JP2017218516A - 抗ウイルス剤及び抗ウイルス剤を添加した抗ウイルス性合成樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた抗ウイルス性を有する抗ウイルス剤及び抗ウイルス剤を添加した抗ウイルス性合成樹脂組成物を提供する。【解決手段】無機充填剤100重量部に対しスルホン酸系界面活性剤3〜100重量部を担持された合成樹脂添加用の抗ウイルス剤。更に合成樹脂100重量部に抗ウイルス剤を2重量%以上含み、その上、スルホン酸系界面活性剤を1.0重量部を含む抗ウイルス性合成樹脂組成物。【選択図】なし

Description

抗ウイルス剤及び抗ウイルス剤を添加した抗ウイルス性合成樹脂組成物。
重症呼吸器感染症(SARS)ウイルス、鳥インフルエンザウイルス、口蹄疫ウイルス、新型インフルエンザウイルス等のウイルス病が次々と社会的問題となっている。本来、ウイルスの宿主域は限定され、哺乳類に感染するものは哺乳類だけ、鳥類に感染するものは鳥類だけというのが通常である。しかし、鳥インフルエンザウイルスは、鳥類のみならず哺乳類にも感染することができる広い宿主域をもつウイルスであるため、ヒトに対して感染する恐れがある。現在では、アジアやヨーロッパでもH5N1型鳥インフルエンザウイルスが蔓延しており、それをベースに変異した強毒型インフルエンザの出現によるパンデミック(感染爆発)が危惧されている。そのため、パンデミックへの対策を講じるために抗ウイルス性を示す材料や、抗ウイルス性を付与できる材料の開発が望まれている。
特許文献1には、再生コラーゲン繊維または再生コラーゲン粉末を含む抗ウイルス性付与組成物をポリウレタン樹脂と混合して、軟質塩ビシートにコーティングしたシートが開示されている。
特開2009−127163号
発明者等は、ポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂にスルホン酸系界面活性剤を含有する合成樹脂組成物において高い抗ウイルス性能を発現することを見出した。しかし、スルホン酸系界面活性剤を含む合成樹脂組成物は成形する際に加熱されることで初期着色が起こりやすく、その結果、成形体が変色する場合があった。
そこで上記のような状況に鑑み、本発明は抗ウイルス性に優れるとともに、成形加工による変色、特に初期着色性が改善された抗ウイルス性合成樹脂組成物を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために本発明が用いた手段は、無機充填剤100重量部に対しスルホン酸系界面活性剤3〜100重量部を担持された合成樹脂添加用の抗ウイルス剤を用いることである。さらに、合成樹脂100重量部に対し上記の抗ウイルス剤を2重量部以上含む抗ウイルス性合成樹脂組成物とすることができ、合成樹脂100重量部に対しスルホン酸系界面活性剤を1.0重量部以上含み上記の抗ウイルス剤が添加された抗ウイルス性合成樹脂組成物が好ましい。また、合成樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂である抗ウイルス性合成樹脂組成物としてもよい。
本発明の抗ウイルス剤を添加した抗ウイルス性合成樹脂組成物は、ウイルスと接触後に短時間でウイルス力価を低減化してウイルスを不活化させることができる。また、成形加工による変色、特に初期着色性が改善された抗ウイルス性合成樹脂組成物を得ることが出来る。
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明の抗ウイルス剤は無機充填剤100重量部に対しスルホン酸系界面活性剤を3〜100重量部担持された合成樹脂添加用の抗ウイルス剤とすることである。
無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、クレー、マイカ、ウォラストナイト、ゼオライト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、カーボンブラック、グラファイト、ガラスビーズが挙げられ、経済的な面から炭酸カルシウムが好ましい。なお、これら無機充填剤は単独で使用しても良いが、二種類以上を併用しても良い。
無機充填剤の大きさには特に制限はなく最終製品の用途等に応じて適宜設定することができるが、平均粒子径として0.01〜100μmが好ましく、合成樹脂に添加時の分散性の点から0.02〜30μmがさらに好ましく、0.02〜10μmが最も好ましい。平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡やレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
