JP2017222722A - 線維症の処置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線維症を予防または処置するための方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、部分的には、線維症、例えば肝線維症および/または腸管線維症を処置する方法であって、その必要のある患者に、有効な量の開示化合物を投与することを含む、方法に関する。線維症を予防または処置するための方法であって、その必要のある患者に、治療上有効な量の、式A:

によって表される化合物およびその薬学的に受容可能な塩を投与することを含み、R10は、HおよびC〜Cアルキルからなる群より選択され;R11は、H、C〜Cアルキルおよび−C(O)−C〜Cアルキルからなる群より選択され;Rは、HまたはC〜Cアルキルである、方法もまた提供される。
【選択図】なし

Description

本願は、2012年2月9日に出願したEP12425027.5および2012年5月9日に出願した米国出願番号61/644,544に対する優先権を主張する。これらの出願は各々、その全体が参考として援用される。
配列表
本願は、テキスト形式で電子的に提出された、その全体が参考としてここに援用される配列表を含む。このテキストコピーは、2013年5月21日に作成され、PS966PCT_SL.txtと命名され、そのサイズは3,284バイトである。
背景
線維症は、通常は損傷または長期の炎症による、修復性または反応性の過程(例えば治癒)における、臓器または組織における過剰な線維性結合組織の形成である。線維症は、冒された組織を硬化および/または腫大させ、そしてこれらの組織を通る流体の流れを減らす。結果として、線維症の組織は、適切に機能できなくなる可能性がある。
例えば、肝線維症は、例えばアルコールおよび/または薬物の乱用、ウイルスおよび寄生生物の感染(例えばB型肝炎またはC型肝炎のような肝炎)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、鉄および銅の過負荷、ならびに自己免疫疾患の結果としての、慢性肝損傷に対する、創傷治癒反応として記載され得る。全ての慢性肝疾患は、肝線維症を引き起こし得、その原則的な原因は慢性ウイルス性B型肝炎およびアルコール性肝疾患である。肝臓エンドカンナビノイドシステムが、線維形成細胞型の増殖および死に識別的に影響を与える、別のシグナル伝達経路を活性化することによって、線維形成促進効果および抗線維形成効果の両方を媒介する。時間につれて、この過程は肝硬変を引き起こし得、ここで肝臓の機能単位の構築組織は、肝臓を通る血液の流れおよび肝機能が破壊されるように破壊される。
肝線維症は、世界的に重要な、共通でかつ困難な問題を提示する。現在、末期の肝硬変に対する唯一の治癒的処置は移植であるが、先進国においてさえ、入手可能なドナー臓器の数および潜在的なレシピエントの臨床状態が、この技術の適用可能性を制限する。線維症、および特に肝硬変の進行は、有意な罹患率および死亡率と関連する。従って、肝線維症に適用可能な、抗線維形成戦略を開発する、相当な必要性が存在する。
腎線維症は、透析または腎移植が必要となる主な後天性の障害として、有意な罹患率および死亡率を引き起こす。線維症は、腎臓の機能単位であるネフロンの、ろ過または再吸収構成要素のいずれでも起こり得る。線維症はまた、心臓でも起こり得、例えば心線維症は、心臓弁の肥厚として起こり得る。
腸管線維症(intestinal fibrosis)は、炎症性腸疾患(IBD)のよくある合併症であり、それは症候性となり得、そしてもし狭窄の形成が起こるなら、外科的介入が必要であり得る。腸管線維症のもとになるほとんどの従来および新規のメカニズムは、慢性炎症と関連する。
概要
例えば、本明細書中で開示される化合物を患者に投与することを含む、線維症を処置するための方法が、本明細書中で提供される。そのような方法において使用するための化合物も提供される。例えば、治療上および/または薬学的に受容可能な量の、以下によって示される化合物;およびその薬学的に受容可能な塩を投与することを含む、肝線維症および/または腸管線維症を予防または処置する必要のある、またはそれに罹患した被験体または患者において、肝線維症および/または腸管線維症を予防または処置するための方法が提供される:

ここで
10は、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択される;
11は、H、C〜Cアルキル、および−C(O)−C−Cアルキルからなる群から選択される;
は、C〜Cアルキルである。
適切に、いくつかの実施態様において、RはHであり得る。
適切に、R10、R11、および/またはRのC〜Cアルキル官能基は、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、およびヘキシルからなる群から独立に選択され得る。そのアルキル官能基は、直鎖状または分岐鎖状であり得る。メチルおよびエチルというアルキル官能基が特に好ましく、メチルが最も好ましいアルキル官能基である。
適切に、2’位、3’位、4’位、または5’位において、窒素を環に結合し得る。好ましくは、窒素を、3’位または4’位で結合する。4’位が最も好ましい。
代表的な企図される化合物としては、式A’および式A’’が挙げられ得、ここでR10、R11、およびRは、上記および本明細書中で提供される:
適切に、いくつかの実施態様において、RはHであり得る。
適切に、R10、R11および/またはRのC〜Cアルキル官能基は、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、およびヘキシルからなる群から独立に選択され得る。そのアルキル官能基は、直鎖状または分岐鎖状であり得る。メチルおよびエチルというアルキ
ル官能基が特に好ましく、メチルが最も好ましいアルキル官能基である。ある実施態様において、Rはメチル、エチル、プロピルであるか、または例えばメチルである。ある実施態様において、Rはメチル、エチル、プロピルであるか、または例えばメチルである。
肝線維症または腸管線維症を予防または処置する方法であって、その必要のある患者に、本明細書中で開示される化合物のような、PPARγ薬剤を含む薬学的調製物を投与することを含む、方法も、本明細書中で提供される。腎線維症、心線維症、心内膜心筋線維症、特発性肺線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、および/または腎性全身性線維症を予防または処置する方法であって、その必要のある患者に、本明細書中で開示される化合物のような、PPARγ薬剤を含む薬学的調製物を投与することを含む、方法が、本明細書中で企図される。例えば、本明細書中で開示される方法は、その患者がヒトである方法を含み得る。よって、本明細書中で記載される化合物を、これらの疾患/状態の処置および/または予防において使用し得る。
本開示のこれらおよび他の局面および利点が、以下の図面、詳細な説明、および特許請求の範囲を考慮すれば明らかになる。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
線維症を予防または処置するための方法であって、その必要のある患者に、治療上有効な量の、式A:


によって表される化合物およびその薬学的に受容可能な塩を投与することを含み、
10は、HおよびC〜Cアルキルからなる群より選択され;
11は、H、C〜Cアルキルおよび−C(O)−C〜Cアルキルからなる群より選択され;
は、HまたはC〜Cアルキルである、方法。
(項目2)
前記化合物が、式A’または式A”:


によって表される、項目1に記載の方法。
(項目3)
が、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルである、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
がメチルである、項目3に記載の方法。
(項目5)
10およびR11が各々Hである、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記化合物が、以下:



およびそれらの薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目7)
線維症を予防または処置する方法であって、その必要のある患者に、化合物20、化合物21、2−メトキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸;2−エトキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物39);6−アミノ−2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−4−オン;5−アミノ−N−ヒドロキシ−2−メトキシベンズアミド;および5−アミノ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボン酸ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩および立体異性体からなる群より選択される化合物の治療上有効な量を投与することを含む、方法。
(項目8)
前記線維症が、肝線維症である、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記線維症が、腸管線維症である、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記線維症が、腎線維症、心線維症、心内膜心筋線維症、特発性肺線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症および腎性全身性線維症からなる群より選択される、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
肝線維症を予防または処置する方法であって、その必要のある患者に、治療上有効な量
の薬学的調製物を投与することを含み、該薬学的調製物は、化合物20、化合物21、2−メトキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸;2−エトキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸;6−アミノ−2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−4−オン;5−アミノ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボン酸;ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩および立体異性体からなる群より選択されるPPARγ薬剤を含む、方法。
(項目12)
前記薬学的調製物が経口投与される、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記患者がヒトである、項目11または12に記載の方法。
(項目14)
前記患者が、B型肝炎またはC型肝炎に現在罹患しているかまたは罹患した、項目11〜13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記患者が、肝硬変である、項目11〜14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記患者が、クローン病、炎症性腸疾患または潰瘍性大腸炎にも罹患している、項目11〜13のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記薬学的調製物が、2−メトキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸を含む、項目11〜17のいずれか一項に記載の方法。
図1は、CCl、JWH−133、および化合物34を投与した場合のマウスの体重の進展を示す。 図2(A)は、metavirスコアの説明を示し、そして(B)は、肝臓に対するCCl、JWH−133+CCl、および化合物34+CClの影響を示し、そして各群に関してmetavirスコアを明示する。 図3(A)は、metavirスコアを示し、そして(B)は、CCl、JWH−133+CCl、および化合物34+CClを受けたマウス由来の肝臓の、適合metavirスコアを示す。 図4は、α−SMAおよびコラーゲン−1に対する、CCl、JWH−133+CCl、および化合物34+CClの影響を示す。 図5は、腸管線維症の研究スケジュールを示す。 図6は、腸管線維症を有するマウスの結腸に対する、化合物34の影響を示す。 図7は、腸管線維症を有するマウスの結腸に対する、化合物34の抗炎症性効果を示す。 図8は、腸管線維症を有するマウスの結腸に対する、化合物34の影響を示す。 図9は、線維症の主要なマーカー(コラーゲンI〜III、CTGF、SMAD2/3、PDGF、α−SMA、およびTGF−β1)の免疫組織化学的分析を用いた、腸管線維症を有するマウスの結腸に対する、化合物34の影響を示す。 図9は、線維症の主要なマーカー(コラーゲンI〜III、CTGF、SMAD2/3、PDGF、α−SMA、およびTGF−β1)の免疫組織化学的分析を用いた、腸管線維症を有するマウスの結腸に対する、化合物34の影響を示す。 図9は、線維症の主要なマーカー(コラーゲンI〜III、CTGF、SMAD2/3、PDGF、α−SMA、およびTGF−β1)の免疫組織化学的分析を用いた、腸管線維症を有するマウスの結腸に対する、化合物34の影響を示す。 図9は、線維症の主要なマーカー(コラーゲンI〜III、CTGF、SMAD2/3、PDGF、α−SMA、およびTGF−β1)の免疫組織化学的分析を用いた、腸管線維症を有するマウスの結腸に対する、化合物34の影響を示す。 図9は、線維症の主要なマーカー(コラーゲンI〜III、CTGF、SMAD2/3、PDGF、α−SMA、およびTGF−β1)の免疫組織化学的分析を用いた、腸管線維症を有するマウスの結腸に対する、化合物34の影響を示す。 図10は、ウェスタンブロット分析を用いた、腸管線維症を有するマウスの結腸に対する、化合物34の影響を示す。 図11は、DSSおよびDSS+GEDで処置したマウスの体重曲線を示す。 図12は、通常の水が投与されたコントロールマウスと比較した、DSSおよびDSS+GEDで処置したマウスの結腸における線維症のレベルを示す。 図13は、DSSおよびDSS+GEDマウス慢性大腸炎由来の結腸の、顕微鏡的所見を示す。結腸組織を、4%のPFA中で固定し、そして横断切片(4μm)を、メイ−グリュンワルド−ギムザ(H&E)およびマッソントリクロームで染色した。DSSマウスは、コントロールと比較して、粘膜下層および漿膜の両方において重度の炎症程度および線維症を示し、一方GED処置は、正常な腸管壁構成の回復を決定した。データを、平均±SEMとして表す;HOに対して、=p<0.05;**=p<0.01、および***=p<0.005。 図14は、線維症の主要なマーカーの免疫組織化学およびイムノブロッティングを示す。その顕微鏡写真は、DSS誘導性慢性大腸炎を有するマウスと比較して、GEDで処置したDSSマウスにおいて、コラーゲンI〜III(a)、α−SMA(b)の有意な低減を示す。これらのマーカーのタンパク質レベルも、ウェスタンブロッティングで測定し、GEDによって誘導された発現プロファイルを確認した。代表的なブロットを示す。=p<0.05、**=p<0.01。N=コントロール群については6匹のマウス、DSS群については8匹のマウス、DSS+GED群については8匹のマウス。 図15は、DSS誘導性慢性大腸炎を有するマウスと比較した、GEDで処置したDSSマウスにおけるTGF−β1(a)、SMAD2/3(b)、CTGF(c)の有意な低減を示す顕微鏡写真を示す。 図16は、慢性DSS処置マウスにおけるIL−13タンパク質レベル、およびその下流のメディエーターであるTGF−β1およびCTGFに対するGED投与の影響を示す。IL−13、TGF−β1およびCTGFのタンパク質レベルを、ウェスタンブロット分析によって決定した。データを、平均コントロール値のパーセンテージとして表す。代表的なブロットを示す。**=p<0.01。N=コントロール群については6匹のマウス、DSS群については8匹のマウス、DSS+GED群については8匹のマウス。
(詳細な説明)
本開示は、部分的には、本明細書中で開示されるある化合物は、例えば肝臓または結腸における線維症を予防または処置する能力を有するという知見に基づく。1つの局面において、本開示は、線維症、例えば肝線維症および/または腸管線維症を予防または処置する必要のある患者において、線維症、例えば肝線維症および/または腸管線維症を予防または処置する方法に関する。その開示された方法は、本明細書中で開示される化合物を投与することを含む。
さらなる記載の前に、明細書、実施例および添付される特許請求の範囲において用いられる特定の用語がここに集められる。これらの定義は、本開示の残りを考慮して読まれるべきであり、当業者によるのと同じように理解されるべきである。そうでないと定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本方法によって処置される「患者」、「被験体」または「宿主」は、ヒトまたは非ヒト動物のいずれか、例えばマウスまたはラットのような小さい哺乳類を意味し得、そしてウ
マ、ウシ、イヌ、ネコ等を含む。
「治療剤」という用語は、当該分野で認められており、そして被験体において局所的および/または全身的に作用する、生物学的、生理学的、または薬理学的に活性な物質である、任意の化学的部分を指す。「薬剤」とも呼ばれる、治療剤の例は、Merck Index、the Physicians Desk Reference、およびThe
Pharmacological Basis of Therapeuticsのような、周知の参考文献において記載されており、そしてそれらとしては、医薬;ビタミン;ミネラル補助食品;疾患または病気の処置、予防、診断、治癒、または緩和のために使用される物質;身体の構造または機能に影響を与える物質;あるいは生理学的環境に置かれた後に生物学的に活性になるかまたはより活性が高くなるプロドラッグが挙げられるがこれらに限定されない。
「治療効果」という用語は、当該分野で認められており、そして動物、特に哺乳類、そしてより特にはヒトにおいて、薬理学的に活性な物質によって引き起こされる、局所および/または全身性の効果を指す。従って、その用語は、疾患の診断、治癒、緩和、処置、または予防において、あるいは動物またはヒトにおける望ましい身体的または精神的な発達および/または状態の増強において使用することが意図される任意の物質を意味する。「治療上有効な量」という語句は、任意の処置に適用可能な妥当な利益/危険比で、何らかの望ましい局所的または全身性効果を生じる、そのような物質の量を意味する。そのような物質の治療上有効な量は、処置される被験体および疾患状態、被験体の体重および齢、疾患状態の重症度、投与の方式等に依存して変動し、それを当業者によって容易に決定し得る。例えば、本発明のある組成物を、そのような治療に適用可能な妥当な利益/危険比で、生じるために十分な量で投与し得る。
「処置する」という用語は、当該分野で認められており、そして任意の状態または疾患のうちの少なくとも1つの症状を治癒および緩和することを指す。
「アルキル」という用語は、当該分野で認められており、そして直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基をはじめとする飽和脂肪族基を包含する。ある実施態様において、直鎖状アルキルまたは分岐鎖状アルキルは、そのバックボーンに、約30またはそれより少ない炭素原子を有する(例えば直鎖ならC〜C30、分岐鎖ならC−C30)、そしてあるいは、約20またはそれより少ない、例えば1から6個の炭素を有する。同様に、シクロアルキルは、その環構造に約3から約10個の炭素原子を有する、そしてあるいは、その環構造に約5、6、または7個の炭素を有する。「アルキル」という用語はまた、ハロ置換アルキルを含むよう定義される。
さらに、「アルキル」(または「低級アルキル」)という用語は、「置換アルキル」を包含し、それは炭化水素バックボーンの1つまたはそれより多くの炭素における水素を置換する置換基を有するアルキル部分を指す。そのような置換基は、例えばヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルのような)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートのような)、アルコキシル、ホスホリル、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族または複素芳香族の部分を包含し得る。炭化水素鎖において置換された部分は、もし適切なら、それ自体置換され得ることが、当業者によって理解される。例えば、置換アルキルの置換基は、アミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホネートおよびホスフィネートを含む)、スルホニル(スルフェート、スルホンアミド、スル
ファモイル、およびスルホネートを含む)、およびシリル基、およびエーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレート、およびエステルを含む)、−CN等の、置換および非置換の形態を包含し得る。代表的な置換アルキルを、下記で記載する。シクロアルキルは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カルボニル置換アルキル、−CN等でさらに置換され得る。
オルト、メタ、およびパラという用語は、当該分野で認められており、そしてそれぞれ、1,2−二置換ベンゼン、1,3−二置換ベンゼン、1,4−二置換ベンゼンを指す。例えば、1,2−ジメチルベンゼンおよびオルト−ジメチルベンゼンという名前は同義語である。
各表現、例えばアルキル、m、n等の定義は、それが任意の構造において1つより多く出現する場合、同じ構造における他の場所でのその定義とは独立であることが意図される。
本発明の組成物に含まれるある化合物は、特定の幾何異性体形態または立体異性体形態で存在し得る。それに加えて、本発明の化合物はまた、光学的に活性であり得る。本発明は、本発明の範囲に入るものとして、シス異性体およびトランス異性体、R鏡像異性体およびS鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、そのラセミ混合物および他のその混合物を含めた全てのそのような化合物を企図する。さらなる不斉炭素原子が、アルキル基のような置換基に存在し得る。すべてのそのような異性体、およびその混合物が、本発明に含まれることが意図される。
「置換」または「〜で置換される」は、そのような置換は、置換される原子および置換基の許された価数に従っており、かつその置換は安定な化合物を生じる、例えばそれは転位、環化、脱離、または他の反応によるような変換を自然には受けないという暗黙の条件を含むことが理解される。
「置換された」という用語はまた、有機化合物の全ての許される置換基を含むことが企図される。広い局面において、その許される置換基は、有機化合物の、非環式および環式、分岐鎖状および非分岐鎖状、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の置換基を包含する。例示的な置換基は、例えば本明細書中の上記で記載されたものを含む。許される置換基は、適切な有機化合物に関して、1つまたはそれより多くであってよく、そして同じであってもまたは異なっていてもよい。本発明の目的のために、窒素のようなヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の価数を満たす、本明細書中で記載された有機化合物の任意の許される置換基を有し得る。本発明は、いかなる方法においても、有機化合物の許される置換基によって制限されることを意図しない。
本発明の目的のために、化学元素を、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics、第67版、1986−87、内側カバーに従って同定する。また本発明の目的のために、「炭化水素」という用語は、少なくとも1つの水素および1つの炭素原子を有する、全ての許される化合物を含むことが企図される。広い局面において、その許される炭化水素は、非環式および環式、分岐鎖状および非分岐鎖状、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の有機化合物を包含し、この有機化合物は置換されていてもよくまたは置換されていなくてもよい。
「薬学的に受容可能な塩」という用語は、当該分野で認められており、そして例えば本発明の組成物に含まれるものを含めた、化合物の比較的無毒性の無機酸付加塩および有機酸付加塩を指す。
「薬学的に受容可能な担体」という用語は、当該分野で認められており、そして任意の対象組成物またはその成分を、1つの臓器、または身体の部分から、別の臓器、または身体の部分へ運搬または輸送することに関与する、液体または固体のフィラー、希釈剤、賦形剤、溶媒、またはカプセル化材料のような、薬学的に受容可能な物質、組成物、または媒体を指す。各担体は、対象組成物およびその成分と適合性であってかつ患者に有害でないという意味で「受容可能」でなければならない。薬学的に受容可能な担体として役立ち得る材料のいくつかの例は、(1)ラクトース、グルコースおよびショ糖のような糖;(2)コーンスターチおよびジャガイモデンプンのようなデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースのようなセルロースおよびその誘導体;(4)粉末トラガカントゴム;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバターおよび坐剤ワックスのような賦形剤;(9)ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油のような油;(10)プロピレングリコールのようなグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールのようなポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルのようなエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのような緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;および(21)薬学的調合物において採用される、他の無毒性の適合性物質を含む。
化合物
1つまたはそれより多くの開示された方法における使用が企図される化合物は、式Iによって示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、または立体異性体を含む:

ここで:
およびRはそれぞれ、HおよびC1−6アルキルからなる群から独立に選択される;またはRおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5個または6個の原子を有する芳香族または脂肪族の環を形成し得る;
YおよびZは、H、OH、COOH、−OR、−CH(OR)COOHからなる群から独立に選択される;および
は、H、フェニル、ベンジル、ビニル、アリル、C1−6アルキルまたは1つまたはそれより多くのハロゲンによって置換されたC1−6アルキルから選択される。
適切には、C〜Cアルキル官能基は、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、およびヘキシルからなる群から独立に選択され得る。そのアルキル官能基は、直鎖状または分岐鎖状であり得る。メチルおよびエチルというアルキル官能基が特に好ましく、メチルが最も好ましいアルキル官能基である。
1つの実施態様において、YはHまたはCOOHであり得る。例えば、YはHであり得、そしてZはCH(OR)COOHであり得る、またはYはCOOHであり得、そしてZは−ORであり得る。いくつかの実施態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルであり得る。
他の実施態様において、式IのNR部分は、4’位にあってもよく、または3’
位にあってもよい。ある実施態様において、RおよびRはHである。
適切には、いくつかの実施態様において、RはHであり得る。
代表的な化合物はまた、式IIaもしくは式IIbによって示されるもの、またはその薬学的に受容可能な塩、鏡像異性体、または立体異性体を含む:
ここで:
およびRは、HおよびC1−6アルキルからなる群から独立に選択される;またはRおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5個または6個の原子を有する芳香族または脂肪族の環を形成し得る;
は、−NROH、OH、および−ORからなる群から選択される;
は、C1−6アルキルである;
は、H、ハロ、フェニル、ベンジル、ビニル、アリル、C1−6アルキルおよび1つまたはそれより多くのハロゲンで置換されたC1−6アルキルからなる群から選択される;
およびRは、水素またはハロゲンからなる群から独立に選択される、または
およびR、またはRおよびRは一緒になって、必要に応じてハロまたはC1−6アルキルで置換された、5個または6個の原子を有する縮合複素環を形成する;および
Aは、縮合複素環である。
適切には、C〜Cアルキル官能基は、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、およびヘキシルからなる群から独立に選択され得る。そのアルキル官能基は、直鎖状または分岐鎖状であり得る。メチルおよびエチルというアルキル官能基が特に好ましく、メチルが最も好ましいアルキル官能基である。
ある実施態様において、式IIaのNR部分は、4’位にあり得る、または3’位にあり得る。ある実施態様において、RおよびRはHである。いくつかの実施態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルであり得る。
いくつかの実施態様において、企図される化合物は、以下によって示され得る
ここでpは1または2である;
は、OHまたは−ORからなる群から選択され、ここでRは上記で定義される;および
10は、H、ハロ、またはC1−6アルキル、例えばメチルまたはエチルからなる群から、各出現に関して独立に選択される。
その開示はまた、少なくとも部分的に、開示される方法において使用するための、下記で示される式によって示される化合物を提供する。
例えば、開示される方法における使用が明細書中で企図されるのは、式IIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはN−オキシド、およびそのような化合物である:

ここで、Xは、C〜Cアルキレンであって、C〜Cアルキレンは、必要に応じて、ハロゲンもしくはヒドロキシルから選択される、1つ、2つ、または3つの置換基で置換されており;
は、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルからなる群より選択され;
は、水素およびC〜Cアルキルからなる群より選択され;
は、それぞれの出現に対して、水素、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシルおよびニトロからなる群より独立して選択され;
は、水素およびC〜Cアルキルからなる群より選択され;
は、C〜Cアルキルである。
適切には、いくつかの実施態様において、RはHであり得る。
適切には、そのC〜Cアルキル官能基は、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、およびヘキシルからなる群から独立に選択され得る。そのアルキル官能基は、直鎖状または分岐鎖状であり得る。メチルおよびエチルというアルキル官能基が特に好ましく、メチルが最も好ましいアルキル官能基である。
1つの実施形態において、式IIIのRはC〜Cアルキル(例えば、メチル)であり得る。1つの実施形態において、Rは水素であり得る。別の実施形態において、Rは水素、C〜Cアルキル、ハロゲン、およびヒドロキシルからなる群より選択され得る。さらなる実施形態において、Rは水素であり得る。1つの実施形態において、RおよびRは、それぞれC〜Cアルキルであり得る。別の実施形態において、Rは水素であり得、Rはメチルであり得る。1つの実施形態において、Xは(CHであり得、ここでnは1または2(例えば、1)である。
別の実施態様において、式IIIの−NR−CORの部分は、式IIIaおよび式
IIIbにおいて示されるように、Xに対してメタ位またはパラ位にあり得る。
本開示はまた、例えば、開示される方法において使用され得る、下記に示される通りの式IVによって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはN−オキシドを提供する:

ここでRは、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルからなる群より選択され;
は、水素およびC〜Cアルキルからなる群より選択され;
は、それぞれの出現に対して、水素、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシルおよびニトロからなる群より独立して選択され;
は、水素またはC〜Cアルキルである。
式Vの化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはN−オキシドもまた、下記に示されるように企図される:

ここでRは、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルからなる群より選択され;
は、それぞれの出現に対して、水素、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、シアノ、C〜Cシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシルおよびニトロからなる群より独立して選択され;
は、水素およびC〜Cアルキルからなる群より選択され;
は、水素またはC〜Cアルキルであり;ならびに
Aは、縮合された5員複素環または6員複素環である。
1つの実施形態において、RはC〜Cアルキル(例えば、メチル)であり得る。別の実施形態において、RおよびRは、それぞれC〜Cアルキル(例えば、メチル)であり得る。1つの実施形態において、Rは水素であり得る。
いくつかの実施形態において、化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはN−オキシドは

によって表され得、
ここでpは1または2であり;
は、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルからなる群より選択され;
およびRは、水素およびC〜Cアルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択される。
例えば、1つの実施態様において、開示された方法における使用が企図される化合物は、式Aの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩またはN−オキシドを含む:

10は、HおよびC〜Cアルキル(例えばメチル)からなる群から選択される;
11は、H、C〜Cアルキル、および−C(O)−C〜Cアルキルからなる群から選択される;(例えばR11はH、メチル、−C(O)−メチル、または−C(O)−エチルであり得る)。
は、C〜Cアルキルである(例えば、Rは、メチル、エチル、またはプロピルであり得る)。
例えば、開示される方法における使用が本明細書中で企図されるのは、式A’および式A’’である:
開示される方法における使用が本明細書中で企図される代表的な化合物は:

またはその薬学的に受容可能な塩を含む。
いくつかの実施態様において、企図される化合物は:4−アミノ−N−ヒドロキシ−2−メトキシベンズアミド(化合物13);6−メトキシキノリン−5−カルボン酸(化合物36);6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−カルボン酸(化合物37);および5−ジイソプロピルアミノサリチル酸(化合物38)を含む。
他の代表的な化合物は:

によって示されるものを含む。
本明細書中で企図される化合物は、化合物のラセミ混合物、および鏡像異性体、例えば:(±)−2−ヒドロキシ−3−(3’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物20);(±)−2−メトキシ−2−(4’−アミノフェニル)酢酸(化合物23);(±)−2−エトキシ−2−(3’−アミノフェニル)酢酸(化合物32);(±)−2−エトキシ−2−(4’−アミノフェニル)酢酸(化合物33);(±)−2−メトキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物34)「±34」(ラセミ形態);(±)−2−エトキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物39);(±)−2−エトキシ−3−(3’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物40)を包含する。
例えば、本明細書中で開示される方法において使用される化合物は、以下のラセミ混合物の鏡像異性体であり得る:(R,S)−2−ヒドロキシ−2−(3−アミノフェニル)酢酸(化合物10);(R,S)−2−ヒドロキシ−2−(4−アミノフェニル)酢酸(化合物11);(R,S)−2−ヒドロキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物21);(R,S)−2−メトキシ−2−(3’−アミノフェニル)酢酸(化合物22);(R,S)−2−メトキシ−3−(3’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物35);(R,S)−2−メトキシ−3−(4−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物34)、および鏡像異性体、例えば:(+)2−S−メトキシ−3−(4−アミノフェニル)プロピオン酸;(−)2−R−メトキシ−3−(4−アミノフェニル)プロピオン酸。いくつかの実施態様において、(R,S)−2−ヒドロキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物21)または(±)−2−ヒドロキシ−3−(3’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物20)が好ましい。
企図される化合物の他のラセミ型混合物は、例えば(±)−2−ヒドロキシ−2−(3’−アミノフェニル)酢酸(化合物10);(±)−2−ヒドロキシ−2−(4’−アミノフェニル)酢酸(化合物11);(±)−2−ヒドロキシ−3−(4’−アミノフェニル)プロピオン酸(化合物21)および(±)−2−メトキシ−2−(3’−アミノフェ
ニル)酢酸(化合物22)を包含する。
開示される方法における使用が企図されるさらなる化合物:5−アミノサリチロ−ヒドロキサム酸(化合物5);3−ジメチルアミノサリチル酸(化合物6);2−メトキシ−4−アミノ安息香酸(化合物7);2−メトキシ−5−アミノ安息香酸(化合物8);5−メチルアミノサリチル酸(化合物9);4−メチルアミノサリチル酸(化合物12);4−アセチルアミノサリチル酸(化合物16);2−エトキシ−4−アミノ安息香酸(化合物18);2−エトキシ−5−アミノ安息香酸(化合物19);4−ジメチルアミノサリチル酸(化合物24);2−エトキシ−4−アミノベンゾイルヒドロキサム酸(化合物25);6−ヒドロキシキノリン−5−カルボン酸(化合物27);2−(2−プロピル)オキシ−4−アミノ安息香酸(化合物30);4−(1−ピペラジニル)サリチル酸(化合物41);(R,S)5−オキサ−キノリン−6−カルボン酸(化合物15);6−メトキシキノリン−5−カルボン酸(化合物36);6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−カルボン酸(化合物37);5−ジイソプロピルアミノサリチル酸(化合物38);および4−ジイソプロピルアミノサリチル酸(化合物42)。
少なくとも1つの化合物を含む、企図される化合物および薬学的組成物は、以下からなる群より選択され得る:N−アセチル−(R)−(−)−3−(4−アミノフェニル)−2−メトキシプロピオン酸、N−アセチル−(S)−(−)−3−(4−アミノフェニル)−2−メトキシプロピオン酸、およびラセミ体N−アセチル−(S)−(−)−3−(4−アミノフェニル)−2−メトキシプロピオン酸、または以下から選択される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはN−オキシドであり得る:

企図される他の化合物としては、化合物20、化合物21、4−アセトアミノ−N−ヒドロキシ−2−メトキシベンズアミド;1−アセチル−6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−カルボン酸、5−アセトアミド−2ヒドロキシ安息香酸(例えば、アセチル化5−アミノサリチル酸(acetalyated 5−aminosalicyclic acid))、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはN−オキシドが挙げられる。
開示される方法における使用が本明細書中で企図されるものはまた、示された式によって示される化合物および例えば薬学的に受容可能な担体を含む組成物である。
企図される化合物を製造する方法は、例えばWO2007/010516およびWO2007/010514において見出され得、それらはそれぞれ、これによってその全体が参考として援用される。
方法
肝線維症および/または腸管線維症のような、線維症を予防または処置する方法が、本
開示の一部を形成する。そのような方法は、その必要のある患者、またはそのリスクのある患者に、本明細書中で開示される化合物、例えば式I、IIa、またはIIb、例えば化合物17、29、34、または39のような、PPARy薬剤を含む薬学的調製物を投与することを含み得る。例えば、肝線維症を予防または処置する方法であって、その必要のある患者に、本明細書中で開示される化合物を投与することを含む、方法が提供される。あるいは、腸管線維症を予防または処置する方法であって、その必要のある患者に、本明細書中で開示される化合物を投与することを含む、方法が提供される。
上記の方法を用いて処置される患者は、検出可能な線維症を有するかもしれず、または有さないかもしれない。いくつかの実施態様において、その患者は、開示される化合物、例えば化合物17、29、34、または39の投与後、例えば1日、2日、1週間、1ヶ月、または6ヶ月またはそれより長期の後に、少なくとも、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、またはさらには約50%またはそれより多く、患者に存在する線維症の量が抑制される。そのような化合物の投与は、例えば、少なくとも毎日を基準に行われ得る。その化合物を、経口投与し得る。例えば、ここで開示される化合物の投与の結果としての患者における線維症の臨床的発現の遅延は、化合物(例えば、本明細書中で開示される化合物)を投与されていない患者と比較すると、例えば、少なくとも、6ヶ月、1年、18ヶ月またはさらには2年またはそれより長期であり得る。
必要のある患者は、進行して硬変となった肝線維症を有し得る。肝線維症のリスクのある患者は、B型肝炎を有する患者、C型感染を有する患者、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を有する患者を含み得る。NASHは、脂肪症および硬変をはじめとする、非アルコール性脂肪肝疾患の範囲に含まれる。NASHは、メタボリックシンドロームの1つの構成要素であり、それは肥満、2型糖尿病、および脂質代謝異常によって特徴付けられ、そして最終的には肝細胞癌腫を引き起こし得る。
アルファ1−アンチトリプシン欠損症、銅蓄積症(例えばウィルソン病)、果糖血症、ガラクトース血症、糖原病(例えばIII、IV、VI、IX、およびX型)、鉄過負荷症候群(例えばヘモクロマトーシス)、脂質異常(例えばゴーシェ病)、ペルオキシソーム障害(例えばツェルウェガー症候群)、およびチロシン血症のような、ある蓄積症および先天性代謝異常;細菌感染(例えばブルセラ症);寄生生物感染(例えばエキノコックス症);NASH;ウイルス感染(例えば、慢性B型肝炎または慢性C型肝炎を包含する、B型肝炎またはC型肝炎);バット・キアリ症候群;心不全;肝静脈血栓症;および門脈血栓症の少なくとも1つの処置のような、肝線維症に関連する障害を処置する方法も提供される。先天性肝線維症を処置する方法も企図される。その組成物を、経口投与し得る。
肝線維症の場合、薬物および/またはアルコールの乱用が、関係付けられた。薬物および/またはアルコールの乱用歴のある患者において、肝線維症を処置する方法が、本明細書中で企図される。例えば、以下のもののうちの少なくとも1つの乱用歴のある患者:アルコール、アミオダロン、クロルプロマジン、イソニアジド、メトトレキサート、メチルドパ、オキシフェニサチン、およびトルブタミド。
腸管線維症のリスクのある患者は、潰瘍性大腸炎を有する患者、炎症性腸疾患を有する患者、またはクローン病を有する患者を含み得る。リスクのある患者はまた、クローン病もしくは大腸炎の診断時に若年である患者、広範囲および/もしくは重症の結腸疾患を有する患者、原発性硬化性胆管炎の存在を有する患者、ならびに/またはがんの家族歴のある患者を含み得る。
潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、またはクローン病のうちの少なくとも1つの処置のよう
な、腸管線維症と関連する障害を処置する方法も提供される。
腎線維症、心線維症、心内膜心筋線維症、特発性肺線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、または腎性全身性線維症を予防または処置する方法であって、その必要のある患者に、本明細書中で開示される化合物のような、PPARy薬剤を含む薬学的調製物を投与することを含む、方法が、本明細書中で企図される。
本発明の化合物を、単独で、またはお互いに組み合わせて使用し得、これによって少なくとも2つの本発明の化合物を、単一の組成物において、または処置レジメの一部として一緒に使用する。本発明の化合物をまた、薬物および/またはアルコールの乱用、腎線維症、心線維症、心内膜心筋線維症、特発性肺線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、または腎性全身性線維症、薬物および/またはアルコールの乱用を処置するための他の薬物と組み合わせて使用し得る。
一般的に、治療上有効な量の活性な構成要素は、約0.1mg/kg〜約100mg/kgの範囲内、必要に応じて約1mg/kg〜約100mg/kgの範囲内、必要に応じて約1mg/kg〜10mg/kgの範囲内にある。投与される量は、可変物(例えば、処置される疾患または適応症の型および程度、特定の患者の全般的な健康状態、送達される結合タンパク質の相対的な生物学的効力、結合タンパク質の調合、調合物中の賦形剤の存在および型、ならびに投与経路)による。投与される初めの投与量は、望まれる血液レベルまたは組織レベルをすばやく達成するために高い方のレベルを超えて増加されても、初めの投与量が最適なものより小さくてもよく、日々の投与量は、特定の状況によって処置の過程で次第に増加されてもよい。ヒトの投与量は、例えば、0.5mg/kg〜20mg/kgで働くように設計された従来の第I相用量漸増研究(Phase I dose escalation study)において最適化され得る。投与の頻度は、要因(例えば、投与経路、投薬量、および処置されている疾患状態)によって変動し得る。例示的な投与の頻度は、1日1回、1週間に1回、2週間ごとに1回である。
企図される調合物または組成物は、開示される化合物を含み、代表的には、薬学的に受容可能なキャリアを含む。
本明細書中で企図される組成物は、当該分野において周知のような、その意図される使用による種々の手段によって投与され得る。例えば、本発明の組成物が経口で投与される場合、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤またはシロップ剤として調合され得る。あるいは、本発明の調合物は、注射剤(静脈内、筋肉内、または皮下)、点滴調製物、または坐剤として非経口で投与され得る。眼の粘膜経路による適用のために本発明の組成物は、点眼剤または眼軟膏剤として調合され得る。これらの調合物は、従来の手段により調製され得、望まれる場合、その組成物はあらゆる従来の添加剤(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、矯正剤、可溶化剤、懸濁補助剤(suspension aid)、乳化剤またはコーティング剤)と混合され得る。
本対象の発明の調合物において、湿潤剤、乳化剤および滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウム)、および着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料、保存剤ならびに抗酸化剤が、その調合される剤において存在し得る。
対象の組成物は、経口投与、鼻投与、局所(口腔および舌下が挙げられる)投与、直腸投与、膣投与、エアゾール投与および/または非経口投与のために適切であり得る。調合物は、単位剤形で都合よく提供され得、薬学分野において周知のあらゆる方法により調製され得る。単一用量を生成するための、キャリア材料と組み合わせられ得る組成物の量は
、処置されている被験体、および投与の特定の様式により変動する。
これらの調合物を調製する方法としては、本発明の組成物をそのキャリア、および、必要に応じて1つまたはそれより多くの副成分と会合させる工程が挙げられる。包括的に、その調合物は、剤を液体キャリアもしくは細かく分けられた固体キャリア、またはその両方と一様に、および密接に会合させること、そして必要な場合、製品を形作ることにより調製される。
経口投与に適している調合物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(風味付けされた主成分(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを用いる)、散剤、顆粒剤の形態、または水性もしくは非水性液体での液剤もしくは懸濁剤として、または水中油もしくは油中水乳剤として、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、または香錠(非活性の基剤、例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアを用いる)として存在し得て、それぞれ前もって決定される量のその対象の組成物を活性成分として含む。本発明の組成物はまた、ボーラス、舐剤、またはパスタ剤として投与され得る。
