JP2017218835A - 天井吊り下げ物支持装置及びそれを用いた施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】天井吊り下げ物を天井パネルの開口部に対して簡単に位置合わせできるようにして作業効率の改善を図る。
【解決手段】天井吊り下げ物支持装置1は、天井吊り下げ物を支持する支持ボルト10と、略水平な状態に配置される平板部21の所定位置に支持ボルト10の直径よりも大きい装着孔25を設けた支持体20と、装着孔25の上側に配置され、外形サイズが装着孔25よりも大きく、且つ、中心に支持ボルト10を挿通可能な第1の孔31を有する第1プレート部材30と、装着孔25の下側に配置され、外形サイズが装着孔25よりも大きく、且つ、中心に支持ボルト10を挿通可能な第2の孔41を有する第2プレート部材40と、第1の孔31から上方に突出する支持ボルト10に装着される第1ナット51と、第2の孔41から下方に突出する支持ボルト10に装着される第2ナット52と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】天井吊り下げ物支持装置1は、天井吊り下げ物を支持する支持ボルト10と、略水平な状態に配置される平板部21の所定位置に支持ボルト10の直径よりも大きい装着孔25を設けた支持体20と、装着孔25の上側に配置され、外形サイズが装着孔25よりも大きく、且つ、中心に支持ボルト10を挿通可能な第1の孔31を有する第1プレート部材30と、装着孔25の下側に配置され、外形サイズが装着孔25よりも大きく、且つ、中心に支持ボルト10を挿通可能な第2の孔41を有する第2プレート部材40と、第1の孔31から上方に突出する支持ボルト10に装着される第1ナット51と、第2の孔41から下方に突出する支持ボルト10に装着される第2ナット52と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、天井吊り下げ物支持装置及びそれを用いた施工方法に関する。
従来、天井スラブから垂下する吊りボルトに空気調和機などの天井吊り下げ物が取り付けられる。そして吊りボルトには、地震発生時の振動を抑制するため、斜め補強材となるブレースが取り付けられる(例えば特許文献1)。ブレースの取り付け作業は、天井スラブの下方の所定高さ位置に天井パネルが設置される前に行われるのが一般的である。
ところで、オープン型の空気調和機を吊りボルトによって吊り下げた状態に取り付ける場合、水平面内における空気調和機の位置を天井パネルに設けられる開口部の位置に予め適合させた状態で取り付けておかなければならない。しかし、天井スラブに対して吊りボルトが設置される位置は、必ずしも天井パネルに設けられる開口部の位置に合致したものとはなっていないことが多い。なぜなら、天井スラブが打設されるデッキプレートは一般に波形タイプが多く、吊りボルトを取り付けるためのアンカーを天井パネルに設けられる開口部の位置に合わせて設置することができないからである。
そのため、従来は、複数の吊りボルトに空気調和機を設置した後、複数の吊りボルト間をブレースで連結するときに、ブレースによる引っ張り強度を強めたり、或いは弱めたりすることにより、水平面内における空気調和機の微妙な位置調整を行っている。
しかしながら、ブレースによる引っ張り強度を強めたり、弱めたりすることによる位置調整は、非常に困難な作業であり、また時間のかかる作業である。そのため、従来の施工方法では、効率良く空気調和機を設置することができないという問題があった。また空気調和機に限られず、照明器具などのように天井パネルの開口部の位置に合わせて取り付けることが求められる他の天井吊り下げ物についても同様の問題がある。
