JP2017506242A - 接着剤結合組成物及びその使用 - Google Patents

接着剤結合組成物及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2017506242A
JP2017506242A JP2016552584A JP2016552584A JP2017506242A JP 2017506242 A JP2017506242 A JP 2017506242A JP 2016552584 A JP2016552584 A JP 2016552584A JP 2016552584 A JP2016552584 A JP 2016552584A JP 2017506242 A JP2017506242 A JP 2017506242A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
polymerizable monomer
adhesive composition
dental
dental adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016552584A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017506242A5 (ja
JP6688737B2 (ja
Inventor
エッケルト アードリアン
エッケルト アードリアン
クブ ミヒャエル
クブ ミヒャエル
ハイラント ベッティナ
ハイラント ベッティナ
エーデルマン イネス
エーデルマン イネス
クリストフ タールアッカー
タールアッカー クリストフ
デデ カルステン
デデ カルステン
ホハイゼル ウーベ
ホハイゼル ウーベ
ヘッヒト ラインホルト
ヘッヒト ラインホルト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Publication of JP2017506242A publication Critical patent/JP2017506242A/ja
Publication of JP2017506242A5 publication Critical patent/JP2017506242A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6688737B2 publication Critical patent/JP6688737B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/70Preparations for dentistry comprising inorganic additives
    • A61K6/71Fillers
    • A61K6/76Fillers comprising silicon-containing compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/30Compositions for temporarily or permanently fixing teeth or palates, e.g. primers for dental adhesives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/60Preparations for dentistry comprising organic or organo-metallic additives
    • A61K6/62Photochemical radical initiators

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Dental Preparations (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)

Abstract

重合性モノマー(1)、酸性部分を含む重合性モノマー(2)、反応開始剤成分(1つ又は複数)、組成物の総重量に対して約15重量%未満の量のフィラー成分(1つ又は複数)を含む歯科用接着剤組成物であって、重合性モノマー(1)が以下のように特徴付けられる、歯科用接着剤組成物:(メタ)アクリレート反応性部分の間の結合部としての非対称主鎖を有する、正確に2つの(メタ)アクリレート反応性部分を有し、この2つの(メタ)アクリレート反応性部分は、アルキルエステルとして非対称モノマー主鎖に結合され、非対称主鎖は、フェノール型の1つの芳香族部分を含み、重合性モノマー(1)は、酸性部分、炭素、水素、及び酸素以外の原子、ビスフェノール部分を含まない。本発明は、歯科用接着剤組成物の、歯科用接着剤、シーラント、セメントとしての使用、又は、材料を歯牙硬組織の表面に結合若しくはセメント結合するための使用にも関する。

