JP2017223158A - 噴射弁の冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の排気管内に流体を噴射する噴射弁の冷却性能を高めることができる噴射弁の冷却装置を提供する。【解決手段】噴射弁2の冷却装置としての保持部材1は外側カバー3と内側カバー4とを備える。外側カバー3には凹部33が形成される。内側カバー4は、噴射弁2を内側に配置して、噴射弁2の中心軸線L1回りに筒状に形成されるとともに凹部33に嵌る形に設けられる。凹部33において外側カバー3と内側カバー4の間には冷却水が供給される空間が形成される。その空間には冷却水の流入口と流出口とが形成される。また空間には周方向に沿って複数の隔壁6が配置される。各隔壁6は、空間の内周面側から外周面側への径方向に延設されるとともに、凹部33の軸方向に延設される。また、隔壁6は、周方向に導通する開口61を形成しており、各開口61は周方向に沿って空間の下面側と上面側に交互に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気管内に流体を噴射する噴射弁を冷却する装置に関する。
従来、内燃機関から排出される排気ガスを浄化するシステムの一つに尿素SCRシステム(SCR:Selective Catalytic Reduction)が知られている。この尿素SCRシステムにあっては、内燃機関の排気管内に、排気中のNOxを還元浄化するための触媒部が設けられるとともに、その触媒部の上流に還元剤としての尿素水を噴射する噴射弁が設けられる。
ここで、排気は高温であり、噴孔が形成された噴射弁のノズル先端部は高温の排気にさらされる。ノズル内部に存在する尿素水が高温になり、その尿素水がノズルの材質であるステンレスに接触するとステンレスが溶解してしまい、尿素水の噴射量を正確に制御できなくなるおそれがある。
そこで、噴射弁を冷却する装置が各種提案されている(例えば特許文献1参照)。例えば特許文献1には、内側に噴射弁を収容する収容空間を区画する収容部に、両端に冷却水の流入部と流出部とを有し且つ流入部から収容部の内周面の周囲に沿って少なくともほぼ1周巡回する巡回路を有する冷却水路を形成した構成が開示されている。さらに、特許文献1の構成では、巡回路の断面積を、冷却水路に冷却水を供給する供給路の断面積より小さくすることで、冷却水の流速を増速させ、冷却性能を高めている。
特開2012−137021号公報
ところで、特許文献1の手法とは異なる手法で噴射弁の冷却性能を高めることができるようにすることは、特許文献1の手法を採用できない事情がある場合などに有益である。
そこで、本発明は、特許文献1の手法とは異なる手法で噴射弁の冷却性能を高めることができる噴射弁の冷却装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、
凹部(33)が形成された第1部材(3)と、
内燃機関の排気管内に流体を噴射する噴射弁(2)を内側に配置して、前記噴射弁の周りに筒状に形成されるとともに、前記凹部に嵌って前記凹部の側面に筒状外周面が間隔をあけて対向する形に設けられる第2部材(4)とを備え、
前記凹部における前記第1部材と前記第2部材の間に形成される空間(5)は、前記噴射弁を冷却するための流体である冷却用流体が供給される空間とされ、前記空間には前記冷却用流体の流入口(51)と流出口(52)とが形成されており、
前記空間において前記空間の内周面(53)側から外周面(54)側への径方向に延設されるとともに、前記凹部の軸方向に延設された隔壁(6)を備え、
前記隔壁は、前記隔壁を間に挟んで隣り合う一方の区域から他方の区域へと導通する開口(61、601)を形成している噴射弁の冷却装置(1)である。
本発明によれば、凹部が形成された第1部材の内側に、筒状の第2部材が配置されて、第1部材と第2部材との間に形成される空間(以下、流体供給空間という場合もある)に冷却用流体を供給して、その冷却用流体により第2部材を介して噴射弁を冷却する構成を前提としている。本発明では、流体供給空間に、流体供給空間の内周面側から外周面側への径方向に延設されるとともに、凹部の軸方向に延設された隔壁を備えている。さらにその隔壁は、隔壁を間に挟んで隣り合う一方の区域から他方の区域へと導通する開口を形成している。この隔壁の存在により、流体供給空間の深さ方向に流れる流路を形成でき、流体供給空間における冷却用流体の流路長を増大できる。これにより、第2部材を介して冷却される噴射弁の冷却性能を向上できる。
