JP2017218841A - 筒体の沈設方法及び沈設支援システム - Google Patents
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Description
まず、圧入装置1について説明する。図1及び図2に示される圧入装置1は、地表100aから下方に延びる立坑101を掘削する際に、筒体2を圧入すると共に筒体2の内側の地盤100を掘削する圧入工法に利用されるものである。圧入装置1は、筒体2の軸線L2が上下方向Zに沿って配置された筒体2を上方から加圧して、地盤100中に圧入するものである。筒体2の内側の地盤100は、例えば図示しないバケット(掘削装置)によって掘削される。
圧入桁4は、筒体2の周方向に沿う環状を成すように形成されている。圧入桁4は、最上部の筒体2の上端面2a上に配置されている。圧入桁4は、最上部の筒体2の上端面2aに当接して、複数の筒体2を上方から下方に押し付ける。圧入桁4の外径は、筒体2の外径より大きくなっている。圧入桁4は、筒体2の径方向において、筒体2より外方に張り出す張出部9を有する。張出部9は、圧入桁4の径方向において所定の幅を有する。この張出部9上に圧入ジャッキ5が配置されている。なお、圧入桁4の形状は、円環状を成すように形成されているものに限定されず、矩形状のものでもよく、多角形を成すものでもよく、その他の形状でもよい。
圧入ジャッキ5は、圧入桁4を介して、筒体2を下方に加圧して、筒体2を地盤100中に圧入するものである。圧入ジャッキ5としては、例えば中央部に開口が設けられたセンターホールジャッキを使用することができる。ここではセンターホールジャッキである圧入ジャッキ5について説明する。圧入ジャッキ5は、圧入桁4の周方向において複数(例えば8個)配置されている。圧入ジャッキ5の中央部の開口には、ロッド10が挿通されている。圧入ジャッキ5はロッド10の周囲に配置された油圧部(油圧シリンダ)を有する。なお、圧入ジャッキ5はセンターホールジャッキに限定されず、その他のジャッキでもよい。
複数の噴射ノズル6は、筒体2の周方向において複数(例えば16本)配置されている。具体的には、複数の噴射ノズル6は、筒体2の周方向において、22.5度ずつ異なる位置にされている。なお、図1では、図の見やすさのために、噴射ノズル6、ノズル昇降機構7及び配管11の位置を実際とは異なる位置に図示している。
ノズル昇降機構7は、下部側に配置されて圧入桁4に対して固定された下部固定装置16と、下部固定装置16に固定されて上方に延びる一対の昇降ジャッキ17と、昇降ジャッキ17に接続されて昇降される上部固定装置18と、を備える。
下部固定装置16は、圧入桁4の天板4bに固定される固定金具16aを有する。固定金具16aとして例えばH形鋼を用いることができる。また、下部固定装置16は、配管11を支持する第1の支持部材(上側支持部材)15を有する。第1の支持部材15は、水平方向に延在し、配管11の凹部14に挿入される一対の棒状部材を有する。第1の支持部材15は、固定金具16aに支持されて、水平方向に延在し、配管11の上下方向Zの位置を拘束する。第1の支持部材15の棒状部材は、配管11の凸部12,13間に形成された凹部14に挿入されて、配管11の上下方向Zの位置を拘束する。配管11を昇降させる際には、第1の支持部材15は固定金具16aから取り外され、配管11は固定金具16aに対して移動可能な状態となっている。
一対の昇降ジャッキ17は、例えば水平方向に配管11を挟んで両側に配置され、上下方向Zに延在している。昇降ジャッキ17は、油圧シリンダを有する油圧駆動部17aと、油圧駆動部17aにより駆動されて上下方向Zに駆動される棒状の駆動部材17bとを有する。油圧駆動部17aの下端部は下部固定装置16の固定金具16aに固定され、棒状の駆動部材17bの先端部(上端部)は上部固定装置18の固定金具18aに固定されている。昇降ジャッキ17では、油圧駆動部17aの油圧が昇圧されて、駆動部材17bが上昇して上部固定装置18を上昇させる。また、昇降ジャッキ17では、油圧駆動部17aの油圧が減圧されて、駆動部材17bが降下して、上部固定装置18を降下させる。
