JP2017229194A - Memsデバイス、圧電アクチュエーター、及び、超音波モーター - Google Patents

Memsデバイス、圧電アクチュエーター、及び、超音波モーター Download PDF

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Abstract

【課題】電圧降下等が抑制された出力の高いMEMSデバイス、圧電アクチュエーター、及び、超音波モーターを提供する。
【解決手段】基板(24)の第1の面(39)側から順に第1の電極層(28)、圧電体層(29)、及び、第2の電極層(30)が積層されたMEMSデバイスであって、基板(24)の第1の面(39)とは反対側の第2の面(40)に第1の配線層(28)が積層され、第1の電極層(28)と第1の配線層(34)とは、基板(24)を貫通する貫通配線(37)を介して接続されたことを特徴とするMEMSデバイス。
【選択図】図6

Description

本発明は、2つの電極に挟まれた圧電体層を有するMEMSデバイス、圧電アクチュエーター、及び、超音波モーターに関するものである。
圧電素子を備えたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの一種である圧電アクチュエーターは、ロボットや各種の装置の駆動部分に応用されている。圧電素子は、2つの電極と、この2つの電極に挟まれた圧電体層とからなり、両電極への電圧の印加により変形する。圧電アクチュエーターは、この圧電素子の変形を利用して、これに接するローター等の被駆動体を駆動する。例えば、圧電アクチュエーターが応用される超音波モーターは、複数の圧電素子が形成される基板と、ローターを回転させるための突起が形成された振動板とが積層されて成る(特許文献1参照)。このような超音波モーターにおいては、複数の圧電素子を選択的に変形させることで、振動板を変形させて突起を往復運動又は楕円運動させる。そして、この突起の運動をローターに伝達させることで、ローターを回転させている。
従来の圧電アクチュエーターの構造の一例を、図16及び図17を用いて詳しく説明する。なお、図16は圧電アクチュエーター89の平面図であり、図17は図16におけるB−B断面図である。また、図16においては、最表面(最上面)の配線層99をハッチングで表している。図16に示すように、圧電アクチュエーター89の基板90上には、基板90の幅方向(すなわち、短手方向)の中央において、基板90の長手方向に長尺に形成された圧電素子91と、この中央の圧電素子91よりも小さい、基板90の四隅の位置に形成された圧電素子91と、が配置されている。これら5つの圧電素子91は、図17に示すように、基板90の全面に積層された酸化膜93上において、当該酸化膜93側から順に第1の電極層94、圧電体層95、第2の電極層96が積層されて成る。なお、第1の電極層94及び第2の電極層96は、例えばスパッタリング法等により形成された薄膜電極である。圧電体層95及び第2の電極層96は、個別の圧電素子91毎に形成されている。すなわち、それぞれ各圧電素子91に対応する位置に形成されている。一方、第1の電極層94は、5つの圧電素子91に共通の電極層として、基板90のほぼ全面に亘って形成されている。また、例えばCVD法等により酸化シリコン等からなる絶縁層97が第1の電極層94、圧電体層95及び第2の電極層96を覆うように、基板90のほぼ全面に亘って形成されている。さらに、各圧電素子91上における第2の電極層96に対応する位置、及び、圧電素子91から外れた位置における第1の電極層94に対応する位置には、絶縁層97が除去されたコンタクトホール98が形成されている。このコンタクトホール98により、絶縁層97上に積層される配線層99と、これに対応する第2の電極層96又は第1の電極層94とが導通されている。
配線層99は、例えば、図16に示すように、3つの領域に形成されている。具体的には、基板90の中央に位置する圧電素子91及び基板90の一の対角(図16における左上及び右下)に位置する圧電素子91の第2の電極層96に導通する配線層99aと、基板90の他の対角(図16における左下及び右上)に位置する圧電素子91の第2の電極層96に導通する配線層99bと、各圧電素子91に共通な第1の電極層94に導通する配線層99cと、が形成されている。これにより、中央及び一の対角に位置する圧電素子91に同じ電圧が印加され、これらが同じ位相で振動する。また、他の対角に位置する圧電素子91に同じ電圧が印加され、これらが同じ位相で振動する。そして、中央及び一の対角に位置する圧電素子91の振動の位相と、他の対角に位置する圧電素子91の振動の位相を異ならせることで、この圧電アクチュエーター89に取り付けられる突起100を往復運動又は楕円運動させている。
特開2016−40993号公報
