JP2018015981A - 記録装置および記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ユニットの速度の変化による画質低下を抑制しつつ、記録時間の短縮や記録装置の小型化を達成する。【解決手段】インクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1の記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2の記録部とを有し、記録ユニットのうちの両方の記録部で記録を行う領域内での加減速中に記録する幅が、片方の記録部のみで記録を行う領域内での加減速中に記録する幅よりも短くなるように、加減速記録を制御する。【選択図】図7
Description
本発明は、記録装置および記録方法に関する。
インクを吐出する複数の吐出口を配列した吐出口列を有する記録ユニットを記録媒体の単位領域に対して相対的に移動させながらインクの吐出を行う記録走査を繰り返し実行して画像を記録する記録装置が知られている。
このような記録装置では、記録媒体に対する記録時間の短縮が従来より求められている。このような記録時間の短縮を達成するため、特許文献1には記録ユニットとして走査方向の左側と右側のそれぞれに複数色のインクを吐出する複数の吐出口列を備えた記録部を1つずつ設けた記録ユニットを用いることが記載されている。同文献では、上述のような記録ユニットを用い、記録媒体上の走査方向左側の領域には左側の記録部のみから、また、走査方向右側の領域には右側の記録部のみからインクを吐出する。これにより、記録ユニットを記録媒体上の左側端部と対向する位置から右側端部と対向する位置までの全域に走査させなくとも記録を完了することができるため、記録時間を短縮することが可能となる。
上述のような記録ユニットを用い、記録媒体上の走査方向における全域に対して左側の記録部と右側の記録部のいずれかのみによって記録を行った場合、左側の記録部によって記録した領域と右側の記録部によって記録した領域の境界において得られる画像の画質が低下する虞がある。この点を鑑み、特許文献1では、記録媒体上の走査方向における中央部に対しては左側の記録部と右側の記録部の両方によって分担して記録することにより上述の画質の低下を抑制している。
ここで、記録ユニットを移動する際には一般に記録ユニットの移動開始直後は加速処理を、移動終了直前には減速処理をそれぞれ行うことが知られている。このような記録ユニットの加減速処理を実行中は記録ユニットの移動速度が時間につれて変化するため、吐出されたインクの走査方向における着弾位置がずれてしまう虞がある。上記の点を鑑み、特許文献1には記録ユニットの加減速処理の実行中には画像を記録するためのインクの吐出は行わず、記録ユニットの吐出特性を維持するためのインクの予備吐出を記録媒体の外部に実行することが開示されている。同文献によれば、記録ユニットの加減速処理を行っていない状態、すなわち記録ユニットを等速で移動させている状態で画像を記録するためのインクの吐出を行うことができるため、着弾位置ずれによる画質低下が生じないような記録を行うことが可能となる。
しかしながら、特許文献1では画像の記録を伴わずに記録ユニットの加速や減速を行わなければならないため、記録ユニット内の少なくとも一方の記録部が記録媒体と対向しない位置で加速や減速を行う必要がある。これにより、記録ユニットの1回の記録走査に掛かる移動時間が増え、記録時間の延長に繋がってしまう。更に、記録ユニットの移動幅も増えるため、記録装置内における記録ユニットの可動範囲を広く設けなければならず、記録装置が大型化してしまう。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、記録ユニットの移動速度の変化による画質低下を抑制しつつ、記録時間の短縮や記録装置の小型化を達成することを目的とする。
そこで、本発明は、インクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1の記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、第1のタイミングから前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングまでは前記記録ユニットの移動速度を加速させるように、前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、前記走査手段による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対してインクを吐出させて記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、前記記録制御手段は、前記第2のタイミングにおいて前記第1の記録部から前記第1の領域内の前記交差方向における端部と異なる第1の位置に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域内の第2の位置に対してインクを吐出させることを特徴とする。
本発明に係る記録装置によれば、記録ユニットの移動速度の変化による画質低下を抑制しつつ、記録時間の短縮や記録装置の小型化を達成することが可能となる。
(第1の実施形態)
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図1は本実施形態に係るインクジェット記録装置310の内部構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置(以下、プリンタ、記録装置とも称する)310は、記録ユニット101を備えている。記録ユニット101は、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rを有しており、これらの記録ヘッド102L、102Rは1つの保持部103によって保持されている。記録ヘッド102L、102Rそれぞれには、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを吐出するための吐出口列が1つずつ設けられているが、詳細については後述する。
なお、図2からわかるように、記録ヘッド102L、102RはY方向に同じ位置であって、X方向に互いに離間するような位置に設けられている。なお、ここでは記録ヘッド102L、102RがY方向に同じ位置に設けられた記録ユニット101を記載したが、同一走査で記録ヘッド102L、102Rの両方によって記録媒体上の少なくとも一部の領域を記録可能なように、Y方向に関して各色のインクを吐出する吐出口列に応じた記録領域が部分的にオーバーラップするように構成されていれば、記録ヘッド102L、102RがY方向にずれた位置に設けられていても良い。
記録ユニット101は、記録媒体に対し、X方向に延伸して設けられたガイドレール104に沿ってX方向(交差方向)に相対的に往復移動(走査)可能となっている。また、記録媒体106はプラテン107に支持されており、搬送ローラ105を回転させることによりY方向(搬送方向)へと搬送される。本実施形態におけるインクジェット記録装置310は、上述の記録ユニット101のX方向への走査を伴った記録動作と、搬送ローラ105による記録媒体106のY方向への搬送動作と、を繰り返し行うことにより、記録媒体106の全域に対する記録を完了する。
また、記録装置310には、プラテン107上の記録媒体106が通過しない位置に2つのインクの予備吐出受け部107L、107Rが設けられている。記録前や記録中にある吐出口からの吐出が長時間行われていない場合、その吐出口内においてインクの蒸発や濃縮が生じ、その結果インクの吐出量や吐出速度等の吐出特性が変化してしまうことがある。そのような場合であっても、所定のタイミングごとに予備吐出受け部107L、107Rに対して画像の記録に寄与しない記録ユニット101からの予備吐出を行うことにより、各吐出口におけるインクの吐出特性を維持することができる。
なお、本実施形態ではパルプを基材とし、基材上にアルミナやシリカを塗布することで受容層を形成した記録媒体106を用いるが、インクが内部に浸透可能な記録媒体であれば適宜使用することができる。
図2は本実施形態で用いる記録ユニット101の詳細を示す図である。なお、図2(a)には記録ユニット101をXY平面に対して鉛直下方から見た図を模式的に示している。また、図2(b)には記録ユニット101をY方向から見た図を模式的に示している。
