JP2017218718A - ガラス板用合紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い清浄度や傷品位が要求されるフラットパネル・ディスプレイ用の基板材料として用いられるガラス板について、ガラス板表面への汚染を格段に防止可能なガラス板用合紙を提供する。【解決手段】セルロース繊維を原料とするガラス板用合紙であって、前記ガラス板用合紙のJIS P−8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5〜6.0であるガラス板用合紙。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶パネルディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ等のフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管、運搬する流通過程において、硝子板を包装する紙、及び、ガラス板の間に挟み込む紙に関するものである。
一般に、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管する過程、トラック等で運搬する流通過程等において、ガラス板同士が衝撃を受けて接触し、擦れ傷が発生し、また、ガラス表面が汚染するのを防止する目的でガラス板の間に合紙を挟み込むことが行われている。
フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板は、一般の建築用窓ガラス板、車両用窓ガラス等に比べて、高精細ディスプレイに使用されることから、ガラス表面は紙表面に含まれる不純物が極力無いクリーンな表面を保持していること、また、高速応答性や視野角拡大のために平坦度に優れていることが求められる。
このような用途使用される合紙としては、ガラス板の割れや表面の傷つきを防止できる合紙、また、ガラス表面を汚染しない合紙がすでにいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、合紙の表面にフッ素コーティング皮膜を形成する手法が開示されている。また、特許文献2には、ポリエチレン系樹脂製発泡シートとポリエチレン系樹脂製フィルムが貼合された合紙が、特許文献3には、さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有するパルプからなる紙であって、特定のアルキレンオキサイド付加物や水可溶性ポリエーテル変性シリコーンを含有するガラス用合紙が、そして、特許文献4には、紙中の樹脂分の量を規定し、ガラス表面の汚染に考慮した原料を使用したガラス合紙がそれぞれ開示されている。
特開2012−188785号公報 特開2010−242057号公報 特開2008−208478号公報 特開2006−44674号公報
しかし、これらの合紙によってフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板表面の汚染を完全に防げるわけではなく、場合によっては、何らかの原因によるガラス板表面の汚染のため、ガラス板の欠陥率が上昇することがあるのが実状である。
特に最近は採算性の観点から、フラットパネル・ディスプレイ等の製造工程において高い歩留まりが求められ、フラットパネル・ディスプレイ用に使用されるガラス板表面の汚染をいかに防止するかが重要である。
本発明は、高い清浄度及び傷品位が要求されるフラットパネル・ディスプレイ用の基板材料として用いられるガラス板向けの、当該ガラスの表面の汚染を格段に防止可能な合紙を提供することを課題とする。
例えばTFT液晶ディスプレイの製造工程の一つであるアレイ工程のカラーフィルター基板作製時に、ガラス板表面が汚染されている場合、断線等の問題が生じることが知られている。カラーフィルター基板は、ガラス板に半導体膜、ITO膜(透明導電膜)、絶縁膜、アルミ金属膜等の薄膜をスパッタリングや真空蒸着法等で形成して作製されるが、ガラス板表面に汚染物質が存在すると薄膜から形成した回路パターンに断線が生じたり、絶縁膜の欠陥による短絡が生じるからである。また、カラーフィルター基板の作製において、ガラス板にフォトリソグラフィによるパターンを形成するが、この工程でレジスト塗布時のガラス板面に汚染物質が存在すると、露光や現像後のレジスト膜にピンホールが生じ、その結果断線や短絡が生じる。同様の問題が有機ELディスプレイの製造でも確認されている。有機ELディスプレイはガラス基板にITO陽極、有機発光層、陰極等の薄膜をスパッタリングや蒸着や印刷等で形成して作製されるため、ガラス基板表面に薄膜を阻害する異物が存在すると非発光となる問題が生じる。このようなガラス板の汚染原因は特定が困難であったが、その原因の一つがガラス板用合紙に含まれる固形異物であり、特にその固形異物がアルミニウム系無機物であることが本発明者らの検証によって判明した。
