JP2017501308A - 硫酸塩メタレートを含む硫酸銅処理液中での平面金属材料の電解表面改質のための方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、銅凝集体の析出による平面材料の電解表面改質のための方法に関する。本発明はまた、この方法を用いて製造されうる平面金属材料、及び、複数の材料を含む確実な接着結合の形成のための基材としての前述の平面金属材料の使用に関する。【選択図】図1
Description
本発明は、銅凝集体の析出による、平面金属材料の電解表面改質のための方法に関する。さらに本発明は、この方法で製造される平面金属材料、及び、複数の材料と強力な接着結合を形成するための基材としての金属材料の使用に関する。
大きくラフな表面を作ることは、異なる材料からなる表面の接着剤フリーのプレスのための必須条件であると認められる。材料の組み合わせに応じて、表面が先ず洗浄され、続いて構造化される。構造化は、金属−金属の結合の場合には、ドライブラッシングや研磨によって行われる。一般的には金属表面上へのプラスチックの押出しによって製造される金属−プラスチックの結合の場合には、金属の表面が、例えばリン酸塩処理やクロメート処理等の転化によって予備処理されるか、あるいは、金属表面が、深く構造化された(「ラフな」)金属の表面への析出によって、改質される(処理)。これらの展開に加えて、プラスチックの場合には、特に生体に適合される展開では、マイクロオーダーの寸法の接着島(例えば吸着足場)に覆われた表面についての興味が存在する。
電気的に特に繊細で、化学的に極端に困難な結合系では、結合領域において使用する材料は可能な限り少ないことが有利である。なぜなら、破壊的な物質が放出される可能性がより低く、結合の失敗が最少に維持されうるからである。
この理由で、上述の出願の分野においては、結合は、好ましくは、ブラッシングされた、或いは処理によって改質された金属の表面から作り出されて、所望の材料が巻かれ、プレスされ、或いは、引き当てられる。
このような処理による平面的で連続的な材料(ストリップ、ホイル)の製造は、通常、ストリップの電気めっきの従来法に従って行われる。用いられる方法−脱脂、電解洗浄、酸洗浄、めっき−の技術的な困難性は、ホイルやストリップの表面の縁が十分に均一にならないことである。達成可能な「通常の」表面の清浄さと、材料の局所的に異なるラフさは、表面上で、処理剤の凝集体の好ましい生長を部分的にのみ許容することになる。
金属や金属合金での金属表面の電解めっきは、金属材料、例えば、金属のストリップやシートの表面処理のための公知の方法である。例えば、電解ストリップめっきの場合、ストリップは1又は複数の電解セルを通って導かれる。各々の電解セルにおいて、ストリップは通常、いわゆるカレントロールを通じて整流器の負極端子と固体−固体接続するようにされる。ストリップはつまり、陰極すなわちカソードとして用いられる。通常、陽極つまりアノードは、一対の電極として形成され、ストリップは2つの電極の間を通って移動する。
電解めっきを通じて、めっきされる金属材料は、すべての面に実質的に均一なレベルの金属めっきが作られる。かなりラフな表面状態を有する金属材料が使われても、表面は平らにされる。しかしながら、他の材料への良好な接着が求められる用途では、平滑な表面が望まれないこともある。2つの材料の間の良好な接着は、接着するパートナーに、化学的相互作用がある、及び/又は形状的な特徴における機械的係合があるときに、達成される。もしこれがないか、あるいは十分でない場合には、接着が悪化する。つまり、金属表面と、金属表面、又は、例えばラッカーレイヤーやペイントレイヤー又は接着剤等の他の材料との間の、接着が充分でないと、品質に劣り、或いは使用できない製品を生み出すこととなる。
様々な技術的解決が、金属表面の接着を向上させるために開発されてきている。アノード酸化は、金属表面の接着を向上させるための電解プロセスとして知られている。アノード酸化の場合には、アノードとして接続された金属材料の表面上に、例えば硫酸、リン酸又はクロム酸等の酸性電解質を用いて、規則的に構造化された多孔質の酸化膜が形成される。孔は、アノード酸化された金属材料が、塗料やラッカー又は接着層などの他の材料と、機械的に結合することを可能にする。しかしながらアノード酸化は、例えばアルミニウム、チタン、それらの合金などのわずかな材料に限られる。とりわけ、アノード酸化アルミニウムは工業的に意義深いものである(Eloxalプロセス、アルミニウムの電解酸化)。ここでは、多孔質構造の酸化アルミニウム層がアルミニウム材料の表面上に形成される。
様々な技術的解決が、金属表面の接着を向上させるために開発されてきている。アノード酸化は、金属表面の接着を向上させるための電解プロセスとして知られている。アノード酸化の場合には、アノードとして接続された金属材料の表面上に、例えば硫酸、リン酸又はクロム酸等の酸性電解質を用いて、規則的に構造化された多孔質の酸化膜が形成される。孔は、アノード酸化された金属材料が、塗料やラッカー又は接着層などの他の材料と、機械的に結合することを可能にする。しかしながらアノード酸化は、例えばアルミニウム、チタン、それらの合金などのわずかな材料に限られる。とりわけ、アノード酸化アルミニウムは工業的に意義深いものである(Eloxalプロセス、アルミニウムの電解酸化)。ここでは、多孔質構造の酸化アルミニウム層がアルミニウム材料の表面上に形成される。
接着の向上は、めっきされる表面に電解予備処理のためのより早期のステップを入れることによっても達成されうる。例えば、実際のカソード析出工程の前に、金属材料がアノード処理に供されてもよい。アノード処理では浸食工程が導かれ、金属ホイルの表面に存在する微粒子や残渣、又は不純物が除去され、輝く表面が得られる。続くカソード処理で、析出/めっき工程が導かれ、そこで、清浄で輝く表面上に、処理液から、金属が通常は凝集体の形で、析出される。アノード及びカソードの分極は、従来の固体−固体接触を通じたガルバニックめっきと同様の方法で行われうる。また、さらに中性線の原理に従う進化したプロセスでは、非接触で分極が行われうる。
上述の表面改質プロセスのすべての場合において、析出される凝集体の柱状の形態は、結合における接着を制限する。結合における接着は、単位面積当たりの凝集体の数に伴って向上する。それは常に、凝集体自体の引き裂き抵抗/破壊強度に関係する閾値を向上させる。例えば、凝集体の長さに関して、接着結合は実質的にプレスされるプラスチックの流動性に依存する。特に、流動性がきわめて低いと、プラスチックが処理物の基部に到達せず、凝集体の先端に形成されるに過ぎなくなる。結合は次いで金属の杭上のプラスチック平面と比較されうる。もしこのような接着結合が十分に好ましいとしても、従来の処理物の凝集体の基部の結合では依然としてキャビティが残存しており、この中に攻撃性の化学種が浸透し、腐食を通して接着結合にダメージを与えるか、破壊することもありうる。
すなわち、金属表面への接着を向上させるための方法にはニーズがある。つまり本発明の目的は、平面金属材料の接着強度を増加させるためのシンプルで効果的な方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、希土類元素がドープされた銅薄膜の析出による平面金属材料の表面の改質/転化のための方法の提供である。
本発明の簡単な説明
この目的を達成するために、本発明において平面金属材料の電解表面改質のための方法が提供され、当該方法では、
平面金属材料の少なくとも1つの表面が、処理液中でアノード分極されて、アノード溶解プロセスが導かれ、次いで
