ、Et2O(5×5mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 4:1)によって精製して、リン酸エステル49(655mg、91%)を透明油状物質として得た。
f=0.64(ヘキサン:EtOAc 1:1);IR(ニート法):ν最大=1695,1488,1397,1187,1162cm-1;HRMS(ESI)C2843NO7SiPに対する計算値(M+H+):564.2546,実測値:564.2563。
合成35
(2S,4S)‐tert‐ブチル‐4‐アジド‐2‐((tert‐ブチル‐ジメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン‐1‐カルボキシレート(50)
Figure 2017506250
リン酸エステル49(0.655g、1.16mmol)とNaN3(0.9g、11.6mmol)をDMF(2mL)中で懸濁させ、80℃で3日間加熱した。反応混合物をEt2O(10mL)で希釈し、水(10mL)に注ぎ、Et2O(6×5mL)で抽出した。合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 8:1)によって精製して、アジ化物50(188mg、46%)を透明油状物質として得た。例えば、2001年のMoriartyらの文献を参照のこと。
f=0.65(ヘキサン:EtOAc 4:1);[α]31 D=−13.14(c 1.11,CHCl3);IR(ニート法):ν最大=2100,1695,1389,1254,1165cm-113C NMR(100MHz,DMSO‐d6,353K)δ153.0,78.5,62.7,57.9,57.0,51.1,31.7,27.7,25.3,17.4,−5.8,−5.9;HRMS(ESI)C163243Siに対する計算値(M+H+):357.2322,実測値:357.2318。
合成36
(2S,4S)‐tert‐ブチル4‐アミノ‐2‐((tert‐ブチル‐ジメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン‐1‐カルボキシレート(51)
Figure 2017506250
アジ化物50(0.17g、0.477mmol)のMeOH(2mL)溶液を、MeOH(1mL)中のPd/C(10重量%、25mg)の懸濁液に撹拌しながら加え、この混合物を水素雰囲気下で2時間撹拌した。フラスコをN2で置換し、Pd/Cを濾過して取り除き、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を短いシリカゲル床で濾過して(CHCl3:MeOH 9:1)、アミン51(128mg、81%)を透明油状物質として得た。例えば、2001年のMoriartyらの文献を参照のこと。
f=0.27(CHCl3:MeOH 9:1);[α]23 D=−27.1(c O.92,CHCl3);IR(ニート法):ν最大=3211,1694,1474,1364,1385,1252cm-11H NMR(400MHz,DMSO‐d6,353K)δ3.75‐3.67(m,3H),3.43‐3.52(m,2H),2.99(dd,J=10.9,7.1Hz,1H),2.25‐2.31(m,1H),1.76‐1.85(m,1H),1.40(s,9H),0.89(s,9H),0.05(s,6H);13C NMR(100MHz,DMSO‐d6,353K)δ153.0,78.3,63.3,57.1,51.9,48.0,34.3,27.8,17.5,−5.8;HRMS(ESI)C163423Siに対する計算値(M+H+):331.2417,実測値:331.2413。
3.7.ピペリジン62の合成
スキーム10
Figure 2017506250
a)KOsO2(OH)2、THF/H2O(4:1)、87%。
b)TsCl、Et3N、CH2Cl2、15%(54)、15%(55)、25%(56)。
c)NaN3、DMF、60℃、88%。
d)EDCI、DMAP、(R)‐O‐アセトキシ‐マンデル酸、CH2Cl2、20%(58)、23%(59)。
e)LiOH、THF/MeOH/H2O(1:1:1)、99%。
f)MOMCl、iso‐Pr2NEt、CH2Cl2、88%。
g)Pd/C、H2、MeOH、99%。
合成37
tert‐ブチル3,4‐ジヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート(53)
Figure 2017506250
THF及びH2O(4:1;50mL)に溶かしたオスミウム酸カリウム(0.100g、0.271mmol)とNMO(6.4g、54.6mmol)の溶液に、カルバミン酸エステル52(5.0g、27.3mmol)を加えた。混合物を16時間撹拌し、メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(30mL)を加えて、過剰な酸化剤を失活させた。水層をEtOAc(5×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc)によって精製して、ジオール53(5.23g、88%)を透明油状物質として得た。例えば、2004年のAshtonらの文献を参照のこと。
f=0.23(EtOAc);IR(ニート法):ν最大=3355,3253,1665,1423cm-11H NMR(500MHz,DMSO‐d6,353K)δ4.24(d,J=4.5Hz,1H),4.14(d,J=3.8Hz,1H),3.69(dq,J=7.0,3.4Hz,1H),3.46(dq,J=7.0,3.4Hz,1H),3.23‐3.32(m,4H),1.62‐1.68(m,1H),1.44‐1.49(m,1H),1.39(s,9H);13C NMR(125MHz,DMSO‐d6,353K)δ154.0,78.0,67.2,59.2,45.5,29.3,27.7,20.2;HRMS(ESI)C1019NO4に対する計算値(M+H+):218.1392,実測値:218.1394。
合成38
tert‐ブチル4‐ヒドロキシ‐3‐(トシルオキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(55)
Figure 2017506250
CH2Cl2(230mL)に溶かしたジオール53(5.10g、23.5mmol)、Et3N(6.52mL、47.0mmol)及びDMAP(100mg、0.81mmol)の溶液に、pTsCl(4.46g、23.5mmol)を撹拌しながら加えた。7日後、反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(100mL)に注ぎ、EtOAc(5×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 2:1)によって精製して、モノ‐4‐トルエンスルホン酸エステル55(1.30g、15%)を白色固体として得た。
f=0.51(EtOAc);IR(ニート法):ν最大=3416,1660,1437,1352cm-11H NMR(500MHz,DMSO‐d6,353 K)δ7.80(d,J=10.0Hz,2H),7.43(d,J=10.0Hz,2H),4.43(dt,J=6.2,2.9Hz,1H),4.26(brs,1H),3.99(brs,1H),3.72‐3.76(m,2H),3.49‐3.53(m,1H),3.30(dd,J=13.6,3.0Hz,1H),3.08(ddd,J=12.9,7.6,4.6Hz,1H),2.41(s,3H),1.54‐1.58(m,2H),1.37(s,9H);13C NMR(125MHz,DMSO‐d6,353 K)δ153.6,143.9,133.7,129.3,127.0,78.6,78.2,65.6,43.8,29.2,27.7,20.5;HRMS(ESI)C1725NO6Sに対する計算値(M+Na+):394.1300,実測値:394.1295。
合成39
tert‐ブチル3‐アジド‐4‐ヒドロキシピペリジン‐1‐カルボキシレート(57)
Figure 2017506250
4‐トルエンスルホン酸エステル55(1.26g、3.41mmol)のDMF(10mL)溶液に、NaN3(1.11g、17.1mmol)を撹拌しながら加えた。3日後、反応混合物を水(20mL)に注ぎ、EtOAc(4×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc)によって精製して、アジ化物57(730g、88%)を透明油状物質として得た。
f=0.29(ヘキサン:EtOAc 1:1);IR(ニート法):ν最大=3427,2103,1666,1420,1366cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.00(dtd,J=13.7,4.2,1.8Hz,1H),3.73(t,J=6.2Hz,1H),3.58(brs,1H),3.28‐3.32(m,1H),2.83‐2.87(m,1H),2.64(brs,1H),2.46(t,J=6.2Hz,1H),1.98(dq,J=13.4,3.8Hz,1H),1.50(s,9H)。
合成40
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐((R)‐2‐アセトキシ‐2‐フェニルアセトキシ)‐3‐アジドピペリジン‐1‐カルボキシレート(58)
(3S,4S)‐tert‐ブチル4‐((R)‐2‐アセトキシ‐2‐フェニルアセトキシ)‐3‐アジドピペリジン‐1‐カルボキシレート(59)
Figure 2017506250
アジ化物57(0.620g、2.56mmol)のCH2Cl2(12mL)溶液に、(R)‐O‐アセトキシ‐マンデル酸(0.795g、3.84mmol)、DMAP(31mg、0.256mmol)及びEDCI(0.733g、3.84mmol)を加え、この反応物を周囲温度で撹拌した。18時間後、反応混合物を水(20mL)に注ぎ、Et2O(4×25mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。ジアステレオ異性体の混合物を分取HPLCによって分割して、エステル58(218mg、20%)とエステル59(250mg、23%)を無色油状物質として得た。
58:Rf=0.38(ヘキサン:EtOAc 4:1);IR(ニート法):ν最大=2105,1742,1692,1420,1366cm-11H NMR(400MHz,DMSO‐d6)δ7.57‐7.51(m,2H),7.46‐7.40(m,3H),5.98(s,1H),4.82(td,J=7.9,4.0Hz,1H),3.90‐3.65(m,2H),3.35‐3.00(m,3H),2.16(s,3H),1.81‐1.73(m,1H),1.40(s,9H),1.32‐1.21(m,1H);13C NMR(100MHz,DMSO‐d6)δ170.4,168.1,154.0,133.9,129.7,129.2,128.1,79.8,74.5,73.7,72.8,44.6,28.3,27.4,20.7。
合成41
(3R,4R)‐tert‐ブチル3‐アジド‐4‐ヒドロキシ‐ピペリジン‐1‐カルボキシレート(60)
Figure 2017506250
THF、H2O及びMeOH(1:1:1;3mL)に溶かしたエステル58の溶液に、LiOH(55mg、1.3mmol)を加え、その混合物を2時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)に注ぎ、EtOAc(4×25mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 2:1)によって精製して、アルコール60を透明油状物質として得た(124mg、99%)。
f=0.29(ヘキサン:EtOAc 1:1);IR(ニート法):ν最大=3427,2103,1666,1420,1366cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ4.00(dtd,J=13.7,4.2,1.8Hz,1H),3.73(t,J=6.2Hz,1H),3.58(brs,1H),3.28‐3.32(m,1H),2.83‐2.87(m,1H),2.64(brs,1H),2.46(t,J=6.2Hz,1H),1.98(dq,J=13.4,3.8Hz,1H),1.50(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.4,80.5,72.0,63.3,45.3,41.2,32.0,28.3。
合成42
(3R,4R)‐tert‐ブチル3‐アジド‐4‐(メトキシ‐メトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(61)
Figure 2017506250
アルコール60(132mg、0.5mmol)のCH2Cl2(1mL)溶液に、iso‐Pr2NEt(0.26mL、1.5mmol)とMOMCl(0.075mL、1.0mmol)を撹拌しながら加えた。18時間後、さらなるiso‐Pr2NEt(0.26mL、1.5mmol)とMOMCl(0.075mL、1.0mmol)を加えた。24時間後、飽和NaHCO3水溶液(5mL)を加え、有機層を分離し、水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 4:1)によって精製して、化合物61(126mg、88%)を透明油状物質として得た。
f=0.47(ヘキサン:EtOAc 2:1);[α]25 D=−9.7(c 1.0,CHCl3);IR(ニート法):ν最大=2104,1693,1418,1238,1151cm-11H NMR(500MHz,CDCl3)δ4.75(d,J=7.0Hz,1H),4.73(d,J=7.0Hz,1H),4.08(brs,1H),3.84(dtd,J=13.7,4.6,1.7Hz,1H),3.54(ddd,J=11.6,6.7,2.3Hz,1H),3.36‐3.42(m,4H),2.93(brs,2H),2.02(dtd,J=13.4,4.7,3.2Hz,1H),1.47‐1.53(m,1H),1.45(s,9H);13C NMR(CDCl3,125MHz)δ154.4,95.5,80.2,61.0,55.6,45.4,40.5,30.1,29.3,28.4;HRMS(CI)C122244に対する計算値(M+H+):287.1719,実測値:287.1725。
