JP2017218473A - シリコーン樹脂基板及びその製造方法、並びに光半導体装置 - Google Patents

シリコーン樹脂基板及びその製造方法、並びに光半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板の提供。
【解決手段】下記(A)〜(D)成分を含有するシリコーン樹脂組成物の硬化物を含むシリコーン樹脂基板。(A)式(1)で表される化合物(R a1 3−a1SiO1/2m1(RSiO3/2n1(O1/2s1・・(1)、(B)式(2)表される化合物(R a2 3−a2SiO1/2m2(RSiO3/2n2(O1/2s2・・(2)(Rはアルキル基;Rはアルケニル基又はアルキル基;XはH又はアルキル基;RはH又はアルキル基;a1は0〜3;0.001≦m1≦0.5;0.5≦n1≦0.999;0≦s1≦0.499;m1+n1+s1=1;a2は0〜3;0.001≦m2≦0.5;0.5≦n2≦0.999;0≦s2≦0.499;m2+n2+s2=1)(C)付加反応触媒(D)無機質充填材
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコーン樹脂基板及びその製造方法、並びにこのシリコーン樹脂基板を有する光半導体装置に関する。
LEDの実装基板又は電気電子部品等の実装基板として、エポキシ樹脂含浸ガラスクロスが広く使用されてきた。しかしながら、近年のハンダの鉛フリー化及びLEDの高輝度化に伴うLED素子自体の発熱量の増大によって、上記のような基板では、基板が劣化するという問題が生じてきた。このような背景から、近年では、LEDの実装基板又は電気電子部品等の実装基板に、より高い耐熱性及び耐候性が求められている。
このような課題を達成する手段として、特許文献1では、耐熱性、耐候性等の特性に優れているシリコーン樹脂基板をLEDの実装基板又は電気電子部品等の実装基板として使用することが検討されている。
一方で、電子機器の高機能化に伴い、電子部品の高密度集積化や高密度実装化が図られており、基板の薄層化が求められているが、基板を薄層化すると反りが発生し、接続不良などの不具合が発生するという問題があった。基板の反りを低減させる方法としては、特許文献2のように、熱膨張率の小さい無機質充填材(無機フィラー)を大量に充填し、基板全体の熱膨張率を低下させる方法が用いられてきたが、このような方法では、樹脂組成物の流動性の低下や、基板のドリル加工性の低下など、多くの問題が発生し易い。そのため、樹脂の改良による熱膨張率の低下が検討されている。
シリコーン樹脂は、従来の実装基板に用いられているエポキシ樹脂と比較して、耐熱性、耐候性等の特性には優れるものの、熱膨張率が高いため、薄層化による反りが発生し易いという問題があった。この問題を解決する手段として、特許文献3には、T単位、即ちRSiO3/2単位(ここでRは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、及び炭素数2〜8のアルケニル基から選ばれる基)のみからなる三次元網状構造のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを用いることで熱膨張率の低いシリコーン樹脂基板を製造することが報告されている。
しかしながら、特許文献3のシリコーン樹脂基板は、樹脂の骨格として具体的にはPhSiO3/2単位(ここでPhはフェニル基)を想定しており、高温加熱時にPhSiO3/2単位が熱分解されてガスが発生するという問題があった。このようなシリコーン樹脂基板を半導体装置の製造に用いると、基板を加熱した際に揮発性のガスが発生することにより、IRリフロー工程においてパターンが膨れる、基板上に載置されたLEDチップや封止材が剥がれるなど、半導体装置の信頼性に問題が発生する可能性がある。また、シリコーン樹脂がRSiO3/2単位のみからなる三次元網状構造の剛直な骨格から構成されるものであるため、得られる硬化物(シリコーン樹脂基板)が固くなり過ぎて、半導体装置の信頼性に影響が現れる可能性があった。
特開2010−089493号公報 特開2004−182851号公報 特開2014−088459号公報
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板及びその製造方法、並びにこのシリコーン樹脂基板を有する信頼性の高い光半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明では、シリコーン樹脂組成物の硬化物を含むシリコーン樹脂基板であって、前記シリコーン樹脂組成物が、下記(A)〜(D)成分を含むものであるシリコーン樹脂基板を提供する。
(A)下記平均組成式(1)で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン
(R a1 3−a1SiO1/2m1(RSiO3/2n1(O1/2s1 (1)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。a1は0〜3の整数であり、m1、n1、s1は0.001≦m1≦0.5、0.5≦n1≦0.999、0≦s1≦0.499、及びm1+n1+s1=1を満たす数である。)
(B)下記平均組成式(2)で示され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(R a2 3−a2SiO1/2m2(RSiO3/2n2(O1/2s2 (2)
(式中、R、Xは前記と同様であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。a2は0〜3の整数であり、m2、n2、s2は0.001≦m2≦0.5、0.5≦n2≦0.999、0≦s2≦0.499、及びm2+n2+s2=1を満たす数である。)
(C)付加反応触媒
(D)無機質充填材
このようなシリコーン樹脂基板であれば、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板となる。
また、前記Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であり、前記Rが、ビニル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であることが好ましい。
及びRがこのような基であれば、加熱時の揮発ガスの発生量が更に少ないシリコーン樹脂基板となる。
また、前記(D)成分が、(D−1)白色顔料:前記(A)及び前記(B)成分の合計100質量部に対して0質量部を超え500質量部以下、及び(D−2)前記(D−1)成分以外の無機質充填材:前記(A)成分及び前記(B)成分の合計100質量部に対して1質量部以上800質量部以下、のいずれか一方又は両方を含むものであることが好ましい。
このような(D)成分であれば、効率よくシリコーン樹脂基板の熱膨張率(線膨張係数)を下げ、かつ該基板の強度を向上させることができるとともに、目的に応じてシリコーン樹脂基板を白色とすることができ、シリコーン樹脂基板を製造するのにより好適である。
また、前記(D−1)成分が、二酸化チタン及び酸化亜鉛のいずれか一方又は両方であることが好ましい。
このような(D−1)成分であれば、シリコーン樹脂基板を効率よく白色にし、シリコーン樹脂基板の光反射率を高めることができるため、シリコーン樹脂基板を光半導体装置用の実装基板とする場合に特に好適である。
また、前記シリコーン樹脂組成物が、25℃で固体状のものであることが好ましい。
このようなシリコーン樹脂組成物であれば、取り扱いが容易であり、シリコーン樹脂基板を製造するのにより好適である。
また、前記シリコーン樹脂基板が、基材であるガラスクロスに前記シリコーン樹脂組成物を含浸させたシリコーン樹脂含浸ガラスクロスの硬化物、又は前記シリコーン樹脂含浸ガラスクロスを2枚以上積層させた積層体の硬化物であることが好ましい。
このようなシリコーン樹脂基板であれば、製造が容易であり、反りや変形が更に抑制された高信頼性のシリコーン樹脂基板となる。
また、前記シリコーン樹脂基板が、該シリコーン樹脂基板の片面又は両面に金属層を有するものであることが好ましい。
このような金属層を有するものであれば、光半導体装置や電気電子部品等の実装基板としてより好適なものとなる。
また、前記シリコーン樹脂基板は、200℃で15分間加熱しヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーにより検出される揮発ガスの量が400μg/g(ガス発生量/サンプル量)以下のものであり、前記シリコーン樹脂基板の表面に対して垂直な方向のガラス転移温度〜200℃までの線膨張係数が200ppm/℃以下のものであることが好ましい。
このようなシリコーン樹脂基板であれば、より確実に、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板とすることができる。
また、本発明では、上記のシリコーン樹脂基板と光半導体素子を有するものである光半導体装置を提供する。
このような光半導体装置であれば、上記のように熱膨張率が低く、かつ加熱時の揮発ガスの発生量が少ないシリコーン樹脂基板を有するため、基板の反りやIRリフロー時のパターン膨れ、LEDチップや封止材の剥がれが抑制された信頼性の高い光半導体装置となる。
また、本発明では、シリコーン樹脂基板の製造方法であって、
(i)下記(A)〜(D)成分を含む材料を混練することによってシリコーン樹脂組成物を調製する工程、及び
(A)下記平均組成式(1)で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン
(R a1 3−a1SiO1/2m1(RSiO3/2n1(O1/2s1 (1)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。a1は0〜3の整数であり、m1、n1、s1は0.001≦m1≦0.5、0.5≦n1≦0.999、0≦s1≦0.499、及びm1+n1+s1=1を満たす数である。)
(B)下記平均組成式(2)で示され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(R a2 3−a2SiO1/2m2(RSiO3/2n2(O1/2s2 (2)
(式中、R、Xは前記と同様であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。a2は0〜3の整数であり、m2、n2、s2は0.001≦m2≦0.5、0.5≦n2≦0.999、0≦s2≦0.499、及びm2+n2+s2=1を満たす数である。)
(C)付加反応触媒
(D)無機質充填材
(ii)前記(i)工程で調製したシリコーン樹脂組成物をシート化し、硬化させる工程、
を含むシリコーン樹脂基板の製造方法を提供する。
このような製造方法であれば、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板を容易に製造することができる。
また、このとき、前記(A)成分として、下記平均組成式(3)で示されるオルガノポリシロキサンと下記式(4)で示されるケイ素化合物を反応させて得られるものを用いることが好ましい。
(RSiO3/2p1(O1/2q1 (3)
(式中、R、Xは前記と同様である。p1、q1は0.5≦p1≦0.95、0.05≦q1≦0.5、及びp1+q1=1を満たす数である。)
a1 3−a1SiX (4)
(式中、R、Rは前記と同様であり、XはO1/2で表される基(Xは前記と同様である)又はハロゲン原子である。a1は前記と同様である。)
また、このとき、前記(B)成分として、下記平均組成式(5)で示されるオルガノポリシロキサンと下記式(6)で示されるケイ素化合物を反応させて得られるものを用いることが好ましい。