前記平面金属材料の少なくとも1つの表面が、前記処理液中でカソード分極されて、前記平面金属材料の少なくとも1つの表面上に、1又は複数の金属が析出するようにカソード析出プロセスが導かれ、
硫酸/硫酸銅溶液を基礎とする導電性液体が処理液(電解液)として用いられ、前記処理液はさらに、イットリウム、ランタン及びランタノイドからなる群から選択される1又は複数の物質を含む。
(i)含有されるイットリウム、ランタン及び/又はランタノイドの物質量の割合(mol/L)の合計と、(ii)銅の物質量の割合(mol/L)との間の比率は、0.0182以上、好ましくは、0.0182〜0.127である。
この目的を達成するために、本発明において平面金属材料の電解表面改質のための方法が提供され、当該方法では、
平面金属材料の少なくとも1つの表面が、処理液中でアノード分極されて、アノード溶解プロセスが導かれ、次いで
前記平面金属材料の少なくとも1つの表面が、前記処理液中でカソード分極されて、前記平面金属材料の少なくとも1つの表面上に、1又は複数の金属が析出するようにカソード析出プロセスが導かれ、
硫酸/硫酸銅溶液を基礎とする導電性液体が処理液(電解液)として用いられ、前記処理液はさらに、イットリウム、ランタン及びランタノイドからなる群から選択される1又は複数の物質を含む。
(i)含有されるイットリウム、ランタン及び/又はランタノイドの物質量の割合(mol/L)の合計と、(ii)銅の物質量の割合(mol/L)との間の比率は、0.0182以上、好ましくは、0.0182〜0.127である。
本発明の方法は、平面金属材料の接着強度を向上させるためのシンプルで効果的な方法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、平面金属材料の電解表面改質のための方法を提供し、かかる方法では、平面金属材料の少なくとも1つの表面が、処理液中でアノード分極されてアノード溶解プロセスが導かれ、次いで、前記平面金属材料の前記少なくとも1つの表面が処理液中でカソード分極されて、前記平面金属材料の前記少なくとも1つの表面上の1又は複数の金属の析出のためのカソード析出プロセスが導かれる。
本発明は、平面金属材料の電解表面改質のための方法を提供し、かかる方法では、平面金属材料の少なくとも1つの表面が、処理液中でアノード分極されてアノード溶解プロセスが導かれ、次いで、前記平面金属材料の前記少なくとも1つの表面が処理液中でカソード分極されて、前記平面金属材料の前記少なくとも1つの表面上の1又は複数の金属の析出のためのカソード析出プロセスが導かれる。
本発明の方法において用いられる前記処理液は、硫酸/銅の硫酸塩溶液に基づく導電性の液体である。それは水性の硫酸に、適切な銅の塩又は酸化物を溶解することによって、簡単に得られる。使用される硫酸の量は、好ましくは、溶解後にもフリーの硫酸の残渣濃度が残っているように選択される。フリーの硫酸の残渣濃度は好ましくは少なくとも0.664mol/Lである。
銅イオンとフリーの硫酸の間のモル比率(すなわち、物質量の割合の比率)は、好ましくは1.05から1.25の範囲であり、より好ましくは1.10から1.20であり、特には1.15から1.17の範囲である。特定の実施態様では、割合は約1.16である。とりわけ、銅のソースとして、硫酸銅(II)五水和物、酸化銅(II)、炭酸銅(II)、又は塩基性炭酸銅(II)が好適である。
さらに、1又は複数の導電性塩が処理液に添加される。本発明の場合では、酸性処理液中で一般式Cu3[REE(SO4)3]2(REE=希土類元素)で表される易溶性の硫酸塩メタレートに転化する、希土類(REE)イットリウム、ランタン及びランタノイド(Ln)の塩が、導電性塩として好ましい。とりわけ、イットリウム、ランタン、及びランタノイドのソースとして、酸化(元素)(III)及び炭酸(元素)(III)が好ましい。酸化ランタンは特に好ましい。イットリウム、ランタン又はランタノイドの塩は、(i)含有されるY、La及び/又はLnの物質量の割合の合計と、(ii)銅の物質量の割合との比率が、0.0182以上、好ましくは0.0182から0.127になる量で、処理液に添加される。イットリウム、ランタン又はランタノイドのイオンの合計の濃度は、好ましくは0.014mol/L以上であり、0.014mol/Lから0.35mol/Lの範囲が好ましく、特には0.024から0.098mol/Lの範囲である。
特に、イットリウム、ランタン及び/又はランタノイドと銅の間の割合が高い(>0.024)場合には、成分の溶解の順番が、電解液の迅速な準備のために決定的である:第一に、水性の硫酸が入れられ、次いで銅(II)成分が溶解され、任意的に、銅の酸化物/炭酸塩が用いられた場合には不溶性の成分が分離される。それから、用いられるY、La及び/又はLnの成分が溶解される。炭酸塩と酸化ランタン/酸化ランタノイドは、放出される二酸化炭素による電解液の泡立ちや泡の飛散、あるいは、局所的な過熱(La(III)及びLn(III)は、酸と高度に発熱反応する)を避けるために、必ず、バッチサイズに適切な量で分割投入し、撹拌しながら添加されねばならない。
硫酸銅を基礎とする、好適な酸性処理液(電解液)の例が表1に示される。
表面改質のための本発明の方法における、処理液へのイットリウム、ランタン及び/又はランタノイドの添加は、改質される平面金属材料の表面に、典型的な柱状の凝集体(下記で「デンドライト」とも称される)の析出ではなく、垂直の薄層で覆われた球体を生じる。これらの凝集体の接着結合(単位面積あたりの接着力)は、例えばプラスチックで比較すると、従来の製造処理の接着結合よりも2倍からほぼ3倍の特定値で増強される。
導電性塩として添加される希土類元素(Y、La及び/又はLn)の銅薄層への取り込みは、酸性の銅(II)REE硫酸処理液からの析出において、追加的な効果が見出された。イットリウムやランタンの反磁性のREE(III)イオンは、緩く結合されて取り込まれるのみで、例えばネオジム、ガドリニウム又はディスプロシウムの常磁性Ln(III)イオンは、同じ濃度の処理液中で、銅薄膜の中に強固にアンカーされて取り込まれる。これは表2に示される。
析出層の構造化及び銅薄層中でのREE金属の取り込みは、REE(III)イオンの磁性的性質に表面的に依存するだけではなく、硫酸塩メタレートCu3[REE(SO4)3]2の溶解度勾配が、比較的易溶性である銅塩からより溶けにくい酸H3[REE(SO4)3]への推移に明らかな影響を有している(カソードプロセス)。硫酸塩の溶解性はネオジム以降顕著に向上するので、析出プロセスでの重いREEのイオンの効果は減少する。構造化された銅薄膜の析出のためのこの決定的な平衡が、特に、REE−Cuの比率が大きい場合、安定的で巨視的なREE(III)硫酸塩の沈着(塩スポット)を妨げうるように、電解プロセスの中で、高い質量移動を強制する。
さらに、処理液はさらなる調節のための添加剤、粘度添加剤、熱伝導性、電気伝導性及び/又は金属凝集体の析出に影響する添加剤を含むことができる。例えば、処理液は、一般式(I)の添加剤を含むことができる。
HO-CHR8-CHR9-Z-(CHR4-CHR5-Z)n-CHR6-CHR7-OH (I)
上記式において、
nは1から11までの整数、特に1から3の整数であり、
ZはS又はO、特にSであり、
R4は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、
R5は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、
R6は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、
R7は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、