合成43
(3R,4R)‐tert‐ブチル3‐アミノ‐4‐(メトキシ‐メトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(62)
Figure 2017506250
メタノール(1mL)中のPd/C(15重量%、50mg)の懸濁液に、アジ化物61(126mg、0.44mmol)のMeOH(2mL)溶液を加えた。反応混合物を水素雰囲気下で1時間撹拌し、次いで濾過して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 9:1)によって精製して、アミン62(112mg、99%)を透明油状物質として得た。
f=0.25(CH2Cl2:MeOH 9:1);[α]25 D=+10.0(c 1.0,CHCl3);IR(ニート法):ν最大=3376,1689,1421,1241,1165cm-11H NMR(500MHz,CDCl3)δ4.76(d,J=6.9Hz,1H),4.69(d,J=6.9Hz,1H),4.04(s,2H),3.39(s,3H),3.28‐3.33(m,1H),2.72‐2.90(m,2H),2.64(t,J=11.7Hz,1H),2.01(ddd,J=9.5,9.5,5.0Hz,1H),1.81(s,2H),1.44‐1.48(m,10H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.7,95.7,80.5,79.8,55.5,52.4,48.7,42.1,29.9,28.4;HRMS(ESI)C112424に対する計算値(M+H+):261.1812,実測値:261.1809。
4.目的化合物の合成
4.1.1.一般的手順C Buchwald‐Hartwigカップリング
塩化ヘテロアリール(0.50mmol)、Pd2dba3(23.0mg、5mol%)、rac‐BINAP(47.0mg、15mol%)及びNaOtBu(72.0mg、0.75mmol)をトルエン(1.8mL)中で懸濁させた。5分間の撹拌後、ピロリジンまたはピペリジン(0.60mmol)を加え、この混合物を95℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過し、EtOAc(10mL)で洗浄して、飽和食塩水(5mL)に注いだ。水相を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた有機相をMgSO4で乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc)によって精製して、対応する生成物を得た。例えば、1997年のHongらの文献を参照のこと。
4.1.2.一般的手順D‐最終脱保護
MeOH及びHCl(室温で45分間、MeOH(5mL)を塩化アセチル(2.5mL)で処理して作製)(5M、8mL)に、カルバミン酸エステル(0.15mmol)を溶かし、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 9:1)によって精製して、対応する生成物を得た。
4.2.PPDA‐001の合成
スキーム11
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、75%。
b)5M HCl/MeOH、99%。
合成44
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐(((7‐(ベンジル(tert‐ブトキシカルボニル)アミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イル)アミノ)メチル)‐3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(63)
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物14(1.28g、3.21mmol)、Pd2dba3(147mg、0.160mmol)、rac‐BINAP(300mg、0.480mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(370mg、3.85mmol)及びアミン38(870mg、3.21mmol)をトルエン(2mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 1:5)後、カルバミン酸エステル63を淡黄色固体として得た(1.48g、75%)。
1H NMR δ(400MHz,DMSO‐d6,363K)δ7.65(s,1H),7.26(m,5H),6.69(brt,J=5.4Hz,1H),6.01(s,1H),4.85(s,2H),4.65(d,J=6.5Hz,1H),4.60(d,J=6.5Hz,1H),4.04(m,1H),3.73(dt,J=13.1,4.2Hz,1H),3.63(dt,J=13.6,5.6Hz,1H),3.31(m,1H),3.29(s,3H),3.04(七重項,J=6.9Hz,1H),2.77(dd,J=12.9,8.8Hz,1H),1.79(m,2H),1.41(s,9H),1.34(s,9H),1.30(d,J=6.9Hz,6H),1.24(m,1H);13C NMR(100MHz,DMSO‐d6,363K)δ154.7,153.4,152.4,145.4,141.7,140.0,136.8,127.5,126.9,126.5,111.1,96.7,95.0,80.5,78.1,74.0,54.3,50.7,46.4,41.8,41.4,40.4,27.5,27.1,26.5,22.8,22.2。
合成45
(3R,4R)‐4‐(((7‐(ベンジルアミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イル)アミノ)メチル)ピペリジン‐3‐オール塩酸塩(PPDA‐001)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル63(1.48g、2.41mmol)を5MのメタノールHClと反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 勾配:19:1〜6:1)後、PPDA‐001を白色固体として得た(1.04g、99%)。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ7.90(s,1H),7.45(d,J=7.2Hz,2H),7.39(t,J=7.7Hz,2H),7.32(t,J=7.2Hz,1H),5.48(s,1H),4.75(brs,2H),3.73(dt,J=10.2,4.5Hz,1H),3.60(dd,J=14.1,3.9Hz,1H),3.50(brs,1H),3.46(dd,J=2.2,4.2Hz,1H),3.37(dt,J=12.8,2.8Hz,1H),3.12(七重項,J=6.8Hz,1H),2.96(td,J=12.7,2.9Hz,1H),2.81(dd,J=11.4,11.1Hz,1H),2.05(m,1H),1.86(m,1H),1.65(m,1H),1.33(d,J=6.8Hz,6H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ148.3,142.2,136.5,128.6,127.5,127.0,111.2,65.3,47.9,45.3,43.6,43.0,41.2,24.5,22.6,22.2,22.1。
4.3.PPDA‐002の合成
スキーム12
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、41%。
b)5M HCl/MeOH、98%。
合成46
(3aR,7aR)‐tert‐ブチル7a‐((7‐(ベンジル(tert‐ブトキシカルボニル)アミノ)‐3‐イソプロピル‐ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)メチル)‐2,2‐ジメチルテトラヒドロ‐[1,3]ジオキソロ[4,5‐c]ピリジン‐5(6H)‐カルボキシレート(64)
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物14(89mg、0.22mmol)、Pd2dba3(10mg、0.01mmol)、rac‐BINAP(19mg、0.03mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(53mg、0.55mmol)及びアミン31(70mg、0.24mmol)をトルエン(2mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:Et2O 勾配:7:3)後、カルバミン酸エステル64を無色油状物質として得た(75mg、41%)。標題化合物(分析的高純度ではない)は、次のステップで直接使用した。
合成47
(3R,4R)‐4‐((7‐(ベンジルアミノ)‐3‐イソプロピル‐ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)メチル)ピペリジン‐3,4‐ジオール塩酸塩(PPDA‐002)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル64(50mg、0.077mmol)を5MのメタノールHClと反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 4:1)後、PPDA‐002を白色固体として得た(31mg、98%)。
f=0.20(CH2Cl2:MeOH 4:1);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ7.90(s,1H),7.43‐7.29(m,5H),5.43(s,1H),4.72(s,2H),3.66(td,J=10.3,4.4Hz,1H),3.59‐3.54(m,1H),3.48‐3.34(m,3H),3.07(七重項,J=6.9Hz,1H),2.93(td,J=12.6,2.9Hz,1H),2.77(t,J=11.3Hz,1H),2.05‐2.00(m,1H),1.86‐1.78(m,1H),1.63‐1.53(m,1H),1.31(d,J=6.9Hz,6H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ156.6,146.8,145.3,140.8,136.9,129.0,128.0,127.3,112.9,73.1,71.5,55.4,53.5,50.3,46.1,29.8,23.9,23.4。
4.4.PPDA‐003の合成
スキーム13
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、66%。
b)5M HCl/MeOH、46%。
合成48
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐((7‐(tert‐ブトキシカルボニル(ピリジン‐4‐イルメチル)アミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)メチル)‐3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(65)
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物15(91mg、0.22mmol)、Pd2dba3(15mg、0.016mmol)、rac‐BINAP(20mg、0.033mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(32mg、0.33mmol)及びアミン38(75mg、0.273mmol)をトルエン(1mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc)後、カルバミン酸エステル65を淡黄色固体として得た(94mg、66%)。
f=0.30(EtOAc);IR(ニート法):ν最大=1692,1643,1523,1154cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.51(d,J=6.0Hz,2H),7.72(s,1H),7.22(d,J=6.0Hz,2H),5.82(s,1H),5.39(t,J=5.9Hz,1H),4.92(s,2H),4.73(d,J=6.8Hz,1H),4.62(d,J=6.8Hz,1H),4.30(brs,1H),4.02‐3.90(m,1H),3.69‐3.63(m,1H),3.49‐3.40(m,1H),3.37(s,3H),3.36‐3.29(m,1H),3.10(七重項,J=6.9Hz,1H),2.65(t,J=12.8Hz,1H),2.54(s,1H),1.80‐1.67(m,2H),1.43(s,9H),1.37(s,9H),1.31(d,J=6.9Hz,6H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.8,154.5,153.4,149.8,149.4,147.0,146.3,142.5,141.7,128.5,122.4,113.4,97.0,96.1,82.7,79.8,76.0,60.4,55.9,50.7,43.3,42.3,28.3,28.0,23.8,23.1。
合成49
