JP2017501154A - 低血圧治療のための単独または併用使用されるアンギオテンシンii - Google Patents

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Abstract

本発明は、とりわけ、高心拍出量性ショックを有し、ノルエピネフリンの少なくとも約0.2mcg/kg/分に相当する用量でカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、被験対象の血圧を約65mmHgまたはそれより高い平均動脈圧(MAP)に上げるのに効果的であり、約65mmHgのMAPを維持するために必要なカテコールアミンの用量を、約0.05以上0.2mcg/kg/分以下のノルエピネフリンに相当する用量、または約0.05mcg/kg/分若しくはそれより少ないノルエピネフリンに相当する用量に減らすのに効果的であるアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える方法に関する。

Description

本願は、2013年12月18日に出願された米国特許仮出願61/917,576号、および2014年3月19日に出願された米国特許仮出願61/955,706号の出願日の利益を主張し、両出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
本願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、ここにその全体が参照により組み込まれる。2014年12月18日に作成された上記ASCIIコピーの名称は123585_375383_SL.txtであり、サイズは2,166バイトである。
ショックにより危篤状態にある、昇圧剤を必要とする患者は死の危険性が高い。高心拍出量性ショック(血液分布異常性ショックとしても知られる)はショックの最もよく見られる形態であり、しばしば敗血症によって引き起こされる[1]。ショックが昇圧剤で治療される場合、昇圧剤の2つの主な種類であるカテコールアミンおよびバソプレシンタイプのペプチドは、集中治療専門医らの医療設備に含まれる[1]。現在、他の昇圧剤と比較して、どの特定のタイプの昇圧剤(例えば、ノルエピネフリン、バソプレシン、ドーパミン)も転帰の改善を示さなった[2]。全ての昇圧剤には限界があり、複数の潜在的副作用を有する。ショックに対してカテコールアミンで治療された患者らはしばしばタキフィラキシーを発症するため、これらの薬剤の有用性は限定され、高用量のカテコールアミンは直接の心毒性を引き起こし得る[3]。カテコールアミンの毒性は、ノルエピネフリンで治療された敗血症性ショックの患者らのランダム化臨床試験において最近証明された[4]。この研究では、エスモロールによるベータ遮断が、心拍数を減少させることでこれらの患者の生存率を改善するということが示された。したがって、ショック状態の患者には、変力物質でも変時作用薬でもない複数の昇圧剤が有用であろう。そのような1つの昇圧剤がバソプレシンであり、バソプレシンは、アジュバントとしてカテコールアミンと共に最もよく使用される。バソプレシンは、重症度の低い敗血症性ショック状態にある患者らの転帰を改善することが示されたが、高用量では毒性(例えば、心虚血および臓腸間膜虚血)を有し、ヒドロコルチゾンと相互作用する[5]。高心拍出量性ショック状態では、患者らは危篤状態であり、昇圧剤なしには平均動脈圧は維持され得ない。高心拍出量性ショックは、心血管連続臓器機能評価(Sequential Organ Function Assessment)(SOFA)スコアが3若しくは4より高い、またはそれに等しいこと、および、心係数が2.4リットル/分/BSA1.73mより大きいこととして定義される[10]。高心拍出量性ショック状態では、血圧が維持されない場合、それは一様に致命的である。血圧を維持できない患者らにおいて、この設定で「救助(rescue)」昇圧剤を追加することが有用であり得る。
ショック(高心拍出量性ショックおよび他のタイプのショックを含む)状態の患者らの一部は、カテコールアミン耐性がある。つまり、ノルエピネフリンの少なくとも0.2mcg/kg/分の用量に相当するカテコールアミンの用量での治療に応じて、無反応である(血圧の適切な上昇を示さない)。
アンギオテンシンII(場合により本明細書ではATIIと呼ばれる)は、内分泌作用、自己分泌作用、パラクリン作用、及び細胞内分泌(intracrine)ホルモン作用を有する天然に存在するペプチドホルモンである。アンギオテンシンIIは強力で直接的な血管収縮剤であり、複数の動脈および静脈の両方を収縮させ、血圧を上げる[6]。アンギオテンシンIIは、およそ30秒の循環半減期を有するが、その一方、組織においては、その半減期は15−30分もの長さである場合がある。ATIIはADHおよびACTHの分泌を増やし、節後交感神経線維に直接作用することで交感神経作用を増強し得る。ATIIはまた、副腎皮質に作用し、副腎皮質にアルドステロンを分泌させる[6,7]。高用量のアンギオテンシンIIは、例えば、腸間膜虚血および気管支けいれんを含む複数の有害な副作用を誘発すると報告された。
治験薬用量設定プロトコルを示す。 患者のフロー図を示す。 アンギオテンシンIIを併用したノルエピネフリン投与量の変化を示す。 アンギオテンシンII用量設定−五分位数(Quintiles)を示す。
本発明は、とりわけ、例えば、血液分布異常性ショック(高心拍出量性ショック)を示し、血圧が低下している複数の被験対象に極低用量のアンギオテンシンIIを投与することに反応して、標準治療としてそのような複数の被験対象に通常投与される、バソプレシンまたはカテコールアミン(例えば、ノルエピネフリン)など他の複数の薬剤を使用しない、または低用量しか使用しない場合ですら、血圧が正常値(例えば、約65mmHgまたはそれより高い平均動脈圧(MAP))に上げられることが可能で、このレベルが維持されることが可能であるという本発明者らによる驚くべき発見に関する。カテコールアミン(例えば、ノルエピネフリン)を投与する必要が低減される、またはその必要がなくなることを、場合により本明細書ではカテコールアミン−回避(ノルエピネフリン−回避)効果と言う。アンギオテンシンII及びノルエピネフリンなどのカテコールアミンを低用量投与することにより、これら薬剤によってもたらされる望ましくない副作用を減らす。高用量のカテコールアミンは有害である場合があり、これらの毒性作用を弱めることが、ショック状態の患者の生存率の改善に関連してきた。生存するためにはショック状態の間の血圧の維持が必須である。血圧を上げることに加え、低用量のアンギオテンシンIIの投与後、心拍数および血行力学が改善される、または安定した状態を保持する。
定義
本明細書において使用されるとき、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上例外が明記されていない限り、複数の指示対象を含む。例えば、上記において使用されたような「1つの」カテコールアミンでの治療は、1または複数のタイプのカテコールアミンでの治療を含む。
本明細書において使用される「約」という用語は、示された値の約10%内、好ましくは、示された値のプラスマイナス5%であることを意味する。
「アンギオテンシンII」という用語は、5−イソロイシン−アンギオテンシンIIとも呼ばれるAsp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[SEQ ID NO:1]を指してよい。SEQ ID NO:1は、ヒトと、ウマ、ブタ、その他などの他の種との中に天然に存在するオクタペプチドである。イソロイシンは、バリンで置き換えられてよく、その結果、5−バリンアンギオテンシンII、Asp−Arg−Val−Tyr−Val−His−Pro−Phe[SEQ ID NO:2]が得られる。[Asn−Phe]−アンギオテンシンII[SEQ ID NO:3]、ヘキサペプチド Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[SEQ ID NO:4]、ノナペプチド Asn−Arg−Val−Tyr−Tyr−Val−His−Pro−Phe[SEQ ID NO:5]、[Asn−Ileu−Ileu]−アンギオテンシンII[SEQ ID NO:6]、[Asn−Ileu−Ala]−アンギオテンシンII[SEQ ID NO:7]、および[Asn−diiodoTyr−Ileu]−アンギオテンシンII[SEQ ID NO:8]などの他の複数のアンギオテンシンII類似体もまた使用されてよい。アンギオテンシンIIは、例えば、C末端アミド化などの複数の修飾を組み込むための固相ペプチド合成により合成されてよい。C末端の複数のアセテート基がまた追加されてよい。「アンギオテンシンII」という用語は、さらに特定されなければ、これらの様々な形態の何れか、およびそれらの組み合わせを指すことが意図されている。
本明細書において使用される「カテコールアミン」という用語は、人間の中で同様な生理作用を誘発する、例えば、健康な人間の被験者の平均動脈圧を上げる、ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、フェニレフリン、エフェドリン、および、これらのプロドラッグ、構造的類似体、または誘導体を指す。特定の実施形態において、カテコールアミンは、ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、エフェドリンまたはフェニレフリンであってよい。
