JP2017227894A - トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017227894A JP2017227894A JP2017117046A JP2017117046A JP2017227894A JP 2017227894 A JP2017227894 A JP 2017227894A JP 2017117046 A JP2017117046 A JP 2017117046A JP 2017117046 A JP2017117046 A JP 2017117046A JP 2017227894 A JP2017227894 A JP 2017227894A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- electrostatic latent
- latent image
- bisphenol
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Abstract
Description
印刷用紙が重なって堆積される場合に、印字された紙同士が貼りつく、いわゆるコピーブロッキングが起き易く、耐ブロッキング性を向上させることが大きな課題となっている。
このポリエステル樹脂は、カルボン酸成分が、80〜100モル%の、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステルからなり、アルコール成分が、20〜100モル%の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの85〜100モル%が1,2−プロピレングリコールである)からなり、アルコール成分とカルボン酸成分の合計中0.1〜20モル%が3価以上の多価アルコールおよび/または3価以上のカルボン酸である。
・耐久性に優れるトナーを提供すること。
・帯電性に優れるトナーを提供すること。
・低温定着性、トナー製造時における粉砕性、耐コピーブロッキング性に優れ、かつ耐フィルミング性に優れ、低コストであるトナーを提供すること。
少なくとも、結着樹脂を含むトナーであって、
FT−IRを使用し、ATR法で測定したトナーの1480〜1520cm-1におけるビスフェノールA骨格由来のスペクトルの最大ピーク高さWと、1700〜1750cm-1におけるカルボニル基由来のスペクトルの最大ピーク高さRとのピーク比(W/R)が0.20〜0.70であり、分光光度計を使用し透過法で測定したトナーの吸収スペクトルが波長350〜390nmの間にピークAを有し、かつトナー中のTHF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、前記分子量分布の半値幅が分子量20000以下であり、かつTHF不溶分を5〜40質量%含有することを特徴とするトナー。
本発明のトナーは、少なくとも、結着樹脂を含むトナーであり、FT−IRを使用し、ATR法で測定したトナーの1480〜1520cm-1におけるビスフェノールA骨格由来のスペクトルの最大ピーク高さWと、1700〜1750cm-1におけるカルボニル基由来のスペクトルの最大ピーク高さRとのピーク比(W/R)が0.20〜0.70であり、分光光度計を使用し透過法で測定したトナーの吸収スペクトルが波長350〜390nmの間にピークAを有し、かつトナー中のTHF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、前記分子量分布の半値幅が分子量20000以下であり、かつTHF不溶分を5〜40質量%含有することを特徴としている。なお、本発明においては「GPC」は「ゲルパーミエーションクロマトグラフィー」を意味する。
以下、本発明のトナーについて詳細に説明する。
このトナーの、FT−IRを使用し、ATR法で測定した、トナーの1480〜1520cm-1におけるビスフェノールA骨格由来のスペクトルの最大ピーク高さWと、1700〜1750cm-1におけるカルボニル基由来のスペクトルの最大ピーク高さRとのピーク比(W/R)が0.20〜0.70であることが必要である。トナーの1480〜1520cm-1におけるスペクトルの最大ピーク高さWと1700〜1750cm-1におけるスペクトルの最大ピーク高さRのピーク比(W/R)は、好ましくは0.20〜0.65、さらに好ましくは0.20〜0.60、特に好ましくは0.20〜0.55の範囲である。
W/Rの値が0.20未満であると、耐フィルミング性、耐久性が悪化し、W/Rの値が0.70を超えるとトナー製造時における粉砕性および耐ブロッキング性が悪化する。
また、分光光度計を使用し透過法で測定したトナーの吸収スペクトルが波長350〜390nmの間にピークAを有する必要がある。吸収スペクトルが波長350〜390nmの範囲にピークAがない場合には帯電性が低下しやすい。
W/Rの値が0.20〜0.70の範囲であり、かつ、前記吸収スペクトルが波長350〜390nmの間にピークAを有することにより、トナー製造時における粉砕性に優れるとともに、帯電性、耐コピーブロッキング性、耐久性、耐フィルミング性との両立を図ることが可能となる。
W’/R’≦W/Rの関係を満たすことにより、耐ストレス性、耐フィルミング性、低温定着性が特に優れ、かつ、粉砕性や耐ブロッキング性も良好となり、これらの複数の特性を高いレベルで満足させることができる。
より好ましくは、ピーク比(W/R)とピーク比(W’/R’)との比(W/R)/(W’/R’)は1.0以上2.0以下である。
なお、FT−IRのスペクトル値は、「Thermo Nicolet NEXUS470(Thermo SCIENTIFIC社製)」を用いて、ATR法(全反射法)、赤外分光法(KBr錠剤法)で測定した値である。
また、分光光度計の吸収スペクトルは、「U−1900形レシオビーム分光光度計(HITACHI社製)」を用いて、透過した光の強度を測定し、吸光度を求めた値である。
