JP2017222110A - 記録装置、記録方法および記録ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ユニットの走査範囲を長くすることなく、記録部間での吐出特性の違いによる吐出量の変化が生じた場合であっても明度変化を視認されにくくする。
【解決手段】 複数の記録部における明度が低いインクを吐出する複数の吐出口列間の距離を、複数の記録部における明度が高いインクを吐出する複数の吐出口列間の距離よりも短くする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、記録装置、記録方法および記録ユニットに関する。
インクを吐出する複数の吐出口を配列した吐出口列を有する記録ユニットを記録媒体の単位領域に対して相対的に移動させながらインクの吐出を行う記録走査を繰り返し実行して画像を記録する記録装置が知られている。
このような記録装置では、記録媒体に対する記録時間の短縮が従来より求められている。このような記録時間の短縮を達成するため、特許文献1には記録ユニットとして走査方向の左側と右側のそれぞれに複数色のインクを吐出する複数の吐出口列を備えた記録部を1つずつ設けた記録ユニットを用いることが記載されている。同文献では、上述のような記録ユニットを用い、記録媒体上の走査方向左側の領域には左側の記録部のみから、また、走査方向右側の領域には右側の記録部のみからインクを吐出する。これにより、記録ユニットを記録媒体上の左側端部と対向する位置から右側端部と対向する位置までの全域に走査させなくとも記録を完了することができるため、記録時間を短縮することが可能となる。
ここで、上述のような記録ユニットを用い、記録媒体上の走査方向における全域に対して左側の記録部と右側の記録部のいずれかのみによって記録を行った場合、左側の記録部によって記録した領域と右側の記録部によって記録した領域の境界において得られる画像の画質が低下する虞がある。この点を鑑み、特許文献1では、記録媒体上の走査方向における中央部に対しては左側の記録部と右側の記録部の両方によって分担して記録することにより上述の画質の低下を抑制している。
特開平10−44519号公報
しかしながら、上述のような記録ユニットを用い、一方の記録部と他方の記録部の両方によって記録媒体上の走査方向中央部を分担記録する場合、記録ユニット内の吐出口列の配置によっては明度が低いインクによって記録される画像において各記録部の吐出特性に由来するムラが視認され易くなる虞があることがわかった。
一方の記録部、他方の記録部それぞれに設けられた同じ色のインクを吐出する吐出口列において製造誤差等により吐出特性の違いが生じた場合、一方の記録部からの上記インクによって記録した領域と他方の記録部からの上記インクによって記録した領域とで画像の色が異なってくる。例えば、一方の記録部に設けられた吐出口列が他方の記録部に設けられた吐出口列よりも上記インクの吐出量が多くなるような吐出特性の違いが生じていた場合、一方の記録部に設けられた吐出口列から記録した領域(以下、一方の領域と称する)における画像が他方の記録部に設けられた吐出口列から記録した領域(以下、他方の領域と称する)における画像よりも色が濃くなってしまう。この色の変化は、記録媒体とインクの間の明度差が大きいほど視認され易いものとなる。
このような場合であっても、明度が高いインク、例えばイエローインクを用いる際には、記録媒体上の領域間で発生する吐出口列間の吐出特性の違いに由来する吐出量の変化が生じたとしても一方の領域と他方の領域の間での明度変化は視認されにくい。通常用いられる記録媒体の色は白色等、インクの色よりも高い明度を有しているため、明度が高いインクは明度が低いインクに比べて記録媒体との明度差が小さい。そのため、吐出特性の違いによる吐出量の変化が生じたとしても、一方の領域での明度差と他方の領域での明度差はそれほど変わらない。したがって、一方の領域と他方の領域の間での明度変化が視認されにくくなるのである。
しかしながら、明度が低い、例えばブラックインクについては、記録媒体とインクの明度差自体が大きいために一方の領域での明度差と他方の領域での明度差は大きく異なるものとなる虞がある。これにより、一方の領域と他方の領域の間での明度変化が視認され易くなってしまう場合がある。
ここで、明度が低いインクを用いた場合であっても、上述の一方の記録部と他方の記録部の両方で分担して記録する領域の走査方向における幅を長くすることにより、吐出特性の違いに由来する明度変化は視認されにくくなる。一方の記録部と他方の記録部で分担記録する領域においては、一方の記録部のみで記録する領域における画像の色および他方の記録部のみで記録する領域における画像の色の間の濃度の色の画像が記録される。そのため、一方の記録部と他方の記録部で分担記録する領域の走査方向における幅が長くなるほど、一方の記録部のみで記録する領域と他方の記録部のみで記録する領域の間の明度変化が緩やかとなり、視認されにくくなるのである。
ここで、各記録部における複数の吐出口列の走査方向に関する配置順序を互いに同じとした場合、記録ユニットの走査範囲を長くすれば明度が低いインクの吐出口列で分担記録を行う領域の走査方向における幅を長くすることができる。そのため、上述の明度変化を視認されにくくすることが可能である。しかしながら、この場合には記録ユニットの走査範囲を長くすることによって1回の走査当たりに要する時間もまた長くなってしまうため、記録媒体に対する記録を完了するまでの時間が延長してしまう。更に、記録ユニットの走査範囲を長くすると記録装置内の記録ユニットの可動領域を多く設ける必要があるため、記録装置の大型化にも繋がってしまう。
本発明は上記の点を鑑みてなされたものであり、記録ユニットの走査範囲を長くすることなく、記録部間での吐出特性の違いによる吐出量の変化が生じた場合であっても明度変化を視認されにくくすることが可能な記録装置を提供することにある。
そこで、本発明は、第1の色のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の色よりも明度が高い第2の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、前記記録ユニットを前記第1、第2の色よりも明度が高い記録媒体に対して前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、前記走査手段による記録走査において前記記録ユニットから前記記録媒体に対して前記第1、第2の色のインクを吐出させて画像記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の距離よりも長い第2の距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられており、前記記録制御手段は、前記走査手段による同一の記録走査において、(i)前記第1の吐出口列から前記記録媒体上の第1の領域と、前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域と、に対して前記第1の色のインクを吐出させ、(ii)前記第3の吐出口列から前記第2の領域と、前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域と、に対して前記第1の色のインクを吐出させ、前記記録制御手段は、前記走査手段による同一の記録走査において、(iii)前記第2の吐出口列から前記記録媒体上の第4の領域と、前記記録媒体上の前記第4の領域と前記交差方向に隣接し、前記第2の領域よりも前記交差方向における距離が短い第5の領域と、に対して前記第2の色のインクを吐出させ、(iv)前記第4の吐出口列から前記第5の領域と、前記記録媒体上の前記第5の領域と前記交差方向に隣接する第6の領域と、に対して前記第2の色のインクを吐出させることを特徴とする。
本発明に係る記録装置によれば、記録ユニットの走査範囲を長くすることなく、記録部間での吐出特性の違いによる吐出量の変化が生じた場合であっても明度変化を視認されにくくすることが可能となる。
実施形態に係る記録装置の内部構成を示す模式図である。 実施形態に係る記録制御系を説明するための図である。 実施形態に係る画像処理の過程を示すフローチャートである。 実施形態に係る分配パターンを示す模式図である。 実施形態で用いる各インクと記録媒体の明度差を示す図である。 実施形態で用いる記録ユニットの詳細を示す図である。 実施形態における記録方式を説明するための図である。 実施形態を適用した際の明度変化を模式的に示す図である。 比較形態で用いる記録ユニットを説明するための図である。 比較形態における記録方式を説明するための図である。 比較形態を適用した際の明度変化を模式的に示す図である。 比較形態における記録方式を説明するための図である。 比較形態を適用した際の明度変化を模式的に示す図である。 実施形態で用いる記録ユニットを説明するための図である。 実施形態における記録方式を説明するための図である。 実施形態に係る分配パターンを示す模式図である。 実施形態を適用した際の明度変化を模式的に示す図である。
(第1の実施形態)
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図1は本実施形態に係るインクジェット記録装置310の内部構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置(以下、プリンタ、記録装置、画像記録装置とも称する)310は、記録ユニット101を備えている。ここで、記録ユニット101は、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rを有しており、これらの記録ヘッド102L、102Rは1つの保持部103によって保持されている。記録ヘッド102L、102Rそれぞれには、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを吐出するための吐出口列が1つずつ設けられているが、詳細については後述する。また、本実施形態ではほぼ白色の記録媒体106を用いるが、この点についても詳細は後述する。
図1からわかるように、記録ヘッド102L、102RはY方向に同じ位置であって、X方向に互いに離間するような位置に設けられている。なお、ここでは記録ヘッド102L、102RがY方向に同じ位置に設けられた記録ユニット101を記載したが、同一走査で記録ヘッド102L、102Rの両方によって記録媒体106上の少なくとも一部の領域を記録可能なように、Y方向に関して各色のインクを吐出する吐出口列に応じた記録領域が部分的にオーバーラップするように構成されていれば、記録ヘッド102L、102RがY方向にずれた位置に設けられていても良い。
記録ユニット101は、記録媒体106に対し、X方向に延伸して設けられたガイドレール104に沿ってX方向(交差方向)に相対的に往復移動(走査)可能となっている。また、記録媒体106は搬送ローラ105を回転させることによりY方向(搬送方向)へと搬送される。これらの記録ユニット101の走査や記録媒体106の搬送が行われる際、記録媒体106は記録ユニット101と対向する位置に設けられたプラテン107によって支持された状態となっている。本実施形態におけるインクジェット記録装置310は、上述の記録ユニット101のX方向への走査を伴った記録動作と、搬送ローラ105による記録媒体106のY方向への搬送動作と、を繰り返し行うことにより、記録媒体106の全域に対する記録を完了する。
このような2つの記録ヘッド102L、102Rを備えた記録ユニット101を用いることにより、従来の1つの記録ヘッドのみを用いる場合に比べて記録時間を短縮した記録を行うことができる。これは、従来のように記録ユニットを記録媒体のX方向における一方の端部から他方の端部までの全域を移動させなくても良いためである。上述のような記録ユニット101を用いる場合、記録ヘッド102L、102Rそれぞれに設けられた同じ色のインクを吐出する2つの吐出口列のうちの少なくとも一方が記録媒体106と対向するように記録ユニット101を移動させれば記録媒体106のX方向全域に記録を行うことができる。この場合、記録ヘッド102L、102Rそれぞれの同じ色のインクを吐出する2つの吐出口列のうち、記録媒体106上のX方向左側の領域には記録ヘッド102L内の吐出口列のみによって、また、X方向右側の領域には記録ヘッド102R内の吐出口列のみによって記録を行う。更に、X方向中央側の領域には記録ヘッド102L内の吐出口列と102R内の吐出口列の両方によって分担記録を行う。これらの記録制御の詳細については後述する。
図2は、本実施形態における記録制御系の概略構成を示すブロック図である。本実施形態における記録制御系は、図1に示したプリンタ310と、そのホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)300と、から構成される。