本実施形態における記録ユニット101内には、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102RがX方向に距離Wだけ離間して設けられている。そして、記録ヘッド102Lには、X方向左側からシアンインクを吐出する吐出口列111C、マゼンタインクを吐出する吐出口列111M、イエローインクを吐出する吐出口列111Y、ブラックインクを吐出する吐出口列111Kの順番で4つの吐出口列111C、111M、111Y、111Kが配置されている。一方、記録ヘッド102RにはX方向左側からブラックインクを吐出する吐出口列112K、シアンインクを吐出する吐出口列112C、マゼンタインクを吐出する吐出口列112M、イエローインクを吐出する吐出口列112Yの順番で4つの吐出口列112C、112M、112Y、112Kが配置されている。
なお、記録ヘッド102L内の4つの吐出口列111C、111M、111Y、111Kは、互いに同じ距離dだけ離間して配置されている。同様に、記録ヘッド102R内の4つの吐出口列112C、112M、112Y、112Kもまた互いに同じ距離dだけ離間しながら配置されている。また、8つの吐出口列それぞれには、それぞれのインクを吐出する複数の吐出口(不図示)がY方向(所定方向)に配列されている。
ここで、図2(a)からわかるように、本実施形態で用いる記録ユニット101は、明度が低いインクであるブラックインクを吐出する吐出口列111K、112K間の距離が、ブラックインクよりも明度が高いイエローインクを吐出する吐出口列111Y、112Y間の距離よりも短くなるように、各吐出口列が配置されている。同様に、ブラックインクを吐出する吐出口列111K、112K間の距離は、ブラックインクよりも明度が高いシアンインクを吐出する吐出口列111C、112C間の距離、およびブラックインクよりも明度が高いマゼンタインクを吐出する吐出口列111M、112M間の距離よりも短くなっている。
なお、本実施形態では記録ユニット101内での各吐出口列の配列順序は他の順序であっても良い。
記録ヘッド102L内の各吐出口列内の吐出口は、不図示の流路を介してそれぞれのインクを収納するインクタンクに接続されている。詳細には、吐出口列111Cに配列された吐出口はシアンインクを収納するインクタンク108Cに、吐出口列111Mに配列された吐出口はマゼンタインクを収納するインクタンク108Mに、吐出口列111Yに配列された吐出口はイエローインクを収納するインクタンク108Yに、吐出口列111Kに配列された吐出口はブラックインクを収納するインクタンク108Kにそれぞれ接続されている。同様に、記録ヘッド102R内の吐出口列112Cに配列された吐出口はシアンインクを収納するインクタンク109Cに、吐出口列112Mに配列された吐出口はマゼンタインクを収納するインクタンク109Mに、吐出口列112Yに配列された吐出口はイエローインクを収納するインクタンク109Yに、吐出口列112Kに配列された吐出口はブラックインクを収納するインクタンク109Kにそれぞれ接続されている。
なお、ここでは同色のインクを吐出する記録ヘッド102L内の吐出口列と記録ヘッド102R内の吐出口列は異なるインクタンクに接続される形態について記載したが、1つの同じインクタンクに接続される形態であっても良い。また、異なるインクタンクを用いる場合と同じインクタンクを用いる場合のいずれであっても、インクタンクを支持部103のX方向中央側に寄せて設けることにより記録ユニットを小型化することができる。しかしながら、小型化を考えないのであれば、例えば2つの異なるインクタンクを用いる場合には、それぞれの記録ヘッドとインクタンクのX方向の中央部がおおよそ一致するように設計しても良い。
図3は記録ユニット101を用いて記録媒体106に記録を行う際の様子を説明するための模式図である。なお、図3に示す2つの記録ユニット101のうち、破線にて記載したX方向左側に位置する記録ユニット101は、X方向左側から右側へと走査させる場合において記録媒体106に対する記録を開始するタイミングにおける記録ユニット101の位置を示している。また、実線にて記載したX方向右側に位置する記録ユニット101は、X方向左側から右側へと走査させる場合において記録媒体106に対する記録を終了するタイミングにおける記録ユニット101の位置を示している。なお、実際には後述する記録ユニット101の加減速制御や吐出特性を維持するための予備吐出受け部107L、107Rへの予備吐出制御を行うため、図3に示した2つの記録ユニット101よりもX方向外部にも記録ユニット101は走査される。
以下の説明では記録媒体106のX方向左側の端部位置を位置X1、記録媒体106のX方向右側の端部位置を位置X4と記載する。また、位置X1よりもX方向右側の所定位置を位置X2、位置X4よりもX方向左側の所定位置を位置X3と記載する。このように位置X1〜X4を定義した上で、記録媒体上の位置X1から位置X2までのX方向左側の領域を領域A1、記録媒体上の位置X2から位置X3までのX方向中央の領域を領域A2、記録媒体上の位置X3から位置X4までのX方向右側の領域を領域A3として記載する。したがって、位置X1は領域A1内の領域A2と反対側の端部、位置X2は領域A1内の領域A2側の端部または領域A2内の領域A1側の端部と言える。同様に、位置X4は領域A3内の領域A2と反対側の端部、位置X3は領域A3内の領域A2側の端部または領域A2内の領域A3側の端部と言える。
ここで、領域A1は記録ヘッド102Rからはインクを吐出せず、記録ヘッド102Lからのインクの吐出のみによって記録を行う領域である。また、領域A3は記録ヘッド102Lからはインクを吐出せず、記録ヘッド102Rからのインクの吐出のみによって記録を行う領域である。
一方、領域A2は記録ヘッド102L、102Rの両方からのインクの吐出によって記録を行う領域である。したがって、本実施形態では後述する記録ヘッド分配処理を行うことで領域A2に対応するデータを分割し、記録ヘッド102Rと記録ヘッド102Lの両方を用いた領域A2に対する分担記録を行うために用いる記録データを生成する。
以上記載したように、本実施形態では記録媒体106をX方向に3分割し、領域A1と、領域A1とX方向に隣接する領域A2と、領域A2とX方向に隣接する領域A3と、の3つの領域ごとにインクを吐出する記録ヘッドを異ならせて記録を行う。詳細には、X方向左側の領域A1には記録ヘッド102Lのみによって、X方向右側の領域A3には記録ヘッド102Rのみによって、また、X方向中央の領域A2には記録ヘッド102L、102Rの両方によってインクを吐出して記録を行う。
なお、領域A1、A2、A3のX方向における幅は、後述する記録ユニット101の加減速制御を行う領域に応じて定められる。この点については後述する。
図4は、本実施形態における記録制御系の概略構成を示すブロック図である。本実施形態における記録制御系は、図2に示したプリンタ310と、そのホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)300と、から構成される。
PC300は、以下の要素を有して構成される。CPU301は、記憶手段であるRAM302やHDD303に保持されているプログラムに従った処理を実行する。RAM302は、揮発性のメモリであり、プログラムやデータを一時的に保持する。HDD303は、不揮発性のメモリであり、同じくプログラムやデータを保持する。本実施形態では、データ転送I/F(インターフェース)304は、プリンタ310との間におけるデータの送受信を制御する。このデータ送受信の接続方式としては、USB、IEEE1394、LAN等を用いることができる。キーボード・マウスI/F305は、キーボードやマウス等のHID(Human Interface Device)を制御するI/Fであり、ユーザーは、このI/Fを介して入力を行うことができる。ディスプレイI/F306は、ディスプレイ(不図示)における表示を制御する。
一方、プリンタ310は、以下の要素を有して構成される。CPU311は、RAM312やROM313に保持されているプログラムに従い、後述する各処理を実行する。RAM312は、揮発性のメモリであり、プログラムやデータを一時的に保持する。ROM313は不揮発性のメモリであり、後述する処理で使用するテーブルデータやプログラムを保持することができる。データ転送I/F314は、PC300との間におけるデータの送受信を制御する。
左ヘッドコントローラ315Lと右ヘッドコントローラ315Rは、それぞれ図2に示した記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに対して記録データを供給するとともに、それぞれの記録ヘッド102L、102Rの吐出動作を制御(吐出制御)する。具体的には、左ヘッドコントローラ315Lは、RAM312の所定のアドレスから制御パラメータと記録データを読み込む構成とすることができる。そして、CPU311が、制御パラメータと記録データをRAM312の上記所定のアドレスに書き込むと、左ヘッドコントローラ315Lにより処理が起動され、記録ヘッド102Lからのインク吐出が行われる。右ヘッドコントローラ315Rについても同様であり、RAM312の所定のアドレスにCPU311によって制御パラメータと記録データが書き込まれると、右ヘッドコントローラ315Rによる処理が実行され、記録ヘッド102Rからのインクの吐出が行われる。