本明細書において使用される「カテコールアミン耐性低血圧」という用語は、昇圧剤として、15μg/kg/分より多くのドーパミン、0.1μg/kg/分より多くのノルエピネフリン、または、0.1μg/kg/分より多くのエピネフリンを必要とする患者を指す。ドーパミン、ノルエピネフリン、およびエピネフリンは、それぞれ15μg/kg/分、0.1μg/kg/分、または0.1μg/kg/分より速い速度で投与されてよいが、速度の上昇は死亡率の上昇と相関する。
本明細書全体にわたって、「備える(comprise)」という単語、または「備える(comprises)」若しくは「備える(comprising)」などの変化形は、述べられた完全体(若しくは複数の成分)または複数の完全体(若しくは複数の成分)の群を含むが、任意の他の完全体(若しくは複数の成分)または複数の完全体(若しくは複数の成分)の群を排除しないことを暗示するものと理解されるだろう。
「含む(including)」という用語は、「〜を含むがそれらに限定されない」ことを意味するよう使用される。「含む」および「〜を含むがそれらに限定されない」は互換的に使用される。
「平均動脈圧」または「MAP」という用語は、1回の心周期の間の平均の動脈圧を指す。
本明細書において使用されるとき、「被験対象」または「患者」は、特定の治療を受ける受容者に対するものであるヒト、ヒトではない霊長類、げっ歯類等を含む任意の動物(例えば、哺乳類)を指す。典型的には、「被験対象」および「患者」という用語は、人間の被験者に関して本明細書において交換可能に使用される。
アンギオテンシンII治療
アンギオテンシンIIは、身体で自然に作られるペプチドホルモンであり、血管収縮およびナトリウム再吸収によって血圧を調整する。アンギオテンシンII投与の血行力学的効果は多数の臨床研究のテーマであり、全身血流および腎血流に対する有意な効果を証明した(Harrison−Bernard、L.M.、The renal renin−angiotensin system。Adv Physiol Educ、(2009)33(4)):p.270−74)。アンギオテンシンIIは、レニンアンギオテンシンアルドステロン系(RAAS)で作られるホルモンであり、血管の平滑筋の緊張および細胞外液恒常性を調整することによって血圧を調節する。アンギオテンシンIIは、血管収縮およびナトリウム保持を誘発することにより血管系へのその作用を仲介する。その全身性の作用に加え、アンギオテンシンIIは腎臓の輸出細動脈への顕著な作用を有し、血流量が減少したときに糸球体ろ過を維持する。アンギオテンシンIIはまた、近位尿細管内でNa+/H+交換体を刺激すること、並びに、アルドステロンおよびバソプレシンの分泌を誘発することによって腎臓でのナトリウム再吸収を調整する(Harrison−Bernard、L.M.、The renal renin−angiotensin system。Adv Physiol Educ、(2009)33(4)):p.270−4)。
本明細書において開示される複数の組成物および複数の方法において使用されるアンギオテンシンIIの配列は、上述されたアンギオテンシンIIの複数の配列と相同するものであってよい。特定の複数の態様において、本発明は、SEQ ID NO:1、2、3、4、5、6、7、および/または8と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%同一である、分離された、合成された、または組み換えられたアミノ酸配列を含む。そのようなあらゆる変異体配列が、先行する段落において説明されたようなアンギオテンシンIIの代わりに使用されてよい。
いくつかの態様において、アンギオテンシンIIは、好ましくは現行のgood manufacturing practice(cGMP)で製造された、5−バリンアンギオテンシンII、5−バリンアンギオテンシンIIアミド、5−L−イソロイシンアンギオテンシンII、および5−L−イソロイシンアンギオテンシンIIアミド、またはそれらの医薬的に許容できる塩から選択されてよい。いくつかの態様において、当該組成物は、異なる割合での異なる形態のアンギオテンシンII、例えば、ヘキサペプチドとノナペプチドとの混合物のアンギオテンシンを含む。アンギオテンシンIIを含む組成物は、非経口投与、例えば、注射または静脈内注入に適している場合がある。
同様に、アンギオテンシンII治療は、(参照により組み込まれた)米国特許第7,666,408号に開示されるようなペプチドまたは複合体のペグ化形態を含む、上記ペプチドの任意の好適な塩、脱保護形態(deprotected form)、アセチル化形態、脱アセチル化形態、および/またはプロドラッグ形態として使用されてよい。「プロドラッグ」という用語は、生理的条件の下、上記ペプチドを生成または放出することが可能な任意の前駆体化合物を指す。そのようなプロドラッグは、本発明のペプチドを形成するために選択的に切断された、より大きいペプチドであってよい。例えば、いくつかの態様においては、当該プロドラッグは、特定の内因性酵素または外因性酵素の作用によりアンギオテンシンIIをもたらし得るアンギオテンシンIまたはその相同体であってよい。さらに、プロドラッグは、例えば、1または複数のカルボン酸における保護基および/またはアミノ基を有する保護されたアミノ酸を備えるペプチドを含む。アミノ基の好適な保護基は、ベンジルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ホルミル、およびアセチル基若しくはアシル基である。カルボン酸基の好適な保護基は、ベンジルエステルまたはt−ブチルエステルなどのエステルである。本発明はまた、アミノ酸の置換、欠失、添加を有する前駆体ペプチドおよび/またはアンギオテンシンIIの使用も検討する。当該置換および添加は、標準的なDアミノ酸およびLアミノ酸と、例えば、アミド化アミノ酸およびアセチル化アミノ酸などの修飾アミノ酸とを含み、基本ペプチド配列の治療活性は、薬理学的に有用なレベルに維持される。
症状
本発明の方法は、例えば、高心拍出量性ショック、敗血症性ショック、または心停止若しくは心原性ショックによるショックなどの様々なタイプのショックを示す被験対象を治療するのに使用可能である。示される低用量のアンギオテンシンIIによって治療可能な他の疾患には、急性腎臓損傷(AKI)、肝腎症候群(HRS)、および静脈瘤出血が挙げられる。
治療効果のある物質の用量
一般的に、アンギオテンシンIIは血圧を上昇させ、低血圧状態の患者は、正常な患者において観察されるものと同様の血圧上昇反応を示すためには、より大量の投与を必要とするかもしれない。アンギオテンシン治療(例えば、アンギオテンシンII)を含む組成物は、目標の血圧に達するのに十分な速度で投与可能である。例えば、患者は、MAPの連続的な、定期的な、または不定期な測定を提供するモニタに繋がれてよい。
低血圧およびショックの治療のために哺乳類に投与される薬剤の正確な量は、投与される薬剤、患者の全身状態、治療されるべき疾患、望ましい使用期間、哺乳類の種類、投与方法、その他などの当業者には既知の多数の要素に依存する。
アンギオテンシンIIの用量は、約0.25ng/kg/分から約100ng/kg/分、例えば、約10ng/kg/分から約50ng/kg/分、約20ng/kg/分から約40ng/kg/分、約0.25ng/kg/分から約20ng/kg/分、約0.25ng/kg/分から約10ng/kg/分、約0.25ng/kg/分から約5ng/kg/分、約1.25ng/kg/分から約20ng/kg/分、約1.25ng/kg/分から約10ng/kg/分、または約1.25ng/kg/分から約5ng/kg/分の速度で投与可能である。本発明の複数の実施形態においては、当該用量は、約0.25ng/kg/分、約0.5ng/kg/分、約1ng/kg/分、約1.25ng/kg/分、約1.5ng/kg/分、約2ng/kg/分、約2.5ng/kg/分、約3ng/kg/分、約3.5ng/kg/分、約4ng/kg/分、約4.5ng/kg/分、約5ng/kg/分、約5.5ng/kg/分、約6ng/kg/分、約7.5ng/kg/分、または約10ng/kg/分である。
図4および複数の実施例は、高用量のカテコールアミン(例示された場合ではノルエピネフリン)を必要とする高心拍出量性ショック状態の複数の被験対象であって、わずか1または2.5ng/kg/分のアンギオテンシンIIを投与された、複数の被験対象が、ノルエピネフリンが無くても、または極低用量のノルエピネフリンですら、血圧の上昇を示し、その血圧を維持することを示している。図4に示される研究において、(0.2mcg/kg/分より多い)高用量のノルエピネフリンを必要とする複数の被験対象は低用量のアンギオテンシンIIに反応し、その結果、ノルエピネフリンが中断され、アンギオテンシンIIの作用により、これら患者を低血圧から高血圧に変えた。
用量の投与は、約0.25時間から約120時間、例えば、約1時間から約7時間、2時間から約6時間、または約3時間から約5時間継続可能である。
