JP5592788B2 - ウレタン基、尿素基、又はアミド基を含む多官能(メタ)アクリレート含有歯科用組成物、その製造方法、及び使用方法 - Google Patents

ウレタン基、尿素基、又はアミド基を含む多官能(メタ)アクリレート含有歯科用組成物、その製造方法、及び使用方法 Download PDF

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Description

(発明の分野)
本発明は、ウレタン基、尿素基、又はアミド基を含有する多官能(メタ)アクリレートを含む歯科用組成物、その製造方法、並びに一時的及び長期的な歯冠及びブリッジ材料の製造を含むその使用方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、欧州特許出願第07111356.7号(2007年6月29日出願)の優先権を主張する。
米国特許第4,648,843号は、ポリ(エチレン性不飽和)カルバモイルイソシアヌレート、及びポリ(エチレン性不飽和)カルバモイルイソシアヌレートから製造された歯科材料を使用する歯の治療方法に関する。スミタB.ミトラ(Sumita B.Mitra)は、ポリマー・プレプリンツ(Polymer Preprints)、ポリマー化学部門(Division of Polymer Chemistry)、米国化学会、第38巻、第2号、103〜104頁の「エチレン性不飽和カルバモイルイソシアヌレート含有樹脂マトリクスから製造される歯科用複合材料(Dental composites prepared from resin matrices containing ethylencially unsaturated carbamoylisocyanorates)」において同様のアプローチを記載している。
米国特許第4,787,850号には、多官能性ポリイソシアネート、ポリオール、ヒドロキシル基含有メタクリレートモノマー、及び触媒を使用した、人工歯若しくは歯冠又はインレーの2段階製造プロセスが記載されている。
米国特許第7,078,446(B2)号は、(メタ)アクリレート置換イミノオキサジアジンジオン誘導体、及び歯科用組成物の製造におけるその使用に関する。
欧州特許第0 934 926(A1)号は、1.3ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼンのウレタンジ(メタ)アクリレート誘導体、及び歯科材料の製造におけるその使用に関する。
上記の「背景技術」に記載された組成物のいくつかは、それらの機械的特性の観点から、歯科用歯冠及びブリッジ材料の製造に使用することができると述べられている。
しかしながら、特に最新の歯科材料について満たされるべき要件に関しては、今もなお改善の余地がある。材料のいくつかは硬質及び脆性すぎる。また、材料のいくつかは可撓性すぎる。
最近では、一時的な材料の長期的な安定性に対する患者及び歯科医の要求が高まっている。
このように、とりわけ一時的及び長期的な歯冠及びブリッジ材料として使用可能な、改善された歯科用組成物が今なお要求されている。
一実施形態において、本発明は、
a)硬化性化合物(A1)と、
b)充填剤(B1)と、
c)化合物(A1)の硬化を開始することができる反応開始剤(C1)と、
を含む歯科用組成物を特徴とし、
化合物(A1)が、構造A−(−S1−U−S2−Ma)
(ここで、Aは、少なくとも1つの単位を含む結合元素であり、
S1は、互いに結合した少なくとも4つの単位を含むスペーサー基であり、
S2は、互いに結合した少なくとも4つの単位を含むスペーサー基であり、
A、S1、及びS2の単位は、独立して、CH−、−CH−、−O−、−S−、−NR−、−CO−、−CR=、
−N=、−CR−、
(ここで、R及びRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリール又は置換アリールから選択され、これら単位は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エステル基、ウレタン基、又はアミド基などの直鎖状、分枝状、又は環状構造を形成することができる)
から選択され、
Uは、スペーサー基S1とS2とを結合するウレタン基、尿素基、又はアミド基であり、
MAはアクリレート基又はメタクリレート基であり、
nは3〜6である)を有する。
別の実施形態において、本発明は、本発明の本文に記載されるような化合物(A1)の製造プロセスに関する。
本発明の更なる実施形態は、歯科用組成物の製造方法を目的とする。
本発明はまた、本発明組成物の構成成分を収容する部品のキット及びカートリッジに関する。
更に、本発明は、歯科用組成物を製造するための本発明の本文に記載されるような硬化性化合物(A1)の使用方法を特徴とする。
本発明はまた、一時的及び長期的な歯冠及びブリッジの製造方法に関し、本発明の歯科用組成物は、固まった歯牙構造の歯科用印象材の陰型の中に配置される。
本発明の本文に記載される組成物は、施術者のニーズ、特に硬質特性と可撓性特性との間のバランスに関するニーズを満たすものであることが見出された。したがって、選択される処方によっては、改善された破壊抵抗を有する歯科材料を提供することができる。
更に、歯科材料がナノサイズ充填剤を含有する場合には、高強度並びに高透光性が付与され得ることが見出された。特定量のナノサイズシリカ粒子を含有する歯科材料は、未硬化状態で望ましい取扱(例えばレオロジー的)特性を有することができ、硬化状態で、良好な審美的特徴と調和された高強度を示すことができる。
強度は、衝撃強度及び/又は曲げ強度などの機械的測定によって特徴づけることができる。咀嚼によって歯の治療、交換、及び修復に力が及ぼされることから、歯科材料の衝撃強度が高いことは有利である。曲げ強度は、材料に引張応力を導入する圧縮力に歯科材料が耐える能力を示す。特に衝撃強度及び曲げ強度に関して良好にバランスのとれた特性を示す組成物は、特に一時的及び長期的な歯冠及びブリッジ材料としてふさわしくあり得る。各強度測定試験は、実施例の中で以下に記載される。バランスのとれた特性はまた、特に患者の口内に配置された場合に、固まった歯科用組成物の長期間にわたる安定性の向上に寄与し得る。
本発明の組成物は、たとえナノサイズシリカ粒子を含む充填剤で比較的高レベルまで充填されたとしても、良好なレオロジー特性をなおも有することも見出されている。これらの特性、並びに強度は、粒子の表面を処理する表面改質剤を使用することにより、強化され得る。表面処理(表面改質)は、粒子の分散性及びマトリックスへの結合能力を強化することができる。
更に、本発明の歯科用組成物で使用される全ての構成成分は、典型的には生体適合性であり、即ち、組成物は、生体組織の中に有毒な、有害な、又は免疫的な反応を生成しない。
定義
本発明の意味の範囲内の「歯科用組成物」は、歯科分野に使用することができる任意の組成物である。この点において、組成物は患者の健康にとって有害であってはならず、したがって、組成物から出て移動することのできる有害成分及び有毒成分は含まない。歯科用組成物の例には、永久的及び一時的歯冠及びブリッジ材料、人工歯冠、前部又は後部充填材、接着剤、セメント、ミルブランク、及び歯列矯正装置が含まれる。
本発明の意味の範囲内の「硬化性化合物」は、例えば放射線誘導重合による化学架橋、レドックス開始剤を用いた架橋、又は加熱によって硬化又は固化し得る任意の化合物である。
「樹脂内に分散した」は、充填剤粒子が樹脂の中に、凝集粒子若しくは会合粒子又は分離性の非結合(即ち非凝集及び非会合)粒子として存在することを意味する。
本発明の意味の範囲内の「ナノサイズ充填剤」は、個々の粒子の寸法がナノメートル範囲、例えば平均粒径が約200nm未満である充填剤である。米国特許第6、899,948(B2)号に有用な例が示されており、当該特許の、特にナノサイズシリカ粒子に関する内容は、本明細書に参照により組み込まれる。
本発明の意味の範囲内の「反応開始剤」は、硬化性化合物の硬化プロセスを開始することができる物質である。
本発明の意味の範囲内の「硬化又は凝結反応」は、個々の構成成分の間の化学反応に起因して、組成物の粘度及び硬度などの物理的特性が経時的に変化する反応である。
本発明の意味の範囲内の「単位」は、化学分子の単一構築ブロック又はその構造である。単一単位は互いに連結する。典型的な単位には、CH−、−CH−、−O−、−S−、−NR−、−CO−、−CR=、
−N=、−CR−が挙げられ、ここで、R及びRは、独立して、水素、直鎖アルキル基(C1、C2、C3、C4、C5 C6基を含む)、置換アルキル基(C1、C2、C3、C4、C5 C6基を含む)、アルケニル基(C1、C2、C3、C4、C5 C6基を含む)、シクロアルキル基(C4〜C14基を含む)、置換シクロアルキル基(C4〜C14基を含む)、アリールアルキル基(C7〜C20を含む)、アリール基(C6〜C14)、又は置換アリール基(C7〜C20を含む)から選択される。これらの単位は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エステル基、ウレタン基、又はアミド基などの直鎖状、分枝状、又は環状構造を形成することができる。