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、天井パネルの開口部の位置に簡単に適合させることができ、作業効率を著しく改善できるようにした天井吊り下げ物支持装置及びそれを用いた施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1に、本発明は、天井スラブから垂下する吊りボルトに取り付けられ、天井吊り下げ物を支持する天井吊り下げ物支持装置(1)であって、前記天井吊り下げ物(9)を支持する支持ボルト(10)と、略水平な状態に配置される平板部(21)を有し、前記平板部(21)における所定位置に前記吊りボルト(8)を取り付ける取付部(24)を設け、前記平板部(21)における前記取付部(24)とは異なる位置に前記支持ボルト(10)の直径よりも大きい装着孔(25)を設けた支持体(20)と、前記装着孔(25)の上側に配置され、外形サイズが前記装着孔(25)よりも大きく、且つ、中心に前記支持ボルト(10)を挿通可能な第1の孔(31)を設けた第1プレート部材(30)と、前記装着孔(25)の下側に配置され、外形サイズが前記装着孔(25)よりも大きく、且つ、中心に前記支持ボルト(10)を挿通可能な第2の孔(41)を設けた第2プレート部材(40)と、前記支持ボルト(10)が前記第2の孔(41)、前記装着孔(25)及び前記第1の孔(31)に挿通された状態において前記第1の孔(31)から上方に突出する前記支持ボルト(10)に装着される第1ナット(51)と、前記支持ボルト(10)が前記第2の孔(41)、前記装着孔(25)及び前記第1の孔(31)に挿通された状態において前記第2の孔(41)から下方に突出する前記支持ボルト(10)に装着される第2ナット(52)と、を備え、前記第2ナット(52)を緩めることにより、前記支持ボルト(10)が前記装着孔(25)の内側において水平方向に移動可能となり、前記第2ナット(52)を締め付けることにより、前記支持ボルト(10)が移動不可能な状態となって前記支持体(20)に固定されることを特徴とする構成である。
この第1の構成によれば、第2ナットを緩めることにより、天井吊り下げ物を水平方向に移動させて位置調整を行うことが可能であり、天井吊り下げ物の位置合わせを簡単に行うことができる。
第2に、本発明は、上記第1の構成を有する天井吊り下げ物支持装置(1)において、前記平板部(21)は、複数の位置に前記装着孔(25)を有し、前記支持ボルト(10)は、前記平板部(21)に設けられる複数の前記装着孔(25)のそれぞれに対し、前記第1プレート部材(30)、前記第1ナット(51)、前記第2プレート部材(40)及び前記第2ナット(52)によって取り付けられ、前記複数の装着孔(25)のそれぞれに取り付けられた前記複数の支持ボルト(10)の下端が、前記天井吊り下げ物(9)の複数箇所を支持することを特徴とする構成である。
第3に、本発明は、上記第1又は第2の構成を有する天井吊り下げ物支持装置(1)において、一対の前記支持体(20)を有し、前記一対の支持体(20)を水平面内において所定間隔で保持する横棒部材(60)を更に備えており、前記支持ボルト(10)は、前記一対の支持体(20)のそれぞれに設けられる前記装着孔(25)に対し、前記第1プレート部材(30)、前記第1ナット(51)、前記第2プレート部材(40)及び前記第2ナット(52)によって取り付けられることを特徴とする構成である。
第4に、本発明は、上記第1乃至第3のいずれかに記載の天井吊り下げ物支持装置(1)を用いて天井吊り下げ物(9)を設置する施工方法であって、天井スラブから垂下する吊りボルト(8)を前記支持体(20)に設けられた前記取付部(24)に取り付けることにより、前記天井吊り下げ物支持装置(1)が前記吊りボルト(8)によって吊り下げられた状態とする工程と、前記支持体(20)の前記装着孔(25)に取り付けられた前記支持ボルト(10)の下部に、前記天井吊り下げ物(9)を取り付ける工程と、前記天井吊り下げ物支持装置(1)が前記吊りボルト(8)によって吊り下げられ、且つ、前記天井吊り下げ物(9)を支持した状態において、水平面内における前記天井吊り下げ物(9)の位置を調整しながら前記吊りボルト(8)にブレース(6)を取り付ける工程と、前記吊りボルト(8)に前記ブレース(6)が取り付けられた後、前記第2ナット(52)を緩めた状態で前記天井吊り下げ物(9)を水平方向に移動させることにより、前記天井吊り下げ物(9)の位置を微調整する工程と、前記天井吊り下げ物(9)の位置を微調整した後、前記第2ナット(52)を締め付けることにより、前記天井吊り下げ物(9)の位置を固定する工程と、を有することを特徴とする構成である。
