JP2017224526A - 照明システム、照明装置、プログラム - Google Patents

照明システム、照明装置、プログラム Download PDF

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Yushi Miyata
侑是 宮田
戸波 一成
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一成 戸波
紀理子 長曽我部
Kiriko Chosokabe
紀理子 長曽我部
暁允 中井
Akimasa Nakai
暁允 中井
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秀晃 飯島
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Abstract

【課題】適切な検知エリアを形成可能な照明システムを提供すること。【解決手段】照明部607の両端に備えた口金132の少なくとも一方に備えられた空間の環境情報を検知する環境情報検知手段311と、前記環境情報検知手段の指向性を変更する指向性変更手段604,605,608と、を有する照明装置1と、前記環境情報検知手段の視野角、前記環境情報検知手段の位置情報、及び、環境情報が検知されない非検知領域の位置情報を用いて、前記指向性の方向を決定する指向性方向決定手段を有する情報処理装置7と、を有する照明システム100を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、照明システム、照明装置及びプログラムに関する。
居室の人の有無を検知することで人の有無に応じた種々の制御の自動化が可能になる。例えば、焦電素子やサーモパイルを用いた人感センサで人の存在を検知して、自動的に点灯する照明装置などが知られている。
このような居室がある程度の広さ以上の場合、居室がいくつかの領域に区分されると、人がいる領域といない領域が混在するのが通常である。このため、人感センサにより人間の存在の有無を検知し、人間が存在しない領域に対しては、照明をOFFにすることで省エネを実現する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
領域ごとに人の有無が検知されれば、人がいる領域ではその人の業務に支障が生じないように照明を点灯させ、人がいない領域では照明を消灯させることができる。これにより明るく快適な空間が省エネ性を維持しながら得られる。
しかしながら、人感センサは所定の検知エリアに存在する人を検知するセンサであるため、検知エリアが適切に設定されないと無駄が生じうるという問題がある。このような問題に対し、人感センサの検知方向を変更できるように照明装置に人感センサが搭載されていれば、管理者などが人感センサの検知方向を適切に調整できる。
しかし、居室の天井高さによって検知エリアの広さが異なるため、居室によって適切な検知方法は異なりうる。また、居室には机やパーティションなどの障害物が設置される場合が多いが、これらの障害物には人が存在しないため障害物を検知エリアに含める必要性は低い。このため、管理者などが天井高さに応じて障害物を含まないように人感センサの検知方向を決定することが望まれる。
しかしながら、従来、人感センサの検知方向を変更できる照明装置は存在せず、天井高さや障害物の位置などに応じて検知エリアを調整することは行われていなかった。
本発明は、上記課題に鑑み、適切な検知エリアを形成可能な照明システムを提供することを目的とする。
本発明は、照明部の両端に備えた口金の少なくとも一方に備えられた空間の環境情報を検知する環境情報検知手段と、前記環境情報検知手段の指向性を変更する指向性変更手段と、を有する照明装置と、前記環境情報検知手段の視野角、前記環境情報検知手段の位置情報、及び、環境情報が検知されない非検知領域の位置情報を用いて、前記指向性の方向を決定する指向性方向決定手段を有する情報処理装置と、を有する照明システムを提供する。
適切な検知エリアを形成可能な照明システムを提供することができる。
温度分布センサの指向性の変更の概略を説明する図の一例である。 機器制御システムの概略的な構成図の一例である。 第1制御対象装置が蛍光灯型LED照明器具の場合の外観斜視図の一例である。 検知装置、第1制御対象装置及び第2制御対象装置のハードウェア構成図の一例である。 管理システムのハードウェア構成図の一例である。 機器制御システムの機能構成図の一例である。 レイアウト管理DBに記憶されている情報を説明するための図の一例である。 制御指針管理DBに記憶されている情報を説明するための図の一例である。 制御領域管理DBに記憶されている情報を説明するための図の一例である。 管理システムの処理を示したシーケンス図の一例である。 温度分布の概念図、熱源データの概念図の一例である。 検知装置を有する複数の第1制御対象装置から送信された熱源データを合成して得られる熱源データの一例である。 熱源データの生成方法を示したフローチャート図の一例である。 温度分布の概念図、熱源データの概念図の一例である。 温度分布センサの数と検知可能範囲の関係を説明する図の一例である。 LEDランプの照射方向と温度分布センサの検知方向を説明する図の一例である。 LEDランプの口金部分の拡大斜視断面図の一例である。 LEDランプの組立構成図の一例である。 2つの温度分布センサの回転と検知エリアの場所について説明する図の一例である。 第1制御対象装置1、障害物、及び、検知エリアの相対的な位置を説明する図の一例である。 回転角度θの算出方法を説明する図の一例である。 検知エリアが非検知領域と重ならないための回転角度θの温度分布センサが形成する検知エリアを説明する図の一例である。 回転角度θの算出方法を説明する図の一例である。 隣接した2つの検知エリアが重ならないための回転角度θの温度分布センサが形成する検知エリアを説明する図の一例である。 回転角度θの温度分布センサが形成する検知エリアを説明する図の一例である。 3つの第1制御対象装置が有する温度分布センサの回転角度θの算出方法を説明する図の一例である。 隣接した2つの検知エリアが重ならないための回転角度θの温度分布センサが形成する検知エリアを説明する図の一例である。 回転角度θの温度分布センサが形成する検知エリアを説明する図の一例である。 管理者PCが回転角度θ〜θを算出する手順を示すフローチャート図の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1を用いて、温度分布センサの指向性の変更の概略を説明する。図1(a)は、温度分布センサ311が搭載された蛍光灯型の照明装置(後述する第1制御対象装置)の端部の斜視図の一例を示す。2つの温度分布センサ311が蛍光灯型の照明装置に設置されている。後述するように、温度分布センサ311は所定のセンサ視野角を有し、センサ視野角により形成される検知エリアに存在する人又は進入する人を検知する。蛍光灯型の照明装置は断面が円形状であり、それぞれの温度分布センサ311は上記断面の円形状の中心を軸にA方向又はB方向に回転可能に支持されている。
図1(b)は温度分布センサ311が回転された状態の一例を示す。図1(b)では、端部側の温度分布センサ311がB方向に回転され、反対側の温度分布センサ311がA方向に回転されている。なお、回転量は一例であり、どの程度、回転可能かは蛍光灯型の照明装置の設計に依存する。また、回転方向も一例に過ぎず、端部側の温度分布センサ311がA方向に回転され、反対側の温度分布センサ311がB方向に回転されてもよい。2つの温度分布センサ311は独立に回転可能である。
2つの温度分布センサ311が独立に回転するため、管理者等は温度分布センサ311を回転させることで検知エリアを移動させることができる。また、天井高さやパーティションなどの障害物の位置は既知なので、障害物を避ける検知エリアが形成される回転角度を決定できる。
<用語について>
指向性を変更するとは、指向性がある物の向きを変更することをいう。例えば、温度分布センサ311の検知方向に指向性がある場合、温度分布センサ311の検知方向を変えることをいう。検知方向が変わることは後述する検知エリア501の場所が変わることになる。指向性を変更する手段の1つに温度分布センサ311が蛍光灯の円形状の断面の中心を軸にして回転することが挙げられる。また、このように指向性が変更されると、蛍光灯型の照明装置の長手方向と垂直な方向に検知エリア501が移動する。したがって、蛍光灯型の照明装置の長手方向と垂直な方向において蛍光灯型の照明装置と検知エリア501の距離が変化する。
温度分布センサ311の位置情報とは、指向性の方向を決定するために使用される温度分布センサ311の位置を特定するための情報である。本実施形態では蛍光灯型の照明装置が設置される天井高さHを例にして説明する。これは床面の人を検知することが想定されているためであるが、一般に成人は1m程度の高さを有するので天井から床上1mくらいまでの距離を天井高さHとしてもよい。
非検知領域とは人の検知が不要か又は必要性が低い領域である。あるいは、障害物があるため人が検知されない領域である。例えば、パーティション、机、ロッカー、書棚、家電、複写機などのオフィス機器、などが設置されている領域である。