上部固定装置18は、一対の昇降ジャッキ17に固定される固定金具18aを有する。固定金具18aとして例えばH形鋼を用いることができる。また、上部固定装置18は、配管11を支持する第2の支持部材(下側支持部材)15を有する。第2の支持部材15は、固定金具18aに支持されて、水平方向に延在し、配管11を支持する。第2の支持部材15の一対の棒状部材は、配管11の凸部12,13間に形成された凹部14に挿入されて、配管11を支持する。配管11を昇降させる際には、第2の支持部材15は固定金具18aに固定された状態となっており、固定金具18aの上下動に伴って配管11が昇降される。なお、図6に示されるように、上部固定装置18が上側に配置されている状態は、駆動部材17bが伸長された状態であり、上部固定装置18が下側に配置されている状態は、駆動部材17bが縮長された状態である。
次に、圧入工法を行う圧入装置1に適用され沈設支援システム50について説明する。沈設支援システム50は、地盤中に沈設される筒体2の傾きに関する情報を取得すると共に、圧入装置1を操作する作業者に対して各種情報を提供するものである。
各種センサ51は、例えば、圧入ジャッキ5のジャッキ圧力に関する情報を検出する油圧センサ(ジャッキ圧力検出部)55と、筒体2の傾斜に関する情報を検出する傾斜計(傾き検出部)56と、筒体2の沈下量に関する情報を検出する沈下計(沈下量検出部)57とを含む。なお、各種センサ51は、その他の情報を検出するセンサを備えていてもよい。
油圧センサ55は、圧入ジャッキ5の油圧シリンダの油圧(ジャッキ圧力)を検出する圧力計である。油圧センサ55は、複数の圧入ジャッキ5に対してそれぞれ設けられている。油圧センサ55で検出された圧入ジャッキ5のジャッキ圧力に関する情報は、演算ユニット52に入力される。
傾斜計56は、筒体2の軸線L2の鉛直方向に対する傾斜を検出する傾斜計である。傾斜計56は、図8に示されるように、例えば地上に存在する筒体2の側面2dに取付けられている。傾斜計56は、例えば、筒体2の径方向に延在し互いに直交する2軸について、鉛直方向に対する傾斜角を検出する。傾斜計56は筒体2の周方向において異なる複数の位置にそれぞれ設置されていてもよい。傾斜計56で検出された筒体2の傾斜に関する情報は、演算ユニット52に入力される。
沈下計57は、筒体2の沈下量に関する情報を検出する沈下計である。沈下計57は、例えば圧入ジャッキ5による1回分の圧入における筒体2の沈下量を計測する。沈下計57としては、例えば巻取り式の沈下計を使用することができる。例えば、圧入桁4に沈下計57を設置して、計測用のワイヤを垂らして圧入桁4と地表100aとの鉛直方向の距離を測定して、筒体2の沈下量を計測することができる。沈下計57は、その他のタイプのものでもよく、例えばレーザ光を照射して、圧入桁4と地表100aとの鉛直方向の距離を測定してもよい。沈下計57は筒体2の周方向において異なる複数の位置に配置されている。複数の沈下計57は、筒体2の周方向において例えば90度ずつ異なる位置に配置されている。沈下計57で検出された筒体2の沈下量に関する情報は、演算ユニット52に入力される。
演算ユニット52は、演算処理を行うCPU、記憶部となるROM及びRAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成されている。演算ユニット52では、記憶部に記憶されたプログラムを実行することで、姿勢判定部61、噴射位置設定部62、噴射深さ設定部63、噴射方向設定部64が構築される。演算ユニット52は、筒体2の傾き(姿勢)について演算すると共に、筒体2の姿勢に基づいて噴射ノズル6による高圧水の噴射範囲を演算する。
姿勢判定部61は、各種センサ51によって検出された情報に基づいて、筒体2の傾斜角(及び傾斜方向)を演算する。姿勢判定部61は、傾斜計56で検出された情報に基づいて、鉛直方向に延在する基準線に対する筒体2の軸線L2の傾斜角θ(図10(a)参照)について算出する。軸線L2の傾斜角は、基準線に対して直交する方向から見た場合において、最も大きい角度である。なお、傾斜角は、筒体2の軸線L2が傾斜する方向(水平角α)を含むものでもよく、筒体2の軸線L2が傾斜する方向を含まないもの(鉛直方向に延在する基準線に対する角度のみ)でもよい。
