JP2017226912A - 金属粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の表面形状を有する無機微粒子を提供する。【解決手段】酸および酸化剤を含む溶液と、原料金属粒子とを接触させることにより、原料金属粒子の表面を加工し、比表面積を増大させる。溶液中にはハロゲン化物イオンが含まれていてもよい。酸化剤としては、金属イオン、硝酸、および過酸化水素等が用いられる。酸としては、無機酸または有機酸が用いられる。金属粒子は、表面加工に伴って光反射率が小さくなってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、金属粒子の製造方法に関する。
金属粒子は、導電性材料、熱伝導性付与材、粉末冶金原料、成膜・接合原料、ショットピーニング用の投射材、触媒、着色材等、様々な分野で応用されている。これらの微粒子は、粉砕等の機械的手法、還元や電気分解等を利用した化学的方法、気体や液体等の高圧噴霧媒体の運動エネルギーにより溶湯金属を飛散させて液滴を凝固させる方法(アトマイズ法)により製造されている。
金属粒子の特性改善等を目的として、金属粒子の表面に凹凸を形成する方法や、粒子表面に別の粒子を付加する方法が提案されている。例えば特許文献1には、金属粒子を還元析出する際に2段階のプロセスを採用することにより、表面にコブ状の凹凸を有する銅粒子を製造する方法が記載されている。特許文献2には、水溶性銅化合物と還元剤とを含む溶液中に、銅の一次粒子を存在させることにより、銅粒子表面に水素化銅の二次粒子が付着した複合粒子を製造する方法が記載されている。
特開2007−169770号公報 特開2009−142435号公報
表面に凹凸形状が形成された微粒子や、表面に二次粒子が析出した複合粒子は、種々の機能発現が期待される。しかし、特許文献1や特許文献2の方法は、粒子の表面形状の制御が容易ではない。これらに鑑み、本発明は、様々な用途に使用可能な金属粒子、中でも光反射率が低減された金属粒子の製造方法の提供を目的とする。
本発明の金属粒子の製造方法では、表面加工用溶液と、原料金属粒子とを接触させることにより、原料金属粒子の表面が加工され比表面積が増大する。表面加工用溶液は、酸および酸化剤を含む。表面加工用溶液中にはハロゲン化物イオンが含まれていてもよい。
酸化剤としては、金属イオン、硝酸、および過酸化水素等が用いられる。酸としては、無機酸または有機酸が用いられる。
本発明によれば、簡便な方法により、種々の表面形状を有する金属微粒子を提供できる。表面形状の変化に伴って、金属粒子の光反射率を低減させることも可能である。
実施例1のガスアトマイズ銅粒子の処理前後の反射スペクトルである。 実施例1のガスアトマイズ銅粒子の処理前後の反射スペクトルである。 実施例2の水アトマイズ銅粒子の処理前後の反射スペクトルである。 実施例3の銀粒子の処理前後の反射スペクトルである。 実施例4の黄銅粒子の処理前後の反射スペクトルである。 実施例5の青銅粒子の処理前後の反射スペクトルである。 実施例6のSUS粒子の処理前後の反射スペクトルである。
本発明では、原料金属粒子を、所定の溶液と接触させることにより、表面に凹凸形状や析出二次粒子が形成された微粒子が得られる。
[原料金属粒子]
原料金属粒子の金属材料としては、金、銀、銅、鉄、亜鉛、錫、鉛、コバルト、ニッケル、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、ルテニウム、パラジウム、白金、アルミニウム、ガリウム、インジウム、アンチモン、ビスマスおよびこれらの合金等が挙げられる。
原料粒子の形状としては、球状、フレーク状、板状、針状、不定形等が挙げられる。原料粒子の平均粒径は、例えば0.1〜500μm程度である。粒径は、顕微鏡観察により測定できる。原料粒子の形成方法は特に限定されず、機械的手法、化学的手法、アトマイズ法等により形成された粒子を制限なく使用できる。
粒子の材料(元素組成)が同一であっても、造粒方法により粒子の形状や結晶性等が異なる。これに伴って、溶液との接触により粒子表面に形成される凹凸形状に差異が生じる場合がある。例えば、アトマイズ法では、溶湯の流れ方向に対する流体の流れ方向や流量等をコントロールすることにより、金属粒子中の結晶粒の大きさが変化する。原料粒子の結晶粒が小さいほど、溶液との接触により形成される凹凸形状が緻密になる傾向がある。