Description

本発明は、結合目的に特に有用な、保存に安定した歯科用接着剤組成物に関する。この組成物は、酸性及び非酸性の固化性成分、溶媒、フィラー及び反応開始剤を含む固化性樹脂マトリクスを含む。
歯科用接着剤組成物は、一般に、当技術部にて既知である。それらの組成物は、典型的には、歯科用修復性組成物を歯牙硬組織の表面、例えば、準備された歯の空洞の表面に結合するのに使用される。
歯科用接着剤組成物は、光硬化性である場合が多く、それ故、それぞれの反応開始剤成分を含む。歯科用組成物は、典型的には、バイアル等の適用デバイスに入れて歯科施術者に提供される。
使用説明書は、多くの場合、歯科施術者に歯科用接着剤組成物を冷蔵庫内で保存するよう要請する。さもなければ、製造業者により提供された保存安定性を保証することができない。
歯科用接着剤組成物は、一般に多様な成分を含み、該成分のそれぞれは、保存安定性に影響を与える場合がある。
時には、接着剤組成物中に含まれる反応開始剤成分は、保存安定性にとって重大であると想定される。
この点において、特開2006/111584号(Tokuyama)は、アリールボレート塩と、酸と、アリールボレート塩に対する溶解度が低いモノマーとを含む化学重合反応開始剤系を含む歯科用硬化性組成物を記載している。
接着剤組成物を保存するデバイスの改善に、他の努力がより多く傾注されている。
この点において、米国特許第2010/075276号(Shofu)は、内部に液体を保存することができる細長い容器部分を含む、歯科用接着剤のための保存容器を記載しており、該容器部分の一方の末端面は、外部と連通する放出ポートを有し、該容器部分の他方の末端面は、底部壁により閉鎖され、後部部分は底部壁から、放出ポートの反対側に突出して形成されている。
接着剤組成物中に含まれる重合性成分の分子構造の調整に、他の努力がより多く傾注されている。
この点において、国際公開第2009/027005号(Dentsply)は、特定の式を有する、加水分解に対して安定な重合性モノマーを提案している。
これとは対照的に、米国特許第2010/024683号(Mitsui)は、歯科用組成物中に含まれる酸性成分に、より焦点を当てている。この点において、特定の式で表される不飽和二重結合を含むホスフェート化合物が記載されている。
国際公開第00/69394号(3M)は、安定な1成分歯科用材料に関し、該材料は、a)約80〜5,000の分子量を有するモノ酸化合物を含む樹脂であって、該化合物が、唯1つの酸官能基を含み、少なくとも1つの重合性官能基を更に含む、樹脂と、b)多価金属イオンを含むフッ化物源と、c)光重合反応開始剤と、を含み、該組成物は、保存安定性に有害な量の、1つを超える酸官能基を有する化合物を含まない。
米国特許第3,853,962号(Gander)は、メタクリレートモノマー1,3−ビス[2−,3−ジ(メタクリルオキシ)−プロポキシ]−ベンゼンを含む、歯科用修復性セメントに関する。この種類のモノマーを含む修復性組成物は、改善された圧縮強度と、それに関連した物理的特性を有すると言われている。
米国特許第2003/0167968号(Erdman et al.)は、エチレン性不飽和二重結合を有し、接着促進剤として使用するのに特に好適な加水分解抵抗性ホスホン酸を含む歯科用材料に関する。
米国特許第4,539,382号(Omura et al)は、虫歯を修復する方法を記載し、該方法は、虫歯内の空洞の壁面に、特定の量の特定の重合性モノマーと、特定の量の共重合性ビニルモノマーと、特定の量の硬化剤とを含む接着剤組成物を適用することと、該空洞を歯科用充填組成物で充填することと、を含む。
米国特許第2011/0315928 A1号(Jin at al.)は、少なくとも1つの低応力重合性樹脂と少なくとも1つのフィラーとを含む、低粘度かつ低応力の歯科用組成物に関する。この歯科用組成物は、硬化深度が大きく、自己平滑化特性を有し、バルク適用が可能である。
国際公開第2012/106083 A1号(3M)は、特定の化合物(A)と、フィラー(B)と、反応開始剤(C)とを含む歯科用組成物に関し、化合物(A)は特定の主鎖単位と、特定の構造を有する1つ又は2つのスペーサー単位とを含む。
かくして、特に最近の歯科用材料に対して満たされるべき要求に関して、改善の余地が未だにある。
歯科医は、信頼できる物理的特性を有する、長持ちする結合に対する要求を依然として有している。特に施術者もまた、保存に安定した組成物に興味を示している。
しかしながら、先行技術に記載されている接着剤組成物は、保存安定性に関して劣る場合が多い。特に、接着強度値は、多くの場合、時間の経過と共に、即ち、組成物を特定の期間保存した後、低下することが見出された。
したがって、過酷な条件下で保存した後でも十分な接着力を示す、保存により安定した歯科用接着剤組成物を提供することが、本発明の目的である。
保存安定性を決定するのに好適な手段は、例えば、組成物を特定の期間保存する前及び保存した後に、組成物の接着特性を測定することである。この測定を加速するために、組成物はしばしば、短期間であるが過酷な条件下で保存される。
この目的に対処するために、一実施形態によれば、本発明は歯科用接着剤組成物に関し、該組成物は、
−重合性モノマー(1)と、
−酸性部分を含む重合性モノマー(2)と、
−場合により溶媒(1つ又は複数)と、
−反応開始剤成分(1つ又は複数)と、
−場合により、組成物の総重量に対して約15重量%未満、又は約10重量%未満の量のフィラー成分(1つ又は複数)と、を含み、
重合性モノマー(1)は、特許請求の範囲に記載されている通りである。
重合性モノマー(1)は、以下のように特徴付けられる。
−正確に2つの(メタ)アクリレート反応性部分を有する、
−(メタ)アクリレート反応性部分の間の結合部として、非対称主鎖を有する、
−2つの(メタ)アクリレート反応性部分は、非対称モノマー主鎖に、アルキルエステルとして結合している、
−非対称主鎖は、フェノール型の少なくとも1つの芳香族部分を含む、
重合性モノマー(1)は、
−炭素、水素、及び酸素以外の原子、
−フェノール型の芳香族部分以外の他の芳香族部分、
−ビスフェノール部分、
を含まず、接着剤組成物は、水と接触した場合、約4未満のpH値を有することが好ましい。
更に、本発明は、歯科用接着剤組成物を、歯科用接着剤、シーラント、セメントとして使用する方法、又は、材料を歯牙硬組織の表面に結合若しくはセメント結合するための方法に関する。
異なる定義がない限り、本明細書では、以下の用語は所与の意味を有するものとする。
「歯科用組成物」又は「歯科使用のための組成物」又は「歯科分野で使用するための組成物」は、歯科分野で使用することができる、及び使用することになる、任意の組成物である。これに関して、上記組成物は患者の健康にとって有害であってはならず、したがって、上記組成物から出て移動することのできる有害成分及び毒性成分を含んではならない。歯科用組成物の例としては、歯科用接着剤又は歯科用結合剤が挙げられる。
歯科用組成物は、一般に固化性組成物である。口内での硬化用の歯科用組成物は、約15〜50℃、又は約20〜40℃の温度範囲を含む周囲条件下で、約30分又は20分又は10分の時間枠内で硬化することができる。より高い温度は、患者に苦痛を生じる可能性があり、患者の健康に有害であり得るため推奨されない。歯科用組成物は、典型的には、約0.1〜約100mL、又は約0.5〜約50mL、又は約1〜約30mLの範囲の体積である、同程度の小体積で施術者に提供される。したがって、有用な包装デバイスの保存体積は、典型的には、これら範囲内である。
本明細書で使用するとき、「接着剤」又は「歯科用接着剤」とは、「歯科用材料」(例えば、「修復剤」、歯列矯正用装具(例えば、ブラケット)、又は「歯列矯正用接着剤」)を歯牙表面に接着させるために、歯構造体(例えば、歯)上で前処理として使用される組成物を指す。「歯列矯正用接着剤」とは、歯牙(例えば、歯)表面に歯列矯正用装具を接着させるために用いられる組成物を指す。一般に、「歯列矯正用接着剤」の歯牙表面への接着力を高めるために、例えば、エッチング、下塗り、及び/又は接着剤の適用によって歯牙表面を前処理する。
「反応開始剤系」又は「反応開始剤」は、本明細書で「固化性成分の硬化」とも記載される、固化性成分の硬化プロセスを出発又は開始させることが可能な、歯科用組成物の成分を含むものとする。
「樹脂マトリクス」は、固化性成分と、存在する場合、有機希釈剤とから構成される歯科用組成物の有機部分を意味するものとする。
「固化性成分又は材料」(例えば、「重合性成分」又は「架橋性成分」)は、例えば、加熱による重合、化学的架橋、放射線誘発性重合、又はレドックス開始剤を用いることによる架橋等によって硬化又は固化し得る任意の成分である。固化性成分は、例えば、1つのみ、2つ、3つ、又はそれ以上の重合性基を含んでもよい。重合性基の典型例としては、(メチル)アクリレート基中に存在するビニル基のような、不飽和炭素基が挙げられる。
「硬化性成分」は、2つ以上の成分の混合物であり、この混合物は、例えば、加熱による化学的架橋、放射線誘発性重合、又はレドックス開始剤を用いることによる架橋等によって硬化又は固化することができる。硬化性組成物は、固化性成分を有利に含み得る。
「モノマー」は、オリゴマー又はポリマーに重合することが可能であり、それによって分子量が増加する、1つ以上の重合性基((メタ)アクリレート基を含む)を有する、化学式によって特徴付けることができる任意の化学物質である。通常、モノマーの分子量は、与えられた化学式に基づいて単純に計算することができる。
本明細書で使用するとき、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を指す短縮語である。例えば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリルオキシ基(即ち、CH=CH−C(O)−O−)及び/又はメタクリルオキシ基(即ち、CH=C(CH)−C(O)−O−)を指す短縮語である。同様に、(メタ)アクリレートは、「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を指す短縮語である。
「硬化(curing)」、「固化(hardening)」、及び「硬化反応(setting reaction)」は互換的に使用され、個々の成分間の化学反応によって、組成物の粘度及び硬度等の物理的性質が経時的に変化する(例えば、増大する)反応を指す。
「酸性部分を含む重合性モノマー」は、エチレン性不飽和並びに酸官能基及び/又は酸前駆体官能基を有する、モノマー、オリゴマー、及びポリマーを含むことを意味する。酸性前駆体官能基としては、例えば、無水物、酸ハロゲン化物、及びピロリン酸塩が挙げられる。酸性基は、好ましくは、−COOH又は−CO−O−CO−等の1つ以上のカルボン酸残基、−O−P(O)(OH)OH等のリン酸残基、C−P(O)(OH)OH等のホスホン酸残基、−SOH等のスルホン酸残基、又は−SOH等のスルフィン酸残基を含む。
「フェノール型」部分は、一般に、芳香族残基に直接結合した少なくとも1つの酸素原子を支持する芳香族部分、より正確には、構造要素[C6RxO](式中、xは、1、2、3、4、5又は6であり、Rは、H、アルキル(例えばC1〜C8)、−O−、−CO−又は−C(O)O−であり、C6は、芳香族環を形成する)を含む部分として理解される。例えば、「C6H5O−」(フェノキシ)は、最も単純な「フェノール型」部分を表す。
「粉末」とは、例えば、振蕩され又は傾けられる際に自由に流動することができる多数の非常に微細な粒子からなる乾燥したバルク固体を意味する。
「粒子」とは、幾何学的に決定され得る形状を有する固体である物質を意味する。粒子は、通常、例えば粒子サイズ又は粒径に関して分析され得る。粒子は、非晶質であっても結晶質であってもよい。
「保存に安定した」は、組成物が約50℃及び大気圧で少なくとも約1、2、3又は4ヶ月間保存でき、特に、特にエナメル質に対する初期接着強度の約80%以下の低下を示さずに、歯牙硬組織に対する十分な接着を依然として示すことを意味するものとする。
「放射線硬化性」は、周囲条件下で、理想的な時間枠内(例えば約15、10又は5分)で、放射線、好ましくは可視光スペクトル内の波長を有する電磁放射線を適用することにより成分(又は、場合によっては組成物)が硬化され得ることを意味するものとする。
用語「可視光」は、約400〜約700ナノメートル(nm)の波長を有する光を指すために使用される。
「歯牙硬組織」は、象牙質及びエナメル質を意味する。
「周囲条件」とは、本発明の組成物が、保存及び取り扱い中に通常さらされる条件を意味する。周囲条件は、例えば、約900〜約1100mbar(約0.09〜約0.11MPa)の圧力、約−10〜約60℃の温度及び約10〜約100%の相対湿度であり得る。実験室では、周囲条件は、約23℃及び約1013mbar(約0.1013kPa)並びに50%相対湿度に調整され得る。歯科及び歯列矯正分野では、周囲条件は、約950〜約1050mbar(約0.095〜約0.105kPa)の圧力、約15〜約40℃の温度、及び約20〜約80%の相対湿度として合理的に理解される。
組成物は、該組成物が本質的な特徴として特定の成分を含まない場合に、本発明の意味の範囲内で該特定の成分を「本質的又は実質的に含まない」。したがって、上記成分は、それ自体で又は他の成分若しくは他の成分の構成要素と組み合わせてのいずれかで、故意に組成物に添加されない。特定の成分を本質的に含まない組成物は、通常、その成分を組成物全体に関して、約1重量%未満、又は約0.1重量%未満、又は約0.01重量%未満の量で含む。理想的には、この組成物又は溶液は、前記成分を全く含まない。しかしながら、時には、例えば不純物のために、少量の該成分の存在が回避できないこともある。
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの(at least one)」、及び「1つ以上の(one or more)」は、互換可能に用いられる。用語「含む(comprises)」又は「含有する(contains)」及びこれらの変形は、これら用語が説明及び特許請求の範囲で表示される場合、限定的な意味を有するものではない。用語「含む(comprising)」は、より限定された表現「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」及び「〜からなる(consisting of)」も含む。
また、本明細書において、端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含され全ての数(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含む)が含まれる。
用語への「(1つ又は複数)」の付加は、その用語が単数形及び複数形を含むべきであることを意味する。例えば、用語「添加剤(1つ又は複数)」は、1つの添加剤及びそれ以上の数の添加剤(例えば、2、3、4等)を意味する。
別途記載のない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、下記のような物性の測定値等を表す全ての数は、全ての場合に用語「約」によって修飾されることが理解されるべきである。
本文書に記載した接着剤組成物は、多様な特性に関して優れていることが見出された。
本文書に記載した組成物は、保存に十分に安定しており、過酷な条件下で保存した後であっても、十分な接着特性(エナメル質及び/又は象牙質に対して)を示す。
この組成物は更に、Bis−GMAのようなビス−フェノール系モノマーを使用する必要なく、組成物を調製することを可能にする。
驚くべきことに、特に非対称の硬化性成分又はモノマーを使用することが、上記の目的を解決するのに好適であることが見出された。
特定の実施形態において、歯科用接着剤組成物は、固化前に、以下の特徴の少なくとも1つ又はそれ以上、時には全てを満たす。
−粘度:23℃、せん断速度100 1/sで測定して約0.05〜約5Pas又は約0.1〜約2Pas、
−水と接触した場合のpH値:約0〜約3、
−放射線硬化性、
−保存に安定している、
−1成分混合物として提供される。
所望により、またより正確には、粘度は以下の条件下で測定され得る。23℃;せん断速度:100 1/s;Physica MCR 301 Rheometer、Anton Paar GmbH,Graz,Austriaを用いて、コーン/プレート型CP25−1により測定。
水に溶解又は分散している場合(例えば、10mL中1g)、組成物は、典型的には、約0〜約4、又は約1〜約3の範囲内のpH値を示す。即ち、組成物は、全体として酸性である。所望であれば、pH値は、pH電極で、又はH感応紙を使用することにより決定されてもよい。
本発明は、例えば、約300秒未満、又は約180秒未満、又は約120秒未満等の許容できる時間枠内で、歯科医院において既に利用可能な可視光源設備を用いて十分な深さまで硬化することができる組成物を提供する。
特定の実施形態において、歯科用接着剤組成物は、固化後に、以下の特徴の少なくとも1つ又はそれ以上、時には全てを満たす。
−ISO 29022:2013に従って決定された、新たに調製した歯科用組成物の象牙質に対する接着力(Ad1):少なくとも約25MPa、又は少なくとも約29、又は少なくとも約33MPa、
−ワイヤISO 29022:2013に従って決定された、新たに調製した歯科用組成物のエナメル質に対する接着力(Ad1):少なくとも約18MPa、又は少なくとも約21、又は少なくとも約24MPa、
−ISO 29022:2013に従って決定された、温度50℃で4ヶ月間保存した歯科用組成物の象牙質に対する接着力(Ad2):少なくとも約12MPa、又は少なくとも約16、又は少なくとも約20MPa、
−ワイヤISO 29022:2013に従って決定された、温度50℃で4ヶ月間保存した歯科用組成物のエナメル質に対する接着力(Ad2):少なくとも約5MPa、又は少なくとも約7、又は少なくとも約9MPa。
「新たに調製した」とは、組成物が調製後、遅滞なく(例えば、室温で約5日以内の保存)使用されることを意味する。
重合性モノマー(1)は、歯科用接着剤組成物に含まれる固化性樹脂マトリクスの1成分である。
重合性モノマー(1)は、以下のように記載することができる。
−正確に2つの(メタ)アクリレート反応性部分を有する、
−(メタ)アクリレート反応性部分の間の結合部として、非対称主鎖を有する、
−2つの(メタ)アクリレート反応性部分は、非対称モノマー主鎖に、アルキルエステルとして結合している、
−非対称主鎖は、正確に1つのフェノール型の芳香族部分を含む、
−1つを超えない追加の芳香族部分を、非対称モノマー主鎖内に含むことが好ましく、該追加の芳香族部分は、反応性基の間の結合部の一部ではなく、反応性基の間においてこの結合部に結合している、
−常に、アルキルエステルとして非対称モノマー主鎖に結合された、正確に2つの(メタ)アクリレート反応性基を有することが好ましい、
重合性モノマー(1)は、
−炭素、水素、及び酸素以外の原子、
−フェノール型の芳香族部分以外の他の芳香族部分、
−ビスフェノール部分。
−場合により、エーテル及びエステル以外の他の酸素ベースの結合、を含まない。