治療レジメンは、急性症状の発現後、例えば、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、または72時間内に開始可能である。
製剤
薬剤を投与するための好適な複数の製剤(複数の医薬組成物)は、投与の様式に依存するであろう。例えば、非経口投与に適合された製剤は、好ましくは受容者の血液で等張化された滅菌水性製剤を含んでよい。この水性製剤は、好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を使用して既知の方法に従って処方されてよい。そのような従来の方式で生成された製剤の実例は、水性製剤Remestyp(テルリプレシン)である。当該製剤はまた、例えば、典型的な許容できる希釈剤である1,3−ブタンジオール溶剤、水、リンゲル液、および等張化された塩化ナトリウム溶液などの希釈剤または溶媒における無菌で注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。溶媒または懸濁媒として無菌固定油が使用されてよい。合成モノまたはジグリセリド、および、オレイン酸などの脂肪酸を含む無菌固定油もまた使用されてよい。本明細書において説明される薬剤のほとんどは、市販されており、商業的供給源から容易に入手可能である。
賦形剤
本発明の複数の医薬組成物はまた、希釈剤、増量剤、塩類、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、および当技術分野において周知の他の複数の材料を含有してよい。「医薬的に許容できる担体」という用語は、本発明の(アンギオテンシンIIなどの)治療効果のある物質と共に患者に投与され得る非毒性の担体を指し、これは治療効果のある物質の薬理学的活性を損なわない。「医薬的に許容できる」という用語は、有効成分の生物活性の有効性を妨げない非毒性材料を意味する。担体の特性は投与経路に依存するであろう。「賦形剤」という用語は、医薬的に有効な成分ではない、製剤または組成物への添加剤を指す。
当業者ならば、任意の1つの賦形剤の選択が、任意の他の賦形剤の選択に影響を及ぼし得ることを理解するであろう。例えば、特定の賦形剤の選択は、追加の1または複数の賦形剤の使用を除外することがある。なぜならば、賦形剤の組み合わせが望ましくない作用を生むからである。当業者ならば、もしあれば、どの賦形剤が本発明の複数の組成物に含まれるべきかを経験的に決定できるであろう。本発明の賦形剤は、共溶媒、溶解補助剤、緩衝剤、pH調整剤、充填剤、界面活性剤、封入剤(encapsulating agent)、等張化剤、分解防止剤、保護剤、および粘度調整剤を含んでよいがそれらに限定されない。いくつかの態様において、医薬的に許容できる担体を本発明の複数の組成物に含むことが有益であり得る。
溶解補助剤
いくつかの態様において、溶解補助剤を本発明の複数の組成物に含むことが有益であり得る。複数の溶解補助剤は、治療効果のある物質(例えば、アンギオテンシンII)または賦形剤を含む、製剤または組成物の複数の成分の何れかの溶解性を増大させるために有用であり得る。本明細書において説明される複数の溶解補助剤は、完全なリストを構成するようには意図されないが、本発明の複数の組成物に使用されてよい、単なる例示的な複数の溶解補助剤として提供される。特定の複数の態様において、溶解補助剤は、エチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびそれらの任意の医薬的に許容できる塩類および/または組み合わせを含むがそれらに限定されない。
pH調整剤
いくつかの態様において、本発明の複数の組成物にpH調整剤を含むことにより、複数の組成物のpHを調節することが有益であり得る。製剤または組成物のpHの変更は、例えば、治療効果のある物質の安定性または溶解性に対して有益な効果を有し得る、または、非経口投与に適した製剤または組成物を製造する上で有用であり得る。複数のpH調整剤が当技術分野において周知である。従って、本明細書において説明される複数のpH調整剤は、完全なリストを構成するようには意図されないが、本発明の複数の組成物に使用されてよい、単なる例示的な複数のpH調整剤として提供される。複数のpH調整剤は、例えば、酸または塩基を含んでよい。いくつかの態様において、pH調整剤は、酢酸、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。
本発明の複数の組成物のpHは、製剤または組成物に望ましい性質を提供する任意のpHであってよい。望ましい性質とは、例えば、治療効果のある物質(例えば、アンギオテンシンII)の安定性、他の複数のpHの組成物と比較した場合の、治療効果のある物質の保持増加、および改善されたろ過効率を含んでよい。いくつかの態様において、本発明の複数の組成物のpHは、約3.0から約9.0、例えば、約5.0から約7.0であってよい。特定の態様においては、本発明の複数の組成物のpHは、5.5±0.1、5.6±0.1、5.7±0.1、5.8±0.1、5.9±0.1、6.0±0.1、6.1±0.1、6.2±0.1、6.3±0.1、6.4±0.1、または6.5±0.1であってよい。
緩衝剤
いくつかの態様において、複数の組成物中に1または複数の緩衝剤を含むことでpHを中和することが有益であり得る。特定の複数の態様においては、緩衝剤は、例えば、約5.5、約6.0、または約6.5のpKaを有し得る。当業者ならば、適切な緩衝剤が、そのpKaおよび他の性質に基づいて、本発明の複数の組成物に含まれるべく選択され得ることを理解するであろう。当技術分野において、複数の緩衝剤が周知である。従って、本明細書において説明される複数の緩衝剤は、完全なリストを構成するようには意図されないが、本発明の複数の組成物に使用されてよい、単なる例示的な複数の緩衝剤として提供される。特定の複数の態様において、緩衝剤は、次に挙げるもののうちの1または複数を含んでよい:トリス、トリス塩酸、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ナトリウムとリン酸カリウムとの複数の組み合わせ、トリス/トリス塩酸、重炭酸ナトリウム、アルギニンリン酸、塩酸アルギニン、ヒスチジン塩酸塩、カコジル酸塩、コハク酸エステル、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、マレイン酸エステル、ビス−トリス、リン酸塩、炭酸塩、およびそれらの医薬的に許容できる任意の塩類および/または複数の組み合わせ。
界面活性剤
いくつかの態様において、本発明の複数の組成物に界面活性剤を含むことが有益であり得る。界面活性剤は、一般的に、液体組成物の表面張力を減少させる。このことは、ろ過の容易さを向上させるなどの有益な性質を提供し得る。界面活性剤はまた、乳化剤および/または溶解補助剤として作用する。当技術分野において複数の界面活性剤が周知である。従って、本明細書において説明される複数の界面活性剤は、完全なリストを構成するようには意図されないが、本発明の複数の組成物に使用されてよい、単なる例示的な複数の界面活性剤として提供される。含まれてよい複数の界面活性剤は、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20およびポリソルベート80)などのソルビタンエステル、リポ多糖体、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400およびPEG3000)、ポロキサマー(すなわち、プルロニック)、エチレンオキシドおよびポリエチレンオキシド(例えば、トリトンX−100)、サポニン、リン脂質(例えば、レシチン)、ならびにそれらの複数の組み合わせを含むがそれらに限定されない。
等張化剤
いくつかの態様において、本発明の複数の組成物に等張化剤を含むことが有益であり得る。液体組成物の浸透圧は、例えば非経口投与で患者に組成物を投与するときに重視すべきことである。したがって等張化剤は、投与に適した製剤または組成物の生成を助けるべく使用されてよい。当技術分野において複数の等張化剤が周知である。従って、本明細書において説明される複数の等張化剤は、完全なリストを構成するようには意図されないが、本発明の複数の組成物に使用されてよい、単なる例示的な複数の等張化剤として提供される。等張化剤は、イオンまたは非イオンであってよく、限定されないが、無機塩類、アミノ酸、炭水化物、糖類、糖アルコール、および炭水化物を含む。典型的な無機塩類は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウムを含んでよい。典型的なアミノ酸はグリシンである。典型的な糖は、グリセロール、プロピレングリコール、グルコース、スクロース、ラクトース、およびマンニトールなどの糖アルコールを含んでよい。
分解防止剤