経口投与のための固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、フィルムコートされた錠剤、糖衣錠、散剤、および顆粒剤など)において、その対象の組成物は、1つまたはそれより多くの薬学的に受容可能なキャリア(例えば、クエン酸ナトリウム、またはリン酸二カルシウム)および/または以下のあらゆるものと混合される:(1)充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸);(2)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア);(3)保湿剤(例えば、グリセロール);(4)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケートおよび炭酸ナトリウム);(5)溶液遅延剤((solution retarding agent)例えば、パラフィン);(6)吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウム化合物);(7)湿潤剤(例えば、アセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール);(8)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ);(9)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、および、これらの混合物);および(10)着色剤。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、その組成物はまた、緩衝剤を含み得る。同様の型の固体の組成物はまた、そのような賦形剤(例えば、ラクトースすなわち乳糖)、および高分子量ポリエチレングリコールなどを用いて、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルに入った充填物として用いられる。
調合物および組成物は、本開示の化合物の微粉化された結晶を含み得る。微粉化は、化合物のみの結晶、または結晶と、薬学的賦形剤もしくはキャリアの一部もしくは全てとの混合物で行われ得る。開示される化合物の微粉化された結晶の平均粒子サイズは、例えば、約5ミクロン〜約200ミクロン、または約10ミクロン〜約110ミクロンであり得る。
錠剤は、圧縮または成形によって、必要に応じて1つまたはそれより多くの副成分とともに作製され得る。圧縮された錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、非活性の希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤を用いて調製され得る。成形された錠剤は、非活性の液体希釈剤で湿らされた対象の組成物の混合物を適切な機械において成形することにより作製され得る。錠剤、および他の固体剤形(例えば、フィルムコートされた錠剤または糖衣錠、カプセル剤、
丸剤および顆粒剤は、必要に応じて、刻み目をつけられても、コーティング剤およびシェル(例えば、薬学的な調合の分野において周知の腸溶コーティングおよび他のコーティング))を用いて調製されてもよい。
経口投与のための液体剤形としては、薬学的に受容可能な乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。その対象の組成物の他に、液体剤形は、当該分野において一般に使用される非活性の希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽(germ)油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール(tetrahydrofuryl alcohol)、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、シクロデキストリンならびにこれらの混合物を含み得る。
懸濁剤は、本対象の組成物の他に、懸濁化剤(例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにこれらの混合物)を含み得る。
直腸投与または膣投与のための調合物は、坐剤として提供され得、該坐剤は、対象の組成物と1つまたはそれより多くの適切な非刺激性の賦形剤もしくはキャリア(例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチレートを含む)とを混合することにより調製され得る。その坐剤は室温において固体であるが、体温においては液体であり、従って、体腔で融解し、活性薬剤を放出する。膣投与に適した調合物としてはまた、当該分野において適切であることが知られているキャリアを含む、膣坐剤、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、パスタ剤、泡沫、またはスプレー調合物が挙げられる。
対象の組成物の経皮投与または局所投与の剤形としては、散剤、スプレー、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ、および吸入剤が挙げられる。活性な構成要素は、滅菌状態の下、薬学的に受容可能なキャリアと混合され得、必要とされ得るあらゆる保存剤、バッファー、またはプロペラントと混合され得る。
軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤およびゲル剤は、対象の組成物の他に、賦形剤(例えば、動物性脂肪および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの混合物)を含み得る。
散剤およびスプレーは、対象の組成物の他に、賦形剤(例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物)を含み得る。スプレーは、さらに慣習のプロペラント(例えば、クロロフルオロハイドロカーボン)、および揮発性非置換炭化水素(例えば、ブタンおよびプロパン)を含み得る。
本発明の組成物および化合物は、エアゾールにより代替的に投与され得る。これは、その化合物を含む、水性のエアゾール、リポソームの調製物、または固体の粒子を調製することにより達成される。非水性(例えば、フルオロカーボンプロペラント)懸濁剤が使用され得る。音波噴霧器は、その対象の組成物中に含まれる化合物の分解をもたらし得る剪断に剤を曝すことを最小限にするので使用され得る。
通例、水性エアゾールは、対象の組成物の水性の液剤または懸濁剤を従来の薬学的に受容可能なキャリアおよび安定剤とともに調合することにより作製される。そのキャリアおよび安定剤は、特定の対象の組成物の要求によって変動するが、代表的には、非イオン性界面活性剤(Tween、Pluronic、またはポリエチレングリコール)、無害なタンパク質(例えば、血清アルブミン)、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、アミノ酸(例えば、グリシン)、バッファー、塩、糖、または糖アルコールを含む。エアゾールは、一般的に等張液剤から調製される。
非経口投与に適した本発明の薬学的組成物は、1つまたはそれより多くの薬学的に受容可能な滅菌等張の水性もしくは非水性の液剤、分散体(dispersion)、懸濁剤または乳剤、あるいは滅菌散剤と組み合わせて対象の組成物を含み、使用直前に滅菌の注射可能な液剤または分散体に再構成され得、それは抗酸化剤、バッファー、静菌剤、調合物を意図される受容者の血液と等張にする溶質、または懸濁化剤もしくは増粘剤を含み得る。
本発明の薬学的組成物において用いられ得る適切な水性および非水性キャリアの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適切な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)および注射可能な有機エステル(例えば、エチルオレエート)およびシクロデキストリンが挙げられる。ふさわしい流動性は、例えば、コーティング材料(例えば、レシチン)の使用、分散体の場合において必要とされる粒径の維持、および界面活性剤の使用により維持され得る。対象の組成物を用いた処置の効力は、当業者に公知の多数のやり方で決定され得る。
組成物が特定の構成要素を有する、含む(including)、または含む(comprising)として記載される本明細書の隅から隅まで、組成物はまた、列挙される構成要素から本質的になるか、または列挙される構成要素からなることが企図される。同様に、プロセスが、特定のプロセスの工程を有する、含む(including、comprising)、または包含する(comprising)として記載される場合、そのプロセスはまた、列挙されるプロセシング工程から本質的になるか、または列挙されるプロセシング工程からなる。そうでないと示されない限り、特定の手段(action)を行うための、工程の順序、または順序は、本発明が実施可能である限り重要ではない。さらに、そうでないと言及されない限り、2つまたはそれより多くの工程または手段が同時に行われ得る。
本開示はさらに、以下の実施例によって説明される。以下の実施例は、説明の目的のためにのみ提供され、そしていかなる方法においても開示の範囲または内容を制限すると解釈されない。
実施例1:肝線維症研究
オスC57bl6マウス(Charles River、l’Arbresle、France)において、四塩化炭素(CCl)の注射によって、肝線維症を誘導した。C57bl6マウスは、体重22〜25gであり、そして実験の前に1週間、実験室の状態に維持した。動物を、ケージあたり5匹収容し、食物および水は自由に摂取可能であった。
その研究は5つのテスト群(表1を参照のこと)から成っていた:コントロール経管栄養(CG)、コントロール腹腔内(CIP)、四塩化炭素(CCl)、化合物34およびJWH−133薬剤(Julienら、(2005)Gastroenterolog
y 128:742−755を参照のこと(JWH−133、CB2特異的アゴニストおよび抗線維形成薬剤に関して))。
JWH−133(抗線維形成薬剤)と比較した、化合物34(PPARgの特異的リガンド)の有効性を評価した。化合物34を、CCl注射と組み合わせて、約5週間経口投与した。化合物34を、200μLの30mM溶液で毎日投与した。JWH−133を、3mg/kgで、腹腔内注射によって毎日投与した(用量体積=100μL)。増加する投与量のCClへ、5週間にわたって慢性的に曝露することによって、肝線維症のモデルを誘導する。最初の週、マウスに、オリーブ油に再懸濁したCClの腹腔内注射を、マウスの体重1kgあたり80μlの投与量で週2回投与した。2週目、CClの注射を160μl/kgの投与量で3回、2日ごとに行った。3週目、CClの注射を、240μl/kgの投与量で3回、2日ごとに行った。4週目、CClの注射を、320μl/kgの投与量で3回、2日ごとに行った。5週目、最後のCCl投与の3日後に、マウスを安楽死させた。
体重を、実験の間記録した。図1で見られるように、異なる群のマウスの間で、体重の進展において検出された差異はなかった。
肝臓を切り出し、そしてアリコートを液体窒素中で急速冷凍し、そして分析するまで−80℃で維持した。各肝臓部分の一部を、組織学のために10%ホルマリン中で固定した。
実施例2:肝線維症研究の組織学分析
ホルマリン固定した肝組織を処理して、そして厚さ5μmのパラフィン切片を、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)ならびにピクロシリウスレッド染色(組織切片中のコラーゲンについての特異的着色)で染色して、肝臓における線維症の程度を評価した。各切片を、Metavirスコアを用いて、肝臓の各葉(5)の線維症の程度の定量のために、3人の異なる実験者によって、盲検的に分析した(Metavir Scoreチャートに関して図2Aを参照のこと)。図2Bで見られる写真を、20倍の対物レンズで得た。コントロール群は、F0スコアを有し、そしてCCl群はF3スコアを有し、これは、肝臓の線維症を示した。化合物34(GED)は、JWH−133群よりも大きな線維症低減を示し、それぞれのスコアは、化合物34はF1、そしてJWH−133はF2であった。