重合性モノマー(1)は、以下の特徴によっても特徴付けることができる。
−約300〜約600の分子量を有する、
−室温で固化しない。
一実施形態によれば、接着剤組成物は、水と接触した場合、典型的には、約4未満、又は約3未満のpH値を有する。
重合性モノマー(1)の分子量は、比較的小さい。このことは、粘性の低い組成物を調製する際に有利な場合があり、該組成物は、歯牙硬組織の表面をより容易に湿潤させることができ、かつ歯牙硬組織の表面の細孔内に移動することが可能である。
より正確には、重合性モノマー(1)は、以下の式(I)により特徴付けられる。
Figure 2017506242
(式中、
B−O−A−[−O−B’−]は、反応性基の間の結合部としての非対称モノマー主鎖を表し、
a=0又は1、
Aは、以下の部分から選択され:
Figure 2017506242
Aは、常に、アリール−アルキルエーテルとしてB及び/又はB’に結合され、
Bは、以下の部分から選択され:
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2017506242
Bは、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
b=2〜6、
B’は、−(CH2)b’−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2017506242
から選択され
B’は、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
b’=2〜6、
R=H、メチル、
Xは、H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチルから選択され、
」は、モノマーの部分の位置を表し、その部分は、モノマーの他の部分に結合されている。)
更なる実施形態によれば、重合性モノマー(1)は、式(Ia)又は式(Ib)のいずれかにより特徴付けることができる。
Figure 2017506242
(式中、
B−O−A−O−B’は、反応性部分の間の結合部としての非対称モノマー主鎖であり、
Aは、部分:
Figure 2017506242
から選択され、
Aは、常に、アリール−アルキルエーテルとしてB及びB’のいずれかに結合され、
Bは、部分:
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2017506242
から選択され、
Bは、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
b=2〜6、
B’は、部分:
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2017506242
から選択され、
B’は、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
b’=2〜6、
R=H、メチル、
X=H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル;
又は
Figure 2017506242
式中、
B−O−Aは、反応性部分の間の結合部としての非対称モノマー主鎖であり、
Aは、部分
Figure 2017506242
から選択され、
Aは、常に、アリール−アルキルエーテルとしてBに結合され、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
Bは、
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2017506242
から選択され、
Bは、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
b=2〜6、
R=H、メチル;
」は、モノマーの部分の位置を表し、その部分は、モノマーの他の部分に結合されている。)
重合性モノマー(1)に関する特定の例としては、
Figure 2017506242
Figure 2017506242
Figure 2017506242
Figure 2017506242
が挙げられる。上記の式の全てにおいて、Rは、独立してH及びCH3から選択されてもよく、即ち、各構成要素Rは、メチル若しくは水素のいずれかであってもよく、又は一方のRがメチルで、他方のRが水素である。
本文書に記載した重合性モノマー(1)は、例えば、下記の実施例セクションに記載したように合成することができる。
それを行う際、当業者は、重合性モノマー(1)に応じて、合成中、単一の非対称化合物が得られ、また、異なる非対称成分を含む混合物、又は多量の非対称化合物に加えて少量の対称性成分を含む混合物が得られることを認識するであろう。
非対称に置換された芳香族部分に基づく非対称主鎖を含む重合性モノマー(1)の場合、合成により単一の非対称化合物、又は100mol%の非対称成分を含む組成物のいずれかがもたらされる。
対称的に置換された芳香族部分に基づく非対称主鎖を含む重合性モノマー(1)の場合、組成物が更に精製されない限り、合成により、通常、統計により、少量の成分としての25mol%の各対称性化合物に加えて、多量の成分としての50mol%の非対称化合物を含む組成物が、もたらされるであろう。
所望であれば、重合性モノマー(1)の2つ、3つ又はそれ以上の混合物を使用してもよい。
重合性モノマー(1)は、典型的には、以下の量で存在する。
−下限:少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%、又は少なくとも約15重量%、
−上限:約85量%まで、又は約80量%まで、又は約70重量%まで、
−範囲:約5〜約85重量%、又は約10〜約80重量%、又は約15〜約70重量%、
重量%は、全組成物の重量に対するものである。
酸性部分を有する重合性モノマー(2)
重合性モノマー(2)は、固化性樹脂マトリクスの更なる成分を形成する。
本文書に記載した接着剤組成物は、更に、酸性部分を有する重合性モノマー(2)を含む。
重合性モノマー(2)の性質及び構造は、いずれも、所望の結果が達成できないことがない限り、特に限定されない。
重合性モノマー(3)の存在は、必要な酸度を組成物に提供するため有利である。
酸部分(A1)を有する重合性成分は、典型的には、以下の式により表すことができる。
−B−C
(Aは、(メタ)アクリル部分等のエチレン性不飽和基であり、
Bは、(i)場合により他の官能基(例えば、ハロゲン化物(Cl、Br、Iを含む)、OH、又はこれらの混合物)で置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖C1〜C12アルキル、(ii)場合により他の官能基(例えば、ハロゲン化物、OH、又はこれらの混合物)で置換されていてもよいC6〜C12アリール、(iii)1つ以上のエーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、チオカルボニル、アミド、ウレタン、カルボニル、及び/又はスルホニル結合によって互いに結合している4〜20個の炭素原子を有する有機基、等のスペーサー基であり、
Cは酸性基であり、
m、nは、独立して1、2、3、4、5又は6から選択され、
酸性基は、1つ以上の、−COOH若しくは−CO−O−CO−等のカルボン酸残基、−O−P(O)(OH)OH等のリン酸残基、C−P(O)(OH)(OH)等のホスホン酸残基、−SOH等のスルホン酸残基、又は−SOH等のスルフィン酸残基を含む。
酸部分を有する重合性成分の例としては、グリセロールホスフェートモノ(メタ)アクリレート、グリセロールホスフェートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、HEMA)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシエチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシプロピルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシ)プロピルオキシホスフェート、(メタ)アクリルオキシヘキシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシヘキシル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシオクチルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシオクチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシデシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシデシル)ホスフェート、カプロラクトンメタクリレートホスフェート、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート、ポリ(メタ)アクリル化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリクロロホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリスルホネート、ポリ(メタ)アクリル化ポリホウ酸等が挙げられるが、これらに限定されない。酸ハロゲン化物又は無水物のような、例えば水と容易に反応して上述した特定の例を形成し得る、酸部分を支持するこれらの固化性成分の誘導体も想定される。
(メタ)アクリル酸、芳香族(メタ)アクリル化された酸(例えば、メタクリレート化されたトリメリット酸)等の不飽和カルボンのモノマー、オリゴマー、及びポリマー並びにこれらの無水物を使用することもできる。
これらの化合物の一部は、例えば、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレートとカルボン酸との間の反応生成物として得ることができる。酸官能性構成要素及びエチレン性不飽和構成要素の両方を有するこのタイプの追加の化合物は、米国特許第4,872,936号(Engelbrecht)及び同第5,130,347号(Mitra)に記載されている。エチレン系不飽和部分及び酸部分の両方を含有する多種多様のこのような化合物を使用することが可能である。必要に応じて、このような化合物の混合物を使用することができる。
(メタ)アクリレート官能化ポリアルケン酸の使用は、それらの成分が歯牙硬組織に対する接着力、均質な層の形成、粘度又は耐湿性のような特性を改善するのに有用であることが見出されたため、多くの場合好ましい。
一実施形態によれば、組成物は、(メタ)アクリレート官能化ポリアルケン酸、例えば、AA:ITA:IEM(ペンダントメタクリレートを有するアクリル酸:イタコン酸のコポリマー)を含む。
これらの成分は、例えばAA:ITAコポリマーを2−イソシアナトエチルメタクリレートと反応させて、コポリマーの酸基の少なくとも一部分をペンダントメタクリレート基に変換することにより作製することができる。これらの成分の生成のためのプロセスは、例えば、米国特許第5,130,347号(Mitra)の実施例11;並びに米国特許第4,259,075号(Yamauchi et al.)、同第4,499,251号(Omura et al.)、同第4,537,940号(Omura et al.)、同第4,539,382号(Omura et al.)、同第5,530,038号(Yamamoto et al.)、同第6,458,868号(Okada et al.)、並びに欧州特許出願公開第0712622 A1号(Tokuyama Corp.)及び同第1051961 A1号(Kuraray Co.,Ltd.)に列挙されているものに記載されている。
所望であれば、重合性モノマー(2)の2つ、3つ又はそれ以上の混合物を使用してもよい。
重合性モノマー(2)は、典型的には、以下の量で存在する。
−下限:少なくとも約1重量%、又は少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%、
−上限:約80重量%まで、又は約70重量%まで、又は約60重量%まで。
−範囲:約1〜約80重量%、又は約5〜約70重量%、又は約10〜約60重量%、
重量%は、全組成物の重量に対するものである。
本文書に記載した接着剤組成物は、場合により、酸性部分を有さない重合性モノマー(3)も含み得る。
重合性モノマー(3)は、固化性樹脂マトリクスの更なる成分を形成してもよい。
重合性モノマー(3)の性質及び構造は、いずれも、所望の結果が達成できないことがない限り、特に限定されない。
樹脂マトリクスは、成分(A2)のような酸部分を有さない1つ以上の固化性成分も含み得る。
この成分は、典型的には、エチレン性不飽和モノマー、モノマー、オリゴマー、又はポリマーを含むフリーラジカル重合性材料である。
好適な、酸性部分を有さない重合性成分は、以下の式により特徴付けることができる。
−B−A
(式中、Aは、(メタ)アクリル部分等のエチレン性不飽和基であり、
Bは、(i)場合により他の官能基(例えば、ハロゲン化物(Cl、Br、Iなど)、OH、又はこれらの混合物)で置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖C1〜C12アルキル、(ii)場合により他の官能基(例えば、ハロゲン化物、OH、又はこれらの混合物)で置換されていてもよいC6〜C12アリール、又は(iii)1つ以上のエーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、チオカルボニル、アミド、ウレタン、カルボニル、及び/又はスルホニル結合によって互いに結合している4〜20個の炭素原子を有する有機基、から選択され、
m、nは、n+mが0より大きく、即ち少なくとも1つのA基が存在することを条件として、独立して0、1、2、3、4、5又は6から選択される。
そのような重合性材料としては、モノ−、ジ−、又はポリ−アクリレート及びメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)と2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)との反応生成物であるUDMA(異性体の混合物、例えば、Rohm Plex 6661−0)と呼ばれるジウレタンジメタリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビス[1−(2−(メタ)アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート;分子量200〜500のポリエチレングリコールのビス−アクリレート及びビス−メタクリレート、アクリル化モノマーの共重合性混合物(例えば、米国特許第4,652,274号参照)、並びにアクリル化オリゴマー(例えば、米国特許第4,642,126号参照);並びにスチレン、コハク酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、及びフタル酸ジビニル等のビニル化合物;ウレタン、尿素、又はアミド基を含む多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。所望であれば、これらのフリーラジカル重合性物質の2つ以上の混合物が使用され得る。
これらエチレン性不飽和モノマーは、単独で又は他のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせて歯科用組成物で使用することができる。
ヒドロキシル部分を含むモノマーも加えることができる。好適な化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、ジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、並びに更には1,2−又は1,3−及び2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル−1,2−ジ(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイル−1,2−ジヒドロキシプロピルアミン、N−(メタ)アクリロイル−1,3−ジヒドロキシプロピルアミン、フェノール及びグリシジル(メタ)アクリレートの付加物、例えば、1−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
所望により、1つ以上のこれら成分の混合物を用いてもよい。
これら成分に加えて又はこれら成分の他に、添加し得る他の固化性成分としては、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレート、及びポリ(メタ)アクリレートウレタン(メタ)アクリレート等のオリゴマー性又はポリマー性化合物が挙げられる。これら化合物の分子量は、典型的に20,000g/モル未満、特に15,000g/モル未満、とりわけ10,000g/モル未満である。
レオロジー特性を調整するために、これらの成分の添加を用いることができる。
所望であれば、重合性モノマー(3)の2つ、3つ又はそれ以上の混合物を使用してもよい。
重合性モノマー(3)は、典型的には、以下の量で存在する。
−下限:少なくとも約0重量%、又は少なくとも約1重量%、又は少なくとも約5重量%、
−上限:約70重量%まで、又は約60重量%まで、又は約50重量%まで。
−範囲:約0〜約70重量%、又は約1〜約60重量%、又は約5〜約50重量%、
重量%は、全組成物の重量に対するものである。
本文書に記載した接着剤組成物は、溶媒も含み得る。
所望であれば、組成物の他の成分と認め得るほどには反応しない、任意の溶媒を使用することができる。
溶媒の添加は、組成物の粘度の調整に有利であり得る。組成物が歯科用接着剤として使用される場合、組成物は典型的には、溶媒を含む。
溶媒の例としては、水、直鎖、分枝鎖、又は環状の飽和又は不飽和アルコール類、ケトン類、エステル類、又は2〜10個のC原子を有する上記タイプの溶媒の2つ以上の混合物、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいアルコール性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール及びn−プロパノールが挙げられる。
他の好適な有機溶媒は、THF、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノール、トルエン、アルカン、及び酢酸アルキルエステル、特に酢酸エチルエステルである。
所望であれば、溶媒は、以下の量で存在してもよい。
−下限:少なくとも0重量%、又は少なくとも約1重量%、又は少なくとも約5重量%、
−上限:約40重量%まで、又は約30重量%まで、又は約20重量%まで、
−範囲:約0〜約40重量%、又は約1〜約30重量%、又は約5〜約20重量%、
重量%は、全組成物の重量に対するものである。