PC300は、以下の要素を有して構成される。CPU301は、記憶手段であるRAM302やHDD303に保持されているプログラムに従った処理を実行する。RAM302は、揮発性のメモリであり、プログラムやデータを一時的に保持する。HDD303は、不揮発性のメモリであり、同じくプログラムやデータを保持する。本実施形態では、データ転送I/F(インターフェース)304は、プリンタ310との間におけるデータの送受信を制御する。このデータ送受信の接続方式としては、USB、IEEE1394、LAN等を用いることができる。キーボード・マウスI/F305は、キーボードやマウス等のHID(Human Interface Device)を制御するI/Fであり、ユーザーは、このI/Fを介して入力を行うことができる。ディスプレイI/F306は、ディスプレイ(不図示)における表示を制御する。
一方、プリンタ310は、以下の要素を有して構成される。CPU311は、RAM312やROM313に保持されているプログラムに従い、後述する各処理を実行する。RAM312は、揮発性のメモリであり、プログラムやデータを一時的に保持する。ROM313は不揮発性のメモリであり、後述する処理で使用するテーブルデータやプログラムを保持することができる。データ転送I/F314は、PC300との間におけるデータの送受信を制御する。
左ヘッドコントローラ315Lと右ヘッドコントローラ315Rは、それぞれ図1に示した記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに対して記録データを供給するとともに、それぞれの記録ヘッド102L、102Rの吐出動作を制御(吐出制御)する。具体的には、左ヘッドコントローラ315Lは、RAM312の所定のアドレスから制御パラメータと記録データを読み込む構成とすることができる。そして、CPU311が、制御パラメータと記録データをRAM312の上記所定のアドレスに書き込むと、左ヘッドコントローラ315Lにより処理が起動され、記録ヘッド102Lからのインク吐出が行われる。右ヘッドコントローラ315Rについても同様であり、RAM312の所定のアドレスにCPU311によって制御パラメータと記録データが書き込まれると、右ヘッドコントローラ315Rによる処理が実行され、記録ヘッド102Rからのインクの吐出が行われる。
(データの処理過程)
図3は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPU311が実行する記録に用いられる記録データ生成処理のフローチャートである。なお、この制御プログラムはROM313に予め格納されている。
PC300から記録装置310にRGB形式で示されたRGBデータが取得されると、まずステップS801にてRGBデータを記録に用いるインクの色に対応するインク色データに変換する色変換処理を行う。この色変換処理により、複数の画素それぞれにおける階調値を定める8ビット256値の情報によって表されるインク色データが生成される。上述のように、本実施形態ではブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを記録に用いるため、ステップS801における色変換処理によってブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクそれぞれに対応するインク色データが生成されることになる。なお、色変換処理としては適宜異なる処理を実行しても良く、例えばROM313に予め記憶されたRGB値とCMYK値の対応関係を規定した3次元ルックアップテーブル(3D−LUT)を用いても良いし、更に四面体補完を実行しても良い。
次に、ステップS802にてCMYK値それぞれのインク色データが示す階調値を補正し、CMYK値それぞれ8ビット256値の情報によって表される階調補正データを生成する階調補正処理を実行する。この階調補正処理では、例えば補正前の各色のインクに対応するインク色データと補正後の各色のインクに対応する階調補正データの対応関係を規定した1次元ルックアップテーブル(1D−LUT)等を用いることができる。なお、この1D−LUTはROM313に予め格納されている。
次に、ステップS803にて階調補正データを量子化し、各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定める1ビット2値の情報によって表される量子化データ(画像データ)を生成する量子化処理を行う。量子化処理としては誤差拡散法やディザ法等、従来より知られている種々の処理を実行可能である。
次に、ステップS804にて各色のインクに対応する量子化データのうち、記録媒体上の分担記録を行うX方向中央側の領域に対応する量子化データを記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに分配する分配処理が実行される。更に、この分配処理では、記録ヘッド102Lに分配された量子化データと、分担記録を行わない記録媒体上のX方向左側の領域に対応する量子化データと、の論理和をとることにより、記録媒体に対する記録ヘッド102Lから各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定めた、記録ヘッド102Lに対応する分配データを生成する。同様に、記録ヘッド102Rに分配された量子化データと、分担記録を行わない記録媒体上のX方向右側の領域に対応する量子化データと、の論理和をとることにより、記録媒体に対する記録ヘッド102Rから各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定めた、記録ヘッド102Rに対応する分配データを生成する。なお、この左右ヘッド分配処理については後述する。
そして、ステップS805Lでは、記録ヘッド102Lに対応する分配データを記録媒体上の同じ単位領域に対して行われる複数回の走査(パス)に分配し、複数回の走査それぞれにおいて記録ヘッド102Lからのインクの吐出に用いられる記録ヘッド102L用の記録データを生成する。同様に、ステップS805Rでは記録ヘッド102Rに対応する分配データを複数回の走査に分配し、複数回の走査それぞれにおいて記録ヘッド102Rからのインクの吐出に用いられる記録ヘッド102R用の記録データを生成する。本実施形態では、ステップS805L、S805Rにて生成された記録ヘッド102L、102R用の記録データにしたがって、記録ヘッド102L、102Rからの吐出動作を実行する。なお、ステップS805L、S805Rにおける処理は、例えば複数回の走査に対応し、それぞれ記録の許容を定める記録許容画素と記録の非許容を定める非記録許容画素が配置された複数のマスクパターンを用いることにより行うことができる。なお、この複数のマスクパターンはROM313に予め格納されている。
なお、ここでは1つの単位領域に対して複数回の走査を行う形態について記載したが、単位領域に対して1回だけ走査を行って記録を行っても良い。この場合、ステップS805L、S805Rにおける処理は省略することができる。
また、ここではステップS801〜S805L、S805Rにおける全ての処理をプリンタ310内のCPU311が実行する形態について記載したが、PC300内のCPU301がステップS801〜S805L、S805Rの一部あるいは全ての処理を実行しても良い。
図4は本実施形態におけるステップS804での左右ヘッド分配処理で用いる分配パターンの一例を示す模式図である。ここで、図4(a)はある色のインクに対応し、記録媒体上の記録ヘッド102L、102Rそれぞれに設けられた2つの吐出口列で分担記録するX方向中央側の領域における画像に対応する量子化データを、記録ヘッド102Lの方に設けられた吐出口列に分配するための分配パターンを模式的に示す図である。また、図4(b)は当該量子化データを記録ヘッド102Rの方に設けられた吐出口列に分配するための分配パターンを模式的に示す図である。なお、これらの分配パターンはROM313に予め格納されている。
なお、ここでは簡単のため、分担記録を行うX方向中央側の領域がX方向に14画素のサイズを有する領域であるとして記載する。したがって、図4(a)、(b)それぞれに示す記録ヘッド102L、102Rそれぞれに設けられた吐出口列に対応する分配パターンもまたX方向に14画素のサイズを有している。但し、後述するように本実施形態においては分担記録を行うX方向中央側の領域はどの色のインクを吐出する吐出口列によってサイズが異なってくる。このような場合であっても、後述するような条件を満たした分配パターンであれば本実施形態による効果を得ることができる。
また、図4(a)、(b)に示す分配パターンはY方向に8画素のサイズを1つの繰り返し単位として構成されており、Y方向に対してはこれらの分配パターンを繰り返し用いることにより分担記録する領域の全域に対して左右ヘッド分配処理を完了する。
ここで、図4(a)、(b)それぞれに示す分配パターンのうち、黒く塗り潰された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合にインクの吐出を許容する画素を示している。また、白抜けで示された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合であってもインクの吐出を非許容する画素を示している。
図4(a)、(b)からわかるように、本実施形態で使用する記録ヘッド102Lに設けられた吐出口列に対応する分配パターンと記録ヘッド102Rに設けられた吐出口列に対応する分配パターンは互いに排他的且つ補完的な位置にインクの吐出の許容が定められている。したがって、例えば分担記録を行う領域に対応する量子化データとして全画素に対してインクの吐出を定めるような量子化データが取得された場合、その領域内の全ての画素に対して記録ヘッド102L内の吐出口列と記録ヘッド102R内の吐出口列のいずれか一方から1回だけインクを吐出するように、左右ヘッド分配処理を行うことができる。
更に、図4(a)、(b)からわかるように、本実施形態で用いる記録ヘッド102L内の吐出口列に対応する分配パターンと記録ヘッド102R内の吐出口列に対応する分配パターンは、いずれも記録媒体上のX方向における位置にかかわらず全画素のうちの半数の画素においてインクの吐出の許容が定められている。
したがって、図4(a)、(b)に示す分配パターンを用いた場合、分担記録を行う領域においては、記録ヘッド102L内の吐出口列への量子化データの分配率と記録ヘッド102R内の吐出口列への量子化データの分配率はそれぞれ50%となる。このように、分担記録を行う領域であっても記録ヘッド102L内の吐出口列への分配率と記録ヘッド102R内の吐出口列への分配率の合計は100%となるため、分担記録を行う領域に対するインクの吐出量が分担記録を行わない領域に対するインクの吐出量に比べて所望の吐出量から大きくずれることはない。
本実施形態では、以上に記載したようなデータ処理過程にしたがって、取得されたRGBデータに基づいて記録に用いる記録データを生成し、その記録データにしたがって記録ユニット101からインクを吐出するように制御する。
(インクの組成)
本実施形態で用いるシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクそれぞれの組成について以下に詳細に記載する。
以下、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
1.シアンインク
本実施形態で用いるシアンインクは染料であるC.I.ダイレクトブルー199を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるシアンインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.ダイレクトブルー199 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 1%
イオン交換水 79%
2.マゼンタインク
本実施形態で用いるマゼンタインクは染料であるC.I.アシッドレッド289を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるマゼンタインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.アシッドレッド289 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 1%
イオン交換水 79%
3.イエローインク
本実施形態で用いるイエローインクは染料であるC.I.ダイレクトイエロー86を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるイエローインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.ダイレクトイエロー86 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製) 1%
イオン交換水 79%
4.ブラックインク
本実施形態で用いるブラックインクは染料であるC.I.ダイレクトブラック154を色材として含有する。詳細には、本実施形態で用いるブラックインクは以下の成分を混合撹拌した後にミクロフィルタを用いて加圧濾過することで調整されたものである。
C.I.ダイレクトブラック154 3%
ジエチレングリコール 10%
イソプロピルアルコール 2%
尿素 5%
イオン交換水 80%