(RSiO3/2p2(O1/2q2 (5)
(式中、R、Xは前記と同様である。p2、q2は0.5≦p2≦0.95、0.05≦q2≦0.5、及びp2+q2=1を満たす数である。)
a2 3−a2SiX (6)
(式中、R、Rは前記と同様であり、XはO1/2で表される基(Xは前記と同様である)又はハロゲン原子である。a2は前記と同様である。)
このような方法で(A)成分及び(B)成分を合成することで、合成時のシルセスキオキサン等の副生成物の生成を抑制することができるため、このような(A)成分及び(B)成分を用いることで、加熱時の揮発ガスの発生量が更に少ないシリコーン樹脂基板を製造することができる。
また、前記Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であり、前記Rが、ビニル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であることが好ましい。
及びRをこのような基とすれば、加熱時の揮発ガスの発生量が更に少ないシリコーン樹脂基板を製造することができる。
また、前記(D)成分として、(D−1)白色顔料:前記(A)及び前記(B)成分の合計100質量部に対して0質量部を超え500質量部以下、及び(D−2)前記(D−1)成分以外の無機質充填材:前記(A)成分及び前記(B)成分の合計100質量部に対して1質量部以上800質量部以下、のいずれか一方又は両方を含むものを用いることが好ましい。
このような(D)成分を用いれば、効率よくシリコーン樹脂基板の熱膨張率(線膨張係数)を下げ、かつ該基板の強度を向上させることができるとともに、目的に応じてシリコーン樹脂基板を白色とすることができる。
また、このとき、前記(D−1)成分として、二酸化チタン及び酸化亜鉛のいずれか一方又は両方を用いることが好ましい。
このような(D−1)成分を用いれば、シリコーン樹脂基板を効率よく白色にし、シリコーン樹脂基板の光反射率を高めることができるため、光半導体装置の実装基板用のシリコーン樹脂基板の製造に特に好適である。
また、前記シリコーン樹脂組成物を、25℃で固体状のものとすることが好ましい。
このようなシリコーン樹脂組成物を用いれば、組成物の取り扱いが容易であるため、より容易にシリコーン樹脂基板を製造することができる。
また、前記(i)工程において、前記(A)〜(D)成分を含む材料を(E)溶剤に溶解・分散させ、これを混練することによってシリコーン樹脂組成物を調製することが好ましい。
このような製造方法であれば、(E)溶剤により、適宜シリコーン樹脂組成物の粘度を調製することができ、より容易にシリコーン樹脂基板を製造することができる。
また、前記(ii)工程において、基材であるガラスクロスに前記シリコーン樹脂組成物を含浸させ、該ガラスクロスに含浸させたシリコーン樹脂組成物を加圧下で加熱硬化させることが好ましい。
このような製造方法であれば、ガラスクロスを基材とすることで、反りや変形が更に抑制された信頼性の高いシリコーン樹脂基板を容易に製造することができる。
また、このとき、前記(ii)工程において、前記ガラスクロスに前記シリコーン樹脂組成物を含浸させた後、該シリコーン樹脂を含浸させたガラスクロスを2枚以上積層し、前記ガラスクロスに含浸させたシリコーン樹脂組成物を加圧下で加熱硬化させることが好ましい。
このような製造方法であれば、ガラスクロスを基材とし、これを2枚以上積層することで、反りや変形がより一層抑制された信頼性の高いシリコーン樹脂基板を容易に製造することができる。
また、前記(ii)工程において、前記シリコーン樹脂基板の片面又は両面に金属層を形成することが好ましい。
このような製造方法であれば、片面又は両面に金属層が形成されたシリコーン樹脂基板を容易に製造することができる。
また、前記シリコーン樹脂基板として、200℃で15分間加熱しヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーにより検出される揮発ガスの量が400μg/g(ガス発生量/サンプル量)以下のものであり、前記シリコーン樹脂基板の表面に対して垂直な方向のガラス転移温度〜200℃までの線膨張係数が200ppm/℃以下のものを製造することが好ましい。
このようなシリコーン樹脂基板であれば、より確実に、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板となる。
以上のように、本発明のシリコーン樹脂基板であれば、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板となる。また、本発明のシリコーン樹脂基板は、シリコーン樹脂から構成されるため、従来のエポキシ樹脂から構成される基板に比べて、耐熱性及び耐候性にも優れたものとなる。従って、このような本発明のシリコーン樹脂基板をLED装置などの光半導体装置の製造に適用すれば、基板の反りやIRリフロー時のパターン膨れ、LEDチップや封止材の剥がれが抑制された信頼性の高い光半導体装置を得ることができる。また、本発明のシリコーン樹脂基板の製造方法であれば、このような本発明のシリコーン樹脂基板を容易に製造することができる。
本発明の光半導体装置の一例を示す概略断面図である。 銅張シリコーン樹脂基板の銅箔の一部をパターニングした状態を示す俯瞰図である。
上述のように、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板及びその製造方法の開発が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、シリコーン樹脂基板を構成するシリコーン樹脂が、M単位及びT単位のみからなり、かつケイ素原子に結合する官能基としてアリール基を含まないものであれば、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、シリコーン樹脂組成物の硬化物を含むシリコーン樹脂基板であって、前記シリコーン樹脂組成物が、下記(A)〜(D)成分を含むものであるシリコーン樹脂基板である。
(A)下記平均組成式(1)で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン
(R a1 3−a1SiO1/2m1(RSiO3/2n1(O1/2s1 (1)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。a1は0〜3の整数であり、m1、n1、s1は0.001≦m1≦0.5、0.5≦n1≦0.999、0≦s1≦0.499、及びm1+n1+s1=1を満たす数である。)
(B)下記平均組成式(2)で示され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(R a2 3−a2SiO1/2m2(RSiO3/2n2(O1/2s2 (2)
(式中、R、Xは前記と同様であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。a2は0〜3の整数であり、m2、n2、s2は0.001≦m2≦0.5、0.5≦n2≦0.999、0≦s2≦0.499、及びm2+n2+s2=1を満たす数である。)
(C)付加反応触媒
(D)無機質充填材
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書中、「Me」はメチル基、「Ph」はフェニル基、「Vi」はビニル基、「Et」はエチル基、「Cy」はシクロヘキシル基を示す。
[シリコーン樹脂基板]
本発明のシリコーン樹脂基板は、上記(A)〜(D)成分を含有するシリコーン樹脂組成物の硬化物を含むものである。以下、シリコーン樹脂組成物の各構成成分について詳細に説明する。
−(A)オルガノポリシロキサン−
本発明のシリコーン樹脂基板を構成するシリコーン樹脂組成物の重要な構成成分である(A)成分は、下記平均組成式(1)で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンである。
(R a1 3−a1SiO1/2m1(RSiO3/2n1(O1/2s1 (1)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。a1は0〜3の整数であり、m1、n1、s1は0.001≦m1≦0.5、0.5≦n1≦0.999、0≦s1≦0.499、及びm1+n1+s1=1を満たす数である。)
(A)成分としては、Rがメチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であり、Rがビニル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であるものが好ましい。これらの中でも、特にRがメチル基又はエチル基、Rがビニル基、アリル基、又はメチル基であるものが好ましく、Rがメチル基、Rがビニル基又はメチル基であるものが更に好ましい。
(A)成分の具体例としては、例えば、以下の平均組成式で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
(MeViSiO1/2b1(MeSiO3/2c1
(MeViSiO1/2b2(MeSiO3/2c2
(ViSiO1/2b3(MeSiO3/2c3
(EtViSiO1/2b4(MeSiO3/2c4
(EtViSiO1/2b5(MeSiO3/2c5
(MeViSiO1/2b6(EtSiO3/2c6
(MeViSiO1/2b7(EtSiO3/2c7
(ViSiO1/2b8(EtSiO3/2c8
(EtViSiO1/2b9(EtSiO3/2c9
(MeViSiO1/2b10(CySiO3/2c10
(式中、b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8、b9、b10、c1、c2、c3、c4、c5、c6、c7、c8、c9、及びc10は、それぞれ、0.001≦(b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8、b9、及びb10)≦0.5、好ましくは0.01≦(b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8、b9、及びb10)≦0.4、0.5≦(c1、c2、c3、c4、c5、c6、c7、c8、c9、及びc10)≦0.999、好ましくは0.6≦(c1、c2、c3、c4、c5、c6、c7、c8、c9、及びc10)≦0.99、かつb1+c1=1、b2+c2=1、b3+c3=1、b4+c4=1、b5+c5=1、b6+c6=1、b7+c7=1、b8+c8=1、b9+c9=1、b10+c10=1を満たす数である。)
上記のような(A)成分を用いることで、加熱時のシリコーン樹脂基板の膨張率を低くすることができ、またケイ素原子に結合する官能基がアルキル基又はアルケニル基からなりアリール基を含まないため、加熱時の揮発ガスの発生量が少なく、信頼性の高いシリコーン樹脂基板を得ることができる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上記の具体例に限定されるものではない。また、(A)成分としては、上記のようなオルガノポリシロキサンを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、(A)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算での重量平均分子量は、1,000〜1,000,000、特に、1,000〜10,000の範囲にあることが好ましい。また、(A)成分が、室温で固体状又は半固体状であれば、作業性、硬化性等の観点から好適である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、各単位の原料となる化合物を、生成ポリマー中で各シロキサン単位が所要のモル比となるように組み合わせ、例えば酸の存在下で共加水分解縮合を行うことによって合成することができる。