更に、前記ポリエステル樹脂が、高分子量体のポリエステル樹脂(H体)と低分子量体のポリエステル樹脂(L体)とを含有し、前記L体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量がL体のアルコール成分に対して20〜100モル%の範囲が好ましく、さらに好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは20〜50モル%である。また、前記H体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量がH体のアルコール成分に対して0〜80モル%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0〜50モル%、特に好ましくは0〜40モル%である。さらに前記L体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量(モル%)が前記H体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量(モル%)よりも多いことが好ましい。
ポリエステル樹脂の軟化温度は、以下の方法により測定することができる。
(軟化温度測定方法)
軟化温度点は、高架式フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用い、ダイス径1mm、加圧20kg/cm2、昇温速度6℃/minの条件下で1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点までの1/2に相当する温度により測定される。
なお、H体およびL体中のビスフェノールA成分含有量は、重水素化クロロホルムに溶解させたときの1H−NMR(JNM−ECX、日本電子株式会社製)による各種アルコールモノマー及び酸モノマーに由来するピークを求め、ピーク面積比を算出することから求めることができる。
前記二価の有機酸単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸などが挙げられる。
前記三価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸などが挙げられる。
通常、トナー用ポリエステル樹脂は、高分子量体のポリエステル樹脂(以下「H体」ともいう)と低分子量体のポリエステル樹脂(以下「L体」ともいう)を複数組み合わせて、定着特性など所望の特性を得ている。THF不溶分はH体に由来し、THF可溶分はL体及び一部のH体に由来する。
本発明におけるW/Rの値は主にL体に含まれるビスフェノールAの含有量に関係する値であり、L体に含まれるビスフェノールAの量を適宜調整することにより所望のW/R値を示すトナーを得ることができる。
トナー約1.0gを秤量し、これにTHF50gを加えて十分に溶解させた溶液を、まず遠心分離で分け、JIS規格(P3801)5種Cの定量ろ紙を用いて常温でろ過する。ろ紙を通過した溶液に含まれる成分を、THF可溶分とし、ろ紙残渣をTHF不溶分とした。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料(トナー)の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
前記トナーのTHF不溶分の割合は、用いたトナーに対するろ紙残渣の比(質量%)である。
前記トナーのTHF不溶分は、ほぼ結着樹脂に含まれる高分子量体に由来するため、結着樹脂の高分子量体の含有量を調整することにより調整することが好ましい。
横軸に分子量をとり、縦軸に濃度(質量比)を任意の高さで表示し、メインピークのピークトップ高さの50%でのメインピークの横軸の幅(分子量)を半値幅とする。メインピークの裾等に異なるピークが見られる場合には、裾のピークも含めた分子量で算出する。また、メインピークのピークトップ高さの50%における横軸上にメインピーク以外の他のピークがある場合には、その横軸と各ピークとの交点が示す分子量のうち最も高い分子量と最も低い分子量との差を半値幅とする。
これらの樹脂は単独で、または二種以上併用することもできる。これらの樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のいずれも利用できる。
また、上記樹脂のガラス転位温度Tgは、ポリエステル樹脂と同じく、熱保存性の関係から50℃以上がよく、より好ましくは55℃以上が良い。
アゾ含金属化合物中の金属錯体は、金属錯体が6配位の構成を取りうる3価以上の金属であることが好ましく、3価以上の金属の例としては、Al,Fe,Cr,Zr等挙げられるが、その中でも有毒性を持たないFeが特に好ましい。
本発明におけるアゾ鉄化合物としては、例えば下記構造式(1)、下記構造式(2)で表される化合物が挙げられる。
また、前記構造式(2)で表される化合物の市販品としては、特に制限されるものではないが、例えば保土谷化学社製のT−159が挙げられる。
上記化合物は2種以上が混合されていてもよい。
アゾ含金属化合物の含有量は、トナー帯電性の観点から、トナー中の結着樹脂100質量部に対して、0.5〜3.0質量部であることが好ましいが、さらに好ましくは1.0質量〜3.0質量部、特に好ましくは1.0質量〜2.0質量部である。アゾ含金属化合物の含有量が0.5質量部未満であると、トナー帯電性が十分でなく、3.0質量部を超える場合には、トナー帯電量が飽和するため、これ以上含有量を増やしてもコスト的に不利となる。
これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100質量部に対し約15〜200質量部、特に好ましくは樹脂成分100質量部に対し20〜100質量部である。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。前記帯電部材の形状としては、ローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等どのような形態をとってもよく、前記画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択することができる。前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。前記露光部材に用いられる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像であるトナー像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像であるトナー像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。