JP2017217832A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】剥離力が高い場合にもジッピングが発生せず良好な剥離性を示す積層フィルムの提供。【解決手段】基材層の少なくとも片面に樹脂層が積層された積層フィルムであって、前記樹脂層表面において、原子間力顕微鏡を用いた表面粗さ測定を行い、無作為に選んだ長さ10μmの断面チャートにおいて、基準面からの最大深さが5〜40nmであるピークを直線へ投影した長さの和をチャートの全長10μmで除して求められる凹部比率の平均値が1〜50%である積層フィルム。表面測定を測定範囲を変えて10回測定を行い、測定範囲毎に各々無作為に選んだ10点の断面チャートから凹部比率(%)を求め、計100回の平均値を凹部比率(%)とする。【選択図】図1

Description

本発明は、剥離性に優れる積層フィルムに関するものであり、更に詳しくは、剥離力が高い場合にもジッピングが発生せず良好な剥離性を示す積層フィルムに関する。
近年、スマートフォン、タブレットの拡大に伴う回路の集積化により、プリント配線基板の高精度、高密度化が進んでいる。プリント配線基板の製造工程において、基板に転写する機能層の保護を目的として、二軸配向ポリエステルフィルムが用いられる。この際にプリント配線基板の形状に機能層ごと保護フィルムを切り取る、打ち抜き作業が行われることがある。この打ち抜き作業時に、裁断の衝撃で保護フィルムの端部を起点に機能層が剥がれる場合があり、歩留まりが低下する課題がある。この現象は、保護フィルムと機能層の密着性を高める、すなわち剥離力を高めることで低減可能であるが、一方で、剥離力を高めることでジッピングと呼ばれる剥離力が不均一となる現象が発生する場合があり、機能層へ剥離痕が残ることで面状が悪化したり、大きな剥離音が生じ作業性が低下するという課題があった。
かかる課題に対し、特定の化合物を含む剥離層を有する剥離シート(特許文献1)や保護フィルム(特許文献2)などが提案されている。
特開2009−131977号公報 特開2011−89044号公報
しかしながら、特許文献1の方法で得られるフィルムは、剥離力の低い(軽剥離)領域での効果に限定され、より剥離力の高い(重剥離)領域においてはジッピングが生じる。また、特許文献2の方法で得られるフィルムは、ロール状からの巻き出し時のジッピングを抑制したものであるが、離型性が不十分であり、離型フィルムとしての適用は困難である。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を背景になされたものであり、剥離力が高い場合にもジッピングが発生せず良好な剥離性を示す積層フィルムを提供することにある。
かかる課題を解決するための本発明の要旨とするところは、基材層の少なくとも片面に樹脂層が積層された積層フィルムであって、前記樹脂層表面において、以下の測定方法で測定される凹部比率が1%以上50%以下である積層フィルムである。
[凹部比率の測定方法]
Burker Corporation製の原子間力顕微鏡 DimensionIconを用い、下記測定条件にて表面粗さ測定を行う。得られたHeightSensorチャンネルの表面粗さデータを「NanoScopeAnalysis V1.40」にて解析する。解析は、下記の解析条件にて平面近似(Plane fit)した後に行い、近似して得られた基準面の高さを深さ0nmと規定する。無作為に選んだ長さ10μmの断面チャートにおいて、基準面からの最大深さが5nm以上40nm以下であるピークを直線へと投影した長さの和(ΣDn)を、断面チャートの全長さ10μmで除した比率を凹部比率(%)とする(凹部比率=(ΣDn/10)×100)。表面測定を測定範囲を変えて10回測定を行い、測定範囲ごとに各々無作為に選んだ10点の断面チャートから凹部比率(%)を求め、計100回の平均値を凹部比率(%)とする。
<測定条件>
測定装置 : Burker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
測定モード : ScanAsyst
カンチレバー: ブルカーAXS社製SCANASYST-AIR
(材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
測定雰囲気 : 23℃・大気中
測定範囲 : 10(μm)四方
分解能 : 512×512
カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
<解析条件>
Plane Fit Mode:XY
Plane Fit Order:3rd
本発明により、剥離力が高い場合にもジッピングが発生せず良好な剥離性を示す積層フィルムを得ることができる。
本発明の積層フィルムの樹脂層表面の表面粗さ曲線を模式的に示したものである。 測定領域の端部に最大深さが5nm以上40nm以下である凹部を有する表面粗さ曲線を模式的に示したものである。 最大深さが40nmを超える凹部を有する表面粗さ曲線を模式的に示したものである。 凹部の一部が最大深さ40nmを超える表面粗さ曲線を模式的に示したものである。 粒子を樹脂層に含んだ積層フィルムの樹脂層表面の表面粗さ曲線を模式的に示したものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、基材層の少なくとも片面に樹脂層を有する積層フィルムである。
本発明に用いられる基材層を構成する樹脂としては、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、フッ素樹脂、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンおよび環状オレフィン系樹脂等が使用できる。本発明において、基材層は、ポリエステルを主成分とする樹脂から構成されることが、耐熱性、強度、生産性の点から好ましい。本発明において、ポリエステルを主成分とするとは、基材層を構成する樹脂のうち、50質量%以上がポリエステルであることを示す。
本発明の積層フィルムに使用されるポリエステルは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子の総称であって、通常、ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。
ここで使用するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などの各成分を挙げることができる。また、ジカルボン酸エステル誘導体成分として、上記ジカルボン酸化合物のエステル化物、たとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどの各成分を挙げることができる。本発明の基材層を構成するポリエステル樹脂において、全ジカルボン酸成分中の、テレフタル酸および/またはナフタレンジカルボン酸の割合は、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上であることが耐熱性、生産性の点から好ましい。