また無機充填剤としては、合成樹脂との相溶性を向上させる目的で表面処理を施した無機充填剤を用いてもよい。表面処理剤としては脂肪酸、樹脂酸、珪酸、燐酸、シランカップリング剤などが挙げられる。脂肪酸としては、炭素数6〜31、好ましくは炭素数12〜28の飽和または不飽和脂肪酸が挙げられる。
無機充填剤に担持させるスルホン酸系界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸系化合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系化合物、アルキルナフタレンスルホン酸系化合物、アルキル硫酸エステル系化合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系化合物等が挙げられる。この中でも抗ウイルス性に優れるとの観点からアルキルベンゼンスルホン酸系化合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系化合物、アルキルナフタレンスルホン酸系化合物が好ましく、特に抗ウイルス性に優れるアルキルベンゼンスルホン酸系化合物がより好ましい。
本発明で用いるスルホン酸系界面活性剤において、スルホン酸基は例えばインフルエンザウイルスのノイライミダーゼとの親和性が高く、阻害作用を現すことができると想定している。また官能基の構造はノイライミダーゼへの接近に関して影響を示し、嵩高くなく立体障害を受け難い構造が重要となると考えられる。その点において、アルキルベンゼンスルホン酸系界面活性剤は好適であり、特にドデシルベンゼンスルホン酸が好ましい。
さらに、上記のスルホン酸系界面活性剤としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩等がある。抗ウイルス性に優れる点でアルカリ金属塩が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS)がさらに好ましい。
また、複数のスルホン酸系界面活性剤を抗ウイルス性が阻害されない限りにおいて添加してもよく、その他の種類の界面活性剤を加えることも制限されない。
スルホン酸系界面活性剤を担持させる量としては無機充填剤100重量部に対しスルホン酸系界面活性剤を3〜100重量部とすることが好ましく、5〜70重量部がより好ましく、5〜50重量部がさらに好ましい。3重量部未満では抗ウイルス性が乏しくなり、100重量部以上では担持させるのが困難となる。
無機充填剤にスルホン酸系界面活性剤を担持させる方法としては、無機充填材の一般的な表面処理法を用いることができる。例えば、無機充填剤の水懸濁液に、スルホン酸系界面活性剤を添加する湿式処理であってもよいし、無機充填剤の粉体とスルホン酸系界面活性剤を攪拌混合することによりなされる乾式処理であってもよい。
合成樹脂としては、硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の何れであってもよいが、加熱することで溶融混練することができスルホン酸系界面活性剤の分散性を向上できることから熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。ここで、スルホン酸系界面活性剤の分散性向上の観点から溶融混練の前に均一に混合することが好ましく、そのためには合成樹脂が粉末状であることが好ましい。粉末状の合成樹脂としてはポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂があり、これらの合成樹脂を好適に用いることができる。
無機充填剤にスルホン酸系界面活性剤が担持された抗ウイルス剤は、合成樹脂に添加した際に加工による初期着色が小さくなる。熱可塑性樹脂においてその効果が高く、特にポリ塩化ビニル樹脂においてより高い効果が見られる。
一般にポリ塩化ビニル樹脂は加工の際に150℃から200℃程度で加熱され、その際に脱塩酸を伴うために熱安定剤が添加される。熱安定剤の種類や組合せによって加工中のポリ塩化ビニル樹脂の着色に差が生じる。ここで、スルホン酸系界面活性剤はポリ塩化ビニル樹脂に添加されることで加工中に変色や加工機へのプレートアウトの原因となる可能性がある。このように、スルホン酸系界面活性剤はポリ塩化ビニル樹脂のマトッリクスの中を移動しポリ塩化ビニル鎖や安定剤等の添加剤と接触機会が多くなることでより黄変が顕著になると考えられる。そこで、スルホン酸系界面活性剤を無機充填材に担持させた態様でポリ塩化ビニルに添加することで、スルホン酸系界面活性剤が単独で遊離した状態で上記のように作用することを抑制することができると考えられる。
