JP2017222111A - 記録装置、記録方法および記録ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】記録ユニットの記録媒体に対する相対的な移動距離を増大させることなく画質の劣化を抑制することができる記録装置を提供する。【解決手段】複数の記録部における浸透速度が早いインクを吐出する複数の吐出口列111C,112C間,111M,112M間,111Y,112Y間の距離W_C1,W_M1,W_Y1を、複数の記録部における浸透速度が遅いインクを吐出する複数の吐出口列111K,112K間の距離W_K1よりも短くなるように配置する。【選択図】図7

Description

本発明は、記録装置、記録方法および記録ユニットに関する。
インクを吐出する複数の吐出口を配列した吐出口列を有する記録ユニットを記録媒体の単位領域に対して相対的に移動させながらインクの吐出を行う記録走査を繰り返し実行して画像を記録する記録装置が知られている。
このような記録装置では、記録媒体に対する記録時間の短縮が従来より求められている。このような記録時間の短縮を達成するため、特許文献1には記録ユニットとして走査方向の左側と右側のそれぞれに複数色のインクを吐出する複数の吐出口列を備えた記録部を1つずつ設けた記録ユニットを用いることが記載されている。同文献では、上述のような記録ユニットを用い、記録媒体上の走査方向左側の領域には左側の記録部のみから、また、走査方向右側の領域には右側の記録部のみからインクを吐出する。これにより、記録ユニットを記録媒体上の左側端部と対向する位置から右側端部と対向する位置までの全域に走査させなくとも記録を完了することができるため、記録時間を短縮することが可能となる。
ここで、上述のような記録ユニットを用い、記録媒体上の走査方向における全域に対して左側の記録部と右側の記録部のいずれかのみによって記録を行った場合、左側の記録部によって記録した領域と右側の記録部によって記録した領域の境界において得られる画像の画質が低下する虞がある。この点を鑑み、特許文献1では、記録媒体上の走査方向における中央部に対しては左側の記録部と右側の記録部の両方によって分担して記録することにより上述の画質の低下を抑制している。
特開平10−44519号公報
しかしながら、上述のような記録ユニットを用い、一方の記録部と他方の記録部の両方を用いて記録媒体上の走査方向中央部を分担記録する場合、記録ユニット内の吐出口列の配置によっては記録媒体に対する浸透速度が早いインクによって中央部に記録される画像の濃度が増大してしまう虞があることがわかった。
図1(a)は記録媒体に対する浸透速度が遅いインクを近接する領域に所定の時間差を設けて2回付与した際におけるインクの定着過程を模式的に示す図である。また、図1(b)は記録媒体に対する浸透速度が早いインクを近接する領域に所定の時間差を設けて2回付与した際におけるインクの定着過程を模式的に示す図である。なお、図1(a)、(b)それぞれにおいて円で示したものが先のタイミングで付与されたインクに含有される色材を、三角形で示したものが後のタイミングで付与されたインクに含有される色材をそれぞれ示している。
図1(a)に示すように、浸透速度が遅いインクを用いると、タイミングT=T1にて先のインク滴81が一方の記録部から付与されたのち、後のインク滴82が他方の記録部から付与されるタイミングT=T3においても記録媒体80に対するインクの浸透が完了しておらず、先のインク滴81に含まれる溶媒が記録媒体80の表層付近に残存している。この溶媒の表層付近での残存のため、タイミングT=T3で付与された後のインク滴82は記録媒体80の表層に定着することができず、タイミングT=T5において先のインク滴81を避けるようにして記録媒体の内部へと浸透していくことになる。この結果、タイミングT=T6にて色材は記録媒体80の表層付近に集中することなく、深さ方向に分散して定着することができる。このように、浸透速度が遅いインクを用いる場合には、ある領域にインクを付与した後に同じ領域にインクを付与する際の時間差がある程度長くなったとしても画質の低下が生じにくいことがわかる。
一方、図1(b)に示すように、記録媒体に対する浸透速度が早いインクを用いる場合には、タイミングT=T1で先のインク滴83が一方の記録部から付与されると後のインク滴84が他方の記録部から付与されるタイミングT=T3よりも前のタイミングT=T2にて先のインク滴83の記録媒体80への浸透が起こる。そのため、後のインク滴84が付与されるタイミングT=T3では先のインク滴83内の溶媒が記録媒体80の表層付近に残存しておらず、これに伴って記録媒体80の表層付近に定着した先のインク滴83内の色材の間に隙間が生じる。この隙間にもタイミングT=T3にて付与された後のインク滴84内の色材は定着可能であるため、タイミングT=T5、T6に示す定着後には先のインク滴83と後のインク滴84の境界領域において記録媒体の表層付近に色材が集中してしまう。このように、浸透速度が早いインクを用いる場合、ある領域にインクを吐出した後、ある程度の時間差を空けて同じ領域にインクを付与すると画像の濃度が増大してしまう虞がある。
そこで浸透速度が早いインクに対し、このような画像の濃度の増大が起きない様な短い時間差のタイミングで先のインク滴及び後のインク滴を付与するようにすることが考えられる。
しかしながら、このタイミングを浸透速度の遅いインクに対しても適用すると、例えば一方の記録部と他方の記録部とで、浸透速度が早いインクを吐出する吐出口列と浸透速度が遅いインクを吐出する吐出口列との配置順序が走査方向に関して同じ順序である場合には、一方の記録部と他方の記録部との離間距離を短くしなければならず、その結果記録走査のために、一方の記録部および他方の記録部を備えた記録ユニットを記録媒体に対して相対的に移動させる距離が長くなってしまう。
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、記録ユニットの記録媒体に対する相対的な移動距離を増大させることなく画質の劣化を抑制することが可能な記録装置を提供することにある。
そこで、本発明は、第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の種類と異なる第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、前記走査手段による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させて画像記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、前記記録媒体に対する前記第1の種類のインクの浸透速度は、前記記録媒体に対する前記第2の種類のインクの浸透速度よりも早く、前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の所定距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の所定距離よりも長い第2の所定距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする。
本発明に掛かる記録装置によれば、記録ユニットの記録媒体に対する相対的な移動距離を増大させることなく画質の劣化を抑制することが可能となる。
浸透速度に由来する濃度増大を説明するための模式図である。 実施形態に係る記録装置の内部構成を示す模式図である。 実施形態における記録方式を説明するための図である。 実施形態に係る記録制御系を説明するための図である。 実施形態に係る画像処理の過程を示すフローチャートである。 実施形態における左右ヘッド分配処理を説明するための図である。 実施形態で用いる記録ユニットの詳細を示す図である。 実施形態と比較形態それぞれで用いる記録ユニットを示す図である。 実施形態で用いる記録ユニットの詳細を示す図である。 実施形態における左右ヘッド分配処理を説明するための図である。
(第1の実施形態)
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図2は本実施形態に係るインクジェット記録装置310の内部構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置(以下、プリンタ、記録装置とも称する)310は、記録ユニット101を備えている。ここで、記録ユニット101は、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rを有しており、これらの記録ヘッド102L、102Rは1つの保持部103によって保持されている。記録ヘッド102L、102Rそれぞれには、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを吐出するための吐出口列が1つずつ設けられているが、詳細については後述する。
なお、図2からわかるように、記録ヘッド102L、102RはY方向に同じ位置であって、X方向に互いに離間するような位置に設けられている。なお、ここでは記録ヘッド102L、102RがY方向に同じ位置に設けられた記録ユニット101を記載したが、同一走査で記録ヘッド102L、102Rの両方によって記録媒体上の少なくとも一部の領域を記録可能なように、Y方向に関して各色のインクを吐出する吐出口列に応じた記録領域が部分的にオーバーラップするように構成されていれば、記録ヘッド102L、102RがY方向にずれた位置に設けられていても良い。
記録ユニット101は、記録媒体に対し、X方向に延伸して設けられたガイドレール104に沿ってX方向(交差方向)に相対的に往復移動(走査)可能となっている。また、記録媒体106はプラテン107に支持されており、搬送ローラ105を回転させることによりY方向(搬送方向)へと搬送される。本実施形態におけるインクジェット記録装置310は、上述の記録ユニット101のX方向への走査を伴った記録動作と、搬送ローラ105による記録媒体106のY方向への搬送動作と、を繰り返し行うことにより、記録媒体106の全域に対する記録を完了する。
なお、本実施形態ではパルプを基材とし、基材上にアルミナやシリカを塗布することで受容層を形成した記録媒体106を用いるが、インクが内部に浸透可能な記録媒体であれば適宜使用することができる。
図3は記録ユニット101を用いて記録媒体106に記録を行う際の様子を説明するための模式図である。なお、図3に示す2つの記録ユニット101のうち、破線にて記載したX方向左側に位置する記録ユニット101は記録ユニット101をX方向左側から右方向へと走査させる際の記録ユニット101の走査開始位置を、実線にて記載したX方向右側に位置する記録ユニット101は記録ユニット101の走査終了位置をそれぞれ模式的に示している。