(3R,4R)‐4‐((3‐イソプロピル‐7‐(ピリジン‐4‐イルメチルアミノ)ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)メチル)ピペリジン‐3‐オール塩酸塩(PPDA‐003)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル65(75mg、0.117mmol)を5MのメタノールHClと反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 勾配:19:1〜9:1)後、PPDA‐004を白色固体として得た(23mg、46%)。
f=0.20(CHCl3:MeOH 5:1);IR(ニート法):ν最大=3278,1717,1643,1584,1156cm-11H NMR(500MHz,CD3OD)δ8.85(d,J=6.2Hz,2H),8.12(d,J=6.1Hz,2H),5.15(s,2H),3.68(td,J=10.1,4.4Hz,1H),3.58(d,J=11.5Hz,1H),3.53‐3.42(m,1H),3.40‐3.32(m,2H),3.16‐3.07(m,1H),2.96(t,J=10.5Hz,1H),2.76(t,J=11.3Hz,1H),2.66(s,3H),2.08(d,J=14.5Hz,1H),1.85(brs,1H),1.70‐1.59(m,1H),1.32(d,J=6.9Hz,6H);13C NMR(100MHz,CD3OD,353K)δ160.3,155.2,151.1,144.1,142.9,135.0,126.6,112.7,66.7,45.9,45.3,44.3,42.4,40.5,25.9,24.0,23.5。
4.5.PPDA‐007の合成
スキーム14
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、48%。
b)5M HCl/MeOH、80%。
合成50
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐((7‐(tert‐ブトキシカルボニル(4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)メチル)‐3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(66)
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物16(100mg、0.20mmol)、Pd2dba3(13mg、0.014mmol)、rac‐BINAP(17mg、0.028mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(29mg、0.30mmol)及びアミン38(55mg、0.20mmol)をトルエン(2mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 20:1)後、カルバミン酸エステル66を白色固体として得た(69mg、48%)。
f=0.46(20:1 CH2Cl2/MeOH);[α]D 23 +20.3(c 1.0,CHCl3);IR(ニート法):ν最大=3370,1698,1643,1515,1157cm-1;HRMS(ESI)C385886に対する計算値[M+H]+ 723.4558,実測値 723.4548。
合成51
(3R,4R)‐4‐((3‐iso‐(プロピル‐7‐(4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)フェニルアミノ)ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)メチル)ピペリジン‐3‐オール塩酸塩(PPDA‐007)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル66(40mg、0.055mmol)を5MのメタノールHClと反応させた。HPLC(水:アセトニトリル 勾配:95:5〜40:60)後、PPDA‐008を白色固体として得た(22mg、80%)。
IR(ニート法):ν最大=3246,2474,1659,1575cm-113C NMR(CD3OD,125MHz)δ150.4,148.8,143.9,137.9,135.1,130.0,128.9,127.9,118.9,115.7,103.9,66.7,57.0,54.6,46.6,44.9,44.4,43.6,42.6,40.4,34.6,27.4,26.1,25.7,23.8,23.6。
4.6.PPDA‐009の合成
スキーム15
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、61%。
b)5M HCl/MeOH、90%。
合成52
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐(((7‐(1‐(tert‐ブトキシカルボニル)ピペリジン‐4‐カルボキサミド)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イル)アミノ)メチル)‐3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(67)
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物12(230mg、0.546mmol)、Pd2dba3(50mg、0.054mmol)、rac‐BINAP(50mg、0.10mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(61mg、0.82mmol)及びアミン38(171mg、0.624mmol)をトルエン(2mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 7:3)後、カルバミン酸エステル67を淡黄色固体として得た(220mg、61%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ9.14(s,1H),7.66(s,1H),6.93(s,1H),5.25(brs,1H),4.82(d,J=6.8Hz,1H),4.69(d,J=6.8Hz,1H),4.23(brs,3H),4.04(brs,1H),3.75‐3.64(m,1H),3.64‐3.51(m,1H),3.49‐3.33(m,4H),3.13(quin,J=6.8Hz,1H),2.92‐2.78(m,2H),2.78‐2.51(m,3H),1.98(d,J=11.7Hz,2H),1.87‐1.69(m,4H),1.52‐1.46(m,18H),1.35(d,J=6.8Hz,6H)。
合成53
N‐(5‐((((3R,4R)‐3‐ヒドロキシピペリジン‐4‐イル)メチル)アミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐7‐イル)ピペリジン‐4‐カルボキサミド塩酸塩(PPDA‐009)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル67(100mg、0.15mmol)を5MのメタノールHClと反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 勾配:10:0〜85:15)後、PPDA‐010を白色固体として得た(64mg、90%)。
IR(ニート法):ν最大=3284,1730,1639,1584cm-11H NMR(400MHz,MeOD‐d4)δ7.98(brs,1H),7.39(brs,1H),3.73(d,J=8.3Hz,2H),3.57‐3.35(m,4H),3.26‐2.97(m,5H),2.86(t,J=10.8Hz,1H),2.26‐2.16(m,3H),2.13(brs,1H),2.07‐1.91(m,3H),1.73(brs,1H),1.33(d,J=6.4Hz,6H)。
4.7.PPDA‐010の合成
スキーム16
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、28%。
b)5M HCl/MeOH、70%(2ステップ)。
合成54
tert‐ブチル4‐(((7‐((tert‐ブトキシカルボニル)(ピリジン‐4‐イルメチル)アミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イル)アミノ)メチル)‐4‐((トリエチルシリル)オキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(68)
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物15(1.182g、2.94mmol)、Pd2dba3(119mg、0.13mmol)、rac‐BINAP(249mg、0.40mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(385mg、4.01mmol)及び化合物40(920mg、2.67mmol)をトルエン(2mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 1:5)後、カルバミン酸エステル68を淡黄色固体として得た(531mg、28%)。
f=0.5(EtOAc);HRMS(ESI)C376075Siに対する計算値(M+H+):710.4425,実測値:710.4456。
合成55
4‐(((3‐イソプロピル‐7‐((ピリジン‐4‐イルメチル)アミノ)ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イル)アミノ)メチル)ピペリジン‐4‐オール塩酸塩(PPDA‐010)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル68(500mg、0.70mmol)を5MのメタノールHClと反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 勾配:19:1〜6:1)後、PPDA‐011を白色固体として得た(195mg、70%)。
f=0.4(CHCl3:MeOH 9:1);IR(ニート法):ν最大=3321,1728,1660,1584,1460,1384,1290,1272,1123cm-11H NMR(CD3OD,500MHz)δ8.80(2H,d,J=10.0Hz),8.05(2H,d,J=10.0Hz),7.93(1H,s),7.72‐7.70(1H,m),7.62‐7.61(1H,m),5.15(2H,br s),4.20(1H,m),3.51(2H,s),3.27‐3.24(4H,m),3.11(1H,m),1.88(5H,m),1.33(6H,d,J=10.0 Hz);HRMS(ESI)C21307Oに対する計算値(M+H+):396.2512,実測値:396.2504。
4.8.PPDA‐015の合成
スキーム17
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、85%。
b)5M HCl/MeOH、95%。
合成56
tert‐ブチル‐5‐((3S,4S)‐1‐(tert‐ブトキシカルボニル)‐4‐(メトキシメトキシ)ピロリジン‐3‐イルアミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐7‐イルベンジルカルバメート(69)
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物14(110mg、0.28mmol)、Pd3dba3(13mg、0.014mmol)、rac‐BINAP(427mg、0.042mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(36mg、0.37mmol)及び化合物22(89mg、0.36mmol)をトルエン(3mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:Et2O 7:3)後、カルバミン酸エステル69を橙色油状物質として得た(145mg、85%)。
f=0.36(Et2O:ヘキサン:30%アンモニア水 71.75:28:0.25);[α]20 D=+33(c 0.58,CH2Cl2);1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.76(s,1H),7.23‐7.30(m,5H),5.76(s,1H),5.29(d,J=7.2Hz,0.6H 回転異性体),5.24(d,J=7.2Hz,0.4H 回転異性体),4.94(br s,2H),4.67(t,J=10.4Hz,1H),4.55‐4.63(m,2H),4.27(br s,1H),3.83‐3.91(m,1H),3.51‐3.63(m,2H),3.28(s,1.7H 回転異性体),3.27(s,1.3H 回転異性体),3.12‐3.23(m,2H),1.47(s,3.7H 回転異性体),1.45(s,5.3H 回転異性体),1.40(brs,9H),1.33(d,J=6.8Hz,6H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ154.6,153.8,146.1,142.9,141.6,137.7,128.5,127.9,127.5,113.8,97.5,96.0,82.2,79.6,77.4,75.7,55.7,52.5,51.4,50.5,48.8,28.5,28.1,23.9,23.7;HRMS(ESI)C3246566に対する計算値(M+H+):611.3557,実測値 611.3543。
合成57
(3S,4S)‐4‐(7‐(ベンジルアミノ)‐3‐イソプロピル‐ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)‐ピロリジン‐3‐オール塩酸塩(PPDA‐015)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル69(140mg、0.23mmol)を5MのメタノールHClと反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 4:1)後、PPDA‐016を薄橙色固体として得た(80mg、95%)。