本発明によれば、天井吊り下げ物の位置を天井パネルの開口部の位置に対して簡単に位置合わせすることが可能であり、従来よりも作業効率を著しく改善することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態である天井吊り下げ物支持装置1を示す斜視図である。また図2は、天井吊り下げ物支持装置1の一部を分解して示す斜視図である。この天井吊り下げ物支持装置1は、天井スラブから垂下する吊りボルトの下端近傍位置に取り付けられ、空気調和機などの天井吊り下げ物の周囲複数箇所を支持する装置である。本実施形態における天井吊り下げ物支持装置1は、4本の吊りボルトの下端近傍位置に取り付けられ、天井吊り下げ物の周囲4箇所を支持するように構成された装置を例に挙げて説明する。
天井吊り下げ物支持装置1は、4本の支持ボルト10と、2つの支持体20a,20bと、4つの第1プレート部材30と、4つの第2プレート部材40と、4つの第1ナット51と、4つの第2ナット52と、2本の横棒部材60とを備える構成である。尚、以下においては、2つの支持体20a,20bのそれぞれを区別する必要がないときには、それらを総称して支持体20と呼ぶ。
4本の支持ボルト10は、天井吊り下げ物の周囲4箇所を支持するためのものである。各支持ボルト10は、所定長さを有し、外周面に雄螺子が形成されたボルトによって構成される。また各支持ボルト10は、その上部が支持体20に設けられる装着孔25に対して挿入された状態で取り付けられる。すなわち、各支持ボルト10は、支持体20の装着孔25から上側に突出する部分に対して第1プレート部材30及び第1ナット51が装着され、支持体20の装着孔25から下側に突出する部分に対して第2プレート部材40及び第2ナット52が装着された状態で支持体20の装着孔25に取り付けられる。
2つの支持体20のそれぞれは、例えば所定長さを有するC型鋼(溝形鋼)によって構成され、略水平な状態に配置される平板部21と、その平板部21の両端から直角に折れ曲がり、上方に向かって立設する一対のフランジ部22とを有している。各支持体20は、例えば天井吊り下げ物の長さと同等若しくはそれ以上の長さである。それら一対の支持体20は、2本の横棒部材60により、所定間隔で互いに平行な状態となるように組み付けられる。すなわち、一対の支持体20のフランジ部22には、図2に示すように2本の横棒部材60を挿通可能な横穴26が設けられており、2本の横棒部材60の一端がそれらの横穴26に挿通される。外周面に雄螺子が形成された横棒部材60には2つのナット61,62が装着されており、それら2つのナット61,62が支持体20を挟み込むようにしてフランジ部22に対して締着されることにより、横棒部材60が支持体20に固定される。2つの横棒部材60によって組み付けられる一対の支持体20の間隔は、横棒部材60における2つのナット61,62の締着位置を変えることにより調整することが可能であり、例えば天井吊り下げ物のサイズに応じて適宜調整することができる。尚、図2では一対の支持体20a,20bのうちの一方の支持体20aのみを示しているが、他方の支持体20bについても同様である。
また支持体20の平板部21には、吊りボルトを取り付ける取付部24が設けられる。取付部24は、平板部21の長手方向両端近傍位置に設けられる。各取付部24は、所定間隔で配置される複数の取付孔23を有しており、それら複数の取付孔23のいずれか一つの取付孔23に対して吊りボルトが取り付けられる。
さらに支持体20の平板部21には、図2に示すように、取付部24の内側の位置に支持ボルト10を挿通可能な装着孔25が設けられる。本実施形態では1つの支持体20に2つの装着孔25が設けられる。これら2つの装着孔25は、いずれも挿通される支持ボルト10よりも大径であり、例えば支持ボルト10の直径よりも2〜4倍程度大きな直径の孔として形成される。
第1プレート部材30は、支持体20の一対のフランジ部22の間に設置可能なように矩形状の形態を有し、その中央に支持ボルト10を挿通可能な第1の孔31が設けられている。この第1の孔31の直径は、支持ボルト10の直径よりも若干大きい程度であり、支持体20の平板部21に設けられた装着孔25の直径と比較すると1/4〜1/2程度の小さな直径である。また第1プレート部材30の長手方向の長さは、装着孔25の直径の2倍以上の長さであることが好ましい。これにより、仮に支持ボルト10が装着孔25の縁部と接触する位置まで移動したとしても、第1プレート部材30の端部が装着孔25の内側まで移動してしまうことを防止することが可能であり、第1プレート部材30の両端部を常に平板部21の上面に係合させておくことができる。また第1プレート部材30の短手方向の幅は、平板部21の幅の1/2程度であることが好ましい。