(R a1 3−a1SiO1/2)単位(M単位)の原料としては、MeViSiCl、MeViSiCl、ViSiCl、EtViSiCl、EtViSiCl、CyMeSiCl等のクロロシラン類、これらそれぞれのクロロシラン類に対応するメトキシシラン類などのアルコキシシラン等を例示することができる。
(RSiO3/2)単位(T単位)の原料としては、MeSiCl、EtSiCl、CySiCl等のクロロシラン類、これらそれぞれのクロロシラン類に対応するメトキシシラン類などのアルコキシシラン等、もしくは上記原料の一種又は二種以上の部分加水分解縮合物を例示することができる。原料としては、上記原料の一種又は二種以上の部分加水分解縮合物が特に好ましい。なお、部分加水分解縮合物の場合、シラノール基又はメトキシ基を含有することがある。
また、(A)成分のオルガノポリシロキサンの合成方法としては、下記平均組成式(3)で示されるオルガノポリシロキサンと下記式(4)で示されるケイ素化合物を反応させる方法が好ましい。
(RSiO3/2p1(O1/2q1 (3)
(式中、R、Xは前記と同様である。p1、q1は0.5≦p1≦0.95、0.05≦q1≦0.5、及びp1+q1=1を満たす数であり、好ましくは0.7≦p1≦0.95、0.05≦q1≦0.3、及びp1+q1=1を満たす数である。)
a1 3−a1SiX (4)
(式中、R、Rは前記と同様であり、XはO1/2で表される基(Xは前記と同様である)又はハロゲン原子である。a1は前記と同様である。)
上記のように、予め(RSiO3/2)単位の部分加水分解縮合物を用意しておき、これを(R a1 3−a1SiO1/2)単位の原料と反応させる方法で(A)成分を合成することにより、合成時のシルセスキオキサン等の副生成物の生成を抑制することができるため、結果として、加熱時の揮発ガスの発生量が少なく、信頼性の高いシリコーン樹脂基板を得ることができる。
−(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン−
本発明のシリコーン樹脂基板を構成するシリコーン樹脂組成物の重要な構成成分である(B)成分は、下記平均組成式(2)で示され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
(R a2 3−a2SiO1/2m2(RSiO3/2n2(O1/2s2 (2)
(式中、R、Xは前記と同様であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。a2は0〜3の整数であり、m2、n2、s2は0.001≦m2≦0.5、0.5≦n2≦0.999、0≦s2≦0.499、及びm2+n2+s2=1を満たす数である。)
(B)成分としては、Rがメチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であり、Rが水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であるものが好ましい。これらの中でも、特にRがメチル基又はエチル基、Rが水素原子、メチル基、又はエチル基であるものが好ましく、Rがメチル基、Rが水素原子又はメチル基であるもの更に好ましい。
(B)成分の具体例としては、例えば、以下の平均組成式で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
(MeHSiO1/2d1(MeSiO3/2e1
(MeHSiO1/2d2(MeSiO3/2e2
(HSiO1/2d3(MeSiO3/2e3
(EtHSiO1/2d4(MeSiO3/2e4
(EtHSiO1/2d5(MeSiO3/2e5
(MeHSiO1/2d6(EtSiO3/2e6
(MeHSiO1/2d7(EtSiO3/2e7
(HSiO1/2d8(EtSiO3/2e8
(EtHSiO1/2d9(EtSiO3/2e9
(MeHSiO1/2d10(CySiO3/2e10
(MeHSiO1/2d11(HSiO3/2e11
(式中、d1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10、d11、e1、e2、e3、e4、e5、e6、e7、e8、e9、e10、及びe11は、それぞれ、0.001≦(d1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10、及びd11)≦0.5、好ましくは0.01≦(d1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9、d10、及びd11)≦0.4、0.5≦(e1、e2、e3、e4、e5、e6、e7、e8、e9、e10、及びe11)≦0.999、好ましくは0.6≦(e1、e2、e3、e4、e5、e6、e7、e8、e9、e10、及びe11)≦0.99、かつd1+e1=1、d2+e2=1、d3+e3=1、d4+e4=1、d5+e5=1、d6+e6=1、d7+e7=1、d8+e8=1、d9+e9=1、d10+e10=1、d11+e11=1を満たす数である。)
上記のような(B)成分を用いることで、加熱時のシリコーン樹脂基板の膨張率を低くすることができ、またケイ素原子に結合する官能基がアルキル基又はヒドロシリル基からなりアリール基を含まないため、加熱時の揮発ガスの発生量が少なく、信頼性の高いシリコーン樹脂基板を得ることができる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、上記の具体例に限定されるものではない。また、(B)成分としては、上記のようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、(B)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算での重量平均分子量は、1,000〜1,000,000、特に、1,000〜10,000の範囲にあることが好ましい。また、(B)成分が、室温で固体状又は半固体状であれば、作業性、硬化性等の観点から好適である。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、各単位の原料となる化合物を、生成ポリマー中で各シロキサン単位が所要のモル比となるように組み合わせ、例えば酸の存在下で共加水分解縮合を行うことによって合成することができる。
(R a2 3−a2SiO1/2)単位(M単位)の原料としては、MeHSiCl、MeHSiCl、HSiCl、EtHSiCl、EtHSiCl等のクロロシラン類、これらそれぞれのクロロシラン類に対応するメトキシシラン類などのアルコキシシラン等を例示することができる。
(RSiO3/2)単位(T単位)の原料としては、MeSiCl、EtSiCl、CySiCl、HSiCl等のクロロシラン類、これらそれぞれのクロロシラン類に対応するメトキシシラン類などのアルコキシシラン等、もしくは上記原料の一種又は二種以上の部分加水分解縮合物を例示することができる。原料としては、上記原料の一種又は二種以上の部分加水分解縮合物が特に好ましい。なお、部分加水分解縮合物の場合、シラノール基又はメトキシ基を含有することがある。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成方法としては、下記平均組成式(5)で示されるオルガノポリシロキサンと下記式(6)で示されるケイ素化合物を反応させる方法が好ましい。
(RSiO3/2p2(O1/2q2 (5)
(式中、R、Xは前記と同様である。p2、q2は0.5≦p2≦0.95、0.05≦q2≦0.5、及びp2+q2=1を満たす数であり、好ましくは0.7≦p2≦0.95、0.05≦q2≦0.3、及びp2+q2=1を満たす数である。)
a2 3−a2SiX (6)
(式中、R、Rは前記と同様であり、XはO1/2で表される基(Xは前記と同様である)又はハロゲン原子である。a2は前記と同様である。)
上記のように、予め(RSiO3/2)単位の部分加水分解縮合物を用意しておき、これを(R a2 3−a2SiO1/2)単位の原料と反応させる方法で(B)成分を合成することにより、合成時のシルセスキオキサン等の副生成物の生成を抑制することができるため、結果として、加熱時の揮発ガスの発生量が少なく、信頼性の高いシリコーン樹脂基板を得ることができる。
本発明では、接着性付与のために、上記の(A)成分及び(B)成分のいずれか一方又は両方を、シラノール基を含有するものとすることが好ましい。
−(C)付加反応触媒−
(C)成分は、(A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)との付加反応による架橋の触媒となる成分である。
(C)成分としては、付加反応を促進する触媒であれば、従来公知のいずれのものも使用することができる。(C)成分として、具体的には、コスト等の観点から、白金、白金黒、塩化白金酸等の白金系のもの、例えば、HPtCl・kHO、KPtCl、KHPtCl・kHO、KPtCl、KPtCl・kHO、PtO・kHO、PtCl・kHO、PtCl、HPtCl・kHO(ここで、kは、正の整数)等や、これらと、オレフィン等の炭化水素、アルコール、又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等、更にパラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属系触媒が挙げられる。なお、(C)成分としては、上記のような触媒を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C)成分の配合量は、硬化のための有効量でよく、通常、上記(A)成分及び(B)成分の合計量に対して白金族金属として質量換算で0.1〜500ppm、特に好ましくは0.5〜100ppmの範囲である。
−(D)無機質充填材−
(D)成分は、無機質充填材であり、シリコーン樹脂基板の機械的強度や光反射率の向上を目的として添加される成分である。
(D)成分の配合量は、得られるシリコーン樹脂基板の機械的強度の観点から、上記(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは1質量部以上900質量部以下であり、より好ましくは30質量部以上700質量部以下、更に好ましくは50質量部以上600質量部以下である。
(D)成分としては、従来公知のいずれの無機質充填材も使用することができ、特に限定されないが、(D−1)白色顔料:上記(A)成分及び上記(B)成分の合計100質量部に対して0質量部を超え500質量部以下、及び(D−2)上記(D−1)成分以外の無機質充填材:上記(A)成分及び上記(B)成分の合計100質量部に対して1質量部以上800質量部以下、のいずれか一方又は両方を含むものであることが好ましい。
このような(D−1)成分及び/又は(D−2)成分を含む無機質充填材は、シリコーン樹脂組成物に添加される(D)成分として好適であり、また、本発明の半導体装置がLED装置である場合に、特に好適である。
(D−1)成分
(D−1)成分は、白色顔料であり、シリコーン樹脂組成物の硬化物を白色にするための白色着色剤として用いられる成分である。この(D−1)成分は、得られるシリコーン樹脂基板に光反射性が求められる場合に、光反射率の向上を目的としてシリコーン樹脂組成物に添加される成分であり、シリコーン樹脂基板に光反射性が求められない場合には、添加しなくてもよい。なお、半導体装置の用途等によって異なるが、シリコーン樹脂基板に光反射性が求められる場合、シリコーン樹脂基板の光反射率は、全可視光領域にわたって80%以上(即ち、80〜100%)であることが好ましい。