本発明の意味の範囲内の「結合元素」は、個々の(メタ)アクリレート含有側鎖を連結する中心として機能する元素である。結合元素は環状又は分枝状構造を有し得る。結合元素は更に、Nを含む単一原子であり得る。結合元素が環状構造を有する場合、該結合元素は飽和、不飽和、又は芳香族同素環であることができ、即ち、炭化水素又は置換炭化水素単位のみを含み、あるいは飽和、不飽和、又は芳香族複素環であることができ、即ち、炭化水素又は置換炭化水素単位、並びに−O−、−N=、−NH−、−NR−及び/又は−S−を含む少なくとも1つのヘテロ原子を含む。結合元素が分枝状構造を有する場合、該結合元素は、少なくとも3つ又は4つの個々の(メタ)アクリレート含有側鎖が延びているC又はNのような中心原子を含む。結合元素の化学構造とは独立に、結合元素に対する個々の(メタ)アクリレート含有側鎖の配置は、対称又は非対称であることができる。
本発明の意味の範囲内の「スペーサー基」は、化学的に定義された分子内の少なくとも2つの他の基を連結する基である。この基は置換又は非置換炭素鎖であることができ、更にはヘテロ原子(O、N及びSを含む)を含有することができ、又はカルボニル基のように機能する。
本発明の意味の範囲内の「ウレタン基」は、構造
−NH−CO−O−を有する基である。
本発明の意味の範囲内の「尿素基」は、構造
−NH−CO−NH−を有する基である。
本発明の意味の範囲内の「アミド基」は、構造
−NH−CO−を有する基である。
本発明の意味の範囲内の「歯科用印象材」は、歯肉を含む歯牙構造の印象材を作製するのに使用される材料である。歯科用印象材は、通常、歯科印象採得用トレーの上に適用される。歯科用印象材は異なる化学物質をベースにしてもよく、様々な化学反応(付加硬化材料及び縮合型硬化材料を含む)により架橋することができる。典型的な例には、シリコーンベースの印象材(例えばVPS材)、及びポリエーテルベースの印象材、並びにこれらの混合物が挙げられる。
本発明の意味の範囲内の「一時的歯冠及びブリッジ材料」は、歯科用歯冠及びブリッジを作製するのに使用する硬化性材料である。これら材料は、典型的には、歯科技工士が歯冠又はブリッジなどの永久的補綴物を作製するのに必要な期間の間使用される。これらの期間は、数日(1〜6日)、数週(1〜4週)又は数カ月(1〜6カ月)の間続く。長期的歯冠及びブリッジ材料は、典型的には、約6〜24ヵ月の期間にわたって使用される。
構成成分(A1)、及び充填剤の性質は、硬化組成物の機械的特徴に貢献することが見出された。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、構成成分(A1)は機械的特性の向上に貢献し、これに対し充填剤(B1)は、特にナノフィラーである場合は審美的特性に貢献すると考えられる。
本発明の組成物の硬化性化合物(A1)は次の構造で表わされ、
A−(−S1−U−S2−Ma)
ここで
Aは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20単位を含む結合元素であり、
S1は、互いに結合した単位からなり少なくとも約4、5、6、7、8、9又は10単位を含むスペーサー基であり、
S2は、互いに結合した単位からなり少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、12、15、20又は25単位を含むスペーサー基であり、
Uは、スペーサー基S1とS2とを連結するウレタン基、尿素基、又はアミド基であり、
MAはアクリレート基又はメタクリレート基であり、
nは、約3〜6又は約4〜6又は約5〜6である。
Aが環状構造を有し、かつ少なくとも約6単位を含むことが好ましい場合がある。
S1が直鎖状又は分枝状構造を有し、かつ少なくとも約4又は約6単位を含むことが更に好ましい場合がある。
S2が直鎖状又は分枝状構造を有し、かつ少なくとも約6又は約8単位を含むことが更に好ましい場合がある。
Uがウレタン基であることが更に好ましい場合がある。
Aが環状構造を有し、かつ少なくとも約6単位を含み、S1が直鎖状構造を有し、かつ少なくとも約4単位を含み、S2が直鎖状構造を有し、かつ少なくとも約8単位を含み、Uがウレタン基である硬化性化合物(A1)もまた好ましい場合がある。
本発明の意味の範囲内で、S1とS2とを連結するウレタン基、尿素基、又はアミド基の原子も、(メタ)アクリル基の原子も、スペーサー基S1又はS2に属さない。したがって、ウレタン基、尿素基、又はアミド基の原子は、スペーサー基S1又はS2の単位として数えられない。
結合元素の性質及び構造は特に限定されない。結合元素は、飽和(二重結合なし)又は不飽和(少なくとも1つ又は2つの二重結合)単位、芳香族又ヘテロ芳香族単位(N、O及びSを含む原子を含有する芳香族構造)を含有することができる。
環状構造を有する結合元素Aの特定の例には、以下のものが挙げられる。
非環状構造を有するが分枝状構造を有さない結合元素Aの特定の例には、以下のものが挙げられる。
点線はスペーサー基S1への結合を示す。
スペーサー基S1又はS2の性質及び構造も、特に限定されない。
スペーサー基は、互いに結合した単位からなる。典型的な単位には、CH−、−CH−、−O−、−S−、−NR−、−CO−、−CR=、
−N=、−CR−が挙げられ、ここで、R及びRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリール又は置換アリールから選択される。
これら単位は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エステル基、ウレタン基、又はアミド基などの直鎖状、分枝状、又は環状構造を形成することができる。
S1の構造はS2の構造と同一であることができる。しかしながら、いくつかの実施形態においては、S1の構造はS2の構造と異なる。特定の実施形態においては、S1に存在する単位の数は、S2に存在する単位の数以下である。
特定の実施形態において、S1は飽和炭化水素構造を有してもよい。
別の特定の実施形態において、S2は飽和炭化水素構造を有してもよい。
S1に有用なスペーサー基の典型的な例には、以下のものが挙げられる。
点線は、基A又は基Uのいずれかへの化学結合を示す。
S2に有用なスペーサー基の典型的な例には、以下のものが挙げられる。
点線は、(メタ)アクリレート基又は基Uのいずれかへの化学結合を示す。本発明に従って数えられる単位の数は、括弧内に示されている。
化合物(A1)の特定の例には、以下のものが挙げられる。
化合物(A1)の分子量は、通常、約900g/モルを超える、又は約950g/モルを超える、又は約1000g/モルを超える。通常、化合物(A1)の分子量は約3000又は約2700又は約2500の値を超えない。約1000g/モルを超える又は約1100g/モルを超える分子量を有する分子は、通常、低分子量の分子より揮発性が低いので、生体適合性組成物の提供に寄与することができる。
化合物(A1)は、全組成物に対し、少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%、又は少なくとも約12重量%の量で存在することができる。
化合物(A1)は、全組成物に対し、最大約40重量%、又は少なくとも最大約30重量%、又は少なくとも最大約20重量%の量で存在することができる。
本発明の組成物の充填剤(B1)の性質も、特に限定されない。充填剤粒子は、硬化性樹脂マトリックスを形成する硬化性化合物(A1)との均質混合物を得ることができるような寸法であるべきである。
有用な充填剤には、ヒュームドシリカ、フルオロアルミノケイ酸ガラス、石英、粉末ガラス、CaFなどの非水溶性フッ化物、ケイ酸、特に発熱性ケイ酸などのシリカゲル及びその粒状物、クリストバライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、分子篩を含むゼオライト、酸化アルミニウム若しくは酸化亜鉛又はそれらの混合酸化物などの金属酸化物粉末、硫酸バリウム、フッ化イットリウム、炭酸カルシウムを基体とする充填剤が挙げられる。所望であれば、これら充填剤の2つ以上の混合物を使用することができる。
充填剤粒子は、樹脂相溶化表面処理剤で処理することができる。特に好ましい表面処理剤又は表面改質剤には、樹脂と重合することが可能なシラン処理剤が挙げられる。好ましいモノシラン処理剤には、ウィトコOSiスペシャルティーズ(Witco OSi Specialties)(コネチカット州ダンベリー)から商品名「A−174」で市販のγ−メタクリルオキシルプロピルトリメトキシシラン、及びユナイテッドケミカルテクノロジーズ(United Chemical Technologies)(ペンシルベニア州ブリストル)から商品名「G6720」で入手可能な製品であるγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
あるいは、表面改質剤の組み合わせが有用な可能性があり、剤の少なくとも1つは、硬化性樹脂と共重合可能な官能基を有する。例えば、重合化基は、エチレン性不飽和であるか、又は開環重合を起こす環式官能基であることができる。エチレン性不飽和重合化基は、例えば、アクリレート基若しくはメタクリレート基、又はビニル基であることができる。開環重合を起こす環式官能基には一般的に、酸素、硫黄、又は窒素のようなヘテロ原子が含まれており、好ましくは、エポキシドのように酸素が含まれている3員環である。硬化性樹脂と一般に反応しない他の表面改質剤が、分散性又はレオロジー特性を強化するために含まれ得る。この種のシランの例には、例えば、アルキル若しくはアリールポリエーテルシラン、アルキルシラン、シクロアルキルシラン、ヒドロキシアルキルシラン、アリールシラン、ヒドロキシアリールシラン、又はアミノアルキル官能性シランが挙げられる。
