JP2017223839A - トナー、現像剤、画像形成装置、画像形成方法及びトナー収容ユニット - Google Patents
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Abstract
Description
このポリエステル樹脂は、カルボン酸成分が、80〜100モル%の、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステルからなり、アルコール成分が、20〜100モル%の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの85〜100モル%が1,2−プロピレングリコールである)からなり、アルコール成分とカルボン酸成分の合計中0.1〜20モル%が3価以上の多価アルコールおよび/または3価以上のカルボン酸である。
すなわちこの方法では、粉砕性とともに、低温定着性や定着強度などの定着特性(以下では単に「定着特性」という)や耐ストレス性、耐フィルミング性や耐ブロッキング性との両立を図ることは不十分であった。
・定着特性に優れるトナーを提供すること。
・トナー製造時における粉砕性に優れるトナーを提供すること。
・現像時の耐ストレス、すなわち耐久性に優れるトナーを提供すること。
・耐久性、耐コピーブロッキング性に優れ、かつ耐フィルミング性に優れ、低コストであるトナーを提供すること。
少なくとも、結着樹脂を含むトナーであって、FT−IRを使用し、ATR法で測定したトナーの1480〜1520cm−1におけるビスフェノールA骨格由来のスペクトルの最大ピーク高さWと、1700〜1750cm−1におけるカルボニル基由来のスペクトルの最大ピーク高さRとのピーク比(W/R)が0.20〜0.70であり、かつトナー中のTHF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、前記分子量分布の半値幅が分子量20,000以下であり、かつTHF不溶分を5〜40質量%含有し、前記トナーの体積平均粒径(Dv)が4〜6μmであることを特徴とするトナー。
なお、本発明においては「GPC」は「ゲルパミエーションクロマトグラフィー」を意味する。
以下、本発明のトナーについて詳細に説明する。
トナーの1480〜1520cm−1におけるスペクトルの最大ピーク高さWと1700〜1750cm−1におけるスペクトルの最大ピーク高さRのピーク比(W/R)は、好ましくは0.20〜0.65、さらに好ましくは0.20〜0.60、特に好ましくは0.20〜0.55の範囲である。
W/Rの値が0.20未満であると、定着特性、耐フィルミング性、耐久性が悪化し、W/Rの値が0.70を超えるとトナー製造時における粉砕性および耐ブロッキング性が悪化する。
W/Rの値が0.20〜0.70の範囲であることにより、定着特性、トナー製造時における粉砕性、耐久性に優れるとともに、耐コピーブロッキング性、耐フィルミング性との両立を図ることが可能となる。
W’/R’≦W/Rの関係を満たすことにより、耐ストレス性、耐フィルミング性、定着特性が特に優れ、かつ、粉砕性や耐ブロッキング性も良好となり、これらの複数の特性を高いレベルで満足させることができる。
より好ましくは、ピーク比(W/R)とピーク比(W’/R’)との比(W/R)/(W’/R’)は1.0以上2.0以下である。
なお、FT−IRのスペクトル値は、「Thermo Nicolet NEXUS470(Thermo SCIENTIFIC社製)」を用いて、ATR法(全反射法)、赤外分光法(KBr錠剤法)で測定した値である。
なお、THF可溶分およびTHF不溶分中のビスフェノールA成分含有量は、重水素化クロロホルムに溶解させたときの1H−NMR(JNM−ECX、日本電子株式会社製)による各種アルコールモノマー及び酸モノマーに由来するピークを求め、ピーク面積比を算出することから求めることができる。
前記三価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸などが挙げられる。
通常、トナー用ポリエステル樹脂は、高分子量体のポリエステル樹脂(以下「H体」ともいう)と低分子量体のポリエステル樹脂(以下「L体」ともいう)を複数組み合わせて、定着特性など所望の特性を得ている。THF不溶分はH体に由来し、THF可溶分はL体及び一部のH体に由来する。
脂肪族ジオールの含有量は0〜80モル%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは50〜80モル%の範囲である。
横軸に分子量をとり、縦軸に濃度(質量比)を任意の高さで表示し、メインピークのピークトップ高さの50%でのメインピークの横軸の幅(分子量)を半値幅とする。メインピークの裾等に異なるピークが見られる場合には、裾のピークも含めた分子量で算出する。また、メインピークのピークトップ高さの50%における横軸上にメインピーク以外の他のピークがある場合には、その横軸と各ピークとの交点が示す分子量のうち最も高い分子量と最も低い分子量との差を半値幅とする。
5μm以下微粉含有率が60%未満では、トナーの生産性やトナーの消費量が低下してコスト的に好ましくない。5μm以下微粉含有率が90%を超えた場合には、感光体等の部材への汚染が発生したり、クリーニング性が悪化し、異常画像が発生しやすい。
なお、体積平均粒径、微粉含有率はマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)で測定することができる。
また、上記樹脂のガラス転位温度Tgは、ポリエステル樹脂と同じく、熱保存性の関係から50℃以上がよく、より好ましくは55℃以上が良い。
これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100質量部に対し約15〜200質量部、特に好ましくは樹脂成分100質量部に対し20〜100質量部である。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材の形状としては、ローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等どのような形態をとってもよく、前記画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択することができる。
前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。前記露光部材に用いられる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像であるトナー像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像であるトナー像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段としては、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命が向上することから、トナーとキャリアからなる二成分現像剤が好ましい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、50emu/g〜90emu/gのマンガン−マグネシウム系材料などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
