JP6436562B2 - 抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物および抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートならびに製造方法 - Google Patents

抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物および抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートならびに製造方法 Download PDF

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Description

本発明は抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物およびこれを成形して得られる抗ウイルス性成形体に関する。
重症呼吸器感染症(SARS)ウイルス、鳥インフルエンザウイルス、口蹄疫ウイルス、新型インフルエンザウイルス等のウイルス病が次々と社会的問題となっている。本来、ウイルスの宿主域は限定され、哺乳類に感染するものは哺乳類だけ、鳥類に感染するものは鳥類だけというのが通常である。しかし、鳥インフルエンザウイルスは、鳥類のみならず哺乳類にも感染することができる広い宿主域をもつウイルスであるため、ヒトに対して感染する恐れがある。現在では、アジアやヨーロッパでもH5N1型鳥インフルエンザウイルスが蔓延しており、それをベースに変異した強毒型インフルエンザの出現によるパンデミック(感染爆発)が危惧されている。そのため、パンデミックへの対策を講じるために抗ウイルス性を示す材料や、抗ウイルス性を付与できる材料の開発が望まれている。
特許文献1には、再生コラーゲン繊維または再生コラーゲン粉末を含む抗ウイルス性付与組成物をポリウレタン樹脂と混合して、軟質塩ビシートにコーティングしたシートが開示されている。
特開2009−127163号
発明者等は、ポリ塩化ビニル系樹脂とスルホン酸系界面活性剤からなるポリ塩化ビニル系樹脂組成物において高い抗ウイルス性能を発現することを見出した。しかし、スルホン酸系界面活性剤を含むポリ塩化ビニル系樹脂組成物は成形する際に加熱されることで初期着色が起こりやすく、その結果、成形体が変色する場合があった。
そこで上記のような状況に鑑み、本発明は抗ウイルス性に優れるとともに、成形加工による変色、特に初期着色性が改善された抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物および抗ウイルス性シートを提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために本発明が用いた手段は、ペースト用塩化ビニル系樹脂とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂とスルホン酸系界面活性剤とを混合した抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物とすることである。
さらに具体的には、10〜49重量部のペースト用塩化ビニル系樹脂と、90〜51重量部のサスペンジョン塩化ビニル系樹脂とを混合してなるポリ塩化ビニル系樹脂100重量部と、スルホン酸系界面活性剤0.5〜10.0重量部とを含有することを特徴とする抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物とすることである。
また、ポリ塩化ビニル系樹脂は、スルホン酸系界面活性剤が添加されているペースト用塩化ビニル系樹脂とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂とを混合してなる抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物であってもよい。
そして、前記スルホン酸系界面活性剤が前記ペースト用塩化ビニル系樹脂の製造段階で添加された抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製組成物とすることが好ましい。
また、これらの抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製組成物を成形して得られた抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートとすることができる。
さらに、ペースト用塩化ビニル系樹脂10〜49重量部とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂90〜51重量部とを混合する工程と、前記ペースト用塩化ビニル系樹脂と前記サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とを含むポリ塩化ビニル系樹脂を溶融賦形する工程を備え、前記ペースト用塩化ビニル系樹脂がスルホン酸系界面活性剤を含有し、前記ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に前記スルホン酸系界面活性剤0.5〜10.0重量部が添加されている抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法を用いることができる。