第1実施形態における噴射弁及びそれを保持する保持部材の、隔壁が設けられた位置における断面図である。 第1実施形態における噴射弁の保持部材の斜視図であって、外側カバーの内部を透視した形で示した図である。 噴射弁及びそれを保持する保持部材の、隔壁が設けられていない位置における断面図である。 第1実施形態における外側カバーと内側カバーの間の空間における内周面の展開図において隔壁を配置した図である。 図3のV−V線で保持部材を切った断面図である。 図3のV−V線で保持部材を切った断面図の別例であり隔壁と内側カバーとが溶接により固定された例を示した図である。 図3のV−V線で保持部材を切った断面図の別例であり、隔壁の断面形状が三角形であり、その三角形の頂点部分が外側カバーに接触している例を示した図である。 隔壁の側面と噴射弁の中心軸線との角度が0°の場合を示した図である。 隔壁の側面と噴射弁の中心軸線との角度が0°以外の角度θの場合を示した図である。 排気管に外包部材が取り付けられた状態を示すとともに、鉛直方向に噴射弁が配置された図である。 排気管に外包部材が取り付けられた状態を示すとともに、鉛直方向に対して斜めに噴射弁が配置された図である。 排気管に外包部材が取り付けられた状態を示すとともに、水平方向に噴射弁が配置された図である。 図3のXIII−XIII線での断面図である。 収容部に対する噴射弁の偏心率に対する噴射弁先端温度の変化を示した図である。 第2実施形態における噴射弁の保持部材の斜視図であって、外側カバーの内部を透視した形で示した図である。 第2実施形態における外側カバーと内側カバーの間の空間における内周面の展開図において隔壁を配置した図である。 変形例における噴射弁及びそれを保持する保持部材の断面図である。 変形例における噴射弁及びそれを保持する保持部材の断面図である。 変形例における噴射弁及びそれを保持する保持部材の断面図である。 図5のA部拡大図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1の噴射弁2は、車両に搭載されたディーゼルエンジン等の内燃機関の排気管に設置されて、排気管内に還元剤としての尿素水を噴射する装置である。噴射弁2より下流の排気管には排気中のNOxを選択的に還元浄化するSCR触媒が設置されている。噴射弁2から添加された尿素水が排気熱により加水分解されることによりアンモニア(NH3)が生成される。そのアンモニアとNOxとの還元反応がSCR触媒において行われることで、NOxは水や窒素に分解(浄化)する。このように、噴射弁2は尿素SCRシステムの一部を構成する。
噴射弁2は、略円筒形状であり、噴射弁2の中心軸線L1が例えば鉛直方向に向くように設置されるが、鉛直方向以外の向き、例えば鉛直方向に対してSCR触媒の向き(下流側)に斜めに傾いて設置されたとしても良いし、排気管の曲部の曲げ外側において鉛直方向に対して略90°の向き、つまり水平方向に設置されたとしても良い。
噴射弁2は、ノズルボディ21と、そのノズルボディ21を支持する筒状のハウジング22と、ノズルボディ21の先端に配置された噴孔プレート23と、ノズルボディ21及びハウジング22内に配置されたノズルニードル(図示外)とを備える。
ハウジング22は略円筒形状に形成された内部空間を有する。ハウジング22の、ノズルボディ21が設けられる側と反対側の端部には、タンクに貯蔵された尿素水が供給される尿素水入口が形成されており、その尿素水入口を通じてハウジング22の内部空間に尿素水が流入する。また、ハウジング22は、中心軸線L1に沿って段階的に外径が変化する形状に形成されている。詳しくは、噴射弁2の尿素水入口側を噴射弁2の上流側、噴孔プレート23側を噴射弁2の下流側としたとき、ハウジング22は、下流側から、第1筒状部221と、その第1筒状部221より大径の第2筒状部222と、その第2筒状部222より大径の第3筒状部223と、その第3筒状部223より大径の第4筒状部224とを有する。各筒状部221〜224は同軸に形成されている。また、各筒状部221〜224の境界には段差が形成されている。
ノズルボディ21は、略円筒形状に形成されており、ハウジング22の下流側の端部において、ハウジング22(第1筒状部221)の内側にノズルボディ21の一部が嵌め込まれる形で設けられる。その嵌め込まれた部分において、ノズルボディ21の外周面と、ハウジング22の内周面とが溶接により接続されている。
噴孔プレート23は、ノズルボディ21のハウジング22に嵌め込まれた側と反対側の端面を塞ぐ形で設けられている。噴孔プレート23の先端24には噴孔が形成されており、その噴孔から尿素水が噴射される。
ハウジング22及びノズルボディ21の内部に形成される収容室には、ニードル(弁体)が中心軸線L1の方向へ往復移動可能に収容されている。そのニードルはノズルボディ21と概ね同軸上に配置されており、ノズルボディ21との間に尿素水が流れる尿素水通路を形成する。
噴射弁2は、ニードルを駆動するソレノイド等から構成された駆動部を備えている。駆動部のソレノイドが通電されていないときには、ニードルの端部がノズルボディ21内に形成された弁座部に着座することで、尿素水通路が遮断されて、噴孔からの尿素水噴射が停止される。一方、ソレノイドが通電されると、ニードルが弁座部から離れる方向に移動し、この移動により、尿素水通路が開放されて噴孔から尿素水が噴射される。なお、噴射弁2の上流側には駆動部を通電するための電気信号を入力するコネクタ(図示外)が設けられている。
噴射弁2は保持部材1により排気管に取り付けられている。保持部材1は、外側カバー3と内側カバー4と隔壁6とシール部材7と外包部材8とを備えている。なお、保持部材1が本発明の噴射弁の冷却装置に相当する。
