JP2017216775A - 発電装置及び電子装置 - Google Patents

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Akira Sato
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池田 友樹
Yuki Ikeda
友樹 池田
友輔 廣瀬
Yusuke Hirose
友輔 廣瀬
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Abstract

【課題】タイヤの回転による振動のように振動周波数が変動する場合でも発電効率の低下を抑えることが可能な発電装置を提供する。【解決手段】少なくとも1つの磁歪素子22を含み、磁歪素子22に衝撃が加わることにより生じる磁界の変化に基づいて発電する発電部2と、発電部2と衝突する錘3と、固定された発電部2に対して錘3を移動自在に保持する保持部材4とを備える。錘3の移動方向において対向する発電部2の外面には、錘3の外面に向かって隆起した隆起部211が設けられており、発電部2と記錘3とが隆起部211において衝突する。【選択図】図2

Description

本発明は、振動により発電する発電装置とこれを備えたタイヤ用の電子装置に関する。
タイヤ空気圧監視システム(tire pressure monitoring system:TPMS)では、タイヤの内部に配置されたセンサから車載制御装置へ無線等により空気圧の検出結果が送信される。このセンサや無線機等に供給する電源としては、一般に電池が使用される。しかしながら、電池は寿命による交換が必要になることから、メインテナンスの負担が大きいという不利益がある。そのため、タイヤの回転による振動を利用したTPMS用の発電装置が従来より検討されている。例えば下記の特許文献1では、振動に伴って磁石がコイルの中を往復運動するように構成された発電装置が開示されている。
特開2004−187429号
特許文献1に記載される発電装置は、付勢部材(コイルスプリング等)によって磁石が移動方向に付勢されている。このように、振動する機構部品を用いた発電装置は、特定の共振周波数を持つため、振動周波数と共振周波数が一致する場合に発電効率が高くなる一方、振動周波数と共振周波数がずれていると発電効率が大幅に低下する。一般に、タイヤの回転による振動はタイヤの回転速度などに応じて周波数が大きく変化することから、特許文献1のように特定の共振周波数を持つ発電装置では、安定した発電効率を保つことが難しいという不利益がある。そこで、周波数帯域が広がるように共振のQ値を抑えることも考えられるが、そうすると機械的なエネルギーの損失が増大するため、かえって発電効率が低下するという不利益がある。また、振動する機構部品を用いた場合、耐久性が低くなるという不利益もある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タイヤの回転による振動のように振動周波数が変動する場合でも発電効率の低下を抑えることが可能な発電装置及びこれを備えた電子装置を提供することにある。
本発明の第1の観点に係る発電装置は、少なくとも1つの磁歪素子を含み、前記磁歪素子に衝撃が加わることにより生じる磁界の変化に基づいて発電する発電部と、前記発電部と衝突する錘と、固定された前記発電部に対して前記錘を移動自在に保持する保持部材とを備える。前記錘の移動方向において対向する前記発電部の外面と前記錘の外面との少なくとも一方には、対向する前記外面に向かって隆起した隆起部が設けられており、前記発電部と前記錘とが前記隆起部において衝突する。
この構成によれば、前記磁歪素子に衝撃が加わることにより生じる磁界の変化に基づいて前記発電部が発電を行う。衝撃による前記磁歪素子の微小な変形により生じた磁界の変化に基づいて発電することから、コイルスプリングなどの比較的低い周波数で振動する機構部品を用いて発電を行う場合に比べて、振動周波数の変動による発電効率の低下が生じ難い。また、前記隆起部において衝撃を受け易くなるため、前記発電部において衝撃が加わる場所が変化し難くなり、発電の効率が安定する。
好適に、前記発電部が、前記錘の衝突による衝撃を前記磁歪素子に伝達する衝撃伝達部材を含み、前記錘の移動方向と前記衝撃伝達部材による衝撃の伝達方向とが平行であり、前記隆起部が、前記錘の移動方向と平行な第1方向からみた平面視において前記衝撃伝達部材と前記磁歪素子との接触面と重なる場所に位置する。
この構成によれば、前記錘の移動方向と前記衝撃伝達部材による衝撃の伝達方向とが平行であるため、前記磁歪素子へ効率的に衝撃が伝わる。また、前記錘の移動方向と平行な第1方向からみた平面視において前記衝撃伝達部材と前記磁歪素子との接触面と重なる場所に前記隆起部が位置するため、前記第1方向へ加えられた衝撃が前記接触面から前記磁歪素子へ伝わり易くなる。これにより、前記磁歪素子へ更に効率的に衝撃が伝わる。
好適に、前記隆起部における隆起の高さは、前記第1方向からみた平面視における前記接触面の中央に対応する位置若しくは当該位置を含む領域で最も高く、当該位置若しくは当該領域から離れるにつれて連続的に低くなる。
この構成によれば、前記第1方向からみた平面視における前記接触面の中央に対応する位置若しくは当該位置を含む領域で前記隆起の高さが最も高いため、当該位置の付近において衝撃を受け易くなる。これにより、前記第1方向へ加えられた衝撃が前記接触面の中央付近から前記磁歪素子へ伝わり易くなるため、前記磁歪素子へ更に効率的に衝撃が伝わる。
好適に、前記隆起部は、隆起の高さが最も高い位置の周囲に球面状の曲面を持つ。