(データの処理過程)
図5は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPU311が実行する記録に用いられる記録データ生成処理のフローチャートである。なお、この制御プログラムはROM313に予め格納されている。
図5は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPU311が実行する記録に用いられる記録データ生成処理のフローチャートである。なお、この制御プログラムはROM313に予め格納されている。
PC300から記録装置310にRGB形式で示されたRGBデータが取得されると、まずステップS801にてRGBデータを記録に用いるインクの色に対応するインク色データに変換する色変換処理を行う。この色変換処理により、複数の画素それぞれにおける階調値を定める8ビット256値の情報によって表されるインク色データが生成される。上述のように、本実施形態ではブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを記録に用いるため、ステップS801における色変換処理によってブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクそれぞれに対応するインク色データが生成されることになる。なお、色変換処理としては適宜異なる処理を実行しても良く、例えばROM313に予め記憶されたRGB値とCMYK値の対応関係を規定した3次元ルックアップテーブル(3D−LUT)を用いても良いし、更に四面体補完を実行しても良い。
次に、ステップS802にてCMYK値それぞれのインク色データが示す階調値を補正し、CMYK値それぞれ8ビット256値の情報によって表される階調補正データを生成する階調補正処理を実行する。この階調補正処理では、例えば補正前の各色のインクに対応するインク色データと補正後の各色のインクに対応する階調補正データの対応関係を規定した1次元ルックアップテーブル(1D−LUT)等を用いることができる。なお、この1D−LUTはROM313に予め格納されている。
次に、ステップS803にて階調補正データを量子化し、各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定める1ビット2値の情報によって表される量子化データ(画像データ)を生成する量子化処理を行う。量子化処理としては誤差拡散法やディザ法等、従来より知られている種々の処理を実行可能である。
次に、ステップS804にて各色のインクに対応する量子化データのうち、記録媒体上の領域A2に対応する量子化データを記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに分配する分配処理が実行される。更に、この分配処理では、記録ヘッド102Lに分配された量子化データと、記録媒体上の領域A1に対応する量子化データと、の論理和をとることにより、記録媒体に対する記録ヘッド102Lから各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定めた、記録ヘッド102Lに対応する分配データを生成する。同様に、記録ヘッド102Rに分配された量子化データと、記録媒体上の領域A3に対応する量子化データと、の論理和をとることにより、記録媒体に対する記録ヘッド102Rから各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定めた、記録ヘッド102Rに対応する分配データを生成する。なお、この左右ヘッド分配処理については後述する。
そして、ステップS805Lでは、記録ヘッド102Lに対応する分配データを記録媒体上の同じ単位領域に対して行われる複数回の走査(パス)に分配し、複数回の走査それぞれにおいて記録ヘッド102Lからのインクの吐出に用いられる記録ヘッド102L用の記録データを生成する。同様に、ステップS805Rでは記録ヘッド102Rに対応する分配データを複数回の走査に分配し、複数回の走査それぞれにおいて記録ヘッド102Rからのインクの吐出に用いられる記録ヘッド102R用の記録データを生成する。本実施形態では、ステップS805L、S805Rにて生成された記録ヘッド102L、102R用の記録データにしたがって、記録ヘッド102L、102Rからの吐出動作を実行する。なお、ステップS805L、S806における処理は、例えば複数回の走査に対応し、それぞれ記録の許容を定める記録許容画素と記録の非許容を定める非記録許容画素が配置された複数のマスクパターンを用いることにより行うことができる。なお、この複数のマスクパターンはROM313に予め格納されている。
なお、ここでは1つの単位領域に対して複数回の走査を行う形態について記載したが、単位領域に対して1回だけ走査を行って記録を行っても良い。この場合、ステップS805L、S805Rにおける処理は省略することができる。
また、ここではステップS801〜S805L、S805Rにおける全ての処理をプリンタ310内のCPU311が実行する形態について記載したが、PC300内のCPU301がステップS801〜S805L、S805Rの一部あるいは全ての処理を実行しても良い。
図6は本実施形態におけるステップS804での左右ヘッド分配処理で用いる分配パターンを示す模式図である。ここで、図6(a)は記録媒体上の領域A2に対応する量子化データを記録ヘッド102Lに分配するための分配パターンを模式的に示す図である。また、図6(b)は記録媒体上の領域A2に対応する量子化データを記録ヘッド102Rに分配するための分配パターンを模式的に示す図である。なお、これらの分配パターンはROM313に予め格納されている。
また、図6(c)は本実施形態におけるステップS804での左右ヘッド分配処理を実行した結果、量子化データが記録ヘッド102Lに分配される比率にて規定される記録ヘッド102Lへの分配率と、量子化データが記録ヘッド102Rに分配される比率にて規定される記録ヘッド102Rへの分配率と、を示している。なお、図6(c)のうちの実線部が記録ヘッド102Lへの分配率を、破線部が記録ヘッド102Rへの分配率をそれぞれ示している。
なお、ここでは簡単のため、領域A2がX方向に14画素のサイズを有する領域であるとして記載する。したがって、図6(a)、(b)それぞれに示す記録ヘッド102L、102Rに対応する分配パターンもまたX方向に14画素のサイズを有している。また、図6(a)、(b)に示す分配パターンはY方向に8画素のサイズを1つの繰り返し単位として構成されており、Y方向に対してはこれらの分配パターンを繰り返し用いることにより領域A2全域に対して左右ヘッド分配処理を完了する。
ここで、図6(a)、(b)それぞれに示す分配パターンのうち、黒く塗り潰された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合にインクの吐出を許容する画素を示している。また、白抜けで示された画素が量子化データによってインクの吐出が定められていた場合であってもインクの吐出を非許容する画素を示している。
図6(a)、(b)からわかるように、本実施形態で使用する記録ヘッド102Lに対応する分配パターンと記録ヘッド102Rに対応する分配パターンは互いに排他的且つ補完的な位置にインクの吐出の許容が定められている。したがって、例えば領域A2に対応する量子化データとして全画素に対してインクの吐出を定めるような量子化データが取得された場合、領域A2内の全ての画素に対して記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rのいずれか一方から1回だけインクを吐出するように、左右ヘッド分配処理を行うことができる。
更に、図6(a)、(b)からわかるように、本実施形態で用いる記録ヘッド102L、102Rに対応する分配パターンは、いずれも記録媒体上のX方向における位置にかかわらず全画素のうちの半数の画素においてインクの吐出の許容が定められている。
したがって、図6(a)、(b)に示す分配パターンを用いた場合、記録媒体上のX方向における全域に対する分配率は図6(c)のようになる。すなわち、領域A1に対応する量子化データは記録ヘッド102Rに分配されないため、領域A1においては記録ヘッド102Lへの分配率が100%となる。一方、領域A3に対応する量子化データは記録ヘッド102Lには分配されないので、領域A3においては記録ヘッド102Rへの分配率が100%となる。また、上述のように図6(a)、(b)に示す分配パターンはいずれもX方向における位置にかかわらず半数の画素においてインクの吐出が定められているため、領域A2においてはX方向における位置にかかわらず記録ヘッド102Lへの分配率が50%、記録ヘッド102Rへの分配率が50%となる。