[表面加工用溶液]
上記の原料粒子を表面加工用溶液と接触させることにより、粒子表面への凹凸形状の形成や、二次粒子の析出を実現し、粒子の比表面積を増大できる。表面加工用溶液は、酸および酸化剤を含有する。
<酸化剤>
酸化剤は、金属を酸化して溶液中に溶解させる作用を有する。酸化剤としては、過酸化水素、硝酸、金属イオン等が挙げられる。硝酸は、酸化剤としての作用、および後述の酸としての作用の両方を有する成分として使用できる。
金属イオンは、原料粒子に対して酸化作用を有するものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、銅や銅合金に対しては、第二銅イオンや第二鉄イオン等を酸化剤として用いることができる。
酸化剤として第二銅イオンや第二鉄イオン等の金属イオンを含む溶液は、金属イオン源を配合することにより調製できる。第二銅イオン源としては、塩化第二銅、臭化第二銅等のハロゲン化銅;硫酸第二銅、硝酸第二銅等の無機酸塩;ギ酸第二銅、酢酸第二銅等の有機酸塩;水酸化第二銅;酸化第二銅等が挙げられる。第二鉄イオン源としては、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、水酸化第二鉄、硫酸鉄(III)アンモニウム、酸化第二鉄等が挙げられる。
表面加工用溶液中には、第二銅イオンおよび第二鉄イオン以外の金属イオンが含まれていてもよい。これらの金属イオンは、酸化剤として作用するものや、酸化剤の作用を促進する作用を有するもの等が含まれる。このような金属イオンとしては、錫イオン、コバルトイオン、マンガンイオン、バリウムイオン、セリウムイオン等が挙げられる。
表面加工用溶液中の酸化剤の濃度は、0.01〜10mol/Lが好ましく、0.05〜5mol/Lがより好ましい。
<酸>
酸成分は、粒子から溶出する金属を溶液に溶解させる作用を有する。酸成分としては、フッ化水素酸、塩化水素酸(塩酸)、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸や、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸;スルホン酸、カルボン酸等の有機酸が挙げられる。これらの中でも、粒子表面に凹凸形状が形成されやすいことからハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、およびカルボン酸が好ましい。
表面加工用溶液は酸を含むため、一般には酸性溶液であるが、上記の酸成分を含んでいれば、pHが7以上のアルカリ性溶液でもよい。例えば、塩基性のpH調整剤や、アミン等の塩基性化合物を添加剤として用いると、溶液がアルカリ性となる場合があるが、上記の酸成分を含んでいれば、アルカリ性溶液でも、酸化された金属成分(金属イオン)を溶液中に溶解させる作用を有する。
表面加工用溶液中の酸の濃度は、0.01〜10mol/Lが好ましく、0.05〜5mol/Lがより好ましい。金属イオンの溶解性を高めるために、表面加工用溶液のpHは7以下が好ましく、6以下がより好ましい。
<ハロゲン化物イオン>
ハロゲン化物イオンは、酸とともに金属の溶解を補助する作用を有する。また、表面加工用溶液中にハロゲン化物イオンが含まれることにより、金属の表面に、金属のハロゲン化物が二次粒子として析出する場合がある。ハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等を例示できる。ハロゲン化物イオン源としては、塩酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸;塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、塩化銅、臭化銅、塩化亜鉛、塩化鉄、臭化錫等の金属塩等が挙げられる。
<溶媒>
