JP2017226924A - プラズマcvd装置並びに結晶シリコン系太陽電池及びこれを作製するプラズマcvd法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のプラズマCVD装置及び方法では、基板の表面と裏面に同時に薄膜を形成することができないので、それを可能とする装置と方法を得ること。光電変換効率に優れたヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池のアモルファスシリコン系薄膜を、シリコン基板の両面に、同時に製膜可能なプラズマCVD装置及びプラズマCVD法を得ること。【解決手段】非接地電極と接地電極からなる一対の電極を有するプラズマCVD装置で、該一対の電極にそれぞれ原料ガス噴出孔を配置し、該一対の電極の略中間に、基板と略一致した形状の貫通孔を有する誘電体で製作された基板保持手段を配置し、該貫通孔を塞ぐように基板を載置してプラズマを生成させ、該基板の両面に製膜するようにしたことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、プラズマCVD装置並びに結晶シリコン系太陽電池及びこれを作製するプラズマCVD法に関する。特に、バックコンタクト型結晶シリコン系太陽電池及びヘテロ接合バックコンタクト型結晶シリコン系太陽電池などに利用されるアモルファスシリコン系薄膜を形成するプラズマCVD装置並びに結晶シリコン系太陽電池及びこれを作製するプラズマCVD法に関するものである。
近年、結晶シリコン系太陽電池の光電変換効率の更なる向上及び製造コストの更なる低減を目指した研究開発が盛んに行われており、光電変換効率の高いヘテロ接合バックコンタクト型太陽電池の最適構造の創出及びそれを製造可能な低コストの製造プロセスの構築が試みられている。
製造プロセスを要素技術の観点で見ると、発電効率を決定する要素である3つの性能、即ち、セルの開放電圧Voc(V)と、短絡電流密度Jsc(mA/cm2)と、曲線因子(%)の向上に関し、優れた特徴を有するパッシベーション膜の形成に関わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法が注目されている。
製造プロセスを要素技術の観点で見ると、発電効率を決定する要素である3つの性能、即ち、セルの開放電圧Voc(V)と、短絡電流密度Jsc(mA/cm2)と、曲線因子(%)の向上に関し、優れた特徴を有するパッシベーション膜の形成に関わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法が注目されている。
例えば、非特許文献1及び2には、次のことが記載されている。即ち、プラズマCVDによりシリコン基板の表面や裏面にi型アモルファスシリコン膜やSiNx膜を形成すると、基板表面に存在する欠陥密度を激減させる。基板表面に存在する欠陥密度が激減すると、光吸収により生成されたキャリア(正孔・電子)の欠陥密度による再結合が防止され、光電変換効率を大幅に向上させることができる。
しかしながら、現状のRFプラズマCVD装置、即ち、電極形状が平行平板型で、電源周波数が13.56MHzである容量結合型プラズマCVD装置によるi型アモルファスシリコン膜やSiNx膜等のパッシベーション膜の形成では、RFプラズマの特徴(電子温度が高いこと、プラズマ電位が高いこと)に起因するシリコン基板へのイオン衝撃が大きいために、充分なパッシベーション効果が得られない、という問題を抱えている。なお、シリコン基板へのイオン衝撃によるイオンダメージは、基板表面の欠陥密度を増大させるので、パッシベーション効果が発揮されない。
したがって、シリコン基板の表面や裏面に形成されるパッシベーション膜の機能を有するi型アモルファスシリコン膜やSiNx膜の製膜には、イオンダメージの少ないプラズマCVD装置の創出が必要、かつ、重要である。
なお、プラズマ励起周波数がVHF帯域(30MHz〜300MHz)であるVHFプラズマCVDは電子温度が低く、プラズマ電位が低いので、基板に与えるイオンダメージは、RFプラズマCVDに比べて、格段に小さいということは、一般に知られている。
しかしながら、現状のRFプラズマCVD装置、即ち、電極形状が平行平板型で、電源周波数が13.56MHzである容量結合型プラズマCVD装置によるi型アモルファスシリコン膜やSiNx膜等のパッシベーション膜の形成では、RFプラズマの特徴(電子温度が高いこと、プラズマ電位が高いこと)に起因するシリコン基板へのイオン衝撃が大きいために、充分なパッシベーション効果が得られない、という問題を抱えている。なお、シリコン基板へのイオン衝撃によるイオンダメージは、基板表面の欠陥密度を増大させるので、パッシベーション効果が発揮されない。
したがって、シリコン基板の表面や裏面に形成されるパッシベーション膜の機能を有するi型アモルファスシリコン膜やSiNx膜の製膜には、イオンダメージの少ないプラズマCVD装置の創出が必要、かつ、重要である。
なお、プラズマ励起周波数がVHF帯域(30MHz〜300MHz)であるVHFプラズマCVDは電子温度が低く、プラズマ電位が低いので、基板に与えるイオンダメージは、RFプラズマCVDに比べて、格段に小さいということは、一般に知られている。
結晶シリコン系太陽電池の代表的構造を、図15(多結晶シリコン太陽電池)及び図16(ヘテロ接合バックコンタクト型太陽電池)に示す。
図15に示す太陽電池は、結晶シリコン太陽電池の典型的な構造であり、例えば、特許文献2に記載されている。図15に示す多結晶シリコン太陽電池において、p型多結晶シリコン基板100の表面に形成されたn型拡散層102、p型多結晶シリコン基板100とn型拡散層102の間に形成されたpn接合、p型多結晶シリコン基板100の裏面に形成されたp+型裏面電界層103、n型拡散層102の上に形成された反射防止膜104、例えば窒化シリコン膜(SiNx)、p型多結晶シリコン基板100の裏面に形成されたパッシベーション膜106、例えば窒化シリコン膜(SiNx)及びシリコン基板100の両面に形成された電力取り出し用の電極105を有する。なお、反射防止膜104及びパッシベーション膜106はパッシベーション効果を有する。
図15に示す構造の多結晶シリコン太陽電池の製造において、プラズマCVDは、パッシベーション膜106、例えば窒化シリコン膜(SiNx)及び反射防止膜104、例えば窒化シリコン膜(SiNx)、の製膜に利用される。
図15に示す太陽電池は、結晶シリコン太陽電池の典型的な構造であり、例えば、特許文献2に記載されている。図15に示す多結晶シリコン太陽電池において、p型多結晶シリコン基板100の表面に形成されたn型拡散層102、p型多結晶シリコン基板100とn型拡散層102の間に形成されたpn接合、p型多結晶シリコン基板100の裏面に形成されたp+型裏面電界層103、n型拡散層102の上に形成された反射防止膜104、例えば窒化シリコン膜(SiNx)、p型多結晶シリコン基板100の裏面に形成されたパッシベーション膜106、例えば窒化シリコン膜(SiNx)及びシリコン基板100の両面に形成された電力取り出し用の電極105を有する。なお、反射防止膜104及びパッシベーション膜106はパッシベーション効果を有する。
図15に示す構造の多結晶シリコン太陽電池の製造において、プラズマCVDは、パッシベーション膜106、例えば窒化シリコン膜(SiNx)及び反射防止膜104、例えば窒化シリコン膜(SiNx)、の製膜に利用される。
なお、図15に示すパッシベーション膜106、例えば、窒化シリコン膜(SiNx)及び反射防止膜104、例えば、窒化シリコン膜(SiNx)の膜を、同時に製膜できれば、即ち、両面の同時製膜ができれば、製膜の工程が1つ減ることから、太陽電池の製造時間が短縮され、かつ、プラズマCVD装置が1つ減らせることから、製造コストの低減に貢献できるのであるが、従来技術において、基板100の両面への同時製膜ができない。
図16は、ヘテロ接合バックコンタクト型太陽電池の典型的な構造を示す。この構造は、例えば、特許文献1に示されている。図16において、n型単結晶シリコン基板200の表面を受光面とし、裏面にヘテロ接合領域と集電電極部が配置されている。
前記n型結晶シリコン基板200の受光面側の表面209は凹凸形状になっている。前記凹凸形状を有する表面209に、i型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約10nm)201と、光反射防止膜(例えば、SiNx、厚み、例えば、約70nm)202がその順に形成されている。前記単結晶シリコン基板200の裏面の所定の領域に、i型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約15nm)201、p型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約10nm)203、第1の透明電極(例えば、ITO、SnO2、ZnOなど、厚み、例えば、約70nm)204及びp型電極(厚み、例えば、約200nm)205がこの順に形成されている。なお、ここで、n型結晶シリコン基板200上に堆積されたi型アモルファスシリコン膜201、p型アモルファスシリコン膜203及び第1の透明電極204から成る積層領域をヘテロ接合領域と呼ぶ。
ヘテロ接合領域の隣には、絶縁溝210を隔てて、i型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約15nm)201が形成され、i型アモルファスシリコン膜201の上にn型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約20nm)206、第2の透明電極(例えば、ITO、SnO2、ZnOなど、厚み、例えば、約70nm)207及びn型電極(厚み、例えば、約200nm)208がこの順に形成されている。なお、ここで、ヘテロ接合領域以外の領域をn領域と呼ぶ。
図16に示す構造のヘテロ接合バックコンタクト型太陽電池の製造において、プラズマCVDは、i型アモルファスシリコン膜201、p型アモルファスシリコン膜203、n型アモルファスシリコン膜206、及び反射防止膜202、例えば、窒化シリコン膜(SiNx)、の製膜に利用される。
前記n型結晶シリコン基板200の受光面側の表面209は凹凸形状になっている。前記凹凸形状を有する表面209に、i型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約10nm)201と、光反射防止膜(例えば、SiNx、厚み、例えば、約70nm)202がその順に形成されている。前記単結晶シリコン基板200の裏面の所定の領域に、i型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約15nm)201、p型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約10nm)203、第1の透明電極(例えば、ITO、SnO2、ZnOなど、厚み、例えば、約70nm)204及びp型電極(厚み、例えば、約200nm)205がこの順に形成されている。なお、ここで、n型結晶シリコン基板200上に堆積されたi型アモルファスシリコン膜201、p型アモルファスシリコン膜203及び第1の透明電極204から成る積層領域をヘテロ接合領域と呼ぶ。
ヘテロ接合領域の隣には、絶縁溝210を隔てて、i型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約15nm)201が形成され、i型アモルファスシリコン膜201の上にn型アモルファスシリコン膜(厚み、例えば、約20nm)206、第2の透明電極(例えば、ITO、SnO2、ZnOなど、厚み、例えば、約70nm)207及びn型電極(厚み、例えば、約200nm)208がこの順に形成されている。なお、ここで、ヘテロ接合領域以外の領域をn領域と呼ぶ。