予測されたように、コントロールマウスの2つの群(コントロール経管栄養(CG)およびコントロールIP(CIP))において、線維症は観察されなかった。媒体のみを投与された線維症マウスの群(CCl群)において、平均スコア2.5±0.5が観察された。その平均スコアは、Metavirスコアによると、中程度から重度の線維症に対応する(図3Aを参照のこと)。JWH−133または化合物34(GED)を受けた線維症マウスに関して、それぞれ2±0および2.1±0.2のスコアが観察された。JWH−133およびGEDの両方に関して同様の効力で、重度から中程度の線維症への、線維症の程度の減少が観察された。
適合Metavirスコアを用いて、これらの結果が確認された(図3B);各肝臓切片を、METAVIRスコア((1切片の)スコア=Σ(PTF1+PTF2+PTF3+PTF4))によってF0からF4に分類される、>30の門脈路の、低い倍率(×5)における定量のために、2人の研究者によって盲検的に分析した。このスコアを用いて、JWHおよびGEDはそれぞれ、未処置の動物と比較して、線維症スコアを14.2%および12.5%減少させること、ならびに2つの試験した分子の治療効果は同様のようであることが示された。
実施例3:肝線維症研究の遺伝子発現分析
化合物34(GED)および特異的CB2アゴニスト(JWH−133)の投与の影響を、定量的リアルタイムPCRによって、サイトカイン(IL−1β、TNF−α)および線維症のメカニズムに関与する遺伝子の遺伝子発現レベルで評価した。
Rneasyキット(Macherey Nagel、Hoerdt、France)を用いて、製造会社の指示に従って、肝臓から総RNAを単離した。分光測定法を用いて、RNAの定量を行った。20〜50ユニットのRNaseフリーDNaseI(Roche Diagnostics Corporation、Indianapolis、IN、USA)で、37℃で30分間処理した後、オリゴ−dTプライマー(Roche
Diagnostics Corporation、Indianapolis、USA)を使用して、1本鎖cDNAを合成した。mRNAを、GeneAmp Abiprism7000(Applera、Courtaboeuf、France)においてネズミ特異的オリゴヌクレオチド(表2を参照のこと)によって、SYBRグリーンMaster Mix(Applera、Courtaboeuf、France)を用いて定量した。各アッセイにおいて、較正および鋳型無しのコントロールが含まれていた。各サンプルを3組流した。SYBRグリーン色素強度を、Abiprism 7000 SDSソフトウェア(Applera、Courtaboeuf、France)を用いて分析した。全ての結果を、影響を受けないハウスキーピング遺伝子β−アクチンに対して正規化した。
異なる群のマウスにおいて、サイトカイン遺伝子発現の有意な改変はなかった。線維症のメカニズムに関与する遺伝子に関して、コントロール動物(CGおよびCIP群)と比較して、線維症を有する動物(CCl群)において、SMAおよびコラーゲン−1の発現の増加が観察された。図4および表3において見られるように、CCl群(線維症コントロール)と比較して、GEDおよびJWH−133群のマウスにおいて、α−SMAおよびコラーゲン−1のレベルの低下が存在した。コラーゲン−1のレベルに関して、その減少は、CClマウスと比較して、化合物34によって処置したマウスの群で有意であり、それぞれ42.81±14.81、p=0.03 vs.75.15±5.23であった。この生物学的データは、化合物34で処置したマウスにおいて観察された組織学的改善と共に、化合物34が治療的抗線維症性質を有し得ることを示唆する。
実施例4:肝線維症研究の、肝臓血液酵素分析
化合物34(GED)および特異的CB2アゴニスト(JWH−133)の経口投与の影響を、マウスの血清において、異なる肝臓生化学的パラメーター:肝酵素(アラニンアミノトランスフェラーゼ(AST)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(ALT))、ガンマGTおよびアルカリホスファターゼについて評価した。
予測されるように、CClの最後の投与から4日後、マウスのどの群においても、AST、ALT、およびAlkPの増強は観察されなかった。化合物34は、いかなる血液肝酵素の増強にも関連せず、肝毒性の欠如を示唆した。
組織学および肝マーカーによって評価したように、JWH−133および化合物34は、CClの反復注射によって誘導された肝線維症を有するマウスにおいて、同様の抗線維症効果を有する。予測されるように、JWHは、肝線維症の病変を14%減少させ、コラーゲン−1 mRNAの肝臓濃度を正常化する。化合物34は、肝毒性無しに同様の効果を有する。そのデータは、化合物34が、抗炎症性特性と抗線維症特性との両方を有する初めての化合物であり得ることを示唆する。
実施例5:腸管線維症研究
本実施例は、腸管線維症に対する化合物34の影響を評価するための実験を説明する。滅菌飲料水に溶解した2.5%DSS(40,000−50,000MW、TdB consultancyAB、Sweden)を5日間の後に通常の飲料水を7日間の3サイクルによって、C57bl6マウスにおいて慢性大腸炎を誘導した。
その研究は、3つのテスト群:コントロール群、DSSコントロール群、GED(化合物34)群からなっていた(表4を参照のこと)。
化合物34を、その最適な投与量(30mM)で使用し、そしてDSSの2回目のサイクル後、そして安楽死まで、経口経管栄養によって毎日投与した。DSSを投与したマウスを、体重をモニタリングすることによって、大腸炎の発症に関して週2回チェックした。マウスの安楽死を、DSSの3回目のサイクルの1週間後に行った(図5を参照のこと)。結腸のサイズおよび重量を、死後に評価した。
実施例6:腸管線維症研究の分析
A.結腸重量/サイズ比
腸管線維症は、結腸の短縮および肥厚化ならびに付着性によって特徴付けられる。結腸の重量/サイズ比の測定は、炎症および線維症のレベルの指標である。図6Aにおいて見られるように、通常の水のみを受けたコントロールマウスと比較して、媒体を受けたDSSマウスにおいて、結腸重量/サイズ比の124%の有意な増加が観察され、それぞれ、44.98±6.31対20.11±3.91、p<0.05であった。これらの結果は、DSSマウスにおける結腸の重大な短縮によって説明される(図6B)。化合物34は、DSSの線維症促進効果の34%の低減を引き起こし、媒体を投与したDSSマウスと比較して、38.13±7.82対44.98±6.31(P<0.05)の結腸の重量/サイズ比の有意な減少を引き起こした(図6A)。よって、それは結腸の短縮および肥厚化のような、線維症の形態学的徴候を低減し、そして結腸のコラーゲン沈着を減少させる(図6B)。
B.組織学によって推定される炎症レベル
結腸の横行部分の環をサンプルに取り(死後)、そして4%ホルムアルデヒド中で固定し、そして組織学的分析のために、パラフィン中に包埋した。切片(4μm)を、メイ−グリュンワルド−ギムザで染色し、そしてマルチパラメーター組織学的スコアリング(0から18)を、2人の研究者によって盲検的に行った。この染色は、炎症の定量を可能にした。炎症レベルを反映する組織学的グレードを、粘膜における細胞浸潤の強度、その粘膜下層における拡大、および上皮病変の存在に基づいて割り当てた(表5を参照のこと)。
炎症状態を、古典的なMGG染色を用いて、マウスの各結腸に関して、組織学的レベルで評価した。予測されるように、通常の水を受けたコントロールマウスと比較して、DSSを受けたマウスの群において、有意なおよび強い炎症が観察され、それぞれ3.77±0.80対0.50±0.33、p<0.05であった(図7を参照のこと)。この結果は、3サイクルのDSSによる炎症の誘導を確認した。媒体のみを受けたDSSマウスと比較して、化合物34を受けたDSSマウスにおいて、炎症レベルの有意な減少が観察され、それぞれ2.18±0.48対3.77±0.80、p<0.05であった。
C.線維症のレベル
C1.ピクロシリウスレッド染色による評価
得られた結腸のサンプルをすぐに、PBS(pH7.4)中10%の緩衝化ホルマリンで3時間固定し、段階的エタノール(graded ethanol)で脱水し、そして低温融解パラフィン中に包埋した。ホルマリン固定結腸組織を処理し、そして組織学的分析のために、5μmの厚さのパラフィン切片を、ピクロシリウスレッド染色で染色した。20倍の対物レンズで写真を得た。各切片を、0から4までのスコアを用いて、線維症の程度の定量のために、3人の異なる実験者によって盲検的に分析した。
コントロールマウスと比較して、DSSマウスの結腸において、線維症レベルの有意な
増加が観察され、それぞれ2.27±0.12 vs 1.12±0.07であった(図8を参照のこと)。この結果は、3サイクルのDSSによって誘導された慢性炎症が、腸管線維症を誘導したことを確認する。それはまた、DSSマウスへの化合物34の投与が、媒体のみを受けたDSSマウスと比較して、線維症レベルを減少させることを確認する(1.625±0.15対2.27±0.12、p<0.05)。
C2.マッソントリクローム染色による評価
この結腸線維症レベルの評価において、マッソントリクロームおよびコラーゲン染色を使用した。得られた結腸のサンプルをすぐに、PBS(pH7.4)中10%の緩衝化ホルマリンで3時間固定し、段階的エタノールで脱水し、そして低温融解(low−temperature−fusion)パラフィンに包埋した。連続的な3μmの切片を、メタノールおよび3%過酸化水素溶液中で40分インキュベートし、そして次いでPBS中ですすいだ。トリクローム陽性結合組織染色の密度および範囲、ならびに組織構造の破壊に依存して、腸管線維症を、なし、軽度、または重度としてスコアをつけた。
C3.コラーゲンレベルの評価
免疫組織化学的分析に関して、結腸由来の組織標本を、新しい4%パラホルムアルデヒド(PFA)/PBS溶液で、室温で3時間固定し、段階的(graded)エタノール系列で脱水し、そして低温融解パラフィンに包埋した。3μmの厚さの切片を、メタノール中で40分間、そして次いで3%過酸化水素中で5分間インキュベートした。サンプルを、線維症の主要なマーカーである、コラーゲンI〜III型(Abcam)、結合組織増殖因子(CTGF)(Abcam)、血小板由来増殖因子(PDGF)、SMAD2/3に対する特異的抗体と一晩インキュベートした。そのサンプルをPBSで5分間洗浄し、そしてストレプトアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ結合二次抗体(Dako LSAB Corporation、cod K0675、Dako−Cytomation、Milano)とインキュベートした。PBS中で10分間洗浄した後、その切片を、3,3−ジアミノベンジジン−テトラヒドロクロリドと、1〜3分間インキュベートした。
免疫反応の特異性を、一次抗体を除いて達成した。最終的に、サンプルをMayerのヘマトキシリンで染色し、そしてOlympus BX51 Light Microscope(Olympus、Optical Co.Ltd.、Tokyo、Japan)の下で観察した。
DSSおよびコントロールマウス由来の結腸における、コラーゲンI〜VIIの免疫組織化学的分析(20倍)において、DSSマウスの大腸におけるコラーゲンI〜VIIの染色は、主に粘膜下および固有筋層(muscularis propria)の結合組織内に局在化して