f=0.32(CH2Cl2:MeOH:30%アンモニア水 80:19.5:0.5);[α]20 D=+12(c 1.0,MeOH);融点=102℃;1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.65(s,1H),7.30(brs,5H),6.59(brs,1H),5.58(d,J=4.8Hz,1H),5.1(s,1H),4.62(brs,2H),4.33‐4.37(m,3H),4.26‐4.31(m,1H),3.33(dd,J=11.2,8.0Hz,1H),3.15(dd,J=12.0,4.0Hz,1H),3.03‐3.11(m,2H),2.85(dd,J=10.2,7.2Hz,1H),1.30(d,J=6.8Hz,6H);13C NMR(100MHz,CDCl3)δ156.6,146.8,145.3,140.8,136.9,129.0,128.0,127.3,112.9,73.1,71.5,55.4,53.5,50.3,46.1,29.8,23.9,23.4;HRMS(ESI)C20266Oに対する計算値(M+H+):367.2246,実測値 367.2239;分析 C2027ClN6Oに対する計算値:C 65.55,H 7.15,N 22.93,実測値:C 65.54,H 7.09,N 22.87。
4.9.PPDA‐018の合成
スキーム18
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、65%。
b)5M HCl/MeOH、80%。
合成58
tert‐ブチル3‐((7‐(ベンジル(tert‐ブトキシカルボニル)アミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)メチル)‐3‐((メトキシメトキシ)メチル)ピロリジン‐1‐カルボキシレート(70)
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物14(879mg、2.2mmol)、Pd2dba3(133mg、0.14mmol)、rac‐BINAP(220mg、0.35mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(220mg、2.3mmol)及びアミン46(400mg、1.5mmol)をトルエン(15mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:19:1〜7:3)後、カルバミン酸エステル70を淡黄色固体として得た(600mg、65%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.75(s,1H),7.30(m,5H),7.22(m,1H),5.66(m,1H),5.03(m,3H),4.60(s,2H),3.50‐3.25(m,10H),3.12(td,J=13.8,6.9Hz,1H),1.76(m,2H),1.45(d,J=9.3Hz,9H),1.40(s,9H),1.32(d,J=6.8Hz,6H);MS(ESI):m/z 639.4(M+H+)。
合成59
(3‐((7‐(ベンジルアミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)メチル)ピロリジン‐3‐イル)メタノール塩酸塩(PPDA‐018)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル70(600mg、10.94mmol)を5MのメタノールHClと反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 勾配:19:1〜9:1)後、PPDA‐019を白色固体として得た(320mg、80%)。
IR(ニート法):ν最大=3274,1663,1577cm-11H NMR(400MHz,CD3OD)δ7.68(s,1H),7.33(m,5H),5.20(s,1H),4.55(s,2H),3.44(m,6H),3.17(q,J=12.2Hz,2H),3.03(m,1H),1.92(m,2H),1.29(dd,J=6.9,3.9Hz,6H);13C NMR(100MHz,CD3OD)δ148.5,141.7,139.1,129.8,128.6,128.1,113.6,73.8,64.8,51.9,50.9,46.6,46.2,44.9,31.6,24.7,23.9,23.8;HRMS(ESI)C22306Oに対する計算値(M+H+):395.2481,実測値:395.2534。
4.10.PPDA‐022の合成
スキーム19
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、30%。
b)5M HCl/MeOH、76%。
合成60
(3R,4R)‐tert‐ブチル3‐(7‐(ベンジル(tert‐ブトキシ‐カルボニル)アミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)‐4(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(71)
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物14(72mg、0.18mmol)、Pd2dba3(8mg、0.009mmol)、rac‐BINAP(12mg、0.018mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(26mg、0.27mmol)及びアミン62(47mg、0.18mmol)をトルエン(1mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 6:1)後、カルバミン酸エステル71を淡黄色油状物質として得た(32mg、30%)。
f=0.3(ヘキサン:EtOAc 2:1);[α]25 D=+1.0(c 1.11,CHCl3);IR(ニート法):ν最大=3347,1719,1670,1640,1366,1153cm-1;HRMS(ESI)C334866に対する計算値(M+H+):625.3714,実測値:625.3708。
合成61
(3R,4R)‐3‐(7‐(ベンジルアミノ)‐3‐イソプロピル‐ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)ピペリジン‐4‐オール(PPDA‐022)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル71(32mg、0.05mmol)を5MのメタノールHClで処理した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 9:1)後、PPDA‐023を白色固体として得た(16.2mg、76%)。
f=0.13(CHCl3:MeOH 5:1);IR(ニート法):ν最大=3294,1626,1569,1450cm-11H NMR(500MHz,CD3OD)δ7.74(s,1H),7.39(d,J=7.6Hz,2H),7.33(tt,J=7.7,1.5Hz,2H),7.24‐7.26(m,1H),4.61(s,2H),4.09(dt,J=10.2,5.0Hz,1H),3.84(td,J=9.2,3.8Hz,1H),3.57‐3.61(m,2H),3.40(dt,J=12.8,4.5Hz,1H),3.09(ddt,J=13.5,11.1,3.0Hz,3H),2.21‐2.27(m,1H),1.83(dd,J=18.7,7.9Hz,1H),1.31(d,J=6Hz,3H),1.29(d,J=6Hz,3H);13C NMR(125MHz,CD3OD)δ156.9,149.2,144.1,138.6,129.8,129.0,128.7,113.5,69.0,67.6,53.4,47.5,46.6,42.9,30.3,28.3,24.6,23.7;HRMS(ESI)C21286Oに対する計算値(M+H+):381.2403,実測値:381.2400。
4.11.PPDA‐026の合成
スキーム20
Figure 2017506250
a)Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、59%。
b)5M HCl/MeOH、85%。
合成62
(2S,4S)‐tert‐ブチル4‐(7‐(ベンジル(tert‐ブトキシ‐カルボニル)アミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)‐2‐((tert‐ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン‐1‐カルボキシレート
Figure 2017506250
一般的手順Cに従って、塩化物14(45.1mg、0.112mmol)、Pd2dba3(5mg、0.0056mmol)、rac‐BINAP(8mg、0.011mmol)、ナトリウムtert‐ブトキシド(16.1mg、0.168mmol)及びアミン51(44.7mg、0.135mmol)をトルエン(2mL)中で反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 4:1)後、カルバミン酸エステル72を淡黄色固体として得た(45.5mg、59%)。
f=0.55(ヘキサン:EtOAc 2:1);[α]24 D=−72.4(c 1.7,CHCl3);IR(ニート法):ν最大=3343,1692,1641,1518,1390,1366,1252,1157cm-11H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.77(s,1H),7.24‐7.36(m,5H),5.96‐5.98(m,1H),5.70(s,2H),4.64(s,1H),4.23‐4.26(m,1H),3.78‐4.01(m,2H),3.60‐3.67(m,1H),3.80‐3.27(m,1H),3.14(七重項,J=8.0Hz,1H),2.43‐2.51(m,1H),1.88(d,J=16.0Hz,1H),1.47(s,9H),1.43(s,9H),1.36(d,J=8.0Hz,6H),0.9(s,9H),0.09(s,3H),0.06(s,3H);HRMS(ESI)C375865Siに対する計算値(M+H+):695.4316,実測値:695.4330。
合成63
((2S,4S)‐4‐(7‐(ベンジルアミノ)‐3‐イソプロピルピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐5‐イルアミノ)ピロリジン‐2‐イル)メタノール塩酸塩(PPDA‐026)
Figure 2017506250
一般的手順Dに従って、カルバミン酸エステル72(37.5mg、0.054mmol)を5MのメタノールHClと反応させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH 勾配:9:1〜5:1)後、PPDA‐027を黄色固体として得た(20.9mg、85%)。
f=0.22(CHCl3:MeOH 9:1);[α]27 D=−12.6(c 0.80,MeOH);IR(ニート法):ν最大=3235,1654,1576cm-1;HRMS(ESI)C21286Oに対する計算値(M+H+):381.2403,実測値:381.2398。
5.最適化したPPDA‐001の合成
スキーム21
Figure 2017506250
a)Pd/C、H2(38バール)、Boc2O、Na2CO3、EtOH 99%。
b)[RuCl(シメン((S)‐T‐BINAP)]Cl、H2(10バール)、CH2Cl2、50℃、48時間、77%(97:3 鏡像異性体比)。
c)MOMCl、DIPEA、CH2Cl2、75%。
d)DIBAL‐H、CH2Cl2、−20℃、77%。
e)MsCl、DIPEA、CH2Cl2、次にNaN3、NaI、DMF、78%。
f)Pd/C、H2(20バール)、MeOH、95%。
g)化合物14、Pd2(dba)3、rac‐BINAP、NaOtBu、トルエン、95℃、75%。
h)5M HCl/MeOH、99%。
合成64
1‐tert‐ブチル4‐エチル3‐オキソピペリジン‐1,4‐ジカルボキシレート(74)
Figure 2017506250
エチル1‐ベンジル‐3‐オキソ‐4‐ピペリジンカルボキシレート塩酸塩(10.0g、33.58mmol)、Pd/C(10重量%、1.0 g)、Boc2O(14.64g、67.16mmol)、Na2CO3(3.56g、33.58mmol)及びEtOH(100mL)の混合物をParrオートクレーブに入れた。水素を導入し(38バール)、混合物を50℃で48時間撹拌した。オートクレーブを25℃に冷却後、水素圧を解放し、触媒を濾過により除去し、減圧下で濃縮して、黄色油状物質を得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 2:1)によって精製して、標題化合物(9.10g、100%)を透明油状物質として得た。
f=0.70(ヘキサン:EtOAc 2:1);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ12.10(s,1H,エノール型‐OH),4.25(q,J=7.1Hz,2H),4.04(s,2H),3.50(t,J=5.8Hz,2H),2.33(t,J=5.8Hz,2H),1.48(s,9H),1.32(t,J=7.1Hz,3H);HRMS(CI)C1321NO5に対する計算値(M+NH4+ 289.1763,実測値:289.1759。
合成65
(3R,4S)‐1‐tert‐ブチル4‐エチル3‐ヒドロキシピペリジン‐1,4‐ジカルボキシレート(75)
Figure 2017506250