このように、図6(a)、(b)に示す分配パターンを用いることにより、記録媒体上の領域A1、A2、A3のいずれの領域においても記録ヘッド102Lへの分配率と記録ヘッド102Rへの分配率の合計は100%となっていることがわかる。すなわち、量子化データを記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに分配し、領域A2を記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rで分担記録したとしても、領域A2に対するインクの吐出量が領域A1、A3に対するインクの吐出量に比べて所望の量から大きくずれることはない。
本実施形態では、以上に記載したようなデータ処理過程にしたがって取得されたRGBデータに基づいて記録に用いる記録データを生成し、その記録データにしたがって記録ユニット101からインクを吐出するように制御する。
(記録ユニットの加減速制御)
本実施形態では記録ユニット101の移動を開始した直後には記録ユニットを加速させ、所望の移動速度に到達した後には記録ユニットを等速で移動させ、その後記録ユニット101の移動を終了する直前に記録ユニットを減速させる。なお、本実施形態では同じ加速度で加速或いは減速を行うものとする。
本実施形態では記録ユニット101の移動を開始した直後には記録ユニットを加速させ、所望の移動速度に到達した後には記録ユニットを等速で移動させ、その後記録ユニット101の移動を終了する直前に記録ユニットを減速させる。なお、本実施形態では同じ加速度で加速或いは減速を行うものとする。
記録ユニットの移動速度が高いほど吐出されたインク滴は走査方向(X方向)に強い速度ベクトルを有することになるため、実際のインク滴の着弾位置は理想的なインク滴の着弾位置からずれることとなる。
このため、記録ユニットの加減速制御を行っている際にインクの吐出を行うと、加減速中のインクの吐出タイミングに応じてインクの着弾位置ずれが生じる虞がある。すなわち、加減速移動中に付与されたインクは等速移動中に付与されたインクに比べ、記録ユニットの移動速度が低いことに起因してインクの着弾位置が若干異なる位置となるのである。
ここで、記録媒体上の領域A2は記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rの両方を用いて記録を行う領域である。そして、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102RはX方向に互いに離間して設けられているため、領域A2内のX方向のある位置に対して記録ヘッド102Lから記録を行うタイミングと、同じ位置に対して記録ヘッド102Rから記録を行うタイミングと、は互いに異なるタイミングとなる。
すなわち、記録ユニット101の加減速中に領域A2に対して記録を行った場合、X方向に同じ位置に付与されるインク滴であっても、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rのどちらから付与されたかによって吐出時の記録ユニットの速度が異なる場合がある。例えば、領域A2内の左側のX方向における所定の位置に対し、記録ヘッド102Rからは加減速中の比較的遅い速度のタイミングで記録を行い、そのタイミングから暫く時間が経過した後、記録ヘッド102Lから比較的早い速度となったタイミングで記録を行うということが起こり得る。そのため、領域A2内のX方向に同じ位置に付与されたインクであっても、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rのどちらから付与されたかによってインクの着弾位置が異なるものとなってしまう。このように加減速中に領域A2に対して記録を行うと、インクの着弾位置が異なるものがX方向に同じ位置に混在してしまい、領域A2に記録される画像の画質が低減してしまう虞がある。
一方、記録媒体上の領域A1は、上述のように記録ユニット101内の記録ヘッド102Rからは記録を行わず、記録ヘッド102Lのみによって記録を行う領域である。したがって、記録ユニット101の加減速中に領域A1に対してインクを吐出した場合には記録ヘッド102Lからの吐出に伴う上述のインクの着弾位置のずれが生じる虞がある。しかしながら、記録ヘッド102Rからは領域A1に対してはインクを吐出しないため、インクの着弾位置が異なるものがX方向に混在することはない。このため、領域A1については、加減速中にインクを吐出したとしても領域A2に比べると画像の画質は低減しにくい。
同様に、記録媒体上の領域A3についても、加減速中にインクを吐出しても領域A2よりは画像の画質は低減しにくい。これは、領域A3に対しては記録ユニット101内の記録ヘッド102Lからは記録を行わず、記録ヘッド102Rのみによって記録を行うためである。
以上の点をまとめると、記録媒体上の領域A1、A2、A3のうち、加減速中に記録を行った場合、領域A1、A3に比べて領域A2において画質の低減の程度が大きくなる。
この点を鑑み、本実施形態では領域A2に対しては記録ユニットを等速で移動させながら記録を行い、且つ、領域A1、A3に対しては記録ユニットの加減速中であっても記録を許容する。
図7は本実施形態において記録媒体106上のある領域に対して1回の走査を行った場合における記録ユニット101内の記録ヘッド102L、102Rそれぞれの移動速度の変化を模式的に示す図である。
まず、図7に示すタイミングT1において記録ユニット101の加速を開始する。このタイミングT1では、記録ヘッド102Lは記録媒体と対向しないため、記録媒体106に対する記録は行われない。
次に、図7に示すタイミングT2において、記録ユニット101内の記録ヘッド102Lが記録媒体上の領域A1の左側の端部位置X1と対向し、領域A1に対する記録ヘッド102Lからの記録が開始される。このタイミングT2では所望の移動速度とするための加速は未だ途中であり、所望の速度の約半分の速度までしか到達していない。
次に、図7に示すタイミングT3では、記録ユニット101内の記録ヘッド102Rが領域A2の左側の端部位置X2に対向し、領域A2に対する記録ヘッド102Rからの記録が開始される。このタイミングT3では記録ヘッド102Lは未だ領域A1と対向しており、タイミングT2から開始された記録ヘッド102Lからの領域A1への記録を続行している。タイミングT3よりも後のタイミング(図7では省略)にて記録ヘッド102Lが位置X2に到達した後、記録ヘッド102Lからの領域A2への記録が開始される。
そして、このタイミングT3にてタイミングT1から開始された加速が終了し、タイミングT3以降は後述するタイミングT4までは記録ユニット101は等速で移動されることになる。
次に、図7に示すタイミングT4では、記録ユニット101内の記録ヘッド102Lが領域A2の右側の端部位置X3に対向し、記録ヘッド102Lからの領域A2に対する記録を終了する。なお、タイミングT4では記録ヘッド102Rは既に領域A3と対向している。タイミングT4よりも前のタイミング(図7では省略)にて記録ヘッド102Rは位置X3と対向しており、そのタイミングにて記録ヘッド102Rからの領域A2への記録が開始されている。
このタイミングT4において、タイミングT3から開始された等速での記録ユニット101の移動は終了し、タイミングT4以降は記録ユニットの減速が行われる。
次に、図7に示すタイミングT5において、記録ユニット内の記録ヘッド102Rが記録媒体上の領域A3の右側の端部位置X4と対向し、領域A4に対する記録ヘッド102Rからの記録が終了される。このタイミングT5では記録ユニット101の減速は未だ途中であり、先に等速で移動されていた際の速度の約半分までしか減速されていない。
そして、図7に示すタイミングT6において記録ユニット101の減速は終了し、記録ユニット101は停止することになる。
以上に記載した記録ユニット101の移動の過程をまとめると、本実施形態ではタイミングT1からタイミングT3までは記録ユニット101を加速させ、タイミングT3からタイミングT4までは記録ユニット101を等速で移動させ、タイミングT4からタイミングT6までは記録ユニット101を減速させていることがわかる。
ここで、図7からわかるように、タイミングT2からタイミングT3までは記録ユニット101を加速させながら領域A1内の左側の領域A1a1に記録ヘッド102Lから記録を行っている。そのため、タイミングT2からタイミングT3までの間に記録ヘッド102Lからインクを吐出すると、上述したように等速での移動時の速度で記録する場合に比べてX方向における着弾位置が異なるものとなるが、記録ヘッド102Rからは記録を行わないため、画質の低下はそれ程目立たない。更に、タイミングT2からタイミングT3は加速中ではあるが、等速での移動時の約半分よりは早い速度ではあるため、等速での移動時とそれ程大きな速度の違いはなく、等速の移動で記録された領域と比べるとX方向における着弾位置の異なりはそれ程大きなものではない。
