JP2017217746A - 衝撃工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝機構を備えながらも、シリンダの回転を抑制し良好な作業性を得られる衝撃工具を提供する。【解決手段】ピストン2と、ピストン2を摺動可能に収容するシリンダ3と、シリンダ3と摺動可能に連結し、圧縮空気をシリンダ3内に供給するバルブ本体4と、バルブ本体4に取り付けられ、シリンダ3を同軸に摺動可能に収容するハウジング5とを備え、シリンダ3とバルブ本体4との連結部が、シリンダ3の中心軸に対してずれている。または、シリンダ3とバルブ本体4との連結部の断面形状が、真円以外の形状である。【選択図】図1

Description

この発明は、緩衝機構を備えた衝撃工具に関する。
特許文献1には、緩衝機構を備えた衝撃工具が開示されている。この衝撃工具は、シリンダ内に摺動可能に収容されたピストンを、空気圧によって往復動させ、シリンダの先端部に取り付けられたタガネを繰り返し打撃することで、はつり作業などを行うものであるが、打撃による使用者の負担を軽減するため、シリンダをハウジングで覆い、シリンダをハウジングに対して摺動可能に収容する(シリンダとハウジングとを縁切りする)ことで、握り部となるハウジングへの衝撃の伝達を抑制している。
実開平7−17482号公報
ところで、特許文献1のシリンダやハウジングは円筒状であって、シリンダは、ハウジングの内面に対して同軸となるようにして、ハウジング内に収容されている。そのため、シリンダの軸回りの回転を規制するものがなく、シリンダに取り付けられたタガネまでも回転し、はつり作業に支障をきたす場合があった。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、緩衝機構を備えながらも、シリンダの回転を抑制し良好な作業性を得られる衝撃工具の提供を目的とする。
本発明の衝撃工具1は、ピストン2と、ピストン2を摺動可能に収容するシリンダ3と、シリンダ3と摺動可能に連結し、圧縮空気をシリンダ3内に供給するバルブ本体4と、バルブ本体4に取り付けられ、シリンダ3を同軸に摺動可能に収容するハウジング5とを備え、シリンダ3とバルブ本体4との連結部が、シリンダ3の中心軸に対してずれていることを特徴とする。
また、本発明の別の衝撃工具1Aは、ピストン2と、ピストン2を摺動可能に収容するシリンダ3と、シリンダ3と摺動可能に連結し、圧縮空気をシリンダ3内に供給するバルブ本体4と、バルブ本体4に取り付けられ、シリンダ3を摺動可能に収容するハウジング5とを備え、シリンダ3とバルブ本体4との連結部の断面形状が、真円以外の形状であることを特徴とする。
この場合、連結部の断面形状が、矩形、楕円、多角形のいずれかであることが好ましい。
本発明の衝撃工具は、シリンダとバルブ本体との連結部がシリンダの中心軸に対してずれているため、シリンダの軸回りの回転を抑制することができる。そのため、シリンダにタガネを取り付けた場合であっても、タガネの回転を抑制することができ、はつり作業などを良好に行うことができる。
また、シリンダとバルブ本体との連結部の断面形状が真円以外の形状であっても、シリンダの軸回りの回転を抑制することができる。
この発明の一実施形態に係る衝撃工具を示し、(a)が断面図、(b)がX1−X1位置での端面図である。 衝撃工具の動作を示す概略図である。 この発明の別の実施形態に係る衝撃工具を示し、(a)が一部断面図、(b)がX2−X2位置での端面図である。
次に、この発明の衝撃工具の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明の衝撃工具1は、図1aに示すように、ピストン2と、ピストン2を摺動可能に収容するシリンダ3と、シリンダ3と摺動可能に連結し、圧縮空気をシリンダ3内に供給するバルブ本体4と、バルブ本体4に取り付けられ、シリンダ3を摺動可能に収容するハウジング5とを備えている。また、シリンダ3とバルブ本体4との連結部が、シリンダ3の中心軸に対してずれている。シリンダ3の先端にはタガネ6が取り付けられている。また、空気バネを利用して衝撃を減衰する緩衝機構を備えている。以下、各構成部位について詳細に説明する。