一方、無機充填剤にスルホン酸系界面活性剤が担持された抗ウイルス剤を合成樹脂に添加した際には無機充填剤が合成樹脂組成物の表面に一部が露出され、無機充填剤に担持されたスルホン酸系界面活性剤が表面に表出し、外部のウイルスと接触することで抗ウイルス効果を発揮する。このような抗ウイルス効果は、合成樹脂組成物をフィルムやシート状に加工することでより抗ウイルス剤が露出しやすくなるために好ましい使用態様である。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルモノマーと塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、共重合体を含む塩化ビニル以外の他のポリマーに塩化ビニルを共重合させたグラフト共重合体等が挙げられる。
なお、これらポリ塩化ビニル系樹脂は単独で使用しても良いが、二種類以上を併用しても良い。さらに必要に応じ、ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化しても良い。
ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化する方法としては特に限定されないが、例えば光塩素化方法、熱塩素化方法等が挙げられる。また、本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂の重合度は特に制限されない。
合成樹脂に対する本発明の抗ウイルス剤の添加量としては、合成樹脂前100重量部に対し2重量部以上含むことが好ましい。
本発明の抗ウイルス剤が2重量部未満では抗ウイルス性が乏しくなる。上限については特に限定されないが加工性の面から100重量部以下が好ましい。
またスルホン酸系界面活性剤が1.0重量部未満では抗ウイルス性が乏しくなる。上限については10重量部以下が好ましく、加工面からは7重量部以下が好ましく、5重量部以下がさらに好ましい。
さらに、合成樹脂100重量部に対しスルホン酸系界面活性剤を1.0重量部以上含み、スルホン酸系界面活性剤が無機充填剤に担持された抗ウイルス剤の形態で添加されていることが好ましい。
合成樹脂に添加するスルホン酸系界面活性剤としては無機充填剤に担持させた抗ウイルス剤の形態のみを使用する以外に、抗ウイルス性、物性、加工性等を向上させることを目的として本発明の抗ウイルス剤とスルホン酸系界面活性剤や他の抗ウイルス剤とを併用することもできる。
本発明において、合成樹脂に対し、抗ウイルス性が阻害されない限りにおいて、充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、紫外線遮蔽剤、帯電防止剤、難燃剤、蛍光剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、防炎剤を適宜添加してもよい。
本発明の抗ウイルス性合成樹脂組成物は、合成樹脂と本発明の抗ウイルス剤を混合する工程を用いることで合成樹脂中の抗ウイルス剤の分散性を向上することができ、成形後の抗ウイルス性が安定する。混合方法としては、機械撹拌力で混合する容器固定型と、容器を回転させ混合する容器回転型があるが抗ウイルス剤の分散が良好な状態になるのであればどちらの方法を用いてもよい。容器固定型としてはヘンシェルミキサー等があり、容器回転型としてコンテナブレンダー等の公知の設備を用いることができる。
本発明の抗ウイルス性合成樹脂組成物は、合成樹脂と本発明の抗ウイルス剤を溶融混練する工程を用いることで合成樹脂中の抗ウイルス剤の分散性を向上することができ、成形後の抗ウイルス性が安定する。溶融混練が可能であればいずれの装置でも良くバンバリーミキサー、ニーダー、二本ロール機、押出機等の公知の設備を用いることができる。溶融混合後、直ちに成形してもよいし、溶融混合した後、一旦ペレット化し、その後成形してもよい。
本発明の抗ウイルス性合成樹脂組成物は、ロール成形装置、カレンダー成形装置、一軸又は二軸押出装置、インフレーション成形装置、インジェクション成形装置、熱成形装置、スラッシュモールド装置、ペーストコーター装置、ディッピング成形装置等の公知の設備で成形される。
また合成樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂の場合は、ロール成形装置、カレンダー成形装置、一軸又は二軸押出装置、インフレーション成形装置、インジェクション成形装置、熱成形装置、スラッシュモールド装置で主に成形される。