本文書に記載した接着剤組成物は、反応開始剤も含む。1つを超える反応開始剤成分が必要な場合、反応開始剤は反応開始剤系とも称される。
反応開始剤の性質は、所望の結果が達成できないことがない限り、特に限定されない。
反応開始剤系は、放射線、熱、又は両方の組み合わせにより重合を開始することが可能な系を含んでもよい。
フリーラジカル活性官能基を含む樹脂マトリクスの固化性成分の重合を開始できる反応開始剤の部類としては、場合により光増感剤又は促進剤と組み合わせられる、フリーラジカル生成光開始剤が挙げられる。
このような反応開始剤は、典型的には、約200〜約700nmの範囲の波長を有する光エネルギーへの曝露に基づき、付加重合するためのフリーラジカルを生成することが可能なものであり得る。
α開裂を受けることができる反応開始剤成分が、時には好ましい。
アシルホスフィンオキシドを反応開始剤、又は反応開始剤系の一部として使用することは、特に有用であると見出された。
好適なアシルホスフィンオキシドは、以下の式により特徴付けることができる。
(R−P(=O)C(=O)−R10
(式中、各Rは個々に、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルのようなヒドロカルビル基であり得、そのいずれもがハロ−、アルキル−、若しくはアルコキシ基で置換され得るか、又は2つのR基が結合してリン原子と共に環を形成することができ、式中、R10は、ヒドロカルビル基、S−、O−、若しくはN−含有5若しくは6員複素環基、又は−Z−C(=O)−P(=O)−(R基であり、式中、Zは2〜6個の炭素原子を有するアルキレン又はフェニレンのような二価のヒドロカルビル基を表している)。
好適な系は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,737,593号にも記載されている。
本発明に有用な好ましいアシルホスフィンオキシドは、R及びR10基が、フェニル、又は低級アルキル−若しくは低級アルコキシ−置換フェニルであるものである。「低級アルキル」及び「低級アルコキシ」とは、1〜4個の炭素原子を有するかかる基を意味する。アシルホスフィンオキシドは、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Lucirin(商標)TPO、BASF)であることが最も好ましい。
好適なビスアシルホスフィンオキシドは、以下の式によっても記載することができる。
Figure 2017506242
(式中、nは1又は2であり、R、R、R及びRは、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシル、F、Cl又はBrであり;互いに同一又は異なるR及びRは、F、Cl、Br、I、C1〜4アルキル及び/又はC1〜4アルコキシルで置換されたシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル、若しくはビフェニリルラジカル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、若しくはビフェニリルラジカル、又はS若しくはN含有5員若しくは6員複素環式環を表し;又はR及びRは連結されて、4〜10個の炭素原子を含み、かつ場合により1〜6個のC1〜4アルキルラジカルで置換された環を形成する。)
より特定の例としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナプチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルホスフィンオキシド、ビス−(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキシド、ビス−(2−メトキシ−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキシド及びビス−(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。
アシルホスフィンオキシドビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE(商標)819、Ciba Specialty Chemicals,Tarrytown,NY)が好ましい場合がある。
三級アミン還元剤を、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。本発明で有用な三級アミンの具体例としては、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDMAB)及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)が挙げられる。
400nm超〜1200nmの波長で照射された際にフリーラジカル開始可能な、市販のホスフィンオキシド光開始剤としては、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの、重量比が25:75の混合物(IRGACURE(商標)1700、Ciba Specialty Chemicals)、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(IRGACURE(商標)369、Ciba Specialty Chemicals)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタン(IRGACURE(商標)784 DC、Ciba Specialty Chemicals)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの、重量比が1:1の混合物(DAROCUR(商標)4265、Ciba Specialty Chemicals)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(LUCIRIN(商標)LR8893X、BASF Corp.,Charlotte、NC)が挙げられる。
多様な可視又は近赤外光開始剤系も、フリーラジカル重合性材料の光重合のために使用されてもよい。
例えば、アミン及びα−ジケトンの2成分系によって重合を開始する系から選択された光開始系を使用してもよい。そのような系は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,071,424号及び国際公開第2009151957号に記載されている。
あるいは、樹脂は3成分又は3元の光開始剤系と組み合わされてもよい。好適な系は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,545,676号及び国際公開第2009151957号に記載されている。
3元の光開始剤系では、第1の成分は、ヨードニウム塩、即ち、ジアリールヨードニウム塩である。ヨードニウム塩は、増感剤及び供与体の存在下でモノマー中に溶解されるとき、好ましくはモノマー中に可溶性であり、また貯蔵安定性である(即ち、自発的に重合を促進しない)。それ故、特定のヨードニウム塩の選択は、選択された特定のモノマー、ポリマー又はオリゴマー、増感剤及び供与体にある程度依存し得る。好適なヨードニウム塩は、米国特許第3,729,313号、同第3,741,769号、同第3,808,006号、同第4,250,053号、及び同第4,394,403号に記載されており、該特許のヨードニウム塩に関する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。ヨードニウム塩は、単塩(例えば、Cl、Br、I又はCSO のようなアニオンを含有する)、又は金属錯塩(例えば、SbFOH又はAsF を含有する)であり得る。所望により、ヨードニウム塩の混合物を使用することができる。好ましいヨードニウム塩には、ジフェニルヨードニウム塩、例えば、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート及びジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレートが挙げられる。
3元の光開始剤系の第2の成分は、増感剤である。増感剤は望ましくは、モノマー中に可溶性であり、400より大きく1200ナノメートルまで、より好ましくは400より大きく700ナノメートルまで、及び最も好ましくは400より大きく約600ナノメートルまでの波長範囲内のいずれかで光吸収ができる。増感剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,729,313号に記載される試験手順を用いて、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンの増感が可能であり得る。好ましくは、この試験に合格することに加えて、増感剤はまた、貯蔵安定性をある程度考慮して選択される。したがって、特定の増感剤の選択は、選択された特定のモノマー、オリゴマー又はポリマー、ヨードニウム塩及び供与体にある程度依存し得る。
好適な増感剤には、以下の範疇の化合物:ケトン、クマリン染料(例えば、ケトクマリン)、キサンテン染料、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン、芳香族多環式炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリルメタン、メロシアニン、スクアリリウム染料及びピリジニウム染料を挙げることができる。ケトン(例えば、モノケトン又はα−ジケトン)、ケトクマリン、アミノアリールケトン、及びp−置換アミノスチリルケトン化合物が、好ましい増感剤である。高い感度を必要とする用途においては、ジュロリジニル部分を含有する増感剤を用いるのが好ましい。高度の硬化(例えば、高度充填コンポジットの硬化)を必要とする用途の場合、光重合に望ましい照射波長で、約1,000未満、より好ましくは約100未満の減衰係数を有する増感剤を用いるのが好ましい。あるいは、照射の際の励起波長において光吸収の低減を示す染料が使用され得る。
例えば、ケトン増感剤の好ましい部類は次の式を有する:ACO(X)B(式中、XはCO又はCRであり、R及びRは同一又は異なることができ、水素、アルキル、アルカリル、又はアラルキルにすることができ、bは0又は1であり、A及びBは同一又は異なり、置換されていてもよく(1つ以上の非干渉置換基を有する)、又は置換されていないアリール基、アルキル基、アルカリル基、若しくはアラルキル基であるか、又はA及びBが環状構造を形成してもよく、これは置換又は非置換脂環式、芳香族、複素環式芳香族、又は縮合芳香族環であってもよい)。
上記式の好適なケトンとしては、2,2−、4,4−又は2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ジ−2−ピリジルケトン、ジ−2−フラニルケトン、ジ−2−チオフェニルケトン、ベンゾイン、フルオレノン、カルコン、ミヒラーケトン、2−フルオロ−9−フルオレノン、2−クロロチオキサントン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、1−又は2−アセトナフトン、9−アセチルアントラセン、2−、3−又は9−アセチルフェナントレン、4−アセチルビフェニル、プロピオフェノン、n−ブチロフェノン、バレロフェノン、2−、3−又は4−アセチルピリジン、3−アセチルクマリン等のようなモノケトン(b=0)が挙げられる。好適なジケトンとしては、アントラキノン、フェナントレンキノン、o−、m−及びp−ジアセチルベンゼン、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−及び1,8−ジアセチルナフタレン、1,5−、1,8−及び9,10−ジアセチルアントラセン等のようなアラルキルジケトンが挙げられる。好適なα−ジケトン(b=1及びX=CO)には、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、ベンジル、2,2’−3 3’−及び4,4’−ジヒドロキシルベンジル、フリル、ジ−3,3’−インドリルエタンジオン、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、ビアセチル、1,2−シクロヘキサンジオン、1,2−ナフタキノン、アセナフタキノン等が挙げられる。
3元の反応開始剤系の第3の成分は、供与体である。好ましい供与体としては、例えば、アミン(アミノアルデヒド及びアミノシランを含む)、アミド(ホスホルアミドを含む)、エーテル(チオエーテルを含む)、尿素(チオ尿素を含む)、フェロセン、スルフィン酸及びそれらの塩、フェロシアニドの塩、アスコルビン酸及びその塩、ジチオカルバミン酸及びその塩、キサントゲン酸塩、エチレンジアミン四酢酸の塩、並びにテトラフェニルボロン酸の塩が挙げられる。供与体は、非置換であることも、又は1つ以上の非干渉置換基により置換されることもできる。特に好ましい供与体は、窒素、酸素、リン、又はイオウ原子のような電子供与体原子、及び電子供与体原子に対してα位置にある炭素原子又はシリコン原子に結合された抽出可能な水素原子を含有する。様々な種類の供与体が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,545,676号に開示されている。
本文書に記載した歯科用組成物において、代わりに使用できる別のフリーラジカル反応開始剤系としは、ボレートアニオン及び相補的なカチオン染料を含むイオン性染料対イオン錯体反応開始剤の部類が挙げられる。
ボレート塩の光開始剤は、例えば、米国特許第4,772,530号、同第4,954,414号、同第4,874,450号、同第5,055,372号、及び同第5,057,393号に記載されており、該特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
これらの光開始剤に有用なボレートアニオンは、一般に、式R-であり、式中、R、R、R、及びRは、独立して、アルキル、アリール、アルカリル、アリル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、脂環式及び飽和又は不飽和の複素環基であり得る。好ましくは、R、R、及びRはアリール基であり、より好ましくはフェニル基であり、Rは、アルキル基であり、より好ましくは二級アルキル基である。
カチオン対イオンは、カチオン染料、四級アンモニウム基、遷移金属配位錯体等であり得る。対イオンとして有用なカチオン染料は、カチオン性のメチン、ポリメチン、トリアリールメチン、インドリン、チアジン、キサンテン、オキサジン又はアクリジン染料であり得る。より具体的には、染料は、カチオン性のシアニン、カルボシアニン、ヘミシアニン、ローダミン、及びアゾメチン染料であってもよい。有用なカチオン染料の具体例には、メチレンブルー(Methylene Blue)、サフラニン(Safranine)O、及びマラカイトグリーン(Malachite Green)が挙げられる。対イオンとして有用な四級アンモニウム基は、トリメチルセチルアンモニウム、セチルピリジニウム、及びテトラメチルアンモニウムであり得る。他の有機親和性カチオンには、ピリジニウム、ホスホニウム、及びスルホニウムを挙げることができる。
使用されてもよい感光性遷移金属配位錯体としては、ピリジン、2,2’−ビピリジン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチルフェナントロリン、2,4,6−トリ(2−ピリジル−s−トリアジン)及び関連した配位子等の配位子を有するコバルト、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、及びイリジウムの錯体が挙げられる。
更なる代替案において、固化、又はフリーラジカル活性基の重合を開始するために、熱を使用してもよい。本文書に記載した歯科用材料に好適な熱供給源の例としては、誘導、対流、及び放射が挙げられる。熱源は、少なくとも40℃〜15℃の温度を生成することが可能である必要がある。この手順は、時には、口外の環境で起こる材料の重合を開始させるのに好ましい。
本文書に記載した歯科用材料のために有用である、フリーラジカル活性官能基の重合を開始できる反応開始剤の更に別の代替的部類は、フリーラジカル生成熱開始剤を含む。例としては、過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル及び過酸化ラウリル、並びにアゾ系化合物、例えば2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)が挙げられる。
硬化された組成物の色が重要である場合、望ましくない変色をもたらさない反応開始剤系を使用する必要がある。以下の成分を含む反応開始剤系は、特に有用であることが見出された:モノアシルホスフィンオキシド及び/又はビスアシルホスフィンオキシド。
反応開始剤系(それぞれの反応開始剤成分を含む)は、典型的には、以下の量で存在する。
−下限:少なくとも約0.1重量%、又は少なくとも約0.2重量%、又は少なくとも約0.3重量%、
−上限:最高約10重量%、又は最高約8重量%、又は最高約6重量%、
−範囲:約0.1〜約10重量%、又は約0.2〜約8重量%、又は約0.03〜約6重量%、
重量%は、全組成物の重量に対するものである。
本文書に記載した接着剤組成物は、フィラーも含み得る。
フィラーの添加は、例えば粘度のようなレオロジー特性を調整するのに有利であり得る。フィラーの含有量は、典型的には、硬さ又は曲げ強度のような、固化後の組成物の物理的特性にも影響を与える。
フィラーの化学的性質は、意図する目的が達成できないことがない限り、特に限定されない。
フィラー粒子は、樹脂マトリクスを形成する硬化性成分との均質混合物を得ることができるような寸法であるべきである。
フィラーの粒子サイズは、約0.001〜約10μmの範囲内であってもよい。
フィラー(1つ又は複数)は、典型的には、非酸反応性フィラーを含む。非酸反応性フィラーは、酸と酸/塩基反応をしないフィラーである。
有用な非酸反応性フィラーとしては、フュームドシリカ、石英、粉末ガラス、CaF等の非水溶性フッ化物、ケイ酸等のシリカゲル、特に発熱性ケイ酸及びその粒状体、クリストバライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、分子ふるいを含むゼオライト、硫酸バリウム、フッ化イットリウムが挙げられる。
好適なフュームドシリカとしては、例えば、Aerosil(商標)シリーズOX−50、−130、−150、及び−200の商標名で販売されている製品、Degussa AG(Hanau,Germany)から入手可能なAerosil R8200、Cabot Corp(Tuscola,Ill.)から入手可能なCAB−O−SIL(商標)M5、並びにWackerから入手可能な、例えばHDK−H 2000、HDK H15、HDK H18、HDK H20、及びHDK H30等のHDKタイプが挙げられる。
シリカ粒子の平均表面積は、好ましくは約15m/g超、より好ましくは約30m/g超である。