好適なヒュームドシリカには、例えば、デグサ社(Degussa AG)(ドイツ、ハーナウ)から商標名アエロジル(AEROSIL)シリーズOX−50、−130、−150、及び−200、エアロジルR8200で市販の製品、キャボット・コーポレーション(Cabot Corp)(イリノイ州タスコラ)から入手可能なCAB−O−SIL M5、並びにワッカー(Wacker.)から入手可能なHDKタイプ、例えばHDK−H2000、HDK H15、HDK H18、HDK H20及びHDK H30が挙げられる。
有用なフルオロアルミノケイ酸ガラスには、米国特許第5,332,429号に記載のようなシラン処理されたフルオロアルミノケイ酸ガラス充填剤が含まれ、該特許の開示は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。例えば、フッ化物放出ガラスを歯科用組成物に添加して、例えば、口腔内での使用中に、フッ化物を長期間放出するという利益を提供してもよい。
任意に、重金属酸化物を本発明の歯科材料に含ませて放射線不透過歯科材料を提供することができる。重金属酸化物は、放射線不透過性を付与するのに有効な量で存在するのが好ましい。本明細書で使用するとき、「放射線不透過性」は、従来の方法で標準歯科用X線装置を使用して歯牙構造と区別される硬化歯科材料の能力を表す。歯科材料中の放射線不透過性は、X線を使用して歯の状態を診断する特定の場合において有利である。例えば、放射線不透過材料は、詰め物を囲んでいる歯組織に形成されている場合がある二次齲蝕の発見を可能とする。特定用途及びX線フィルムを診断する施術者の期待に応じて、所望の放射線不透過性の程度を変えることができる。
原子番号が約28より大きい重金属の酸化物が好ましい。重金属酸化物が中に分散した硬化樹脂に望ましくない色又は濃淡が付与されないように、重金属酸化物を選択するべきである。例えば、鉄及びコバルトは、歯科材料の歯の中間色に黒ずんだ色及び対比色を付与するので好まれない。より好ましくは、重金属酸化物は30より大きい原子番号を有する金属の酸化物である。好適な金属酸化物は、イットリウム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオビウム、タンタル、タングステン、ビスマス、モリブデン、スズ、亜鉛、ランタニド元素(即ち、原子番号57以上71以下の範囲の元素)、セリウム、及びこれらの組み合わせの酸化物である。最も好ましくは、原子番号が30より大きいが72未満である重金属の酸化物が、本発明の材料に任意に含まれる。放射線不透過性を付与する特に好ましい金属酸化物には、酸化ランタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化セリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。重金属酸化物粒子は会合してもよい。その場合は、会合粒子の平均直径は約200nm未満であるのが好ましく、より好ましくは約90nm未満である。
好ましい実施形態では、充填剤(B1)は、ナノサイズシリカを含むナノサイズ充填剤を含む。
ナノサイズ充填剤、特にナノサイズシリカは、硬化性樹脂マトリックス内に通常分散しているか又は分散性である。本発明の歯科材料中に使用されるナノサイズの粒子は、好ましくは、約200nm未満の平均直径を有し、より好ましくは、粒子の平均直径は約100nm未満である。これら測定は、TEM(透過電子顕微鏡法)法に基づくのが好ましく、これにより集団を分析して平均粒径を得る。粒径測定の好ましい方法を以下のように説明することができる。
厚さ約80nmの試料を、炭素安定化フォルムバール基板(ペンシルバニア州ウェストチェスターのSPIサプライズ社(SPI Supplies Inc.)、構造プローブ部門(a division of Structure Probe))付き200メッシュの銅グリッド上に配置する。透過型電子顕微鏡写真(TEM)を、200KVでJEOL 200CX(日本、昭島の日本電子株式会社(JEOL, Ltd.)、日本電子USA社により販売)を用いて得た。約50〜100粒子の集団寸法を測定することができ、平均直径を判定する。
シリカ粒子の平均表面積は約15m/gを超えるのが好ましく、より好ましくは約30m/gを超える。
樹脂中に分散すると、ナノサイズ充填剤、特に好ましくはナノサイズシリカ粒子は、分離性(個々の)の非結合(即ち非凝集、非会合)状態になる。ナノサイズ充填剤を樹脂の中に分散させる方法は、米国特許第6,899,948(B2)号に記載されており、該特許は参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用するとき、「凝集」は、通常は電荷又は極性により結合される粒子の弱い結合を説明しており、小規模団体に分解され得る。本明細書で使用するとき、「会合」は、多くの場合、例えば、残留化学物質の処理によって結合される粒子の強い結合を説明しており、会合を更に小規模団体に分解するのは非常に達成困難である。
本発明の歯科材料に使用することができるナノサイズシリカ粒子は、実質的に球形であり、実質的に多孔性でないのが好ましい。シリカは本質的に純粋であるのが好ましいが、アンモニウム及びアルカリ金属イオンなどの安定化イオンを少量含有してもよい。
好ましいナノサイズシリカは、ナルコ・ケミカル社(Nalco Chemical Co.)(イリノイ州ネーパービル)から商品名「ナルココロイダルシリカズ(NALCO COLLOIDAL SILICAS)」として市販されている。例えば、好ましいシリカ粒子は、ナルコ(NALCO)製品1040、1042、1050、1060、2327、及び2329を使用することで得られる。
歯科材料に入れる前にナノサイズの粒子を表面処理することにより、樹脂中に安定して分散させることができる。本明細書で使用するとき、「安定」は、標準大気状態、例えば室温(約20〜約22℃)、大気圧、及び極端な電磁力のない状態で、一定期間、例えば約24時間放置した後に粒子が凝集しない歯科材料を意味する。好ましくは、表面処理は、粒子が硬化性樹脂の中に良好に分散されるようにナノサイズの粒子を安定化させ、その結果組成物を実質的に均質にする。更に、安定化された粒子が硬化中に硬化性樹脂と共重合できる、ないしは別の方法で反応できるように、ナノサイズの粒子が、その表面の少なくとも一部分にわたって表面処理剤で改質されるのが好ましい。
使用することができる充填剤(B1)の性質及び量は、組成物の粘度に影響を与えることができるだけでなく、審美的外観(高光沢、つやの高保持など)及び硬度を含む機械的特性にも影響を与えることができる。
充填剤(B1)は適切な硬化性化合物と組み合わされて、本発明の歯科用組成物を形成する。
典型的には、充填剤は、全組成物に対し、少なくとも約10重量%、又は少なくとも約15重量%、又は少なくとも約20重量%の量で存在することができる。
充填剤は、全組成物に対し、最大約80重量%、又は最大約70重量%、又は最大約60重量%の量で存在することができる。
本発明の歯科材料は、化学的硬化性、熱硬化性又は光硬化性組成物であり得る。光硬化性材料は、適切な反応開始剤系を有する必要がある。化学的硬化性材料は自動硬化(例えばレドックス開始剤によって)することができる。あるいは、本発明の材料は自動硬化と光硬化との組み合わせにより硬化することができる。
フリーラジカル重合(硬化)については、反応開始剤系は、放射線、熱、又はレドックス/自動硬化化学反応を介して重合を開始する系から選択され得る。フリーラジカル活性官能基の重合を開始できる反応開始剤の部類には、任意に光増感剤又は促進剤と組み合わせられる、フリーラジカル生成光開始剤が挙げられる。こうした反応開始剤は、典型的に、波長200〜800nmの光エネルギーへの曝露に際し、付加重合するためのフリーラジカルを生成することが可能であり得る。
本発明において有用なフリーラジカル重合可能な材料の光重合には、様々な可視、近紫外、及び近赤外光反応開始剤系を使用することができる。例えば、フリーラジカル重合(硬化)では、光反応開始剤系は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,071,424号に記載されるように、アミン及びα−ジケトンの2構成成分系を介して重合を開始する系から選択され得る。あるいは、樹脂は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,545,676号に記載されるように、3構成成分又は3元の光開始剤系と組み合わせることができる。