本発明の抗ウイルス性合成樹脂組成物の用途としては、特に限定されないが、例えばシート、床材、壁紙、フィルム、衣服用生地、容器、パイプ、玩具等が挙げられる。
その他の用途として、特開2008−37814号公報に記載されるように、診断用器具、体外循環用器具、防護品、臨床検査器具、病院用器具、医療消耗品、在宅医療器具、衛生材料、保健衛生具、病院建物、食品製造工場、食品包装材等にウイルスを不活性にする機能が発現可能な状態で使用される。
本発明の抗ウイルス性合成樹脂組成物は各種のウイルスにおいて抗ウイルス性の効果が期待されるが、特にエンベロープを有するウイルスに対し高い抗ウイルス性を発現する。エンベロープを有するウイルスとしては、例えば鳥インフルエンザウイルス、人インフルエンザウイルス、豚インフルエンザウイルス等のイフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒトヘルペスウイルス、ムンプスウイルス、RSウイルス、エボラウイルス等が挙げられる。
本発明を実施例によって、さらに詳しく説明するが本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[抗ウイルス剤]
無機充填剤の水懸濁液にスルホン酸系界面活性剤を添加し撹拌した後に乾燥して無機充填剤にスルホン酸系界面活性剤を担持させた抗ウイルス剤を得た。無機充填剤とスルホン酸系界面活性剤の仕込み量は以下に示す。
スルホン酸系界面活性剤B−1:アルキルベンゼンスルホン酸Na(商品名;NANSA(登録商標) HS90/S、ハンツマン・ジャパン社製)
無機充填剤A−1:炭酸カルシウム
無機充填剤A−2:シリカ
抗ウイルス剤E−1:無機充填剤A−1炭酸カルシウム100重量部に対してスルホン酸系界面活性剤B−1 6.7重量部
抗ウイルス剤E−2:無機充填剤A−1炭酸カルシウム100重量部に対してスルホン酸系界面活性剤B−1 33.3重量部
抗ウイルス剤E−3:無機充填剤A−2シリカ100重量部に対してスルホン酸系界面活性剤B−1 50重量部
[抗ウイルス性合成樹脂組成物]
実施例および比較例に使用した各配合剤の具体的な物質名は以下の通りである。
無機充填剤A−1:炭酸カルシウム
スルホン酸系界面活性剤B−1:アルキルベンゼンスルホン酸Na(商品名;NANSA(登録商標) HS90/S、ハンツマン・ジャパン社製)
(商品名;NANSA(登録商標) HS90/S、ハンツマン・ジャパン社製)
ポリ塩化ビニル系樹脂C−1:サスペンジョン塩化ビニル系樹脂 平均重合度 1000
ポリ塩化ビニル系樹脂C−2:サスペンジョン塩化ビニル系樹脂 平均重合度 700
アクリル系樹脂C−3:
(商品名;パラペット(登録商標)SA−1000FP クラレ社製)
アクリル系樹脂C−4:
(商品名;パラペット(登録商標)GR−F−1000−P クラレ社製)
オレフィン系樹脂C−5:
(商品名;ニポロンハード(登録商標)4010A 東ソー社製)
オレフィン系樹脂C−6:
(商品名;エンゲージ(登録商標)EG8003 ダウ・ケミカル社製)
可塑剤D−1:DOP(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)
可塑剤D−2:ポリエステル系可塑剤
抗ウイルス剤E−1:無機充填剤A−1炭酸カルシウム100重量部に対してスルホン酸系界面活性剤B−1 6.7重量部
抗ウイルス剤E−2:無機充填剤A−1炭酸カルシウム100重量部に対してスルホン酸系界面活性剤B−1 33.3重量部
抗ウイルス剤E−3:無機充填剤A−2シリカ100重量部に対してスルホン酸系界面活性剤B−1 50重量部
<シート状物の製造方法>
表1及び表2に示した実施例1〜12及び表3に示した比較例1〜6の配合物に安定剤、可塑剤、強化剤、酸化防止剤、滑剤を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合し、合成樹脂混合物を得た。そして、この合成樹脂混合物を小型ミキサーにて混練し、抗ウイルス性合成樹脂組成物を得た。次いで直ちに二本ロール機を用いて厚さ150μmのシートを得た。
<抗ウイルス性>
被検ウイルスとして、鳥インフルエンザウイルスA/whistling swan/Shimane/499/83(H5N3)株を使用した。(以下、H5N3株という)。
H5N3株を滅菌リン酸緩衝食塩液(PBS;pH7.2)で1.0×10EID50/0.1mLになるように希釈して試験用ウイルス液を調製した。