使用できるフィラーとしては、ナノサイズシリカ等のナノサイズフィラーも挙げられる。
好適なナノサイズ粒子は、典型的には、約5〜約80nmの範囲内の平均粒子サイズを有する。
好ましいナノサイズシリカは、Nalco Chemical Co.(Naperville,Ill.)(商品名NALCO COLLOIDAL SILICAS(例えば、好ましいシリカ粒子は、NALCO製品1040、1042、1050、1060、2327及び2329から得ることができる)として)、Nissan Chemical America Company Houston,Texas(例えば、SNOWTEX−ZL、−OL、−O、−N、−C、−20L、−40、及び−50);Admatechs Co.,Ltd.,Japan(例えば、SX009−MIE、SX009−MIF、SC1050−MJM、及びSC1050−MLV);Grace GmbH & Co.KG,Worms,Germany(例えば、商品名LUDOX、例えば、P−W50、P−W30、P−X30、P−T40及びP−T40ASとして入手可能なもの);Akzo Nobel Chemicals GmbH(Leverkusen,Germany)(例えば、商品名LEVASIL、例えば、50/50%、100/45%、200/30%、200A/30%、200/40%、200A/40%、300/30%及び500/15%として入手可能なもの)、及びBayer MaterialScience AG(Leverkusen,Germany)(例えば、商品名DISPERCOLL S、例えば、5005、4510、4020及び3030として入手可能なもの)から市販されている。
歯科用材料に入れる前にナノサイズシリカ粒子を表面処理することにより、樹脂中により安定して分散させることができる。好ましくは、表面処理は、粒子が硬化性樹脂の中に良好に分散されるようにナノサイズの粒子を安定化させ、その結果組成物を実質的に均質にする。更には、シリカがその表面の少なくとも一部分にわたって表面処理剤により改質され、硬化中に安定化された粒子が固化性樹脂と共重合できる、ないしは別の方法で反応できることが好ましい。
それ故、シリカ粒子に加えて他の好適な非酸反応性フィラーは、レジン相溶化表面処理剤で処理してよい。
特に好ましい表面処理剤又は表面改質剤としては、樹脂と重合することが可能なシラン処理剤が挙げられる。好ましいシラン処理剤としては、Witco OSi Specialties(Danbury,Conn.)から市販されている商品名A−174で市販のγ−メタクリルオキシルプロピルトリメトキシシラン、及びUnited Chemical Technologies(Bristol,Pa.)から商品名G6720で入手可能な製品であるγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
あるいは、表面改質剤の組み合わせが有用な可能性があり、剤の少なくとも1つは、固化性樹脂と共重合可能な官能基を有する。例えば、重合化基は、エチレン不飽和であるか、又は開環重合を起こす環式官能基にすることができる。エチレン不飽和重合化基は、例えば、アクリレート基若しくはメタクリレート基、又はビニル基にすることができる。開環重合を起こす環式官能基には一般に、酸素、硫黄、又は窒素のようなヘテロ原子が含まれており、好ましくは、エポキシドのように酸素が含まれている3員環である。固化性樹脂と一般に反応しない他の表面改質剤が、分散性又はレオロジー特性を強化するために含まれ得る。このタイプのシランの例としては、例えば、アルキル若しくはアリールポリエーテルシラン、アルキルシラン、ヒドロキシアルキルシラン、ヒドロキシアリールシラン、又はアミノアルキル官能性シランが挙げられる。
無機材料に加えて、フィラーは、有機材料を原料としてもよい。好適な有機フィラー粒子の例としては、充填又は非充填粉砕ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエポキシド等が挙げられる。
所望であれば、フィラー粒子の粒子サイズの測定をTEM(透過電子顕微鏡法)の方法で行ってもよく、該方法により集団が分析されて平均粒径を得る。
粒径測定の好ましい方法を以下のように説明することができる。
厚さ約80nmの試料を、炭素安定化フォルムバール基板(Structure Probe,Inc.,West Chester,PA、構造プローブ部門(a division of Structure Probe))付き200メッシュの銅グリッド上に配置する。透過型電子顕微鏡写真(TEM)を、200KVでJEOL 200CX(JEOL,Ltd.(Akishima,Japan)及びJEOL USA,Inc.により販売)を使用して得る。約50〜100粒子の集団寸法を測定することができ、平均直径を判定する。
フィラーマトリクスに使用されるフィラーの量は、通常、組成物が使用されるべき目的によって異なる。
フィラーは、典型的には、以下の量で存在する。
−下限:少なくとも約0重量%、又は少なくとも約1重量%、又は少なくとも約2重量%、
−上限:約14重量%まで、又は約10重量%まで、又は約8重量%まで、
−範囲:約0〜約14重量%、又は約1〜約10重量%、又は約2〜約8重量%、
重量%は、全組成物の重量に対するものである。
本文書に記載した接着剤組成物は、添加剤も含み得る。
上述した成分に加えて、本文書に記載した歯科用組成物は、更に、以下の添加剤の1つ、2つ又はそれ以上を含んでもよい。
−POMではない、x線可視粒子、
−色素、
−光漂白性着色剤、
−フッ化物剥離剤、
−安定剤、
−遅延剤、
及びこれらの混合物。
本文書に記載した歯科用組成物中に既に含まれているPOMに加えて存在し得る好適なx線可視粒子としては、イットリウム、イッテルビウム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、タングステン、ビスマス、モリブデン、スズ、亜鉛、ランタニド元素(即ち、57〜71の範囲(57と71を含む)の原子番号を有する元素)、セリウムの酸化物、及びそれらの組み合わせのような金属酸化物の粒子が挙げられる。最も好ましくは、原子番号が30より大きいが72未満である重金属の酸化物が、場合により本発明の材料に含まれる。放射線不透過性を付与する特に好ましい金属酸化物としては、酸化ランタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化セリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
用いることができる顔料の例としては、二酸化チタン又は硫化亜鉛(リトポン)、ベンガラ3395、Bayferrox 920 Z Yellow、Neazopon Blue 807(銅フタロシアニン系染料)又はHelio Fast Yellow ERが挙げられる。これら添加剤は、歯科用組成物の個々の着色剤として使用することができる。
存在し得る光漂白性着色剤の例としては、ローズベンガル、メチレンバイオレット、メチレンブルー、フルオレセイン、エオシンイエロー、エオシンY、エチルエオシン、エオシンブルーイッシュ、エオシンB、エリトロシンB、エリトロシンイエローイッシュブレンド、トルイジンブルー、4’,5’−ジブロモフルオレセイン、及びこれらのブレンドが挙げられる。光漂白性着色剤の更なる例は、米国特許第6,444,725号に見出すことができる。本発明の組成物の色は、増感化合物によって更に付与され得る。
存在し得るフッ化物剥離剤の例、天然又は合成フッ化物鉱物が挙げられる。これらフッ化物源は、場合により、表面処理剤で処理されてもよい。
添加することのできる更なる添加剤としては、安定剤、特にフリーラジカルスカベンジャー、例えば、置換及び/又は非置換のヒドロキシ芳香族化合物(例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エトキシフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(ジメチルアミノ)メチルフェノール又は2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(UV−9)、2−(2’−ヒドロキシ−4’,6’−ジ−tert−ペンチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、フェノチアジン、及びHALS(ヒンダードアミン光安定剤)が挙げられる。
添加することのできる更なる添加剤としては、遅延剤、(例えば1,2−ジフェニルエチレン)、可塑剤(ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール、低分子量ポリエステル、ジブチル、ジオクチル、ジノニル及びフタル酸ジフェニル、ジ(イソノニルアジパート)、リン酸トリクレシル、パラフィン油、三酢酸グリセロール、ビスフェノールAジアセテート、エトキシル化ビスフェノールAジアセテート、並びにシリコーン油を含む)、風味料、抗菌剤、芳香剤、蛍光及び/又は乳白光を付与する剤、並びにフッ化物剥離剤が挙げられる。
しかしながら、添加剤が存在する必要はなく、存在する場合は、添加剤は、典型的には、以下の量で存在する。
−下限:少なくとも約0重量%、又は少なくとも約0.01重量%、又は少なくとも約0.1重量%、
−上限:約5重量%まで、又は約4重量%まで、又は約3重量%まで、
−範囲:約0〜約5重量%、又は約0.01〜約4重量%、又は約0.1〜約3重量%、
重量%は、全組成物の重量に対するものである。
更なる実施形態によれば、本文書に記載した歯科用接着剤組成物は、以下のように記載される。
−重合性モノマー(1):約5〜約85重量%、又は約10〜約80重量%、又は約15〜約70重量%、
−重合性モノマー(2):約1〜約80重量%、又は約5〜約70重量%、又は約10〜約60重量%、
−重合性モノマー(3):0〜約40重量%、又は約1〜約30重量%、又は約5〜約20重量%、
−溶媒:0〜約40重量%、又は約1〜約30重量%、又は約5〜約20重量%、
−反応開始剤:約0.1〜約10重量%、又は約0.2〜約8重量%、又は約0.3〜約6重量%、
−フィラー:約0〜約14重量%、又は約0.1〜約10重量%、又は約1〜約8重量%、
−添加剤:0〜約5重量%、又は約0.01〜約4重量%、又は約0.1〜約3重量%、
重量%は、全組成物の重量に対するものである。
本文書に記載した歯科用接着剤組成物は、以下のように製造することができる。
−それぞれの成分を提供し、
−成分を混合する。
混合は、施術者に既知の任意の手段を使用することにより達成することができる。即ち、接着剤組成物は、単にそれぞれの成分を一緒にし、それらを混合することにより、1ポット合成にて調製することができる。
所望であれば、製造プロセスは、組成物の望ましくない重合を避けるため、光節約(save light)条件下で行われる。
本文書に記載した歯科用組成物は、典型的には、使用時まで容器内で保存される。製剤に応じて、様々な容器が使用され得る。
組成物は、1成分系の形態で、又は2成分系として、提供され得る。これは、典型的には、選択される反応開始剤系に依存する。組成物が放射線硬化性であるため、組成物は通常、1成分系として提供される。
粘性の低い組成物は、バイアル、瓶又はブリスター内に保存され得る。
好適なバイアルは、例えば欧州特許第0944364 B1号及び国際公開第2011/056814 A1号に記載されている。バイアル又は瓶の説明に関するこれら文献の内容は、参照により組み込まれる。
粘性の低い組成物はまた、2つのシートから形成された容器内に保存されてもよく、該シートは、熱シールにより互いに接続され、協働して液体を受容する区画を形成し、またブラシを受容するためのポケット、即ちブリスターを形成する。これらの種類のデバイスは、例えば米国特許第6,105,761号に記載されている。
容器の体積は、典型的には、約0.1〜約100mL、又は約0.5〜約50mL、又は約1〜約30mLの範囲である。
本文書に記載した発明は、パーツキットも対象とする。
そのようなキットは、典型的には、本文書に記載した歯科用接着剤組成物、歯科用コンポジット又は充填材料、場合により適用デバイス(例えば、ブラシ又は注射器)、及び場合により使用説明書を含む。
使用説明書は、典型的には、どのようにして、またどのような条件下で歯牙硬組織の表面に適用しなければならないかの、施術者に対する心得を含む。
本発明は、歯科用材料としての、又は歯科分野における使用のための、本文書に記載した組成物の使用にも関する。
歯科用組成物は、典型的には、患者の口内で使用され、天然歯に隣接して配置される。本明細書で使用するとき、成句「隣接して配置された」は、歯科用材料を天然歯と、一時的又は永久的に結合するため(例えば、接着)、又は接触タッチさせるため(例えば、咬合又は基端側に)に配置することを指す。用語「シーラント」は、本明細書で使用するとき、歯に隣接して配置された後に硬化される、軽く充填された歯科用コンポジット又は未充填歯科用材料を指す。
本文書に記載した組成物の典型的な適用プロセスは、典型的には、以下の工程を所望の順序で含む。
組成物を提供する工程と、
組成物を歯牙硬組織、特にその表面と接触するように配置する工程と、
重合プロセスを開始するのに十分な時間(例えば、約5〜約20秒間)、例えば放射線(例えば、可視光)を組成物に印加することによって該組成物を硬化させる工程。
組成物が自己接着性組成物として提供される場合、一般に、予めエッチング工程を行ったりボンディング剤/プライマーを使用したりする必要はない。
放射線の印加に好適なツールとしては、歯科用硬化光が挙げられる。好適な歯科用硬化光は、例えば米国特許第2005/0236586号に記載されている。この書類の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。好適な歯科用硬化光はまた、例えば商標Elipar(商標)S10(3M ESPE)で市販されている。
特定の実施形態によれば、本文書に記載した歯科用組成物は、以下のように特徴付けられる。
−約5〜約85重量%の量の、本文書に記載した式により表される重合性モノマー(1)(1つ又は複数)
−約1〜約80重量%の量の、本文書に記載した式により表される重合性モノマー(2)(1つ又は複数)
−放射線硬化反応開始剤(1つ又は複数)、
−約0〜約10重量%の量のシリカフィラー(1つ又は複数)。
本発明の歯科用組成物で使用される全ての成分は、十分に生体適合性である必要があり、即ち、組成物は、生体組織の中に有毒な、有害な、又は免疫的な反応を生成しない必要がある。
本明細書に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示内容は、あたかもそれぞれが個々に組み込まれたのと同様に、それら全体が参照により組み込まれる。本発明の範囲及び趣旨を逸脱せずに、本発明の様々な修正及び改善が当業者には明らかとなるであろう。上記の明細書、実施例、及びデータは、本発明の組成物及び方法の、製造及び使用についての説明を提供する。本発明は、本明細書に開示される実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の多くの代替的実施形態を行うことができることを理解するであろう。
以下の実施例は例示のために与えられるが、本発明の範囲を限定するものではない。特に断らない限り、全ての部及び百分率は重量基準である。
別途記載のない限り、全ての部及びパーセンテージは重量基準であり、全ての水は脱イオン水であり、全ての分子量は重量平均分子量である。更に、別途記載のない限り、全ての実施例は、周囲条件(23℃、1013mbar(101.3kPa))で行われた。更に、ほとんど全てのプロセス工程を乾燥空気の雰囲気下で実施する。
保存安定性
所望であれば、保存安定性は以下のように決定することができる。組成物を高温及び/又は異なる周囲湿度レベルで、意図される包装物内に保存する。特定の時間間隔で、接着力、視覚的外観、又は機械的強度等の特性を決定する。経年劣化を加速するために、例えば、50℃での保存を用いてもよい。
接着力1(Ad1)
所望であれば、新たに調製した歯科用製剤の象牙質又はエナメル質に対する初期接着力をISO/FDIS 29022:2012(E)に従って決定してもよい。
接着力2(Ad2)
所望であれば、温度50℃で4ヶ月保存した、経年劣化が加速された歯科用製剤の、象牙質又はエナメル質対する接着力の保存安定性を、ISO/FDIS 29022:2012(E)に従って決定してもよい。
略語
用いた成分の名称及び/又は構造を表1に示す。
Figure 2017506242
Figure 2017506242
Figure 2017506242
Figure 2017506242
Figure 2017506242
Figure 2017506242
Figure 2017506242
Figure 2017506242
一般的手順A:ハロゲン化アルコール(例えば3−クロロ−1−プロパノール)とのジヒドロキシベンゼン(例えばレゾルシノール)若しくはヒドロキシアルキルフェノール(例えばチロソール)ヒドロキシ安息香酸(例えばmHB)のエーテル化による、又はヒドロキシ安息香酸(例えばmHB)の求核エステル化(Nucleophilic Esterification)によるジオール前駆体(例えばOR又はE2T)の合成
対応するジヒドロキシベンゼン又はヒドロキシアルキルフェノール、及び対応するハロゲン化アルコール(1つ又は複数)の水溶液に、アルカリ性水酸化物(例えばNaOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばNa2CO3)又はアンモニアの水溶液を還流下で加える。場合により、合成は保護ガス雰囲気(例えば窒素)下で行ってもよい。
あるいは、IPA又はtBuOHを溶媒として使用し、固体アルカリ性水酸化物(例えばKOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばNa2CO3)を塩基として使用してもよい。
ジヒドロキシベンゼン又はジヒドロキシベンゼンモノエステル(例えばRAc)に関して、第1の反応工程で、1当量の塩基と1/2のハロゲン化アルコール(1つ又は複数)とをジヒドロキシベンゼン又はジヒドロキシベンゼンモノエステルと反応させ、その後、第2の反応工程で、もう1当量の塩基と残りの1/2のハロゲン化アルコール(1つ又は複数)とを反応させる、続く反応パターンも可能である(ジヒドロキシベンゼンモノエステルが使用され、第1の反応工程後、第2の反応工程が起き得る前に、エステル加水分解、例えば塩基エステル加水分解を行う必要がある場合)。
還流下で一晩撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、水を溶媒として使用した場合、反応混合物を抽出した(例えばMTBE又はEA又はMEK)。場合により、反応混合物はそのまま抽出されてもよく、又は、有機相を分離し、水相のみを抽出してもよく、その後、有機相を抽出物と組み合わせてもよい。場合により、組み合わせた有機相をアルカリ性(例えばNaOH)水溶液、及び/又酸(例えばH2SO4)水溶液、及び/又は水で抽出してもよい。