上記の各成分を溶媒に溶解することにより、表面加工用溶液が調製される。溶媒は、上記各成分を溶解可能であれば特に限定されず、水、エタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素等を用いることができる。水としては、イオン性物質や不純物を除去した水が好ましく、例えばイオン交換水、純水、超純水等が好ましく用いられる。
<他の成分>
表面加工用溶液中には、上記以外の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、エッチング剤に用いられる各種の添加剤が挙げられる。例えば、消泡剤としてのノニオン性界面活性剤や、金属の溶解安定性を向上させるためにピリジン等の錯化剤を添加してもよい。添加剤として、各種のアミン類、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアジン、テトラジン、ピペラジンおよびピリミジン等の含窒素環状化合物、あるいはこれらの誘導体等を用いてもよい。これらの添加剤の種類や濃度を調整することにより、様々な凹凸形状を粒子表面に形成できる。また、添加剤を含めることにより、粒子表面への二次粒子の析出が促進される場合がある。さらには、添加剤として各種の水溶性ポリマーを用いることにより、様々な凹凸形状を粒子表面に形成できる場合がある。水溶性ポリマーとしては、例えば、アミノ基や第四級アンモニウム基を有するポリマーが用いられる。表面加工用溶液中のこれらの添加剤の濃度は、0.0001〜20重量%程度である。
[表面加工]
上記の原料粒子と表面加工用溶液とを接触させると、粒子表面のエッチングや二次粒子の析出により、粒子の表面形状が変化する。原料粒子と表面加工用溶液との接触により、エッチングによる凹凸の形成と二次粒子の析出の両方が生じてもよい。
エッチングによる表面形状の変化は、具体的には表面への凹凸形状の形成である。金属粒子は、結晶粒の配列の異方性や、結晶粒と結晶粒界とのエッチング速度の相違等に起因して表面に凹凸形状が形成されやすい。後の実施例に示すように、原料粒子の種類や、表面加工用溶液の組成、処理条件等に応じて、様々な凹凸形状を粒子表面に形成できる。
粒子表面に析出する二次粒子の組成は、原料粒子の組成と同一でも異なっていてもよい。二次粒子の成分としては、原料粒子の金属ならびにその酸化物およびハロゲン化物等が挙げられる。表面加工用溶液中の成分や、表面加工用溶液中の成分と金属との化合物や錯体等が二次粒子として析出する場合もある。前述の様に、ハロゲン化物イオンを含む表面加工用溶液を用いた場合、粒子表面にハロゲン化物が二次粒子として析出しやすくなる。
原料粒子と表面加工用溶液との接触方法は特に限定されず、スプレー法等により粒子表面に溶液を接触させる方法や、溶液中に原料粒子を浸漬する方法等を採用できる。処理時の温度や処理時間(粒子と溶液との接触時間)も特に限定されず、粒子の種類、溶液の組成、目的とする表面形状等に応じて設定すればよい。
表面形状を適切に制御する観点から、処理後には粒子表面から溶液を除去することが好ましい。例えば、水洗により粒子表面から溶液を除去できる。
このように、本発明の方法によれば、原料粒子と溶液とを接触させるのみの簡便な工程で、種々の表面形状を有する金属微粒子が得られる。本発明の方法は、工程が簡便であり、特殊な装置を必要としないことから、小ロット生産等にもフレキシブルに対応できる。
上記により表面加工が行われた金属粒子は、比表面積の増大により、様々な効果や用途が期待される。例えば、溶射や積層造形における結着性の改善、異種材料への熱伝導性の付与、レーザー等からのエネルギーの吸収効率の改善、体積抵抗率の低減、ショットピーニング用の投射材として用いた場合の空気抵抗の低減、触媒機能の向上、凹凸表面への異種材料の吸着等が期待できる。表面積の増大に伴って、金属粒子の光反射率が小さくなる傾向があり、特に、原料金属粒子の表面に二次粒子が析出した場合にその傾向が強い。例えば、YAGレーザーやファイバーレーザーの発振波長である1064nm、YAG−SHGレーザーの発振波長である532nm、青色半導体レーザーの発振波長である455nm、YAG−THGレーザーの発振波長である355nm、YAG−FHGレーザーの発振波長である266nm等の光に対する反射率を、処理前の反射率の80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、または30%以下とすることも可能である。光反射率の小さい金属粒子は、レーザー等の光エネルギーを吸収しやすいため、レーザー積層造形用の金属粒子等への応用が期待される。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