ところで、上記のような構造においては、基板90の一方の面に複数の配線層99が形成されるため、配線層99のレイアウト(すなわち、引き回し)が制限される。このため、配線層99を通じて圧電素子91に至るまでの配線抵抗(電気抵抗とも言う)が高くなり易い。具体的には、図17に示すように、第1の電極層94に導通する配線層99cは、第2の電極層96に導通する配線層99aを避けて、圧電素子91から外れた位置に形成されるため、第1の電極層94が圧電素子91の外側まで延在されることになる。すなわち、膜厚が薄く抵抗が高くなり易い第1の電極層94のみからなる配線が形成されることになる。この第1の電極層94のみからなる部分で電圧降下が大きくなり、十分な電圧を圧電素子91に供給できない虞がある。また、第2の電極層96に導通する配線層99のうち圧電素子91間等の圧電素子91から外れた位置における配線層99は、薄い絶縁層97を挟んで第1の電極層94と対向するため、この部分に寄生容量が形成される。その結果、駆動信号の遅延やノイズ等の不具合が発生する虞がある。また、この部分における第2の電極層96と第1の電極層94との間の電界強度が高くなり、絶縁破壊等の不具合が発生する虞もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電圧降下等が抑制されたMEMSデバイス、圧電アクチュエーター、及び、超音波モーターを提供することにある。
本発明におけるMEMSデバイスは、上記目的を達成するために提案されたものであり、基板の第1の面側から順に第1の電極層、圧電体層、及び、第2の電極層が積層されたMEMSデバイスであって、
前記基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に第1の配線層が積層され、
前記第1の電極層と前記第1の配線層とは、前記基板を貫通する貫通配線を介して接続されたことを特徴とする。
本発明によれば、圧電体層が形成された第1の面とは反対側の第2の面に第1の配線層が形成されるため、設計の自由度が増す。すなわち、第1の面に形成される第2の電極層やこの第2の電極層に導通される第2の配線層等の配線と干渉することなく、第1の配線層を形成することができる。これにより、第1の配線層が形成される領域等を可及的に大きくでき、第1の配線層の配線抵抗(電気抵抗)を抑えることができる。その結果、圧電体層と重なる第1の電極層における電圧降下が抑制される。
また、上記構成において、前記第1の電極層、前記圧電体層、及び、前記第2の電極層の積層方向において、前記貫通配線は、前記圧電体層と重なることが望ましい。
この構成によれば、第1の電極層を圧電体層の外側まで引き回さなくてよいため、配線抵抗を抑えることができる。すなわち、膜厚を厚くすることが困難であり、配線抵抗が高くなり易い第1の電極層のみからなる領域(配線部分)を減らすことができる。その結果、圧電体層と重なる第1の電極層における電圧降下が一層抑制される。
また、上記各構成において、前記積層方向において、前記貫通配線は、前記第1の電極層と前記圧電体層と前記第2の電極層とが重なる領域と重なることが望ましい。
この構成によれば、第1の電極層を当該第1の電極層と圧電体層と第2の電極層とが重なる領域の外側まで引き回さなくてよいため、配線抵抗を抑えることができる。
さらに、上記各構成の何れかにおいて、前記第1の配線層の少なくとも一部が、前記基板内に埋設されたことが望ましい。
この構成によれば、MEMSデバイスの板厚が厚くなることを抑制しつつ、第1の配線層の配線抵抗を抑えることができる。
そして、上記各構成の何れかにおいて、前記第1の電極層と前記第1の配線層とは、複数の前記貫通配線を介して接続されたことが望ましい。
この構成によれば、第1の電極層と第1の配線層とを1つの貫通配線で接続する場合と比べて、第1の配線層の密着性を向上できる。これにより、第1の配線層が、基板から剥離することを抑制できる。
また、本発明におけるMEMSデバイスは、基板の第1の面側から順に第1の電極層、圧電体層、及び、第2の電極層が積層されたMEMSデバイスであって、
前記基板の第1の面に、前記第1の電極層、前記圧電体層、及び、前記第2の電極層を覆う樹脂層と、少なくとも前記樹脂層の一部に積層された第2の配線層と、が形成され、
前記第2の電極層と前記第2の配線層とは、前記樹脂層に形成されたコンタクトホールを介して接続されたことを特徴とする。
この構成によれば、第1の電極層と第2の配線層とを樹脂層により隔離することができる。このため、第1の電極層と第2の配線層との間に形成される寄生容量を抑えることができる。また、第1の電極層と第2の配線層との間の電界強度を抑えることができる。これにより、第1の電極層のパターンを避けることなく、第2の配線層を配置でき、設計の自由度が増す。その結果、第2の配線層が形成される領域等を可及的に大きくでき、第2の配線層の配線抵抗を抑えることができる。
また、上記構成において、前記第1の電極層、前記圧電体層、及び、前記第2の電極層の積層方向において、前記コンタクトホールは、前記圧電体層と重なることが望ましい。
この構成によれば、第2の電極層を圧電体層の外側まで引き回さなくてよいため、配線抵抗を抑えることができる。すなわち、膜厚を厚くすることが困難であり、配線抵抗が高くなり易い第2の電極層のみからなる領域(配線部分)を減らすことができる。
さらに、上記各構成の何れかにおいて、前記第2の配線層の少なくとも一部が、前記樹脂層内に埋設されたことが望ましい。
この構成によれば、MEMSデバイスの板厚が厚くなることを抑制しつつ、第2の配線層の配線抵抗を抑えることができる。
そして、上記各構成の何れかにおいて、前記第2の電極層と前記第2の配線層とは、複数の前記コンタクトホールを介して接続されたことが望ましい。
この構成によれば、第2の電極層と第2の配線層とを1つのコンタクトホールで接続する場合と比べて、第2の配線層の密着性を向上できる。これにより、第2の配線層が、樹脂層から剥離することを抑制できる。