本実施形態における記録ユニットは、記録ヘッド102LのX方向右側の端部領域が記録媒体106のX方向左側の端部位置X1と対向する位置から、記録ヘッド102RのX方向左側の端部領域が記録媒体106のX方向右側の端部位置X4と対向する位置までの範囲にて走査される。ここで、この範囲を記録ユニット101が走査するためには距離ΔXだけ記録ユニット101を移動させれば良い。このように、本実施形態のような記録方式で記録することにより、記録ユニットを従来のように記録媒体のX方向における一方の端部から他方の端部までの全域を移動させなくとも良いため、記録時間を短くした記録を行うことができるのである。
なお、以下の説明では記録ヘッド102LのX方向右側の端部領域が記録媒体106の端部位置X1と対向する際における記録ヘッド102RのX方向右側の端部領域が対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X2、記録ヘッド102RのX方向左側の端部領域が記録媒体106の端部位置X4と対向する際における記録ヘッド102LのX方向左側の端部領域が対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X3として記載する。更に、以下の説明では記録媒体上の位置X1から位置X2までのX方向左側の領域を領域A1、記録媒体上の位置X2から位置X3までのX方向中央の領域を領域A2、記録媒体上の位置X3から位置X4までのX方向右側の領域を領域A3として記載する。
上述のような範囲だけ記録ユニット101を走査させる場合、記録ヘッド102Rからは位置X2よりも記録媒体上のX方向左側の領域A1に対してはインクを吐出しない。これは、位置X2は記録ヘッド102RのX方向右側の端部が領域A1と対向する位置であるため、記録ヘッド102R内の一部の吐出口列からは領域A1にインクを吐出することができないためである。すなわち、記録媒体上のX方向左側の領域A1は記録ヘッド102Lのみによって記録を行う領域となる。
一方、記録媒体上のX方向右側の領域A3に関しては、位置X3は記録ヘッド102LのX方向左側の端部が対向する位置であるため、領域A1と同じように、領域A3に対しては記録ヘッド102Lからはインクを吐出せず、記録ヘッド102Rのみからインクを吐出して記録を行う。
これに対し、記録媒体上のX方向中央の領域A2に対しては、記録ヘッド102Rと記録ヘッド102Lの両方からインクを吐出することができる。したがって、本実施形態では後述する記録ヘッド分配処理を行うことで領域A2に対応するデータを分割し、記録ヘッド102Rと記録ヘッド102Lの両方を用いて領域A2に対して分担して記録を行う。
以上記載したように、本実施形態では記録媒体106をX方向に3分割し、領域A1と、領域A1とX方向に隣接する領域A2と、領域A2とX方向に隣接する領域A3と、の3つの領域ごとにインクを吐出する記録ヘッドを異ならせて記録を行う。詳細には、X方向左側の領域A1には記録ヘッド102Lのみによって、X方向右側の領域A3には記録ヘッド102Rのみによって、また、X方向中央の領域A2には記録ヘッド102L、102Rの両方によってインクを吐出して記録を行う。
図4は、本実施形態における記録制御系の概略構成を示すブロック図である。本実施形態における記録制御系は、図2に示したプリンタ310と、そのホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)300と、から構成される。
PC300は、以下の要素を有して構成される。CPU301は、記憶手段であるRAM302やHDD303に保持されているプログラムに従った処理を実行する。RAM302は、揮発性のメモリであり、プログラムやデータを一時的に保持する。HDD303は、不揮発性のメモリであり、同じくプログラムやデータを保持する。本実施形態では、データ転送I/F(インターフェース)304は、プリンタ310との間におけるデータの送受信を制御する。このデータ送受信の接続方式としては、USB、IEEE1394、LAN等を用いることができる。キーボード・マウスI/F305は、キーボードやマウス等のHID(Human Interface Device)を制御するI/Fであり、ユーザーは、このI/Fを介して入力を行うことができる。ディスプレイI/F306は、ディスプレイ(不図示)における表示を制御する。
一方、プリンタ310は、以下の要素を有して構成される。CPU311は、RAM312やROM313に保持されているプログラムに従い、後述する各処理を実行する。RAM312は、揮発性のメモリであり、プログラムやデータを一時的に保持する。ROM313は不揮発性のメモリであり、後述する処理で使用するテーブルデータやプログラムを保持することができる。データ転送I/F314は、PC300との間におけるデータの送受信を制御する。
左ヘッドコントローラ315Lと右ヘッドコントローラ315Rは、それぞれ図2に示した記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに対して記録データを供給するとともに、それぞれの記録ヘッド102L、102Rの吐出動作を制御(吐出制御)する。具体的には、左ヘッドコントローラ315Lは、RAM312の所定のアドレスから制御パラメータと記録データを読み込む構成とすることができる。そして、CPU311が、制御パラメータと記録データをRAM312の上記所定のアドレスに書き込むと、左ヘッドコントローラ315Lにより処理が起動され、記録ヘッド102Lからのインク吐出が行われる。右ヘッドコントローラ315Rについても同様であり、RAM312の所定のアドレスにCPU311によって制御パラメータと記録データが書き込まれると、右ヘッドコントローラ315Rによる処理が実行され、記録ヘッド102Rからのインクの吐出が行われる。
(データの処理過程)
図5は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPU311が実行する記録に用いられる記録データ生成処理のフローチャートである。なお、この制御プログラムはROM313に予め格納されている。
PC300から記録装置310にRGB形式で示されたRGBデータが取得されると、まずステップS801にてRGBデータを記録に用いるインクの色に対応するインク色データに変換する色変換処理を行う。この色変換処理により、複数の画素それぞれにおける階調値を定める8ビット256値の情報によって表されるインク色データが生成される。上述のように、本実施形態ではブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを記録に用いるため、ステップS801における色変換処理によってブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクそれぞれに対応するインク色データが生成されることになる。なお、色変換処理としては適宜異なる処理を実行しても良く、例えばROM313に予め記憶されたRGB値とCMYK値の対応関係を規定した3次元ルックアップテーブル(3D−LUT)を用いても良いし、更に四面体補完を実行しても良い。
次に、ステップS802にてCMYK値それぞれのインク色データが示す階調値を補正し、CMYK値それぞれ8ビット256値の情報によって表される階調補正データを生成する階調補正処理を実行する。この階調補正処理では、例えば補正前の各色のインクに対応するインク色データと補正後の各色のインクに対応する階調補正データの対応関係を規定した1次元ルックアップテーブル(1D−LUT)等を用いることができる。なお、この1D−LUTはROM313に予め格納されている。
次に、ステップS803にて階調補正データを量子化し、各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定める1ビット2値の情報によって表される量子化データ(画像データ)を生成する量子化処理を行う。量子化処理としては誤差拡散法やディザ法等、従来より知られている種々の処理を実行可能である。
次に、ステップS804にて各色のインクに対応する量子化データのうち、記録媒体上の領域A2に対応する量子化データを記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに分配する分配処理が実行される。更に、この分配処理では、記録ヘッド102Lに分配された量子化データと、記録媒体上の領域A1に対応する量子化データと、の論理和をとることにより、記録媒体に対する記録ヘッド102Lから各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定めた、記録ヘッド102Lに対応する分配データを生成する。同様に、記録ヘッド102Rに分配された量子化データと、記録媒体上の領域A3に対応する量子化データと、の論理和をとることにより、記録媒体に対する記録ヘッド102Rから各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定めた、記録ヘッド102Rに対応する分配データを生成する。なお、この左右ヘッド分配処理については後述する。
そして、ステップS805Lでは、記録ヘッド102Lに対応する分配データを記録媒体上の同じ単位領域に対して行われる複数回の走査(パス)に分配し、複数回の走査それぞれにおいて記録ヘッド102Lからのインクの吐出に用いられる記録ヘッド102L用の記録データを生成する。同様に、ステップS805Rでは記録ヘッド102Rに対応する分配データを複数回の走査に分配し、複数回の走査それぞれにおいて記録ヘッド102Rからのインクの吐出に用いられる記録ヘッド102R用の記録データを生成する。本実施形態では、ステップS805L、S805Rにて生成された記録ヘッド102L、102R用の記録データにしたがって、記録ヘッド102L、102Rからの吐出動作を実行する。なお、ステップS805L、S806における処理は、例えば複数回の走査に対応し、それぞれ記録の許容を定める記録許容画素と記録の非許容を定める非記録許容画素が配置された複数のマスクパターンを用いることにより行うことができる。なお、この複数のマスクパターンはROM313に予め格納されている。
なお、ここでは1つの単位領域に対して複数回の走査を行う形態について記載したが、単位領域に対して1回だけ走査を行って記録を行っても良い。この場合、ステップS805L、S805Rにおける処理は省略することができる。
また、ここではステップS801〜S805L、S805Rにおける全ての処理をプリンタ310内のCPU311が実行する形態について記載したが、PC300内のCPU301がステップS801〜S805L、S805Rの一部あるいは全ての処理を実行しても良い。