3元の光開始剤(photoinitator)系では、第1構成成分は、ヨードニウム塩、即ちジアリールヨードニウム塩である。ヨードニウム塩は、増感剤及び供与体の存在下でモノマー中に溶解されるとき、好ましくはモノマー中に可溶性であり、また貯蔵安定性である(即ち、自発的に重合を促進しない)。それ故に、特定のヨードニウム塩の選択は、選択された特定のモノマー、ポリマー又はオリゴマー、増感剤及び供与体にある程度依存し得る。好適なヨードニウム塩は、米国特許第3,729,313号、同第3,741,769号、同第3,808,006号、同第4,250,053号、及び同第4,394,403号に記載されており、該特許のヨードニウム塩に関する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。ヨードニウム塩は、単塩(例えば、Cl、Br、I又はCSO のようなアニオンを含有する)又は錯塩(例えば、BF 、PF 、SbF 又はAsF を含有する)であり得る。所望により、ヨードニウム塩の混合物を使用することができる。好ましいヨードニウム塩には、ジフェニルヨードニウム塩、例えば、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、及びジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレートが挙げられる。
3元の光開始剤系の第2構成成分は、増感剤である。増感剤は望ましくは、モノマー中に可溶性であり、200より大きく1200ナノメートルまで、より好ましくは200より大きく700ナノメートルまで、及び最も好ましくは200より大きく約600ナノメートルまでの波長範囲内のいずれかで光吸収ができる。増感剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,729,313号に記載される試験手順を用いて、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンの増感が可能であり得る。好ましくは、増感剤は、この試験に合格することの他に、貯蔵安定性もある程度考慮して選択される。それ故に、特定の増感剤の選択は、選択された特定のモノマー、オリゴマー又はポリマー、ヨードニウム塩及び供与体にある程度依存し得る。
好適な増感剤には、次の範疇の化合物:ケトン、クマリン染料(例えば、ケトクマリン)、キサンテン染料、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン、芳香族多環式炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリルメタン、メロシアニン、スクアリリウム染料、及びピリジニウム染料を挙げることができる。ケトン(例えば、モノケトン又はα−ジケトン)、ケトクマリン、アミノアリールケトン、及びp−置換アミノスチリルケトン化合物が、好ましい増感剤である。高い感度が必要な用途については、ジュロリジニル部分を含有する増感剤を用いるのが好ましい。高度の硬化(例えば、高度充填複合体の硬化)が必要な用途の場合、光重合に望ましい照射波長で、約1,000未満、より好ましくは約100未満の減衰係数を有する増感剤を用いるのが好ましい。あるいは、照射の際に励起波長において光吸収の低減を示す染料が使用され得る。
例えば、ケトン増感剤の好ましい部類は次の化学式を有する:ACO(X)B(式中、XはCO又はCRであり、R及びRは同じか又は異なり、水素、アルキル、アルカリル、又はアラルキルにすることができ、bは0又は1であり、AとBは異なり、置換されていてもよく(1つ以上の非干渉置換基を有する)、同じであることができ、又は置換されていないアリール基、アルキル基、アルカリル基、若しくはアラルキル基であるか、又はA及びBが一緒になって環状構造を形成し、これは置換又は非置換脂環式、芳香族、複素環式芳香族、又は縮合芳香族環にすることができる)。
上記化学式の好適なケトンには、2,2−、4,4−又は2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ジ−2−ピリジルケトン、ジ−2−フラニルケトン、ジ−2−チオフェニルケトン、ベンゾイン、フルオレノン、カルコン、ミヒラーケトン、2−フルオロ−9−フルオレノン、2−クロロチオキサントン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、1−又は2−アセトナフトン、9−アセチルアントラセン、2−、3−又は9−アセチルフェナントレン、4−アセチルビフェニル、プロピオフェノン、n−ブチロフェノン、バレロフェノン、2−、3−又は4−アセチルピリジン、3−アセチルクマリンなどのようなモノケトン(b=0)が挙げられる。好適なジケトンには、アントラキノン、フェナントレンキノン、o−、m−及びp−ジアセチルベンゼン、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−及び1,8−ジアセチルナフタレン、1,5−、1,8−及び9,10−ジアセチルアントラセンなどのようなアラルキルジケトンが挙げられる。好適なα−ジケトン(b=1及びX=CO)には、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、ベンジル、2,2’−3 3’−及び4,4’−ジヒドロキシルベンジル、フリル、ジ−3,3’−インドリルエタンジオン、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、ビアセチル、1,2−シクロヘキサンジオン、1,2−ナフタキノン、アセナフタキノンなどが挙げられる。
3元の反応開始剤系の第3構成成分は、供与体である。好ましい供与体には、例えば、アミン(アミノアルデヒド及びアミノシランを包含する)、アミド(ホスホルアミドを包含する)、エーテル(チオエーテルを包含する)、尿素(チオ尿素を包含する)、フェロセン、スルフィン酸及びそれらの塩、フェロシアニドの塩、アスコルビン酸及びその塩、ジチオカルバミン酸及びその塩、キサントゲン酸塩、エチレンジアミン四酢酸の塩、並びにテトラフェニルボロン酸の塩が挙げられる。供与体は、非置換であることも、又は1つ以上の非干渉置換基により置換されることもできる。特に好ましい供与体は、窒素、酸素、リン、又はイオウ原子のような電子供与体原子、及び電子供与体原子に対してα位置にある炭素原子又はシリコン原子に結合された抽出可能な水素原子を含有する。様々な種類の供与体が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,545,676号に開示されている。
あるいは、本発明において有用なフリーラジカル反応開始剤は、米国特許第4,737,593号に記載のようなアシルホスフィンオキシドの部類を含む。このようなアシルホスフィンオキシドは次の一般式のものである。
(R−P(=O)−C(=O)−R10
(式中、各Rは個々に、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルのようなヒドロカルビル基であり得、そのいずれもがハロ−、アルキル−、若しくはアルコキシ基で置換され得るか、又は2つのR基が結合してリン原子と共に環を形成することができ、式中、R10は、ヒドロカルビル基、S−、O−、若しくはN−含有5若しくは6員複素環基、又は−Z−C(=O)−P(=O)−(R基であり、式中、Zは2〜6個の炭素原子を有するアルキレン又はフェニレンのような二価のヒドロカルビル基を表している)。
本発明に有用な好ましいアシルホスフィンオキシドは、R及びR10基が、フェニル、又は低級アルキル−若しくは低級アルコキシ−置換フェニルであるものである。「低級アルキル」及び「低級アルコキシ」とは、1〜4個の炭素原子を有するこうした基を意味する。最も好ましくは、アシルホスフィンオキシドは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(IRGACURE)(商標)819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)、ニューヨーク州タリータウン)である。
三級アミン還元剤を、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。本発明で有用な三級アミンの一例としては、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。
400nmより大きく1200nmまでの波長で照射されたときにフリーラジカルの開始が可能な市販のホスフィンオキシド光開始剤には、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの25:75重量混合物(イルガキュア(IRGACURE)(商標)1700、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(イルガキュア(商標)369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタン(イルガキュア(商標)784DC、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの1:1重量混合物(ダロキュア(DAROCUR)(商標)4265、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(ルシリン(LUCIRIN)(商標)LR8893X、BASF社(BASF Corp.)、ノースカロライナ州シャーロット)が挙げられる。