さらに、本発明における圧電アクチュエーターは、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に電界を形成することにより前記圧電体層を変形させ、前記圧電体層の変形により前記基板を変形させる圧電アクチュエーターであって、
上記各構成の何れかのMEMSデバイスの構造を有することを特徴とする。
この構成によれば、圧電アクチュエーターの出力を高めることができる。
また、本発明における超音波モーターは、前記基板の変形に伴って位置が変動する突起と、前記突起と当接し、前記突起の変動に伴って回転する回転体とを備えた超音波モーターであって、
上記構成の圧電アクチュエーターの構造を有することを特徴とする。
この構成によれば、超音波モーターの出力を高めることができる。
超音波モーターの構成を説明する平面図である。 超音波モーターの構成を説明する正面図である。 駆動装置の分解斜視図である。 圧電アクチュエーターを圧電素子側から見た平面図である。 圧電アクチュエーターを圧電素子とは反対側から見た平面図である。 A−A断面の模式図である。 超音波モーターの動作を説明する模式図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を説明する工程図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を説明する工程図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を説明する工程図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を説明する工程図である。 第2の実施形態における圧電アクチュエーターの断面の模式図である。 第2の実施形態における圧電アクチュエーターの製造方法を説明する工程図である。 第2の実施形態における圧電アクチュエーターの製造方法を説明する工程図である。 第3の実施形態における圧電アクチュエーターの製造方法を説明する工程図である。 従来の圧電アクチュエーターの構成を説明する平面図である。 B−B断面の模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明のMEMSデバイスの一種である圧電アクチュエーター17を備えた超音波モーター1を例に挙げて説明する。図1は、超音波モーター1の構成を説明する平面図である。また、図2は、超音波モーター1の構成を説明する正面図である。
超音波モーター1は、基台2、回転体の一種であるローター3、ローター3を回転させる駆動装置4、及び、駆動装置4を保持する保持機構5等から構成されている。ローター3は、円柱状を呈しており、基台2の一方の面(駆動装置4が配置される表面)に回転可能な状態で軸支されている。保持機構5は、駆動装置4が取り付けられるスライド部材7と、スライド部材7に一端が固定されたコイルばね等の付勢部材8と、基台2の一方の面に突設され、付勢部材8の他端が固定された支持ピン9と、を備えている。
スライド部材7は、基台2に対してスライド移動可能に支持されるベース部11と、ベース部11から基台2とは反対側に起立した一対の支持部12と、を備えている。本実施形態におけるベース部11は、スライド方向に長尺な図示しないスライド孔を2つ備えている。このスライド孔には、基台2に固定されたスライドピン13が挿通されている。すなわち、このスライド孔に挿通されたスライドピン13により、スライド部材7が長手方向にスライド移動可能な状態で保持されている。支持部12は、スライド方向に直交する方向(短手方向)における基台2の両端に形成されている。この支持部12の先端側(すなわち、基台2とは反対側)には、後述する駆動装置4のねじ挿通孔(具体的には、振動板側ねじ挿通孔20及びアクチュエーター側ねじ挿通孔22)に対応するねじ固定孔14が形成されている。このねじ固定孔14に駆動装置4のねじ挿通孔を挿通したねじ15を螺合させることで、駆動装置4が支持部12に固定される。付勢部材8は、支持部12と支持ピン9との間において、スライド部材7のスライド方向に沿って配置されている。この付勢部材8は、一端が支持部12に固定され、他端が支持ピン9に固定されて、スライド部材7をローター3に向けて付勢する。これにより、スライド部材7に取り付けられた駆動装置4の後述する突起23がローター3に押圧された状態となる。
次に駆動装置4について説明する。図3は、駆動装置4の分解斜視図である。図4は、圧電アクチュエーター17を圧電素子27側から見た平面図である。図5は、圧電アクチュエーター17を圧電素子27とは反対側から見た平面図である。図6は、図4及び図5におけるA−A断面の模式図である。なお、図4及び図5においては、最表面の配線層(具体的には、第1の配線層34、又は、第2の配線層35)をハッチングで表している。
本実施形態における駆動装置4は、図3に示すように、金属製の振動板18とシリコン製の基板24に圧電素子27等が形成された圧電アクチュエーター17とを備えている。本実施形態における振動板18は、圧電アクチュエーター17の圧電素子27が形成された側の面(後述する第1の面39)に接合される平面視で矩形状を呈した板材である。この振動板18により圧電アクチュエーター17を補強することができる。また、振動板18のスライド方向に直交する方向における両端には、振動板接続部19が形成されている。この振動板接続部19に支持部12のねじ固定孔14に対応する振動板側ねじ挿通孔20が開口されている。さらに、振動板18のローター3側の辺におけるスライド方向に直交する方向の中央部には、ローター3に当接(接触)する突起23が形成されている。この突起23は、ローター3に当接して、当該ローター3に回転する力を加えるための部材である。なお、振動板18は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、鉄−ニッケル合金などの金属材料で形成することができる。また、突起23は、振動板18と一体的に形成することもできるし、より耐久性のある部材で形成することもできる。