上記からわかるように、本実施形態で用いるインクのうち、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクのカラーインクにはアセチレノールEHが含有されている。一方で、ブラックインクにはアセチレノールEHは含有されていない。
ここで、アセチレノールEHはアセチレングリコール系界面活性剤の一種であり、インクの浸透性を向上させる効果がある。本実施形態におけるカラーインクはアセチレノールEHを含有することによりインクの浸透性を高め、インクの浸透速度を速めることにより、記録媒体への定着性を向上させているのである。
一方、インクの浸透速度を早くした場合、記録媒体に付与された後に記録媒体の繊維に沿ってインクが広がってしまう現象が生じる虞がある。この現象が生じた場合、記録媒体上にてインクがにじんでしまう、いわゆるフェザリングの発生に繋がってしまう。このフェザリングは特に文字画像や細線画像を記録する場合に画質の低下を引き起こすことになるため、本実施形態では文字画像や細線画像の記録に用いられることが多いブラックインクにはアセチレノールEHを含有させず、浸透性を低く保つことでフェザリングの発生を抑制している。
(インクと記録媒体の明度差)
明度が高いインクと明度が低いインクそれぞれを記録媒体に付与した画像を比較すると、明度が低いインクにおいて記録ヘッド102L、102Rそれぞれで記録される領域の間の明度変化が視認され易くなる。
記録ヘッド102L、102Rそれぞれに設けられた同じ色のインクを吐出する2つの吐出口列の間に製造誤差等に由来する吐出特性の違いが生じた際、それらの吐出口列では吐出量が異なるものとなってしまう。このような一方の吐出口列での吐出量の増加/減少が生じた場合、定着後のインクの明度は低く/高くなる。
ここで、明度が低いインク(例えばブラックインク)と明度が高いインク(例えばイエローインク)、通常用いられるインクの色よりも明度が高い記録媒体(例えば白色の記録媒体)について考えると、明度が低いインクの方が記録媒体との明度差が大きい。そのため、記録ヘッド102L、102Rの2つの吐出口列のうちの一方で吐出特性の違いによる吐出量の変化が生じた場合、記録ヘッド102L内の吐出口列のみで記録した領域における記録媒体と定着後のインクの明度差と記録ヘッド102R内の吐出口列のみで記録した領域における記録媒体と定着後のインクの明度差は、明度の低いインクほど大きく異なるものとなる。
したがって、明度が低いインクほど記録ヘッド102Lで記録される領域での明度差と記録ヘッド102Rで記録される領域での明度差は大きく異なるものとなり、領域間での明度変化が視認され易くなるのである。
以上の点を鑑み、本実施形態では使用する各インクの明度に基づいて後述するように各記録ヘッド102L、102R内での各インクを吐出する吐出口列の配置順序を決定する。
図5は本実施形態で使用する各インクと記録媒体の表面との明度の測定結果を示す図である。
測定したところ、記録媒体の表面はほぼ白色であるため、明度L*は95と高い値となった。一方、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの明度L*はそれぞれ5、45、50、90となった。なお、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクそれぞれと記録媒体の表面との明度差ΔL*は、それぞれ90、50、45、5となる。
この結果から、本実施形態で用いるインクのうち、上述の領域間での明度変化が最も視認され易くなるのは明度が最も小さいブラックインクであることがわかる。
(記録ユニットの詳細)
本実施形態で用いる記録ユニット101は、記録ヘッド102L内の複数色のインクを吐出する複数の吐出口列のX方向における配置と、記録ヘッド102R内の複数色のインクを吐出する複数の吐出口列のX方向における配置と、を工夫することにより、記録時間の延長や記録装置の大型化を引き起こすことなく、明度が低いインクにおける上述の明度変化を視認されにくいものとする。詳細には、本実施形態では、明度が低いインクを吐出する記録ヘッド102L、102R内の吐出口列間の距離を、明度が高いインクを吐出する記録ヘッド102L、102R内の吐出口列間の距離よりも短くした記録ユニットを用いる。
図6は本実施形態で用いる記録ユニット101の詳細を示す図である。なお、図6(a)には記録ユニット101をXY平面に対して鉛直下方から見た図を模式的に示している。また、図6(b)には記録ユニット101をY方向から見た図を模式的に示している。
本実施形態における記録ユニット内には、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102RがX方向に距離W5だけ離間して設けられている。そして、記録ヘッド102Lには、X方向左側からシアンインクを吐出する吐出口列111C、マゼンタインクを吐出する吐出口列111M、イエローインクを吐出する吐出口列111Y、ブラックインクを吐出する吐出口列111Kの順番で4つの吐出口列111C、111M、111Y、111Kが配置されている。一方、記録ヘッド102RにはX方向左側からブラックインクを吐出する吐出口列112K、シアンインクを吐出する吐出口列112C、マゼンタインクを吐出する吐出口列112M、イエローインクを吐出する吐出口列112Yの順番で4つの吐出口列112C、112M、112Y、112Kが配置されている。
なお、記録ヘッド102L内の4つの吐出口列111C、111M、111Y、111Kは、互いに同じ距離dだけ離間して配置されている。同様に、記録ヘッド102R内の4つの吐出口列112C、112M、112Y、112Kもまた互いに同じ距離dだけ離間しながら配置されている。また、8つの吐出口列それぞれには、それぞれのインクを吐出する複数の吐出口(不図示)がY方向(所定方向)に配列されている。
記録ヘッド102L内の各吐出口列内の吐出口は、不図示の流路を介してそれぞれのインクを収納するインクタンクに接続されている。詳細には、吐出口列111Cに配列された吐出口はシアンインクを収納するインクタンク108Cに、吐出口列111Mに配列された吐出口はマゼンタインクを収納するインクタンク108Mに、吐出口列111Yに配列された吐出口はイエローインクを収納するインクタンク108Yに、吐出口列111Kに配列された吐出口はブラックインクを収納するインクタンク108Kにそれぞれ接続されている。同様に、記録ヘッド102R内の吐出口列112Cに配列された吐出口はシアンインクを収納するインクタンク109Cに、吐出口列112Mに配列された吐出口はマゼンタインクを収納するインクタンク109Mに、吐出口列112Yに配列された吐出口はイエローインクを収納するインクタンク109Yに、吐出口列112Kに配列された吐出口はブラックインクを収納するインクタンク109Kにそれぞれ接続されている。
なお、ここでは同色のインクを吐出する記録ヘッド102L内の吐出口列と記録ヘッド102R内の吐出口列は異なるインクタンクに接続される形態について記載したが、1つの同じインクタンクに接続される形態であっても良い。また、異なるインクタンクを用いる場合と同じインクタンクを用いる場合のいずれであっても、インクタンクを支持部103のX方向中央側に寄せて設けることにより記録ユニットを小型化することができる。しかしながら、小型化を考えないのであれば、例えば2つの異なるインクタンクを用いる場合には、それぞれの記録ヘッドとインクタンクのX方向の中央部がおおよそ一致するように設計しても良い
ここで、本実施形態における各色のインクを吐出する2つの吐出口列間のX方向の距離について説明する。なお、以下の説明では簡単のため、各吐出口列のX方向における幅や、各記録ヘッド内の外縁部にある吐出口列が形成されていない領域のX方向における幅は無視することとする。
まず、シアンインクに関しては、吐出口列111Cは記録ヘッド102L内でX方向右側から4番目、吐出口列112Cは記録ヘッド102R内でX方向左側から2番目に配置されている。したがって、吐出口列111C、112C間のX方向における距離W_C1は(式1−1)で算出される距離となる。
(式1−1)
W_C1=W5+3×d+1×d=W5+4d
ここで、(式1−1)における3×dの項は、記録ヘッド102L内で吐出口列111CよりもX方向右側に3つの吐出口列が存在することに対応する項である。また、(式1−1)における1×dの項は、記録ヘッド102R内で吐出口列112CよりもX方向左側に吐出口列が1つの吐出口列が存在することに対応する項である。
同様に考えると、マゼンタインクに関しては、吐出口列111Mは記録ヘッド102L内でX方向右側から3番目、吐出口列112Mは記録ヘッド102R内でX方向左側から3番目に配置されている。したがって、吐出口列111M、112M間のX方向における距離W_M1は(式1−2)で算出される距離となる。
(式1−2)
W_M1=W5+2×d+2×d=W5+4d
また、イエローインクに関しては、吐出口列111Yは記録ヘッド102L内でX方向右側から2番目、吐出口列112Yは記録ヘッド102R内でX方向左側から4番目に配置されている。したがって、吐出口列111Y、112Y間のX方向における距離W_Y1は(式1−3)で算出される距離となる。
(式1−3)
W_Y1=W5+1×d+3×d=W5+4d
また、ブラックインクに関しては、吐出口列111Kは記録ヘッド102L内でX方向右側から1番目、吐出口列112Kは記録ヘッド102R内でX方向左側から1番目に配置されている。したがって、吐出口列111K、112K間のX方向における距離W_K1は(式1−4)で算出される距離となる。
(式1−4)
W_K1=W5+0×d+0×d=W5
以上、(式1−1)、(式1−2)、(式1−3)、(式1−4)からわかるように、本実施形態で使用する記録ユニット101では、ブラックインクを吐出する吐出口列111K、112K間の距離W_K1(W5)が、シアンインクを吐出する吐出口列111C、112C間の距離W_C1、マゼンタインクを吐出する吐出口列111M、112M間の距離W_M1、イエローインクを吐出する吐出口列111Y、112Y間の距離W_Y1のそれぞれ(W5+4d)よりも短くなるように、各吐出口列が配置されている。
このように、本実施形態における記録ユニットでは明度が低いインクを吐出する吐出口列間の距離が明度が高いインクを吐出する吐出口列間の距離よりも短くなるように、複数の記録ヘッドそれぞれに複数色のインクを吐出する複数の吐出口列を配置する。
(記録ユニットの記録制御)
次に、図6に示す記録ユニットを用いることにより記録時間の延長や記録装置の大型化を引き起こすことなく記録媒体の表面との明度差が大きいインクにおける明度変化を視認されにくくすることができるメカニズムについて詳細に説明する。
図7は本実施形態における記録ユニット101を用いて記録媒体106に記録を行う際の様子を説明するための図である。なお、図7に示す2つの記録ユニット101のうち、破線にて記載したX方向左側に位置する記録ユニット101は記録ユニット101をX方向左側から右方向へと走査させる際の記録ユニット101の走査開始位置を、実線にて記載したX方向右側に位置する記録ユニット101は記録ユニット101の走査終了位置をそれぞれ模式的に示している。
なお、以降の説明では簡単のため、明度が最も低いインクであるブラックインクの吐出口列111K、112Kと、明度が最も高いインクであるイエローインクの吐出口列111Y、112Yの4つの吐出口列のみに着目して考える。
本実施形態における記録ユニット101は、記録ヘッド102LのX方向右側端部に位置する吐出口列が記録媒体106のX方向左側の端部位置X1と対向する位置から、記録ヘッド102RのX方向左側端部に位置する吐出口列が記録媒体106のX方向右側の端部位置X2と対向する位置までの範囲にて走査される。ここで、この範囲を記録ユニット101が走査するためには距離ΔX1だけ記録ユニット101を移動させれば良い。このように、本実施形態によれば、記録ユニットを従来のように記録媒体のX方向における一方の端部から他方の端部までの全域を移動させなくとも良いため、記録時間を短くした記録を行うことができるのである。
ここで、以下の説明では記録ユニット101の走査開始位置において記録ヘッド102R内の吐出口列112Kが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X3、吐出口列112Yが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X5として定義する。更に、記録ユニット120の走査終了位置において記録ヘッド102L内の吐出口列111Kが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X4、吐出口列111Yが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X6として定義する。
図7を参照するとわかるように、距離ΔX1の記録ユニット101の走査を行う場合、記録ヘッド102R内のブラックインクの吐出口列112Kは記録媒体106上の位置X3よりもX方向左側の領域に対向することができない。したがって、記録媒体上の端部位置X1から位置X3までの領域A1に関してはブラックインクは記録ヘッド102L内の吐出口列111Kからしか吐出することができない。