吸引濾過器にセットした濾紙上に、粒径150μm以下に分級したガスアトマイズ銅粉(福田金属箔粉工業製 Cu−At−100)2.5gを載置した。その上から表1に示す温度に液温を調整した水溶液200mLを注ぎ、ガラス棒により撹拌した。表1に示す処理時間静置した後、吸引濾過により溶液を濾別し、イオン交換水により粒子表面を洗浄した。洗浄後の粒子の表面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。粒子の光反射率スペクトルを図1に示し、波長532nmおよび1064nm(それぞれ、YAG−SHGレーザーおよびファイバーレーザーの波長に対応)における反射率を表1に示す。
処理前の粒子は表面が平滑であったのに対して、酸および酸化剤を含む水溶液で処理を行うことにより、表面が加工され、比表面積が増大していた。硫酸と過酸化水素を含む水溶液を用いた実施例1Aでは、粒子の表面に隔壁状の凸部が形成されていた。硫酸および過酸化水素に加えて、添加剤としてテトラゾール化合物を含む水溶液を用いた実施例1Bでは、隔壁状の凸部に囲まれた凹部の表面に細かい凹凸形状が形成されていた。
実施例1Bと同一のテトラゾール化合物に加えてシクロヘキシルアミンを添加した実施例1C1では、隔壁状の凸部は形成されず、粒子表面にウロコ状の凹凸形状が形成されていた。処理時間を長くした実施例1C2では、凸部がコブ状に成長していた。
有機酸、第二銅イオン、塩化物イオンおよびアンモニムイオンを含む水溶液を用いた実施例1Dおよび1Eでは、表面に粒子状の凸部が形成されていた。実施例1Eの粒子表面の成分をエネルギー分散型X線分析(EDS)により分析したところ、銅に加えて塩素が検出された。これらの結果から、水溶液での処理により、銅粒子の表面に塩化銅の二次粒子が析出したことが分かる。
一方、ハロゲンを含まない溶液を用いた実施例1Fでは、実施例1Bと類似の表面凹凸が形成されていた。硝酸と過酸化水素を含む水溶液を用いた実施例1Gでは、実施例1Aと同様に、隔壁状の凸部が形成されていた。
酸化剤としての第二銅イオンおよび酸成分としての塩酸を含む水溶液を用いた実施例1Hおよび1Iでは、隔壁状の凸部に囲まれた凹部の表面に、粒径の小さい二次粒子の析出がみられた。EDS分析からこれらの二次粒子は、いずれも塩化銅であることが確認された。
酸化剤としての第二銅イオンおよび酸成分としての硫酸を含む水溶液を用いた実施例1Jでは、粒子表面に目立った凹凸は形成されていなかったが、粒径が50〜300nm程度の微小な二次粒子の析出がみられた。X線回折測定(XRD)から、二次粒子は亜酸化銅であることが確認された。
上記の実施例により得られた銅粒子は、いずれも処理前の銅粒子に比べて光反射率が小さくなっており、光吸収性が向上していることが確認された。
[実施例2]
平均粒径20μmの水アトマイズ銅粉(福田金属箔粉工業製 Cu−HWQ20μm)を用い、表2に示す溶液および処理条件で、実施例1と同様に処理を行い、洗浄後の粒子の表面形状をSEMにより観察した。粒子の光反射率スペクトルを図2に示し、波長532nmおよび1064nmにおける反射率を表2に示す。
実施例2Aでは、実施例1Aと同一組成の水溶液を用いたが、実施例1Aのような隔壁状の凸部は形成されず、微細な凹凸が形成されていた。実施例1Bと類似の組成の水溶液を用いた実施例2Bでは、粒子表面に山脈形状の鋭利な凸部が形成されていた。これらの結果から、粒子表面に形成される凹凸形状は、粒子の材料や溶液の組成だけでなく、加工前の粒子の性状等によって変化することが分かる。実施例2Aおよび実施例2Bにより得られた銅粒子は、いずれも処理前の銅粒子に比べて光反射率が小さくなっており、光吸収性が向上していることが確認された。
[実施例3]