本発明の歯科材料において、代わりに使用できる別のフリーラジカル反応開始剤系には、ボレートアニオン及び相補的なカチオン染料を含むイオン性染料対イオン錯体反応開始剤の部類が挙げられる。
ボレート塩の光開始剤は、例えば、米国特許第4,772,530号、同第4,954,414号、同第4,874,450号、同第5,055,372号、及び同第5,057,393号に記載されており、該特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
これら光開始剤(photointiators)に有用なボレートアニオンは、一般に式Rのものである(式中、R、R、R、及びRは、独立して、アルキル基、アリール基、アルカリル基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂環式、及び飽和又は不飽和複素環基であり得る)。好ましくは、R、R、及びRはアリール基であり、より好ましくはフェニル基であり、Rは、アルキル基であり、より好ましくは二級アルキル基である。
カチオン対イオンは、カチオン染料、四級アンモニウム基、遷移金属配位錯体などであり得る。対イオンとして有用なカチオン染料は、カチオン性のメチン、ポリメチン、トリアリールメチン、インドリン、チアジン、キサンテン、オキサジン、又はアクリジン染料であり得る。より具体的には、染料は、カチオン性のシアニン、カルボシアニン、ヘミシアニン、ローダミン、及びアゾメチン染料であってもよい。有用なカチオン染料の具体例には、メチレンブルー(Methylene Blue)、サフラニン(Safranine)O、及びマラカイトグリーン(Malachite Green)が挙げられる。対イオンとして有用な四級アンモニウム基は、トリメチルセチルアンモニウム、セチルピリジニウム、及びテトラメチルアンモニウムであり得る。他の有機親和性カチオンには、ピリジニウム、ホスホニウム、及びスルホニウムを挙げることができる。
使用されてもよい感光性遷移金属配位錯体には、ピリジン、2,2’−ビピリジン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチルフェナントロリン、2,4,6−トリ(2−ピリジル−s−トリアジン)及び関連した配位子などの配位子を有するコバルト、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、及びイリジウムの錯体が挙げられる。
フリーラジカル活性官能基の重合を開始できる反応開始剤の更に別の代替的部類には、従来の化学的反応開始剤系、例えば過酸化物とアミンとの組み合わせが挙げられる。これらの反応開始剤は、レドックス反応に依存するが、多くの場合「自動硬化触媒(auto-cure catalysts)」と称される。それらは、典型的には、2部系として供給され、その中で反応物質は、互いに離れて保管され、その後使用直前に混ぜ合わされる。
有機ペルオキシド化合物もいわゆる活性剤と相まって、レドックス開始剤系として好適である。具体的には、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、及びp−クロロベンゾイルペルオキシド、並びにp−メチルベンゾイルペルオキシドなどの化合物は、有機ペルオキシド化合物であると考えることができる。
活性剤として好適なのは、例えば、米国特許第3,541,068号で既知のN,N−ビス−(ヒドロキシアルキル)−3,5−キシリジン、並びにN,N−ビス−(ヒドロキシアルキル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、特に、N,N−ビス−([β]−オキシブチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン並びにN,N−ビス−(ヒドロキシアルキル)−3,4,5−トリメチルアニリンなどの三級芳香族アミンである。
更なるレドックス系は、米国特許出願第2003/008967号、ドイツ特許第1495 520号に記載のようなペルオキシド並びにバルビツール酸及びバルビツール酸誘導体、並びに欧州特許第0 059 451号に記載のマロニルスルファミドをベースにすることができる。好ましいマロニルスルファミドは、2,6−ジメチル−4−イソブチルマロニルスルファミド、2,6−ジイソブチル−4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジブチル4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジメチル4−エチルマロニルスルファミド、及び2,6−ジオクチル4−イソブチルマロニルスルファミドである。
更なる促進のために、この場合の重合は、重金属化合物及び無機ハロゲン又は擬ハロゲンの存在下で行われるのが好ましい。重金属は、可溶性有機化合物の形態で好適に使用される。同様に、ハロゲン化物及び擬ハロゲン化物イオンは可溶性塩の形態で好適に使用され、例として可溶性アミン塩酸塩並びに四級塩化アンモニウム化合物を挙げることができる。好適な促進剤は、具体的には、鉄又は銅族からの金属であり、好ましくは銅及び鉄複合体、特に銅複合体である。重金属は、好ましくは可溶性有機化合物の形態で用いられる。好適なのは、例えば、鉄カルボキシレート、銅カルボキシレート、鉄と1,3−ジケトンとの複合体、銅と1,3−ジケトンとの複合体(例えば1−フェニルペンタン−1,3−ジオン)、ナフテン酸銅、酢酸銅及びナフテン酸鉄である。
本発明の歯科用組成物が、有機ペルオキシドと活性剤とを含むレドックス開始剤系を含有する場合は、ペルオキシド及び活性剤は一部分において互いに物理的に分離して存在するのが好ましく、使用直前にのみ均質に混合される。有機ペルオキシド、銅化合物、ハロゲン化物及びマロニルスルファミド並びに/又はバルビツール酸が互いに隣接して存在する場合、有機ペルオキシド、マロニルスルファミド及び/又はバルビツール酸並びに銅化合物/ハロゲン化物の混合物が、互いに物理的に分離した3つの構成要素として存在するのが特に有用である。例えば、銅化合物/ハロゲン化物、重合可能なモノマー、及び充填剤の組み合わせをペーストに混練し、その他の構成成分を、それぞれが少量の充填剤又は特にチキソトロピー助剤、例えばシラン化ケイ酸、及び可塑剤、例えばフタレートを有する2つの別個のペーストに混練してもよい。一方、重合可能なモノマーは、有機ペルオキシド及び充填剤と共に存在することもできる。あるいは、有機ペルオキシド、銅化合物、ハロゲン化物及びマロニルスルファミド並びに/又はバルビツール酸の分布は、ドイツ特許第199 28 238号に従って実現することができる。
反応開始剤は、好ましくは、樹脂システムの硬化(cure)又は硬化(hardening)を開始する、あるいは硬化(cure)又は硬化(hardening)の速度を高めるのに有効な量で本発明の歯科用組成物中に提供される。
更なる代替案において、フリーラジカル活性基の硬化又は重合を開始するために、熱を使用してよい。本発明の歯科用材料に好適な熱供給源の例としては、誘導、対流、及び放射が挙げられる。熱源は、標準状態(23℃及び1013hPa(1013mbar))で、又は高圧(例えば少なくとも約200kPa(2bar))で、少なくとも40℃〜150℃の温度を生成することが可能でなければならない。この方法は、口腔環境外で生じる物質の重合を開始させるのに好ましい。好適な反応開始剤は、有機ペルオキシド(例えばベンゾイルペルオキシド)及び無機ペルオキソ化合物(例えば過硫酸ナトリウム)又はアゾ化合物、例えば4,4−アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitril)である。
典型的には、反応開始剤は、全組成物に対し、少なくとも約0.1重量%、又は少なくとも約0.5重量%、又は少なくとも約1重量%の量で存在することができる。
反応開始剤は、全組成物に対し、最大約10重量%、又は最大約7.5重量%、又は最大約5重量%の量で存在することができる。
本発明の組成物はまた、硬化性化合物(A1)と異なる少なくとも1つの更なる硬化性化合物(A2)を更に含有することができる。好ましくは、この更なる硬化性化合物(A2)はフリーラジカル活性官能基を有してもよく、1つ以上のエチレン性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマーを含んでもよい。
フリーラジカル活性官能基を有する硬化性樹脂の部類において、本発明に使用するために好適な物質は、少なくとも1つのエチレン系不飽和結合を含有し、付加重合を実施することができる。こうしたフリーラジカル重合性物質には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルメタクリレート(「ビス−GMA」)、ビス[1−(2−アクリロキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレートのようなモノ−、ジ−又はポリアクリレート及びメタクリレート;分子量200〜500のポリエチレングリコールのビス−アクリレート及びビス−メタクリレート、米国特許第4,652,274号の中のもののようなアクリレート化モノマーの共重合可能混合物、及び米国特許第4,642,126号のもののようなアクリレート化オリゴマー;並びに、スチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシナート、ジビニルアジパート及びジビニルフタレートのようなビニル化合物が挙げられる。所望であれば、これらのフリーラジカル重合性物質の2つ以上の混合物が使用され得る。
