JP2017219675A - レンズ駆動用板バネ、レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】寸法公差に影響されず所望の力量調整を行うことができる板バネを提供する。【解決手段】レンズ駆動用の板バネ4は、弾性変形部分4Cにおいて、少なくとも2つの湾曲部分4C1,4C2と、2つの湾曲部分4C1,4C2の間と湾曲部分の外側にそれぞれ延設された線状部分4C3,4C4,4C5とを備え、2つの湾曲部分4C1,4C2の間に延設された線状部分4C3が、湾曲部分4C1,4C2の外側に延設された線状部分4C4,4C5の線幅に対して異なる線幅を有する力量調整部分4Dになっている。【選択図】図3
Description
本発明は、レンズ駆動用板バネ及びそれを用いたレンズ駆動装置に関するものである。
従来のレンズ駆動装置は、枠体と、枠体に取り付けられて光軸の方向に移動するレンズ枠と、光軸の方向に沿った駆動力をレンズ枠に付与して、光軸の方向にレンズ枠を移動させる駆動手段と、枠体とレンズ枠との間に配置され、駆動力の方向と逆の方向へレンズ枠を付勢する付勢手段である板バネとを備えている。板バネは、レンズ枠の光軸方向一端側と他端側の両方に配置されており、駆動手段の駆動力と板バネの弾性力とが釣り合う位置でレンズ枠が保持される。レンズ駆動装置の駆動手段は、一般に、レンズ枠と枠体の一方にコイルを配置して他方にマグネットを配置した電磁駆動方式であり、フォーカス信号などによってコイルへの通電量を変化させて駆動力を制御している。
前述したレンズ駆動装置において、駆動力の変化に対してレンズ枠の移動量がどの程度になるかは、板バネの力量(バネ定数)によることになる。このため、所望のAF感度を得るためには、板バネの力量調整が必要になる。
また、レンズ枠の光軸に沿った一端側(前側)と他端側(後側)に板バネを配置する場合、無通電時のレンズ枠の位置を所望のニュートラル位置に保つためには、レンズ枠の自重などを考慮して前後の板バネの力量に微妙な差を設けることが必要になる。このように前後の板バネの力量差を適性に設定するためにも、板バネの力量調整が必要になる。
板バネの力量調整を行うには、板バネの弾性変形部分の寸法や形状を調整することになるが、十分な弾性変形量を得るために弾性変形部分の形状が複雑な湾曲形状になっており、板バネ形成時の寸法公差を考慮した場合には、所望の力量調整を行うために弾性変形部分の寸法変更や形状変更を如何に行うか重大な課題になっている。
これまでは、弾性変形部分の全体的な長さや幅によって力量調整を行っているが、実際に形成される板バネの寸法公差によって生じる力量のばらつきが、力量調整の調整幅に対してオーバーラップしてしまい、所望の力量差を有する板バネを複数形成することが困難な問題があった。
このような課題を解決するために、本発明のレンズ駆動用板バネ或いはレンズ駆動装置は、以下の構成を具備するものである。
光軸に沿って駆動されるレンズ枠を枠体に弾性支持する板バネであって、前記レンズ枠の前記光軸に沿った一端側に取り付けられるレンズ枠側取付部分と、前記枠体の前記光軸に沿った一端側に取り付けられる枠体側取付部分と、前記レンズ枠側取付部分と前記枠体側取付部分との間で前記光軸に交差する方向に延設され、前記レンズ枠の前記光軸に沿った移動で弾性変形する弾性変形部分とを備え、前記弾性変形部分は、少なくとも2つの湾曲部分と、前記2つの湾曲部分の間と前記湾曲部分の外側にそれぞれ延設された線状部分とを備え、前記2つの湾曲部分の間に延設された線状部分が、前記湾曲部分の外側に延設された線状部分の線幅に対して異なる線幅を有する力量調整部分であることを特徴とするレンズ駆動用板バネ。
レンズを保持するレンズ枠と、前記レンズの光軸と同軸の開口を有する枠体と、前記レンズ枠を前記枠体に弾性支持する板バネと、前記レンズ枠を前記光軸に沿って移動させる駆動部とを備え、前記板バネは、前記レンズ枠の前記光軸に沿った一端側に取り付けられるレンズ枠側取付部分と、前記枠体の前記光軸に沿った一端側に取り付けられる枠体側取付部分と、前記レンズ枠側取付部分と前記枠体側取付部分との間で前記光軸に交差する方向に延設され、前記レンズ枠の前記光軸に沿った移動で弾性変形する弾性変形部分とを備え、前記弾性変形部分は、少なくとも2つの湾曲部分と、前記2つの湾曲部分の間と前記湾曲部分の外側にそれぞれ延設された線状部分とを備え、前記2つの湾曲部分の間に延設された線状部分が、前記湾曲部分の外側に延設された線状部分の線幅に対して異なる線幅を有する力量調整部分であることを特徴とするレンズ駆動装置。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