本発明者らは、ガラス板用合紙に含まれるアルミニウム系無機固形物の含有量を一定以下にするために鋭意検討の結果、ガラス板用合紙の熱水抽出pHを一定範囲に設計することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、セルロース繊維を原料とするガラス板用合紙であって、
前記ガラス板用合紙のJIS P−8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5〜6.0であるガラス板用合紙に関する。
本発明のガラス板用合紙は、前記pHが3.5〜5.5であることが好ましい。
前記ガラス板用合紙は、更に、硫酸アルミニウムを原料とすることが好ましい。
前記硫酸アルミニウムの量がセルロース繊維の乾燥100重量(質量)部に対して0.5〜3.5重量部であることが好ましい。
前記ガラス板用合紙は、固体のアルミニウム系無機物質を含まないことが好ましい。
前記アルミニウム系無機物質が水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム及びケイ酸アルミニウムからなる群から選択される1種以上のアルミニウム系化合物を含むことが好ましい。
前記ガラス板用合紙は、単層であることが好ましい。
前記ガラス板がディスプレイ用であることが好ましい。
前記ディスプレイがTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであることが好ましい。
前記ガラス板表面にカラーフィルターが形成されることが好ましい。
本発明は前記ガラス板用合紙と前記ガラス板との積層物にも関する。
本発明は、セルロース繊維及び少なくとも硫酸アルミニウムを水に分散及び溶解して水性分散液を得る分散工程、
前記水性分散液を濾過及び/又は脱水して湿紙を得る抄紙工程、
前記湿紙を乾燥する乾燥工程
を含むガラス板用合紙の製造方法であって、
前記分散工程において水に溶解される硫酸アルミニウムの量をセルロース繊維の乾燥100重量(質量)部に対して1.0〜3.5重量部とする、ガラス板用合紙の製造方法にも関する。
前記水性分散液のpHを3.5〜5.8とすることが好ましい。
前記ガラス板用合紙のJIS P−8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5〜6.0であることが好ましい。
本発明のガラス板用合紙はガラス板用合紙中の固形異物、特にアルミニウム系無機物を低減することができる。したがって、前記固形物によるガラス板表面の微細な損傷を低減又は防止することができる、また、ガラス板表面への固形物の転写を低減乃至回避できるので、TFT液晶ディスプレイ等の製造工程においてカラーフィルター等の回路断線を防止することが可能となる。
本発明のガラス板用合紙は、セルロース繊維を原料とするガラス板用合紙であって、該合紙のJIS P−8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5〜6.0である。この範囲に設計されたガラス板用合紙からは、アルミニウム系無機物が著しく減少する一方で、熱水抽出pHが6.0を超えるとアルミニウム系無機物が増加し、その結果、パネル形成時の問題を引き起こすことが今回明らかとなった。これは、アルミニウムが水溶液のpHによってその安定状態が変わることが影響していると推測される。アルミニウムは酸性領域ではAl3+で存在するが、中性領域では水酸化アルミニウムとなって固形物として析出しやすい。この点を考慮して鋭意検討した結果、ガラス板用合紙の熱水抽出pHを上記の範囲に設計することで本発明のガラス板用合紙中のアルミニウム系無機固形物の存在を抑制することができる。なお、熱水抽出pHが3.5を下回るガラス板用合紙を設計した場合、抄紙条件が極端な酸性領域となるので合紙の地合が悪くなる等の問題が生じる。
ガラス板用合紙の熱水抽出pHを3.5〜6.0とする手法に特に制限はなく、各種の酸性物質又はアルカリ性物質を使用することができる、例えば、ガラス板用合紙の製造工程における抄紙時において汎用される硫酸アルミニウムの内添量を調整するとよい。特に、通常の抄紙環境下であって他の酸性物質やアルカリ性物質を添加しない場合、硫酸アルミニウムをセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5〜3.5重量部程度添加するとよい。もちろん、硫酸アルミニウムの配合量は、硫酸アルミニウムの配合前の白水のpHの程度によって適宜調整すればよい。硫酸アルミニウムの量は、乾燥した状態のセルロース繊維の100重量部に対して0.6〜3.5重量部が好ましく、0.7〜3.4重量部がより好ましく、0.8〜3.2重量部が更により好ましく、0.9〜3.1重量部が更により好ましく、1.0〜2.9重量部が特に好ましい。硫酸アルミニウム配合後の白水のpHは3.5〜6.2が好ましく、3.5〜6.0がより好ましく、3.7〜5.8が更により好ましく、4.0〜5.6が特に好ましい。