また、領域A1内の右側の領域A1c1については、タイミングT3以降において記録ユニット101の等速での移動時に記録ヘッド102Lから記録が行われる。
一方、図7からわかるように、タイミングT3からタイミングT4までは記録ユニット101を等速で移動させる。そして、この間に領域A2内の全領域A2c1に対して記録ヘッド102L、記録ヘッド102Rの両方からの記録を完了させる。このように、領域A2については上述したようにインクの着弾位置が異なるものがX方向に同じ位置に混在した場合に画質の低減が大きなものとなる虞があるため、本実施形態では領域A2に対しては記録ユニット101の等速での移動時に記録を行うのである。
更に、図7からわかるように、領域A3内の左側の領域A3c1については、タイミングT4以前にて記録ユニット101の等速での移動時に記録ヘッド102Rから記録が行われる。
また、タイミングT4からタイミングT5までは記録ユニット101を減速させながら領域A3内の右側の領域A3d1に記録ヘッド102Rから記録を行う。そのため、タイミングT4からタイミングT5までの間にインクを吐出すると、加速時と同様に、等速での移動時の速度で記録する場合に比べてX方向における着弾位置が異なるものとなる。しかしながら、記録ヘッド102Lからは記録を行わないために画質の低下はそれ程目立たない。更に、タイミングT4からタイミングT5は減速中ではあるが、等速での移動時の約半分よりは早い速度ではあるため、等速での移動時とそれ程大きな速度の違いはなく、等速の移動で記録された領域と比べるとX方向における着弾位置の異なりはそれ程大きなものではない。
以上記載したように、本実施形態では記録ユニット内の一方の記録ヘッドのみを用いて記録を行う記録媒体上の領域の一部(A1a1、A3d1)では加減速時での記録を許容し、且つ、記録ユニット内の両方の記録ヘッドを用いて記録を行う記録媒体上の領域の全域(A2c1)に対しては加減速時の記録を許容せず、等速時でのみ記録を行う。
この構成により、記録ユニットの速度の変化による画質低下を抑制しつつ、記録時間の短縮や記録装置の小型化を達成することが可能となる。
次に、2つの比較形態を参照し、それらの比較形態における加減速制御と比較しながら、本実施形態における加減速制御を行うことで記録ユニットの速度変化による画質低下の抑制と、記録時間短縮や記録装置の小型化と、を両立できるメカニズムについて詳細に説明する。
1.第1の比較形態における加減速制御
第1の比較形態では、本実施形態では記録ユニットの等速での移動中に記録を行った領域A2に対しても、記録ユニットの加減速中に記録を行う。詳細には、領域A2内の記録ユニットの加減速中に記録を行う領域のX方向における幅と、領域A1、A3内の記録ユニットの加減速中に記録を行う領域のX方向における幅と、がほぼ等しくなる程度にて、記録ユニットの加減速中に領域A2に対して記録を行う。
第1の比較形態では、本実施形態では記録ユニットの等速での移動中に記録を行った領域A2に対しても、記録ユニットの加減速中に記録を行う。詳細には、領域A2内の記録ユニットの加減速中に記録を行う領域のX方向における幅と、領域A1、A3内の記録ユニットの加減速中に記録を行う領域のX方向における幅と、がほぼ等しくなる程度にて、記録ユニットの加減速中に領域A2に対して記録を行う。
なお、第1の比較形態では本実施形態で用いた記録ユニット101と異なる記録ユニットを用いるものとする。この記録ユニットには、本実施形態における記録ユニット101に設けられていた記録ヘッド102L、102Rの代わりに記録ヘッド201L、201Rが設けられている。
図8は第1の比較形態において記録媒体106上のある領域に対して1回の走査を行った場合における記録ユニット内の記録ヘッド201L、201Rそれぞれの速度の変化を模式的に示す図である。
図8に示すタイミングU1〜U6は、図7を用いて説明した本実施形態におけるタイミングT1〜T6と同じ動作を第1の比較形態にて行うタイミングをそれぞれ示している。詳細には、タイミングU1は記録ユニットの加速を開始するタイミングを示している。また、タイミングU2は記録ヘッド201Lが領域A1の左側の端部位置X1と対向し、領域A1に対する記録ヘッド201Lからの記録を開始するタイミングを示している。また、タイミングU3は記録ヘッド201Rが領域A2の左側の端部位置X2と対向し、領域A2に対する記録ヘッド201Rからの記録が開始されるタイミングを示している。また、タイミングU4は記録ヘッド201Lが領域A2の右側の端部位置X3と対向し、領域A2に対する記録ヘッド201Lからの記録を終了するタイミングを示している。また、タイミングU5は記録ヘッド201Rが領域A3の右側の端部位置X4と対向し、領域A3に対する記録ヘッド201Rからの記録を終了するタイミングを示している。また、タイミングU6は記録ユニットの減速を終了するタイミングを示している。
なお、タイミングU1にて開始された加速はタイミングU3よりも後のタイミングU3´で終了する。その後、タイミングU4よりも前のタイミングU4´にて減速が開始され、タイミングU6にてその減速を終了する。
ここで、図8からわかるように、タイミングU2からタイミングU3´までは記録ユニットを加速させながら領域A1内の左側の領域A1a2に記録ヘッド201Lから記録を行う。また、領域A1内の右側の領域A1c2については、タイミングU3´以降において記録ユニットを等速で移動させながら記録ヘッド201Lから記録が行われる。すなわち、第1の比較形態では、領域A1のうちの左側の領域A1a2は加速中に、右側の領域A1c2は等速での移動中に記録ヘッド201Lから記録が行われる。
また、タイミングU4´からタイミングU5までは記録ユニットを減速させながら領域A3内の右側の領域A3d2に対して記録ヘッド201Rから記録を行う。また、領域A3内の左側の領域A3c2に対しては、タイミングU4´以前において記録ユニットを等速で移動させながら記録ヘッド201Rから記録が行われる。すなわち、第1の比較形態では、領域A3のうちの右側の領域A3d2は減速中に、左側の領域A3c2は等速での移動中に記録ヘッド201Rから記録が行われる。
一方、第1の比較形態では、記録ヘッド201L、201Rの両方からインクを吐出する領域A2についても加減速中に記録を行う。詳細には、領域A2のうちの左側の領域A2a2に対しては、記録ヘッド201LからはタイミングU3´以降にて等速での移動中に記録を行うものの、記録ヘッド201RからはタイミングU3からタイミングU3´までの間、すなわち加速中に記録を行うことになる。また、領域A2のうちの右側の領域A2d2に対しては、記録ヘッド201Rからは等速での移動中に記録を行うものの、記録ヘッド201LからはタイミングU4´からタイミングU4までの間、すなわち減速中に記録を行うことになる。なお、領域A2のうちの中央の領域A2c2に対しては記録ヘッド102L、102Rの両方から等速での移動中に記録を行う。
領域A2についてまとめると、第1の比較形態では、領域A2のうちの左側の領域A2a2と右側の領域A2d2は記録ヘッド201L、201Rのうちの一方からは加減速中に記録が行われることになる。そのため、上述のように領域A2a2、A2d2において記録ヘッド201Lから付与されたインク滴と記録ヘッド201Rから付与されたインク滴の間に着弾位置の違いが生じる虞がある。
そして、図8からわかるように、第1の比較形態では領域A2内の記録ユニットの加減速中に記録を行う領域A2a2、A2d2のX方向における幅と、領域A1、A3内の記録ユニットの加減速中に記録を行う領域A1a2、A3d2のX方向における幅と、が等しくなる。すなわち、記録ヘッド201L、201Rそれぞれから付与されたインク滴の着弾位置の違いが生じ易い領域A1a2、A3d2が比較的広い幅で存在することになるため、画質の低下が目立ち易くなってしまう。
2.第2の比較形態における加減速制御
第2の比較形態では、本実施形態では記録ユニットの加減速中における記録を許容した領域A1、A3に対しても、記録ユニットの等速での移動中にのみ記録を許容する。すなわち、領域A1、A2、A3のいずれに対しても記録ユニットの加減速中には記録を行わず、等速での移動中にのみ記録を行う。
第2の比較形態では、本実施形態では記録ユニットの加減速中における記録を許容した領域A1、A3に対しても、記録ユニットの等速での移動中にのみ記録を許容する。すなわち、領域A1、A2、A3のいずれに対しても記録ユニットの加減速中には記録を行わず、等速での移動中にのみ記録を行う。
なお、第2の比較形態では本実施形態で用いた記録ユニット101と異なる記録ユニットを用いるものとする。この記録ユニットには、本実施形態における記録ユニット101に設けられていた記録ヘッド102L、102Rの代わりに記録ヘッド202L、202Rが設けられている。