図6は本実施形態におけるステップS804での左右ヘッド分配処理で用いる分配パターンを示す模式図である。ここで、図6(a)は記録媒体上の領域A2に対応する量子化データを記録ヘッド102Lに分配するための分配パターンを模式的に示す図である。また、図6(b)は記録媒体上の領域A2に対応する量子化データを記録ヘッド102Rに分配するための分配パターンを模式的に示す図である。なお、これらの分配パターンはROM313に予め格納されている。
また、図6(c)は本実施形態におけるステップS804での左右ヘッド分配処理を実行した結果、量子化データが記録ヘッド102Lに分配される比率にて規定される記録ヘッド102Lへの分配率と、量子化データが記録ヘッド102Rに分配される比率にて規定される記録ヘッド102Rへの分配率と、を示している。なお、図6(c)のうちの実線部が記録ヘッド102Lへの分配率を、破線部が記録ヘッド102Rへの分配率をそれぞれ示している。
なお、ここでは簡単のため、領域A2がX方向に14画素のサイズを有する領域であるとして記載する。したがって、図6(a)、(b)それぞれに示す記録ヘッド102L、102Rに対応する分配パターンもまたX方向に14画素のサイズを有している。また、図6(a)、(b)に示す分配パターンはY方向に8画素のサイズを1つの繰り返し単位として構成されており、Y方向に対してはこれらの分配パターンを繰り返し用いることにより領域A2全域に対して左右ヘッド分配処理を完了する。
ここで、図6(a)、(b)それぞれに示す分配パターンのうち、黒く塗り潰された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合にインクの吐出を許容する画素を示している。また、白抜けで示された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合であってもインクの吐出を非許容する画素を示している。
図6(a)、(b)からわかるように、本実施形態で使用する記録ヘッド102Lに対応する分配パターンと記録ヘッド102Rに対応する分配パターンは互いに排他的且つ補完的な位置にインクの吐出の許容が定められている。したがって、例えば領域A2に対応する量子化データとして全画素に対してインクの吐出を定めるような量子化データが取得された場合、領域A2内の全ての画素に対して記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rのいずれか一方から1回だけインクを吐出するように、左右ヘッド分配処理を行うことができる。
更に、図6(a)、(b)からわかるように、本実施形態で用いる記録ヘッド102L、102Rに対応する分配パターンは、いずれも記録媒体上のX方向における位置にかかわらず全画素のうちの半数の画素においてインクの吐出の許容が定められている。
したがって、図6(a)、(b)に示す分配パターンを用いた場合、記録媒体上のX方向における全域に対する分配率は図6(c)のようになる。すなわち、領域A1に対応する量子化データは記録ヘッド102Rに分配されないため、領域A1においては記録ヘッド102Lへの分配率が100%となる。一方、領域A3に対応する量子化データは記録ヘッド102Lには分配されないので、領域A3においては記録ヘッド102Rへの分配率が100%となる。また、上述のように図6(a)、(b)に示す分配パターンはいずれもX方向における位置にかかわらず半数の画素においてインクの吐出が定められているため、領域A2においてはX方向における位置にかかわらず記録ヘッド102Lへの分配率が50%、記録ヘッド102Rへの分配率が50%となる。
このように、図6(a)、(b)に示す分配パターンを用いることにより、記録媒体上の領域A1、A2、A3のいずれの領域においても記録ヘッド102Lへの分配率と記録ヘッド102Rへの分配率の合計は100%となっていることがわかる。すなわち、量子化データを記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに分配し、領域A2を記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rで分担記録したとしても、領域A2に対するインクの吐出量が領域A1、A3に対するインクの吐出量に比べて所望の量から大きくずれることはない。
本実施形態では、以上に記載したようなデータ処理過程にしたがって取得されたRGBデータに基づいて記録に用いる記録データを生成し、その記録データにしたがって記録ユニット101からインクを吐出するように制御する。
(インクの組成)
本実施形態で用いるシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクそれぞれの組成について以下に詳細に記載する。
以下、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
1.シアンインク
本実施形態で用いるシアンインクは染料であるC.I.ダイレクトブルー199を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるシアンインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.ダイレクトブルー199 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 1%
イオン交換水 79%
2.マゼンタインク
本実施形態で用いるマゼンタインクは染料であるC.I.アシッドレッド289を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるマゼンタインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.アシッドレッド289 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 1%
イオン交換水 79%
3.イエローインク
本実施形態で用いるイエローインクは染料であるC.I.ダイレクトイエロー86を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるイエローインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.ダイレクトイエロー86 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 1%
イオン交換水 79%
4.ブラックインク
本実施形態で用いるブラックインクは染料であるC.I.ダイレクトブラック154を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるブラックインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.ダイレクトブラック154 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
イオン交換水 80%
上記からわかるように、本実施形態で用いるインクのうち、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクのカラーインクにはアセチレノールEHが含有されている。一方で、ブラックインクにはアセチレノールEHは含有されていない。
ここで、アセチレノールEHはアセチレングリコール系界面活性剤の一種であり、インクの浸透性を向上させる効果がある。本実施形態におけるカラーインクはアセチレノールEHを含有することによりインクの浸透性を高め、インクの浸透速度を速めることにより、記録媒体への定着性を向上させているのである。
一方、インクの浸透速度を早くした場合、記録媒体に付与された後に記録媒体の繊維に沿ってインクが広がってしまう現象が生じる虞がある。この現象が生じた場合、記録媒体上にてインクがにじんでしまう、いわゆるフェザリングの発生に繋がってしまう。このフェザリングは特に文字画像や細線画像を記録する場合に画質の低下を引き起こすことになるため、本実施形態では文字画像や細線画像の記録に用いられることが多いブラックインクにはアセチレノールEHを含有させず、浸透性を低く保つことでフェザリングの発生を抑制している。
なお、本実施形態ではカラーインクの浸透速度を早めるためにアセチレノールEHを含有させたが、他のアセチレングリコール系界面活性剤を用いても良い。また、アセチレングリコール系界面活性剤でなくとも良く、例えばアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等、種々の界面活性剤を用いることも可能である。更に、界面活性剤以外にもアルコール等の浸透促進剤を用いることもできる。
上述のように、本実施形態では互いに浸透性が異なるインクを使用して記録を行う。ここで、記録媒体に対するインクの浸透性を評価するための手法の一例について説明する。
インクの浸透性を評価するための手法としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の『紙及び板紙の液体吸収性試験方法』に記載されたブリストー法が一般に良く知られている。
ブリストー法では、所定量のインクを所定の大きさの開口スリットを有する保持容器に注入し、スリットを介して、短冊状に加工し円盤に巻きつけられた記録媒体と接触させ、保持容器の位置を固定したまま、円盤を回転させ記録媒体に転移するインク帯の面積(長さ)を測定する。そして、このインク帯の面積から単位面積辺りの1秒間での転移量(ml・m−2)を算出し、この転移量に基づいて記録媒体に対するインクの吸収係数であるKa値(ml・m−2・ms1/2)を算出する。このようにして算出されたKa値が大きいほど記録媒体に対するインクの浸透性が高い、すなわち浸透速度が早いことを示している。
例えば、本実施形態で用いるインクのブリストー法により算出されるKa値は(式1)の関係を有している。
(式1)
ブラックインクのKa値<カラーインクのKa値
なお、ここではインクの浸透性を評価するためにブリストー法により算出されるKa値を用いる形態について記載したが、他のパラメータを用いることもでき、例えば表面張力(mN/m)によって浸透性を評価することも可能である。一般に表面張力が低いほどインクの浸透性は高くなる。すなわち、本実施形態で用いるインクの表面張力は(式2)の関係を有している。
(式2)
ブラックインクの表面張力>カラーインクの表面張力
(記録ユニット101の詳細)
先に記載したように、記録媒体に対する浸透速度が早いインクを用いる場合、先のタイミングで記録媒体上にある領域にインクを付与してから比較的長い時間差を空けて後のタイミングで記録媒体上の同じ領域にインクを付与すると、画像の濃度が増大する虞がある。そのため、図2、図3に示すような2つの記録ヘッド102L、102Rを備えた記録ユニットを用いる場合、記録ヘッド102L内の浸透速度が早いインクを吐出する吐出口列と記録ヘッド102R内の浸透速度が早いインクを吐出する吐出口列はX方向に互いに近い位置に設け、上述の時間差をできる限り短くすることが好ましい。