ピストン2は、シリンダ3内に供給される圧縮空気により、シリンダ3内を前後方向に往復動し、タガネ6の後端を繰り返し打撃するものである。ピストン2は、全体として略円柱状とされているが、先端部はタガネ6の後端を打撃し易いよう小径とされている。また、後端部は拡径しており、シリンダ3(後述する内シリンダ31)の内周面に摺動可能に当接している。中間部は、後述する内シリンダ31の突出部31aの内周面に摺動可能に当接している。また、ピストン2には、ピストン後端側の空気を前方に逃がしたり、圧縮空気をピストン後端に供給するための通路Aが設けられている。この通路Aは、ピストン2の側面及び後端に開口している。
シリンダ3は、ピストン2を往復動させるためのものである。シリンダ3は、大別すると、ピストン2の後端部を摺動可能に支持する内シリンダ31と、内シリンダ31の前方に位置し、タガネ6の後端部を支持する支持筒32と、これら内シリンダ31と支持筒32とを内包する外シリンダ33と、内シリンダ31と外シリンダ33の後端を閉塞する栓体34の4部材から構成されている。
内シリンダ31は略円筒状であって、その内径はピストン後端の拡径部と略同径とされている。内シリンダ31の後端は、上述の通り、栓体34によって閉塞されており、ピストン2の後端面と、内シリンダ31の内周面と、栓体34の前面とで部屋イを形成している。内シリンダ31の前端には、径内方向に突出する突出部31aが設けられており、この突出部31aの内周面がピストン2の外周面と摺動可能に当接している。そして、内シリンダ31の内周面と、ピストン2の拡径部と、突出部31aの後面とで部屋ロを形成している。部屋ロは、突出部31aの後部に設けられた連通孔31bによって、内シリンダ31の外側と連通している。連通孔31bは、内シリンダ31の外周面に軸方向に沿って設けられた溝と連通している。なお、この溝は、外シリンダ33の内周面に覆われて通路Bを形成している。
支持筒32も略円筒状であるが、先端側は、角柱状とされるタガネ後端の形状に合わせて角筒状とされている。また、支持筒32には、ピストン2側から送られてくる空気を前方に送るための通路Cが設けられている。
外シリンダ33も略円筒状である。先端側は、タガネ6の形状に合わせて小径とされている。また、先端部の側面には、タガネ6を摺動可能に支持する支持ボール7を嵌め込むための嵌め込み孔33aが設けられている。
栓体34は、内シリンダ31と外シリンダ33の後端を閉塞するための部材であるとともに、バルブ本体4と連結し、内シリンダ31内に圧縮空気を供給するための部材でもある。したがって、栓体34には、バルブ本体4からの圧縮空気をシリンダ3側に供給するための通路Dが設けられている。栓体34は、外シリンダ33の内径と略同径とされた略円柱状の栓部34aと、栓部34a(シリンダ3)の中心軸から上方にずれた位置から後方に向かって延出された略円筒状の連結筒34bとからなり、通路Dは、連結筒34bの後端および栓部34aの側面に開口している。また、通路Dは、連結筒34bの側面にも開口(34c)している。そのため通路Dは、その開口34c及び後述する通路Eを介して、栓体34の後面(栓部34aの後面と連結筒34bの外周面)と、バルブ本体4の前面(後述する筒受部材41の前面)と、ハウジング5の内周面とで形成された部屋ハと連通できるようになっている。
上記内シリンダ31、支持筒32、外シリンダ33、栓体34は別体から構成されているものの、互いに固定され一体化している。従って、衝撃工具1の駆動に際しては、これらが一体となって前後方向に摺動する。また、内シリンダ31、支持筒32、外シリンダ33、栓体34のうち栓部34aは同軸上に設けられている。すなわち、栓体34の連結筒34bのみが、同軸上に設けられておらず、ずれている。