図9は第2の比較形態において記録媒体106上のある領域に対して1回の走査を行った場合における記録ユニット内の記録ヘッド202L、202Rそれぞれの速度の変化を模式的に示す図である。
図9に示すタイミングV1〜V6は、図7を用いて説明した本実施形態におけるタイミングT1〜T6と同じ動作を第2の比較形態にて行うタイミングをそれぞれ示している。詳細には、タイミングV1は記録ユニットの加速を開始するタイミングを示している。また、タイミングV2は記録ヘッド202Lが領域A1の左側の端部位置X1と対向し、領域A1に対する記録ヘッド202Lからの記録を開始するタイミングを示している。また、タイミングV3は記録ヘッド202Rが領域A2の左側の端部位置X2と対向し、領域A2に対する記録ヘッド202Rからの記録が開始されるタイミングを示している。また、タイミングV4は記録ヘッド202Lが領域A2の右側の端部位置X3と対向し、領域A2に対する記録ヘッド202Lからの記録を終了するタイミングを示している。また、タイミングV5は記録ヘッド202Rが領域A3の右側の端部位置X4と対向し、領域A3に対する記録ヘッド202Rからの記録を終了するタイミングを示している。また、タイミングV6は記録ユニットの減速を終了するタイミングを示している。
なお、第2の比較形態では、タイミングV1にて開始された加速はタイミングV2で終了する。その後、タイミングV5にて減速が開始され、タイミングV6にてその減速を終了する。
ここで、図9からわかるように、第2の比較形態ではタイミングV3からタイミングV4までは記録ユニットを等速で移動させながら領域A2内の全域A2c3に対して記録ヘッド202Lと記録ヘッド202Rの両方を用いて記録が行われる。
一方、第2の比較形態ではタイミングV1からタイミングV2までの間、すなわち記録ユニットの加速中においては領域A1に対して記録を行わない。そして、タイミングV2以降、記録ユニットの加速が終了して等速で移動するようになってから領域A1の全域A1c3に対して記録ヘッド202Lから記録を行う。
また、第2の比較形態ではタイミングV5からタイミングV6までの間、すなわち記録ユニットの減速中においても領域A3に対する記録を行わない。タイミングV5以前、記録ユニットの減速が開始される前の等速で移動している際に領域A3の全域A3c3に対して記録が行われる。
このように、第2の比較形態では記録ユニットの加減速中には領域A2に対して記録を行わないため、上述の加減速に由来する記録ヘッド202L、202Rから付与されたインク滴の着弾位置の違いは生じず、画質の低下は目立ちにくい。
しかしながら、第2の比較形態においては片方の記録ヘッドのみで記録を行う領域である領域A1、A3に対しても加減速中には記録を行わないため、記録媒体に対する記録を行っていない状態で所望の速度に達するまで加減速を行わなければならない。そのため、図9におけるタイミングV1とタイミングV6それぞれにおける記録ユニット間の距離は、図7におけるタイミングT1からタイミングT6それぞれにおける記録ユニット101間の距離よりも長くなっている。言い換えると、第2の比較形態では本実施形態に比べて1回の走査に要する移動距離がなっている。このため、第2の比較形態では記録時間の延長や記録装置の大型化が発生してしまうのである。
以上説明したように、本実施形態と第1、第2の比較形態を比較することにより、本実施形態によって記録ユニットの速度の変化による画質低下を抑制しつつ、記録時間の短縮や記録装置の小型化を達成することが可能となることがわかる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、記録媒体上の記録ヘッド102L、102Rの両方で記録を行う領域A2に対して、加減速中での記録を許容せず、等速での移動中にのみ記録を行う形態について記載した。
上述した第1の実施形態では、記録媒体上の記録ヘッド102L、102Rの両方で記録を行う領域A2に対して、加減速中での記録を許容せず、等速での移動中にのみ記録を行う形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、記録ヘッド102Lのみで記録を行う領域A1、記録ヘッド102L、102Rの両方で記録を行う領域A2、記録ヘッド102Rのみで記録を行う領域A3のうち、領域A2に対して加減速中に記録を行う領域の幅が領域A1、A3に対して加減速中に記録を行う領域の幅よりも短くなるようにして記録を行う形態について記載する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
ここで、本実施形態では、第1の実施形態で用いた記録ユニット101と異なる記録ユニットを用いるものとする。この記録ユニットには、第1の実施形態における記録ユニット101に設けられていた記録ヘッド102L、102Rの代わりに記録ヘッド203L、203Rが設けられている。
図10は本実施形態において記録媒体106上のある領域に対して1回の走査を行った場合における記録ユニット内の記録ヘッド203L、203Rそれぞれの速度の変化を模式的に示す図である。
図10に示すタイミングW1〜W6は、図7を用いて説明した第1の実施形態におけるタイミングT1〜T6と同じ動作を第2の実施形態にて行うタイミングをそれぞれ示している。詳細には、タイミングW1は記録ユニットの加速を開始するタイミングを示している。また、タイミングW2は記録ヘッド203Lが領域A1の左側の端部位置X1と対向し、領域A1に対する記録ヘッド203Lからの記録を開始するタイミングを示している。また、タイミングW3は記録ヘッド203Rが領域A2の左側の端部位置X2と対向し、領域A2に対する記録ヘッド203Rからの記録が開始されるタイミングを示している。また、タイミングW4は記録ヘッド203Lが領域A2の右側の端部位置X3と対向し、領域A2に対する記録ヘッド203Lからの記録を終了するタイミングを示している。また、タイミングW5は記録ヘッド203Rが領域A3の右側の端部位置X4と対向し、領域A3に対する記録ヘッド203Rからの記録を終了するタイミングを示している。また、タイミングW6は記録ユニットの減速を終了するタイミングを示している。
なお、タイミングW1にて開始された加速はタイミングW3よりも後のタイミングW3´で終了する。その後、タイミングW4よりも前のタイミングW4´にて減速が開始され、タイミングW6にてその減速を終了する。
図10からわかるように、本実施形態では、タイミングW2からタイミングW3´までは記録ユニットを加速させながら領域A1内の左側の領域A1a4に対して記録ヘッド203Lから記録を行う。また、タイミングW3´以降では記録ユニットを等速で移動させながら領域A1内の右側の領域A1c4に対して記録ヘッド203Lからの記録を行う。すなわち、本実施形態では領域A1のうちの左側の領域A1a4は加速中に、右側の領域A1c4は等速での移動中に記録ヘッド203Lから記録が行われる。
また、タイミングW4´からタイミングW5までは記録ユニットを減速させながら領域A3内の右側の領域A3d4に対して記録ヘッド203Rから記録を行う。また、領域A3内の左側の領域A3c4に対しては、タイミングW4´以前に記録ユニットを等速で移動させながら記録ヘッド203Rから記録を行うことになる。すなわち、本実施形態では領域A3のうちの右側の領域A3d4は減速中に、左側の領域A3c4は等速での移動中に記録ヘッド203Rから記録が行われる。
一方、本実施形態では領域A2に記録を行う場合であっても加減速中に記録を許容する。但し、領域A2に対して加減速中に記録を行う領域はそれ程広くならないようにする。詳細には、領域A2内の加減速中に記録を行う領域の幅が領域A1、A3内の加減速中に記録を行う領域の幅よりも短くなるように、加減速中の記録を制御する。
図10からわかるように、領域A2内の左側の領域A2a4に対しては、記録ヘッド203LからはタイミングW3´以降にて等速での移動中に記録を行うものの、記録ヘッド203RからはタイミングW3からタイミングW3´までの間、すなわち加速中に記録を行う。また、領域A2内の右側の領域A2d4に対しては、記録ヘッド203RからはタイミングW4´以前にて等速での移動中に記録を行うものの、記録ヘッド203LからはタイミングW4´からタイミングW4までの間、すなわち減速中に記録を行う。また、領域A2内の領域A2a4、A2d4以外の領域である中央の領域A2c4に対しては、記録ヘッド203L、203Rの両方から等速での移動中に記録を行う。
言い換えると、本実施形態では領域A2のうちの左側の領域A2a4と右側の領域A2d4に対しては、記録ヘッド203L、203Rのうちの一方からは加減速中に、他方からは等速での移動中に記録が行われる。したがって、領域A2a4、領域A2d4においては、上述の記録ヘッド203Lから付与されたインク滴と記録ヘッド203Rから付与されたインク滴の間に着弾位置のずれが生じる虞はある。