また、非検知領域の位置情報とは、非検知領域がどこにあるかを特定するための情報である。例えば、非検知領域の外接矩形の4つのコーナーの位置、非検知領域の外接矩形の任意のコーナーの位置と縦横のサイズなどである。本実施形態では、これらから求められる非検知領域の外接矩形の幅を用いて説明する。したがって、温度分布センサ311に対する非検知領域の相対的な位置が得られる。
指向性の方向とは、温度分布センサ311の検知方向をいう。検知方向は検知エリア501の中心又は重心と温度分布センサ311を結ぶ方向である。本実施形態では温度分布センサ311の検知方向は回転角度で定まるが、温度分布センサ311が天井に平行にスライドすること等により検知方向が決定されてもよい。
また、指向性が独立に変更するとは、蛍光灯型の照明装置に2つ以上の温度分布センサ311が搭載されている場合、少なくとも2つの温度分布センサ311のうち一方の温度分布センサ311の指向性が他方の温度分布センサ311の指向性により影響されないことをいう。すなわち、管理者等は2つの温度分布センサ311の検知方向をそれぞれ任意の方向に調整できる。
環境情報とは、環境に関する情報をいう。あるいは、環境から取得可能であり、制御に有用な情報をいう。具体的には、温度、湿度、照度、などであるがこれらには限られない。また、環境情報は利用しやすい態様に加工されていてもよい。例えば、本実施形態では温度分布が人の在・不在に加工される。
<機器制御システムの概略>
図2は、本実施形態に係る機器制御システム100の概略的な構成図の一例である。機器制御システム100は、所定空間の一例である居室αの天井β側に設置された複数の第1制御対象装置(1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i)、第2制御対象装置2、無線ルータ6、管理者PC7(Personal Computer)及び管理システム8がネットワークを介して通信可能な構成を有している。なお、以降、第1制御対象装置(1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i)のうち、任意の第1制御対象装置を示す場合には「第1制御対象装置1」と記載する。
第1制御対象装置1は、図2に示されているように、天井βが9分割された各領域9にそれぞれ設置されている。そして、天井βの中央に設置された第1制御対象装置1eには、検知装置3が設けられている。1つの領域9のサイズは、例えば50cm〜数mの広さ(正方形)であるが、領域9のサイズは第1制御対象装置1の大きさや性能などに応じて適宜決定される。なお、天井βが分割された各領域9は同じサイズでなくてもよく、各領域9が正方形でなくてもよい。例えば、6角形などの多角形とすると正方形の場合と同様に第1制御対象装置1同士の距離が等しくなる。9つの第1制御対象装置1のうち検知装置3が設けられているのが一台なのは説明の便宜上に過ぎず、検知装置3の数は検知エリア501の大きさなどによって異なる。例えば、全ての第1制御対象装置1が検知装置3を有していてもよい。
また、第2制御対象装置2は、天井βに適当な間隔をおいて設置されている。図2では、第2制御対象装置2は1つであるが、後述するように複数の第2制御対象装置2が1つの居室αに設置されている。第2制御対象装置2は好ましくは等間隔に設置されるが、等間隔でなくてもよい。第1制御対象装置1と第2制御対象装置2の数が異なるのは、第1制御対象装置と第2制御対象装置2でカバーできる範囲が異なったり、サイズが異なったり、コストが異なるなどの理由によるものであり、第1制御対象装置1と第2制御対象装置2の数は任意に決定できる。また、第2制御対象装置2が複数ある場合、第2制御対象装置2の符号をそれぞれ2a、2b、2cとし、任意の第2制御対象装置を示す場合には「第2制御対象装置2」と記載する。
本実施形態の第1制御対象装置1は、蛍光灯型LED(Light Emitting Diode)又はLED照明ランプ等と称される照明装置である。第1制御対象装置1eの検知装置3は、例えばサーモパイル(Thermopile)や焦電センサの機能によって、居室α内を複数領域(ここでは、9領域)に分けた温度分布を検出し、熱源の有無を示す熱源データを管理システム8に送信する。送信には無線LAN等が使用されるが有線で送信してもよい。居室αの床は熱源として検知される対象である人などが存在する場所である。
本実施形態の第2制御対象装置2はエアコンなどの空調装置(図2では室内機が図示されている)である。室外機は第2制御対象装置2ごとに又は複数の第2制御対象装置2に共通に所定の場所に設置されている。なお、図2では第2制御対象装置2と管理システム8が有線で接続されているが、無線で通信してもよい。
無線ルータ6は、検知装置3から送信された熱源データを受信し、通信ネットワークNを介して管理システム8に送信する。通信ネットワークNは、LAN(Local Area Network)によって構築されており、一部にインターネットが含まれる場合もある。
管理システム8は後述するように情報処理装置の機能を有し、サーバと呼ばれる場合がある。管理システム8は、無線ルータ6から送られて来た熱源データ等に基づいて、第1制御対象装置1,第2制御対象装置2を制御するための制御データを生成し、第1制御対象装置1及び第2制御対象装置2に送信する。第1制御対象装置1は、制御データに基づいて、LEDの調光制御を行なう。第2制御対象装置2は、制御データに基づいて、温度、湿度、風力、及び風向の制御を行なう。したがって、管理システム8は照明と空調の両方を制御して、居室の人に対し快適性と省エネ性が考慮された空間を提供できる。
なお、これまでの説明で明らかなように、検知装置3が搭載された第1制御対象装置1eは、居室αの温度分布を検知するだけでなく、自装置のLEDの調光制御を行なう。第1制御対象装置1eは、検知装置3を有するが、他の第1制御対象装置1と同等の機能を有している。
また、検知装置3は第2制御対象装置2の内部又は近くに設置されていてもよい。また、第1制御対象装置1又は第2制御対象装置2とは別体に設置されていてもよい。しかし、検知装置3が第1制御対象装置1と一体であることで、検知装置3の取り付けと取り外しが容易であり、検知装置3を取り付けるためのスペースを用意する必要がないという利点がある。検知装置3は第1制御対象装置1の一方の口金、両方の口金、又は、中央などに配置されていてもよい。
また、管理者PC7は、機器制御システム100の管理者が操作するPCである。管理者PC7は管理システム8と通信して検知装置3が検知する各種の情報をモニターする。なお、管理者は機器制御システム100の設営者、ユーザなどどのように呼ばれてもよい。
<第1制御対象装置の概略>
次に、図3を用いて、第1制御対象装置1及び第1制御対象装置1aが取り付けられる装置本体120について説明する。図3は、第1制御対象装置が蛍光灯型LED照明器具の場合の外観斜視図の一例である。なお、装置本体120を灯具と称する場合がある。
図3に示されているように、蛍光灯型LED照明器具としての第1制御対象装置1は、直管型のLEDランプ130を有し、居室αの天井βの中央部あたりに設置された装置本体120に取り付けられる。装置本体120の両端部には、それぞれソケット121a及びソケット121bが設けられている。このうち、ソケット121aは、LEDランプ130に給電する給電端子(124a1、124a2)を有する。
また、ソケット121bも、LEDランプ130に給電する給電端子(124b1,124b2)を有する。これにより、装置本体120は、電源からの電力をLEDランプ130に供給することができる。
一方、LEDランプ130は、透光性カバー131と、この透光性カバー131の両端部にそれぞれ設けられる口金(132a,132b)を有する。第1制御対象装置1eの場合は、透光性カバー131に沿って、隣接して又は透光性カバー131の内部に検知装置3を有する。このうち、透光性カバー131は、例えば、アクリル樹脂等の樹脂材料で形成され、内部の光源を覆う様に設けられる。
更に、口金132aには、ソケット121aの給電端子(124a1,124a2)にそれぞれ接続される端子ピン(152a1,152a2)が設けられている。また、口金132bには、ソケット121bの給電端子(124b1,124b2)にそれぞれ接続される端子ピン(152b1,152b2)が設けられている。そして、LEDランプ130が装置本体120に装着されることで、装置本体120から各給電端子(124a1,124a2,124b1,124b2)を介して、各端子ピン(152a1,152a2,152b1,152b2)からの電力供給が可能となる。これにより、LEDランプ130は、透光性カバー131を介して外部に光を照射する。また、検知装置3は、装置本体120から供給される電力で動作する。
<検知装置、第1制御対象装置、第2制御対象装置のハードウェア構成>
次に、図4(a)を用いて、検知装置3のハードウェア構成を説明する。図4(a)は、検知装置3のハードウェア構成図の一例である。検知装置3は、無線モジュール301、アンテナI/F302、アンテナ302a、センサドライバ304、温度分布センサ311、照度センサ312、温湿度センサ313、装置コントローラ315、及び、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン310を備えている。