図16に示す構造のヘテロ接合バックコンタクト型太陽電池の製造において、プラズマCVDは、i型アモルファスシリコン膜201、p型アモルファスシリコン膜203、n型アモルファスシリコン膜206、及び反射防止膜202、例えば、窒化シリコン膜(SiNx)、の製膜に利用される。
なお、図16に示すn型結晶シリコン基板200の表面及び裏面のi型アモルファスシリコン膜201の膜を、同時に製膜できれば、即ち、両面の同時製膜ができれば、製膜の工程が1工程減ることから、太陽電池の製造時間が短縮され、かつ、プラズマCVD装置が1つ減らせることから、製造コストの低減に貢献できるのであるが、従来技術において、基板200の両面への同時製膜ができない。
プラズマCVDによる基板の表面と裏面への同時製膜に関し、特許文献2に記載の技術がある。しかしながら、特許文献2に記載の技術は、以下に示す問題があり、実用サイズ(基板サイズ10cmx10cm程度以上)の結晶シリコン系太陽電池用のアモルファスシリコン薄膜の形成には、利用できない。
特許文献2に、次のことが記載されている。即ち、真空チャンバーと、前記真空チャンバー内で交互に対向配置されたアノード電極板およびカソード電極板と、前記両電極板に高周波を印加して両電極間に高周波プラズマを発生させる高周波電源と、を備え、前記アノード電極板、カソード電極板の両方または一方の被成膜基板を載置する領域に、前記被成膜基板に略一致した形状を呈し、前記被成膜基板の両面を前記高周波プラズマに曝す開口部を少なくとも1以上有し、前記開口部で前記被成膜基板を載置する面と反対側に面する部分に所望のパターン形状に対応した遮蔽領域が設けられていることを特徴とするプラズマCVD装置、である。
特許文献2に記載の装置構成を、図11に示す。図11の装置構成に関し、特許文献2に、次のことが記載されている。
即ち、図11において、成膜用材料ガスを封入したガスボンベ301からガス供給コントローラ302を通して所望の流量に制御された材料ガスがガス供給ノズル303を経て真空チャンバー304内に導入される。真空排気系311により所望の真空度まで減圧した真空チャンバー304内に導入された材料ガスは、高周波電源309により端部アノード電極板350及び中央部カソード電極板351に供給され、一方の端部カソード電極板360及び中央部アノード電極板361の間で発生する高周波プラズマによってプラズマ分解され、被成膜基板308の成膜に供される。
また、特許文献2に、上記アノード電極板及び上記カソード電極板について、次に示す記載がある。
即ち、図12に示すように、中央部アノード電極板351及び中央部カソード電極板361のような電極板313には開口部314が設けられている。かかる開口部を塞ぐように載置された被成膜基板308では、図13(a)、(b)に示すように、1回の成膜プロセスで表面側には被成膜基板308の全面に薄膜315が形成され、さらに裏面側にも開口部314に対応した形状で薄膜316が形成される。
即ち、図11において、成膜用材料ガスを封入したガスボンベ301からガス供給コントローラ302を通して所望の流量に制御された材料ガスがガス供給ノズル303を経て真空チャンバー304内に導入される。真空排気系311により所望の真空度まで減圧した真空チャンバー304内に導入された材料ガスは、高周波電源309により端部アノード電極板350及び中央部カソード電極板351に供給され、一方の端部カソード電極板360及び中央部アノード電極板361の間で発生する高周波プラズマによってプラズマ分解され、被成膜基板308の成膜に供される。
また、特許文献2に、上記アノード電極板及び上記カソード電極板について、次に示す記載がある。
即ち、図12に示すように、中央部アノード電極板351及び中央部カソード電極板361のような電極板313には開口部314が設けられている。かかる開口部を塞ぐように載置された被成膜基板308では、図13(a)、(b)に示すように、1回の成膜プロセスで表面側には被成膜基板308の全面に薄膜315が形成され、さらに裏面側にも開口部314に対応した形状で薄膜316が形成される。
しかしながら、特許文献2には、上記端部アノード電極板350と上記カソード電極板361の間隔d、製膜時の圧力p、開口314の大きさD、基板のサイズSについては、一切記載されていない。また、一様なプラズマの生成条件である一対の電極の間隔dと開口の大きさDについての関係についても、一切、記載されていない。
特許文献2に記載のプラズマCVD装置は、周知のとおり、容量結合型プラズマCVD装置であるので、プラズマ発生条件は、パッシェンの法則(Paschen則)に従う。即ち、電極間の距離をd、圧力をp、印加電力の周波数をf、プラズマ発生時の印加電力の電圧をvとすると、v=f(p・d、f・d)で表わされる。この式は、プラズマ発生時の電力の電圧vは、圧力pと電極間距離dの積pdと、電源周波数fと電極間距離dの積fdにより決定され、かつ、プラズマが安定して発生する電圧に最適値が存在する、ということを意味する。
即ち、電極間隔dが大幅に異なる2つの領域を有する特許文献2に記載の装置では、一様なプラズマの生成はできない。
即ち、一対の電極が平行平板電極ではなく、一方の電極に開口が設けられると、その開口を有する領域とその開口がない領域のプラズマ発生条件は、全く異なる条件になる。即ち、前記開口を有する領域でのpd積と、前記開口が無い領域のpd積は、まったく異なる値になる。その結果、一対の電極間に、一様な強さのプラズマは発生できない。一様な強さのプラズマが発生できないということは、一様な製膜速度が得られないということであり、成膜される薄膜の厚みの分布が著しく悪いということを意味する。
特許文献2に記載のプラズマCVD装置は、周知のとおり、容量結合型プラズマCVD装置であるので、プラズマ発生条件は、パッシェンの法則(Paschen則)に従う。即ち、電極間の距離をd、圧力をp、印加電力の周波数をf、プラズマ発生時の印加電力の電圧をvとすると、v=f(p・d、f・d)で表わされる。この式は、プラズマ発生時の電力の電圧vは、圧力pと電極間距離dの積pdと、電源周波数fと電極間距離dの積fdにより決定され、かつ、プラズマが安定して発生する電圧に最適値が存在する、ということを意味する。
即ち、電極間隔dが大幅に異なる2つの領域を有する特許文献2に記載の装置では、一様なプラズマの生成はできない。
即ち、一対の電極が平行平板電極ではなく、一方の電極に開口が設けられると、その開口を有する領域とその開口がない領域のプラズマ発生条件は、全く異なる条件になる。即ち、前記開口を有する領域でのpd積と、前記開口が無い領域のpd積は、まったく異なる値になる。その結果、一対の電極間に、一様な強さのプラズマは発生できない。一様な強さのプラズマが発生できないということは、一様な製膜速度が得られないということであり、成膜される薄膜の厚みの分布が著しく悪いということを意味する。
即ち、特許文献2に記載のプラズマCVD装置では、基板の両面に、厚み分布が一様な薄膜は形成できない、ということである。厚み分布が悪い薄膜は、結晶系太陽電池の製造には使用できない。
特許文献2に記載のプラズマCVD装置の一対の電極の間の電気力線を、模式的に図14に示す。図14において、開口部の領域と開口部でない領域での電気力線の分布は全く異なっている。開口部の領域では電気力線の単位面積当たり本数が少なく、開口部のない領域では開口部の領域よりも、電気力線の数が多い。開口部でない領域の電界は強く、開口部の領域の電界は弱いことを意味している。このことは、一様な強さのプラズマが発生されないということを、示している。
一様な強さのプラズマが発生できないということは、薄膜形成の際に、一様な製膜速度が得られないということであり、成膜される薄膜の厚みの分布が著しく悪いということを意味する。即ち、厚み分布が一様な薄膜は形成できない、ということである。
なお、一般的に、一様な強さのプラズマを発生させるには、一対の電極間の電界が、一様な強さであること、が必須である。
一様な強さのプラズマが発生できないということは、薄膜形成の際に、一様な製膜速度が得られないということであり、成膜される薄膜の厚みの分布が著しく悪いということを意味する。即ち、厚み分布が一様な薄膜は形成できない、ということである。
なお、一般的に、一様な強さのプラズマを発生させるには、一対の電極間の電界が、一様な強さであること、が必須である。
更に、特許文献2に記載のプラズマCVD装置では、材料ガスは電極の一方の端部側から供給され、電極間を通り、他方の端部側から排気されている。
周知の通り、プラズマCVDの製膜室での材料ガスの流れは、成膜する膜の品質を決定する要因の一つである。材料ガスのプラズマ領域の滞留時間が長くなれば、プラズマで分解された材料ガスはプラズマ気相中での反応が進み、膜質は低下する。例えば、材料ガスが、SiH4の場合、プラズマにより、SiH3、SiH2、SiH、Si、Hに分解される。そして、材料ガスのプラズマ領域の滞留時間が長くなれば、化学的に活性であるSiH2、SiH、Si、Hが材料ガスSiH4と反応し、高次シラン(パウダー、微粒子、シリコン重合体あるいはダスト)を発生させる。その結果、形成される膜の品質(欠陥密度、屈折率、密度、光特性等)が極端に低下する。即ち、上記電界の不均一性に起因する薄膜の厚みの不均一性の問題の他に、膜質の不均一性の問題を抱えている。
また、前記材料ガスのプラズマ領域の滞留時間に起因する問題は、材料ガスの供給側に設置された基板に形成される薄膜の品質と、排気側に設置された基板に形成される薄膜の品質が異なることから、ガス流れの上流側の基板と下流側の基板のパッシベーション効果が異なる。その結果、製造される太陽電池の性能に大幅なバラツキが発生する、という問題を抱えている。
周知の通り、プラズマCVDの製膜室での材料ガスの流れは、成膜する膜の品質を決定する要因の一つである。材料ガスのプラズマ領域の滞留時間が長くなれば、プラズマで分解された材料ガスはプラズマ気相中での反応が進み、膜質は低下する。例えば、材料ガスが、SiH4の場合、プラズマにより、SiH3、SiH2、SiH、Si、Hに分解される。そして、材料ガスのプラズマ領域の滞留時間が長くなれば、化学的に活性であるSiH2、SiH、Si、Hが材料ガスSiH4と反応し、高次シラン(パウダー、微粒子、シリコン重合体あるいはダスト)を発生させる。その結果、形成される膜の品質(欠陥密度、屈折率、密度、光特性等)が極端に低下する。即ち、上記電界の不均一性に起因する薄膜の厚みの不均一性の問題の他に、膜質の不均一性の問題を抱えている。
また、前記材料ガスのプラズマ領域の滞留時間に起因する問題は、材料ガスの供給側に設置された基板に形成される薄膜の品質と、排気側に設置された基板に形成される薄膜の品質が異なることから、ガス流れの上流側の基板と下流側の基板のパッシベーション効果が異なる。その結果、製造される太陽電池の性能に大幅なバラツキが発生する、という問題を抱えている。
以上説明したように、特許文献2に記載のプラズマCVD装置及びプラズマCVD法は、電界分布の不均一に起因する膜厚みの不均一化という問題と、原料ガスの流れに起因する膜質の不均一化という問題があり、実用に供せられない、と言える。
神岡武文、立花福久、大下祥雄、結晶シリコン太陽電池におけるパッシベーション技術、J.Plasma Fusion Res.Vol.91,No.5(2015),354−359.
近藤道雄、藤原裕之、斎藤忠、シリコン系太陽電池の高効率化・量産化を担うプラズマ技術の最前線、J.Plasma Fusion Res.Vol.85,No.8(2009),499−508.