この構成によれば、前記第1方向からみた平面視における前記接触面の中央に対応する位置の近くで前記発電部と前記錘との衝突が生じ易くなる。これにより、前記第1方向へ加えられた衝撃が前記接触面の中央付近から前記磁歪素子へ伝わり易くなるため、前記磁歪素子へ効率的に衝撃が伝わる。
好適に、前記隆起部は、前記球面状の曲面の周囲に円錐面状の曲面を持つ。
この構成によれば、前記隆起部の隆起が高くなる一方で、前記円錐面状の曲面において前記発電部と前記錘との衝突が生じ難くなる。これにより、前記第1方向へ加えられた衝撃が前記接触面の中央により近い位置から前記磁歪素子へ伝わり易くなる。
好適に、前記隆起部は、隆起の高さが最も高い位置の周囲に円形の平面を持ち、前記円形の平面の周囲に円錐面状の曲面を持つ。
この構成によれば、前記第1方向からみた平面視における前記接触面の中央に対応する位置の近くで前記発電部と前記錘との衝突が生じ易くなる。これにより、前記第1方向へ加えられた衝撃が前記接触面の中央付近から前記磁歪素子へ伝わり易くなるため、前記磁歪素子へ効率的に衝撃が伝わる。
好適に、前記保持部材が、前記錘の移動方向と平行な第1方向へ延びて前記錘を移動自在に収容する円柱状の内部空間を持ち、前記錘が、前記第1方向へ延びた楕円柱状若しくは角柱状の形状を持つ。
この構成によれば、前記第1方向と垂直な断面視において、前記保持部材の前記内部空間を画定する内面が円の形状を持つ。前記錘が楕円柱状の形状を持つ場合、前記断面視において楕円の長軸に対応する前記錘の外面上の位置が、前記保持部材の円形状の前記内面に当接し易くなる。また、前記錘が角柱状の形状を持つ場合は、前記断面視において多角形の頂点に対応する前記錘の外面上の位置が、前記保持部材の円形状の前記内面に当接し易くなる。これにより、前記錘と前記保持部材との接触面積が小さくなるため、前記錘の移動に伴う前記保持部材と前記錘との摺動の摩擦が小さくなり、当該摩擦による衝撃力の減衰が抑えられる。
好適に、前記保持部材が、前記錘の移動方向と平行な第1方向へ延びて前記錘を移動自在に収容する内部空間を持ち、前記錘が、前記第1方向へ延びた形状を持ち、互いに対向する前記保持部材の内面と前記錘の外面との少なくとも一方には、複数の凸部が設けられており、前記錘が移動する場合、前記保持部材と前記錘とが前記複数の凸部において摺動する。
この構成によれば、互いに対向する前記保持部材の内面と前記錘の外面との少なくとも一方に設けられた前記複数の凸部において、前記保持部材と前記錘とが摺動する。これにより、前記錘と前記保持部材との接触面積が小さくなるため、前記保持部材と前記錘との摺動の摩擦が小さくなり、当該摩擦による衝撃力の減衰が抑えられる。
好適に、前記凸部が、前記第1方向に延びた円柱状の曲面を持ち、前記保持部材と前記錘とが前記凸部の前記曲面において摺動する。
この構成によれば、前記保持部材と前記錘とが前記凸部の前記曲面において摺動するため、前記保持部材と前記錘との摺動の摩擦がより小さくなる。
好適に、2以上の前記凸部が前記第1方向の異なる位置に設けられている。
この構成によれば、前記第1方向の異なる位置で前記保持部材と前記錘とが前記凸部により接触するため、前記保持部材の前記内部空間における前記錘の姿勢のばらつきが小さくなり、発電の効率が安定する。また、前記第1方向に長く延びた凸部を設ける場合に比べて、前記錘と前記保持部材との接触面積が小さくなるため、前記保持部材と前記錘との摺動の摩擦が小さくなる。
好適に、前記発電部は、前記錘との衝突による衝撃を前記磁歪素子に伝達する衝撃伝達部材と、前記衝撃伝達部材による前記磁歪素子への衝撃の伝達方向において前記磁歪素子と並んで配置された少なくとも1つの磁石と、前記磁歪素子が収容される孔を有し、前記孔の周りに導線が巻回されたコイルとを有し、前記錘の移動方向と前記衝撃伝達部材による衝撃の伝達方向とが平行であり、前記コイルの前記孔が、前記錘の移動方向と平行な第1方向へ延びており、前記衝撃伝達部材が、1以上の磁性部材を含み、前記1以上の磁性部材が、前記孔の一端から前記孔の外を通り前記孔の他端へ至る前記磁歪素子の磁束線の磁路を形成する。
好適に、前記衝撃伝達部材が、前記第1方向へ相対的に変位可能に組み合わされた少なくとも2つの磁性部材を含む。
この構成によれば、前記衝撃伝達部材を介して前記磁歪素子に衝撃が伝達されると、前記磁歪素子において逆磁歪効果により磁界の変化が生じ、この磁界の変化に応じて前記コイルの起電力が発生する。衝撃による前記磁歪素子の微小な変形により生じた磁界の変化に基づいて発電することから、コイルスプリングなどの比較的低い周波数で振動する機構部品を用いて発電を行う場合に比べて、振動周波数の変動による発電効率の低下が生じ難い。また、前記衝撃伝達部材における前記1以上の磁性部材が、前記磁歪素子へ衝撃を伝達する機能に加えて、前記磁歪素子による前記磁束線の磁路を形成する機能も備えているため、これらの機能を別の部材で実現する場合に比べて構成が簡易となる。
本発明の第2の観点に係る電子装置は、タイヤの内部に取り付けられた電子装置であって、電子回路と、前記電子回路に電源を供給する上記第1の観点に係る発電装置とを備える。
この構成によれば、タイヤの回転数の変動などによって振動周波数が変化しても、発電効率の低下が生じ難い。
好適に、前記発電部が、前記錘に比べて前記タイヤの回転の中心から径方向に離れた場所で前記タイヤに固定される。
この構成によれば、前記発電部の固定場所に対応する前記タイヤの表面が地面に接地すると、前記錘が前記接地の衝撃により前記タイヤの回転の中心へ近づく方向に移動し、前記発電部と前記錘とが離間する。その後、前記タイヤが更に回転すると、前記錘が遠心力によって前記タイヤの回転の中心から離れる方向に移動し、前記発電部と前記錘とが衝突する。すなわち、前記タイヤの接地の衝撃によって前記発電部と前記錘とが離間した後、遠心力によって前記発電部と前記錘とが衝突する。これにより、前記タイヤの回転の度に前記発電部と前記錘との衝突が確実に生じるため、前記発電部において安定した出力が得られる。