本実施形態における圧電アクチュエーター17は、平面視において、突起23以外の形状が振動板18と略同じ形状に形成された矩形状の板材である。振動板18と同じように、振動板18のスライド方向に直交する方向における両端には、アクチュエーター接続部21が形成されている。そして、このアクチュエーター接続部21に振動板側ねじ挿通孔20に対応するアクチュエーター側ねじ挿通孔22が開口されている。すなわち、振動板18と圧電アクチュエーター17とを重ねあわせた状態で、振動板側ねじ挿通孔20とアクチュエーター側ねじ挿通孔22とが連通する。この振動板側ねじ挿通孔20及びアクチュエーター側ねじ挿通孔22を通じて、ねじ15を支持部12のねじ固定孔14に固定することで、駆動装置4がスライド部材7に固定される。
圧電アクチュエーター17を構成する基板24の振動板18に対向する側の面(以下、第1の面39という)には、圧電素子27が形成されている。本実施形態においては、5つの圧電素子27a〜27eが形成されている。具体的には、圧電アクチュエーター17の短手方向(すなわち、スライド方向に直交する方向)の中央において、圧電アクチュエーター17の長手方向(すなわち、スライド方向)に長尺に形成された圧電素子27eと、電アクチュエーターの四隅において、長手方向における寸法が中央の圧電素子27eよりも小さく形成された圧電素子27a〜27dと、が配置されている。
各圧電素子27a〜27eは、図6に示すように、基板24の第1の面39側(より詳しくは、基板24の第1の面39に形成された酸化膜25側)から順に、第1の電極層28、圧電体層29及び第2の電極層30が順次積層されてなる。第1の電極層28は、各圧電素子27a〜27eに共通な電極であり、図4に示すように、基板24のほぼ全面に形成されている。一方、圧電体層29及び第2の電極層30は、各圧電素子27a〜27eに個別の電極であり、圧電素子27の配置される領域に形成されている。すなわち、圧電体層29及び第2の電極層30は、各圧電素子27a〜27eの形状を規定する。なお、駆動回路や配線の都合によって、第1の電極層28を個別電極、第2の電極層30を共通電極にすることもできる。このように構成された圧電素子27は、第1の電極層28と第2の電極層30との間に両電極の電位差に応じた電界が付与されると、圧電横効果により長手方向に伸縮振動(換言すると、伸縮運動)する。
また、図6に示すように、圧電素子27を含む第1の電極層28、圧電体層29、及び、第2の電極層30の全体を覆うように無機保護膜31、及び、この無機保護膜31を覆う第1の樹脂層32(本発明における樹脂層に相当)がこの順に積層されている。そして、この第1の樹脂層32の内部に第2の電極層30と導通する第2の配線層35が埋め込まれている。本実施形態における第1の樹脂層32は、第2の配線層35の上面及び下面に形成されている。換言すると、第2の配線層35は、第1の樹脂層32の間に積層されている。このため、第1の電極層28、圧電体層29、及び、第2の電極層30と第2の配線層35との間には、無機保護膜31、及び、第1の樹脂層32が配置される。また、圧電素子27に対応する位置(具体的には、第1の電極層28、圧電体層29、及び、第2の電極層30の積層方向において、圧電体層29と重なる領域)には、第2の電極層30と第2の配線層35との間の無機保護膜31、及び、第1の樹脂層32が除去されて、当該第2の電極層30と第2の配線層35とを接続するコンタクトホール36が複数形成されている。本実施形態におけるコンタクトホール36の径は、圧電素子27の長手方向及び短手方向における寸法よりも十分に小さく形成されている。このコンタクトホール36は、図4に示すように、第2の電極層30が形成されている領域、すなわち、圧電体層29が形成されている領域の全体に満遍なく(換言すると、一様に)配置されている。
本実施形態における第2の配線層35は、2系統に分けられており、両者に異なる電圧が印加されるように構成されている。一方の第2の配線層35aは、基板24の一の対角(図4における左上及び右下)の位置に配置される圧電素子27a、27dに亘って形成されている。具体的には、一方の第2の配線層35aは、図4に示すように、左上の隅に配置される圧電素子27aの第2の電極層30と、中央に配置される圧電素子27eの第2の電極層30と、右下の隅に配置される圧電素子27dの第2の電極層30と、を接続するように配置されている。他方の第2の配線層35bは、基板24の他の対角(図4における左下及び右上)の位置に配置される圧電素子27c、27bに亘って形成されている。具体的には、他方の第2の配線層35bは、左下の隅に配置される圧電素子27cの第2の電極層30と、右上の隅に配置される圧電素子27bの第2の電極層30と、を一方の第2の配線層35aを避けて接続するように配置されている。すなわち、他方の第2の配線層35bは、左下の隅に配置される圧電素子27cに対応する位置から、右下の隅に配置される圧電素子27d上の一方の第2の配線層35aの外側を引き回されて、右上の隅に配置される圧電素子27bに対応する位置まで延在されている。なお、第2の配線層35は、例えばアクチュエーター接続部21等の基板24の端部で、図示しない外部配線と接続されている。