IPA又はtBuOHが溶媒として使用される場合、最初に反応混合物を濾過して沈殿を除去し、次いで溶媒を真空中で除去し、次いで残留物を、上述したように水に対して抽出する。
ヒドロキシ安息香酸が構築ブロックとして使用される場合、最初に反応混合物を酸(例えばH2SO4)水溶液で酸性化し、次いで上述したように水に対して抽出して、ヒドロキシアルコキシ安息香酸のエーテル化生成物、及び/又は求核エステル化生成物ヒドロキシ安息香酸ヒドロキシアルキルエステルを単離する。
場合により、組み合わせた有機相を、シリカ又はアルミナを通して濾過し、及び/又は炭と共に撹拌して改善された脱色を達成する。無水Na2SO4上で乾燥し、濾過した後、溶媒を真空中で除去する。
あるいは、Houben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie,Band VI/3 Teil 3,Sauerstoffverbindungen 1,4.Auflage,1965,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,p.55に従ったいわゆるカーボネート方法によるアルキル化、又はHouben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie,Band VI/3 Teil 3,Sauerstoffverbindungen 1,4.Auflage,1965,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,p.59に従ったモノ若しくはジアシル化ジヒドロキシベンゼン(例えばRAc又はRAc2)の脱アシルアルキル化も可能である。
一般的手順B:既にアルコキシル化されたジヒドロキシベンゼン(例えばエトキシル化レゾルシノール)の、ハロゲン化アルコール(例えば3−クロロ−1−プロパノール)とのエーテル化によるジオール前駆体(例えばOER)の合成
保護ガス雰囲気(例えば窒素)下、対応する既にアルコキシル化されたジヒドロキシベンゼンと、対応するハロゲン化アルコール(1つ又は複数)との混合物に、例えばTHF又はtBuOH中のKOtBuの溶液を高温(例えば80℃)でゆっくり加える。高温で一晩撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、沈殿を濾過により分離し、溶媒を真空中で濾液から除去する。場合により、この残留物を、一般的手順Aに記載した水性処理により更に精製してもよい。
一般的手順C:炭酸エチレンとのヒドロキシアルキルフェノール(例えばチロソール)のエーテル化によるエトキシル化ジオール前駆体(例えばET)の合成
対応するヒドロキシアルキルフェノール及び炭酸エチレンのIPA又はtBuOH溶液に、固体(solide)アルカリ性水酸化物(例えばKOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばK2CO3)又はアルカリ性tert−ブトキシド(例えばKOtBu)を加え、反応混合物を還流下で一晩撹拌する。場合により、合成は保護ガス雰囲気(例えば窒素)下で行ってもよい。
反応混合物を室温に冷却し、溶媒を真空中で除去した後、残留物を水に対して抽出し、更に一般的手順Aに記載したように処理する。場合により、水を溶媒として使用して、単離生成物を結晶化により更に精製してもよい。
一般的手順D:ジヒドロキシベンゼン(例えば4−tert−ブチルカテコール)又はヒドロキシアルキルフェノール(例えばチロソール)又はヒドロキシ安息香酸(例えばmHB)又は既にエーテル化され及び/又は求核エステル化されたヒドロキシ安息香酸(例えばOmHB)の、エポキシ(例えばGP又はGMA)に対する開環下での付加によるジオール前駆体(例えばPGT)の合成
溶媒ベースの経路:対応するヒドロキシアルキルフェノール(例えばチロソール)及びアルカリ性水酸化物(例えばNaOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばNa2CO3)又はアンモニアの水溶液に、エポキシ(例えばGP)を還流下で加える。場合により、合成は保護ガス雰囲気(例えば窒素)下で行ってもよい。場合により、この合成は、IPA又はHOtBuを溶媒として使用し、固体アルカリ性水酸化物(例えばKOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばK2CO3)又はアルカリ性tert−ブトキシド(例えばKOtBu)を使用して行ってもよい。還流下で一晩撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、この反応混合物を抽出し、更に、一般的手順Aに記載したように処理する。
無溶媒経路:対応するジヒドロキシベンゼン(例えば4−tert−ブチルカテコール)とエポキシ(例えばGMA)との混合物に触媒(例えばPPh又はTEA)を撹拌下で加え、反応混合物を高温に暖める。場合により、合成は不活性ガス雰囲気(例えば窒素)下で行ってもよい。高温で一晩撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、この反応混合物を抽出し、更に、一般的手順Aに記載したように処理する。
場合により、単離生成物を、水を溶媒として使用する結晶化、又は、異なる極性の有機溶媒を使用した続く分画有機−有機抽出によって更に精製してもよい。
一般的手順E:不飽和酸(例えばMA)とのジオール前駆体(例えばOR)の酸触媒(例えばMSA)によるエステル化
例えばシクロヘキサン又はヘキサン/トルエン混合物又はシクロヘキサン/トルエン混合物BHT、HQME、場合により、メチレンブルー及び/又はHQ中の対応するジオール前駆体に触媒(例えばMSA)及び不飽和酸(例えばMA)を加える。Dean Starck装置を使用して、還流下で水を除去する。反応の完了後、粗反応混合物を4N NaOH溶液又は2N NaOH溶液で少なくとも2回抽出し、次いで水で少なくとも1回洗浄し、次いで無水Na2SO4上で乾燥する。濾過後、場合により、塩基性アルミナを通して濾液を濾過する。100〜300ppmのBHT及び100〜300ppmのHQMEを濾液に加える。次いで、粗試料に空気をバブリングしている間、溶媒を真空中で除去する。
R−MA(比較例1):
文献米国特許第3,853,962号、実施例1に従った合成。
BisGMA(比較例2):
市販のモノマー。
ER−MA(比較例3):
一般的手順Eに従って、118.6gのER、13.0gのMSA、及び150.3gのMAを反応させて、148.2gのER−MAを黄色油として与え、これは室温で容易に結晶化して無色固体となった(m.p.>60℃)。
EH−MA(比較例4):
一般的手順Eに従って、118.6gのEH、13.0gのMSA、及び150.3gのMAを反応させて、合成の直後、118.3gのEH−MAを無色固体としてを与えた(m.p.>80℃)。
EER−MA(本発明の実施例1):
一般的手順Aの続く反応パターンに従って、最初に50.0gのレゾルシノール、27.5gのNaOH、及び55.4gの2−クロロ−1−エタノールを155mLの水中、反応温度40℃で一晩反応させ、次いで75.0gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノールと44.4mLの水に溶解した27.5gのNaOHとを還流下で加え、反応混合物を一晩還流下で保って78.2gのEERを与えた。一般的手順Eに従って、74.0gのEER、5.20gのMSA、及び78.9gのMAを反応させて、105.5gのEER−MAを与えた。
OER−MA(本発明の実施例2):
一般的手順Bに従って、60.0gのエトキシル化レゾルシノール(ER)、31.5gの3−クロロ−1−プロパノール、及び165.4gの1.7M KOtBuのTHF溶液を反応させて、63.5gのOERを与えた。一般的手順Eに従って、85.0gのOER、5.80gのMSA、及び85.7gのMAを反応させて、117.6gのOER−MAを与えた。
OOR−MA(本発明の実施例3):
一般的手順Bに従って、20.0gのOR、8.53gの3−クロロ−1−プロパノール、及び88.4mLのHOtBu中の1M KOtBuの溶液を反応させて、20.3gのOORを与えた。一般的手順Eに従って、17.0gのOOR、1.10gのMSA、及び15.4gのMAを反応させて、23.2gのOOR−MAを与えた。
OE2R−MA(本発明の実施例4):
一般的手順Aに従って、51.0gのレゾルシノール、47.7gのNaOH、69.2gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノール、及び51.5gの3−クロロ−1−プロパノールを200mLの水中で反応させて、93.5gのOE2Rを与えた。一般的手順Eに従って、55.0gのOE2R、3.80gのMSA、及び55.4gのMAを反応させて、71.4gのOE2R−MAを与えた。
HOR−MA(本発明の実施例5):
一般的手順Aに従って、51.0gのレゾルシノール、47.7gのNaOH、75.9gの6−クロロヘキサノール、及び51.5gの3−クロロ−1−プロパノールを200mLの水中で反応させて、115.2gのHORを与えた。一般的手順Eに従って、70.0gのHOR、4.67gのMSA、及び67.4gのMAを反応させて、101.7gのHOR−MAを与えた。
HOR−A(本発明の実施例6):
一般的手順Eに従って、43.7gのHOR、2.68gのMSA、及び35.2gのアクリル酸(AA)を反応させて、54.8gのHOR−Aを与えた。
POR−MA(本発明の実施例7):
一般的手順Aに従って、51.0gのレゾルシノール、47.7gのNaOH、68.2gの5−クロロペンタノール、及び51.5gの3−クロロ−1−プロパノールを200mLの水中で反応させて、85.2gのPORを与えた。一般的手順Eに従って、81.9gのPOR、5.60gのMSA、及び83.2gのMAを反応させて、119.8gのPOR−MAを与えた。
OE2C−MA(本発明の実施例8):
一般的手順Aに従って、50.0gのカテコール、49.0gのNaOH、75.0gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノール、及び51.5gの3−クロロ−1−プロパノールを200mLの水中で反応させて、67.7gのOE2Cを与えた。一般的手順Eに従って、65.0gのOE2C、4.40gのMSA、及び65.5gのMAを反応させて、88.3gのOE2C−MAを与えた。
E4RE−MA(本発明の実施例9):
一般的手順Aに従って、48.8gの1,3−ジヒドロキシ−4−エチルベンゼン、64.0のKOH、及び113.2gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノールを280mLの水中で反応させて、58.7gのE4REを与えた。一般的手順Eに従って、57.6gのE4RE、3.57gのMSA、及び47.3gのMAを反応させて、71.4gのE4RE−MAを与えた。
E4RH−MA(本発明の実施例10):
一般的手順Aに従って、68.6gの1,3−ジヒドロキシ−4−ヘキシルベンゼン、39.2のNaOH、及び113.2gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノールを275mLの水中で反応させて、110.0gのE4RHを与えた。一般的手順Eに従って、107.0gのE4RH、6.20gのMSA、及び74.6gのMAを反応させて、108.2gのE4RH−MAを与えた。
ORE−MA(本発明の実施例11):
一般的手順Aに従って、49.6gの4−エチルレゾルシノール、37.7gのNaOH、及び81.4gの3−クロロ−1−プロパノールを200mLの水中で反応させて、76.2gのOREを与えた。一般的手順Eに従って、72.4gのORE、5.00gのMSA、及び73.5gのMAを反応させて、107.4gのORE−MAを与えた。
ORH−MA(本発明の実施例12):
一般的手順Aに従って、32.9gの4−ヘキシルレゾルシノール、17.8gのNaOH、及び37.7gの3−クロロ−1−プロパノールを130mLの水中で反応させて、39.8gのORHを与えた。一般的手順Eに従って、39.8gのORH、1.13gのMSA、及び33.1gのMAを反応させて、54.8gのORH−MAを与えた。
EBC−MA(本発明の実施例13):
一般的手順Cに従って、30.0gの4−tert−ブチルカテコール、3.54gのKOH、及び47.7gの炭酸エチレンを40gのIPA中で反応させて、46.5gのEBCを与えた。一般的手順Eに従って、46.0gのEBC、2.89gのMSA、及び38.9gのMAを反応させて、65.8gのEBC−MAを与えた。
EEBC−MA(本発明の実施例14):
一般的手順Aの続く反応パターンに従って、最初に37.4gの4−tert−ブチルカテコール、13.5gのNaOH、及び27.1gの2−クロロ−1−エタノールを、128mLの水中、反応温度40℃で一晩反応させ、次いで36.4gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノールと22mLの水に溶解した13.5gのNaOHとを還流下で加え、反応混合物を一晩還流下で保って59.4gのEEBCを与えた。一般的手順Eに従って、59.4gのEEBC、3.77gのMSA、及び51.4gのMAを反応させて、71.8gのEEBC−MAを与えた。
E4BC−MA(本発明の実施例15):
一般的手順Aに従って、76.2gの4−tert−ブチルカテコール、47.7のNaOH、及び138.5gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノールを300mLの水中で反応させて、124.9gのE4BCを与えた。一般的手順Eに従って、58.7gのE4BC、3.50gのMSA、及び44.3gのMAを反応させて、45.7gのE4BC−MAを与えた。
OBC−MA(本発明の実施例16):
一般的手順Aに従って、77.0gの4−tertブチルカテコール、48.2のNaOH、及び105.1gの3−クロロ−1−プロパノールを300mLの水中で反応させて、119.1gのOBCを与えた。一般的手順Eに従って、60.0gのOBC、3.91gのMSA、及び54.9gのMAを反応させて、81.0gのOBC−MAを与えた。
OE2BC−MA(本発明の実施例17):
一般的手順Aに従って、69.6gの4−tertブチルカテコール、45.3gのNaOH、67.8gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノール、及び47.1gの3−クロロ−1−プロパノールを275mLの水中で反応させて、113.2gのOE2BCを与えた。一般的手順Eに従って、56.7gのOE2BC、3.50gのMSA、及び46.9gのMAを反応させて、67.3gのOE2BC−MAを与えた。
BC−GMA(本発明の実施例18):
一般的手順D(無溶媒経路)に従って、50.0gの4−tert−ブチルカテコール、0.68gのTEA、及び85.5gのGMAを温度80℃で反応させて、114.6gのBC−GMAを与えた。
PGT−AM(本発明の実施例19):
一般的手順D(無溶媒経路)に従って、100.0gのチロソール、5.73gのNaOH、及び108.0gのGPを200mLの水中で反応させて、203.4gの粗PGTを与えた。水から再結晶後、188.9gの精製PGTを収集した。一般的手順Eに従って、218.5gの精製PGT及び12.5gのMSAを、最初に68.5gのMAと反応させ、次いで82.0gのAAと反応させて、295.2gのPGT−AMを与えた。
ET−MA(本発明の実施例20):
一般的手順Cに従って、100.0gのチロソール、7.02gのKOH、及び82.0gの炭酸エチレンを100gのIPA中で反応させて、112.5gの粗ETを与えた。水から再結晶後、74.5gの精製ETを収集した。一般的手順Eに従って、20.0gの精製ET、1.48gのMSA、及び23.6gのMAを反応させて、33.2gのET−MAを与えた。
E2T−MA(本発明の実施例21):
一般的手順Aに従って、50.0gのチロソール、44.9の(og)NaOH、及び136.6gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノールを200mLの水中で反応させて、88.1gのE2Tを与えた。一般的手順Eに従って、60.0gのE2T、2.80gのMSA、及び22.8gのMAを反応させて、85.2gのE2T−MAを与えた。
OT−MA(本発明の実施例22):
一般的手順Aに従って、40.0gのチロソール、19.7の(og)KOH、及び34.9gの3−クロロ−1−プロパノールを40gのIPA中で反応させて、49.7gのOTを与えた。一般的手順Eに従って、49.70gのOT、3.54gのMSA、及び54.4gのMAを反応させて、79.7gのOT−MAを与えた。
MGT−MA(本発明の実施例23):
一般的手順D(溶媒ベースの経路)に従って、51.0gのチロソール、10.9mLのHOtBu中の1M KOtBuの溶液、及び46.8gのGMAを反応させて、37.2gの粗MGTを与えた。不必要な非常に無極性の副生物と、不必要な非常に極性の副生物を除去するための、トルエン/ヘキサン混合物、並びに純シクロヘキサン及び純ヘキサンを使用した続く分画有機−有機抽出後、9.50gの精製MGT−MAを収集した。
接着剤組成物の調製
合成した化合物の一部を(歯科用)組成物の作製に用いた。
その機械的特性に関連して作製及び試験した組成物を、以下の表2に示す。表2では、成分の値は、対応する歯科用製剤における個々の成分の重量%を表す。
一般的手順I:
19.7gのCE又はIE、13.3gのエタノール、11.3gの蒸留水、23.2gのHEMA、15.9gのMDP、0.71gのDMAEMA、0.10gのBHT、1.62gのCPQ、1.02gのEDMAB、2.00gのVBCP、8.10gのヒュームドシリカ、及び3.00gのMPTSの混合物を、均質な溶液が得られるまで、室温で6時間撹拌した。(「CE」は、上記で比較例として概略したそれぞれの成分を表し、「IE」は、上記で本発明の実施例として概略したそれぞれの成分を表す)。
歯科用組成物A及びBは、成分CE1及びCE2のいずれかを含むが、本発明による化合物(A)は含まない。
下記の表2及び3では、化合物(A)は、成分IE1、IE4、IE8、IE9、IE13、IE14、IE18、IE19、IE20、IE21、IE22、及びIE23として表されている。したがって、歯科用組成物A及びBは、比較例/組成物と見なすことができる一方、歯科用組成物C〜Nは、本発明の実施例/組成物と見なすことができる。
Figure 2017506242
Figure 2017506242
理解され得るように、本発明による化合物(A)を含む組成物は、本発明による化合物(A)を含まない組成物と比較して、過酷な条件(即ち、「加速された経年劣化条件」)下で保存した後であっても接着力に関して優れている。