前記現像手段としては、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命が向上することから、トナーとキャリアからなる二成分現像剤が好ましい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、50emu/g〜90emu/gのマンガン−マグネシウム系材料などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程としては、可視像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。前記転写工程は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記定着工程における面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/cm2〜80N/cm2であることが好ましい。
前記その他の手段としては、例えば、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。前記その他の工程としては、例えば、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング手段により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
画像形成装置1は、プリンターであるが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、複合機等のトナーを用いて画像を形成することが可能であれば、特に限定されない。画像形成装置1は、給紙部210と、搬送部220と、作像部230と、転写部240と、定着器250とを備えている。
給紙部210は、給紙される紙Pが積載された給紙カセット211と、給紙カセット211に積載された紙Pを一枚ずつ給紙する給紙ローラ212を備えている。
形成ユニットMと、ブラックトナーを有した現像剤を用いる画像形成ユニットKと、露光器233を備えている。
また、現像剤は、トナーとキャリアを有する。
4つの画像形成ユニット(Y,C,M,K)は、それぞれに用いられる現像剤が異なるのみで、機械的な構成は実質的に同一である。
転写部240は、駆動ローラ241及び従動ローラ242と、駆動ローラ241の駆動に伴い、図中、反時計回りに回転することが可能な中間転写ベルト243と、中間転写ベルト243を挟んで、感光体ドラム231に対向して設けられた一次転写ローラ(244Y,244C,244M,244K)と、トナー像の紙への転写位置において中間転写ベルト243を挟んで対向して設けられた二次対向ローラ245及び二次転写ローラ246を備えている。
定着器250は、ヒータが内部に設けられており、紙Pを加熱する定着ベルト251を、定着ベルト251に対して、回転可能に加圧することによりニップを形成する加圧ローラ252を備えている。これにより、紙P上のカラートナー像に熱と圧力が印加されて、カラートナー像が定着する。カラートナー像が定着した紙Pは、排紙ローラ223により排紙トレイ224に排紙され、一連の画像形成プロセスが完了する。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。プロセスカートリッジとは、少なくとも像担持体と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
本発明に関するプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に成型されており、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に担持された静電潜像を本発明の現像剤で現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも有する。なお、本発明のプロセスカートリッジは、必要に応じて、他の手段をさらに有していてもよい。
前記現像手段としては、本発明の現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部内に収容された現像剤を担持すると共に搬送する現像剤担持体を少なくとも有する。なお、現像手段は、担持する現像剤の厚さを規制するため規制部材等をさらに有してもよい。
図2に、本発明に関するプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ110は、感光体ドラム10、コロナ帯電器58、現像器40、転写ローラ80及びクリーニング装置90を有する。
また、以下の記載においては特に明記しない限り、部は質量部を示す。
各実施例で作製したトナーの特性評価方法について説明する。
〔1〕低温定着性
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した(株)リコー製複写機(MF2200)定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行なった。定着温度を変化させてコールドオフセットが発生し始める温度(定着下限温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧1.2Kgf/cm2、ニップ幅3mmと設定した。特性評価の基準は以下の通りである。
(評価基準)
◎:130℃以上140℃未満
○:140℃以上150℃未満
△:150℃以上160℃未満
×:160℃以上
リコー製複写機(MP9001)を用いて、連続100枚の印字を50回繰り返して電子写真感光体にフィルミングを発生させた。感光体の表面を目視で観察し、トナー成分の感光体への固着の発生を下記評価基準により評価した。
◎:発生しない
○:かすかに発生
△:数点発生
×:多量に発生
リコー製複写機(MP9001)を用いて、連続30万枚印刷した。印刷前後の帯電量を測定し、印刷後の帯電低下と、トナー飛散状態を評価した。トナー飛散状態は目視で評価した。帯電低下は、印刷前後の現像剤をスリーブの上から少量採取し、ブローオフ法により帯電量を求め、印刷後の低下量を求めた。
評価の基準は以下の通りである。
◎:帯電低下が1μC/g未満であり、トナー飛散も発生しない