また、グリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物など各成分が挙げられる。中でも、成形性、取り扱い性の点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの各成分が好ましく用いられる。本発明の基材層を構成するポリエステル樹脂において、全ジオール成分中の、エチレングリコールの割合が、65モル%以上であると、耐熱性、生産性の点から好ましい。
これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
また、本発明の基材層を構成する樹脂中には、重合反応時に添加する触媒の残渣などによって析出するいわゆる内部粒子や、無機粒子および/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定される粒子を含有させることができる。基材層を構成する樹脂中に粒子を含有させると、フィルムのすべり性を向上させることが可能となり、製造時の取り扱い性が良好となる。また、フィルム表面に低光沢感が求められる用途においては、基材層中に粒子を含有せしめることにより、粒子がフィルム表面の平滑度を低下させ、光沢度を目的とする値に調整することが可能となる。基材層を構成する樹脂に含有させる粒子の平均粒子径は、0.01〜10μmが好ましく、より好ましくは、0.5〜8μm、さらに好ましくは、1〜5μmである。ここで10μmを超える平均粒子径を有する粒子を含有すると、基材層に欠陥が生じる場合がある。また、基材層に含有する粒子が樹脂層の表面形状に影響を与えることにより、樹脂層表面の凹部比率を好ましい範囲とするのが困難になる場合がある。粒子としては、例えば湿式および/または乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー、ヒドロキシアパタイト等の無機粒子、スチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、エステル、ジビニルベンゼン等を重合したものを構成成分とする有機粒子等を使用することができる。なかでも、湿式および/または乾式シリカ、アルミナ等の無機粒子、スチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、エステル、ジビニルベンゼン等を重合したものを構成成分とする有機粒子等が好ましく使用される。粒子として、内部粒子、無機粒子、有機粒子をそれぞれ二種以上、または、内部粒子、無機粒子、有機粒子を組み合せて二種類以上併用してもよい。また、粒子の含有量は、基材層を構成する樹脂組成物全体に対して、0.01〜5質量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは0.03〜3質量%である。0.01質量%未満の場合、フィルム巻き取りが難しくなる可能性があり、5質量%を越えると粗大突起による光沢度の低下、透明性および製膜性の悪化、樹脂層表面の凹部比率を好ましい範囲とするのが困難になることなどを引き起こす可能性が生じる。また、ここで言う平均粒子径とは、体積平均粒子径のことである。
本発明の基材層は、単層フィルムでもよく、2層以上の積層フィルムでもよい。3層構成とする場合は、生産性の観点から、両表層の組成を同じにすることが好ましい。さらに、生産性を向上させるために、両表層の積層厚みは等しくすることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、基材層の少なくとも片面に樹脂層が積層され、前記樹脂層表面において、以下の測定方法で測定される凹部比率が1%以上50%以下である必要がある。
[凹部比率の測定方法]
Burker Corporation製の原子間力顕微鏡 DimensionIconを用い、下記測定条件にて表面粗さ測定を行う。得られたHeightSensorチャンネルの表面粗さデータを「NanoScopeAnalysis V1.40」にて解析する。解析は、下記の解析条件にて平面近似(Plane fit)した後に行い、近似して得られた基準面の高さを深さ0nmと規定する。無作為に選んだ長さ10μmの断面チャートにおいて、基準面からの最大深さが5nm以上40nm以下であるピークを直線へと投影した長さの和(ΣDn)を、断面チャートの全長さ10μmで除した比率を凹部比率(%)とする(凹部比率=(ΣDn/10)×100)。表面測定を測定範囲を変えて10回測定を行い、測定範囲ごとに各々無作為に選んだ10点の断面チャートから凹部比率(%)を求め、計100回の平均値を凹部比率(%)とする。
<測定条件>
測定装置 : Burker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
測定モード : ScanAsyst
カンチレバー: ブルカーAXS社製SCANASYST-AIR
(材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
測定雰囲気 : 23℃・大気中
測定範囲 : 10(μm)四方
分解能 : 512×512
カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
<解析条件>
Plane Fit Mode:XY
Plane Fit Order:3rd
本発明者らは、転写時のジッピング発生の度合いが、積層フィルムの樹脂層表面の表面形状と関係することを見出し、上記のごとく表面に微細な凹部を形成せしめることで大幅にジッピングを低減可能であることを明らかにした。
以下に詳しく説明する。
本発明の積層フィルムは、基材層の少なくとも片面に樹脂層が積層されている必要がある。
本発明の樹脂層は、バインダー樹脂を含むと、基材層との密着性が向上し、また、剥離させる対象物との剥離力を調整できるため好ましい。バインダー樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニル、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、セルロース類、でんぷん類等が挙げられるが、延伸追従性、剥離力制御の観点からアクリル樹脂が好ましく用いられる。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体または共重合体、側鎖および/または主鎖末端に硬化性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体があげられ、硬化性官能基としては水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基などがあげられる。なかでもアクリルモノマーと側鎖および/または主鎖末端に硬化性官能基を有するアクリル酸エステルが共重合されたアクリルモノマー共重合体が好ましい。