同様に考えると、記録ヘッド102L内のブラックインクの吐出口列111Kは距離ΔX1の走査中に記録媒体106上の位置X4よりもX方向右側の領域に対向することができず、記録媒体上の位置X4から端部位置X2までの領域A3に関してはブラックインクは記録ヘッド102R内の吐出口列112Kからしか吐出できないことがわかる。
そして、記録媒体上の位置X3からX4までの領域A2に対しては、記録ヘッド102L内の吐出口列111Kと記録ヘッド102R内の吐出口列112Kの両方が記録ユニット101の距離ΔX1の走査中に対向することができる。
上記の点を鑑み、本実施形態では記録媒体106上の領域A1に対しては吐出口列112Kからはブラックインクを吐出せず、吐出口列111Kのみを用いてブラックインクを吐出する。また、記録媒体上の領域A3に対しては吐出口列111Kからはブラックインクを吐出せず、吐出口列112Kのみを用いてブラックインクを吐出する。更に、記録媒体上の領域A2に対しては吐出口列111Kと吐出口列112Kの両方からブラックインクを吐出する。
一方、図7からわかるように、記録ユニット101を距離ΔX1だけ走査させる場合、記録ヘッド102R内のイエローインクの吐出口列112Yは記録媒体上の位置X5よりもX方向左側の領域には対向することができない。したがって、記録媒体上の端部位置X1から位置X5までの領域A4に関してはイエローインクは記録ヘッド102L内の吐出口列111Yからしか吐出することができない。ここで、位置X5は位置X3よりもX方向右側の位置である。そのため、領域A4のX方向における距離は領域A1のX方向における距離よりも長いものとなる。
同様に、記録ヘッド102L内のイエローインクの吐出口列111Yは距離ΔX1の走査中に記録媒体106上の位置X6よりもX方向右側の領域に対向することができず、記録媒体上の位置X6から端部位置X2までの領域A6に関してはイエローインクは記録ヘッド102R内の吐出口列112Yからしか吐出できないことがわかる。ここで、位置X6は位置X4よりもX方向左側に位置するため、領域A6のX方向における距離は領域A3のX方向における距離よりも長いものとなる。
そして、記録媒体上の位置X5からX6までの領域A5に対しては、記録ヘッド102L内の吐出口列111Yと記録ヘッド102R内の吐出口列112Yの両方が記録ユニット101の距離ΔX1の走査中に対向することができる。位置X5は位置X3よりもX方向右側、位置X6は位置X4よりもX方向左側にそれぞれ位置するため、領域A5のX方向における幅は領域A2のX方向における幅よりも短いものとなる。
上記の点を鑑み、本実施形態では記録媒体106上の領域A4に対しては吐出口列112Yからはイエローインクを吐出せず、吐出口列111Yのみを用いてイエローインクを吐出する。また、記録媒体上の領域A6に対しては吐出口列111Yからはイエローインクを吐出せず、吐出口列112Yのみを用いてイエローインクを吐出する。更に、記録媒体上の領域A5に対しては吐出口列111Yと吐出口列112Yの両方からイエローインクを吐出する。
以上のように距離ΔX1の記録ユニット101の走査を行いながら吐出口列111K、112Kからのブラックインクの吐出と吐出口列111Y、112Yからのイエローインクの吐出を制御することにより、記録時間を短縮しつつ、記録媒体106の全域に記録を行うことができる。
更に、明度が低いインクであるブラックインクについて、吐出口列111Kのみによって記録を行う領域A1と吐出口列112Kのみによって記録を行う領域A3を離間させることができる。このため、吐出口列111Kと吐出口列112Kのいずれかで吐出特性が異なってしまった場合であっても、領域A1と領域A3の間における明度変化を視認されにくくすることができる。
図8は記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rのいずれかに吐出特性の異なりが生じ、記録ヘッド102L内の吐出口列からの吐出量が記録ヘッド102R内の吐出口列からの吐出量よりも多くなった場合における明度変化を説明するための図である。なお、ここでは各色のインクを吐出する吐出口列間では互いに同じ程度にて吐出特性の異なりが生じた場合について示している。また、横軸は記録媒体上の位置を、縦軸はブラックインク、イエローインクそれぞれで記録される画像の相対明度をそれぞれ示している。ここで、本実施形態では1色のインクによってX方向の全域を記録し、それぞれの領域における1色のインクの画像と記録媒体の明度差を算出し、その明度差の平均に対する各位置における明度差の比率を上述の画像の相対明度として考える。
また、図8では実線にてブラックインクによって記録された画像の相対明度を、破線にてイエローインクによって記録された画像の相対明度をそれぞれ示している。また、図8では記録媒体上のX方向における位置によらずブラックインク、イエローインクともに吐出特性の違いが生じなければ吐出量が同じとなるような記録データが生成された場合について示している。また、実際にはブラックインクの明度差の平均とイエローインクの明度差の平均は異なるが、図8および以下の説明では簡単のためにブラックインクの明度差の平均とイエローインクの明度差の平均が一致するように各相対明度を明度方向にシフトして記載している。
まず、イエローインクによって記録される画像の明度変化について記載する。
上述のように、端部位置X1から位置X5までの領域A4に対しては吐出量が多い吐出口列111Yのみによってイエローインクが吐出される。そのため、図8に示すように、イエローインクによって領域A4に記録される画像の相対明度はD_Y1と比較的低い値となる。
一方、位置X6から端部位置X2までの領域A6に対しては吐出量が少ない吐出口列112Yのみによってイエローインクが吐出される。そのため、イエローインクによって領域A6に記録される画像の相対明度はD_Y2と比較的高い値となる。
そして、位置X5から位置X6までの領域A5に対しては、吐出量が多い吐出口列111Yと吐出量が少ない吐出口列112Yの両方によって分担してイエローインクが吐出される。したがって、イエローインクによって領域A5に記録される画像の相対明度はD_Y1とD_Y2の中間程度の値となる。
ここで、イエローインクは明度が高いため、記録媒体との明度差は小さくなる。そのため、吐出特性の違いによる領域A4における相対明度D_Y1と領域A6における相対明度D_Y2の差分である相対明度差D_Y2−D_Y1もまた比較的小さくなる。したがって、低い相対明度D_Y1で画像が記録される領域A4と高い相対明度D_Y2で画像が記録される領域A6の間の距離は短くなるものの、相対明度差D_Y2−D_Y1が小さいためにX方向における明度変化は緩やかなものとなる。そのため、イエローインクにおける明度変化は視認されにくい。
次に、ブラックインクによって記録される画像の明度変化について記載する。
上述のように、端部位置X1から位置X3までの領域A1に対しては吐出量が多い吐出口列111Kのみによってブラックインクが吐出される。そのため、ブラックインクによって領域A1に記録される画像の相対明度はD_K1と比較的低い値となる。
一方、位置X4から端部位置X2までの領域A3に対しては吐出量が少ない吐出口列112Kのみによってブラックインクが吐出される。そのため、ブラックインクによって領域A3に記録される画像の相対明度はD_K2と比較的高い値となる。
ここで、ブラックインクはイエローインクよりも明度が低いため、ブラックインクではイエローインクに比べて記録媒体との明度差が大きくなる。そのため、相対明度D_K1は相対明度D_Y1よりも大きく、且つ、相対明度D_K2は相対明度D_Y2よりも小さくなる。
そして、位置X3から位置X4までの領域A2に対しては、吐出量が多い吐出口列111Kと吐出量が少ない吐出口列112Kの両方によって分担してブラックインクが吐出される。したがって、ブラックインクによって領域A2に記録される画像の相対明度はD_K1とD_K2の中間程度の値となる。
上述のように、ブラックインクは明度が低いため、記録媒体との明度差は大きくなる。そのため、吐出特性の違いによる領域A1における相対明度D_K1と領域A3における相対明度D_K2の差分である相対明度差D_K2−D_K1は比較的大きくなる。
しかしながら、本実施形態では低い相対明度D_K1で画像が記録される領域A1と高い相対明度D_K2で画像が記録される領域A3の間の距離をイエローインクよりも長くすることができる。更に、領域A1と領域A3の間の領域A2にはD_K1とD_K2の中間程度の相対明度で画像を記録することができる。このため、領域A1と領域A3の間の明度差D_K2−D_K1は大きいものの、X方向における明度変化を緩やかなものとすることができる。これにより、ブラックインクについても明度変化が視認されにくくなるように画像を記録することが可能となる。
次に、2つの比較形態を参照し、それらの比較形態における記録ユニットおよび記録方式と本実施形態における記録ユニットおよび記録方式を比較しながら、本実施形態における記録ユニットおよび記録方式によって記録時間の延長や記録装置の大型化を抑制しつつ、吐出特性の違いに由来する明度変化を視認されにくくすることができるメカニズムについて詳細に説明する。
図9は第1、第2の比較形態で用いる記録ユニット120を示す図である。
図9に示す第1、第2の比較形態における記録ユニット120内には、図6(a)に示す本実施形態における記録ユニット101と同様に、記録ヘッド124Lと記録ヘッド124RがX方向に距離W5だけ離間して設けられている。なお、これらの記録ヘッド124L、124Rは1つの保持部123によって保持されている。
ここで、第1の比較形態における記録ヘッド124Lには、X方向左側からシアンインクを吐出する吐出口列121C、マゼンタインクを吐出する吐出口列121M、イエローインクを吐出する吐出口列121Y、ブラックインクを吐出する吐出口列121Kの順番で、4つの吐出口列121C、121M、121Y、121Kが配置されている。一方、記録ヘッド124RにはX方向左側からシアンインクを吐出する吐出口列122C、マゼンタインクを吐出する吐出口列122M、イエローインクを吐出する吐出口列122Y、ブラックインクを吐出する吐出口列122Kの順番で4つの吐出口列122C、122M、122Y、122Kが配置されている。なお、本実施形態と同様に、各記録ヘッド124L、124R内の4つの吐出口列は、X方向に互いに同じ距離dだけ離間して配置されている。
次に、本実施形態と同様にして、第1、第2の比較形態における各色のインクを吐出する2つの吐出口列間のX方向の距離について説明する。
まず、シアンインクに関しては、吐出口列121Cは記録ヘッド124L内でX方向右側から4番目、吐出口列122Cは記録ヘッド124R内でX方向左側から1番目に配置されている。したがって、吐出口列121C、122C間のX方向における距離W_C2は(式2−1)で算出される距離となる。
(式2−1)
W_C2=W5+3×d+0×d=W5+3d
ここで、(式2−1)における3×dの項は、記録ヘッド124L内で吐出口列121CよりもX方向右側に3つの吐出口列が存在することに対応する項である。また、(式2−1)における0×dの項は、記録ヘッド124R内で吐出口列122CよりもX方向左側に吐出口列が存在しないことに対応する項である。
同様に考えると、マゼンタインクに関しては、吐出口列121Mは記録ヘッド124L内でX方向右側から3番目、吐出口列122Mは記録ヘッド124R内でX方向左側から2番目に配置されている。したがって、吐出口列121M、122M間のX方向における距離W_M2は(式2−2)で算出される距離となる。
(式2−2)
W_M2=W5+2×d+1×d=W5+3d
また、イエローインクに関しては、吐出口列121Yは記録ヘッド124L内でX方向右側から2番目、吐出口列122Yは記録ヘッド124R内でX方向左側から3番目に配置されている。したがって、吐出口列121Y、122Y間のX方向における距離W_Y2は(式2−3)で算出される距離となる。
(式2−3)
W_Y2=W5+1×d+2×d=W5+3d
また、ブラックインクに関しては、吐出口列121Kは記録ヘッド124L内でX方向右側から1番目、吐出口列122Kは記録ヘッド124R内でX方向左側から4番目に配置されている。したがって、吐出口列121K、122K間のX方向における距離W_K2は(式2−4)で算出される距離となる。
(式2−4)
W_K2=W5+0×d+3×d=W5+3d
以上、(式2−1)、(式2−2)、(式2−3)、(式2−4)からわかるように、図9に示す第1、第2の比較形態で使用する記録ユニット120では、シアンインクを吐出する吐出口列121C、122C間の距離W_C2、マゼンタインクを吐出する吐出口列121M、122M間の距離W_M2、イエローインクを吐出する吐出口列121Y、122Y間の距離W_Y2、ブラックインクを吐出する吐出口列121K、122K間の距離W_K2のそれぞれが、互いに等しく(W5+3d)なるように、各吐出口列が配置されている。
1.第1の比較形態
図10は第1の比較形態にて記録ユニット120を用いて記録媒体106に記録を行う際の様子を説明するための図である。なお、図9に示す2つの記録ユニット120のうち、破線にて記載したX方向左側に位置する記録ユニット120は記録ユニット120をX方向左側から右方向へと走査させる際の記録ユニット120の走査開始位置を、実線にて記載したX方向右側に位置する記録ユニット120は記録ユニット120の走査終了位置をそれぞれ模式的に示している。