○:1μC/g以上10μC/g未満帯電低下するが、トナー飛散は発生しない
△:10μC/g以上20μC/g未満帯電低下し、トナー飛散も発生する
×:20μC/g以上帯電低下し、トナー飛散も発生する
リコー製複写機(MP9001)を用いて、連続30万枚印刷した。印刷後における現像スリーブ上のトナーの固着状態を観察した。
◎:発生しない
○:端部にかすかに発生
△:全面に発生するが拭けばとれる
×:スリーブ全面に固着が発生し拭いてもとれない
白紙とテストチャート(黒ベタ画像部と白抜き画像部が交互に印刷されたもの)を交互に5枚重ね、圧力をかけ75℃6時間加熱後1時間自然冷却を行う。その後、白紙への移行部のIDと移行しない部分のIDを測定し、その差(ΔID)を求めた。ΔIDが高いものほどブロッキング性が悪いものと設定した。評価の基準は以下の通りである。
◎:0.001未満
○:0.001以上0.008未満
△:0.008以上0.01未満
×:0.01以上
粗粉砕物(スクリーンメッシュ1.5mm)を機械式粉砕機(ターボミルT250)で9800rpmで粉砕した際の体積平均粒径を評価した。評価の基準は以下の通りである。
◎:6.5μm未満
○:6.5以上7.0μm未満
△:7.0以上7.5未満
×:7.5μm以上
トナーに含まれるポリエステル樹脂のL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA含有量(モル%)と、H体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA含有量(モル%)を足し、トナー全体でのアルコール成分に含まれるビスフェノールA量を求め評価を実施した。ビスフェノールAの量が多いと、コスト高になる。
評価の基準は以下の通りである。
◎:0〜66モル%未満
○:66モル%以上140モル%未満
△:140モル%以上171モル%未満
×:171モル%以上〜200モル%未満
表1、2に示した原料(アルコール成分と酸成分)を、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、次いで0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温度を200℃に保って反応させて、ポリエステル樹脂A〜ポリエステル樹脂Kを得た。
ポリエステル樹脂A 60部
ポリエステル樹脂G 40部
カルナウバワックス 5部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10部
含金属(鉄)アゾ化合物 (T−77:保土谷化学社製) 1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物を粗粉砕機(スクリーンメッシュ1.5mm)を用いて粗粉砕し、ジェットミルまたは機械式粉砕機、風力分級機で粉砕分級し体積平均粒径6.8μmのトナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5質量%添加混合し、最終的なトナーとした。
実施例1のポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Bに、ポリエステル樹脂Gをポリエステル樹脂Hに、含金属(鉄)アゾ化合物(T−77)を3部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1のポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Cに、ポリエステル樹脂Gをポリエステル樹脂Iに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1の帯電制御剤(T−77)を含金属(鉄)アゾ化合物(T−159)に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1の帯電制御剤(T−77)を3部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1のポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Dに、ポリエステル樹脂Gをポリエステル樹脂Hに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1のポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Eに、ポリエステル樹脂Gをポリエステル樹脂Jに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1の得られたトナー母体の体積平均粒径を5.2μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
ポリエステル樹脂B 60部
ポリエステル樹脂K 40部
カルナウバワックス 5部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10部
含金属(鉄)アゾ化合物 (T−77:保土谷化学社製) 1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物を粗粉砕機(スクリーンメッシュ1.5mm)を用いて粗粉砕し、ジェットミルまたは機械式粉砕機、風力分級機で粉砕分級し体積平均粒径6.8μmのトナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5質量%添加混合し、最終的なトナーとした。
比較例1のポリエステル樹脂Bをポリエステル樹脂Fに、ポリエステル樹脂Kをポリエステル樹脂Jに変更した以外は、比較例1と同様にしてトナーを得た。
比較例1のポリエステル樹脂Bをポリエステル樹脂Dに、ポリエステル樹脂Kをポリエステル樹脂Hに、含金属(鉄)アゾ化合物(T−77)をサリチル酸Zn(E−304:オリエント化学)に変更した以外は、比較例1と同様にしてトナーを得た。
比較例1のポリエステル樹脂Bをポリエステル樹脂Dに、ポリエステル樹脂Kをポリエステル樹脂Hに、含金属(鉄)アゾ化合物(T−77)を有機ホウ素錯体(LR−147:日本カーリット)に変更した以外は、比較例1と同様にしてトナーを得た。