第1ナット51は、第1プレート部材30に設けられる第1の孔31から上方に突出する支持ボルト10に対して装着される。すなわち、第1ナット51は、平板部21との間に第1プレート部材30を挟み込んだ状態で支持ボルト10の上部に締着されることにより、支持ボルト10が装着孔25から抜け落ちることを防止する。
第2プレート部材40は、例えば支持体20の幅よりも大きい直径を有する円盤状のプレートであり、その中央に支持ボルト10を挿通可能な第2の孔41が設けられる。第2の孔41の直径は、第1プレート部材30に設けられる第1の孔31と同様に、支持ボルト10の直径よりも若干大きい程度である。この第2プレート部材40は、支持体20の下面側に配置され、支持ボルト10が第2の孔41に挿通される。そして第2プレート部材40は、その下面が支持ボルト10に装着される第2ナット52によって支持される。すなわち、第2ナット52は、第2プレート部材40に設けられる第2の孔41から下方に突出する支持ボルト10に対して装着され、平板部21との間に第2プレート部材30を挟み込んだ状態で支持ボルト10に締着される。
そして第1ナット51及び第2ナット52が、その間に、第1プレート部材30、平板部21及び第2プレート部材40を挟み込んだ状態できつく締着されることにより、支持ボルト10は、大径の装着孔25の内側を自由に移動できない状態となって支持体20に固定される。これに対し、第1ナット51及び第2ナット52の少なくとも一方が緩められると、支持ボルト10は、大径の装着孔25の内側を自由に移動できる状態となる。このような天井吊り下げ物支持装置1は、吊りボルトに取り付けられる施工前において、4本の支持ボルト10のそれぞれが装着孔25のほぼ中心に位置する状態で支持体20に固定される。
次に天井吊り下げ物支持装置1を用いて天井吊り下げ物を吊り下げた状態に設置する施工方法について説明する。尚、以下においては、一例として、天井吊り下げ物が空気調和機9である場合について説明する。
まず図3に示すように、作業者は、天井吊り下げ物支持装置1を4本の吊りボルト8の下端に取り付けると共に、4本の支持ボルト10の下端に空気調和機9を取り付ける。このとき、上述したように4本の支持ボルト10は、支持体20に設けられた装着孔25のほぼ中心位置で固定されている。
吊りボルト8の下部所定位置には、予めナット54が装着されている。そのため、作業者は、ナット54から下方に突出している吊りボルト8の下端部を支持体20に設けられた取付部24の取付孔23に挿入し、取付孔23から下方に突出する吊りボルト8の先端に対して別のナット55を装着する。このとき、作業者は、取付部24に設けられている複数の取付孔23のうちから一の取付孔23に対して吊りボルト8の下端部を挿入する。すなわち、天井吊り下げ物支持装置1の4箇所に設けられている取付部24の位置に吊りボルト8が垂下していないことがあるため、作業者は吊りボルト8を斜め方向に歪めて取付部24に取り付けなければならないことがある。このとき、作業者は、取付部24に設けた複数の取付孔23のうちから最も吊りボルト8の歪みを小さくできる一の取付孔23を選択して吊りボルト8を取り付けることができるため、吊りボルト8の取り付け作業を比較的簡単に行うことができるようになる。そして作業者は、支持体20の平板部21を挟み込むように2つのナット54,55を締め付ける作業を4箇所の取付部24のそれぞれに対して行うことにより、天井吊り下げ物支持装置1を吊りボルト8によって吊り下げられた状態に設置することができる。
また支持ボルト10の下部所定位置には、予めナット11が装着されている。一方、空気調和機9の四隅には、吊り下げ用のフランジ部9aが設けられている。そのため、作業者は、ナット11から下方に突出している支持ボルト10の下端部を空気調和機9のフランジ部9aに設けられた孔に挿入し、その孔から下方に突出する支持ボルト10の先端に対して別のナット12を装着する。そして作業者は、空気調和機9のフランジ部9aを挟み込むように2つのナット11,12を締め付ける作業を4箇所のフランジ部9aのそれぞれに対して行うことにより、空気調和機9を天井吊り下げ物支持装置1に対して取り付けることができる。このとき、支持ボルト10に対する空気調和機9の設置位置は、最終的な設置位置よりも5cm程度の所定高さ分だけ高い位置となるように取り付けられる。