一方で、保持部103のX方向における距離を短くし、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102RのX方向における間の距離を短くすると、1回の走査によって記録媒体のX方向全域を記録するために要する記録ユニットの走査範囲が広がってしまい、記録時間の延長を引き起こす虞がある。そのため、記録時間の短縮化の観点からは記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rをできる限りX方向に離間して記録ユニットを設けることが好ましい。
以上の点を鑑み、本実施形態で用いる記録ユニットは、記録ヘッド102L内の複数種類のインクを吐出する複数の吐出口列のX方向における配置と、記録ヘッド102R内の複数種類のインクを吐出する複数の吐出口列のX方向における配置と、を工夫することにより、上述の浸透速度に由来する濃度増加と記録時間の延長の両方を抑制する。詳細には、本実施形態では、浸透速度が早いインクをそれぞれ吐出する記録ヘッド102L、102R内の吐出口列間のX方向における距離を、浸透速度が遅いインクをそれぞれ吐出する記録ヘッド102L、102R内の吐出口列間のX方向における距離よりも短くした記録ユニット101を用いる。
図7は本実施形態で用いる記録ユニット101の詳細を示す図である。なお、図7(a)には記録ユニット101をXY平面に対して鉛直下方から見た図を模式的に示している。また、図7(b)には記録ユニット101をY方向から見た図を模式的に示している。
本実施形態における記録ユニット内には、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102RがX方向に距離W5だけ離間して設けられている。そして、記録ヘッド102Lには、X方向左側からブラックインクを吐出する吐出口列111K、シアンインクを吐出する吐出口列111C、マゼンタインクを吐出する吐出口列111M、イエローインクを吐出する吐出口列111Yの順番で4つの吐出口列111C、111M、111Y、111Kが配置されている。一方、記録ヘッド102RにはX方向左側からシアンインクを吐出する吐出口列112C、マゼンタインクを吐出する吐出口列112M、イエローインクを吐出する吐出口列112Y、ブラックインクを吐出する吐出口列112Kの順番で4つの吐出口列112C、112M、112Y、112Kが配置されている。
なお、記録ヘッド102L内の4つの吐出口列111C、111M、111Y、111Kは、互いに同じ距離dだけ離間して配置されている。同様に、記録ヘッド102R内の4つの吐出口列112C、112M、112Y、112Kもまた互いに同じ距離dだけ離間しながら配置されている。また、8つの吐出口列それぞれには、それぞれのインクを吐出する複数の吐出口(不図示)がY方向(所定方向)に配列されている。
これら8つの吐出口列それぞれには、それぞれのインクを吐出する複数の吐出口(不図示)がY方向(所定方向)に配列されている。また、記録ヘッド102L内の各吐出口列内の吐出口は、不図示の流路を介してそれぞれのインクを収納するインクタンクに接続されている。詳細には、吐出口列111Cに配列された吐出口はシアンインクを収納するインクタンク108Cに、吐出口列111Mに配列された吐出口はマゼンタインクを収納するインクタンク108Mに、吐出口列111Yに配列された吐出口はイエローインクを収納するインクタンク108Yに、吐出口列111Kに配列された吐出口はブラックインクを収納するインクタンク108Kにそれぞれ接続されている。同様に、記録ヘッド102R内の吐出口列112Cに配列された吐出口はシアンインクを収納するインクタンク109Cに、吐出口列112Mに配列された吐出口はマゼンタインクを収納するインクタンク109Mに、吐出口列112Yに配列された吐出口はイエローインクを収納するインクタンク109Yに、吐出口列112Kに配列された吐出口はブラックインクを収納するインクタンク109Kにそれぞれ接続されている。
なお、ここでは同色のインクを吐出する記録ヘッド102L内の吐出口列と記録ヘッド102R内の吐出口列は異なるインクタンクに接続される形態について記載したが、1つの同じインクタンクに接続される形態であっても良い。また、異なるインクタンクを用いる場合と同じインクタンクを用いる場合のいずれであっても、インクタンクを支持部103のX方向中央側に寄せて設けることにより記録ユニットを小型化することができる。しかしながら、小型化を考えないのであれば、例えば2つの異なるインクタンクを用いる場合には、それぞれの記録ヘッドとインクタンクのX方向の中央部がおおよそ一致するように設計しても良い
ここで、本実施形態における各色のインクを吐出する2つの吐出口列間のX方向の距離について説明する。なお、以下の説明では簡単のため、各吐出口列のX方向における幅や、各記録ヘッド内の外縁部にある吐出口列が形成されていない領域のX方向における幅は無視することとする。
まず、シアンインクに関しては、吐出口列111Cは記録ヘッド102L内でX方向右側から3番目、吐出口列112Cは記録ヘッド102R内でX方向左側から1番目に配置されている。したがって、吐出口列111C、112C間のX方向における距離W_C1は(式3−1)で算出される距離となる。
(式3−1)
W_C1=W5+2×d+0×d=W5+2d
ここで、(式3−1)における2×dの項は、記録ヘッド102L内で吐出口列111CよりもX方向右側に2つの吐出口列が存在することに対応する項である。また、(式3−1)における0×dの項は、記録ヘッド102R内で吐出口列112CよりもX方向左側に吐出口列が存在しないことに対応する項である。
同様に考えると、マゼンタインクに関しては、吐出口列111Mは記録ヘッド102L内でX方向右側から2番目、吐出口列112Mは記録ヘッド102R内でX方向左側から2番目に配置されている。したがって、吐出口列111M、112M間のX方向における距離W_M1は(式3−2)で算出される距離となる。
(式3−2)
W_M1=W5+1×d+1×d=W5+2d
また、イエローインクに関しては、吐出口列111Yは記録ヘッド102L内でX方向右側から1番目、吐出口列112Yは記録ヘッド102R内でX方向左側から3番目に配置されている。したがって、吐出口列111Y、112Y間のX方向における距離W_Y1は(式3−3)で算出される距離となる。
(式3−3)
W_Y1=W5+0×d+2×d=W5+2d
また、ブラックインクに関しては、吐出口列111Kは記録ヘッド102L内でX方向右側から4番目、吐出口列112Kは記録ヘッド102R内でX方向左側から4番目に配置されている。したがって、吐出口列111K、112K間のX方向における距離W_K1は(式3−4)で算出される距離となる。
(式3−4)
W_K1=W5+3×d+3×d=W5+6d
以上、(式3−1)、(式3−2)、(式3−3)、(式3−4)からわかるように、本実施形態で使用する記録ユニット101では、シアンインクを吐出する吐出口列111C、112C間の距離W_C1、マゼンタインクを吐出する吐出口列111M、112M間の距離W_M1、イエローインクを吐出する吐出口列111Y、112Y間の距離W_Y1のそれぞれ(W5+2d)が、ブラックインクを吐出する吐出口列111K、112K間の距離W_K1(W5+6d)よりも短くなるように、各吐出口列が配置されている。
上述のように、本実施形態で用いるインクは、記録媒体に対するシアンインク、マゼンタインク、イエローインクの浸透速度がブラックインクの浸透速度よりも早くなるように調整されている。すなわち、ブラックインクは浸透速度が遅いため、ある程度の時間差を空けて同じ領域に2回付与したとしても濃度増大は生じない。したがって、本実施形態ではブラックインクを吐出する吐出口列111K、112K間の距離W_K1を、上述の(式3−4)で算出されるように長くして記録ユニット101を設けている。
一方、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクは浸透速度が早いため、長い時間差を空けて同じ領域に2回付与すると濃度増大が発生する虞がある。そこで、本実施形態で用いる記録ユニット101は、シアンインクを吐出する吐出口列111C、112C間の距離W_C1、マゼンタインクを吐出する吐出口列111M、112M間の距離W_M1、イエローインクを吐出する吐出口列111Y、112Y間の距離W_Y1それぞれを、上述の(式3−1)、(式3−2)、(式3−3)で算出されるように短くして設けられている。
このように、本実施形態における記録ユニットでは浸透速度が早いインクを吐出する吐出口列間の距離が浸透速度が遅いインクを吐出する吐出口列間の距離よりも短くなるように、複数の記録ヘッドそれぞれに複数種類のインクを吐出する複数の吐出口列を配置する。これにより、浸透速度が早いカラーインクの濃度増大を抑制しつつ、記録時間を短縮した記録を実行することが可能となる。
次に、2つの比較形態を参照し、それらの比較形態における記録ユニットと本実施形態における記録ユニットを比較しながら、本実施形態における記録ユニットを用いることで浸透速度に由来する濃度増大と記録時間の延長を抑制できるメカニズムについて詳細に説明する。
図8は本実施形態における記録ユニットと比較形態における記録ユニットを比較するための図である。ここで、図8(a)は本実施形態における記録ユニット101を示したものであり、図7(a)に示したものと同じである。また、図8(b)は第1の比較形態における記録ユニットを示す図である。また、図8(c)は第2の比較形態における記録ユニットを示す図である。
1.第1の比較形態における記録ユニット
図8(b)に示す第1の比較形態における記録ユニット120内には、図8(a)に示す本実施形態における記録ユニット101と同様に、記録ヘッド124Lと記録ヘッド124RがX方向に距離W5だけ離間して設けられている。したがって、記録媒体上の領域A1、A2、A3の全域を記録するまでに掛かる時間は、第1の比較形態における記録ユニット120を用いる場合も本実施形態における記録ユニットを用いる場合も同じである。
ここで、第1の比較形態における記録ヘッド124Lには、X方向左側からブラックインクを吐出する吐出口列121K、シアンインクを吐出する吐出口列121C、マゼンタインクを吐出する吐出口列121M、イエローインクを吐出する吐出口列121Yの順番で、4つの吐出口列121C、121M、121Y、121Kが配置されている。一方、記録ヘッド124RにはX方向左側からブラックインクを吐出する吐出口列122K、シアンインクを吐出する吐出口列122C、マゼンタインクを吐出する吐出口列122M、イエローインクを吐出する吐出口列122Yの順番で4つの吐出口列122C、122M、122Y、122Kが配置されている。なお、本実施形態と同様に、各記録ヘッド124L、124R内の4つの吐出口列は、X方向に互いに同じ距離dだけ離間して配置されている。