比較例1のポリエステル樹脂Bをポリエステル樹脂Dに、ポリエステル樹脂Kをポリエステル樹脂Hに、含金属(鉄)アゾ化合物(T−77)をサリチル酸Zr化合物(TN−105)に変更した以外は、比較例1と同様にしてトナーを得た。
実施例及び比較例におけるポリエステル樹脂の組み合わせは表3に記載した。
実施例1は、樹脂として、THFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA量が、50モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA量が、90モル%の樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなった。W’/R’の値が0.70以上であり、トナー中にビスフェノールAが多いことから粉砕性、コストが△となった。
また、H体、L体共にビスフェノールA含有量が多いため、トナー帯電低下も起こり難く、帯電性が○となった。
(実施例2)
実施例2は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、30モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、0モル%の樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなった。全ての特性をバランス良く満たしているが、THF不溶分に多くの脂肪族ジオールが含まれていることにより、粉砕性が良好な結果となった。トナー中にビスフェノールAの含有量が少ないことから、耐コピーブロッキング性も良好な結果となった。
また、トナー中にビスフェノールAの含有量が少ないことから、トナー帯電低下も起こり易いが、T−77を3部含有することにより、帯電性が良好な結果となった。
(実施例3)
実施例3は、樹脂として、THFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、60モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、55モル%の樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなり、全ての評価で良好な結果となった。
(実施例4)
実施例4は、樹脂として、THFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、50モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、90モル%の樹脂とを組み合わせており実施例1と帯電制御剤の種類以外は同様の構成である。H体、L体共にビスフェノールAの含有量が多いため、トナー帯電低下も起こり難いが、帯電制御剤にT−159を用いることにより、実施例1で用いているT−77より帯電性が向上し、◎となった。
(実施例5)
実施例5は、樹脂として、THFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、50モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、90モル%の樹脂とを組み合わせており実施例1と帯電制御剤の部数以外は同様の構成である。H体L体共にビスフェノールAの含有量が多いため、トナー帯電低下も起こり難いが、T−77を3部含有することにより、実施例1の1部より帯電性が向上し、◎となった。
(実施例6)
実施例6は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、30モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、20モル%の樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなった。全ての特性をバランス良く満たしているが、THF不溶分に多くの脂肪族ジオールが含まれていることにより粉砕性は良好であるが、THF不溶分を35質量%含有しているため、耐久性も良好な結果となった。また、H体、L体共にビスフェノールAの含有量が少ないため、トナー帯電低下が起こり易いが、T−77を1部含有することにより帯電性が良好な結果となった。
(実施例7)
実施例7は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、100モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、35モル%の樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなった。トナー表面に出易いL体であるTHF可溶分に多くの芳香族ジオール成分が含まれていることにより、低温定着性、耐フィルミング性、耐久性が良好な結果となっている。
また、THF不溶分が5質量%と少ないため、粉砕性も良好な結果となった。
また、トナー表面に出易いL体であるTHF可溶分に多くの芳香族ジオール成分が含まれていることにより、トナーの帯電低下も起こり難いが、T−77を1部含有することにより、帯電性も良好な結果となっている。
(実施例8)
実施例8は、樹脂として、THFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA量が、50モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA量が、90モル%の樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなった。W’/R’の値が0.70以上であり、トナー中にビスフェノールAが多いことから粉砕性、コストが△となった。
また、H体、L体共にビスフェノールA含有量が多いため、トナー帯電低下も起こり難く、帯電性が○となった。さらに、体積平均粒径の値が5.2μmと小粒径であることから、低温定着性が◎となったが、耐フィルミング性は△となった。
比較例1は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体、THFに溶解させた際の不溶分となるH体共に、アルコール成分にビスフェノールAが含有されない樹脂を組み合わせているために、耐コピーブロッキング性、粉砕性が良好な結果となった。しかし耐フィルミング性、耐久性は劣る結果となった。また、H体、L体共にビスフェノールAが含有されていないため、T−77を用いてもトナー帯電性は悪い結果となった。