本発明によれば、タイヤの回転による振動のように振動周波数が変動する場合でも発電効率の低下を抑えることができる。
第1の実施形態に係る発電装置の一例を示す斜視図である。 図1に示す発電装置のA−A線断面図である。 第1の実施形態に係る発電装置における発電部の斜視図及び分解図である。 発電部の外面に設けられた隆起部の一例を示す図である。 隆起部の形状に応じた衝撃の伝達の態様を説明するための図である。 第1の実施形態に係る発電装置における隆起部の一変形例を示す図である。 第1の実施形態に係る発電装置における隆起部の一変形例を示す図である。 第1の実施形態に係る発電装置の一変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る発電装置の一変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る発電装置の一変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る発電装置の一変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る発電装置の一変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る発電装置の一変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る発電装置の一変形例を示す断面図である。 第2の実施形態に係るに係るタイヤ監視システムの構成の一例を示す図である。 タイヤ監視システムにおける各構成要素の配置の一例を示す図である。 タイヤの接地の衝撃による錘の移動を示す図である。 タイヤの回転の遠心力による錘の移動を示す図である。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る発電装置1の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示す発電装置1のA−A線断面図である。図3は、図1に示す発電装置1における発電部2の斜視図(図3A)及び分解図(図3B)である。
図1〜図3において示すように、本明細書では、互いに直交する3つの方向を「x」、「y」、及び「z」とする。また、x方向に含まれる互いに逆向きの方向を「x1」及び「x2」とし、y方向に含まれる互いに逆向きの方向を「y1」及び「y2」方向とし、Z方向に含まれる互いに逆向きの方向を「z1」及び「z2」とする。
本実施形態に係る発電装置1は、外部から加えられる振動や衝撃により発電する装置であり、発電部2と、錘3と、保持部材4と、基台5と、配線基板11とを有する。
保持部材4は、固定された発電部2に対して錘3を移動自在に保持する。保持部4は、錘3の移動方向と平行なZ方向に延びた内部空間40を持ち、この内部空間40に発電部2と錘3を収容する。錘3は、内部空間40のz1側に配置されており、保持部材4に固定されていないため、内部空間40においてZ方向に移動自在である。発電部2は、内部空間40のz2側の端に位置しており、保持部材4の内壁に固定される。外部から振動が加えられると、錘3のみが内部空間40においてZ方向に移動し、発電部2と衝突する。
保持部材4は、Z1側に開口を持つケース42と、ケース42の開口を塞ぐ蓋43を有する。ケース42は、z方向へ延びた円筒状の側壁421と、側壁421のZ2側の端に設けられた底部422を有する。蓋43と側壁421と底部422の各内面が、円柱状の内部空間40を画定する。
配線基板11は、電源回路の配線が形成された基板であり、整流回路や電圧レギュレータなどを構成する回路部品12が実装される。この電源回路により、後述するコイル24の起電力に基づいた一定の電源電圧が生成される。配線基板11は、例えば保持部材4の外面(図1、図2の例では蓋43の外面)に配置される。
基台5は、保持部材4が固定される台であり、振動や衝撃を生じる物体(タイヤ等)に取り付けられる。
錘3は、発電部2に衝突して衝撃を加えるための部材(衝突部材)であり、移動方向(z方向)へ延びた形状を持つ。図1、図2の例において、錘3は、内部空間40よりも径が小さく長さが短い円柱状の形状を持つ。錘3は、両端の平面がxy平面に対して概ね平行となる姿勢で内部空間40に収容されており、このz2側の平面が発電部2と衝突する。
発電部2は、衝撃によって発電する装置であり、磁歪素子22と、磁歪素子22に衝撃を伝達する衝撃伝達部材20と、磁石23と、コイル24とを有する。発電部2は、磁歪素子22に衝撃が加わることにより生じる磁界の変化に基づいて発電する。
磁歪素子22は、磁界を加えることで外形が変形する磁歪材料により形成される。磁歪素子22に衝撃が加わってその外形が変化すると、逆磁歪効果によって磁界が変化する。図2、図3の例において、磁歪素子22は円柱状の形状を持ち、両端の平面がxy平面に対して概ね平行となる姿勢でコイル24の後述する孔241に収容される。
コイル24は、磁歪素子22における磁界の変化に応じた起電力を発生する。コイル24は、磁歪素子22が収容される孔241を有しており、この孔241の周りに導線16が巻回される。コイル24の孔241は、衝撃伝達部材20による衝撃の伝達方向と平行な方向であるz方向に延びている。