上記範囲の熱水抽出pHとなるようにガラス板用合紙を抄紙した場合、白水中のアルミニウムは酸性領域でアルミニウムイオンとして存在するので、析出せず合紙中の固形異物にはなり難い。一方で、白水が中性領域であると水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムとなって析出しやすい。そして、この水酸化アルミニウムが析出する過程で水中のケイ酸イオン等の無機イオンと更に融合してより体積の大きなケイ酸アルミニウム等を形成する。これらが合紙中の固形異物の原因となる。したがって、アルミニウム系無機物質としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムが挙げられる。このように、アルミニウムは水中のpHによって安定な状態が変わるので、例えば硫酸アルミニウムを添加することでアルミニウム自体の量は増すが、合紙中の固形異物であるアルミニウム系無機物はむしろ減少する。
以上の理由により、本発明のガラス板用合紙は、固体のアルミニウム系無機物を含まないことが好ましい。ここで「固体」とは常圧(1気圧)下、且つ、常温(25℃)の状態で固体の状態にあることを意味している。したがって、前記アルミニウム系無機物の融点は25℃を超えており、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、100℃以上が更により好ましい。特に、25℃の条件下で固体のアルミニウム系無機物の含量がセルロース繊維の乾燥重量に対して100ppm以下であることが好ましく、さらに好ましくは80ppm以下であり、さらにより好ましくは60ppmである。
なお、本発明において使用可能なセルロース繊維は、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプを単独あるいは混合したものを用いる。このセルロース繊維を主体とし、必要に応じてこれに麻、竹、藁、ケナフ、楮、三椏や木綿等の非木材パルプ、カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ、レーヨン、ビニロン、ナイロン、アクリル、ポリエステル等の合成繊維や化学繊維、またはミクロフィブリル化パルプを単独で、あるいは混合して併用することができる。ただし、パルプ中に樹脂分が多く含まれると、当該樹脂分がガラス板表面を汚す等の悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ樹脂分の少ない化学パルプ、例えば針葉樹晒クラフトパルプを単独で使用することが好ましい。また、砕木パルプのような高収率パルプは、樹脂分が多く含まれるので好ましくない。なお、合成繊維や化学繊維を混合させると削刀性が向上し、合紙を平版にする際の作業性が向上するが、廃棄物処理の面においてリサイクル性が悪くなるので注意が必要である。
また、本発明の性能を損なわない範囲で、上記した木材パルプを主体とした製紙用繊維に対して、必要に応じて接着剤、防黴剤、各種の製紙用填料、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、着色剤、定着剤、歩留まり向上剤、スライムコントロール剤等を添加し、次いで公知・既存の長網抄紙機、円網抄紙機、短網抄紙機、長網と円網のコンビネーション抄紙機等で抄造して得ることができる。また、これら薬品添加の際には虫やごみ等が混入しないように細心の注意を要する。
本発明のガラス板用合紙を製造する際に、セルロース繊維の叩解を進めると紙層間強度が増す効果が期待できる。しかしながら、叩解を進めることによってセルロース繊維中の微細繊維が増加すると、合紙として使用中に紙粉が発生する恐れがあるので、必要以上に叩解度を進めることは好ましくない。よって本発明において好ましい叩解度は300〜650mlc.s.f.である。
本発明においては、ガラス板用合紙の熱水抽出pHを3.5〜6.0の範囲内で適宜調節可能であり、例えば、4.0以上、4.5以上、5.0以上又は5.5以上、且つ、6.0以下、並びに、3.5以上、且つ、5.9以下、5.8以下、5.7以下又は5.6以下とすることができる。ガラス板用合紙の熱水抽出pHを3.5〜5.5の範囲とすることがアルミニウム系無機物の低減の観点では好ましいが、ガラス板用合紙の熱水抽出pHを3.6〜5.9の範囲にすることが好ましく、3.8〜5.7の範囲がより好ましく、4.0〜5.5の範囲が更により好ましい。上記のとおり酸性が強いと合紙の地合等が悪化するおそれが高まり、また、熱水抽出pHが5.7を超える場合(特に熱水抽出pHが5.9を超える場合)、携帯端末等に使用される非常に高精細なディスプレイを必要とする場面において、ガラスに転移した微量のアルミニウム系無機物が要因で発生するカラーフィルムの断線箇所が、高精彩であるが故に目立ち、品質不良と判断されてしまうおそれが高まるからである。
本発明のガラス板用合紙は、抄造の途中および/または製造後でカレンダー処理、スーパーカレンダー処理、ソフトニップカレンダー処理、エンボス等の加工を行っても構わない。加工処理により、表面性や厚さを調整することができる。