Claims (14)

  1. 歯科用接着剤組成物であって、
    重合性モノマー(1)と、
    酸性部分を含む重合性モノマー(2)と、
    反応開始剤成分(1つ又は複数)と、
    前記組成物の総重量に対して約15重量%未満の量のフィラー成分(1つ又は複数)と、を含み、
    前記重合性モノマー(1)が、式(I)により特徴付けられる、歯科用接着剤組成物。
    Figure 2017506242
    (式中、
    B−O−A−[−O−B’−]は、反応性(メタ)アクリレート部分の間の結合部としての非対称モノマー主鎖を表し、
    a=0又は1、
    Aは、
    Figure 2017506242
    から選択され、
    Aは、常に、アリール−アルキルエーテルとしてB及び/又はB’に結合され、
    Bは、
    −(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
    Figure 2017506242
    から選択され、
    Bは、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
    b=2〜6、
    B’は、−(CH2)b’−(CH−CH−O−CH−CH)−
    Figure 2017506242
    から選択され、
    B’は、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
    b’=2〜6、
    R=H、メチル、
    Xは、H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチルから選択され、
    」は、前記モノマーの部分の位置を表し、その部分は、前記モノマーの他の部分に結合されている。)
  2. 前記重合性モノマー(1)が、式(Ia)又は式(Ib)のいずれかにより特徴付けられる、請求項1に記載の歯科用接着剤組成物。
    Figure 2017506242
    (式中、
    B−O−A−O−B’は、反応性(メタ)アクリレート部分の間の結合部としての非対称モノマー主鎖であり、
    Aは、
    Figure 2017506242
    から選択され、
    Aは、常に、アリール−アルキルエーテルとしてB及びB’に結合され、
    Bは、
    −(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
    Figure 2017506242
    から選択され、
    Bは、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
    b=2〜6、
    B’は、−(CH2)b’−(CH−CH−O−CH−CH)−
    Figure 2017506242
    から選択され、
    B’は、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
    b’=2〜6、
    R=H、メチル、
    X=H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル;
    又は
    Figure 2017506242
    式中、
    B−O−Aは、反応性(メタ)アクリレート部分の間の結合部としての非対称モノマー主鎖であり、
    Aは、
    Figure 2017506242
    から選択され、
    Aは、常に、アリール−アルキルエーテルとしてBに結合され、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
    Bは、
    −(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−
    Figure 2017506242
    から選択され、
    Bは、常に、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合され、
    b=2〜6、
    R=H、メチル、
    」は、前記モノマーの部分の位置を表し、その部分は、前記モノマーの他の部分に結合されている。)
  3. 以下の特徴の少なくとも1つにより特徴付けられる、請求項1又は2に記載の歯科用接着剤組成物:
    約300〜約600の分子量を有する前記重合性モノマー(1)、
    23℃で固化しない前記重合性モノマー(1)、
    水と接触した場合、約4未満のpH値を有する前記接着剤組成物、
    23℃及び1013mbar(0.1013MPa)で液体である。
  4. 前記重合性モノマー(1)が、以下のモノマーの1つ及びその混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物。
    Figure 2017506242
  5. 前記重合性モノマー(1)が、以下のモノマーの1つ及びその混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物。
    Figure 2017506242
    Figure 2017506242
    Figure 2017506242
    Figure 2017506242
    (Rは、常に、独立してH及びCH3から選択される。)
  6. 酸性部分を有する前記重合性モノマー(2)が、以下の式により特徴付けられる成分及びその混合物から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物。
    −B−C
    (式中、Aは、(メタ)アクリル部分等のエチレン性不飽和基であり、
    Bは、(i)場合により他の官能基(例えば、ハロゲン化物(Cl、Br、Iを含む)、OH、又はこれらの混合物)で置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖C1〜C12アルキル、(ii)場合により他の官能基(例えば、ハロゲン化物、OH、又はこれらの混合物)で置換されていてもよいC6〜C12アリール、(iii)1つ以上のエーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、チオカルボニル、アミド、ウレタン、カルボニル、及び/又はスルホニル結合によって互いに結合している4〜20個の炭素原子を有する有機基等のスペーサー基であり、
    Cは酸性基であり、
    m、nは、独立して1、2、3、4、5又は6から選択され、
    前記酸性基Cは、1つ以上のカルボン酸残基、リン酸残基、ホスホン酸残基、スルホン酸残基、又はスルフィン酸残基を含む。)
  7. 前記反応開始剤が、放射線、熱硬化反応開始剤、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物。
  8. 以下の成分(1つ又は複数)の少なくとも1つ以上を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物:
    重合性モノマー(1)とは異なる、酸性部分を有さない重合性モノマー(3)、
    添加剤(1つ又は複数)。
  9. 前記それぞれの成分を以下の量で含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物:
    重合性モノマー(1)(1つ又は複数):約5〜約85重量%、
    重合性モノマー(2)(1つ又は複数):約1〜約80重量%、
    重合性モノマー(3)(1つ又は複数):0〜約70重量%、
    反応開始剤(1つ又は複数):約0.1〜約10重量%、
    フィラー(1つ又は複数):約0〜約14重量%、
    添加剤(1つ又は複数):0〜約5重量%。
  10. 酸反応性フィラー(1つ又は複数)を含まない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物。
  11. 前記接着剤組成物が、硬化前に、以下の特徴の少なくとも1つ又は全部により特徴付けられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物:
    粘度:23℃で約0.05〜約5Pas、
    水と接触した場合のpH値:約0〜約3、
    放射線硬化性、
    保存に安定している、
    1成分混合物として提供されている。
  12. 前記接着剤組成物が、硬化後に、以下の特徴の少なくとも1つ又は全部により特徴付けられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物:
    ISO 29022:2013に従って決定された、前記組成物の象牙質に対する接着力:少なくとも約25MPa、
    ワイヤISO 29022:2013に従って決定された、前記組成物のエナメル質に対する接着力:少なくとも約18MPa、
    ワイヤISO 29022:2013に従って決定された、50℃で4ヶ月保存した後の、前記組成物の象牙質に対する接着力:少なくとも約12MPa、
    50℃で4ヶ月保存した後の、前記組成物のエナメル質に対する接着力:少なくとも約5MPa。
  13. 以下のように特徴付けられる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物:
    約5〜約85重量%の量の、請求項2〜5のいずれか一項に記載の式により表される重合性モノマー(1)(1つ又は複数)、
    約1〜約80重量%の量の、請求項6に記載の式により表される重合性モノマー(2)(1つ又は複数)、
    放射線硬化反応開始剤(1つ又は複数)、
    約0〜約14重量%のシリカフィラー(1つ又は複数)。
  14. 歯科用接着剤、シーラント、セメントとしての、又は材料を歯牙硬組織の表面に結合若しくはセメント結合するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の歯科用接着剤組成物の使用。
JP2016552584A 2014-02-18 2015-02-18 接着剤結合組成物及びその使用 Active JP6688737B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14155572 2014-02-18
EP14155572.2 2014-02-18
PCT/US2015/016250 WO2015126865A1 (en) 2014-02-18 2015-02-18 Adhesive bonding composition and use thereof