外側カバー3は、有底の円筒状に形成されている。すなわち、外側カバー3は、円筒部31と、円筒部31の一方の端部に接続して円筒部31の内側の空間を塞ぐ底部32とを有する。円筒部31は、その中心軸線に沿ったどの位置においても径が一定の円筒状に形成されている。円筒部31の、底部32が設けられていない側の端部は開口部となっている。以下では、この開口部の側を凹部33の入口側という。底部32には部分的に開口34が形成されている。その開口34は、円筒部31の中心軸線を中心とした、円筒部31より小さい径の円形に形成されている。開口34には、内側カバー4の先端部44が嵌め込まれている。これら円筒部31、底部32により、外側カバー3の内側には有底の凹部33が形成される。なお、外側カバー3が本発明の第1部材に相当する。
内側カバー4は、噴射弁2を内側に配置して、噴射弁2の中心軸線L1の回りに筒状に形成されている。詳しくは、内側カバー4には、内側に噴射弁2を収容する収容部41が形成されている。収容部41の壁面(内側カバー4の内周面)は、噴射弁2の外周面と同様に内側カバー4の軸方向に沿って段階的に径が変化する形状に形成されている。詳しくは、収容部41は、図1の紙面下側から、第1収容部411と、その第1収容部411よりも大径の第2収容部412と、その第2収容部412より大径の第3収容部413とを有する。
第1収容部411は、噴射弁2の先端24からの一部を構成する噴孔プレート23、ノズルボディ21及び第1筒状部221より若干大径の円形孔に形成されている。第1収容部411は、噴孔プレート23、ノズルボディ21及び第1筒状部221の先端からの一部を収容する。このとき、第1収容部411の壁面と、噴射弁2との間には若干の隙間を有している。
第2収容部412は、第1筒状部221の残余部分及びシール部材7を収容する。つまり、第2収容部412は、シール部材7の取付部として機能し、シール部材7の分だけ第1収容部411よりも大径の円形孔に形成されている。このとき、環状のシール部材7の外周面が第2収容部412の壁面に接触し、シール部材7の内周面が噴射弁2の外周面に接触している。このように、噴射弁2は、シール部材7を介して内側カバー4に間接的に接触している。また、噴射弁2の中心軸線L1の位置は、第2収容部412により規定され、具体的に、噴射弁2の軸線L1は第2収容部412の中心軸線L2(図1参照)と一致している。
第3収容部413は、噴射弁2の、第1筒状部221より上流側の部分のうちの一部を収容する。第3収容部413は、噴射弁2の外径よりも大径の円形孔に形成されるとともに、噴射弁2の外径の段階的変化に合わせて径が段階的に変化する形状に形成されている。
なお、収容部41は、噴射弁2の全部を収容しているわけではなく、噴射弁2の先端24からの一部のみを収容しており、その一部より上流側の部分は収容部41からはみだしている(図2参照)。
各収容部411〜413は互いの中心軸線を一致させた形で形成されたとしても良いし、互いの中心軸線がずれた形で形成されたとしても良い。図1の例では、噴射弁2の先端部(噴孔プレート23、ノズルボディ21)を収容する第1収容部411の中心軸線L3が、噴射弁2の中心軸線L1の位置を規定する第2収容部412の中心軸線L2から偏心している例を示している。中心軸線L3を中心軸線L2から偏心させることで、噴射弁2の中心軸線L1が、第1収容部411の中心軸線L3から偏心することになり、後述するように先端24の温度を抑えることができる。
内側カバー4の外周面42は、収容部41の中心軸線と同じ又はその中心軸線と平行な軸線回りに円を描く形状に形成されている。第1収容部411側を内側カバー4の下流側、第3収容部413側を内側カバー4の上流側として、外周面42は、その中心軸線に沿って上流側から下流側にいくにしたがって段階的に径が小さくなる形状に形成されている。詳しくは、外周面42は、上流側から、第1外周面421とその第1外周面421より小径の第2外周面422とその第2外周面422より小径の第3外周面423とその第3外周面423より小径の第4外周面424とその第4外周面424より小径の第5外周面425とを有する。各外周面421〜425の中心軸線は同軸となっている。
第1外周面421は、外側カバー3の外径よりも大径に形成されている。第2外周面422は外側カバー3の内径(つまり凹部33の径)と同じ径に形成されている。第3外周面423及び第4外周面424は外側カバー3の内径より小径に形成されている。第5外周面425は、外側カバー3の底部32に形成された開口34と同じ径に形成されている。なお、第1〜第3外周面421〜423は、第3収容部413の外周面を構成している。第4外周面424は、第1収容部411及び第2収容部412の外周面を構成している。
内側カバー4は、下流側を凹部33の底部32に向けて、一部が凹部33に嵌る形に設けられる。詳しくは、内側カバー4の、第2〜第5外周面422〜425で規定される筒状部分43が凹部33に嵌っている。このとき、第5外周面425で規定される筒状部分である先端突出部44が外側カバー3の開口34に嵌っている。また、第3外周面423及び第4外周面424で規定される筒状部分であり、冷却水の流路の内壁を構成する流路内壁部45が凹部33の側面と間隔を空けて対向する形に配置される。また、第2外周面422で規定される筒状部分である天井部46が凹部33の入口において凹部33の側面に接触する形で配置されている。つまり、天井部46は凹部33の入口を塞ぐ形で配置されている。一方、第1外周面421で規定される筒状部分である大径部47は凹部33の外側に配置される。