また、樹脂層を構成する成分として架橋剤を添加することが好ましい。前述した樹脂に各種の架橋剤を併用することにより、耐久性を飛躍的に向上させることができる。架橋剤はオキサゾリン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、カルボジイミド樹脂、イソシアネート樹脂が好ましい。樹脂層の溶剤への耐久性の観点からメラミン樹脂がさらに好ましく用いられる。架橋剤は任意の比率で混合して用いることができるが、架橋剤は、バインダー樹脂100重量部に対し5〜50重量部添加が耐久性向上の点で好ましく、より好ましくは10〜40重量部添加である。架橋剤の添加量が5重量部未満の場合、加工時に使用される溶剤への耐性が低下することや、ロール搬送時にキズが発生する場合がある。また、50重量部を越える場合、塗布時に斑が発生しやすくなるため好ましくない。
本発明では、樹脂層を形成する樹脂組成物中に、バインダー樹脂、架橋剤以外に、剥離性を付与する目的に適う添加剤を含有することが好ましい。添加剤は、バインダー樹脂と架橋剤の質量の和を100質量部としたとき、3質量部以上、30質量部以下であることが好ましい。添加剤の質量を3質部以上にすることで、剥離性を付与することができ、30質量部以下であることで、適度な密着性を維持し、打ち抜き工程での端部はがれを抑制することができる。
本発明でいう添加剤とは、樹脂に添加することにより、樹脂の表面に剥離性(すなわち樹脂の表面エネルギーを低下させたり、樹脂の静止摩擦係数を低下させる)特性を有する化合物を示す。
本発明において用いることのできる添加剤としては、シリコーン含有化合物や、フッ素化合物、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワックスなどのワックス、長鎖アルキル基含有化合物、樹脂などが挙げられる。中でも、長鎖アルキル鎖含有化合物は、所望の表面形状を形成せしめ、剥離性とジッピングの抑制を両立する点で好ましい。本発明でいう長鎖アルキル化合物とは、長鎖アルキル基を有する化合物を指し、長鎖アルキル基を含む化合物であれば特に限定されないが、主鎖ポリマーの側鎖に長鎖アルキル基を有するものが挙げられる。
主鎖ポリマーの側鎖に長鎖アルキル基を有する化合物において、主鎖ポリマーとしては、アクリレート系の重合体もしくは共重合体、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物も含む)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物も含む)、ビニルアルコール−アクリル酸共重合体(酢酸ビニル−アクリル酸共重合体の部分ケン化物も含む)、ポリエチルイミン、ポリビニルアミン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリウレタンなどが挙げられる。
本発明におけるフッ素化合物とは、化合物中にフッ素原子を含有している化合物である。例えば、パーフルオロアルキル基含有化合物、フッ素原子を含有するオレフィン化合物の重合体、フルオロベンゼン等の芳香族フッ素化合物等が挙げられる。本発明の積層フィルムを成形同時転写箔用途などに用いる場合、転写時に高い熱負荷がかかるため、耐熱性、汚染性を考慮すると、フッ素化合物は高分子化合物であることが好ましい。
本発明におけるワックスとは、天然ワックス、合成ワックス、それらの配合したワックスの中から選ばれたワックスである。天然ワックスとは、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックスである。植物系ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油が挙げられる。動物系ワックスとしては、みつろう、ラノリン、鯨ロウが挙げられる。鉱物系ワックスとしてはモンタンワックス、オゾケライト、セレシンが挙げられる。石油ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムが挙げられる。合成ワックスとしては、合成炭化水素、変性ワックス、水素化ワックス、脂肪酸、酸アミド、アミン、イミド、エステル、ケトンが挙げられる。合成炭化水素としては、フィッシャー・トロプシュワックス(別名サゾワールワックス)、ポリエチレンワックスが有名であるが、このほかに低分子量の高分子(具体的には粘度平均分子量500から20000の高分子)である以下のポリマーも含まれる。すなわち、ポリプロピレン、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックまたはグラフト結合体がある。変性ワックスとしてはモンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体が挙げられる。ここでの誘導体とは、精製、酸化、エステル化、ケン化のいずれかの処理、またはそれらの組み合わせによって得られる化合物である。水素化ワックスとしては硬化ひまし油、および硬化ひまし油誘導体が挙げられる。
また、本発明の樹脂層を構成する樹脂は、樹脂層の固着性、滑り性改良を目的として、不活性粒子を含有してもよい。不活性粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、有機粒子等が挙げられる。しかしながら、後述するとおり、樹脂層を構成する樹脂に粒子を含有させると、樹脂層の表面形状に凸部が形成されることになり、凹部比率を目的の範囲内とすることが困難となる場合がある。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料等が含有されてもよい。
樹脂層を形成する樹脂組成物を基材層上に設ける際に、溶媒を用いても良い。すなわち、樹脂組成物を溶媒に溶解または分散せしめて、塗液とし、これを基材層に塗布しても良い。塗布後に、溶媒を乾燥させ、且つ加熱を施すことで樹脂層が積層されたフィルムを得ることができる。本発明では、溶媒として水系溶媒を用いることが好ましい。水系溶媒を用いることで、加熱工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一な樹脂層を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れている。
ここで、水系溶媒とは水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合させているものを指す。
本発明の樹脂層は、基材層の片面、もしくは両面に積層することができる。片面に樹脂層を積層した場合には、反対側の面に帯電防止層を積層してもよい。帯電防止層には、例えば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化スズアンチモンドープ、ポリチオフェンおよびポリアニリンなどの帯電防止剤を含有させることができる。透明性を考慮すると、酸化スズ系の帯電防止剤が好ましい。
樹脂組成物の基材層への塗布方法はインラインコート法、オフコート法のどちらでも用いることができるが、好ましくはインラインコート法である。インラインコート法とは、ポリエステルフィルムの製造の工程内で塗布を行う方法である。具体的には、基材層を構成する樹脂を溶融押し出ししてから二軸延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法を指し、通常は、溶融押出し後・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸(未配向)フィルム、その後に長手方向に延伸された一軸延伸(一軸配向)フィルム、またはさらに幅方向に延伸された熱処理前の二軸延伸(二軸配向)フィルムの何れかのフィルムに塗布する。