R8は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、また、
R9は水素、C1−4アルキル又はフェニルである。
上記式において、
nは1から11までの整数、特に1から3の整数であり、
ZはS又はO、特にSであり、
R4は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、
R5は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、
R6は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、
R7は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、
R8は水素、C1−4アルキル又はフェニルであり、また、
R9は水素、C1−4アルキル又はフェニルである。
式(I)の化合物がエナンチオマー又はジアステレオマーを含む時、純粋なエナンチオマーとジアステレオマーの両方、及び、対応する混合物が使用されうる。
特に、本発明の枠の中で、C1−4アルキルはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はsec−ブチル、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルである。
好ましくは式(I)の添加物の場合、
nは1から3の整数、
ZはS、
R4は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R5は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R6は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R7は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R8は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、及び、
R9は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルである。
nは1から3の整数、
ZはS、
R4は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R5は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R6は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R7は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R8は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、及び、
R9は水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルである。
或いは、化学式(I)の添加物は化学式(II)の化合物である:
HO-(CHR6-CHR7-Z)n-CHR6-CHR7-OH (II)
式(II)中、
nは1から11の整数、
ZはS又はO、
R6は水素、メチル又はフェニル、及び、
R7は水素、メチル又はフェニル
であり、好ましくは、nは1〜3、ZはSである。
HO-(CHR6-CHR7-Z)n-CHR6-CHR7-OH (II)
式(II)中、
nは1から11の整数、
ZはS又はO、
R6は水素、メチル又はフェニル、及び、
R7は水素、メチル又はフェニル
であり、好ましくは、nは1〜3、ZはSである。
特に好ましくは、添加剤は化学式(I)の化合物であって:
nは1又は2、特に1、
ZはS、
R4=R5は水素又はメチル、
R6=R9は水素又はメチル、及び、
R7=R8は水素又はメチルである。
nは1又は2、特に1、
ZはS、
R4=R5は水素又はメチル、
R6=R9は水素又はメチル、及び、
R7=R8は水素又はメチルである。
さらにより好ましくは、添加剤は化学式(III)の化合物であって:
HO-CHR8-CHR9-S-CH2-CH2-S-CHR6-CHR7-OH (III)
式(III)中、
R6=R9は水素又はメチル、及び、
R7=R8は水素又はメチルである。
HO-CHR8-CHR9-S-CH2-CH2-S-CHR6-CHR7-OH (III)
式(III)中、
R6=R9は水素又はメチル、及び、
R7=R8は水素又はメチルである。
本発明の方法の処理液に使用されうる一般式(I)の特に好ましい添加剤は、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン(DTO)である。
化学式(I)の添加剤は商業的に入手可能であり、或いは、公知の化学合成法やその類推によって得ることもできる。
また、表面張力や細かい気泡の溶解度への影響のため次の添加剤が使用されうる:
次の一般式の界面活性剤:
CnH2n+1(OC2H4)x-O-(H, CmH2m+1)
但し、nは8〜18、xは3〜9、mは1〜4
CnH2n+1(OC3H6)y-OH
但し、nは8〜16、yは1〜3
CnH2n+1(OC2H4)v-(OC3H6)w-OH
但し、nは10〜16、vは4〜5、wは2〜4、W=1/2vからw+1=v
次の一般式の界面活性剤:
CnH2n+1(OC2H4)x-O-(H, CmH2m+1)
但し、nは8〜18、xは3〜9、mは1〜4
CnH2n+1(OC3H6)y-OH
但し、nは8〜16、yは1〜3
CnH2n+1(OC2H4)v-(OC3H6)w-OH
但し、nは10〜16、vは4〜5、wは2〜4、W=1/2vからw+1=v
可能な界面活性剤は、個別に或いは混合物として添加され、電解液中での合計濃度は、常に飽和量以下でなければならず、一般的には0.05wt%未満である。アノードでの酸化に感受性が低い、末端エーテル化されたポリエトキシレートの使用が有利である。
本発明の実施態様において、本発明による方法は、中性線の原理に従って実行される。すなわち、平面金属材料はカソードにもアノードにも接触されることなく、少なくとも1つのカソードによってアノード(正極的に)分極され、続いて少なくとも1つのアノードによってカソード(負極的に)分極される。電流は、電源に接続された接触部材(例えば巻電線)を通じた平面金属材料の直接的な接触によってではなく、処理液を通じて、平面金属材料に移動される。アノード分極の間、アノード溶解又は浸食プロセスが平面金属材料の表面に導入され、当該プロセスでは金属ホイルの表面上にある小さな粒子、残渣、不純物が除去され、清浄な表面が得られる。さらに、金属表面のトポグラフィックな特徴、特に粗いピークが均される。
さらに、こうして導かれるアノード分極もしくはアノード溶解プロセスは、続く金属の析出のために活性化された表面を導く。特に、本発明の方法で得られる表面は、続く析出プロセス(エピタキシー又はシンタクシー)における平面金属材料の表面上に析出する凝集体の、構造的な同様性あるいは構造的な同一性を表す。さらに、平面金属材料は、すべての電解処理の間ずっと処理液によって完全に覆われているので、周囲雰囲気と接触することによって、表面的な規定された活性化状態が失われてしまうことが大幅に避けられる。カソード析出が導かれるカソード分極に続いて、カソード析出が導かれるが、そこでは、金属又は金属合金(すなわち、いくつかの異なる種の金属)が平面金属材料の表面に析出する。