いくつかの態様において、本発明の複数の組成物に分解防止剤を含むことが有益であり得る。分解防止剤は、本発明の複数の組成物中の治療効果のある物質の安定性を高めるのに役立つ。このことは、例えば、治療効果のある物質の分解を低減する、または治療効果のある物質の凝集を防止することにより起こり得る。理論に縛られることを望むものではないが、安定性を高めるための機序は、治療効果のある物質の溶媒からの隔離、またはアントラサイクリン化合物のフリーラジカルによる酸化の抑制を含んでよい。当技術分野において複数の分解防止剤が周知である。従って、本明細書において説明される複数の分解防止剤は、完全なリストを構成するようには意図されないが、本発明の複数の組成物に使用されてよい、単なる例示的な複数の分解防止剤として提供される。分解防止剤は、限定されないが、乳化剤および界面活性剤を含んでよい。
投与様式
アンギオテンシンIIまたはカテコールアミンの投与は、任意の簡便な経路、例えば、(急速静注または一定注入による、の何れかを使用する)静脈内、筋肉内、皮下、または吸入によるものであり得る。アンギオテンシンIIおよびカテコールアミンは一緒に、または単独で投与されてよい。
本発明の複数の組成物は、従来の様々なやり方で投与され得る。いくつかの態様において、本発明の組成物は非経口投与に適している。これらの組成物は、例えば、腹腔内に、静脈内に、腎内に、または髄腔内に投与されてよい。いくつかの態様において、本発明の複数の組成物は、静脈内に注射される。当業者ならば、本発明の治療効果のある物質の製剤または組成物の投与方法が、治療される患者の年齢、体重、および健康状態、ならびに治療される病気または疾患などの複数の要素に依存することを理解するであろう。したがって当業者は、ケースバイケースで患者にとって最適な投与方法を選択することが可能であるだろう。
本明細書において別段の定義がない限り、本願で使用される科学的用語よび技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものである。概して、本明細書において説明される、化学、分子生物学、細胞およびがん生物学、免疫学、微生物学、薬理学、ならびに、タンパク質および核酸化学に関する命名法および複数の技術は当技術分野において周知であり、一般に使用されるものである。
アンギオテンシンIIの投与に関連する方法
本発明の一態様は、高心拍出量性ショック(例えば、カテコールアミン耐性高心拍出量性ショック)を有し、ノルエピネフリンの少なくとも約0.2mcg/kg/分に相当する用量でのカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、被験対象の血圧を約65mmHgまたはそれより高い平均動脈圧(MAP)に上げるのに効果的であり、約65mmHgのMAPを維持するために必要なカテコールアミンの用量を約0.05以上0.2mcg/kg/分以下のノルエピネフリンに相当する用量に減らすのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える方法である。
本発明の別の態様は、高心拍出量性ショック(例えば、カテコールアミン耐性高心拍出量性ショック)を有し、ノルエピネフリンの少なくとも約5mcg/分に相当する用量でカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、被験対象の血圧を約80mmHgより高い平均動脈圧(MAP)に上げるのに効果的であり、約80mmHgより高いMAPを維持するために必要なカテコールアミンの用量を約5−10mcg/分未満のノルエピネフリンに相当する用量に減らすのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える方法である。そのような特定の複数の実施形態において、アンギオテンシンIIの用量は少なくとも約20ng/kg/分である。
様々な実施形態において、アンギオテンシンIIの用量は、約65mmHgのMAPを維持するために必要なカテコールアミンの用量を約0.05mcg/kg/分、またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する用量に減らすのに効果的である。
本発明の複数の実施形態において、
a.カテコールアミンはノルエピネフリンである、または、
b.カテコールアミンはエピネフリンであり、ノルエピネフリンの0.1mcg/kg/分に相当する用量は、0.1mcg/kg/分である、または、
c.カテコールアミンはドーパミンであり、ノルエピネフリンの0.1mcg/kg/分に相当する用量は、15mcg/kg/分である、または、
d.カテコールアミンはフェニレフリンであり、ノルエピネフリンの0.1mcg/kg/分に相当する用量は、1.0mcg/kg/分である。
本発明の複数の実施形態において、アンギオテンシンIIの用量は、約0.25ng/kg/分から約10ng/kg/分、約0.25ng/kg/分から、約5ng/kg/分、約1ng/kg/分、約2ng/kg/分、または約3ng/kg/分である。
本発明の別の態様は、高心拍出量性ショック(例えば、カテコールアミン耐性高心拍出量性ショック)を有し、ノルエピネフリンの少なくとも約0.2mcg/kg/分に相当する用量でカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、被験対象の血圧を約65mmHgまたはそれより高いMAPに上げるのに効果的であり、約65mmHgまたはそれより高いMAPを維持するために必要なカテコールアミンの用量を、約0.05mcg/kg/分またはそれより少ないノルエピネフリンに減らすのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える方法である。当該方法は、
ノルエピネフリンの固定用量に関してアンギオテンシンの用量を調節することにより、約0.25ng/kg/分から約5ng/kg/分のアンギオテンシンIIの用量が、約65mmHgまたはそれより高い平均動脈圧(MAP)を維持するために必要なノルエピネフリンの量を、約0.05mcg/kg/分またはそれより少ないエピネフリンに減らすのに効果的である程アンギオテンシンIIに対して十分反応する一部の被験対象に属するとして被験対象を特定(被験対象を選択)する段階と、
先述のように決定された用量で被験対象にアンギオテンシンIIの投与を続ける段階と、
をさらに含む。
本発明の様々な方法において、アンギオテンシンIIおよびカテコールアミンは、静脈内に、筋肉内に、皮下に、または吸入によって投与されてよく、それらは一緒に、または単独で投与されてよい。
本発明の別の態様は、ショック(例えば、敗血症性ショック、または心停止若しくは心原性ショックなどの他の原因によるショック)を有し、ノルエピネフリンの少なくとも約0.2mcg/kg/分に相当する用量でカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、被験対象の血圧を約65mmHgまたはそれより高いMAPに上げるのに効果的であり、約65mmHgのMAPを維持するために必要なカテコールアミンの用量を、約0.05以上0.2mcg/kg/分以下のノルエピネフリンに相当する用量、または、約0.05mcg/kg/分若しくはそれより少ないノルエピネフリンに相当する用量に減らすのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える方法である。
本発明の好適な複数の方法において、被験対象はヒトである。
特定の複数の実施形態において、アンギオテンシンIIおよびカテコールアミンは共同投与される。本明細書において使用されるとき、「共同投与(conjoint administration)」という語句は、先に投与された薬剤が体内でまだ有効である間に2番目の薬剤が投与されるような、2つの薬剤の任意の投与形態を指す(例えば、2つの薬剤は患者の体内で同時に有効であり、このことは、2つの薬剤の相乗効果を含み得る)。例えば、2つの薬剤は、同一の製剤または別個の製剤で、同時にまたは順次に投与され得る。特定の複数の実施形態において、それらの異なる薬剤は、互いに、1時間、12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、または一週間以内に投与され得る。したがって、そのような治療を受け取る個体は2つの薬剤の併用効果から恩恵を受け得る。
本発明の様々な方法において、被験対象はカテコールアミン(例えば、エピネフリン、ノルエピネフリン、ドーパミン、フェニレフリン、エフェドリン)による、または、バソプレシンによる標準治療をアンギオテンシンIIが投与されるときに、またはその前に受けている。これらの薬剤はカテコールアミン、ノルエピネフリンの少なくとも0.2mcg/kg/分に相当する用量で投与される。典型的な等価用量は、
いくつかの実施形態において、複数の患者はカテコールアミン耐性がある。つまり、それらの患者は、ノルエピネフリンの少なくとも約0.2mcg/kg/分の用量に相当する用量で投与されたカテコールアミンに対して反応しない(血圧の上昇を示さない)。
当業者ならば、本発明が、複数の目的を実行し、述べられた目標および利点、並びにそれに固有の目標および利点を獲得するようによく適合されることを容易に理解するであろう。本明細書において説明される複数の実施形態は、本発明の範囲を限定するものとは意図されない。本説明は、以下の複数の実施例によってさらに説明される。それらの実施例は、決して限定するものとして解釈されるべきではない。前述のおよび以下の複数の実施例において、全ての温度は未補正のセ氏温度で示され、別段の指示がない限り、全ての部およびパーセンテージは、重量部および重量パーセントである。