内側カバー4は外側カバー3に溶接等で固定されている。溶接で固定する場合、その固定箇所は、例えば天井部46や先端突出部44と外側カバー3とが接触している箇所とすることができる。なお、内側カバー4が本発明の第2部材に相当する。
凹部33内において外側カバー3と内側カバー4との間には空間5(図2、図3参照)が形成されている。その空間5は、噴射弁2を冷却するための冷却用流体としての冷却水が供給される空間とされる。なお、冷却水としては、内燃機関の冷却水が用いられる。空間5は、内側カバー4を間に挟んで噴射弁2の先端側の全周を囲んでいる。すなわち、空間5は、噴射弁2の中心軸線L1回りの全周を囲むとともに中心軸線L1の方向に沿った方向に延びた形状に形成されている。詳しくは、空間5は、軸線L1回りの全周を囲むとともに軸線L1方向に沿った方向に延びた内周面53及び外周面54(図2、図3参照)を有する。それら内周面53、外周面54は、噴射弁2の径方向に向いて互いに対向する形に設けられる。内周面53は、噴射弁2の径方向外側(内側カバー4の径方向外側でもある)に向いている。外周面54は、噴射弁2の径方向内側(内側カバー4の径方向内側でもある)に向いている。
また、凹部33の入口と底部32との間の方向を深さ方向としたとき、空間5は、深さ方向における両端が壁面で閉塞されている。すなわち、空間5の深さ方向における一端側は凹部33の底部32で閉塞されている。空間5の深さ方向における他端側は天井部46(図1参照)で閉塞されている。以下では、空間5の深さ方向の両端に位置する壁面のうち底部32側を下面55(図3参照)とし、天井部46側を上面56(図3参照)とする。
図3に示すように、空間5には、冷却水を空間5に流入するための流入口51と、空間5から冷却水を流出するための流出口52とが形成されている。それら流入口51、流出口52は、空間5(言い換えると内側カバー4)の周方向において隔壁6が設けられていない位置に形成されている。また、流入口51、流出口52は、上面56付近の位置、つまり下面55よりも上面56に近い位置において外側カバー3の壁面を貫通する形に形成されている。さらに、本実施形態においては、流入口51、流出口52は、空間5の周方向における180°反対側に形成されている(図4も参照)。なお、流入口51、流出口52の位置関係は、180°反対側でなくても良い。
空間5には隔壁6が配置されている。隔壁6は、空間5の内周面53側から外周面54側への径方向に延設されるとともに、凹部33の軸方向、言い換えれば上面56側から下面55側への深さ方向にも延設されている。この深さ方向における延設に関し、隔壁6は、噴射弁2の中心軸線L1の方向(内側カバー4の中心軸線の方向でもある)に沿って真っ直ぐに延びている。つまり、隔壁6の両側面62(図4参照)は平面に形成されている。なお、隔壁6は、隔壁6の側面62と噴射弁2の軸線L1とを重ねたときにそれら側面62、軸線L1との間の角度が図8のように0°となるように配置されたとしても良いし、図9のように0°以外の角度θとなるように若干斜めに配置されたとしても良い。
隔壁6は、図1の方向から見て略四角形の板状に形成される。隔壁6の板表面としての側面62(図4参照)が、内周面53及び外周面54に対する周方向に向けられている。隔壁6の、空間5の内周面53側から外周面54側への径方向への延設方向を第1延設方向、上面56側から下面55側への深さ方向への延設方向を第2延設方向とする。隔壁6の外周部は、空間5の各壁面53〜56の方に向いている。詳しくは、隔壁6の、第1延設方向における一方の端部64(図5参照)は内周面53の方に向いており、他方の端部63(図5参照)は外周面54の方に向いている。また、隔壁6の、第2延設方向における一方の端部65(図4参照)は上面56の方に向いており、他方の端部66は下面55の方に向いている。なお、以下では、内周面53の方に向いた隔壁6の端部64を内側端部、外周面54の方に向いた隔壁6の端部63を外側端部、上面56の方に向いた隔壁6の端部65を上端部、下面55の方に向いた隔壁6の端部66を下端部という。
隔壁6は、空間5の周方向に沿って等間隔で複数配置されている。本実施形態では、図4に示すように、隔壁6は6か所つまり周方向に沿って60°間隔で配置されている。
このように、6つの隔壁6により、空間5は周方向に6つの区域に区画される。各隔壁6は、隔壁6を間に挟んで隣り合う一方の区域から他方の区域へと導通する開口61(図1、図4参照)を形成している。開口61は、図4に示すように、空間5の周方向に沿って空間5の上面56側と下面55側に交互に配置されている。詳しくは、流入口51の隣りに位置する2つの隔壁6a、6dはそれぞれ下端部66の全部が下面55に非接触に設けられており、これにより下端部66と下面55との間で開口61を形成している。また、隔壁6a、6dはそれぞれ上端部65が上面56に接触しており、つまり上面56側には開口を形成していない。