本発明の枠内で使用される平面金属材料は、金属材料の長さ及び/又は幅よりも、少なくとも100倍、好ましくは少なくとも1,000倍、特に好ましくは10,000倍少ない厚みを有する金属材料である。すなわち、一般的に、「平面金属材料の表面」という文言は、長さ及び幅によって規定される領域を意味し、厚みと幅、或いは、厚みと長さによって規定される領域ではない。平面金属材料は好ましくは金属ストリップ又は金属ホイルである。「金属ストリップ」という文言はここでは、所与の幅と、100μmから1mmの厚みを有する平面金属材料を指す。「金属ホイル」という文言は同じく、所与の幅と、100μm以下の厚み、好ましくは10μmから100μm未満の厚みとを有する平面金属材料を意味する。
一般的に、平面金属材料は全体的に単一の金属からなり、特に、銅、スズ、銀又は鉄である。しかしながら、それはまた金属合金からなりえ、例えば、少なくとも2つの指定された金属、好ましくは銅鍛造合金、鉄合金、銀合金及びスズ合金がある。スチールからなる平面金属材料も使用されうる。特に好ましくは、平面金属材料は銅ホイル、銅ストリップ、銀ホイル、銀ストリップ、スズめっきホイル又はスズめっきストリップであり、特に、スズめっき銅ホイル又はスズめっき銅ストリップである。
さらに、平面金属材料はまた、2以上の金属あるいは金属合金の層からなっていてもよく、層は同一でも異なっていてもよい。さらに平面金属材料は、平面金属材料の少なくとも片面、好ましくは両方が金属又は金属合金からなり、平面金属材料の残る部分が本発明の方法に従って使用されるのに好適であるかぎりあらゆる材料からなるように形成されてもよい。
本発明の方法で使用する前に、平面金属材料は通常、予備処理される。適切な予備処理方法は本技術分野で公知であり、例えば、脱脂、水、水系の洗剤液又は溶媒でのリンス、及び、硫酸での酸洗いがある。
電気分解の間、平面金属材料は好ましくは処理液に通され、少なくとも1つのカソードと少なくとも1つのアノードとに通される。これは、前述のアノード分極、カソード分極、アノード溶解とカソード析出のプロセスが行われるように実行される。連続的な金属ホイル又はストリップの場合、これらは通常、ガイド部材(例えばガイドローラー)を用いて処理液の中にガイドされる。連続的なホイルの挿入が本発明の方法を実行するためにもちいられる場合、数個の電解液浴(電解液セル)が一連に接続されていてもよい。
本発明の枠内で、少なくとも1つのカソードと少なくとも1つのアノードは様々な設計が可能である。例えば、1,2,3,4又はさらに多くのカソード、また、1,2,3,4又はさらに多くのアノードが、電解セル又は電解浴ごとに用いられうる。これらは多様に設計されうる(例えば、カソード及びアノードを交互にしてもよいし、最初にすべてのカソード、次いですべてのアノードとしてもよいし、数個のカソードと数個のアノードを交互にしてもよいし、カソードとアノードを平面金属材料の片面のみに設置してもよいし、両面にしてもよい、等)。
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの1対のカソード及び少なくとも1つの1対のアノードが好ましく用いられる。1対のカソードの2つのカソードと1対のアノードの2つのアノードは、平面金属材料の反対の側に設置されて、平面金属材料は2つのアノードの間、2つのカソードの間に配置される。従って、アノード分極又はカソード分極は平面金属材料の両方の面で生じる。このような配置は、析出した金属凝集体での平面金属材料の2面の改質を可能にする。他の好ましい実施形態によれば、平面金属材料は第一に、平面金属材料の同じ側に配置された2つのカソードによってアノード分極され、続いて、平面金属材料の同じ側に配置された2つのアノードによって、カソードとしてカソード分極される。分離された整流器が、基質(電極対)の各面に必要である。
通常、平面金属材料の少なくとも1つの表面は、少なくとも1つのカソードによって第一にアノード分極され、次いで、少なくとも1つのアノードによってカソード分極される。しかしながら、“アノード分極/カソード分極”サイクルが数回実施されるのでもよい。さらに、平面金属材料が1又は複数回アノード分極され、一又は複数回カソード分極されるのでもよく(どちらの順番でもよい)、典型的には、最初はアノード溶解プロセスが優位で、次いでカソード析出が優位である。溶解プロセスが支配するフェーズは、析出プロセスの短いフェーズによって中断されてもよい(溶解プロセスが支配的で、析出プロセスによって中断される)また、逆もありえる(析出プロセスが支配的で、溶解プロセスによって中断される)。1又は複数のアノード分極と1又は複数のカソード分極は、既述のとおり、対応する数の空間的に分離されたアノードとカソードを用いて達成される。しかしながら、任意的に正あるいは負に接続(接触)され、その結果、カソードとアノードの両方として機能する電極を用いることも可能である。
カソードとアノードとは、直流又はパルス電流で操作され、通常は、パルス直流である。整流器がこのために用いられうる。もし電極の数が2を超えるならば(すなわち、1より多数のカソード及び/又は1より多数のアノード)、追加的な電極が、好ましくは、追加的な整流器を通じて操作される。本発明の枠内で、少なくとも1つの操作域(カソード、アノード)において、別の整流器によって各電極に供給されることもまた可能であり、他の操作域内では複数の整流器が1つの電極に接続されてもよい。
不溶性又は可溶性のアノードが、本発明の方法におけるアノードとして用いられうる。不溶性のアノードは典型的には不活性の材料(又はそれらの酸化物)からなり、例えば、鉛、グラファイト、チタン、白金、及び/又はイリジウム(及び/又はそれらの酸化物)である。好ましい不溶性のアノードは、白金又はイリジウムでコーティングされたチタン及び/又はルテニウム(及び/またそれらの酸化物)からなる。イリジウム又はイリジウム酸化物でコーティングされたチタンアノードは、特に好ましい。一方、可溶性のアノードはめっきされる金属、めっきされる金属合金からなる。可溶性アノードの例は、銅やスズからなるアノードである。
好ましいカソードは、アノードの材料と同じ材料からなりえる。例えば、銅カソードが、カソードとして用いられ得る。好ましい実施態様では、銅電極が、アノード及びカソードの両方として用いられる。
処理液(電解液とも称される)の運転温度は、好ましくは10℃から60℃の間であり、特に好ましくは20℃と50℃の間である。処理液をこの温度範囲に維持するために、連続的に冷却、或いは加熱されることができる。
処理液の必要な再循環は、電解析出で用いられる電流密度による。再循環は、電気二重層の厚みを十分小さく低減するために必要である。電極チャンバーにおける再循環は、例えば、1又は複数のポンプを導入することによって確実にされる。再循環は、何よりも、電極の機能的な効率を保持し、処理されるホイル上の塩のスポットを回避するようにする。硫酸塩メタレートを通じて電流の無い状態で既に生じている煙突効果は、電解プロセスを動かすようセットするだけで極端な初期電圧を生じる。よく選択された電流密度の時間勾配が電解液を技術的に使用可能なものにするのに合わせて、電極表面、及び、処理される材料での再循環を目的どおり増加させることによって、この初期電圧は低減されうる。必要な再循環と電流密度の勾配は、直接に、用いられるREE/Cuの割合と、硫酸塩電解液中での実際のREEイオンとに依存する。ランタン(III)イオンは、最も繊細で、すなわち、工程の調整に最も可能性がある。
表3に示される再循環の後述のデータは、50Lの処理チャンバー、電極−ホイル距離が20−30mm、及び、分極チャンバーの幅と高さが240mm(H)及び300mm(W)である電解液に関する。目標とされる再循環に加えて、循環は、フィルターバイパスを越えて1.2L/分を送出する。