また、図6に示すように、圧電アクチュエーター17を構成する基板24の圧電素子27が形成されている面(第1の面39)とは反対側の面(以下、第2の面40という)には、第1の電極層28と接続される第1の配線層34が積層されている。本実施形態における第1の配線層34は、図5に示すように、基板24の第2の面40のほぼ全面に形成されている。さらに、第1の配線層34は、図6に示すように、基板24を貫通する貫通配線37を介して第1の電極層28と接続されている。貫通配線37は、基板24を板厚方向に貫通した貫通孔42の内部に第1の配線層34と同様の導体を形成してなる。本実施形態における貫通孔42の内径、すなわち貫通配線37の径は、圧電素子27の長手方向及び短手方向における寸法よりも十分に小さく形成されている。また、貫通配線37は、圧電素子27に対応する領域に複数形成されている。具体的には、図5に示すように、本実施形態における貫通配線37は、第1の電極層28、圧電体層29、及び、第2の電極層30の積層方向において圧電素子27(すなわち圧電体層29)と重なる領域の全体に満遍なく(換言すると、一様に)配置されている。なお、第1の配線層34は、例えばアクチュエーター接続部21等の基板24の端部で、図示しない外部配線と接続されている。
さらに、図6に示すように、基板24の第2の面40には、第1の配線層34を覆う第2の樹脂層33が形成されている。この第2の樹脂層33は、第2の配線層35を覆う第1の樹脂層32と一体的に形成されている。すなわち、圧電アクチュエーター17の全体が、第1の樹脂層32及び第2の樹脂層33により覆われている。これにより、基板24の表面及び裏面に形成された配線や圧電素子27等を保護することができる。
なお、酸化膜25としては、酸化シリコン、酸化ジルコニウム、及び、これらが積層されたもの等を用いることができる。また、第1の電極層28及び第2の電極層30としては、イリジウム、白金、チタン、タングステン、ニッケル、クロム、パラジウム、金等の各種金属、及び、これらの合金、並びに、これらが積層されたもの等が用いられる。さらに、圧電体層29としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料や、これにニオブ、ニッケル、マグネシウム、ビスマス又はイットリウム等の金属を添加したリラクサ強誘電体等が用いられる。その他、チタン酸バリウムなどの非鉛材料も用いることができる。また、無機保護膜31としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び、これらが積層されたもの等を用いることができる。さらに、樹脂層としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂等を主成分に含む感光性樹脂等を用いることができる。そして、第1の配線層34及び第2の配線層35としては、銅、チタン、タングステン、及び、これらの合金、並びに、これらが積層されたもの等が用いられる。
図7は、上記のように構成された超音波モーター1の動作を説明する模式図である。なお、図7は、圧電アクチュエーター17の圧電素子27が形成された面とは反対側の面(すなわち、第2の面40)側から見た平面図である。基板24の一の対角(図7における左下及び右上)の位置に配置される圧電素子27a、27d及び中央に配置される圧電素子27eは、第2の配線層35aを介して同じ駆動電圧が供給されるため、これらの圧電体層29には同じ電界がかかる。一方、基板24の他の対角(図7における左上及び右下)の位置に配置される圧電素子27b、27cは、第2の配線層35bを介して同じ駆動電圧が供給されるため、これらの圧電体層29には同じ電界がかかる。すなわち、一方の圧電素子群27a、27d、27eが同じ位相で伸縮振動し(図7における矢印参照)、他方の圧電素子群27b、27cが同じ位相で伸縮振動する(図7における破線矢印参照)。そして、一方の圧電素子群27a、27d、27eと、他方の圧電素子群27b、27cの振動の位相を異ならせることで、圧電アクチュエーター17及びこれに接合された振動板18が歪み変形し(図7における破線参照)、振動板18に設けられた突起23が往復運動又は楕円運動する。その結果、ローター3は、その軸を中心に所定の方向(図7における矢印参照)に回転する。なお、他方の圧電素子群27b、27cを駆動し、一方の圧電素子群27a、27d、27eを駆動しないか、或いは、他方の圧電素子群27b、27cよりも弱く駆動することで、ローター3の回転方向を図示した方向とは逆にすることができる。