次に、本実施形態と同様にして、第1の比較形態における各色のインクを吐出する2つの吐出口列間のX方向の距離について説明する。
まず、シアンインクに関しては、吐出口列121Cは記録ヘッド124L内でX方向右側から3番目、吐出口列122Cは記録ヘッド124R内でX方向左側から2番目に配置されている。したがって、吐出口列121C、122C間のX方向における距離W_C2は(式4−1)で算出される距離となる。
(式4−1)
W_C2=W5+2×d+1×d=W5+3d
ここで、(式4−1)における2×dの項は、記録ヘッド124L内で吐出口列121CよりもX方向右側に2つの吐出口列が存在することに対応する項である。また、(式4−1)における1×dの項は、記録ヘッド124R内で吐出口列122CよりもX方向左側に1つの吐出口列が存在することに対応する項である。
同様に考えると、マゼンタインクに関しては、吐出口列121Mは記録ヘッド124L内でX方向右側から2番目、吐出口列122Mは記録ヘッド124R内でX方向左側から3番目に配置されている。したがって、吐出口列121M、122M間のX方向における距離W_M2は(式4−2)で算出される距離となる。
(式4−2)
W_M2=W5+1×d+2×d=W5+3d
また、イエローインクに関しては、吐出口列121Yは記録ヘッド124L内でX方向右側から1番目、吐出口列122Yは記録ヘッド124R内でX方向左側から4番目に配置されている。したがって、吐出口列121Y、122Y間のX方向における距離W_Y2は(式4−3)で算出される距離となる。
(式4−3)
W_Y2=W5+0×d+3×d=W5+3d
また、ブラックインクに関しては、吐出口列121Kは記録ヘッド124L内でX方向右側から4番目、吐出口列122Kは記録ヘッド124R内でX方向左側から1番目に配置されている。したがって、吐出口列121K、122K間のX方向における距離W_K2は(式4−4)で算出される距離となる。
(式4−4)
W_K2=W5+3×d+0×d=W5+3d
以上、(式4−1)、(式4−2)、(式4−3)、(式4−4)からわかるように、図8(b)に示す第1の比較形態で使用する記録ユニット120では、シアンインクを吐出する吐出口列121C、122C間の距離W_C2、マゼンタインクを吐出する吐出口列121M、122M間の距離W_M2、イエローインクを吐出する吐出口列121Y、122Y間の距離W_Y2、ブラックインクを吐出する吐出口列121K、122K間の距離W_K2のそれぞれが、互いに等しく(W5+3d)なるように、各吐出口列が配置されている。
ここで、(式3−1)と(式4−1)を比較するとわかるように、第1の比較形態における吐出口列121C、122C間の距離W_C2(W5+3d)は、本実施形態における吐出口列111C、112C間の距離W_C1(W5+2d)よりも長くなっている。このように、第1の比較形態では、シアンインクは浸透速度が早いインクであるにもかかわらず、十分に吐出口列121C、122C間の距離W_C2を短くできない虞がある。したがって、記録媒体上の領域A2に対して一方の吐出口列からシアンインクを付与した後に他方の吐出口列からシアンインクを付与した際の時間差を長くしてしまい、上述した濃度増大を引き起こしてしまう虞がある。
なお、(式3−2)と(式4−2)の比較、および(式3−3)と(式4−3)の比較によってわかるように、マゼンタインク、イエローインクについても同様の理由により記録画像において濃度増大が生じる虞がある。
以上記載したように、図8(b)に示す第1の比較形態における記録ユニット120を用いた場合、記録時間の延長は発生しないものの、浸透速度の早いインクにおける濃度増大が生じてしまう虞がある。
2.第2の比較形態における記録ユニット
図8(c)に示す第2の比較形態における記録ユニット130内には、図8(a)に示す本実施形態における記録ユニット101および図8(b)に示す第1の比較形態における記録ユニット130と異なり、記録ヘッド132Lと記録ヘッド132RがX方向に距離W6(W6<W5)だけ離間して設けられている。詳細には、第2の比較形態における記録ユニット130では、記録ヘッド134Lと記録ヘッド134Rが距離W5よりも距離dだけ短くなるような距離W6だけ離間して配置される(W6=W5−d)ことにより、上述の浸透速度に由来する濃度増大を抑制する。
第2の比較形態における記録ヘッド134Lには、X方向左側からブラックインクを吐出する吐出口列131K、シアンインクを吐出する吐出口列131C、マゼンタインクを吐出する吐出口列131M、イエローインクを吐出する吐出口列131Yの順番で、4つの吐出口列131C、131M、131Y、131Kが配置されている。一方、記録ヘッド134RにはX方向左側からブラックインクを吐出する吐出口列132K、シアンインクを吐出する吐出口列132C、マゼンタインクを吐出する吐出口列132M、イエローインクを吐出する吐出口列132Yの順番で、4つの吐出口列132C、132M、132Y、132Kが配置されている。なお、本実施形態および第1の比較形態と同様に、各記録ヘッド134L、134R内の4つの吐出口列は、X方向に互いに同じ距離dだけ離間して配置されている。
本実施形態および第1の比較形態と同様にして、第2の比較形態における各色のインクを吐出する2つの吐出口列間のX方向の距離について説明する。
まず、シアンインクに関しては、吐出口列131Cは記録ヘッド134L内でX方向右側から3番目、吐出口列132Cは記録ヘッド134R内でX方向左側から2番目に配置されている。したがって、吐出口列131C、132C間のX方向における距離W_C3は(式5−1)で算出される距離となる。
(式5−1)
W_C3=W6+2×d+1×d=(W5−d)+3d=W5+2d
ここで、(式5−1)における2×dの項は、記録ヘッド134L内で吐出口列131CよりもX方向右側に2つの吐出口列が存在することに対応する項である。また、(式5−1)における1×dの項は、記録ヘッド134R内で吐出口列132CよりもX方向左側に1つの吐出口列が存在することに対応する項である。更に、上述のようにW6=W5−dの関係を有しているため、(式5−1)のように展開されることになる。
同様に考えると、マゼンタインクに関しては、吐出口列131Mは記録ヘッド134L内でX方向右側から2番目、吐出口列132Mは記録ヘッド134R内でX方向左側から3番目に配置されている。したがって、吐出口列131M、132M間のX方向における距離W_M3は(式5−2)で算出される距離となる。
(式5−2)
W_M3=W6+1×d+2×d=(W5−d)+3d=W5+2d
また、イエローインクに関しては、吐出口列131Yは記録ヘッド134L内でX方向右側から1番目、吐出口列132Yは記録ヘッド134R内でX方向左側から4番目に配置されている。したがって、吐出口列131Y、132Y間のX方向における距離W_Y3は(式5−3)で算出される距離となる。
(式5−3)
W_Y3=W6+0×d+3×d=(W5−d)+3d=W5+2d
また、ブラックインクに関しては、吐出口列131Kは記録ヘッド134L内でX方向右側から4番目、吐出口列132Kは記録ヘッド134R内でX方向左側から1番目に配置されている。したがって、吐出口列131K、132K間のX方向における距離W_K3は(式5−4)で算出される距離となる。
(式5−4)
W_K3=W6+3×d+0×d=(W5−d)+3d=W5+2d
以上、(式5−1)、(式5−2)、(式5−3)、(式5−4)からわかるように、図8(c)に示す第2の比較形態で使用する記録ユニット130では、シアンインクを吐出する吐出口列131C、132C間の距離W_C3、マゼンタインクを吐出する吐出口列131M、132M間の距離W_M3、イエローインクを吐出する吐出口列131Y、132Y間の距離W_Y3、ブラックインクを吐出する吐出口列131K、132K間の距離W_K3のそれぞれが、互いに等しく(W5+2d)なるように、各吐出口列が配置されている。
ここで、(式3−1)と(式5−1)を比較するとわかるように、第2の比較形態における吐出口列131C、132C間の距離W_C3と、本実施形態における吐出口列111C、112C間の距離W_C1と、は互いに等しく(W5+2d)、第1の比較形態における吐出口列121C、122C間の距離W_C2(W5+3d)よりも短くなっている。したがって、第2の比較形態によれば、浸透速度が早いインクであるシアンインクを吐出する吐出口列131C、132間の距離W_C3を十分に短くし、記録媒体上の領域A2に対して一方の吐出口列からシアンインクを付与した後に他方の吐出口列からシアンインクを付与した際、第1の比較形態よりも時間差を空けずに付与することができるため、上述した浸透速度に由来した濃度増大を生じにくくして記録することができる。
なお、(式3−2)と(式5−2)の比較、および(式3−3)と(式5−3)の比較によってわかるように、マゼンタインク、イエローインクについても同様の理由により記録画像における濃度増大を好適に抑制することができる。
一方で、先に記載したように、第2の比較形態では記録ヘッド134Lと記録ヘッド134Rの間の距離(W6)を本実施形態における記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rの間の距離(W5)よりも短くしている。そのため、第2の比較形態における記録ユニット130を用いる場合、本実施形態における記録ユニット101を用いる場合に比べて1回の走査によって記録媒体のX方向全域を記録させるために要する記録ユニットの走査範囲が広がってしまい、これによって記録媒体に記録を完了するまでに掛かる時間が延長してしまう。
このように、図8(c)に示す第2の比較形態における記録ユニット130を用いた場合、浸透速度の早いインクにおける濃度増大は生じにくいものの、記録時間が延長してしまう虞がある。
以上記載したように、図8(a)に示す本実施形態における記録ユニット101を用いることにより、図8(b)に示す記録ユニット120を用いる場合に生じ得る浸透速度の違いに由来する濃度増大を抑制し、且つ、図8(c)に示す記録ユニット130を用いる場合よりも記録時間を短縮して記録を行うことが可能となる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、カラーインク間でのインクの浸透速度がほぼ同じである形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、カラーインク間においてもインクの浸透速度が異なる場合について記載する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