磁石23は、逆磁歪効果による磁界の変化を生じさせるためのバイアス磁界を磁歪素子22に与える。磁石23は、衝撃伝達部材20による磁歪素子22への衝撃の伝達方向において磁歪素子22と並んで配置される。図2、図3の例において、磁石23は磁歪素子22とほぼ同じ径の円柱状の形状を持つ。磁石23は、磁歪素子22よりz2側に配置されており、磁歪素子22のz2側の平面と磁石23のz1側の平面とが接触している。
衝撃伝達部材20は、内部空間40においてz2方向へ移動する錘3が衝突した場合、その衝撃を磁歪素子22へz2方向に伝達し、磁歪素子22をz方向に圧縮する。図2、図3の例において、衝撃伝達部材20は、z方向へ相対的に変位可能に組み合わされた第1磁性部材201及び第2磁性部材202を有する。第1磁性部材201及び第2磁性部材202は、鋼鉄などの比較的強度が高い軟磁性体からなり、コイル24の孔241の一端から孔241の外を通り孔241の他端へ至る磁歪素子22の磁束線MFの磁路を形成する。第1磁性部材201及び第2磁性部材202は、互いに固定されずに組み合わされてもよいし、粘着材や接着剤、溶着などによって互いに固定された状態で組み合わされてもよい。第1磁性部材201及び第2磁性部材202が互いに固定される場合は、錘3の衝突の衝撃によって固定箇所の部材や磁性部材自体が微小に変形することで、その衝撃が磁歪素子22に伝達されるようにしてもよい。
第2磁性部材202は、z方向と垂直な方向に向かってコイル24の周りを囲む円筒状の側壁217と、側壁217のz2側の端に設けられた底部218とを有しており、コイル24が収容される円筒状の収容空間203を形成する。第1磁性部材201は、円盤状の形状を持ち、収容空間203のz1側における円形の開口部を塞ぐように配置される。第1磁性部材201の側端面213が、側壁217の内側の面と対向する。磁歪素子22及び磁石23による磁束線MFは、この側端面213と側壁217との対向部分を通る。
保持部材4のケース42と発電部2の第2磁性部材202は、コイル24の収容空間203と保持部材4の外側とを連通する孔13及び14を有する。コイル24の導線16は、この孔13及び14を通じて保持部材4の外側に引き出され、配線基板11に配置されたコネクタ等に接続される。
第1磁性部材201及び第2磁性部材202は、孔241の一端側と他端側とにおいてコイル24を挟んで対向する2つの内側平面(215、216)を有する。2つの内側平面(215、216)は、コイル24の孔241に収容された磁歪素子22及び磁石23を、z方向の両側から挟む。第1磁性部材201の内側平面215は、孔241のz1側の端において磁歪素子22のz1側の平面と接する。第2磁性部材202の内側平面216は、孔241のz2側の端において磁石23のz2側の平面と接する。図2において示すように、2つの内側平面215、216の離間距離Laは、z方向におけるコイル24のサイズLbに比べて長い。離間距離Laは、2つの内側平面215、216に挟まれた磁歪素子22及び磁石23によって保たれており、錘3の衝突による衝撃が第1磁性部材201に加わった場合も「La>Lb」の関係は変わらない。そのため、コイル24に直接衝撃が加わることはない。
第1磁性部材201は、コイル24に面した内側平面215に突出部214を有する。突出部214は、その先端がコイル24の孔241の中に挿入されており、先端の接触面219において磁歪素子22と接触する。図3、図4の例において、突出部214はz方向に延びた円柱状の形状を持ち、z2側の先端の平面において磁歪素子22と接触する。
第1磁性部材201は、磁歪素子22との接触面219の反対側において錘3からの衝撃を受ける外面212を有する。図2、図3において示すように、外面212の中央には、z1方向へ隆起した隆起部211が形成される。
図4は、発電部2の外面212に設けられた隆起部211の一例を示す図である。図4Aは、第1磁性部材201をy2側からみた図であり、図4Bは、第1磁性部材201及び第2磁性部材202をz1側からみた図である。図4Bに示すように、隆起部211は、z1側からみた平面視において、第1磁性部材201と磁歪素子22との接触面219(円形の点線部分)と重なる場所に設けられている。隆起部211における隆起の高さは、この接触面219の中央に対応する位置P1で最も高く、位置P1から離れるにつれて連続的に低くなる。図3、図4の例において、隆起部211の形状は球体の一部のように丸みを帯びている。すなわち、隆起部211は、位置P1の周囲に球面状の曲面を持つ。
図5は、隆起部の形状に応じた衝撃の伝達の態様を説明するための図である。図5Aは、比較例の発電装置1Aの断面図であり、図5Bは上述した発電装置1の断面図であり、何れも錘3が発電部2に衝突した状態を示す。図5Aに示す比較例の発電装置1Aでは、外面212において錘3と衝突する隆起部211Aがz1方向に突出した円柱状の形状を有していることから、錘3が円柱形状の隆起部211Aの縁に衝突する。そのため、黒の矢印で表すように、錘3は位置P1(図4)からずれた位置で隆起部211Aと衝突し、その衝撃は磁歪素子22のx方向及びy方向の中心に対してずれた位置に伝わる。一方、図5Bに示す本実施形態に係る発電装置1では、隆起部211が位置P1を中心として球体状に隆起している。そのため、錘3が位置P1(図4)に近い位置で隆起部211と衝突し、その衝撃は磁歪素子22のx方向及びy方向の中心に近い位置に伝わる。従って、本実施形態に係る発電装置1は、比較例の発電装置1Aに比べて磁歪素子22に加わるz方向の衝撃が強くなるため、磁歪素子22の磁界の変化が大きくなる。
上述した構成を有する本実施形態に係る発電装置1によれば、次のような効果を奏することができる。