おり、ここでコラーゲンの強い染色が観察された(図9を参照のこと)。図9に示されるように、化合物34の投与は、コラーゲン染色の減少と関連しており、それが線維症を改善し、そして腸管線維症の発達を低減したことを示す。
抗炎症性効果に加えて、化合物34の投与は、線維症を引き起こす分子イベントを迅速に減少させ、そしてマウスにおいてDSSによって誘導される腸管線維症病変を予防する。
ウェスタンブロット分析に関して、0.5cmの凍結結腸サンプルを、100mMのフッ化ナトリウム(NaF)、2mMのオルトバナジン酸ナトリウム(NaVO)、10mMのピロリン酸ナトリウム(NaPPi)、1mMのフェニルメタンスルホン(PMSF)、ならびに10μg/mLのロイペプチンおよびアプロチニンを含む古典的なプロテアーゼ阻害剤カクテルを添加した、50mMのTris HCl pH7.6、150
mMのNaCl、1.5mMのMgCl、5mMのEDTA、1%のTriton−Xおよび10%のグリセロールを含むRIPA緩衝液中でホモジナイズした。
各サンプルに関して、30μgのタンパク質を、PAGEによって分離し、そしてエレクトロブロットした。ニトロセルロース膜(100%純粋)を、0.1%TBS−t中5%の脱脂乳に希釈した、CTGFに対する一次抗体、コラーゲン−Iに対する一次抗体およびGAPDHに対する一次抗体(Abcam、Cambridge、UKから購入;1000:1、RTで2時間)とともにインキュベートした(各抗体についての特定のプロトコールに従って)。続いて膜をTBS−t 0.1%中で洗浄し、そして0.1%TBS−t中5%の脱脂乳に希釈した、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次抗体(抗ウサギおよび抗マウス;Sigma Aldrich;20000:1、RTで1時間)とともにインキュベートした。最後に、SuperSignal West Pico化学発光基質(Thermo Scientific Pierce、Erembodegem)によって、製造会社のプロトコールに従って、免疫検出を行った。膜をオートラジオグラフィーフィルムに曝露した(Fuji Photo Film Co.、Dusseldorf、Germany)。標的バンドの光学密度を、コンピューター支援濃度計およびImageJパブリックドメインソフトウェア(W.S.Rasband、ImageJ、U.S.National Institutes of Health、Bethesda、MD;http://rsb.info.nih.gov/ij/、1997−2011)を用いて決定した。組織レベルを、内部コントロールGAPDHで正規化した、全タンパク質の量あたりの光学密度(OD)のユニットとして表し、そしてその結果をコントロール群のパーセンテージとして表した。
IHC法および特異的抗体を用いて、媒体を受けた大腸炎マウスと比較して、GEDを受けたDSSマウスの結腸において、線維症の主要なマーカー(コラーゲンI〜III、CTGF、SMAD2/3、PDGF、α−SMA、およびTGF−β1)の低減が観察された(図9A〜図9Eを参照のこと)。
これらの結果を、ウェスタンブロット法を用いて確認し、そして異なる線維症マーカーの定量を、結腸サンプル全体について行った(図10を参照のこと)。表6において見られるように、媒体のみを投与した大腸炎マウスと比較して、GEDで処置した大腸炎マウスにおいて、コラーゲンI、CTGF、およびIL−13の発現の有意な減少が観察された(コラーゲンI 90.75±19.91対284.4±63.86、p=0.012、CTGF 55.75±17.53対115.1±16.88、p=0.029、およびIL−13 88.88±14.01対189.5±28.71、p=0.007)。
実施例7:腸管線維症研究
この実施例は、腸管線維症の処置における化合物34(GED)の効果を評価するための実験を説明する。
材料および方法
インビトロ実験
Janvier(Le Genest−St−Isle、France)から購入した、全部で60匹の野生型C57BL/6マウスを研究に含めた。全てのマウスを、Pasteur Institute in Lille(France)の、特定の病原体を含まない施設で維持した。政府のガイドラインN°68/609/CEEに従って、動物実験を行った。
慢性大腸炎の誘導
3サイクル(5日間DSS、7日間水)の、飲料水中2.5%(w/v)のDSSの経口投与によって、慢性大腸炎および線維症を、マウスにおいて誘導した。動物を、食物および流体の摂取に関して毎日モニターし、そして研究の最初、およびその後3日ごとに定期的に体重を測定した。
実験デザイン
そのマウスを2つの群:i.DSSおよびii.DSS+GEDに無作為に分けた。各群は25匹のマウスから成り、そして水だけを受けた10匹のコントロールマウスと比較した。GED(30mg/kg/マウス)を、0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC;MW:90,000Da;Sigma Aldrich)および1%のTween80を含む溶液に溶解し、そして経口経管栄養(100μl/マウス)によって毎日投与した。GEDを、2回目のサイクルの最初に投与した。
大腸炎の経過の評価
流体の摂取、体重の変化に関して毎日動物を観察し、そして体重の減少、下痢、直腸内出血および直腸脱を含む大腸炎の徴候、および立毛、嗜眠、および眼窩周囲の浸出液のような全身性炎症の徴候に関して検査した。
サンプルの回収および調製
最後に、最後のDSSサイクルの投与の7日後に、各群の動物を、深いCO麻酔下で、頸椎脱臼によって屠殺し、そして開腹手術を行った。結腸を見えるようにし、そして迅速に切り出した。結腸−直腸全体の長さおよび結腸−直腸の遠位8cmの重量を測定した。
肉眼および顕微鏡による結腸病変評価
拡張、厚さ、および狭窄を含む、肉眼的な結腸病変を、マウスの処置を知らない、独立した観察者によってスコアをつけた。結腸由来の組織標本を解剖し、そしてすぐに凍結したか、または新しい4%のホルムアルデヒド(FA)/PBS溶液で、室温で3時間固定し、続いてパラフィン包埋の標準的な手順を行った。3μmで横断的に切片にしたパラフィン包埋組織に、ヘマトキシリン/エオシン染色を行い、炎症の程度を評価し、そしてマッソントリクローム染色を行い、結合組織および線維症をより良く評価した。次いで染色した切片を、Olympus BX51 Light Microscope(Olympus、Optical Co.LTd.、Tokyo、Japan)の下で、2人の病理学者が盲検的に観察して、組織学的スコア評価を行った:i.潰瘍の存在(0=なし、1=小さい潰瘍、2=大きい潰瘍);ii.炎症の程度(0=なし、1=軽度、2=中程度、および3=重度);iii.病変の深さ(0=なし、1=粘膜下に広がる病変、2=固有筋層(muscolarispropria)の病変、および3=漿膜の病変);iv.線維症の程度(0=なし、1=軽度、2=中程度、および3=重度)。腸管の炎症の程度を、慢性炎症性浸潤の密度および範囲、杯細胞の喪失、および腸壁の肥厚によって評価した。顕微鏡スコアの合計を、全てのスコアの和として得る(可能な最高スコア=10
)。
腸管線維症を、トリクローム陽性結合組織染色の密度および範囲、ならびに組織構造の破壊に依存して、なし、軽度、または重度としてスコアをつけた。
免疫組織化学
解剖し、そして新しい4%のホルムアルデヒド(FA)/PBS溶液で、室温で3時間固定した、結腸由来の組織標本を、段階的(graded)エタノール系列で脱水し、そして低温融解パラフィンに包埋した。3μmの厚さの切片を、メタノールおよび3%過酸化水素の溶液中で45分間インキュベートした。
サンプルを、α−平滑筋アクチンに対する特異的抗体(α−SMA、Abcam)、コラーゲンI〜III型に対する特異的抗体(Abcam)、TGF−β1に対する特異的抗体(Abcam)、結合組織増殖因子(CTGF)に対する特異的抗体(Abcam)、pSmad3およびSmad3に対する特異的抗体(Cell Signaling)、Smad7に対する特異的抗体(Imgenex)、PPARγに対する特異的抗体(Cell Signaling)とともに一晩インキュベートした。そのサンプルを、PBSで5分間洗浄し、そしてストレプトアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ結合二次抗体(Dako LSAB Corporation、cod K0675、Dako−Cytomation、Milano)とともにインキュベートした。PBS中で10分間1回洗浄した後、その切片を、3,3−ジアミノベンジジン−テトラヒドロクロリドとともに1〜3分間インキュベートした。核の対比染色を、ヘマトキシリンエオシンによって得た。一次抗体を近づけないことにより免疫反応の特異性を成立させた。最後に、サンプルを、Mayerのヘマトキシリンで染色し、そしてOlympus BX51 Light Microscope(Olympus、Optical Co.Ltd.、Tokyo、Japan)の下で観察した。
ウェスタンブロット分析
0.5cmの凍結結腸サンプルを切断し、そして100mMのフッ化ナトリウム(NaF)、2mMのオルトバナジン酸ナトリウム(NaVO)、10mMのピロリン酸ナトリウム(NaPPi)、1mMのフェニルメタンスルホン(PMSF)、ならびに10μg/mLのロイペプチンおよびアプロチニンを含む古典的なプロテアーゼ阻害剤カクテルを補充した、50mMのTrisHCl pH7.6、150mMのNaCl、1.5mMのMgCl、5mMのEDTA、1%のTriton−Xおよび10%のグリセロールを含むRIPA緩衝液中で機械的にホモジナイズした。
各サンプルの30μgのタンパク質を、PAGEによって分離し、そしてエレクトロブロットした。100%純粋なニトロセルロース膜を、0.1%のTBS−t中5%の脱脂乳中で希釈した(diluited)、TGF−β1に対する一次抗体、CTGFに対する一次抗体、α−SMAに対する一次抗体、コラーゲン−Iに対する一次抗体およびGAPDHに対する一次抗体(Abcam、Cambridge、UKから購入;1000:1、RTで2時間)、およびIL−13に対する一次抗体(Antibodies onlineから購入;1000:1、RTで2時間)とともに(各抗体についての特異的なプロトコールに従って)インキュベートした。続いて膜を0.1%のTBS−t中で洗浄し、そして0.1%のTBS−t中5%の脱脂乳で希釈した、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次抗体(抗ウサギおよび抗マウス;Sigma Aldrich;20000:1、RTで1時間)とともにインキュベートした。最後に、SuperSignal West Pico化学発光基質(Thermo Scientific Pierce、Erembodegem)で、製造会社のプロトコールに従って、免疫検出を行った。膜を、オートラジオグラフィーフィルム(Fuji Photo Film Co.、Du
sseldorf、Germany)に曝露した。標的バンドの光学密度を、コンピューター支援濃度計およびImageJパブリックドメインソフトウェア(W.S.Rasband、ImageJ、U.S.National Institutes of Health、Bethesda、MD;http://rsb.info.nih.gov/ij/、1997−2011)を用いて決定した。組織レベルを、内部コントロールGAPDHで正規化した、総タンパク質の量あたりの光学密度(OD)のユニットとして表し、そしてその結果を、コントロール群のパーセンテージとして表した。