また、ペースト用塩化ビニル系樹脂10〜49重量部とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂90〜51重量部とを混合する工程と、前記ペースト用塩化ビニル系樹脂と前記サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とを含むポリ塩化ビニル系樹脂を溶融賦形する工程を備え、前記ペースト用塩化ビニル系樹脂がスルホン酸系界面活性剤を含有し、前記ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に前記スルホン酸系界面活性剤0.5〜10.0重量部が添加されている抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートの製造方法を用いることができる。





本発明によれば、抗ウイルス性に優れ、成形加工の際の変色、特に初期着色性が改善された抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物および抗ウイルス性シートを得ることができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明の実施形態としては、10〜90重量部のペースト用塩化ビニル系樹脂と、90〜10重量部のサスペンジョン塩化ビニル系樹脂とを混合してなるポリ塩化ビニル系樹脂100重量部と、スルホン酸系界面活性剤0.5〜10.0重量部とを含有することを特徴とする抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物である。
ペースト用塩化ビニル系樹脂とは、主に乳化重合法やミクロ懸濁重合法により得られる、粒子径が0.02〜20.0μmである微細なポリマー粒子であり、可塑剤の添加によりペースト状になるのが一般的な特徴である。
ペースト用塩化ビニル系樹脂の製造方法としては、ペースト用塩化ビニル系樹脂を得ることが可能であればいかなる製造方法を用いることが可能である。最も一般的な方法としては、塩化ビニル系単量体を脱イオン水、乳化剤、水溶性重合開始剤と共に緩やかな攪拌下重合を行う乳化重合法、乳化重合法で得られた粒子をシードとして用い乳化重合を行うシード乳化重合法、塩化ビニル系単量体を脱イオン水、乳化剤、必要に応じて高級アルコール等の乳化補助剤、油溶性重合開始剤をホモジナイザー等で混合分散した後、緩やかな攪拌下で重合を行うミクロ懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法で得られた油溶性重合開始剤を含有するシードを用い重合を行うシードミクロ懸濁重合法等により、重合温度30〜80℃にて重合し、得られたラテックスを噴霧乾燥後、粉砕する方法を挙げることができる。
このように、ペースト用塩化ビニル系樹脂の製造段階は、重合を行う重合工程と重合後の後工程を有している。
ここで、抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製組成物は所定量のスルホン酸系界面活性剤がポリ塩化ビニル系樹脂に添加されることで抗ウイルス性が発揮される。そして、より高い抗ウイルス性を発現しつつ、成形加工時における初期着色を抑制するには、スルホン酸系界面活性剤が予めペースト用塩化ビニル系樹脂に添加されていることが好ましい。すなわち、スルホン酸系界面活性剤はペースト用塩化ビニル系樹脂の製造段階で添加されることが好ましい。ここで、スルホン酸系界面活性剤は重合工程において乳化剤等として添加することができる。この場合には、添加されたスルホン酸系界面活性剤の影響により所望の性状のペースト用塩化ビニル樹脂が得られない場合がある。
他方、スルホン酸系界面活性剤は重合後の後工程で添加することもできる。ここで、スルホン酸系界面活性剤は水溶性である。また、乳化重合またはシード乳化重合でペースト用塩化ビニル樹脂を製造する際に、重合後の中間体的形態として水を溶媒とするラテックスが得られる。したがって、このラテックスにスルホン酸系界面活性剤を添加することで、スルホン酸系界面活性剤が塩化ビニル樹脂中へ良好に分散される。このように、スルホン酸系界面活性剤を重合後のラテックスに添加することで、重合条件に影響を与えることなく所望の性状を有するペースト用塩化ビニル樹脂が得られる。これにより、高い抗ウイルス性と成形加工時における初期着色の抑制との効果をより効率的に得ることができる。
このような高い抗ウイルス性、初期着色抑制との効果は、ペースト用塩化ビニル系樹脂中においてスルホン酸系界面活性剤が微分散状態になることに起因するものと考えている。
すなわち、スルホン酸系界面活性剤が微分散されることで、より効率よく抗ウイルス性を発揮することができる。そして、それによって成形加工時の初期着色を強くさせるスルホン酸系界面活性剤の添加量を低く抑えることができ、その結果さらに、成形加工時の変色を低減できるものと推定している。
ペースト用ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度としては、実質的に成形加工が可能であれば、特に制限されるものではないが、平均重合度500〜2000の範囲が好ましく、平均重合度700〜1300の範囲がさらに好ましい。平均重合度500未満では溶融時の粘度が低いため加工し難く、平均重合度2000を超える場合は溶融時の粘度が高いため加工しにくくなる可能性がある。
ペースト用ポリ塩化ビニル系樹脂を用いた場合、ペースト用ポリ塩化ビニル系樹脂の特性から可塑剤等の液体が混在すると常温でペースト状となるため、樹脂組成物を加熱溶融前のハンドリング性に劣る。樹脂組成物を加熱溶融し、混練して賦形後冷却固化する溶融賦形法により成形加工する場合には、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とブレンドすることが好ましい。このような溶融賦形法としては、押出工程やカレンダー工程等を含む成形法があり、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、ロール成形等が例示できる。