撹拌子を入れた450mLのガラスライナーに、1‐tert‐ブチル4‐エチル3‐オキソピペリジン‐1,4‐ジカルボキシレート74(4.46g、16.47mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を入れ、窒素を30分間バブリングすることによって脱気した。[RuCl(p‐シメン)(S)‐T‐BINAP]Cl錯体(0.324g、0.33mmol、2mol%)を加え、そのライナーをParrオートクレーブに入れた。水素を導入し(10バール)、50℃で48時間加熱した。オートクレーブを25℃に冷却後、水素圧を解放し、混合物を濃縮して、赤色油状物質を得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 勾配:6:1〜3:1)によって精製して、標題化合物(3.47g、77%)を透明油状物質として得た。生成物の一定分量を(R)‐アセチルマンデル酸エステルに変換した後、HPLC分析を行うことより、鏡像異性体比は97:3であると決定した。
f=0.25(ヘキサン:EtOAc 2:1);[α]D 22 +14.2(c 1.41,CHCl3);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ4.27‐4.22(m,1H),4.21(q,J=7.1Hz,2H),3.83(td,J=9.9,4.8Hz,1H),3.13(brs,1H),2.71(brs,1H),2.61(dd,J=13.0,10.3Hz,1H),2.38(ddd,J=12.3,9.5,4.1Hz,1H),2.05‐1.97(m,1H),1.64‐1.53(m,1H),1.46(s,9H),1.29(t,J=7.1Hz,3H);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ173.9,154.5,80.0,67.4,49.2,48.9,42.7,28.4,26.7,14.1;HRMS(ESI)C1323NO5に対する計算値(M+Na)+ 296.1474,実測値:296.1486。
合成66
(3R,4S)‐1‐tert‐ブチル4‐エチル3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1,4‐ジカルボキシレート(76)
Figure 2017506250
(3R,4S)‐1‐tert‐ブチル4‐エチル3‐ヒドロキシピペリジン‐1,4‐ジカルボキシレート(4.10g、15.0mmol)のCH2Cl2(75mL)溶液に、DIPEA(10.18mL、60.0mmol)とMOMCl(3.42mL、45.0mmol)を加えた。24時間後、NaHCO3(5mL)を加え、有機層を分離し、水層をEtOAc(4×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNH4Cl(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮して黄色油状物質を得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 4:1)によって精製して、標題化合物を透明油状物質として得た(3.56g、75%)。
f=0.65(ヘキサン:EtOAc 1:1);[α]D 22 +2.3(c 1.12,CHCl3);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ4.68(s,2H),4.17(q,J=7.2Hz,2H),4.00‐3.96(m,1H),3.80‐3.76(m,J=9.6,4.7Hz,2H),3.35(s,3H),2.78(ddd,J=13.8,11.8,3.0Hz,1H),2.70(brs,1H),2.50(ddd,J=11.4,9.3,4.1Hz,1H),1.91(dq,J=13.5,3.6Hz,1H),1.71‐1.62(m,1H),1.46(s,9H),1.27(t,J=7.1Hz,3H);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ173.4,154.5,96.3,79.9,73.3,60.7,55.6,48.5,47.1,42.4,28.3,27.4,14.2;HRMS(ESI)C1527NO6に対する計算値(M+H)+ 318.1917,実測値:318.1926。
合成67
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐(ヒドロキシメチル)‐3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(77)
Figure 2017506250
(3R,4S)‐1‐tert‐ブチル4‐エチル3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1,4‐ジカルボキシレート(3.50g、11.0mmol)のCH2Cl2(60mL)溶液に、DIBAL‐H(1.0Mヘキサン溶液を24mL、24.0mmol)を−20℃で加えた。溶液を−20℃で1.5時間撹拌し、次いで22℃に温めた。反応混合物をロッシェル塩で失活させ、2時間激しく撹拌した。有機層を分離し、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮して透明油状物質を得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 1:1)によって精製して、標題化合物(2.35g、77%)を透明油状物質として得た。
f=0.20(ヘキサン:EtOAc 1:1);[α]D 22 +33.4(c 1.11,CHCl3);1H NMR(CDCl3,400MHz)δ4.76(d,J=6.7Hz,1H),4.65(d,J=6.7Hz,1H),4.34(brs,1H),4.04(brs,1H),3.74‐3.63(m,2H),3.45‐3.38(m,1H),3.41(s,3H),2.71‐2.64(m,1H),2.42(brs,2H)1.71‐1.64(m,2H),1.45(s,9H),1.39‐1.34(m,1H);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ154.6,96.1,79.8,75.5,64.8,55.9,47.3,44.2,43.3,28.4,27.0;HRMS(ESI)C1325NO5に対する計算値(M+Na)+ 298.1630,実測値:298.1638。
合成68
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐(アジドメチル)‐3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(37)
Figure 2017506250
(3R,4R)‐tert‐ブチル4‐(ヒドロキシメチル)‐3‐(メトキシメトキシ)ピペリジン‐1‐カルボキシレート(2.25g、8.2mmol)とDIPEA(7.15mL、41.0mmol)のCH2Cl2(80mL)溶液に、MsCl(1.91mL、24.6mmol)を加えた。2時間後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(4×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNH4Cl(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮して淡黄色油状物質を得た。残渣をDMF(15mL)とNaN3(2.66g、41.0mmol)に溶かし、NaI(122mg、0.82mmol)を加え、この混合物を60℃で加熱した。48時間後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(20mL)、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮して淡黄色油状物質を得た。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 2:1)によって精製して、化合物37(1.92g、78%)を透明油状物質として得た。特性評価データは全て、合成25で報告したデータと同一である。
さらなる化合物
以下のさらなる化合物は、類似の方法を使用して調製した。
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
Figure 2017506250
生物学的方法とデータ
生体外キナーゼアッセイ及びIC50決定
精製された組換え型CDK1/cycA1、CDK2/cycA1、CDK4/cycD1、CDK5/p35NCK、CDK6/cycD1、CDK7/CycH/MAT1及びCDK9/CycT1を、ProQinase GmbHから購入した。キナーゼアッセイを製造業者のプロトコールに従って実施した。Rb−CTF(ProQinase GmbH)(カタログ番号:0040−0000−6)を、CDK1、CDK2、CDK4及びCDK6キナーゼ用のキナーゼ基質として使用した。RNAポリメラーゼII C末端ドメイン(Pol II CTD)ペプチド(YSPTSPSYSPTSPSYSPTSPS)(Cambridge Research Biochemicals)ペプチドを、CDK7及びCDK9キナーゼアッセイで使用した。ルシフェラーゼアッセイ(PKLightアッセイ;Cambrex)を製造業者のプロトコールに従って使用して、キナーゼ反応終了時に残っているATPを測定した。このアッセイにより、キナーゼ活性の大きさが与えられる。
キナーゼアッセイを、精製された組換え型CDK‐サイクリン複合体と試験化合物とを試験化合物の量を増やしながら一緒にしたものをインキュベーションし、その後、ルシフェラーゼアッセイキット(PKLight、Cambrex)を使用して反応物中に残っている遊離ATPを測定することによって行い、特定のCDKに対する阻害の大きさを得た。
1×キナーゼ緩衝液(Cell Signalling Technologies)5μLを、Rb−CTF 5μgと共に、CDK1 200ng、CDK2 200ng、CDK4 50ng、CDK5 100ngまたはCDK6 200ngと混合し、また、500μΜ RNA Poll II CTDペプチドと共に、CDK7 300ngまたはCDK9 200ngと混合した。ATPを、各酵素のKm(CDK1では0.16μΜ;CDK2では0.58μΜ;CDK4では18.7μΜ;CDK5では1.8μΜ;CKD6では20.9μΜ;CDK7では4.1μΜ;及びCDK9では4μΜ)で反応混合物に加え、2回蒸留した水を加えて、体積を39μLにした。混合物を30℃で30分間インキュベートした。停止液(PKLightキットで提供される)20μLを用いて、室温で10分間反応物を停止させる。次いでルシフェラーゼ混合物40μLを反応混合物に加え、これを室温でさらに10分間インキュベートし、Tecan Infinite 2000プレートリーダーを使用して測定した。GraphPad Prismソフトウェアを使用して検量線を作成し、各CDKのIC50を決定した。
上記のように生体外キナーゼアッセイを使用して、PPDA‐001のCDK活性を決定した。IC50値(μmol/L)を以下の表に示す。3回の実験の結果を、平均の標準誤差(SEM)(μmol/L)と共に報告する。
Figure 2017506250
生体外キナーゼ阻害データ(CDK1、CDK2、CDK7)及び選択性(CDK1/7、CDK2/7)データを以下の表にまとめる。
Figure 2017506250
Figure 2017506250
細胞増殖阻害アッセイ
細胞は全てAmerican Type Culture Collection(ATCC)から購入し、MCF7細胞を、10%ウシ胎仔血清(FCS)(First Link)を追加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中でルーチン的に培養し、HCT116細胞を、10%FCSを追加したロズウェルパーク記念研究所培地(RPMI)中でルーチン的に培養した。細胞増殖を、公知のスルホローダミンBアッセイを使用して評価した(例えば、1990年のSkehanらの文献を参照のこと)。
ATCC(米国)から購入したMCF‐7細胞を、10%FCSを追加したDMEM中でルーチン的に継代し、ATCC(米国)から購入したHCT116細胞を、10%FCSを追加したRPMIでルーチン的に継代し、5%のCO2を有する37℃のインキュベーター内で保存した。両細胞株の増殖アッセイは、本明細書に記載の全く同じプロトコールを使用して、適切な培地にて行った。増殖アッセイでは、96ウェルプレートの各ウェルに、10%FCSを含むDMEM中で5000個の細胞を播種した。DMSO中で調製した試験化合物を、0.00038〜100μMの濃度で培地に加えた。細胞をさらに72時間インキュベートし、その時点で、氷冷した40%トリクロロ酢酸(TCA)を100μL/ウェル加えることによって細胞を固定した。プレートを4℃で1時間放置し、水で洗浄して、1%酢酸中で調製した0.4%(w/v)スルホローダミン(SRB;Sigma‐Aldrich、英国)100μLを加えた。プレートを1%酢酸中で洗浄して余分なSRB試薬を除去し、空気乾燥し、10mMトリス塩基100μLを加えることによって、結合色素を溶解した。プレートリーダーを使用して、プレートを492nmで読み取った。492nmにおける光学濃度(OD)をプロットして、50%増殖阻害が観測される試験化合物濃度を決定した(GraphPad Prismを使用)。
PPDA‐001は、乳癌細胞株(MCF7)と、結腸直腸癌細胞株(HCT116)の増殖を阻害し、GI50値は<1μmol/Lであった。
データを以下の表にまとめる。
Figure 2017506250
Figure 2017506250
NCIスクリーニング