尚、天井スラブから垂下する吊りボルト8によって天井吊り下げ物支持装置1が吊り下げられた状態に取り付ける工程と、天井吊り下げ物支持装置1の4本の支持ボルト10に対して空気調和機9を取り付ける工程とは、いずれを先に行っても良い。
図4は、空気調和機9を支持した天井吊り下げ物支持装置1が吊りボルト8に取り付けられた状態を示す図である。図4に示す状態に施工されると、次に吊りボルト8に対して斜め補強材となるブレース6が取り付けられる。図5は、吊りボルト8に対してブレース6が取り付けられた状態を示す図である。図5に示すように各吊りボルト8には、上部と下部の2箇所ずつにブレース連結金具5が取り付けられる。ブレース連結金具5は、互いに直角を成す一対のアームを有しており、それら一対のアームが異なる方向に配設されたブレース6の端部を保持する。具体的に説明すると、ブレース連結金具5は、各アームの先端がブレース6の外周面を抱き込むようにしてブレース6の端部を保持するように構成され、ボルト5aがきつく締着されることにより吊りボルト8に対してブレース6を固定することができる。
4本の吊りボルト8に対して合計8本のブレース6が取り付けるとき、例えば作業者は、最初に4本の吊りボルト8の上部に設けたブレース連結金具5のボルト5aをきつく締め付けることにより、ブレース6の上部を吊りボルト8の上部に設けたブレース連結金具5に固定する。その後、作業者は、4本の吊りボルト8の下部に設けたブレース連結金具5のボルト5aを順に締め付けていくことにより、ブレース6の下部を吊りボルト8の下部に設けたブレース連結金具5に対して順に固定していく。このとき、作業者は、空気調和機9を押したり、又は引っ張ったりして空気調和機9の位置をX方向又はY方向の水平方向に変位させることにより、空気調和機9の位置が、その後に取り付けられる天井パネルの開口部の位置にほぼ合致するように位置調整を行いながら、ブレース6の下部を吊りボルト8の下部に設けたブレース連結金具5に対して順に固定していく。ただし、このときの位置調整は、ミリ単位まで合致させる必要はなく、空気調和機9の位置が天井パネルの開口部の位置に対して2〜3cm程度のずれが生じても構わない。つまり、ブレース6を吊りボルト8に取り付けるときに行われる空気調和機9の位置調整は、一次的に行われる大まかな位置調整である。そして天井吊り下げ物支持装置1は、空気調和機9の位置がX方向又はY方向に変位すると、それに連動させて4本の吊りボルト8の姿勢を同時に変化させることができる。そのため、作業者にとっては、4本の吊りボルト8の姿勢や歪みを1本ずつ調整していく必要がない。そのため、このときの位置調整作業は、比較的簡単に行うことが可能であり、しかも短時間で作業を終えることが可能である。そして4本の吊りボルト8に対して合計8本のブレース6が固定されると、吊りボルト8がブレース6によって補強されるため、地震発生時の振動を抑制することができるようになる。
上記のように吊りボルト8に対するブレース6の施工が終了すると、次に天井パネルが設置される。図6は、天井パネル7が設置された状態を示す天井吊り下げ物支持装置1の一部切欠断面図である。この天井パネル7には、設計図などにおいて予め指定された位置に、空気調和機9を天井パネル7の下方空間に露出させるための開口部7aが形成されている。図6に示す例では、空気調和機9の位置と、天井パネル7に設けられる開口部7aの位置とが合致していない。すなわち、図6では、空気調和機9における第1の縁部P1が開口部7aの内側に位置しているのに対し、第2の縁部P2が開口部7aの外側に位置している。このように空気調和機9の位置と開口部7aの位置とがずれているときには、空気調和機9を最終的な設置高さ位置まで下げることができないため、空気調和機9に対する再度の位置調整が必要となる。