このように、本実施形態においては、圧電体層29が形成された第1の面39とは反対側の第2の面40に第1の配線層34が形成されたので、設計の自由度が増す。すなわち、第1の面39に形成された第2の電極層30や第2の配線層35等の配線と干渉することなく、第1の配線層34を形成することができる。これにより、第1の配線層34が形成される領域等を可及的に大きくでき、第1の配線層34の配線抵抗(電気抵抗)を抑えることができる。その結果、圧電体層29と重なる第1の電極層28における電圧降下が抑制され、圧電アクチュエーター17、ひいては超音波モーター1の出力を高めることができる。また、貫通配線37が圧電体層29(本実施形態では、第1の電極層28と圧電体層29と第2の電極層30とが重なる領域、すなわち圧電素子27)と重なるように形成されたので、第1の電極層28を圧電体層29の外側まで引き回すことなく、第1の電極層28と第1の配線層34とを接続することができる。これにより、膜厚を厚くすることが困難であり、配線抵抗が高くなり易い第1の電極層28のみからなる領域(配線部分)を減らすことができる。その結果、圧電体層29と重なる第1の電極層28に至るまでの配線抵抗を抑えることができ、圧電体層29と重なる第1の電極層28における電圧降下が一層抑制される。さらに、複数の貫通配線37を備えたので、第1の電極層28と第1の配線層34とを1つの貫通配線37で接続する場合と比べて、第1の配線層34の密着性を向上できる。これにより、第1の配線層34が、基板24から剥離することを抑制できる。
また、第1の電極層28と第2の配線層35とを第1の樹脂層32で隔離したので、第1の電極層28と第2の配線層35との間に形成される寄生容量を抑えることができる。さらに、第1の電極層28と第2の配線層35との間の電界強度を抑えることができる。これにより、第1の電極層28のパターンを避けることなく、第2の配線層35を配置でき、設計の自由度が増す。その結果、第2の配線層35が形成される領域等を可及的に大きくでき、第2の配線層35の配線抵抗を抑えることができる。また、コンタクトホール36が圧電体層29と重なるように形成されたので、第2の電極層30を圧電体層29の外側まで引き回すことなく、第2の電極層30と第2の配線層35とを接続することができる。これにより、膜厚を厚くすることが困難であり、配線抵抗が高くなり易い第2の電極層30のみからなる領域(配線部分)を減らすことができる。その結果、圧電体層29と重なる第2の電極層30に至るまでの配線抵抗を抑えることができる。さらに、第2の配線層35の少なくとも一部が第1の樹脂層32内に埋設されたので、圧電アクチュエーター17の板厚が厚くなることを抑制しつつ、第2の配線層35の配線抵抗を抑えることができる。また、複数のコンタクトホール36を備えたので、第1の電極層28と第1の配線層34とを1つのコンタクトホール36で接続する場合と比べて、第2の配線層35の密着性を向上できる。これにより、第2の配線層35が、第1の樹脂層32から剥離することを抑制できる。
次に圧電アクチュエーター17の製造方法について説明する。図8〜図11は、圧電アクチュエーター17の製造方法を説明する工程図である。まず基板24の第1の面39に酸化膜25を形成する。次に、半導体プロセス(すなわち、成膜工程、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程など)により、第1の電極層28、圧電体層29、第2の電極層30等を順次パターニングし、圧電素子27等を形成する。また、半導体プロセスにより、コンタクトホール36に対応する部分以外の圧電素子27等を覆うように無機保護膜31を形成する。さらに、感光性及び熱硬化性を有する液体状の感光性接着剤を、スピンコーター等を用いて無機保護膜31が形成された第1の面39に塗布し、加熱後に露光及び現像することでコンタクトホール36に対応する部分が除去された第1の樹脂層32の一部(下層部分)を形成する。これにより、図8に示すように、圧電素子27が無機保護膜31及び第1の樹脂層32により覆われ、且つ圧電素子27に対応する部分にコンタクトホール36が形成される。
次に、図9に示すように、半導体プロセス又は電界めっき法により、第1の樹脂層32上に第2の配線層35を形成する。ここで、コンタクトホール36を介して第2の配線層35と第2の電極層30とが導通される。次に、第2の面40側から貫通配線37を形成する。まず、図10に示すように、基板24および酸化膜25を貫通する貫通孔42を形成する。この貫通孔42は、例えばドライエッチングやレーザー等により開設することができる。貫通孔42を形成したならば、図11に示すように、電界めっき法により、この貫通孔42内に導電体を形成し、貫通配線37を形成する。そして、第2の面40に、半導体プロセス又は電界めっき法により、第1の配線層34を形成する。これにより、貫通配線37を介して第1の配線層34と第1の電極層28とが導通される。なお、第1の配線層34を電界めっき法で形成する場合、貫通配線37及び第1の配線層34を一度の電界めっき法で形成することもできる。加えて、第2の配線層35も電界めっき法で形成する場合、貫通配線37、第1の配線層34及び第2の配線層35を一度の電界めっき法で形成することもできる。この場合、第1の樹脂層32を形成した後に、貫通孔42を形成し、電界めっき法により貫通配線37、第1の配線層34及び第2の配線層35をまとめて形成する。
最後に、基板24の第1の面39及び第2の面40を含む全体に樹脂を形成する。すなわち、第2の配線層35を覆う第1の樹脂層32及び第1の配線層34を覆う第2の樹脂層33を形成する。これにより、図6に示すような圧電アクチュエーター17が作成される。
ところで、圧電アクチュエーター17としては、上記した第1の実施形態に限られない。図12〜図14に示す第2の実施形態における圧電アクチュエーター17′では、第1の配線層34′が基板24内に埋設されている。以下において、第2の実施形態の構成について詳しく説明する。なお、図12は、第2の実施形態における圧電アクチュエーター17′の断面の模式図、詳しくは、第1の実施形態におけるA−A断面に相当する図である。また、図13及び図14は、第2の実施形態における圧電アクチュエーター17′の製造方法を説明する工程図である。