なお、以降の説明では簡単のため、明度が低いブラックインクの吐出口列121K、122Kと、明度が高いイエローインクの吐出口列121Y、122Yの4つの吐出口列のみに着目して考える。
第1の比較形態では、記録ユニット120は記録ヘッド124LのX方向右側端部に位置する吐出口列が記録媒体106のX方向左側の端部位置X1と対向する位置から、記録ヘッド124RのX方向左側端部に位置する吐出口列が記録媒体106のX方向右側の端部位置X2と対向する位置までの範囲にて走査される。ここで、この範囲を記録ユニット101が走査するためには、図7にて示した本実施形態と同じく距離ΔX1だけ記録ユニット101を移動させれば良い。
ここで、以下の説明では記録ユニット120の走査開始位置において記録ヘッド124R内の吐出口列122Kが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X13、吐出口列122Yが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X15として定義する。更に、記録ユニット120の走査終了位置において記録ヘッド124L内の吐出口列121Kが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X14、吐出口列121Yが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X16として定義する。
図10を参照するとわかるように、距離ΔX1の記録ユニット120の走査を行う場合、記録ヘッド124R内のブラックインクの吐出口列122Kは記録媒体106上の位置X13よりもX方向左側の領域に対向することができない。したがって、記録媒体上の端部位置X1から位置X13までの領域B1に関してはブラックインクは記録ヘッド124L内の吐出口列121Kからしか吐出することができない。
同様に、記録ヘッド124L内のブラックインクの吐出口列121Kは距離ΔX1の走査中に記録媒体106上の位置X14よりもX方向右側の領域に対向することができず、記録媒体上の位置X14から端部位置X2までの領域B3に関してはブラックインクは記録ヘッド124R内の吐出口列122Kからしか吐出できない。
そして、記録媒体上の位置X13からX14までの領域B2に対しては、記録ヘッド124L内の吐出口列121Kと記録ヘッド124R内の吐出口列122Kの両方が記録ユニット120の距離ΔX1の走査中に対向することができる。
そこで、第1の比較形態では記録媒体106上の領域B1に対しては吐出口列122Kからはブラックインクを吐出せず、吐出口列121Kのみを用いてブラックインクを吐出する。また、記録媒体上の領域B3に対しては吐出口列121Kからはブラックインクを吐出せず、吐出口列122Kのみを用いてブラックインクを吐出する。更に、記録媒体上の領域B2に対しては吐出口列121Kと吐出口列122Kの両方からブラックインクを吐出する。
一方、記録ユニット120を距離ΔX1だけ走査させる場合、記録ヘッド124R内のイエローインクの吐出口列122Yは記録媒体上の位置X15よりもX方向左側の領域には対向することができないため、端部位置X1から位置X15までの領域B4に関してはイエローインクは記録ヘッド124L内の吐出口列121Yからしか吐出することができない。
同様に、記録ヘッド124L内のイエローインクの吐出口列121Yは距離ΔX1の走査中に記録媒体106上の位置X16よりもX方向右側の領域に対向することができず、記録媒体上の位置X16から端部位置X2までの領域B6に関してはイエローインクは記録ヘッド124R内の吐出口列122Yからしか吐出できない
そして、記録媒体上の位置X15からX16までの領域B5に対しては、記録ヘッド124L内の吐出口列121Yと記録ヘッド124R内の吐出口列122Yの両方が記録ユニット101の距離ΔX1の走査中に対向することができる。
そこで、第1の比較形態では領域B4に対しては吐出口列122Yからはイエローインクを吐出せず、吐出口列121Yのみを用いてイエローインクを吐出する。また、領域B6に対しては吐出口列121Yからはイエローインクを吐出せず、吐出口列122Yのみを用いてイエローインクを吐出する。更に、領域B5に対しては吐出口列121Yと吐出口列122Yの両方からイエローインクを吐出する。
ここで、第1の比較形態と本実施形態を比較すると、記録ユニット120と記録ユニット101の走査終了位置は変わらず、また、記録ヘッド124L内での吐出口列の配置順序も記録ヘッド102L内での吐出口列の配置順序と変わらない。したがって、実際には位置X14は位置X4と、位置X16は位置X6とそれぞれ同じ位置となっている。
一方、記録ユニット120と記録ユニット101の走査開始位置は変わらないものの、記録ヘッド124R内での吐出口列の配置順序は記録ヘッド102R内での吐出口列の配置順序と異なっている。詳細には、記録ヘッド124R内の4つの吐出口列の中で吐出口列122KはX方向右側から1番目、吐出口列122YはX方向右側から2番目に位置するのに対し、記録ヘッド102R内の4つの吐出口列の中で吐出口列112KはX方向右側から4番目、吐出口列112YはX方向右側から1番目に位置している。ここから、位置X13は位置X3よりもX方向右側に、位置X15は位置X5よりもX方向左側にそれぞれ位置していることがわかる。
したがって、第1の比較形態における位置X13から位置X14までの領域B2は、本実施形態における位置X3から位置X4までの領域A2よりもX方向における幅が短くなっていることがわかる。同様に、第1の比較形態における位置X15から位置X16までの領域B5は、本実施形態における位置X5から位置X6までの領域A5よりもX方向における幅が長くなっていることがわかる。
第1の比較形態によれば、記録媒体106のX方向全域を記録するために距離ΔX1だけ記録ユニットを走査させれば良いので、本実施形態と同様に記録時間の延長や記録装置の大型化は抑制することができる。
しかしながら、本実施形態では第1の比較形態に比べて明度差が低いブラックインクでのX方向における明度変化を好適に抑制することが更に可能となる。
図11は記録ヘッド124Lと記録ヘッド124Rのいずれかに吐出特性の異なりが生じ、記録ヘッド124L内の吐出口列からの吐出量が記録ヘッド124R内の吐出口列からの吐出量よりも多くなった場合における明度変化を説明するための図である。なお、ここでは各色のインクを吐出する吐出口列間では互いに同じ程度にて吐出特性の異なりが生じた場合について示している。また、横軸は記録媒体上の位置を、縦軸はブラックインク、イエローインクそれぞれで記録される画像の相対明度をそれぞれ示している。ここで、第1の比較形態では1色のインクによってX方向の全域を記録し、それぞれの領域における1色のインクの画像と記録媒体の明度差を算出し、その明度差の平均に対する各位置における明度差の比率を上述の画像の相対明度として考える。
また、図11では実線にてブラックインクによって記録された画像の相対明度を、破線にてイエローインクによって記録された画像の相対明度をそれぞれ示している。また、図11では記録媒体上のX方向における位置によらずブラックインク、イエローインクともに吐出特性の違いが生じなければ吐出量が同じとなるような記録データが生成された場合について示している。また、実際にはブラックインクの明度差の平均とイエローインクの明度差の平均は異なるが、図11および以下の説明では簡単のためにブラックインクの明度差の平均とイエローインクの明度差の平均が一致するように各相対明度を明度方向にシフトして記載している。
図11に示す第1の比較形態での明度変化と図8に示す本実施形態での明度変化を比較するとわかるように、領域B1〜領域B6それぞれに記録される画像の相対明度は本実施形態において領域A1〜A6それぞれに記録される画像の相対明度と変わらない。
しかしながら、領域B1〜B3間でのブラックインクの明度変化が図8に示す領域A1〜A3間でのブラックインクの明度変化よりも急峻なものとなっている。これは、上述のように第1の比較形態における吐出口列121Kと吐出口列122Kで分担記録を行う領域B2のX方向における幅が、本実施形態における吐出口列111Kと吐出口列112Kで分担記録を行う領域A2のX方向における幅よりも短くなっているためである。
詳細には、第1の比較形態では低い相対明度D_K1で画像が記録される領域B1と高い相対明度D_K2で画像が記録される領域B3の間の距離が本実施形態における領域A1と領域A3の間の距離よりも短くなり、且つ、D_K1とD_K2の中間程度の相対明度で画像が記録される領域B2のX方向における幅もまた領域A2よりも短くなる。一方で、相対明度差D_K2−D_K1は本実施形態と変わらない。このため、第1の比較形態によると、本実施形態に比べると領域B1〜B3間での明度変化が領域A1〜A3間での明度変化よりも急峻となってしまい、視認され易くなってしまう虞があるのである。
以上記載したように、本実施形態によれば、第1の比較形態に比べて明度が低いブラックインクにおいてX方向における明度変化を緩やかとすることができる。これにより、この明度変化を視認されにくくすることが可能となるのである。
2.第2の比較形態
図12は第2の比較形態にて記録ユニット120を用いて記録媒体106に記録を行う際の様子を説明するための図である。なお、図9に示す2つの記録ユニット120のうち、破線にて記載したX方向左側に位置する記録ユニット120は記録ユニット120をX方向左側から右方向へと走査させる際の記録ユニット120の走査開始位置を、実線にて記載したX方向右側に位置する記録ユニット120は記録ユニット120の走査終了位置をそれぞれ模式的に示している。
第2の比較形態では、記録ユニット120を本実施形態および第1の比較形態における距離ΔX1よりも長い距離ΔX2だけ走査させて記録を行う。この距離ΔX2は、吐出口列121Kと吐出口列122Kで分担記録する領域C2における幅を本実施形態における吐出口列111Kと吐出口列112Kで分担記録する領域A2における幅と同じ長さとするために要する記録ユニット120の走査距離に相当する。この点については後に詳細に説明する。
ここで、以下の説明では記録ユニット120の走査開始位置において記録ヘッド124R内の吐出口列122Kが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X23、吐出口列122Yが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X25として定義する。更に、記録ユニット120の走査終了位置において記録ヘッド124L内の吐出口列121Kが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X24、吐出口列121Yが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X26として定義する。
図12を参照するとわかるように、距離ΔX2の記録ユニット120の走査を行う場合、記録ヘッド124R内のブラックインクの吐出口列122Kは記録媒体106上の位置X23よりもX方向左側の領域に対向することができない。したがって、記録媒体上の端部位置X1から位置X23までの領域C1に関してはブラックインクは記録ヘッド124L内の吐出口列121Kからしか吐出することができない。
同様に、記録ヘッド124L内のブラックインクの吐出口列121Kは距離ΔX2の走査中に記録媒体106上の位置X24よりもX方向右側の領域に対向することができず、記録媒体上の位置X24から端部位置X2までの領域C3に関してはブラックインクは記録ヘッド124R内の吐出口列122Kからしか吐出できない。
そして、記録媒体上の位置X23からX24までの領域C2に対しては、記録ヘッド124L内の吐出口列121Kと記録ヘッド124R内の吐出口列122Kの両方が記録ユニット120の距離ΔX2の走査中に対向することができる。
そこで、第2の比較形態では記録媒体106上の領域C1に対しては吐出口列122Kからはブラックインクを吐出せず、吐出口列121Kのみを用いてブラックインクを吐出する。また、記録媒体上の領域C3に対しては吐出口列121Kからはブラックインクを吐出せず、吐出口列122Kのみを用いてブラックインクを吐出する。更に、記録媒体上の領域C2に対しては吐出口列121Kと吐出口列122Kの両方からブラックインクを吐出する。
一方、記録ユニット120を距離ΔX2だけ走査させる場合、記録ヘッド124R内のイエローインクの吐出口列122Yは記録媒体上の位置X25よりもX方向左側の領域には対向することができないため、端部位置X1から位置X25までの領域C4に関してはイエローインクは記録ヘッド124L内の吐出口列121Yからしか吐出することができない。
同様に、記録ヘッド124L内のイエローインクの吐出口列121Yは距離ΔX2の走査中に記録媒体106上の位置X26よりもX方向右側の領域に対向することができず、記録媒体上の位置X26から端部位置X2までの領域C6に関してはイエローインクは記録ヘッド124R内の吐出口列122Yからしか吐出できない