しかしながら、図10からわかるように、本実施形態では領域A2内の記録ユニットの加減速中に記録を行う領域A2a4、A2d4のX方向における幅が、領域A1、A3内の記録ユニットの加減速中に記録を行う領域A1a4、A3d4のX方向における幅よりも短くなっている。このように、本実施形態では領域A2に対しても加減速中に記録を許容するものの、領域A2内で加減速中に記録を行う幅は比較的短くなるように制御している。したがって、領域A2a4、A2d4における記録ヘッド203L、203Rから付与されるインク滴の着弾位置の違いによる画質の低下はそれ程目立たないのである。
このように、本実施形態によれば、第1の実施形態ほどではないものの記録ユニットの速度変化に起因する画質低下を抑制できる。更に、第1の実施形態と同様に記録時間の短縮や記録装置の小型化を達成することができる。
(その他の実施形態)
なお、以上に説明した各実施形態では、左の記録ヘッドと右の記録ヘッドがある程度だけ離間して設けられた記録ユニットを記載したが、この離間の距離Wは少なくとも各記録ヘッド内の吐出口列間の距離dよりも長いことが好ましい。なお、記録ヘッド間の距離が長いほど記録時間を短縮することができるため、実際には所望の記録時間となるような距離だけ記録ヘッド間が離間されていることが好ましい。
なお、以上に説明した各実施形態では、左の記録ヘッドと右の記録ヘッドがある程度だけ離間して設けられた記録ユニットを記載したが、この離間の距離Wは少なくとも各記録ヘッド内の吐出口列間の距離dよりも長いことが好ましい。なお、記録ヘッド間の距離が長いほど記録時間を短縮することができるため、実際には所望の記録時間となるような距離だけ記録ヘッド間が離間されていることが好ましい。
また、以上に説明した各実施形態ではいずれも各記録ヘッドがシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクを吐出する吐出口列を1つずつ用いる形態について記載したが、その他の色のインクを吐出する吐出口列を用いるような形態であっても良い。また、同じ色のインクを吐出する吐出口列を1つの記録ヘッド当たり複数用いても良い。
また、以上に説明した各実施形態では、左右ヘッド分配処理において図6(a)、(b)に示すような分配パターンを用い、領域A2内のX方向における位置にかかわらず記録ユニット内の左側の記録ヘッドへの量子化データの分配率と右側の記録ヘッドへの量子化データの分配率が等しくなるように、2つの記録ヘッドに量子化データを分配する形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、図6(a)の分配パターンの代わりに図11(a)に示す分配パターンを、図6(b)の分配パターンの代わりに図11(b)に示す分配パターンをそれぞれ用いる形態であっても良い。図11(a)、(b)に示すような分配パターンを用いることにより、2つの記録ヘッド間に吐出特性の違いが生じたとしても、領域A1、A2間および領域A2、A3間での吐出量の急峻な変化を抑制することができるため、画質むらを低減することが可能となる。
また、以上に説明した各実施形態では、同じ種類のインクを吐出する複数の吐出口がY方向に配列された1つの列によって1つの吐出口列が構成される形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、同じ種類のインクを吐出する複数の吐出口がY方向に配列された列を2つ有し、その2列がX方向に互いにずれた位置であって、且つ、一方の列の吐出口が他方の列の吐出口間にインクを吐出可能なようにY方向に互いにずれた位置に配置されることによって1つの吐出口列が構成されても良い。
また、以上に説明した各実施形態では、記録ユニットとして異なる2つの記録ヘッドと、記録ヘッドを保持する保持部と、から構成される記録ユニットを用いる形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、浸透速度が互いに異なる2種類のインクを吐出する吐出口列をそれぞれ有する第1の記録部と第2の記録部を備え、第1、第2の記録部間のX方向における距離がある程度離間して配置された記録ユニットを用いる形態であれば各実施形態に記載した各記録部内での吐出口列の配置を行うことにより各実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、保持部を有さず、第1の記録部と第2の記録部が1つの記録ヘッド内に備えられた記録ユニットを用いる場合であっても各実施形態による効果を得ることができる。
また、以上に説明した各実施形態では、領域A1内の一部に対して記録ユニットの加速中に記録を許容し、且つ、領域A3内の一部に対して記録ユニットの減速中に記録を許容する形態について記載したが、片方だけが各実施形態における条件を満たしていれば良い。例えば、領域A3に対しては記録ユニットの減速中であっても記録を許容せず、領域A1に対してだけ記録ユニットの加速中での記録を許容するような形態であっても良い。逆に、領域A1に対しては記録ユニットの加速中であっても記録を許容せず、領域A3に対してだけ記録ユニットの減速中での記録を許容するような形態であっても良い。これらのような場合であっても、領域A1、A3の両方とも加減速中での記録を許容しない形態に比べると記録時間の短縮や記録装置の小型化を達成することができる。
101 記録ユニット
106 記録媒体
311 CPU
106 記録媒体
311 CPU
Claims (21)
- インクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1の記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、
第1のタイミングから前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングまでは前記記録ユニットの移動速度を加速させるように、前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、
前記走査手段による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対してインクを吐出させて記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、
前記記録制御手段は、前記第2のタイミングにおいて前記第1の記録部から前記第1の領域内の前記交差方向における端部と異なる第1の位置に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域内の第2の位置に対してインクを吐出させることを特徴とする記録装置。 - 前記記録制御手段は、前記第2のタイミングよりも前の第3のタイミングにおいて前記第1の記録部から前記第1の領域内の前記交差方向における前記第2の領域と反対側の端部に対してインクを吐出させることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記第2の位置は、前記第2の領域内の前記交差方向における前記第1の領域側の端部であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- 前記第1の領域内の前記交差方向における前記第2の領域と反対側の端部と、前記第1の位置と、の間の距離は、前記第2の領域内の前記交差方向における前記第1の領域側の端部と、前記第2の位置と、の間の距離よりも長いことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- 前記走査手段は、前記第1のタイミングから前記第2のタイミングまでは前記記録ユニットの移動速度を同じ加速度で加速させるように、前記記録ユニットを移動させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記第1のタイミングは、前記記録ユニットの移動を開始するタイミングであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記走査手段は、前記第2のタイミングよりも後の第4のタイミングから前記第4のタイミングよりも後の第5のタイミングまでは前記記録ユニットの移動速度を減速させるように、前記記録ユニットを移動させ、
前記記録制御手段は、前記第4のタイミングにおいて前記第2の記録部から前記第3の領域内の前記交差方向における端部と異なる第3の位置に対してインクを吐出させ、前記第1の記録部から前記第2の領域内の第4の位置に対してインクを吐出させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記走査手段は、前記第4のタイミングから前記第5のタイミングまでは前記記録ユニットの移動速度を同じ加速度で減速させるように、前記記録ユニットを移動させることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