実施例
実施例−高心拍出量性ショック治療のための静注アンギオテンシンII
A.方法
対象患者
患者らは21歳を超える年齢であり、高心拍出量性ショックを有するとみなされた。高心拍出量性ショックは心血管連続臓器機能評価(SOFA)スコアが4、および心係数が2.4リットル/分/BSA1.73mより大きいとして定義される[10]。患者らはまた、標準的な治療の一部として、留置動脈ライン(indwelling arterial line)および導尿カテーテルを有していた。加えて、各被験者は、十分な量の輸液による蘇生がなされて、輸液反応性なし(すなわち、輸液を急速静注しても心係数が15%まで増加することはない)と臨床的に評価された。標準治療は、初期蘇生として20−30cc/kgのクリスタロイドで蘇生するものであった。除外基準には、急性冠動脈症候群の患者、血管攣縮またはぜんそくの既知の既往歴、現在気管支けいれんを患っているあらゆる患者、または、4単位より多くの赤血球濃厚液、7g/dLより少ないヘモグロビンの輸血が必要であると予期される活動性出血の患者、若しくは連続血液サンプルを抜き取ることに禁忌を示すであろう任意の他の疾患を有する患者を含んだ。
治療の割り当て
研究への参加にあたって、患者らは以下のランダム化手順(コンピュータで発生させた乱数)でランダムに割り当てられ、アンギオテンシンII酢酸塩注入(クリナルファ(Clinalfa)、Bachem AG、ハウプトシュトラッセ144、4416ブーベンドルフ、スイス)またはプラシーボ注入(以下ではそれぞれ治験薬およびプラシーボと呼ばれる)の何れかを投与される。研究者、臨床試験を支えるスタッフ、患者、およびその家族は研究期間の間治療の割り当てについて知らないままであった。
薬剤注入
参加した患者らはランダムに選ばれ、20ng/kg/分の初期濃度に相当する滴下速度で落ちるよう計算された、生理食塩水での治験薬の注入に加え、高心拍出量性ショックのための標準治療を受けた。治験薬は不透明なセロファンのバッグで準備され、その内容物は、研究者、看護師、または、患者への直接的な看護にあたる他の何れの者にも分からなかった。治験薬は合計6時間にわたって投与され、投与量(および対応する滴下速度)の調節は1時間毎に行われた。治験薬の投与量調節は、65mmHgまたはそれよい高い平均動脈圧(MAP)を維持するために必要であり、われわれの機関では標準的な医療行為である標準治療法(いずれの場合も、ノルエピネフリン注入に加えて、バソプレシン、エピネフリン、および/またはフェニレフリンの注入)の付随要件に基づいて、事前に特定されたプロトコルによって決定された。治験薬用量設定プロトコルは、前述の標準的なMAPの目標である65mmHgを達成するために(5−10mcg/分の間のノルエピネフリン投与量と併せて)必要とされたATIIの用量を明らかにするように考案された。図1に、用量設定プロトコルが示されている。ATIIの用量設定の最大許容投与量は40ng/kg/分であり、最小量は5ng/kg/分であった。6時間後、治験薬注入の投与量が5ng/kg/分を下回るまで10分毎に半減されることにより治験薬注入は漸減され、その後中断された。
評価項目
主要評価項目は、65mmHgのMAPを維持するために必要とされた、ノルエピネフリンの現行用量に対するATII注入の効果であった。二次的な評価項目は、尿排出量、血清乳酸、心拍出量、および30日死亡率に対するATII注入の効果を含んだ。
統計解析
この種に類似した研究に倣って、患者の小コホートが解析された。本明細書において概説された用量でATIIがノルエピネフリンの用量に影響を及ぼすかどうかを判断するための根拠を引き出すべく、20人の患者の集団であって、各群に10人の患者が決定された。独立したデータ安全性評価委員会(DSM)が任命され、全ての有害事象が検討された。
人口統計学的変数および臨床的変数の分布もまた評価された。特定の変数を有する患者らの割合の差は、適宜、カイ二乗、フィッシャー直接検定、スチューデントt、およびマン−ホイットニー検定で評価された。ノルエピネフリンの現行用量に対する治験薬注入の効果の主要評価項目は、一般推定方程式(general estimating equation)解析を使用して計算され、1時間おきにノルエピネフリンの平均用量(mcg/分)および治験薬注入(ng/kg/分単位での)として提示される。
SAS Genmodプロシジャ(バージョン9.3、ケアリー、ノースカロライナ)を使用して、治験薬の開始前1時間に始まり、開始後8時間までの標準治療の昇圧剤の1時間毎の測定値で経時的な治験薬への反応のモデルを作るべく、一般化された推定方程式が使用された。相関構造は、互いにより近接した時点の間の起こり得るより高い相関を説明する自己回帰として定義された。このモデルにおいて、薬剤の主効果は、複数の時間にわたって平均化された各薬剤に対する平均反応(mean response)を調査する。時間の主効果は、複数の薬剤にわたって平均化された各時点における平均反応を調査し、時間インタラクション(time interaction)が乗じられた薬剤は、経時的な変化が複数の薬剤の間で異なるかどうかを調査する。
別段の指定が無い限り、全ての値は平均±標準偏差として報告される。全ての他の統計解析は、SPSS 18、米国イリノイ州シカゴ、を使用して完了された。
B.結果
この研究への患者のフローは図2に報告されている。20人の患者がランダム化を経て、20人の患者全てが研究に参加し、研究を終えた(図1)。2つのグループの基本特性が表1に示されている。研究の被験者全員の平均年齢は62.9±15.8歳であった。患者中、75%が男性、45%が白人、および40%がアフリカ系アメリカ人であった。基準のSOFAスコアおよびAPACHE IIスコアはそれぞれ、15.9±3.0および30.6±8.9であった。20人の患者中19人が、0.02−0.08U/分の用量でバソプレシンを同時投与されていた。バソプレシンの投与量は治験期間の間に調整されることはなかった。
ATIIは、全ての患者でノルエピネフリン投与の減量をもたらした(図3)。プラシーボコホートの時間1における平均ノルエピネフリン投与量が、27.6±29.3mcg/分であったのに対し、ATIIコホートの時間1における平均ノルエピネフリン投与量は7.4±12.4mcg/分であった(p=0.06)。プラシーボコホートの時間2におけるノルエピネフリンの投与量が28.6±30.2mcg/分であったのに対し、ATIIコホートの時間2におけるノルエピネフリンの投与量は7.3±11.9mcg/分であった(p=0.06)。治験期間にわたり、時間7(注入後1時間)までに漸減される前に、平均ATII投与量は、時間0における20ng/kg/分から、の時間6における5ng/kg/分まで低減された。ATIIのこの漸減にもかかわらず、ATIIコホートのノルエピネフリン投与量はプラシーボコホートに比べ大幅に低いままである。しかし、この効果は、時間1および時間2においてのみ統計的有意に近づいた。ATII注入を停止すると、それに付随して平均ノルエピネフリン投与量は再び増加した。
相互作用効果の包括検定(global test)を得るために、時間を連続変数と定義して一般推定方程式モデルを使用すると、治療の主効果(治験薬対プラシーボ)は有意ではなく(p=0.13)、時間の効果も有意ではなく(p=0.30)、時間インタラクションが乗じられた治療も有意ではなかった(p=.76)。複数の特定の時点を調査するために、時間がクラス変数と定義され、時間1が参照グループと定義された場合、薬剤効果(p=.14)および時間効果(時間0でp=.18、時間1でp=.51)は両方とも有意でないままであった。時間インタラクションが乗じられた薬剤製品は、1−時間および2−時間において有意傾向水準(trend level of significance)(p=0.06)を示した。
全ての患者が最もよく経験した複数の有害事象は代謝異常であり、アルカローシスはATIIグループで4人の患者、プラシーボグループで0人に発生した(p=0.09)。ATIIに起因すると考えられる最も一般的な有害事象は高血圧であり、ATIIを投与された患者の20%で発生した(p=0.58)。これらの患者はどちらとも、MAPの目標達成のためにプロトコルによって治験薬の注入は停止された。表2に有害事象を挙げる。
尿排出量、心拍出量、中心静脈圧、および平均動脈圧が表3に示されている。2つのグループの30日死亡率は、ATIIコホートおよびプラシーボコホートについて同様であった(50%対60%、p=1.00)。
結果は、平均およびSDまたは数字で提示されている。連続変数のP値はスチューデントT検定を使用して計算された。離散変数のP値はフィッシャー直接検定を使用して計算された。プラシーボグループの患者の1人がATIIの開始前にフェニレフリンの注入を受けたのに対し、ATIIグループではどの患者も受けなかった。プラシーボグループの患者の1人がエピネフリンの投与を受けたのに対し、ATIIグループではどの患者も受けなかった。SOFA,連続臓器機能評価(sequential organ function assessment);APACHE,急性生理的および慢性の健康評価II(acute physiology and chronic health evaluation II);IHD=虚血性心疾患。CHF=うっ血性心不全。COPD=慢性閉塞性肺疾患。DM=真性糖尿病。CKD=慢性腎疾患。HD=血液透析。IS=免疫抑制状態。CVA=脳血管発作。AKI=急性腎臓損傷;Hgb,ヘモグロビン;NAは解析せず、適用せず、または該当なしを表す。