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017506242A true JP2017506242A (ja) 2017-03-02
JP2017506242A5 JP2017506242A5 (ja) 2018-04-05
JP6688737B2 JP6688737B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=50150593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016552584A Active JP6688737B2 (ja) 2014-02-18 2015-02-18 接着剤結合組成物及びその使用

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9844493B2 (ja)
EP (1) EP3107521B1 (ja)
JP (1) JP6688737B2 (ja)
CN (1) CN106029044B (ja)
WO (1) WO2015126865A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021017400A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 株式会社ユポ・コーポレーション うるし化合物及び該うるし化合物の製造方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7117291B2 (ja) * 2016-08-25 2022-08-12 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 付加製造プロセスのための着色硬化性組成物、3次元複合材物品及びその使用
US11605499B2 (en) 2017-08-18 2023-03-14 3M Innovative Properties Company Magnetic film
EP3706708B1 (en) 2017-11-08 2022-01-12 3M Innovative Properties Company Radiopaque dental composition
EP3847200A4 (en) * 2018-09-07 2022-05-25 Hydro-Québec POLYMER BINDERS FOR SILICON OR SILICON-GRAPHITE COMPOUND ELECTRODES AND THEIR USE IN ELECTROCHEMICAL CELLS
CN116507309A (zh) 2020-12-04 2023-07-28 3M创新有限公司 牙科用pH敏感性微胶囊
EP4329703A1 (en) 2021-04-29 2024-03-06 3M Innovative Properties Company Calcium and fluorine ions releasing dental composition
US11643574B2 (en) 2021-05-28 2023-05-09 Cohesys Inc. Adhesive devices and uses thereof
WO2023012556A1 (en) 2021-08-05 2023-02-09 3M Innovative Properties Company Composition for isolating tissue
WO2023209463A1 (en) 2022-04-26 2023-11-02 3M Innovative Properties Company Dental composition containing a resorcinol or catechol moiety containing component and use thereof
WO2024057144A1 (en) 2022-09-16 2024-03-21 Solventum Intellectual Properties Company Dental product with reduced extrusion forces

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005087179A1 (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Sun Medical Co., Ltd. 歯科用歯面コーティングキット
JP2007126417A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Tokuyama Corp 歯科用硬化性組成物
WO2008096753A1 (ja) * 2007-02-08 2008-08-14 Kuraray Medical Inc. 歯科用組成物
JP2011173867A (ja) * 2010-01-26 2011-09-08 Sun Medical Co Ltd タンパク質含有レジン系組成物

Family Cites Families (43)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1408265A (en) 1971-10-18 1975-10-01 Ici Ltd Photopolymerisable composition
US3808006A (en) 1971-12-06 1974-04-30 Minnesota Mining & Mfg Photosensitive material containing a diaryliodium compound, a sensitizer and a color former
US3729313A (en) 1971-12-06 1973-04-24 Minnesota Mining & Mfg Novel photosensitive systems comprising diaryliodonium compounds and their use
US3853962A (en) 1972-02-03 1974-12-10 Johnson & Johnson Novel methacrylate monomer
US3741769A (en) 1972-10-24 1973-06-26 Minnesota Mining & Mfg Novel photosensitive polymerizable systems and their use
AU497960B2 (en) 1974-04-11 1979-01-25 Minnesota Mining And Manufacturing Company Photopolymerizable compositions
GB1569021A (en) 1976-03-17 1980-06-11 Kuraray Co Adhesive cementing agents containing partial phosphonic orphosphonic acid esters
US4250053A (en) 1979-05-21 1981-02-10 Minnesota Mining And Manufacturing Company Sensitized aromatic iodonium or aromatic sulfonium salt photoinitiator systems
US4539382A (en) * 1981-07-29 1985-09-03 Kuraray Co., Ltd. Adhesive composition
JPS59126417A (ja) 1983-01-11 1984-07-21 Mitsui Petrochem Ind Ltd 即硬化性組成物
JPS59135272A (ja) 1983-01-21 1984-08-03 Kuraray Co Ltd 接着剤
DE3443221A1 (de) 1984-11-27 1986-06-05 ESPE Fabrik pharmazeutischer Präparate GmbH, 8031 Seefeld Bisacylphosphinoxide, ihre herstellung und verwendung
US4642126A (en) 1985-02-11 1987-02-10 Norton Company Coated abrasives with rapidly curable adhesives and controllable curvature
US4652274A (en) 1985-08-07 1987-03-24 Minnesota Mining And Manufacturing Company Coated abrasive product having radiation curable binder
DE3536076A1 (de) 1985-10-09 1987-04-09 Muehlbauer Ernst Kg Polymerisierbare zementmischungen
US4772530A (en) 1986-05-06 1988-09-20 The Mead Corporation Photosensitive materials containing ionic dye compounds as initiators
US4874450A (en) 1987-01-29 1989-10-17 The Mead Corporation Laminating transparent or translucent materials using ionic dye-counter ion complexes
CA1323949C (en) 1987-04-02 1993-11-02 Michael C. Palazzotto Ternary photoinitiator system for addition polymerization
AU618772B2 (en) 1987-12-30 1992-01-09 Minnesota Mining And Manufacturing Company Photocurable ionomer cement systems
US4954414A (en) 1988-11-08 1990-09-04 The Mead Corporation Photosensitive composition containing a transition metal coordination complex cation and a borate anion and photosensitive materials employing the same
US5057393A (en) 1989-07-10 1991-10-15 The Mead Corporation Dye branched-alkyl borate photoinitiators
US5055372A (en) 1990-04-23 1991-10-08 The Mead Corporation Photohardenable composition containing borate salts and ketone initiators
US5530038A (en) 1993-08-02 1996-06-25 Sun Medical Co., Ltd. Primer composition and curable composition
EP0712622B1 (en) 1994-11-21 1999-09-01 Tokuyama Corporation Dental composition and kit
US5785178A (en) 1996-11-04 1998-07-28 Minnesota Mining And Manufacturing Co. Packaged photocurable composition
DE29714246U1 (de) 1997-08-08 1998-12-10 Thera Ges Fuer Patente Vorrichtung zum Lagern und Auftragen einer fließfähigen Substanz
AU764607B2 (en) 1999-03-31 2003-08-28 Kuraray Medical, Inc. Organophosphorus compounds for dental polymerizable compositions
TWI284540B (en) 1999-05-13 2007-08-01 Kuraray Co Bonding composition suitable to tooth tissue
AU6397899A (en) 1999-05-18 2000-12-05 3M Innovative Properties Company One-part fluoride releasing dental materials
US6444725B1 (en) 2000-01-21 2002-09-03 3M Innovative Properties Company Color-changing dental compositions
EP1169996A1 (de) * 2000-07-06 2002-01-09 Ernst Mühlbauer Kg Phosphonsäuren enthaltendes Dentalmaterial
DE10222828B4 (de) 2002-05-21 2008-05-15 3M Espe Ag Bestrahlungsgerät
JP4644463B2 (ja) 2004-10-15 2011-03-02 株式会社トクヤマ 歯科用硬化性組成物およびその保存方法
AU2005306869B2 (en) * 2004-11-16 2011-11-10 3M Innovative Properties Company Dental fillers including a phosphorus­containing surface treatment
US20100024683A1 (en) 2006-09-27 2010-02-04 Mitsui Chemicals, Inc. Phosphate compound, metal salt thereof, dental material and dental composition
WO2008101806A2 (en) 2007-02-20 2008-08-28 Basf Se High refractive index monomers, compositions and uses thereof
EP2030603B1 (en) 2007-08-29 2016-10-12 Dentsply DeTrey GmbH Dental adhesive composition
EP2133064A1 (en) 2008-06-10 2009-12-16 3M Innovative Properties Company Initiator system containing a diarylalkylamine derivate, hardenable composition and use thereof
JP5318509B2 (ja) 2008-09-19 2013-10-16 株式会社松風 歯科用接着剤の保管容器
WO2011056814A1 (en) 2009-11-05 2011-05-12 3M Innovative Properties Company Device for dispensing a flowable material
US9155685B2 (en) 2010-05-03 2015-10-13 Dentsply International Inc. Low stress flowable dental composition
EP2481390A1 (en) 2011-01-31 2012-08-01 3M Innovative Properties Company Dental composition, method of producing and use thereof
EP2785307B1 (en) * 2011-12-01 2019-06-26 3M Innovative Properties Company One component self-adhesive dental composition, process of production and use thereof

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005087179A1 (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Sun Medical Co., Ltd. 歯科用歯面コーティングキット
JP2007126417A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Tokuyama Corp 歯科用硬化性組成物
WO2008096753A1 (ja) * 2007-02-08 2008-08-14 Kuraray Medical Inc. 歯科用組成物
JP2011173867A (ja) * 2010-01-26 2011-09-08 Sun Medical Co Ltd タンパク質含有レジン系組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021017400A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 株式会社ユポ・コーポレーション うるし化合物及び該うるし化合物の製造方法
JP7267863B2 (ja) 2019-07-17 2023-05-02 株式会社ユポ・コーポレーション うるし化合物及び該うるし化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20170065495A1 (en) 2017-03-09
CN106029044B (zh) 2019-12-31
US9844493B2 (en) 2017-12-19
EP3107521B1 (en) 2018-10-31
CN106029044A (zh) 2016-10-12
EP3107521A1 (en) 2016-12-28
JP6688737B2 (ja) 2020-04-28
WO2015126865A1 (en) 2015-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6616310B2 (ja) 歯科用組成物及びその使用
JP6688737B2 (ja) 接着剤結合組成物及びその使用
JP5918229B2 (ja) 歯科用組成物、キットオブパーツ、及びその使用
EP2670375B1 (en) Dental composition, method of producing and use thereof
JP5592788B2 (ja) ウレタン基、尿素基、又はアミド基を含む多官能(メタ)アクリレート含有歯科用組成物、その製造方法、及び使用方法
JP5437251B2 (ja) ウレタン結合を有するメタクリレート系モノマー、その製造及び使用プロセス
JP6139551B2 (ja) 一成分自己接着性歯科用組成物、その製造方法、及び使用
JP2017520591A (ja) 二成分自己接着性歯科用組成物、その製造方法、及び使用
EP2741728B1 (en) Dental composition, method of producing and use thereof
JP6599346B2 (ja) 歯科用組成物及びその使用
RU2575579C2 (ru) Стоматологическая композиция, способ изготовления и применение

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191001

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20191015

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200130

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200310

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6688737

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250