(D−1)成分としては、一般的に使用されている白色顔料であれば、従来公知のいずれのものも使用でき、好適なものとしては、二酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。これらの中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、及び酸化マグネシウムがより好ましく、二酸化チタン及び酸化亜鉛が特に好ましい。二酸化チタンの結晶形はルチル型、アナタース型、ブルカイト型のいずれでも構わないが、ルチル型のものが好ましく使用される。なお、(D−1)成分としては、上記のような白色顔料を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(D−1)成分の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.05〜10.0μm、より好ましくは0.1〜5.0μm、更に好ましくは0.1〜1.0μmである。なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
また、(D−1)成分の白色顔料と(A)成分及び(B)成分の樹脂成分並びに後述する(D−2)成分の無機質充填材との混合性を高めるため、(D−1)成分の白色顔料を、Al、SiO、ZrO、シランカップリング剤等で予め表面処理してもよい。シランカップリング剤としては、一般的に使用されているシランカップリング剤であれば、従来公知のいずれのものも使用でき、好適なものとしては、メチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。
(D−1)成分の配合量は、上記(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは0質量部を超え500質量部以下、より好ましくは10質量部以上480質量部以下、特に好ましくは20質量部以上470質量部以下である。このような配合量であれば、光反射性を良好なものとすることができ、また機械的強度が低下する恐れもない。
(D−2)成分
(D−2)成分は、上記(D−1)成分(即ち、白色顔料)以外の無機質充填材であり、シリコーン樹脂基板の線膨張率の低減や機械的強度の向上を目的として添加される成分である。
(D−2)成分としては、通常、シリコーン樹脂組成物に配合される無機質充填材であれば、従来公知のいずれのものも使用することができ、好適なものとしては、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、溶融球状シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類や、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、三酸化アンチモン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化第二鉄、カーボンブラック等が挙げられる。これらの中でも、溶融シリカ、溶融球状シリカが特に好ましい。なお、(D−2)成分としては、上記のような無機質充填材を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(D−2)成分の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜50μmであり、得られるシリコーン樹脂組成物の成形性及び流動性の観点から、より好ましくは1〜10μm、更に好ましくは1〜5μmである。なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。また、(D−2)成分の形状は、特に限定されない。
(D−2)成分の無機質充填材は、樹脂と無機質充填材との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものであってもよい。このとき使用されるカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に限定されない。
また、(D−2)成分の無機質充填材は、該無機質充填材を有機溶剤に分散させたスラリーの状態でシリコーン樹脂組成物に添加してもよい。
(D−2)成分の配合量は、得られるシリコーン樹脂基板の線膨張率及び強度の観点から、上記(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上800質量部以下、より好ましくは20質量部以上690質量部以下、特に好ましくは30質量部以上580質量部以下である。
−その他の成分−
シリコーン樹脂組成物には、上述した(A)、(B)、(C)、(D)成分以外にも、必要に応じて、各種の添加剤を配合することができる。なお、添加剤としては、公知のものを使用することができる。
−(A)成分以外のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン−
シリコーン樹脂組成物には、必要に応じて、(A)成分以外のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(以下、「(F)成分」と称する)を添加することができる。
(F)成分は、(A)成分と同様の(R a1 3−a1SiO1/2)で示されるM単位、(RSiO3/2)で示されるT単位のいずれか一方又は両方を含んでもよく、(R4a5aSiO2/2)で示されるD単位を含んでもよい。なお、上記R4a及びR5aは、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基である。つまり、(F)成分もアリール基を含まないものとすることが好ましい。(F)成分がD単位を含む場合、(F)成分中の全シロキサン単位に対して好ましくは1〜20%、より好ましくは5〜15%の範囲でD単位を含むことが好ましい。
上記の範囲でD単位を含む(F)成分を添加することで、加熱時の膨張率を高くせずに、強度が高い高信頼性のシリコーン基板を得ることができる。なお、(F)成分を添加する場合、その添加量は、(A)成分100質量部に対し、5〜70質量部、好ましくは10〜50質量部、より好ましくは15〜30質量部である。
(R4a5aSiO2/2)単位(D単位)の原料としては、MeSiCl、EtSiCl、ViSiCl、MeViSiCl、シクロヘキシルメチルジクロロシラン等のクロロシラン類、これらそれぞれのクロロシラン類に対応するメトキシシラン類などのアルコキシシラン等を例示することができる。
(F)成分のオルガノポリシロキサンは、各単位の原料となる化合物を、生成ポリマー中で各シロキサン単位が所要のモル比となるように組み合わせ、例えば酸の存在下で共加水分解縮合を行うことによって合成することができる。
−(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサン−
シリコーン樹脂組成物には、必要に応じて(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(以下、「(G)成分」と称する)を添加することができる。
(G)成分は、(B)成分と同様の(R a2 3−a2SiO1/2)で示されるM単位、(RSiO3/2)で示されるT単位のいずれか一方又は両方を含んでもよく、(R4b5bSiO2/2)で示されるD単位を含んでもよい。なお、上記R4b及びR5bは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。つまり、(G)成分もアリール基を含まないものとすることが好ましい。(G)成分がD単位を含む場合、(G)成分中の全シロキサン単位に対して好ましくは1〜20%、より好ましくは5〜15%の範囲でD単位を含むことが好ましい。
上記の範囲でD単位を含む(G)成分を添加することで、加熱時の膨張率を高くせずに、強度が高い高信頼性のシリコーン基板を得ることができる。なお、(G)成分を添加する場合、その添加量は、(B)成分100質量部に対し、5〜70質量部、好ましくは10〜50質量部、より好ましくは15〜30質量部である。
(R4b5bSiO2/2)単位(D単位)の原料としては、MeSiCl、EtSiCl、HSiCl、MeHSiCl、シクロヘキシルメチルジクロロシラン等のクロロシラン類、これらそれぞれのクロロシラン類に対応するメトキシシラン類などのアルコキシシラン等を例示することができる。
(G)成分のオルガノポリシロキサンは、各単位の原料となる化合物を、生成ポリマー中で各シロキサン単位が所要のモル比となるように組み合わせ、例えば酸の存在下で共加水分解縮合を行うことによって合成することができる。
−接着助剤−
シリコーン樹脂組成物には、必要に応じて、接着性を付与するために、接着助剤(接着性付与剤)を添加することができる。接着助剤としては、例えば、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)、ケイ素原子に結合したアルケニル基(例えばSi−CH=CH基)、アルコキシシリル基(例えばトリメトキシシリル基)、及びエポキシ基(例えばグリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基)から選ばれる官能性基を少なくとも2種、好ましくは2種又は3種含有する直鎖状又は環状のケイ素原子数4〜50個、好ましくは4〜20個程度のオルガノシロキサンオリゴマーや、下記式(7)で示されるオルガノオキシシリル変性イソシアヌレート化合物、及びその加水分解縮合物(オルガノシロキサン変性イソシアヌレート化合物)等が挙げられる。なお、接着助剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
Figure 2017218473
(式中、Rは下記式(8)で示される有機基、又は脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基であるが、Rのうち1つ以上は式(8)で示される有機基である。)
Figure 2017218473
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、vは1〜6、好ましくは1〜4の整数である。)
上記式(7)におけるRの脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数6〜8のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記式(8)におけるRの一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、上記Rについて例示したアルケニル基及びシクロアルケニル基、更にフェニル基等のアリール基などの炭素数1〜8、好ましくは1〜6の一価炭化水素基が挙げられ、これらの中でも、アルキル基が好ましい。
更に、接着助剤としては、1,5−ビス(グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−グリシドキシプロピル−5−トリメトキシシリルエチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、及び下記式で示される化合物等を例示できる。
Figure 2017218473
(式中、h1及びh2はそれぞれ0〜50の範囲の整数であって、かつh1+h2が2〜50、好ましくは4〜20を満足するものである。)
Figure 2017218473
Figure 2017218473
上記の接着助剤のうち、得られるシリコーン樹脂組成物の硬化物に特に良好な接着性をもたらす化合物は、1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基と、アルケニル基又はケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)とを有する有機ケイ素化合物である。
接着助剤の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して、通常、10質量部以下(即ち、0〜10質量部)、好ましくは0.1〜8質量部、より好ましくは0.2〜5質量部程度である。10質量部以下であれば、シリコーン樹脂組成物の硬化物の硬度に悪影響を及ぼしたり、表面タック性を高めたりする恐れがない。
−硬化抑制剤−
シリコーン樹脂組成物には、必要に応じて、硬化抑制剤を添加することができる。硬化抑制剤としては、例えば、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサンのようなビニル基高含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類、及びそのシラン変性物又はシロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、及びベンゾトリアゾール等が挙げられる。なお、硬化抑制剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
硬化抑制剤の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して、通常、0.001〜1.0質量部、好ましくは0.005〜0.5質量部である。
なお、シリコーン樹脂組成物は、25℃(室温)で固体状のものであることが好ましく、25℃(室温)で可塑性の固体状のものであることがより好ましい。このようなシリコーン樹脂組成物であれば、取り扱いが容易である。
本発明のシリコーン樹脂基板は、上述のシリコーン樹脂組成物をそのままシート状に成形し、硬化させたものであってもよいが、基材であるガラスクロスに上述のシリコーン樹脂組成物を含浸させたシリコーン樹脂含浸ガラスクロスの硬化物、又はこのシリコーン樹脂含浸ガラスクロスを2枚以上積層させた積層体の硬化物であることが好ましい。このようなシリコーン樹脂基板であれば、製造が容易であり、反りや変形が更に抑制された高信頼性のシリコーン樹脂基板となる。
シリコーン樹脂組成物を含浸させるガラスクロスとしては、特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、石英ガラスクロス、無アルカリガラスクロス、高引張強度のTガラスクロス等を用いることができる。ガラスクロスはシート状であって、その厚さは、本発明のシリコーン樹脂基板の用途等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、好ましくは10〜2,000μm、より好ましくは20〜1,000μm、特に好ましくは50〜300μmである。
また、本発明のシリコーン樹脂基板は、シリコーン樹脂基板の片面又は両面に金属層を有するもの(即ち、金属張シリコーン樹脂基板)であってもよい。このような金属層を有するものであれば、光半導体装置や電気電子部品等の実装基板としてより好適なものとなる。
シリコーン樹脂基板の片面又は両面に形成される金属層は、特に限定されないが、例えば、Ni、Cu、Fe、Co、あるいはこれらの金属のうち2種類以上からなる合金、例えばNi−Cu合金、Fe−Ni合金、Fe−Co合金などから選ばれる金属を含む層とすることが好ましい。
このような本発明のシリコーン樹脂基板は、200℃で15分間加熱しヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーにより検出される揮発ガスの量が400μg/g(ガス発生量/サンプル量)以下のものであることが好ましく、350μg/g以下のものであることがより好ましく、320μg/g以下のものであることが更に好ましい。
シリコーン樹脂基板の揮発ガスの発生量を測定する場合には、例えばサンプル(即ち、シリコーン樹脂基板)0.1gを200℃で15分間加熱した場合に発生する揮発ガスをヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーによって検出し、(ガス発生量/サンプル量)の値として求めることができる。なお、ヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーは、ダイナミックヘッドスペース分析法、スタティックヘッドスペース分析法などから適宜選択することができる。
シリコーン樹脂基板の揮発ガスの発生量が400μg/g以下であれば、IRリフロー工程において多量の揮発ガスが発生する恐れがないため、基板上に形成されたパターンの膨れが発生する恐れがない。更に、シリコーン樹脂基板をLED装置に用いた場合、LEDの点灯中は、LEDチップの発熱により基板の温度が上昇するが、このような場合にも多量の揮発ガスが発生する恐れがないため、基板上に載置されたLEDチップや封止材が剥がれる恐れがない。つまり、このようなシリコーン樹脂基板を用いることで高信頼性のLED装置を得ることができる。
なお、通常、シリコーン樹脂基板の揮発ガス成分としては、樹脂由来の揮発性の高い副生成物、溶剤、加水分解性基由来のアルコール、樹脂由来の熱分解物などが挙げられる。樹脂由来の揮発性の高い副生成物の例としては、低分子シロキサンやシルセスキオキサンが挙げられる。低分子シロキサンとは、シロキシ基繰り返し単位が4〜20の環状、又は鎖状のオルガノポリシロキサンを指し、溶剤とは、樹脂合成時に使用した溶剤、又はシリコーン樹脂基板製造時に使用した溶剤を指す。加水分解性基由来のアルコールとは、加水分解性基を有している樹脂から縮合反応により発生したアルコール成分を指す。樹脂由来の熱分解物とは、シリコーン樹脂の官能基などが、加熱により分解しガスとして揮発した成分を指す。樹脂由来の熱分解物の一つの例としては、触媒として使用される白金とヒドロシリル基(SiH基)との共存下において、加熱時にシリコーン樹脂中のフェニル基を含む構成単位(例えば(PhSiO3/2)単位)の分解が促進されることで発生するベンゼンが挙げられる。このベンゼンの発生により、従来のシリコーン樹脂基板では、加熱時の揮発ガスの発生量が高くなっていた。これに対し、本発明では、上述のように、(A)成分及び(B)成分を(更には、(F)成分及び(G)成分も)アリール基を含まないものとすることで、上記のようなベンゼンの発生を抑制し、加熱時の揮発ガスの発生量を低減させることが可能となった。
また、本発明のシリコーン樹脂基板は、シリコーン樹脂基板の表面に対して垂直な方向(Z方向)のガラス転移温度〜200℃までの線膨張係数が200ppm/℃以下のものであることが好ましく、150ppm/℃以下のものであることがより好ましく、130ppm/℃以下のものであることが更に好ましい。
なお、シリコーン樹脂基板の表面に対して垂直な方向(Z方向)のガラス転移温度〜200℃までの線膨張係数は、JIS C 6481:1996に従って熱機械分析TMA装置を用いて測定することができる。
シリコーン樹脂基板の表面に対して垂直な方向(Z方向)のガラス転移温度〜200℃までの線膨張係数が200ppm/℃以下であれば、薄膜基板においても反りや変形が発生する恐れがなく、接続不良などの不具合が発生する恐れがない。
[シリコーン樹脂基板の製造方法]
また、本発明では、シリコーン樹脂基板の製造方法であって、
(i)下記(A)〜(D)成分を含む材料を混練することによってシリコーン樹脂組成物を調製する工程、及び
(A)下記平均組成式(1)で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン
(R a1 3−a1SiO1/2m1(RSiO3/2n1(O1/2s1 (1)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。a1は0〜3の整数であり、m1、n1、s1は0.001≦m1≦0.5、0.5≦n1≦0.999、0≦s1≦0.499、及びm1+n1+s1=1を満たす数である。)
(B)下記平均組成式(2)で示され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(R a2 3−a2SiO1/2m2(RSiO3/2n2(O1/2s2 (2)
(式中、R、Xは前記と同様であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。a2は0〜3の整数であり、m2、n2、s2は0.001≦m2≦0.5、0.5≦n2≦0.999、0≦s2≦0.499、及びm2+n2+s2=1を満たす数である。)
(C)付加反応触媒
(D)無機質充填材
(ii)前記(i)工程で調製したシリコーン樹脂組成物をシート化し、硬化させる工程、
を含むシリコーン樹脂基板の製造方法を提供する。以下、各工程について更に詳しく説明する。
−(i)シリコーン樹脂組成物を調製する工程−
本発明のシリコーン樹脂基板の製造方法では、まず、シリコーン樹脂組成物を調製する。シリコーン樹脂組成物は、上述の(A)〜(D)成分(及び必要に応じて上述の添加剤)を均一に混合(混練)することによって調製することができる。通常は、硬化が進行しないように2液に分けて保存され、使用時に2液を混合して硬化を行う。また、上述のアセチレンアルコール等の硬化抑制剤を少量添加して1液として用いることもできる。シリコーン樹脂組成物は、(A)、(B)、(C)成分を均一に混合してベース組成物を得て、更に(D)成分を配合し、混練することにより調製することが好ましい。
このとき、上記の(A)〜(D)成分を含む材料を(E)溶剤に溶解・分散させ、これを混練することによってシリコーン樹脂組成物を調製してもよい。(E)成分としては、シリコーン樹脂組成物が未硬化又は半硬化の状態に保持される温度で蒸発させることができるものであれば、特に限定されない。このような(E)成分としては、例えば、沸点が50〜150℃、好ましくは60〜100℃の溶剤が挙げられる。具体例としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系非極性溶剤;エーテル類等が挙げられ、これらの中でも、トルエン及びキシレンが好ましい。
(E)成分の添加量は、(A)〜(D)成分を含む材料を溶解・分散でき、得られた溶液又は分散液をガラスクロスに含浸させることができる量であれば、特に限定されず、(A)〜(D)成分を含む材料100質量部に対して、好ましくは10〜200質量部、より好ましくは20〜100質量部である。
−(ii)シリコーン樹脂組成物をシート化し、硬化させる工程−
本発明のシリコーン樹脂基板の製造方法では、次に、上記の(i)工程で調製したシリコーン樹脂組成物をシート化し、シリコーン樹脂組成物を硬化させて、シリコーン樹脂基板を製造する。シート化し、硬化させる方法は、シリコーン樹脂組成物をそのままシート状に成形し、これを加熱硬化させる方法であってもよいが、基材としてガラスクロスを用い、基材であるガラスクロスにシリコーン樹脂組成物を含浸させた後、ガラスクロスに含浸させた(シート状の)シリコーン樹脂組成物を加圧下で加熱硬化させる方法が好ましい。このように、基材としてガラスクロスを用いてシート化することで、シリコーン樹脂基板の製造が簡便になり、得られるシリコーン樹脂基板は反りや変形が更に抑制された高信頼性の基板となる。なお、ガラスクロスは上述のシリコーン樹脂基板の説明で挙げたものと同様のものを使用することができる。
また、ガラスクロスにシリコーン樹脂組成物を含浸させた後、シリコーン樹脂を含浸させたガラスクロス1枚を加圧下で加熱硬化させてもよいし、シリコーン樹脂を含浸させたガラスクロスを2枚以上積層して積層体とし、これを加圧下で加熱硬化させてもよい。
加圧下での加熱硬化(加熱加圧成形による硬化)は、例えば、熱プレス機、真空プレス機等を用いて、好ましくは1〜100MPa、より好ましくは5〜50MPaの圧力下、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜180℃の温度で行うことができる。硬化時間は、好ましくは1〜200分間、より好ましくは2〜120分間である。また、必要に応じて、ポストキュアを行ってもよい。
また、ガラスクロスを基材として用いる場合、ガラスクロス表面を被覆するシリコーン樹脂組成物の硬化物の厚さは、本発明のシリコーン樹脂基板の用途等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、好ましくは20〜2,000μm、より好ましくは50〜1,000μmである。
また、上述のように(i)工程において(E)溶剤を添加した場合には、ガラスクロスにシリコーン樹脂組成物を含浸させた後、加圧下で加熱硬化させる前に、ガラスクロスから溶剤を蒸発させて除去することが好ましい。溶剤の除去は、例えば、溶剤を含むシリコーン樹脂組成物を含浸させたガラスクロスを、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜100℃で放置することにより行うことができる。また、適宜、オーブン、ドライヤー等の加熱装置を用いてもよい。
また、金属張シリコーン樹脂基板を製造する場合には、(ii)工程において、シリコーン樹脂基板の片面又は両面に金属層を形成してもよい。金属層を形成する方法としては、例えば、硬化後のシリコーン樹脂基板に対して、サブトラクティブ法、無電解メッキ法、電解メッキ法、真空蒸着やスパッタリング法などの物理的蒸着法を施す方法や、金属フィラーを含有する塗料組成物を塗布する方法、この塗料組成物にシリコーン樹脂基板を浸漬する方法、あるいはシリコーン樹脂組成物を硬化させる前に、シート状のシリコーン樹脂組成物の片面又は両面に金属箔又は金属板を配置し、シリコーン樹脂組成物と金属箔又は金属板を一緒に加熱加圧成形する方法などが採用できるが、これらに制限されない。このような方法であれば、片面又は両面に金属層が形成されたシリコーン樹脂基板を容易に製造することができる。なお、金属層はシリコーン樹脂基板の説明で挙げたものと同様のものを形成することができる。
また、得られた金属張シリコーン樹脂基板の最外層には、必要に応じて、パターニング及び金属メッキを施してもよい。金属メッキを行う場合には、常法に従えばよく、特に限定されるものではない。この金属メッキで形成する金属膜層としては、Ni、Pd、Au、Ag、Snあるいはこれらの金属のうち2種類以上からなる合金、例えばNi−Au合金、Ni−Ag合金、Ni−Pd−Au合金などから選ばれる金属を含む層が好ましい。また、無電解メッキの後に電解メッキによる増膜形成を施してもよい。
[光半導体装置]
また、本発明では、上述の本発明のシリコーン樹脂基板と光半導体素子を有する光半導体装置を提供する。
図1は、本発明の光半導体装置の一例を示す概略断面図である。図1の光半導体装置1では、本発明のシリコーン樹脂基板2上に陽極と陰極とからなる電極パターン3が形成され、電極パターン3の一方の電極にダイボンディングペースト4を介して光半導体素子5がダイボンディングされている。また、光半導体素子5と電極パターン3の他方の電極との間にはボンディングワイヤー6が接続されている。更に、電極パターン3の一部、光半導体素子5、及びボンディングワイヤー6は、透明封止体7によって封止されている。
電極パターン3は、公知の方法で形成すればよく、例えば、片面又は両面に金属層を有するシリコーン樹脂基板に対してエッチングなどを行うことにより形成することができる。ダイボンディングペースト4としては、例えば、銀ペーストなどが挙げられる。光半導体素子5は、特に限定されず、光半導体装置の用途等に応じて適宜選択すればよい。ボンディングワイヤー6としては、例えば、金線等が挙げられる。透明封止体7は、例えば、シリコーン封止材、エポキシ封止材などの公知の封止材を、適宜所望の形状に成型して、硬化させることにより設けることができる。
以上のように、本発明のシリコーン樹脂基板であれば、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板となる。また、本発明のシリコーン樹脂基板は、シリコーン樹脂から構成されるため、従来のエポキシ樹脂から構成される基板に比べて、耐熱性及び耐候性に優れたものとなる。従って、このような本発明のシリコーン樹脂基板をLED装置などの光半導体装置の製造に適用すれば、基板の反りやIRリフロー時のパターン膨れ、LEDチップや封止材の剥がれが抑制された信頼性の高い光半導体装置を得ることができる。また、本発明のシリコーン樹脂基板の製造方法であれば、このような本発明のシリコーン樹脂基板を容易に製造することができる。
以下、合成例、比較合成例、実施例、及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記例において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である。
[合成例・比較合成例]
(合成例1)
−オルガノポリシロキサン樹脂(A1)−
トルエン溶媒に溶解したMeSiO3/2単位の部分加水分解縮合物である(MeSiO3/20.8(OH)0.1(OMe)0.1:724.6g(98モル%)に、トルエン溶媒に溶解したMeViSiCl:35.0g(2モル%)を滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、M単位とT単位のみからなりアリール基を含まないオルガノポリシロキサン樹脂(A1)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は4,000、ビニル基含有量は0.04モル/100gであった。
(合成例2)
−オルガノポリシロキサン樹脂(A2)−
トルエン溶媒に溶解したMeSiO3/2単位の部分加水分解縮合物である(MeSiO3/20.8(OH)0.1(OMe)0.1:364.7g(96モル%)に、トルエン溶媒に溶解したMeViSiCl:35.0g(4モル%)を滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、M単位とT単位のみからなりアリール基を含まないオルガノポリシロキサン樹脂(A2)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は7,000、ビニル基含有量は0.08モル/100gであった。
(合成例3)
−オルガノポリシロキサン樹脂(A3)−
トルエン溶媒に溶解したMeSiO3/2単位の部分加水分解縮合物である(MeSiO3/20.8(OH)0.1(OMe)0.1:69.8g(84モル%)に、トルエン溶媒に溶解したMeViSiCl:29.2g(16モル%)を滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、M単位とT単位のみからなりアリール基を含まないオルガノポリシロキサン樹脂(A3)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は11,000、ビニル基含有量は0.50モル/100gであった。
(合成例4)
−オルガノポリシロキサン樹脂(A4)−
IPA(イソプロピルアルコール)溶媒に溶解したMeSi(OMe):778.9g(95モル%)とMeViSiOMe:35.0g(5モル%)に塩酸水溶液を滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、M単位とT単位のみからなりアリール基を含まないオルガノポリシロキサン樹脂(A4)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は6,000、ビニル基含有量は0.07モル/100gであった。
(合成例5)
−オルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B1)−
トルエン溶媒に溶解したMeSiO3/2単位の部分加水分解縮合物である(MeSiO3/20.8(OH)0.1(OMe)0.1:724.6g(98モル%)に、トルエン溶媒に溶解したMeHSiCl:27.4g(2モル%)を滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、M単位とT単位のみからなりアリール基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B1)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は4,000、ヒドロシリル基含有量は0.04モル/100gであった。
(合成例6)
−オルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B2)−
トルエン溶媒に溶解したMeSiO3/2単位の部分加水分解縮合物である(MeSiO3/20.8(OH)0.1(OMe)0.1:364.7g(96モル%)に、トルエン溶媒に溶解したMeHSiCl:27.4g(4モル%)を滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、M単位とT単位のみからなりアリール基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B2)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は4,000、ヒドロシリル基含有量は0.08モル/100gであった。
(合成例7)
−オルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B3)−
IPA溶媒に溶解したMeSi(OMe):786.4g(95モル%)とMeHSiOMe:27.4g(5モル%)に塩酸水溶液を滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、M単位とT単位のみからなりアリール基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B3)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は5,000、ヒドロシリル基含有量は0.07モル/100gであった。
(比較合成例1)
−オルガノポリシロキサン樹脂(A5)−
PhSiClで示されるオルガノシラン:562.1g(90モル%)とViSiCl:47.8g(10モル%)をトルエン溶媒に溶解後、水中に滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、T単位のみからなる三次元網状構造でありアリール基を含むオルガノポリシロキサン樹脂(A5)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は4,000、ビニル基含有量は0.08モル/100gであった。
(比較合成例2)
−オルガノポリシロキサン樹脂(A6)−
PhSiClで示されるオルガノシラン:952.5g(81.6モル%)、ClMeSiO(MeSiO)SiMeCl:398.0g(9.1モル%)、MeViSiCl:37.8g(4.8モル%)、MeViSiCl:30.2g(4.5モル%)をトルエン溶媒に溶解後、水中に滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、M単位、D単位、及びT単位からなりアリール基を含むオルガノポリシロキサン樹脂(A6)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は14,000、ビニル基含有量は0.05モル/100gであった。
(比較合成例3)
−オルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B4)−
PhSiClで示されるオルガノシラン:666.8g(81.8モル%)、ClMeSiO(MeSiO)SiMeCl:278.6g(9.1モル%)、MeHSiCl:40.3g(9.1モル%)をトルエン溶媒に溶解後、水中に滴下し、共加水分解した。更に水洗、アルカリ洗浄による中和、脱水後、溶剤をストリップし、M単位、D単位、及びT単位からなりアリール基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B4)を合成した。この樹脂の重量平均分子量は11,000、ヒドロシリル基含有量は0.05モル/100gであった。
[実施例・比較例]
(実施例1)
合成例1で得られたオルガノポリシロキサン樹脂(A1):95g、合成例5で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B1):105g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルメチルデシルカルビノール:0.2g、付加反応触媒として塩化白金酸の1質量%オクチルアルコール溶液:0.2gを加え、よく撹拌してベース組成物を得た。このベース組成物に、溶剤としてトルエン:290gを加え、更に無機質充填材としてアルミナ(商品名:アドマファインAO−502、平均粒子径:約0.7μm、(株)アドマテックス製):395g及び酸化チタン(商品名:PF−691、平均粒子径:約0.2μm、(株)石原産業製):10g加えて、シンキーミキサーで撹拌し、シリコーン樹脂組成物のトルエン分散液を調製した。
シリコーン樹脂組成物のトルエン分散液にガラスクロス(日東紡製、厚さ:100μm)を浸漬することにより、シリコーン樹脂組成物のトルエン分散液をガラスクロスに含浸させた。このシリコーン樹脂含浸ガラスクロスを80℃で8分間放置することによりトルエンを蒸発させた。トルエンを蒸発させた後のガラスクロスの両面には、室温で固体の皮膜が形成されていた。このガラスクロスを熱プレス機にて160℃で20分間、その後200℃で70分間加圧成型してシリコーン樹脂基板を得た。また、上記のシリコーン樹脂組成物を含浸させトルエンを蒸発させたガラスクロスを銅箔(古河電気工業製、厚さ35μm)2枚の間に挟み、熱プレス機にて160℃で20分間、その後200℃で70分間加圧成型して銅張シリコーン樹脂基板を得た。
(実施例2)
実施例1において、オルガノポリシロキサン樹脂(A1):95gの代わりに、合成例2で得られたオルガノポリシロキサン樹脂(A2):95gを用い、オルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B1):105gの代わりに、合成例6で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B2):105gを用いた以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂基板及び銅張シリコーン樹脂基板を得た。
(実施例3)
実施例1において、オルガノポリシロキサン樹脂(A1):95gの代わりに、合成例3で得られたオルガノポリシロキサン樹脂(A3):24.5gを用い、オルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B1):105gの代わりに、合成例6で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B2):175.5g用いた以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂基板及び銅張シリコーン樹脂基板を得た。
(実施例4)
実施例1において、オルガノポリシロキサン樹脂(A1):95gの代わりに、合成例4で得られたオルガノポリシロキサン樹脂(A4):95gを用い、オルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B1):105gの代わりに、合成例7で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B3):105gを用いた以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂基板及び銅張シリコーン樹脂基板を得た。
(比較例1)
実施例1において、オルガノポリシロキサン樹脂(A1):95gの代わりに、比較合成例1で得られたオルガノポリシロキサン樹脂(A5):72.5gを用い、オルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B1):105gの代わりに、比較合成例3で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B4):127.5g用いた以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂基板及び銅張シリコーン樹脂基板を得た。
(比較例2)
実施例1において、オルガノポリシロキサン樹脂(A1):95gの代わりに、比較合成例2で得られたオルガノポリシロキサン樹脂(A6):95gを用い、オルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B1):105gの代わりに、比較合成例3で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B4):105gを用いた以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂基板及び銅張シリコーン樹脂基板を得た。
(比較例3)
実施例1で作製したシリコーン樹脂基板の代わりに、市販の白色ガラスエポキシ基板を用いて、耐熱変色性試験を行った。
上記のようにして実施例・比較例で得られたシリコーン樹脂基板及び銅張シリコーン樹脂基板に対し、以下の測定及び評価を行った。
1.揮発ガス発生量の測定
実施例1〜4、及び比較例1、2で得られたシリコーン樹脂基板0.1gをバイアル内に密封し、加熱温度200℃、加熱時間15分の環境下に置き、気相を、ヘッドスペースサンプラーを接続したガスクロマトグラフ質量分析計(装置名:QP−5050A,(株)島津製)により定量した。次に、既知の濃度のオクタメチルシクロテトラシロキサンとトルエンを含むメタノール溶液1μLをスパイクし、同様に測定を行い、これにより検量線を作成した。得られた検量線に基づいて、各シリコーン樹脂基板の測定結果の各ピークから揮発ガスの発生量を求めた。結果を表1に示す。
2.線膨張係数の測定
実施例1〜4、及び比較例1、2で得られた銅張シリコーン樹脂基板の銅箔をエッチング処理によって除去したのち、JIS C 6481:1996に従って熱機械分析TMA装置(装置名:TMA/SS6100,(株)エスアイアイ・ナノテクノロジー製)を用いて、該基板に対して垂直な方向(Z方向)の線膨張係数を、ガラス転移温度〜200℃の温度範囲において測定した。結果を表1に示す。
3.基板のふくれの評価
実施例1〜4、及び比較例1、2で得られた銅張シリコーン樹脂基板を25mm角の正方形に切り出し、320℃、10分間加熱した後、基板と銅箔の間や基板層間にふくれを確認した。結果を表2に示す。
4.リフロー試験後の反りの測定
実施例1〜4、及び比較例1、2で得られた銅張シリコーン樹脂基板を用いて図2に示されるように銅箔の一部をパターニングした基板(縦50mm×横100mm)を作製した。作製した基板に対し、IRリフロー装置(装置名:TNR15−225LH、(株)田村製作所製)により260℃、60秒間のIRリフロー処置を行った後の基板の長手方向の反り(単位mm)を測定した。結果を表2に示す。
5.引きはがし強さの測定
実施例1〜4、及び比較例1、2で得られた銅張シリコーン樹脂基板の銅箔の一部をエッチング処理によって除去したのち、JIS C 6481:1996に従って、得られた銅張シリコーン樹脂基板を25mm幅に切りだし、35μm銅箔1mm幅の引きはがし強さをヘッドスピード50mm/minで測定した(n=3の平均値を測定した)。結果を表2に示す。
6.曲げ強さの測定
実施例1〜4、及び比較例1、2で得られた銅張シリコーン樹脂基板の銅箔をエッチング処理によって除去したのち、JIS C 6484:2005に従ってオートグラフ装置(装置名:AG−IS,(株)島津製)により、曲げ強さを測定した。結果を表2に示す。
7.耐熱変色性の評価
実施例1、2、及び比較例1、3で得られた各銅張シリコーン樹脂基板又は市販の白色ガラスエポキシ基板の銅箔をエッチング処理によって除去したのち、該基板表面の青色LEDの平均波長(450nm)における反射率を光反射率測定機X−rite 8200(積分球分光光度計、X−rite社(US)製)にて測定し、更に200℃で23時間加熱処理したのちの反射率も同様に測定した。結果を表3に示す。
Figure 2017218473
表1に示されるように、M単位とT単位のみからなりアリール基を含まないオルガノポリシロキサン樹脂(A1)〜(A4)、及びM単位とT単位のみからなりアリール基を含まないオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B1)〜(B3)を含むシリコーン樹脂組成物を用いて製造した実施例1〜4のシリコーン樹脂基板では、揮発ガスの発生量が400μg/g以下であり、ガラス転移温度〜200℃までの線膨張係数が200ppm/℃以下であった。つまり、実施例1〜4では、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板が得られていた。一方、T単位のみからなる三次元網状構造でありアリール基を含むオルガノポリシロキサン樹脂(A5)、及びM単位、D単位、及びT単位からなりアリール基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B4)を含むシリコーン樹脂組成物を用いて製造した比較例1のシリコーン樹脂基板では、線膨張係数は200ppm/℃以下を示したが、揮発ガスの発生量が400μg/gを超えていた。また、M単位、D単位、及びT単位からなりアリール基を含むオルガノポリシロキサン樹脂(A6)、及びM単位、D単位、及びT単位からなりアリール基を含むオルガノハイドロジェンポリシロキサン樹脂(B4)を含むシリコーン樹脂組成物を用いて製造した比較例2のシリコーン樹脂基板では、揮発ガスの発生量が400μg/gを超えており、線膨張係数も200ppm/℃を超えていた。つまり、比較例1、2では、熱膨張率が低く、加熱時の揮発ガスの発生量が少ない、高信頼性のシリコーン樹脂基板が得られなかった。
Figure 2017218473
また、表2に示されるように、比較例1、2で作製した銅張シリコーン樹脂基板では加熱によって基板のふくれが発生していたのに対し、実施例1〜4で作製した銅張シリコーン樹脂基板では、加熱しても基板のふくれが発生しなかった。また、実施例1〜4、比較例1で作製した銅張シリコーン樹脂基板では、比較例2で作製した銅張シリコーン樹脂基板に比べて、線膨張係数が低いために、リフロー試験後の基板の反りが抑制されていた。このことから、本発明のシリコーン樹脂基板であれば、実装時のはんだ付けのトラブルを防止できることが示唆された。また、実施例1〜4で作製した銅張シリコーン樹脂基板では、引きはがし強さ及び曲げ強さが両方とも良好であるのに対し、比較例1で作製した銅張シリコーン樹脂基板では、引きはがし強さ及び曲げ強さが両方とも実施例1〜4に劣っており、比較例2で作製した銅張シリコーン樹脂基板では、曲げ強さは実施例1〜4と同等であったが、引きはがし強さは実施例1〜4に劣っていた。このことから、本発明のシリコーン樹脂基板であれば、従来のシリコーン樹脂基板(比較例1、2)に比べて、高信頼性のシリコーン樹脂基板となることが明らかとなった。
Figure 2017218473
また、表3に示されるように、実施例1、2で作製したシリコーン樹脂基板は、比較例1で作製した従来のシリコーン樹脂基板と同等の優れた耐熱変色性を有しており、比較例3の汎用のエポキシ樹脂基板と比較すると耐熱変色性に著しく優れていた。このことから、本発明のシリコーン樹脂基板であれば、加工時の加熱及びLEDチップの発熱量の増大による基板の劣化を防止できることが示唆された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…光半導体装置、 2…シリコーン樹脂基板、 3…電極パターン、
4…ダイボンディングペースト、 5…光半導体素子、 6…ボンディングワイヤー、
7…透明封止体。

Claims (21)

  1. シリコーン樹脂組成物の硬化物を含むシリコーン樹脂基板であって、
    前記シリコーン樹脂組成物が、下記(A)〜(D)成分を含むものであることを特徴とするシリコーン樹脂基板。
    (A)下記平均組成式(1)で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン
    (R a1 3−a1SiO1/2m1(RSiO3/2n1(O1/2s1 (1)
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。a1は0〜3の整数であり、m1、n1、s1は0.001≦m1≦0.5、0.5≦n1≦0.999、0≦s1≦0.499、及びm1+n1+s1=1を満たす数である。)
    (B)下記平均組成式(2)で示され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (R a2 3−a2SiO1/2m2(RSiO3/2n2(O1/2s2 (2)
    (式中、R、Xは前記と同様であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。a2は0〜3の整数であり、m2、n2、s2は0.001≦m2≦0.5、0.5≦n2≦0.999、0≦s2≦0.499、及びm2+n2+s2=1を満たす数である。)
    (C)付加反応触媒
    (D)無機質充填材
  2. 前記Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であり、前記Rが、ビニル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂基板。
  3. 前記(D)成分が、
    (D−1)白色顔料:前記(A)及び前記(B)成分の合計100質量部に対して0質量部を超え500質量部以下、及び
    (D−2)前記(D−1)成分以外の無機質充填材:前記(A)成分及び前記(B)成分の合計100質量部に対して1質量部以上800質量部以下、
    のいずれか一方又は両方を含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコーン樹脂基板。
  4. 前記(D−1)成分が、二酸化チタン及び酸化亜鉛のいずれか一方又は両方であることを特徴とする請求項3に記載のシリコーン樹脂基板。
  5. 前記シリコーン樹脂組成物が、25℃で固体状のものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板。
  6. 前記シリコーン樹脂基板が、基材であるガラスクロスに前記シリコーン樹脂組成物を含浸させたシリコーン樹脂含浸ガラスクロスの硬化物、又は前記シリコーン樹脂含浸ガラスクロスを2枚以上積層させた積層体の硬化物であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板。
  7. 前記シリコーン樹脂基板が、該シリコーン樹脂基板の片面又は両面に金属層を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板。
  8. 前記シリコーン樹脂基板は、200℃で15分間加熱しヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーにより検出される揮発ガスの量が400μg/g(ガス発生量/サンプル量)以下のものであり、前記シリコーン樹脂基板の表面に対して垂直な方向のガラス転移温度〜200℃までの線膨張係数が200ppm/℃以下のものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板と光半導体素子を有するものであることを特徴とする光半導体装置。
  10. シリコーン樹脂基板の製造方法であって、
    (i)下記(A)〜(D)成分を含む材料を混練することによってシリコーン樹脂組成物を調製する工程、及び
    (A)下記平均組成式(1)で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン
    (R a1 3−a1SiO1/2m1(RSiO3/2n1(O1/2s1 (1)
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。a1は0〜3の整数であり、m1、n1、s1は0.001≦m1≦0.5、0.5≦n1≦0.999、0≦s1≦0.499、及びm1+n1+s1=1を満たす数である。)
    (B)下記平均組成式(2)で示され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (R a2 3−a2SiO1/2m2(RSiO3/2n2(O1/2s2 (2)
    (式中、R、Xは前記と同様であり、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。a2は0〜3の整数であり、m2、n2、s2は0.001≦m2≦0.5、0.5≦n2≦0.999、0≦s2≦0.499、及びm2+n2+s2=1を満たす数である。)
    (C)付加反応触媒
    (D)無機質充填材
    (ii)前記(i)工程で調製したシリコーン樹脂組成物をシート化し、硬化させる工程、
    を含むことを特徴とするシリコーン樹脂基板の製造方法。
  11. 前記(A)成分として、下記平均組成式(3)で示されるオルガノポリシロキサンと下記式(4)で示されるケイ素化合物を反応させて得られるものを用いることを特徴とする請求項10に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
    (RSiO3/2p1(O1/2q1 (3)
    (式中、R、Xは前記と同様である。p1、q1は0.5≦p1≦0.95、0.05≦q1≦0.5、及びp1+q1=1を満たす数である。)
    a1 3−a1SiX (4)
    (式中、R、Rは前記と同様であり、XはO1/2で表される基(Xは前記と同様である)又はハロゲン原子である。a1は前記と同様である。)
  12. 前記(B)成分として、下記平均組成式(5)で示されるオルガノポリシロキサンと下記式(6)で示されるケイ素化合物を反応させて得られるものを用いることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
    (RSiO3/2p2(O1/2q2 (5)
    (式中、R、Xは前記と同様である。p2、q2は0.5≦p2≦0.95、0.05≦q2≦0.5、及びp2+q2=1を満たす数である。)
    a2 3−a2SiX (6)
    (式中、R、Rは前記と同様であり、XはO1/2で表される基(Xは前記と同様である)又はハロゲン原子である。a2は前記と同様である。)
  13. 前記Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であり、前記Rが、ビニル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、又はシクロヘキシル基であることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
  14. 前記(D)成分として、
    (D−1)白色顔料:前記(A)及び前記(B)成分の合計100質量部に対して0質量部を超え500質量部以下、及び
    (D−2)前記(D−1)成分以外の無機質充填材:前記(A)成分及び前記(B)成分の合計100質量部に対して1質量部以上800質量部以下、
    のいずれか一方又は両方を含むものを用いることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
  15. 前記(D−1)成分として、二酸化チタン及び酸化亜鉛のいずれか一方又は両方を用いることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
  16. 前記シリコーン樹脂組成物を、25℃で固体状のものとすることを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
  17. 前記(i)工程において、前記(A)〜(D)成分を含む材料を(E)溶剤に溶解・分散させ、これを混練することによってシリコーン樹脂組成物を調製することを特徴とする請求項10から請求項16のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
  18. 前記(ii)工程において、基材であるガラスクロスに前記シリコーン樹脂組成物を含浸させ、該ガラスクロスに含浸させたシリコーン樹脂組成物を加圧下で加熱硬化させることを特徴とする請求項10から請求項17のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
  19. 前記(ii)工程において、前記ガラスクロスに前記シリコーン樹脂組成物を含浸させた後、該シリコーン樹脂を含浸させたガラスクロスを2枚以上積層し、前記ガラスクロスに含浸させたシリコーン樹脂組成物を加圧下で加熱硬化させることを特徴とする請求項18に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
  20. 前記(ii)工程において、前記シリコーン樹脂基板の片面又は両面に金属層を形成することを特徴とする請求項10から請求項19のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
  21. 前記シリコーン樹脂基板として、200℃で15分間加熱しヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーにより検出される揮発ガスの量が400μg/g(ガス発生量/サンプル量)以下のものであり、前記シリコーン樹脂基板の表面に対して垂直な方向のガラス転移温度〜200℃までの線膨張係数が200ppm/℃以下のものを製造することを特徴とする請求項10から請求項20のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂基板の製造方法。
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