尿排出量、心拍出量、中心静脈圧、および平均動脈圧が表3に示されている。2つのグループの30日死亡率は、ATIIコホートおよびプラシーボコホートについて同様であった(50%対60%、p=1.00)。
さらなる研究が、わずか1.25または2.5ng/kg/分のアンギオテンシンIIを投与された被験者らが、ノルエピネフリンなどのカテコールアミンが無くても、または極低用量のカテコールアミンですら、血圧の上昇を示し、その血圧を維持することを示した。高心拍出量性ショックの患者のための標準治療は、カテコールアミンおよび/またはバソプレシンによって平均動脈圧を65mmHgに維持することである。哺乳類が長期間にわたって血圧維持できないことは、一様に致命的である。図4において説明される研究において、標準治療はノルエピネフリンの投与であった。患者のうちの20%は、極低用量のアンギオテンシンII(1.25−2.5ng/kg/分)に反応し、その結果MAPが著しく上昇した。高心拍出量性ショックの患者においてMAPを正常値より高く押し上げることが標準的ではないとき、標準的なプロトコルによって、カテコールアミンの投与量は減少させられる。カテコールアミンが完全に断たれたときですら、低用量のアンギオテンシンIIは85mmHgより高いMAPをもたらした。
1−40ng/kg/分の用量範囲で、ATIIは効果的な昇圧薬であることが示された。より具体的には、標準治療の昇圧剤と併用されるとき、高心拍出量性ショックの治療においては2−10ng/kg/分の開始投与量が適切な開始投与量であるだろう。
研究における全ての患者がATII注入に対して反応を示したが、著しい不均一性が観察された。ATIIを投与された10人の患者のうち2人がわずかな反応を示した一方で、2人がATIIに対して非常に過敏であった。このことは予期されない発見であった。2人の極めて過敏な患者では、ノルエピネフリン注入はプロトコルによって漸減され、ATIIの投与量はその最小許容投与量の5ng/kg/分であり、患者らはノルエピネフリンが漸減されたにもかかわらずMAPは90mmHgより高い高血圧状態のままであった。高血圧はわれわれの標準治療の一部ではないので、研究者らは注入を停止し、ATIIは投与を断たれた。両方のケースで、ノルエピネフリンの必要性が再び急速に認められた。
ATIIは、他の昇圧剤(すなわち、カテコールアミンおよびバソプレシン)との相乗効果を有するように見える。ノルエピネフリンを必要とし、かつ頻脈の患者にとって、ATIIは特に有用でるように見える。重度の低血圧である患者にとって、より低用量の異なる作用機序を有する複数の昇圧剤はより有効であり、かつ、高用量の1種類の昇圧剤(すなわち、カテコールアミン)より毒性が低いかもしれない。
本研究の複数の長所の中から以下のものを挙げる。第1に、研究は、適切なプラシーボ対照群を有するランダム化された二重盲検対照試験であった。第2に、高心拍出量性ショックの標準治療を受けている患者らを参加させることが研究者らの意図であったので、研究は実用的考案によるものであった。そのため、全患者は、事前の適切なモニタリングおよび(中心静脈ライン、膀胱カテーテル、動脈ライン、および心拍出量モニタリング装置を含む)治療介入を受けていた。研究への参加の前に、何れの特殊な治療器具も追加する必要がなかった。第3に、全ての参加した患者は、心係数の参加基準から明らかなように、循環血液量を輸液等により補われていた(volume therapy)にもかかわらず、高用量の昇圧剤治療を必要とすることが確認された。これは、昇圧剤治療開始前の低血圧患者の体積反応性に対処するための現行の医療行為と一致している。最後に、研究プロトコルの一部として、データ安全性評価委員会が設置された。データ安全性評価委員会は、データをブラインド化しない能力、および有害事象を評価する能力、並びに研究を停止する能力を有し、その何れも発生しなかった。
敗血症性ショックに対してノルエピネフリンを投与されている患者へのATII注入の開始は、ノルエピネフリン投与量の著しい減少をもたらした。ATIIは、高心拍出量性ショックを有し、複数の昇圧剤を投与される患者の血圧を改善した。ATIIは、高心拍出量性ショックの治療において昇圧薬として有効である。初期投与量は2−10ng/kg/分の間の範囲を取り得る。最後に、ATIIは耐容性良好であることが示された。
本発明の別の態様は、とりわけ、1または複数のさらなるペプチドおよび/または化合物と組み合わせたアンギオテンシンIIを含む複数の製剤(組成物、医薬組成物)と、例えば、高心拍出量性ショック、敗血症性ショック、または、心停止若しくは心原性ショックなどの他の形態のショックによるショックなどの様々なタイプのショックにおいて例えば存在するような、(低血圧を有し、)血圧の上昇を必要とする被験者らの治療でそれらの製剤を使用するための方法とに関する。当該複数の製剤はまた、とりわけ急性腎臓損傷、肝腎症候群(HRS)、または静脈瘤出血を含む他の複数の疾患を治療するためにも使用され得る。
特定の複数の実施形態は、例えば、他の血圧上昇ペプチド、またはその類似体若しくは誘導体と組み合わせたアンギオテンシンIIと、他の血圧上昇ペプチド、またはその類似体若しくは誘導体、およびカテコールアミンと組み合わせたアンギオテンシンIIとを含む。追加の複数の実施形態は、本明細書で3,7−ビス(ジメチルアミノ)−フェノチアジン−5−イウム クロリド若しくはMBとも呼ばれる化合物のメチレンブルーとさらに組み合わせた、前述のペプチドの何れか、または組み合わせを含む。
予期せぬことに、本発明者は、バソプレシンおよび/またはバソプレシン類似体などの他の昇圧剤との、および/またはカテコールアミンとの併用でのアンギオテンシンIIの使用が、現在標準治療として投与される用量よりもはるかに少ない用量のバソプレシンおよび/またはバソプレシン類似体および/またはカテコールアミンの使用を可能にし、これによりこれらの薬剤の副作用を低減し、効率性を高めることを発見した。メチレンブルーはまた、これらの薬剤の何れかとの相乗効果を示した。つまり、(アンギオテンシンIIと併用した)これらの薬剤のうちの2またはそれより多くの薬剤の低用量の組み合わせは、これらの薬剤のうちの1つの従来の大量用量より効果的である。
本発明の一態様は、アンギオテンシンIIまたはその類似体、および少なくとも1つの追加の昇圧剤および/またはメチレンブルーを含む組成物である。そのような組み合わせは、本明細書では場合により「本発明の多成分組成物」と呼ばれる。
本発明の複数の実施形態において、多成分組成物は以下の薬剤の組み合わせを備える: アンギオテンシンII+バソプレシン
アンギオテンシンII+バソプレシン+ノルエピネフリン
アンギオテンシンII+バソプレシン+任意のカテコールアミン
メチレンブルー(MB)+アンギオテンシンII
MB+アンギオテンシンII+バソプレシン
MB+アンギオテンシンII+バソプレシン+ノルエピネフリン
MB+アンギオテンシンII+バソプレシン+任意のカテコールアミン
アンギオテンシンII+テルリプレシン
アンギオテンシンII+テルリプレシン+ノルエピネフリン
アンギオテンシンII+テルリプレシン+任意のカテコールアミン
メチレンブルー(MB)+アンギオテンシンII
MB+アンギオテンシンII+テルリプレシン
MB+アンギオテンシンII+テルリプレシン+ノルエピネフリン
MB+アンギオテンシンII+テルリプレシン+任意のカテコールアミン
本発明の別の態様は、上記の多成分組成物、および医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物である。
本発明の別の態様は、1または複数の容器にアンギオテンシンIIおよび少なくとも1つの追加の昇圧剤および/またはメチレンブルーを含むキットである。
本発明の別の態様は、治療上効果的な量の、アンギオテンシンIIおよび少なくとも1つの追加の昇圧剤および/またはメチレンブルーを含む多成分組成物、または当該組成物および医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物を被験者に投与する段階を備える方法(例えば、その方法を必要とする、例えば、ショックなどの血圧の上昇を必要とする、被験者を治療するための方法)である。
上述されたように、上記の複数の薬剤などの薬剤は、共同投与が可能であり、それは、先に投与された薬剤が体内でまだ有効である間に2番目の薬剤(または追加の薬剤)が投与されるような(例えば、2つ(またはそれより多くの)薬剤が患者の体内で同時に有効である)、2つ(またはそれより多く)の薬剤の任意の投与形態を指す。例えば、2つ(またはそれより多く)の薬剤は、同一の製剤または別個の製剤で、同時にまたは順次に投与され得る。特定の複数の実施形態において、それらの異なる薬剤は、互いに、1時間、12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、または一週間以内に投与され得る。したがって、そのような治療を受ける個体は2またはそれより多くの薬剤の併用効果から恩恵を受ける。上述された2つ、3つ、または4つの薬剤は共同投与され得る。