無線モジュール301は無線通信を行なうための部品であり、ARIB STD-T108(テレメータ、テレコントロールなどの用途で用いられる920MHz帯無線)、Bluetooth(登録商標)、WiFi、又はZigBee等の通信方式による通信を行なうことができ、アンテナI/F302及びアンテナ302aを介して、外部の装置との無線通信を実現する。なお、通信方式は、無線通信だけでなく、Ethernet(登録商標)ケーブルやPLC(Power Line Communications)などの有線通信であってもよい。無線モジュール301は、装置コントローラ315が実行する通信制御プログラムの制御下で動作する。
温度分布センサ311は、赤外線を検知することにより居室α内の温度分布を検知する熱型検出素子である。熱型検出素子を用いることで人や物の表面温度を検知できるので、人の近い場所の温度を検知できる。熱型検出素子は、光を吸収して熱に変換する吸収層を持ち、吸収層の温度変化を電気信号として外部に出力する。熱型検出素子にはサーモパイル、ボロメータ、焦電素子、電圧−電流特性が変化するダイオードなどがある。本実施形態では温度分布センサ311がサーモパイルを用いて温度分布を検知するものとして説明する。なお、温度分布センサ311は複数のサーモパイルセンサを有しており、後述する検知マスごとに温度を検知する。
照度センサ312は、居室α内の明るさや光量を検知するセンサである(照度データを生成する)。温湿度センサ313は、居室αの検知装置3の近くの温度及び湿度を検知するセンサである。温湿度センサ313が検知する温度は、天井面の温湿度から水蒸気量への変換に使用され、この水蒸気量とサーモパイルによる床面の温度から床面の湿度が算出される。
センサドライバ304は、温度分布センサ311、照度センサ312、及び温湿度センサ313のインタフェースである(ハードウェアの回路)。センサドライバ304は、装置コントローラ315から送信される、温度分布センサ311、照度センサ312、及び温湿度センサ313を駆動させる命令をそれぞれにセンサに適したコマンドに変換して各センサに送出する。また、各センサが検出した信号を装置コントローラ315が使用できる形式に変換し装置コントローラ315に送出する。なお、センサドライバ304がソフトウェアにより実現される場合、センサドライバ304はなくてよい。
装置コントローラ315は、検知装置3の全体を制御する制御装置である。装置コントローラ315はCPU,ROM、RAM等を有しプログラムを実行するマイコンなどの情報処理装置である。あるいは、ICなどのハードウェアで構築されていてもよい。装置コントローラ315は、例えば、温度分布センサ311、照度センサ312、及び温湿度センサ313が温度等を検知するタイミングを制御したり、各センサが検出したデータを加工したりする。例えば、装置コントローラ315は温度分布センサ311から出力された温度分布データから、熱源の有無を示す熱源データを生成する。装置コントローラ315は、熱源データを含む検知データを管理システム8に送信する。
図4(b)は本実施形態に関する第1制御対象装置1又は第2制御対象装置2のハードウェア構成図の一例である。第1制御対象装置1の装置コントローラ315は、管理システム8から送信された制御データに基づいてLEDの調光の制御を行う。第2制御対象装置2の装置コントローラ315は、管理システム8から送信された制御データに基づいてエアコンを制御する。
装置コントローラ315、アンテナI/F302、及び、無線モジュール301については図4(a)と同様である。第1制御対象装置1又は第2制御対象装置2は、制御対象デバイス319を有している。制御対象デバイス319は、第1制御対象装置1の場合はLEDランプ130やLEDランプ130の制御回路などであり、第2制御対象装置2の場合はエアコンのヒートポンプや圧縮機及び制御回路などである。
なお、検知装置3を有する第1制御対象装置1eの場合、装置コントローラ315、アンテナI/F302、及び、無線モジュール301は、検知装置3と共通でよい。これにより、検知装置3の部品数を低減できる。
<管理システムのハードウェア構成>
次に、管理システム8のハードウェア構成について説明する。図5は、管理システム8のハードウェア構成図の一例である。
管理システム8は、情報処理装置として構成されている。そして、管理システム8は、管理システム8全体の動作を制御するCPU801、IPL(Initial Program Loader)等のCPU801の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM802、CPU801のワークエリアとして使用されるRAM803を有する。また、管理プログラム等の各種データを記憶するHD804、CPU801の制御にしたがってHD804に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)805を有する。また、フラッシュメモリ等のメディア806に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアI/F807、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ808、通信ネットワークNを利用してデータ通信するためのネットワークI/F809を有する。また、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード811、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス812、着脱可能な記憶媒体の一例としての光記憶媒体)813に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する光学ドライブ814、及び、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン810を備えている。
図示した管理システム8のハードウェア構成は、1つの筐体に収納されていたりひとまとまりの装置として備えられていたりする必要はなく、管理システム8が備えていることが好ましいハード的な要素を示す。また、クラウドコンピューティングに対応するため、本実施例の管理システム8の物理的な構成は固定的でなくてもよく、負荷に応じてハード的なリソースが動的に接続・切断されることで構成されてよい。
管理プログラムは実行可能形式や圧縮形式などでメディア806や光記憶媒体813などの記憶媒体に記憶された状態で配布されるか、又は、プログラムを配信するサーバから配信される。
なお、管理者PC7のハードウェア構成は図5と同様であるか、相違があっても本実施形態の説明上支障がないものとする。
<管理システムの機能構成>
続いて、図6を用いて、検知装置3を含む第1制御対象装置1e、検知装置3を含まない第1制御対象装置1、第2制御対象装置2、管理システム8、及び、管理者PC7の機能について説明する。図6は、機器制御システム100の機能構成図の一例である。
<第1制御対象装置1eの機能構成>
第1制御対象装置1eは、検知装置3が有する機能及び制御対象部20を有している。検知装置3は、送受信部31、検知部32、判断部33、生成部34、及び制御部35を有している。これら各部は、図4(a)に示されている装置コントローラ315がプログラムにしたがって出力する命令等によって実現される機能又は手段である。また、制御対象部20は、例えば、調光制御の対象であるLEDランプ130等により実現される。
検知装置3の送受信部31は、装置コントローラ315や無線モジュール等の動作により実現される機能又は手段である。例えば、送受信部31は、通信ネットワークNを介して、管理システム8と各種のデータの送受信を行う。
検知部32は、温度分布センサ311、照度センサ312及び温湿度センサ313が動作することで実現される機能又は手段である。検知部32は、所定空間内の各領域9の温度分布、照度、温度や湿度を検知する。
判断部33は、装置コントローラ315が動作することで実現される機能又は手段である。例えば、判断部33は、領域9の温度が所定範囲(例えば、30℃〜35℃)内であるか否かを判断する。
生成部34は、装置コントローラ315が動作することで実現される機能又は手段である。例えば、生成部34は、判断部33の判断結果に基づいて熱源の有無を示す熱源データを生成する。
制御部35は、装置コントローラ315が動作することで実現される機能又は手段である。例えば、制御部35は、管理システム8から送られて来た制御データに基づいて、制御対象部20に出力するための制御信号を生成する。
<第1制御対象装置1(検知装置なし)、第2制御対象装置2の機能構成>
次に、検知装置3を有さない第1制御対象装置1及び第2制御対象装置2の機能構成について説明する。検知装置3を有さない第1制御対象装置1及び第2制御対象装置2は、送受信部51、制御部55及び制御対象部20を有している。送受信部51は、装置コントローラ315や無線モジュールが動作することで実現される機能又は手段である。送受信部51は、通信ネットワークNを介して、管理システム8と各種のデータの送受信を行う。
制御部55は、装置コントローラ315が動作することで実現される機能又は手段である。制御部35は、管理システム8から送られて来た制御データに基づいて、制御対象部20に出力するための制御信号を生成する。
制御対象部20は、第1制御対象装置1の場合、調光制御の対象であるLEDランプ130等により実現される。制御対象部20は、第2制御対象装置2の場合、エアコンのヒートポンプや圧縮機などにより実現される。