噴射位置設定部62は、筒体2の軸線L2の傾きに基づいて、高圧水の噴射位置を設定する。噴射位置設定部62は、例えば、複数の噴射ノズル6のうち高圧水を噴射する噴射ノズル6を設定することで、高圧水の噴射位置を設定する。
また、噴射位置設定部62は、複数の圧入ジャッキ5のジャッキ圧力の差ΔPに基づいて、高圧水の噴射位置を設定することができる。「複数の圧入ジャッキのジャッキ圧力の差ΔP」とは、例えば、「軸線L2を挟んで対向する2つの圧入ジャッキのジャッキ圧力の差」、「複数の圧入ジャッキのジャッキ圧力の平均値との差」、「複数の圧入ジャッキのジャッキ圧力のうち最大値と最小値との差」、「筒体2の周方向において隣接する2つの圧入ジャッキ間のジャッキ圧力の差」などがある。
噴射位置設定部62は、筒体2の沈下量ΔHに基づいて、高圧水の噴射位置を設定することができる。「筒体2の沈下量ΔH」とは、例えば、「基準時における筒体2の深さ方向の位置と、基準時から所定の時間が経過した時における筒体2の深さ位置との差」である。「所定の時間が経過した時」とは、例えば、「圧入ジャッキ5による1回の圧入作業が経過した時」である。また、筒体2の自重により筒体2が沈下することを考慮して、「所定の時間」を設定してもよい。
噴射深さ設定部63は、筒体2の軸線L2の傾きに基づいて、高圧水を噴射する噴射ノズルの深さ位置を設定する。噴射深さ設定部63は、筒体2の軸線L2の傾斜角に応じて、噴射ノズル6の深さ位置を設定する。
また、噴射深さ設定部63は、圧入ジャッキ5のジャッキ圧力の差ΔPに基づいて、高圧水を噴射する噴射ノズル6の深さ位置を設定することができる。
噴射深さ設定部63は、筒体2の沈下量ΔHに基づいて、高圧水を噴射する噴射ノズルの深さ位置を設定する。噴射深さ設定部63は、例えば、筒体2の沈下量ΔHが小さい位置では、沈下量ΔHが大きい位置と比較して、噴射ノズルの深さ位置を深く(または浅く)設定する。
噴射方向設定部64は、筒体2の軸線L2の傾きに基づいて、噴射ノズル6による高圧水の噴射方向を設定する。高圧水の噴射方向とは、軸線L2方向に延在する回転軸(図5に示す基準線L11)まわりにおける高圧水の噴射方向である。ここで、例えば筒体2の中心(軸線L2の位置)に向く方向を0度として、右回りに回転角度を設定する。このとき、180度の方向は、筒体2の径方向において、筒体2の中心とは反対側の方向となる。90度の方向及び270度の方向は、筒体2の接線方向となる。
噴射方向設定部64は、圧入ジャッキ5のジャッキ圧力の差ΔPに基づいて、噴射ノズル6による高圧水の噴射方向を設定することができる。
噴射方向設定部64は、筒体2の沈下量ΔHに基づいて、噴射ノズル6による高圧水の噴射方向を設定してもよい。噴射方向設定部64は、例えば、筒体2の沈下量ΔHが小さい位置では、噴射方向を180度の方向に設定する。また、噴射方向を0度の方向に設定することで、高圧水が筒体2の径方向の内側に流れるように戻り流路を形成した後に、高圧水の噴射方向を変化させてもよい。
また、演算ユニット52は、高圧水の噴射圧力を設定する噴射圧力設定部を備える構成でもよい。噴射圧力設定部は、複数の圧入ジャッキ5のジャッキ圧力の差ΔP、筒体2の軸線L2の傾き、及び筒体2の沈下量ΔHに基づいて、噴射ノズル6から噴射される高圧水の噴射圧力を設定する。噴射圧力は、例えば、噴射ノズル6から噴射される実際の圧力でもよく、高圧水を昇圧する昇圧ポンプにおける設定圧でもよい。噴射圧力は、一定の値(例えば45MPa)でもよく、例えば、圧入ジャッキ5のジャッキ圧力の差ΔPに応じて変化させてもよい。また、噴射圧力設定部は、筒体2の軸線L2の傾きに基づいて高圧水の噴射圧力を設定してもよく、筒体2の沈下量ΔHに基づいて高圧水の噴射圧力を設定してもよい。