示された複数の薬剤のうちの2またはそれより多くの薬剤の組み合わせを投与するための組成物は、様々な形態のうちの何れかをとり得る。例えば、複数の薬剤のうちの2またはそれより多くの薬剤は、一緒に包装され、一緒に投与され得る。別の実施形態において、組成物中の複数の薬剤のうちの1または複数は、その他の複数の薬剤と別々に包装され、従ってそれはその他の複数の薬剤とは独立して、例えば、別個の静脈ラインで、投与され得る。このやり方では、例えば個々の薬剤の用量は個別に制御され得る。一実施形態において、例えば、患者が心停止になった緊急事態では、被験者は、救急車などの病院外において、例えば、アンギオテンシンII、バソプレシン、およびカテコールアミンの組み合わせを投与され得る。その後、患者が病院に着いた後により正確な用量および組み合わせの薬剤が投与され得る。
アンギオテンシンIIは上述されている。多成分投与という状況で被験者に投与されるアンギオテンシンIIの用量は、本明細書の他の箇所で説明された方法で決定され得る(カテコールアミン、バソプレシン、および/またはメチレンブルーと併用される場合は用量の設定がなされ得る)。通常、多成分投与という状況で被験者に投与されるアンギオテンシンIIの用量は、約1または1.25ng/kgから約20ng/kg、約1または1.25ng/kg/分から約10ng/kg/分、約1または1.25ng/kg/分から約5ng/kg/分、約0.25ng/kg/分から約20ng/kg/分、約0.25ng/kg/分から約10ng/kg/分、または、約0.25ng/kg/分から約5ng/kg/分である。本発明の複数の実施形態において、当該用量は、約0.25ng/kg/分、約0.5ng/kg/分、約1ng/kg/分、約1.25ng/kg/分、約1.5ng/kg/分、約2ng/kg/分、約2.5ng/kg/分、約3ng/kg/分、約3.5ng/kg/分、約4ng/kg/分、約4.5ng/kg/分、約5ng/kg/分、約5.5ng/kg/分、約6ng/kg/分、約7.5ng/kg/分、または約10ng/kg/分である。
上述されたように、本発明の方法において使用され得るカテコールアミンは、とりわけノルエピネフリン、エピネフリン、ドーパミン、またはフェニレフリン若しくはエフェドリンを含む。多成分投与という状況で被験者に投与されるカテコールアミンの用量は、本明細書の他の箇所において説明されたような方法で決定され得る(アンギオテンシンII、バソプレシン、および/またはメチレンブルーと併用される場合は用量の設定がなされ得る)。通常、多成分投与という状況で被験者に投与されるカテコールアミンの用量は、約0.01mg/kg/分から約0.1mcg/kg/分(例えば、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.1mcg/kg/分)のノルエピネフリンの用量に相当する。カテコールアミンの等価用量は上記で要約されている。
バソプレシン、または、その様々な好適な類似体若しくは誘導体の何れかは、本発明の方法で使用され得る。好適な類似体若しくは誘導体は当業者には明らかであろう。これらの好適な類似体または誘導体の中には、テルリプレシン、アルギプレシン、デスモプレシン、フェリプレシン、リプレシン、およびオルニプレシンがある。好適な類似体の1つであるテルリプレシンは、バソプレシンの合成トリグリシルリジン誘導体であり、これは不活性プロドラッグである。それには昇圧作用および抗利尿作用がある。静脈(IV)注射後、3つのグリシル部分の酵素的切断を受けて、リジンバソプレシンが放出される。多成分投与という状況で被験者に投与されるバソプレシンまたはその類似体の用量は、本明細書の他の箇所において説明されたような方法で決定され得る(アンギオテンシンII、カテコールアミン、および/またはメチレンブルーと併用される場合は用量の設定がなされ得る)。通常、多成分投与という状況で被験者に投与されるバソプレシンの用量は、約0.01U/分から約0.04U/分(例えば、約0.01、約0.02、約0.03、または約0.04U/分)である。通常、多成分投与という状況で被験者に投与されるテルリプレシンの用量は、約4−6時間の間に約0.1mgから約1mg、例えば、約0.1,0.3、0.7、または1mgである。
メチレンブルー(MB)はまた、本発明の多成分投与方法で被験者に投与され得る。メチレンブルーは、グアニル酸シクラーゼの選択的阻害剤であり、一酸化窒素の仲介による血管拡張に関わるセカンドメッセンジャーであって、故に、昇圧剤の作用を高め得る。実験的医薬品として、メチレンブルーの国際一般名称(INN)は塩化メチルチオニニウムである。多成分投与という状況で被験者に投与されるメチレンブルーの用量は、本明細書の他の箇所において説明される方法で決定され得る(アンギオテンシンII、カテコールアミン、および/またはメチレンブルーと併用される場合は用量の設定がなされ得る)。通常、多成分投与という状況で被験者に投与されるメチレンブルーの用量は、2−8時間毎に約0.01から約3mg/kgである。
上記されたようなこれらの薬剤のうちの2またはそれより多くの薬剤(アンギオテンシンIIを含む)を低用量使用した治療は、それらの薬剤のうちの1つの従来のような大量用量に比べより効果的である。例えば、カテコールアミンを単独投与するための標準治療は、約0.01から約0.3mcg/kg/分の範囲であり、バソプレシンの投与のための標準治療は、約0.01から約0.08U/分の範囲である。これらの成分の2またはそれより多くのものを組み合わせることにより、従来の標準治療に対してこれらのうちの何れかを少なくとも約20%から約25%低減したことは顕著な利点を表わす。
本明細書において本発明者は、より少用量の複数の血管収縮剤が、大量用量1つの昇圧剤に比べより効率的に働くことを示す。いかなる特定の機序にも縛られることを望むものではないが、この相乗効果は、バソプレシンおよびアンギオテンシンIIがカテコールアミンとは異なる様に、異なる複数の血管床に影響を与え、故に、異なる複数の対象を攻撃することによってこれらの薬剤が相乗的に作用するという観察に少なくとも部分的に起因するものであることが示唆される。例えば、バソプレシンは、カテコールアミンよりもより腸間膜血管収縮を引き起こす傾向があり、故に、患者が腸間膜虚血を発症した場合、バソプレシン/バソプレシン類似体は通常停止される。肝腎症候群のような疾患においては、この病気の問題点は腸間膜血管拡張であり、特定の局所的な血管拡張を和らげるべくバソプレシン/バソプレシン類似体が使用される。
本発明の一実施形態は、アンギオテンシンII、および薬剤のバソプレシンまたはその類似体(例えば、テルリプレシン)うちの1または複数、および/またはカテコールアミン、および/またはメチレンブルーを備えるキットである。キット中の当該複数の薬剤は、個々の容器(例えば、バイアル)に存在し、または、2またはそれより多くの薬剤が単一の容器に一緒に存在する。一実施形態において、各容器は薬剤の単位用量を含有する。他の複数の実施形態においては、複数の用量単位が各容器に存在する。当該複数の薬剤は液体形態であってよく、または、患者への投与前に生理食塩水または同等な希釈溶液で再構成され得る固体状(例えば、粉末形態または凍結乾燥形態)であってよい。例えば、一実施形態において、次の薬剤が単一のバイアルに固体形態で存在する:約0.25mgから約1mgのカテコールアミン、エピネフリン;約10Uから約40Uのバソプレシン;および約0.01マイクログラムから約100マイクログラムのアンギオテンシンII。次に、これらの成分は、使用する前に好適な容積の希釈剤中に懸濁される。当業者には、複数の薬剤の他の複数の組み合わせに対する複数の好適な希釈剤および複数の好適な量が明らかであろう。
本発明のキットは、固体薬剤を再構成するための、または液体薬剤を希釈するための方法などの方法を実行するための指示を備えてよい。本発明のキットの他の複数のオプション要素は、固体薬剤を再構成するための、または液体薬剤を希釈するための好適な緩衝剤若しくは他の希釈剤、または、包装材料を含む。キットの試薬は容器に入れられてよく、容器中では試薬は安定しており、例えば、凍結乾燥若しくは粉末の形態、または安定化された液体の状態であってよい。
本発明の組成物または医薬組成物は、様々な病気または疾患の何れかを治療するために使用され得る。これらは、例えば、敗血症性ショック、心停止若しくは心原性ショックによるショック、または高心拍出量性ショックを含むショックを含む。他の複数の症状には、急性腎臓損傷、肝腎症候群(HRS)、および静脈瘤出血を含む。
急性腎臓損傷
炎症/敗血症の患者は、糸球体内低血圧およびGFR減少を引き起こす糸球体輸出細動脈の血管拡張に部分的に起因する急性腎臓損傷(AKI)を発症する場合がある。アンギオテンシンIIおよびバソプレシンなどの複数の薬剤の非経口使用は、輸出細動脈の血管収縮を引き起こし、これによりこの作用を軽減する。
肝腎症候群(HRS)
HRSは、腸間膜血管拡張が非常に大きく、血液が優先的に消化管に流れ、腎臓から出て行く病気である。HRSは、典型的に肝硬変の患者に発生する。単独で、またはバソプレシンおよび/またはカテコールアミンとの併用でのアンギオテンシンIIは、血管収縮、およびその結果としての腎機能の改善をもたらす。加えて、肝硬変の患者らはしばしば一酸化窒素レベルの増加に起因する血管拡張を有するため、アンギオテンシンII、およびバソプレシン(例えば、テルリプレシン)および/またはカテコールアミンとの併用でのメチレンブルーにより治療され得る。