結晶系シリコン太陽電池の分野では、例えば、i型アモルファスシリコンや窒化シリコン(SiNx)等のパッシベーション膜あるいは反射防止膜を基板の両面に、同時に製膜し、工程数を削減し、製造コストの低減を図りたいというニーズがあるが、従来技術ではそれに対応できない、という課題がある。
特に、ヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の製造において、アモルファスシリコン系の薄膜を作製する工程が数多くあることから、i型アモルファスシリコン膜、p
型アモルファスシリコン、n型アモルファスシリコン及びパッシベーション膜等の高品質化と、両面製膜が可能なプラズマCVDに対する強いニーズがあるが、従来技術ではそれに対応できない、という課題がある。
そこで、本発明は、シリコン基板の表面と裏面にいろいろの薄膜を形成するプラズマCVD装置並びに結晶シリコン系太陽電池及びこれを作製するプラズマCVD法を提供することを目的とする。
特に、ヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の製造において、アモルファスシリコン系の薄膜を作製する工程が数多くあることから、i型アモルファスシリコン膜、p
型アモルファスシリコン、n型アモルファスシリコン及びパッシベーション膜等の高品質化と、両面製膜が可能なプラズマCVDに対する強いニーズがあるが、従来技術ではそれに対応できない、という課題がある。
そこで、本発明は、シリコン基板の表面と裏面にいろいろの薄膜を形成するプラズマCVD装置並びに結晶シリコン系太陽電池及びこれを作製するプラズマCVD法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、排気系を備えた反応容器と、前記反応容器に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、互いに対向して設置された非接地電極と接地電極から成る少なくとも一対の電極と、前記一対の電極に高周波電力を供給し前記一対の電極間に高周波プラズマを発生させる電力供給手段と、被製膜基板が載置される基板保持手段とを有し、前記非接地電極と前記接地電極は、それぞれ原料ガスを噴出する複数の原料ガス噴出孔を備え、前記基板保持手段は、誘電体で構成され、前記被製膜基板と略一致した形状を有する貫通孔を少なくとも1以上有するとともに、前記一対の電極の略中間に配置されることを特徴とするプラズマCVD装置。
第2の発明は、第1の発明において、前記基板保持手段は、略平板形の誘電体で構成されることを特徴とするプラズマCVD装置。
第3の発明は、第1あるいは第2の発明において、前記貫通孔の開口の周辺に、前記被製膜基板を保持するための基板保持部が設けられることを特徴とするプラズマCVD装置。
装置。
装置。
第4の発明は、第1から第3の発明のいずれか一つの発明において、前記非接地電極に前記電力供給手段から電力を供給するための少なくとも1以上の第1の給電点を設け、前記接地電極に前記電力供給手段から電力を供給するための少なくとも1以上の第2の給電点を設け、前記電力供給手段から前記第1の給電点と前記第2の給電点に供給される電力の電圧の位相差が180°であることを特徴とするプラズマCVD装置。
第5の発明は、第1から第4の発明のいずれか一つの発明において、前記電力供給手段は、高周波電源、インピーダンス整合器、平衡不平衡変換器、第1及び第2の同軸ケーブル、第1及び第2の真空用電流導入端子、第1及び第2の真空用同軸ケーブル及び第1及び第2の導電体で構成され、前記平衡不平衡変換器の一方の出力端子は、第1の同軸ケーブル、第1の真空用電流導入端子、第1の真空用同軸ケーブル及び第1の導電体を介して第1の給電点に接続され、他方の出力端子は、第2の同軸ケーブル、第2の真空用電流導入端子、第2の真空用同軸ケーブル及び第2の導電体を介して第1の給電点に接続されるとともに、前記第1及び第2の真空用同軸ケーブルの外皮導体同士が少なくともそれぞれの両端部で短絡されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
第6の発明は、第5の発明において、前記高周波電源の出力の周波数が、30MHz〜300MHzの範囲にあることを特徴とするプラズマCVD装置。
第7の発明は、第5あるいは第6の発明において、前記第1及び第2の真空用同軸ケーブルの外皮導体を磁性体で覆い、かつ、電気的に短絡させるようにしたことを特徴とするプラズマCVD装置。
第8の発明は、第4から第7のいずれか一つの発明において、前記非接地電極の前記第1の給電点に対向する前記非接地電極の端部に、キャパシタンスを調整する位相調整器と電気的に接続するための少なくとも1以上の第1の接続点を設け、前記接地電極の第2の給電点に対向する前記接地電極の端部に、前記キャパシタンスを調整する位相調整器と電気的に接続するための少なくとも1以上の第2の接続点を設け、前記第1の接続点及び前記第2の接続点と前記位相調整器を導電体で接続し、前記位相調整器により前記電力供給手段から前記第1の給電点と前記第2の給電点に供給される電力の前記非接地電極の端部及び前記接地電極の端部における反射波の位相を調整するようにしたことを特徴とするプラズマCVD装置。
第9の発明は、第1から第8の発明のいずれか一つの発明のプラズマCVD装置によって形成される薄膜を含んでなることを特徴とする結晶シリコン系太陽電池。
第10の発明は、排気系を備えた反応容器と、前記反応容器に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、互いに対向して設置された非接地電極と接地電極から成る少なくとも一対の電極と、前記一対の電極に高周波電力を供給し前記一対の電極間に高周波プラズマを発生させる電力供給手段と、被製膜基板が載置される基板保持手段とを備えたプラズマCVD装置を用いるプラズマCVD方法において、前記被製膜基板と略一致した形状を有する貫通孔を少なくとも1以上有し、前記貫通孔の開口の周辺に、前記被製膜基板を保持するための基板保持部が設けられた誘電体製の基板保持手段を用意し、前記誘電体製の基板保持手段を前記非接地電極と前記接地電極の略中間領域に配置し、前記誘電体製の基板保持手段に被製膜基板を載置して、前記非接地電極に備えられた複数の原料ガス噴出孔と前記接地電極に備えられた複数の原料ガス噴出孔から原料ガスを噴出させて、所定の条件でプラズマを生成し、前記被製膜基板の両面に薄膜を堆積させるようにしたことを特徴とするプラズマCVD法。
本発明により、従来困難視されていたプラズマCVDによる基板両面の同時製膜が可能になる、という効果を奏する。光電変換効率に優れたヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池のアモルファスシリコン系薄膜を、シリコン基板の両面に、同時に製膜可能なプラズマCVD装置及びプラズマCVD法が得られたので、製膜工程を削減することが可能となり、製造コストの低減に貢献できるという、効果を奏する。また、プラズマCVD装置の設置台数を削減可能となり、装置導入費用の削減に、貢献できる、という効果を奏する。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同様の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。また、以下に示す図面は、説明の便宜上、各部材の縮尺が、実際と異なる場合がある。また、各図面間においても、縮尺が、実際と異なる場合がある。
なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。また、以下に示す図面は、説明の便宜上、各部材の縮尺が、実際と異なる場合がある。また、各図面間においても、縮尺が、実際と異なる場合がある。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について説明する。先ず、プラズマCVD装置の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す模式的な装置構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置に用いられる非接地電極を示す模式図である。なお、図2(a)は模式的な外観図、図2(b)は平面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置に用いられる基板保持手段の構造の第1の具体例を示す模式図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置に用いられる基板保持手段の構造の第1の具体例を示す断面図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置に用いられる基板保持手段の構造の第2の具体例を示す模式図である。図6は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成部材である非接地電極と接地電極に電力が供給された際に発生する電気力線を示す模式図である。なお、非接地電極と接地電極に供給される電力は高周波であるので、時間的に変動するが、ここに示される電気力線はある瞬間の状態を示している。図7は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いて製膜された基板の表面の膜(a)と裏面の膜(b)の説明図である。
本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について説明する。先ず、プラズマCVD装置の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す模式的な装置構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置に用いられる非接地電極を示す模式図である。なお、図2(a)は模式的な外観図、図2(b)は平面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置に用いられる基板保持手段の構造の第1の具体例を示す模式図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置に用いられる基板保持手段の構造の第1の具体例を示す断面図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置に用いられる基板保持手段の構造の第2の具体例を示す模式図である。図6は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成部材である非接地電極と接地電極に電力が供給された際に発生する電気力線を示す模式図である。なお、非接地電極と接地電極に供給される電力は高周波であるので、時間的に変動するが、ここに示される電気力線はある瞬間の状態を示している。図7は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いて製膜された基板の表面の膜(a)と裏面の膜(b)の説明図である。
図1及び図2において、符号1は反応容器である。反応容器1は、気密性を有し、後述の図示しない第1及び第2の真空ポンプ9a、9bで排気することにより、真空到達度は2.66〜3.99x10−5Pa(2〜3x10−7Torr)程度になる。また、反応容器1の内壁は不純物の付着が無く、プラズマCVDに適用可能な仕様を満たしている。符号2は非接地電極である。非接地電極2は、後述の第1の原料ガス噴出孔6a、後述の第1の排気孔4a及び後述の図示しない第1の基板加熱ヒータ19aを備えている。
符号3は接地電極である。接地電極3は接地されている。また、接地電極3は後述の第2の原料ガス噴出孔6b、後述の第2の排気孔4b及び後述の図示しない第2の基板加熱ヒータ19bを備えている。
符号4aは、非接地電極2に備えられた第1の排気孔である。第1の排気孔4aは後述の図示しない第1の真空ポンプ9a及び図示しない第1の圧力計18aと連携して、反応容器1の内部の圧力を所定の値に保持するように、排気する。なお、ここでは、原料ガス流量が100sccm〜1,500sccm程度であれば、圧力1.33Pa〜1,300Pa(0.01Torr〜10Torr)程度の範囲で任意の圧力を制御可能である。 符号4bは、接地電極3に備えられた第2の排気孔である。第2の排気孔4bは後述の図示しない第2の真空ポンプ9b及び図示しない第2の圧力計18bと連携して、反応容器1の内部の圧力を所定の値に保持するように、排気する。なお、ここでは、原料ガス流量が100sccm〜1,500sccm程度であれば、圧力1.33Pa〜1,300Pa(0.01Torr〜10Torr)程度の範囲で任意の圧力を制御可能である。
ここでは、真空ポンプとして、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bの2台を用いているが、1台にしても良い。また、圧力計として、第1及び第2の圧力計18a、18bの2個を用いているが、1個にしても良い。
符号5aは第1の原料ガス供給管である。第1の原料ガス供給管5aは、図示しない第1の原料ガス供給源30aと後述の原料ガス噴出孔6aを連結する。符号5bは第2の原料ガス供給管である。第2の原料ガス供給管5bは、図示しない第2の原料ガス供給源30bと後述の原料ガス噴出孔6bを連結する。
符号6aは第1の原料ガス噴出孔である。第1の原料ガス噴出孔6aは、多数配置され、図示しない第1の原料ガス供給源30aから供給される原料ガスを反応容器1の内部に噴出する。符号6bは第2の原料ガス噴出孔である。第2の原料ガス噴出孔6bは、多数配置され、図示しない第2の原料ガス供給源30bから供給される原料ガスを反応容器1の内部に噴出する。
符号3は接地電極である。接地電極3は接地されている。また、接地電極3は後述の第2の原料ガス噴出孔6b、後述の第2の排気孔4b及び後述の図示しない第2の基板加熱ヒータ19bを備えている。
符号4aは、非接地電極2に備えられた第1の排気孔である。第1の排気孔4aは後述の図示しない第1の真空ポンプ9a及び図示しない第1の圧力計18aと連携して、反応容器1の内部の圧力を所定の値に保持するように、排気する。なお、ここでは、原料ガス流量が100sccm〜1,500sccm程度であれば、圧力1.33Pa〜1,300Pa(0.01Torr〜10Torr)程度の範囲で任意の圧力を制御可能である。 符号4bは、接地電極3に備えられた第2の排気孔である。第2の排気孔4bは後述の図示しない第2の真空ポンプ9b及び図示しない第2の圧力計18bと連携して、反応容器1の内部の圧力を所定の値に保持するように、排気する。なお、ここでは、原料ガス流量が100sccm〜1,500sccm程度であれば、圧力1.33Pa〜1,300Pa(0.01Torr〜10Torr)程度の範囲で任意の圧力を制御可能である。
ここでは、真空ポンプとして、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bの2台を用いているが、1台にしても良い。また、圧力計として、第1及び第2の圧力計18a、18bの2個を用いているが、1個にしても良い。
符号5aは第1の原料ガス供給管である。第1の原料ガス供給管5aは、図示しない第1の原料ガス供給源30aと後述の原料ガス噴出孔6aを連結する。符号5bは第2の原料ガス供給管である。第2の原料ガス供給管5bは、図示しない第2の原料ガス供給源30bと後述の原料ガス噴出孔6bを連結する。
符号6aは第1の原料ガス噴出孔である。第1の原料ガス噴出孔6aは、多数配置され、図示しない第1の原料ガス供給源30aから供給される原料ガスを反応容器1の内部に噴出する。符号6bは第2の原料ガス噴出孔である。第2の原料ガス噴出孔6bは、多数配置され、図示しない第2の原料ガス供給源30bから供給される原料ガスを反応容器1の内部に噴出する。