分析をさらに広い集団の癌細胞株に拡張するため、米国国立がん研究所の癌治療及び診断部門(Division of Cancer Treatment and Diagnosis)ヒト腫瘍細胞株生体外スクリーンに(http://dtp.nci.nih.gov/branches/btb/ivclsp.html)にPPDA‐001を委ねた。
結果を図1に図示する。
図1は、試験化合物PPDA‐001のモル濃度の対数(底を10とする)に対する増殖阻害パーセントのグラフであり、NCI60癌細胞株スクリーンによって測定されたものである。各線は、1種の細胞株を表す。
このスクリーンにより、PPDA‐001は全60種の癌細胞株の阻害を引き起こすことが実証された(平均GI50=0.28μmol/L;GI50範囲=0.04〜2.1μmol/L)。
HCT116腫瘍異種移植試験
動物(メスBalb/c nu/nuマウス)を4つの処置群(各治療群あたり15匹の動物)に無作為割り当てし、癌を持つ動物を、PBS中5%のDMSOを媒体として使用してPPDA‐001を強制経口投与することによって処置した。腫瘍が100〜200mm3の体積に達したら、動物を未処置のままにするか、または1日2回(1日1回目と2回目の投与の間は8時間)、担体、50mg/kgのPPDA‐001で処置するか、または1日1回、100mg/kgのPPDA‐001で処置した。
結果を図2に示す。
図2は、HCT116腫瘍異種移植研究における媒体対照(四角)、50mg/kg/1日2回(三角)及び100mg/kg/1日1回(十字)についての、時間に対する相対腫瘍体積のグラフである。エラーバーは平均の標準誤差(SEM)を表す。
PPDA‐001処置群の動物の体重は試験期間全体にわたり減少して92%に達し、これに対し媒体による処置の動物の体重は98%に減少した。
結果を図3に示す。
図3は、HCT116腫瘍異種移植試験における媒体対照(四角)、50mg/kg/1日2回(三角)及び100mg/kg/1日1回(十字)についての、時間に対する体重パーセントのグラフである。
PPDA‐001は、50mg/kgを1日2回の処置計画及び100mg/kgを1日1回の処置計画で腫瘍成長を実質的に減少させ、PPDA‐001処置群では、対照処置群と比較して、腫瘍成長において65%の減少を実証した。これら2種類の投与量の間で、腫瘍成長における差異はなかった(p<0.001)。
比較試験
比較目的で、特にPPDA‐001との比較目的で以下の化合物を調製した。これらの化合物は(a)XX‐01では「オキシ」置換基が無いこと、または(b)XX‐02では窒素含有複素環基が無いことの点で、本発明のPPDA‐001とは異なる。
Figure 2017506250
PPDA‐001とこれらの比較化合物の対応するデータを以下の表にまとめる。
Figure 2017506250
データからわかるように、PPDA‐001が有する、CDK1及びCDK2の両方と比較した場合のCDK7に対する選択性は、構造的に似ている化合物よりも大幅に大きい。
CDK7は、重要な発生の役割と細胞に関する役割とを有し、ヒトでは25の成員を含むタンパク質キナーゼの大きなファミリーの成員であるので、CDK7選択性は望ましい。CDK7は細胞周期CDKをリン酸化し、それにより活性化して細胞周期進行を制御する。さらに、CDK7はRNAポリメラーゼIIをリン酸化して、遺伝子転写を促進する。ノックアウトマウスでは、低い増殖指数を有する組織においてCDK7の欠失が表現型を示さず、これに実証されるように、CDK7は発生中に必須の遺伝子であるが、成体においてCDK7は必須ではない。しかしながら、高い細胞代謝回転を有する組織における細胞の再増殖は、成体幹細胞欠乏と早期老化に関連する(例えば、2012年のGanuzaらの文献を参照のこと)。したがって、CDK7阻害剤を用いた治療は、付随する副作用がより少ないと期待される。
Figure 2017506250
データからわかるように、PPDA‐001は、構造的に似ている比較化合物よりも大幅に大きい増殖阻害作用を有する。
上述では、本発明の原理、好ましい実施形態、及び実施様式を記載した。しかしながら、本発明は、論じた特定の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。その代わりに、上記の実施形態は、限定するものというよりもむしろ説明するものであるとみなされるべきである。上記の実施形態において、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者により変形がなされてもよいことを理解する必要がある。
参考文献
本発明と本発明が関する技術の現状をさらに十分に記載し、開示するため、本明細書においてはいくつかの公表文献を引用している。これらの参考文献の完全な引用を以下に提供する。これらの各参考文献は、あたかも個々の参考文献がそれぞれ参照によって詳細にかつ別個で援用されていると示されているようにして、参照によりその全体が本開示に援用される。
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Claims (116)

  1. 以下の式の化合物:
    Figure 2017506250
    またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物であって、
    式中、
    ‐R5Xは‐L5X‐Qであり;
    ‐L5X‐は独立して共有単結合または‐L5XA‐であり;
    ‐L5XA‐は独立して直鎖飽和C1-6アルキレンまたは分岐飽和C1-6アルキレンであり、かつ‐OH及び‐ORL5Xから選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RL5Xはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキルまたは飽和C3-6シクロアルキルであり;
    ‐Qは、1個以上の窒素環原子を含む5〜7個の環原子を有する非芳香族複素環であり、前記非芳香族複素環は、「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されており;
    「n」は1、2または3であり;
    「m」は0、1、2または3であり;
    ‐Jはそれぞれ独立して‐OH、‐ORJ、‐LJ‐OHまたは‐LJ‐ORJであり;
    ‐RJはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキルまたは飽和C3-6シクロアルキルであり;
    ‐LJ‐はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキレンまたは分岐飽和C1-6アルキレンであり;
    ‐RQはそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RQA、‐CF3、‐OCF3、‐NH2、‐NHRQA、‐NRQA 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(RQA)‐ピペラジノ、‐SH、‐SRQAまたは‐CNであり;
    ‐RQAはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキルまたは飽和C3-6シクロアルキルであり;
    ‐R5Yは独立して‐Hまたは‐R5YAであり;
    ‐R5YAは独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
    ‐R7は独立して‐R7Xまたは‐C(=O)R7Xであり;
    ‐R7Xはそれぞれ独立して:
    ‐R7A、‐R7B、‐R7C、‐R7D、‐R7E
    ‐L7‐R7B、‐L7‐R7C、‐L7‐R7Dまたは‐L7‐R7Eであり;
    ‐L7‐はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキレンまたは分岐飽和C1-6アルキレンであり;
    ‐R7Aはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり、かつ1個以上の置換基‐W1で任意に置換されており;
    ‐R7Bはそれぞれ飽和C3-6シクロアルキルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されており;
    ‐R7Cはそれぞれ非芳香族C3-7ヘテロシクリルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されており;
    ‐R7Dはそれぞれフェニルまたはナフチルであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されており;
    ‐R7EはそれぞれC5-12ヘテロアリールであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されており;
    ‐W1はそれぞれ独立して:
    ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW1、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW1、‐NRW1 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(RW1)‐ピペラジノ、‐C(=O)OH、‐C(=O)ORW1、‐C(=O)NH2、‐C(=O)NHRW1、‐C(=O)NRW1 2、‐C(=O)‐ピロリジノ、‐C(=O)‐ピペリジノ、‐C(=O)‐モルホリノ、‐C(=O)‐ピペラジノ、‐C(=O)‐N‐(RW1)‐ピペラジノ、‐S(=O)RW1、‐S(=O)2W1、‐S(=O)2NH2、‐S(=O)2NHRW1、‐S(=O)2NRW1 2、‐S(=O)2ピロリジノ、‐S(=O)2‐ピペリジノ、‐S(=O)2‐モルホリノ、‐S(=O)2‐ピペラジノ、‐S(=O)2‐N‐(RW1)‐ピペラジノ、‐CNまたは‐NO2であり;
    ‐RW1はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルであり、フェニルはそれぞれ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW11、‐CF3、‐OH、‐ORW11及び‐OCF3から選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RW11はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
    ‐W2はそれぞれ独立して:
    ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW2、‐CF3、‐OH、‐ORW2、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW2、‐NRW2 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(RW2)‐ピペラジノ、‐C(=O)OH、‐C(=O)ORW2、‐C(=O)NH2、‐C(=O)NHRW2、‐C(=O)NRW2 2、‐C(=O)‐ピロリジノ、‐C(=O)‐ピペリジノ、‐C(=O)‐モルホリノ、‐C(=O)‐ピペラジノ、‐C(=O)‐N‐(RW2)‐ピペラジノ、‐S(=O)RW2、‐S(=O)2W2、‐S(=O)2NH2、‐S(=O)2NHRW2、‐S(=O)2NRW2 2、‐S(=O)2ピロリジノ、‐S(=O)2‐ピペリジノ、‐S(=O)2‐モルホリノ、‐S(=O)2‐ピペラジノ、‐S(=O)2‐N‐(RW2)‐ピペラジノ、‐CNまたは‐NO2であり;
    ‐RW2はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルであり、フェニルはそれぞれ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW22、‐CF3、‐OH、‐ORW22及び‐OCF3から選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RW22はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
    ‐W3はそれぞれ独立して:
    ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW3、‐CF3、‐OH、‐ORW3、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW3、‐NRW3 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(RW3)‐ピペラジノ、‐C(=O)OH、‐C(=O)ORW3、‐C(=O)NH2、‐C(=O)NHRW3、‐C(=O)NRW3 2、‐C(=O)‐ピロリジノ、‐C(=O)‐ピペリジノ、‐C(=O)‐モルホリノ、‐C(=O)‐ピペラジノ、‐C(=O)‐N‐(RW3)‐ピペラジノ、‐S(=O)RW3、‐S(=O)2W3、‐S(=O)2NH2、‐S(=O)2NHRW3、‐S(=O)2NRW3 2、‐S(=O)2ピロリジノ、‐S(=O)2‐ピペリジノ、‐S(=O)2‐モルホリノ、‐S(=O)2‐ピペラジノ、‐S(=O)2‐N‐(RW3)‐ピペラジノ、‐CNまたは‐NO2であり;
    ‐RW3はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルもしくは分岐飽和C1-6アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルであり、フェニルはそれぞれ‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐RW33、‐CF3、‐OH、‐ORW33及び‐OCF3から選択される1個以上の基で任意に置換されており、‐RW33はそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