また、隔壁6a、6dの隣りに位置する隔壁6b、6eはそれぞれ上端部65の全部が上面56に非接触に設けられており、これにより上端部65と上面56との間で開口61を形成している。また、隔壁6b、6eはそれぞれ下端部66が下面55に接触しており、つまり下面55側には開口を形成していない。
また、隔壁6b、6eの隣り(流出口52の隣り)に位置する隔壁6c、6fはそれぞれ下端部66の全部が下面55に非接触に設けられており、これにより下端部66と下面55との間で開口61を形成している。また、隔壁6c、6fはそれぞれ上端部65が上面56に接触しており、つまり上面56側には開口を形成していない。
上記のように各開口61が形成されることで、流入口51を基準として右側に位置する3つの隔壁6a〜6c間で、下面55側と上面56側に交互に開口61が配置される。同様に、流入口51を基準として左側に位置する3つの隔壁6d〜6f間で、下面55側と上面56側に交互に開口61が配置される。
開口61はどのような大きさでも良いが、小さい方が好ましい。開口61を小さくすることで、開口61を通過する冷却水の流速を増大でき、冷却性能を向上できるためである。また、開口61が大きすぎると、冷却水の流路長が減ってしまう。
隔壁6は、どの部材にどのように固定されたとしても良いが、例えば内側カバー4に固定される。隔壁6を内側カバー4に固定する場合には、例えば図5、図6に示す方法で固定すれば良い。図5の例では、内側カバー4の外周面(空間5の内周面53)に溝48が形成されており、その溝48に隔壁6の内側端部64が嵌合している。図6の例では、内側端部64と内周面53とが溶接101により固定されている。なお、図5、図6では外側カバー3、内側カバー4、隔壁6以外の部材の図示を省略している。
一方、隔壁6の外側端部63は、外側カバー3(空間5の外周面54)に接触していても良いし、接触していなくても良い。図5の例では、隔壁6と外側カバー3とが接触していない例を示しており、図20に示すように隔壁6の外側端部63と空間の外周面54(外側カバー3)との間に微小な隙間200が形成されている。このように、隔壁6を外側カバー3との間で隙間200を有する形で設けることで、外側カバー3の熱が隔壁6を介して内側カバー4や噴射弁2に伝達されてしまうのを抑制でき、結果、噴射弁2の冷却性能を向上できる。隔壁6と外側カバー3との間で隙間200を形成する場合には、その隙間200は、隙間200から冷却水が流れない程度に小さくするのが好ましく、具体的には開口61の大きさ(面積)より小さくするのが好ましい。これによれば、冷却水が開口61を流れる際の圧力損失よりも、隙間200を流れる際の圧力損失の方が大きくなるので、冷却水は隙間200よりも開口61を流れる。つまり、隙間から冷却水が漏れてしまうのを抑制できる。
一方、隔壁6を外側カバー3に接触した形で設けることで、開口61以外の部分から冷却水が周方向に流れてしまうのを抑制できる。隔壁6と外側カバー3とを接触させる場合にはそれらの接触面積は小さい方が好ましい。接触面積を小さくすることで、接触圧を大きくでき、隔壁6と外側カバー3との間のシール性を向上できる。また、接触面積を小さくすると、外側カバー3から隔壁6に伝達される熱量を小さくでき、噴射弁2の冷却性能を向上できる。
ここで、隔壁6と外側カバー3との接触面積を小さくするために、例えば、隔壁6を間に挟んで隣り合う一方の区域に面した側面621(図5参照)と他方の区域に面した側面622(図5参照)との間の幅が、内周面53側よりも外周面54側の方が狭くなるよう、図5の方向から見たときの隔壁6の断面形状を形成することができる。この場合、図7に示すように、両側面621、622間の幅が次第に小さくなっていき、最終的に幅がゼロになる形状、つまり上記第2延設方向に直交する平面で隔壁6を切ったときの断面が三角形に形成されるのが好ましい。このとき、断面を形成する三角形の頂点部分67が外周面54に接触する。これによれば、頂点部分67と外周面54との接触を、深さ方向に沿った線接触となるので、面接触に比べて、隔壁6と外側カバー3との間の接触圧を大きくできるとともに、外側カバー3から隔壁6に伝達される熱量を小さくできる。なお、図7の例では、断面を形成する三角形の底辺部分68は内周面53に接触している。なお、図7では外側カバー3、内側カバー4、隔壁6以外の部材の図示を省略している。
シール部材7は、環状に形成されて、上述したように第2収容部412において内周面が噴射弁2の外周面に接触し、外周面が内側カバー4の内周面に接触した形で配置されている。つまり、シール部材7の内側空間に噴射弁2が挿入されている。シール部材7は、ゴム等の弾性材で形成されたとしても良いし、銅等の金属で形成されたとしても良い。シール部材7は、内側カバー4と噴射弁2との隙間から排気が外部に漏れるのを抑えるための部材である。