(インクの組成)
本実施形態では、ブラックインクとシアンインクについては第1の実施形態と同様の組成からなるインクを使用する。一方で、マゼンタインクとイエローインクについては第1の実施形態と異なる組成からなるインクを用いて記録を行う。
本実施形態で用いるマゼンタインク、イエローインクそれぞれの組成について以下に詳細に記載する。
1.マゼンタインク
本実施形態で用いるマゼンタインクは、第1の実施形態で用いたマゼンタインクと同様に、染料であるC.I.アシッドレッド289を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるマゼンタインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.アシッドレッド289 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 3%
イオン交換水 77%
2.イエローインク
本実施形態で用いるイエローインクは、第1の実施形態で用いたイエローインクと同様に、染料であるC.I.ダイレクトイエロー86を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるイエローインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.ダイレクトイエロー86 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 5%
イオン交換水 75%
上記からわかるように、本実施形態で用いるマゼンタインクとイエローインクは、本実施形態で用いるシアンインクに比べて界面活性剤であるアセチレノールEHを多く含有している。詳細には、本実施形態で用いるシアンインクには1%、マゼンタインクには3%、イエローインクには5%の含有量でアセチレノールEHが含有されている。一方で、第1の実施形態と同様に、ブラックインクにはアセチレノールEHは含有されていない。
このため、本実施形態で用いるインクは、シアンインクよりもマゼンタインクの方が浸透速度が早く、且つ、マゼンタインクよりもイエローインクの方が浸透速度が早くなっている。
したがって、例えば上述のブリストー法によって本実施形態で用いるインクのKa値を算出した場合、各インクのKa値は(式6)の関係を有している。
(式6)
ブラックインクのKa値<シアンインクのKa値
シアンインクのKa値<マゼンタインクのKa値
マゼンタインクのKa値<イエローインクのKa値
また、上述のように表面張力によっても浸透性を評価することも可能であり、本実施形態で用いるインクの表面張力は(式7)の関係を有している。
(式7)
ブラックインクの表面張力>シアンインクの表面張力
シアンインクの表面張力>マゼンタインクの表面張力
マゼンタインクの表面張力>イエローインクの表面張力
(記録ユニット140の詳細)
記録媒体に対する浸透速度が早いほど、先のタイミングで記録媒体上にある領域にインクを付与してから比較的長い時間差を空けて後のタイミングで記録媒体上の同じ領域にインクを付与した場合の画像の濃度増大の程度は大きくなる。したがって、本実施形態ではインクの浸透速度が早いほど、そのインクを吐出する吐出口列間の距離が短くなるように各記録ヘッド内の吐出口列を配置する。
図9は本実施形態で用いる記録ユニット140の詳細を示す図である。なお、ここでは記録ユニット140を鉛直下方から見た図を模式的に示している。
本実施形態における記録ユニット内には、記録ヘッド144Lと記録ヘッド144RがX方向に距離W7だけ離間して設けられている。記録ヘッド144Lには、X方向左側からブラックインクを吐出する吐出口列141K、シアンインクを吐出する吐出口列141C、マゼンタインクを吐出する吐出口列141M、イエローインクを吐出する吐出口列141Yの順番で、4つの吐出口列141C、141M、141Y、141Kが配置されている。一方、記録ヘッド144RにはX方向左側からイエローインクを吐出する吐出口列142Y、マゼンタインクを吐出する吐出口列142M、シアンインクを吐出する吐出口列142C、ブラックインクを吐出する吐出口列142Kの順番で、4つの吐出口列142C、142M、142Y、142Kが配置されている。なお、記録ヘッド144L内の4つの吐出口列141C、141M、141Y、141Kは、互いに同じ距離dだけ離間して配置されている。同様に、記録ヘッド144R内の4つの吐出口列142C、142M、142Y、142Kもまた互いに同じ距離dだけ離間しながら配置されている。
ここで、第1の実施形態と同様に、本実施形態における各色のインクを吐出する2つの吐出口列間のX方向の距離を以下に記載する。
まず、シアンインクに関しては、吐出口列141Cは記録ヘッド144L内でX方向右側から3番目、吐出口列142Cは記録ヘッド144R内でX方向左側から3番目に配置されている。したがって、吐出口列141C、142C間のX方向における距離W_C4は(式8−1)で算出される距離となる。
(式8−1)
W_C4=W7+2×d+2×d=W7+4d
また、マゼンタインクに関しては、吐出口列141Mは記録ヘッド144L内でX方向右側から2番目、吐出口列142Mは記録ヘッド144R内でX方向左側から2番目に配置されている。したがって、吐出口列141M、142M間のX方向における距離W_M4は(式8−2)で算出される距離となる。
(式8−2)
W_M4=W7+1×d+1×d=W7+2d
また、イエローインクに関しては、吐出口列141Yは記録ヘッド144L内でX方向右側から1番目、吐出口列142Yは記録ヘッド144R内でX方向左側から1番目に配置されている。したがって、吐出口列141Y、142Y間のX方向における距離W_Y4は(式8−3)で算出される距離となる。
(式8−3)
W_Y4=W7+0×d+0×d=W7
また、ブラックインクに関しては、吐出口列141Kは記録ヘッド144L内でX方向右側から4番目、吐出口列142Kは記録ヘッド144R内でX方向左側から4番目に配置されている。したがって、吐出口列141K、142K間のX方向における距離W_K4は(式8−4)で算出される距離となる。
(式8−4)
W_K4=W7+3×d+3×d=W7+6d
以上、(式8−1)、(式8−2)、(式8−3)、(式8−4)からわかるように、各色のインクに対応する吐出口列間の距離は、イエローインクを吐出する吐出口列141Y、142Y間の距離W_Y4(W7)、マゼンタインクを吐出する吐出口列141M、142M間の距離W_M4(W7+2d)、シアンインクを吐出する吐出口列141C、142C間の距離W_C4(W7+4d)、ブラックインクを吐出する吐出口列141K、142K間の距離W_K4(W7+6d)の順に長くなっている。すなわち、浸透速度が早いインクであるほど、そのインクを吐出する吐出口列間の距離が短くなるように、各色のインクに対応する吐出口列が配置されている。
これにより、本実施形態によれば、浸透速度が早いインクほど顕著に生じる記録画像の濃度増大を好適に抑制しつつ、できる限り記録時間を短縮して記録を行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
上述した第1、第2の実施形態では、左右ヘッド分配処理において領域A2内のX方向における位置にかかわらず記録ユニット内の左側の記録ヘッドへの量子化データの分配率と右側の記録ヘッドへの量子化データの分配率が等しくなるように、2つの記録ヘッドに量子化データを分配する形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、領域A2内のX方向における位置に応じて左側の記録ヘッドへの量子化データの分配率と右側の記録ヘッドへの量子化データの分配率が異なるように、2つの記録ヘッドに量子化データを分配する形態について記載する。
なお、上述した第1、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図6(a)、(b)に示す分配パターンを用いる場合、図6(c)からわかるように、領域A1と領域A2の境界において記録ヘッド102L、記録ヘッド102Rそれぞれからの吐出量が急峻に切り替わる。詳細には、領域A1には記録ヘッド102Lのみによって記録するのに対し、領域A2になると記録ヘッド102L、記録ヘッド102Rによって50%ずつ分担して記録する。同様に、領域A3には記録ヘッド102Rのみによって記録を行うため、領域A2と領域A3の境界においても記録ヘッド102L、記録ヘッド102Rそれぞれからの吐出量が急峻に切り替わることになる。
ここで、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rの吐出特性に違いがあった場合、領域A1と領域A2の境界、および領域A2と領域A3の境界それぞれにおいて画質むらが生じる虞がある。
例えば、記録ヘッド102Lからの吐出量が記録ヘッド102Rからの吐出量よりも多くなるような吐出特性を記録ヘッド102L、102Rが有している場合について考える。この場合、領域A1、A2、A3に対して同じ量のインクを吐出するような量子化データが取得された場合であっても、領域A1に対するインク吐出量が領域A2に対するインク吐出量よりも多く、且つ、領域A2に対するインク吐出量が領域A3に対するインク吐出量よりも多くなってしまう。このような領域A1、A2間のインク吐出量の変化および領域A2、A3間のインク吐出量の変化がそれぞれ急峻に生じてしまい、この吐出量の急峻な変化が画質むらとして視認されてしまう虞がある。
そこで、本実施形態ではステップS804における左右ヘッド分配処理で用いる分配パターンを第1の実施形態と異ならせることで上述の吐出量の急峻な変化に由来する画質むらを低減する。
図10は本実施形態におけるステップS804での左右ヘッド分配処理で用いる分配パターンを示す模式図である。ここで、図10(a)は記録媒体上の領域A2に対応する量子化データを記録ヘッド102Lに分配するための分配パターンを模式的に示す図である。また、図10(b)は記録媒体上の領域A2に対応する量子化データを記録ヘッド102Rに分配するための分配パターンを模式的に示す図である。
また、図10(c)は本実施形態におけるステップS804での左右ヘッド分配処理を実行した結果、量子化データが記録ヘッド102Lに分配される比率にて規定される記録ヘッド102Lへの分配率と、量子化データが記録ヘッド102Rに分配される比率にて規定される記録ヘッド102Rへの分配率と、を示している。なお、図10(c)のうちの実線部が記録ヘッド102Lへの分配率を、破線部が記録ヘッド102Rへの分配率をそれぞれ示している。