(比較例2)
比較例2は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体、THFに溶解させた際の不溶分となるH体共に、アルコール成分にビスフェノールAが100%含有された樹脂を組み合わせているために、低温定着性、耐フィルミング性、耐久性が良好な結果となった。しかし、耐コピーブロッキング性、粉砕性は劣る結果となった。
また、H体、L体共にビスフェノールAが100%含有されているため、トナー帯電低下が起こり難く、帯電性が良好な結果となった。
(比較例3)
比較例3は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、30モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、20モル%の樹脂とを組み合わせた結果、THF不溶分に多くの脂肪族ジオールが含まれていることにより粉砕性は良好であり、THF不溶分を35質量%含有しているため、耐久性も良好な結果となった。しかし、H体、L体共にビスフェノールA含有量が少ないため、トナー帯電低下が起こり易く、帯電制御剤を用いたが、T−77以外の帯電制御剤(E−304)を用いたため、分光光度計を使用し透過法で測定した場合に波長350〜390nmの範囲にピークがなく、帯電性が悪い結果となった。
(比較例4)
比較例4は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、30モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、20モル%の樹脂とを組み合わせた結果、THF不溶分に多くの脂肪族ジオールが含まれていることにより粉砕性は良好であり、THF不溶分を35質量%含有しているため、耐久性も良好な結果となった。しかし、H体、L体共にビスフェノールA含有量が少ないため、トナー帯電低下が起こり易く、帯電制御剤を用いたが、T−77以外の帯電制御剤(LR−147)を用いたため、分光光度計を使用し透過法で測定した場合に波長350〜390nmの範囲にピークがなく、帯電性が悪い結果となった。
(比較例5)
比較例5は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、30モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、20モル%の樹脂とを組み合わせた結果、THF不溶分に多くの脂肪族ジオールが含まれていることにより粉砕性は良好であり、THF不溶分を35質量%含有しているため、耐久性も良好な結果となった。しかし、H体、L体共にビスフェノールA含有量が少ないため、トナー帯電低下が起こり易く、帯電制御剤を用いたが、T−77以外の帯電制御剤(TN−105)を用いたため、分光光度計を使用し透過法で測定した場合に波長350〜390nmの範囲にピークがなく、帯電性が悪い結果となった。
10 感光体ドラム
40 現像器
58 コロナ帯電器
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
110 プロセスカートリッジ
210 給紙部
211 給紙カセット
212 給紙ローラ
220 搬送部
221 ローラ
222 タイミングローラ
223 排紙ローラ
224 排紙トレイ
230 作像部
231 感光体ドラム
232 帯電器
233 露光器
240 転写部
241 駆動ローラ
242 従動ローラ
243 中間転写ベルト
244Y,244C,244M,244K 一次転写ローラ
245 二次対向ローラ
246 二次転写ローラ
250 定着器
251 定着ベルト
252 加圧ローラ
P 紙
Claims (14)
- 少なくとも、結着樹脂を含むトナーであって、
FT−IRを使用し、ATR法で測定したトナーの1480〜1520cm-1におけるビスフェノールA骨格由来のスペクトルの最大ピーク高さWと、1700〜1750cm-1におけるカルボニル基由来のスペクトルの最大ピーク高さRとのピーク比(W/R)が0.20〜0.70であり、
分光光度計を使用し透過法で測定したトナーの吸収スペクトルが波長350〜390nmの間にピークAを有し、
かつトナー中のTHF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、前記分子量分布の半値幅が分子量20000以下であり、
かつTHF不溶分を5〜40質量%含有する
トナー。 - FT−IRを使用し、赤外分光法(KBr錠剤法)で測定したトナーの1480〜1520cm-1におけるスペクトルのピーク高さW’と、1700〜1750cm-1におけるスペクトルのピーク高さR’とのピーク比(W’/R’)が0.06〜0.70である請求項1に記載のトナー。
- 前記ピーク比(W/R)と前記ピーク比(W’/R’)とが以下の関係を満たす請求項2に記載のトナー。
W’/R’ ≦ W/R - 前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、前記ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分がビスフェノールA成分を含んでいる請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂が、高分子量体のポリエステル樹脂(H体)と低分子量体のポリエステル樹脂(L体)とを含有し、トナー中の前記L体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量が、L体のアルコール成分の20〜100(モル%)であり、トナー中の前記H体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量が、H体のアルコール成分の0〜80(モル%)であり、かつ、前記L体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量(モル%)が前記H体のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量(モル%)よりも多い請求項4に記載のトナー。