より詳細に説明すると、可塑剤等を添加することでペースト状となったペースト用ポリ塩化ビニル系樹脂は流動性を有する液状体である。そして、溶融賦形法においてはペレットや粉体のような固体を投入するものとして機械設備が設計されており、ペーストのような液状体は漏れたりする等の理由から、液状体を使用することが出来ないのが一般的である。さらに、加熱混練する工程においてもペレット、粉体等の固体を溶融し混練することができるように最適化されており、これに液状体を使用すると、充分に混練されない等の問題が生じる場合がある。
したがって、ペースト用ポリ塩化ビニル系樹脂を用いる場合に、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とブレンドし固体状の樹脂組成物とすることで、上記のような溶融賦形法において抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製組成物を容易に成形加工することができる。
このように、塩化ビニル系樹脂の製造工程においてスルホン酸系界面活性剤が添加されたペースト用ポリ塩化ビニル系樹脂を用いることで高い抗ウイルス性と加工時の初期着色を防止でき、さらにサスペンジョン塩化ビニル系樹脂と混合することで、溶融賦形法においてハンドリング性が向上し加工性の良好な抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製組成物が得られる。
ここで、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とは、主に懸濁重合法により得られる、粒子径が約50〜200μmのポリマー粒子であり、ポーラスな不定形状の塩化ビニル系樹脂のことである。このポーラスな形状を有することで可塑剤等の液体を吸収できるため、ペースト状となることを防ぐことができる。
ペースト用塩化ビニル系樹脂とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂のブレンド比はスルホン酸系界面活性剤をポリ塩化ビニル系樹脂(ペースト用塩化ビニル系樹脂とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂の合計)100重量部、すなわちポリ塩化ビニル系樹脂の総量に対し0.5〜10.0重量部含有し、成形加工が問題なければ、特に制限されるものではないが、ペースト用塩化ビニル系樹脂が90〜10重量部、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂10〜90重量部が好ましく、ペースト用塩化ビニル系樹脂が70〜20重量部、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂30〜80重量部がより好ましく、ペースト用塩化ビニル系樹脂が50〜20重量部、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂50〜80重量部がさらに好ましい。
また、サスペンジョンポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度としては、実質的に成形加工が可能であれば、特に制限されるものではないが、平均重合度500〜2000の範囲が好ましく、平均重合度700〜1300の範囲がさらに好ましい。平均重合度500未満では溶融時の粘度が低いため加工し難く、平均重合度2000を超える場合は溶融時の粘度が高いため加工し難くなる可能性がある。
本発明に用いるスルホン酸系界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸系化合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系化合物、アルキルナフタレンスルホン酸系化合物、アルキル硫酸エステル系化合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系化合物等が挙げられる。この中でも抗ウイルス性に優れるとの観点からアルキルベンゼンスルホン酸系化合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系化合物、アルキルナフタレンスルホン酸系化合物が好ましく、特に抗ウイルス性に優れるアルキルベンゼンスルホン酸系化合物がより好ましい。
本発明で用いるスルホン酸系界面活性剤において、スルホン酸基は例えばインフルエンザウイルスのノイライミダーゼとの親和性が高く、阻害作用を現すことができる。また官能基の構造はノイライミダーゼへの接近に関して影響を示し、嵩高くなく立体障害を受け難い構造が肝要となる。その点において、アルキルベンゼンスルホン酸系界面活性剤は好適であり、特にドデシルベンゼンスルホン酸系界面活性剤が好ましい。
さらに、上記のスルホン酸系界面活性剤としては、スルホン酸塩系界面活性剤が好ましく、具体的にはナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩を好適に用いることができる。特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS)が好ましい。
また、複数のスルホン酸系界面活性剤を抗ウイルス性が阻害されない限りにおいて添加してもよく、その他の種類の界面活性剤を加えることも制限されない。