本発明のガラス板用合紙は、好ましくは単層であり、ガラス板の間に挿入されて使用される。例えば、本発明のガラス板合紙は複数のガラス板の間に、典型的には、1枚ずつ挿入され、全体として、積層体とされ、当該積層体が保管、運搬の対象となる。
ガラス板としては特に限定されるものではないが、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル(特にTFT液晶ディスプレイパネル)、有機ELディスプレイパネル等のフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板であることが好ましい。フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板の表面には微細な電極、隔壁等が形成されるが、本発明のガラス板用合紙を使用することにより、ガラス板へのアルミニウム系無機物の転写が抑制乃至回避されるので、ガラス板の表面に微細な電極、隔壁等が形成されても、アルミニウム系無機物による不都合を抑制乃至回避することができ、結果的に、ディスプレイの欠陥を抑制乃至回避することができる。したがって、本発明のガラス板用合紙は表面にカラーフィルターが形成されるガラス板用の合紙として特に有用である。
特に、ディスプレイの大型化に伴い、フラットパネル・ディスプレイ用のガラス板のサイズ及び重量は増大しているが、本発明のガラス板用合紙はそのような大型乃至大重量のガラス板の表面を良好に保護することができる。特に、本発明のガラス板用合紙はアルミニウム系無機固形物の含有量が極めて少ないので、大重量のガラス板によって押圧されてもアルミニウム系無機物がガラス板に転写することが抑制乃至回避される。したがって、本発明のガラス板用合紙は、表面の清浄性が特に求められるフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板に好適に使用することができる。
本発明は、ガラス板用合紙の製造方法にも関する。本発明のガラス板用合紙の製造方法は、セルロース繊維及び少なくとも硫酸アルミニウムを水に分散及び溶解して水性分散液を得る分散工程、前記水性分散液を濾過及び/又は脱水して湿紙を得る抄紙工程、前記湿紙を乾燥する乾燥工程を少なくとも含み、前記分散工程において水に溶解される硫酸アルミニウムの量をセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5〜3.5重量部、好ましくは0.6〜3.4重量部、より好ましくは0.7〜3.2重量部、更により好ましくは0.8〜3.1重量部、更により好ましくは0.9〜2.9重量部、特に好ましくは1.0〜2.9重量部とすることを特徴とする。
本発明のガラス板用合紙の製造方法においては、前記水性分散液のpHを3.5〜5.8とすることが好ましく、3.5〜5.3がより好ましく、3.5〜4.8が更により好ましく、3.5〜4.6が特に好ましい。
前記ガラス板用合紙のJIS P−8133に準拠して測定した熱水抽出pHは3.5〜6.0であることが好ましく、3.6〜5.9がより好ましく、3.8〜5.7が更により好ましく、4.0〜5.5が特に好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
(1)熱水抽出pHの測定
JIS P−8133(1998年)に準拠して測定した。
(2)ガラスへの転写試験(輸送テスト)
アルミ製で75度の角度がつけられたL 字架台上のガラス載置面に発泡ウレタンを敷き、ガラス板を垂直方向に載置するための載置面と、載置面の後端部から垂直方向に延びる背もたれ面に向けて、サイズ680mm×880mm×0.7mmのガラス板120枚と各ガラス板の間にガラス板用合紙を挿入して、背もたれ面に平行となるように立てかけ、架台に固定された帯状のベルトを後端部から背もたれ面へ全周にわたり掛け渡してガラス板を固定した。上記のようにセットされた架台は、外部からの埃や塵等の混入を防ぐため包装資材で全面を被覆した。その後、トラックでの輸送テストを実施した。輸送テスト条件は、輸送距離1000km(輸送途中に40℃×95%RHの環境下に5日間保管)でテストを実施した。
[実施例1]
乾燥木材パルプとして針葉樹晒クラフトパルプAを100質量部用意し、これを離解して叩解度を540mlc.s.f.に調製したスラリーに紙力増強剤としてポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン1250、荒川化学工業社製)を全パルプ質量に対して0.2質量部添加し、さらに硫酸アルミニウムを全パルプ質量(100質量部)に対して0.7重量部添加して、0.3質量%濃度のパルプスラリーを調成した。このとき、パルプスラリーのpHは5.8であった。これを、長網抄紙機を使用して、坪量50g/mのガラス板用合紙を得た。このガラス板用合紙の熱水抽出pHは5.9であった。
[実施例2]