図1及び図2において、レンズ駆動装置1は、図示省略したレンズ(レンズバレル)を保持するレンズ枠2と、レンズの光軸Oと同軸の開口3Aを有する枠体3と、レンズ枠2を枠体3に弾性支持する板バネ(第1板バネ)4及び板バネ(第2板バネ)5と、レンズ枠3を光軸Oに沿って移動させる駆動部6(コイル6Aとマグネット6B)とを備えている。また、レンズ駆動装置1は、必要に応じて、枠体3に取り付けられるレンズ枠2や板バネ4,5を覆うカバー7を備えている。カバー7は、光軸Oと同軸の開口7Aを有する。
レンズ枠2は、円筒状の部材であり、光軸Oに沿った一端側と他端側の端面に板バネ取付部2B,2Cを備えている。図示の例では、レンズ枠2の外周にコイル支持部2Dが設けられ、そのコイル支持部2Dに光軸Oの回りに巻き回されるコイル6Aが装着されている。
枠体3は、開口3Aを有するベース部3Bと開口3Aの周りには設けられる支柱部3Cを備えており、支柱部3Cの内側にマグネット6Bが取り付けられている。支柱部3Cの上端部には、板バネ4が取り付けられる板バネ取付部3C1が設けられ、ベース部3Bには、板バネ5が取り付けられる板バネ取付部3B1が設けられている。枠体3は、他の支持部材に固定されていてもよいし、それ自体が他の支持部材に対して移動可能に支持されていてもよい。
駆動部6は、図示の例ではレンズ枠2側にコイル6Aを取り付け、枠体3側にマグネット6Bを取り付けているが、それとは逆に、レンズ枠2側にマグネットを取り付け、枠体3側にコイルを取り付けたものであってもよい。コイル6Aとマグネット6Bとの配置関係は、コイル6Aへの通電でレンズ枠2に光軸Oに沿った駆動力が生じるように配置されている。
板バネ4,5は、基本的には同様の構成を備えており、板バネ4,5は、レンズ枠2の光軸Oに沿った一端側に取り付けられるレンズ枠側取付部分4A,5Aと、枠体3の光軸Oに沿った一端側に取り付けられる枠体側取付部分4B,5Bと、レンズ枠側取付部分4A,5Aと枠体側取付部分4B,5Bとの間で光軸Oに交差する方向に延設され、レンズ枠2の光軸Oに沿った移動で弾性変形する弾性変形部分4C,5Cとを備えている。
ここでは、レンズ枠側取付部分4Aが、レンズ枠2の板バネ取付部2Bに取り付けられ、枠体側取付部分4Bが枠体3の板バネ取付部3C1に取り付けられる。また、レンズ枠取付部分5Aが、レンズ枠2の板バネ取付部2Cに取り付けられ、枠体側取付部5Bが、枠体3の板バネ取付部3B1に取り付けられる。
そして、図3に示すように、板バネ(第1板バネ)4の弾性変形部分4Cは、少なくとも2つの湾曲部分4C1,4C2を備えており、2つの湾曲部分4C1,4C2の間に線状部分4C3が延設され、湾曲部分4C1,4C2の外側に線状部分4C4,4C5が延設されている。ここで、2つの湾曲部分4C1,4C2の間に延設されている線状部分4C3を力量調整部分4Dとしており、この線状部分4C3が、湾曲部分4C1,4C2の外側に延設された線状部分4C4,4C5の線幅に対して異なる線幅になるように、所望の力量に応じて、光軸Oに交差する方向の線幅Wが調整されている。
板バネ(第2板バネ)5は、基本的には板バネ4と同様の構成を備えており、図4に示すように、弾性変形部分5Cにおいては、2つの湾曲部分5C1,5C2を備え、2つの湾曲部分5C1,5C2の間に線状部分5C3が延設され、湾曲部分5C1,5C2の外側に線状部分5C4,5C5が延設されている。そして、線状部分5C3が力量調整部分5Dになっている。
図示の例では、図4に示すように、板バネ(第2板バネ)5は、板バネ(第1板バネ)4とは、弾性変形部分の形状が異なっている。具体的には、線状部分5C3および線状部分5C5が板バネ4の線状部分4C3および線状部分4C5よりも短くなっている。本実施例では、上下の板バネ4,5の形状を異なるものにすることで、上下の板バネの力量差を生じさせている。そして、力量調整部分4D,5Dを用いることで、各板バネ4,5の力量がさらに調整される。ただし、他の実施例では、上下の板バネの形状は同じ形状であってもよい。
このような板バネ4,5を備えたレンズ駆動装置1は、板バネ4,5の力量調整を行う部分を線状部分4C3に特定しているので、幅Wの寸法公差に対して調整幅を大きく設定することで、寸法公差の影響を受けることなく所望の力量調整を行うことが可能になる。そして、所望の力量調整を行うことで、レンズ枠2の位置を所望のニュートラル位置に保つことができる。たとえば、レンズ枠2のニュートラル位置を、移動される頻度の高い位置(使用頻度の高い位置)とすることで、消費電力を抑えることができる。
なお、線状部分4C3の幅Wは、湾曲部分4C1,4C2の幅に対して徐々に変化させることが好ましい。これによって、弾性変形時の応力集中を防ぎ、所望の耐久性を維持することができる。
また、図示の例のように、弾性変形部分4Cとして複数の線状部分4C3,4C4,4C5を有するものでは、レンズ枠側取付部分4Aと枠体側取付部分4Bに繋がる線状部分4C4,4C5の幅を調整対象から外していることで、落下衝撃などの衝撃耐性を低下させることなく、所望の力量調整を行うことが可能になる。