- 前記ピーク比(W/R)と前記ピーク比(W’/R’)との比(W/R)/(W’/R’)が1.0以上2.0以下である請求項3〜5のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナーのTHF不溶分が10〜35質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナーは帯電制御剤を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記アゾ鉄化合物は、結着樹脂100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下含まれる請求項9に記載のトナー。
- 前記トナーの体積平均粒径(Dv)が4〜6μmである請求項1〜10のいずれか1項に記載のトナー。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のトナーを収容したトナー収容ユニット。
- 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記静電潜像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有し、
前記トナーが、請求項1〜11のいずれか1項に記載のトナーである画像形成装置。 - 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記静電潜像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着工程とを含み、
前記トナーが、請求項1〜11のいずれか1項に記載のトナーである画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
CN201710452268.2A CN107526257B (zh) | 2016-06-15 | 2017-06-15 | 调色剂,调色剂收纳单元,图像形成装置及图像形成方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016119224 | 2016-06-15 | ||
JP2016119224 | 2016-06-15 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017227894A true JP2017227894A (ja) | 2017-12-28 |
JP6857330B2 JP6857330B2 (ja) | 2021-04-14 |
Family
ID=60891682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017117046A Active JP6857330B2 (ja) | 2016-06-15 | 2017-06-14 | トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6857330B2 (ja) |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08123093A (ja) * | 1994-10-24 | 1996-05-17 | Minolta Co Ltd | 静電潜像現像剤用トナーおよびその製法 |
JP2001249492A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-14 | Sanyo Chem Ind Ltd | トナー用樹脂組成物および乾式トナー |
JP2002082484A (ja) * | 1999-10-05 | 2002-03-22 | Ricoh Co Ltd | 静電荷現像用トナー、トナー収納容器および画像形成装置 |
JP2007316361A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Canon Inc | トナー |
JP2008275865A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、それに用いられるトナー、キャリア、現像剤 |
JP2009288805A (ja) * | 2000-09-07 | 2009-12-10 | Mitsui Chemicals Inc | トナー組成物およびその製造方法 |
JP2014026276A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-02-06 | Canon Inc | トナー |
JP2015194737A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-11-05 | キヤノン株式会社 | トナーおよび二成分現像剤 |
JP2016090852A (ja) * | 2014-11-06 | 2016-05-23 | 花王株式会社 | トナー用結着樹脂組成物 |
JP2017027008A (ja) * | 2014-12-19 | 2017-02-02 | 株式会社リコー | トナー、現像剤、画像形成装置、画像形成方法及びトナー収容ユニット |
JP2017223839A (ja) * | 2016-06-15 | 2017-12-21 | 株式会社リコー | トナー、現像剤、画像形成装置、画像形成方法及びトナー収容ユニット |
-
2017
- 2017-06-14 JP JP2017117046A patent/JP6857330B2/ja active Active
Patent Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08123093A (ja) * | 1994-10-24 | 1996-05-17 | Minolta Co Ltd | 静電潜像現像剤用トナーおよびその製法 |
JP2002082484A (ja) * | 1999-10-05 | 2002-03-22 | Ricoh Co Ltd | 静電荷現像用トナー、トナー収納容器および画像形成装置 |