<管理システム8の機能構成>
次に、管理システム8の機能構成について説明する。管理システム8は、送受信部81、照合部82、生成部84、及び記憶・読出処理部89を有している。各部は、図5に示されているHD804からRAM803上に展開された管理プログラムに従ったCPU801からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。更に、管理システム8は、図5に示されているRAM803、及びHD804によって構築される記憶部8000を有している。記憶部8000には、レイアウト管理DB(Data Base)8001、制御指針管理DB8002及び制御領域管理DB8003が構築されている。まず、これらのデータベースについて説明する。
(レイアウト管理DB)
図7を用いて、レイアウト管理DB8001について説明する。レイアウト管理DB8001には、図7(a)に示されているような第1制御対象装置1又は第2制御対象装置2のレイアウト情報が管理されている。
図7(a)に示されているように、レイアウト情報は、1つの居室αが一例として54領域に分割され、それぞれの領域9にLED照明器具としての第1制御対象装置1を識別するための装置IDが対応付けて管理されている。アルファベットa〜fと二桁の数値が装置IDである。このうち、装置IDが「a」で始まる左上側の9個の領域9が、図2における9領域に対応する。即ち、図2は、居室αの一部を示している。実際の居室αは、装置IDが、a,b,c,d,e,fで始まる6つのブロックを有し、各ブロックが9領域に分けられ、合計54領域に分けられている。なお、このような領域9の区分は一例であって、何ブロックに分けてもよいし、1ブロック内を9領域以外の数の領域に分けてもよい。
図7(a)のうち、アルファベットのxと二桁の数値は第2制御対象装置2の装置IDである。装置IDがx12,x21、x22の第2制御対象装置2は図2には示されていないが、図7(a)に示すように天井βに設置されている。すなわち、居室αの天井βには、4機のエアコンが取り付けられている。
なおIDとは、複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらの組み合わせである。あるいは、複数の対象から、ある特定の対象を特定するための情報である。IDは識別情報や識別子と呼ばれてもよい。具体的には、部屋番号と重複しない連番の組み合わせ、単なる連番、装置のシリアル番号などであるがこれらには限られない。
本実施形態では、1つの領域9に1つの第1制御対象装置1が設置されていることを利用して、領域9を識別するための識別情報として装置IDを利用する。
図7(b)は居室αのレイアウト情報の概念図である。図7(a)に示されているレイアウト情報の各領域9は、図7(b)に示されている実際の居室αのレイアウト上では、波線又は実線で区切られている領域9を示している。図7(b)には、机や椅子が設置されている実際のレイアウトが示されている。図7(b)においても、図7(a)の居室αと同じように居室内が54領域に分割されている。すなわち、図7(b)の各領域9の位置は、図7(a)の各領域9の位置と同じである。図7(b)では、紙面下側が廊下γ側になっており、紙面上側が窓側になっている。
(制御指針管理DB)
次に、図8(a)を用いて、制御指針管理DB8002について説明する。制御指針管理DBには、図8(a)に示されているような第1制御指針管理テーブルが管理されている。この第1制御指針管理テーブルでは、熱源と光量の各フィールドが対応付けられている。熱源の有無に対し第1制御対象装置1の制御対象部20の制御内容が関連付けて管理されている。例えば、熱源のフィールドが、熱源がある旨を示す「1」の場合には、その領域9に人がいることを示す。この場合、第1制御指針管理テーブルでは、人が快適に作業できるようにLEDの光量を最大にすべく光量が100%に設定されている。これに対して、熱源のフィールドが、熱源がない旨を示す「0」の場合には、その領域9に人がいないため、省エネを実現すべくLEDの光量が60%に設定されている。なお、100%は快適な光量の一例に過ぎず、60%は省エネを実現し作業も困難とならない光量の一例であって、例えば熱源のフィールドが「1」の場合に光量が90%、熱源のフィールドが「0」の場合に光量が50%に設定されていてもよい。熱源のフィールドが「1」の光量が、熱源のフィールドが「0」の光量よりも高ければ、両者は何パーセントであってもよい。なお、光量が制御されるのは、第1制御対象装置1の周囲の照度が閾値未満の場合だけでよい。
また、制御指針管理テーブルが第1制御対象装置1や領域9ごとに設定されていてもよい。これにより、第1制御対象装置1によって異なる制御指針で管理システム8が第1制御対象装置1を制御できる。
また、制御指針管理DB8002には、図8(b)に示されているような第2制御指針管理テーブルが管理されている。この第2制御指針管理テーブルでは、人密度と「温度ギャップ+湿度」に対応付けて、空調の制御指針が管理されている。温度ギャップとは第2制御対象装置2が温度を制御する際の目標値と温度分布センサ311が検出した温度の差である。図8(b)の第2制御指針管理テーブルによれば、例えば、人密度が1〜19%で、温度が目標値に対し-T1℃〜-T2℃の範囲にあり湿度が H1%未満の場合、目標値に対し+2℃の温度になるように第2制御対象装置2が制御される。同じ人密度(1〜19%)で同じ温度範囲でも湿度がH1%以上の場合は、第2制御対象装置2はドライに制御される。
図8(b)のような空調の制御指針が温度ギャップと湿度の組み合わせに応じて各人密度ごとに設定されている。したがって管理システム8はきめ細かな空調の制御が可能になる。例えば、人密度が多い場合、人の体温で実際に領域9の温度が上昇したり湿度が変化したりして人が不快感を感じる前に、管理システム8は第2制御対象装置2を制御できる。すなわち、フィードフォワード制御が可能になる。しがたって、快適性をより向上できる。
なお、人密度の区切り方は説明のための一例に過ぎず、より細かく人密度が区切られてもよいし、各区切りの人密度の幅が不揃いであってもよい。人密度は、第2制御対象装置2の制御範囲の複数の領域のうち何個の領域9で熱源が関知されるかにより算出される。
(制御領域管理DB)
次に、図9を用いて、制御領域管理DB8003について説明する。制御領域管理DB8003には、図9に示されているような制御領域管理テーブルが管理されている。制御領域管理テーブルには、第2制御対象装置2の装置IDに領域IDが対応付けて管理されている。領域IDは第1制御対象装置1の装置IDである。図7(a)を参照すると分かるように、第2制御対象装置2の装置IDには第2制御対象装置2を中心とする3×3の領域9の領域IDが対応付けられている。
なお、3×3は一例に過ぎず4×4などとしてもよいし、それぞれの領域9から最も近い第2制御対象装置と該領域9とが対応付けられていてもよい。第1制御対象装置1については、1つの第1制御対象装置1に1つの領域9が対応付けられているので制御領域管理テーブルは不要であるが、1つの第1制御対象装置1が第1制御対象装置1の真下には限られない領域9の熱源の有無を使用して制御される場合、図8のような制御領域管理テーブルが用意される。
(管理システムの各機能構成)
次に、図6に戻って、管理システム8の各機能構成について説明する。図6に示されている送受信部81は、例えば、検知装置3から検知データを受信したり、検知装置3に制御データを送信したりする。
照合部82は、例えば、図7(a)に示されているレイアウト情報と、後述の図12に示されている熱源データを照合する。これにより、領域9ごとの人の有無が判断される。
生成部84は、照合部82の照合結果及び第1制御指針管理テーブルを参照して、第1制御対象装置1に対する光量を示す制御データを生成する。また、生成部84は、制御領域管理テーブルを参照して第2制御対象装置2と対応付けられている第1制御対象装置1を特定する。そして、熱源データと照合して人密度を算出する。また、第2制御対象装置2と対応付けられている第1制御対象装置1のうち検知装置3を有する第1制御対象装置1から送信された温度データ(熱源データと共に送信されるサーモパイルの温度)と湿度データに基づいて温度ギャップや湿度を決定する。そして、人密度、温度ギャップ及び湿度に基づき第2制御指針管理テーブルを参照して、第2制御対象装置2に対するエアコンの制御データを生成する。
記憶・読出処理部89は、例えば、記憶部8000からデータを読み出したり、記憶部8000にデータを記憶したりする。
<管理者PCの機能構成>
次に、管理者PC7の機能構成について説明する。管理者PC7は、送受信部71、操作受付部72、画面表示部73、角度算出部74、及び、記憶・読出処理部79を有している。各部は、図5に示されているHD804からRAM803上に展開された管理者PC7プログラムに従ったCPU801からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。更に、管理者PC7は、図5に示されているRAM803、及びHD804によって構築される記憶部7000を有している。記憶部7000には、センサ視野角7001が記憶されている。センサ視野角7001は、1つの温度分布センサ311が人を検知できる範囲を角度で示した値である。この角度は後述するように温度分布センサ311の回転方向の角度である。センサ視野角は管理者が管理者PC7に入力することで記憶部7000に記憶されてもよいし、管理システム8などから管理者PC7がダウンロードしてもよい。