図5は、(a)において、前述したレンズ駆動装置1を備えたカメラ10を示し、(b)において、レンズ駆動装置1を具備するカメラユニットを備えた携帯電子機器(携帯情報端末)20を示している。スマートフォンのような携帯電子機器20に搭載されるカメラユニットのレンズ駆動装置1は、口径数ミリのレンズを駆動するものであり、前述した板バネ4,5の弾性変形部分4Cにおける線幅Wは数十μmになる。このようなレンズ駆動装置1において、前述したように所望の力量調整がなされる板バネ4,5を採用することで、カメラ10或いは携帯電子機器20に搭載されるカメラユニットは、適性に感度調整がなされた精度の高いオートフォーカスを実現することができる。また、落下衝撃などの衝撃耐性にも優れている。
そして、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置1は、図5(a)に示したカメラ10に搭載することで、小型化が可能になると共に、高いオートフォーカス性能を得ることができる。また、図5(b)に示した携帯情報端末(携帯電話、スマートフォンなどを含む)20に搭載することで、機器全体の薄型化、カメラ機能部分の高機能化及び省スペース化が可能になる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1:レンズ駆動装置,2:レンズ枠,3:枠体,3A:開口,4,5:板バネ,
6:駆動部,6A:コイル,6B:マグネット,7:カバー,7A:開口,
4A,5A:レンズ枠側取付部分,4B,5B:枠体側取付部分,
4C,5C:弾性変形部分,
4C1,4C2,5C1,5C2:湾曲部分,
4C3,4C4,4C5,5C3,5C4,5C5:線状部分,
4D,5D:力量調整部分,W:線幅,O:光軸
6:駆動部,6A:コイル,6B:マグネット,7:カバー,7A:開口,
4A,5A:レンズ枠側取付部分,4B,5B:枠体側取付部分,
4C,5C:弾性変形部分,
4C1,4C2,5C1,5C2:湾曲部分,
4C3,4C4,4C5,5C3,5C4,5C5:線状部分,
4D,5D:力量調整部分,W:線幅,O:光軸
Claims (7)
- 光軸に沿って駆動されるレンズ枠を枠体に弾性支持する板バネであって、
前記レンズ枠の前記光軸に沿った一端側に取り付けられるレンズ枠側取付部分と、
前記枠体の前記光軸に沿った一端側に取り付けられる枠体側取付部分と、
前記レンズ枠側取付部分と前記枠体側取付部分との間で前記光軸に交差する方向に延設され、前記レンズ枠の前記光軸に沿った移動で弾性変形する弾性変形部分とを備え、
前記弾性変形部分は、少なくとも2つの湾曲部分と、前記2つの湾曲部分の間と前記湾曲部分の外側にそれぞれ延設された線状部分とを備え、
前記2つの湾曲部分の間に延設された線状部分が、前記湾曲部分の外側に延設された線状部分の線幅に対して異なる線幅を有する力量調整部分であることを特徴とするレンズ駆動用板バネ。 - 前記線状部分の線幅は、前記光軸に交差する方向の幅であることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動用板バネ。
- 前記線状部分の線幅は、前記2つ湾曲部分の線幅に対して徐々に変化していることを特徴とする請求項1または2記載のレンズ駆動用板バネ。
- レンズを保持するレンズ枠と、
前記レンズの光軸と同軸の開口を有する枠体と、
前記レンズ枠を前記枠体に弾性支持する板バネと、
前記レンズ枠を前記光軸に沿って移動させる駆動部とを備え、
前記板バネは、
前記レンズ枠の前記光軸に沿った一端側に取り付けられるレンズ枠側取付部分と、
前記枠体の前記光軸に沿った一端側に取り付けられる枠体側取付部分と、
前記レンズ枠側取付部分と前記枠体側取付部分との間で前記光軸に交差する方向に延設され、前記レンズ枠の前記光軸に沿った移動で弾性変形する弾性変形部分とを備え、
前記弾性変形部分は、少なくとも2つの湾曲部分と、前記2つの湾曲部分の間と前記湾曲部分の外側にそれぞれ延設された線状部分とを備え、
前記2つの湾曲部分の間に延設された線状部分が、前記湾曲部分の外側に延設された線状部分の線幅に対して異なる線幅を有する力量調整部分であることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記板バネは、前記光軸方向において前記レンズ枠の一方側に配置される第1板バネと、前記光軸方向において前記レンズ枠の他方側に配置される第2板バネとを含み、
前記第1板バネと前記第2板バネとは、弾性変形部分の形状が異なることを特徴とする請求項4に記載のレンズ駆動装置。 - 請求項5に記載のレンズ駆動装置を備えたカメラ。
- 請求項6に記載されたカメラを備えた携帯電子機器。
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