本発明では、結晶配向が完了する前の未配向フィルム、一軸配向フィルムの何れかのフィルムの少なくとも片面に、樹脂組成物を塗布し、溶媒を蒸発させ、その後、基材層を一軸方向又は二軸方向に延伸し、加熱し、基材層の結晶配向を完了させるとともに、樹脂層を設ける方法を採用することが好ましい。この方法によれば、基材層の製膜と、樹脂組成物の塗布と溶媒の乾燥、および加熱(すなわち、樹脂層の形成)を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがある。また、塗布後に延伸を行うために樹脂層の厚みをより薄くすることが容易である。
中でも、長手方向に一軸延伸されたフィルムに、樹脂組成物を塗布し、溶媒を乾燥させ、その後、幅方向に延伸し、加熱する方法が好ましい。未延伸フィルムに塗布した後、二軸延伸する方法に比べ、延伸工程が1回少ないため、延伸による樹脂層の欠陥や亀裂が発生を抑制することができる。
一方、オフラインコート法とは、上記未延伸フィルムを一軸又は二軸に延伸し、加熱処理を施し基材層の結晶配向を完了させた後のフィルム、または未延伸フィルムに、フィルムの製膜工程とは別工程で樹脂組成物を塗布する方法である。本発明では、上述した種々の利点から、インラインコート法により設けられることが好ましい。
よって、本発明において最良の樹脂層の形成方法は、水系溶媒を用いた樹脂組成物を、基材層上にインラインコート法を用いて塗布し、水系溶媒を乾燥させ、加熱することによって形成する方法である。
基材層への樹脂組成物の塗布方式は、公知の塗布方式、例えばバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法等の任意の方式を用いることができる。耐熱性、寸法安定性の観点から二軸配向フィルムであることが好ましい。二軸配向させる方法としては、逐次二軸延伸方式、同時二軸延伸方式などが挙げられるが、生産性の観点から、逐次二軸延伸方式がより好ましく用いられる。
本発明の積層フィルムは、樹脂層側表面において後述する測定方法により測定される凹部比率が5%以上50%以下であることが必要である。ここで、凹部比率は積層フィルムの樹脂層表面における基準面からの最大深さが5nm以上40nm以下の深さを有する凹部部分が占める割合を表す。なお、図2に示すとおり、測定領域の端部に最大深さが5nm以上40nm以下である凹部がある場合は、その凹部全体を、最大深さが5nm以上40nm以下の深さを有する凹部部分に含める。また、図3、4に示すとおり、凹部の最大深さが40nmを超える凹部(図3におけるD2、図4におけるD1)は、その凹部全体を、最大深さが5nm以上40nm以下の深さを有する凹部部分に含めない。本発明者らが鋭意検討した結果、積層フィルム表面に微小な深さの凹部を有することで、剥離時に生じるジッピングの発生が低減し、剥離力が高い場合においても、スムーズに剥離でき剥離痕のない均一な表面が得られることを見出した。その原理は明らかでないが、積層フィルムと積層した機能層との密着面に凹部により形成された微細な空隙が点在することで、ジッピングによる剥離力の変化が抑制されるメカニズムを推定している。従来、剥離力を向上させるには、樹脂層を構成する樹脂に粒子を含有させる手法が知られているが、この方法では、樹脂層表面は、粒子によって最大高さの高い凸部が形成されるため(図5参照)、凹部比率を上記の範囲とするのが困難となり、均一な剥離性を得るのが困難となる場合がある。凹部比率が1%より小さい場合、剥離性への寄与が十分でなくジッピングが発生する場合があり、50%より大きい場合は、機能層を形成せしめる際に、面内で厚みが不均一となることがあり好ましくない。凹部比率は、より好ましくは15%以上40%以下であり、さらに好ましくは20%以上35%以下である。また、最大深さが40nmより大きい凹部が存在する場合、アンカー(投錨)効果により層間の密着性が高まるため、重剥離化する場合がある。一方で、凹部の最大深さが5nmより小さいと、ジッピングの低減効果が不十分である。
積層フィルム表面に凹部を形成し、その比率を上記特定の範囲とする方法としては、特に限定されるものではないが、長鎖アルキル基含有化合物を含有した樹脂層組成物をインラインコート法による特定延伸条件下にて塗布延伸し、樹脂層を形成する方法などが挙げられる。具体的な条件は後述するが、インラインコート法による樹脂層形成溶液の塗布乾燥後に高温での熱処理を行ったのち、より低温での熱処理弛緩を行う条件である。塗布後に表面エネルギーの低い長鎖アルキル基含有化合物が再表面に偏在化し、工程中で最も高温となる熱処理工程、および低温でのリラックス工程にて側鎖アルキル基の配向変化に対応した樹脂体積の変化により、微細な凹部が形成されると考えられる。
また、本発明の積層フィルムは、後述する測定方法により測定される長さ10μmの断面チャートにおいて、深さが5nm以上40nm以下である領域が、2区間以上10区間以下(Dnのnが2以上10以下)に分かれていることが好ましい。深さが5nm以上40nm以下である領域が、2区間未満である場合は、深さが5nm以上40nm以下である領域がまとまって存在している結果、剥離時に生じるジッピングの発生を低減させる効果が十分に得られない場合がある。一方で、深さが5nm以上40nm以下以上である領域が、10区間を超える場合は、深さが5nm以上40nm以下以上である領域が細かく存在しすぎているため、剥離時に生じるジッピングの発生を低減させる効果が十分に得られない場合がある。好ましくは、4区間以上8区間以下である。
積層フィルム表面の凹部を上記特定の様態とする方法として、積層フィルム表面の凹部比率を好ましい様態とする条件にて、樹脂層形成溶液に塗布性改良剤としてノニオン性の界面活性剤を適量添加する方法が挙げられる。アニオン性、もしくはカチオン性界面活性剤を用いる系では長鎖アルキル基含有勘合物の分散界面が不安定となり凝集しやすくなる。ノニオン性界面活性剤の添加量は樹脂組成物を含む塗液に対する含有量が0.05〜0.5質量部であると好ましく、0.1〜0.3質量部であると最も好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが市販のものを用いることができる(例えばアセチレンジオール系界面活性剤:“オルフィン(登録商標)”EXP4051F(日信化学工業(株)製))。
本発明の積層フィルムは、後述する測定方法により測定される樹脂層表面の表面弾性率が100MPa以上1000MPa以下であることが好ましい。樹脂層表面の弾性率が1000MPaより大きいと、剥離時に基材の変形に追従しにくくなり、また、100MPaより小さいと、剥離時に樹脂層が伸張することで積層した機能層に追従する場合があるため、いずれもジッピングの程度が悪化する場合がある。積層フィルム表面の弾性率を上記範囲とする方法として、樹脂層に凹部が形成可能な上記構成とした上で、樹脂層の厚みを0.01μm以上0.15μm以下とする方法が挙げられる。樹脂層を薄膜化することで、架橋剤や添加剤が表面に偏析しやすくなるため、表面の弾性率が高まる傾向にある。樹脂層の弾性率は200MPa以上600MPaであると好ましく、250MPa以上400MPa以下であるともっとも好ましい。
本発明の積層フィルムは、後述する測定方法により測定される樹脂層の表面エネルギーが25mN/m以上38mN/m以下であると好ましい。表面エネルギーが25mN/m未満の場合は積層した機能層との密着力が低く打ち抜き時に剥離する場合がある。38mN/mより大きい場合は積層した機能層との密着力が高すぎるため剥離が困難となる場合がある。樹脂層の表面エネルギーは、好ましくは27mN/m以上35mN/m以下であり、29mN/m以上33mN/m以下であるとさらに好ましい。積層フィルムの樹脂層の表面エネルギーを特定の範囲とする方法として、樹脂層組成物として先述の添加剤を使用する方法が挙げられる。添加剤の種類や含有量は、剥離力の目標値に合わせて適宜選択可能であるが、ジッピングを抑制する目的から長鎖アルキル基含有化合物を使用することが好ましい。
これらのとおり、積層フィルムの樹脂層の表面形状や表面の特性を適当とすることでジッピングを低減可能であるが、さらに本発明者らが鋭意検討した結果、積層フィルムの熱特性が剥離時の様態に影響することを見出した。
本発明の積層フィルムは、120℃の熱収縮率がMD方向およびTD方向のいずれも0.1%以上2.0%以下であると好ましい。本発明の積層フィルムを離型用途に用いる場合、本発明の積層フィルムに機能層(離型層)を120℃くらいの加熱条件下で積層加工されるが、その際積層フィルムに寸法変化が生じると機能層との間に微小な層間ずれが発生し、局所的に剥離性が良い部分と悪い部分が発生し、ジッピングが起こりやすくなる。積層フィルムの熱収縮率を上記の範囲に調整することで、上記の課題を解決することが可能となる。120℃の熱収縮率は好ましくは0.3%以上1.5%以下であり、さらに好ましくは0.5%以上1.0%以下である。120℃の熱収縮率が2.0%をより大きいと、加工時にシワやたるみが発生する場合があり、0.1%より小さいとジッピングを低減する効果が不十分である場合がある。
本発明の積層フィルムは、熱機械分析(TMA)にて、25℃から200℃まで昇温速度5℃/分で昇温して測定される120℃における熱収縮応力がフィルムMD方向およびTD方向のいずれも0.001MPa以上0.5MPa以下であると好ましい。上述のとおり、本発明の積層フィルムを離型用途に用いる場合、本発明の積層フィルムに機能層(離型層)を120℃くらいの加熱条件下で積層加工されるが、その際積層フィルムに寸法変化が生じると機能層との間に微小な層間ずれが発生し、局所的に剥離性が良い部分と悪い部分が発生し、ジッピングが起こりやすくなる。このとき、積層フィルムの120℃における熱収縮応力を上記範囲に調整することで積層する機能層との間に応力差を小さくし、層間ずれの発生を抑制することが可能となる。熱収縮応力が0.5MPaより大きい場合には、機能層の積層時に生じる積層フィルムと機能層の界面の歪が大きく、経時で剥離力が変化しやすくなる。他方、熱収縮応力が0.001MPaよりも小さい場合には、剥離性への寄与が小さく効果が明確でない。より好ましくは0.01MPa以上0.35MPaであり、0.05MPa以上0.2MPa以下であるともっとも好ましい。
本発明の積層フィルムの製造方法について、以下、基材層として、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)フィルムを用いた例を挙げて説明するが、本発明はかかる例に限定して解釈されるものではない。まず、必要に応じて顔料、染料、有機又は無機の粒子を添加したPETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化せしめて未延伸(未配向)PETフィルムを作製する。このフィルムを80〜120℃に加熱したロールで長手方向に3〜4.2倍延伸して一軸配向PETフィルムを得る。このフィルムの片面に所定の濃度に調製した、樹脂組成物を有する塗液を塗布する。この時、塗布前にPETフィルムの塗布面にコロナ放電処理等の表面処理を行ってもよい。コロナ放電処理等の表面処理を行うことで、PETフィルム上への樹脂組成物の塗布性が向上するため、濡れ性を向上させ、樹脂組成物のはじきを防止し、均一な塗布厚みを達成することができる。塗布後、PETフィルムの端部をクリップで把持して80〜130℃の予熱ゾーンへ導き、塗液の溶媒を乾燥させる。乾燥後100℃〜160℃の温度にて、幅方向に3〜4.2倍延伸する。引き続き、温度(Tk)150〜240℃の熱処理ゾーンへ導き1〜30秒間の熱処理を行う。この熱処理温度をTkとする。この際、加熱工程(熱処理工程)で、幅方向、あるいは長手方向に3〜15%の弛緩処理を行う必要がある。この弛緩処理は少なくとも2段階の温度条件下にて行うことが樹脂層表面に凹部を形成せしめる目的から好ましい。1段階目の加熱弛緩工程温度(Tks1)がTk−10〜Tk+10℃であると、フィルムの寸法安定性が高まり、加工時の加熱工程におけるシワやカールの発生を低減することができる。また、2段階目の加熱弛緩工程温度(Tks2)がTk−50〜Tk−20℃であると、樹脂層表面に凹部を効率よく形成することができるため好ましく、より好ましくはTk−40〜Tk−30℃である。
本発明の積層フィルムは、打ち抜きや加熱工程等でも十分な密着性を維持し、かつ剥離時にジッピングが発生しにくいため、ディスプレイ分野で使用される光学フィルムや、各種プラスチック板、ステンレス等の金属板、ガラス板、電磁波シールドなどの保護離型用途に適している。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお諸特性は以下の方法により測定、評価した。
1.積層フィルム表面の凹部比率
Burker Corporation製の原子間力顕微鏡 DimensionIconを用い、下記測定条件にて表面粗さ測定を行う。得られたHeightSensorチャンネルの表面粗さデータを「NanoScopeAnalysis V1.40」にて解析する。解析は、下記の解析条件にて平面近似(Plane fit)した後に行い、近似して得られた基準面の高さを深さ0nmと規定する。無作為に選んだ長さ10μmの断面チャートにおいて、基準面からの深さが5nm以上40nm以下であるピークを直線へと投影した長さの和(ΣDn)を、断面チャートの全長さ10μmで除した比率を凹部比率(%)とする(凹部比率=(ΣDn/10)×100)。表面測定を測定範囲を変えて10回測定を行い、測定範囲ごとに各々無作為に選んだ10点の断面チャートから凹部比率(%)を求め、計100回の平均値を凹部比率(%)とする。
<測定条件>
測定装置 : Burker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
測定モード : ScanAsyst
カンチレバー: ブルカーAXS社製SCANASYST-AIR
(材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
測定雰囲気 : 23℃・大気中
測定範囲 : 10(μm)四方
分解能 : 512×512
カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
<解析条件>
Plane Fit Mode:XY
Plane Fit Order:3rd
2.積層フィルム表面の深さが5nm以上40nm以下である区間の数
1.によって得られる断面チャートにて、深さが5nm以上40nm以下である領域を数え評価する。その際、深さが40nmを超える領域を含む場合には、数に数えない。
3.表面弾性率
積層フィルムの樹脂層側表面について、AFM(Burker Corporation製 DimensionIcon)を用い、PeakForceQNMモードにて測定を実施し、得られたフォースカーブから付属の解析ソフト「NanoScopeAnalysis V1.40」を用いて、JKR接触理論に基づいた解析を行い、弾性率分布を求めた。
具体的にはPeakForceQNMモードのマニュアルに従い、カンチレバーの反り感度、バネ定数、先端曲率の構成を行った後、下記の条件にて測定を実施し、得られたDMT Modulusチャンネルのデータを表面の弾性率として採用した。なお、バネ定数および先端曲率は個々のカンチレバーによってバラつきを有するが、測定に影響しない範囲として、バネ定数0.3(N/m)以上0.5(N/m)以下、先端曲率半径15(nm)以下の条件を満たすカンチレバーを採用し、測定に使用した。
測定条件は下記に示す。
測定装置 : Burker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
測定モード : PeakForceQNM(フォースカーブ法)
カンチレバー: ブルカーAXS社製SCANASYST-AIR
(材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
測定雰囲気 : 23℃・大気中
測定範囲 : 10(μm)四方
分解能 : 512×512
カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
最大押し込み荷重 : 10(nN)
次いで得られたDMT Modulusチャンネルのデータを解析ソフト「NanoScopeAnalysis V1.40」にて解析し、Roughnessにて処理することにより得られた、ResultsタブのImage Raw Meanの値を、離型層表面の弾性率とした。測定はn=5で実施し、その平均値とした。
4.表面エネルギー
測定液としては、水、エチレングリコール、ホルムアミドおよびジヨードメタンの4種類を使用し、接触角計(協和界面科学(株)製CA−D型)を用いて各液体のフィルム表面に対する静的接触角を求めた。それぞれの液体について5回測定し、その平均接触角(θ)と測定液(j)の表面張力の各成分を下式にそれぞれ代入し、4つの式からなる連立方程式をγ、γ、γについて解いた。
(γγj1/2+2(γγj1/2+2(γjγ1/2
=(1+cosθ)[γj+2(γjγj1/2]/2
ただし、γ=γ+2(γγ1/2
γj=γj+2(γjγj1/2
ここで、γ、γ、γ、γは、それぞれフィルム表面の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを、また、γj、γj、γj、γjは、それぞれ用いた測定液の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを示す。また、ここで用いた各液体の表面張力は、Oss("fundamentals of Adhesion", L. H. Lee (Ed.), p153, Plenum ess, New York (1991).)によって提案された値を使用した。
5.120℃熱収縮率
フィルムをMD方向およびTD方向にそれぞれ長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔(中央部から両端に50mmの位置)で標線を描き、3gの錘を吊して120℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から下記式により熱収縮率を算出した。
熱収縮率(%)={(加熱処理前の標線間距離(mm))−(加熱処理後の標線間距離(mm))}/(加熱処理前の標線間距離(mm))×100。
6.120℃熱収縮応力
フィルムを長手方向および幅方向に長さ50mm×幅4mmの矩形に切り出しサンプルとし、熱機械分析装置(セイコ−インスツルメンツ製、TMA EXSTAR6000)を使用して、下記条件下で昇温した際の120℃における熱収縮応力を測定した。
試長:15mm、荷重:19.6mN、昇温速度:5℃/分、
測定温度範囲:25〜220℃
7.樹脂層厚み
樹脂層の厚みは、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を3000〜200000倍に拡大観察し、断面写真を撮影し、当該断面写真より樹脂層の厚みを測定した。なお、層構成を明確にするためにRuO染色法にて染色を行い、異なる樹脂層同士の染め分けを行った。なお、本発明のフィルムについては、フィルム表面の1平米当たりの塗布体積A(cm/m)を樹脂の比重を1g/cmとして塗剤の固形分濃度から算出し、このAを塗布厚み(μm)とした。
8.剥離性
本発明の積層フィルムの樹脂層側の面に、アプリケーターを用いて、ハードコート層(共栄社化学製UF−TCI−1)を乾燥後厚み40μmとなるように塗工し、80℃で10分間乾燥した。その後、幅10mm、長さ150mmの矩形に切り出しサンプルとした。得られた積層フィルム/HC積層体を取り出し、2000mJ/cmの照度の紫外線を照射しハードコート層を硬化させた。得られた硬化サンプルについて積層フィルムとHC層との剥離性について、下記の基準で評価しB以上を合格とした。
S:剥離強度が0.01N/10mm以上0.2N/10mm以下であった。
A:剥離強度が0.2N/10mmより高く、1N/10mm以下であった。
B:積剥離強度が1N/10mmより高い、もしくは、0.01N/10mm未満であった。
C:剥離ができない、もしくは、紫外線照射後剥離試験を行う前にはがれている。
なお、剥離強度は、下記の方法にて測定を行った。
積層フィルム/ハードコート積層体と日東電工(株)OPP粘着テープ(ダンプロンテープNo.375)との貼り合わせサンプルをハードコート層と該OPP粘着テープ層間で、強制的に剥離し、引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離100mm、引張速度を20mm/分として、180°剥離試験を行った。剥離長さ130mm(チャック間距離230mm)になるまで測定を行い、剥離長さ25mm〜125mmの荷重の平均値を剥離強度とした。なお、測定はN=3で行い、その平均値を採用した。
9.打ち抜き評価
7.に記載の積層フィルム/ハードコート積層体に紫外線照射処理をしたサンプルをトムソン型打ち抜き刃にて型抜きし、切断面における積層フィルムの剥離状態を下記の基準で評価しA以上を合格とした。
S:切断面からの垂直長さが1mm以下の領域において、積層フィルムがハードコート層と剥離していた。
A:切断面からの垂直長さが1mmより大きく5mm以下の領域において、積層フィルムがハードコート層と剥離していた。
B:切断面からの垂直長さが5mmより大きく10mm以下の領域において、積層フィルムがハードコート層と剥離していた。
C:切断面からの垂直長さが10mmより大きい領域において、積層フィルムがハードコート層と剥離していた。
10.ジッピング評価
7.に記載の剥離強度の評価によって得られたチャートにて、剥離長さの後半50mmにおける剥離強度の高い10点の平均値をFa、剥離強度の低い10点の平均値をFb、FaとFbの平均値をFaveとしたときに、下記基準にて評価し、B以上を合格とした。
S:(Fb−Fa)/Fave < 10%
A:10% ≦(Fb−Fa)/Fave < 15%
B:15% ≦(Fb−Fa)/Fave < 20%
C:20% ≦(Fb−Fa)/Fave。
なお、上記の測定において、測定するフィルムの長手方向や幅方向が分からない場合は、フィルムにおいて最大の屈折率を有する方向を長手方向、長手方向に直行する方向を幅方向とみなす。また、フィルムにおける最大の屈折率の方向は、フィルムの全ての方向の屈折率を屈折率計で測定して求めてもよく、位相差測定装置(複屈折測定装置)などにより遅相軸方向を決定することで求めてもよい。
(PETの製造)
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020質量部のリン酸85質量%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、固有粘度0.65,副生したジエチレングリコール成分が、樹脂中のグリコール成分に対して、2モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート(PET)チップを得た。
(粒子マスターの製造)
上記PETチップを製造する際、エステル交換反応後に平均粒子径2.2μmの凝集シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加してから重縮合反応を行い、ポリマー中の粒子濃度2質量%の粒子マスターを作製した。
(樹脂層形成用溶液)
以下に示す、バインダー樹脂:架橋剤:添加剤:粒子:界面活性剤をそれぞれ表に記載の質量比で混合し、固形分が3%の質量比となるように純水で希釈して調整した。
・バインダー樹脂I:アクリルモノマー共重合体(日本カーバイド工業製“ニカゾール”(登録商標)RX7013ED)
・バインダー樹脂II:テレフタル酸25モル%、イソフタル酸24モル%、5−Naスルホイソフタル酸1モル%、エチレングリコール25モル%、ネオペンチルグリコール25モル%の混合重合物を25質量%に水で希釈した分散体。
・架橋剤I:メチル化メラミン/尿素共重合の架橋製樹脂((株)三和ケミカル製“ニカラック” (登録商標)「MW12LF」)
・架橋剤II:ブチル化メラミン/尿素共重合の架橋製樹脂(大日本インキ化学工業製“ベッカミン”(登録商標):「J101」)
・添加剤I:長鎖アルキル基含有化合物B(中京油脂社製“レゼムP677”)
・添加剤II:長鎖アルキル基含有化合物A
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた温度調整可能な反応器中に、トルエン500重量部、ステアリルメタクリレート(アルキル鎖の炭素数18)80重量部、メタクリル酸15重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1部を滴下器に入れ、反応温度85℃にて4時間で滴下して重合反応を行った。その後、同温度で2時間熟成して反応を完了させ長鎖アルキル基含有化合物Aを得た。
・粒子:数平均粒子径170nmのシリカ粒子(日産化学工業(株)製“スノーテックス”(登録商標)MP2040)を固形分濃度が40重量%となるように純水で希釈して得られた水分散体。
・界面活性剤:アセチレンジオール系界面活性剤:“オルフィン(登録商標)”EXP4051F(日信化学工業(株)製)
(実施例1)
バインダー樹脂Iと架橋剤Iを質量比で80/20となるように混合した。さらに、界面活性剤を、塗液に対する含有量が0.12質量部になるよう添加した。この溶液に添加剤Iを添加し、樹脂組成物を含む溶液を得た。
PETチップと粒子マスターMを真空乾燥機にてそれぞれ180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、ポリエステルチップα:粒子マスターM=50:50の質量比でブレンドした。このブレンド原料を単軸押出機に供給し、275℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を90℃、延伸温度を95℃で長手方向に3.3倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。その後、コロナ放電処理を施し、表に示した組成の樹脂層形成用溶液(水分散体)をメタリングバーを用いてウェット厚みが13.5μmとなるように塗布した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度100℃、延伸温度120℃で幅方向に3.5倍延伸し、そのままテンター内にて定長にて温度230℃で熱処理を行い、その後同温度にて3%の弛緩処理を行い、さらに温度200℃にて2%の弛緩処理を行い、フィルム厚み50μmの積層フィルムを得た。
(実施例2)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例3)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例4)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例5)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例6)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例7)
製膜条件を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例8)
製膜条件を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例9)
製膜条件を表1のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例10)
樹脂層形成用溶液中の固形分濃度を0.5%とした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例11)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例12)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例13)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例14)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例15)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例16)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例17)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例18)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例19)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例20)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表2のとおりにし、実施例1と同様にして230℃にて熱処理をおこなった。その後同温度にて1%の弛緩処理を行い、さらに200℃にて1%の弛緩処理を行い積層フィルムを得た。
(実施例21)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成、および製膜条件を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例22)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成、および製膜条件を表2のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例23)
製膜条件を表3のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(実施例24)
製膜条件を表3のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(比較例1)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表4のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(比較例2)
樹脂層形成用溶液中の固形分の組成を表4のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(比較例3)
製膜条件を表4のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
(比較例4)
製膜条件を表4のとおりにした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
Figure 2017217832
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本発明の積層フィルムは、打ち抜きや加熱工程等でも十分な密着性を維持し、かつ剥離時にジッピングが発生しにくいため、ディスプレイ分野で使用される光学フィルムや、各種プラスチック板、ステンレス等の金属板、ガラス板、電磁波シールドなどの保護離型用途に適している。

Claims (7)

  1. 基材層の少なくとも片面に樹脂層が積層された積層フィルムであって、
    前記樹脂層表面において、以下の測定方法で測定される凹部比率が1%以上50%以下である積層フィルム。
    [凹部比率の測定方法]
    Burker Corporation製の原子間力顕微鏡 DimensionIconを用い、下記測定条件にて表面粗さ測定を行う。得られたHeightSensorチャンネルの表面粗さデータを「NanoScopeAnalysis V1.40」にて解析する。解析は、下記の解析条件にて平面近似(Plane fit)した後に行い、近似して得られた基準面の高さを深さ0nmと規定する。無作為に選んだ長さ10μmの断面チャートにおいて、基準面からの最大深さが5nm以上40nm以下であるピークを直線へと投影した長さの和(ΣDn)を、断面チャートの全長さ10μmで除した比率を凹部比率(%)とする(凹部比率=(ΣDn/10)×100)。表面測定を測定範囲を変えて10回測定を行い、測定範囲ごとに各々無作為に選んだ10点の断面チャートから凹部比率(%)を求め、計100回の平均値を凹部比率(%)とする。
    <測定条件>
    測定装置 : Burker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
    測定モード : ScanAsyst
    カンチレバー: ブルカーAXS社製SCANASYST-AIR
    (材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
    測定雰囲気 : 23℃・大気中
    測定範囲 : 10(μm)四方
    分解能 : 512×512
    カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
    <解析条件>
    Plane Fit Mode:XY
    Plane Fit Order:3rd
  2. 前記樹脂層の表面弾性率が100MPa以上1000MPa以下である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記樹脂層の表面エネルギーが25以上38mN/m以下である請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 120℃の熱収縮率がMD方向およびTD方向のいずれも0.1%以上2.0%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 熱機械分析(TMA)にて、25℃から昇温速度5℃/分で昇温して測定される120℃における熱収縮応力がフィルムMD方向およびTD方向のいずれも0.001MPa以上0.5MPa以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 離型用途に用いる、請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に樹脂組成物(α)を塗布する塗布工程と、該樹脂組成物(α)が塗布されたポリエステルフィルムを少なくとも一軸方向に延伸する延伸工程と、該樹脂組成物(α)を加熱して樹脂層を形成する加熱工程と、加熱工程を経た積層フィルムを少なくとも一軸方向に加熱しながら弛緩する加熱弛緩工程をこの順に有する積層フィルムの製造方法であって、前記加熱工程での加熱温度(Tk)が150℃以上240℃以下であり、前記加熱弛緩工程の弛緩処理が2段階以上で行われ、少なくとも1段階の加熱弛緩工程の加熱温度(Tks1)がTk−10〜Tk+10℃であり、少なくとも1段階の加熱弛緩工程の加熱温度(Tks2)がTk−50〜Tk−20℃である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
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