送受信部71は、例えば、図5に示されているCPU801が管理者PCプログラムの命令を実行してネットワークI/F809を制御すること等により実現される。送受信部71は、管理システム8に回転角度を送信したり、管理システム8からセンサ視野角などを受信したりする。
操作受付部72は、図5に示されているCPU801が管理者PCプログラムの命令を実行してキーボード811やマウス812を制御すること等により実現される。操作受付部72は管理者から各種の操作や入力を受け付ける。
画面表示部73は、図5に示されているCPU801が管理者PCプログラムの命令を実行すること等により実現され、ディスプレイ808にCUI(Character User Interface)やGUI(Graphical User Interface)で構築される画面を表示する。例えば、角度算出部74が算出した温度分布センサ311の回転角度をディスプレイ808に表示する。
角度算出部74は、図5に示されているCPU801が管理者PCプログラムの命令を実行すること等により実現され、管理者が入力した天井高さや障害物の位置に基づいて温度分布センサ311の適切な回転角度を算出する。
記憶・読出処理部79は、図5に示されているCPU801が管理者PCプログラムの命令を実行すること等により実現され、例えば、記憶部7000からデータを読み出したり、記憶部7000にデータを記憶したりする。
<動作手順>
以下、図10〜図12を用いて、管理システム8の処理又は動作について説明する。図10は、管理システム8の処理を示したシーケンス図の一例である。図11(a)は温度分布センサ311が検出した温度分布の概念図、図11(b)は熱源の有無を示す熱源データの概念図の一例である。図12は、居室αにおける全ての領域9の熱源の有無を示す熱源データの概念図である。
ここでは、管理システム8が、第1制御対象装置1eにより検知された各種データに基づいて、第1制御対象装置1eを制御するための制御データを生成し、第1制御対象装置1,及び、第2制御対象装置2に制御データを送信することで、第1制御対象装置1や第2制御対象装置2が調光や空調を行う処理について説明されている。なお、説明の簡略化のため、複数の第1制御対象装置1のうち、検知装置3を備えた第1制御対象装置1e、及び他の第1制御対象装置1、並びに第2制御対象装置2の処理について説明する。
S21:まず、第1制御対象装置1eの検知部32が、居室αにおける各領域9の温度分布を検知する。
S22:次に、判断部33が、領域毎に温度が所定範囲値(例えば、30℃〜35℃)内であるか否かを判断することで、生成部34が判断結果に基づいて熱源データを生成する。この所定範囲値は人の体温が検知されることが想定されている。
ここで、図11を用いて熱源データの生成について説明する。検知部32が各領域9の温度を検知した結果、9つの領域9の温度分布が図11(a)に示される状態になったものとする。生成部34は、図11(b)に示されるような熱源データを生成する。図11(a)と図11(b)を比較すると分かるように、熱源データは熱源の有無を示す熱源有無情報によって示されており、温度が所定範囲値(例えば、30℃〜35℃)の領域9は「1」として表し、温度が30℃未満及び36℃以上の領域9は「0」として表されている。
S23:図10に戻って説明する。第1制御対象装置1eの検知部32は、第1制御対象装置1eの付近の照度、温度、及び湿度を検知する。
S24:そして、第1制御対象装置1eの送受信部31は、管理システム8に対して、検知データを送信する。検知データには、ステップS22によって生成された熱源データ、ステップS23によって検知された結果を示す温湿度データ(熱源データを生成するために使用された温度データを含む)及び照度データが含まれている。これにより、管理システム8の送受信部81は、検知データを受信する。
図12は、検知装置3を有する複数の第1制御対象装置1から送信された熱源データを合成して得られる熱源データを示す。図12は、1つの居室αにおける全ての熱源の有無を示す熱源データの概念図である。図11(b)に示されている熱源データは、図12における左上のブロックBの熱源データに相当する。
S25:次に、管理システム8の記憶・読出処理部89は、レイアウト管理DB8001から、図7(a)に示されているレイアウト情報を読み出す。
S26:そして、照合部82は、図7(a)に示されているレイアウト情報と、図12に示されている熱源データを照合する。この照合により、例えば、レイアウト情報における第1制御対象装置1aがある領域9は、熱源データの熱源のフィールドが「1」なので、「熱源がある」と判断される。
S27-1:次に、管理システム8の記憶・読出処理部89は、熱源データにおいて熱源の有無を示す「1」、「0」を検索キーとして、制御指針管理DB8002の第1制御指針管理テーブルを検索することにより、対応する光量を読み出す。
S27-2:また、管理システム8の記憶・読出処理部89は、制御指針管理DB8002から第2制御指針管理テーブルを読み出し、制御領域管理DB8003から制御領域管理テーブルを読み出す。
S28:そして、生成部84は、第1制御対象装置1に対する光量を示す制御データを生成する。まず、照度が閾値未満かどうかを判定し、閾値未満の場合にだけ、熱源データに基づく第1制御対象装置1の制御データを生成する。また、生成部84は、第2制御対象装置2の制御データを生成する。このように、ステップS24で送信された1つの検知データに基づき(同じ検知データに基づき)、第1制御対象装置1に対する制御データと第2制御対象装置2に対する両方の制御データを作成できる。したがって、第1制御対象装置1と第2制御対象装置2の2つの装置が制御される場合でも、検知装置3が検知したり検知データを管理システム8が受信する回数を半分に減らしたりすることができる。また、同じ検知データが使用されるので第1制御対象装置1と第2制御対象装置2の動作の整合性を取りやすくなる。
S29-1,S29-2:次に、送受信部51は、第1制御対象装置1に対して、それぞれの制御データを送信する。これに対して、第1制御対象装置1eの送受信部31は、制御データを受信する。また、第1制御対象装置1e以外の第1制御対象装置1の送受信部51は、制御データを受信する。
S30-1、S30-2:次に、第1制御対象装置1eでは制御部35が、制御データに基づいてLEDランプとしての制御対象部20に出力するための制御信号を生成する。同様に、第1制御対象装置1e以外の第1制御対象装置1の制御部55が、制御データに基づいてLEDランプとしての制御対象部20に出力するための制御信号を生成する。
S31-1,S31-2:制御部35は制御信号を制御対象部20に出力する。制御部55は制御信号を制御対象部20に出力する。
S32-1、S32-3:これにより、LEDランプとしての制御対象部20の光量が制御される。
S33:管理システム8の送受信部81は、第2制御対象装置2に対して制御データを送信する。これに対して、第2制御対象装置2の送受信部51は制御データを受信する。
S34:第2制御対象装置2の制御部55が、制御データに基づいてエアコンとしての制御対象部20に出力するための制御信号を生成する。これにより、エアコンとしての制御対象部20の温度、湿度、風量、風向が制御される。
例えば、図11(a)において、領域IDがa22の領域9には熱源がないと判断されているため(「0」で示されているため)、図8(a)の第1制御指針管理テーブルに従い領域IDがa22の領域9にある第1制御対象装置1の光量は60%に制御される。一方、図11(a)において、領域IDがa21の領域9の真下には熱源があるため(「1」で示されているため)、図8(a)の第1制御指針管理テーブルに従い領域IDがa21の領域9にある第1制御対象装置1の光量は100%に制御される。
これにより、人がいるため熱源が検知された場合には、LEDの光量を最大値にし、人がいないため熱源が検知されなかった場合には、LEDの光量が下がるため、省エネを実現することができる。また、人がいる場合は光量が大きくなるので人の快適性を向上させることができる。
<熱源の有無の判断>
図10のステップS22で説明した熱源の有無の判断方法について説明する。
図13は、熱源データの生成方法を示したフローチャート図の一例である。図14(a)は温度分布を示した概念図、図14(b)は熱源の有無を示す熱源データの概念図である。
まず、管理システム8の生成部84は、温度分布データから判断部33によって温度が所定範囲(例えば、30℃〜35℃)内であるかを判断していない領域9を抽出する(ステップS101)。
そして、判断部33は、ステップS101によって抽出された領域9の温度が所定範囲内であるかを判断する(ステップS102)。例えば、装置IDがa13の第1制御対象装置1が設置されている領域9に、電気ポット(湯沸し器)が設置されている場合、図14(a)に示されているように、蒸気や容器の熱などによってこの領域9の温度が60℃になることがある。このような場合、たとえ熱源が存在しても人間による熱源の範囲(例えば、30℃〜35℃)ではないため、人がいるとは検知されないことが好ましい。
次に、判断部33は、ステップS102において、所定範囲内であると判断した場合に