本実施形態に係る発電装置1によれば、衝撃伝達部材20を介して磁歪素子22に衝撃が伝達されると、磁歪素子22において逆磁歪効果により磁界の変化が生じ、この磁界の変化に応じてコイル24の起電力が発生する。衝撃による磁歪素子22の微小な変形により生じた磁界の変化に基づいて発電することから、コイルスプリングなどの比較的低い周波数で振動する機構部品を用いて発電を行う場合に比べて、振動周波数の変動による発電効率の低下が生じ難い。従って、タイヤの回転による振動のように振動周波数が変動する場合でも、発電効率の低下を抑えることができる。また、振動する機構部品を用いないため、耐久性を高めることができる。更に、隆起部211において衝撃を受け易くなるため、発電部2において衝撃が加わる場所が変化し難くなり、発電の効率を安定させることができる。
本実施形態に係る発電装置1によれば、錘3の移動方向と衝撃伝達部材20による衝撃の伝達方向とが平行であるため、磁歪素子22へ効率的に衝撃を伝えることができる。
本実施形態に係る発電装置1によれば、第1磁性部材201において磁歪素子22と接触する内側平面215の反対側の外面212に錘3が衝突し、衝撃が加えられる。これにより、外面212に加えられた衝撃が磁歪素子22へ直接的に伝わり易くなるため、発電効率が向上する。
本実施形態に係る発電装置1によれば、第1磁性部材201の外面212には、錘3が衝突する側(z1側)からみた平面視において第1磁性部材201と磁歪素子22との接触面219と重なる場所に、隆起部211が設けられている。これにより、z方向へ加えられた衝撃が接触面219を介して磁歪素子22に伝わり易くなるため、錘3の衝突による衝撃が磁歪素子22へ効率的に伝わり、発電効率が向上する。
本実施形態に係る発電装置1によれば、錘3が衝突する側(z1側)からみた平面視における第1磁性部材201と磁歪素子22との接触面219の中央に対応する位置P1(図4)において、隆起部211の隆起の高さが最も高い。そのため、第1磁性部材201は位置P1の付近において衝撃を受け易くなる。これにより、z方向へ加えられた衝撃が第1磁性部材201と磁歪素子22との接触面219の中央付近から磁歪素子22へ伝わり易くなるため、磁歪素子22へ効率的に衝撃を伝えることができる。
本実施形態に係る発電装置1によれば、隆起部211において隆起の高さが最も高い位置P1の周囲が球面状の曲面になっているため、錘3が衝突する側(z1側)からみた平面視における接触面219の中央に対応する位置の近くで発電部2と錘3との衝突が生じ易くなる。これにより、z方向へ加えられた衝撃が接触面219の中央付近から磁歪素子22へ伝わり易くなるため、磁歪素子22へ効率的に衝撃を伝えることができる。
本実施形態に係る発電装置1によれば、衝撃伝達部材20における2つの磁性部材(201、202)が、磁歪素子22へ衝撃を伝達する機能に加えて、磁歪素子22による磁束線MFの磁路を形成する機能も備えている。そのため、これらの機能を別の部材で実現する場合に比べて構成が簡易となる。更に、磁性部材(201、202)や磁歪素子22、磁石23などはいずれも高い強度を持つ材料を用いて形成可能であるため、耐久性を高めることができる。
本実施形態に係る発電装置1によれば、衝撃伝達部材20から磁歪素子22へ衝撃が伝わる場合でも、2つの内側平面215、216のz方向における離間距離Laがコイル24のz方向におけるサイズLbに比べて長い。そのため、衝撃による力がコイル24へ直接的に加わらない。これにより、磁歪素子22へ効率的に衝撃が伝わるため発電効率が向上するとともに、衝撃によるコイル24の変形を防止できる。
本実施形態に係る発電装置1によれば、コイル24の孔241の一端側において磁歪素子22と第1磁性部材201とが接している。そのため、第1磁性部材201からの衝撃が磁歪素子22へ直接伝わり易くなり、発電効率が向上する。また、孔241の他端側において、磁石23と第2磁性部材202とが接しているため、第2磁性部材202が磁石23の磁束線MFを通す磁路として機能し易くなる。
次に、本実施形態に係る発電装置1の変形例について図6〜図14を参照して説明する。
図6及び図7は、第1磁性部材201の外面212に設けられた隆起部の変形例(211B、211C)を示す図である。図4と同様に、図6A及び図7Aは第1磁性部材201をy2側からみた図であり、図6B及び図7Bは第1磁性部材201及び第2磁性部材202をz1側からみた図である。
図6に示す変形例の隆起部211Bは、z1側からみた平面視において、第1磁性部材201と磁歪素子22との接触面219と重なる場所に設けられている。また、隆起部211Bにおける隆起の高さは、この接触面219の中央に対応する位置P1を中心とした円形の平面の領域AR1で最も高く、領域AR1から離れるにつれて連続的に低くなる。図6の例において、隆起部211Bの形状は円錐台状である。このような形状の隆起部211Bを第1磁性部材201の外面212に設けた場合、隆起部211Bの隆起が高くなる一方で、円錐面状の曲面において発電部2と錘3との衝突が生じ難くなる。これにより、z方向へ加えられた衝撃が更に接触面219の中央に近い位置から磁歪素子22へ伝わり易くなるため、磁歪素子22へより効率的に衝撃を伝えることができる。
図7に示す変形例の隆起部211Cは、図6に示す隆起部211Bにおける頂部の形状を変更したものである。隆起部211Cの形状は、頂部に丸みを帯びた円錐形状である。すなわち、隆起部211Cは、位置P1の周囲の領域AR2において球面状の曲面の持ち、この領域AR2の周囲に円錐状の曲面(斜面)を持つ。このような形状の隆起部211Cを第1磁性部材201の外面212に設けた場合、図6に示す円錐台状の隆起部211Bに比べて、領域AR2の曲面上において位置P1と更に近い位置に錘3が衝突し易くなる。そのため、z方向へ加えられた衝撃が更に接触面219の中央に近い位置から磁歪素子22へ伝わり易くなるため、磁歪素子22へより効率的に衝撃を伝えることができる。