本実施形態における圧電アクチュエーター17′は、図12に示すように、基板24の第2の面40に板厚方向に凹んだ凹部44が形成されている。そして、この凹部44内に第1の配線層34′が形成されている。なお、本実施形態における凹部44は、第2の面40における基板24の外周縁を除くほぼ全面に形成されている。このため、第1の配線層34′は、第1の実施形態と同様に、第2の面40のほぼ全面に形成される。また、貫通配線37′は、凹部44に対応する領域の基板24を貫通して、第1の配線層34′と第1の電極層28とを接続するため、第1の実施形態の貫通配線37′と比較して、距離が短くなっている。このため、第1の実施形態よりも配線抵抗が低くなっている。なお、第1の配線層34′は、その全体が凹部44内に埋設されるように形成することもできるし、一部が凹部44から第2の面40の外側(圧電素子27とは反対側)にはみ出すように形成することもできる。そして、このように第1の配線層34′の少なくとも一部が基板24内に埋設されたので、圧電アクチュエーター17′の板厚が厚くなることを抑制しつつ、第1の配線層34′の配線抵抗を抑えることができる。なお、その他の構成は上記した第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
次に本実施形態における圧電アクチュエーター17′の製造方法について説明する。なお、第1の面39側の圧電素子27等の形成については、上記した第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。第1の面39に、圧電素子27、無機保護膜31、第1の樹脂層32の一部、及び、第2の配線等が形成されたならば、図13に示すように、第2の面40に凹部44及び貫通孔42′を形成する。具体的には、異方性エッチング等により凹部44を形成し、その後、ドライエッチングやレーザー等により貫通孔42′を形成する。なお、先にドライエッチングやレーザー等により貫通孔42′を形成し、その後、異方性エッチング等により凹部44を形成することもできる。貫通孔42′及び凹部44を形成したならば、図14に示すように、電界めっき法により、貫通孔42′内及び凹部44内に導電体を形成し、貫通配線37′及び第1の配線層34′を形成する。なお、第1の配線層34′を貫通配線37′とは別に、半導体プロセス又は電界めっき法により作成することもできる。最後に、基板24の第1の面39及び第2の面40を含む全体に樹脂を形成する。すなわち、第2の配線層35を覆う第1の樹脂層32及び第1の配線層34′を覆う第2の樹脂層33を形成する。これにより、図12に示すような圧電アクチュエーター17′が作成される。
なお、上記した各実施形態では、第2の面40に第1の電極層28と導通される第1の配線層のみを配置したが、これには限られない。図15に示す第3の実施形態における圧電アクチュエーター17″では、第2の面40に第1の配線層34′のほか第2の配線層35と導通される第3の配線層45が形成されている。
具体的には、本実施形態においては、圧電素子27から外れた領域であって、第1の配線層34′が形成されていない領域Aが第2の面40の一部に形成されている。この領域Aに第3の配線層45が形成されている。本実施形態における第3の配線層45は、第1の配線層34′と同様に、基板24が板厚方向に凹んだ凹部47内に形成されている。すなわち、第1の配線層34′が埋め込まれた凹部44とは異なる位置に形成された凹部47内に第3の配線層45が埋め込まれている。また、第1の面39側において、第2の配線層35′は、この第3の配線層45と対向する領域、すなわち領域Aに対応する位置まで延在されている。そして、第2の配線層35′と第3の配線層45とは、基板24及び当該基板24と第2の配線層35′との間の第1の樹脂層32を貫通する貫通配線46により接続されている。すなわち、第3の配線層45は、貫通配線46及び第2の配線層35′を介して第2の電極層30と接続されている。この貫通配線46の径は、第1の配線層34′と第1の電極層28とを接続する貫通配線37′と同様に、圧電素子27の長手方向及び短手方向における寸法よりも十分に小さく形成されている。また、貫通配線46は、領域Aにおいて複数形成されている。このように、第2の電極層30に接続される配線を第2の面40側に形成することで、当該配線の配線抵抗を抑えることができる。例えば、レイアウトの都合上、第2の配線層35′の一部の配線幅が狭くなったり膜厚が薄くなったりすることで当該第2の配線層35′の配線抵抗が高くなる場合には、本実施形態のように、第3の配線層45に接続して、第2の面40内を引き回すことが望ましい。なお、その他の構成は上記した第2の実施形態と同じであるため、説明を省略する。また、本実施形態における圧電アクチュエーター17″の製造方法については、貫通配線37′の貫通孔42′を形成する際に、貫通配線46の貫通孔を形成し、第1の配線層34′の凹部44を形成する際に、第3の配線層45の凹部47を形成し、貫通配線37′及び第1の配線層34′を形成する際に、貫通配線46及び第3の配線層45を形成すること以外は、上記した第2の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