は(YES)、熱源ありと判断する(ステップS103)。この場合、図14(b)に示されているように、熱源データは熱源がある旨を示す「1」が設定される。
一方、判断部33は、所定範囲内でないと判断した場合には(NO)、熱源なしと判断する(ステップS104)。この場合、図14(b)に示されているように、熱源データは熱源がない旨を示す「0」が設定される。
そして、ステップS103,104の処理後、判断部33は全ての領域9において、温度が所定範囲内であるか否かの判断が終了したかを判断する(ステップS105)。このステップS105によって全ての領域9の判断が終了していると判断された場合には(YES)、図10のステップS22の処理が終了する。一方、ステップS105において、全ての領域9の判断が終了していないと判断された場合には(NO)、ステップS101の処理に戻る。
このように、図13のような処理によれば、たとえ熱源が存在しても、特定の物体(例えば、人間)による熱源の範囲を超えている場合には、熱源がない扱いにすることで、より正確に人間の存在を検知することができる。これにより、より正確に省エネを実現することができるという効果を奏する。
<検知エリア501の形状について>
図1では1つのLEDランプ130に2つの温度分布センサ311が設置されていた。これは以下のような理由による。まず、温度分布センサ311が多いほど、各領域9の温度を精度よく検知することができる。しかし、温度分布センサ311が多いと工事や維持などのためにコストが高くなる傾向になる。そこで、1つの第1制御対象装置1(LEDランプ130)に複数の温度分布センサ311を設置することが検討される。しかし、その場合には温度分布センサ311を床面に対し垂直ではなく床面に対し傾斜が付与された状態で設置する必要がある。これは、第1制御対象装置1と一体か又は付近という限られた場所に複数の温度分布センサ311が設置されるため、傾斜が設けられていないと、1つの温度分布センサ311の温度の検知エリア501を広げることができないためである。
図15は温度分布センサ311の数と検知エリア501の関係を説明する図の一例である。図15(a)では、温度分布センサ311は1つであり天井(床面)に対し垂直に設置されているため、検知エリア501は正方形(又は長方形)である。図15(b)では温度分布センサ311は2つであるが、天井(床面)に対しδの傾斜が付与された状態で設置されているため、それぞれの検知エリア501は台形ゆがみにより歪んだ形状(台形)となる。図15(c)では温度分布センサ311は4つであるが、天井(床面)に対しδの傾斜が付与された状態で設置されているため、それぞれの検知エリア501は正方形の一方の対角線だけが延長されたようなゆがんだ形状(菱形に近い形状)となる。これは、温度分布センサ311が図15(b)に対して90°回転した状態で設置されているためである。なお、温度分布センサ311の数は3つでもよく、個数は任意である。
1つの第1制御対象装置1に4つの温度分布センサ311が搭載されてもよい。また、温度分布センサ311の数は3つでもよく、個数は任意である。
図15で1つの検知エリア501が複数の検知マス502に区切られているのは、温度分布センサ311が有する1つのサーモパイルが温度を検知する範囲を示している。図15では、1つの温度分布センサ311が例えば4×4のサーモパイルセンサを有するため、1つの検知エリア501が16個の検知マス502に区切られている。検知マス502と検知マス502の間に隙間はないか、隙間があったとしても人を検知する上で支障がない程度である。
検知エリア501の中心と温度分布センサ311を結ぶ方向、又は、検知マス502の中心とサーモパイルセンサを結ぶ方向が、温度分布センサ311又はサーモパイルセンサの検知方向である。温度分布センサ311が例えば天井に対し回転したり、LEDランプ130の断面の円形状の中心を軸に回転したりすることで検知方向が変わることが分かる。
<照射方向と検知方向について>
図16は、LEDランプ130の照射方向と温度分布センサ311の検知方向を説明する図の一例である。なお、説明の便宜上、図16では温度分布センサ311が1つであるとする。図16(a)に示すように、LEDランプ130が装置本体120に設置された状態でLEDランプ130の真下方向が照射方向Pである。温度分布センサ311はLEDランプ130の円形状の断面の中心を軸に回転する。
また、図16(b)は、温度分布センサの検知方向Qの変更を説明している。検知方向Qはセンサ視野角と呼ばれる検知範囲mを有する。検知方向Qはセンサ視野角を考慮して垂直方向に対しδだけ傾けられている。つまり、温度分布センサ311が回転していない検知方向Qの傾きはδである。δは例えば22.5°であるがセンサ視野角に応じて適宜調整されうる。δの検知方向Qを初期状態の回転角度とする。
温度分布センサ311が回転することで検知方向Qと検知範囲mがLEDランプ130に対し回転し、検知エリア501がLEDランプ130の長手方向に垂直な方向に移動する。なお、照射方向Pには変更がない。
図16(c)に示すように、第1制御対象装置1が反射板610のある天井βに設置された場合、照射方向Pは天井に対し垂直でない。しかし、温度分布センサ311がLEDランプ130の断面の円形状の中心を軸に回転する点では同様である。したがって、この場合も、照射方向Pを替えずに検知方向Q(検知範囲m)を回転させることができる。例えば、LEDランプ130の真下を検知エリア501に含めることもできるし、含めないこともできる。
<検知装置の構造>
以下、図17、18を用いて検知装置3の構造などを説明する。図17(a)は、LEDランプ130の口金132aの拡大斜視断面図であり、図17(b)は、図17(a)に示したセンサPCB(Print Circuit Board:配線回路基板)602(区別するため符号を1〜3とする)の平面図であり、図17(c)は、図17(a)に示したLEDランプ130の口金132aの正面図である。
図17(a)〜(c)に示すように、センサモジュール内にはセンサPCB1〜3が配置されている。センサPCB1には、照度センサ312、温湿度センサ313及びLED発光部314が配置されている。また、センサPCB2、3には、温度分布センサ311が配置されている。照度センサ312により居室の明るさを検知でき、温湿度センサ313で温度と湿度を検知でき、LED発光部314によりセンサモジュールMDの死活を通知できる。また、2つの温度分布センサ311が独立に回転するので、管理者などが検知エリア501を変更しやすい。
図18は、LEDランプ130の組立構成図の一例を示す。ソケット嵌合部材603がソケット部材606と軸方向に嵌合し、ソケット部材606は本体LED照明部607と軸方向に嵌合する。ソケット嵌合部材603は本体LED照明部607に対してネジ609で固定される。
ソケット部材606は内筒604と外筒605を有しており、センサPCB1〜3は外筒605に配置されている。外筒605は3つに分割されており、外筒605aにセンサPCB3が固定され、外筒605bにセンサPCB2が固定され、外筒605cにセンサPCB1が固定されている。
外筒605bと605cは樹脂などの弾性変形する性質を利用して内筒604に外側から嵌め込まれている。外筒605bと605cと接する内筒604の面と、内筒604と接する外筒605bと605cの面には軸方向に平行な筋状の凹凸608が形成されている。この凹凸608により任意の回転位置で外筒605bと605cの回転角度が保持される。
なお、図示するように外筒605の円周が欠けていてもよいし、外筒605の全周が欠けることなく円形状でもよい。後者の場合、外筒605は内筒604に軸方向に挿入されるようにして製造される。
LEDランプ130は、このような構成により管理者などが2つの温度分布センサ311を独立に回転させることができる。
<温度分布センサ311の回転と検知エリアについて>
図19は、2つの温度分布センサ311の回転と検知エリア501の場所について説明する図の一例である。図19(a)は温度分布センサ311が初期設定(すなわち、回転角度が22.5°)の状態の検知エリア501を示し、図19(b)は2つの温度分布センサ311が対称に所定角だけ回転された状態の検知エリア501を示す。なお、初期設定の温度分布センサ311は、真下方向を基準に22.5°の角度(俯角)を有し、センサ視野角は45°程度である。また、天井高さは3mであるとするが、天井高さは居室によって様々である。また、回転角度は22.5°より小さくなることができ、例えば温度分布センサ311の真下(すなわち0°)に向けることも可能である。
図19(a)に示すように、温度分布センサ311が初期設定の角度の場合、2つの温度分布センサ311が形成する検知エリア501の隙間は9cmであり、ほとんど隙間は生じないと言える。この程度の隙間なら人を検知できるため、検知装置3の真下で人を検知できる。一方、検知エリア501は、検知装置3の真下から3mくらいまでなので、3m以上先の人を検知することができない。
図19(b)に示すように、50cm程度の隙間が検知装置3の真下に形成されるように2つの温度分布センサ311がそれぞれ対称に回転された場合を考える。この場合、検知装置3の真下に隙間があるが、検知装置3の真下から約3.7mの範囲まで検知エリア501が広がる。
このように、管理者が温度分布センサ311を回転させることで、真下の隙間を大きくしたり、真下から遠くまで検知エリア501を広げたりして、検知エリア501の場所を調整できる。