好ましいエチレン性不飽和モノマーは、メタクリレート及びアクリレートモノマー、例えば、メチル(メタ)アクリレート、n−又はi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、i−又はtert−ブチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシテトラヒドロフラン、2−(((アルキルアミノ)カルボニル)オキシ)エチル(メタ)アクリレート、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール及びエイコサンジオールのジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、例えば2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリルアミドである。
使用するモノマーは、更には、[α]−シアノアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸及びソルビン酸のエステルであり得る。
欧州特許第0 235 826号に記載のメタクリルエステル、例えば、ビス[3[4]−メタクリル−オキシメチル−8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチルトリグリコレートを使用することも可能である。特に好適なのは、2,2−ビス−4(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルプロパン(ビス−GMA)、2,2−ビス−4(3−メタクリロキシプロポキシ)フェニルプロパン、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、及びビスヒドロキシメチルトリシクロ−(5.2.1.02,6)デカンのジ(メタ)アクリレートである。
添加することができるその他の硬化性化合物(A2)は、低分子量化合物を含む化合物(A1)とは異なるウレタンメタクリレート、例えば、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシジメタクリレート(UDMA)である。同様に有用なのは、オリゴマー又はポリマー化合物、例えば、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレート、及びポリ(メタ)アクリレートウレタン(メタ)アクリレートである。これら化合物の分子量は20,000g/モル未満、特に15,000g/モル未満、とりわけ10,000g/モル未満が好ましい。
これらエチレン性不飽和モノマーは、単独で又は更なるエチレン性不飽和モノマーと組み合わせて、本発明の歯科用組成物に使用することができる。
硬化性化合物(A2)は、全組成物に対し、少なくとも約0重量%、又は少なくとも約5重量%、又は少なくとも約10重量%の量で存在し得る。
硬化性化合物(A2)は、全組成物に対し、最大約84重量%、又は最大約80重量%、又は最大約70重量%の量で存在し得る。
本発明の組成物は、1つを超える添加物が存在する場合は更なる添加物を構成成分(D)又は(Dx)として含有することもでき、その場合「x」は存在する添加物の数を表す。典型的な添加物には顔料及び着色剤が挙げられる。例には、二酸化チタン又は硫化亜鉛(リトポン)、ベンガラ3395、バイフェロックス(Bayferrox)920Zイエロー、ネアゾポン(Neazopon)ブルー807(銅フタロシアニン系染料)、又はヘリオファースト(Helio Fast)イエローERが挙げられる。これら添加物は、歯科用組成物の個々の着色剤として使用することができる。
添加することのできる更なる添加物には、安定剤、特にフリーラジカルスカベンジャー、例えば、置換及び/又は非置換のヒドロキシ芳香族化合物(例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エトキシフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(ジメチルアミノ)メチルフェノール又は2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(UV−9)、2−(2’−ヒドロキシ−4’,6’−ジ−tert−ペンチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、フェノチアジン、及びHALS(ヒンダードアミン光安定剤)が挙げられる。このような補助剤は、樹脂と共重合されるように反応性官能基を任意に含んでもよい。
添加することのできる更なる添加物には、遅延剤、(例えば1,2−ジフェニルエチレン)、可塑剤(ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール、低分子量ポリエステル、ジブチル、ジオクチル、ジノニル及びフタル酸ジフェニル、ジ(イソノニルアジパート)、リン酸トリクレシル、パラフィン油、三酢酸グリセロール、ビスフェノールAジアセテート、エトキシル化ビスフェノールAジアセテート、並びにシリコーン油を含む)、風味料、抗菌剤、芳香剤、蛍光及び/又は乳白光を付与する剤、並びにフッ化物剥離剤が挙げられる。
歯科材料の可撓性を増大させるために、ポリ酢酸ビニルなどの可溶性有機ポリマー、及びそれらのコポリマーを添加することも可能である。
これら添加物は存在する必要はない。しかしながら、存在する場合は、典型的には全組成物に対し、約0.1重量%、又は少なくとも約0.5重量%、又は少なくとも約1重量%の量で存在する。
全組成物に対し、最大約25重量%、又は最大約20重量%、又は最大約15重量%の量で更なる添加物が存在してもよい。
典型的には、本発明組成物は、全組成物に対し、
○ 約5重量%〜約40重量%の量の、又は約10重量%〜約30重量%の量の、又は約12重量%〜約20重量%の量の硬化性化合物(A1)、
○ 約10重量%〜約80重量%の量の、又は約15重量%〜約70重量%の量の、又は約20重量%〜約60重量%の量の充填剤(B1)、
○ 約0.1重量%〜約10重量%の量の、又は約0.5重量%〜約7.5重量%の量の、又は約1重量%〜約5重量%の量の反応開始剤(C1)、
○ 約0重量%〜約84重量%の量の、又は約5重量%〜約80重量%の量の、又は約10重量%〜約70重量%の量の、硬化性化合物(A1)と異なる硬化性化合物(A2)、及び
○ 約0重量%〜約25重量%の量の、又は約0.5重量%〜約20重量%の量の、又は約1重量%〜約15重量%の量の添加物(Dx)、を含有することができる。
ある実施形態において、本発明の組成物は、次のパラメーターの少なくとも1つ又はそれ以上、場合によっては全てを満たす。
○ 圧縮強度:少なくとも約270Mpa、又は少なくとも約280Mpa、又は少なくとも約290Mpa;以下の実験の項目に記載に従って判定される。
○ 曲げ強度:少なくとも約70Mpa、又は少なくとも約80Mpa、又は少なくとも約90Mpa;4mm(高さ)×6mm(幅)×25mm(長さ)の寸法を有する試験試料を用いてISO4049に従って判定される。
○ 偏差:少なくとも約1.1mm、又は少なくとも約1.2mm、又は少なくとも約1.4mm;4mm(高さ)×6mm(幅)×25mm(長さ)の寸法を有する試験試料を用いてISO4049に従って判定される。
○ 衝撃強度:少なくとも約8kJ/m、又は少なくとも約10kJ/m、又は少なくとも約12kJ/m;4mm(高さ)×6mm(幅)×50mm(長さ)の寸法を有する試験試料を用いてISO179−1(シャルピー)に従って判定される。
本発明のある実施形態において、曲げ強度、偏差、及び衝撃強度の特徴の組み合わせが有利であることが証明された。
本発明はまた、本文に記載されるような化合物(A1)の製造プロセス、及びかかるプロセスにより得ることができる生成物に関する。
該プロセスは、イソシアネート基含有化合物を、ヒドロキシル基、アミノ基、又はカルボキシル基含有化合物と反応させる工程を含む。
有用なイソシアネート基含有化合物には、
が挙げられる。それらの分子は、例えばバイエル社(Bayer AG)から商標名デスモジュール(Desmodur)(商標)で市販されている。
その他のイソシアネート基含有化合物は、ポリヒドロキシ(例えば、トリメチロールプロパン、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール)/ポリカルボキシル(例えばニトリロ三酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン四酢酸)/ポリアミノ(例えばジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン)官能基を含む化合物を、化学量論的量のジイソシアネート(例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート)と反応させることにより容易に得ることができる。