好ましくは装置の少なくとも1つのカソード及び/又は少なくとも1つのアノードは、処理液が通ってハウジングに入ることができる金属メッシュを備えた電極ハウジングを含むフロー電極としてデザインされる。電極ハウジングは少なくとも部分的に、互いにまた金属メッシュと接触する金属球で満たされている。電極ハウジングはさらに、電解液を導くための電解液フィーダー、及び、当該電解液フィーダーから金属球の間を通って流出する電解液が出てくるフロー開口を含む。フロー開口は、充分な流量が、操作領域、すなわち電極と平面金属材料との間を、通って流れるように設計される。このために、フロー開口は通常、流出する電解液が金属メッシュを通るように設計される。好ましくは、流れは金属メッシュと実質的に平行となる。
本発明の方法で処理される平面金属材料は、通常、後処理に供される。このような後処理は本技術分野で公知であり、例えば、水や溶媒でのリンス、例えばクロミウム(VI)含有液による不動態化、及び乾燥などがある。
本発明の方法を実行するための装置の例として、少なくとも1つの処理液を受けるための容器、容器中に設けられた少なくとも1つのカソード、及び、容器中に設けられた少なくとも1つのアノードを含み、前記少なくとも1つのカソードと前記少なくとも1つのアノードとが電源に接続され、平面金属材料が電源に接続されていない装置がある。
さらに、電極ハウジングは通常、金属球が脱落することを避けるために、また、フロー電極を通る電解液の所定の流れを確実にするように、カバーを含む。カバーは、例えば刻みつきネジで電極ハウジングに取り外し可能に接続されてもよく、さらに、電源に接続するための接点を含んでもよい。操作の間、フロー電極は電源にアノード的に又はカソード的に接続され、金属メッシュが通常アノード又はカソードに接触される。
金属球を通って流れた電解液は、好ましくは、電解液チャネルで集められ、次いでフロー開口に供給される。電解液チャネルとフロー開口は好ましくは電極ハウジングの基部に位置する。フロー開口は好ましくは、好ましくは、電極ハウジングの基部で金属メッシュの全長にわたって延在するフローリップとしてデザインされる。金属メッシュの前に不織材料のフィルターがアノードバッグとして配置される場合、フロー開口は、電解液が不織材料フィルターの前に流れ出て、フィルターに沿って層状の流れとなるように設計される。
電極ハウジングは、例えばポリプロピレン等のプラスチックからなってもよい。金属球は上記でアノードやカソードとして挙げられた金属からなることができる。好ましくは、少なくとも1つのアノードは上述のフロー電極の形態でデザインされる。アノードの場合、金属球は好ましくは、金属又は平面金属材料上に析出される金属からなる。金属球は好ましくは銅の球である。金属メッシュは好ましくはエキスパンド金属メッシュ(エキスパンド金属スクリーン)、特には、チタンエキスパンドメタルである。
図1は、この場合は金属ホイルである平面金属材料32の表面処理のための、本発明の方法を実行するための溶解/析出セル30の実施態様を図式的に示す。溶解/析出セル30は、溝状の容器31を有し、上部は開いており、処理液36が入っている。溶解/析出セル30はさらに、第一、第二及び第三のガイドローラー34a、34b、34cと、平行に配置された2つのカソード40a、40bからなる第一の動作電極と、平行に配置された2つのアノード44a、44bからなる第二の動作電極とを有する。カソード40a及び40b、アノード44a及び44bは電源45に接続されている。第一及び第三のガイドローラー34a、34cは、容器31の上方、処理液36の外、第一及び第二の動作電極の上方に配置されており、一方、第二のガイドローラーは、容器31の下部、処理液の中、動作電極の下方に配置されている。さらに、溶解/析出セル30は、障害電流を低減するための分離部材48を有する。
平面金属材料32は、第一のガイドローラー34aを通って処理液36の中に入り、2つのカソード40a、40bの間を通る。このため、後者は、通過する平面金属材料32の2つの側面の片側ずつにそれぞれ位置されることとなる。平面金属材料32も、第一のガイドローラー34aも、いずれも電源に接続されていない。2つのカソード40a、40bの間に位置する平面金属材料32の領域38aが、2つのカソード40a、40bによって正極(アノード)分極される。2つのカソード40a、40bは、溶解領域42を規定する。拡大された概略図の溶解領域42において、不純物及び生じる可能性のある外来金属、及び/又は、平面金属材料32の表面に現れる特定の(例えば不定の)金属構造は、大幅に排除されている。結果として、平面金属材料32の不純物の無い均一で明確な表面が得られ、これは続く析出ステップにおいて明確な金属構造を作り出すために好適である。
カソード40a、40b、すなわち溶解領域42を通った後、平面金属材料32は同じく電源に接続されていない第二のガイドローラー34bを通ってガイドされ、平面金属材料32の2つの側面のそれぞれ1つの側に位置し、第二の動作電極を形成する2つのアノード44a、44bの間を通る。平面金属材料32の領域38bは、2つのアノード44a、44bによって陰極(カソード)分極される。2つのアノードは析出領域46を規定する。拡大された概要図の析出領域46において、処理液36の正に荷電された金属イオンが、平面金属材料32の負極分極表面にマイグレーションし、平面金属材料32の表面上に明確な態様で析出する。析出領域46を通り過ぎた後、平面金属材料32は処理液36から出て、電源に接続されていない第三のガイドローラー34cを通る。
本発明のさらなる目的物は、本発明の方法によって製造される平面金属材料である。驚くべきことに、本発明の方法は、平面金属材料の表面上に金属の凝集体が形成されることを導き、これらの金属凝集体は、垂直状の薄層に覆われた球状を有するものである。すなわちこれらは、本技術分野の従来の方法で得られる、柱状のデンドライトとは異なる。
図2は、本発明の方法による、下記に述べられる連続的なホイル挿入における、La濃度14.0g/L、Cu濃度50.3g/L、[La]:[Cu]重量比率0.127(電解液3)を含む硫酸電解液からのLa/Cuの析出によって銅ホイルの表面が改質された暗視野像(暗視野ユニットの付いた落射型顕微鏡Nikon Eclipse ME600、カメラLeica DFC290、レンズ100x; 50x; 20x; 10x; 5x、ソフトウェアLeica Application Suite 2.6.0 R1、倍率500倍)を示す。この倍率では、銅ホイル表面上に球状の凝集体が明確に認識される。
図3は、Nd:Cu重量比0.032の硫酸ネオジム−銅電解液を用いた、本発明の方法によって電解処理された銅ホイル表面のSEM写真像、倍率10,000倍を示す。写真像は、銅ホイル表面の球状の金属凝集体の断面を表し、その薄層構造を可視化している。
図4は、本発明の方法による、下記に述べられる連続的なホイル挿入における、Cu濃度7.0g/L(電解液)を含む硫酸からのCuの析出によって銅ホイルの表面が改質された暗視野像(暗視野ユニットの付いた落射型顕微鏡Nikon Eclipse ME600、カメラLeica DFC290、レンズ100x; 50x; 20x; 10x; 5x、ソフトウェアLeica Application Suite 2.6.0 R1、倍率500倍)を示す。この倍率では、銅ホイル上に柱状金属凝集体が明確に認識される。