外包部材8は、上記内側カバー4、外側カバー3等から構成された保持部材1を排気管に取り付けるための部材である。外包部材8は、図1に示すように、一定径の筒状に形成された筒状部81と、その筒状部81の一端側を覆う蓋部82と、蓋部82の外周部から筒状部81の側方に傾斜する形に突出した傾斜部83とを有している。筒状部81の内径は、外側カバー3の外径よりも大きい。また、筒状部81の、蓋部82が設けられた側と反対側の端部は開口が形成されている。蓋部82には、筒状部81内と導通する、外側カバー3の外径と同径の開口84が形成されている。傾斜部83は、筒状部81の、蓋部82が設けられていない端部側に傾斜している。なお、外包部材8が本発明の筒状部材に相当する。
外包部材8は、蓋部82の側を図1の紙面方向で上側に向けて配置される。そして、蓋部82の開口84から筒状部81内に噴射弁2及びそれを保持する保持部材1が挿入されている。このとき、噴射弁2の先端24からの一部及びその一部を取り囲む保持部材1の一部が筒状部81内に配置され、それ以外は筒状部81の外側に配置される。外包部材8と外側カバー3は、例えば開口84の位置で溶接により固定されている。
外包部材8は、例えば図10のように排気管110に取り付けられる。なお、図10では、外包部材8以外の保持部材1の構成の図示を省略している。図10の例では、水平方向に延びた排気管110の外壁から側方(鉛直上向き)に突出した固定部120が設けられている。固定部120は、排気管110の外壁から側方に突出した筒状部121と、その筒状部121の、排気管110の外壁に接続された側と反対側の端部から筒状部121の側方に斜めに突出した傾斜部122とを有している。筒状部121は、内部の空間が排気管110内に導通している。筒状部121の内径は、外包部材8の筒状部81の外径以上に設定されている。傾斜部122は、排気管110の外壁側に傾斜している。
外包部材8は、筒状部121の内側に筒状部81が挿入されており、傾斜部122の上に傾斜部83が載る形で設置される。そして、両傾斜部122、83が締結部材(図示外)により固定されている。このように、外包部材8は、内部の空間が排気管110内に導通した形で設けられ、それに伴い、噴射弁2の先端24は排気管110内に露出した形で設けられる。また、流入口51及び流出口52は、外包部材8の外側に配置されており、つまり排気管110の外側に配置されている。
図10の例では、噴射弁2は先端24を鉛直下向きに向けて配置される。これに代えて、図11や図12のように噴射弁2を配置しても良い。なお、図11、図12では、外包部材8以外の保持部材の構成の図示を省略している。図11の例では、水平方向に延びた排気管110の外壁から鉛直方向に対して斜めに突出する形で筒状の固定部120が設けられる。これに伴い、外包部材8及び保持部材に保持される噴射弁2も、鉛直方向に対して斜めに配置される。このとき、噴射弁2の先端24がSCR触媒300の方に向けられる。
図12の例では、排気管110は、水平方向に延びた水平部111と、その水平部111の上流側に略90°の方向に曲がった曲部112とを有する。水平部111にはSCR触媒300が配置されている。曲部112の曲げ外側には筒状の固定部120が水平方向(鉛直方向に対して90°の方向)に突出した形で設けられる。これに伴い、外包部材8及び保持部材に保持される噴射弁2も水平方向に配置される。このとき、噴射弁2の先端24がSCR触媒300の方に向けられる。
なお、保持部材1を構成する各部材(シール部材7を除く)は例えばステンレス製である。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。図4に示すように、流入口51から空間5に流入した冷却水は、先ず流入口51の両隣りの隔壁6a、6dに沿って下面55側に流れる。下面55側に流れた冷却水の一部は、右側の隔壁6aの開口61から周方向右側に流れ、その後、右側の3つの隔壁6a、6b、6c間を、下面55側から上面56側への上方向と、上面56側から下面55側への下方向とに交互に流れた後、流出口52から流出する。また、流入口51から下面55側に流れた冷却水の残りの一部は、左側の隔壁6dの開口61から周方向左側に流れ、その後、左側の3つの隔壁6d、6e、6f間を、下面55側から上面56側への上方向と、上面56側から下面55側への下方向とに交互に流れた後、流出口52から流出する。なお、図4では、冷却水の流れを矢印で示している。
このように、本実施形態では、流入口51を基準として周方向右側と周方向左側の2方向に冷却水が流れるとともに、上下に蛇行しながら流出口52まで流れる。これによって、冷却水の流路長を増大できる。これにより、内側カバー4及びこの内側に配置された噴射弁2の先端側を効果的に冷却できる。また、隔壁6と内側カバー4とは接触しているので、冷却水と隔壁6の側面62との接触により隔壁6が冷却され、この隔壁6に接触した内側カバー4も冷却されやすくなり、ひいては噴射弁2を効果的に冷却できる。
これに対して、仮に隔壁6が設けられていないとすると、空間5において流入口51、52が形成される位置まで冷却水が溜まった以降は、流入口51から流出口52への最短経路で冷却水が流れて、噴射弁2の先端側での冷却水の滞留時間が長くなる。その結果、噴射弁2の先端側が冷却しにくくなる。