表1、表2に記載の実施例及び表3に記載の比較例で作製したシート5cm×5cmを、シャーレに置き、シート表面に、試験用ウイルス液を0.22ml載せ、その上に4cm×4cmポリエチレンフィルムを被せ、シャーレに蓋をし、20℃に設定したインキュベーター内で1時間静置した。1時間後、シート表面のウイルス液を採取し、前記PBSで10倍段階希釈し、希釈したウイルス液を10日齢発育鶏卵の漿尿膜腔内に注射針を用いて0.1mL接種した。
接種後、発育鶏卵を37℃で2日間培養した後、漿尿膜腔でのウイルス増殖の有無を赤血球凝集試験により判定し、Reed&Muenchの方法によってウイルス力価(log10EID50/0.1ml )を算出した。
またブランクとして試験前(シートに接触させる前)の試験用ウイルス液のウイルス力価(log10EID50/0.1ml )も上記手順で算出し、シートの抗ウイルス性は試験前のウイルス液のウイルス力価からシートに接触させて1時間後のウイルス液のウイルス力価を引いた差で評価した。この差が大きいほどシートの抗ウイルス性が強いことを示す。
○:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が3以上 抗ウイルス効果が高い
△:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が1以上3未満 抗ウイルス効果を有する
×:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が1未満 抗ウイルス効果が低い
<加工による初期着色>
加工による初期着色を表1、表2に記載の実施例及び表3に記載の比較例で作製したシートの着色を目視にて評価した。
1:着色が小さい
2:わずかに着色する
3:着色が大きい
4:著しく着色する
Figure 2017218516
Figure 2017218516
Figure 2017218516
実施例1〜12と比較例1〜5を比べると本発明の範囲の抗ウイルス剤を含有する合成樹脂組成物とすることで抗ウイルス性が付与され、加工による初期着色が小さいことがわかる。
特に実施例1、6と比較例1、2を比べると本発明の形態とすることでスルホン酸系界面活性剤の添加量3重量部以上としても加工による初期着色が小さく、高い抗ウイルス性付与と加工による初期着色を抑えることができていることがわかる。
また、実施例1と9を見てみると可塑剤の添加に関わらず効果があることがわかり、実施例2にさらに充填剤を添加した実施例4でも抗ウイルス性を有しており、抗ウイルス剤以外に充填剤を追添加しても初期着色が小さく抗ウイルス性を有していることがわかる。
さらに、実施例5によると無機充填剤にスルホン酸系界面活性剤を担持させた抗ウイルス剤とスルホン酸系界面活性剤を併用した場合でも本発明の効果が現れていることがわかる。
実施例6、7と比較例2を比較すると本発明における抗ウイルス剤の添加量が増えても加工時の初期着色が悪くならないことがわかる。
実施例11、12では合成樹脂の種類を変えても本発明の効果が現れていることがわかる。
本発明の抗ウイルス剤を添加した抗ウイルス性合成樹脂組成物は接触したウイルスのウイルス力価を迅速に低減してウイルスを不活化させる効果があることからさまざまな日常品や建築物や乗り物等に使用されるシート、床材、壁紙、フィルム、衣服用生地、容器、パイプ、玩具、診断用器具、体外循環用器具、防護品、臨床検査器具、病院用器具、医療消耗品、在宅医療器具、衛生材料、保健衛生具、病院建物、食品製造工場、食品包装材等の成形体に好適であり、特に、病院、オフィス、老建施設、学校等の公共施設、バス、電車などの一度に多くの人が集まりウイルスの感染リスクが高い場所に適している。

Claims (4)

  1. 無機充填剤100重量部に対しスルホン酸系界面活性剤3〜100重量部を担持された合成樹脂添加用の抗ウイルス剤。
  2. 合成樹脂100重量部に対し請求項1に記載の抗ウイルス剤を2重量部以上含む抗ウイルス性合成樹脂組成物。
  3. 合成樹脂100重量部に対しスルホン酸系界面活性剤を1.0重量部以上含む請求項2に記載の抗ウイルス性合成樹脂組成物。
  4. 前記合成樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂である請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の抗ウイルス性合成樹脂組成物。
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