前記体積平均粒子径が10μm未満であると、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特に、ベタ部の再現が悪くなることがある。
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程としては、可視像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。前記転写工程は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
画像形成装置1は、プリンターであるが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、複合機等のトナーを用いて画像を形成することが可能であれば、特に限定されない。画像形成装置1は、給紙部210と、搬送部220と、作像部230と、転写部240と、定着器250とを備えている。
給紙部210は、給紙される紙Pが積載された給紙カセット211と、給紙カセット211に積載された紙Pを一枚ずつ給紙する給紙ローラ212を備えている。
作像部230は、所定の間隔をおいて、図中、左方から右方に向かって順に、イエロートナーを有した現像剤を用いて画像を形成する画像形成ユニットYと、シアントナーを有した現像剤を用いる画像形成ユニットCと、マゼンタトナーを有した現像剤を用いる画像形成ユニットMと、ブラックトナーを有した現像剤を用いる画像形成ユニットKと、露光器233を備えている。
また、現像剤は、トナーとキャリアを有する。4つの画像形成ユニット(Y,C,M,K)は、それぞれに用いられる現像剤が異なるのみで、機械的な構成は実質的に同一である。転写部240は、駆動ローラ241及び従動ローラ242と、駆動ローラ241の駆動に伴い、図中、反時計回りに回転することが可能な中間転写ベルト243と、中間転写ベルト243を挟んで、感光体ドラム231に対向して設けられた一次転写ローラ(244Y,244C,244M,244K)と、トナー像の紙への転写位置において中間転写ベルト243を挟んで対向して設けられた二次対向ローラ245及び二次転写ローラ246を備えている。
定着器250は、ヒータが内部に設けられており、紙Pを加熱する定着ベルト251を、定着ベルト251に対して、回転可能に加圧することによりニップを形成する加圧ローラ252を備えている。これにより、紙P上のカラートナー像に熱と圧力が印加されて、カラートナー像が定着する。カラートナー像が定着した紙Pは、排紙ローラ223により排紙トレイ224に排紙され、一連の画像形成プロセスが完了する。
本発明に関するプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に成型されており、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に担持された静電潜像を本発明の現像剤で現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも有する。なお、本発明のプロセスカートリッジは、必要に応じて、他の手段をさらに有していてもよい。前記現像手段としては、本発明の現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部内に収容された現像剤を担持すると共に搬送する現像剤担持体を少なくとも有する。なお、現像手段は、担持する現像剤の厚さを規制するため規制部材等をさらに有してもよい。
図2に、本発明に関するプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ110は、感光体ドラム10、コロナ帯電器58、現像器40、転写ローラ80及びクリーニング装置90を有する。
〔1〕低温定着性
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した(株)リコー製複写機(MF2200)定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行なった。定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧1.2Kgf/cm2、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0Kgf/cm2、ニップ幅4.5mmと設定した。特性評価の基準は以下の通りである。
(評価基準)
◎:130℃以上140℃未満
○:140℃以上150℃未満
△:150℃以上160℃未満
×:160℃以上
リコー製複写機(MP9001)を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙で画像濃度が0.75±0.50となるようハーフトーン画像を出力した。
得られた画像をスミア試験器(摩擦試験機I型、JIS L0823、摩擦子径:15φ)の摩擦子に、25×25mm程度の白綿布(JIS L0803 綿3号)を繊維方向が摩擦子の可動方向と水平になるように両面テープで貼り付けた。そして、前記定着画像を5往復、連続動作にて擦った。
白綿布をはがし、トナーが付着している摩擦子跡における任意の3箇所の画像濃度を、分光計(「X−Rite社製、938 スペクトロデンシトメータ」を用いて測定し、その平均値をスミアIDとし、定着強度の指標とした。
(評価基準)
◎:0.15以下
○:0.20以下
△:0.25以下
×:0.30以上
粗粉砕物(スクリーンメッシュ1.5mm)を機械式粉砕機(ターボミルT250)で9800rpmで粉砕した際の体積平均粒径を評価した。評価の基準は以下の通りである。
◎:6.5μm未満
○:6.5μm以上7.0μm未満
△:7.0μm以上7.5μm未満
×:7.5μm以上
リコー製複写機(MP9001)を用いて、連続30万枚印刷した。印刷中の帯電低下に伴う画像飛散状態を評価した。評価の基準は以下の通りである。
◎:帯電低下せず、画像飛散も発生しない。
○:1以上10μC/g未満帯電低下するが、画像飛散は発生しない。
△:10以上20μC/g未満帯電低下し、画像飛散も発生する。
×:20μC/g以上帯電低下し、画像飛散も発生する。
リコー製複写機(MP9001)を用いて、白紙とテストチャート(黒ベタ画像部と白抜き画像部が交互に印刷されたもの)を交互に5枚重ね、圧力をかけ75℃6時間加熱後1時間自然冷却を行う。その後、白紙への移行部のIDを測定し、ΔIDが高いものほどブロッキング性が悪いものと設定した。評価の基準は以下の通りである。