図8及び図9は、隆起部が設けられる場所の変形例を示す図である。図8及び図9の断面図は、図2と同様なA−A線の断面を示す。
図8に示す変形例の発電装置1Bは、図2に示す発電装置1の発電部2に設けられた隆起部211を錘3へ移動させたものである。発電装置1Bの錘3Bは、発電部2の外面212と対向する外面33のほぼ中央に、外面212へ向かって隆起した隆起部32を有する。隆起部32は、z1側からみた平面視において、第1磁性部材201と磁歪素子22との接触面219と重なる場所に設けられている。隆起部32における隆起の高さは、この接触面219の中央に対応する位置で最も高く、この位置から離れるにつれて連続的に低くなる。図8の例において、隆起部32の形状は球体の一部のように丸みを帯びている。他の例において、隆起部32の形状は円錐台状でもよいし、先端に丸みを帯びた円錐状でもよい。一方、発電部2の第1磁性部材201Bでは、隆起部211がなくなっており、外面212の全体が平面になっている。このように、錘3Bが隆起部32を有する場合でも、上述した発電装置1と同様に、接触面219の中央付近から磁歪素子22へz方向に衝撃が伝達され易くなり、発電効率が向上する。
図9に示す変形例の発電装置1Cは、図2に示す発電装置1の発電部2に設けられた隆起部211を錘3にも追加したものである。図9に示す発電装置1Cでは、錘3Bが隆起部32を有するとともに、発電部2も隆起部211を有しており、この2つの隆起部(32、211)同士が衝突する。このように、錘3Bの隆起部32と発電部2の隆起部211とが衝突する場合でも、接触面219の中央付近から磁歪素子22へz方向に衝撃が伝達され易くなり、発電効率が向上する。
図10及び図11は、錘の形状に関する変形例を示す図である。図10A及び図11Aの断面図は、図2と同様なA−A線の断面を示す。図10B及び図11Bの断面図は、錘の移動方向(z方向)に対して垂直な断面を示す。
図10に示す変形例の発電装置1Dでは、錘3Dがz方向へ延びた楕円柱状の形状を持つ。図10Bに示すD−D線の断面において、保持部材4の内部空間40を画定する内面の形状が円形であるのに対し、錘3Dの形状は楕円である。そのため、この楕円の長軸に対応する位置において、錘3Dの外面と保持部材4の内面とが当接し易くなる。これにより、錘3Dと保持部材4との接触面積が小さくなるため、錘3Dの移動に伴う保持部材4と錘3Dとの摺動の摩擦が小さくなり、当該摩擦による衝撃力の減衰を抑制できる。
図11に示す変形例の発電装置1Eでは、錘3Eがz方向へ延びた角柱状の形状を持つ。図11Bに示すE−E線の断面において、保持部材4の内部空間40を画定する内面の形状が円形であるのに対し、錘3Eの形状は多角形(図の例では略正方形)である。そのため、この多角形の頂点に対応する位置において、錘3Eの外面と保持部材4の内面とが当接し易くなる。これにより、錘3Eと保持部材4との接触面積が小さくなるため、錘3Eの移動に伴う保持部材4と錘3Eとの摺動の摩擦が小さくなり、当該摩擦による衝撃力の減衰を抑制できる。
図12〜図14は、保持部材の内壁と錘との摺動を生じる場所に凸部を設けた変形例を示す図である。図12A〜図14Aの断面図は、図2と同様なA−A線の断面を示す。図12B〜図14Bの断面図は、錘の移動方向(z方向)に対して垂直な断面を示す。
図12に示す変形例の発電装置1Fにおいて、錘3Fには、保持部材4の内面と対向する外面に複数の凸部31が設けられている。図12AのA−A線断面図と図12BのF−F線断面図とが示す例において、凸部31は4つであり、円柱状の錘3Fの周方向において等間隔に並んでいる。それぞれの凸部31は、z方向へ延びた円柱状の曲面を持つ。図12の例において、凸部31の高さは錘3Fのz方向の端に近づくにつれ連続的に低くなっている。錘3Fが移動する場合、保持部材4と錘3Fとが複数の凸部31の曲面において摺動する。
図12に示す変形例の発電装置1Fによれば、保持部材4の内面と対向する錘3Fの外面に設けられた複数の凸部31において、保持部材4と錘3Fとが摺動する。これにより、錘3Fと保持部材4との接触面積が小さくなるため、錘3Fの移動に伴う保持部材4と錘3Fとの摺動の摩擦が小さくなり、当該摩擦による衝撃力の減衰を抑制できる。
図13に示す変形例の発電装置1Gにおいて、錘3Gには、保持部材4の内面と対向する外面に複数の凸部311及び312が設けられている。図13AのA−A線断面図と図13BのG−G線断面図とが示す例において、凸部311と凸部312はそれぞれ4つである。4つの凸部311は、錘3Gのz1側の端に近い場所に設けられており、錘3Gの周方向において等間隔に並んでいる。また、4つの凸部312は、錘3Gのz2側の端に近い場所に設けられており、錘3Gの周方向において等間隔に並んでいる。また、図13の例では、4つの凸部311のそれぞれが、1つの凸部312とz方向に並んでいる。複数の凸部311及び312は、何れも球面状の曲面を持つ。錘3Gが移動する場合、保持部材4と錘3Gとが複数の凸部311及び312の曲面において摺動する。
図13に示す変形例の発電装置1Gによれば、保持部材4の内面と対向する錘3Gの外面に設けられた複数の凸部311及び凸部312において、保持部材4と錘3Gとが摺動する。これにより、錘3Gと保持部材4との接触面積が小さくなるため、錘GEの移動に伴う保持部材4と錘3Gとの摺動の摩擦が小さくなり、当該摩擦による衝撃力の減衰を抑制できる。また、図12に示す発電装置1Fのようにz方向へ長く延びた凸部31を設ける場合に比べて、錘3Gと保持部材4との接触面積が小さくなるため、保持部材4と錘3Gとの摺動の摩擦を抑制できる。