静脈瘤出血
通常肝硬変に起因する門脈圧亢進症の患者は、食道静脈瘤から出血する傾向がある。門脈圧を下げる薬剤の使用が望ましい。本発明の組成物による治療は、出血の減少をもたらすので、輸血、または出血を止めるための医療行為の必要性がより低くなり、この疾患による死亡が低減される。
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前述の説明により、当業者ならば本発明の必須特性を容易に特定し、その主旨および範囲から逸脱することなく本発明の変更形態および変形形態作成して、本発明を様々な使用および疾患に適合させ、本発明を最大限に利用し得る。先行する好適で具体的な複数の実施形態は、単に例示的なものと解釈されるべきであり、何であれ決して本発明の範囲を限定するものであると解釈されるべきでない。当業者ならば、単なる日常の実験を使用して、本明細書において説明された本発明の複数の化合物及び複数の使用方法に対する多数の等価物を認識する、または特定できるであろう。そのような複数の等価物は、本発明の範囲内にあると見なされ、以下の特許請求の範囲によって網羅される。当業者はまた、本明細書において説明された複数の実施形態の全ての組み合わせが本発明の範囲内にあることを認識するだろう。
図面を含む、2013年12月18日出願の米国特許仮出願第61/917,576号、および、2014年3月19日出願の米国特許仮出願第61/955,706号といった米国特許仮出願を含む、上記において引用された、全ての出願、特許、および公報の開示全体は、特にそれらが参照される本開示に関連して、参照によりそれらの全体がここに組み込まれる。

Claims (25)

  1. 高心拍出量性ショックを有し、ノルエピネフリンの約5mcg/分を超える量に相当する用量でカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、前記被験対象の血圧を約80mmHgより高い平均動脈圧(MAP)に上げるのに効果的であり、約80mmHgより高いMAPを維持するために必要な前記カテコールアミンの前記用量を、約5mcg/分未満のノルエピネフリンに相当する前記用量に減らすのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える
    方法。
  2. 高心拍出量性ショックを有し、ノルエピネフリンの約10mcg/分を超える量に相当する用量でカテコールアミンによる治療を受けている被験対象に、前記被験対象の血圧を約80mmHgより高い平均動脈圧(MAP)に上げるのに効果的であり、約80mmHgより高いMAPを維持するために必要な前記カテコールアミンの前記用量を、約10mcg/分またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らすのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える
    方法。
  3. 前記アンギオテンシンIIの前記用量は、約80mmHgより高いMAPを維持するために必要な前記カテコールアミンの前記用量を約5mcg/分、またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らすのに効果的である、
    請求項2に記載の方法。
  4. 低血圧を患う患者において65mmHgまたはそれより高い平均動脈圧(MAP)を維持する方法であって、ノルエピネフリンの少なくとも約0.2mcg/kg/分に相当する用量でカテコールアミンを投与されている患者に、前記患者のMAPを約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持するのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を含む
    方法。
  5. カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分以上約0.2mg/kg/分以下のノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
    請求項4に記載の方法。
  6. カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分、またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
    請求項4に記載の方法。
  7. ショックを患う患者において65mmHgまたはそれより高い平均動脈圧(MAP)を維持する方法であって、ノルエピネフリンの少なくとも約0.2mcg/kg/分に相当する用量でカテコールアミンを投与されている患者に、前記患者のMAPを約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持するのに効果的なアンギオテンシンIIの用量を投与する段階を備える
    方法。
  8. 約0.05mg/kg/分以上約0.2mg/kg/分以下のノルエピネフリンに相当する前記用量にカテコールアミンの前記用量を減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
    請求項7に記載の方法。
  9. カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
    請求項7に記載の方法。
  10. 前記ショックは高心拍出量性ショックである、
    請求項7から9の何れか一項に記載の方法。
  11. カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分以上約0.2mg/kg/分以下のノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
    請求項10に記載の方法。
  12. カテコールアミンの前記用量を約0.05mg/kg/分またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階をさらに備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
    請求項10に記載の方法。
  13. 前記カテコールアミンの前記用量を減らす段階を備え、前記患者の前記MAPは約65mmHgまたはそれより高い血圧に維持される、
    請求項4から12の何れか一項に記載の方法。
  14. 前記カテコールアミンの前記用量を約0.05mcg/kg/分またはそれより少ないノルエピネフリンに相当する前記用量に減らす段階を備える
    請求項13に記載の方法。
  15. 前記被験対象はカテコールアミン耐性がある、
    請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
  16. 前記カテコールアミンはノルエピネフリンである、または、
    前記カテコールアミンはエピネフリンであり、ノルエピネフリンの0.1mcg/kg/分に相当する前記用量は0.1mcg/kg/分である、または、
    前記カテコールアミンはドーパミンであり、ノルエピネフリンの0.1mcg/kg/分に相当する前記用量は15mcg/kg/分である、または、
    前記カテコールアミンはフェニレフリンであり、ノルエピネフリンの0.1mcg/kg/分に相当する前記用量は、1.0mcg/kg/分である、
    請求項1から15の何れか一項に記載の方法。
  17. アンギオテンシンIIの前記用量は約0.25ng/kg/分から約10ng/kg/分である、
    請求項1から16の何れか一項に記載の方法。
  18. アンギオテンシンIIの前記用量は、約0.25ng/kg/分から約5ng/kg/分である、
    請求項1から16の何れか一項に記載の方法。
  19. アンギオテンシンIIの前記用量は約1ng/kg/分である、
    請求項18に記載の方法。
  20. アンギオテンシンIIの前記用量は、約2ng/kg/分である、
    請求項18に記載の方法。
  21. アンギオテンシンIIの前記用量は、約3ng/kg/分である
    請求項18に記載の方法。
  22. アンギオテンシンIIの前記用量は、約2.5ng/kg/分から約35ng/kg/分である、
    請求項1から16の何れか一項に記載の方法。
  23. 前記アンギオテンシンIIおよび前記カテコールアミンは、静脈内に、筋肉内に、皮下に、または吸入によって投与される、
    請求項1から22の何れか一項に記載の方法。
  24. 前記アンギオテンシンIIおよび前記カテコールアミンは静脈内に投与される、
    請求項23に記載の方法。
  25. 前記被験対象はヒトである、
    請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
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