そして、記録媒体上の位置X25からX26までの領域C5に対しては、記録ヘッド124L内の吐出口列121Yと記録ヘッド124R内の吐出口列122Yの両方が記録ユニット101の距離ΔX2の走査中に対向することができる。
そこで、第1の比較形態では領域B4に対しては吐出口列122Yからはイエローインクを吐出せず、吐出口列121Yのみを用いてイエローインクを吐出する。また、領域B6に対しては吐出口列121Yからはイエローインクを吐出せず、吐出口列122Yのみを用いてイエローインクを吐出する。更に、領域B5に対しては吐出口列121Yと吐出口列122Yの両方からイエローインクを吐出する。
ここで、上述のように第2の比較形態では、吐出口列121Kと吐出口列122Kで分担記録する領域C2における幅が本実施形態における吐出口列111Kと吐出口列112Kで分担記録する領域A2における幅と同じ長さとなるように、記録ユニット120を距離ΔX1よりも長い距離ΔX2だけ走査させる。したがって、第2の比較形態における領域C2、領域C5それぞれのX方向における幅は第1の比較形態における領域B2、領域B5それぞれのX方向における幅よりも長く、且つ、領域C3、C6それぞれのX方向における幅は領域B3、B6それぞれのX方向における幅よりも短くなっている。
第2の比較形態では、本実施形態と同様に、明度が低いブラックインクでのX方向における明度変化を視認されにくくすることができる。
図13は記録ヘッド124Lと記録ヘッド124Rのいずれかに吐出特性の異なりが生じ、記録ヘッド124L内の吐出口列からの吐出量が記録ヘッド124R内の吐出口列からの吐出量よりも多くなった場合における明度変化を説明するための図である。なお、ここでは各色のインクを吐出する吐出口列間では互いに同じ程度にて吐出特性の異なりが生じた場合について示している。また、横軸は記録媒体上の位置を、縦軸はブラックインク、イエローインクそれぞれで記録される画像の相対明度をそれぞれ示している。ここで、第2の比較形態では1色のインクによってX方向の全域を記録し、それぞれの領域における1色のインクの画像と記録媒体の明度差を算出し、その明度差の平均に対する各位置における明度差の比率を上述の画像の相対明度として考える。
また、図13では実線にてブラックインクによって記録された画像の相対明度を、破線にてイエローインクによって記録された画像の相対明度をそれぞれ示している。また、図13では記録媒体上のX方向における位置によらずブラックインク、イエローインクともに吐出特性の違いが生じなければ吐出量が同じとなるような記録データが生成された場合について示している。また、実際にはブラックインクの明度差の平均とイエローインクの明度差の平均は異なるが、図13および以下の説明では簡単のためにブラックインクの明度差の平均とイエローインクの明度差の平均が一致するように各相対明度を明度方向にシフトして記載している。
上述したように、第2の比較形態での領域C2のX方向における幅は、本実施形態での領域A2のX方向における幅と同じ長さを有する。そのため、図13に示す第2の比較形態でのブラックインクの明度変化と図8に示す本実施形態でのブラックインクの明度変化を比較するとわかるように、第2の比較形態では明度変化が生じる領域が本実施形態に比べてX方向右側にシフトいるものの、明度変化の程度(急峻さの程度)は本実施形態と変わらない。
このため、第2の比較形態では明度が低いブラックインクについてX方向における明度変化を緩やかになるため、視認されにくくなるのである。
しかしながら、第2の比較形態では、上述のように記録ユニット120の走査距離を本実施形態におけるΔX1よりも長いΔX2としなければならない。そのため、本実施形態の方が第2の比較形態に比べて1回の走査が完了するまでに時間を短くすることができるため、記録を完了するまでに要する時間が短縮することが可能となる。
更に、第2の比較形態では、図7、図12を比較するとわかるように、本実施形態に比べて走査終了位置にて記録ユニット120の右側が記録媒体106と対向する位置からはみ出す幅が長くなってしまう。そのため、本実施形態の方が第2の比較形態に比べて記録装置内での記録ユニット120のX方向における可動領域を小さくすることができるため、記録装置を小型化することが可能となる。
以上記載したように、本実施形態によれば、記録時間の延長や記録装置の大型化を抑制しつつ、明度が低いインクにおける明度変化を視認されにくくすることが可能となる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、カラーインクであるシアンインク、マゼンタインク、イエローインクを吐出する吐出口列については、吐出口列間の距離を等しくする形態について記載した。
これに対し、本実施形態ではカラーインクを吐出する吐出口列についても、記録媒体の表面との明度差に応じて吐出口列間の距離を異ならせる形態について記載する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図5に示すように、ブラックインク以外のカラーインクについても明度の高低は存在している。詳細には、本実施形態で用いるカラーインクの中ではシアンインクが最も記録媒体との明度が低く、イエローインクが最も記録媒体との明度が高くなっている。したがって、ブラックインクも含めてX方向における明度変化の視認され易さを考えると、ブラックインクで最も視認され易く、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの順で視認されにくくなることがわかる。
以上の点を鑑み、本実施形態では明度が低いインクほど、そのインクを吐出する吐出口列間の距離が短くなるように各記録ヘッド内の吐出口列を配置する。
図14は本実施形態で用いる記録ユニット130の詳細を示す図である。なお、ここでは記録ユニット130を鉛直下方から見た図を模式的に示している。
本実施形態における記録ユニット内には、記録ヘッド134Lと記録ヘッド134RがX方向に距離W5だけ離間して設けられている。記録ヘッド134Lには、X方向右側からブラックインクを吐出する吐出口列131K、シアンインクを吐出する吐出口列131C、マゼンタインクを吐出する吐出口列131M、イエローインクを吐出する吐出口列131Yの順番で、4つの吐出口列131C、131M、131Y、131Kが配置されている。一方、記録ヘッド134RにはX方向右側からイエローインクを吐出する吐出口列132Y、マゼンタインクを吐出する吐出口列132M、シアンインクを吐出する吐出口列132C、ブラックインクを吐出する吐出口列132Kの順番で、4つの吐出口列132C、132M、132Y、132Kが配置されている。なお、記録ヘッド134L内の4つの吐出口列131C、131M、131Y、131Kは、互いに同じ距離dだけ離間して配置されている。同様に、記録ヘッド134R内の4つの吐出口列132C、132M、132Y、132Kもまた互いに同じ距離dだけ離間しながら配置されている。
ここで、第1の実施形態と同様に、本実施形態における各色のインクを吐出する2つの吐出口列間のX方向の距離を以下に記載する。
まず、シアンインクに関しては、吐出口列131Cは記録ヘッド134L内でX方向右側から2番目、吐出口列132Cは記録ヘッド134R内でX方向左側から2番目に配置されている。したがって、吐出口列131C、132C間のX方向における距離W_C3は(式3−1)で算出される距離となる。
(式3−1)
W_C3=W5+1×d+1×d=W5+2d
また、マゼンタインクに関しては、吐出口列131Mは記録ヘッド134L内でX方向右側から3番目、吐出口列132Mは記録ヘッド134R内でX方向左側から3番目に配置されている。したがって、吐出口列131M、132M間のX方向における距離W_M3は(式3−2)で算出される距離となる。
(式3−2)
W_M3=W5+2×d+2×d=W5+4d
また、イエローインクに関しては、吐出口列131Yは記録ヘッド134L内でX方向右側から4番目、吐出口列132Yは記録ヘッド134R内でX方向左側から4番目に配置されている。したがって、吐出口列131Y、132Y間のX方向における距離W_Y3は(式3−3)で算出される距離となる。
(式3−3)
W_Y3=W5+3×d+3×d=W5+6d
また、ブラックインクに関しては、吐出口列131Kは記録ヘッド134L内でX方向右側から1番目、吐出口列132Kは記録ヘッド134R内でX方向左側から1番目に配置されている。したがって、吐出口列131K、132K間のX方向における距離W_K3は(式3−4)で算出される距離となる。
(式3−4)
W_K3=W5+0×d+0×d=W5
以上、(式3−1)、(式3−2)、(式3−3)、(式3−4)からわかるように、各色のインクに対応する吐出口列間の距離は、イエローインクを吐出する吐出口列131Y、132Y間の距離W_Y3(W5+6d)、マゼンタインクを吐出する吐出口列131M、132M間の距離W_M3(W5+4d)、シアンインクを吐出する吐出口列131C、132C間の距離W_C3(W5+2d)、ブラックインクを吐出する吐出口列131K、132K間の距離W_K3(W5)の順に短くなっている。すなわち、明度が低いインクであるほど、そのインクを吐出する吐出口列間の距離が短くなるように、各色のインクに対応する吐出口列が配置されている。
図15は本実施形態における記録ユニット130を用いて記録媒体106に記録を行う際の様子を説明するための図である。なお、図15に示す2つの記録ユニット130のうち、破線にて記載したX方向左側に位置する記録ユニット130は記録ユニット131をX方向左側から右方向へと走査させる際の記録ユニット130の走査開始位置を、実線にて記載したX方向右側に位置する記録ユニット131は記録ユニット131の走査終了位置をそれぞれ模式的に示している。
本実施形態における記録ユニット130は、第1の実施形態と同様に、記録ヘッド134LのX方向右側端部に位置する吐出口列が端部位置X1と対向する位置から、記録ヘッド134RのX方向左側端部に位置する吐出口列が端部位置X2と対向する位置までの範囲にて走査される。すなわち、第1の実施形態と同様に、本実施形態における記録ユニット131は距離ΔX1だけ走査されることになる。
ここで、以下の説明では記録ユニット130の走査開始位置において記録ヘッド134R内の吐出口列132K、吐出口列132C、吐出口列132M、吐出口列132Yそれぞれが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X33、位置X35、位置X37、位置X39と定義する。また、記録ユニット130の走査終了位置において記録ヘッド134L内の吐出口列131K、吐出口列131C、吐出口列131M、吐出口列131Yそれぞれが対向する記録媒体上のX方向における位置を位置X34、位置X36、位置X38、位置X40と定義する。
第1の実施形態と同様に考え、本実施形態では記録媒体106上の端部位置X1から位置X33までの領域D1に対しては吐出口列132Kからはブラックインクを吐出せず、吐出口列131Kのみを用いてブラックインクを吐出する。また、記録媒体106上の位置X34から端部位置X2までの領域D3に対しては吐出口列131Kからはブラックインクを吐出せず、吐出口列132Kのみを用いてブラックインクを吐出する。更に、記録媒体上の位置X33からX34までの領域D2に対しては吐出口列131Kと吐出口列132Kの両方からブラックインクを吐出する。
次に、イエローインクについては、記録媒体106上の端部位置X1から位置X39までの領域D4に対しては吐出口列132Yからはイエローインクを吐出せず、吐出口列131Yのみを用いてイエローインクを吐出する。また、記録媒体106上の位置X40から端部位置X2までの領域D6に対しては吐出口列131Yからはイエローインクを吐出せず、吐出口列132Yのみを用いてイエローインクを吐出する。更に、記録媒体上の位置X39からX40までの領域D5に対しては吐出口列131Yと吐出口列132Yの両方からイエローインクを吐出する。
次に、マゼンタインクについては、記録媒体106上の端部位置X1から位置X37までの領域D7に対しては吐出口列132Mからはマゼンタインクを吐出せず、吐出口列131Mのみを用いてマゼンタインクを吐出する。また、記録媒体106上の位置X38から端部位置X2までの領域D9に対しては吐出口列131Mからはマゼンタインクを吐出せず、吐出口列132Mのみを用いてマゼンタインクを吐出する。更に、記録媒体上の位置X37からX38までの領域D8に対しては吐出口列131Mと吐出口列132Mの両方からマゼンタインクを吐出する。
そして、シアンインクについては、記録媒体106上の端部位置X1から位置X35までの領域D10に対しては吐出口列132Cからはシアンインクを吐出せず、吐出口列131Cのみを用いてシアンインクを吐出する。また、記録媒体106上の位置X36から端部位置X2までの領域D12に対しては吐出口列131Cからはシアンインクを吐出せず、吐出口列132Cのみを用いてシアンインクを吐出する。更に、記録媒体上の位置X35からX36までの領域D11に対しては吐出口列131Cと吐出口列132Cの両方からシアンインクを吐出する。