図1及び図2において、符号9aは図示しない第1の真空ポンプである。第1の真空ポンプ9aは後述の図示しない圧力計18aと連携して、反応容器1内部の非接地電極2近くの圧力を所定の値に維持するように、排気する。符号9bは図示しない第2の真空ポンプである。第2の真空ポンプ9bは後述の図示しない圧力計18bと連携して、反応容器1内部の接地電極3近くの圧力を所定の値に維持するように、排気する。
符号19aは図示しない基板加熱ヒータである。基板加熱ヒータ19aは非接地電極2の表面に取り付けられ、後述の基板の温度を所定の値に調整する。符号19bは図示しない基板加熱ヒータである。基板加熱ヒータ19bは接地電極3の表面に取り付けられ、後述の基板の温度を所定の値に調整する。
符号20aは第1の排気管である。第1の排気管20aは、図示しない第1の真空ポンプ9aと第1の排気孔4aを連結する。符号20bは第2の排気管である。第2の排気管20bは、図示しない第2の真空ポンプ9bと第1の排気孔4bを連結する。
符号25は絶縁材である。絶縁材25は非接地電極2を電気的に絶縁する。絶縁材25により、非接地電極25は非接地の状態に維持される。
符号30aは、図示しない第1の原料ガス供給源である。第1の原料ガス供給源30aは、プラズマCVDに必要なガスを必要な流量で供給できる。ここでは、SiH4、H2、NH3、N2を、それぞれ、100sccm〜1500sccmの範囲で、任意に供給できる。符号30bは、図示しない第2の原料ガス供給源である。第1の原料ガス供給源30bは、プラズマCVDに必要なガスを必要な流量で供給できる。ここでは、SiH4、H2、NH3、N2を、それぞれ、100sccm〜1500sccmの範囲で、任意に供給できる。
符号19aは図示しない基板加熱ヒータである。基板加熱ヒータ19aは非接地電極2の表面に取り付けられ、後述の基板の温度を所定の値に調整する。符号19bは図示しない基板加熱ヒータである。基板加熱ヒータ19bは接地電極3の表面に取り付けられ、後述の基板の温度を所定の値に調整する。
符号20aは第1の排気管である。第1の排気管20aは、図示しない第1の真空ポンプ9aと第1の排気孔4aを連結する。符号20bは第2の排気管である。第2の排気管20bは、図示しない第2の真空ポンプ9bと第1の排気孔4bを連結する。
符号25は絶縁材である。絶縁材25は非接地電極2を電気的に絶縁する。絶縁材25により、非接地電極25は非接地の状態に維持される。
符号30aは、図示しない第1の原料ガス供給源である。第1の原料ガス供給源30aは、プラズマCVDに必要なガスを必要な流量で供給できる。ここでは、SiH4、H2、NH3、N2を、それぞれ、100sccm〜1500sccmの範囲で、任意に供給できる。符号30bは、図示しない第2の原料ガス供給源である。第1の原料ガス供給源30bは、プラズマCVDに必要なガスを必要な流量で供給できる。ここでは、SiH4、H2、NH3、N2を、それぞれ、100sccm〜1500sccmの範囲で、任意に供給できる。
図1おいて、符号10は高周波電源である。高周波電源10は、VHF帯域(30MHz〜300MHz)の周波数の正弦波電力を出力0.1KW〜2KWの範囲で出力できる。なお、高周波電源10は、周波数を13.56MHzに変更可能である。符号11はインピーダンス整合器である。インピーダンス整合器11は、高周波電源10の出力を、後述の電力分配器12、同軸ケーブル13a、13b、真空用同軸型電流導入端子14a、14b、真空用同軸ケーブル15a、15b及び第1及び第2の導電体17a、17bを介して、非接地電極2及び接地電極3に供給する際に、進行波に対してその反射波が1〜2%以下になるように調整する。なお、インピーダンス整合器11に付属の調整器11aで自動的に調整することができる。
図1において、符号12は電力分配器である。電力分配器12は入力された電力を2以上に分配し、かつ、分配した電力の位相の調整ができる。ここでは、電力分配器12として2分配型を用い、2つの出力の電圧の位相差を180°に設定する。即ち、高周波電源10からインピーダンス整合器11を介して電力分配器12に供給された電力は2つに分配され、分配された電力の電圧の位相差は180°である。
電力分配器12の一方の出力端子は、後述の第1の同軸ケーブル13a、後述の第1の真空用同軸型電流導入端子14a、後述の第1の真空用同軸ケーブル15a、第1の導電体17aを介して、非接地電極2に接続される。
電力分配器12の他方の出力端子は、後述の第2の同軸ケーブル13b、後述の第2の真空用同軸型電流導入端子14b、後述の第2の真空用同軸ケーブル15b、第2の導電体15bを介して、接地電極3に接続される。
なお、電力分配器12の2つの出力端子から出力される電力の電圧の位相差を、180°に設定すると、同軸ケーブルを用いる高周波プラズマCVD装置において発生する高周波電力の漏洩電流の抑制という効果がある。その結果、反応容器1の内壁での局部放電が防止され、一対の電極2、3間でのプラズマの安定化が可能である。
また、電力分配器12に代えて、平衡不平衡変換器を用いても良い。平衡不平衡変換器の入力端子に、不平衡伝送路である同軸ケーブルを接続して電力を供給すると、その出力端子から、入力された電力を2分割して、出力される。その2つの電力の電圧の位相差は180°である。
電力分配器12の一方の出力端子は、後述の第1の同軸ケーブル13a、後述の第1の真空用同軸型電流導入端子14a、後述の第1の真空用同軸ケーブル15a、第1の導電体17aを介して、非接地電極2に接続される。
電力分配器12の他方の出力端子は、後述の第2の同軸ケーブル13b、後述の第2の真空用同軸型電流導入端子14b、後述の第2の真空用同軸ケーブル15b、第2の導電体15bを介して、接地電極3に接続される。
なお、電力分配器12の2つの出力端子から出力される電力の電圧の位相差を、180°に設定すると、同軸ケーブルを用いる高周波プラズマCVD装置において発生する高周波電力の漏洩電流の抑制という効果がある。その結果、反応容器1の内壁での局部放電が防止され、一対の電極2、3間でのプラズマの安定化が可能である。
また、電力分配器12に代えて、平衡不平衡変換器を用いても良い。平衡不平衡変換器の入力端子に、不平衡伝送路である同軸ケーブルを接続して電力を供給すると、その出力端子から、入力された電力を2分割して、出力される。その2つの電力の電圧の位相差は180°である。
図1において、符号13aは、第1の同軸ケーブルであり、電力分配器12から送信された電力を後述の第1の真空用同軸型電流導入端子14aに送電する。なお、第1の同軸ケーブル13aの長さは、後述の第2の同軸ケーブル13bの長さと略同じである。符号13bは、第2の同軸ケーブルであり、電力分配器12から送信された電力を後述の第2の真空用同軸型電流導入端子14bに送電する。
符号15aは、第1の真空用同軸型ケーブルである。第1の真空用同軸型ケーブル15aは、第1の真空用同軸型電流導入端子14bから供給された電力を第1の導電体17aを介して、後述の非接地電極2に設けられた第1の給電点16aに送電する。符号15bは第2の真空用同軸ケーブルである。第2の真空用同軸ケーブル15bは、第2の真空用同軸型電流導入端子14bから供給された電力を第2の導電体17bを介して、後述の接地電極3に設けられた第2の給電点16bに送電する。
符号17aは第1の導電体で、第1の真空用同軸ケーブル15aと後述の第1の給電点16aを接続する。符号17bは第2の導電体で、第2の真空用同軸ケーブル15bと後述の第2の給電点16bを接続する。
符号16aは第1の給電点である。第1の給電点16aは、非接地電極2の端部に設けられ、第1の導電体17aを介して、第1の真空用同軸ケーブル15aに接続されており、第1の真空用同軸型電流導入端子14a、第1の同軸ケーブル13a、電力分配器12、インピーダンス整合器11を介して高周波電源10に接続されている。
符号16bは第2の給電点である。第2の給電点16bは、接地電極3の端部に設けられ、第2の導電体17bを介して、第2の真空用同軸ケーブル15bに接続されており、第2の真空用同軸型電流導入端子14b、第2の同軸ケーブル13b、電力分配器12、インピーダンス整合器11を介して高周波電源10に接続されている。
なお、ここで、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14bにそれぞれに接続される第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bと第1及び第2の導電体17a、17bを纏めて、真空用電力伝送体と呼ぶ。
符号15aは、第1の真空用同軸型ケーブルである。第1の真空用同軸型ケーブル15aは、第1の真空用同軸型電流導入端子14bから供給された電力を第1の導電体17aを介して、後述の非接地電極2に設けられた第1の給電点16aに送電する。符号15bは第2の真空用同軸ケーブルである。第2の真空用同軸ケーブル15bは、第2の真空用同軸型電流導入端子14bから供給された電力を第2の導電体17bを介して、後述の接地電極3に設けられた第2の給電点16bに送電する。
符号17aは第1の導電体で、第1の真空用同軸ケーブル15aと後述の第1の給電点16aを接続する。符号17bは第2の導電体で、第2の真空用同軸ケーブル15bと後述の第2の給電点16bを接続する。
符号16aは第1の給電点である。第1の給電点16aは、非接地電極2の端部に設けられ、第1の導電体17aを介して、第1の真空用同軸ケーブル15aに接続されており、第1の真空用同軸型電流導入端子14a、第1の同軸ケーブル13a、電力分配器12、インピーダンス整合器11を介して高周波電源10に接続されている。
符号16bは第2の給電点である。第2の給電点16bは、接地電極3の端部に設けられ、第2の導電体17bを介して、第2の真空用同軸ケーブル15bに接続されており、第2の真空用同軸型電流導入端子14b、第2の同軸ケーブル13b、電力分配器12、インピーダンス整合器11を介して高周波電源10に接続されている。
なお、ここで、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14bにそれぞれに接続される第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bと第1及び第2の導電体17a、17bを纏めて、真空用電力伝送体と呼ぶ。
図1、図3及び図4において、符号8は基板保持手段である。基板保持手段8には、被製膜基板22が載置される。基板保持手段8は、略平板形の誘電体で構成される。前記誘電体は、例えば、石英ガラス、セラミックス、高純度アルミナ、高純度窒化珪素、シリコン、炭化ケイ素等であればよい。ここでは、例えば、石英ガラスを用いる。
基板保持手段8の構造は、例えば、図3に示すように、被製膜基板22と略一致した形状の貫通孔26を有し、その開口の周辺にコーナー部座繰り27が設けられる。なお、コーナー部座繰り27は、被製膜基板22の設定に便利であるが、設けなくても良い。また、前記貫通孔26の形状は、プラズマに曝さないように遮蔽マスクを設ける際に、前記遮蔽マスクの設定に都合の良い形状にしても良い。
また、基板保持手段8の構造を、例えば、図5に示すように、貫通孔26の形状を長方形とし、その短辺を被製膜基板22の一方の辺の長さと略一致させ、その長辺を前記被製膜基板22の他方の辺の長さの複数倍に略一致させたもの、でもよい。なお、前記長辺に座繰り27aを設けてもよい。
符号7は、基板保持手段を保持する基板棚である。基板棚7は、反応容器1の内壁に固定され、基板保持手段8を保持する。基板棚7は、基板保持手段8に載置された被製膜基板22が前記非接地電極2と接地電極3の略中間領域に位置するように、配置される。
また、基板保持手段8の構造を、例えば、図5に示すように、貫通孔26の形状を長方形とし、その短辺を被製膜基板22の一方の辺の長さと略一致させ、その長辺を前記被製膜基板22の他方の辺の長さの複数倍に略一致させたもの、でもよい。なお、前記長辺に座繰り27aを設けてもよい。
符号7は、基板保持手段を保持する基板棚である。基板棚7は、反応容器1の内壁に固定され、基板保持手段8を保持する。基板棚7は、基板保持手段8に載置された被製膜基板22が前記非接地電極2と接地電極3の略中間領域に位置するように、配置される。
被製膜基板22を反応容器1の中に搬入、あるいは搬出する際には、図示しない基板搬入搬出扉を開閉して行う、基板の温度調整は、図示しない第1及び第2の基板加熱ヒータ19a、19bを用いる。
製膜が終了して、反応容器1から基板を搬出する際には、反応容器1の外壁に付属している図示しないリーク弁を開にして、反応容器1内の圧力を大気圧に戻す。
製膜が終了して、反応容器1から基板を搬出する際には、反応容器1の外壁に付属している図示しないリーク弁を開にして、反応容器1内の圧力を大気圧に戻す。
次に、図1〜図5に示したプラズマCVD装置を用いて、結晶系太陽電池のパッシベーション膜であるi型アモルファスシリコン膜を例に取り、その製膜方法について説明する。
なお、電極サイズ、電極間隔、電力供給手段の条件、即ち、高周波電源10の周波数、その出力、非接地電極と接地電極のサイズ及び電極間隔等の電力供給手段の条件と、原料ガスの条件と、i型アモルファスシリコン膜の製膜速度、膜質、膜厚分布との関係を、予め、把握して、そのデータから最適な条件を選定するのが好ましい。
ここでは、例えば、電極サイズを50cmx60cm、電極間隔を4cm、高周波電源10の周波数を60MHzとして、後述するように、出力600Wを供給する。電力密度は0.2W/cm2である。
なお、電極サイズ、電極間隔、電力供給手段の条件、即ち、高周波電源10の周波数、その出力、非接地電極と接地電極のサイズ及び電極間隔等の電力供給手段の条件と、原料ガスの条件と、i型アモルファスシリコン膜の製膜速度、膜質、膜厚分布との関係を、予め、把握して、そのデータから最適な条件を選定するのが好ましい。
ここでは、例えば、電極サイズを50cmx60cm、電極間隔を4cm、高周波電源10の周波数を60MHzとして、後述するように、出力600Wを供給する。電力密度は0.2W/cm2である。
先ず、基板保持手段8、例えば、図3及び図4に示す構造を有する基板保持手段8に被製膜基板22を載置する。被製膜基板22が載置された基板保持手段8を、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、反応容器1内に有る基板棚7に設置する。そして、図示しない基板搬入搬出扉を閉める。
次に、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bを稼働して、反応容器1の内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。次に、公知のプラズマCVD法によるi型アモルファスシリコン膜の形成の手順に従って製膜を行う。
ここでは、例えば、水素希釈率50%で、シランガスと水素の混合ガスの流量を300sccm、圧力を26.6Pa(0.2Torr)とする。この条件で、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bから、シランガスと水素の混合ガスを、所定の流量で反応容器1の内部に供給する。供給されたシランガスと水素の混合ガスは、第1及び第2の原料ガス噴出孔6a、6bから噴出する。
次に、被製膜基板22の温度が所定の温度に保持されていることを確認する。ここでは、例えば、180℃とする。
次に、反応容器1の内部の圧力が所定の条件で一定に維持されたことを確認して、所要の圧力に。ここでは、例えば、52.5Pa(0.4Torr)に設定し、一定に維持する。
次に電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給する。即ち、高周波電源10、インピーダンス整合器11、電力分配器12、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、第1及び第2の導電体17a、17bから成る電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力600Wを供給する。