ここで、図10(a)、(b)それぞれに示す分配パターンのうち、黒く塗り潰された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合にインクの吐出を許容する画素を示している。また、白抜けで示された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合であってもインクの吐出を非許容する画素を示している。
図10(a)、(b)からわかるように、本実施形態で使用する記録ヘッド102Lに対応する分配パターンと記録ヘッド102Rに対応する分配パターンは、図6(a)、(b)に示す第1の実施形態で使用する分配パターンと同様に、互いに排他的且つ補完的な位置にインクの吐出の許容が定められている。したがって、例えば領域A2に対応する量子化データとして全画素に対してインクの吐出を定めるような量子化データが取得された場合、領域A2内の全ての画素に対して記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rのいずれか一方から1回だけインクを吐出するように、左右ヘッド分配処理を行うことができる。
また、図10(a)、(b)からわかるように、本実施形態で用いる記録ヘッド102L、102Rに対応する分配パターンは、記録媒体上のX方向における位置に応じてインクの吐出の許容を定める画素の数が異なっている。
図10(a)に示す記録ヘッド102Lに対応する分配パターンは、記録媒体上の領域A2内においてX方向左側から右側に向かうにしたがってインクの吐出の許容を定める画素の数が減少するように、各画素に対するインクの吐出の許容が定められている。
一方、図10に示す記録ヘッド102Rに対応する分配パターンは、記録媒体上の領域A2内においてX方向左側から右側に向かうにしたがってインクの吐出の許容を定める画素の数が増加するように、各画素に対するインクの吐出の許容が定められている。
したがって、図10(a)、(b)に示す分配パターンを用いた場合、記録媒体上のX方向における全域に対する分配率は図10(c)のようになる。第1の実施形態と同様に、領域A1に対応する量子化データは記録ヘッド102Rに分配されないため、領域A1においては記録ヘッド102Lへの分配率が100%となる。また、領域A3についても第1の実施形態と同様に領域A3に対応する量子化データは記録ヘッド102Lには分配されないので、領域A3においては記録ヘッド102Rへの分配率が100%となる。
また、領域A2については、上述のように図10(a)に示す記録ヘッド102Lに対応する分配パターンはX方向左側から右側に向かうにしたがって漸次的に減少するようにインクの吐出の許容が定められている。そのため、領域A2においては記録ヘッド102Lへの分配率がX方向左側から右側に向かうにしたがって漸次的に減少する。
一方、上述のように図10(b)に示す記録ヘッド102Rに対応する分配パターンはX方向左側から右側に向かうにしたがって漸次的に増加するようにインクの吐出の許容が定められている。したがって、領域A2においては記録ヘッド102Rへの分配率がX方向左側から右側に向かうにしたがって漸次的に増加する。
ここで、図10(c)からわかるように、領域A2ではX方向における位置に応じて記録ヘッド102Lへの分配率と記録ヘッド102Rへの分配率が異なるものの、それらの合計はX方向における位置にかかわらず100%となっていることがわかる。すなわち、本実施形態においても領域A2に対するインクの吐出量が領域A1、A3に対するインクの吐出量に比べて所望の量から大きくずれることはないことがわかる。
更に、図10(c)からわかるように、本実施形態では領域A1と領域A2の境界、および領域A2と領域A3の境界のそれぞれにおいて記録ヘッド102L、記録ヘッド102Rそれぞれからの吐出量を漸次的に切り替えることになる。例えば、領域A1には記録ヘッド102Lのみによって記録を行うのに対し、領域A2になるとX方向左側端部から右側に向かうにしたがって記録ヘッド102Lからの吐出量が漸次的に減少し、且つ、記録ヘッド102Rからの吐出量が漸次的に増加する。同様に、領域A3には記録ヘッド102Rのみから記録を行うのに対し、領域A2ではX方向右側端部から左側に向かうにしたがって記録ヘッド102Rからの吐出量が漸次的に減少し、且つ、記録ヘッド102Lからの吐出量が漸次的に増加する。これにより、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに吐出特性の違いが生じたとしても、領域A1、A2間および領域A2、A3間での吐出量の急峻な変化を抑制することができるため、画質むらを低減することが可能となる。
(その他の実施形態)
なお、以上に説明した各実施形態では界面活性剤を含有させず、浸透速度を遅くしたブラックインクを用いる形態について記載したが、カラーインクよりも界面活性剤を多く含有させ、浸透速度を早くしたブラックインクを用いても良い。その場合、ブラックインクを吐出する吐出口列間の距離がカラーインクを吐出する吐出口列間の距離よりも短くなるようにして記録ユニットを設ければ良い。
また、第2の実施形態ではシアンインク、マゼンタインク、イエローインクの順に含有する界面活性剤を多くして浸透速度を早め、イエローインクを吐出する吐出口列間の距離をマゼンタインクを吐出する吐出口列間の距離よりも短く、且つ、マゼンタインクを吐出する吐出口列間の距離をシアンインクを吐出する吐出口列間の距離よりも短くする形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。シアンインク、マゼンタインク、イエローインク間で含有する界面活性剤を異ならせた場合であっても、インクの浸透速度に大きな差がない場合には、図7に示す記録ユニットのようにシアンインク、マゼンタインク、イエローインク間で吐出口列間の距離を同じとしても良い。
また、以上に説明した各実施形態ではシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクを用いる場合について記載したが、異色のインクを用いる場合でなくとも浸透速度が互いに異なる複数種類のインクを用いる場合であれば各実施形態による効果を得ることができる。例えば、第1のブラックインクと、第1のブラックインクと組成が異なり、第1のブラックインクよりも浸透速度が早い第2のブラックインクを用いる場合、第2のブラックインクを吐出する吐出口列間の距離を第1のブラックインクを吐出する吐出口列間の距離よりも短くすれば良い。
また、以上に説明した各実施形態ではいずれも染料を色材として含有するシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクを用いる場合について記載したが、顔料を含有するインクも用いる場合であっても良い。一般に顔料を含有するインクは記録媒体に対して浸透しにくい、或いは浸透しないため、各実施形態における浸透速度が遅いインクとして考えれば各実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、以上に説明した各実施形態では、左の記録ヘッドと右の記録ヘッドがある程度だけ離間して設けられた記録ユニットを記載したが、この離間の距離(W5、W7)は少なくとも各記録ヘッド内の吐出口列間の距離dよりも長いことが好ましい。なお、記録ヘッド間の距離が長いほど記録時間を短縮することができるため、実際には所望の記録時間となるような距離だけ記録ヘッド間が離間されていることが好ましい。
また、以上に説明した各実施形態では、同じ種類のインクを吐出する複数の吐出口がY方向に配列された1つの列によって1つの吐出口列が構成される形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、同じ種類のインクを吐出する複数の吐出口がY方向に配列された列を2つ有し、その2列がX方向に互いにずれた位置であって、且つ、一方の列の吐出口が他方の列の吐出口間にインクを吐出可能なようにY方向に互いにずれた位置に配置されることによって1つの吐出口列が構成されても良い。この場合、上述の吐出口列間の距離は、各吐出口列を構成する2列のX方向における中心位置を基準に考えれば良い。
また、以上に説明した各実施形態では、記録ユニットとして異なる2つの記録ヘッドと、記録ヘッドを保持する保持部と、から構成される記録ユニットを用いる形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、浸透速度が互いに異なる2種類のインクを吐出する吐出口列をそれぞれ有する第1の記録部と第2の記録部を備え、第1、第2の記録部間のX方向における距離がある程度離間して配置された記録ユニットを用いる形態であれば各実施形態に記載した各記録部内での吐出口列の配置を行うことにより各実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、保持部を有さず、第1の記録部と第2の記録部が1つの記録ヘッド内に備えられた記録ユニットを用いる場合であっても各実施形態による効果を得ることができる。
101 記録ユニット
106 記録媒体
111K、C、M、Y 吐出口列
112K、C、M、Y 吐出口列
311 CPU

Claims (18)

  1. 第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の種類と異なる第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、
    前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、
    前記走査手段による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させて画像記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記記録媒体に対する前記第1の種類のインクの浸透速度は、前記記録媒体に対する前記第2の種類のインクの浸透速度よりも早く、
    前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の所定距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の所定距離よりも長い第2の所定距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする記録装置。
  2. 前記記録ユニットにおいて、前記第1の吐出口列と前記第3の吐出口列の両方が前記第2の吐出口列と前記第4の吐出口列の前記交差方向における間に位置するように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1の記録部は、前記第2の種類のインクよりも前記記録媒体に対する浸透速度が遅い第3の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第5の吐出口列が更に設けられ、