    ‐R3は独立して‐R3Aまたは‐R3Bであり;
    ‐R3Aは独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
    ‐R3Bは独立して飽和C3-7シクロアルキルであり;
    ‐R2は独立して‐Hまたは‐R2Aであり;
    ‐R2Aは独立して、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐R2AA、‐CF3、‐OH、‐OR2AA、‐OCF3、‐NH2、‐NHR2AA、‐NR2AA 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(R2AA)‐ピペラジノ、‐SH、‐SR2AAまたは‐CNであり;
    ‐R2AAはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルであり;
    ‐R6は独立して‐Hまたは‐R6Aであり;
    ‐R6Aは独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐R6AA、‐CF3、‐OH、‐OR6AA、‐OCF3、‐NH2、‐NHR6AA、‐NR6AA 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N‐(R6AA)‐ピペラジノ、‐SH、‐SR6AAまたは‐CNであり;
    ‐R6AAはそれぞれ独立して直鎖飽和C1-6アルキルまたは分岐飽和C1-6アルキルである化合物またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物。
  2. ‐L5X‐が共有単結合である請求項1記載の化合物。
  3. ‐L5X‐が‐L5XA‐である請求項1記載の化合物。
  4. ‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐が独立して直鎖飽和C1-4アルキレンまたは分岐飽和C1-4アルキレンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. ‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐が独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐、‐C(CH32‐または‐CH2CH2‐である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  6. ‐L5XA‐が存在する場合、‐L5XA‐が‐CH2‐である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  7. ‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、アゼパニルまたはジアゼパニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. ‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、アゼパニルまたはジアゼパニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  9. ‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  10. ‐Qがピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  11. ‐Qがピロリジニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  12. ‐Qがピロリジニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  13. ‐Qがピロリジン‐2‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  14. ‐Qがピロリジン‐3‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  15. ‐Qがピペリジニルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  16. ‐Qがピペリジニルであり、結合点が環炭素原子を介しており、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  17. ‐Qがピペリジン‐4‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  18. ‐Qがピペリジン‐3‐イルであり、‐Qが「n」個の‐J基で置換され、かつ「m」個の‐RQ基で置換されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  19. 「n」が1である請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。
  20. 「n」が2である請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。
  21. 「m」が0である請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物。
  22. ‐Qが
    Figure 2017506250
    から選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  23. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  24. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  25. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  26. ‐Qが
    Figure 2017506250
    から選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  27. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  28. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  29. ‐Qが
    Figure 2017506250
    から選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  30. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  31. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  32. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  33. ‐Qが
    Figure 2017506250
    から選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  34. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  35. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  36. ‐Qが
    Figure 2017506250
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  37. ‐Jがそれぞれ独立して‐OHまたは‐LJ‐OHである請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物。
  38. ‐Jがそれぞれ‐OHである請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物。
  39. ‐Jがそれぞれ‐ORJである請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物。
  40. ‐Jがそれぞれ‐LJ‐OHである請求項1〜36のいずれか1項に記載の化合物。
  41. ‐RJが存在する場合、‐RJがそれぞれ独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物。
  42. ‐RJが存在する場合、‐RJがそれぞれ‐Meである請求項1〜40のいずれか1項に記載の化合物。
  43. ‐LJ‐が存在する場合、‐LJ‐がそれぞれ独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐、 ‐C(CH32‐、‐CH2CH2‐、‐CH(CH3)CH2‐、‐CH2CH(CH3)‐または‐CH2CH2CH2‐である請求項1〜42のいずれか1項に記載の化合物。
  44. ‐LJ‐が存在する場合、‐LJ‐がそれぞれ独立して‐CH2‐である請求項1〜42のいずれか1項に記載の化合物。
  45. ‐R5Yが‐Hである請求項1〜44のいずれか1項に記載の化合物。
  46. ‐R7が‐R7Xである請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
  47. ‐R7が‐C(=O)R7Xである請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
  48. ‐R7Xがそれぞれ独立して‐R7C、‐R7D、‐R7E、‐L7‐R7B、‐L7‐R7Dまたは‐L7‐R7Eである請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  49. ‐R7Xがそれぞれ独立して‐L7‐R7B、‐L7‐R7Dまたは‐L7‐R7Eである請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  50. ‐R7Xがそれぞれ‐R7Cである請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  51. ‐R7Xがそれぞれ‐R7Dである請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  52. ‐R7Xがそれぞれ‐R7Eである請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  53. ‐R7Xがそれぞれ‐L7‐R7Bである請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  54. ‐R7Xがそれぞれ‐L7‐R7Dである請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  55. ‐R7Xがそれぞれ‐L7‐R7Eである請求項1〜47のいずれか1項に記載の化合物。
  56. ‐L7‐が存在する場合、‐L7‐がそれぞれ独立して‐CH2‐、‐CH(CH3)‐、‐C(CH32‐、‐CH2CH2‐、‐CH(CH3)CH2‐、‐CH2CH(CH3)‐または‐CH2CH2CH2‐である請求項1〜55のいずれか1項に記載の化合物。
  57. ‐L7‐が存在する場合、‐L7‐がそれぞれ‐CH2‐である請求項1〜55のいずれか1項に記載の化合物。
  58. ‐R7Bが存在する場合、‐R7Bがそれぞれ独立してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている請求項1〜57のいずれか1項に記載の化合物。
  59. ‐R7Bが存在する場合、‐R7Bがそれぞれシクロヘキシルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている請求項1〜57のいずれか1項に記載の化合物。
  60. ‐R7Bが存在する場合、‐R7Bがそれぞれシクロヘキシルである請求項1〜57のいずれか1項に記載の化合物。
  61. ‐R7Cが存在する場合、‐R7Cがそれぞれ独立してピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、アゼパニルまたはジアゼパニルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている請求項1〜60のいずれか1項に記載の化合物。
  62. ‐R7Cが存在する場合、‐R7Cがそれぞれ独立してピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている請求項1〜60のいずれか1項に記載の化合物。
  63. ‐R7Cが存在する場合、‐R7Cがそれぞれ独立してピペリジニルであり、かつ1個以上の置換基‐W2で任意に置換されている請求項1〜60のいずれか1項に記載の化合物。
  64. ‐R7Cが存在する場合、‐R7Cがそれぞれ独立してピペリジニルである請求項1〜60のいずれか1項に記載の化合物。
  65. ‐R7Dが存在する場合、‐R7Dがそれぞれフェニルであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている請求項1〜64のいずれか1項に記載の化合物。
  66. ‐R7Dが存在する場合、‐R7Dがそれぞれフェニルである請求項1〜64のいずれか1項に記載の化合物。
  67. ‐R7Eが存在する場合、‐R7EがそれぞれC5-6ヘテロアリールであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物。
  68. ‐R7Eが存在する場合、‐R7EがそれぞれC9-10ヘテロアリールであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物。