次に、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bを稼働して、反応容器1の内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。次に、公知のプラズマCVD法によるi型アモルファスシリコン膜の形成の手順に従って製膜を行う。
ここでは、例えば、水素希釈率50%で、シランガスと水素の混合ガスの流量を300sccm、圧力を26.6Pa(0.2Torr)とする。この条件で、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bから、シランガスと水素の混合ガスを、所定の流量で反応容器1の内部に供給する。供給されたシランガスと水素の混合ガスは、第1及び第2の原料ガス噴出孔6a、6bから噴出する。
次に、被製膜基板22の温度が所定の温度に保持されていることを確認する。ここでは、例えば、180℃とする。
次に、反応容器1の内部の圧力が所定の条件で一定に維持されたことを確認して、所要の圧力に。ここでは、例えば、52.5Pa(0.4Torr)に設定し、一定に維持する。
次に電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給する。即ち、高周波電源10、インピーダンス整合器11、電力分配器12、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、第1及び第2の導電体17a、17bから成る電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力600Wを供給する。
電力供給手段から非接地電極2と接地電極3に高周波電力が供給されると、一対の電極間に電界が発生し、プラズマが発生する。本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いる場合、一対の電極間の電界分布は一様になる。その様子を模式的に図6に示す。図6の矢印は電気力線を示す。一対の電極間に誘電体を入れると、前記一対の電極間の静電容量は誘電体無しの場合より大きくなるが、誘電体が板ガラスであれば、高周波プラズマの発生という観点からは問題はない。なお、シリコン系薄膜太陽電池製造におけるVHFプラズマCVDによるアモルファスシリコン系膜の形成において、一対の平行平板電極の間に、厚み約5mmのガラス基板を設置して一様なプラズマを生成し、一様な厚みの膜が形成される。
図6に示す一対の電極の場合、一対の電極2、3間に、被製膜基板22が載置された誘電体製の基板支持手段8が挿入されているが、被製膜基板22がシリコンであることと、被製膜基板22が載置された状態での誘電体製の基板支持手段8の断面形状が略平板形である。したがって、被製膜基板22が載置された状態での誘電体製の基板支持手段8が、電気力線を大幅に曲げたり、電気力線の本数に変化を与えたりしない。その結果、非接地電極2と接地電極3間の電界はほぼ一様であり、一様なプラズマが生成される。
プラズマが発生すると、原料ガスが分解されて、主として、SiH3ラジカルが基板に堆積する。その結果、被製膜基板22には一様な厚み分布を有するi型アモルファスシリコン膜が形成される。
次に、上記製膜において所定の時間が、経過したら、高周波電源10の出力を落としてゼロにする。そして、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bのバルブを閉にして原料ガスの供給をストップする。
その後、一旦、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。そして、図示しないリークバルブを開いて、反応容器1の内部に大気をいれる。反応容器1内部が大気圧になったら、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、被製膜基板22が載置された基板保持手段8を取り出す。
図6に示す一対の電極の場合、一対の電極2、3間に、被製膜基板22が載置された誘電体製の基板支持手段8が挿入されているが、被製膜基板22がシリコンであることと、被製膜基板22が載置された状態での誘電体製の基板支持手段8の断面形状が略平板形である。したがって、被製膜基板22が載置された状態での誘電体製の基板支持手段8が、電気力線を大幅に曲げたり、電気力線の本数に変化を与えたりしない。その結果、非接地電極2と接地電極3間の電界はほぼ一様であり、一様なプラズマが生成される。
プラズマが発生すると、原料ガスが分解されて、主として、SiH3ラジカルが基板に堆積する。その結果、被製膜基板22には一様な厚み分布を有するi型アモルファスシリコン膜が形成される。
次に、上記製膜において所定の時間が、経過したら、高周波電源10の出力を落としてゼロにする。そして、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bのバルブを閉にして原料ガスの供給をストップする。
その後、一旦、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。そして、図示しないリークバルブを開いて、反応容器1の内部に大気をいれる。反応容器1内部が大気圧になったら、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、被製膜基板22が載置された基板保持手段8を取り出す。
取り出された被製膜基板22を見ると、その基板の非接地電極2側の面には、図7(a)の22−aのように、基板22の全面にi型アモルファスシリコン膜が形成されている。他方、被製膜基板22の接地電極3側の面には、図7(b)の22−bのように、コーナー部座繰り27で遮蔽された部分を除き、基板全面にi型アモルファスシリコン膜が形成されている。
なお、コーナー座繰り部27部に接した部分にi型アモルファスシリコン膜が形成されていないのは、コーナー座繰り27による遮蔽効果によるものである。また、太陽電池のフィンガー電極模様の製膜を行う際には、予め、その模様の遮蔽マスクを用意し、そのマスクで被製膜基板を覆った状態で、上述の手順でプラズマを生成させればよい。
なお、コーナー座繰り部27部に接した部分にi型アモルファスシリコン膜が形成されていないのは、コーナー座繰り27による遮蔽効果によるものである。また、太陽電池のフィンガー電極模様の製膜を行う際には、予め、その模様の遮蔽マスクを用意し、そのマスクで被製膜基板を覆った状態で、上述の手順でプラズマを生成させればよい。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いると基板の両面に、同時に、プラズマCVDによる製膜が可能である。この基板両面に、同時に、プラズマCVDによる製膜が可能という機能は、太陽電池産業分野での製造コスト低減に多大の効果を発揮できる。
例えば、上記基板両面へのi型アモルファスシリコン膜の同時製膜方法を、図16に示されるヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の基板の表面と裏面へのi型アモルファスシリコン膜を形成する工程に応用すれば、従来の工程から1工程減らすことが可能というメリットが発生する。即ち、従来は、シリコン基板の表面にi型アモルファスシリコン膜を形成する工程と、その裏面にi型アモルファスシリコン膜を形成する工程の2工程が必要であるが、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いたプラズマCVD法によれば、1工程で製膜できる。これは、プラズマCVD装置の必要台数が1台減るということと、製膜工程に要する作業時間が約半分に減るという、意味を持つ。即ち、製造コストの低減に効果を奏する。
また、図15に示される多結晶系太陽電池の基板の表面と裏面に窒化シリコン膜(SiNx)を形成する工程に応用すれば、従来の工程から1工程減らすことが可能というメリットが発生する。即ち、従来は、シリコン基板の表面にSiNx膜を形成する工程と、その裏面にSiNx膜を形成する工程の2工程が必要であるが、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いたプラズマCVD法によれば、1工程で製膜できる。これは、プラズマCVD装置の必要台数が1台減るということと、製膜工程に要する作業時間が約半分に減るという、意味を持つ。即ち、製造コストの低減に効果を奏する。
例えば、上記基板両面へのi型アモルファスシリコン膜の同時製膜方法を、図16に示されるヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の基板の表面と裏面へのi型アモルファスシリコン膜を形成する工程に応用すれば、従来の工程から1工程減らすことが可能というメリットが発生する。即ち、従来は、シリコン基板の表面にi型アモルファスシリコン膜を形成する工程と、その裏面にi型アモルファスシリコン膜を形成する工程の2工程が必要であるが、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いたプラズマCVD法によれば、1工程で製膜できる。これは、プラズマCVD装置の必要台数が1台減るということと、製膜工程に要する作業時間が約半分に減るという、意味を持つ。即ち、製造コストの低減に効果を奏する。
また、図15に示される多結晶系太陽電池の基板の表面と裏面に窒化シリコン膜(SiNx)を形成する工程に応用すれば、従来の工程から1工程減らすことが可能というメリットが発生する。即ち、従来は、シリコン基板の表面にSiNx膜を形成する工程と、その裏面にSiNx膜を形成する工程の2工程が必要であるが、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いたプラズマCVD法によれば、1工程で製膜できる。これは、プラズマCVD装置の必要台数が1台減るということと、製膜工程に要する作業時間が約半分に減るという、意味を持つ。即ち、製造コストの低減に効果を奏する。
ところで、一般的に用いられているプラズマCVD装置において、電力供給手段の出力端子の伝送線路の形態は非平衡型であり、受電側の一対の電極側は平衡伝送線路型であるために、電力の受け渡しの領域で、電流漏洩という現象が発生する(グランドループによる電流漏洩とも呼ばれている)。この現象は同軸ケーブルを使う電力伝送回路の分野では、一般に、知られていることである。なお、この漏洩電流が発生すると、グランドループと呼ばれる電気回路が、電力供給手段を構成する装置間で形成する回路と、別に形成されるので、反応容器1の内壁が等電位でなく、そして接地条件が不安定になる。その結果、一対の電極以外の領域で局部放電が起こり、一対の電極間のプラズマも不安定になる。
本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置では、上述したように、この漏洩電流の発生を抑制するための一つの手段として、一対の電極に供給する電圧の位相差を180°に設定する方法が採用した。
上記本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置では、図1に示す電力供給手段の装置構成おいて、電力分配器12の2つの出力端子から出力される電力の電圧の位相差を180°に設定し、第1及び第2の給電点16a、16bに、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、第1及び第2の導電体17a、17bを介して電力を供給する。第1及び第2の給電点16a、16bに供給される電圧の位相差が180°であるので、平衡伝送回路と同じ電流の流れを実現できる、即ち、上記グランドループと呼ばれる電気回路の発生を抑制可能である。その結果、漏洩電流に起因する局部放電などはおこらない、という効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置では、上述したように、この漏洩電流の発生を抑制するための一つの手段として、一対の電極に供給する電圧の位相差を180°に設定する方法が採用した。
上記本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置では、図1に示す電力供給手段の装置構成おいて、電力分配器12の2つの出力端子から出力される電力の電圧の位相差を180°に設定し、第1及び第2の給電点16a、16bに、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、第1及び第2の導電体17a、17bを介して電力を供給する。第1及び第2の給電点16a、16bに供給される電圧の位相差が180°であるので、平衡伝送回路と同じ電流の流れを実現できる、即ち、上記グランドループと呼ばれる電気回路の発生を抑制可能である。その結果、漏洩電流に起因する局部放電などはおこらない、という効果を奏する。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について、図8を用いて説明する。なお、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法に関する説明に用いた図1ないし図7も参照する。
次に、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について、図8を用いて説明する。なお、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法に関する説明に用いた図1ないし図7も参照する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法に関わる説明図である。なお、図8は、基板保持手段8に被製膜基板が2枚重ねて載置されている状況を示している。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、図1に示す構造を有するプラズマCVD装置を用いた製膜方法を用いるが、第1の実施形態と異なる点は、基板保持手段8に被製膜基板を2枚重ねて載置することにある。
なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。また、以下に示す図面は、説明の便宜上、各部材の縮尺が、実際と異なる場合がある。また、各図面間においても、縮尺が、実際と異なる場合がある。
なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。また、以下に示す図面は、説明の便宜上、各部材の縮尺が、実際と異なる場合がある。また、各図面間においても、縮尺が、実際と異なる場合がある。
先ず、図8に示すように、基板保持手段8に、2枚の基板35、36を重ねて載置するが、ここでは、説明の便宜上、2枚の基板として、反射防止膜(SiNx)が一方の面に形成され、他方の面が被製膜面であるという、基板を用いる。
図8において、符号35は第1の反射防止膜付のシリコン基板である。第1の反射防止膜付のシリコン基板35は、その表面にi型アモルファスシリコン膜と窒化シリコン(SiNx)膜がこの順に形成されている。符号36は第2の反射防止膜付のシリコン基板である。第2の反射防止膜付のシリコン基板36は、その表面にi型アモルファスシリコン膜と窒化シリコン(SiNx)膜がこの順に形成されている。
なお、図16に示すヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の製造では、シリコン基板の一方の面にi型アモルファスシリコン膜と窒化シリコン(SiNx)膜がこの順に形成されている状態で、他方の面にi型アモルファスシリコン膜を形成する工程がある。
図8において、符号35は第1の反射防止膜付のシリコン基板である。第1の反射防止膜付のシリコン基板35は、その表面にi型アモルファスシリコン膜と窒化シリコン(SiNx)膜がこの順に形成されている。符号36は第2の反射防止膜付のシリコン基板である。第2の反射防止膜付のシリコン基板36は、その表面にi型アモルファスシリコン膜と窒化シリコン(SiNx)膜がこの順に形成されている。