    前記第2の記録部は、前記第3の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第6の吐出口列が更に設けられ、
    前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第5の吐出口列と前記第2の記録部の前記第6の吐出口列との前記交差方向における間の距離が前記第2の所定距離よりも長い第3の所定距離となるように、前記第5、第6の吐出口列が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記記録ユニットにおいて、前記第2の吐出口列と前記第4の吐出口列の両方が前記第5の吐出口列と前記第6の吐出口列の前記交差方向における間に位置するように、前記第2、第4、第5、第6の吐出口列が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記走査手段は、前記記録媒体上の前記第2の領域内の前記交差方向における所定の位置に対して前記第1の吐出口列からの前記第1の種類のインクの吐出が行われるタイミングと、前記所定の位置に対して前記第3の吐出口列からの前記第1の種類のインクの吐出が行われるタイミングと、の間の時間が、前記所定の位置に対して前記第2の吐出口列からの前記第2の種類のインクの吐出が行われるタイミングと、前記所定の位置に対して前記第4の吐出口列からの前記第2の種類のインクの吐出が行われるタイミングと、の間の時間よりも短くなるように、前記記録ユニットを走査させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記第1、第2、第3の領域に記録する画像に対応する画像データを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記第2の領域に記録する画像に対応する前記画像データを前記第1の記録部と前記第2の記録部に分配することにより、前記第1の記録部から前記第2の領域に記録する画像に対応する前記画像データと前記第2の記録部から前記第2の領域に記録する画像に対応する前記画像データを生成する分配手段と、
    前記取得手段によって取得された前記第1、第3の領域に記録する画像に対応する前記画像データと、前記分配手段によって生成された前記第1、第2の記録部から前記第2の領域に記録する画像に対応する前記画像データと、に基づいて、前記第1の記録部からの記録に用いる第1の記録データと前記第2の記録部からの記録に用いる第2の記録データを生成する生成手段と、を更に有し、
    前記記録制御手段は、前記走査手段による走査を行いながら、前記生成手段によって生成された前記第1の記録データにしたがって前記第1の記録部から前記第1、第2の種類のインクを前記第1の領域と前記第2の領域に吐出させ、且つ、前記生成手段によって生成された前記第2の記録データにしたがって前記第2の記録部から前記第1、第2の種類のインクを前記第2の領域と前記第3の領域に吐出させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記分配手段は、前記第1の記録部から前記第2の領域内の前記交差方向における第1の位置に記録する画像に対応する画像データが前記第2の記録部から前記第2の領域内の前記交差方向における前記第1の位置に記録する画像に対応する画像データよりも大きくなり、且つ、前記第1の記録部から前記第2の領域内の前記交差方向における前記第1の位置よりも前記第3の領域に近い第2の位置に記録する画像に対応する画像データが前記第2の記録部から前記第2の領域内の前記交差方向における前記第2の位置に記録する画像に対応する画像データよりも小さくなるように、前記画像データを前記第1の記録部と前記第2の記録部に分配することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記第1の種類のインクにおける界面活性剤の含有量は、前記第2の種類のインクにおける界面活性剤の含有量よりも多いことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記第2の種類のインクは、界面活性剤を含有しないことを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. 前記第1の種類のインクはカラーインクであって、前記第2の種類のインクはブラックインクであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 前記第1の記録部と前記第2の記録部は、互いに異なる記録ヘッドであって、
    前記記録ユニットは、前記第1の記録部と前記第2の記録部を保持する保持部を更に有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の記録装置。
  12. 前記第1の領域は、前記記録媒体上の前記交差方向における一方の端部を少なくとも含む領域であって、
    前記第3の領域は、前記記録媒体上の前記交差方向における他方の端部を少なくとも含む領域であって、
    前記第2の領域は、前記記録媒体上の前記交差方向における中央部を少なくとも含む領域であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の記録装置。
  13. 前記記録ユニットは、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向において互いに同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の記録装置。
  14. 第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の種類と異なる第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、
    前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、
    前記走査手段による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させて画像記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記第1の種類のインクの表面張力は、前記第2の種類のインクの表面張力よりも低く、
    前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の所定距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の所定距離よりも長い第2の所定距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする記録装置。
  15. 第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の種類と異なる第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットを用いて記録を行う記録方法であって、
    前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査工程と、
    前記走査工程による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させて画像記録を行う記録制御工程と、を有し、
    前記記録媒体に対する前記第1の種類のインクの浸透速度は、前記記録媒体に対する前記第2の種類のインクの浸透速度よりも早く、
    前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の所定距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の所定距離よりも長い第2の所定距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする記録方法。
  16. 第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の種類と異なる第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットを用いて記録を行う記録方法であって、
    前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査工程と、
    前記走査工程による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対して前記第1の種類のインクおよび前記第2の種類のインクを吐出させて画像記録を行う記録制御工程と、を有し、
    前記第1の種類のインクの表面張力は、前記第2の種類のインクの表面張力よりも低く、
    前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の所定距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の所定距離よりも長い第2の所定距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする記録方法。
  17. 第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の種類と異なる第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の種類のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットであって、
    前記第1の種類のインクの表面張力は、前記第2の種類のインクの表面張力よりも低く、
    前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の所定距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の所定距離よりも長い第2の所定距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする記録ユニット。
  18. 前記第1の吐出口列と前記第3の吐出口列の両方が前記第2の吐出口列と前記第4の吐出口列の前記交差方向における間に位置するように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする請求項17に記載の記録ユニット。
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