ここで、第1の実施形態と同様に考えると、2つの吐出口列で分担記録を行う領域のX方向における幅は、イエローインクの領域D5、マゼンタインクの領域D8、シアンインクの領域D11、ブラックインクの領域D2の順に長くなっていることがわかる。すなわち、明度が低いインクほど、分担記録を行う領域のX方向における幅が長くなる。したがって、明度が低いインクほど視認され易くなる明度変化を各インクにおいて好適に抑制することができるのである。
(第3の実施形態)
上述した第1、第2の実施形態では、左右ヘッド分配処理において領域A2内のX方向における位置にかかわらず記録ユニット内の左側の記録ヘッド内の吐出口列への量子化データの分配率と右側の記録ヘッド内の吐出口列への量子化データの分配率が等しくなるように、2つの吐出口列に量子化データを分配する形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、領域A2内のX方向における位置に応じて左側の記録ヘッド内の吐出口列への量子化データの分配率と右側の記録ヘッド内の吐出口列への量子化データの分配率が異なるように、2つの吐出口列に量子化データを分配する形態について記載する。
なお、上述した第1、第2の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図4(a)、(b)に示す分配パターンを用いる場合、図8からわかるように、記録媒体のX方向全域でみると明度変化は緩やかとなるが、互いに隣接する領域A1と領域A2の境界や領域A2と領域A3の境界等において部分的には明度変化が急峻となる虞がある。
領域A1に対しては吐出口列111Kのみを用いてブラックインクを吐出する(吐出口列111Kへの分配率が100%)が、図4(a)、(b)に示す分配パターンを用いると領域A1から領域A2に切り替わった途端に吐出口列111Kへの分配率が50%となる。更に、領域A2では常に吐出口列111Kへの分配率が50%となり、領域A2から領域A3に切り替わった途端に吐出口列111Kからはブラックインクを吐出しなくなる(吐出口列111Kへの分配率が0%)。
これに対し、本実施形態ではステップS804における左右記録ヘッド分配処理で用いる分配パターンを第1の実施形態と異ならせる。これにより、第1の実施形態によって得られる効果に加え、吐出口列間での吐出特性の違いに由来する部分的に急峻となる明度変化の発生を抑制することが可能となる。
図16は本実施形態におけるステップS804での左右ヘッド分配処理で用いる分配パターンの一例を示す模式図である。ここで、図16(a)はある色のインクに対応し、記録媒体上の記録ヘッド102L、102Rそれぞれに設けられた2つの吐出口列で分担記録するX方向中央側の領域における画像に対応する量子化データを、記録ヘッド102Lの方に設けられた吐出口列に分配するための分配パターンを模式的に示す図である。また、図16(b)は当該量子化データを記録ヘッド102Rの方に設けられた吐出口列に分配するための分配パターンを模式的に示す図である。なお、これらの分配パターンはROM313に予め格納されている。
なお、第1の実施形態と同様に、ここでは簡単のために分担記録を行うX方向中央側の領域がX方向に14画素のサイズを有する領域であると仮定して記載する。例えば、ブラックインクを吐出する吐出口列111K、112Kにおける分配処理を考える場合、図7に示す領域A2のX方向における幅が14画素分のサイズを有しているものとして記載する。但し、実際には領域A2のX方向における幅は14画素分のサイズに限定されるものではなく、後述するような条件を満たした分配パターンであれば良い。他の色のインクの吐出口列、例えばイエローインクを吐出する吐出口列111Y、112Yについても同様に、後述する条件を満たした分配パターンであれば本実施形態による効果を得ることができる。
また、図16(a)、(b)に示す分配パターンはY方向に8画素のサイズを1つの繰り返し単位として構成されており、Y方向に対してはこれらの分配パターンを繰り返し用いることにより分担記録する領域の全域に対して左右ヘッド分配処理を完了する。
ここで、図16(a)、(b)それぞれに示す分配パターンのうち、黒く塗り潰された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合にインクの吐出を許容する画素を示している。また、白抜けで示された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合であってもインクの吐出を非許容する画素を示している。
図16(a)、(b)からわかるように、本実施形態で使用する記録ヘッド102Lに設けられた吐出口列に対応する分配パターンと記録ヘッド102Rに設けられた吐出口列に対応する分配パターンは互いに排他的且つ補完的な位置にインクの吐出の許容が定められている。したがって、第1の実施形態と同様に、例えば分担記録を行う領域に対応する量子化データとして全画素に対してインクの吐出を定めるような量子化データが取得された場合、その領域内の全ての画素に対して記録ヘッド102L内の吐出口列と記録ヘッド102R内の吐出口列のいずれか一方から1回だけインクを吐出するように、左右ヘッド分配処理を行うことができる。
更に、図16(a)、(b)からわかるように、本実施形態で用いる記録ヘッド102L内の吐出口列、記録ヘッド102R内の吐出口列に対応する分配パターンは、記録媒体上のX方向における位置に応じてインクの吐出の許容を定める画素の数が異なっている。
詳細には、図16(a)に示す記録ヘッド102L内の吐出口列に対応する分配パターンでは、X方向左側から右側に向かうにしたがってインクの吐出の許容を定める画素の数が漸次的に少なくなるように、各画素に対するインクの吐出の許容/非許容が定められている。一方、図16(b)に示す記録ヘッド102R内の吐出口列に対応する分配パターンでは、X方向左側から右側に向かうにしたがってインクの吐出の許容を定める画素の数が漸次的に多くなるように、各画素に対するインクの吐出の許容/非許容が定められている。
図16(a)、(b)に示す分配パターンを用いると、分担記録を行う領域において、その領域のX方向左側から右側に向かうにしたがって記録ヘッド102L内の吐出口列への量子化データの分配率は100%から0%まで漸次的に減少し、且つ、記録ヘッド102R内の吐出口列への量子化データの分配率が0%から100%まで漸次的に増加する。なお、分担記録を行う領域であっても、X方向における同一の位置では常に記録ヘッド102Lへの分配率と記録ヘッド102Rへの分配率の合計は100%となる。
図17は図16に示す分配パターンを用いた際に、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rのいずれかに吐出特性の異なりが生じ、記録ヘッド102L内の吐出口列からの吐出量が記録ヘッド102R内の吐出口列からの吐出量よりも多くなった場合における明度変化を説明するための図である。なお、ここでは各色のインクを吐出する吐出口列間では互いに同じ程度にて吐出特性の異なりが生じた場合について示している。また、横軸は記録媒体上の位置を、縦軸はブラックインク、イエローインクそれぞれで記録される画像の相対明度をそれぞれ示している。ここで、本実施形態では1色のインクによってX方向の全域を記録し、それぞれの領域における1色のインクの画像と記録媒体の明度差を算出し、その明度差の平均に対する各位置における明度差の比率を上述の画像の相対明度として考える。
また、図17では実線にてブラックインクによって記録された画像の相対明度を、破線にてイエローインクによって記録された画像の相対明度をそれぞれ示している。また、図17では記録媒体上のX方向における位置によらずブラックインク、イエローインクともに吐出特性の違いが生じなければ吐出量が同じとなるような記録データが生成された場合について示している。また、実際にはブラックインクの明度差の平均とイエローインクの明度差の平均は異なるが、図17および以下の説明では簡単のためにブラックインクの明度差の平均とイエローインクの明度差の平均が一致するように各相対明度を明度方向にシフトして記載している。
第1の実施形態と同様に、ブラックインクによって領域A1に記録される画像の相対明度は比較的低い値であるD_K1となる。また、ブラックインクによって領域A3に記録される画像の相対明度は比較的高い値であるD_K2となる。
そして、領域A2に対しては、X方向左側から右側に向かうにしたがって相対明度がD_K1からD_K2まで漸次的に増加することになる。
これは、図16に示す分配パターンを用いると、上述のようにX方向左側から右側に向かうにしたがって、記録ヘッド102L内の吐出口列111Kへの分配率は漸次的に低下し、記録ヘッド102R内の吐出口列112Kへの分配率は漸次的に増加するためである。
例えば、領域A2内のX方向における領域A1近傍では吐出口列112Kへの分配率が小さく、且つ、吐出口列111Kへの分配率が大きくなっている。そのため、その領域に対してブラックインクによって記録される画像に関しては、その領域には吐出口列111Kからの吐出量が多くなるため、吐出口列111Kにおける吐出特性の影響が支配的なものとなる。したがって、領域A2内のX方向において領域A1の近傍では相対明度はD_K1に近い値となるのである。
図17からわかるように、本実施形態では第1の実施形態と同様に、ブラックインクで分担記録される領域A2のX方向における幅をイエローインクで分担記録される領域A5のX方向における幅よりも長くすることができる。更に、本実施形態によれば上述のように領域A2におけるブラックインクの相対明度をX方向左側から右側に向かうにしたがってD_K1からD_K2まで漸次的に変えることができる。そのため、領域A1と領域A2の境界や領域A2と領域A3の境界であっても、明度変化が部分的に急峻に変化することを抑制することが可能となる。
なお、以上に説明した各実施形態ではシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクを用いる場合について記載したが、異色のインクを用いる場合でなくとも明度が互いに異なる複数種類のインクを用いる場合であれば各実施形態による効果を得ることができる。例えば、第1のブラックインクと、第1のブラックインクと組成が異なり、第1のブラックインクよりも明度が高い第2のブラックインクを用いる場合、第1のブラックインクを吐出する吐出口列間の距離を第2のブラックインクを吐出する吐出口列間の距離よりも短くすれば良い。
また、以上に説明した各実施形態ではいずれも染料を色材として含有するシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクを用いる場合について記載したが、顔料を含有するインクも用いる場合であっても良い。
また、以上に説明した各実施形態では、左の記録ヘッドと右の記録ヘッドがある程度だけ離間して設けられた記録ユニットを記載したが、この離間の距離(W5)は少なくとも各記録ヘッド内の吐出口列間の距離dよりも長いことが好ましい。なお、記録ヘッド間の距離が長いほど記録時間を短縮することができるため、実際には所望の記録時間となるような距離だけ記録ヘッド間が離間されていることが好ましい。
また、以上に説明した各実施形態では、同じ色のインクを吐出する複数の吐出口がY方向に配列された1つの列によって1つの吐出口列が構成される形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、同じ色のインクを吐出する複数の吐出口がY方向に配列された列を2つ有し、その2列がX方向に互いにずれた位置であって、且つ、一方の列の吐出口が他方の列の吐出口間にインクを吐出可能なようにY方向に互いにずれた位置に配置されることによって1つの吐出口列が構成されても良い。この場合、上述の吐出口列間の距離は、各吐出口列を構成する2列のX方向における中心位置を基準に考えれば良い。
また、以上に説明した各実施形態では、記録ユニットとして異なる2つの記録ヘッドと、記録ヘッドを保持する保持部と、から構成される記録ユニットを用いる形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、明度が互いに異なる2種類のインクを吐出する吐出口列をそれぞれ有する第1の記録部と第2の記録部を備え、第1、第2の記録部間のX方向における距離がある程度離間して配置された記録ユニットを用いる形態であれば各実施形態に記載した各記録部内での吐出口列の配置を行うことにより各実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、保持部を有さず、第1の記録部と第2の記録部が1つの記録ヘッド内に備えられた記録ユニットを用いる場合であっても各実施形態による効果を得ることができる。
101 記録ユニット
106 記録媒体
111K、C、M、Y 吐出口列
112K、C、M、Y 吐出口列
311 CPU

Claims (16)

  1. 第1の色のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の色よりも明度が高い第2の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、
    前記記録ユニットを前記第1、第2の色よりも明度が高い記録媒体に対して前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、