- 前記第5のタイミングは、前記記録ユニットの移動を終了するタイミングであることを特徴とする請求項7または8に記載の記録装置。
- 前記走査手段は、前記第2のタイミングから前記第4のタイミングまでは前記記録ユニットをほぼ同じ移動速度にて移動させることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記第1の記録部は、第1の種類のインクを吐出するための第1の前記吐出口列と、前記第1の種類と異なる第2の種類のインクを吐出するための第2の前記吐出口列と、が設けられ、前記第2の記録部は、前記第1の種類のインクを吐出するための第3の前記吐出口列と、前記第2の種類のインクを吐出するための第4の前記吐出口列と、が設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記第1の記録部と前記第2の記録部は、互いに異なる記録ヘッドであって、
前記記録ユニットは、前記第1の記録部と前記第2の記録部を保持する保持部を更に有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記記録ユニットは、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向において互いに同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記第1の領域は、前記記録媒体上の前記交差方向における一方の端部を少なくとも含む領域であって、
前記第3の領域は、前記記録媒体上の前記交差方向における他方の端部を少なくとも含む領域であって、
前記第2の領域は、前記記録媒体上の前記交差方向における中央部を少なくとも含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の記録装置。 - インクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1の記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、
第1のタイミングから前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングまでは前記記録ユニットの移動速度を減速させるように、前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、
前記走査手段による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対してインクを吐出させて記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、
前記記録制御手段は、前記第1のタイミングにおいて前記第2の記録部から前記第3の領域内の前記交差方向における端部と異なる第1の位置に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域内の第2の位置に対してインクを吐出させることを特徴とする記録装置。 - インクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1の記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、
前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、
前記走査手段による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対してインクを吐出させて記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、
前記第2の領域内の前記記録ユニットを加速させて移動させる際に前記記録制御手段によって記録が行われる領域の前記交差方向における幅は、前記第1の領域内の前記記録ユニットを加速させて移動させる際に前記記録制御手段によって記録が行われる領域の前記交差方向における幅よりも短いことを特徴とする記録装置。 - 前記記録制御手段は、前記記録ユニットを加速させて移動させる際、前記第1の領域に対してインクを吐出し、且つ、前記第2の領域に対してインクを吐出しないことを特徴とする請求項16に記載の記録装置。
- インクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1の記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットと、
前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査手段と、
前記走査手段による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対してインクを吐出させて記録を行う記録制御手段と、を有する記録装置であって、
前記第2の領域内の前記記録ユニットを減速させて移動させる際に前記記録制御手段によって記録が行われる領域の前記交差方向における幅は、前記第3の領域内の前記記録ユニットを減速させて移動させる際に前記記録制御手段によって記録が行われる領域の前記交差方向における幅よりも短いことを特徴とする記録装置。 - 前記記録制御手段は、前記記録ユニットを減速させて移動させる際、前記第3の領域に対してインクを吐出し、且つ、前記第2の領域に対してインクを吐出しないことを特徴とする請求項18に記載の記録装置。
- インクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1の記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットを用いて記録を行う記録方法であって、
第1のタイミングから前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングまでは前記記録ユニットの移動速度を加速させるように、前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査方法と、
前記走査方法による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対してインクを吐出させて記録を行う記録制御方法と、を有し、
前記記録制御方法は、前記第2のタイミングにおいて前記第1の記録部から前記第1の領域内の前記交差方向における端部と異なる第1の位置に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域内の第2の位置に対してインクを吐出させることを特徴とする記録方法。 - インクを吐出する複数の吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1の記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2の記録部と、を有し、前記第1の記録部と前記第2の記録部が前記所定方向と交差する交差方向に互いに離間して配置された記録ユニットを用いて記録を行う記録方法であって、
第1のタイミングから前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングまでは前記記録ユニットの移動速度を減速させるように、前記記録ユニットを記録媒体に対し前記交差方向に相対的に移動させることにより記録走査を行う走査方法と、
前記走査方法による同一の記録走査において、前記第1の記録部から前記記録媒体上の第1の領域および前記記録媒体上の前記第1の領域と前記交差方向に隣接する第2の領域に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域および前記記録媒体上の前記第2の領域と前記交差方向に隣接する第3の領域に対してインクを吐出させて記録を行う記録制御方法と、を有し、
前記記録制御方法は、前記第1のタイミングにおいて前記第2の記録部から前記第3の領域内の前記交差方向における端部と異なる第1の位置に対してインクを吐出させ、前記第2の記録部から前記第2の領域内の第2の位置に対してインクを吐出させることを特徴とする記録方法。
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JP2016148019A JP2018015981A (ja) | 2016-07-28 | 2016-07-28 | 記録装置および記録方法 |
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