画像処理ユニット53は、筒体表示処理部71、ジャッキ圧力表示処理部72、噴射位置表示処理部73、傾斜角表示処理部74、傾斜方向表示処理部75、沈下量差表示処理部76、及び画像情報記憶部77を含む。画像処理ユニット53は、演算処理を行うCPU、記憶部となるROM及びRAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成されている。また、画像処理ユニット53は、各種センサ51及び演算ユニット52に電気的に接続されている。
筒体表示処理部71は、筒体2の平面図を表示させる処理部である。画像情報記憶部77には、筒体2の平面図に関する画像情報が記憶されている。筒体表示処理部71は、画像情報記憶部77に記憶されている筒体2の平面図に関する画像情報を読み込んで、表示部54に筒体2の平面図81を表示させる処理を行う(図9参照)。筒体2の平面図81は、筒体2を平面視した図である。
ジャッキ圧力表示処理部72は、圧入ジャッキ5の位置に対応させて、複数の圧入ジャッキ5のジャッキ圧力をそれぞれ表示させる処理部である。ジャッキ圧力表示処理部72は、油圧センサ55から出力された圧入ジャッキ5のジャッキ圧力に関するデータを表示部54に表示させる。例えば図8に示されるように、圧入ジャッキ5の位置に対応する位置に、圧入ジャッキ5を模式的に表示した模式図82を表示させ、その近傍に圧入ジャッキ5のジャッキ圧力の値を表示させる。本実施形態では、4本の圧入ジャッキ5について、(J−1)、(J−2)、(J−3)、(J−4)と識別情報を表示している。なお、圧入ジャッキ5のジャッキ圧力に関するデータは、圧入ジャッキ5の配置に対応していない位置に表示されていてもよい。
噴射位置表示処理部73は、高圧水を噴射した噴射ノズル6の位置を、筒体2の平面図81に対応させて表示させる処理部である。画像情報記憶部77は、噴射ノズル6の画像情報、噴射ノズル6の配置に関する情報などが記憶されている。噴射位置表示処理部73は、画像情報記憶部77に記憶されている噴射ノズル6の画像情報及び噴射ノズル6の配置に関する情報を読み込んで、表示部54に複数の噴射ノズル6を模式的に表示した模式図83を表示する。例えば、噴射ノズル6を示す円形の画像83を筒体2の平面図81の周方向に並べて表示する。
傾斜角表示処理部74は、筒体2の軸線L2の傾斜角θに関する情報を表示させる処理部である。例えば、筒体2の傾斜方向を示す矢印84の長さによって、傾斜角θの大きさを示すことができる。傾斜角θが大きい場合には、傾斜角θが小さい場合と比較して、矢印84の長さを長くする表示を行ってよい。また、傾斜角θの数値を表示部に表示させてもよい。
傾斜方向表示処理部75は、筒体2の軸線L2の傾斜方向(水平角α)に関する情報を筒体2の平面図81に対応させて表示させる処理部である。傾斜方向表示処理部75は、演算ユニット52から出力された情報に基づいて、筒体2の軸線L2の傾斜方向に関する情報を取得する。傾斜方向表示処理部75は、例えば、筒体2の中心(軸線L2の位置)から径方向外側に延びる矢印84の向きによって、筒体2の軸線L2の傾斜方向を表示部54に表示させる。傾斜方向表示処理部75は、矢印以外のその他の画像表示によって、筒体2の軸線L2の傾斜方向を表示させてもよい。
沈下量差表示処理部76は、筒体2の周方向における各位置の沈下量の差に関する情報を筒体2の平面図81に対応させて表示させる処理部である。沈下量差表示処理部76は、演算ユニット52から出力された情報に基づいて、筒体2の周方向における各位置の沈下量の差に関する情報を取得する。例えば、図9に示されるように、筒体2の周方向において、90度ごとに「A」、「B」、「C」、「D」と表示して周方向の位置を特定して、基準となる位置を「0mm」と表示して、基準との沈下量の差を表示する。
表示部54は、画像処理ユニット53から出力された情報を表示する画像表示部である。表示部54は、筒体2の平面図81、噴射ノズル6を示す画像83、筒体2の軸線L2の傾斜方向を示す矢印84、圧入ジャッキ5を示す模式図82を表示する。また、表示部54は、高圧水を噴射した噴射ノズル6を示す表示、筒体2の軸線L2の傾斜角を示す表示、圧入ジャッキ5のジャッキ圧力を示す表示、筒体2の沈下量の差を示す表示を行う。