有用なヒドロキシル基含有化合物には、
が挙げられる。
有用なカルボキシル基含有化合物には、
が挙げられる。それら分子も、例えばダイセル(Daicel)又はアルドリッチ(Aldrich)から市販されている。
有用なアミノ基含有化合物には、
が挙げられる。
化合物(A1)の合成は、ポリウレタン化学で既知の触媒、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズなどの有機スズ化合物、又はジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのアミン触媒の存在下で行うことができる。更に、合成は、合成前又は合成中に添加され得る溶解物の中で及び好適な溶媒の中での両方で行うことができる。好適な溶媒は、例えば、アセトン、2−ブタノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチルアセテート、エチレン及びプロピレングリコールのアルキルエーテル、並びに芳香族炭化水素である。溶媒としてエチルアセテートを使用するのが特に好ましい。
ヒドロキシル基、カルボン酸基又はアミノ基含有化合物の測定用量を、撹拌しながら、NCO−含有化合物に一工程で又は分割して添加し、例えば、約−20℃〜約160℃の温度範囲内で、又は約0℃〜約130℃の温度範囲内で、又は約20℃〜約100℃の温度範囲内で反応させる。反応は通常、約8時間〜約24時間以内に完了する。
イソシアナート含有量の測定は、DIN 53 185に記載の方法で実施することができる。
反応生成物は、真空下での溶媒の除去を含む当業者に既知の方法で単離することができる。
化合物(A1)の好ましい例は、下記のウレタン(メタ)アクリレートである。この分子は、特定のイソシアヌレートと特定のヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートとの反応により得ることができる。
本発明はまた、本発明の組成物の製造方法に関し、該方法は、硬化性化合物(A1)と充填剤(B1)と反応開始剤(C1)とを混合する工程を含む。構成成分の混合は、スパチュラ及び混合パッドを使用して手で、又は静的ミキサーを有する手動の混合装置で達成することができる。
本発明において有用な組成物は、「安全光」の状態を含む単なる混合により調製することができる。所望であれば、好適な不活性溶媒を使用してもよい。本発明の組成物の構成要素と認め得るほどには反応しない、任意の溶媒を使用することができる。好適な溶媒の例には、エチルアセテート、アセトン、及びエタノールが挙げられる。
更なる態様において、本発明は、基部と触媒部とを含む部品のキットに関し、基部は硬化性化合物(A1)を含み、触媒部は反応開始剤(C1)を含み、充填剤(B1)及び添加物(Dx)は基部若しくは触媒部のいずれかの中、又は基部及び触媒部の中に存在することができる。
別の態様において、本発明は、後端部と前端部とを有する互いに分離された2つの区画(I)及び(II)を含むカートリッジに関し、前端部は開くことができかつ静的混合チップに連結でき、区画(I)は硬化性化合物(A1)を収容し、区画(II)は反応開始剤(C1)を収容する。充填剤(B1)及び添加物(Dx)は、区画(I)若しくは区画(II)のいずれかの中、又は区画(I)及び区画(II)の中に存在することができる。区画(I)の区画(II)に対する体積比は、典型的には、約1:1〜約10:1の範囲内である。
有用なカートリッジは、米国特許出願第2007/0090079号及び米国特許第5,918,772号に記載されており、両特許の開示は参照により組み込まれる。使用することができるカートリッジは、ズルツァーミックスパック社(SulzerMixpac AG)(スイス)から市販されている。
有用な静的混合チップは、米国特許出願第2006/0187752号及び米国特許第5,944,419号に記載されており、両特許の開示は参照により組み込まれる。使用することができる混合チップは、ズルツァーミックスパック社(SulzerMixpac AG)(スイス)から市販されている。
更に、本発明は、歯科用組成物の製造のための本発明の本文に記載されるような硬化性化合物(A1)の使用方法に関し、該方法は、硬化性化合物(A1)を充填剤及び好適な反応開始剤に添加する工程を含む。
本発明の歯科用組成物は、例えば、歯科用接着剤、人工歯冠、前部又は後部詰め物、鋳込材料、キャビティライナー、セメント、コーティング組成物、ミルブランク、歯列矯正装置、修復材、補綴物、及びシーラントとして使用することができる。好ましい態様において、歯科材料は、一時的及び長期的な歯冠及びブリッジ材料である。本発明の一時的及び長期的な歯冠及びブリッジ材料は、口中に直接配置し、その場で硬化(cured・hardened)することができるか、あるいは、口外の補綴物の中に加工して、その後、口の内部の適切な位置に接着してもよい。
別の態様において、本発明は、一時的及び長期的な歯冠又はブリッジの製造方法に関し、該方法は、本発明の本文に記載されるような組成物を、固まった歯科用印象材の型の中に配置する工程を含む。歯科用印象材は、アルギン酸塩、シリコーン(VPS)、又はポリエーテル歯科印象材であり得る。
市販のアルギン酸塩印象材には、パールガット(Palgat)(商標)(3M ESPE)が挙げられる。市販のシリコーン印象材には、エクスプレス(Express)(商標)、インプリント(Imprint)(商標)及びポジション(Position)(商標)(3M ESPE)が挙げられる。市販のポリエーテル印象材には、インプレガム(Impregum)(商標)(3M ESPE)が挙げられる。
歯科業における典型的なプロセスは、次のうちの1つ以上の工程を含む。
a)印象採得用の硬い歯牙構造を調製又は成形する工程、
b)歯科用印象材を使用して硬い歯牙構造の印象材を作製し、歯牙構造の陰型を得る工程、
c)歯科用印象材が固まるまで待つ工程、
d)硬い歯牙構造から固まった歯科用印象材を取り外す工程、
e)最終修復用の硬い歯牙構造を調製又は成形する工程、
f)本発明の硬化性組成物を、工程a)〜d)で得た陰型の中に配置する工程、
g)工程f)の充填された陰型を、工程e)の調製された又は成形された歯牙構造の上に再度位置付ける工程、
h)硬化組成物が少なくとも部分的に硬化して、組成物の残留物を調製された又は成形された歯牙構造上に残すことなく、調製された又は成形された歯牙構造から組成物を取り外すことができるようになるまで待つ工程、
i)固まった印象材から工程h)の組成物を取り外す工程、
k)工程i)の取り外された組成物を、調製された又は成形された歯牙構造の上に歯科用セメントを使用して接着固定する工程。
以下の実施例は例示のために与えられるが、本発明の範囲を限定するものではない。別段の指定がない限り、部及び百分率はすべて、重量基準である。
実施例
試料の調製:
静的ミキサー(ズルツァーミックスパック社(SulzerMixpac AG))を備えたギャラント(Garant)(商標)II 10:1カートリッジを使用して、それぞれの金型の中に材料を適用した。プラスチックホイル(ホスタファン(Hostaphan)(商標)RN75)とプレキシガラス板との間で、加圧下、23℃で1時間にわたって硬化を実施した。プレス機、プレキシガラス板、及びホイルを取り外し、型の中の試料を、36℃で脱塩水の下で23時間にわたり後硬化に供した。型は測定直前に取り外した。
測定
圧縮強度
圧縮強度は、直径4mm、高さ8mmの円筒形試料を用いて、DIN 53454(ISO9917 2001)に従って測定した。
曲げ強度、偏差
曲げ強度及び偏差を判定するために、ISO4049に相当する3点曲げ試験を行った。ISO4049において与えられた測定指示に対する条件変更は、試料の寸法のみであった。本発明において記録された測定に関して、試験試料は4×6×25mmの寸法を有していた。
衝撃強度
衝撃強度は、ノッチのない試料(試験試料寸法:4×6×50mm)及び0.5Jペンデュラムを用いて、ISO179−1(シャルピー)に従って測定した。
組成物
略語
化合物(A1)の典型的な合成−(実施例1;DESMA):
65.0gのデスモジュール(Desmodur)N3300、29.9mgのイオノール、68.6mgのジラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL)、及び21.8gの酢酸エチルの混合物に、84.7gのプラッセル(Placcel)FM1Dを乾燥風下で1時間以内に加えた。反応を通して、温度は50〜60℃に保たれた。プラッセル(Placcel)FM1Dの添加後、50℃で12時間混合物を撹拌し、次に、継続して引き続き撹拌を一晩続けながら室温まで冷却した。DIN 53185に従ってイソシアネート基の定量的反応を判定した。得られた反応生成物は更なる単離又は精製を行わずに使用した。
実施例2〜5で使用した他の化合物(A1)、及び比較例で使用した硬化性化合物を、表2のより詳細な記載に従って調製した。使用した構成成分の化学構造を表3に示す。

実施例1〜6及び比較例の組成物の典型的な調製
以下に記載の組成物を概して次のように調製した。
溶液A:
Cu−プロセトナト(procetonat)、アミン(Amin)−HCl、及びイオノールを酢酸エチルの中に溶解し、室温で撹拌しながらD−ツェタクリラト(Zethacrylat)及びDESMAに加えた。分量は表4〜10に示されている。均質な混合物が得られた後、酢酸エチルを真空下で除去した。
ペーストA:
顔料、溶液A、HDK−H 2000、及び充填剤(表4〜10参照)を3アーム実験用混練機の中で混合した。残留充填剤の凝集体を、セラミック製の3ロールミルの中で均質化した。
ペーストB:
TBPIN、BZPBS、Z−アセタト(Acetat)、Sr−ガラス(Glass)I、及びHDK−H 2000を3アーム実験用混練機の中で混合した。残留充填剤の凝集体を、セラミック製の3ロールミルの中で均質化した。
次に、ペーストA及びペーストBを、10:1ズルツァーミックスパック(SulzerMixpac)(商標)カートリッジのそれぞれの各区画内に充填した。
表4〜9には実施例1〜6の組成物、及び表10には比較例の組成物が示されている。
実施例1:
実施例2:
実施例3:
実施例4:
実施例5:
実施例6:
比較例:
デスモジュール(Desmodur)N3300/HEMAは、スミタB.ミトラ(Sumita B.Mitra)が、ポリマー・プレプリンツ(Polymer Preprints)、ポリマー化学部門(Division of Polymer Chemistry)、米国化学会、第38巻、第2号、103〜140頁の「エチレン性不飽和カルバモイルイソシアヌレート含有樹脂マトリクスから調製される歯科用複合材料(Dental composites prepared from resin matrices containing ethylencially unsaturated carbamoyl isocyanorates)」に記載したHMDIT(MAの合成に本質的に一致する。
上記組成物をそれらの機械的特性に関して試験した。試験結果を次の表11に示す。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]
a)硬化性化合物(A1)と、
b)充填剤(B1)と、
c)化合物(A1)の硬化を開始することができる反応開始剤(C1)と、
を含む歯科用組成物であって、
化合物(A1)が、構造A−(−S1−U−S2−Ma) n
(ここで、Aは、少なくとも1つの単位を含む結合要素であり、
S1は、互いに結合した少なくとも4つの単位を含むスペーサー基であり、
S2は、互いに結合した少なくとも4つの単位を含むスペーサー基であり、
A、S1、及びS2の単位は、独立して、CH 3 −、−CH 2 −、−O−、−S−、−NR 1 −、−CO−、−CR 1 =、

−N=、−CR 1 2 −、
(ここで、R 1 及びR 2 は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリール又は置換アリールから選択され、これら単位は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エステル基、ウレタン基、又はアミド基などの直鎖状、分枝状、又は環状構造を形成することができる)
から選択され、
Uは、スペーサー基S1とS2とを結合するウレタン基、尿素基、又はアミド基であり、
MAはアクリレート基又はメタクリレート基であり、
nは3〜6である)
を有する、歯科用組成物。
[2]
前記充填剤(B1)が、粒子寸法が約200nm未満であるナノサイズ充填剤を含む、[1]に記載の歯科用組成物。
[3]
前記反応開始剤が、光硬化する、レドックス硬化する、又は熱硬化する反応開始剤である、[1]又は[2]に記載の歯科用組成物。
[4]
次のパラメーター:
圧縮強度:少なくとも約270Mpaであり、直径4mm、高さ8mmの円筒形試料を使用して、DIN53454(ISO9917 2001)に従って判定;
曲げ強度:少なくとも約70Mpaであり、4mm(高さ)×6mm(幅)×25mm(長さ)の寸法を有する試験試料を使用して、ISO4049に従って判定;
偏差:少なくとも約1.1mmであり、4mm(高さ)×6mm(幅)×25mm(長さ)の寸法を有する試験試料を使用して、ISO4049に従って判定;
衝撃強度:少なくとも約8kJ/m 2 であり、4mm(高さ)×6mm(幅)×50mm(長さ)の寸法を有する試験試料を使用して、ISO179−1(シャルピー)に従って判定;
A1の分子量が少なくとも約1000である、
の少なくとも1つによって特徴づけられる、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[5]
化合物(A1)及び/又は添加物(Dx)と異なるラジカル重合可能な化合物(A2)を更に含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[6]
前記全組成物に対する重量%で、
前記硬化性化合物(A1)が約5重量%〜約40重量%の量で存在し、
前記充填剤(B1)が約10重量%〜約80重量%の量で存在し、
前記反応開始剤(C1)が約0.1重量%〜約10重量%の量で存在し、
前記硬化性化合物(A2)が約0重量%〜約84重量%の量で存在し、
前記添加物(Dx)が約0重量%〜約25重量%の量で存在する、
[5]に記載の歯科用組成物。
[7]
化合物(A1)が、

及びこれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[8]

からなる群から選択されるイソシアネート基含有化合物を、

からなる群から選択されるヒドロキシル/アミノ/カルボキシル基含有化合物と反応させる工程を含む、化合物(A1)の製造プロセス。
[9]
前記硬化性化合物(A1)と、前記充填剤(B1)と、前記反応開始剤(C1)とを混合する工程を含む、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の歯科用組成物の製造方法。
[10]
[1]〜[7]のいずれか一項に記載の硬化性化合物(A1)、又は歯科用組成物を製造するための[8]に記載のプロセスにより得ることができる硬化性化合物(A1)の使用方法。
[11]
前記歯科用組成物が、歯科用接着剤、人工歯冠、一時的及び長期的な一時的歯冠及びブリッジ材料、前部又は後部詰め物、鋳込材料、キャビティライナー、セメント、コーティング組成物、ミルブランク、歯列矯正装置、修復材、補綴物、シーラント、及び印象材からなる群から選択される、[10]に記載の方法。
[12]
[1]〜[7]のいずれか一項に記載の歯科用組成物を、固まった歯科用印象材の型の中に配置する工程を含む、一時的又は長期的な歯冠及びブリッジの製造方法。
[13]
基部と触媒部とを含む部品のキットであって、該基部が硬化性化合物(A1)を含み、該触媒部が反応開始剤(C1)を含み、前記充填剤(B1)が該基部若しくは該触媒部のいずれかの中、又は該基部及び該触媒部の中に存在することができ、化合物(A1)、充填剤(B1)、及び反応開始剤(C1)が、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の通りである、部品のキット。
[14]
後端部と前端部とを有する互いに分離された2つの区画(I)及び(II)を含むカートリッジの中に収容される、[13]に記載の部品のキットであって、
該前端部が開くことができかつ静的混合チップに連結でき、
区画(I)が該基部を収容し、区画(II)が該触媒部を収容する、部品のキット。

Claims (2)

  1. a)硬化性化合物(A1)と、
    b)充填剤(B1)と、
    c)化合物(A1)の硬化を開始することができる反応開始剤(C1)と、
    を含む歯科用組成物であって、
    化合物(A1)が、構造A−(−S1−U−S2−MA)
    (ここで、Aは、下記構造から選ばれる結合要素であり、

    S1は、互いに結合した少なくとも4つの単位を含むスペーサー基であり、
    S2は、互いに結合した少なくとも4つの単位を含むスペーサー基であり、
    1及びS2の単位は、独立して、CH−、−CH−、−O−、−NR−、−CO−、−CR=、


    −N=、−CR−、
    (ここで、R及びRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリール又は置換アリールから選択され、これら単位は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エステル基、ウレタン基、又はアミド基などの直鎖状、分枝状、又は環状構造を形成することができる)
    から選択され、
    Uは、スペーサー基S1とS2とを結合するウレタン基、尿素基、又はアミド基であり、
    MAはアクリレート基又はメタクリレート基であり、
    nは3〜6であり、
    S1とS2の少なくとも1つは−CH−の繰り返し単位を含む)
    を有する、歯科用組成物。
  2. a)硬化性化合物(A1)と、
    b)充填剤(B1)と、
    c)化合物(A1)の硬化を開始することができる反応開始剤(C1)と、
    を含む歯科用組成物であって、
    化合物(A1)が


    及びこれらの混合物からなる群から選択される、歯科用組成物。
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