図14に示す発電装置1Hでは、錘3の外面と対向する保持部材4の内面に複数の凸部45が設けられている。図14AのA−A線断面図と図14BのH−H線断面図とが示す例において、凸部45は4つであり、保持部材4の内面の周方向において等間隔に並んでいる。それぞれの凸部45は、z方向へ延びた円柱状の曲面を持つ。図14の例において、凸部45の高さはz方向において一定である。錘3Hが移動する場合、保持部材4と錘3とが複数の凸部45の曲面において摺動する。
図14に示す変形例の発電装置1Hによれば、錘3の外面と対向する保持部材4の内面に設けられた複数の凸部45において、保持部材4と錘3とが摺動する。これにより、錘3と保持部材4との接触面積が小さくなるため、錘3の移動に伴う保持部材4と錘3との摺動の摩擦が小さくなり、当該摩擦による衝撃力の減衰を抑制できる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、上述した第1の実施形態の発電装置をタイヤ監視システムに適用したものである。
図15は、本実施形態に係るタイヤ監視システムの構成の一例を示す図である。図15Aはタイヤ監視システムの全体構成を示し、図15Bは電子装置100の発電装置120の電気的な構成を示す。このタイヤ監視システムは、例えばタイヤの空気圧を監視するTPMSであり、タイヤ140の内部に取り付けられた電子装置100と、この電子装置100から監視結果のデータを取得する車載制御装置130とを有する。
電子装置100は、電子回路110と、この電子回路110に電源電圧VDDを供給する発電装置120を有する。電子回路110は、車載制御装置130に無線信号を送信する無線送信部111と、空気圧や温度、加速度などの所定の物理量を測定するセンサ部113と、無線送信部111及びセンサ部113の動作を制御するコンピュータ等の処理部112とを有する。発電装置120は、第1の実施形態に係る発電装置1(若しくはその変形例)と同様の構成を持つ。また、図15Bにおいて示すように、発電装置120は、コイル24の出力を整流する整流回路121と、整流回路121により整流された電圧を入力して一定の電源電圧VDDを生成するレギュレータ122とを有する。電子回路110や発電装置120の回路部品は、例えば配線基板11に実装される。
車載制御装置130は、例えば車両150のECU(electronic control unit)やECUと通信する制御モジュールである。図15Aの例において、車載制御装置130は、電子装置100からの無線信号を受信する無線受信部131と、車両150の他の制御モジュールやECUとデータ通信を行う通信部133と、無線受信部131及び通信部133の動作を制御するコンピュータ等の処理部132とを有する。処理部132は、電子装置100から無線信号によって送られてくるセンサ部113のセンシング結果のデータに基づいて、車両150における種々の制御(警告ランプの表示など)を行う。
図16は、図15に示すタイヤ監視システムにおける各構成要素の配置の一例を示す図である。図16Aは車両150における電子装置100と車載制御装置130の概略的な配置例を示し、図16Bはタイヤ140内における電子装置100の概略的な配置例を示す。図16Bの例において、電子装置100は、タイヤ140の接地面141に対して裏側の内壁142に取り付けられている。図16Bにおける「Ps1」は、タイヤ140の回転の中心から径方向を見た場合に電子装置100と重なる接地面141上の位置を示す。
図17及び図18は、タイヤ140の回転に伴う錘3の移動を説明するための図である。図17はタイヤ140の接地の衝撃による発電装置120の錘3の移動を示し、図18はタイヤ140の回転の遠心力による発電装置120の錘3の移動を示す。また、図17A及び図18Aは、タイヤ140の接地面141における位置Ps1と地面6との位置関係を表しており、図17B及び図18Bは、保持部材4の内部空間40における錘3の移動方向を示す。
本実施形態において、保持部材4は、タイヤ140の径方向と平行なz方向において発電部2と錘3とを相対的に移動自在に保持する。また図17及び図18の例において、発電部2は、保持部材4及び基台5を介してタイヤ140に固定される。タイヤ140の内部における発電部2の固定場所は、錘3よりもタイヤ140の中心Poから離れている。
発電部2の固定場所に対応するタイヤ140の接地面141の位置Ps1が地面6に接地すると(図17A)、タイヤ140に固定されていない錘3がその接地の衝撃により中心Poへ近づく方向(z1方向)に移動し、錘3が発電部2から離間する。その後タイヤ140が更に回転して、タイヤ140の接地面141の位置Ps1が地面6から離れると(図18A)、錘3に遠心力が働き、錘3が中心Poから離れる方向(z2方向)に移動する。これにより、錘3が発電部2に衝突し、その衝突の衝撃によって発電部2が発電する。
以上説明したように、本実施形態によれば、タイヤ140に固定されていない錘3が、タイヤ140の接地の衝撃によって回転の中心Poへ近づく方向に移動し、タイヤ140に固定された発電部2から離れる。その後、タイヤ140の回転に伴う遠心力により、錘3が回転の中心Poから離れる方向に移動し、発電部2と衝突する。これにより、タイヤ140の回転の度に発電部2と錘3との衝突が確実に生じるため、発電部2において安定した出力を得ることができる。
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