なお、図16に示すヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の製造では、シリコン基板の一方の面にi型アモルファスシリコン膜と窒化シリコン(SiNx)膜がこの順に形成されている状態で、他方の面にi型アモルファスシリコン膜を形成する工程がある。
第1の反射防止膜付のシリコン基板35と第2の反射防止膜付のシリコン基板36を窒化シリコン(SiNx)膜が付いた面同士が接するように重ねる。そして、その2枚を図8に示すように、基板保持手段8に載置する。なお、図8には基板2枚x2セットを示しているが、一対の電極サイズニに対応して、セット数を増大してよい。
次に、被製膜基板35、36の2枚が重ねて載置された基板保持手段8を、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、反応容器1内に有る基板棚7に設置する。そして、図示しない基板搬入搬出扉を閉める。
次に、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bを稼働して、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。次に、公知のプラズマCVD法によるi型アモルファスシリコン膜の形成法を参考に、次の手順で製膜を行う。
ここでは、例えば、水素希釈率50%で、シランガスと水素の混合ガスの流量を300sccm、圧力を26.6Pa(0.2Torr)とする。この条件で、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bから、シランガスと水素の混合ガスを、所定の流量で反応容器1の内部に供給する。供給されたシランガスと水素の混合ガスは、第1及び第2の原料ガス噴出孔6a、6bから噴出する。
次に、被製膜基板35、36の温度が所定の温度に保持されていることを確認する。ここでは、例えば、180℃とする。
次に、反応容器1の内部の圧力が所定の条件で一定に維持されていることを確認して、ここでは、例えば、圧力26.6Pa(0.2Torr)に設定し、一定になるように制御する。
次に電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給する。即ち、高周波電源10、インピーダンス整合器11、電力分配器12、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、第1及び第2の導電体17a、17bから成る電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給する。
なお、電力供給手段の条件は、予め、次のように選定するのが好ましい。即ち、高周波電源10の周波数、その出力、非接地電極と接地電極のサイズ及び電極間隔等の電力供給手段の条件と、上記原料ガスの条件と、i型アモルファスシリコン膜の製膜速度、膜質、膜厚分布との関係を予め、把握して、そのデータから最適な条件を選定するのが好ましい。
ここでは、例えば、電極サイズを50cmx60cm、電極間隔を4cm、高周波電源10の周波数を60MHzとして、出力600Wを供給する。なお、電力密度は、0.2W/cm2である。
次に、被製膜基板35、36の2枚が重ねて載置された基板保持手段8を、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、反応容器1内に有る基板棚7に設置する。そして、図示しない基板搬入搬出扉を閉める。
次に、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bを稼働して、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。次に、公知のプラズマCVD法によるi型アモルファスシリコン膜の形成法を参考に、次の手順で製膜を行う。
ここでは、例えば、水素希釈率50%で、シランガスと水素の混合ガスの流量を300sccm、圧力を26.6Pa(0.2Torr)とする。この条件で、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bから、シランガスと水素の混合ガスを、所定の流量で反応容器1の内部に供給する。供給されたシランガスと水素の混合ガスは、第1及び第2の原料ガス噴出孔6a、6bから噴出する。
次に、被製膜基板35、36の温度が所定の温度に保持されていることを確認する。ここでは、例えば、180℃とする。
次に、反応容器1の内部の圧力が所定の条件で一定に維持されていることを確認して、ここでは、例えば、圧力26.6Pa(0.2Torr)に設定し、一定になるように制御する。
次に電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給する。即ち、高周波電源10、インピーダンス整合器11、電力分配器12、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、第1及び第2の導電体17a、17bから成る電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給する。
なお、電力供給手段の条件は、予め、次のように選定するのが好ましい。即ち、高周波電源10の周波数、その出力、非接地電極と接地電極のサイズ及び電極間隔等の電力供給手段の条件と、上記原料ガスの条件と、i型アモルファスシリコン膜の製膜速度、膜質、膜厚分布との関係を予め、把握して、そのデータから最適な条件を選定するのが好ましい。
ここでは、例えば、電極サイズを50cmx60cm、電極間隔を4cm、高周波電源10の周波数を60MHzとして、出力600Wを供給する。なお、電力密度は、0.2W/cm2である。
電力供給手段から非接地電極2と接地電極3に所定の高周波電力が供給されると、一対の電極間には電界が発生し、プラズマが発生する。プラズマが発生すると、原料ガスが分解されて、主として、SiH3ラジカルが基板に堆積する。その結果、被製膜基板35、36には一様な厚み分布を有するi型アモルファスシリコン膜が形成される。
次に、上記製膜条件での所定の製膜時間が経過したら、高周波電源10の出力を落としてゼロにする。そして、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bのバルブを閉にして原料ガスの供給をストップする。
その後、一旦、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。そして、図示しないリークバルブを開いて、反応容器1の内部に大気を入れる。反応容器1の内部が大気圧になったら、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、被製膜基板35、36が載置された基板保持手段8を取り出す。
次に、上記製膜条件での所定の製膜時間が経過したら、高周波電源10の出力を落としてゼロにする。そして、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bのバルブを閉にして原料ガスの供給をストップする。
その後、一旦、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。そして、図示しないリークバルブを開いて、反応容器1の内部に大気を入れる。反応容器1の内部が大気圧になったら、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、被製膜基板35、36が載置された基板保持手段8を取り出す。
取り出された被製膜基板35、36を見ると、基板35の製膜面には、図7(a)の22−aのように、基板全面にi型アモルファスシリコン膜が形成されている。他方、被製膜基板36の製膜面には、図7(b)の22−bのように、コーナー座繰り部27に接した部分を除いて、基板36の全面にi型アモルファスシリコン膜が形成されている。
なお、コーナー座繰り部27部に接した部分にi型アモルファスシリコン膜が形成されていないのは、コーナー座繰り27による遮蔽効果によるものである。また、太陽電池のフィンガー電極模様の製膜を行う際には、予め、その模様の遮蔽マスクを用意し、そのマスクで被製膜基板を覆って状態で、上述の要領でプラズマを生成させればよい。
なお、コーナー座繰り部27部に接した部分にi型アモルファスシリコン膜が形成されていないのは、コーナー座繰り27による遮蔽効果によるものである。また、太陽電池のフィンガー電極模様の製膜を行う際には、予め、その模様の遮蔽マスクを用意し、そのマスクで被製膜基板を覆って状態で、上述の要領でプラズマを生成させればよい。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いた製膜方法によれば、2枚重ね基板のそれぞれの一方の面に、同時に、いろいろの薄膜のプラズマCVDによる製膜が可能である。
この2枚重ね基板のそれぞれの一方の面に、同時に、プラズマCVDによる製膜が可能という機能は、ヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池産業分野での製造コスト低減に多大の効果を発揮できる。即ち。図16に示されるヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の基板の裏面へのi型アモルファスシリコン膜を形成する工程に応用すれば、基板の処理枚数を従来の2倍に増大することが可能というメリットが発生する。即ち、製造コストの低減という効果を奏する。また、従来の技術では、2台のプラズマCVD装置が必要であった製膜工程に、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置を利用すれば、1台の装置で対応できる。その結果、太陽電池製造ラインに導入するプラズマCVD装置の費用を削減可能という効果を奏する。
この2枚重ね基板のそれぞれの一方の面に、同時に、プラズマCVDによる製膜が可能という機能は、ヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池産業分野での製造コスト低減に多大の効果を発揮できる。即ち。図16に示されるヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の基板の裏面へのi型アモルファスシリコン膜を形成する工程に応用すれば、基板の処理枚数を従来の2倍に増大することが可能というメリットが発生する。即ち、製造コストの低減という効果を奏する。また、従来の技術では、2台のプラズマCVD装置が必要であった製膜工程に、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置を利用すれば、1台の装置で対応できる。その結果、太陽電池製造ラインに導入するプラズマCVD装置の費用を削減可能という効果を奏する。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について、図9及び図10を用いて説明する。なお、本発明の第1及び第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法に関する説明に用いた図1ないし図8も参照する。
図9は、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す模式的な装置構成図である。図10は、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置におけるプラズマ発光の強さの分布を示す模式図である。
次に、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について、図9及び図10を用いて説明する。なお、本発明の第1及び第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法に関する説明に用いた図1ないし図8も参照する。
図9は、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す模式的な装置構成図である。図10は、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置におけるプラズマ発光の強さの分布を示す模式図である。
先ず、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成について、説明する。 なお、電極サイズ及び電極間隔について、特に制約はなく任意に選べるが、ここでは、例えば、電極サイズを50cmx60cm、電極間隔を4cmとする。
図9において、符号37は短絡用導電体である。短絡用導電体37は、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13bのそれぞれの端部の外皮導体同士を電気的に短絡する。符号38は、磁性体である。磁性体38は、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bの外皮導体同士を電気的に短絡する。なお、ここでは、磁性性として、鉄を使う。ニッケルでもよい。
短絡用導電体37は、第1の同軸ケーブル13aの外皮導体と、第1の真空用同軸型電流導入端子14aの外皮導体と、第1の真空用同軸ケーブル15aの外皮導体と、磁性体38と、第2の真空用同軸ケーブル15bの外皮導体と、第2の真空用同軸型電流導入端子14bの外皮導体と、第2の同軸ケーブル13bの外皮導体とを組み合わせて、電気的に導通した環状の閉ループを形成する。この閉ループにより、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14bの真空側端部近傍及び第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bで発生する漏洩電流による局部放電が抑制される。
また、磁性体38は第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bから漏れる磁場を閉じ込めるので、漏洩磁場による局部放電が抑制される。
なお、ここで、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14bにそれぞれに接続される第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bと第1及び第2の導電体17a、17bを纏めて、真空用電力伝送体と呼ぶ。
図9において、符号37は短絡用導電体である。短絡用導電体37は、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13bのそれぞれの端部の外皮導体同士を電気的に短絡する。符号38は、磁性体である。磁性体38は、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bの外皮導体同士を電気的に短絡する。なお、ここでは、磁性性として、鉄を使う。ニッケルでもよい。
短絡用導電体37は、第1の同軸ケーブル13aの外皮導体と、第1の真空用同軸型電流導入端子14aの外皮導体と、第1の真空用同軸ケーブル15aの外皮導体と、磁性体38と、第2の真空用同軸ケーブル15bの外皮導体と、第2の真空用同軸型電流導入端子14bの外皮導体と、第2の同軸ケーブル13bの外皮導体とを組み合わせて、電気的に導通した環状の閉ループを形成する。この閉ループにより、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14bの真空側端部近傍及び第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bで発生する漏洩電流による局部放電が抑制される。
また、磁性体38は第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bから漏れる磁場を閉じ込めるので、漏洩磁場による局部放電が抑制される。