硫酸アルミニウムを全パルプ質量に対して2.1重量部添加した以外は実施例1と同様の手法で、坪量50g/mのガラス板用合紙を得た。途中で製造されたパルプスラリーのpHは4.7であった。このガラス板用合紙の熱水抽出pHは4.9であった。
[実施例3]
硫酸アルミニウムを全パルプ質量に対して3.5重量部添加した以外は実施例1と同様の手法で、坪量50g/mのガラス板用合紙を得た。途中で製造されたパルプスラリーのpHは3.5であった。このガラス板用合紙の熱水抽出pHは3.5であった。
[実施例4]
硫酸アルミニウムを全パルプ質量に対して1.0重量部添加した以外は実施例1と同様の手法で、坪量50g/mのガラス板用合紙を得た。途中で製造されたパルプスラリーのpHは5.7であった。このガラス板用合紙の熱水抽出pHは5.5であった。
[比較例1]
硫酸アルミニウムを全パルプ質量に対して0.1重量部添加した以外は実施例1と同様の手法で、坪量50g/mのガラス板用合紙を得た。途中で製造されたパルプスラリーのpHは6.3であった。このガラス板用合紙の熱水抽出pHは6.4であった。
[比較例2]
硫酸アルミニウムを全パルプ質量に対して4.0重量部添加した以外は実施例1と同様の手法で、坪量50g/mのガラス板用合紙を得た。途中で製造されたパルプスラリーのpHは3.0であった。このガラス板用合紙の熱水抽出pHは3.0であった。
実施例および比較例で得られたガラス板用合紙の転写試験を行った。実施例1のガラス板用合紙を用いたガラス板の表面にはアルミニウム系無機物がほとんど検出されなかった。実施例2〜実施例4のガラス板用合紙を用いたガラス板の表面にはアルミニウム系無機物が全く検出されなかった。特に、実施例4のガラス板用合紙では、ガラス板の表面だけでなくガラス板用合紙の表面からもアルミニウム系無機物はほとんど検出されなかった。そして、実施例2〜4の合紙を用いたガラス板は、液晶パネルのアレイ形成の際に、カラーフィルムの断線は認められなかった。一方で、比較例1および比較例2のガラス板用合紙を用いたガラス板は、液晶パネルのアレイ形成の際に、カラーフィルムの断線が確認された。
以上の結果より、本発明のガラス板用合紙を用いることで、合紙からガラス板へのアルミニウム系無機物の転移を防ぐことができ、その結果、液晶パネルのアレイ形成を好適に行うガラス板を製造することが可能となることが分かる。

Claims (14)

  1. セルロース繊維を原料とするガラス板用合紙であって、
    前記ガラス板用合紙のJIS P−8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5〜6.0であるガラス板用合紙。
  2. 前記pHが3.5〜5.5である、請求項1記載のガラス板用合紙。
  3. 更に、硫酸アルミニウムを原料とする、請求項1又は2記載のガラス板用合紙。
  4. 前記硫酸アルミニウムの量がセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5〜3.5重量部である、請求項3記載のガラス板用合紙。
  5. 固体のアルミニウム系無機物質を含まない、請求項1乃至4のいずれかに記載のガラス板用合紙。
  6. 前記アルミニウム系無機物質が水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム及びケイ酸アルミニウムからなる群から選択される1種以上のアルミニウム系化合物を含む、請求項1乃至5のいずれかに記載のガラス板用合紙。
  7. 単層である、請求項1乃至6のいずれかに記載のガラス板用合紙。
  8. 前記ガラス板がディスプレイ用である請求項1乃至7のいずれかに記載のガラス板用合紙。
  9. 前記ディスプレイがTFT液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである請求項8記載のガラス板用合紙。
  10. 前記ガラス板表面にカラーフィルターが形成される、請求項9記載のガラス板用合紙。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載のガラス板用合紙及びガラス板からなる積層体。
  12. セルロース繊維及び少なくとも硫酸アルミニウムを水に分散及び溶解して水性分散液を得る分散工程、
    前記水性分散液を濾過及び/又は脱水して湿紙を得る抄紙工程、
    前記湿紙を乾燥する乾燥工程
    を含むガラス板用合紙の製造方法であって、
    前記分散工程において水に溶解される硫酸アルミニウムの量をセルロース繊維の乾燥100重量部に対して0.5〜3.5重量部とする、ガラス板用合紙の製造方法。
  13. 前記水性分散液のpHを3.5〜5.8とする、請求項12記載の製造方法。
  14. 前記ガラス板用合紙のJIS P−8133に準拠して測定した熱水抽出pHが3.5〜6.0である、請求項12又は13記載の製造方法。
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