    前記走査手段による記録走査において前記記録ユニットから前記記録媒体に対して前記第1、第2の色のインクを吐出させて画像記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の距離よりも長い第2の距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられており、
    前記記録制御手段は、前記走査手段による同一の記録走査において、(i)前記第1の吐出口列から前記記録媒体上の第1の領域と、前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域と、に対して前記第1の色のインクを吐出させ、(ii)前記第3の吐出口列から前記第2の領域と、前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域と、に対して前記第1の色のインクを吐出させ、
    前記記録制御手段は、前記走査手段による同一の記録走査において、(iii)前記第2の吐出口列から前記記録媒体上の第4の領域と、前記記録媒体上の前記第4の領域と前記交差方向に隣接し、前記第2の領域よりも前記交差方向における距離が短い第5の領域と、に対して前記第2の色のインクを吐出させ、(iv)前記第4の吐出口列から前記第5の領域と、前記記録媒体上の前記第5の領域と前記交差方向に隣接する第6の領域と、に対して前記第2の色のインクを吐出させることを特徴とする記録装置。
  2. 前記記録ユニットにおいて、前記第1の吐出口列と前記第3の吐出口列の両方が前記第2の吐出口列と前記第4の吐出口列の前記交差方向における間に位置するように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1の記録部は、前記第2の色よりも明度が高い第3の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第5の吐出口列が更に設けられ、
    前記第2の記録部は、前記第3の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第6の吐出口列が更に設けられ、
    前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第5の吐出口列と前記第2の記録部の前記第6の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第2の距離よりも長い第3の距離となるように、前記第5、第6の吐出口列が設けられており、
    前記記録制御手段は、前記走査手段による同一の記録走査において、(i)前記第5の吐出口列から前記記録媒体上の第7の領域と、前記記録媒体上の前記第7の領域と前記交差方向に隣接し、前記第5の領域よりも前記交差方向における距離が短い第8の領域と、に対して前記第3の色のインクを吐出させ、(ii)前記第6の吐出口列から前記第8の領域と、前記記録媒体上の前記第8の領域と前記交差方向に隣接する第9の領域と、に対して前記第3の色のインクを吐出させることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記記録ユニットにおいて、前記第2の吐出口列と前記第4の吐出口列の両方が前記第5の吐出口列と前記第6の吐出口列の前記交差方向における間に位置するように、前記第2、第4、第5、第6の吐出口列が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記第1の色のインクによって前記第1、第2、第3の領域に記録する画像に対応する第1の画像データを取得し、且つ、前記第2の色のインクによって前記第1、第2、第3の領域に記録する画像に対応する第2の画像データを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記第2の領域に記録する画像に対応する前記第1の画像データを前記第1の吐出口列と前記第3の吐出口列に分配することにより、前記第1の吐出口列に対応する前記第1の画像データと前記第3の吐出口列に対応する前記第1の画像データを生成し、且つ、前記取得手段によって取得された前記第5の領域に記録する画像に対応する前記第2の画像データを前記第2の吐出口列と前記第4の吐出口列に分配することにより、前記第2の吐出口列に対応する前記第2の画像データと前記第4の吐出口列に対応する前記第2の画像データを生成する分配手段と、
    前記取得手段によって取得された前記第1の領域に記録する画像に対応する前記第1の画像データと、前記分配手段によって生成された前記第1の吐出口列に対応する前記第1の画像データと、に基づいて、前記第1の吐出口列からの記録に用いる第1の記録データを生成し、且つ、前記取得手段によって取得された前記第3の領域に記録する画像に対応する前記第1の画像データと、前記分配手段によって生成された前記第3の吐出口列に対応する前記第1の画像データと、に基づいて、前記第3の吐出口列からの記録に用いる第2の記録データを生成する第1の生成手段と、
    前記取得手段によって取得された前記第4の領域に記録する画像に対応する前記第2の画像データと、前記分配手段によって生成された前記第2の吐出口列に対応する前記第2の画像データと、に基づいて、前記第2の吐出口列からの記録に用いる第3の記録データを生成し、且つ、前記取得手段によって取得された前記第6の領域に記録する画像に対応する前記第2の画像データと、前記分配手段によって生成された前記第4の吐出口列に対応する前記第2の画像データと、に基づいて、前記第4の吐出口列からの記録に用いる第4の記録データを生成する第2の生成手段と、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記分配手段は、前記第1の吐出口列から前記第2の領域内の前記交差方向における第1の位置に記録する画像に対応する前記第1の画像データが、前記第3の吐出口列から前記第2の領域内の前記交差方向における前記第1の位置に記録する画像に対応する前記第1の画像データよりも大きくなり、且つ、前記第1の吐出口列から前記第2の領域内の前記交差方向における前記第1の位置よりも前記第3の領域に近い第2の位置に記録する画像に対応する前記第1の画像データが、前記第3の吐出口列から前記第2の領域内の前記交差方向における前記第2の位置に記録する画像に対応する前記第1の画像データよりも小さくなるように、前記第1の画像データを前記第1の吐出口列と前記第3の吐出口列に分配することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記分配手段は、前記第2の吐出口列から前記第5の領域内の前記交差方向における第3の位置に記録する画像に対応する前記第2の画像データが、前記第4の吐出口列から前記第5の領域内の前記交差方向における前記第3の位置に記録する画像に対応する前記第2の画像データよりも大きくなり、且つ、前記第2の吐出口列から前記第5の領域内の前記交差方向における前記第3の位置よりも前記第6の領域に近い第4の位置に記録する画像に対応する前記第2の画像データが、前記第4の吐出口列から前記第5の領域内の前記交差方向における前記第4の位置に記録する画像に対応する前記第2の画像データよりも小さくなるように、前記第2の画像データを前記第2の吐出口列と前記第4の吐出口列に分配することを特徴とする請求項5または6に記載の記録装置。
  8. 前記第1の色のインクはカラーインクであって、前記第2の色のインクはブラックインクであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記記録媒体の表面は、白色であることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. 前記第1の記録部と前記第2の記録部は、互いに異なる記録ヘッドであって、
    前記記録ユニットは、前記第1の記録部と前記第2の記録部を保持する保持部を更に有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 前記第1の領域と前記第4の領域は、それぞれ前記記録媒体上の前記交差方向における一方の端部を少なくとも含む領域であって、
    前記第3の領域と前記第6の領域は、それぞれ前記記録媒体上の前記交差方向における他方の端部を少なくとも含む領域であって、
    前記第2の領域と前記第5の領域は、それぞれ前記記録媒体上の前記交差方向における中央部を少なくとも含む領域であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の記録装置。
  12. 前記第4の領域の前記交差方向における距離は、前記第1の領域の前記交差方向における距離よりも長く、
    前記第6の領域の前記交差方向における距離は、前記第3の領域の前記交差方向における距離よりも長いことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の記録装置。
  13. 前記記録ユニットは、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向において互いに同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の記録装置。
  14. 第1の色のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の色よりも明度が高い第2の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットを用いて記録を行う記録方法であって、
    前記記録ユニットを前記第1、第2の色よりも明度が高い記録媒体に対して前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査工程と、
    前記走査工程における記録走査において前記記録ユニットから前記記録媒体に対して前記第1、第2の色のインクを吐出させて画像記録を行う記録制御工程と、を有し、
    前記記録ユニットにおいて、前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の距離よりも長い第2の距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられており、
    前記記録制御工程は、前記走査工程における同一の記録走査において、(i)前記第1の吐出口列から前記記録媒体上の第1の領域と、前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域と、に対して前記第1の色のインクを吐出させ、(ii)前記第3の吐出口列から前記第2の領域と、前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域と、に対して前記第1の色のインクを吐出させ、
    前記記録制御工程は、前記走査工程における同一の記録走査において、(iii)前記第2の吐出口列から前記記録媒体上の第4の領域と、前記記録媒体上の前記第4の領域と前記交差方向に隣接し、前記第2の領域よりも前記交差方向における距離が短い第5の領域と、に対して前記第2の色のインクを吐出させ、(iv)前記第4の吐出口列から前記第5の領域と、前記記録媒体上の前記第5の領域と前記交差方向に隣接する第6の領域と、に対して前記第2の色のインクを吐出させることを特徴とする記録方法。
  15. 第1の色のインクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された第1の吐出口列と、前記第1の色よりも明度が高い第2の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第2の吐出口列と、が少なくとも設けられた第1の記録部と、前記第1の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第3の吐出口列と、前記第2の色のインクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された第4の吐出口列と、が少なくとも設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットであって、
    前記第1の記録部の前記第1の吐出口列と前記第2の記録部の前記第3の吐出口列との前記交差方向における間の距離が第1の距離となり、前記第1の記録部の前記第2の吐出口列と前記第2の記録部の前記第4の吐出口列の前記交差方向における間の距離が前記第1の距離よりも長い第2の距離となるように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする記録ユニット。
  16. 前記第1の吐出口列と前記第3の吐出口列の両方が前記第2の吐出口列と前記第4の吐出口列の前記交差方向における間に位置するように、前記第1、第2、第3、第4の吐出口列が設けられていることを特徴とする請求項15に記載の記録ユニット。
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