また、冷却効率が上がることで冷却水量を減らすことができ、冷却水量が減ると圧損を減らすことができる。圧損が減ることで、冷却水を送るポンプの負担を減らすことができる。これに対して、上記特許文献1の構成では、巡回路の断面積を、冷却水路に冷却水を供給する供給路の断面積より小さくしているので、冷却水の圧損が増加してしまう。
また、隔壁6は、噴射弁2の軸線L1方向に沿って真っ直ぐに延びた形状であるので、特許文献1のように噴射弁周りにほぼ1周巡回する巡回路を形成する構成の場合に比べて、冷却水の流路を簡単に形成できる。さらに、特許文献1の構成では、噴射弁周りにほぼ1周巡回する巡回路を形成するために、流入口と流出口とを噴射弁の軸線方向における異なる高さ位置に形成する必要があるが、本実施形態では、流入口51と流出口52とを同一の高さ位置、すなわち上面56側に配置できる。つまり、流入口と流出口との配置位置の自由度を増すことができる。
また、上述したように、噴射弁2の先端部が配置される第1収容部411の中心軸線L3を、シール部材7が配置される第2収容部412の中心軸線L2から偏心させることで、噴射弁2の中心軸線L1を第1収容部411の中心軸線L3から偏心させることができる。つまり、図13に示すように、噴射弁2の先端部と内側カバー4の内周面(第1収容部411の壁面)との隙間eを、噴射弁2の周方向に沿って不均一にできる。隙間eを不均一にすることで、噴射弁2の先端温度を下げることができる。
ここで、図14は、隙間eを不均一にすることで噴射弁2の先端温度が低下することを示した図であり、詳しくは偏心率と噴射弁先端温度との関係を示している。図14の横軸の偏心率は、噴射弁2の中心軸線L1と第1収容部411の中心軸線L3との偏心率を示しており、詳しくはそれら中心軸線L1、L3が一致している時の噴射弁2と内側カバー4との隙間をe0としたとき、その隙間e0に対する噴射弁2の偏心量の割合を示している。偏心率が0%は、噴射弁2の偏心量がゼロ、つまり噴射弁2の中心軸線L1と第1収容部411の中心軸線L3とが一致していることを示している。偏心率が100%は、隙間e0の分だけ噴射弁2が偏心していることを示し、この場合は噴射弁2の外周面と内側カバー4の内周面とが偏心方向において接触しており、偏心方向と逆方向においては2×e0の隙間を有していることを示している。また、偏心率が50%は、e0×50%の分だけ噴射弁2が偏心していることを示している。
また、排気の流れ方向に対して図13のようにX軸及びY軸を定めたとする。X軸は排気の流れ方向に平行に延びた軸であり、X軸の正方向が排気の流れ方向と逆向きに設定され、負方向が排気の流れ方向に設定されている。Y軸は、噴射弁2の中心軸線L1とX軸の両方に直角な方向の軸である。
図14では、X方向に噴射弁2を偏心させたときの噴射弁先端温度と、Y方向に偏心させたときの噴射弁先端温度とを示している。偏心率が正の値は、X軸又はY軸の正方向に噴射弁2を偏心させたことを示し、偏心率が負の値は、X軸又はY軸の負方向に噴射弁2を偏心させたことを示している。
図14に示すように、X方向、Y方向のどちらに偏心させたとしても、またX方向、Y方向の正方向、負方向のどちらに偏心させたとしても、噴射弁2を偏心させることで、噴射弁先端温度が低下している。このとき、偏心率が大きいほど、噴射弁先端温度の低下度合いが大きくなる。また、発明者は、偏心率が大きいほど、排気から噴射弁先端部への熱伝達率が小さくなるという実験結果を得ている。
噴射弁2を偏心させることで、噴射弁2の先端付近を流れる排気の流れ方が偏心させない場合から変化する。すなわち、排気の主流の一部が噴射弁2側にも流れることで噴射弁2の温度が上昇するが、噴射弁2を偏心させることで噴射弁2側に流れ込む排気量を減らすことができ、結果、噴射弁2の温度上昇を抑えることができる。なお、図14の結果から、噴射弁2を偏心させる場合にはどの方向に偏心させたとしても良い。つまり、噴射弁2の偏心方向に制限はない。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。第1実施形態では、外側カバーと内側カバー間の空間において周方向右側と左側の2方向に冷却水を流す構成を示した。これに代えて、図15、図16に示すように、1方向に冷却水を流す構成を採用しても良い。図15、図16の例では、流入口51と流出口52は、1つの隔壁6gを間に挟んで周方向で隣り合う位置に配置されている。その隔壁6gは、周方向に導通する開口を形成していない。つまり、隔壁6gは、空間5の上面56と下面55との間を架け渡す形に設けられる。より具体的には、隔壁6gの深さ方向における一方の端部は上面56に接触しており、他方の端部は下面55に接触している。
隔壁6g以外の5つの隔壁6は、第1実施形態と同様に、周方向に沿って、上面56側と下面55側とに交互に開口61を形成している。なお、隔壁6g以外の5つの隔壁6のうち、流入口51の隣りに位置する隔壁6hと、流出口52の隣りに位置する隔壁6iはそれぞれ流入口51、流出口52が形成された側と反対側の下面55側に開口61を形成している。