そこで作業者は、天井パネル7の開口部7aから手を差し入れて空気調和機9の位置を微調整する作業を行う。すなわち、作業者は、まず図7に示すように、天井吊り下げ物支持装置1における一対の支持体20の下面側4箇所に取り付けられた第2ナット52を緩め、4本の支持ボルト10のそれぞれが装着孔25の内側でX方向又はY方向の水平方向に移動可能な状態とする。そして作業者は、水平方向(横方向)に空気調和機9を押したり、又は引っ張ったりすることにより、空気調和機9の位置をX方向又はY方向に変位させる。このとき、天井吊り下げ物支持装置1における一対の支持体20は、ブレース6が取り付けられた吊りボルト8により、その位置が移動しないように固定されている。そのため、作業者が空気調和機9をX方向又はY方向に変位させると、4本の支持ボルト10が装着孔25の内側でX方向又はY方向に移動し、一対の支持体20に対して相対的に変位する。つまり、空気調和機9を支持した状態の4本の支持ボルト10を装着孔25の内側の任意の位置に簡単に移動させることができるのである。したがって、空気調和機9の位置が天井パネル7の開口部7aの位置に対して2〜3cm程度のずれがある場合であっても、作業者は、簡単に位置調整を行うことができ、空気調和機9の位置を天井パネル7の開口部7aの位置に合致させることができる。
図8は、上記のような微調整により、空気調和機9の位置を天井パネル7の開口部7aの位置に合致させた状態を示している。天井パネル7に形成される開口部7aは、空気調和機9の平面サイズよりも2〜3cm程度大きく形成される。そのため、上述した空気調和機9の位置を微調整する作業を行うときには、図8に示すように、空気調和機9における第1及び第2の縁部P1,P2が開口部7aの内側に位置するように調整すれば良い。これにより、空気調和機9の高さ位置を最終的な設置高さ位置まで下げることができるようになる。
図8に示すように空気調和機9の位置を天井パネル7の開口部7aの位置に合致させることができると、作業者は、天井吊り下げ物支持装置1における一対の支持体20の下面側4箇所に取り付けられた第2ナット52を再び締め付ける。これにより、空気調和機9を支持している4本の支持ボルト10はそれぞれ一対の支持体20に固定される。その後、作業者は、空気調和機9のフランジ部9aの下面に装着しているナット12を緩めながら、空気調和機9を徐々に降下させていくことにより、空気調和機9の高さ位置を最終的な設置高さ位置、すなわち空気調和機9の下面が天井パネル7とほぼ同一の高さとなる位置に設置する。そして作業者は、空気調和機9のフランジ部9aの上面に装着しているナット11をフランジ部9aに対して締め付けることにより、空気調和機9の位置調整が完了する。図9は、空気調和機9の位置調整が完了した状態を示している。図9に示すように空気調和機9が設置されると、作業者は、最後に、空気調和機9と天井パネル7との隙間を隠蔽するように空気調和機9の下面側に化粧パネルを設置して施工を完了する。
以上のように本実施形態の天井吊り下げ物支持装置1を用いれば、空気調和機9を天井パネル7の開口部7aに合わせて設置する際の作業効率が向上する。すなわち、上述した天井吊り下げ物支持装置1を用いれば、吊りボルト8に対してブレース6を取り付けるときには、空気調和機9の高精度な位置合わせは必要ではなく、大まかな位置合わせだけを行っておけば良いため、ブレース6の取り付け作業を効率的に行うことができる。そして空気調和機9の下方に天井パネル7が設置されたときには、一対の支持体20の下面側の第2ナット52を緩めることによって空気調和機9の位置を微調整することが可能であり、空気調和機9の水平面内における位置を簡単に天井パネル7の開口部7aの位置に適合させることができる。したがって、上述した天井吊り下げ物支持装置1は、従来よりも作業効率を著しく改善することが可能である。
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態において説明したものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、主として天井吊り下げ物が空気調和機9である場合を例示した。しかし、天井吊り下げ物支持装置1によって支持される天井吊り下げ物は、空気調和機9に限られるものではない。すなわち、上述した天井吊り下げ物支持装置1は、天井パネル7の開口部7aの位置に合わせて取り付けることが求められる天井吊り下げ物に対して広く利用することが可能であり、照明器具などのように、空気調和機9以外の天井吊り下げ物にも利用可能である。
1 天井吊り下げ物支持装置
6 ブレース
7 天井パネル
7a 開口部
8 吊りボルト