上述した実施形態では、衝撃伝達部材が2つの磁性部材を含む例に挙げたが、本発明の他の実施形態では、衝撃伝達部材が3以上の磁性部材を含んでもよいし、磁性部材を1つだけ含んでもよい。衝撃伝達部材が磁性部材を1つだけ含む場合には、磁性部材自体が衝撃に伴って変形することで、磁性部材を介して磁歪素子に衝撃が伝達されるようにしてもよい。
1,1A〜1H…発電装置、11…配線基板、12…回路部品、13,14…孔、16…導線、2…発電部、20…衝撃伝達部材、201,201B…第1磁性部材、202…第2磁性部材、211,211A〜211C…隆起部、212…外面、213…側端面、214…突出部、215,216…内側平面、217…側壁、218…底部、219…接触面、22…磁歪素子、23…磁石、24…コイル、241…孔、3,3B,3D,3E,3F,3G…錘、32…隆起部32、4…保持部材、40…内部空間、42…ケース、421…側壁、422…底部、43…蓋、5…基台、100…電子装置、110…電子回路、111…無線送信部、112…処理部、113…センサ部、120…発電装置、130…車載制御装置、131…無線受信部、132…処理部、133…通信部、140…タイヤ、141…接地面、142…内壁、150…車両、MF…磁束線

Claims (14)

  1. 少なくとも1つの磁歪素子を含み、前記磁歪素子に衝撃が加わることにより生じる磁界の変化に基づいて発電する発電部と、
    前記発電部と衝突する錘と、
    固定された前記発電部に対して前記錘を移動自在に保持する保持部材とを備え、
    前記錘の移動方向において対向する前記発電部の外面と前記錘の外面との少なくとも一方には、対向する前記外面に向かって隆起した隆起部が設けられており、
    前記発電部と前記錘とが前記隆起部において衝突する、
    発電装置。
  2. 前記発電部が、前記錘の衝突による衝撃を前記磁歪素子に伝達する衝撃伝達部材を含み、
    前記錘の移動方向と前記衝撃伝達部材による衝撃の伝達方向とが平行であり、
    前記隆起部が、前記錘の移動方向と平行な第1方向からみた平面視において前記衝撃伝達部材と前記磁歪素子との接触面と重なる場所に位置する、
    請求項1に記載の発電装置。
  3. 前記隆起部における隆起の高さは、前記第1方向からみた平面視における前記接触面の中央に対応する位置若しくは当該位置を含む領域で最も高く、当該位置若しくは当該領域から離れるにつれて連続的に低くなる、
    請求項2に記載の発電装置。
  4. 前記隆起部は、隆起の高さが最も高い位置の周囲に球面状の曲面を持つ、
    請求項3に記載の発電装置。
  5. 前記隆起部は、前記球面状の曲面の周囲に円錐面状の曲面を持つ、
    請求項4に記載の発電装置。
  6. 前記隆起部は、隆起の高さが最も高い位置の周囲に円形の平面を持ち、前記円形の平面の周囲に円錐面状の曲面を持つ、
    請求項3に記載の発電装置。
  7. 前記保持部材が、前記錘の移動方向と平行な第1方向へ延びて前記錘を移動自在に収容する円柱状の内部空間を持ち、
    前記錘が、前記第1方向へ延びた楕円柱状若しくは角柱状の形状を持つ、
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の発電装置。
  8. 前記保持部材が、前記錘の移動方向と平行な第1方向へ延びて前記錘を移動自在に収容する内部空間を持ち、
    前記錘が、前記第1方向へ延びた形状を持ち、
    互いに対向する前記保持部材の内面と前記錘の外面との少なくとも一方には、複数の凸部が設けられており、
    前記錘が移動する場合、前記保持部材と前記錘とが前記複数の凸部において摺動する、
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の発電装置。
  9. 前記凸部が、前記第1方向に延びた円柱状の曲面を持ち、
    前記保持部材と前記錘とが前記凸部の前記曲面において摺動する、
    請求項8に記載の発電装置。
  10. 2以上の前記凸部が前記第1方向の異なる位置に設けられている、
    請求項8に記載の発電装置。
  11. 前記発電部は、
    前記錘との衝突による衝撃を前記磁歪素子に伝達する衝撃伝達部材と、
    前記衝撃伝達部材による前記磁歪素子への衝撃の伝達方向において前記磁歪素子と並んで配置された少なくとも1つの磁石と、
    前記磁歪素子が収容される孔を有し、前記孔の周りに導線が巻回されたコイルとを有し、
    前記錘の移動方向と前記衝撃伝達部材による衝撃の伝達方向とが平行であり、
    前記コイルの前記孔が、前記錘の移動方向と平行な第1方向へ延びており、
    前記衝撃伝達部材が、1以上の磁性部材を含み、
    前記1以上の磁性部材が、前記孔の一端から前記孔の外を通り前記孔の他端へ至る前記磁歪素子の磁束線の磁路を形成する、
    請求項1乃至10の何れか一項に記載の発電装置。
  12. 前記衝撃伝達部材が、前記第1方向へ相対的に変位可能に組み合わされた少なくとも2つの磁性部材を含む、
    請求項11に記載の発電装置。
  13. タイヤの内部に取り付けられた電子装置であって、
    電子回路と、
    前記電子回路に電源を供給する請求項1乃至11の何れか一項に記載の発電装置と
    を備える電子装置。
  14. 前記発電部が、前記錘に比べて前記タイヤの回転の中心から径方向に離れた場所で前記タイヤに固定される、
    請求項13に記載の電子装置。
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