JP2001249492A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-14 | Sanyo Chem Ind Ltd | トナー用樹脂組成物および乾式トナー |
JP2009288805A (ja) * | 2000-09-07 | 2009-12-10 | Mitsui Chemicals Inc | トナー組成物およびその製造方法 |
JP2007316361A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Canon Inc | トナー |
JP2008275865A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、それに用いられるトナー、キャリア、現像剤 |
JP2014026276A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-02-06 | Canon Inc | トナー |
JP2015194737A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-11-05 | キヤノン株式会社 | トナーおよび二成分現像剤 |
JP2016090852A (ja) * | 2014-11-06 | 2016-05-23 | 花王株式会社 | トナー用結着樹脂組成物 |
JP2017027008A (ja) * | 2014-12-19 | 2017-02-02 | 株式会社リコー | トナー、現像剤、画像形成装置、画像形成方法及びトナー収容ユニット |
JP2017223839A (ja) * | 2016-06-15 | 2017-12-21 | 株式会社リコー | トナー、現像剤、画像形成装置、画像形成方法及びトナー収容ユニット |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6857330B2 (ja) | 2021-04-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6590204B2 (ja) | トナー、現像剤、画像形成装置、画像形成方法及びトナー収容ユニット | |
EP1515193B1 (en) | Color toner and full-color image forming method | |
JP6160133B2 (ja) | 電子写真画像形成用トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
US7297455B2 (en) | Toner, and image forming method | |
JP5861537B2 (ja) | 画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP2006065015A (ja) | 静電荷像現像用トナー製造方法 | |
US20190011847A1 (en) | Toner, toner stored unit, and image forming apparatus | |
US20210253750A1 (en) | Resin particle | |
JP2016170345A (ja) | トナー、トナー収容ユニット及び画像形成装置 | |
JP6080003B2 (ja) | 電子写真画像形成用トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP2016170343A (ja) | トナー、トナー収容ユニット及び画像形成装置 | |
JP4335099B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー製造方法 | |
JP6826752B2 (ja) | トナー、現像剤、画像形成装置、画像形成方法及びトナー収容ユニット | |
US10025213B2 (en) | Toner, toner stored unit, and image forming apparatus | |
JP6857330B2 (ja) | トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
CN107526257B (zh) | 调色剂,调色剂收纳单元,图像形成装置及图像形成方法 | |
WO2016098290A1 (en) | Toner, image forming apparatus, image forming method, and toner stored unit | |
JP6926974B2 (ja) | トナー、トナー収容ユニット及び画像形成装置 | |
JP2002258535A (ja) | 画像形成方法、画像形成装置及びカラートナー | |
JP5861538B2 (ja) | 画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP2013127510A (ja) | トナー用ポリエステル樹脂、トナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 | |
JP7069820B2 (ja) | トナー、画像形成方法、画像形成装置並びにプロセスカートリッジ | |
JP2005352130A (ja) | 二成分系現像剤 | |
JP2003241415A (ja) | トナー、画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200226 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201127 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210118 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210219 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210304 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6857330 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |