JP2017218217A - 包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】切裂き用の切込みを用いて包装袋を開封する際に、開封線への接続が容易かつ確実な包装袋を提供することを課題とする。【解決手段】プラスチックフィルム基材とシーラント層を有する積層体からなる矩形の包装袋であって、ヒートシールされた周縁部の側部の外縁に設けた切込み(1)の先端から、天部外縁に平行な開封線(2)を有し、切込みの斜上側と斜下側をそれぞれ始点として、一対の誘導線(7)、(8)が包装袋の内側に向かい間隔が狭まり開封線の端部に収束するように表裏の積層体に分けて設けられ、始点の間隔をh、切込みの頂点と始点との幅方向の離隔をaとしたとき次の式を満足する。a<h【選択図】図2

Description

本発明は包装袋に関するものである。とくに、その開封において、切裂き開始用の切込みから開封線への接続が、容易かつ確実な易開封式の包装袋に関するものである。
包装袋の切り裂き開始用の切込みと、切裂きを容易かつ直線的にするための開封線が設けられた易開封式の包装袋は周知であり、広く用いられている。
しかしながら、切裂き開始用の切込みを用いて包装袋を開封しようとする際に、図6に模式的に示すように、切裂き(24)の方向がそれて開封線(23)に接続できない場合には、開封がしにくくなることや、切り口が直線にならず、その場合には外観を損なう上、内容物の取り出しに支障をきたす恐れもあった。
特許文献1には、包装袋周縁部にノッチを設けて、切裂きの開始と切れ目線への接続を可能にする案が示されているが、切裂き時の位置や力の加減、角度によってはノッチから切れ目線への接続が必ずしも容易ではなく、切れ目線への接続を確実にするものではなかった。
特許文献2には、包装袋側端縁にノッチを、側端熱接着部に逆くの字の貫通切れ目をノッチの上に位置するように設け、ノッチから開封切れ目に開封を導く案が示されているが、逆くの字の貫通切れ目と開封切れ目を異なる手法で設ける必要があり、また流通時や使用時に貫通切れ目から意図しない開封が発生するおそれもあり、実用上の懸念があった。
特開平7−285559号公報 特開2012−71898号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、切裂き開始用の切込みを用いて包装袋を開封する際に、開封線への接続が容易かつ確実で、流通時等における意図しない開封のおそれの少ない包装袋を効率的に提供することを、課題とするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材とシーラント層を少なくとも有する積層体の、シーラント層を対向させて天部、底部、左右の側部の周縁部をシールしてなる矩形の包装袋であって、シールされた周縁部の、少なくとも一方の側部の外縁に切込みを有し、切込みの先端から天部外縁に平行な方向に離隔した端部から天部外縁に平行に開封線が延在し、前記切込みの斜上側と斜下側をそれぞれ始点とし一本は表側、他の一本は裏側の積層体に設けられた一対の誘導線が、包装袋の内側に向かって上下の間隔が狭まり前記開封線の端部に収束するように設けられ、前記始点の間隔をhとし、前記切込みの頂点と前記始点との包装袋の内側向きの離隔をaとしたとき、a<hを満たすことを特徴とする包装袋である。
また、請求項2に記載の発明は、前記誘導線が開封線と連続した脆弱部により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
本発明によれば、切込みを用いて包装袋を開封する際に、切込みの先端から開封線に向かって直線的に切裂きが進むのが理想的であるところ、包装袋の持ち方や切裂きの力の入れ加減などさまざまな要因により切裂きが上又は下の方向にずれて進んでしまった場合であっても、その後、切込みの斜上側、又は斜下側から開封線に収束するように設けられた誘導線に切裂きが逢着すると、以降の切裂きは誘導線によって望ましい切裂き線である開封線に向かって導かれることにより、開封線に沿った直線状の切裂きを行うことが容易かつ確実な包装袋を提供することが可能である。
また請求項2に記載の発明によれば、誘導線及び開封線の加工をする際、加工のパターンが複雑な分岐パターンなどでなく、1本の線状のパターンであるため、レーザ光照射などの効率的な加工方法を利用して誘導線や開封線が設けられた包装袋を提供することが可能である。
図1は本発明に係る包装袋を説明するための、包装袋の一実施形態を示す平面模式図である。 図2は本発明に係る、包装袋およびその実施形態を説明するための、左側部の切込み部分を拡大した、部分平面模式図である。 図3は本発明に係る包装袋およびその実施形態を説明するための、左右両側部の切込み部分を拡大した、部分平面模式図である。 図4は本発明に係る包装袋を構成する積層体の、層構成の一実施形態を説明するための、部分断面模式図である。 図5は本発明に係る包装袋の一実施形態において、切込みからの切裂きの状態を説明するための部分平面模式図である。 図6は、従来技術による切込みと開封線を設けた包装袋の切裂きの状態を説明するための部分平面模式図である。
以下本発明を実施するための形態について、図を参照しながら詳細な説明を加える。ただし本発明はここに示す例にのみ限定されるものではない。
図1は本発明に係る包装袋を説明するための、包装袋の一実施形態を示す平面模式図である。本発明による包装袋(10)は、少なくとも基材とシーラント層を有する積層体からなる矩形の包装袋である。この包装袋(10)は、積層体のシーラント層同士を対向させ重ね合わせて、周縁部をヒートシールして製袋されている。
ここに示す例において、ヒートシールは、右側部ヒートシール部(3)、底部ヒートシール部(6)、左側部ヒートシール部(4)がヒートシールされ、天部の開口部から内容物を充填した後、天部ヒートシール部(5)をヒートシールして、内容物は包装袋(10)内に密封される。
(切込み)
左側部ヒートシール部(4)には、外側の縁に切込み(1)を有する。開封に際してはこの切込み(1)をきっかけとして、手指を用いて包装袋(10)を切裂き、開封することができる。この開封を開始するための切込み(1)は包装袋(10)の右側部あるいは左右両側部に設けてもよい。また切込み(1)の形状は包装袋内側に向かってV字形またはU字形など適当な形状に切り欠けばよく、あるいは単に切り込むだけでもよい。
切込み(1)の切り込んだ先端は左側部ヒートシール部(4)を2mm以上残して切り込む必要があり、この範囲であれば、内容物充填後における荷扱いや搬送などにおいて、外力がかかることによる、予期せぬ開封を防止することができる。
(開封線)
切込み(1)の先端から切裂きの進行が想定される方向には、開封線(2)が対向する右側部ヒートシール部(3)の方向に向かって設けてある。開封線(2)に沿って切裂きが行われることにより、包装袋(10)の開封は、容易かつ確実に、また直線的に行なうことができる。
開封線(2)は、たとえば傷加工などによって線状に脆弱部を設けたり、積層体中のプラスチックフィルムの配向性を利用するなどして、容易かつ確実な開封を実現するものである。ここに示す例においては、開封線(2)は、たとえば傷加工によってその部分を直線状に脆弱加工したものであって、1本線で構成してもよく、複数本で構成して設けることもできる。表裏両方の積層体に位置を同じくして設ける。包装袋(10)に密閉された内容物は、開封線(2)によって開けられた開口部から取り出すことが可能になる。
切込み(1)と、それに続く開封線(2)の包装袋においての配置は、切り裂きやすさと合せ、内容物の取りだしやすさや、内容物の性状よるこぼれにくさ、もしくはこぼれやすさなど、包装袋の使い勝手や商品としてのデザイン性などを勘案して適宜決定することができる。
(誘導線)
図2は本発明に係る包装袋およびその一実施形態を説明するための、切込み部分を拡大した、部分平面模式図である。ここに示す形態においては、ヒートシールされた左側部ヒートシール部(4)には、切込み(1)の斜上側及び斜下側を始点とする2本の誘導線のうち上側誘導線(7)が表側の積層体に、下側誘導線(8)が裏側の積層体に、開封線の端部(21)に向けて間隔が狭まり収束する形状で設けてある。なお図2に示す例では上下の誘導線は曲線状となっているが、直線状であってもよい。
ここで下側誘導線(8)が点線で示してあるのは、裏側の積層体に設けられていることを示すためであり、実際に点線状に線が形成されていることを示すものではない。また図示と逆に、上側誘導線(7)を裏側の積層体に、下側誘導線(8)を表側の積層体に設けても差し支えなく、一方を表側に、他方を裏側に設けるようにして適宜選択可能である。なお特に図示していないが、開封線(2)は裏側の積層体にも設けられており、裏側の積層体に設けられた下側誘導線(8)と連続している。
図3は本発明に係る、包装袋の左右両側部に切込みを設けた場合の一実施形態を説明するための、切込み部分を拡大した部分平面模式図である。ここに示す形態においては、左側部は図2に示したと同様の形態であるが、開封線(2)の右側延長方向の右側部ヒートシール部(3)には、切込み(11)と、切込み(11)の斜上側及び斜下側を始点とする2本の誘導線、すなわち上側誘導線(88)が裏側の積層体に、下側誘導線(77)が表側の積層体に、開封線(2)の右側端部(22)に向けて間隔が狭まり収束する形状で設けてある。
両側部に切込みと誘導線を設けると、開封が左右どちらの側部からも容易に確実に行えるため利便性が高い。なお、この場合でも同一側部の上側誘導線、下側誘導線を表裏いずれかの積層体に別々に設ければ良く、反対の側部の誘導線は適宜選択して良い。すなわち、図3において、左側部側の上側誘導線(7)、右側部側の上側誘導線(88)を共に表側の積層体に設け、左側部側の下側誘導線(8)、右側部側の下側誘導線(77)を共に裏側の積層体に設けるようにしてもよく、又はその逆にしても良い。
ここで、同一の側部の上側誘導線と下側誘導線は表裏別々の積層体に設ける点につき、図2を用いて説明する。開封線(2)、上側誘導線(7)、下側誘導線(8)などを積層体に設ける場合、傷加工などで脆弱部として設けることが望ましい。特に、誘導線から開封線(2)にスムーズに切裂きが連続するためには、誘導線と開封線(2)が同じ手法で連続して設けられていると、誘導線と開封線の間に不連続がなくより好適である。このような手法として例えば、炭酸ガスレーザ装置などによるレーザ光照射によるハーフカット加工などが好適に利用できる。
しかしその際、上側誘導線(7)、下側誘導線(8)の両方を表側又は裏側の一方の側の積層体に設けようとすると、加工パターンがY字状になり、さらに図3の様に両端に誘導線を設ける場合は両Y字加工することになり、レーザ装置での加工工程上の効率が悪くなってしまう。
そこでわれわれは鋭意検討した結果、上側誘導線(7)と下側誘導線(8)を表側、裏側の積層体それぞれに別けて設けることで、傷加工のパターンを開封線と連続した1本の線状にすることができ、効率的な加工が可能となることを見出した。
さらにわれわれは、上側誘導線(7)、下側誘導線(8)の2本の誘導線は、始点における間隔をh、切込み(1)の先端部と誘導線の始点との包装袋の内側方向の離隔をaとしたとき、a<hの関係を満たすとき、切込み(1)をきっかけとした切裂きが、開封線(2)からそれて開封を妨げることなく開封線(2)に接続して、開封の容易性、確実性、直線性に対して有効であることを見出した。
図5は切込みからの切裂きの状態を説明するための部分平面模式図である。切裂き(20)が開封線(2)からずれた方向に向かった場合でも、上側誘導線(7)に到達することで再び開封線(2)に向かって誘導される。
このとき、裏側の積層体の切裂きも同時に進行しており、裏側の積層体にはこの位置において誘導線がないが、表側の積層体が上側誘導線(7)に沿って誘導されるのに連れて同様に開封線近傍に誘導され、開封線(2)の開始位置の方向に戻すことが可能であり、切込み(1)からの切裂き(20)は、開封線(2)に向かって安定して行なうことができる。ずれた方向が上下逆であっても同様である。このように、誘導線によって、包装袋の開封は、容易かつ確実に行なうことが可能である。
(傷加工)
開封線(2)のための傷加工は、その部分を直線状に脆弱加工したものを用いることができるのであって、1本線で構成してもよく、隣接する複数本で構成して設けることもできる。また上側誘導線(7)と下側誘導線(8)を表側、裏側の積層体それぞれに別けて設けて開封線(2)と同一の加工方法で連続して加工することで、表側、裏側の積層体共に、傷加工のパターンを折り返しなどのない連続した線状にすることができ、効率的な加工が可能である。
傷加工の手法は特に限定されるものではないが、加工の効率、加工精度、安定性などからたとえばプラスチックフィルム基材層(35)へのレーザ光照射によって形成するのが好適である。
このように、本発明によれば、切裂き開始用の切込み(1)を用いて、包装袋を開封しようとする際に、開封線(2)への接続が容易かつ確実な包装袋を効率的な加工工程によ
り提供することが可能である。
本発明による包装袋は、プラスチックフィルムを基材として、シーラント層を有する積層体からなるが、図4は、本発明に係る包装袋を構成する積層体の、層構成の一実施形態を説明するための、部分断面模式図である。
ここに示す実施形態においては、包装袋内面側になる面にシーラント層(36)を配置してある。したがって、この積層体(30)を用いて製袋する場合には、シーラント層(36)同士を対向させて重ねてヒートシールを行なうために、ヒートシール層(36)は包装袋内面側となって、内容物はシーラント層(36)に接して、包装袋に充填、密閉される。
またここに示す例では、包装袋外面側になる面には、たとえば内容物が食品や飲料である場合の保存性の向上を目的として、ガスバリアフィルム(33)を設けてあり、このガスバリアフィルム(33)はプラスチックフィルム(31)にガスバリア層(32)を設けたものである。
またここに示す例では、積層体(30)の中間にプラスチックフィルム基材層(35)を配置してあり、積層体(30)全体の機械特性にも影響を与えることができる。たとえば、このプラスチックフィルム基材層(35)に、延伸ポリアミドフィルムを用いる場合には、積層体(30)に突き刺しに対する強靭性や、衝撃に対する強靭性を付与することができる。プラスチックフィルム基材層(35)は、接着剤層(34)を介して積層することができる。
積層体(30)は、シーラント層(36)およびプラスチックフィルム基材層(35)を必須として、その他の層構成や材料構成、厚さなどは、包装袋に対する要求品質や用途に応じて適宜設計することができる。
(プラスチックフィルム)
積層体(30)を構成するプラスチックフィルム基材層(35)のプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、要求品質や用途に応じて適宜選択することができる。
たとえば、延伸ポリアミドフィルムをプラスチックフィルム基材層(35)として用いる場合には、積層体(30)に突き刺しに対する強靭性や、衝撃に対する強靭性を付与することができる。またたとえば、ポリプロピレンもしくはポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム基材層(35)として用いる場合には、積層体(30)の強度と価格においてより好ましい。
(シーラント層)
シーラント層(36)は積層体(30)の少なくとも一方の表面に配置され、2枚の積層体をシーラント層(36)同士が対向するように重ねて、加熱、加圧してヒートシールすることによって互いを接着させ、包装袋(10)に製袋することを可能にする。
シーラント層(36)の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
シーラント層(36)の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体(30)上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、積層体(30)の表面にシーラント層(36)を形成することも可能である。
(印刷層)
図4に示してはいないが、必要に応じて商品としてのイメージアップや、内容物についての必要な情報を、積層体(30)中の、包装袋外面側から見える層に印刷によって設けることができる。そのための基材には、高分子材料を素材としたプラスチックフィルムを用いることができる。
高分子材料を素材としたプラスチックフィルムは高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
ここで印刷方法、および印刷インキには、とくに制約を設けるものではないが、既知の印刷方法や印刷材料の中から、フィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、あるいは用途が食品などの場合には食品容器としての安全性、などを考慮すれば適宜選択することができる。
たとえばグラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。中でもグラビア印刷法は、生産性や絵柄の高精細度において、好ましく用いることができる。
(ガスバリア層)
また、内容物の保存性を向上させることなどを目的として、必要な場合には、積層体(30)中に着色フィルムなど紫外線を遮蔽する不透明層を設けることができる。あるいは、積層体(30)中にガスバリア層(32)を設けることができる。図4に示す例は、プラスチックフィルム(31)の表面にガスバリア層(32)を設けてなるガスバリアフィルム(33)を用いた例である。
ガスバリアフィルム(33)に用いられるプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム(31)とする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
電子レンジによる加熱調理を前提とする場合には、ガスバリア層としてアルミニウム箔などの金属箔やアルミニウム蒸着層を用いることができない。しかし代わってプラスチッ
クフィルム(31)の表面に、無機化合物からなるガスバリア層(32)を設けたガスバリアフィルム(33)を用いることができる。
このガスバリアフィルム(33)の場合、ガスバリア層(32)は無機化合物の蒸着層もしくはコーティング層、またはその両方で構成することができ、両方で構成する場合にはプラスチックフィルム(31)にアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設けることができる。
ガスバリアフィルム(33)のアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなどの印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を、真空蒸着法を用いてアンカーコート層を設けた基材フィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。蒸着層の厚みは15nm〜30nmが良い。
コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による塗膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、包装袋としての適性も具備することができる。
またガスバリア層(32)として、たとえばSiOを用いる場合にはその被膜は透明であるために、内容物を包装袋の外側から目で見ることが可能である。これらは、用途、要求品質によって適宜使い分けをすればよい。
またガスバリア層(32)として金属箔を用いていないことから、電子レンジによる加熱などに対する適性もあり、包装袋を外側から押して使用した際などの、容器形状の復元性などにも利点を有する。
(接着剤層)
積層体(30)を構成する各層を積層する際には、接着剤層(34)を介して積層することができる。接着剤の材料としてはたとえば、ポリエステル−イソシアネート形樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル系樹脂などを用いることができる。
また積層の方法については、ドライラミネーションあるいはノンソルベントラミネーションなどの方法を用いることができる。あるいは、熱可塑性樹脂を用いる場合には、押し出し機を用いてラミネート、あるいは層を形成することもできる。
以下、図2を参照しながら、本発明をさらに実験例によって具体的に説明を加える。ただし、本発明はここに示す例にのみ限定されるものではない。
<実験例1>
図2に示す形態の、切込み(1)、上側誘導線(7)、下側誘導線(8)、開封線(2)を設けた包装袋を下記の条件にて作成した。
包装袋に用いた積層体の層構成は、包装袋外側となる面から、下記のとおり。
2軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ20μm)/
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/
ポリエチレン樹脂シーラント層(厚さ50μm)
なお、左側部ヒートシール部(4)のヒートシール幅は8mmとした。
また、開封線(2)、上側誘導線(7)、下側誘導線(8)は、
レーザ光加工速度=2000mm/分
レーザ光の幅=100μ
の条件にて積層体のプラスチックフィルム基材層に、レーザ光照射による傷加工1本を施した。
上下の誘導線を設けた範囲、および各構成要素の、寸法、形状は
h=12mm
a=3mm、5mm、10mm の3段階
とした。
<実験例2>
上側誘導線(7)、下側誘導線(8)の外縁側の端部における間隔hを、
h=7mm
と設定した以外、実験例1と同一の条件とした。
<実験例3>
上側誘導線(7)、下側誘導線(8)の外縁側の端部における間隔hを、
h=6mm
と設定した以外、実験例1と同一の条件とした。
<実験例4>
上側誘導線(7)、下側誘導線(8)の外縁側の端部における間隔hを、
h=5mm
と設定した以外、実験例1と同一の条件とした。
<実験例5>
上側誘導線(7)、下側誘導線(8)の外縁側の端部における間隔hを、
h=4mm
と設定した以外、実験例1と同一の条件とした。
<実験例6>
上側誘導線(7)、下側誘導線(8)の外縁側の端部における間隔hを、
h=3mm
と設定した以外、実験例1と同一の条件とした。
<実験例7>
上側誘導線(7)、下側誘導線(8)の外縁側の端部における間隔hを、
h=1mm
と設定した以外、実験例1と同一の条件とした。
実験例の試験体を切込みから手指で切り裂いて、開封線への接続を確認した。評価基準は下記のとおりである。
〇:開封線への接続は確実である。
△:開封線への接続はやや不安定である。
×:開封線への接続は不安定である。
評価結果の一覧を表1に示す。
表1に示したように、実験例1〜実験例7においては、hがa<hの関係を満たす場合はすべて開封線への接続は確実である結果となり、〇評価であった。それに対して、関係を満たさない場合においては、開封線への接続は、やや不安定あるいは不安定という評価結果である。
これらの結果から、上側誘導線、下側誘導線の2本の誘導線を、始点における間隔をh、切込みの先端部と誘導線の始点との包装袋の内側方向への離隔をaとして、a<hの関係を満たすとき、切込みから開封線への接続が確実になることを検証することができた。
すなわち、本発明によれば、切裂き開始用切込みを用いて包装袋を開封する際に、開封線への接続が容易かつ確実な包装袋を効率的に提供することが可能である。
1・・・切込み
2・・・開封線
3・・・右側部ヒートシール部
4・・・左側部ヒートシール部
5・・・天部ヒートシール部
6・・・底部ヒートシール部
7・・・上側誘導線
8・・・下側誘導線
10・・・包装袋
11・・・切込み
20・・・切裂き
21・・・開封線の端部
22・・・開封線の右側端部
23・・・開封線
24・・・ずれた切裂き
30・・・積層体
31・・・プラスチックフィルム
32・・・ガスバリア層
33・・・ガスバリアフィルム
34・・・接着剤層
35・・・プラスチックフィルム基材層
36・・・シーラント層
77・・・下側誘導線
88・・・上側誘導線

Claims (2)

  1. 基材とシーラント層を少なくとも有する積層体の、シーラント層を対向させて天部、底部、左右の側部の周縁部をシールしてなる矩形の包装袋であって、シールされた周縁部の、少なくとも一方の側部の外縁に切込みを有し、切込みの先端から天部外縁に平行な方向に離隔した端部から天部外縁に平行に開封線が延在し、前記切込みの斜上側と斜下側をそれぞれ始点とし一本は表側、他の一本は裏側の積層体に設けられた一対の誘導線が、包装袋の内側に向かって上下の間隔が狭まり前記開封線の端部に収束するように設けられ、前記始点の間隔をhとし、前記切込みの頂点と前記始点との包装袋の内側向きの離隔をaとしたとき、a<hを満たすことを特徴とする包装袋。
  2. 前記誘導線が開封線と連続した脆弱部により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
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