金属表面の粗さは、金属凝集体の析出を通じてわずかに増加する。例えば、銅ホイルへの金属凝集体の析出の後、DIN EN ISO 4288:1998によって決定される平均粗さの値Ra及びRzは、Raは好ましくは0.22から0.32μmの範囲、特には0.24から0.28μmの範囲であり、Rzは好ましくは1.4から2.1μmの範囲、特には1.6から1.9μmの範囲である。対照的に、析出の前は、例えば銅ホイルはRaが約0.2μm、Rzが1.3μmの粗さを有する。
驚くべきことに、本発明の方法による、平面金属材料の表面への垂直状の薄層で覆われた球体の形状の凝集体の析出によって得られる金属表面の接着強度は、驚くほど高いことが確認された。FR−4エポキシ樹脂を用いて下記に説明される180°ピールテストによって決定され、N/mm接着強度で表される接着強度は、好ましくは1.5N/mmよりも大きい。銅ホイル又は銅ストリップの場合、ピール強度は好ましくは1.5から3.0N/mm、特に1.8から3.0N/mmである。
その優れた接着強度ゆえに、本発明の平面金属材料は、複数の材料と強い接着結合を形成するための基材として用いられ得る。特に、平面金属材料の表面上の金属凝集体は、同じ或いは他の材料とのプレス又はロール(ロールクラッド)において、キュアリング/クロスリンクの次工程あり又は無しのラッカーにおいて、或いは、糊付けにおいて、強い接着結合をもたらす。本発明の金属材料の接着相手として多くの材料が考慮に入れられる、例えば、PA66、PI及びPETのような熱可塑性プラスチック、合成樹脂(エポキシド)、接着剤、ラッカー、グラファイトペーストのようなペーストが挙げられる。
すなわち、本発明は、強い接着結合を形成するための基材としての、本発明の方法によって製造される金属部材の使用に関する。本発明の平面金属材料は、複数の用途に用いられ得る。ケーブルやプラグのシールド、特にシグナル伝達における電磁的干渉からのハウジングへの応用のためのPETと銅とのラミネートが、用例として挙げられうる。さらに、MID(moulded interconnect devices)回路の製造における電気コンダクタとしての使用が挙げられる。これらは、熱可塑性プラスチック基板上への金属ホイルのホットスタンプに基づく回路である。さらなる用途は、電池技術における電極材料のための基材である。特に、本発明の平面金属材料は、銅ラミネートの製造のための回路基板技術において求められる安定な接続の製造において用いられうる。特に回路基板の製造において、基板(例えばFR−4)上での金属コンダクタの接着強度は中心的な重要性がある。これは、一方では製造に必要なプロセスのステップ(エッチング、ドリル、プレス)によるものであり、もう一方では最終製品そのものにおける回路基板の負荷から要求されるものである。
材料
ランタン導電性塩の添加をした、あるいはしていない、様々な硫酸−硫酸銅電解液が、続く実施例のために電解液として用いられた。これらの電解液の組成は表4に示される。
ランタン導電性塩の添加をした、あるいはしていない、様々な硫酸−硫酸銅電解液が、続く実施例のために電解液として用いられた。これらの電解液の組成は表4に示される。
すべてのLa−Cu電解液(電解液1,2,3)は合計0.2g/L未満の、プラセオジム、ネオジム及びサマリウム等の微量な重ランタノイドを含む。
電解装置
ここに述べられる実施例においては、一方では連続的なホイル挿入が用いられ、一方では静止式の電解装置が用いられた。
ここに述べられる実施例においては、一方では連続的なホイル挿入が用いられ、一方では静止式の電解装置が用いられた。
連続的なホイル挿入
用いられた連続的なホイル挿入は、幅330mmまでのホイル及びストリップのためにデザインされている。装置は電子的なテンションコントロールのあるペイオフリール及びペイオンリールを有する。個々の電極部分の電流の強さ、ストリップのテンション、ストリップの速度及び電解液の温度が、コントロール可能である。用いられた整流器はplating electronic社製、4つの出力を有するpe86CW-6-424-960-4 typeである。最大パルス電流は960Aであり、最大定電流は424Aである。電流の時間経過は、供用のソフトウェアでパルスシークエンスとして決定される。
用いられた連続的なホイル挿入は、幅330mmまでのホイル及びストリップのためにデザインされている。装置は電子的なテンションコントロールのあるペイオフリール及びペイオンリールを有する。個々の電極部分の電流の強さ、ストリップのテンション、ストリップの速度及び電解液の温度が、コントロール可能である。用いられた整流器はplating electronic社製、4つの出力を有するpe86CW-6-424-960-4 typeである。最大パルス電流は960Aであり、最大定電流は424Aである。電流の時間経過は、供用のソフトウェアでパルスシークエンスとして決定される。
用いられた連続的なホイル挿入の電解液セルは、片側の電解析出のためのカソード及びアノードを含む。カソード及びアノードは、ホイルの走行に平行に位置しており、ホイルが通過するときに、金属ホイルの同じ側又は表面がまずカソードに、次にアノードに向かい合うようになっている。さらに、カソード及びアノードは、完全に電解液に包囲されている。ここで述べられる試験においては一つのカソードと一つのアノードが用いられるが、複数の異なる配置が用いられうる。例えば、両面への電解析出のための2つのカソード及び2つのアノードが配置されてもよく、あるいは、2つのカソードとアノードとが順番に配置されてもよい。
次に述べられる試験において、3部式の対流電極とフロー電極とが電極(アノード及びカソード)として用いられた。これらは整流器に接続された(plating electronic社製、4つの出力を有するpe86CW-6-424-960-4 type、最大パルス電流960A、最大定電流424A)。電流の時間経過は、供用のソフトウェアでパルスシークエンスとして決定されうる。さらに、個々の電極の電流強度、ストリップのスピード及びテンション、電解液温度がコントロール可能である。
用いられた3部式対流電極は、銅シートからなる3つの電極部分を有する。個々の電極部分は整流器を通じて別々にコントロールされることができるが、続く試験においては、すべての電極部分が同じ極で接続された。電極はポリプロピレン生地のアノードバッグに配置されている。必要な流れは、Lutz社製B2ロッドポンプを用いて作られた(合計40L/分で2つの電極に分配された)。
用いられたフロー電極は、ポリプロピレンの電極ハウジングと、後ろに銅ボールがパッケージされたチタンエキスパンドメタルのスクリーン表面を有する高電流チタンコンタクトフレームとを含む。電極はPP生地のアノードバッグに配置されている。可能な流量は20L/分までである。電解液は電解液フィーダーを通じてフロー電極中に導入され、電極ハウジングのハウジングの基部の方向へ金属ボールを通って流れ、電極ハウジングの基部にある電解液チャネルに受けられる。電解液は続いてフローリップの形態であるフロー開口を通って電解液チャネルを出て、金属メッシュを過ぎて上方へ流れる。用いられる連続的なホイル挿入においては、フロー電極を過ぎた後、電解液は電解浴に到達し、そこから、オーバーフローを通って貯液部に到達する。そこから、電解液は再びポンプされてフロー電極に入れられる。
上述の、次の試験で用いられるフロー電極は、本発明で用いられうるフロー電極の単に一例を表すものである。当業者には、多数の実施態様、改変、及び/又は修正がありえることがあきらかである。
静止式の電解装置
この電解装置は、本発明の方法のために典型的な小型材料を用いる平面金属材料の同じ表面の分極における変化を模擬するために用いられた。
この電解装置は、本発明の方法のために典型的な小型材料を用いる平面金属材料の同じ表面の分極における変化を模擬するために用いられた。