沈設支援システム50は、上記の沈設支援方法において使用される。沈設支援システム50の筒体表示処理部71は、表示部54に筒体2に関する情報を出力して、筒体2の平面図81を表示させる。沈設支援システム50では例えば、表示部54の画面の中央に筒体2の平面図81を表示させる。なお、筒体2の平面図81は、画面の中央以外に表示させてもよい。
沈設支援システム50のジャッキ圧力表示処理部72は、表示部54に圧入ジャッキ5に関する情報を出力して、複数の圧入ジャッキ5を模式的に表示した模式図82を表示させる。複数の圧入ジャッキ5を示す模式図82は、表示部の画面において筒体2の平面図81の周囲に表示される。圧入ジャッキ5を示す模式図82は、圧入ジャッキ5の実際の配置に対応し、筒体2との相対的な位置関係を維持して表示されている。本実施形態では、複数の圧入ジャッキ5を示す模式図82は、軸線L2を中心とする回転角において、例えば45度、135度、225度、315度の4箇所に表示される。圧入ジャッキ5を示す模式図82は、例えば円形の図でもよく、矩形の図でもよく、その他の形状の図でもよい。筒体2を平面視した場合の圧入ジャッキ5の位置関係が視覚を通じて認識できることが好ましい。
ジャッキ圧力表示処理部72は、表示部54に圧入ジャッキ5のジャッキ圧力に関する情報を出力して、ジャッキ圧力の数値を表示させる。複数の油圧センサ55で検出されたジャッキ圧力の数値は、複数の圧入ジャッキ5の配置に対応して、圧入ジャッキ5を示す模式図82の近傍に表示される。例えば、圧入ジャッキ5を示す模式図82の隣に枠体85を表示させ、この枠体85内に、圧入ジャッキ5を識別するための情報(例えば「J−1」、「J−2」、「J−3」、「J−4」)をそれぞれ表示する。圧入ジャッキ5を示す識別情報の下に枠体86を表示させ、この枠体86内に、該当する圧入ジャッキ5のジャッキ圧力の数値を表示する。ジャッキ圧力表示は、圧入ジャッキ5の圧力を示すものなので、模式的に表示されて、表示部54に表示された圧入ジャッキ5の模式図82の圧力が視覚を通じて直観的に認識できることが好ましい。
噴射位置表示処理部73は、表示部54に噴射ノズルに関する情報を出力して、複数の噴射ノズル6を示す模式図83を表示させる。複数の噴射ノズル6を示す模式図83は、表示部54の画面において筒体2の平面図81上に表示される。噴射ノズル6の模式図83は、噴射ノズル6の実際の配置に対応し、筒体2の平面図81との相対的な位置関係を維持して表示されている。本実施形態では、複数の噴射ノズル6を示す模式図83、軸線L2を中心とする回転角において例えば、22.5度ずつずれた位置に、合計16箇所に表示されている。噴射ノズル6を示す模式図83は、例えば円形の図でもよく、矩形の図でもよく、その他の形状の図でもよい。また、合計16箇所に予め設定された円形の図等を用いることなく、リアルタイムに噴射ノズル6の数に対応する円形等の図により表示してもよい。
噴射位置表示処理部73は、表示部54に高圧水の噴射位置に関する情報を出力して、高圧水を噴射した噴射ノズル6を示す模式図83を点滅表示する。噴射位置表示処理部73は、噴射位置検出センサ58から出力された信号に基づいて、高圧水を噴射した噴射ノズル6を把握する。
噴射位置表示処理部73は、表示部54に高圧水の噴射範囲に関する情報を出力して、高圧水が噴射された範囲を示す表示を行ってもよい。例えば、噴射ノズル6を示す模式図83の周囲の領域を線で囲む表示を行うことで、高圧水が噴射された範囲を示す表示を行ってもよい。また、噴射ノズル6を示す模式図83の周囲の領域の色を変えることで、高圧水が噴射された範囲と、高圧水が噴射されていない範囲と区別して表示してもよい。
なお、筒体2の周方向において噴射ノズル6が移動可能な圧入装置に対して、沈設支援システム50を適用する場合において、噴射位置表示処理部73は、噴射ノズル6が移動した範囲を表示させる。例えば、高圧水を噴射した噴射ノズル6が移動を開始した位置から、高圧水を噴射した噴射ノズル6が移動を終了した位置までを矢印89で表示する。また、噴射ノズル6が高圧水を噴射しながら移動した範囲を線で囲むように表示してもよく、その他の方法により噴射ノズルの移動範囲を表示させてもよい。