◎:0.001未満
○:0.001以上0.008未満
△:0.008以上0.01未満
×:0.01以上
リコー製複写機(MP9001)を用いて、連続100枚の印字を50回繰り返して電子写真感光体にフィルミングを発生させた。
◎:発生しない
○:かすかに発生
△:数点発生
×:多量に発生
THF可溶分のアルコール成分に含まれるビスフェノールA含有量と、THF不溶分のアルコール成分に含まれるビスフェノールA含有量を足し、トナー全体でのビスフェノールA量で評価を実施した。
評価の基準は以下の通りである。
◎:0〜66モル%未満
○:66モル%以上140モル%未満
△:140モル%以上171モル%未満
×:171モル%以上〜200モル%未満
表1、2に示した原料を、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、次いで0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温度を200℃に保って反応させて、ポリエステル樹脂A〜ポリエステル樹脂Pを得た。
ポリエステル樹脂A 60部
ポリエステル樹脂G 40部
カルナウバワックス 5部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10部
サリチル酸Zr(IV)化合物 1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミルまたは機械式粉砕機、風力分級機で粉砕分級し体積平均粒径4.9μm、5μm以下微粉含有率80%のトナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5質量%添加混合し、最終的なトナーとした。
実施例1のポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Cに、ポリエステル樹脂Gをポリエステル樹脂Iに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1のポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Dに、ポリエステル樹脂Gをポリエステル樹脂Hに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1のポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂Eに、ポリエステル樹脂Gをポリエステル樹脂Jに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1の、5μm以下微粉含有率80%を60%に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
ポリエステル樹脂B 60部
ポリエステル樹脂K 40部
カルナウバワックス 5部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10部
サリチル酸Zr(IV)化合物 1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミルまたは機械式粉砕機、風力分級機で粉砕分級し体積平均粒径4.9μm、5μm以下微粉含有率80%のトナー母体を得た。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5質量%添加混合し、最終的なトナーとした。
比較例1のポリエステル樹脂Bをポリエステル樹脂Fに、ポリエステル樹脂Kをポリエステル樹脂Jに変更した以外は、比較例1と同様にしてトナーを得た。
比較例1のポリエステル樹脂Bをポリエステル樹脂Dに、ポリエステル樹脂Kをポリエステル樹脂Hに、体積平均粒径4.9μmを7.0μmに、5μm以下微粉含有率80%を70%に変更した以外は、比較例1と同様にしてトナーを得た。
比較例1のポリエステル樹脂Bをポリエステル樹脂Dに、ポリエステル樹脂Kをポリエステル樹脂Hに、体積平均粒径4.9μmを9.0μmに、5μm以下微粉含有率80%を15%に変更した以外は、比較例1と同様にしてトナーを得た。
実施例1は、樹脂として、THFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、50モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、90モル%の樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなった。W‘/R’の値が0.70以上であり、トナー中にビスフェノールAが多いことから粉砕性が△となった。
(実施例2)
実施例2は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、60モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、55モル%の樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなり、全ての評価で良好な結果となった。
(実施例3)
実施例3は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、30モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、20モル%、かつ、THF不溶分を35重量%含有した樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなった。全ての特性をバランス良く満たしているが、THF不溶分に多くの脂肪族ジオールが含まれていることにより粉砕性は良好であるが、THF不溶分が35質量%含有しているため、耐久性も良好な結果となった。またビスフェノールAの含有量が少ないが、トナーの粒径が4.9μmであるためトナー付着量が低減でき、低温定着性や定着強度は良好な結果となった。
(実施例4)
実施例4は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、100モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、35モル%、かつTHF不溶分を5質量%含有した樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなった。トナー表面に出易いL体であるTHF可溶分に多くの芳香族ジオール成分が含まれていることにより、低温定着性、耐フィルミング性、耐久性が良好な結果となっている。
また、THF不溶分が5質量%と少ないため、粉砕性も良好な結果となった。
(実施例5)