<回転角度の算出方法>
図20は、第1制御対象装置1、障害物、及び、検知エリア501の相対的な位置を説明する図の一例である。温度分布センサ311は障害物の少なくとも一部の温度分布を検出しない。障害物を非検知領域520と称することにする。図20では、第1制御対象装置1の真下に非検知領域520が存在する。温度分布センサ311の回転角度が何ら調整されないと検知エリア501が非検知領域520と重なってしまう。また、検知エリア501と検知エリア501の間に隙間530が生じている。
そこで、管理者PC7は非検知領域520を避けて隙間530を小さくする温度分布センサ311の回転角度を算出する。使用されるパラメータは、天井高さH、温度分布センサ311の視野角δ、及び、非検知領域520の幅d1、d2である。なお、幅d1、d2は、第1制御対象装置1の真下から非検知領域520の端部までの長さである。説明を容易にするためd=d1=d2とする。
・検知エリア501が非検知領域520と重ならないための回転角度θの算出
図21は、回転角度θの算出方法を説明する図の一例である。検知エリア501が非検知領域520と重ならないための回転角度をθ(第一の指向性の一例)、センサ視野角をδとする。図から以下の関係があることが分かる。
tan(θ−δ/2)=d/H
したがって、検知エリア501が非検知領域520と重ならないための回転角度θは以下のように算出される。
回転角度θ=δ/2+arc tan(d/H)…(1)
また、回転角度θが分かると検知エリア501の幅aを以下の式から算出できる。
a=Htan(θ+δ/2)−d
検知エリア501の幅a、及び、灯具ピッチLの方向に隣接した第1制御対象装置1と第1制御対象装置1の検知エリア501の重なり幅cが、後述する回転角度θの算出に使用される。重なり幅cについては後述する。
図22は、検知エリア501が非検知領域520と重ならないための回転角度θの温度分布センサ311が形成する検知エリア501を説明する図の一例である。図示するように、検知エリア501は非検知領域520と重ならないので、検知エリア501を有効に活用できる。
しかしながら、検知エリア501が第1制御対象装置1から離れたため、2つの検知エリア501が大きく重なってしまう。2つの検知エリア501の重なり幅をcとすると、このcの範囲では2つの第1制御対象装置1の温度分布センサ311がそれぞれ人を検知するので無駄になると言える。また、非検知領域520上の人が全く検知されないので、悪意のある侵入者が非検知領域520の上を移動しても検知装置3が検知できない。
そこで、2つの検知エリア501の重なり幅cが最小(ゼロ)になる回転角度θ((第二の指向性の一例)を算出することが検討される。
・2つの検知エリア501が重ならないための回転角度θの算出
図23は、回転角度θの算出方法を説明する図の一例である。第1制御対象装置1と第1制御対象装置1の間隔(灯具ピッチL)、及び、検知エリア501の幅aが既知なので、灯具ピッチLの方向に隣接した第1制御対象装置1と第1制御対象装置1の検知エリア501(以下、隣接した2つの検知エリア501と称する)の重なり幅cを以下の式で算出することができる。
c=2(a+d)−L
また、隣接した2つの検知エリア501が重ならないための回転角度をθ、センサ視野角をδとする。図23から以下の関係があることが分かる。
tan(θ+δ/2)=(a+d−c/2)/H
したがって、隣接した2つの検知エリア501が重ならないための回転角度θは以下のように算出される。
回転角度θ=−δ/2+arc tan((a+d−c/2)/H) …(2)
図24は、隣接した2つの検知エリア501が重ならないための回転角度θの温度分布センサ311が形成する検知エリア501を説明する図の一例である。図示するように、2つの検知エリア501が重ならないので、検知エリアの無駄がほとんどない。また、非検知領域520の一部が検知エリア501に含まれるので、非検知領域520(障害物)の上に移動するような人を検知しやすくなる。
なお、式(2)においてa+d−c/2をL/2としてもよい。
・θ〜θの間の回転角度θ
考え方によっては回転角度θでは非検知領域520と検知エリア501が重なる範囲が大きくなるため好ましくないということも言える。そこで、温度分布センサ311の回転角度がθとθの間にあれば、温度分布センサ311は隣接した2つの検知エリア501の重なりを抑制し、更に非検知領域520の少なくとも一部と重ならない検知エリア501を形成することが可能である。したがって、以下のように回転角度θ(第三の指向性の一例)を算出してもよい。
回転角度θ=(θ+θ)/2…(3)
すなわち、θ〜θの平均を算出することでθ〜θの間の回転角度θを算出できる。
図25は、回転角度θの温度分布センサ311が形成する検知エリア501を説明する図の一例である。非検知領域520と検知エリア501の重なりを少なくし、かつ、隣接した2つの検知エリア501の重なりを少なくできる。回転角度θはθとθの平均に限らず、θとθの間にあればよい。例えば、θ=αθ+βθ、α+β=1とする。αとβを変更するとで、非検知領域520と検知エリア501の重なりを大きくして2つの検知エリア501の重なりを少なくしたり、非検知領域520と検知エリア501の重なりを小さくして2つの検知エリア501の重なりを大きくしたりすることができる。
<灯具ピッチが一定でない場合>
図20〜25では隣接した2つの第1制御対象装置1に着目して説明したが、3つ以上の第1制御対象装置1が隣接する場合、第1制御対象装置1と第1制御対象装置1の間隔(灯具ピッチ)が一定でない場合がある。このような場合でも本実施形態の第1制御対象装置1は2つの温度分布センサ311が独立に回転するので検知エリア501の位置を適切に決定できる。
・検知エリア501が非検知領域520と重ならないための回転角度θの算出
図26は、3つの第1制御対象装置1が有する温度分布センサ311の回転角度θの算出方法を説明する図の一例である。図示するように、灯具ピッチL1<灯具ピッチL2である。第1制御対象装置1を区別するため、左から第1制御対象装置1−1、第1制御対象装置1−2、第1制御対象装置1−3と称する。第1制御対象装置1−1は温度分布センサ311A,311Bを有し、第1制御対象装置1−2は温度分布センサ311C,311Dを有し、第1制御対象装置1−3は温度分布センサ311E,311Fを有する。説明の便宜上、温度分布センサ311B,C,Dの回転角度θの算出について説明する。温度分布センサ311A、Eについては紙面にはない第1制御対象装置1との灯具ピッチLに応じて算出される。
また、天井高さH、センサ視野角、灯具ピッチ、非検知領域(障害物)の幅d等は以下のようであるとする。
Figure 2017224526
表1により、非検知領域520の幅d1〜d4が分かるので、式(1)を用いることで温度分布センサ311B,C,Dの回転角度θは以下のように算出される。
Figure 2017224526
また、回転角度θが算出されると、検知エリア501の幅a1〜a4も算出される。灯具ピッチL1,L2が既知なので、センサの重なり幅c1、c2も算出可能である。したがって、回転角度θも算出できる。
・隣接した2つの検知エリア501が重ならないための回転角度θの算出
図27は、隣接した2つの検知エリア501が重ならないための回転角度θの温度分布センサ311が形成する検知エリア501を説明する図の一例である。検知エリア501の幅a1〜a4、非検知領域520の幅d1〜d4、センサの重なり幅c1、c2が算出されているので、角度算出部74は式(2)を用いて温度分布センサ311B,C,Dの回転角度θを以下のように算出できる。
Figure 2017224526
・θ〜θの間の回転角度θ
θ,θが求められたので非検知領域520と検知エリア501の重なりを少なくし、かつ、隣接した2つの検知エリア501の重なりを少なくする回転角度θも式(3)を用いて算出可能である。
図28は、回転角度θの温度分布センサ311が形成する検知エリア501を説明する図の一例である。θとθの平均により回転角度θは以下のように算出される。
Figure 2017224526
第1制御対象装置1が3つ以上の場合も回転角度θはθ〜θの間にあればよい。
<動作手順>
図29は、管理者PC7が回転角度θ〜θを算出する手順を示すフローチャート図の一例である。図29の処理は管理者が回転角度θ〜θを算出するための操作を行うとスタートする。
まず、管理者PC7の操作受付部72は天井高さHの入力を受け付ける(S10)。
次に、操作受付部72は非検知領域520の幅d、灯具ピッチLの入力を受け付ける(S20)。
次に、記憶・読出処理部79は記憶部7000からセンサ視野角7001を読み出す(S30)。
次に、角度算出部74は、センサ視野角、天井高さH及び非検知領域520の幅dを式(1)に代入して、回転角度θを算出する(S40)。また、回転角度θの時の検知エリア501の幅aを算出し、灯具ピッチLと検知エリア501の幅aから重なり幅cを算出する。
次に、角度算出部74は、センサ視野角、天井高さH、検知エリア501の幅a、重なり幅c、及び非検知領域520の幅dを式(2)に代入して、回転角度θを算出する(S50)。
次に、角度算出部74は、回転角度θ、θを用いて回転角度θを算出する(S60)。
そして、画面表示部73は回転角度θ〜θをディスプレイに表示する(S70)。なお、スピーカから音声で出力してもよいし、管理システム8に送信してもよい。