傾斜方向表示処理部75は、表示部54に筒体2の傾斜方向に関する情報を出力して、筒体の傾斜方向に関する表示を行う。例えば、筒体2の平面図81の内側、好ましくは中心から筒体2が傾斜する方向に矢印84を向けて表示する。なお、傾斜方向を示す表示は、矢印84を用いる方法に限定されず、傾斜する方向に沿うように直線を表示させてもよい。また、傾斜方向を示す矢印84の表示は、筒体2の中心から延びるものに限定されず、筒体2を示す平面図81の外側から、外方に延びるように表示してもよい。また、色の濃淡によって、筒体2が傾斜する方向を表示してもよい。例えば、筒体2の平面図81のうち、筒体2が傾斜する方向(低い方)の部分を、その他の部分より濃い色で表示してもよい。
傾斜角表示処理部74は、表示部54に筒体2の傾斜角に関する情報を出力して、筒体2の傾斜角に関する表示を行う。例えば、矢印の長さによって、傾斜角の大きさを表示する。傾斜角θが大きい場合には、傾斜角θが小さい場合と比較して、矢印84の長さを長くする。また、傾斜角θを数値で表示してもよい。また、矢印84の色の濃淡を変化させることで、筒体2の傾斜角の大小を表示してもよく、矢印84の大きさを変えたり、線の太さを変えたりしてもよい。好ましくは、筒体2の平面図81の中心から筒体2が傾斜する方向に矢印84を向けて表示して、その矢印84の長さによって傾斜角の大きさを表示することがよい。
沈下量差表示処理部76は、表示部54に筒体2の沈下量差に関する情報を出力して、筒体2の沈下量に関する表示を行う。図9に示されるように、筒体2の周方向において、0度の位置A、90度の位置B、180度の位置C、270度の位置Dに沈下量差を表示する。例えば、最も低い位置Bを0と表示して、その他の位置A,C,Dについては、位置Bとの深さの差を表示する。沈下量差の表示は、筒体2の周方向において該当する位置に枠体87を表示して、この枠体87内に表示してもよい。また、沈下量差表示処理部76は、例えば、筒体2の平面図81から離れた位置に枠体88を上下方向に並べて表示して、この枠体88内に沈下量差を表示することができる。
なお、沈設支援システム50は、筒体2の筒先下の深さを表示する構成でもよい。以下、筒先下の深さを表示可能な沈設支援システム50について説明する。図12に示されるように、沈設支援システム50は、筒体2の筒先下の深さを測定する筒先下深さ検出部59と、筒先下深さに関する情報を表示させる筒先下深さ表示処理部78と、を更に備えている。
筒先下深さ検出部59は、筒体2に対して噴射ノズル6を上下動させて、筒先下の深さに関する情報を取得する。なお、筒先下の深さとは、例えば、図13に示されるように、刃口3の基準位置91から、真下の地盤100bの表面までの距離であり、例えば、基準位置91から噴射ノズル6が下方に移動可能な距離である。筒先下深さ検出部59は、複数の噴射ノズル6について、それぞれ設けられている。筒先下の深さH1は、筒体2の周方向において、噴射ノズル6の配置に対応して複数箇所で測定可能である。基準位置91は、例えば、図4に示されるように、噴射ノズル6が通過可能な開口3aが形成された位置でもよく、刃口3の下端の位置でもよい。要は、筒体2の真下の地盤の表面の高低の比較が可能であればよい。
筒先下深さ表示処理部78は、筒先下の深さH1に関する情報を表示させる処理部である。筒先下深さ表示処理部78は、図13に示されるように、筒先下の深さH1に関する情報を表す図を表示部54に表示させる。例えば、筒体2の展開図を表示して、この展開図に対応させて、筒先の下方の地盤100bを模して図示してもよい。この場合には、筒先と地盤との距離が筒先下の深さとなる。
2…筒体
2a…上端面
2b…内周面
3…刃口
4…圧入桁
4a…内周面
5…圧入ジャッキ
6…噴射ノズル
7…昇降機構(ノズル昇降機構)
11…配管
50…沈設支援システム
51…各種センサ
52…演算ユニット
53…画像処理ユニット(表示制御部)
54…表示部