抗ウイルス性を付与する上でポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対してスルホン酸系界面活性剤を0.5〜10.0重量部添加する。
0.5〜7.0重量部が好ましく、1.5〜7.0重量部がより好ましく、1.5〜4.2重量部がさらに好ましい。0.5重量部未満では抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートにした場合の抗ウイルス性に乏しく、10.0重量部を超える場合、加工が困難となる。
また、スルホン酸系界面活性剤をペースト用ポリ塩化ビニル系樹脂に添加する場合において、ペースト用ポリ塩化ビニル樹脂とスルホン酸系界面活性剤との合計に対するスルホン酸系界面活性剤の含有量は0.1〜15重量%が好ましく、0.7〜10重量%がさらに好ましく、1.0〜7.5重量%が特に好ましい。0.1重量%未満では抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートにした場合の抗ウイルス性が乏しく、15重量%を超える場合、ペースト用塩化ビニル系樹脂製造の生産性が乏しくなる場合がある。
柔軟性や加工性を向上する目的で可塑剤を添加することができる。
例えば、DOP(ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート)、DINP(ジイソノニルフタレート)、DIDP(ジイソデシルフタレート)などのフタル酸エステル系可塑剤や、DOA(ジ‐2‐エチルヘキシルアジペート)、DIDA(ジイソデシルアジペート)などのアジピン酸エステル系可塑剤、DOS(ジ‐2‐エチルヘキシルセバケート)などのセバシン酸エステル系可塑剤、DOZ(ジ‐2‐エチルヘキシルアゼレート)などのアゼライン酸エステル系可塑剤といった脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリス(イソプロピル化フェニル)、リン酸トリス(ジクロロプロピル)等などのリン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、スルホン酸エステル系可塑剤などが挙げられる。塩化ビニル系樹脂との相溶性が良い可塑剤としてフタル酸エステル系可塑剤や分子量の高いポリエステル系可塑剤などが挙げられる。可塑剤は単独で用いても複数の種類を複合して用いてもよい。
可塑剤の添加量は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して10〜50重量部であることが好ましい。可塑剤の添加量が50重量部を超えるとペースト状になり易く、樹脂組成物の加熱溶融前のハンドリング性に劣る場合が生じる。10重量部より少ないと加工が困難になる可能性がある。可塑剤の添加量は10〜40重量部が好ましく、20〜40重量部がさらに好ましい。
ここで可塑剤が概ね10部以上添加された軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物は可塑剤が概ね10部未満の硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物と比較して同量のスルホン酸系界面活性剤を添加した場合においてより高い抗ウイルス性が得られる。すなわち、軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物は抗ウイルス性の効果が得られやすい。
抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物には、加工性を向上する目的で充填剤を添加することができる。充填剤は炭酸カルシウム、シリカの他、タルク、マイカなどの板状フィラー、ベントナイト、焼成カオリンなどのクレー類、酸化マグネシウム、アルミナなどの金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物などの無機系充填剤が使用できる。充填剤には塩化ビニル系樹脂との親和性を高めるため、脂肪酸や変性脂肪酸などの各種表面処理が施されていてもよい。
充填剤の添加量としては、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましい。充填剤の添加量が50重量部を超えると抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物を成形して得られるシート等の成形体の表面の平滑性に劣る場合が生じる。一方、1重量部より少ないと加工性向上の効果が得られない場合がある。充填剤の添加量は5〜30重量部が好ましく、10〜20重量部がさらに好ましい。透明性が必要な場合の充填剤の添加量は1〜5重量部であることが好ましい。
抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物には加工性を向上する目的としてアクリル系高分子加工助剤を添加することが好ましい。アクリル系高分子加工助剤としては、例えば、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体などのメチルメタクリレート−アルキルアクリレート共重合体などのアクリル系高分子加工助剤が挙げられる。
アクリル系高分子加工助剤を添加することで、ロール成形やカレンダー成形時のバンク内の回転流動や脱気が良好となり、プレートアウトが抑制されることから外観の良好なシートが得られる。
また、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮蔽剤、帯電防止剤、難燃剤、増粘剤、界面活性剤、蛍光剤、架橋剤、衝撃改良剤など、一般的に樹脂に添加される他の配合剤を添加してもよい。
抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物は、公知の製造装置を用いてペースト用塩化ビニル系樹脂と、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とスルホン酸系界面活性剤とを混合することで製造することができる。例えば、ペースト用塩化ビニル系樹脂とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂とスルホン酸系界面活性剤とを高速攪拌機、低速攪拌機、ヘンシェルミキサーなどで均一に混合することで製造することができる。また、混合して得られた混合物をバッチ式混練ミキサー、バンバリーミキサー、コニーダ、押出機などで溶融混合して抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物を得ることもできる。また、溶融混合した後、一旦ペレット化し、これを抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物としてもよい。なお、可塑剤、安定剤、充填材等の添加剤はそれぞれの用途に応じて任意に添加することができる。
ここで、ペースト用塩化ビニル系樹脂の製造段階においてスルホン酸系界面活性剤を添加する場合においては、スルホン酸系界面活性剤が添加されたペースト用塩化ビニル系樹脂とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂とを混合することで抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物が得られる。また、上記と同様に溶融混合してもよいし、これをペレット化してもよい。
抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物は溶融賦形することにより抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂成形体を得ることができる。より具体的に、抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂成形体は、スルホン酸系界面活性剤を含有するペースト用塩化ビニル系樹脂10〜90重量部とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂90〜10重量部とを混合する工程と、ペースト用塩化ビニル系樹脂とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂とからなるポリ塩化ビニル系樹脂を溶融賦形する工程を備える製造方法によって製造することができる。これにより、得られた抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂成形体は様々な用途に用いることができる。内装用途として用いる場合には、広い面積を抗ウイルス化できるとの点から、抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを使用することができる。
抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートは単層であっても、複数の層からなる多層構造であってもよい。そして、抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートは少なくとも前記抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを最表面に有することが好ましい。一方で、抗ウイルス性を発現するのであれば、前記抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートの表面に印刷や塗布による層を設けてもよい。
また多層構造である場合、積層される層には特に制限はない。例えば、抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物から成る層には、ポリ塩化ビニル系樹脂層や他の熱可塑性樹脂層、各種樹脂発泡層、印刷層や着色層などの意匠層、織布や不織布などの基材層などを、使用する用途や要求される物性に応じて積層することができる。
そして、抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートは、スルホン酸系界面活性剤を含有するペースト用塩化ビニル系樹脂10〜90重量部とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂90〜10重量部とを混合する工程と、ペースト用塩化ビニル系樹脂とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂とからなるポリ塩化ビニル系樹脂をカレンダー成形法またはロール成形法等の溶融賦形する工程を備える製造方法によって製造することができる。
抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを製造する際の混合工程には、通常、熱可塑性樹脂において用いられている公知の装置を利用することができる。例えば、本発明の組成物を高速攪拌機、低速攪拌機、ヘンシェルミキサーなどで均一に混合し、バッチ式混練ミキサー、バンバリーミキサー、コニーダ、押出機などで溶融混合し、直ちに成形してもよい。また、溶融混合した後、一旦ペレット化し、その後成形してもよい。
抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを製造する際の溶融賦形する工程はシート成形法を用いることができる。シート成形法として、得られたシートの厚み精度の点から、カレンダー成形法またはロール成形法が好ましく、さらにスピードの点からカレンダー成形法が好ましい。その他にも一般的なシート成形法により成形することができる。例えば押出成形法、プレス成形法などが挙げられる。
ここで、ペースト用塩化ビニル樹脂と可塑剤とを混合する場合においては、前述の通りその混合物はペースト状となることが多い。また、ペースト状となった樹脂組成物をシートに成形するには、一般的にペーストコーター等の塗布機が用いられる。この場合にはシートの構造や厚み、巾、生産速度等において制限があり、必ずしもシート製造に適した製造方法とはできない場合がある。そこで、ペースト用塩化ビニル樹脂とサスペンジョン塩化ビニル樹脂をブレンドして用い、シート成形性に優れる押出機やカレンダー成形機を用いることで所望の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例に使用した各配合剤の具体的な物質名は以下の通りである。
塩化ビニル系樹脂A−1:サスペンジョン塩化ビニル系樹脂 平均重合度 1000
塩化ビニル系樹脂A−2:サスペンジョン塩化ビニル系樹脂 平均重合度 700
塩化ビニル系樹脂B−1:ペースト用塩化ビニル系樹脂 平均重合度 850
(ドデシルベンゼンスルホン酸Na含有量5.0重量%)
塩化ビニル系樹脂B−2:ペースト用塩化ビニル系樹脂 平均重合度 850
(ドデシルベンゼンスルホン酸Na含有量7.5重量%)
塩化ビニル系樹脂B−3:ペースト用塩化ビニル系樹脂 平均重合度 850
(ドデシルベンゼンスルホン酸Naを含有しない)
可塑剤C−1:ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート
安定剤D−1:金属石鹸
添加剤E−1:ドデシルベンゼンスルホン酸Na
<成形条件1>
表1、3に示した実施例および比較例の配合物を150℃に設定したバッチ式ミキサーで3分混練した。その後、190℃に設定した二本ロールにて、厚さ50μmのシート状に成形し、塩化ビニル系樹脂製シートを作製した。各塩化ビニル系樹脂製シートについて抗ウイルス性、及び加工性の評価を行った。
<成形条件2>
表2、4に示した実施例および比較例の配合物を150℃に設定したバッチ式ミキサーで3分混練した。その後、180℃に設定した二本ロールにて厚さ200μmのシート状に成形し、塩化ビニル系樹脂製シートを作製した。塩化ビニル系樹脂製シートについて抗ウイルス性、及び加工性の評価を行った。
<抗ウイルス性>
被検ウイルスとして、鳥インフルエンザウイルスA/whistling swan/Shimane/499/83(H5N3)株を使用した。(以下、H5N3株という)。
発育鶏卵の漿尿膜腔内で増殖させたウイルスを滅菌リン酸緩衝食塩液(PBS;pH7.2)で1.0×106EID50/0.1mLになるように希釈して試験用ウイルス液を調製した。
表1〜4記載の実施例及び比較例で作製した塩化ビニル系樹脂製シート5cm×5cmを、シャーレに置き、塩化ビニル系樹脂製シート表面に、試験用ウイルス液を0.22ml載せ、その上に4cm×4cmポリエチレンフィルムを被せ、シャーレに蓋をし、20℃に設定したインキュベーター内で1時間静置した。1時間後、塩化ビニル系樹脂製シート表面のウイルス液を採取し、前記PBSで10倍段階希釈し、希釈したウイルス液を10日齢発育鶏卵の漿尿膜腔内に注射針を用いて0.1mL接種した。
接種後、発育鶏卵を37℃で2日間培養した後、漿尿膜腔でのウイルス増殖の有無を赤血球凝集試験により判定し、Reed&Muenchの方法によってウイルス力価(log10EID50/0.1ml )を算出した。
またブランクとして試験前(塩化ビニル系樹脂製シートに接触させる前)の試験用ウイルス液のウイルス力価(log10EID50/0.1ml )も上記手順で算出し、塩化ビニル系樹脂製シートの抗ウイルス性は試験前のウイルス液のウイルス力価から塩化ビニル系樹脂製シートに接触させて1時間後のウイルス液のウイルス力価を引いた差で評価した。この差が大きいほど塩化ビニル系樹脂製シートの抗ウイルス性が強いことを示す。
◎:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が4以上
○:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が3以上4未満
△:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が2以上3未満
×:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が2未満
<加工性・シート化>
二本ロールにて塩化ビニル系樹脂製シートを成形した時のロール加工性について評価した。
◎:良好
○:問題なく加工できる
△:やや低下するが加工は可能
×:加工不可能
<加工性・プレートアウト>
二本ロールにて塩化ビニル系樹脂製シートを成形した時のロール面へのプレートアウトについて評価した。
◎:プレートアウトなし
○:わずかにプレートアウトある
△:プレートアウトがある
×:ロール全面にプレートアウトがある。
<加工性・初期着色性>
二本ロールにて成形した塩化ビニル系樹脂製シートの初期着色性は黄色度によって評価した。