管理者は回転角度θ〜θから任意に選択した回転角度に温度分布センサ311を回転させる。これにより、非検知領域520と検知エリア501の重なりが少なく、検知エリア501同士の重なりが少ない検知エリア501を形成するように温度分布センサ311の指向性を変更できる。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の第1制御対象装置1は、天井高さやパーティションなどの非検知領域520の位置に基づいて適切な検知エリア501が形成される回転角度を決定し、温度分布センサ311が回転することを利用して、温度分布センサ311の指向性を変更できる。したがって、検知エリアを適切に設定して無駄を生じにくくすることができる。また、2つの温度分布センサ311が独立に回転するので灯具ピッチが均一でなくても適切な検知エリア501を形成しやすい。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施形態の検知データは、熱源データ、温湿度データ及び照度データであるが、CO2の濃度などの情報、臭気、ウィルスや細菌などが検知されてもよい。
また、本実施形態で第1制御対象装置1は蛍光灯型LEDであると説明したが、第1制御対象装置1は照明装置であればよく発光原理はLEDに限られない。例えば、白熱電球、蛍光灯、ハロゲン電球又は高輝度放電等などもよく、また、これらには限られない。
また、本実施形態で第2制御対象装置2はエアコンであると説明したが、第2制御対象装置2は体感される温度や湿度を影響する装置であればよくいわゆるヒートポンプを備えたエアコンに限られない。例えば、単なる送風機、除湿器、加湿器、空気清浄機又は各種のヒーター等などもよく、また、これらには限られない。
また、本実施形態では温度分布センサ311で人の有無を判断したが、人以外の動物を検知の対象として有無を判断してもよい。熱を発すれば動物又はロボットなども検知可能である。また、温度分布センサ311として赤外線カメラの撮像範囲に適用できる。この場合、カメラは画像処理により移動体を検知したり、赤外線により人や動物を検知したりできる。
また、本実施形態では、天井に設置された温度分布センサ311が床の人を検出したが、一方の壁に設置された温度分布センサ311が他方の壁の近くの人を検知する場合にも適用できる。あるいは、床に設置された温度分布センサ311が天井の熱源を検出してもよい。
また、本実施形態では、1つの温度分布センサ311の検知エリア501が台形であるとして説明したが、検知エリア501は台形以外の形状でもよい。例えば、正方形、長方形、ひし形などゆがみがない形状でもよい。また、5角形以上の多角形、円形、楕円形、又は、不定形な形状でもよい。
また、検知装置3は蛍光灯としての第1制御対象装置に装着される他、エアコンの通気口、火災検知器など、蛍光灯以外の場所に設置されてもよい。
また、温度分布センサ311は人間が回転させる他、モーターなどのアクチュエータで回転されてもよい。
また、温度分布センサ311は3つ以上が1つの第1制御対象装置1に搭載されていてもよい。温度分布センサ311の数が多いほど、隙間を低減しやすくなる。
また、温度分布センサ311の回転の中心軸はLEDランプ130の断面の中心でなくてもよい。口金の設計によって中心軸は変わりうるものであり、およそLEDランプ130を中心に回転すればよい。また、口金に平面部分があれば口金(天井)に対し平行に温度分布センサ311がスライドしてもよい。
また、管理者PC7が単体で回転角度を算出する他、いわゆるサーバクライアント方式でサーバが回転角度を決定することができる。この場合、管理者PC7は、天井高さH、センサ視野角、非検知領域の幅及び灯具ピッチをサーバに送信する。サーバは回転角度θ〜θを算出し管理者PC7に送信する。また、管理者PC7でなく管理システム8が回転角度を算出してもよい。
なお、温度分布センサ311は環境情報検知手段の一例であり、送受信部31は通信手段の一例であり、図18等で説明した回転機構(604,605,608)は指向性変更手段の一例であり、管理システム8は外部制御装置の一例であり、照度センサ312は光量検知手段の一例であり、第1制御対象装置1に送信される制御データは光量制御データの一例であり、制御部35は光量制御手段の一例であり、検知エリア501は所定の範囲の一例である。送受信部81は受信手段の一例であり、生成部84は制御手段の一例であり、指向性方向決定手段は角度算出部74の一例である。機器制御システム100は照明システムの一例である。
1 第1制御対象装置
2 第2制御対象装置
3 検知装置
7 管理者PC
8 管理システム
74 角度算出部
100 機器制御システム
311 温度分布センサ
604 内筒
605 外筒
特許第4340925号公報

Claims (10)

  1. 照明部の両端に備えた口金の少なくとも一方に備えられた空間の環境情報を検知する環境情報検知手段と、
    前記環境情報検知手段の指向性を変更する指向性変更手段と、を有する照明装置と、
    前記環境情報検知手段の視野角、前記環境情報検知手段の位置情報、及び、環境情報が検知されない非検知領域の位置情報を用いて、前記指向性の方向を決定する指向性方向決定手段を有する情報処理装置と、
    を有する照明システム。
  2. 前記指向性方向決定手段は、前記環境情報検知手段の視野角、前記環境情報検知手段の位置情報、及び、前記非検知領域の位置情報を用いて、前記環境情報検知手段が前記非検知領域の少なくとも一部の環境情報を検知しない前記指向性の方向を決定する請求項1に記載の照明システム。
  3. 前記環境情報検知手段は所定の範囲の環境情報を検知するものであり、
    前記指向性方向決定手段は、前記非検知領域と前記所定の範囲が重ならない前記環境情報検知手段の第一の指向性の方向を決定する請求項2に記載の照明システム。
  4. 前記指向性方向決定手段は、前記環境情報検知手段が前記第一の指向性の方向に変更された場合の前記所定の範囲の幅を算出し、
    前記照明装置と前記幅の方向に隣接した前記照明装置との間隔、前記所定の範囲の幅、及び、前記非検知領域の幅を用いて、前記照明装置の前記所定の範囲と前記幅の方向に隣接した前記照明装置の前記所定の範囲とが重ならない前記環境情報検知手段の第二の指向性の方向を決定する請求項3に記載の照明システム。
  5. 前記指向性方向決定手段は、前記非検知領域と前記所定の範囲が重ならない前記環境情報検知手段の第一の指向性の方向を決定し、
    前記第一の指向性と前記第二の指向性との間の第三の指向性を決定する請求項4に記載の照明システム。
  6. 前記指向性方向決定手段は、前記第一の指向性と前記第二の指向性の平均を前記第三の指向性に決定する請求項5に記載の照明システム。
  7. 前記環境情報検知手段は少なくとも2方向の指向性を備え、前記指向性変更手段はそれぞれの指向性を独立に変更する請求項5に記載の照明システム。
  8. 前記指向性方向決定手段は、
    前記照明装置の真下の前記非検知領域と前記所定の範囲が重ならない前記環境情報検知手段の第一の指向性の方向を決定し、
    前記照明装置の前記所定の範囲と前記幅の方向に隣接した前記照明装置の前記所定の範囲とが重ならない前記環境情報検知手段の第二の指向性の方向を決定し、
    前記照明装置と前記幅の方向に隣接した前記照明装置の真下の前記非検知領域と、前記隣接した前記照明装置に搭載された前記環境情報検知手段の前記所定の範囲が重ならない前記環境情報検知手段の第一の指向性の方向を決定し、
    前記照明装置の前記非検知領域と、前記隣接した前記照明装置の前記非検知領域とが重ならない、前記隣接した前記照明装置に搭載された前記環境情報検知手段の第二の指向性の方向を決定する請求項7に記載の照明システム。
  9. 空間の環境情報を検知する環境情報検知手段が搭載された照明装置であって、
    前記環境情報検知手段の視野角、前記環境情報検知手段の位置情報、及び、環境情報が検知されない非検知領域の位置情報を用いて決定された、前記環境情報検知手段の指向性の方向に、前記環境情報検知手段の前記指向性を変更する指向性変更手段を備える照明装置。
  10. 空間の環境情報を検知する環境情報検知手段が搭載され、前記環境情報検知手段の指向性を変更する指向性変更手段を有する照明装置に関し、前記指向性の方向を決定する情報処理装置を、
    前記環境情報検知手段の視野角、前記環境情報検知手段の位置情報、及び、環境情報が検知されない非検知領域の位置情報を用いて、前記指向性の方向を決定する指向性方向決定手段として機能させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019204613A (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 東芝ライテック株式会社 照明システム
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JP2022554023A (ja) * 2019-11-22 2022-12-27 シグニファイ ホールディング ビー ヴィ 複数の存在センサシステムへの異なるタスクの割り当て

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