静止式の電解セルは、電解液(900mL)で満たされた1,000mLガラスビーカーを含む。ガラスビーカーは加熱スターラー上に置かれる。加熱スターラーは電解液を加熱するために用いられ、温度は、ステンレス鞘を有する熱素子によって継続的にチェックされ、+/−2℃以内に維持される。攪拌スピードは1,000rpmに保持され、攪拌は、40×d6の加熱スターラーは電解液を加熱するために用いられ、温度は、ステンレス鞘を有する熱素子によって定常的にチェックされ、+/−2℃以内に維持される。攪拌スピードは1,000rpmに保持され、攪拌は、40×d6の寸法の丸いマグネティックスターラーバー(PTFE)によって電解液に伝達される。
ガラスビーカー上に、PPプレートのカバーがあり、カバーはガラスビーカーを覆い、両側に互いに30mmの間隔で電極を有している。これらの電極は、不活性の材料からなることができ、あるいは、処理されるホイルの材料からなってもよい。数分以内に問題なく交換が可能である。これらの電極は、互いに平行に浸漬された平面シートであり、いずれの場合も電解液に垂直に入れられている。一方の側では、浸漬された表面の領域は、電極あたり、60mm×80mmと60mm×100mmの間である。中央部では、不活性電極に平行に、20mm×80mmの開口を備えたプラスチックのプレートが備えられており、その開口を通じてフレキシブルなホイルホルダーがセルの中に導入可能である。このホイルホルダーはフレキシブルに作られており、それゆえ、一度挿入されたホイルは、予備処理や後処理ステップ(例えば、洗浄/リンス/リンス、エッチング/酸洗い/リンス/リンス、電解/リンス/リンス、不動態化/リンス/DIリンス)を含むすべてのプロセスを同じホルダー内で受けることができ、乾燥のために、最後のリンスの後にホルダーから取り出されることのみが必要である。ホイルホルダーは、80mm×60mmの窓のある2つのPPフレームからなり、そこにホイルが締め付けられる。締め付けねじは、PA6プラスチックからなる。下部の締め付けねじは、ホイルを締め付けるのみであり、上方の締め付けねじはさらに、TiPtエキスパンド金属メッシュと接触して解放可能な圧迫を作り出すようにされている。この接触点は溶液に浸漬されており、その結果ホイルは完全に電解液に浸漬され、接触点は、ホイルホルダーのフレームによってセルの部分から隔離されている。用いられた接触のためのエキスパンドメタルは、セルの上方に突出しており、ワニクリップを通じて電流が供給される。電流の供給のために、予め選択可能な電流強度と対応する電圧の表示のあるStatronタイプのパワーユニットが用いられる。パワーユニットと電解セルとの間にポールインバータースイッチが位置しており、ホイルと電極の極性は、試験の間にどちらにもいつでも逆転(スイッチ)されうる。
試験方法
試験方法1−接着試験
接着ストリップ(Tesafilm(登録商標)Transparent 57404-00002)が、電解処理され、乾燥された、少なくとも15分以上保存されていた冷たい金属ホイル表面上に置かれ、そして、ソフトローラーで表面上にしっかりとプレスされた。接着テープとホイル表面の間に気泡が生じないように注意された。接着ストリップがプレスされて30秒後、突起部が握られ、しっかりと保持された金属ホイルから引き剥がされた。8cmの長さ当たり2−3秒の引っ張り速度が維持された。
試験方法1−接着試験
接着ストリップ(Tesafilm(登録商標)Transparent 57404-00002)が、電解処理され、乾燥された、少なくとも15分以上保存されていた冷たい金属ホイル表面上に置かれ、そして、ソフトローラーで表面上にしっかりとプレスされた。接着テープとホイル表面の間に気泡が生じないように注意された。接着ストリップがプレスされて30秒後、突起部が握られ、しっかりと保持された金属ホイルから引き剥がされた。8cmの長さ当たり2−3秒の引っ張り速度が維持された。
引き剥がされた接着ストリップは続いて紙の白いシートに貼り付けられ、ホイル表面から剥がれて接着ストリップ上に残っている金属凝集体によって生じる色の変化が観察された。さらに、Tesafilmの接着層が、引き剥がしの後に、完全にあるいは部分的に金属ホイルの表面上に残っているかどうかが観察された。
試験方法2−ピール強度試験
ピール強度が、DIN EN 60249に従って、Xforce HP 500 Nロードセル及びtestXpert 12.3ソフトウェアを有するZwick BZ2/TN1Sモデルピール装置で測定された。このために、サンプルは、プレスされた複合シートから切り出され、ホイルは180度の角度で引き剥がされ、あるいはピールされた。プレスされた複合シートは、ホイルとプラスチックシートとを、160±10℃で、120±5barのプレス圧の下で、60±5分間プレスすることによって作成された。ピール試験の結果はN/mmで示されている。
ピール強度が、DIN EN 60249に従って、Xforce HP 500 Nロードセル及びtestXpert 12.3ソフトウェアを有するZwick BZ2/TN1Sモデルピール装置で測定された。このために、サンプルは、プレスされた複合シートから切り出され、ホイルは180度の角度で引き剥がされ、あるいはピールされた。プレスされた複合シートは、ホイルとプラスチックシートとを、160±10℃で、120±5barのプレス圧の下で、60±5分間プレスすることによって作成された。ピール試験の結果はN/mmで示されている。
実施例1.La導電性塩の添加あり又はなしの異なる硫酸銅電解液を用いた、連続的なホイル挿入の方法による銅ホイル上への銅析出
0.035mmの厚さ、300mmの幅である、巻かれた硬さの構造状態の銅ホイルが、まず、下記の順で続くステップを含む予備処理に供された。
脱脂:45℃、アルカリ洗浄剤、支持電解質での浸漬パス
リンス:水、浸漬パス、45℃
酸洗い:4%硫酸水、浸漬パス、30−35℃
リンス:水、浸漬パス、室温
リンス:水、浸漬パス、室温
0.035mmの厚さ、300mmの幅である、巻かれた硬さの構造状態の銅ホイルが、まず、下記の順で続くステップを含む予備処理に供された。
脱脂:45℃、アルカリ洗浄剤、支持電解質での浸漬パス
リンス:水、浸漬パス、45℃
酸洗い:4%硫酸水、浸漬パス、30−35℃
リンス:水、浸漬パス、室温
リンス:水、浸漬パス、室温
この方法で予備処理された銅ホイルは、次いで、表4の電解液(電解液0、電解液1、電解液2、電解液3)を用いて上述の連続的なホイル挿入で、次のパラメータで表面改質された。
ストリップ速度:1m/分
平均電流強度:100A
パルスシークエンス:200Aで10ms、10ms休み
電解液温度:50±2℃
ロッドポンプによる再循環:40L/分
ストリップ速度:1m/分
平均電流強度:100A
パルスシークエンス:200Aで10ms、10ms休み
電解液温度:50±2℃
ロッドポンプによる再循環:40L/分
電解装置を通った後、表面が改質された銅ホイルは、次に述べられる順のステップを含む後処理に供された。
リンス:水、浸漬パス、室温
リンス:水、浸漬パス、室温
不動態化:クロム(VI)含有溶液、浸漬パス、室温
リンス:水、浸漬パス、室温
リンス:脱イオン水、噴霧、室温
90℃熱空気で乾燥
リンス:水、浸漬パス、室温
不動態化:クロム(VI)含有溶液、浸漬パス、室温
リンス:水、浸漬パス、室温
リンス:脱イオン水、噴霧、室温
90℃熱空気で乾燥
電解液1,2及び3で得られた表面改質されたホイルは、ホイルの表面上に均一に分布した析出した球状の銅凝集体が観察された。図2は電解液3で得られた表面の例を示す。図4では、比較のために、電解液0で得られた柱状の集積物のある表面が示されている。