9 空気調和機(天井吊り下げ物)
10 支持ボルト
20 支持体
21 平板部
24 取付部
25 装着孔
30 第1プレート部材
40 第2プレート部材
51 第1ナット
52 第2ナット
6 ブレース
7 天井パネル
7a 開口部
8 吊りボルト
9 空気調和機(天井吊り下げ物)
10 支持ボルト
20 支持体
21 平板部
24 取付部
25 装着孔
30 第1プレート部材
40 第2プレート部材
51 第1ナット
52 第2ナット
Claims (4)
- 天井スラブから垂下する吊りボルトに取り付けられ、天井吊り下げ物を支持する天井吊り下げ物支持装置であって、
前記天井吊り下げ物を支持する支持ボルトと、
略水平な状態に配置される平板部を有し、前記平板部における所定位置に前記吊りボルトを取り付ける取付部を設け、前記平板部における前記取付部とは異なる位置に前記支持ボルトの直径よりも大きい装着孔を設けた支持体と、
前記装着孔の上側に配置され、外形サイズが前記装着孔よりも大きく、且つ、中心に前記支持ボルトを挿通可能な第1の孔を設けた第1プレート部材と、
前記装着孔の下側に配置され、外形サイズが前記装着孔よりも大きく、且つ、中心に前記支持ボルトを挿通可能な第2の孔を設けた第2プレート部材と、
前記支持ボルトが前記第2の孔、前記装着孔及び前記第1の孔に挿通された状態において前記第1の孔から上方に突出する前記支持ボルトに装着される第1ナットと、
前記支持ボルトが前記第2の孔、前記装着孔及び前記第1の孔に挿通された状態において前記第2の孔から下方に突出する前記支持ボルトに装着される第2ナットと、
を備え、
前記第2ナットを緩めることにより、前記支持ボルトが前記装着孔の内側において水平方向に移動可能となり、前記第2ナットを締め付けることにより、前記支持ボルトが移動不可能な状態となって前記支持体に固定されることを特徴とする天井吊り下げ物支持装置。 - 前記平板部は、複数の位置に前記装着孔を有し、
前記支持ボルトは、前記平板部に設けられる複数の前記装着孔のそれぞれに対し、前記第1プレート部材、前記第1ナット、前記第2プレート部材及び前記第2ナットによって取り付けられ、
前記複数の装着孔のそれぞれに取り付けられた前記複数の支持ボルトの下端が、前記天井吊り下げ物の複数箇所を支持することを特徴とする請求項1に記載の天井吊り下げ物支持装置。 - 一対の前記支持体を有し、
前記一対の支持体を水平面内において所定間隔で保持する横棒部材を更に備えており、
前記支持ボルトは、前記一対の支持体のそれぞれに設けられる前記装着孔に対し、前記第1プレート部材、前記第1ナット、前記第2プレート部材及び前記第2ナットによって取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の天井吊り下げ物支持装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の天井吊り下げ物支持装置を用いて天井吊り下げ物を設置する施工方法であって、
天井スラブから垂下する吊りボルトを前記支持体に設けられた前記取付部に取り付けることにより、前記天井吊り下げ物支持装置が前記吊りボルトによって吊り下げられた状態とする工程と、
前記支持体の前記装着孔に取り付けられた前記支持ボルトの下部に、前記天井吊り下げ物を取り付ける工程と、
前記天井吊り下げ物支持装置が前記吊りボルトによって吊り下げられ、且つ、前記天井吊り下げ物を支持した状態において、水平面内における前記天井吊り下げ物の位置を調整しながら前記吊りボルトにブレースを取り付ける工程と、
前記吊りボルトに前記ブレースが取り付けられた後、前記第2ナットを緩めた状態で前記天井吊り下げ物を水平方向に移動させることにより、前記天井吊り下げ物の位置を微調整する工程と、
前記天井吊り下げ物の位置を微調整した後、前記第2ナットを締め付けることにより、前記天井吊り下げ物の位置を固定する工程と、
を有することを特徴とする施工方法。
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2016
- 2016-06-09 JP JP2016115327A patent/JP2017218835A/ja active Pending
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