バルブ本体4は、上述の通り、シリンダ3の連結筒34bと連結し、圧縮空気をシリンダ3内に供給するためのものである。バルブ本体4は、連結筒34bを受ける筒受部材41と、コンプレッサから送られてくる圧縮空気のシリンダ3内への供給の有無を切替操作する操作部材42とを備えている。
筒受部材41には、連結筒34bを連結するための連結孔41aが設けられている。この連結孔41aは、連結筒34bに合わせて、シリンダ3の中心軸に対して上方にずれた位置に設けられている(図1b参照)。そして、連結筒34bが連結孔41aに摺動可能に挿通されることで連結部を構成している。また、筒受部材41には、連結筒34b内を部屋ハと連通するための通路Eが設けられている。
操作部材42には、ホースを接続するための接続口42aと、シリンダ3の前後方向への摺動に伴い、操作部材42側に突出してくる連結筒34bとの衝突を避けるための凹部と、接続口42aと凹部とを連通する通路Fが設けられている。通路Fにはバルブ42bが介在しており、操作レバー42cを操作することで通路Fの開閉ができるようになっている。凹部は、その前面が筒受部材41の後面に閉塞されて、部屋ニを形成している。部屋ニは、連結筒34bの摺動を許容しながらも、圧縮空気を絶えず供給し続ける仕組みを構成している。
ハウジング5は、シリンダ3を前後方向に摺動可能に支持するためのものである。ハウジング5は略円筒状である。また、ハウジング5の内径は外ハウジング5の外径と略同径とされている。また、ハウジング5(後述する胴カバー51)の内面の中心軸と、シリンダ3(内シリンダ31、支持筒32、外シリンダ33、栓体34の栓部34a)の中心軸は同一線上にある。すなわち、シリンダ3は、ハウジング5の内面に対して同軸となるようにして、ハウジング5内に収容されている。
ハウジング5は、外シリンダ33を覆い、外シリンダ33の前後方向の摺動を許容する胴カバー51と、胴カバー51の先端側に取り付けられ、シリンダ3やタガネ6の前方へ
の抜け出しを防止する先端カバー52とからなる。
胴カバー51は円筒状であって、その内面は全域に渡って同径とされ平滑である。また、先端および後端には、それぞれ図示しない雌ネジが設けられており、筒受部材41や先端カバー52と螺合することにより一体化されている。
先端カバー52は有底円筒状であって、底部には、タガネ6を前方に延出させるための開口が設けられている。また、筒部は胴カバー51の内面側に位置しており、その内面によって、支持ボール7の径外方向の移動を規制している。
タガネ6は、その側面に、軸方向に沿って長溝が設けられており、この長溝に支持ボール7を位置させることで、前方への抜けや後方への過度の移動が規制されている。タガネ6の取り外しは、先端カバー52を胴カバー51から取外し、支持ボール7を径外方向に移動させることで行う。
次に、上記構成の衝撃工具1の動作を図2に基づいて説明する。
操作レバー42cを握ると、バルブ42bが開き、圧縮空気が接続口42aから、通路F、部屋ニ、通路D、通路Bを経て部屋ロに供給され、ピストン2を勢い良く後退させる。ピストン2の後方の部屋イに溜まった空気は、通路A、通路Cを介してタガネ6とシリンダ3との隙間から外部へと排出される(S1)。
ある程度ピストン2が後退すると、部屋イと外部とを連通する通路Aが突出部31aによって閉塞される(S2)。そのため、部屋イ内の空気が圧縮され、その圧力に押されてシリンダ3が後退する。なお、この状態において、部屋ロには圧縮空気が供給され続けており、ピストン2とシリンダ3とは後退を続ける。
やがてシリンダ3の後端(栓部34a)が筒受部材41に衝突する(S3)が、シリンダ3の後方の部屋ハに溜まった空気も圧縮され続けることから、圧縮された空気が緩衝体(空気バネ)となり、その衝撃は抑えられる。すなわち、本衝撃工具1は、シリンダ3をハウジング5内で摺動可能に構成するとともに、シリンダ3の摺動を部屋ハの空気によってある程度制限することにより、緩衝機構を形成しているのである。シリンダ3が筒受部材41に当接すると、部屋ハが通路E、通路Dを介して部屋ニと連通する。そのため、部屋ハに圧縮空気が供給され、シリンダ3を前方に押し出す。また、この際、ピストン2の通路Aは突出部31aによる閉塞が解かれた状態であり、通路Aから部屋イにも圧縮空気が供給され、ピストン2が勢い良く前方に押し出される。そして、シリンダ3の後退に伴って後退していたタガネ6の後端と衝突する(S1に戻る)。