さらに、電解液1,2及び3で得られた、薄層状に覆われた球状の凝集体を有するホイル表面は、Tesafilmを用いた接着試験で優れた接着強度を示した。改質された金属表面と接着ストリップ上の接着剤との間の接着は非常に強く、接着ストリップを引き剥がすと、接着剤とプラスチックの基材との間の結合が破壊されて、Tesafilmの接着層がホイル表面に残るほどであった。一方、電解液0(Laを含まないCu電解液)で改質された柱状の処理物を有する金属ホイルの場合は、ストリップの引き剥がしにおいて、処理物の剥離が観察された。
ピール試験において、1.7から2.8N/mmの間の優れた接着強度が得られた。ピール強度は、析出した金属凝集体の表面密度が増加することと対応していると確認された。ピール試験の結果は下表5にまとめられている。
実施例2.REE(希土類元素)−Cu電解液で改質された銅ホイルの表面上の凝集体へのREEの取り込み
厚さ0.035mm、幅300mmの巻かれた硬さの構造状態の銅ホイルが、まず、下記の順で続くステップを含む予備処理に供された。
予備洗浄:Purax 6029PUS、40g/L、60℃、電流なし、10s
リンス:水
精密洗浄:Velocit 1127M、25g/L、60℃、電流なし、10s
リンス:水
エッチング/酸洗い:硫酸(7%水溶液)、25℃−35℃
リンス:水
厚さ0.035mm、幅300mmの巻かれた硬さの構造状態の銅ホイルが、まず、下記の順で続くステップを含む予備処理に供された。
予備洗浄:Purax 6029PUS、40g/L、60℃、電流なし、10s
リンス:水
精密洗浄:Velocit 1127M、25g/L、60℃、電流なし、10s
リンス:水
エッチング/酸洗い:硫酸(7%水溶液)、25℃−35℃
リンス:水
この方法で予備処理された銅ホイルは続いて、電解液1及び電解液2を用いて室温で、チャージ密度541C/dm2で、上述の静止式電解装置で表面改質された。
電解装置を出た後、表面改質された銅ホイルは、次の順に次のステップを含む後処理に供された。
リンス:水
不動態化:6g二クロム酸カリウム水溶液、室温で
リンス:水
乾燥、90℃から120℃の間の熱空気で
リンス:水
不動態化:6g二クロム酸カリウム水溶液、室温で
リンス:水
乾燥、90℃から120℃の間の熱空気で
この実施例の枠内のさらなる実験の場合において、電解液1の電解処理液中のランタンが、等モル量のイットリウム、ネオジム、ガドリニウム又はディスプロシウムに置き換えられ、表面改質が同じパラメータで繰り返された。
異なる電解液を用いて析出された層は、硝酸溶液でICP−OESの手段によって分析された(Argon-Plasma、Perkin Elmer社製、Optima 3000DV、axial registration emission;各ケースで、各RE金属の濃度0.1mg/L、1mg/L及び10mg/Lが標準として使用された)。結果が表6に示される。
この実施例は、ランタンとイットリウムは、La−CuあるいはY−Cu電解液での銅ホイルの電解表面改質の後に析出した凝集体の中に、取り込まれないことを示している。一方、ネオジム、ガドリニウム及びディスプロシウムは、硝酸による析出した凝集体の分解の後、常磁性の不活性イオンとして回収された。
Claims (13)
- 平面金属材料の電解表面改質のための方法であって、
前記平面金属材料の少なくとも一つの表面が処理液中でアノード分極されて、アノード溶解プロセスが導かれ、次いで、
前記平面金属材料の前記少なくとも一つの表面が前記処理液中でカソード分極されて、前記平面金属材料の前記少なくとも一つの表面上に一又は複数の金属を析出させるためのカソード析出プロセスが導かれ、
硫酸/銅の硫酸塩溶液に基づく導電性液体が処理液として用いられ、当該処理液はさらに、イットリウム、ランタン及びランタノイドからなる群から選択される一又は複数の物質を含み、(i)含有されるイットリウム、ランタン及び/又はランタノイドの物質量の割合の合計と、(ii)銅の物質量の割合との間の比率が、0.0182以上、好ましくは、0.0182から0.127であることを特徴とする方法。 - 前記平面金属材料は、前記溶解プロセスを導くために、直接的な接触のない少なくとも一つのカソードによってアノード分極され、前記平面金属材料は、前記析出プロセスを導くために、直接的な接触のない少なくとも一つのアノードによってカソード分極され、また、前記カソード及び前記アノードは、処理液が、アノードと金属材料の間、及び、カソードと金属材料の間に位置するように設計されている、
請求項1に記載の方法。 - イットリウム、ランタン及びランタノイドの合計濃度が、前記処理液中で、0.01mol/L以上、好ましくは0.014mol/Lから0.35mol/Lの範囲、特に0.02mol/Lから0.125mol/Lの範囲である、
請求項1又は2に記載の方法。 - 前記処理液がランタンを含み、前記ランタンが好ましくは酸化ランタンの形で供給される、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 - 前記処理液が、一般式(I)
HO-CHR8-CHR9-Z-(CHR4-CHR5-Z)n-CHR6-CHR7-OH (I)
nは、1から11までの整数、特に1から3までの整数
Zは、S又はO、特にS
R4は、水素、C1−4−アルキル又はフェニル、
R5は、水素、C1−4アルキル又はフェニル、
R6は、水素、C1−4アルキル又はフェニル、
R7は、水素、C1−4アルキル又はフェニル、
R8は、水素、C1−4アルキル又はフェニル、及び、
R9は、水素、C1−4アルキル又はフェニル、
である添加剤を含む、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 - nは、1から3までの整数、
Zは、S、
R4は、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R5は、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R6は、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R7は、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、
R8は、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、及び、
R9は、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル、である、
請求項5に記載の方法。 - 前記添加剤が、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンである、
請求項6に記載の方法。 - 金属ストリップ又は金属ホイルが平面金属材料として用いられる、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法によって得られる平面金属材料。
- 垂直状の薄層で覆われた球状の形態の金属凝集体が表面に位置している、
請求項9に記載の平面金属材料。 - ランタノイドイオンが取り込まれている金属凝集体が表面に位置している、
請求項9又は10に記載の平面金属材料。 - 他の材料との強力な接着結合を形成するための基材としての、
請求項9から11のいずれか1項の平面金属材料の使用。 - 前記他の材料が、熱可塑性プラスチック、合成樹脂、接着剤、ラッカー及びペーストから選択される、
請求項12に記載の使用。
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