スガ試験機社製 「SMカラーコンピューター」を用い、JIS K 7373(2006 年)に準拠し塩化ビニル系樹脂製シートの黄色度を求めた。そしてサスペンジョン塩化ビニル系樹脂:ペースト用塩化ビニル系樹脂=100:0、かつドデシルベンゼンスルホン酸Naを含まない基準サンプルの黄色度を基準として、塩化ビニル系樹脂製シートの黄色度との差を以下の評価基準で評価した。

黄色度差=(塩化ビニル系樹脂製シートの黄色度)−(基準サンプルの黄色度)

◎:黄色度差が +1.0未満
○:黄色度差が +1.0以上+2.0未満
△:黄色度差が +2.0以上+3.0未満
×:黄色度差が +3.0以上
<加工性総合評価>
二本ロールにて成形した際のシート化、プレートアウト、初期着色性の評価を総合して加工性を評価した。
◎:良好
○:問題なく加工できる
△:やや悪いが加工は可能
×:加工不可能
(実施例1〜7)
表1に示す如く、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とドデシルベンゼンスルホン酸Naを5.0重量%含有したペースト用塩化ビニル系樹脂を混合した配合物を上記<成形条件1>の方法で成形して、スルホン酸系界面活性剤含有量を0.5〜4.2重量部とした内装用の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを作成し、抗ウイルス性、および加工性の評価を行った。
(実施例8、9)
サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とドデシルベンゼンスルホン酸Naを含有しないペースト用塩化ビニル系樹脂を混合し、さらにドデシルベンゼンスルホン酸Naを添加してスルホン酸系界面活性剤含有量を2.0重量部とした配合物を、上記<成形条件1>の方法で成形して内装用の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを作製し、評価を行った。
なお、表1の実施例は可塑剤を添加しない、硬質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートである。
(実施例10〜14、17〜18)
表2に示す如く、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とドデシルベンゼンスルホン酸Naを5.0重量%含有したペースト用塩化ビニル系樹脂を混合した配合物を、上記<成形条件2>の方法で成形して、スルホン酸系界面活性剤含有量を1.0〜4.2重量部とした内装用の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを作製し、評価を行った。
(実施例15〜16)
表2に示す如く、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とドデシルベンゼンスルホン酸Naを7.5重量%含有したペースト用塩化ビニル系樹脂を混合した配合物を、上記<成形条件2>の方法で成形して、スルホン酸系界面活性剤含有量を1.0〜2.1重量部とした内装用の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを作製し、評価を行った。
なお、表2の実施例は可塑剤を添加した、軟質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートである。
(比較例1〜4)
表3に示す如く、上記<成形条件1>の方法でスルホン酸系界面活性剤含有量を0〜0.25、および5.0〜5.3重量部とした内装用の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを作成し、抗ウイルス性、および加工性の評価を行った。
なお、表3の比較例は可塑剤を添加しない、硬質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートである。
(比較例5〜8)
表4に示す如く、上記<成形条件2>の方法で、スルホン酸系界面活性剤含有量を0〜0.25、および5.0〜5.3重量部とした内装用の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートを作製し、評価を行った。
なお、表4の比較例は可塑剤を添加した、軟質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートである。
Figure 0006436562
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表1に示した硬質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートにおいては、スルホン酸系界面活性剤含有量0.5重量部以上で有効な抗ウイルス性が得られ(実施例1、比較例2)、1.5重量部以上ではより好ましく、2.5重量部以上ではさらに好ましい抗ウイルス性が得られる(実施例3、5)。
また、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部において、ペースト用塩化ビニル系樹脂が90重量部を超え、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂が10重量部未満となるとシート化できなくなる(比較例3)。
表2に示した軟質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートにおいても硬質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートと同様の傾向があり、スルホン酸系界面活性剤含有量2.0重量部以上で高い抗ウイルス性が得られる(実施例12)。