圧縮空気が供給され続ける限り、S1からS3を繰り返し、タガネ6を打撃し続けることになる。上記構成の衝撃工具1は、シリンダ3の栓体34の連結筒34bが、シリンダ3の中心軸に対してずれており、連結筒34bを挿通する連結孔41aも、シリンダ3の中心軸に対してずれていることから、シリンダ3の軸回りの回転が規制されている。そのため、シリンダ3に取り付けられたタガネ6の回転も抑制されることとなり、はつり作業などを良好に行うことができる。
図3は、別の衝撃工具1Aを示している。この衝撃工具1Aは、連結部がシリンダ3と同軸上に設けられているものの、連結筒34bと連結孔41aの軸方向に直交する方向での断面形状が真円以外とされている点に特徴を有する。具体的には正六角形とされている。このように、連結部の断面形状を真円以外とすることによっても、シリンダ3の軸回りの回転を規制することができる。なお、係合部の形状としては、正六角形に限らず、正方
形、長方形などの矩形、楕円や三角形、五角形やそれ以上の多角形であっても良い。
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、図1に示す衝撃工具1では、連結筒34bの断面形状が円形(真円)とされていたが、真円以外の形状としても良い。また、上記実施形態では、シリンダ側に連結筒を設け、バルブ本体側に連結孔を設けていたが、逆にしても良いし、双方に連結孔を設け、別体の連結筒で両者を連結しても良い。また、上記実施形態では、連結筒が1つであったが、複数設けても良い。複数設ければ、捩れに対する耐久性が向上する。また、複数設ける場合、1の部材のみ筒材とし、他の部材は筒材ではなく棒材とし、シリンダの軸回りの回転のみを抑制させるようにしても良い。
1・・衝撃工具、2・・ピストン、3・・シリンダ、31・・内シリンダ、31a・・突出部、31b・・連通孔、32・・支持筒、33・・外シリンダ、33a・・嵌め込み孔、34・・栓体、34a・・栓部、34b・・連結筒、34c・・開口、4・・バルブ本体、41・・筒受部材、41a・・連結孔、42・・操作部材、42a・・接続口、42b・・バルブ、42c・・操作レバー、5・・ハウジング、51・・胴カバー、52・・先端カバー、6・・タガネ、7・・支持ボール、A・・ピストンの部材内通路、B・・内シリンダと外シリンダの間の通路、C・・支持筒の部材内通路、D・・栓体の部材内通路、E・・筒受部材の部材内通路、F・・操作部材の部材内通路、イ・・ピストン後方の部屋、ロ・・突出部とピストン拡径部との間の部屋、ハ・・栓体後方の部屋、ニ・・筒受部材後方の部屋

Claims (3)

  1. ピストン(2)と、
    ピストン(2)を摺動可能に収容するシリンダ(3)と、
    シリンダ(3)と摺動可能に連結し、圧縮空気をシリンダ(3)内に供給するバルブ本体(4)と、
    バルブ本体(4)に取り付けられ、シリンダ(3)を同軸に摺動可能に収容するハウジング(5)とを備え、
    シリンダ(3)とバルブ本体(4)との連結部が、シリンダ(3)の中心軸に対してずれていることを特徴とする衝撃工具。
  2. ピストン(2)と、
    ピストン(2)を摺動可能に収容するシリンダ(3)と、
    シリンダ(3)と摺動可能に連結し、圧縮空気をシリンダ(3)内に供給するバルブ本体(4)と、
    バルブ本体(4)に取り付けられ、シリンダ(3)を摺動可能に収容するハウジング(5)とを備え、
    シリンダ(3)とバルブ本体(4)との連結部の断面形状が、真円以外の形状であることを特徴とする衝撃工具。
  3. 連結部の断面形状が、矩形、楕円、多角形のいずれかである請求項1又は2記載の衝撃工具。
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