インビボ実験
細胞培養
ヒト結腸癌細胞系統HT−29(ATCC HTB−38)および結腸腸管線維芽細胞(ATCCヒトCDD−18 co)を、それぞれ、10%の胎児ウシ血清(FBS)とともに100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)およびアルファ−改変イーグル培地、中で増殖させた。細胞培養を、37℃で、95%空気および5%COの加湿雰囲気下で維持した。
PPARγノックダウン細胞の産生
PPARγノックダウンHT29を、pSUPER.retroシステム(OligoEngine)を用いて得た。ヒトPPARγmRNAのヌクレオチド105−123(5’−GCCCTTCACTACTGTTGAC−3’(配列番号11))に対応する前方向標的配列および逆方向標的配列を、pSUPERretroベクター(pRS)のBglII/XhoI制限部位にクローニングして、ShPPAR構築物を得た。ルシフェラーゼ遺伝子を標的とした、配列5’−ACGCTGAGTACTTCGAAAT−3’(配列番号12)を含むネガティブコントロールpRSプラスミドも作製した(ShLuc構築物)。両方の構築物を、AmaxaBiosystemsのNucleofector技術を用いて、製造会社のプロトコールに従って、HT−29およびCaco−2細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に、ピューロマイシン(5μg/ml)を補充した完全培養培地によって、安定にトランスフェクトされたクローンを選択した。PPARg発現のサイレンシングを、定量的RT−PCRおよびウェスタンブロット分析によってチェックした。一旦確立されたら、ShPPARおよびShLuc細胞系統を、2.5μg/mlのピューロマイシンを補充した完全培地で維持した。
実験デザイン
hCCD−18およびHT29を、血清を含まない培地に溶解した、それぞれ、1ng/mLおよび10ng/mLのTGF−βで4日間刺激することによって、線維症の表現型を誘導した。分化期間中、1mMのGED(195.22g/mol)を投与した。それに加えて、PPARγ活性化に対する潜在的な依存を、この受容体の特異的アンタゴニストであるGW9662を用いて調査した。10−5MのGW9662を、TGFβ誘導分化の開始の4時間前に投与した。
定量的RT−PCR
総RNAを、Nucleospin RNAキット(Macherey−Nagel、Hoerdt、France)によって抽出した。RNAseの不活性化の後、DNAse処理によって、微量のゲノムDNAを総RNAから除去し、そしてRNAseフリー、DEPCフリーの水に溶出した。そのRNAの純度を、220から350nmで、Nanodropシステムにおいて、UV分光学によって、およびAgilent 2100 bioanalyzerにおけるプロファイリングによって評価した。1μgの総RNAを使用して、製造会社のプロトコールに従って、Roche Diagnostics(Indianapolis、IN)のLightCyclerFastStart DN
A Master SYBR Green Iを用いることによって、定量的RT−PCRを行った。
結果
インビボ実験
マウスの慢性大腸炎における臨床的所見および肉眼的所見
DSSの慢性経口投与は、全ての慢性マウスにおいて、最初のDSSサイクルの最後の日(5日目)から始まる、体重の減少を誘導した。10日目、DSSを受けたマウスは、コントロールマウスと比較して、より低い体重を示し、それぞれ23.88±0.31対25.27±0.35 p<0.05であった(図11)。
DSS経口投与の7日目に、中程度から重度の下痢が、70%のDSS処置マウスおよび50%のGEDマウスにおいて観察された。同じ期間に、立毛、眼窩周囲の浸出液、および/または嗜眠のような全身性の徴候が、40%のDSSマウスおよび30%のGEDマウスにおいて観察された。どの段階においても、明らかな直腸内出血も直腸脱も観察されなかった。それらのマウスを、それぞれ15日目および30日目に屠殺し、そして結腸(遠位大腸の最後の8cmを指す)の重量および結腸の長さを測定することによって、および付着、狭窄、拡張、厚さの存在を観察することによって、結腸で肉眼的評価を行い、もしないなら0;軽度または中程度なら1;および重度なら2のスコアをつけた。総肉眼的スコアを、全てのこれらのスコアの合計として計算した。
マウスにおけるDSS誘導性慢性大腸炎の推移および肉眼的所見に対するGED投与の影響を、表7にまとめる。これは、GEDが、慢性DSS誘導性大腸炎における肉眼的病変を改善し、そして線維症の形態学的徴候を低減することを示す。
DSS処置において観察される全ての肉眼的特徴は、両方のモデルにおいて、重度の組織損傷を誘導するDSSの有効な能力を示す有意な変動を示した。全ての肉眼的病変は、GED処置によって軽減され、DSSとDSS+GEDとの間での総肉眼的スコアの有意差を決定した。結腸の重量および結腸重量/体重比は、GED処置の後に有意な変動を示さなかったが、結腸の長さは有意に回復したようであった。結腸の直接的な観察は、実際、大多数のDSS処置サンプルにおける明らかな短縮および拡大、ならびにGED処置マウスにおけるこれらの特徴の寛解を示した。
従って、結腸の重量/サイズ比を、炎症および線維症のレベルのさらなる指標として使用した。通常の水のみを受けたコントロールマウスと比較して、DSSを受けたマウスにおいて、その比の124%の有意な増加が観察され、それぞれ44.98±6.31対20.11±3.91(p<0.05)であった。GEDは、DSSマウスと比較して、結腸の重量/サイズ比の有意な減少を引き起こし(38.13±7.82対44.98±6.31(p<0.05))、DSSの線維症促進効果に関して26%の減少を引き起こした。よって、GEDは、結腸の短縮および肥厚化のような、線維症の形態学的徴候を低減し得る。
慢性大腸炎の顕微鏡的所見
いくつかの組織学的パラメーターを、粘膜における細胞浸潤の強度、粘膜下層における炎症の拡大、ならびに上皮病変およびコラーゲン沈着の存在に基づいて、スコアを付けた。通常の水を受けたコントロールマウスと比較して、DSSを受けたマウスの群において、有意なおよび強力な炎症が観察された。両方のモデルの組織学的特徴は、粘膜潰瘍および変性、杯細胞の減少、広範囲の炎症性細胞浸潤、および粘膜下浮腫を示した。これらの所見は全て、DSS誘導性慢性大腸炎においてより強調されているようであり、そして結腸壁の広範囲な肥厚化が明らかであった。それに加えて、慢性モデルは、長期治療において、陰窩の明らかな再生、および炎症程度の可能性のある自発的な回復を示した(図12)。
線維症のレベルを、コラーゲンの沈着に特異的なマッソントリクローム染色によって観察した。線維症のレベルの有意な増加が、コントロールマウスと比較したDSSマウスの結腸だけでなく、2つの治療の間にも観察された(図12)。この証拠は、炎症の程度が
より低いという観察と合わせて、線維症が炎症反応から始まるが、続いて、それとは独立して進行し得るという仮定と一致するようである。
総顕微鏡的スコアを割り当て、そして1サイクルおよび3サイクルのDSSによって誘導した、高い炎症の程度および線維症のレベルは、GEDの毎日の経口投与後、有意に減少したことを示した(GEDについて3.36±0.55対DSSについて6.45±0.82、p<0.01)(図12)。
主要な線維症マーカーの組織レベルの評価
DSS誘導性大腸炎の慢性モデルにおける、線維症の主要なマーカーの組織レベルを、免疫組織化学的分析によって評価し、そしてイムノブロッティングによって確認した。従って、DSSのみを受けたマウスと比較して、GED処置の経口投与を受けたマウスの結腸において、線維芽細胞分化の特異的マーカーであるコラーゲンI〜III(図13a)およびα−SMA(図13b)の著しい減少が観察された。コラーゲンI〜IIIおよびα−SMAの発現レベルを、6匹のコントロールマウス、8匹のDSSマウス、および8匹のDSS+GEDマウスにおいて測定した。免疫化学およびウェスタンブロッティングはどちらも、全ての主要な線維症マーカーが、通常の水を受けたコントロールマウスと比較して、DSSを受けたマウスの群において有意に増加したこと、およびGEDの毎日の投与が、その発現の低減に関与することを示した。各タンパク質の発現レベルを、コントロール群の平均に対するパーセンテージとして表し、そして関心のある各マーカーを、GAPDHのようなハウスキーピングタンパク質によって正規化した。コントロール群と比較した、DSSマウスにおけるコラーゲンI〜IIIの発現の著しい増加(184%)、およびα−SMAの25%の中程度のアップレギュレーションが観察された。DSS誘導性慢性大腸炎を有するマウスにおけるGEDの経口投与は、これらのタンパク質の発現レベルの低減を引き起こし、コラーゲンI〜IIIに関してより有意に明白であった(GEDについて90.75%±19.9%対DSSについて284.4%±63.8%、p<0.005)。
GEDはTGFβ/Smad経路およびその特異的活性化因子IL13をコントロールする。
GEDが異なるレベルでTGFβ/Smad経路をコントロールする能力を、免疫組織化学的分析によって観察し、そしてTGF−β1、Smad3、CTGFのような、この経路に関与する異なるメンバーの明白な低減を示した(データは示していない)。
IL−13発現レベルの変動に関連する、腸管線維症の予防または処置におけるGEDの利益が観察された(図14a)。IL−13は、TGFβ/Smad経路の特異的活性化因子であり、そしてこの局面は、TGF−β1(図14b)およびCTGF(図14c)の発現レベルの、結果として生じる減少によって確認された。DSSマウスにおけるIL−13の発現の増加は、GEDの経口投与によって有意に回復し、GEDについて88.88%±14.01%対DSSについて189.5%±28.71%、p<0.01であった。TGF−β1およびCTGFの発現レベルの、結果として生じる低減が、イムノブロッティング分析によって確認され、CTGFに関して明白に有意であった(GEDについて55.57%±17.53%対DSSについて115.1%±16.88%、p<0.05)。発現レベルを、コントロール群と比較した光学密度のパーセンテージで表し、そしてGAPDHによって正規化した。
参考としての援用
本明細書中で言及される特許文書および科学論文それぞれの開示全体は、全ての目的のために参考として援用される。
均等物
本発明を、その趣旨および本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化し得る。従って、前述の実施形態は、全ての点において、本明細書中で記載される発明を制限するのではなく例示であるとみなすべきである。従って本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の請求項によって示され、そしてその請求項に均等な意味および範囲に入る全ての変化は、そこに含まれるべきであることが意図される。

Claims (1)

  1. 明細書中に記載の発明。
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