実施例5は、樹脂として、THFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、50モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、90モル%の樹脂とを組み合わせた結果、本発明の構成を満たすこととなった。しかしながら微粉含有量を60%にしたため、小粒径トナーの割合が減少して、低温定着性および定着強度は悪化した。
比較例1は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体、THFに溶解させた際の不溶分となるH体共に、アルコール成分にビスフェノールAが含有されない樹脂を組み合わせているために、粉砕性、耐画像ブロッキング性が良好な結果となった。しかし、ビスフェノールAが含有されないため、低温定着性、定着強度、耐久性、帯電性、耐フィルミング性は劣る結果となった。
(比較例2)
比較例2は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体、THFに溶解させた際の不溶分となるH体共に、アルコール成分にビスフェノールAが100モル%含有された樹脂を組み合わせているために、低温定着性、定着強度、耐フィルミング性、耐久性が良好な結果となった。しかし、粉砕性、耐画像ブロッキング性は劣る結果となり、コストも高くなった。
(比較例3)
比較例3は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、30モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、20モル%、かつ、THF不溶分を35重量%含有した樹脂とを組み合わせた結果、ビスフェノールAの含有量が少なくなり、また、トナーの粒径が7.0μmであるためトナー付着量が増加して、低温定着性や定着強度が悪化した。
(比較例4)
比較例4は、樹脂としてTHFに溶解させた際の可溶分となるL体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、30モル%の樹脂と、THFに溶解させた際の不溶分となるH体のアルコール成分に含まれるビスフェノールAの含有量が、20モル%、かつ、THF不溶分を35重量%含有した樹脂とを組み合わせた結果、ビスフェノールAの含有量が少なくなり、また、トナーの粒径が9.0μmであるためトナー付着量が増加して、低温定着性や定着強度がさらに悪化した。
10 感光体ドラム
40 現像器
58 コロナ帯電器
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
110 プロセスカートリッジ
210 給紙部
211 給紙カセット
212 給紙ローラ
220 搬送部
221 ローラ
222 タイミングローラ
223 排紙ローラ
224 排紙トレイ
230 作像部
231 感光体ドラム
232 帯電器
233 露光器
240 転写部
241 駆動ローラ
242 従動ローラ
243 中間転写ベルト
244Y,244C,244M,244K 一次転写ローラ
245 二次対向ローラ
246 二次転写ローラ
250 定着器
251 定着ベルト
252 加圧ローラ
P 紙
Claims (11)
- 少なくとも、結着樹脂を含むトナーであって、FT−IRを使用し、ATR法で測定したトナーの1480〜1520cm−1におけるビスフェノールA骨格由来のスペクトルの最大ピーク高さWと、1700〜1750cm−1におけるカルボニル基由来のスペクトルの最大ピーク高さRとのピーク比(W/R)が0.20〜0.70であり、かつトナー中のTHF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、前記分子量分布の半値幅が分子量20,000以下であり、かつTHF不溶分を5〜40質量%含有し、かつ、前記トナーの体積平均粒径(Dv)が4〜6μmであることを特徴とするトナー。
- FT−IRを使用し、赤外分光法(KBr錠剤法)で測定したトナーの1480〜1520cm−1におけるスペクトルのピーク高さW’と、1700〜1750cm−1におけるスペクトルのピーク高さR’とのピーク比(W’/R’)が0.06〜0.70であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記ピーク比(W/R)と前記ピーク比(W’/R’)とが以下の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載のトナー。
W’/R’ ≦ W/R - 前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、前記ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分がビスフェノールA成分を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
- トナー中のTHF可溶分のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量が20〜100モル%であり、トナー中のTHF不溶分のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量が0〜80モル%であり、かつ、前記THF可溶分のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量が前記THF不溶分のアルコール成分に含まれるビスフェノールA成分の含有量よりも多いことを特徴とする請求項4に記載のトナー。
- 前記ピーク比(W/R)と前記ピーク比(W’/R’)との比(W/R)/(W’/R’)が1.0以上2.0以下であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記トナーのTHF不溶分が10〜35質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
- 5μm以下微粉含有率が60〜90%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のトナーを収容したトナー収容ユニット。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有し、前記トナーが、請求項1〜8のいずれか1項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、前記静電潜像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着工程とを含み、を含み、前記トナーが、請求項1〜8のいずれか1項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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