平均粒径10μmの銀粉(福田金属箔粉工業製 Ag−HWQ10μm)を用い、表3に示す溶液および処理条件で、実施例1と同様に処理を行い、洗浄後の粒子の表面形状をSEMにより観察した。粒子の光反射率スペクトルを図3に示し、波長532nmおよび1064nmにおける反射率を表3に示す。
酸化剤としての過酸化水素および酸成分としての硫酸を含む水溶液を用いた実施例3Aでは、粒子表面にコブ状の凹凸が形成されていた。ハロゲンを含む水溶液を用いた実施例3Bおよび3Cでは、粒子表面に二次粒子が析出していた。X線回折(XRD)により、これらの粒子は塩化銀であることが確認された。
実施例3Aの粒子の光反射率は処理前と同等であったが、実施例3Bおよび3Cにより得られた銀粒子は、処理前の銀粒子に比べて光反射率が小さくなっており、光吸収性が向上していることが確認された。
[実施例4]
粒径150μm以下に分級した黄銅粉(ニラコ製)を用い、表4に示す溶液および処理条件で、実施例1と同様に処理を行い、洗浄後の粒子の表面形状をSEMにより観察した。粒子の光反射率スペクトルを図4に示し、波長532nmおよび1064nmにおける反射率を表4に示す。
[実施例5]
粒径63〜120μmに分級したアトマイズ青銅粉(福田金属箔粉工業製 Bro−Q120−250)を用い、表5に示す溶液および処理条件で、実施例1と同様に処理を行い、洗浄後の粒子の表面形状をSEMにより観察した。粒子の光反射率スペクトルを図5に示し、波長532nmおよび1064nmにおける反射率を表5に示す。
[実施例6]
粒径150μm以下に分級したSUS316L粉(大同特殊鋼製)を用い、表6に示す溶液および処理条件で、実施例1と同様に処理を行い、洗浄後の粒子の表面形状をSEMにより観察した。粒子の光反射率スペクトルを図6に示し、波長532nmおよび1064nmにおける反射率を表6に示す。
実施例4、実施例5および実施例6では、処理前の粒子は表面が平滑であったのに対して、酸および酸化剤を含む水溶液で処理を行うことにより、表面に様々な形状の凹凸が形成され、比表面積が増大していた。これらの結果から、酸および酸化剤を含む溶液による粉体の表面加工方法は、純金属だけでなく、合金粉末の加工にも適用できることが分かる。実施例4E、実施例4F、実施例5A、実施例5B、および実施例6A1〜3では、処理前に比べて粒子の光反射率が小さくなっており、光吸収性の向上が確認された。
以上の実施例で示したように、金属粒子を、酸および酸化剤を含む溶液と接触させることにより、粒子表面に種々の凹凸形状の形成や二次粒子を析出させることができ、これに伴って粒子の表面形状を改変して、光反射率低下等の機能を付与できることが分かる。

Claims (8)

  1. 酸および酸化剤を含む溶液と、原料金属粒子とを接触させることにより、原料金属粒子の表面を加工し、比表面積を増大させることを特徴とする、金属粒子の製造方法。
  2. 前記酸化剤が、金属イオン、硝酸、および過酸化水素からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載の金属粒子の製造方法。
  3. 前記酸が、ハロゲン化水素酸、硫酸および硝酸からなる群から選択される1種以上の無機酸を含む、請求項1または2に記載の金属粒子の製造方法。
  4. 前記酸が1種以上の有機酸を含む、請求項1または2に記載の金属粒子の製造方法。
  5. 前記溶液がハロゲン化物イオンを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属粒子の製造方法。
  6. 前記原料金属粒子の表面に二次粒子を析出させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属粒子の製造方法。
  7. 原料金属粒子の表面加工により、金属粒子の光反射率が原料粒子の光反射率よりも小さくなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属粒子の製造方法。
  8. 前記原料金属粒子が銅粒子または銅合金粒子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属粒子の製造方法。
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