  69. ‐R7Eが存在する場合、‐R7Eがそれぞれ独立してフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル(例えば、1H‐[1,2,3]トリアゾリル、2H‐[1,2,3]トリアゾリル、4H‐[1,2,4]トリアゾリル、1H‐[1,2,4]トリアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば、[1,2,3]オキサジアゾリル、フラザニル、[1,3,4]オキサジアゾリル、[1,2,4]オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば、[1,2,3]チアジアゾリル、[1,2,5]チアジアゾリル、[1,3,4]チアジアゾリル、[1,2,4]チアジアゾリル)、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニル(例えば、[1,3,5]‐トリアジニル)であり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物。
  70. ‐R7Eが存在する場合、‐R7Eがそれぞれ独立してピリジル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物。
  71. ‐R7Eが存在する場合、‐R7Eがそれぞれピリジルであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物。
  72. ‐R7Eが存在する場合、‐R7Eがそれぞれピリジルである請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物。
  73. ‐R7Eが存在する場合、‐R7Eがそれぞれ独立してインドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、フタラジニルまたはキノキサリニルであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物。
  74. ‐R7Eが存在する場合、‐R7Eがそれぞれベンゾチアゾリルであり、かつ1個以上の置換基‐W3で任意に置換されている請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物。
  75. ‐R7Eが存在する場合、‐R7Eがそれぞれベンゾチアゾリルである請求項1〜66のいずれか1項に記載の化合物。
  76. ‐W2が存在する場合、‐W2がそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW2、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW2、‐NRW2 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノまたはN‐(RW2)‐ピペラジノである請求項1〜75のいずれか1項に記載の化合物。
  77. ‐W2が存在する場合、‐W2がそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW2または‐OCF3である請求項1〜75のいずれか1項に記載の化合物。
  78. ‐RW2が存在する場合、‐RW2がそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルである請求項1〜77のいずれか1項に記載の化合物。
  79. ‐RW2が存在する場合、‐RW2がそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである請求項1〜77のいずれか1項に記載の化合物。
  80. ‐RW2が存在する場合、‐RW2がそれぞれ‐Meである請求項1〜77のいずれか1項に記載の化合物。
  81. ‐W3が存在する場合、‐W3がそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW3、‐OCF3、‐NH2、‐NHRW3、‐NRW3 2、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノまたはN‐(RW3)‐ピペラジノである請求項1〜80のいずれか1項に記載の化合物。
  82. ‐W3が存在する場合、‐W3がそれぞれ独立して‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CF3、‐OH、‐ORW3または‐OCF3である請求項1〜80のいずれか1項に記載の化合物。
  83. ‐RW3が存在する場合、‐RW3がそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルもしくは分岐飽和C1-4アルキル、フェニルまたは‐CH2‐フェニルである請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物。
  84. ‐RW3が存在する場合、‐RW3がそれぞれ独立して直鎖飽和C1-4アルキルまたは分岐飽和C1-4アルキルである請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物。
  85. ‐RW3が存在する場合、‐RW3がそれぞれ‐Meである請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物。
  86. ‐R3が‐R3Aである請求項1〜85のいずれか1項に記載の化合物。
  87. ‐R3が‐R3Bである請求項1〜85のいずれか1項に記載の化合物。
  88. ‐R3Aが存在する場合、‐R3Aが独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuもしくは‐tBu、n‐ペンチル、t‐ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、sec‐ペンチル、3‐ペンチル、1‐ヘキシル、2‐ヘキシル、3‐ヘキシル、3‐メチル‐1‐ペンチル、4‐メチル‐1‐ペンチル、4‐メチル‐2‐ペンチル、4‐メチル‐3‐ペンチル、2‐メチル‐2‐ペンチル、2‐メチル‐1‐ペンチル、2‐メチル‐2‐ペンチル、3,3‐ジメチル‐1‐ブチル、3,3‐ジメチル‐2‐ブチル、3‐メチル‐1‐ペンチル、3‐メチル‐2‐ペンチル、3‐メチル‐3‐ペンチル、2,2‐ジメチル‐1‐ブチル、2,3‐ジメチル‐1‐ブチルまたは2,3‐ジメチル‐2‐ブチルである請求項1〜87のいずれか1項に記載の化合物。
  89. ‐R3Aが存在する場合、‐R3Aが独立して‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐iBu、‐sBuまたは‐tBuである請求項1〜87のいずれか1項に記載の化合物。
  90. ‐R3Aが存在する場合、‐R3Aが‐iPrである請求項1〜87のいずれか1項に記載の化合物。
  91. ‐R3Bが存在する場合、‐R3Bが独立してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである請求項1〜90のいずれか1項に記載の化合物。
  92. ‐R2が‐Hである請求項1〜91のいずれか1項に記載の化合物。
  93. ‐R6が‐Hである請求項1〜92のいずれか1項に記載の化合物。
  94. 以下の式:PPDA−001〜PPDA−032の化合物ならびにそれらの薬学的に許容できる塩、水和物及び溶媒和物から選択される請求項1記載の化合物。
  95. 請求項1〜94のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に許容できる担体または希釈剤とを含む組成物。
  96. 請求項1〜94のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に許容できる担体または希釈剤とを混合するステップを含む組成物の調製方法。
  97. 生体外または生体内において細胞でのCDK機能を阻害する方法であって、有効量の請求項1〜94のいずれか1項に記載の化合物と、前記細胞を接触させることを含む前記方法。
  98. 生体外または生体内において、細胞増殖(例えば、細胞の増殖)を制御する(例えば、阻害する)か、細胞周期進行を阻害するか、アポトーシスを促進するか、またはこれらのうちの1つ以上の組合せを行う方法であって、有効量の請求項1〜94のいずれか1項に記載の化合物と、細胞を接触させることを含む前記方法。
  99. 療法により人体または動物体を治療する方法において使用するための、請求項1〜94のいずれか1項に記載の化合物。
  100. 障害の治療方法において使用するための、請求項1〜94のいずれか1項に記載の化合物。
  101. 障害の治療方法において使用するための薬物の製造における、請求項1〜94のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  102. 治療が必要な対象に、治療有効量の請求項1〜94のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む障害の治療方法。
  103. 前記障害が、CDKに関連する障害;サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の不適切な活性により生じる障害;CDK変異に関連する障害;CDK過剰発現に関連する障害;CDKの上流経路活性化に関連する障害;またはCDKの阻害によって寛解する障害である請求項100記載の使用のための化合物、請求項101記載の使用または請求項102記載の方法。
  104. 前記障害が、増殖性障害;癌;ウイルス感染症(例えば、HIV);神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病);虚血;腎疾患;または心血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症)である請求項100記載の使用のための化合物、請求項101記載の使用または請求項102記載の方法。
  105. 前記障害が増殖性障害である請求項100記載の使用のための化合物、請求項101記載の使用または請求項102記載の方法。
  106. 前記障害が癌である請求項100記載の使用のための化合物、請求項101記載の使用または請求項102記載の方法。
  107. 前記治療が、さらなる活性薬剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含み、前記さらなる活性薬剤がアロマターゼ阻害剤である請求項100及び103〜106のいずれか1項に記載の使用のための化合物、請求項101及び103〜106のいずれか1項に記載の使用、または請求項102〜106のいずれか1項に記載の方法。
  108. 前記アロマターゼ阻害剤がエキセメスタン(アロマシンとしても知られる)、レトロゾール(フェマーラとしても知られる)またはアナストロゾール(アリミデックスとしても知られる)である請求項107記載の使用のための化合物、請求項107記載の使用または請求項107記載の方法。
  109. 前記障害が乳癌(例えば、前記アロマターゼ阻害剤に耐性のある乳癌)である請求項107もしくは108に記載の使用のための化合物、請求項107もしくは108に記載の使用、または請求項107もしくは108に記載の方法。
  110. 前記治療が、さらなる活性薬剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含み、前記さらなる活性薬剤が抗エストロゲン剤である請求項100及び103〜106のいずれか1項に記載の使用のための化合物、請求項101及び103〜106のいずれか1項に記載の使用、または請求項102〜106のいずれか1項に記載の方法。
  111. 前記抗エストロゲン剤がフェソロデックス(フルベストラント及びICI182780としても知られる)、タモキシフェン(ノルバデックスとしても知られる)またはヒドロキシタモキシフェンである請求項110記載の使用のための化合物、請求項110記載の使用または請求項110記載の方法。
  112. 前記障害が乳癌(例えば、前記抗エストロゲン剤に耐性のある乳癌)である請求項110もしくは111に記載の使用のための化合物、請求項110もしくは111に記載の使用、または請求項110もしくは111に記載の方法。
  113. 前記治療が、さらなる活性薬剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含み、前記さらなる活性薬剤がHer2遮断薬である請求項100及び103〜106のいずれか1項に記載の使用のための化合物、請求項101及び103〜106のいずれか1項に記載の使用、または請求項102〜106のいずれか1項に記載の方法。
  114. 前記Her2遮断薬がハーセプチン、パーツズマブまたはラパチニブである請求項113記載の使用のための化合物、請求項113記載の使用または請求項113記載の方法。
  115. 前記治療が、さらなる細胞傷害性化学療法剤を用いた治療(例えば、同時治療または逐次治療)をさらに含む請求項100及び103〜106のいずれか1項に記載の使用のための化合物、請求項101及び103〜106のいずれか1項に記載の使用、または請求項102〜106のいずれか1項に記載の方法。
  116. 前記細胞傷害性化学療法剤がタキサン(例えば、タクソールとしても知られるパクリタキセル;タキソテールとしても知られるドセタキセル)、シクロホスファミドまたは代謝拮抗薬(例えば、カルボプラチン、カペシタビン、ゲムシタビン、ドキソルビシン、エピルビシン、5‐フルオロウラシル等)である請求項115記載の使用のための化合物、請求項115記載の使用または請求項115記載の方法。
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