ところで、上記した各実施形態では、第1の配線層34と第1の電極層28とを接続する貫通配線37や、第2の電極層30と第2の配線層35とを接続するコンタクトホール36は、圧電素子27(すなわち圧電体層29)と重なる領域において、一様に配置されたが、これには限られない。例えば、圧電素子と重なる領域の中心部にこれらの貫通配線やコンタクトホールを集めて配置しても良い。また、貫通配線やコンタクトホールの一部を、圧電素子から外れた領域に形成することもできる。
また、上記した各実施形態では、超音波モーター1に用いられる圧電アクチュエーター17を例示したが、これには限られない。第1の電極層、圧電体層、及び、第2の電極層からなる圧電素子を有し、この圧電素子を変形させるその他の圧電アクチュエーターにも本発明を適用することができる。さらに、圧電アクチュエーターに限られず、第1の電極層、圧電体層、及び、第2の電極層が積層されたMEMSデバイスであれば、本発明を適用することができる。例えば、第1の電極層、圧電体層、及び、第2の電極層からなる圧電素子を圧力変化、振動、あるいは変位等を検出するためのセンサーに応用したものにも本発明を適用することができる。
1…超音波モーター,2…基台,3…ローター,4…駆動装置,5…保持機構,7…スライド部材,8…付勢部材,9…支持ピン,11…ベース部,12…支持部,13…スライドピン,14…ねじ固定孔,15…ねじ,17…圧電アクチュエーター,18…振動板,19…振動板接続部,20…振動板側ねじ挿通孔,21…アクチュエーター接続部,22…アクチュエーター側ねじ挿通孔,23…突起,24…基板,25…酸化膜,27…圧電素子,28…第1の電極層,29…圧電体層,30…第2の電極層,31…無機保護膜,32…第1の樹脂層,33…第2の樹脂層,34…第1の配線層,35…第2の配線層,36…コンタクトホール,37…貫通配線,39…第1の面,40…第2の面,42…貫通孔,44…凹部,45…第3の配線層,46…貫通配線,47…凹部,89…圧電アクチュエーター,90…基板,91…圧電素子,93…酸化膜,94…第1の電極層,95…圧電体層,96…第2の電極層,97…絶縁層,98…コンタクトホール,99…配線層,100…突起

Claims (11)

  1. 基板の第1の面側から順に第1の電極層、圧電体層、及び、第2の電極層が積層されたMEMSデバイスであって、
    前記基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に第1の配線層が積層され、
    前記第1の電極層と前記第1の配線層とは、前記基板を貫通する貫通配線を介して接続されたことを特徴とするMEMSデバイス。
  2. 前記第1の電極層、前記圧電体層、及び、前記第2の電極層の積層方向において、前記貫通配線は、前記圧電体層と重なることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
  3. 前記積層方向において、前記貫通配線は、前記第1の電極層と前記圧電体層と前記第2の電極層とが重なる領域と重なることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のMEMSデバイス。
  4. 前記第1の配線層の少なくとも一部が、前記基板内に埋設されたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のMEMSデバイス。
  5. 前記第1の電極層と前記第1の配線層とは、複数の前記貫通配線を介して接続されたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のMEMSデバイス。
  6. 基板の第1の面側から順に第1の電極層、圧電体層、及び、第2の電極層が積層されたMEMSデバイスであって、
    前記基板の第1の面に、前記第1の電極層、前記圧電体層、及び、前記第2の電極層を覆う樹脂層と、少なくとも前記樹脂層の一部に積層された第2の配線層と、が形成され、
    前記第2の電極層と前記第2の配線層とは、前記樹脂層に形成されたコンタクトホールを介して接続されたことを特徴とするMEMSデバイス。
  7. 前記第1の電極層、前記圧電体層、及び、前記第2の電極層の積層方向において、前記コンタクトホールは、前記圧電体層と重なることを特徴とする請求項6に記載のMEMSデバイス。
  8. 前記第2の配線層の少なくとも一部が、前記樹脂層内に埋設されたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のMEMSデバイス。
  9. 前記第2の電極層と前記第2の配線層とは、複数の前記コンタクトホールを介して接続されたことを特徴とする請求項6から請求項8の何れか一項に記載のMEMSデバイス。
  10. 前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に電界を形成することにより前記圧電体層を変形させ、前記圧電体層の変形により前記基板を変形させる圧電アクチュエーターであって、
    請求項1から請求項9の何れか一項に記載のMEMSデバイスの構造を有することを特徴とする圧電アクチュエーター。
  11. 前記基板の変形に伴って位置が変動する突起と、前記突起と当接し、前記突起の変動に伴って回転する回転体とを備えた超音波モーターであって、
    請求項10に記載の圧電アクチュエーターの構造を有することを特徴とする超音波モーター。
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