なお、ここで、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14bにそれぞれに接続される第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15bと第1及び第2の導電体17a、17bを纏めて、真空用電力伝送体と呼ぶ。
符号40は位相調整器である。位相調整器40は、後述の第3及び第4の同軸ケーブル41a、41b、第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子42a、42b、第3及び第4の真空用同軸ケーブル43a、43b、第3及び第4の導電体44a、44b、及び第1及び第2の接続点45a、45bと組み合わせて用いることにより、第1及び第2の給電点から伝搬してくる電力波の非接地電極2及び接地電極3の端部における反射波の位相を調整する機能を有する。
即ち、第1及び第2の給電点からそれぞれ第1及び第2の接続点の方向へ伝搬して来る電力波の非接地電極2の端部及び接地電極3の端部での反射波の位相は、非接地電極2及び接地電極3の端部近傍のキャパシタンスの影響を受けるが、前記キャパシタンスと位相調整器40に内臓の可変キャパシタンス(容量可変型コンデンサー)を連動させ、前記可変キャパシタンスを調整することにより、前記反射波の位相を調整する。
符号42a、42bは、第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子である。符号41a、41bは第3及び第4の同軸ケーブルで、それぞれ、位相調整器40と第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子を接続する。符号43a、43bは、それぞれ、第3及び第4の真空用同軸ケーブルで、それぞれ、第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子と、後述の第3及び第4の導電体44a、44bを接続する。符号44a、44bはそれぞれ、第3及び第4の導電体である。第3の導電体は、第3の真空用同軸型電流導入端子と第1の接続点を接続する。第4の導電体は、第4の真空用同軸型電流導入端子と第2の接続点を接続する。
符号45aは第1の接続点である。第1の接続点45aは、第1の給電点に対向した非接地電極2の端部に配置される。符号45bは第2の接続点である。第1の接続点45bは、第2の給電点に対向した接地電極2の端部に配置される。第1の接続点45a及び第2の接続点45bは、前記位相調整器40による前記反射波の位相調整に用いられる。
即ち、第1及び第2の給電点からそれぞれ第1及び第2の接続点の方向へ伝搬して来る電力波の非接地電極2の端部及び接地電極3の端部での反射波の位相は、非接地電極2及び接地電極3の端部近傍のキャパシタンスの影響を受けるが、前記キャパシタンスと位相調整器40に内臓の可変キャパシタンス(容量可変型コンデンサー)を連動させ、前記可変キャパシタンスを調整することにより、前記反射波の位相を調整する。
符号42a、42bは、第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子である。符号41a、41bは第3及び第4の同軸ケーブルで、それぞれ、位相調整器40と第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子を接続する。符号43a、43bは、それぞれ、第3及び第4の真空用同軸ケーブルで、それぞれ、第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子と、後述の第3及び第4の導電体44a、44bを接続する。符号44a、44bはそれぞれ、第3及び第4の導電体である。第3の導電体は、第3の真空用同軸型電流導入端子と第1の接続点を接続する。第4の導電体は、第4の真空用同軸型電流導入端子と第2の接続点を接続する。
符号45aは第1の接続点である。第1の接続点45aは、第1の給電点に対向した非接地電極2の端部に配置される。符号45bは第2の接続点である。第1の接続点45bは、第2の給電点に対向した接地電極2の端部に配置される。第1の接続点45a及び第2の接続点45bは、前記位相調整器40による前記反射波の位相調整に用いられる。
次に、図16に示すヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の製造において、シリコン基板の表面及び裏面に形成するパッシベーション膜であるi型アモルファスシリコン膜の製膜工程を、例として、その製膜方法について説明する。
先ず、基板保持手段8、例えば、図3及び図4に示す構造を有する基板保持手段8に被製膜基板22を載置する。被製膜基板22が載置された基板保持手段8を、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、反応容器1内に有る基板棚7に設置する。そして、図示しない基板搬入搬出扉を閉める。
次に、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bを稼働して、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。
次に、予め、図9に示すプラズマCVD装置において、一様な強さのプラズマを生成するための準備を行う。なお、この準備は、以下に示す製膜条件を変更しない限り、一度行うだけでよい。
この準備において、高周波電源10、インピーダンス整合器11、電力分配器12、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、導電体37、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、磁性体38、第1及び第2の導電体17a、17bから成る電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給しつつ、位相調整器40、第3及び第4の同軸ケーブル41a、41b、第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子42a、42b、第3及び第4の真空用同軸ケーブル43a、43b、第3及び第4の導電体44a、44b、第1及び第2の接続点45a、45bからなる電力反射波調整器の調整を行う。
次に、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bを稼働して、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。
次に、予め、図9に示すプラズマCVD装置において、一様な強さのプラズマを生成するための準備を行う。なお、この準備は、以下に示す製膜条件を変更しない限り、一度行うだけでよい。
この準備において、高周波電源10、インピーダンス整合器11、電力分配器12、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、導電体37、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、磁性体38、第1及び第2の導電体17a、17bから成る電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給しつつ、位相調整器40、第3及び第4の同軸ケーブル41a、41b、第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子42a、42b、第3及び第4の真空用同軸ケーブル43a、43b、第3及び第4の導電体44a、44b、第1及び第2の接続点45a、45bからなる電力反射波調整器の調整を行う。
製膜条件は、公知の知見を参考する。ここでは、例えば、水素希釈率50%で、シランガスと水素の混合ガスの流量を300sccm、圧力を26.6Pa(0.2Torr)とする。この条件で、第1及び第2の原料ガス源30a、30bから、シランガスと水素の混合ガスを、所定の流量で反応容器1の内部に供給する。供給されたシランガスと水素の混合ガスは、第1及び第2の原料ガス噴出孔6a、6bから噴出する。
次に、被製膜基板22の温度が所定の温度に維持されていることを確認する。ここでは、例えば、180℃とする。
次に、被製膜基板22の温度が所定の温度に維持されていることを確認する。ここでは、例えば、180℃とする。
次に、反応容器1の内部の圧力が所定の条件で一定に維持されたことを確認して、ここでは、例えば、圧力26.6Pa(0.2Torr)に設定し、一定に維持する。
次に、高周波電源10、インピーダンス整合器11、電力分配器12、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、導電体37、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、磁性体38、第1及び第2の導電体17a、17bから成る電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給する。なお、前記電力の第1の給電点16aにおける電圧と第2の給電点16bにおける電圧の位相差は、180°である。
次に、反応容器1に付属している図示しないプラズマ観測窓から、プラズマ発光の状況を観察する。観察の際に見えるプラズマ発光の分布I(x)は、一対の電極に供給される電力とその反射波との干渉により定在波が発生するので、その定在波に応じた形になる。プラズマ発光分布の大まかな形は、一般に、次式で表される。すなわち、給電点からの距離をx、使用電力の波長をλ(プラズマ中の波長で、真空中の波長より短い)として、
I(x)=cos2(2πx/λ+θ)
である。上式の位相θを、位相調整器40、第3及び第4の同軸ケーブル41a、41b、第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子42a、42b、第3及び第4の真空用同軸型ケーブル43a、43b、第3及び第4の導電体44a、44b、第1及び第2の接続点45a、45bからなる電力反射波調整器で反射波の位相を調整する。位相調整器40の可変キャパシタンス(容量可変型コンデンサー)を適度に調整すれば、プラズマ発光の一様な部分が一対の電極2、3の中央部に略一致するような状態が得られる。
上記プラズマ発光観察による反射波の位相調整の状況を、具体的に次に示す。プラズマ発光分布が、例えば、位相調整前に、図10に示すPXの状態であるものを、位相調整器40の可変キャパシタンスの調整により、左右に移動させることができる。ここでは、プラズマ発光の最大値が一対の電極の中央部に略一致するように位相調整器40の可変キャパシタンスを調整する。その結果、例えば、図9に示すPOのようなプラズマ発光状態が得られる。
次に、高周波電源10、インピーダンス整合器11、電力分配器12、第1及び第2の同軸ケーブル13a、13b、導電体37、第1及び第2の真空用同軸型電流導入端子14a、14b、第1及び第2の真空用同軸ケーブル15a、15b、磁性体38、第1及び第2の導電体17a、17bから成る電力供給手段から、第1及び第2の給電点16a、16bに電力を供給する。なお、前記電力の第1の給電点16aにおける電圧と第2の給電点16bにおける電圧の位相差は、180°である。
次に、反応容器1に付属している図示しないプラズマ観測窓から、プラズマ発光の状況を観察する。観察の際に見えるプラズマ発光の分布I(x)は、一対の電極に供給される電力とその反射波との干渉により定在波が発生するので、その定在波に応じた形になる。プラズマ発光分布の大まかな形は、一般に、次式で表される。すなわち、給電点からの距離をx、使用電力の波長をλ(プラズマ中の波長で、真空中の波長より短い)として、
I(x)=cos2(2πx/λ+θ)
である。上式の位相θを、位相調整器40、第3及び第4の同軸ケーブル41a、41b、第3及び第4の真空用同軸型電流導入端子42a、42b、第3及び第4の真空用同軸型ケーブル43a、43b、第3及び第4の導電体44a、44b、第1及び第2の接続点45a、45bからなる電力反射波調整器で反射波の位相を調整する。位相調整器40の可変キャパシタンス(容量可変型コンデンサー)を適度に調整すれば、プラズマ発光の一様な部分が一対の電極2、3の中央部に略一致するような状態が得られる。
上記プラズマ発光観察による反射波の位相調整の状況を、具体的に次に示す。プラズマ発光分布が、例えば、位相調整前に、図10に示すPXの状態であるものを、位相調整器40の可変キャパシタンスの調整により、左右に移動させることができる。ここでは、プラズマ発光の最大値が一対の電極の中央部に略一致するように位相調整器40の可変キャパシタンスを調整する。その結果、例えば、図9に示すPOのようなプラズマ発光状態が得られる。
なお、例えば、電源周波数が60MHz(真空中の波長λ=5.0m)であれば、プラズマ中の波長λは、波長短縮率λ/λ0=0.65程度の場合、約3.25mであるので、cos2(2πx/λ+θ)の平坦部をλ/8〜λ/6程度の範囲と見ると、ほぼ均一な強さのプラズマの領域は、直径40cmx40程度ないし50cmx50cm程度である。
ただし、上記のほぼ均一な強さのプラズマの領域は、直径40cmx40程度ないし50cmx50cm程度である、ということは、単なる具体例であって、電源周波数が60MHz(真空中の波長λ=5.0m)のプラズマの均一領域の制約を意味しない。それは、図9に示す構成を有するプラズマCVD装置を用いる場合であって、均一なプラズマの領域を拡大する手段はいくつかあることが知られている。
例えば、給電点の数を増やすだけで、容易に、均一なプラズマの領域を拡大することができる。また、給電電力の位相を変調するだけで、容易に、均一なプラズマの領域を拡大することができる。
例えば、給電点の数を増やすだけで、容易に、均一なプラズマの領域を拡大することができる。また、給電電力の位相を変調するだけで、容易に、均一なプラズマの領域を拡大することができる。
次に、高周波電源10の出力を落としてゼロにする。そして、第1及び第2の原料ガス源30a、30bのバルブを閉にして原料ガスの供給をストップする。
その後、一旦、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。そし、図示しないリークバルブを開いて、反応容器1内部に大気をいれる。反応容器1の内部が大気圧になったら、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、被製膜基板22が載置された基板保持手段8を取り出す。
その後、一旦、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。そし、図示しないリークバルブを開いて、反応容器1内部に大気をいれる。反応容器1の内部が大気圧になったら、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、被製膜基板22が載置された基板保持手段8を取り出す。
以上で、図8に示すプラズマCVD装置における一様な発光分布を有するプラズマ生成ための準備は終了である。即ち、位相調整器40を用いたプラズマ発光分布の一様性を確保できた。
次に、図9に示すプラズマCVD装置による製膜を行う。製膜条件は公知の知見を参考にする。
次に、図9に示すプラズマCVD装置による製膜を行う。製膜条件は公知の知見を参考にする。
先ず、シリコン基板22を図3及び図4に示すように、基板保持手段8に載置する。
次に、被製膜基板22が載置された基板保持手段8を、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、反応容器1内に有る基板棚7に設置する。そして、図示しない基板搬入搬出扉を閉める。