これによれば、流入口51から空間5に流入した冷却水は、上下に蛇行しながら周方向の1方向に流れた後、流出口52から流出する。これによっても第1実施形態と同様の効果を得られる。加えて、例えば図12の例において流入口及び流出口を噴射弁2より鉛直下側の領域400にしか配置できない場合など、流入口及び流出口を周方向において近接した位置にしか配置できない場合であっても、図15、図16の構成を採用することで、冷却水を周方向の全周に循環させることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば第1実施形態では、隔壁の深さ方向における端部(上端部、下端部)の全部が、空間の上面又は下面に非接触に設けられることで、周方向に導通する開口を形成していた。これに代えて、図17に示すように、隔壁6の上端部を上面56に接触させ、下端部を下面55に接触させるとともに、上端部又は下端部に切欠き部69を設けることで、開口61を形成しても良い。
また、図18に示すように、隔壁6の上端部又は下端部付近に貫通孔601を形成するとともに、隔壁6の上端部、下端部を上面56、下面55に接触させたとしても良い。これによっても、貫通孔601を、周方向に導通する開口として機能させることができる。なお、この場合は、貫通孔601の個数は1つであっても良いし、複数であっても良い。
また、第1実施形態では、噴射弁の中心軸線を、噴射弁の先端部を収容する収容部の中心軸線から偏心させることで、噴射弁先端温度を抑えることができることを示した。これに代えて、図19に示すように、噴射弁2の中心軸線L1を、外包部材8の筒状部81の中心軸線L4から偏心させても良い。この場合、外包部材8の蓋部82に形成された開口84の中心軸線L5を、筒状部81の中心軸線L4から偏心させることで、噴射弁2の中心軸線L1を筒状部81の中心軸線L4から偏心させることができる。図19の構成によっても、噴射弁2の先端付近を流れる排気の流れ方を、噴射弁の先端温度を抑える方向に制御できる。
また、冷却水の流入口及び流出口は、深さ方向のどの位置に配置されたとしても良く、例えば流入口及び流出口の両方とも空間の下面側に配置されたとしても良いし、流入口と流出口の一方が上面側に配置され他方が下面側に配置されたとしても良い。また、隔壁の個数は何個でも良い。また、尿素水以外の流体を排気管内に噴射する噴射弁(例えば、排気管内に未燃燃料を噴射する噴射弁)の冷却装置に本発明を適用しても良い。
1 噴射弁の保持部材、2 噴射弁、3 外側カバー、33 外側カバーの凹部、4 内側カバー、5 外側カバーと内側カバーの間の空間、51 流入口、52 流出口、53 空間の外周面、54 空間の外周面、6 隔壁、61、601 開口

Claims (7)

  1. 凹部(33)が形成された第1部材(3)と、
    内燃機関の排気管内に流体を噴射する噴射弁(2)を内側に配置して、前記噴射弁の周りに筒状に形成されるとともに、前記凹部に嵌って前記凹部の側面に筒状外周面が間隔をあけて対向する形に設けられる第2部材(4)とを備え、
    前記凹部における前記第1部材と前記第2部材の間に形成される空間(5)は、前記噴射弁を冷却するための流体である冷却用流体が供給される空間とされ、前記空間には前記冷却用流体の流入口(51)と流出口(52)とが形成されており、
    前記空間において前記空間の内周面(53)側から外周面(54)側への径方向に延設されるとともに、前記凹部の軸方向に延設された隔壁(6)を備え、
    前記隔壁は、前記隔壁を間に挟んで隣り合う一方の区域から他方の区域へと導通する開口(61、601)を形成している噴射弁の冷却装置(1)。
  2. 前記隔壁は、前記空間の内周面に対する周方向に沿って複数配置されており、
    前記開口は、前記周方向に沿って、前記軸方向における前記空間の一端部側と他端部側に交互に配置されている請求項1に記載の噴射弁の冷却装置。
  3. 前記空間の外周面と前記隔壁との間に隙間(200)を有する請求項1又は2に記載の噴射弁の冷却装置。
  4. 前記隔壁は、前記隔壁を間に挟んで隣り合う一方の区域に面した側面と他方の区域に面した側面との間の幅が、前記空間の内周面側よりも外周面側の方が狭くなっており、
    前記隔壁は前記空間の外周面に接触している請求項1又は2に記載の噴射弁の冷却装置。
  5. 前記隔壁は前記空間の外周面と線接触している請求項4に記載の噴射弁の冷却装置。
  6. 前記第2部材の内側に形成された、前記噴射弁の先端部(21、23)を収容する収容部(411)の中心軸線(L3)が、前記噴射弁の中心軸線(L1)から偏心している請求項1〜5のいずれか1項に記載の噴射弁の冷却装置。
  7. 筒状に形成され、内側の空間が前記排気管内に導通した形で前記排気管に取り付けられるとともに、内側の空間に嵌る形で前記第1部材が取り付けられる筒状部材(8)を備え、
    前記筒状部材の中心軸線(L4)が、前記噴射弁の中心軸線(L1)から偏心している請求項1〜5のいずれか1項に記載の噴射弁の冷却装置。
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