55…油圧センサ(ジャッキ圧力検出部)
56…傾斜計(傾き検出部)
57…沈下計(沈下量検出部)
71…筒体表示処理部
72…ジャッキ圧力表示処理部
73…噴射位置表示処理部
74…傾斜角表示処理部
75…傾斜方向表示処理部
76…沈下量差表示処理部
77…画像情報記憶部
81…筒体の平面図
100…地盤
100b…筒体の下端部周辺の地盤
L2…筒体の軸線
Claims (6)
- 筒体の軸線方向を上下方向に沿うように配置して前記筒体を地盤に圧入すると共に、前記筒体の内側の前記地盤を掘削する圧入工法に適用され、前記地盤に対して前記筒体を圧入して沈設する筒体の沈設方法であって、
地上部で前記筒体の外側に配置された複数の圧入ジャッキにより、前記筒体を上方から加圧して、前記筒体を前記地盤中に圧入するジャッキ圧入工程と、
噴射ノズルから高圧水を噴射させ、前記筒体の下端部周辺の前記地盤を洗掘する高圧水噴射工程と、
前記ジャッキ圧入工程における前記複数の圧入ジャッキのジャッキ圧力をそれぞれ検出するジャッキ圧力検出工程と、
上下方向に対する前記筒体の軸線の傾きを検出する傾き検出工程と、
前記筒体の沈下量を検出する沈下量検出工程と、
前記複数の前記ジャッキ圧力の差、前記筒体の軸線の傾き、及び前記筒体の沈下量に基づいて、前記噴射ノズルによる前記筒体の周方向における噴射の範囲、又は前記噴射ノズルによる高圧水の噴射圧力を設定する噴射条件設定工程と、を含む筒体の沈設方法。 - 前記噴射条件設定工程では、複数の前記噴射ノズルのうち高圧水を噴射する前記噴射ノズルを設定することで、前記噴射ノズルによる前記筒体の周方向における噴射の範囲を設定する請求項1に記載の筒体の沈設方法。
- 前記噴射条件設定工程では、前記筒体の周方向における前記噴射ノズルの移動範囲を設定することで、前記噴射ノズルによる前記筒体の周方向における噴射の範囲を設定する請求項1又は2に記載の筒体の沈設方法。
- 前記沈下量検出工程では、前記筒体の周方向における複数の測定点において、前記筒体の沈下量を検出し、
前記傾き検出工程では、前記複数の測定点における沈下量に基づいて、前記筒体の軸線の傾斜角を算出する請求項1〜3の何れか一項に記載の筒体の沈設方法。 - 筒体の軸線方向を上下方向に沿うように配置して前記筒体を地盤に圧入すると共に、前記筒体の内側の前記地盤を掘削する圧入工法に適用され、前記地盤中に沈設される前記筒体の姿勢に関する情報を提供する沈設支援システムであって、
前記圧入工法は、
地上部で前記筒体の外側に配置された複数の圧入ジャッキにより、前記筒体を上方から加圧して、前記筒体を前記地盤中に圧入するジャッキ圧入工程と、
噴射ノズルから高圧水を噴射させ、前記筒体の下端部周辺の前記地盤を洗掘する高圧水噴射工程と、を含み、
前記沈設支援システムは、
前記ジャッキ圧入工程における前記複数の圧入ジャッキのジャッキ圧力をそれぞれ検出するジャッキ圧力検出部と、
上下方向に対する前記筒体の軸線の傾きを検出する傾き検出部と、
前記筒体の沈下量を検出する沈下量検出部と、
前記筒体の姿勢に関する情報の表示を制御する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記筒体の平面図を表示させる筒体表示処理部と、
前記圧入ジャッキの位置に対応させて、前記複数の前記ジャッキ圧力をそれぞれ表示させるジャッキ圧力表示処理部と、
前記筒体の周方向における前記高圧水の噴射位置、又は噴射圧力を前記筒体の平面図に対応させて表示させる噴射位置表示処理部と、
前記筒体の軸線の傾斜角に関する情報を前記筒体の平面図に対応させて表示させる傾斜角表示処理部と、を含む沈設支援システム。 - 前記噴射ノズルは、前記筒体の径方向の内側に配置されて、前記筒体の内周面に沿って前記筒体の周方向に移動可能であり、
前記表示制御部は、
高圧水を噴射した前記噴射ノズルの移動の軌跡に関する情報を前記筒体の平面図に対応させて表示させるノズル軌跡表示処理部を備える請求項5に記載の沈設支援システム。
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