また、硬質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートと同様に、ペースト用塩化ビニル系樹脂が90重量部を超え、サスペンジョン塩化ビニル系樹脂が10重量部未満となるとシート化できなくなる(比較例7)。
抗ウイルス性について硬質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シート(表1)と軟質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シート(表2)を比較した場合、スルホン酸系界面活性剤含有量2.0重量部において硬質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シート(実施例4)より軟質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シート(実施例12)の方が高い抗ウイルス性が得られている。従って、軟質の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートの方が抗ウイルス効果を得られやすい。
表1において、スルホン酸系界面活性剤含有量を同じ量として、実施例4のスルホン酸系界面活性剤を予め含んだPVC(ポリ塩化ビニル)樹脂を使用した場合と実施例8のシート加工時にスルホン酸系界面活性剤を添加した場合を比較すると、抗ウイルス性は同等である。しかし、シート化およびプレートアウトの評価項目で、ペースト用塩化ビニル系樹脂に予めスルホン酸系界面活性剤を含んでいる方が良好であった。従って、予めスルホン酸系界面活性剤を含んだペースト用塩化ビニル系樹脂を用いる方が加工性に優れる。このように、ペースト用塩化ビニル系樹脂の製造段階でスルホン酸系界面活性剤を添加したペースト用塩化ビニル系樹脂を用いることで、加工性と抗ウイルス性に優れている。
実施例8、9はスルホン酸系界面活性剤をペースト用塩化ビニル系樹脂の製造段階で含めないペースト用塩化ビニル系樹脂とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂との混合比を変えた場合である。そして、これらの実施例はシート加工時にスルホン酸系界面活性剤を添加している。実施例8、9を比較すると、抗ウイルス性はサスペンジョン塩化ビニル系樹脂の混合比率によらない。しかし黄色度差はサスペンジョン塩化ビニル系樹脂の比率が高い方が少なく、初期着色性が優れていることが示されている。
本発明によると、高い抗ウイルス性を有していることから、病院、介護施設、養護施設、学校、幼稚園、公民館、体育館、駅、住宅、マンションなどの住宅・施設等の壁紙、床材、天井材、カーテンなどを含む内装材用シートとして使用することができる。さらに、椅子、ソファーなどを含む家具用シートとして使用することができる。さらに、抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートは裁断、熱融着または溶剤溶着など2次加工することにより防護衣、防護服、防護エプロン、帽子、手袋、フットカバー、レインコート等の形状に加工することもできる。
また、パンデミック発生時の備えとして、備蓄用の防護衣、防護服、さらに、発熱外来用、感染症用、または飛沫感染用のテント等の内装シートとして使用することができる。

Claims (6)

  1. 10〜49重量部のペースト用塩化ビニル系樹脂と、90〜51重量部のサスペンジョン塩化ビニル系樹脂とを混合してなるポリ塩化ビニル系樹脂100重量部と、スルホン酸系界面活性剤0.5〜10.0重量部とを含有することを特徴とする抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂は、前記スルホン酸系界面活性剤が添加されている前記ペースト用塩化ビニル系樹脂と前記サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とを混合してなる請求項1記載の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 前記スルホン酸系界面活性剤が、前記ペースト用塩化ビニル系樹脂の製造段階で添加されている請求項1または請求項2に記載の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂組成物を成形して得られた抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シート。
  5. ペースト用塩化ビニル系樹脂10〜49重量部とサスペンジョン塩化ビニル系樹脂90〜51重量部とを混合する工程と、
    前記ペースト用塩化ビニル系樹脂と前記サスペンジョン塩化ビニル系樹脂とを含むポリ塩化ビニル系樹脂を溶融賦形する工程を備え、
    前記ペースト用塩化ビニル系樹脂がスルホン酸系界面活性剤を含有し、
    前記ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に前記スルホン酸系界面活性剤0.5〜10.0重量部が添加されている抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法。
  6. 前記溶融賦形する工程がシート成形法であり、前記抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂成形体が抗ウイルス性塩化ビニル系樹脂製シートである請求項5に記載の製造方法。
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