次に、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bを稼働して、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。次に、プラズマCVD法によるi型アモルファスシリコン膜の形成の手順に従って製膜を行う。
ここでは、例えば、水素希釈率50%で、シランガスと水素の混合ガスの流量を300sccm、圧力26.6Pa(0.2Torr)とする。この条件で、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bから、シランガスと水素の混合ガスを、所定の流量で反応容器1の内部に供給する。供給されたシランガスと水素の混合ガスは、第1及び第2の原料ガス噴出孔6a、6bから噴出する。
次に、被製膜基板22の温度が所定の温度に保持されていることを確認する。ここでは、例えば、180℃とする。
次に、反応容器1の内部の圧力が所定の条件で一定に維持されたことを確認する。ここでは、圧力26.6Pa(0.2Torr)一定になるように制御する。
次に、高周波電源10の周波数を60MHzとして、出力600Wを供給する。なお、電力密度は、0.2W/cm2である
電力供給手段から非接地電極2と接地電極3に所定の高周波電力が供給されると、一対の電極間に電界が発生し、プラズマが発生する。プラズマが発生すると、原料ガスが分解されて、主として、SiH3ラジカルが基板に堆積する。その結果、被製膜基板22に一様な厚みを有するi型アモルファスシリコン膜が形成される。
次に、上記製膜条件での所定の製膜時間が経過したら、高周波電源10の出力を落としてゼロにする。そして、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bのバルブを閉にして原料ガスの供給をストップする。
その後、一旦、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。そして、図示しないリークバルブを開いて、反応容器1の内部に大気をいれる。反応容器1の内部が大気圧になったら、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、被製膜基板22が載置された基板保持手段8を取り出す。
次に、被製膜基板22が載置された基板保持手段8を、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、反応容器1内に有る基板棚7に設置する。そして、図示しない基板搬入搬出扉を閉める。
次に、第1及び第2の真空ポンプ9a、9bを稼働して、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。次に、プラズマCVD法によるi型アモルファスシリコン膜の形成の手順に従って製膜を行う。
ここでは、例えば、水素希釈率50%で、シランガスと水素の混合ガスの流量を300sccm、圧力26.6Pa(0.2Torr)とする。この条件で、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bから、シランガスと水素の混合ガスを、所定の流量で反応容器1の内部に供給する。供給されたシランガスと水素の混合ガスは、第1及び第2の原料ガス噴出孔6a、6bから噴出する。
次に、被製膜基板22の温度が所定の温度に保持されていることを確認する。ここでは、例えば、180℃とする。
次に、反応容器1の内部の圧力が所定の条件で一定に維持されたことを確認する。ここでは、圧力26.6Pa(0.2Torr)一定になるように制御する。
次に、高周波電源10の周波数を60MHzとして、出力600Wを供給する。なお、電力密度は、0.2W/cm2である
電力供給手段から非接地電極2と接地電極3に所定の高周波電力が供給されると、一対の電極間に電界が発生し、プラズマが発生する。プラズマが発生すると、原料ガスが分解されて、主として、SiH3ラジカルが基板に堆積する。その結果、被製膜基板22に一様な厚みを有するi型アモルファスシリコン膜が形成される。
次に、上記製膜条件での所定の製膜時間が経過したら、高周波電源10の出力を落としてゼロにする。そして、第1及び第2の原料ガス供給源30a、30bのバルブを閉にして原料ガスの供給をストップする。
その後、一旦、反応容器1内部の圧力を真空到達度、例えば、2.66Pa(2x10−7Torr)程度まで下げる。そして、図示しないリークバルブを開いて、反応容器1の内部に大気をいれる。反応容器1の内部が大気圧になったら、図示しない基板搬入搬出扉を開けて、被製膜基板22が載置された基板保持手段8を取り出す。
取り出された被製膜基板22を見ると、その基板の非接地電極2側の面には、図7(a)の22−aのように、基板全面にi型アモルファスシリコン膜が形成されている。他方、被製膜基板22の接地電極3側の面には、図7(b)の22−bのように、コーナー座繰り部27に接した部分を除いて、基板22の全面にi型アモルファスシリコン膜が形成されている。
なお、コーナー座繰り部27部に接した部分にi型アモルファスシリコン膜が形成されていないのは、コーナー座繰り27による遮蔽効果によるものである。また、太陽電池のフィンガー電極模様の製膜を行う際には、予め、その模様の遮蔽マスクを用意し、そのマスクで被製膜基板を覆って状態で、上述の要領でプラズマを生成させればよい。
なお、コーナー座繰り部27部に接した部分にi型アモルファスシリコン膜が形成されていないのは、コーナー座繰り27による遮蔽効果によるものである。また、太陽電池のフィンガー電極模様の製膜を行う際には、予め、その模様の遮蔽マスクを用意し、そのマスクで被製膜基板を覆って状態で、上述の要領でプラズマを生成させればよい。
以上説明したように、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置を用いることにより、VHFプラズマの場合において、プラズマの強さがほぼ一様である領域を用いて製膜が可能となる。即ち、位相調整器40を用いて、プラズマの均一性を確保しているので、得られる薄膜の厚み分布の一様性が優れている。さらに、電源周波数をVHF帯域の60MHzにしているので、基板へのイオンダメージがRFプラズマCVDに比べて格段に抑制されるというメリットを有する。その結果、RFプラズマCVDに比べて、被製膜基板へのイオンダメージが抑制されることから、品質の高いパッシベーション膜が得られるという効果がある。
また、従来技術では困難視されている基板両面への、同時製膜が可能である従来の技術では、基板の表面と裏面にi型アモルファスシリコン膜を製膜する場合、薄膜の製膜工程が2回必要である。これに対して、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置及び方法を用いると、基板の両面の製膜が1工程で製膜が可能である。
この基板両面に、同時に、プラズマCVDによる製膜が可能という機能は、太陽電池産業分野において、製造コストの低減に多大の効果を奏する。
上記基板両面へのi型アモルファスシリコン膜の同時、製膜方法を、図16に示されるヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の基板の表面と裏面へのi型アモルファスシリコン膜形成の工程に応用すれば、工程数を1/2倍に減少させることが可能というメリットが発生する。即ち、生産性向上、あるいは生産コストの低減に貢献できるという効果がある。
また、従来技術では困難視されている基板両面への、同時製膜が可能である従来の技術では、基板の表面と裏面にi型アモルファスシリコン膜を製膜する場合、薄膜の製膜工程が2回必要である。これに対して、本発明の第3の実施形態に係わるプラズマCVD装置及び方法を用いると、基板の両面の製膜が1工程で製膜が可能である。
この基板両面に、同時に、プラズマCVDによる製膜が可能という機能は、太陽電池産業分野において、製造コストの低減に多大の効果を奏する。
上記基板両面へのi型アモルファスシリコン膜の同時、製膜方法を、図16に示されるヘテロ接合バックコンタクト型構造の太陽電池の基板の表面と裏面へのi型アモルファスシリコン膜形成の工程に応用すれば、工程数を1/2倍に減少させることが可能というメリットが発生する。即ち、生産性向上、あるいは生産コストの低減に貢献できるという効果がある。
1・・・反応容器、
2・・・非接地電極、
3・・・接地電極、
4a・・・第1の排気孔、
4b・・・第2の排気孔、
5a・・・第1の原料ガス供給管、
5b・・・第2の原料ガス供給管、
6a・・・第1の原料ガス噴出孔、
6b・・・第2の原料ガス噴出孔、
7・・・基板保持手段を保持する基板棚、
8・・・基板保持手段、
10・・・高周波電源、
11・・・インピーダンス整合器、
12・・・電力分配器、平衡非平衡変換器、
13a、13b・・・同軸ケーブル、
14a、14b・・・真空用同軸型電流導入端子、
15a、15b・・・真空用同軸ケーブル、
16a・・・第1の給電点、
16b・・・第2の給電点、
17a、17b・・・導電体、
20a、20b・・・排気管、
22、35、36・・・被製膜基板、
26・・・貫通孔、
27・・・コーナー部座繰り、
22−a、22−b・・・i型アモルファスシリコン膜、
37・・・導電体、
38・・・磁性体、
40・・・位相調整器、
41a、41b・・・同軸ケーブル、
42a、42b・・・真空用同軸型電流導入端子、
43a、43b・・・真空用同軸ケーブル、
44a、44b・・・導電体、
45a・・・第1の接続点、
45b・・・第2の接続点。
2・・・非接地電極、
3・・・接地電極、
4a・・・第1の排気孔、
4b・・・第2の排気孔、
5a・・・第1の原料ガス供給管、
5b・・・第2の原料ガス供給管、
6a・・・第1の原料ガス噴出孔、
6b・・・第2の原料ガス噴出孔、
7・・・基板保持手段を保持する基板棚、
8・・・基板保持手段、
10・・・高周波電源、
11・・・インピーダンス整合器、
12・・・電力分配器、平衡非平衡変換器、
13a、13b・・・同軸ケーブル、
14a、14b・・・真空用同軸型電流導入端子、
15a、15b・・・真空用同軸ケーブル、
16a・・・第1の給電点、
16b・・・第2の給電点、
17a、17b・・・導電体、
20a、20b・・・排気管、
22、35、36・・・被製膜基板、
26・・・貫通孔、
27・・・コーナー部座繰り、
22−a、22−b・・・i型アモルファスシリコン膜、
37・・・導電体、
38・・・磁性体、
40・・・位相調整器、
41a、41b・・・同軸ケーブル、
42a、42b・・・真空用同軸型電流導入端子、
43a、43b・・・真空用同軸ケーブル、
44a、44b・・・導電体、
45a・・・第1の接続点、
45b・・・第2の接続点。
Claims (10)
- 排気系を備えた反応容器と、前記反応容器に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、互いに対向して設置された非接地電極と接地電極から成る少なくとも一対の電極と、前記一対の電極に高周波電力を供給し前記一対の電極間に高周波プラズマを発生させる電力供給手段と、被製膜基板が載置される基板保持手段とを有し、前記非接地電極と前記接地電極は、それぞれ原料ガスを噴出する複数の原料ガス噴出孔を備え、前記基板保持手段は、誘電体で構成され、前記被製膜基板と略一致した形状を有する貫通孔を少なくとも1以上有するとともに、前記一対の電極の略中間に配置されることを特徴とするプラズマCVD装置。
- 前記基板保持手段は、略平板形の誘電体で構成されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD装置。
- 前記貫通孔の開口の周辺に、前記被製膜基板を保持するための基板保持部が設けられることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載のプラズマCVD装置。
- 前記非接地電極に前記電力供給手段から電力を供給するための少なくとも1以上の第1の給電点を設け、前記接地電極に前記電力供給手段から電力を供給するための少なくとも1以上の第2の給電点を設け、前記電力供給手段から前記第1の給電点と前記第2の給電点に供給される電力の電圧の位相差が180°であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプラズマCVD装置。
- 前記電力供給手段は、高周波電源、インピーダンス整合器、平衡不平衡変換器、第1及び第2の同軸ケーブル、第1及び第2の真空用電流導入端子、第1及び第2の真空用同軸ケーブル及び第1及び第2の導電体で構成され、前記平衡不平衡変換器の一方の出力端子は、第1の同軸ケーブル、第1の真空用電流導入端子、第1の真空用同軸ケーブル及び第1の導電体を介して第1の給電点に接続され、他方の出力端子は、第2の同軸ケーブル、第2の真空用電流導入端子、第2の真空用同軸ケーブル及び第2の導電体を介して第2の給電点に接続されるとともに、前記第1及び第2の真空用同軸ケーブルの外皮導体同士が少なくともそれぞれの両端部で短絡されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマCVD装置。
- 前記高周波電源の出力の周波数は、30MHz〜300MHzの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載のプラズマCVD装置。
- 前記第1及び第2の真空用同軸ケーブルの外皮導体を磁性体で覆い、かつ、電気的に短絡させるようにしたことを特徴とする請求項5あるいは請求項6に記載のプラズマCVD装置。
- 前記非接地電極の前記第1の給電点に対向する前記非接地電極の端部に、キャパシタンスを調整する位相調整器と電気的に接続するための少なくとも1以上の第1の接続点を設け、前記接地電極の第2の給電点に対向する前記接地電極の端部に、前記キャパシタンスを調整する位相調整器と電気的に接続するための少なくとも1以上の第2の接続点を設け、前記第1の接続点及び前記第2の接続点と前記位相調整器を導電体で接続し、前記位相調整器により前記電力供給手段から前記第1の給電点と前記第2の給電点に供給される電力の前記非接地電極の端部及び前記接地電極の端部における反射波の位相を調整するようにしたことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のプラズマCVD装置。
- 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のプラズマCVD装置によって形成される薄膜を含んでなることを特徴とする結晶シリコン系太陽電池。
- 排気系を備えた反応容器と、前記反応容器に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、互いに対向して設置された非接地電極と接地電極から成る少なくとも一対の電極と、前記一対の電極に高周波電力を供給し前記一対の電極間に高周波プラズマを発生させる電力供給手段と、被製膜基板が載置される基板保持手段とを備えたプラズマCVD装置を用いるプラズマCVD方法において、
前記被製膜基板と略一致した形状を有する貫通孔を少なくとも1以上有し、前記貫通孔の開口の周辺に、前記被製膜基板を保持するための基板保持部が設けられた誘電体製の基板保持手段を用意し、前記誘電体製の基板保持手段を前記非接地電極と前記接地電極の略中間領域に配置し、前記誘電体製の基板保持手段に被製膜基板を載置して、前記非接地電極に備えられた複数の原料ガス噴出孔と前記接地電極に備えられた複数の原料ガス噴出孔から原料ガスを噴出させて、所定の条件でプラズマを生成し、前記被製膜基板の両面に薄膜を堆積させるようにしたことを特徴とするプラズマCVD法。
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JP2017192680A JP2017226924A (ja) | 2017-10-02 | 2017-10-02 | プラズマcvd装置並びに結晶シリコン系太陽電池及びこれを作製するプラズマcvd法 |
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